(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】超音波撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2021549359
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 CN2020071098
(87)【国際公開番号】W WO2020168853
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】201910133780.X
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517073074
【氏名又は名称】无錫海斯凱尓医学技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUXI HISKY MEDICAL TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】へー、チョウン
(72)【発明者】
【氏名】サン、シボ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、ジンファ
(72)【発明者】
【氏名】サン、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ダン、ホウリ
【審査官】最首 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-152317(JP,A)
【文献】特開2012-065718(JP,A)
【文献】特開2013-121494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0323869(US,A1)
【文献】特開2009-112679(JP,A)
【文献】特開2016-182223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波撮像装置であって、プロセッサ、N個の超音波システム、通信チャネル及び超音波プローブを含み、Nが1より大きい正の整数であり、
前記プロセッサは、前記N個の超音波システムのうちの1つの超音波システムが有効状態にあるように、ユーザにより入力される超音波システム設定命令を受信するために用いられ、
有効状態にある超音波システムは、前記通信チャネルを介して前記超音波プローブに
状態制御命令を送信するために用いられ、
前記N個の超音波システムが個別に動作する際に、同一の前記通信チャネルを介した前記状態制御命令の伝送を行い、
前記超音波プローブは、前記
状態制御命令に基づいて有効状態にある超音波システムと協力して動作するために用いられることを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項2】
前記通信チャネルは、システム多重化アレイ及びセンサー制御アレイを含み、前記システム多重化アレイの一方が前記N個の超音波システムに接続され、他方が前記センサー制御アレイの一方に接続され、前記センサー制御アレイの他方が前記超音波プローブに接続され、
前記システム多重化アレイの一方には、Nグループのポートが含まれ、各グループのポートは、それぞれ1つの超音波システムに接続され、
前記システム多重化アレイは、前記有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令を前記センサー制御アレイに送信するために用いられ、
前記センサー制御アレイは、受信された前記有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令を前記超音波プローブに送信するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記システム多重化アレイは、システム多重化制御ユニットとシステム多重化接続ユニットを含み、前記システム多重化接続ユニットは、前記Nグループのポートを含み、
前記システム多重化制御ユニットは、前記有効状態にある超音波システムに基づき、前記システム多重化接続ユニットにおける、当該有効状態にある超音波システムに対応する1つのグループのポートが前記有効状態にある超音波システムに通信可能に接続されるように制御するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記システム多重化接続ユニットは、複数のスイッチで構成されるアレイであることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記超音波プローブには、M個のアレイ要素を含有し、Mが1より大きい正の整数であり、前記センサー制御アレイは、センサー制御ユニットとセンサー接続ユニットを含み、前記センサー接続ユニットが前記超音波プローブに接続され、
前記センサー制御ユニットは、前記有効状態にある超音波システムに基づき、前記センサー接続ユニットと前記有効状態にある超音波システムに対応する前記アレイ要素が動作するように制御するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記センサー接続ユニットは、複数のスイッチで構成されるアレイであることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記センサー接続ユニットの動作方法は、1対多の方法、または、1対1の方法であり、前記1対多の方法は、前記センサー接続ユニットのうちの1つのスイッチが少なくとも2つの前記アレイ要素に接続できると示し、前記1対1の方法は、前記センサー接続ユニットのうちの1つのスイッチが1つの前記アレイ要素に接続されると示すことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記N個の超音波システムは、互いに独立したハードウェアシステムであることを特徴とする請求項1-7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記N個の超音波システムは、同一ハードウェアシステムに集積されていることを特徴とする請求項1-7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
さらに、表示装置を含み、
前記プロセッサは、前記超音波プローブが前記通信チャネルに通信可能に接続されるか否かを検出し、通信可能に接続されていない場合、前記表示装置がリマインダ情報を表示するように制御するために用いられ、
前記表示装置は、前記超音波プローブが前記通信チャネルに接続されていないことをリマインダするためのリマインダ情報を表示するために用いられることを特徴とする請求項1-7のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、超音波データ伝送技術に関し、特に、超音波撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波撮像方法は、臨床診断に広く応用されており、さまざまな疾患の臨床診断の最優先選択方法になっている。超音波撮像方法は、超音波撮像装置のホストを介して超音波プローブの発射、信号受信を制御して超音波撮像の目的を達成する。
【0003】
科学技術の発展につれて、研究者は、超音波撮像システムを改善し続けて、超高速撮像ニーズをサポート可能な超高速撮像システムを取得した。
【0004】
超音波撮像システムと超高速撮像システムは、相違点が多く存在している。例えば、超音波撮像システムの多くは、ライン走査方法を採用して発射や、受信、撮像を行うが、超高速撮像システムの多くは、平面波の方法を採用して発射や、受信、撮像を行う。さらに、例えば、超音波撮像システムと超高速撮像システムは、動作中に使用するアレイ要素の数が異なり、撮像モードが異なるため、超音波プローブにより発射される励起電圧が完全に一致しない。なお、超高速撮像システム設計に対応する超音波プローブに対する要件も異なる。
【0005】
従来の超音波撮像装置に基づき、超高速超音波撮像システムを互換的にサポートすることができ、甚だしくは、その後の発展中に他の超音波撮像システムをサポートすることができるとともに、従来の超音波撮像装置の部材を十分且つ効果的に多重化することができ、優れた互換性、コンパクトな設計、低コストの超音波撮像システムを提供すれば、非常に重要且つ現実的な科学技術上の価値や経済的価値は実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、同一超音波撮像装置において、少なくとも2種類の撮像システムの機能を実現する超音波撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例は、プロセッサ、N個の超音波システム、通信チャネル及び超音波プローブを含む超音波撮像装置を提供し、Nが1より大きい正の整数であり、
前記プロセッサは、前記N個の超音波システムのうちの1つの超音波システムが有効状態にあるように、ユーザにより入力される超音波システム設定命令を受信するために用いられ、
有効状態にある超音波システムは、前記通信チャネルを介して前記超音波プローブに制御命令を送信するために用いられ、
前記超音波プローブは、前記制御命令に基づいて有効状態にある超音波システムと協力して動作するために用いられる。
【0008】
選択的に、前記通信チャネルは、システム多重化アレイ及びセンサー制御アレイを含み、前記システム多重化アレイの一方が前記N個の超音波システムに接続され、他方が前記センサー制御アレイの一方に接続され、前記センサー制御アレイの他方が前記超音波プローブに接続され、
前記システム多重化アレイの一方には、Nグループのポートが含まれ、各グループのポートは、それぞれ1つの超音波システムに接続され、
前記システム多重化アレイは、前記有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令を前記センサー制御アレイに送信するために用いられ、
前記センサー制御アレイは、受信された前記有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令を前記超音波プローブに送信するために用いられる。
【0009】
選択的に、前記システム多重化アレイは、システム多重化制御ユニットとシステム多重化接続ユニットを含み、前記システム多重化接続ユニットは、前記Nグループのポートを含み、
前記システム多重化制御ユニットは、前記有効状態にある超音波システムに基づき、前記システム多重化接続ユニットにおける、当該有効状態にある超音波システムに対応する1つのグループのポートが前記有効状態にある超音波システムに通信可能に接続されるように制御するために用いられる。
【0010】
選択的に、前記システム多重化接続ユニットは、複数のスイッチで構成されるアレイである。
【0011】
選択的に、前記超音波プローブには、M個のアレイ要素を含有し、Mが1より大きい正の整数であり、前記センサー制御アレイは、センサー制御ユニットとセンサー接続ユニットを含み、前記センサー接続ユニットが前記超音波プローブに接続され、
前記センサー制御ユニットは、前記有効状態にある超音波システムに基づき、前記センサー接続ユニットと前記有効状態にある超音波システムに対応する前記アレイ要素が動作するように制御するために用いられる。
【0012】
選択的に、前記センサー接続ユニットは、複数のスイッチで構成されるアレイである。
【0013】
選択的に、前記センサー接続ユニットの動作方法は、1対多の方法、または、1対1の方法であり、前記1対多の方法は、前記センサー接続ユニットのうちの1つのスイッチが少なくとも2つの前記アレイ要素に接続できると示し、前記1対1の方法は、前記センサー接続ユニットのうちの1つのスイッチが1つの前記アレイ要素に接続されると示す。
【0014】
選択的に、前記N個の超音波システムは、互いに独立したハードウェアシステムである。
【0015】
選択的に、前記N個の超音波システムは、同一ハードウェアシステムに集積されている。
【0016】
選択的に、前記超音波撮像装置は、さらに、表示装置を含み、
前記プロセッサは、前記超音波プローブが前記通信チャネルに通信可能に接続されるか否かを検出し、通信可能に接続されていない場合、前記表示装置がリマインダ情報を表示するように制御するために用いられ、
前記表示装置は、前記超音波プローブが前記通信チャネルに接続されていないことをリマインダするためのリマインダ情報を表示するために用いられる。
【発明の効果】
【0017】
本願の実施例は、超音波撮像装置を提供し、N個の超音波システムが設けられた超音波撮像装置では、プロセッサを介してユーザの設定命令に基づき、超音波撮像装置の現在の動作システムを指示可能な制御命令を生成し、制御命令を利用してN個の超音波システムのうちの1つの超音波システムが動作し、即ち、有効状態にあるように制御し、有効状態にある超音波システムは、制御命令に基づいて状態制御命令を生成し、通信チャネルのチャネル設定を制御し、これにより、設定された通信チャネルは、有効状態にある超音波システムにより生成される状態制御命令を超音波プローブに伝送することができ、これにより、超音波プローブが状態制御命令に対応する動作を実行するように制御する。また、超音波プローブは、フィードバック情報を設定された通信チャネルを介して有効状態にある超音波システムにフィードバックする。N個の超音波システムが個別に動作する際に、いずれも同一通信チャネルを介した状態制御命令の伝送、および、フィードバック情報の伝送は実現され、これにより、超音波撮像装置は、N個の超音波システムにおける超音波システムごとに、それぞれ通信チャネルを配置する必要がなく、超音波撮像装置の機能の互換性を向上させ、超音波撮像装置を製造するコストやボリュームを削減する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本願の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するため、以下に実施例又は従来技術の記述には使用する必要がある図面を簡単に説明するが、当然ながら、以下に記載する図面は本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力なしにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【
図1】本願の一実施例により提供される超音波撮像装置の構造概略図である。
【
図2】本願の一実施例により提供される通信チャネルの構造概略図である。
【
図3】本願の一実施例により提供されるシステム多重化アレイの構造概略図である。
【
図4】本願の一実施例により提供されるシステム多重化接続ユニットの接続概略図である。
【
図5】本願の一実施例により提供されるセンサー制御アレイの構造概略図である。
【
図6】本願の一実施例により提供されるセンサー接続ユニットの動作方法が1対多である場合の概略図である。
【
図7】本願の一実施例により提供されるセンサー接続ユニットの動作方法が1対1である場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本願の実施例に係る図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭で、且つ完全に説明し、当然ながら、記載される実施例は本願の実施例の一部にすぎず、すべての実施例ではない。当業者が本願における実施例に基づいて創造的な労働なしに取得されたその他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0020】
本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面中の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(あれば)は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の手順又は順番を説明するためのものである必要はない。
なお、本願の実施例では、「接続」や「連結」などの用語は、特に規定や限定されていない限り、広い意味で理解されるべきであり、例えば、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接に接続されてもよく、中間媒体を介して間接に接続されてもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよく、当業者にとっては、特に明記されていない限り、上記用語の本願の実施例における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解されることができる。
【0021】
図1は、本願の一実施例により提供される超音波撮像装置の構造概略図であり、
図1に示すように、本実施例に係る超音波撮像装置は、プロセッサ10、N個の超音波システム20、通信チャネル30及び超音波プローブ40を含むことができる。Nが1より大きい正の整数である。
【0022】
プロセッサ10は、前記N個の超音波システム20のうちの1つの超音波システム20が有効状態にあるように、ユーザにより入力される超音波システム設定命令を受信するために用いられる。
【0023】
有効状態にある超音波システムは、通信チャネル30を介して超音波プローブ40に制御命令を送信するために用いられる。
【0024】
超音波プローブ40は、制御命令に基づいて有効状態にある超音波システムと協力して動作するために用いられる。
【0025】
本実施例では、超音波撮像装置は、N個の超音波システム20を含み、本願の実施例では、2つの超音波システム20を含む超音波撮像装置を例として説明し、2つの超音波システムは、それぞれ第1の超音波システムと第2の超音波システムである。
【0026】
超音波システム設定命令は、ユーザが現在のニーズに応じてリアルタイムに入力する超音波システム設定命令であってもよく、例えば、ユーザは、現在、第1の超音波システムを使用する必要がある場合、第1の超音波システムが有効状態にあるような命令をプロセッサ10に入力することができるが、ユーザは、その次に、第2の超音波システムを使用する場合、第2の超音波システムが有効状態にあるような命令をプロセッサに入力する。超音波システム設定命令は、ユーザにより設定される第1の超音波システムと第2の超音波システムの使用フローであってもよい。例えば、第1の超音波システムが有効状態にある期間と第2の超音波システムが有効状態にある期間をそれぞれ設定する。第1の超音波システムと第2の超音波システムは、同時に有効状態にあることができず、即ち、第1の超音波システムと第2の超音波システムを同時に使用することができない。
【0027】
プロセッサ10は、ユーザにより入力される超音波システム設定命令を取得した後に、超音波システム設定命令に基づいて超音波撮像装置の現在の動作システムを決定し、現在の動作システムは、即ち、超音波撮像装置の2つの超音波システム20における、有効状態にある超音波システムであり、有効状態にある超音波システムに対応する制御命令を生成し、制御命令を有効状態にある超音波システムに送信する。
【0028】
選択的に、超音波撮像装置は、さらに、制御チャネル50を含むことができる。制御チャネル50は、制御命令を有効状態にある超音波システムに伝送するために用いられる。
【0029】
プロセッサ10は、同一制御チャネル50を使用して第1の超音波システム又は第2の超音波システムに制御命令を送信することができ、互いに独立した制御チャネル50を使用して第1の超音波システムと第2の超音波システムに制御命令を送信することができると理解することができる。同一制御チャネル50を使用すると、制御チャネル50は、高速シリアルコンピュータ拡張バス規格(Peripheral Component Interconnect Express,PCIe)ケーブル又はUSBインタフェースであってもよい。互いに独立した制御チャネル50を使用すると、互いに独立した制御チャネル50は、両方ともPCIeケーブル又はUSBインタフェースであってもよく、1つがPCIeケーブルで、もう1つがUSBインタフェースであってもよい。
【0030】
第1の超音波システムは、プロセッサ10により送信される制御命令を受信した場合、第1の超音波システムが有効状態にあり、制御命令に基づき、超音波プローブ40の動作状態が第1の超音波システムに対応するように制御可能な状態制御命令を生成し、通信チャネル30が、第1の超音波システムに対応する状態制御命令を超音波プローブ40に送信できるように、チャネル設定を行うように制御する。第2の超音波システムは、プロセッサ10により送信される制御命令を受信した場合、第2の超音波システムが有効状態にあり、制御命令に基づき、超音波プローブ40の動作状態が第2の超音波システムに対応するように制御可能な状態制御命令を生成し、通信チャネル30が、第2の超音波システムに対応する状態制御命令を超音波プローブ40に送信できるように、チャネル設定を行うように制御する。
【0031】
超音波プローブ40は、状態制御命令を受信した後に、状態制御命令に基づいて有効状態にある超音波システムと協力して動作する。
【0032】
本実施例では、N個の超音波システムが設けられた超音波撮像装置では、プロセッサを介してユーザの設定命令に基づき、超音波撮像装置の現在の動作システムを指示可能な制御命令を生成し、制御命令を利用してN個の超音波システムのうちの1つの超音波システムが動作し、即ち、有効状態にあるように制御し、有効状態にある超音波システムは、制御命令に基づいて状態制御命令を生成し、通信チャネルのチャネル設定を制御し、これにより、設定された通信チャネルは、有効状態にある超音波システムにより生成される状態制御命令を超音波プローブに伝送することができ、これにより、超音波プローブが状態制御命令に対応する動作を実行するように制御する。また、超音波プローブは、フィードバック情報を設定された通信チャネルを介して有効状態にある超音波システムにフィードバックする。N個の超音波システムが個別に動作する際に、いずれも同一通信チャネルを介した状態制御命令の伝送、および、フィードバック情報の伝送は実現され、これにより、超音波撮像装置は、N個の超音波システムにおける超音波システムごとに、それぞれ通信チャネルを配置する必要がなく、超音波撮像装置の機能の互換性を向上させ、超音波撮像装置を製造するコストやボリュームを削減する。
【0033】
選択的に、
図2は、本願の一実施例により提供される通信チャネルの構造概略図であり、
図2に示すように、
図1に示す実施例に基づき、通信チャネル30は、システム多重化アレイ31及びセンサー制御アレイ32を含み、システム多重化アレイ31の一方がN個の超音波システム20に接続され、他方がセンサー制御アレイ32の一方に接続され、センサー制御アレイ32の他方が超音波プローブ40に接続される。
【0034】
システム多重化アレイ31の一方には、Nグループのポートが含まれ、各グループのポートは1つの超音波システム20に接続される。
【0035】
システム多重化アレイ31は、有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令をセンサー制御アレイ32に送信するために用いられる。
【0036】
センサー制御アレイ32は、受信された有効状態にある超音波システムにより発送される状態制御命令を超音波プローブ40に送信するために用いられる。
【0037】
本実施例では、第1の超音波システムと第2の超音波システムにおいて、制御命令を受信した超音波システムは、動作し始め、例えば、第1の超音波システムは、制御命令を受信したと、第1の超音波システムが有効状態にあり、制御命令に基づいて状態制御命令を生成し、システム多重化アレイ31が第1の超音波システムに接続されるように制御し、システム多重化アレイ31とセンサー制御アレイ32との接続状態、および、センサー制御アレイ32と超音波プローブ40との間の接続状態を制御する。これにより、システム多重化アレイ31とセンサー制御アレイ32は、第1の超音波システムにより生成される状態制御命令を超音波プローブ40に伝送することができる。
【0038】
選択的に、
図3は、本願の一実施例により提供されるシステム多重化アレイの構造概略図であり、
図3に示すように、上記各実施例に基づき、システム多重化アレイ31は、システム多重化制御ユニット311とシステム多重化接続ユニット312とを含み、システム多重化接続ユニット312は、前記Nグループのポートを含む。
【0039】
システム多重化制御ユニット311は、有効状態にある超音波システムに基づき、システム多重化接続ユニット312における、当該有効状態にある超音波システムに対応する1つのグループのポートが有効状態にある超音波システムに通信可能に接続されるように制御するために用いられる。
【0040】
具体的に、システム多重化接続ユニット312は、前記Nグループのポートを含み、各グループのポートは、N個の超音波システム20のうちの1つの超音波システムに接続されるために用いられる。
【0041】
超音波撮像装置は2つの超音波システムを含み、即ち、超音波撮像装置は、第1の超音波システムと第2の超音波システムとを含むと、システム多重化制御ユニット311は、第1の超音波システムと第2の超音波システムにおける、有効状態にある超音波システムにより制御され、システム多重化制御ユニット311は、システム多重化接続ユニット312における2つのポートの接続状態を制御し、これにより、システム多重化接続ユニット312の2つのポートは、同時点に、1つのポートのみが接続される。システム多重化接続ユニット312に含まれるポートの数は、超音波撮像装置に含まれる超音波システムの数より大きいか、または、等しい。即ち、システム多重化制御ユニット311は、有効状態にある超音波システムが第1の超音波システムであると決定し、制御システム多重化接続ユニット312のポートにおける、第1の超音波システムに接続されるポートが第1の超音波システムに接続され、有効状態にある超音波システムが第2の超音波システムであると決定する場合、制御システム多重化接続ユニット312のポートにおける、第2の超音波システムに接続されるためのポートが第2の超音波システムに接続される。これにより、システム多重化アレイ31は、同時点に、第1の超音波システム又は第2の超音波システムにより送信される状態制御命令のみを受信することができ、状態制御命令をセンサー制御アレイ32に送信する。
【0042】
選択的に、
図4は、本願の一実施例により提供されるシステム多重化接続ユニットの接続概略図である。
図4に示すように、システム多重化接続ユニット312は、複数のスイッチで構成されるアレイである。
図4に示される超音波撮像装置は、2つの超音波システムを含み、2つの超音波システムがそれぞれ第1の超音波システムと第2の超音波システムであり、且つ、システム多重化接続ユニット312には、4つのスイッチが含まれる。
【0043】
具体的に、有効状態にある超音波システムは、第1の超音波システムであると、第1の超音波システムは、システム多重化制御ユニット311がシステム多重化接続ユニット312におけるスイッチが第1の超音波システムに接続されるように制御するように制御し、有効状態にある超音波は、第2の超音波システムであると、システム多重化制御ユニット311は、システム多重化接続ユニット312におけるスイッチが第2のシステムに接続されるように制御する。これにより、システム多重化アレイ31は、第1の超音波システムに接続されてもよいし、第2の超音波システムに接続されてもよいことを実現し、また、第1の超音波システムと第2の超音波システムは、システム多重化アレイ31を介して異なる発射、受信、撮像方法にしたがって動作することができ、第1の超音波システムと第2の超音波システムは、互いに相手から発射された励起電圧の映像を受信しない。
【0044】
選択的に、
図5は、本願の一実施例により提供されるセンサー制御アレイの構造概略図であり、
図5に示すように、上記各実施例に基づき、前記超音波プローブには、M個のアレイ要素を含有し、Mが1より大きい正の整数であり、センサー制御アレイ32は、センサー制御ユニット321とセンサー接続ユニット322を含み、センサー接続ユニット322が前記超音波プローブ40に接続される。
【0045】
センサー制御ユニット321は、現在の動作システムに基づき、センサー接続ユニット322と現在の動作システムに対応する前記アレイ要素が動作するように制御するために用いられる。
【0046】
具体的に、センサー制御ユニット321は、有効状態にある超音波システムにより制御され、センサー制御ユニット321は、センサー接続ユニット322の動作方法を制御し、即ち、センサー接続ユニット322における、有効状態にある超音波システムに対応する前記アレイ要素が動作するようにさせ、状態制御命令を超音波プローブ40における、有効状態にある超音波システムに対応するアレイ要素に伝送し、これにより、アレイ要素が状態制御命令にしたがって動作する。センサー制御アレイ32を介して状態制御命令を有効状態にある超音波システムに対応するアレイ要素に送信することは実現され、これにより、アレイ要素は、有効状態にある超音波システムにより送信される状態制御命令に基づいて動作する。
【0047】
選択的に、センサー接続ユニット322は、複数のスイッチで構成されるアレイである。
【0048】
具体的に、センサー接続ユニット322が状態制御命令を伝送するプロセスは、システム多重化アレイ31がシステム多重化接続ユニット312の出力ポートを介してセンサー接続ユニット322に状態制御命令を伝送し、センサー制御アレイ32が状態制御命令を受信した後に、センサー接続ユニット322における閉じられたスイッチを介して超音波プローブ40に状態制御命令を送信するようになっている。
【0049】
選択的に、センサー接続ユニット322の動作方法は、1対多の方法、または、1対1の方法であり、1対多の方法は、センサー接続ユニット322のうちの1つのスイッチが少なくとも2つのアレイ要素に接続できると示すが、1対1の方法は、センサー接続ユニット322のうちの1つのスイッチが1つのアレイ要素に接続されると示す。
【0050】
図6は、本願の一実施例により提供されるセンサー接続ユニットの動作方法が1対多である場合の概略図である。
図6に示すように、センサー接続ユニット322は、システム多重化アレイ31と超音波プローブ40との間に位置し、システム多重化アレイ31と超音波プローブ40を接続するために用いられる。センサー接続ユニット322は、1つのスイッチの一端がシステム多重化アレイ31の一端に接続され、他端が超音波プローブ40における4つのアレイ要素のインタフェースに接続される。現在の動作システムが第1の超音波システムであると決定すると、第1の超音波システムは、センサー制御ユニット321がセンサー接続ユニット322における任意の1つのスイッチがシステム多重化アレイ31を4つのアレイ要素における対応するアレイ要素に接続するように制御するように制御し、これにより、対応するアレイ要素が動作するように制御する。
【0051】
現在の動作システムが第2の超音波システムであると決定すると、センサー接続ユニット322の動作原理及びプロセスは、現在の動作システムが第1の超音波システムである状況に関する説明を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0052】
図7は、本願の一実施例により提供されるセンサー接続ユニットの動作方法が1対1である場合の概略図である。
図7に示すように、センサー接続ユニット322は、1つのスイッチの一端がシステム多重化アレイ31の一端に接続され、他端が超音波プローブ40のうちの1つのアレイ要素のインタフェースに接続される。現在の動作システムが第1の超音波システムであると決定すると、第1の超音波システムは、センサー制御ユニット321がセンサー接続ユニット322における任意の1つのスイッチが閉じられた状態にあるように制御するように制御し、即ち、1つのアレイ要素を使用する必要があると、当該アレイ要素に接続されるスイッチが閉じられ、これにより、システム多重化アレイ31を有効状態にある超音波システムに関連するアレイ要素に接続し、対応するアレイ要素が動作するように制御することを実現する。
【0053】
選択的に、超音波撮像装置におけるN個の超音波システム20は、互いに独立したハードウェアシステムであってもよい。
【0054】
選択的に、超音波撮像装置におけるN個の超音波システム20は、同一ハードウェアシステムに集積されることができる。
【0055】
選択的に、超音波撮像装置は、さらに、表示装置を含む。
【0056】
プロセッサは、超音波プローブ40が通信チャネル30に通信可能に接続されるか否かを検出し、通信可能に接続されていない場合、前記表示装置がリマインダ情報を表示するように制御するために用いられる。
【0057】
表示装置は、超音波プローブ40が通信チャネル30に接続されていないことをリマインダするためのリマインダ情報を表示するために用いられる。
【0058】
具体的に、通信チャネル30は、状態信号を伝送するために用いられることができ、状態信号が超音波プローブ40の動作状態を示し、異なる工作状態が異なる状態信号に対応する。例えば、超音波プローブ40が通信チャネル30に接続されていないと、状態信号が00であるが、第1の超音波システムの状態制御命令にしたがって動作すると、状態信号が01であるが、第2の超音波システムの状態制御命令に従って動作すると、状態信号が10である。超音波プローブ40の動作状態は、超音波プローブ40が通信チャネル30に接続されていない状態か、または、第1の超音波システムの状態制御命令にしたがって動作する状態であるか、または、第2の超音波システムの状態制御命令にしたがって動作する状態である。
【0059】
超音波撮像装置システムが初期化されると、先に超音波プローブ40の動作状態を検出する必要がある。通信チャネル30が自発的に状態信号をプロセッサ10に伝送し、プロセッサ10が受信された状態信号に基づいて超音波プローブ40の動作状態を判断してもよいが、プロセッサ10を介して超音波プローブ40に問い合わせ信号を送信してもよく、超音波プローブ40は、異なる動作状態では、応答信号が異なり、プロセッサ10は、受信された応答信号に基づいて超音波プローブ40の動作状態を判断する。
【0060】
プロセッサ10は、超音波プローブ40が通信チャネル30に接続されていないと検出すると、超音波プローブ40が通信チャネル30に接続されておらず、超音波プローブ40を通信チャネル30に接続する必要があることをユーザにリマインダするためのリマインダ情報を表示装置に表示する。
【0061】
選択的に、上記各実施例における第1の超音波システムは、超音波撮像システムであってもよく、第2の超音波システムは、超高速撮像システムであってもよい。
【0062】
最後に説明すべきなのは、以上の各実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものだけであり、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の主旨から逸脱しないと理解すべきである。