(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】電池試験装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20230106BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230106BHJP
H01M 50/383 20210101ALI20230106BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
H01M50/244 Z
H01M50/204 401F
H01M50/383
H01M50/204 401E
H01M10/04 Z
(21)【出願番号】P 2022029217
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2022-11-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595098011
【氏名又は名称】東洋システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 淳
(72)【発明者】
【氏名】山野辺 賢司
(72)【発明者】
【氏名】庄司 秀樹
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-226915(JP,A)
【文献】特開2013-164297(JP,A)
【文献】特開2014-165068(JP,A)
【文献】特開平8-190938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 50/30
H01M 10/04
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の充放電試験を行う電池試験装置であって、
前記二次電池を着脱自在に収容する密閉型の電池ホルダと、
前記電池ホルダが収容される恒温槽と、
前記電池ホルダ内に収容された前記二次電池を充放電して試験する充放電試験装置と、を備え、
前記電池ホルダは、前記二次電池の発火時に耐え得る耐火耐圧の容器からなり、前記二次電池が発火したとき前記電池ホルダ内の気体を前記恒温槽の外部に排出する通路に接続可能な排気口が設けられていることを特徴とする電池試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電池試験装置において、
前記電池ホルダは、前記二次電池毎に仕切られた複数の部屋を有し、
前記部屋毎に、前記二次電池を着脱自在に収容可能であり、前記部屋内の気体を前記通路へ導く前記排気口が設けられていることを特徴とする電池試験装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池試験装置において、
前記恒温槽には、複数の前記電池ホルダが並列して収容されていることを特徴とする電池試験装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電池試験装置において、
複数の前記電池ホルダから排出された前記気体を合流させ、前記恒温槽の外部に排出する第1共通通路を備えていることを特徴とする電池試験装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電池試験装置において、
前記電池ホルダの各々は、前記第1共通通路への排気を許容し、前記第1共通通路からの流入を防止する第1逆止弁を有していることを特徴とする電池試験装置。
【請求項6】
請求項2に記載の電池試験装置において、
前記通路として、前記排気口から排出された前記気体を合流させ、前記恒温槽の外部に排出する第2共通通路を有し、
前記排気口は、前記第2共通通路への排気を許容し、前記第2共通通路からの流入を防止する第2逆止弁を有していることを特徴とする電池試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の充放電試験を行う電池試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、恒温槽内で複数の試験用の二次電池の載置部を出し入れ可能な構成とし、二次電池を試験する試験装置が知られている。二次電池は、所定の環境温度で充放電試験が行われる(例えば、特許文献1)。
【0003】
充放電試験の結果、発火する二次電池も出てくる。発火の際の対処については特許文献1では言及されていないが、例えば、発生した煙を感知して電池ホルダ内に給水し、発火した二次電池を消火する方法等があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、恒温槽内には、複数の電池ホルダがほとんど隙間なく並べられているため、水による消火では隣接する電池ホルダに水が侵入してしまい、発火していない二次電池の充放電試験に影響を及ぼすことがあった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水等を用いることなく、二次電池の充放電試験を行うことができる電池試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、二次電池の充放電試験を行う電池試験装置であって、前記二次電池を着脱自在に収容する密閉型の電池ホルダと、前記電池ホルダが収容される恒温槽と、前記電池ホルダ内に収容された前記二次電池を充放電して試験する充放電試験装置と、を備え、
前記電池ホルダは、前記二次電池の発火時に耐え得る耐火耐圧の容器からなり、前記二次電池が発火したとき前記電池ホルダ内の気体を前記恒温槽の外部に排出する通路に接続可能な排気口が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の電池試験装置を用いて二次電池を試験すると、一部の二次電池が発火することがある。二次電池の電池ホルダは耐火耐圧の容器からなり、二次電池を密閉して収容しているため、基本的に発火で発生した気体(排ガス)を閉じ込めて、外部に漏れないようにすることができる。
【0009】
また、電池ホルダは、発火で発生した気体を排出する通路と接続する排気口を有している。そのため、当該通路を介して気体を恒温槽の外部に導いて放圧することができる。このように、本発明の電池試験装置は、二次電池の発火が発生しても水等を用いることなく対処することができる。
【0010】
本発明の電池試験装置において、前記電池ホルダは、前記二次電池毎に仕切られた複数の部屋を有し、前記部屋毎に、前記二次電池を着脱自在に収容可能であり、前記部屋内の気体を前記通路へ導く前記排気口が設けられていることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、電池ホルダ内において二次電池を収容する各部屋は、部屋内の気体(排ガス)を通路へ導く排気口を有している。そのため、試験により二次電池が発火した場合に、気体をその部屋から排出して放圧することができる。これにより、本発明の電池試験装置は、隣接する二次電池に影響を及ぼすことなく、確実に各二次電池の試験を行うことができる。
【0012】
また、本発明において、前記恒温槽には、複数の前記電池ホルダが並列して収容されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、恒温槽に複数の電池ホルダが並列して収容されているため、複数の二次電池を同時に試験することができる。仮に試験により発火する二次電池があった場合にも、密閉型の電池ホルダのため、隣接する電池ホルダに影響を及ぼさない。
【0014】
また、本発明の電池試験装置において、複数の前記電池ホルダから排出された前記気体を流入させ、前記恒温槽の外部に排出する第1共通通路を備えていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、二次電池を収容している各電池ホルダは、内部の気体(排ガス)が排気口を介して第1共通通路に集められる。そして、当該気体は、その第1共通通路を流通して恒温槽の外部に排出される。そのため、本発明の電池試験装置は、恒温槽内で漏れ出すことなく、気体を確実に外部に排出させることができる。
【0016】
また、本発明の電池試験装置において、前記電池ホルダの各々は、前記第1共通通路への排気を許容し、前記第1共通通路からの流入を防止する第1逆止弁を有していることが好ましい。
【0017】
各電池ホルダの第1逆止弁は、第1共通通路への排気を許容するが、第1共通通路から各電池ホルダへの流入を防止する。そのため、第1共通通路を流通する気体(排ガス)が各電池ホルダ内に逆流することを防止することができる。
【0018】
また、本発明の電池試験装置において、前記通路として、前記排気口から排出された前記気体を合流させ、前記恒温槽の外部に排出する第2共通通路を有し、
前記排気口は、前記第2共通通路への排気を許容し、前記第2共通通路からの流入を防止する第2逆止弁を有していることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、排気口から排出された気体(排ガス)は、第2共通通路を流通して恒温槽の外部に排出される。また、当該排気口は、第2逆止弁を有している。第2逆止弁は、第2共通通路への排気を許容するが、第2共通通路からの流入を防止する。そのため、第2共通通路を流通する気体が部屋内に逆流することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電池試験装置の全体図である。
【
図2】第1実施形態に係る電池試験装置の側面図である。
【
図3】第1実施形態に係る電池ホルダの斜視図である。
【
図4】第1実施形態の電池ホルダを上方から見た図(上蓋なし)である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る電池試験装置の全体図である。
【
図6】第2実施形態の電池ホルダを上方から見た図(上蓋なし)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
まず、
図1、
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る電池試験装置1について説明する。
【0022】
図1は電池試験装置1の全体斜視図であり、説明のため恒温槽2の内部を視認できるようにしている。電池試験装置1は、二次電池へ充放電することにより二次電池を評価する装置であり、内部の気温を一定に保つ恒温槽2と、恒温槽2内に収納され、二次電池3を着脱自在に収容する複数の電池ホルダ4と、二次電池3に対してコンタクトプローブ5及びケーブル6を介して充放電可能な充放電試験装置7とを備えている。
【0023】
恒温槽2は、温調された空気を循環させることにより内部の温度を一定に保つように制御された装置であり、周囲環境からの温度変化の影響を防ぐことができる構造となっている。
【0024】
恒温槽2内には、電池ホルダ4のスライドを案内するスライドレール2bが設けられている。また、恒温槽2の正面には、片開きの開閉扉2aが設けられている。電池ホルダ4は、恒温槽2の開閉扉2aを開けて、恒温槽2の前方からスライドレール2bに沿って引き出し自在となっている。
【0025】
恒温槽2内には、電池ホルダ4が並列して収容されている。
図1では、説明のため最下段の電池ホルダ4を示しているが、実際は、
図2に示すように一段につき6個の電池ホルダ4が合計5段配置されている。電池ホルダ4の配置はこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。
【0026】
恒温槽2において、各電池ホルダ4は充放電試験装置7と接続されている。充放電試験装置7は、電池ホルダ4内の二次電池3に対して充放電試験を実施することができる。
【0027】
第1実施形態の電池ホルダ4は、1個の二次電池3を着脱自在に、密閉して収容することができる直方体形状のホルダ(単一チャンネル型)である。この電池ホルダ4は、充放電試験により二次電池3が発火した場合にも耐え得る耐火耐圧の容器となっている。
【0028】
充放電試験により一部の二次電池3が発火した場合、
図2に示すように、電池ホルダ4の排気口からフレキホース10を経由して、恒温槽2の上方に突出した排気管15から排ガスが恒温槽2の外部に排出される。なお、電池ホルダ4のフレキホース10から共通通路13(本発明の「第1共通通路」)を経由して、排ガスを排気管15に誘導する構成としてもよい。なお、排ガスの流れは、破線の矢印で示す通りである。
【0029】
次に、
図3、
図4を参照して、電池ホルダ4の詳細を説明する。
【0030】
まず、
図3は、密閉状態の電池ホルダ4の斜視図である。電池ホルダ4の一方側面(図中右側)には、コネクタ4aと排気口4bが設けられている。コネクタ4aは、電池ホルダ4と充放電試験装置7から延びるケーブル6とを接続するコネクタである。
【0031】
また、排気口4bは、電池ホルダ4内の気体をその外部に排出するための開口である。排気口4bは、当該気体を恒温槽2の外部に導くフレキホース10(本発明の「通路」)と接続可能な構成となっている。
【0032】
電池ホルダ4の上面側は、二次電池3を出し入れする際に開閉する上蓋4cである。上蓋4cは、電池ホルダ4の他方側面(コネクタ4aと反対側)でロック機構4dにより固定される。
【0033】
次に、
図4は、電池ホルダ4の上蓋4cを取り外したときの様子を示している。電池ホルダ4において、その略中央に二次電池3(円筒型)をセットすることができる。正極のコンタクトプローブピン5a、負極のコンタクトプローブピン5bは、充放電試験装置7のケーブル6と接続されている。
【0034】
二次電池3の図上方側は、コンタクトプローブピン5aをコンタクトさせる。また、コンタクトプローブピン5bは上下方向に移動可能な構成となっており、図下方側から二次電池3にコンタクトさせる。これにより、二次電池3は、充放電試験装置7による試験を実施することができる。
図1、
図2に示すように、恒温槽2には複数の電池ホルダ4が並列して収容されているため、電池試験装置1は、複数の二次電池3を同時に試験することができる。
【0035】
二次電池3を試験すると、発火する二次電池3もでてくる。しかしながら、電池ホルダ4は耐火耐圧の容器からなり、二次電池3を密閉して収容している。そのため、基本的に発火で発生した気体(排ガス)を電池ホルダ4内に閉じ込め、外部に漏れないようにすることができる。
【0036】
また、発火により発生した排ガスは、排気口4bからフレキホース10を介して排出される。排ガスはフレキホース10から排気管15へ流通し、恒温槽2の外部に導いて放圧することができる。このように、本実施形態の電池ホルダ4は、二次電池3の発火が発生しても水等を用いることなく対処することができ、排ガスが恒温槽2内で漏れ出すこともない。また、発火する二次電池3があった場合に、その電池ホルダ4は隣接する電池ホルダ4に影響を及ぼさない。
【0037】
各電池ホルダ4のフレキホース10が共通通路13(
図2参照)に挿入される構成の場合、共通通路13に逆止弁13a(本発明の「第1逆止弁」)を設けてもよい。逆止弁13aは、電池ホルダ4内の排ガスの風圧で開放される構造となっている。そして、逆止弁13aは、共通通路13への排気を許容するが、共通通路13から電池ホルダ4への流入を防止する。そのため、共通通路13を流通する排ガスが各電池ホルダ4内に逆流することを防止することができる。
【0038】
電池ホルダ4は、円筒型以外の二次電池の試験を行うことができる構成としてもよい。例えば、ラミネートセル仕様の二次電池の場合には、各電極をそれぞれ電流コンタクト用のクリップと、電圧コンタクト用のクリップで挟持して試験を行うことができる。同様の方法で、角型セル仕様の二次電池の試験も実施可能である。
【0039】
[第2実施形態]
次に、
図5、
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る電池試験装置20について説明する。なお、第1実施形態の電池試験装置1と同じ構成については同符号を付し、一部説明を省略する。
【0040】
図5は電池試験装置20の全体斜視図であり、説明のため恒温槽2の内部を視認できるようにしている。
図5(a)に示すように、電池試験装置20は、恒温槽2と、恒温槽2内に収納され、二次電池3を着脱自在に収容する複数の電池ホルダ24と、二次電池3を充放電可能な充放電試験装置7(図示省略)とを備えている。
【0041】
恒温槽2内には、電池ホルダ24が並列して収容されている。本実施形態では、一段につき5個の電池ホルダ24が合計2段配置されている。電池ホルダ24の配列はこれに限られるものではなく、適宜変更が可能である。また、恒温槽2内には、電池ホルダ24のスライドを案内するスライドレール2bが設けられ、恒温槽2の前方からスライドレール2bに沿って引き出し自在となっている。
【0042】
図5(b)は、電池試験装置20の側面図である。各電池ホルダ24は、その内部が6つの部屋241~246に区画されている。すなわち、電池ホルダ24は、各部屋241~246に1個の二次電池3を着脱自在に、密閉して収容することができる直方体形状のホルダ(多チャンネル型)である。なお、電池ホルダ24内の部屋数についても、適宜変更が可能である。
【0043】
電池ホルダ24の上方には、排ガスを恒温槽2の排出するための共通通路21(本発明の「第2共通通路」)が設けられている。詳細は後述するが、電池ホルダ24の各部屋241~246は排気口を有しており、排気口から排出された排ガスが共通通路21で合流する。
【0044】
各々の共通通路21の先には、一段につき1個の共通通路23(本発明の「第1共通通路」)が設けられている。共通通路23は、5個の電池ホルダ24からの気体が合流する共通通路である。また、各共通通路23は各々の排気管25に接続され、各排気管25の先端部は恒温槽2から突出している。これにより、排ガスは、部屋241~246の排気口から共通通路21、共通通路23、排気管25の順に流通して、恒温槽2の外部に排出される。なお、排ガスの流れは、破線の矢印で示す通りである。
【0045】
図6は、電池ホルダ24の上蓋を取り外したときの様子を示している。電池ホルダ24において、その内部は部屋241~246に区画され、各部屋241~246に1個の二次電池3(円筒型)をセットすることができる。
【0046】
正極のコンタクトプローブピン5a、負極のコンタクトプローブピン5bは、充放電試験装置7と接続されたケーブル6に繋がっている。なお、電池ホルダ24の一方側面(図中右側))に設けられたコネクタ24aを介して、電池ホルダ24と充放電試験装置7のケーブル6とが接続される。
【0047】
二次電池3の図上方側は、コンタクトプローブピン5aとコンタクトさせる。コンタクトプローブピン5aは、図の上下方向に移動可能な構成となっており、図上方側から二次電池3にコンタクトさせる。また、二次電池3の図下方側は、コンタクトプローブピン5bとコンタクトさせる。これにより、二次電池3は、充放電試験装置7による充放電試験を実施することができる。
【0048】
二次電池3を試験すると、発火する二次電池3もでてくる。しかしながら、電池ホルダ24内の各部屋241~246は、それぞれ耐火耐圧の容器からなり、二次電池3を密閉して収容しているため、基本的に発火で発生した排ガスを閉じ込めて、外部に漏れないようにすることができる。
【0049】
発火により排ガスが発生した場合は、排気口24b~24gから排出される。例えば、部屋241の二次電池3が発火したとき、発生した排ガスは排気口24bから流出する。排気口24bの上方には、共通通路21に繋がる逆止弁211(本発明の「第2逆止弁」)が設けられている。
【0050】
逆止弁211は、排ガスの風圧により開放する機構を有している。具体的には、逆止弁211の蓋部が排気口24b~24gを覆う構造である。蓋部は、回転軸を中心に回動し、ばねで排気口24b~24gの方向に付勢されている。蓋部は、風圧を受けると回動して排気口24b~24gから離れ、開放する。
【0051】
逆止弁211~216は、共通通路21への排気を許容するが、共通通路21から部屋241~246への流入を防止する。そのため、共通通路21を流通する排ガスが部屋241~246内に逆流することを防止することができる。
【0052】
共通通路21の端部(図中右側)の接続部21aは、共通通路23に接続される。
図5(b)に示すように、共通通路23に逆止弁23a(本発明の「第1逆止弁」)を設けてもよい。逆止弁23aは、共通通路21からの排ガスの風圧で開放される態様であり、共通通路23への排気を許容するが、共通通路23から共通通路21への流入を防止する。そのため、共通通路23を流通する排ガスが共通通路21、そして各電池ホルダ24内に逆流することを防止することができる。
【0053】
このように、電池試験装置20では、排ガスを恒温槽2の外部に導き、放圧することができる。本実施形態の電池ホルダ24は、二次電池3の発火が発生しても水等を用いることなく対処することができ、排ガスが恒温槽2内で漏れ出すことなく、外部に排出させることができる。
【0054】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。上記実施形態では、恒温槽2内に複数の電池ホルダ4(電池ホルダ24)を備えた電池試験装置1(電池試験装置20)を説明したが、これに限られず、例えば恒温槽2内の電池ホルダ4(電池ホルダ24)は1つであってもよい。
【0055】
また、第1実施形態では、電池ホルダ4内に1個の二次電池3が収容されるものを説明したが、これに限られず、例えば1個の電池ホルダ4内に複数の二次電池3を収容できるような構成としてもよい。
【0056】
第1実施形態の電池試験装置1では、共通通路13内に逆止弁13aを設けたが、電池ホルダ4の排気口4bに逆止弁を設けてもよく、何れか一方があればよい。また、第2実施形態の電池試験装置20では、共通通路21に逆止弁211~216が設けられ、共通通路23に逆止弁23aが設けられていたが、何れか一方があればよい。
【符号の説明】
【0057】
1 電池試験装置
2 恒温槽
2a 開閉扉
2b スライドレール
3 二次電池
4 電池ホルダ(単一チャンネル型)
4a コネクタ
4b 排気口
4c 上蓋
4d ロック機構
5 コンタクトプローブ
5a コンタクトプローブピン(正極)
5b コンタクトプローブピン(負極)
6 ケーブル
7 充放電試験装置
10 フレキホース
13 共通通路
13a 逆止弁
15 排気管
20 電池試験装置
21 共通通路
211~216 逆止弁
23 共通通路
23a 逆止弁
24 電池ホルダ(多チャンネル型)
25 排気管
241~246 部屋
【要約】
【課題】水等を用いることなく、二次電池の充放電試験を行うことができる電池試験装置を提供する。
【解決手段】電池試験装置1は、二次電池3を着脱自在に収容する密閉型の電池ホルダ4と、電池ホルダ4が収容される恒温槽2と、電池ホルダ4内に収容された二次電池3を充放電して試験する充放電試験装置7を備えている。電池ホルダ4は二次電池3の発火時に耐え得る耐火耐圧の容器からなり、排気口4bは二次電池3が発火したとき電池ホルダ4内の気体を排出する排気管15と接続されているため、気体を恒温槽2の外部に排出して放圧する。
【選択図】
図1