(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】バイクゲーム用コントローラ
(51)【国際特許分類】
A63F 13/245 20140101AFI20230106BHJP
A63F 13/803 20140101ALI20230106BHJP
【FI】
A63F13/245
A63F13/803
(21)【出願番号】P 2018243692
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】591246539
【氏名又は名称】越澤 亮介
(72)【発明者】
【氏名】越澤 亮介
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/038131(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0258458(US,A1)
【文献】特開2008-206638(JP,A)
【文献】特開2002-113264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/ 00-13/98
G06F 3/ 01
G06F 3/048- 3/04895
G09B 1/ 00- 9/56
G09B17/ 00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも所定方向に倒すことができるスティックを有する汎用コントローラを設置することが可能であり、バイクのハンドル形状に形成されたバイクゲーム用コントローラであって、左右方向に延びるフレームと、フレームの延びる方向を中心軸として回動させることが可能なアクセルグリップと、アクセルグリップから伝達された回動力を、所定方向への移動力に変換し、汎用コントローラのスティックを所定方向に倒すスロットル伝達部材を備えるバイクゲーム用コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも所定方向に倒すことができるスティックを有する汎用コントローラを設置することが可能なバイクゲーム用コントローラに関するものである。
なお、以下の説明では便宜上、モーターサイクル・オートバイ・バイクのことを統一してバイクと記述している。
【背景技術】
【0002】
家庭用テレビゲームに使用する標準的な汎用コントローラは小箱状のものがあり、無線や有線でゲーム機器本体に接続、ペアリングされ両手でつかみ各種ボタンやスティック、スイッチを操作していた。
このためゲームソフトがいかにクオリティを向上させても実車のバイクの操作・操縦感とは程遠く、いやでもゲームであることを認識させられてしまう。
その後、電子機器であるバイクゲーム用コントローラが出願されている。
しかしバイクゲーム用コントローラは複雑な電子機器となり、各ゲーム機器・ソフトウェアと歩調を合わせ、定期的なアップデートが必要となるため、開発・維持に膨大な費用が必要である。
そのためか、現在バイクゲーム用コントローラは市場で見られない。
【0003】
前述したものの他、バイクゲーム用コントローラは標準的な汎用コントローラを覆うものが考えられるが、汎用コントローラの脱着や機構が複雑になるばかりでなく、操作するとき、夢中になった遊戯者がブレーキレバーや各可動・回動部を介し過大な外力を加えることにより汎用コントローラを破損する恐れもあり、なおかつ材質や形状により通信障害や過剰な発熱を生じるため実用化しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は前述した従来技術の問題を解決し、標準的な汎用コントローラを利用しつつ、実車のバイクとほぼ同様の操作が可能な機器を開発し臨場感を演出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも所定方向に倒すことができるスティックを有する汎用コントローラを設置することが可能であり、バイクのハンドル形状に形成されたバイクゲーム用コントローラであって、左右方向に延びるフレームと、フレームの延びる方向を中心軸として回動させることが可能なアクセルグリップと、アクセルグリップから伝達された回動力を、所定方向への移動力に変換し、汎用コントローラのスティックを所定方向に倒すスロットル伝達部材を備えるバイクゲーム用コントローラ。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、標準的な汎用コントローラを利用しつつ、実車のバイクとほぼ同様の操作が可能な機器を開発し臨場感を演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図8】実施例 バイクゲーム用コントローラの開閉式ホールド部に汎用コントローラを設置し、それぞれ弾性体を設置した斜視図
【
図9】バイクゲーム用コントローラの各部に弾性体を取り付けた状況
【
図10】バイクゲーム用コントローラの開閉式ホールド部オープン状況
【発明を実施するための形態】
【0008】
バイクゲーム用コントローラ100は、少なくとも所定方向に倒すことができるスティック210を有する汎用コントローラ200を設置することが可能であり、バイクのハンドル形状に形成され、左右方向に延びるフレーム1と、フレーム1の延びる方向を中心軸として回動させることが可能なアクセルグリップ3と、アクセルグリップ3から伝達された回動力を、所定方向への移動力に変換し、汎用コントローラのスティックを所定方向に倒すスロットル伝達部材9を備える。
【0009】
実車のバイクのハンドル右側のグリップはアクセル、右側レバーは前輪ブレーキ、左側レバーはクラッチ、右足ペダルは後輪ブレーキ、そして左足チェンジペダルでシフト操作(ギヤチェンジ)するものである。ただし、この操作を実現するには大きな車体と同等のものが必要となり置き場所やコスト的に無理があるため多少のアレンジをし、次のような操作とした。
●ハンドル右側のアクセルグリップの回動によるアクセル操作。
●前輪ブレーキ又はブレーキは右ブレーキレバー。後輪ブレーキ又はブレーキは左ブレーキレバー。
●右左パドルによるシフト操作(ギヤチェンジ)
●右左折のハンドル操作は汎用コントローラが有するモーションセンサー機能を利用する。
モーションセンサーとは、汎用コントローラを前後左右に傾けると、その動きや傾きに応じた信号をゲーム機器本体に送信するもの。
【0010】
フレーム1の両端にはアクセルグリップ3、グリップ4及び右、左にブレーキレバーの5、6、右、左にパドルの7、8が取り付けられ、上部には汎用コントローラを設置する開閉式ホールド部2が設けられ、アクセルグリップ3は回動し、スロットル回動かぎ状部11、スロットル伝達部材9、スロットルレバー可動・回動部10と連動し、右、左にあるブレーキレバーの5、6は右、左にある下部ペダル状可動・回動部の13、14と連動し右、左にあるパドルの7、8は右、左にある上部ペダル状可動・回動部の15、16と連動させている。
【00011】
かぎ状固定部12とおおよそ対向するスロットル回動かぎ状部11との間は弾性体で連結され、右、左それぞれのブレーキレバーの5、6に取り付けられた右、左それぞれのブレーキかぎ状部19、20と右、左それぞれの下部ペダル状可動・回動部の13、14に設けられた右、左それぞれの下部かぎ状部17、18は弾性体でそれぞれ連結され、右、左それぞれのパドル7、8に設けられた右、左それぞれのパドルかぎ状部23、24と右、左それぞれの上部ペダル状回動部15、16に設けられた右、左それぞれの上部かぎ状部の21、22は弾性体でそれぞれ連結されている。
【00012】
スロットル伝達部材9の接触面(汎用コントローラのスティックへの)には弾性体が取り付けられている。
【00013】
開閉式ホールド部2には開口部を設け樹脂製とし、各部を接合するボルト・ナットを樹脂製とした。
【0014】
以上の構成によるバイクゲーム用コントローラ100は、フレーム1の両端にアクセルグリップ3、グリップ4及び右、左にあるブレーキレバーの5、6、右、左にあるパドルの7、8を有し、このそれぞれの操作を電子機器である汎用コントローラのボタンやスティックと連動させ、開閉式ホールド部2を有することを特徴とする。
※ハンドル操作は汎用コントローラのモーションセンサーを利用するため、機械的な連動は不要である。
【0015】
各操作部と各可動・回動部は弾性体で連結されている。
それに加えて開口部を有した樹脂製の開閉式ホールド部2とし組立・接合に使用するボルト・ナットの材質を樹脂製としている。
さらにスロットル伝達部材9に取り付けられるのは板状の弾性体とし、各操作部と各可動・回動部はそれぞれのかぎ状部を介して輪状の弾性体で連結されている。
【0016】
本実施形態によれば、汎用コントローラを開閉式ホールド部2に設置することにより、ハンドル操作は汎用コントローラ機能のモーションセンサー機能を設定することにより、本発明のバイクゲーム用コントローラのアクセルグリップ3、グリップ4を握り、前後左右に傾けて使用する。モーションセンサーに関して機械的連動は不要。
アクセルグリップ3は回動し、スロットル回動かぎ状部11、スロットル伝達部材9等を介して汎用コントローラの右スティックと連動してアクセル開閉操作を行える。
【00017】
ブレーキ操作は右、左にあるブレーキレバーの5、6をそれぞれ握ることにより、右、左にある下部ペダル状可動・回動部の13、14等を介し汎用コントローラに設定されたボタンと連動する。
シフト操作(変速ギヤ)は右、左に設置されたパドルである7、8それぞれを操作することにより、右、左の上部ペダル状可動・回動部の14、15等を介し汎用コントローラに設定されたボタンと連動する。
【00018】
よって実施・製品化する場合においても本発明のバイクゲーム用コントローラに関しては電子機器回路設計・定期的なアップデートは不要となり、操作性においては同種のハンドル型のバイクゲーム用コントローラと遜色はない。また本発明のバイクゲーム用コントローラはボルト・ナット2組で汎用コントローラの脱着が可能なだけでなく、素人でも簡単に分解整備できることも特徴のひとつである。
また副次的なこととして汎用コントローラの振動機能を併用したとき、バイクゲームソフトからの信号により路面状況等を伝達、再現した振動が密着した開閉式ホールド部2を介して伝わる。
【0019】
かぎ状固定部12とおおよそ対向するスロットル回動かぎ状部11との間は弾性体で連結され、右、左それぞれのブレーキかぎ状部の19、20と右、左それぞれの下部かぎ状部の17、18は弾性体で連結され、右、左それぞれのパドルかぎ状部の23、24と右、左それぞれの上部かぎ状部の21、22は弾性体で連結されているバイクゲーム用コントローラである。
よってブレーキ操作は右、左にあるブレーキレバーの5、6をそれぞれ過大な外力で握っても連結された弾性体の変形により吸収され破損には至らない。
パドル操作(ギヤチェンジ)においては右、左にあるそれぞれのパドルを過大な外力で操作しても連結された弾性体の変形により吸収され破損には至らない。
【0020】
開閉式ホールド部2は開口部を設けた樹脂製としており、なおかつ周囲を接合するのは樹脂製のボルト・ナットとしている。
樹脂は一般に電波通過率がよく、かつ反射しにくい。そして開閉式ホールド部2に設けられた開口部は放熱性を確保している。
このため無線使用時の通信障害・反射・ノイズや過剰な発熱・電子機器への悪影響は抑制されている。
【0021】
スロットル伝達部材9に取り付けられた板状弾性体は汎用コントローラのスティックに直接接触し、過大な力が加わったとき変形により力を吸収する。
かぎ状固定部12とおおよそ対向するスロットル回動かぎ状部11との間で連結されるのは輪状弾性体であり、右、左それぞれのブレーキかぎ状部である19、20と右、左それぞれの下部かぎ状部の17、18は輪状弾性体で連結され、右、左それぞれのパドルかぎ状部の23、24と右、左それぞれの上部かぎ状部の21、22は輪状弾性体で連結されている。
輪状弾性体は、それぞれに巻きつけ回数を増減して連結することが可能となる。これにより各操作部の反力を調整可能にした。
【符号の説明】
【0022】
1フレーム
2開閉式ホールド部
3アクセルグリップ
4グリップ
5右ブレーキレバー
6左ブレーキレバー
7右パドル
8左パドル
9スロットル伝達部材
10スロットルレバー可動・回動部
11スロットル回動かぎ状部
12かぎ状固定部
13右下部ペダル状可動・回動部
14左下部ペダル状可動・回動部
15右上部ペダル状可動・回動部
16左上部ペダル状可動・回動部
17右下部かぎ状部
18左下部かぎ状部
19右ブレーキかぎ状部
20左ブレーキかぎ状部
21右上部かぎ状部
22左上部かぎ状部
23右パドルかぎ状部
24左パドルかぎ状部
100バイクゲーム用コントローラ
200汎用コントローラ
210スティック