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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】バイポーラ電極及びアルカリ蓄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/28 20060101AFI20230106BHJP
   H01M 50/627 20210101ALI20230106BHJP
   H01M 4/24 20060101ALI20230106BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20230106BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
H01M10/28 Z
H01M50/627
H01M4/24 Z
H01M10/04 Z
H01M4/02 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018191810
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2020061270
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】小島 晶
(72)【発明者】
【氏名】河野 聡
(72)【発明者】
【氏名】南形 厚志
(72)【発明者】
【氏名】菊池 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】奥村 素宜
(72)【発明者】
【氏名】穂積 正人
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0024148(KR,A)
【文献】特開2018-106850(JP,A)
【文献】特開2018-098211(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0095122(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04-39
H01M 50/627
H01M 4/02-62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と、
前記金属箔の一方の面上に設けられた正極活物質層と、
前記金属箔の他方の面上に設けられた負極活物質層と、を有するバイポーラ電極であって、
前記正極活物質層は、
前記バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において長方形状であり、
前記正極活物質層の側端面に開口した複数の開口端を有する流路溝と、
前記流路溝から分岐し、前記側端面に開口していない閉止端を有するリザーブ溝と、を有し、
前記リザーブ溝の長さをL1とし、当該リザーブ溝に連なる前記流路溝から当該リザーブ溝の前記閉止端に最も近い前記正極活物質層の前記側端面までの距離をL2とした場合に、L2に対するL1の比率L1/L2が0.7以上1未満である、バイポーラ電極。
【請求項2】
前記L2に対する前記L1の比率L1/L2が0.8以上0.95以下である、請求項1に記載のバイポーラ電極。
【請求項3】
前記流路溝は、前記開口端から直線状に延設された直線部を有している、請求項1または2に記載のバイポーラ電極。
【請求項4】
前記直線部は前記平面視における前記正極活物質層のいずれかの辺と平行な方向に延設されている、請求項3に記載のバイポーラ電極。
【請求項5】
前記流路溝は、互いに間隔をあけて配置された複数の前記直線部を有しており、前記リザーブ溝は、複数の前記直線部のうち最も外側に配置された前記直線部から分岐している、請求項4に記載のバイポーラ電極。
【請求項6】
前記リザーブ溝は、前記直線部に直交する方向に延設された直線状を有している、請求項3~5のいずれか1項に記載のバイポーラ電極。
【請求項7】
前記正極活物質層は、前記直線部に沿って並んだ複数の前記リザーブ溝を有しており、隣り合う前記リザーブ溝の間隔は前記リザーブ溝の幅の5~10倍である、請求項6に記載のバイポーラ電極。
【請求項8】
前記流路溝は、複数の前記直線部と、複数の前記直線部に交差した交差部とを有する、請求項3~7のいずれか1項に記載のバイポーラ電極。
【請求項9】
前記流路溝は、互いに間隔をあけて配置された複数の交差部を有しており、隣り合う前記交差部同士の間隔は、隣り合う前記直線部同士の間隔の0.9~1.1倍である、請求項8に記載のバイポーラ電極。
【請求項10】
複数の電極がセパレータを介して積層された電極組立体と、前記電極組立体の側周面を覆うケースと、を備えたアルカリ蓄電池であって、
前記電極組立体は、前記電極として請求項1~9のいずれか1項に記載のバイポーラ電極を有し、
前記ケースは、前記電極組立体に電解液を注入するための注液口を備えた注液壁部を有し、
前記流路溝における複数の前記開口端の一部は前記注液壁部に対向する位置に配置されている、アルカリ蓄電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイポーラ電極及びアルカリ蓄電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素蓄電池等のアルカリ蓄電池は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両のバッテリーに用いられている。この種のアルカリ蓄電池は、複数の正極と負極とがセパレータを介して積層された電極組立体を有している。電極組立体に組み込まれる電極には、集電体としての金属箔と、金属箔の一方の面上に形成された正極活物質層と、他方の面上に形成された負極活物質層と、を備えたバイポーラ電極が使用されることがある。
【0003】
近年、アルカリ蓄電池に接続されるモータ等の負荷容量の増大に伴い、アルカリ蓄電池のパワー密度やエネルギー密度を更に高めることが要求されている。かかる要求を満足するため、バイポーラ電極における正極活物質層及び負極活物質層の面積がより広くなる傾向がある。しかし、これらの活物質層の面積が広くなると、アルカリ蓄電池の製造過程において電解液が活物質層の内部まで浸透しにくくなる。
【0004】
そこで、活物質層の内部まで電解液を容易に浸透させるために、種々の技術が提案されている。例えば特許文献1には、アルカリ蓄電池ではなく、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池用の電極ではあるものの、活物質層の表面に電極板の長手方向に延びる一方の端縁部から他方の端縁部に達する溝部を備えた電極が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-207253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アルカリ蓄電池は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池とは異なり、充電中に正極活物質層から電解液に由来するガスが発生することがある。正極活物質層における電極反応の効率を向上させるためには、正極活物質層から発生したガスを速やかに正極活物質層の外部へ排出するとともに、正極活物質層の外部から内部へ電解液を供給して正極活物質層に電解液を補充することが望ましい。
【0007】
しかし、特許文献1のような溝を正極活物質層の表面に形成した場合、正極活物質層から発生したガスが溝に集まりやすい。溝の内部に集まったガスは、正極活物質層の外部へ向かって移動する。これにより、溝の内部に正極活物質層の外部へ向かう流れが形成されやすくなる。溝の内部にこのような流れが形成された場合、正極活物質層の外部に存在する電解液を正極活物質層の内部へ供給するためには、流れに逆らって電解液を移動させる必要がある。
【0008】
それ故、特許文献1のような溝を正極活物質層の表面に形成する場合には、正極活物質層の外部から内部への電解液の供給が遅れやすくなる。また、電解液の供給が遅れると、場合によっては正極活物質層内に局所的に電解液が枯渇した領域が形成され、アルカリ蓄電池の内部抵抗の増大を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、正極活物質層から発生したガスを速やかに正極活物質層の外部へ排出するとともに、正極活物質層の内部に速やかに電解液を補充することができるバイポーラ電極及びこのバイポーラ電極を備えたアルカリ蓄電池を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、金属箔と、
前記金属箔の一方の面上に設けられた正極活物質層と、
前記金属箔の他方の面上に設けられた負極活物質層と、を有するバイポーラ電極であって
前記正極活物質層は、
前記バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において長方形状であり、
前記正極活物質層の側端面に開口した複数の開口端を有する流路溝と、
前記流路溝から分岐し、前記側端面に開口していない閉止端を有するリザーブ溝と、を有し、
前記リザーブ溝の長さをL1とし、当該リザーブ溝に連なる前記流路溝から当該リザーブ溝の前記閉止端に最も近い前記正極活物質層の前記側端面までの距離をL2とした場合に、L2に対するL1の比率L1/L2が0.7以上1未満である、バイポーラ電極にある。
【発明の効果】
【0011】
前記バイポーラ電極の正極活物質層は、複数の開口端を有する流路溝と、流路溝から分岐し、閉止端を有するリザーブ溝との2種類の溝を有している。流路溝における複数の開口端は、正極活物質層の側端面、つまり、正極活物質層の厚み方向から視た平面視における端縁となる面に配置されている。そのため、流路溝は、溝の内部の電解液やガスを開口端から溝の外部に排出することができる。一方、リザーブ溝の閉止端は正極活物質層の側端面に開口していないため、溝の内部の電解液やガスを閉止端から溝の外部に排出することが難しい。そのため、リザーブ溝の内部を流れる電解液やガスの流通抵抗は、流路溝の内部を流れる電解液やガスの流通抵抗に比べて高い。
【0012】
前記バイポーラ電極は、このような流通抵抗の違いにより、正極活物質層から発生したガスを比較的流通抵抗の低い流路溝に集めることができる。そして、流路溝の内部に正極活物質層の内部から外部へ向かう流れを作り出し、流路溝に集まったガスを正極活物質層の外部へ向けて移動させることができる。これらの結果、流路溝は、充電時に発生したガスを速やかに正極活物質層の外部へ排出することができる。
【0013】
一方、リザーブ溝は、流路溝に比べて流通抵抗が高いため、溝の内部に正極活物質層の外部へ向かう流れが生じにくい。そのため、リザーブ溝は、溝の内部に電解液を保持することができる。また、リザーブ溝は、正極活物質層内の電解液が電極反応によって減少した際に、溝の内部に保持された電解液を速やかに正極活物質層に供給し、正極活物質層内に電解液を補充することができる。その結果、正極活物質層における電解液の枯渇を抑制し、アルカリ蓄電池の内部抵抗を低減することができる。
【0014】
以上のように、前記の態様のバイポーラ電極によれば、正極活物質層から発生したガスを速やかに正極活物質層の外部へ排出するとともに、正極活物質層の内部に電解液を速やかに補充することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1における、バイポーラ電極を正極活物質層側から視た平面図である。
図2図1のII-II線一部矢視断面図である。
図3】実施例2における、全ての流路溝からリザーブ溝が分岐しているバイポーラ電極を正極活物質層側から視た平面図である。
図4】実施例3における、バイポーラ電極を備えたアルカリ蓄電池の斜視図である。
図5】実施例3におけるアルカリ蓄電池を注液口側から視た一部拡大平面図である。
図6図5のVI-VI線矢視断面図である。
図7図6のVII-VII線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前記バイポーラ電極における流路溝は、周囲よりも陥没した溝状であり、正極活物質層の側端面に設けられた開口端同士を接続している。即ち、流路溝は、正極活物質層に設けられた溝のうち、一の開口端と他の開口端とを結ぶ経路となる部分である。
【0017】
流路溝の幅は、例えば、0.5~10mmの範囲から適宜設定することができる。また、流路溝の深さは特に限定されることはない。例えば、流路溝の深さは正極活物質層の厚みと同一であってもよいし、正極活物質層の厚みよりも浅くてもよい。
【0018】
流路溝の配置は、種々の態様をとり得る。例えば、流路溝は、前記バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において直線状を有していてもよいし、曲線状を有していてもよい。
【0019】
例えば、流路溝は、開口端から直線状に延設された直線部を有していてもよい。この場合には、直線部内を流れる電解液及びガスの流通抵抗をより低減することができる。その結果、正極活物質層から発生したガスをより迅速に正極活物質層の外部へ排出し、正極活物質層内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。
【0020】
正極活物質層がバイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において長方形状を有している場合、直線部は、当該平面視における正極活物質層のいずれかの辺と平行な方向に延設されていてもよい。直線部をこのように配置する場合、帯状の金属箔に間欠的に正極活物質層及び負極活物質層を形成した後に活物質層同士の間で金属箔を切断する、いわゆるロールツーロール方式を採用して前記バイポーラ電極を作製することができる。それ故、バイポーラ電極をより効率よく作製することができる。
【0021】
流路溝は、複数の直線部と、これら複数の直線部に交差した交差部とを有していてもよい。この場合には、正極活物質層から発生したガスを交差部内にも集めることができる。そして、交差部内のガスを、直線部を介して正極活物質層の外部へ迅速に排出することができる。その結果、正極活物質層内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。
【0022】
更に、この場合には、リザーブ溝に保持された電解液を、直線部と交差部との両方を介して正極活物質層に供給することができる。これにより、より広い範囲の正極活物質層に電解液を補充することができる。
【0023】
交差部の幅は、例えば、0.5~10mmの範囲から適宜設定することができる。また、交差部の深さは特に限定されることはない。例えば、交差部の深さは正極活物質層の厚みと同一であってもよいし、正極活物質層の厚みよりも浅くてもよい。また、交差部の深さは、流路溝の深さやリザーブ溝の深さと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0024】
交差部の配置は、種々の態様をとり得る。例えば、交差部は、前記バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において直線状を有していてもよいし、曲線状を有していてもよい。
【0025】
交差部は、直線状であることが好ましい。この場合には、交差部内を流れる電解液及びガスの流通抵抗をより低減することができる。その結果、正極活物質層から発生したガスをより迅速に正極活物質層の外部へ排出し、正極活物質層内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。
【0026】
交差部は、直線部の延設方向と直角な方向に延設されていることが好ましい。この場合には、バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視における交差部の占有面積の増大を抑制することができる。その結果、バイポーラ電極の容量の低下を抑制しつつ、正極活物質層から発生したガスをより迅速に正極活物質層の外部へ排出することができる。
【0027】
流路溝は、互いに間隔をあけて配置された複数の交差部を有していてもよい。この場合、隣り合う交差部同士の間隔は、隣り合う直線部同士の間隔の0.9~1.1倍であることが好ましい。この場合には、電解液やガスの流路となる直線部及び交差部を正極活物質層内に偏りなく配置することができる。それ故、正極活物質層から発生したガスを流路溝の内部により集まりやすくし、正極活物質層内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。更に、直線部及び交差部を正極活物質層内に偏りなく配置することにより、より広い範囲の正極活物質層に電解液を補充することができる。
【0028】
前記正極活物質層におけるリザーブ溝は、周囲よりも陥没した溝状であり、流路溝から分岐している。また、リザーブ溝は、正極活物質層の側端面に開口していない閉止端を有している。つまり、リザーブ溝は、流路溝から分岐した先が行き止まりになっており、一の開口端と他の開口端とを結ぶ経路から外れている。
【0029】
リザーブ溝の形状は、種々の態様をとり得る。例えば、リザーブ溝の幅は、0.5~10mmの範囲から適宜設定することができる。また、リザーブ溝の深さは特に限定されることはない。例えば、リザーブ溝の深さは正極活物質層の厚みと同一であってもよいし、正極活物質層の厚みよりも浅くてもよい。また、リザーブ溝の深さは、流路溝の深さと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0030】
リザーブ溝は、前記バイポーラ電極の厚み方向から視た平面視において直線状を有していてもよいし、曲線状を有していてもよい。
【0031】
リザーブ溝は、流路溝に直交する方向に延設された直線状を有していることが好ましい。この場合には、流路溝の内部に正極活物質層の内部から外部へ向かう流れが生じた際に、リザーブ溝の内部の電解液を流路溝の内部の流れに巻き込まれにくくすることができる。これにより、リザーブ溝から流路溝への電解液の流出をより効果的に抑制し、リザーブ溝の内部に保持される電解液の量をより多くすることができる。その結果、正極活物質層における電解液の枯渇をより効果的に抑制することができる。
【0032】
正極活物質層は、流路溝の直線部に沿って並んだ複数のリザーブ溝を有していてもよい。この場合、隣り合うリザーブ溝の間隔は、リザーブ溝の幅の5~10倍であることが好ましい。この場合には、リザーブ溝を流路溝における電解液やガスの流通経路に沿って偏りなく配置し、より広い範囲の正極活物質層に電解液を補充することができる。その結果、正極活物質層における電解液の枯渇をより効果的に抑制することができる。
【0033】
前記バイポーラ電極の負極活物質層は、周囲よりも陥没した溝状である負極溝を有していてもよいし、有していなくてもよい。負極活物質層に負極溝を設ける場合、負極溝の位置は、正極活物質層に設けられた溝の背面であることが好ましい。負極活物質層は、アルカリ蓄電池の充電時に正極活物質層から発生したガスを吸収し、更には電極反応によってガスを電解液に戻すことができる。負極活物質層に負極溝を設けることにより、負極活物質層の表面積をより広くすることができる。その結果、負極活物質層におけるガスの吸収量をより多くすることができる。
【0034】
前記バイポーラ電極を備えたアルカリ蓄電池は、例えば、以下の構成を有していてもよい。即ち、アルカリ蓄電池は、複数の電極がセパレータを介して積層された電極組立体と、前記電極組立体の側周面を覆うケースと、を有している。
電極組立体は、電極として、前記の態様のバイポーラ電極を有している。
ケースは、電極組立体に電解液を注入するための注液口を備えた注液壁部を有している。
そして、流路溝における複数の開口端の一部は注液壁部に対向する位置に配置されている。
【0035】
かかる構成を有するアルカリ蓄電池の製造過程においてケース内に電解液を注入すると、電解液は、まず、注液壁部と正極活物質層との隙間に進入する。次いで、電解液は、注液壁部に対向する位置に設けられた開口端から流路溝に進入する。流路溝に進入した電解液は、流路溝の内部を移動しながら正極活物質層内に浸透する。これにより、正極活物質層全体に速やかに電解液を浸透させることができる。
【実施例
【0036】
(実施例1)
前記バイポーラ電極及びアルカリ蓄電池の実施例を、図1図2を用いて説明する。図1に示すように、バイポーラ電極1は、金属箔2と、金属箔2の一方の面上に設けられた正極活物質層3と、金属箔2の他方の面上に設けられた負極活物質層4と、を有している。正極活物質層3は、その側端面31に開口した複数の開口端321を有する流路溝32と、流路溝32から分岐し、側端面31に開口していない閉止端331を有するリザーブ溝33と、を有している。以下、本例のバイポーラ電極1の構成について詳説する。
【0037】
バイポーラ電極1の金属箔2は、長方形状を有している。金属箔2の寸法は、例えば、縦150~300mm、横300~600mmの範囲から適宜設定することができる。また、金属箔2としては、例えば、ニッケル箔や、ニッケルめっきが施されたステンレス鋼箔、鋼箔等を使用することができる。本例の金属箔2は、縦250mm、横450mmのニッケル箔である。
【0038】
金属箔2の一方の面上には、正極活物質層3が設けられている。正極活物質層3には、正極活物質としての水酸化ニッケルと、バインダとしてのアクリル系樹脂エマルション及びカルボキシメチルセルロースとが含まれている。
【0039】
本例の正極活物質層3は、縦204mm、横400mm、厚み110μmの直方体状であり、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視において長方形状を有している。正極活物質層3は、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視における正極活物質層3の端縁となる4か所の側端面31(311、312)を有している。以下においては、便宜上、厚み方向から視た平面視における正極活物質層3の短辺となる2か所の側端面31を第1側端面311といい、長辺となる2か所の側端面31を第2側端面312という。また、正極活物質層3は、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視における金属箔2の中央に配置されている。なお、正極活物質層3の寸法は、例えば、縦100~250mm、横200~500mm、厚み80~140μmの範囲から適宜設定することができる。
【0040】
正極活物質層3は、流路溝32と、流路溝32から分岐したリザーブ溝33と、を有している。流路溝32及びリザーブ溝33は、周囲から陥没した溝状である。本例の流路溝32は、開口端321から直線状に延設された複数の直線部322と、これらの直線部322に交差した交差部323と、を有している。直線部322と交差部323とは、格子状に配置されている。
【0041】
より具体的には、本例の直線部322は、正極活物質層3の長辺と平行な方向(つまり、横方向)に延設された直線状を有しており、縦方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、直線部322は、正極活物質層3の第1側端面311、つまり、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視において、正極活物質層3の短辺に当たる2か所の面のそれぞれに開口した開口端321を有している。本例の直線部322の幅は4mmである。また、直線部322同士の間隔は直線部322の幅の8倍である。
【0042】
交差部323は、直線部322の延設方向と直角な方向(つまり、縦方向)に延設された直線状を有しており、横方向に互いに間隔をあけて配置されている。各交差部323は、全ての直線部322と交差している。本例の交差部323の幅は4mmである。また、隣り合う交差部323同士の間隔は、隣り合う直線部322同士の間隔の1.0倍である。
【0043】
本例のリザーブ溝33は、複数の直線部322のうち最も外側に配置された直線部322aから分岐している。リザーブ溝33は、縦方向における外方に延設された直線状でありており、横方向に互いに間隔をあけて並んでいる。また、本例のリザーブ溝33と交差部323とは、同一の直線上に配置されている。
【0044】
リザーブ溝33は、延設方向の先端に、側端面31に開口していない閉止端331を有している。つまり、リザーブ溝33は、直線部322aから分岐した先が行き止まりになっている。本例のリザーブ溝33の幅は4mmであり、リザーブ溝33同士の間隔はリザーブ溝33の幅の8倍である。また、図2に示すように、リザーブ溝33の長さL1は、最も外側に配置された直線部322aから正極活物質層3の第2側端面312、つまり、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視において正極活物質層3の長辺に当たる面までの距離L2の7/8倍である。
【0045】
金属箔2の他方の面上には、負極活物質層4が設けられている。負極活物質層4には、負極活物質としての水素吸蔵合金と、バインダとしてのアクリル系樹脂エマルション及びカルボキシメチルセルロースとが含まれている。
【0046】
本例の負極活物質層4は、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視において、縦210mm、横410mmの長方形状を有している。また、負極活物質層4は、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視における金属箔2の中央に配置されている。なお、負極活物質層4の寸法は、例えば、縦160~310mm、横310~610mmの範囲から適宜設定することができる。
【0047】
本例の負極活物質層4は、負極溝41を有している。負極溝41は、周囲よりも陥没した溝状である。また、負極溝41は、図2に示すように、流路溝32及びリザーブ溝33の背面、つまり、バイポーラ電極1を厚み方向から視た平面視において、正極活物質層3に設けられた溝と重なる位置に設けられている。
【0048】
次に、本例のバイポーラ電極1の作用効果を説明する。バイポーラ電極1の正極活物質層3は、流路溝32とリザーブ溝33とを有している。流路溝32は、正極活物質層3の第1側端面311に複数の開口端321を有しており、流路溝32の内部の電解液やガスを開口端321から溝の外部に排出することができる。これに対し、リザーブ溝33の閉止端331は、正極活物質層3の第1側端面311及び第2側端面312のいずれにも開口していないため、流路溝32に比べて溝の内部を流れる電解液やガスの流通抵抗が高い。
【0049】
それ故、本例のバイポーラ電極1によれば、正極活物質層3から発生したガスを比較的流通抵抗の低い流路溝32に集めることができる。そして、流路溝32の内部に正極活物質層3の外部へ向かう流れを作り出し、流路溝32に集まったガスを正極活物質層3の外部へ向けて移動させることができる。これらの結果、流路溝32は、充電時に発生したガスを速やかに正極活物質層3の外部へ排出することができる。
【0050】
一方、リザーブ溝33は、流路溝32に比べて流通抵抗が高いため、溝の内部に正極活物質層3の外部へ向かう流れが生じにくい。そのため、リザーブ溝33は、溝の内部に電解液を保持することができる。また、リザーブ溝33は、正極活物質層3内の電解液が電極反応によって減少した際に、溝の内部に保持された電解液を速やかに正極活物質層3に供給することができる。その結果、正極活物質層3における電解液の枯渇を抑制し、アルカリ蓄電池の内部抵抗を低減することができる。
【0051】
以上のように、バイポーラ電極1によれば、正極活物質層3から発生したガスを速やかに正極活物質層3の外部へ排出するとともに、正極活物質層3の内部に電解液を速やかに補充することができる。
【0052】
本例の正極活物質層3はバイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視において長方形状を有しており、流路溝32は当該平面視における正極活物質層3の長辺と平行な方向に延設されている。そのため、本例のバイポーラ電極1の作製には、ロールツーロール方式を採用することができる。そして、ロールツーロール方式を採用することにより、バイポーラ電極1をより効率よく作製することができる。
【0053】
流路溝32は、複数の直線部322と、これら複数の直線部322に交差した交差部323とを有している。そのため、正極活物質層3から発生したガスを交差部323内にも集めることができる。そして、交差部323内のガスを、直線部322を介して正極活物質層3の外部へ迅速に排出することができる。その結果、正極活物質層3内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。
【0054】
また、交差部323を設けることにより、リザーブ溝33に保持された電解液を、直線部322と交差部323との両方を介して正極活物質層3に供給することができる。これにより、より広い範囲の正極活物質層3に電解液を補充することができる。
【0055】
交差部323は、直線部322の延設方向と直角な方向に延設されている。そのため、バイポーラ電極1の厚み方向から視た平面視における交差部323の占有面積の増大を抑制することができる。その結果、バイポーラ電極1の容量の低下を抑制しつつ、正極活物質層3から発生したガスをより迅速に正極活物質層3の外部へ排出することができる。
【0056】
流路溝32は、互いに間隔をあけて配置された複数の交差部323を有しており、隣り合う交差部323同士の間隔は、隣り合う直線部322同士の間隔の0.9~1.1倍である。そのため、電解液やガスの流路となる直線部322及び交差部323を正極活物質層3内に偏りなく配置することができる。それ故、正極活物質層3から発生したガスを流路溝32の内部により集まりやすくし、正極活物質層3内へのガスの滞留をより効果的に低減することができる。更に、直線部322及び交差部323を正極活物質層3内に偏りなく配置することにより、より広い範囲の正極活物質層3に電解液を補充することができる。
【0057】
本例のリザーブ溝33は、正極活物質層3の短辺と平行な方向、つまり、流路溝32に直交する方向に延設されている。そのため、流路溝32内に正極活物質層3の外部へ向かう流れが生じた際に、リザーブ溝33内の電解液を流路溝32内の流れに巻き込まれにくくすることができる。これにより、リザーブ溝33から流路溝32への電解液の流出をより効果的に抑制し、リザーブ溝33内に保持される電解液の量をより多くすることができる。その結果、正極活物質層3における電解液の枯渇をより効果的に抑制することができる。
【0058】
正極活物質層3は、直線部322に沿う方向に互いに間隔をあけて並んだ複数のリザーブ溝33を有している。また、隣り合うリザーブ溝33の間隔は、リザーブ溝33の幅の5~10倍である。これにより、流路溝32における電解液やガスの流通経路に沿ってリザーブ溝33を偏りなく配置し、より広い範囲の正極活物質層3に電解液を補充することができる。その結果、正極活物質層3における電解液の枯渇をより効果的に抑制することができる。
【0059】
バイポーラ電極1の負極活物質層4は、流路溝32及びリザーブ溝33の背面に配置された負極溝41を有している。そのため、負極活物質層4の表面積をより広くし、負極活物質層4におけるガスの吸収量をより多くすることができる。
【0060】
(実施例2)
本例のバイポーラ電極102は、複数の流路溝34と、各流路溝34から分岐したリザーブ溝35とを備えた正極活物質層302を有している。なお、本例以降において用いられる符号のうち、既出の例において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り既出の例と同様の構成要素等を示す。
【0061】
図3に示すように、本例のバイポーラ電極102は、横方向に延設された直線状を有する直線部342を備えた複数の流路溝34を有している。複数の流路溝34は、縦方向に互いに間隔をあけて並んでいる。また、各流路溝34は、正極活物質層302における2か所の第1側端面311のそれぞれに開口端341を有している。
【0062】
各流路溝34は、その幅方向における両側に延出した複数のリザーブ溝35を有している。リザーブ溝35は、縦方向に延設された直線状を有している。各流路溝34から延出したリザーブ溝35の閉止端351は、当該流路溝34の隣の流路溝34から延出したリザーブ溝35の閉止端351から離間している。横方向において隣り合うリザーブ溝35の間隔は、リザーブ溝35の幅の5~10倍である。その他は実施例1と同様である。
【0063】
本例のように各流路溝34にリザーブ溝35を設けることにより、リザーブ溝35内により多くの電解液を保持することができる。これにより、電解液の枯渇をより起こりにくくし、アルカリ蓄電池の内部抵抗の上昇をより効果的に抑制することができる。その他、本例のバイポーラ電極102は、交差部323による作用効果を除いて実施例1と同様の作用効果を奏することができる。なお、本例においては、全ての流路溝34が交差部を有しない構成となっているが、正極活物質層3に、交差部323を有する流路溝32と、交差部を有しない流路溝34との両方が設けられていてもよい。
【0064】
(実施例3)
本例は、バイポーラ電極1を有するアルカリ蓄電池5の例である。図4及び図6に示すように、本例のアルカリ蓄電池5は、複数の電極1、103がセパレータ111を介して積層された電極組立体11と、電極組立体11の側周面110を覆うケース6と、を有している。図6及び図7に示すように、電極組立体11は、電極としてのバイポーラ電極1を有している。図4に示すように、ケース6は、電極組立体11に電解液を注入するための注液口611を備えた注液壁部61を有している。図7に示すように、バイポーラ電極1における流路溝32の開口端321(321a、321b)のうち一部の開口端321aは、注液壁部61に対向する位置に配置されている。なお、図6においては、便宜上、正極活物質層3の構造を簡略化した。
【0065】
本例のアルカリ蓄電池5は、図4に示すように略直方体状である。アルカリ蓄電池5の側周面には角筒状であるケース6が配置されている。ケース6は、注液口611を備えた注液壁部61と、注液壁部61とともに電極組立体11の側周面110を覆う側壁部62と、を有している。図5図7に示すように、注液口611は、電解液の液漏れを防止するための栓612によって閉鎖されている。
【0066】
図6及び図7に示すように、ケース6の筒内には電極組立体11が収容されている。電極組立体11とケース6との間には、両者の隙間を封止するためのシール材63が介在している。シール材63は、具体的には、バイポーラ電極1及び後述する終端電極103における金属箔2の周縁部に設けられている。また、図5及び図6に示すように、シール材63における注液口611に対向する位置には貫通穴631が設けられている。注液口611と電極組立体11とは、貫通穴631を介して連通している。
【0067】
図6に示すように、電極組立体11は、電極として、積層方向の両端に配置された終端電極103(103p、103n)と、終端電極103同士の間に配置されたバイポーラ電極1と、を有している。2枚の終端電極103のうち積層方向の一端に配置された第1の終端電極103pは、負極活物質層4を有しない以外はバイポーラ電極1と同様の構成を有している。また、積層方向の他端に配置された第2の終端電極103nは、正極活物質層3を有しない以外はバイポーラ電極1と同様の構成を有している。
【0068】
図7に示すように、本例のバイポーラ電極1及び終端電極103は、各直線部322の開口端321(321a、321b)のうち一方の開口端321aが注液壁部61と対向するように配置されている。
【0069】
バイポーラ電極1及び終端電極103は、正極活物質層3と負極活物質層4とが積層方向において交互に並ぶように配置されている。また、正極活物質層3と負極活物質層4との間には、セパレータ111が介在している。これにより、金属箔2同士の間に、正極活物質層3と負極活物質層4とがセパレータ111を介して対向した単セルCが構成されている。これらの単セルCは、集電体としての金属箔2を介して電気的に直列に接続されている。
【0070】
また、電極組立体11における終端電極103の金属箔2は、ケース6の頂面及び底面に設けられた開口64に露出している。本例の電極組立体11は、終端電極103の金属箔2を外部回路と接続することにより、充放電を行うことができる。なお、図には示さないが、終端電極103の金属箔2には、電極組立体11を積層方向に拘束する拘束部材が当接している。
【0071】
本例のアルカリ蓄電池5における電極組立体11は、流路溝32及びリザーブ溝33を備えた電極1、103pを有している。そのため、正極活物質層3から発生したガスを速やかに正極活物質層3の外部へ排出するとともに、正極活物質層3の内部に速やかに電解液を補充することができる。その結果、アルカリ蓄電池5の内部抵抗を低減することができる。
【0072】
また、本例のアルカリ蓄電池5における流路溝32の開口端321aは、注液壁部61に対向して配置されている。そのため、アルカリ蓄電池5の製造過程においてケース6内に電解液を注入した際に、注液壁部61に対向する位置に設けられた開口端321aから流路溝32内に電解液を進入させることができる。そして、流路溝32内に進入した電解液が他方の開口端321bに向かって移動しながら正極活物質層3内に浸透することにより、正極活物質層3全体に速やかに電解液を浸透させることができる。
【0073】
(実験例)
本例は、リザーブ溝33の長さを種々変更した場合の充電時の内部抵抗を評価した例である。本例では、リザーブ溝33の長さを表1に示す値に変更した以外は実施例1と同様の構成を有するバイポーラ電極1(試験体1、2)を作製した。また、本例では、試験体1、2との比較のため、リザーブ溝33を設けない試験体3及びリザーブ溝33の閉止端331を正極活物質層3の第2側端面312に開口させた試験体4を作製した。なお、表1には、リザーブ溝33の長さL1(mm)とともに、複数の流路溝32のうち最も外側に配置された流路溝32aから正極活物質層3の第2側端面312までの距離L2を基準にした時のリザーブ溝33の長さの比率L1/L2(倍)を記載した。
【0074】
これらのバイポーラ電極1を用いて実施例3と同様の構成を有するアルカリ蓄電池5を作製し、以下の方法により内部抵抗の測定を行った。まず、アルカリ蓄電池5を、25℃の温度において満充電状態の60%の容量まで充電した。この状態から1C、2C、5Cまたは10Cのいずれかの放電レートで5秒間放電し、放電直後の電圧を測定した。その後、放電レートと同一の充電レートで5秒間充電し、充電直後の電圧を測定した。そして、各測定時点における電圧を縦軸に、電流値を横軸にプロットしたグラフを作成した。このグラフの傾きに基づいて算出した5秒抵抗の値をアルカリ蓄電池5の内部抵抗とした。各試験体を用いたアルカリ蓄電池5の内部抵抗の値は、表1に示す通りであった。
【0075】
【表1】
【0076】
表1に示したように、閉止端331を備えたリザーブ溝33を有する試験体1、2を用いる場合には、リザーブ溝33を有しない試験体3やリザーブ溝33が第2側端面312に開口した試験体4に比べて内部抵抗が小さくなった。
【0077】
これらの結果から、バイポーラ電極1の正極活物質層3に、開口端321を備えた流路溝32と、閉止端331を備えたリザーブ溝33とを設けることにより、アルカリ蓄電池5の内部抵抗を低減できることが理解できる。また、L1/L2の数値範囲としては0.7以上1未満が好ましく、0.8以上0.95以下がさらに好ましいといえる。
【0078】
本発明に係るバイポーラ電極及びアルカリ蓄電池の態様は、前述した実施例及び実験例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
【符号の説明】
【0079】
1、102 バイポーラ電極
2 金属箔
3 正極活物質層
31 側端面
32、34 流路溝
321、341 開口端
33、35 リザーブ溝
331、351 閉止端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7