(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0211 20230101AFI20230106BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20230106BHJP
【FI】
G06Q30/02 326
G06Q30/02 346
(21)【出願番号】P 2019133825
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2020-03-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今仲 知子
(72)【発明者】
【氏名】皆月 克斗
(72)【発明者】
【氏名】小倉 陸
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】小田 浩
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-134408(JP,A)
【文献】特開2015-72526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、
前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポン
であってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポン
とを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部と、
前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定部により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供部と
を有し、
前記特定部は、
前記利用者が前記購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい新たなクーポンの組み合わせを特定し、
前記提供部は、
新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する
ことを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記提供部により提供された購入コンテンツにおいて、前記利用者が取引対象を購入するための操作を行った場合は、前記クーポン情報が示す組み合わせのクーポンを適用した決済を行う決済部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記仮想カートに投入された取引対象ごとに、当該取引対象を対象とするクーポンを特定し、特定したクーポンの適用条件に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記特定部は、
各取引対象を対象とするクーポンの組み合わせであって、同時に利用可能なクーポンの組み合わせを全て特定し、特定した組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する
ことを特徴とする請求項3に記載の提供装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記仮想カートに投入された全ての取引対象を購入した際における値引き額が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項6】
前記特定部は、
前記値引き額と、クーポンを利用した場合に前記利用者に対して提供されるポイントの総額との合計が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定する
ことを特徴とする請求項5に記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記クーポン情報として、前記利用者が獲得していないクーポンを獲得するための操作を受け付け可能なコンテンツを前記購入コンテンツとして提供する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記購入コンテンツを介して前記利用者から所定の操作を受け付けた場合は、当該利用者が利用可能なクーポンの選択を受け付けるための選択コンテンツをさらに提供する
ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項9】
前記提供部は、
前記利用者が利用可能なクーポンの情報を所定の順序で並べた選択コンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項8に記載の提供装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記利用者が利用可能なクーポンを、値引き額、クーポンが利用可能な期間の終了日時及び送料を無料とするか否かに応じた順序で並べた選択コンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項9に記載の提供装置。
【請求項11】
前記提供部は、
前記利用者が前記仮想カートに投入した取引対象に関するクーポンであって、適用条件のうち購入総額若しくは購入数量に関する条件が満たされていないクーポンを含むクーポンの情報を示す選択コンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項8~10のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項12】
前記提供部は、
前記選択コンテンツを介して新たなクーポンが選択された場合は、当該選択されたクーポンを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項8~11のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する提供方法であって、
電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、
前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポン
であってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポン
とを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定工程と、
前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定工程により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供工程と
を含み、
前記特定工程は、
前記利用者が前記購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい新たなクーポンの組み合わせを特定し、
前記提供工程は、
新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する
ことを特徴とする提供方法。
【請求項14】
電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、
前記利用者が獲得済みのクーポンと、前記利用者が獲得していないクーポン
であってクーポンの提供者から表示対象とする設定が行われたクーポン
とを特定し、特定したクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定手順と、
前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定手順により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツであって、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ、
前記特定手順は、
前記利用者が前記購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、前記利用者に対する利益が最も大きい新たなクーポンの組み合わせを特定し、
前記提供手順は、
新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する
ことを特徴とする提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインショッピングにおいて、ショッピングサイトを運営する店舗が電子クーポンをユーザに配布し、ユーザがこの店舗のサイトで商品を購入する場合に、当該電子クーポンを適用して商品を値引きすることにより、商品の販売促進が行われている。しかし、多くの店舗が電子クーポンを配布すると、ユーザが獲得する電子クーポンの数も多くなり、その管理が煩雑になる。
【0003】
これを回避するため、下記の特許文献1では、オンラインショッピングにおいてユーザが商品を購入する場合に、ユーザが既に保有している電子クーポンを、購入商品への利用可否の情報と共に、注文画面に表示する。これにより、ユーザは、保有している電子クーポンの中で、購入商品に対して利用できる電子クーポンを選択して利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、クーポンを効率良く利用させているとは言えない場合がある。
【0006】
例えば、電子クーポンには、対象商品や対象店舗が限定されているもの、他の電子クーポンと併用できないものなど、様々な種類が存在する。このため、どのような電子クーポンをどのように利用すればよいかの判断が煩雑となり、電子クーポンを積極的に利用しなくなる場合があった。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、クーポンを利用者に効率よく利用させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る提供装置は、電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、利用可能なクーポンの組み合わせのうち、前記利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する特定部と、前記仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、前記特定部により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツを、前記仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、クーポンを利用者に効率よく利用させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る仮想カート画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る選択コンテンツの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る取引対象データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るクーポンデータベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本願にかかる提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.実施形態〕
図1から
図3を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される情報処理を説明する。なお、
図1から
図3では、本実施形態に係る提供装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る提供処理が実現されるものとする。
【0013】
図1から
図3に示す例において、情報提供システム1は、情報提供装置10及び端末装置100を有する。情報提供装置10と、端末装置100とは、図示しない所定の通信網を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示す情報提供システム1は、複数台の情報提供装置10や、複数台の端末装置100が含まれてもよい。
【0014】
情報提供装置10は、電子商店街(モール)に関するサービスを、利用者や、電子商店街に出店する店舗(ストア)の管理者に対して提供するサーバ装置である。情報提供装置10は、図示しない所定の通信網を介して、利用者が使用する端末装置100や、ストアの管理者が利用するストア端末との間で通信を行う。例えば、情報提供装置10は、ストアが電子商店街で販売する取引対象に関する取引対象情報(例えば、取引対象の名称、画像、価格、送料、在庫数等)をストア端末から受け付け、記憶部にて管理する。
【0015】
また、情報提供装置10は、ストアの管理者等によって提供されるクーポンであって、当該ストアで販売する取引対象に関してのみ利用可能なクーポン(以下、「ストアクーポン」と記載する場合がある)に関するクーポン情報(例えば、クーポンの適用対象である取引対象や、適用条件、他のクーポンとの併用の可否など)をストア端末から受け付け、記憶部にて管理する。また、情報提供装置10は、電子商店街の管理者等によって提供されるクーポンであって、利用対象が特定のストアに限定されずに電子商店街に出店する各店舗において利用可能なクーポン(以下、「電子商店街クーポン」と記載する場合がある)に関するクーポン情報を記憶部にて管理する。
【0016】
なお、情報提供装置10は、異なるストアを利用することを適用条件とするクーポンを管理してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が第1のストア、並びに、第1のストアとは異なる第2のストアのそれぞれにおいて所定の取引対象を購入する場合に適用されるクーポンに関するクーポン情報を管理する。また、情報提供装置10は、電子商店街を利用する利用者に関する各種情報(例えば、電子商店街での行動履歴や、利用者が獲得したクーポンなど)を記憶部にて管理する。
【0017】
なお、情報提供装置10は、電子商店街に関するアプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。また、情報提供装置10は、端末装置100やストア端末に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報提供装置10から配信される電子商店街に関するアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0018】
端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。例えば、端末装置100は、利用者の操作に応じて情報提供装置10にアクセスすることにより情報提供装置10によって提供(配信)される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、端末装置100は、情報提供装置10によって配信される情報の表示処理を実現する制御情報を情報提供装置10から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0019】
以下、
図1を用いて、情報提供装置10が行う提供処理について説明する。
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、以下の説明において、端末装置100は、利用者Uによって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。また、以下の説明において、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の出力部(以下、画面と記載する場合がある)を有し、タッチパネルが採用されているものとする。すなわち、利用者U1は、指や専用ペンで出力部の表示面をタッチすることにより端末装置100の各種操作を行う。また、以下の説明において、情報提供装置10は、端末装置100からのアクセスに応じて、電子商店街に関するコンテンツを提供済であるものとする。
【0020】
まず、情報提供装置10は、取引対象を仮想カートに投入するための投入操作を受け付ける(ステップS1)。例えば、
図1の例において、情報提供装置10は、利用者U1により入力されたクエリ情報を端末装置100から受け付け、受け付けたクエリ情報と対応する取引対象を電子商店街上の仮想カートに投入するための投入画面C1を、端末装置100に提供する。
図1に示すように、投入画面C1は、取引対象情報(
図1の例では取引対象#1に対応する取引対象情報)を表示する領域、並びに、取引対象を仮想カートに投入する投入操作を行うための投入ボタンBを含む。
【0021】
なお、仮想カートに投入される各取引対象は、それぞれ異なるストアで販売されるものであってよい。
【0022】
図1の例において、端末装置100は、情報提供装置10から提供された投入画面C1を画面に表示し、投入ボタンBに対する利用者Uのタッチ操作を受け付けることにより、仮想カートに投入する取引対象#1に関する情報(例えば、取引対象#1を識別する識別情報)を情報提供装置10に送信する。
【0023】
続いて、情報提供装置10は、取引対象と、利用者U1の仮想カートとを紐付けることで、取引対象を仮想カートに投入する(ステップS2)。例えば、
図1の例において、情報提供装置10は、ステップS1において端末装置100から送信された情報に対応する取引対象と、電子商店街上の利用者U1の仮想カートとを紐付ける。
【0024】
続いて、端末装置100は、仮想カート画面を要求する(ステップS3)。例えば、
図1の例において、端末装置100は、電子商店街に関するコンテンツを表示した画面上で、仮想カートに投入された取引対象を表示するための所定の操作を利用者U1から受け付け、仮想カート画面の提供要求を情報提供装置10に送信する。
【0025】
続いて、情報提供装置10は、仮想カートの取引対象ごとに、利用可能なクーポンを特定し、特定したクーポンの組み合わせの中から、割引額が最大となるクーポンの組み合わせを特定する(ステップS4)。例えば、
図1の例において、情報提供装置10は、端末装置100から送信された仮想カート画面の提供要求に応じて、利用者U1の仮想カートに投入された取引対象ごとに、利用可能なクーポンを特定する。具体的には、
図1の例において、情報提供装置10は、利用者U1が獲得済みのクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポン、並びに、利用者U1が獲得していないクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポンを特定する。そして、情報提供装置10は、クーポンが適用される条件(例えば、仮想カートに投入された取引対象の価格と送料との合計額(購入総額)、取引対象を購入する数量など)や、他のクーポンとの併用の可否などに基づいて、同時に利用可能なクーポンの組み合わせを全て特定し、特定したクーポンの組み合わせの中から、割引額が最大となるクーポンの組み合わせを特定する。なお、
図1の例において、情報提供装置10は、特定したクーポンの組み合わせの中から、利用者U1が獲得済みのクーポン#1-2及びクーポン#2-3、並びに、利用者U1が獲得していないクーポン#3-1などを含む組み合わせCGを、割引額が最大となるクーポンの組み合わせとして特定したものとする。
【0026】
続いて、情報提供装置10は、特定したクーポンの組み合わせCGを示すクーポン情報と、取引対象情報とを含む仮想カート画面を生成する(ステップS5)。例えば、
図1の例において、情報提供装置10は、組み合わせCGに含まれる各クーポンに対応するクーポン情報や、仮想カートに投入された取引対象に対応する取引対象情報、取引対象を購入する数量、購入総額、組み合わせCGに含まれる各クーポンを利用した場合の購入総額(割引金額)などを含む仮想カート画面C2を生成する。
【0027】
続いて、情報提供装置10は、生成した仮想カート画面C2を端末装置100に提供する(ステップS6)。
【0028】
次に、
図2を用いて、利用者U1が獲得していないクーポンを獲得するための操作を受け付け可能とする仮想カート画面C2の提供処理について説明する。
図2は、実施形態に係る仮想カート画面の一例を示す図である。なお、
図2の例において、情報提供装置10から仮想カート画面C2が端末装置100に提供され、端末装置100の画面に仮想カート画面C2が表示されているものとする。
【0029】
図2に示すように、情報提供装置10は、利用者U1が獲得していないクーポン#3-1を獲得する獲得操作を行うためのボタンCIBを含む仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。そして、情報提供装置10は、ボタンCIBの選択操作に応じて端末装置100から送信されるクーポン#3-1に関する情報(例えば、クーポン#3-1を識別する識別情報)に応じて、クーポン#3-1と利用者U1とを紐付ける。
【0030】
また、情報提供装置10は、利用者U1がクーポン#3-1が獲得したことを示す情報を含むクーポン#3-1のクーポン情報を端末装置100に提供し、提供したクーポン情報を仮想カート画面C2上の領域AR1に表示するよう制御する。
【0031】
なお、情報提供装置10は、クーポン#3-1の獲得に所定の条件が設定されている場合、設定された条件に応じたコンテンツを端末装置100に提供してもよい。例えば、クーポン#3-1の獲得にキャンペーンページの閲覧を要する場合、情報提供装置10は、ボタンCIBの選択操作に応じて端末装置100にキャンペーンページを提供する。また、例えば、クーポン#3-1の獲得にキャンペーンコードやクーポンコードなどのコード情報の入力を要する場合、情報提供装置10は、ボタンCIBの選択操作に応じて端末装置100にコード情報を入力するためのコンテンツを提供する。
【0032】
次に、
図3を用いて、利用可能なクーポンの選択を利用者U1から受け付け可能とする選択コンテンツの提供処理について説明する。
図3は、実施形態に係る選択コンテンツの一例を示す図である。なお、
図3の例において、情報提供装置10から仮想カート画面C2が端末装置100に提供され、端末装置100の画面に仮想カート画面C2が表示されているものとする。
【0033】
図3に示すように、情報提供装置10は、利用するクーポンの変更を指示する操作を行うためのボタンCBを含む仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。そして、情報提供装置10は、ボタンCBの選択操作に応じて端末装置100から送信される選択コンテンツの提供要求を受け付ける。
【0034】
ここで、
図3の例において、情報提供装置10は、選択コンテンツの提供要求に応じて、利用者U1が獲得済みのクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポンを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したクーポンに対応するクーポン情報に基づいて生成した選択コンテンツを端末装置100に提供し、提供した選択コンテンツを仮想カート画面C2上の領域AR2に表示するよう制御する。
図3に示すように、選択コンテンツには、特定した各クーポンに対応するクーポン情報と、各クーポンを利用するか否かを利用者U1が選択するためのチェックボックスとを含む。そして、情報提供装置10は、選択コンテンツにおいて利用者に選択されたクーポンに基づき、クーポン情報や、割引金額を更新した仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。
【0035】
なお、情報提供装置10は、仮想カートに投入した取引対象に対応するクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象の購入総額や、取引対象を購入する数量などといった、クーポンが適用される条件が満たされていないクーポンを含む選択コンテンツを提供してもよい。そして、クーポンが適用される条件が満たされていないクーポンが選択コンテンツにおいて利用者U1に選択された場合、情報提供装置10は、購入総額や取引対象を購入する数量が不足している旨の通知を提供する。
【0036】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者が獲得済みのクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポン、並びに、利用者が獲得していないクーポン(言い換えると、利用者が獲得し得るクーポン)であって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポンのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定し、利用者に提供することができる。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、どのクーポンの利用が最適であるかといった利用者による煩雑な判断を必要とせず、利用者がクーポン利用による利益を享受できるため、クーポンを利用者に効率よく利用させることができる。
【0037】
〔2.情報提供装置の構成〕
次に、
図4を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0038】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100、決済サーバ200等との間で情報の送受信を行う。
【0039】
ここで、
図4に示す決済サーバ200は、情報提供装置10が提供する電子商店街に関するサービスにおいて利用者が取引対象を購入したことに伴い発生する料金の決済処理を制御するサーバ装置である。例えば、決済サーバ200は、電子商店街において取引対象を購入した利用者に対する請求額、並びに、電子商店街のストアに対する支払額に関する通知を情報提供装置10から受け付ける。そして、決済サーバ200は、利用者から請求額の決済を受け付け、ストアに対する支払額の決済を行う。なお、決済サーバ200は、現金による決済処理だけではなく、例えば、クレジットカードや、電子決済等を用いた決済処理の制御を行ってもよい。また、決済サーバ200は、銀行のサーバや、ネットバンクのサーバ等でもよい。
【0040】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部30は、取引対象データベース31と、クーポンデータベース32と、利用者データベース33とを有する。
【0041】
(取引対象データベース31について)
取引対象データベース31は、ストアが電子商店街で販売する取引対象(商品)に関する取引対象情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、取引対象データベース31が記憶する取引対象情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る取引対象データベースの一例を示す図である。
図5の例では、取引対象データベース31は、「商品ID」、「商品名」、「店舗ID」、「価格」といった項目を有する。
【0042】
「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。「商品名」は、商品の名称を示す。「店舗ID」は、電子商店街に出店している店舗を識別するための識別情報を示す。「価格」は、商品の価格を示す。
【0043】
すなわち、
図5では、電子商店街において店舗ID「店舗#1」によって識別される店舗が、商品ID「商品#1」によって識別され、商品名「ワンピース」、価格「14000円」である商品を販売する例を示す。
【0044】
(クーポンデータベース32について)
クーポンデータベース32は、所定の店舗で販売する取引対象に関してのみ利用可能なストアクーポン、並びに、利用対象が特定のストアに限定されずに電子商店街に出店する各店舗において利用可能な電子商店街クーポンに関するクーポン情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、クーポンデータベース32が記憶するクーポン情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係るクーポンデータベースの一例を示す図である。
図6の例では、クーポンデータベース32は、「クーポンID」、「店舗ID」、「クーポン対象商品」、「適用条件」、「割引率」、「併用情報」、「表示設定」といった項目を有する。
【0045】
「クーポンID」は、クーポンを識別するための識別情報を示す。「店舗ID」は、クーポンが利用可能な店舗を識別するための識別情報を示す。なお、
図6の例において、「店舗ID」の項目に「店舗#1」、「店舗#3」といった情報が格納されている場合、対応するクーポンがストアクーポンであることを示す。また、「店舗ID」の項目に「全店舗」といった情報が格納されている場合、対応するクーポンが電子商店街クーポンであることを示す。
【0046】
「クーポン対象商品」は、クーポンの適用対象である商品を示す。「適用条件」は、クーポンが適用される条件を示し、商品の購入総額や、商品を購入する数量などといった情報が格納される。「割引率」は、クーポンが適用された場合の商品の割引率を示す。なお、クーポンが適用された場合に利用者が得られる利益は商品の割引に限られず、例えば、商品の価格の減額、商品の送料の無料、所定のサービスにおいて利用可能なポイントの付与などを、クーポンが適用された場合に利用者が得られる利益として設定してもよい。
【0047】
「併用情報」は、クーポンが他のクーポンとの併用が可能であるか否を示す。「表示設定」は、クーポンを購入コンテンツ(
図1の例における仮想カート画面C2)における表示対象とされているか否かを示す情報であり、例えば、クーポンの提供主により設定される。
【0048】
すなわち、
図6では、クーポンID「クーポン#1」によって識別されるクーポンが店舗ID「店舗#1」によって識別される店舗の商品「商品#1、商品#2、商品#3・・・」を対象として利用可能であり、「2品以上購入」する際に割引率「3割引」が適用され、当該クーポンが他のクーポンとの併用が「不可」であり、購入コンテンツにおける表示対象とされている例を示す。
【0049】
(利用者データベース33について)
利用者データベース33は、利用者に関する各種情報を記憶する。ここで、
図7を用いて、利用者データベース33が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る利用者データベースの一例を示す図である。
図7の例では、利用者データベース33は、「利用者ID」、「利用者情報」、「獲得クーポン」、「仮想カート」といった項目を有する。
【0050】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「利用者情報」は、電子商店街における利用者の利用履歴や、利用者の属性情報などを示す。「獲得クーポン」は、利用者が獲得済みのクーポンを示す。「仮想カート」は、利用者が仮想カートに投入している商品を示す。
【0051】
すなわち、
図7では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の利用者情報が「利用者情報#1」を示し、「クーポン#3」を獲得済みであり、仮想カートに「商品#1、商品#3・・・」が投入されている例を示す。
【0052】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図4に示すように、管理部41と、特定部42と、提供部43と、決済部44とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0053】
(管理部41について)
管理部41は、電子商店街における各種管理を行う。例えば、
図1の例において、管理部41は、ストアが電子商店街で販売する取引対象に関する取引対象情報をストア端末から受け付け、取引対象データベース31に格納する。また、管理部41は、ストアの管理者等や、電子商店街の管理者等によって提供されるクーポンのクーポン情報をクーポンデータベース32に格納する。また、管理部41は、電子商店街を利用する利用者に関する各種情報を収集し、利用者データベース33に格納する。また、管理部41は、端末装置100から送信された、仮想カートに投入する取引対象に関する情報と、電子商店街上の利用者U1の仮想カートとを紐付け、利用者データベース33に格納する。
【0054】
また、例えば、
図2の例において、管理部41は、仮想カート画面C2において、利用者U1が獲得していないクーポンを獲得する獲得操作を行った場合、当該クーポンと利用者U1とを紐付け、利用者データベース33に格納する。
【0055】
(特定部42について)
特定部42は、電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、利用可能なクーポンの組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。例えば、
図1の例において、特定部42は、クーポンデータベース32及び利用者データベース33を参照し、利用者U1の仮想カートに投入された取引対象ごとに利用可能なクーポンの組み合わせのうち、割引額が最大となるクーポンの組み合わせを特定する。
【0056】
また、特定部42は、利用者が購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、新たなクーポンの組み合わせを特定してもよい。例えば、
図1の例において、利用者U1が、仮想カートに投入された取引対象を購入する数量の変更操作や、仮想カートに投入された取引対象の削除操作を仮想カート画面C2において行った場合、特定部42は、操作内容に応じて変更された取引対象の情報に基づいて、新たなクーポンの組み合わせを特定する。
【0057】
また、特定部42は、仮想カートに投入された取引対象ごとに、当該取引対象を対象とするクーポンを特定し、特定したクーポンの適用条件に基づいて、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定してもよい。例えば、
図1の例において、特定部42は、利用者U1が獲得済みのクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポン、並びに、利用者U1が獲得していないクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポンを特定し、クーポンが適用される条件に基づいて、割引額が最大となるクーポンの組み合わせを特定する。
【0058】
また、特定部42は、各取引対象を対象とするクーポンの組み合わせであって、同時に利用可能なクーポンの組み合わせを全て特定し、特定した組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定してもよい。例えば、
図1の例において、特定部42は、仮想カートに投入された取引対象に対し利用可能なクーポンを特定し、クーポンが適用される条件や、他のクーポンとの併用の可否などに基づいて、同時に利用可能なクーポンの組み合わせを全て特定し、特定したクーポンの組み合わせの中から、割引額が最大となるクーポンの組み合わせを特定する。
【0059】
また、特定部42は、クーポンのうち、購入コンテンツの表示対象とする設定が行われたクーポンの中から、組み合わせを特定してもよい。例えば、特定部42は、クーポンデータベース32を参照し、「表示設定」の項目に「可」が格納されているクーポンの中から、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。
【0060】
また、特定部42は、購入コンテンツの表示対象とする設定が行われたクーポンと、当該設定が行われていないクーポンのうち利用者が獲得済みのクーポンとの中から、組み合わせを特定してもよい。例えば、特定部42は、クーポンデータベース32を参照して「表示設定」の項目に「可」が格納されているクーポンを特定し、利用者データベース33を参照して「獲得クーポン」の項目に格納されているクーポンを特定し、これらのクーポンの中から、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。
【0061】
また、特定部42は、仮想カートに投入された全ての取引対象を購入した際における値引き額が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定してもよい。例えば、
図1の例において、特定部42は、割引額が最大となるクーポンの組み合わせとして特定する。
【0062】
また、特定部42は、値引き額と、クーポンを利用した場合に利用者に対して提供されるポイントの総額との合計が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定してもよい。例えば、特定部42は、利用者に所定のポイントを提供するクーポンが、他のクーポンの利用により値引きされた後の購入総額に応じてポイントを提供するか、若しくは、他のクーポンの利用により値引きされる前の購入総額に応じてポイントを提供するか、などを考慮して、クーポンの利用による値引き額と、クーポンの利用により利用者に対して提供されるポイントに対応する金額(例えば、電子マネーに対応する金額)との合計が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定する。
【0063】
(提供部43について)
提供部43は、仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、特定部42により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツを、仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして利用者に提供する。例えば、
図1の例において、提供部43は、特定部42により特定された組み合わせCGに含まれる各クーポンに対応するクーポン情報や、仮想カートに投入された取引対象に対応する取引対象情報、取引対象を購入する数量、購入総額、組み合わせCGに含まれる各クーポンを適用した場合の購入総額などを含む仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。
【0064】
また、提供部43は、購入コンテンツとして、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを提供してもよい。例えば、
図1の例において、仮想カートに投入された取引対象を購入する数量を利用者U1の操作に応じた制御(変更)を可能とする仮想カート画面C2を提供する。
【0065】
また、提供部43は、新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供してもよい。例えば、購入コンテンツの購入対象となる取引対象の数量を変更したことに応じて、特定部42が新たなクーポンの組み合わせを特定した場合、提供部43は、新たなクーポンの組み合わせを含む購入コンテンツを提供する。
【0066】
また、提供部43は、クーポン情報として、利用者が獲得していないクーポンを獲得するための操作を受け付け可能なコンテンツを購入コンテンツとして提供してもよい。例えば、
図2の例において、提供部43は、利用者U1が獲得していないクーポンを獲得する獲得操作を受け付け可能な仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。
【0067】
また、提供部43は、購入コンテンツを介して利用者から所定の操作を受け付けた場合は、当該利用者が利用可能なクーポンの選択を受け付けるための選択コンテンツをさらに提供してもよい。例えば、
図3の例において、提供部43は、仮想カート画面C2を介して、利用するクーポンの変更を指示する操作を受け付けた場合、選択コンテンツを端末装置100に提供する。
【0068】
また、提供部43は、利用者が利用可能なクーポンの情報を所定の順序で並べた選択コンテンツを提供してもよい。例えば、提供部43は、利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報が適用条件を満たしているクーポンの情報を優先的に表示する選択コンテンツを提供する。
【0069】
また、提供部43は、利用者が利用可能なクーポンを、値引き額、クーポンが利用可能な期間の終了日時及び送料を無料とするか否かに応じた順序で並べた選択コンテンツを提供してもよい。例えば、提供部43は、クーポンの情報を、値引き額が多い順に並べた選択コンテンツを提供する。また、例えば、提供部43は、クーポンの情報を、利用可能な期間の終了日時までの期間が短い順に並べた選択コンテンツを提供する。また、例えば、提供部43は、送料を無料とするクーポンの情報を優先的に表示する選択コンテンツを提供する。
【0070】
また、提供部43は、利用者が仮想カートに投入した取引対象に関するクーポンであって、適用条件のうち購入総額若しくは購入数量に関する条件が満たされていないクーポンを含むクーポンの情報を示す選択コンテンツを提供してもよい。例えば、提供部43は、仮想カートに投入した取引対象に対応するクーポンであって、仮想カートに投入された取引対象の購入総額や、取引対象を購入する数量などといった、クーポンが適用される条件が満たされていないクーポンを含む選択コンテンツを提供する。そして、クーポンが適用される条件が満たされていないクーポンの選択を、選択コンテンツを介して受け付けた場合、情報提供装置10は、購入総額や取引対象を購入する数量が不足している旨の通知を提供する。
【0071】
また、提供部43は、選択コンテンツを介して新たなクーポンが選択された場合は、当該選択されたクーポンを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供してもよい。例えば、
図3の例において、選択コンテンツを介して新たなクーポンが選択された場合、提供部43は、組み合わせCGに含まれるクーポンに替えて、選択されたクーポンに対応するクーポン情報を含む仮想カート画面C2を端末装置100に提供する。
【0072】
(決済部44について)
決済部44は、提供部43により提供された購入コンテンツにおいて、利用者が取引対象を購入するための操作を行った場合は、クーポン情報が示す組み合わせのクーポンを適用した決済を行う。例えば、
図1の例において、仮想カート画面C2を介して、仮想カートに投入された取引対象の購入操作を受け付けた場合、決済部44は、組み合わせCGに含まれる各クーポンを適用した場合の購入総額を利用者U1に対する請求額として決済サーバ200に通知する。また、決済部44は、仮想カートに投入された取引対象を販売する各ストアに対する支払額を、決済サーバ200に通知する。
【0073】
〔3.提供処理のフロー〕
ここで、
図8を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の提供処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0074】
図8に示すように、情報提供装置10は、仮想カートに投入された取引対象を特定する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、特定した取引対象を適用対象とするクーポンを全て特定する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、特定したクーポンにおいて、利用可能な全組み合わせのうち、利用者への利益が最も大きいクーポンの組み合わせを特定する(ステップS103)。例えば、情報提供装置10は、値引き額が最も多くなるクーポンの組み合併せを特定する。
【0075】
続いて、情報提供装置10は、仮想カートに投入された取引対象の情報と、特定した組み合わせのクーポンとを示す購入コンテンツを生成する(ステップS104)。続いて、情報提供装置10は、生成した購入コンテンツを提供し(ステップS105)、処理を終了する。
【0076】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0077】
〔4-1.取引対象について〕
上述の実施形態において、特定部42が、電子商店街においてストアが販売する商品に対し利用可能なクーポンの組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する例を示したが、クーポンの提供対象である取引対象はこのような例に限定されない。例えば、特定部42は、施設予約(例えば、旅行、宿泊施設、飲食店など)を行う際や、サービス施設や利用者の拠点などで利用者が役務の提供を受ける際に利用可能なクーポンの中から、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定してもよい。
【0078】
〔4-2.クーポンの組み合わせについて〕
上述の実施形態において、特定部42が、利用可能なクーポンの組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する例を示したが、クーポンの組み合わせはこのような例に限定されない。例えば、特定部42は、利用者が利用可能なクーポンであって、利用可能な期間の終了日までの期間が所定の閾値(例えば、3日、1週間)以下であるクーポンの中から、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定してもよい。また、例えば、特定部42は、利用可能なクーポンの組み合わせのうち、利用者に対して提供されるポイントが最も多くなるクーポンの組み合わせを特定してもよい。
【0079】
また、特定部42は、クーポンの組み合わせを特定する上述した処理の一部、若しくは、上述した処理の任意の組み合わせを実行してよい。
【0080】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、管理部41と、特定部42と、提供部43と、決済部44とを有する。管理部41は、電子商店街における各種管理を行う。特定部42は、電子商店街において利用者が仮想カートに投入した取引対象の情報に基づいて、利用可能なクーポンの組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。提供部43は、仮想カートに投入された取引対象の情報である購入対象情報と、特定部42により特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報とを含むコンテンツを、仮想カートに投入された取引対象の購入を行うための購入コンテンツとして利用者に提供する。決済部44は、提供部43により提供された購入コンテンツにおいて、利用者が取引対象を購入するための操作を行った場合は、クーポン情報が示す組み合わせのクーポンを適用した決済を行う。
【0081】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者による煩雑な判断を必要とせず、利用者がクーポン利用による利益を享受できるため、クーポンを利用者に効率よく利用させることができる。
【0082】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提供部43は、購入コンテンツとして、購入対象となる取引対象の数を制御可能なコンテンツを提供する。また、特定部42は、利用者が購入コンテンツにおいて購入対象となる取引対象の数を変更した場合は、変更後の取引対象の情報に基づいて、新たなクーポンの組み合わせを特定する。そして、提供部43は、新たに特定されたクーポンの組み合わせを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する。
【0083】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、取引対象の数の変更に応じて新たにクーポンの組み合わせを特定するため、利便性を向上できる。
【0084】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、特定部42は、仮想カートに投入された取引対象ごとに、当該取引対象を対象とするクーポンを特定し、特定したクーポンの適用条件に基づいて、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。また、特定部42は、各取引対象を対象とするクーポンの組み合わせであって、同時に利用可能なクーポンの組み合わせを全て特定し、特定した組み合わせのうち、利用者に対する利益が最も大きい組み合わせを特定する。また、特定部42は、クーポンのうち、購入コンテンツの表示対象とする設定が行われたクーポンの中から、組み合わせを特定する。また、特定部42は、購入コンテンツの表示対象とする設定が行われたクーポンと、当該設定が行われていないクーポンのうち利用者が獲得済みのクーポンとの中から、組み合わせを特定する。また、特定部42は、仮想カートに投入された全ての取引対象を購入した際における値引き額が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定する。また、特定部42は、値引き額と、クーポンを利用した場合に利用者に対して提供されるポイントの総額との合計が最も多くなるクーポンの組み合わせを特定する。
【0085】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者による煩雑な判断を必要とせず、利用者がクーポン利用による利益を享受できるため、クーポンを利用者に効率よく利用させることができる。
【0086】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、提供部43は、クーポン情報として、利用者が獲得していないクーポンを獲得するための操作を受け付け可能なコンテンツを購入コンテンツとして提供する。また、提供部43は、購入コンテンツを介して利用者から所定の操作を受け付けた場合は、当該利用者が利用可能なクーポンの選択を受け付けるための選択コンテンツをさらに提供する。また、提供部43は、利用者が利用可能なクーポンの情報を所定の順序で並べた選択コンテンツを提供する。また、提供部43は、利用者が利用可能なクーポンを、値引き額、クーポンが利用可能な期間の終了日時及び送料を無料とするか否かに応じた順序で並べた選択コンテンツを提供する。また、提供部43は、利用者が仮想カートに投入した取引対象に関するクーポンであって、適用条件のうち購入総額若しくは購入数量に関する条件が満たされていないクーポンを含むクーポンの情報を示す選択コンテンツを提供する。また、提供部43は、選択コンテンツを介して新たなクーポンが選択された場合は、当該選択されたクーポンを示すクーポン情報を含む購入コンテンツを提供する。
【0087】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者の操作に応じてクーポンの獲得や変更を可能とするため、利便性を向上できる。
【0088】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。
図9は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0089】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0090】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0091】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0092】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0093】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0094】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0095】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0096】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、特定部は、特定手段や特定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0097】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 取引対象データベース
32 クーポンデータベース
33 利用者データベース
40 制御部
41 管理部
42 特定部
43 提供部
44 決済部
100 端末装置
200 決済サーバ