(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】防錆組成物及び防錆方法
(51)【国際特許分類】
C23F 11/00 20060101AFI20230106BHJP
C09D 5/08 20060101ALI20230106BHJP
C09D 123/20 20060101ALI20230106BHJP
C09D 179/02 20060101ALI20230106BHJP
C09D 191/06 20060101ALI20230106BHJP
C09D 109/06 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
C23F11/00 C
C09D5/08
C09D123/20
C09D179/02
C09D191/06
C09D109/06
(21)【出願番号】P 2022001379
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029698
【氏名又は名称】テック大洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100214363
【氏名又は名称】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】鳥潟 浩司
(72)【発明者】
【氏名】鳥潟 佑樹
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/170868(WO,A1)
【文献】特開2013-163855(JP,A)
【文献】特表2013-523922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23F 11/00
C09D 5/08
C09D 123/20
C09D 179/02
C09D 191/06
C09D 109/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリブテン系重合体、融点35℃以上のワックス及びポリアニリン系重合体を含有
し、
防錆組成物全量100質量%に対して、
前記ポリブテン系重合体の含有量が1質量%以上75質量%以下であり、
前記融点35℃以上のワックスの含有量が7質量%以上80質量%以下であり、
前記ポリアニリン系重合体の含有量が2質量%以上17質量%以下である、
防錆組成物。
【請求項2】
さらに、水添スチレン系熱可塑性エラストマ、ヨウ素価100超の油、アルキド樹脂及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種以上を含有する、請求項1に記載の防錆組成物。
【請求項3】
金属部材に、請求項
1又は2に記載の防錆組成物から形成された層を設ける防錆方法。
【請求項4】
請求項
1又は2に記載の防錆組成物から形成された層を有する部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防錆組成物及び防錆方法に関する。さらに、当該防錆組成物の層を有する部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車体や家電製品等における板合わせ部、車体の床裏、車体の足回り部品、車体のドアやボンネットにおける袋構造部には、ワックス及び各種添加剤が有機溶剤に溶解又は分散したワックス型防錆剤を用いた防錆処理が行われている。
特に、板合わせ部(鋼板の接合部)は、所望の形状とされた複数の鋼板を当接させてスポット溶接等で接合した構造のため、メッキ皮膜、化成皮膜及び電着塗装皮膜が充分に形成されない部分が生じるおそれがある。このため、板合わせ部は、裸状態の鋼板が腐食環境に暴露されるおそれがあり、ワックス型防錆剤を用いて充分な防錆処理を行うことが重要となる。
【0003】
車体や家電製品等における板合わせ部、車体の床裏、車体の足回り部品、車体のドアやボンネットにおける袋構造部の防錆処理のためのワックス型防錆組成物としては、例えば、ノックスドールシリーズ等の防錆剤が市販され、広く使用されており、さらに、これまで種々のものが検討されている。
特許文献1には、石油スルフォネート、ラノリン脂肪酸、硬化ヒマシ油並びにリン片状充填材及び/又は繊維状充填材を含有する防錆塗料を、自動車の車体外板や車体部品の防錆に用いることが記載されている。
特許文献2には、防錆添加剤、ワックス、硬化油及び希釈材を含む防錆組成物であって、さらにベントナイトを組成物全体に対して2~6質量%含む、防錆組成物が記載されている。
特許文献3には、ヨウ素価130以上の油脂類を熱重合させた加熱重合乾性油、天然ワックス及び剛性ワックス類から選ばれた少なくとも1種のワックス類、及び/又は、スルホン酸塩類、カルボン酸塩類、脂肪酸エステル類、アミン塩類、酸化パラフィンワックス類、酸化ワックス塩類の中から選ばれた防錆添加剤類を、鉱物油系潤滑油基油類、合成潤滑油基材、液状飽和炭化水素混合物、植物油系半乾性油類及び鉱物油系不乾性油類から選ばれた少なくとも1種の溶媒により溶解又は分散させた、防錆組成物が記載されている。
特許文献4には、ワックス、数平均直径が100~600nmのドープされたポリアニリン成分及び流動パラフィンを含有する、防食組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-222565号公報
【文献】特開2014-198864号公報
【文献】特開2006-16632号公報
【文献】特表2013-523922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市販の防錆組成物や特許文献1~4の防錆組成物は、車体や家電製品等における板合わせ部、車体の床裏、車体の足回り部品、車体のドアやボンネットにおける袋構造部の防錆処理のために有用なものである。しかしながら、ノックスドール等の市販の防錆組成物や特許文献1~3の防錆組成物は、過酷な条件下における長期防錆性等の点で満足できるものではない。また、特許文献4の防食組成物は、常温で液状である流動パラフィンを含むことから、形成された膜の取扱性等の点で満足できるものではなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備える防錆組成物を提供することである。
さらに、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備えるとともに、揮発性有機溶剤使用量が低減された防錆組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、以下の構成により上記課題が解決できることを見いだし、本発明に到達した。
具体的な構成は、次のとおりである。
[項1] ポリブテン系重合体、融点35℃以上のワックス及びポリアニリン系重合体を含有する、防錆組成物。
[項2] さらに、水添スチレン系熱可塑性エラストマ、ヨウ素価100超の油、アルキド樹脂及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種以上を含有する、項1に記載の防錆組成物。
[項3]
ポリアニリン系重合体の含有量が、防錆組成物全量に対して2質量%以上17質量%以下である、項1又は2に記載の防錆組成物。
[項4]
金属部材に、項1~3のいずれか1項に記載の防錆組成物から形成された層を設ける防錆方法。
[項5]
項1~3のいずれか1項に記載の防錆組成物から形成された層を有する部材。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備える防錆組成物を提供することができる。
さらに、本発明により、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備えるとともに、揮発性有機溶剤使用量が低減された防錆組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の防錆組成物及び当該防錆組成物から形成された層を有する部材について詳細に説明する。なお、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、以下に例示される実施形態により何ら制限されない。
【0010】
[防錆組成物]
本発明の防錆組成物は、ポリブテン系重合体、融点35℃以上のワックス及びポリアニリン系重合体を含有する。
また、本発明の防錆組成物は、さらに、水添スチレン系熱可塑性エラストマ、ヨウ素価100超の油、アルキド樹脂及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種以上を含有することができる。
さらに、本発明の防錆組成物は、ポリアニリン系重合体の含有量を、防錆組成物全量に対して2質量%以上17質量%以下とすることができる。
【0011】
<ポリブテン系重合体>
ポリブテン系重合体は、化学結合性の架橋部位を有さないものであれば特に限定されない。例えば、イソブテン(イソブチレン)を主体として一部ノルマルブテン(1-ブテン、2-ブテン)が反応した長鎖炭化水素の分子構造を有する共重合体を用いることができる。これにより、防錆組成物の膜のべたつきやブリードの防止、防錆組成物の膜の硬度の低減、防錆組成物の流動性の向上等を図ることが可能となる。
ポリブテン系重合体としては、市販品を適宜使用することができる。例えば、ENEOS社製の「日石ポリブテン」、日油社製の「日油ポリブテン・エマウエット」、BASF社製の「Oppanol」、三井化学社製の「ビューロン」、イオネス社製の「インドポール」、出光興産社製の「出光ポリブテン」等の商品シリーズの各グレード品からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0012】
ポリブテン系重合体の数平均分子量は、とくに限定されない。例えば800以上、好ましくは900以上であり、例えば3000以下、好ましくは1500以下とすることができる。なお、数平均分子量は、カタログ値とすることができ、また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により得られた値(例えば、GPCとして東ソー社製「HLC-8120GPC」を、検知器として示差屈折計を、カラムとして東ソー社製「GMHHXL」を用い、カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフランの条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した値)とすることができる。
【0013】
ポリブテン系重合体は、塗工作業性等の点から、JIS K2269:1987「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に基づいて測定される流動点が、例えば25℃以下、好ましくは20℃以下、より好ましくは5℃以下であり、例えば-10℃以上、好ましくは-8℃以上とすることができる。これにより、防錆組成物の塗工性及び形成された膜の取扱性を適切なものとすることができる。
【0014】
ポリブテン系重合体は、塗工作業性等の点から、JIS K2283:2000「原油及び石油製品-動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に基づいて測定される40℃での動粘度が、例えば5,000mm2/s以上、好ましくは9,000mm2/s以上であり、例えば35,000mm2/s以下、好ましくは30,000mm2/s以下とすることができる。これにより、防錆組成物の塗工性及び形成された膜の取扱性を適切なものとすることができる。
【0015】
ポリブテン系重合体の防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、例えば75質量%以下、好ましくは70質量%以下である。ポリブテン系重合体の防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工性及び形成された膜の取扱性を適切なものとすることができる。
【0016】
<融点35℃以上のワックス>
融点35℃以上のワックスとしては、特に限定されない。例えば、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス(パラフィン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、フィッシャー・トロプシュ系、エチレン-プロピレン共重合系、石油系等)、酸化ワックス、動物系ワックス(みつろう、ラノリン、鯨ろう等)、植物系ワックス(キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等)、鉱物系ワックス(モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0017】
融点35℃以上のワックスとしては、市販品を適宜使用することができる。合成ワックスとしては、例えば、日本精蝋社製のワックス(130°F、145°F、HNP-3、HNP-9、NPS-9210、NPS-8010、OX-1749、OX-0851、MAW-0300、MAW-0041、MAW-0071、MAW-8061、MAW-9088、WEISSEN-0373等)、ENEOS社製のワックス(135°F等)、中京油脂社製のワックス(NP-WAX-H-10等);酸化ワックスとしては、石油留分の精製において得られるパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の各種ワックスを酸化したものであって、例えば、日本精蝋社製のワックス(OX-2251、NPS-8070、ET-0030、ET-0204等);植物系ワックスとしては、例えば、加藤洋行社製のワックス(キャンデリラワックス、カルナバワックス等);動物系ワックスとしては、例えば、加藤洋行社製のワックス(みつろう等)等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0018】
本発明における融点35℃のワックスにおいて、融点の上限は特に限定されない。例えば150℃以下、好ましくは120℃以下である。ワックスの融点が35℃以上であると膜の防錆性及び塗膜の硬度が適切なものとなり、ワックスの融点が150℃以下であると、ワックス成分の析出を抑制することができる。本発明におけるワックスの融点は、一般的な融点に加えて、軟化点、流動点及び凝結点を含むものである。ワックスの融点は、カタログ値とすることができ、また、JIS K0064:1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に準拠して求めることができる。
本発明においては、融点の異なるワックスを2種以上混合して用いてもよい。例えば、融点50℃以下のワックス(低融点ワックス)と融点50℃以上のワックス(高融点ワックス)を混合して用いることがでできる。低融点ワックスと高融点ワックスの含有比は特に限定されない。高融点ワックス/低融点ワックスとして、例えば0.3以上、好ましくは0.5以上であり、例えば2.7以下、好ましくは1.0以下とすることができる。
【0019】
融点35℃以上のワックスの酸価は、特に限定されない。例えば5mgKOH/g以上、好ましくは8mgKOH/g以上であり、例えば200mgKOH/g以下、好ましくは100mgKOH/g以下とすることができる。ワックスの酸価は、カタログ値とすることができ、また、JIS K2501:2003「石油製品及び潤滑油-中和価試験方法」の「7.電位差滴定法(酸価)」に準拠して求めることができる。
【0020】
融点35℃以上のワックスの防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば7質量%以上、好ましくは9質量%以上であり、例えば80質量%以下、好ましくは35質量%以下である。融点35℃以上のワックスの防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工作業性及び防錆組成物の膜の防錆性を適切なものとすることができる。
【0021】
(ポリアニリン系重合体)
ポリアニリン系重合体は、公知のポリアニリン系重合体を制限なく用いることができる。例えば、市販品を用いることができ、また、アニリン又はアニリン誘導体を、公知の電解酸化重合法又は公知の化学酸化重合法により重合して得られたものを用いることができる。ポリアニリン系重合体は、1種以上を用いることができる。本発明においては、化学酸化重合法により重合して得られたものや市販品を用いることが好ましい。
ポリアニリン系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、導電性や取扱性の観点から、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定のポリスチレン換算で、1,000~1,000,000の範囲内である。好ましくは、2,000~500,000の範囲内である。
【0022】
ポリアニリン系重合体を製造する際に用いられるアニリン又はアニリン誘導体としては、アニリン骨格を有するものであれば特に限定されず、例えば、アニリン又はアニリンのベンゼン環上の水素を、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシル基、シアノ基、スルホン酸基等から選ばれる1つ以上の置換基で置換した化合物があげられ、塩酸塩、硫酸塩であってもよい。例えば、アニリン、o-トルイジン、m-トルイジン、o-エチルアニリン、m-エチルアニリン、o-エトキシアニリン、m-ブチルアニリン、m-ヘキシルアニリン、m-オクチルアニリン、2,3-ジメチルアニリン、2,5-ジメチルアニリン、2,5-ジメトキシアニリン、o-シアノアニリン、2,5-ジクロロアニリン、2-ブロモアニリン、5-クロロ-2-メトキシアニリン、3-フェノキシアニリン、アミノベンゼンスルホン酸、2-アミノアニソール-スルホン酸、3-アミノアニソール-スルホン酸、4-アミノアニソール-スルホン酸、これらの塩酸塩、硫酸塩等から選ばれる1種以上を用いることができる。好ましくは、アニリン、アニリン塩酸塩、アニリン硫酸塩、アミノベンゼンスルホン酸、アルコキシアニリン等から選ばれる1種以上が用いられる。
【0023】
ポリアニリン系重合体を化学酸化重合により得る際に用いられる酸化剤(重合開始剤)は、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化鉄(II)、過酸化水素等の酸化剤があげられる。好ましくは、過硫酸アンモニウムに代表される過硫酸類があげられる。また、化学酸化重合の際の重合条件としては、公知の条件を採用することができ、例えば、反応温度として-40℃~80℃、好ましくは-5℃~30℃である。
【0024】
ポリアニリン系重合体は、公知のドーピング手段によりドーパントを含むものでもよい。ドーパントは、一般に用いられるアクセプター性のドーパントであり、公知のものを用いることができる。例えば、塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン、塩酸、硫酸、過塩素酸、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸又はヘキサフルオロリン酸アンモニウム等のプロトン酸、その塩又はそのアニオン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素又は三フッ化ホウ素等のルイス酸、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、五フッ化モリブデン又は塩化第二鉄等の遷移金属ハロゲン化物、安息香酸、フタル酸又はクエン酸等のカルボン酸、あるいはベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸アンモニウム、ナフタレンスルホン酸トリメチルアンモニウム又はポリスチレンスルホン酸アンモニウム等のスルホン酸、その塩又はそのアニオン、p-t-ブチルフェノール、m-t-オクチルフェノール、p-ニトロフェノール等のフェノール類から選ばれる1種以上があげられる。
【0025】
本発明におけるポリアニリン系重合体の製造方法としては、アニリンを界面活性剤の存在下に化学酸化重合する方法、あるいは、界面活性剤と反応させて両親媒性構造のアニリンモノマーにした後に化学酸化重合する方法を用いると、各種有機溶剤や水に可溶なポリアニリン系重合体を得ることができるため好ましい。界面活性剤としては、長鎖アルキルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、長鎖アルキル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、中性界面活性剤等を用いることができる。
【0026】
具体的には、アニリン塩酸塩又はアニリン硫酸塩と、ドデシル硫酸ナトリウムやセチルトリメチルアンモニウムブロマイド等の界面活性剤と、必要に応じて水等の溶剤とを混合し、過硫酸アンモニウムや過酸化水素、塩化第二鉄等の酸化剤を添加して化学酸化重合した後に、必要に応じて貧溶媒を添加してポリアニリンを析出させ、分離・乾燥する方法が挙げられる。
【0027】
ポリアニリン系重合体の防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば2質量%以上、好ましくは3質量%以上であり、例えば17質量%以下、好ましくは15質量%以下である。ポリアニリン系重合体の防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の過酷な条件下における長期防錆性を適切なものとすることができる。
【0028】
<水添スチレン系熱可塑性エラストマ>
本発明の防錆組成物は、水添スチレン系熱可塑性エラストマを含んでいてもよい。
水添スチレン系熱可塑性エラストマは、塗膜形成成分としての機能を有する。水添スチレン系熱可塑性エラストマとしては、スチレン系エラストマ、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体を水添処理したもの等が挙げられる。水添スチレン系熱可塑性エラストマとしては、市販品を用いることができ、例えば、旭化成社製のタフテックシリーズ(タフテックPシリーズ(SBBS(スチレン/ブタジエン/ブチレン/スチレンブロック共重合体))、タフテックHシリーズ(SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体))、タフテックMシリーズ(SEBSの変性品))等を用いることができる。
【0029】
水添スチレン系熱可塑性エラストマの防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば5質量%以下、好ましくは3質量%以下とすることができる。水添スチレン系熱可塑性エラストマの防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を適切なものとすることができる。
【0030】
<ヨウ素価100超の油>
本発明の防錆組成物は、ヨウ素価100超の油を含んでいてもよい。ヨウ素価100超の油は、通常は液状であることから、防錆組成物においては溶剤としての機能を発揮し、また、防錆組成物の膜を形成する際には硬化することで塗膜形成成分としての機能を発揮する。
ヨウ素価100超の油のうち、ヨウ素価130以上の油は、乾性油として知られており、例えばアマニ油、麻美油、オイチシカ油、サフラワー油、エノ油、キリ油、脱水ヒマシ油、これらの重合物、変性物等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。ヨウ素価100超130未満の油は、半乾性油として知られており、例えば綿実油、大豆油、米ヌカ油、コーン油、ゴマ油、ナタネ油、これらの重合物、変性物等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明において、ヨウ素価100超の油としては、ヨウ素価130以上の乾性油が好ましく、例えばアマニ油、脱水ヒマシ油、キリ油等からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
【0031】
ヨウ素価100超の油の防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば50質量%以下、好ましくは30質量%以下とすることができる。ヨウ素価100超の油の防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を適切なものとすることができる。
【0032】
<アルキド樹脂>
本発明の防錆組成物は、アルキド樹脂を含んでいてもよい。アルキド樹脂は、主として、塗膜形成成分としての機能を発揮する。アルキド樹脂として、液状のものを用いると、防錆組成物においては溶剤としての機能を発揮し、また、防錆組成物の膜を形成する際には硬化することで塗膜形成成分としての機能を発揮する。
アルキド樹脂は、多塩基酸成分、多価アルコール成分及び油脂肪酸成分を反応させて得られたものである。これらの成分の反応は、例えば、各成分のエステル化又はエステル交換反応等があげられる。各成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができる。
【0033】
多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸等の二塩基酸及びこれらの酸の炭素数1~5のアルキルエステル化物等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。必要により、安息香酸、クロトン酸、p-t-ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0034】
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどの二価アルコール等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。必要により、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールからなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0035】
油脂肪酸成分としては、例えばヤシ油脂肪酸、米糠油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、パーム油脂肪酸、イソノナル酸、ナタネ油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、桐油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等からなる群より選ばれる1種以上を用いることができる。
【0036】
アルキド樹脂の油長は、とくに限定されず、例えば50%以下、特に5~20%程度のものが好ましい。本発明においては、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
アルキド樹脂は、フェノール、アクリル、エポキシ等により編成されたものであってもよい。
アルキド樹脂の重量平均分子量は、とくに限定されない。例えば300以上10万以下とすることができる。
【0037】
アルキド樹脂は、市販品を用いることができ、例えば、荒川化学工業社製のアラキードシリーズ、DIC社製のアルキディアシリーズ、昭和電工マテリアルズ社製のフタルキッドシリーズ等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
【0038】
アルキド樹脂の防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば65質量%以下、好ましくは50質量%以下とすることができる。アルキド樹脂の防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を適切なものとすることができる。
【0039】
<炭化水素系溶剤>
本発明の防錆組成物は、炭化水素系溶剤を含んでいてもよい。
炭化水素系溶剤は、炭素原子と水素原子とからなり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含まない溶剤である。炭化水素系溶剤としては、例えば、炭素数5~20の脂肪族炭化水素系溶剤(パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、炭素数6~30の芳香族炭化水素系溶剤(炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を1つ以上有するアルキルベンゼン系溶剤、炭素数1~20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を1つ以上有するアルキルナフタレン系溶剤、トルエン等)、炭素数5~20の脂環族炭化水素系溶剤(シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)等からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
【0040】
炭化水素系溶剤としては、市販品を用いることができ、例えば、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、カクタスノルマルパラフィンN-10、カクタスノルマルパラフィンN-11、カクタスノルマルパラフィンN-12、カクタスノルマルパラフィンN-13、カクタスノルマルパラフィンN-14、カクタスノルマルパラフィンN-15H、カクタスノルマルパラフィンYHNP、カクタスノルマルパラフィンSHNP、アイソゾール300、アイソゾール400、テクリーンN-16、テクリーンN-20、テクリーンN-22、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、ナフテゾール160、ナフテゾール200、ナフテゾール220(いずれもENEOS社製、商品名);アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(いずれもエクソンモービル社製、商品名);コスモオルパス32、コスモオルパス46、コスモオルパス56、コスモオルパス68、コスモオルパス100、コスモオルパス150、コスモオルパス220、コスモオルパス320、コスモオルパス460(いずれもコスモ石油ルブリカンツ社製、商品名)等が、芳香族炭化水素系溶剤としては、グレードアルケンL、グレードアルケン200P(いずれもENEOS社製、商品名);ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200、ソルベッソ200ND(いずれもエクソンモービル社製、商品名)等が挙げられる。
【0041】
炭化水素系溶剤の防錆組成物全量に対する含有量は、特に限定されない。防錆組成物全量(防錆組成物全量を100質量%)に対して、例えば65質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下とすることができる。炭化水素系溶剤の防錆組成物全量に対する含有量をこのような範囲とすることで、防錆組成物の塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を適切なものとすることができる。なお、炭化水素系溶剤を使用しない又は低減することで、揮発性有機溶剤の使用量が低減された防錆組成物を得ることができる。
【0042】
<その他の成分>
本発明の防錆組成物には、上記の成分以外の成分(その他の成分)を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、塗膜形成成分(例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エラストマ、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、フッ素樹脂、ポリシロキサン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ABS樹脂等)、硬化剤、可塑剤、レベリング剤、分散剤、着色剤(無機顔料、有機顔料等)、防錆剤、殺菌剤、充てん剤(シリカ、ベントナイト、クレー等)等からなる群より選ばれる1種以上があげられる。
その他の成分の含有量は、特に限定されない。例えば、防錆組成物全量に対する含有量を20質量%以下とすることができる。
【0043】
[防錆組成物から形成された層を有する部材]
本発明の部材は、前記防錆組成物から形成された膜を有する部材である。
防錆組成物の層を形成する方法は、特に限定されない。例えば、(1)必要に応じて加熱された防錆組成物を、塗装機(スプレー塗装機、粉体塗装機、ダイコーター、カーテンコーター、インクジェット、ディップコーター等)、各種印刷機、刷毛、ローラ、ブレード等を用いたり浸漬したりすることで塗布・印刷する方法、(2)溶融して表面に押出し被覆する方法、(3)前記防錆組成物からフィルムを形成し、圧着等の公知の手段を用いて貼り付ける方法、等が挙げられる。好ましくは、必要に応じて加熱された防錆組成物を、塗布する方法が挙げられる。
【0044】
部材としては、金属の部材、特に鉄製の部材(鋼板、鋼線、鋼棒、これらの1つ以上から形成された部材)であれば特に限定されない。例えば、自動車車体、自動車部品、家電筺体等が挙げられる。
特に、車体や家電製品等における板合わせ部を含む部材、車体の床裏等の部材、車体の足回り部品、車体のドアやボンネットにおける袋構造部を含む部材等が挙げられる。
【実施例】
【0045】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
【0046】
[構成成分]
実施例及び比較例に係る防錆組成物の構成成分は、以下のとおりである。
ポリブテンA:ポリブテン(数平均分子量2900、40℃動粘度160000)
ポリブテンB:ポリブテン(数平均分子量1400、40℃動粘度26000)
ポリブテンC:ポリブテン(数平均分子量980、40℃動粘度9500)
ワックスA:合成ワックス(融点69℃)
ワックスB:酸化ワックス(凝結点45℃)
PAni系重合体:ポリアニリン(アニリン硫酸塩及びドデシル硫酸ナトリウムの混合物に、過硫酸アンモニウムを添加し化学酸化重合し、得られた反応液を濾過し、濾別された粒子を乾燥して得られる、一次粒子径10~50nm程度の粒子)
溶剤1:ナフテン系炭化水素系溶剤(アニリン点68℃)
溶剤2:直鎖アルキルベンゼン(分子量240±5)
膜形成材1:水添スチレン系熱可塑性エラストマ(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体、密度0.89g/cm3、スチレン含有量12質量%)
膜形成材2:油及び油変性アルキド樹脂溶液(固形分99%、油脂種:トール油及び大豆油)
膜形成材3:脱水ヒマシ油(ヨウ素価136~145)
市販防錆組成物1:ノックスドール1600(AUSON社製、商品名)
市販防錆組成物2:ノックスドール750(AUSON社製、商品名)
市販防錆組成物3:ノックスドール700(AUSON社製、商品名)
【0047】
[防錆組成物の評価]
<塗工性評価>
65℃の防錆組成物を用いて、バーコーターで乾燥膜厚200μmとなるように塗布し、以下の基準で塗工性評価を行った。
A:均一な膜を形成できる。
B:65℃では塗工できないが100℃に加熱すると均一な膜を形成できる。
C:膜を形成できない。
【0048】
<膜取扱性評価>
形成された乾燥塗膜について、目視及び指触により、以下の基準で形成された膜の取扱性評価(膜取扱性評価)を行った。
A:均一な塗膜であり、指触により跡が付かない。
B:ワックス粒子が観察される及び/又は塗膜が柔らかいが指触の跡はつかない。
C:膜を形成できない及び/又は指触の跡がつく。
【0049】
<防錆性評価>
得られたテストピースの防錆組成物の層を曝露面(試験面)として、塩水噴霧試験(JIS Z 2371:2015準拠)を行い、500時間後及び715時間後の状態を目視観察し、以下の基準で防錆性評価(過酷な条件下における長期防錆性の評価)を行った。
S:715時間後でも錆の発生が無く、健全な防錆組成物の層が維持されている。
A:500時間後は錆の発生が無いが、715時間後に防錆組成物の層の周囲長の10%以下で錆の発生が確認できる。
B:(i)500時間後に防錆組成物の層の周囲長の10%以下で錆の発生が確認できるが、715時間後の錆は防錆組成物の層の周囲長の10%以下に収まっている、又は、(ii)715時間後も錆の発生はないが、防錆組成物の層の全体に赤錆色が観察される。
C:防錆組成物の層全体に錆が発生し、錆汁が流出する。
【0050】
[実施例1]
1.0部のポリブテンA、62.5部のポリブテンB、11.5部のワックスA、19.8部のワックスB及び5.2部のポリアニリン系重合体を容器に入れ、65℃に加熱するとともに撹拌機で混合し、防錆組成物を作製した。
得られた防錆組成物を、バーコーターで冷延鋼板に塗布し、乾燥膜厚200μmの防錆組成物から形成された層を有するテストピースを作製した。
実施例1について、塗工性評価、膜取扱性評価及び防錆性評価の結果を表1に示す。
【0051】
[実施例2~22、比較例1~7]
ポリブテンA~C、ワックスA、B、PAni系重合体、溶剤1、2及び膜形成材1~3をそれぞれ表1及び表2に表される量比で用いたほかは、実施例1と同様にして防錆組成物を作製し、実施例1と同様にして実施例2~22及び比較例1~4のテストピースを作製した。
市販防錆組成物1~3を用いたほかは、実施例1と同様にして比較例5~7のテストピースを作製した。
実施例2~22及び比較例1~7について、塗工性評価、膜取扱性評価及び防錆性評価の結果を表1~表3に併せて示す。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
本発明により、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備える防錆組成物が提供される。
さらに、本発明により、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備えるとともに、揮発性有機溶剤使用量が低減された防錆組成物を提供することができる。
上記の実施例比較例の結果から、本発明の防錆組成物は、塗工性及び防錆性に優れるものであり、錆の発生を長期間抑制できることがわかる。
【要約】
【課題】塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備える防錆組成物を提供すること。さらに、塗工性、形成された膜の取扱性、過酷な条件下における長期防錆性を全て備えるとともに、揮発性有機溶剤使用量が低減された防錆組成物を提供すること。
【解決手段】ポリブテン系重合体、融点35℃以上のワックス及びポリアニリン系重合体を含有する、防錆組成物。
【選択図】なし