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特許7204643標的変異インターフェロン-ガンマおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】標的変異インターフェロン-ガンマおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/23 20060101AFI20230106BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230106BHJP
   C07K 14/57 20060101ALI20230106BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230106BHJP
   C07K 16/30 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20230106BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230106BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230106BHJP
   A61K 38/21 20060101ALI20230106BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230106BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230106BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230106BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20230106BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230106BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20230106BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
C12N15/23 ZNA
C07K19/00
C07K14/57
C07K16/28
C07K16/30
C12N15/13
C12N15/115 Z
C12N15/62 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K38/21
A61K47/68
A61P35/00
A61P37/02
A61P33/00
A61P31/12
A61P31/10
A61P31/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019521376
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2017077193
(87)【国際公開番号】W WO2018077893
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】62/411,823
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518268352
【氏名又は名称】オリオニス バイオサイエンシズ ビーブイ
(73)【特許権者】
【識別番号】516003687
【氏名又は名称】ヴィブ ブイゼットダブリュー
(73)【特許権者】
【識別番号】516003702
【氏名又は名称】ユニバーシテイト ヘント
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クレイ,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】タヴェルニエル,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ピールマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ザビュー,レンナート
【審査官】伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0133907(US,A1)
【文献】特表2013-516170(JP,A)
【文献】PLOS ONE,2014年02月24日,VOL:9, NR:2,PAGE(S):E89878(1 - 10),http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0089878
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)野生型ヒトIFN-γと比べて1つ以上の突然変異を有する、改変ヒトIFN-γであって、前記突然変異は、
(i)14、15、または16アミノ酸残基のC末端でのトランケーション、および
(ii)SEQ ID NO:947に関するA23GおよびD24Gの二重置換
から選択される、改変ヒトIFN-γ、および
(b)関心のある抗原または受容体に特異的に結合する認識ドメインを含む、1つ以上のターゲティング部分
を含み、
前記改変ヒトIFN-γおよび前記1つ以上のターゲティング部分は、1つ以上のリンカーを用いて連結される、
キメラタンパク質。
【請求項2】
前記改変ヒトIFN-γは、IFN-γ受容体に対して低減された親和性および/または生物活性を示す、請求項1に記載のキメラタンパク質。
【請求項3】
前記IFN-γ受容体は、IFN-γ受容体1サブユニットまたはIFN-γ受容体2サブユニットである、請求項2に記載のキメラタンパク質。
【請求項4】
前記改変ヒトIFN-γは、単鎖IFN-γであり、前記単鎖IFN-γは、第2のIFN-γ鎖に連結される第1のIFN-γ鎖を含み、前記第1のIFN-γ鎖のC末端は、前記第2のIFN-γ鎖のN末端に連結されるか、前記第1または第2のIFN-γ鎖は、N末端および/またはC末端トランケーションを含むか、または前記第1および/または第2のIFN-γ鎖は、1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項5】
前記ターゲティング部分は、腫瘍細胞に向けられる、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項6】
前記ターゲティング部分は、免疫細胞に向けられ、前記免疫細胞は、T細胞、制御性T細胞(Treg)、B細胞、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)、樹状細胞、マクロファージ、およびNK細胞から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項7】
前記ターゲティング部分は、全長抗体、シングルドメイン抗体、組換え重鎖のみ抗体(VHH)、単鎖抗体(scFv)、サメの重鎖のみ抗体(VNAR)、微小タンパク質(例えば、システインノットタンパク質、ノッチン)、darpin、アンチカリン、アドネクチン、アプタマー、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、ペプチド模倣分子、受容体に対する天然リガンド、または合成分子である認識ドメインを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項8】
前記認識ドメインは、シングルドメイン抗体である、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項9】
前記認識ドメインは、VHH、またはヒト化VHHである、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項10】
前記認識ドメインは、関心のある抗原または受容体を機能的に調節する、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項11】
前記認識ドメインは、関心のある抗原または受容体を結合するが機能的に調節しない、請求項1~のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項12】
2つ以上のターゲティング部分を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項13】
1つ以上の追加の改変シグナル伝達物質をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のキメラタンパク質。
【請求項14】
前記改変シグナル伝達物質は、その活性を作動性から拮抗性へ変換する1つ以上の突然変異を含む、請求項13に記載のキメラタンパク質。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の1つ以上のキメラタンパク質をコードする組換え核酸。
【請求項16】
請求項15の組換え核酸を含む宿主細胞。
【請求項17】
癌、自己免疫疾患もしくは自己免疫障害、または感染の治療に使用するための請求項1~14のいずれか一項に記載のキメラタンパク質であって、
前記癌は、基底細胞がん、胆道癌;膀胱癌;骨癌;脳および中枢神経系癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸および直腸癌;結合組織癌;消化器系の癌;子宮内膜癌;食道癌;眼癌;頭頸部の癌;胃癌(胃腸癌を含む);神経膠芽腫;肝がん;肝細胞腫;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝臓癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺がん、および肺扁平上皮がん);メラノーマ;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(口唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系の癌;唾液腺がん;肉腫;皮膚癌;扁平細胞癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮または子宮内膜癌;泌尿器系の癌;外陰部癌;ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL;巨大腫瘤病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ性白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症と関連する異常な血管増殖、およびメグズ症候群の1つ以上から選択され、
前記自己免疫疾患または自己免疫障害は、多発性硬化症、クローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチまたは若年性関節リウマチ、好酸球性筋膜炎のような潰瘍性大腸炎免疫不全、低免疫グロブリン血症、または胸腺腫/胸腺がん、移植片対宿主病、前白血病、フェルティ症候群、溶血性尿毒症症候群、骨髄異形成症候群、夜間発作性ヘモグロビン尿症、骨髄線維症、汎血球減少症、赤芽球癆、およびシェーンライン・ヘノッホ紫斑病の1つ以上から選択され、
前記感染は、HIV/AIDS、結核、骨髄炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタイン・バーウイルスまたはパルボウイルス、T細胞白血病ウイルス、細菌過剰症候群、真菌または寄生虫感染から選択される、
キメラタンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明は、一部には、変異インターフェロン-γを含むキメラタンパク質およびその治療薬としての使用に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/411,823号(その内容は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)の恩典を主張する。
【0003】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットでEFS-Webを介して提出された配列表を含み、これによりその全体が参照により組み込まれる。2017年10月21日頃に作成された前述のASCIIコピーは766KBのサイズであり、ORN-022PC_ST25.txtと命名される。
【背景技術】
【0004】
インターフェロン(IFN)は、ウイルス、マイトジェン、および他の物質による刺激に応じて、哺乳類細胞において合成される、タンパク質のファミリーである。インターフェロンは抗ウイルス、抗増殖、および免疫調節性活性を有することが示されている。20を超える別個のインターフェロンがヒトにおいて同定されており、それらはI型、II型、およびIII型インターフェロンに分類される。
【0005】
様々なインターフェロンの中で、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)はインターフェロンのII型クラスの唯一のメンバーである。IFN-γはインターフェロン-αおよびインターフェロン-βなどのI型インターフェロンよりも低い抗ウイルス比活性を有するが、I型インターフェロンよりも多くの免疫調節特性を提示する。IFN-γはIFN-γ受容体(IFN-γ受容体1サブユニットとIFN-γ受容体2サブユニットの複合体である)との特異的相互作用を介してその生物学的効果を発揮する。IFN-γは、二量体としてIFN-γ受容体に結合し、結合すると、JAK-STAT経路を活性化する。
【0006】
組換えヒト野生型IFN-γを含む医薬組成物が開発されている(例えば、アクティミューン)。しかしながら、組換えヒトIFN-γの投与は、短い血漿内半減期のために頻繁な注射を伴う。加えて、組換えヒトIFN-γの使用は、発熱、悪寒、発汗、頭痛、筋肉痛、眠気、疼痛、紅斑、肝臓酵素の上昇、可逆顆粒球減少および血小板減少ならびに心毒性を含む副作用と関連する。
【0007】
したがって、引き起こされる毒性および副作用を最小に抑えつつ疾患および障害を治療するための改善されたIFN-γ組成物が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの態様では、本発明は、シグナル伝達物質として改変インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)を含むキメラタンパク質に関する。一実施形態では、IFN-γはヒトIFN-γである。様々な実施形態では、改変IFN-γはその生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を含む。様々な実施形態では、改変IFN-γは、治療的受容体に対するその親和性および/または生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を含む。一実施形態では、治療的受容体はIFN-γ受容体であり、これはIFN-γ受容体1サブユニットおよびIFN-γ受容体2サブユニットから構成される。一実施形態では、改変IFN-γはIFN-γ受容体1サブユニットに対するその親和性および/または生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を含む。別の実施形態では、改変IFN-γはIFN-γ受容体2サブユニットの活性を低減させる1つ以上の突然変異を含む。一実施形態では、改変IFN-γはIFN-γ受容体1サブユニットに対するその親和性および/または生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を含み、IFN-γ受容体2サブユニットの活性を低減させる1つ以上の突然変異を含む。様々な実施形態では、突然変異は、アミノ酸置換またはタンパク質トランケーションであってよい。いくつかの実施形態では、突然変異は単鎖IFN-γの形成を含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、1つ以上の追加のシグナル伝達物質、例えば、限定はされないが、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(改変され得る)を含む。様々な実施形態では、発明のキメラタンパク質は、未改変の、野生型IFN-γと比べて改善された安全性を提供する。
【0010】
様々な実施形態では、キメラタンパク質は1つ以上のターゲティング部分を含み、それらは認識ドメイン(例えば、限定はされないが様々な抗体フォーマットを含み、シングルドメイン抗体を含む、抗原認識ドメイン)を有し、それらは、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。様々な実施形態では、ターゲティング部分は、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメインを有し、1つ以上の免疫細胞上で見出されるものを含み、それは、限定はされないが、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、および樹状細胞を含む。いくつかの実施形態では、認識ドメインは関心のある標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合し、1つ以上の免疫細胞を効果的に動員する。いくつかの実施形態では、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)は1つ以上の腫瘍細胞上で見出すことができる。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、免疫細胞、例えば、腫瘍細胞を死滅させるおよび/または抑制することができる免疫細胞を、作用部位(例えば、非限定的例として、腫瘍微小環境)に動員できる。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、非細胞構造の一部である、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。
【0011】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、様々な疾患または障害、例えば癌、感染、免疫不全、自己免疫疾患、心血管疾患、創傷治癒、虚血関連疾患、神経変性疾患、代謝疾患、および多くの他の疾患および障害の治療において利用され、本発明は治療の様々な方法を包含する。
【0012】
本明細書で開示される任意の態様または実施形態は、本明細書で開示される任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
【0013】
このように、ここで開示される対象物を一般論として記載してきたが、以下、添付の図面を参照する。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】N末端シグナル配列を欠く野生型IFN-γ(P-522;SEQ ID NO:947)および改変IFN-γ(P-662~P-676、それぞれ、SEQ ID NO:948~SEQ ID NO:962)についてアライメントされた配列を示す。
図2A】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2B】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2C】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2D】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2E】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2F】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2G】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2H】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2I】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2J】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2K】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2L】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2M】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2N】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2O】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図2P】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞におけるpGASレポーター活性を示すグラフである。データは平均±s.d.として示される。
図3A】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3B】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3C】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3D】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3E】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3F】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3G】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
図3H】CD20プラスミドまたは空ベクターでトランスフェクトされ、本発明のキメラタンパク質で刺激された細胞についての免疫蛍光強度を示すグラフである。細胞をphospho-STAT1抗体で調べた。データは平均±STDEVとして示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、一部には、1つ以上の受容体に対して低減された親和性および/または生物活性を有する改変IFN-γを含む標的キメラタンパク質が、有益な治療特性および低減された副作用を示すという驚くべき発見に基づく。本発明は、キメラタンパク質を含む医薬組成物および様々な疾患の治療におけるそれらの使用を提供する。本発明のキメラタンパク質および医薬組成物の投与は、著しく低減された副作用を達成する。
【0016】
改変インターフェロン-ガンマ
1つの態様では、本発明は、1つ以上の受容体に対して低減された親和性および/または生物活性を有するインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)の改変バージョンであるシグナル伝達物質を含むキメラタンパク質を提供する。インターフェロン(IFN)は、多種多様の真核生物細胞により分泌されるサイトカインのよく知られたファミリーである。インターフェロンは、抗ウイルス、免疫調節、免疫制御、および抗増殖特性を含む様々な生物活性を有し、様々な疾患の治療のための治療薬として使用されてきた。
【0017】
様々なインターフェロンの中で、IFN-γはインターフェロンのII型クラスの唯一のメンバーである。IFN-γは主にナチュラルキラー(NK)およびナチュラルキラーT(NKT)細胞により、自然免疫応答の一部として産生される。IFN-γはまた、CD4 Th1およびCD8細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エフェクターT細胞、マクロファージ、樹状細胞、およびB細胞により産生される。活性化IFN-γは二量体を形成し、これは、IFN-γ受容体1サブユニットおよびIFN-γ受容体2サブユニットから構成されるヘテロ二量体受容体(すなわち、IFN-γ受容体またはIFN-γR)を介して作用する。IFN-γ受容体1は主要リガンド結合サブユニットであり、一方のIFN-γ受容体2はシグナル伝達に必要であり、かつそのリガンドに対するIFN-γ受容体1の親和性を増加させる。IFN-γ二量体の受容体への結合はJAK-STATシグナル経路を活性化して様々な生物学的効果を誘発する。
【0018】
様々な実施形態では、発明のキメラタンパク質はシグナル伝達物質としてIFN-γの改変バージョンを含む。様々な実施形態では、IFN-γはIFN-γの機能的誘導体、類似体、前駆体、アイソフォーム、スプライスバリアント、または断片を包含する。様々な実施形態では、IFN-γは任意の種に由来するIFN-γを包含する。一実施形態では、キメラタンパク質はマウスIFN-γの改変バージョンを含む。別の実施形態では、キメラタンパク質はヒトIFN-γの改変バージョンを含む。
【0019】
ヒトIFN-γは166のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。一実施形態では、ヒトIFN-γはSEQ ID NO:946のアミノ酸配列を有し、ここでシグナルペプチドは最初の23のアミノ酸を占める。
【0020】
本明細書では、ヒトIFN-γは、N末端シグナルペプチドのない成熟ヒトIFN-γを指し得る。この実施形態では、成熟ヒトIFN-γは143のアミノ酸を含み、SEQ ID NO:947のアミノ酸配列を有する。
【0021】
いくつかの実施形態では、ヒトIFN-γはヒトIFN-γのグリコシル化形態である。いくつかの実施形態では、ヒトIFN-γはヒトIFN-γの非グリコシル化形態である。
【0022】
IFN-γの配列は当技術分野で知られている。様々な実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γの公知の野生型アミノ酸配列と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γはSEQ ID NO:946のアミノ酸配列を有するヒトIFN-γと少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、SEQ ID NO:947のアミノ酸配列を有するヒトIFN-γと少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0025】
様々な実施形態では、改変IFN-γは1つ以上のアミノ酸突然変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸突然変異は置換、挿入、欠失、およびトランケーションから独立して選択され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異はアミノ酸置換であり、保存的および/または非保存的置換を含み得る。
【0027】
「保存的置換」は、例えば、関連するアミノ酸残基の極性、電荷、サイズ、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒性における類似性に基づいて実施され得る。20の天然起源のアミノ酸は、下記の6つの標準アミノ酸群に分類できる:(1)疎水性:Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr;Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;および(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0028】
本明細書では、「保存的置換」は、あるアミノ酸の、上で示される6つの標準アミノ酸群の同じ群内で列挙される別のアミノ酸による交換として規定される。例えば、AspのGluによる交換は、そのように改変されたポリペプチド中で1つの負電荷を維持する。加えて、グリシンおよびプロリンは、α-へリックスを破壊するそれらの能力に基づき、互いに置換され得る。
【0029】
本明細書では、「非保存的置換」は、上で示される6つの標準アミノ酸群(1)~(6)の異なる群で列挙される別のアミノ酸による交換として規定される。
【0030】
様々な実施形態では、置換はまた、非古典的アミノ酸(例えば、セレノシステイン、ピロールリジン、N-ホルミルメチオニンβ-アラニン、GABAおよびδ-アミノレブリン酸、4-アミノ安息香酸(PABA)、一般的なアミノ酸のD-異性体、2,4-ジアミノ酪酸、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコスメ(sarcosme)、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、フルオロ-アミノ酸、デザイナーアミノ酸、例えばβメチルアミノ酸、Cα-メチルアミノ酸、Nα-メチルアミノ酸、および一般にアミノ酸類似体)を含み得る。
【0031】
様々な実施形態では、IFN-γは、1つ以上の突然変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、突然変異は、改変IFN-γが、未変異の、例えば、IFN-γの野生型形態と比べて、1つ以上の減弱された活性、例えば1つ以上の低減された結合親和性、低減された内在活性、および低減された特定の生理活性を有するようにさせる。例えば、未変異の、例えば、IFN-γの野生型形態と比べて1つ以上の減弱された活性、例えば低減された結合親和性、低減された内在活性、および低減された特定の生理活性は、IFN-γ受容体などの治療的受容体でのものであってよい。結果として、様々な実施形態では、突然変異は、改変された可溶性作用物質が、未変異の、例えば、IFN-γの野生型形態と比べて、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有するようにさせる。
【0032】
様々な実施形態では、IFN-γは、IFN-γ受容体1サブユニットおよびIFN-γ受容体2サブユニットを含むIFN-γ受容体などの治療的受容体で、その結合親和性および/または活性を低減させる突然変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、野生型IFN-γにより提供される活性は、治療的受容体での受容体活性化作用(例えば、治療部位での細胞効果の活性化)である。例えば、野生型IFN-γは治療的受容体を活性化できる。そのような実施形態では、突然変異は、治療的受容体で低減された活性化活性を有する改変IFN-γをもたらす。
【0033】
いくつかの実施形態では、治療的受容体(例えば、IFN-γ受容体)で低減された親和性および/または活性は、ターゲティング部分の付着により回復可能である。他の実施形態では、治療的受容体で低減された親和性および/または活性は、ターゲティング部分の付着により実質的に回復可能でない。様々な実施形態では、本発明の治療的キメラタンパク質はオフターゲット効果を低減させる。なぜならIFN-γは治療的受容体での結合親和性および/または活性を弱める突然変異を有するからである。様々な実施形態では、これは、例えば、野生型IFN-γで観察される副作用を低減させる。様々な実施形態では、改変IFN-γは、治療活性部位への途中で実質的に不活性であり、特異的に標的にされる細胞型上で実質的にその効果を有し、これは望まれない副作用を大きく低減させる。
【0034】
様々な実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γが、減弱または低減された親和性および/または活性、例えば、1つ以上の治療的受容体(例えば、IFN-γ受容体)に対する結合(例えば、K)および/または活性化(例えば、Kおよび/またはEC50として測定可能)を有するようにさせる、1つ以上の突然変異を有する。様々な実施形態では、治療的受容体での低減された親和性および/または活性は、治療的受容体からの活性および/またはシグナル伝達の減弱を可能にする。
【0035】
様々な実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1サブユニットへのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を有する。1つの実施形態では、改変IFN-γはIFN-γ受容体1サブユニットで低減された親和性および/または活性を有する。様々な実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1サブユニットへの結合に関与するアミノ酸残基での1つ以上の突然変異を有するヒトIFN-γである。いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1サブユニットとのインターフェースに位置するアミノ酸で1つ以上の突然変異を有するヒトIFN-γである。様々な実施形態では、1つ以上の突然変異は、限定はされないが、Q1、V5、E9、K12、H19、S20、V22、A23、D24、N25、G26、T27、L30、K108、H111、E112、I114、Q115、A118、E119、およびK125(野生型ヒトIFN-γであり、かつそのN末端シグナル配列を欠く、SEQ ID NO:947に各々関して)から選択されるアミノ酸においてである。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、V5E、S20E、V22A、A23G、A23F、D24G、G26Q、H111A、H111D、I114A、Q115A、およびA118G(各々SEQ ID NO:947に関する)から選択される置換である。実施形態では、1つ以上の突然変異はV22A、A23G、D24G、H111A、H111D、I114A、Q115A、およびA118Gから選択される置換であり;これらの改変IFN-γは、それぞれ、SEQ ID NO:953、SEQ ID NO:954、およびSEQ ID NO:956~SEQ ID NO:961のアミノ酸配列を有する)。
【0036】
一実施形態では、改変IFN-γは突然変異A23GおよびD24Gを含み、この改変IFN-γはSEQ ID NO:955のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、改変IFN-γは突然変異I114AおよびA118Gを含み、この改変IFN-γはSEQ ID NO:962のアミノ酸配列を有する。さらなる実施形態では、改変IFN-γは突然変異V5E、S20E、A23F、およびG26Qを含む。
【0037】
様々な実施形態では、改変IFN-γは下記の突然変異の1つ以上を含む:残基A23の欠失、残基D24の欠失、S20I置換、A23V置換、D21K置換およびD24A置換。
【0038】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体2サブユニットへのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1サブユニットおよびIFN-γ受容体2サブユニットの両方へのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1へのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異、およびIFN-γ受容体2への結合またはその親和性および/またはこれに対する生物活性を実質的に低減または消失させる1つ以上の突然変異を有する。いくつかの実施形態では、そのような改変IFN-γを有するキメラタンパク質は標的-選択的IFN-γ受容体1活性(例えば、IFN-γ受容体1活性はターゲティング部分を介したターゲティングにより回復可能である)を提供できる。
【0041】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、IFN-γ受容体1へのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異、およびIFN-γ受容体1へのその結合またはこれに対するその親和性および/またはこれに対する生物活性を低減させる1つ以上の突然変異を有する。いくつかの実施形態では、そのような改変IFN-γを有するキメラタンパク質は標的-選択的IFN-γ受容体1および/またはIFN-γ受容体1活性を提供できる(例えば、IFN-γ受容体1およびIFN-γ受容体2活性はターゲティング部分によるターゲティングを介して回復可能である)。
【0042】
様々な実施形態では、改変IFN-γはC末端でトランケートされる。いくつかの実施形態では、改変IFN-γはC末端の欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む成熟IFN-γである。そのような実施形態では、成熟IFN-γは、少なくとも約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、または約25個のアミノ酸残基のC末端トランケーションを含み得る。一実施形態では、改変IFN-γは、5アミノ酸のC末端欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む成熟IFN-γであり、この改変IFN-γはSEQ ID NO:948のアミノ酸配列を有する。一実施形態では、改変IFN-γは7アミノ酸のC末端欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む、成熟IFN-γであり、この改変IFN-γはSEQ ID NO:949のアミノ酸配列を有する。一実施形態では、改変IFN-γは、14アミノ酸のC末端欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む成熟IFN-γであり、この改変IFN-γはSEQ ID NO:950のアミノ酸配列を有する。一実施形態では、改変IFN-γは15アミノ酸のC末端欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む成熟IFN-γであり、この改変IFN-γはSEQ ID NO:951のアミノ酸配列を有する。一実施形態では、改変IFN-γは16アミノ酸のC末端欠失を有するSEQ ID NO:947のアミノ酸配列を含む成熟IFN-γであり、この改変IFN-γはSEQ ID NO:952のアミノ酸配列を有する。本発明で使用され得るC末端トランケーションを有する追加の改変IFN-γはHaelewyn et al., Biochem. J. (1997), 324:591-595およびLundell et al., Protein Eng. (1991) 4:335-341(全内容はこれにより参照により組み込まれる)において記載される。
【0043】
様々な実施形態では、改変IFN-γは、例えば、Randal et al. (2001) Structure 9:155-163およびRandal et al. (1998) Protein Sci. 7:1057-1060(全内容はこれにより参照により組み込まれる)において記載される単鎖IFN-γである。いくつかの実施形態では、単鎖IFN-γは、そのC末端で第2のIFN-γ鎖のN末端に連結される第1のIFN-γ鎖を含む。様々な実施形態では、第1および第2のIFN-γ鎖は、本明細書における他の場所で記載されるように、リンカーにより連結される。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のIFN-γ鎖は、少なくとも約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、または約25個のアミノ酸残基のC末端トランケーションを含む。一実施形態では、第1のIFN-γ鎖は約24アミノ酸残基のC末端トランケーションを含む。いくつかの実施形態では、第2のIFN-γ鎖は少なくとも約1個、約2個、約3個、約4個、または約5個のアミノ酸残基のN末端トランケーションを含む。一実施形態では、第2のIFN-γ鎖は約3アミノ酸残基のN末端トランケーションを含む。いくつかの実施形態では、第2のIFN-γ鎖は少なくとも約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、または約25個のアミノ酸残基のC末端トランケーションを含む。様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖は、本明細書における他の場所で記載されるように、Q1、V5、E9、K12、H19、S20、V22、A23、D24、N25、G26、T27、L30、K108、H111、E112、I114、Q115、A118、E119、およびK125での1つ以上のアミノ酸突然変異を含む。様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖はV5E、S20E、V22A、A23G、A23F、D24G、G26Q、H111A、H111D、I114A、Q115A、およびA118Gから選択される1つ以上の置換を含む。様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖は、V22A、A23G、D24G、H111A、H111D、I114A、Q115A、およびA118Gから選択される1つ以上の置換を含む。様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖は、A23GおよびD24G置換を含む。様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖はI114AおよびA118G置換を含む。別の実施形態では、突然変異はV5E、S20E、A23F、およびG26Qである。
【0045】
様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖は本明細書で開示される1つ以上の置換を含み、第1および/または第2のIFN-γ鎖は本明細書で開示されるC末端トランケーションを含む。
【0046】
様々な実施形態では、第1および/または第2のIFN-γ鎖は本明細書で開示される1つ以上の置換、および本明細書で開示されるC末端トランケーションを含む。
【0047】
ヒトIFN-γの結晶構造は知られており、例えば、Ealick et al., (1991) Science, 252: 698-702において記載される。特定的には、ヒトIFN-γの構造は、6つのα-へリックスのコアおよびC末端領域における折り畳まれていない拡張配列を含むことが示されている。様々な実施形態では、改変IFN-γは、1つ以上のへリックスにおいて1つ以上の突然変異を有し、これは、治療的受容体(例えば、IFN-γ受容体)でのその結合親和性および/または生物活性を低減させる。
【0048】
様々な実施形態では、改変IFN-γは、野生型IFN-γと比べて、治療的受容体(例えば、IFN-γ受容体またはそのIFN-γ受容体1サブユニットおよびIFN-γ受容体2サブユニットのいずれか一つ)に対し約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%-20%、約20%-40%、約50%、約40%-60%、約60%-80%、約80%-100%の親和性および/または生物活性を有する。いくつかの実施形態では、結合親和性および/または生物活性は、野生型IFN-γと比べて、少なくとも約2倍低く、約3倍低く、約4倍低く、約5倍低く、約6倍低く、約7倍低く、約8倍低く、約9倍低く、少なくとも約10倍低く、少なくとも約15倍低く、少なくとも約20倍低く、少なくとも約25倍低く、少なくとも約30倍低く、少なくとも約35倍低く、少なくとも約40倍低く、少なくとも約45倍低く、少なくとも約50倍低く、少なくとも約100倍低く、少なくとも約150倍低く、または約10~50倍低く、約50~100倍低く、約100~150倍低く、約150~200倍低く、または200超倍低い。
【0049】
様々な実施形態では、改変IFN-γは、例えば、野生型IFN-γと比べて、IFN-γの内在活性を約75%、または約70%、または約60%、または約50%、または約40%、または約30%、または約25%、または約20%、または約10%、または約5%、または約3%、または約1%に低減させる1つ以上の突然変異を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、改変IFN-γは、改変IFN-γが、受容体に対して低減された親和性および/または生物活性を有するようにする1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態では、受容体に対する改変IFN-γの結合親和性および/または生物活性は、その受容体に対するターゲティング部分の結合親和性および/または生物活性より低い。いくつかの実施形態では、この結合親和性および/または生物活性の差は、同じ細胞上での改変IFN-γ/受容体とターゲティング部分/受容体の間のものである。いくつかの実施形態では、この結合親和性および/または生物活性の差は、改変IFN-γが局所的な、的確な効果を有し、野生型IFN-γで観察される副作用の根底にあるオフターゲット効果を最小に抑えることを可能にする。いくつかの実施形態では、この結合親和性および/または生物活性は、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍低く、または少なくとも約25倍、または少なくとも約50倍低く、または少なくとも約100倍、または少なくとも約150倍低い。
【0051】
受容体結合活性は当技術分野で知られている方法を使用して測定され得る。例えば、親和性および/または結合活性は、結合データのスキャッチャードプロット分析およびコンピュータ-フィッティング(例えば、Scatchard, 1949)により、またはBrecht et al.(1993)(その全ての全内容がこれにより参照により組み込まれる)により記載されるように、フロースルー条件下での反射干渉分光法により、評価され得る。
【0052】
様々な実施形態では、治療的受容体での減弱された活性、治療的受容体での弱められた親和性および/または生物活性は、治療活性部位で抗原に対する高親和性を有するターゲティング部分(例えば、本明細書で記載される抗体または抗体フォーマット)の付着により回復可能である。ターゲティングは、改変IFN-γをターゲティング部分に連結させることにより実現される。一実施形態では、改変IFN-γは、そのアミノ末端を介してターゲティング部分に連結される。別の実施形態では、改変IFN-γは、そのカルボキシ末端を介してターゲティング部分に連結される。このように、本キメラタンパク質は、いくつかの実施形態では、治療的受容体で、局所的な、的確な、および制御された治療作用を提供する。
【0053】
様々な実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、本明細書で開示される1つ以上の置換および/または本明細書で開示されるC末端トランケーションを含むIFN-γを含む。
【0054】
本改変インターフェロン-γを含む治療薬
ターゲティング部分の細胞動員
様々な実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメインを有する1つ以上のターゲティング部分を追加的に含む。例示的な実施形態では、キメラタンパク質は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多いターゲティング部分を含み得る。様々な実施形態では、関心の標的(例えば、抗原、受容体)は、1つ以上の免疫細胞上で見出すことができ、それらとしては、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、樹状細胞、またはそれらのサブセットが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、認識ドメインは関心の標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合し、効果的に、直接的にまたは間接的に、1つ以上の免疫細胞を動員する。いくつかの実施形態では、関心の標的(例えば、抗原、受容体)は1つ以上の腫瘍細胞上で見出すことができる。いくつかの実施形態では、本発明のキメラタンパク質は2つ以上のターゲティング部分を含む。そのような実施形態では、キメラタンパク質は2つの異なる細胞(例えば、シナプスを形成するため)または同じ細胞(例えば、より濃縮されたシグナル伝達物質効果を得るため)を標的にできる。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、直接的にまたは間接的に、免疫細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節される細胞)に動員できる。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は直接的にまたは間接的に免疫細胞、例えば、腫瘍細胞を死滅させるおよび/または抑制することができる免疫細胞を、作用部位(例えば、非限定的例として、腫瘍微小環境)に動員できる。
【0055】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、疾患細胞および/またはエフェクター細胞などの細胞を直接的にまたは間接的に動員できる。様々な実施形態では、シグナル伝達物質(例えば、改変IFN-γ)は、ターゲティング部分により標的にされる1つ以上の細胞(例えば、疾患細胞および/またはエフェクター細胞などの動員される細胞)を調節できる。例えば、シグナル伝達物質(例えば、改変IFN-γ)は、標的細胞がシグナル伝達物質に対する受容体を発現するかどうかによって、標的細胞(標的細胞はエフェクターおよび/または疾患細胞であってよい)の1つまたは両方を調節できる。
【0056】
いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、腫瘍の免疫攻撃に有利に免疫細胞の均衡をシフトさせることができ、またはこれを含む方法において用途を見出す。例えば、本キメラタンパク質は、臨床的に重要な部位で、腫瘍を死滅させるおよび/または抑制することができる細胞(例えば、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、樹状細胞、またはそれらのサブセット)に有利に、かつ腫瘍を保護する細胞(例えば、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)、制御性T細胞(Treg);腫瘍関連好中球(TAN)、M2マクロファージ、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、またはそれらのサブセット)に反して、免疫細胞の比率をシフトさせることができる。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質はエフェクターT細胞対制御性T細胞の比を増加させることができる。
【0057】
例えば、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、T細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、T細胞を直接的にまたは間接的に動員する。一実施形態では、認識ドメインは、エフェクターT細胞に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインはエフェクターT細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。例示的なエフェクターT細胞としては、下記が挙げられる:細胞傷害性T細胞(例えば、αβTCR、CD3、CD8、CD45RO);CD4エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3、CD4、CCR7、CD62Lhi、IL7R/CD127);CD8エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3、CD8、CCR7、CD62Lhi、IL7R/CD127);エフェクターメモリーT細胞(例えば、CD62Llow、CD44、TCR、CD3、IL7R/CD127、IL-15R、CCR7low);セントラルメモリーT細胞(例えば、CCR7、CD62L、CD27;またはCCR7hi、CD44、CD62Lhi、TCR、CD3、IL-7R/CD127、IL-15R);CD62LエフェクターT細胞;CD8エフェクターメモリーT細胞(TEM)、例えば初期エフェクターメモリーT細胞(CD27CD62L)および後期エフェクターメモリーT細胞(CD27CD62L)(それぞれ、TemEおよびTemL);CD127()CD25(low/-)エフェクターT細胞;CD127()CD25()エフェクターT細胞;CD8幹細胞メモリーエフェクター細胞(TSCM)(例えば、CD44(low)CD62L(high)CD122(high)sca());TH1エフェクターT細胞(例えば、CXCR3、CXCR6およびCCR5;またはαβTCR、CD3、CD4、IL-12R、IFNγR、CXCR3)、TH2エフェクターT細胞(例えば、CCR3、CCR4およびCCR8;またはαβTCR、CD3、CD4、IL-4R、IL-33R、CCR4、IL-17RB、CRTH2);TH9エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3、CD4);TH17エフェクターT細胞(例えば、αβTCR、CD3、CD4、IL-23R、CCR6、IL-1R);CD4CD45ROCCR7エフェクターT細胞、ICOSエフェクターT細胞;CD4CD45ROCCR7()エフェクターT細胞;およびIL-2、IL-4および/またはIFN-γを分泌するエフェクターT細胞。
【0058】
関心のある例示的なT細胞抗原としては、例えば下記が挙げられる(該当する場合、細胞外ドメインを含む):CD8、CD3、SLAMF4、IL-2Rα、4-1BB/TNFRSF9、IL-2 R β、ALCAM、B7-1、IL-4 R、B7-H3、BLAME/SLAMFS、CEACAM1、IL-6 R、CCR3、IL-7 Rα、CCR4、CXCR1/IL-S RA、CCR5、CCR6、IL-10R α、CCR 7、IL-10 R β、CCRS、IL-12 R β 1、CCR9、IL-12 R β 2、CD2、IL-13 R α 1、IL-13、CD3、CD4、ILT2/CDS5j、ILT3/CDS5k、ILT4/CDS5d、ILT5/CDS5a、lutegrin α 4/CD49d、CDS、インテグリン α E/CD103、CD6、インテグリン α M/CD 11 b、CDS、インテグリン α X/CD11c、インテグリン β 2/CD1S、KIR/CD15S、CD27/TNFRSF7、KIR2DL1、CD2S、KIR2DL3、CD30/TNFRSFS、KIR2DL4/CD15Sd、CD31/PECAM-1、KIR2DS4、CD40 リガンド/TNFSF5、LAG-3、CD43、LAIR1、CD45、LAIR2、CDS3、ロイコトリエン B4-R1、CDS4/SLAMF5、NCAM-L1、CD94、NKG2A、CD97、NKG2C、CD229/SLAMF3、NKG2D、CD2F-10/SLAMF9、NT-4、CD69、NTB-A/SLAMF6、Common γ鎖/IL-2 R γ、オステオポンチン、CRACC/SLAMF7、PD-1、CRTAM、PSGL-1、CTLA-4、RANK/TNFRSF11A、CX3CR1、CX3CL1、L-セレクチン、CXCR3、SIRP β 1、CXCR4、SLAM、CXCR6、TCCR/WSX-1、DNAM-1、サイモポエチン、EMMPRIN/CD147、TIM-1、EphB6、TIM-2、Fas/TNFRSF6、TIM-3、Fasリガンド/TNFSF6、TIM-4、Fcγ RIII/CD16、TIM-6、TNFR1/TNFRSF1A、グラニュライシン、TNF RIII/TNFRSF1B、TRAIL R1/TNFRSF10A、ICAM-1/CD54、TRAIL R2/TNFRSF10B、ICAM-2/CD102、TRAILR3/TNFRSF10C、IFN-γR1、TRAILR4/TNFRSF10D、IFN-γ R2、TSLP、IL-1 R1およびTSLP R。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分はこれらの例示的なT細胞抗原の1つ以上を結合する。
【0059】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上で発現されるチェックポイントマーカー、例えば、PD-1、CD28、CTLA4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、CD27、CD40L、TIM3、およびA2aRの1つ以上に向けられるターゲティング部分を有する。
【0060】
例えば、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、B細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、B細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。関心のある例示的なB細胞抗原としては、例えば、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD38、CD39、CD40、CD70、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CD78、CD79a/b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、CD86、CD89、CD98、CD126、CD127、CDw130、CD138、CDw150およびB細胞成熟抗原(BCMA)が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的なB細胞抗原の1つ以上を結合する。
【0061】
さらなる例として、いくつかの実施形態では、認識ドメインはナチュラルキラー細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、ナチュラルキラー細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。関心のある例示的なナチュラルキラー細胞抗原としては、例えばTIGIT、2B4/SLAMF4、KIR2DS4、CD155/PVR、KIR3DL1、CD94、LMIR1/CD300A、CD69、LMIR2/CD300c、CRACC/SLAMF7、LMIR3/CD300LF、DNAM-1、LMIR5/CD300LB、Fc-ε RII、LMIR6/CD300LE、Fc-γ RI/CD64、MICA、Fc-γ RIIB/CD32b、MICB、Fc-γ RIIC/CD32c、MULT-1、Fc-γ RIIA/CD32a、ネクチン-2/CD112、Fc-γ RIII/CD16、NKG2A、FcRH1/IRTA5、NKG2C、FcRH2/IRTA4、NKG2D、FcRH4/IRTA1、NKp30、FcRH5/IRTA2、NKp44、Fc-受容体様3/CD16-2、NKp46/NCR1、NKp80/KLRF1、NTB-A/SLAMF6、Rae-1、Rae-1 α、Rae-1 β、Rae-1 δ、H60、Rae-1 ε、ILT2/CD85j、Rae-1 γ、ILT3/CD85k、TREM-1、ILT4/CD85d、TREM-2、ILT5/CD85a、TREM-3、KIR/CD158、TREML1/TLT-1、KIR2DL1、ULBP-1、KIR2DL3、ULBP-2、KIR2DL4/CD158dおよびULBP-3が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的なNK細胞抗原の1つ以上を結合する。
【0062】
また、いくつかの実施形態では、認識ドメインは、マクロファージ/単球と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、マクロファージ/単球を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。関心のある例示的なマクロファージ/単球抗原としては、例えばSIRP1a、B7-1/CD80、ILT4/CD85d、B7-H1、ILT5/CD85a、Common β鎖、インテグリン α 4/CD49d、BLAME/SLAMF8、インテグリン α X/CD11c、CCL6/C10、インテグリン β 2/CD18、CD155/PVR、インテグリン β 3/CD61、CD31/PECAM-1、ラテキシン、CD36/SR-B3、ロイコトリエン B4 R1、CD40/TNFRSF5、LIMPIIISR-B2、CD43、LMIR1/CD300A、CD45、LMIR2/CD300c、CD68、LMIR3/CD300LF、CD84/SLAMF5、LMIR5/CD300LB、CD97、LMIR6/CD300LE、CD163、LRP-1、CD2F-10/SLAMF9、MARCO、CRACC/SLAMF7、MD-1、ECF-L、MD-2、EMMPRIN/CD147、MGL2、エンドグリン/CD105、オステオアクチビン/GPNMB、Fc-γ RI/CD64、オステオポンチン、Fc-γ RIIB/CD32b、PD-L2、Fc-γ RIIC/CD32c、シグレック-3/CD33、Fc-γ RIIA/CD32a、SIGNR1/CD209、Fc-γ RIII/CD16、SLAM、GM-CSF R α、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TLR3、IFN-γ RI、TLR4、IFN-γ R2、TREM-1、IL-1 RII、TREM-2、ILT2/CD85j、TREM-3、ILT3/CD85k、TREML1/TLT-1、2B4/SLAMF 4、IL-10 R α、ALCAM、IL-10 R β、アミノペプチダーゼN/ANPEP、ILT2/CD85j、Common β鎖、ILT3/CD85k、C1q R1/CD93、ILT4/CD85d、CCR1、ILT5/CD85a、CCR2、インテグリン α 4/CD49d、CCR5、インテグリン α M/CD11 b、CCR8、インテグリン α X/CD11c、CD155/PVR、インテグリン β 2/CD18、CD14、インテグリン β 3/CD61、CD36/SR-B3、LAIR1、CD43、LAIR2、CD45、ロイコトリエン B4-R1、CD68、LIMPIIISR-B2、CD84/SLAMF5、LMIR1/CD300A、CD97、LMIR2/CD300c、LMIR3/CD300LF、凝固因子III/組織因子、LMIR5/CD300LB、CX3CR1、CX3CL1、LMIR6/CD300LE、CXCR4、LRP-1、CXCR6、M-CSF R、DEP-1/CD148、MD-1、DNAM-1、MD-2、EMMPRIN/CD147、MMR、エンドグリン/CD105、NCAM-L1、Fc-γ RI/CD64、PSGL-1、Fc-γ RIIIICD16、RP105、G-CSF R、L-セレクチン、GM-CSF R α、シグレック-3/CD33、HVEM/TNFRSF14、SLAM、ICAM-1/CD54、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TREM-1、IL-6 R、TREM-2、CXCR1/IL-8 RA、TREM-3およびTREML1/TLT-1が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的なマクロファージ/単球抗原の1つ以上を結合する。
【0063】
また、いくつかの実施形態では、認識ドメインは樹状細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、樹状細胞を、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。関心のある例示的な樹状細胞抗原としては、例えば、CLEC9A、XCR1、RANK、CD36/SRB3、LOX-1/SR-E1、CD68、MARCO、CD163、SR-A1/MSR、CD5L、SREC-1、CL-P1/COLEC12、SREC-II、LIMPIIISRB2、RP105、TLR4、TLR1、TLR5、TLR2、TLR6、TLR3、TLR9、4-IBB リガンド/TNFSF9、IL-12/IL-23 p40、4-アミノ-1,8-ナフタルイミド、ILT2/CD85j、CCL21/6Ckine、ILT3/CD85k、8-oxo-dG、ILT4/CD85d、8D6A、ILT5/CD85a、A2B5、lutegrin α 4/CD49d、Aag、インテグリン β 2/CD18、AMICA、ランゲリン、B7-2/CD86、ロイコトリエン B4 R1、B7-H3、LMIR1/CD300A、BLAME/SLAMF8、LMIR2/CD300c、C1q R1/CD93、LMIR3/CD300LF、CCR6、LMIR5/CD300LB CCR7、LMIR6/CD300LE、CD40/TNFRSF5、MAG/シグレック-4-a、CD43、MCAM、CD45、MD-1、CD68、MD-2、CD83、MDL-1/CLEC5A、CD84/SLAMF5、MMR、CD97、NCAML1、CD2F-10/SLAMF9、オステオアクチビン GPNMB、Chern 23、PD-L2、CLEC-1、RP105、CLEC-2、CLEC-8、シグレック-2/CD22、CRACC/SLAMF7、シグレック-3/CD33、DC-SIGN、シグレック-5、DC-SIGNR/CD299、シグレック-6、DCAR、シグレック-7、DCIR/CLEC4A、シグレック-9、DEC-205、シグレック-10、デクチン-1/CLEC7A、シグレック-F、デクチン-2/CLEC6A、SIGNR1/CD209、DEP-1/CD148、SIGNR4、DLEC、SLAM、EMMPRIN/CD147、TCCR/WSX-1、Fc-γ R1/CD64、TLR3、Fc-γ RIIB/CD32b、TREM-1、Fc-γ RIIC/CD32c、TREM-2、Fc-γ RIIA/CD32a、TREM-3、Fc-γ RIII/CD16、TREML1/TLT-1、ICAM-2/CD102およびバニロイド R1が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的なDC抗原の1つ以上を結合する。
【0064】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、限定はされないが、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、好酸球、またはそれらのサブセットから選択される免疫細胞上の標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、好酸球、またはそれらのサブセットを、例えば、いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、1つ以上の疾患細胞を有する部位または治療効果のために調節されるべき細胞)に直接的にまたは間接的に動員する。
【0065】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、巨核球および/または血小板と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的な巨核球および/または血小板抗原としては、例えば、GPIIb/IIIa、GPIb、vWF、PF4、およびTSPが挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的な巨核球および/または血小板抗原の1つ以上を結合する。
【0066】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは赤血球と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的な赤血球抗原としては、例えば、CD34、CD36、CD38、CD41a(血小板糖タンパク質IIb/IIIa)、CD41b(GPIIb)、CD71(トランスフェリン受容体)、CD105、グリコホリンA、グリコホリンC、c-kit、HLA-DR、H2(MHC-II)、およびアカゲザル抗原が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの例示的な赤血球抗原の1つ以上を結合する。
【0067】
いくつかの実施形態では、認識ドメインはマスト細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的なマスト細胞抗原としては、例えば、SCFR/CD117、FcεRI、CD2、CD25、CD35、CD88、CD203c、C5R1、CMA1、FCER1A、FCER2、TPSAB1が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらのマスト細胞抗原の1つ以上を結合する。
【0068】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、好塩基球と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的な好塩基球抗原としては、例えば、FcεRI、CD203c、CD123、CD13、CD107a、CD107b、およびCD164が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの好塩基球抗原の1つ以上を結合する。
【0069】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは好中球と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的な好中球抗原としては、例えば、7D5、CD10/CALLA、CD13、CD16(FcRIII)、CD18タンパク質(LFA-1、CR3、およびp150、95)、CD45、CD67、およびCD177が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの好中球抗原の1つ以上を結合する。
【0070】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、好酸球と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。関心のある例示的な好酸球抗原としては、例えば、CD35、CD44およびCD69が挙げられる。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの好酸球抗原の1つ以上を結合する。
【0071】
様々な実施形態では、認識ドメインは、当業者により知られている任意の適切な標的、抗原、受容体、または細胞表面マーカーに結合し得る。いくつかの実施形態では、抗原または細胞表面マーカーは、組織特異的マーカーである。例示的な組織特異的マーカーとしては、内皮細胞表面マーカー、例えばACE、CD14、CD34、CDH5、ENG、ICAM2、MCAM、NOS3、PECAM1、PROCR、SELE、SELP、TEK、THBD、VCAM1、VWF;平滑筋細胞表面マーカー、例えばACTA2、MYH10、MYH11、MYH9、MYOCD;線維芽細胞(ストロマ)細胞表面マーカー、例えばALCAM、CD34、COL1A1、COL1A2、COL3A1、FAP、PH-4;上皮細胞表面マーカー、例えばCD1D、K6IRS2、KRT10、KRT13、KRT17、KRT18、KRT19、KRT4、KRT5、KRT8、MUC1、TACSTD1;血管新生マーカー、例えばCD13、TFNA、アルファ-v ベータ-3(αβ)、E-セレクチン;ならびに脂肪細胞表面マーカー、例えばADIPOQ、FABP4、およびRETNが挙げられるが、それらに限定されない。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの抗原の1つ以上を結合する。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの抗原を有する細胞の1つ以上を結合する。
【0072】
いくつかの実施形態では、認識ドメインは、腫瘍細胞と関連する標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、認識ドメインは、腫瘍細胞を直接的にまたは間接的に動員する。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍細胞の直接または間接の動員は、腫瘍細胞を死滅させるおよび/または抑制することができる1つ以上のエフェクター細胞(例えば、本明細書で記載される免疫細胞)に対してである。
【0073】
腫瘍細胞、または癌細胞は、身体器官および系統の正常機能を妨害する、細胞または組織のコントロール不良の増殖および/または細胞生存および/またはアポトーシスの阻止の異常な増加を指す。例えば、腫瘍細胞は良性および悪性癌、ポリープ、過形成、ならびに休眠腫瘍または微小転移を含む。例示的な腫瘍細胞としては、下記の細胞が挙げられるが、それらに限定されない:基底細胞がん、胆道癌;膀胱癌;骨癌;脳および中枢神経系癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸および直腸癌;結合組織癌;消化器系の癌;子宮内膜癌;食道癌;眼癌;頭頸部の癌;胃癌(胃腸癌を含む);神経膠芽腫;肝がん;肝細胞腫;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝臓癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺がん、および肺の扁平上皮がん);メラノーマ;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(口唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系の癌;唾液腺癌腫;肉腫;皮膚癌;扁平細胞癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮または子宮内膜癌;泌尿器系の癌;外陰部癌;ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL;巨大腫瘤病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ性白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症と関連する異常な血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍と関連するもの)、およびメグズ症候群。
【0074】
腫瘍細胞、または癌細胞としてはまた、癌腫、例えば、様々なサブタイプ(例えば、腺がん、基底細胞がん、扁平上皮がん、および移行上皮がんを含む)、肉腫(例えば、骨および軟部組織を含む)、白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性骨髄、慢性リンパ球性、およびヘアリー細胞を含む)、リンパ腫およびミエローマ(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、軽鎖、非分泌性、MGUS、および形質細胞腫を含む)、および中枢神経系癌(例えば、脳(例えば、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、および上衣腫)、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経腫、および脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫および神経線維腫を含む)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0075】
例示的な腫瘍抗原としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:MART-1/Melan-A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ-結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)-0017-1A/GA733、癌胎児性抗原(CEA)およびその免疫原性エピトープCAP-1およびCAP-2、etv6、aml1、前立腺特異抗原(PSA)およびその免疫原性エピトープPSA-1、PSA-2、およびPSA-3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞受容体/CD3-ζ鎖、腫瘍抗原のMAGE-ファミリー(例えば、MAGE-A1、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-C1、MAGE-C2、MAGE-C3、MAGE-C4、MAGE-C5)、腫瘍抗原のGAGE-ファミリー(例えば、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、GAGE-9)、BAGE、RAGE、LAGE-1、NAG、GnT-V、MUM-1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α-フェトプロテイン、E-カドヘリン、α-カテニン、β-カテニンおよびγ-カテニン、p120ctn、gp100Pmel117、PRAME、NY-ESO-1、cdc27、大腸腺腫症タンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Ig-イディオタイプ、p15、gp75、GM2およびGD2ガングリオシド、ウイルス産物、例えばヒト乳頭腫ウイルスタンパク質、腫瘍抗原のSmadファミリー、lmp-1、NA、EBVがコードする核抗原(EBNA)-1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-1、SSX-4、SSX-5、SCP-1CT-7、c-erbB-2、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD56、CD70、CD74、CD138、AGS16、MUC1、GPNMB、Ep-CAM、PD-L1、PD-L2、およびPMSA。様々な実施形態では、キメラタンパク質のターゲティング部分は、これらの腫瘍抗原の1つ以上を結合する。
【0076】
様々な実施形態では、発明のキメラタンパク質は、非細胞構造の一部である標的(例えば、抗原、受容体)に特異的に結合する認識ドメインを有するターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、抗原または受容体は、無傷の細胞または細胞構造の不可欠な成分ではない。いくつかの実施形態では、抗原または受容体は、細胞外抗原または受容体である。いくつかの実施形態では、標的は非タンパク質、非細胞マーカーであり、例えば、壊死腫瘍細胞から放出されるDNAなどの、DNAまたはRNAを含む核酸、またはコレステロールなどの細胞外沈着物を含むがそれらに限定されない。
【0077】
いくつかの実施形態では、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)は、間質または細胞外マトリクス(ECM)の非細胞成分あるいはこれらと関連するマーカーの一部である。本明細書では、間質は、組織または器官の結合および支持フレームワークを指す。間質は、細胞外マトリクス(ECM)および細胞外分子とともに線維芽細胞/筋線維芽細胞、グリア、上皮、脂肪、免疫、血管、平滑筋、および免疫細胞などの細胞の寄せ集めを含み得る。様々な実施形態では、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)は、細胞外マトリクスおよび細胞外分子などの間質の非細胞成分の一部である。本明細書では、ECMは、全ての組織および器官内に存在する非細胞成分を指す。ECMは、限定はされないが、タンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカン、および多糖を含む生化学的に別個の成分の大きなコレクションから構成される。ECMのこれらの成分は通常、隣接する細胞により産生され、エキソサイトーシスを介してECM中に分泌される。分泌されるとすぐに、ECM成分はしばしば凝集して、巨大分子の複合ネットワークを形成する。様々な実施形態では、本発明のキメラタンパク質は、ECMの任意の成分上に位置する標的(例えば、抗原または受容体または非タンパク質分子)を認識するターゲティング部分を含む。ECMの例示的な成分としては、プロテオグリカン、非プロテオグリカン多糖、線維、および他のECMタンパク質またはECM非タンパク質、例えば、多糖および/または脂質、またはECM関連分子(例えば、タンパク質または非タンパク質、例えば、多糖、核酸および/または脂質)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0078】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ECMプロテオグリカン上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。プロテオグリカンはグリコシル化タンパク質である。基本のプロテオグリカン単位は、1つ以上の共有結合により付着されるグリコサミノグリカン(GAG)鎖を有するコアタンパク質を含む。プロテオグリカンは、正電荷を持つナトリウムイオン(Na+)を引きつける正味の負電荷を有し、これは浸透により水分子を引きつけ、ECMおよび常在細胞を水和状態に保つ。プロテオグリカンはまた、ECM内に増殖因子をトラップし保存するのを助けることができる。本発明のキメラタンパク質により標的にされ得る例示的なプロテオグリカンとしては、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、およびケラタン硫酸が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、ターゲティング部分は、ヒアルロン酸などの非プロテオグリカン多糖上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。
【0079】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はECM線維上の標的(例えば、抗原、受容体)を認識する。ECM線維としては、コラーゲン線維およびエラスチン線維が挙げられる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はコラーゲンまたはコラーゲン線維上の1つ以上のエピトープを認識する。コラーゲンは、ECM中で最も豊富なタンパク質である。コラーゲンは、ECM中に線維性タンパク質として存在し、常在細胞に対し構造的支持を提供する。1つ以上の実施形態では、ターゲティング部分はECM内に存在する様々な型のコラーゲンを認識し、それらに結合し、それらとしては下記が挙げられるが、それらに限定されない:線維性コラーゲン(I、II、III、V、XI型)、facitコラーゲン(IX、XII、XIV型)、短鎖コラーゲン(VIII、X型)、基底膜コラーゲン(IV型)、および/またはVI、VII、またはXIII型コラーゲン。エラスチン線維は組織に弾性を与え、それらが必要な時に伸張しその後それらの元の状態に戻ることを可能にする。いくつかの実施形態では、標的部分はエラスチンまたはエラスチン線維上の1つ以上のエピトープを認識する。
【0080】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、1つ以上のECMタンパク質、例えば、限定はされないが、テネイシン、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、またはナイドジェン/エンタクチン、を認識する。
【0081】
一実施形態では、ターゲティング部分はテネイシンを認識し、これに結合する。糖タンパク質のテネイシン(TN)ファミリーは、少なくとも4つのメンバー、テネイシン-C、テネイシン-R、テネイシン-X、およびテネイシンWを含む。テネイシンタンパク質の一次構造は、同じ連続配列で順序付けられたいくつかの共通モチーフを含む:アミノ末端の7アミノ酸繰り返し、上皮増殖因子(EGF)様繰り返し、フィブロネクチンIII型ドメイン繰り返し、およびカルボキシル末端フィブリノゲン様球状ドメイン。各タンパク質メンバーは、EGF様およびフィブロネクチンIII型繰り返しの数および性質の典型的なバリエーションと関連する。特にテネイシン-Cに関しては、アイソフォームバリアントもまた存在する。テネイシン-Cの27を超えるスプライスバリアントおよび/またはアイソフォームが知られている。特定の実施形態では、ターゲティング部分はテネイシン-CA1を認識し、これに結合する。同様に、テネイシン-Rもまた、様々なスプライスバリアントおよびアイソフォームを有する。テネイシン-Rは通常、二量体または三量体として存在する。テネイシン-Xはテネイシンファミリーの最も大きなメンバーであり、三量体として存在することが知られている。テネイシン-Wは三量体として存在する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はテネイシンタンパク質上の1つ以上のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はテネイシンタンパク質の単量体および/または二量体および/または三量体および/または六量体を認識する。
【0082】
一実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチンを認識し、これに結合する。フィブロネクチンは細胞をECM中のコラーゲン線維と連結させる糖タンパク質であり、細胞がECM中を移動するのを可能にする。インテグリンに結合すると、フィブロネクチンはほどかれて、機能的二量体を形成する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチンの単量体および/または二量体を認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はフィブロネクチン上の1つ以上のエピトープを認識する。例示的な実施形態では、ターゲティング部分は、フィブロネクチン細胞外ドメインA(EDA)またはフィブロネクチン細胞外ドメインB(EDB)を認識する。上昇したレベルのEDAは、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、および癌を含む様々な疾患および障害と関連する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はEDAアイソフォームを含むフィブロネクチンを認識し、キメラタンパク質を癌細胞を含む疾病細胞へ標的させるのに使用され得る。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、EDBアイソフォームを含むフィブロネクチンを認識する。様々な実施形態では、そのようなターゲティング部分は、キメラタンパク質を、腫瘍血管新生を含む腫瘍細胞に標的させるために使用され得る。
【0083】
一実施形態では、ターゲティング部分はフィブリンを認識し、これに結合する。フィブリンは、ECMのマトリクスネットワークにおいてしばしば見出される別のタンパク質物質である。フィブリンは、フィブリンを重合させるフィブリノゲンに対するプロテアーゼトロンビンの作用により形成される。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブリン上の1つ以上のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、フィブリンの単量体形態ならびに重合形態を認識する。
【0084】
一実施形態では、ターゲティング部分はラミニンを認識し、これに結合する。ラミニンは基底層の主要成分であり、それは細胞および器官のためのタンパク質ネットワーク基盤である。ラミニンは、α鎖、aβ鎖、およびγ鎖を含むヘテロ三量体タンパク質である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ラミニン上の1つ以上のエピトープを認識する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ラミニンの単量体、二量体ならびに三量体形態を認識する。
【0085】
一実施形態では、ターゲティング部分は、ナイドジェンまたはエンタクチンを認識し、これに結合する。ナイドジェン/エンタクチンは、高度に保存された、硫酸化糖タンパク質のファミリーである。それらは基底膜の主要構造成分を構成し、基底膜において、ラミニンおよびコラーゲンIVネットワークを連結させるように機能する。このファミリーのメンバーはナイドジェン-1およびナイドジェン-2を含む。様々な実施形態では、ターゲティング部分は、ナイドジェン-1および/またはナイドジェン-2上のエピトープを認識する。
【0086】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書で記載される標的のいずれか(例えば、ECMタンパク質)上に存在するエピトープを認識する抗原認識ドメインを含む。一実施形態では、抗原-認識ドメインは、タンパク質上に存在する1つ以上の直鎖エピトープを認識する。本明細書では、直鎖エピトープは、タンパク質上に存在するアミノ酸の任意の連続配列を指す。別の実施形態では、抗原-認識ドメインは、タンパク質上に存在する1つ以上の立体構造エピトープを認識する。本明細書では、立体構造エピトープは、抗原認識ドメインにより認識され得る特徴および/または形状および/または三次構造を有する3次元表面を形成する、アミノ酸の1つ以上のセクション(不連続であり得る)を指す。
【0087】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書で記載される標的のいずれか(例えば、ECMタンパク質)の全長および/または成熟形態および/またはアイソフォームおよび/またはスプライスバリアントおよび/または断片および/または任意の他の天然起源もしくは合成類似体、バリアント、または変異体に結合し得る。様々な実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書で記載されるタンパク質の任意の形態、例えば、単量体、二量体、三量体の、四量体、ヘテロ二量体、多量体および関連の形態に結合し得る。様々な実施形態では、ターゲティング部分は、本明細書で記載されるタンパク質の任意の翻訳後修飾形態、例えばグリコシル化されたおよび/またはリン酸化形態に結合し得る。
【0088】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、DNAなどの細胞外分子を認識する抗原認識ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、DNAを認識する抗原認識ドメインを含む。一実施形態では、DNAは、壊死腫瘍細胞もしくはアポトーシス腫瘍細胞または他の疾病細胞から細胞外空間中に排出される。
【0089】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、動脈硬化プラークと関連する1つ以上の非細胞構造を認識する抗原認識ドメインを含む。2つの型の動脈硬化プラークが知られている。線維脂質(線維脂肪)プラークは、動脈の内膜の真下での脂質を多く含む細胞の蓄積により特徴付けられる。内皮の真下に、プラークのアテロームコアを覆う線維皮膜が存在する。コアは、上昇した組織コレステロールおよびコレステロールエステル含量を有する脂質を多く含む細胞(マクロファージおよび平滑筋細胞)、フィブリン、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチン、および細胞デブリを含む。進行プラークでは、プラークの中心コアは通常、細胞外コレステロール沈着物(死細胞から放出される)を含み、これらは空の、針様間隙を有するコレステロール結晶の領域を形成する。プラークの周囲には、より若い泡沫細胞および毛細血管が存在する。線維プラークはまた、内膜下、動脈の壁内に局在し、壁の肥厚および拡大をもたらし、時として、筋肉層のいくらかの萎縮を伴う管腔の斑状の局所的な狭小化をもたらす。線維プラークは、コラーゲン線維(好酸球性)、カルシウムの沈殿物(ヘマトキシリン親和性(hematoxylinophilic))および脂質を多く含む細胞を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はこれらのプラークの非細胞成分、例えば、フィブリン、プロテオグリカン、コラーゲン、エラスチン、細胞デブリ、およびカルシウムまたは他のミネラル沈着物もしくは沈殿物、の1つ以上を認識し、これに結合する。いくつかの実施形態では、細胞デブリは、死細胞から放出される核酸、例えば、DNAまたはRNAである。
【0090】
様々な実施形態では、ターゲティング部分は、神経変性疾患と関連する脳プラークにおいて見出される1つ以上の非細胞構造を認識する抗原認識ドメインを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、アルツハイマー病患者の脳で見出されるアミロイドプラーク中に位置する1つ以上の非細胞構造を認識し、これに結合する。例えば、ターゲティング部分は、アミロイドプラークの主要成分であるペプチドアミロイドβを認識し、これに結合できる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ハンチントン病患者において見出される脳プラーク中に位置する1つ以上の非細胞構造を認識し、これに結合する。様々な実施形態では、ターゲティング部分は、他の神経変性または筋骨格疾患、例えばレビー小体認知症および封入体筋炎と関連するプラーク中で見出される1つ以上の非細胞構造を認識し、これに結合する。
【0091】
いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、2つ以上のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはそれらのサブセットから選択される免疫細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分および(ii)腫瘍細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は(i)T細胞(限定はされないが、エフェクターT細胞を含む)に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)B細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)樹状細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)マクロファージに向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)NK細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0092】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)、例えば、CD8、SLAMF4、IL-2Rα、4-1BB/TNFRSF9、IL-2Rβ、ALCAM、B7-1、IL-4R、B7-H3、BLAME/SLAMFS、CEACAM1、IL-6R、CCR3、IL-7Rα、CCR4、CXCR1/IL-SRA、CCR5、CCR6、IL-10Rα、CCR7、IL-10Rβ、CCRS、IL-12Rβ1、CCR9、IL-12Rβ2、CD2、IL-13Rα1、IL-13、CD3、CD4、ILT2/CDS5j、ILT3/CDS5k、ILT4/CDS5d、ILT5/CDS5a、lutegrinα4/CD49d、CDS、インテグリンαE/CD103、CD6、インテグリンαM/CD11b、CDS、インテグリンαX/CD11c、インテグリンβ2/CD1S、KIR/CD15S、CD27/TNFRSF7、KIR2DL1、CD2S、KIR2DL3、CD30/TNFRSFS、KIR2DL4/CD15Sd、CD31/PECAM-1、KIR2DS4、CD40リガンド/TNFSF5、LAG-3、CD43、LAIR1、CD45、LAIR2、CDS3、ロイコトリエンB4-R1、CDS4/SLAMF5、NCAM-L1、CD94、NKG2A、CD97、NKG2C、CD229/SLAMF3、NKG2D、CD2F-10/SLAMF9、NT-4、CD69、NTB-A/SLAMF6、Commonγ鎖/IL-2Rγ、オステオポンチン、CRACC/SLAMF7、PD-1、CRTAM、PSGL-1、CTLA-4、RANK/TNFRSF11A、CX3CR1、CX3CL1、L-セレクチン、CXCR3、SIRPβ1、CXCR4、SLAM、CXCR6、TCCR/WSX-1、DNAM-1、サイモポエチン、EMMPRIN/CD147、TIM-1、EphB6、TIM-2、Fas/TNFRSF6、TIM-3、Fasリガンド/TNFSF6、TIM-4、FcγRIII/CD16、TIM-6、TNFR1/TNFRSF1A、グラニュライシン、TNFRIII/TNFRSF1B、TRAILR1/TNFRSF10A、ICAM-1/CD54、TRAILR2/TNFRSF10B、ICAM-2/CD102、TRAILR3/TNFRSF10C、IFN-γR1、TRAILR4/TNFRSF10D、IFN-γR2、TSLP、IL-1R1、またはTSLPRへのターゲティングにより媒介される、T細胞に向けられるターゲティング部分;および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0093】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)T細胞上で発現されるチェックポイントマーカー、例えば、PD-1、CD28、CTLA4、ICOS、BTLA、KIR、LAG3、CD137、OX40、Cd27、CD40L、TIM3、およびA2aRの1つ以上に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0094】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、PD-1に向けられる1つ以上のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する1つ以上のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-1ポリペプチドを選択的に結合する、1つ以上の抗体、抗体誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質を含む。
【0095】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(別名MK-3475、KEYTRUDA)の誘導体、またはその断片を含む。ペムブロリズマブおよび他のヒト化抗PD-1抗体は、Hamid, et al. (2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、US8,354,509号、およびWO2009/114335号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのペムブロリズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはSEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0096】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体、ニボルマブ(別名BMS-936558、MDX-1106、ONO-4538、OPDIVO)の誘導体、またはその断片を含む。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD-1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、US8,008,449号およびWO2006/121168号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される。例示的な実施形態では、ニボルマブまたはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはSEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0097】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-1抗体ピディリズマブ(別名CT-011、hBATまたはhBAT-1)の誘導体、またはその断片を含む。ピディリズマブおよび他のヒト化抗PD-Iモノクローナル抗体は、US2008/0025980号およびWO2009/101611号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、US2008/0025980号のSEQ ID NO:15~18から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域:US2008/0025980号のSEQ ID NO:15(SEQ ID NO:67);US2008/0025980号のSEQ ID NO:16(SEQ ID NO:68);US2008/0025980号のSEQ ID NO:17(SEQ ID NO:69);US2008/0025980号のSEQ ID NO:18(SEQ ID NO:70);および/またはUS2008/0025980号のSEQ ID NO:20~24から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖:US2008/0025980号のSEQ ID NO:20(SEQ ID NO:71);US2008/0025980号のSEQ ID NO:21(SEQ ID NO:72);US2008/0025980号のSEQ ID NO:22(SEQ ID NO:73);US2008/0025980号のSEQ ID NO:23(SEQ ID NO:74);US2008/0025980号のSEQ ID NO:24(SEQ ID NO:75)を含む。
【0098】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2008/0025980号のSEQ ID NO:18を含む軽鎖の誘導体およびUS2008/0025980号のSEQ ID NO:22を含む重鎖の誘導体を含む。
【0099】
一実施形態では、ターゲティング部分は、AMP-514(別名MEDI-0680)の誘導体を含む。
【0100】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2010/027827号およびWO2011/066342号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される、PD-L2-Fc融合タンパク質AMP-224の誘導体を含む。そのような実施形態では、ターゲティング部分は、WO2010/027827号のSEQ ID NO:4(SEQ ID NO:76)を含むターゲティングドメインおよび/またはWO2010/027827号のSEQ ID NO:83(SEQ ID NO:77)を含むB7-DC融合タンパク質の誘導体を含み得る。
【0101】
一実施形態では、ターゲティング部分は、ペプチドAUNP12の誘導体またはUS2011/0318373号または8,907,053号で開示される他のペプチドのいずれかを含む。例えば、ターゲティング部分は、SEQ ID NO:78の配列を有するAUNP12の誘導体(すなわち、化合物8またはUS2011/0318373号のSEQ ID NO:49)を含み得る:
【0102】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-1抗体1E3の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1E3またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:79のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/またはSEQ ID NO:80のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0103】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-1抗体1E8の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1E8またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:81のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/またはSEQ ID NO:82のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0104】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-1抗体1H3の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1H3またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:83のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/またはSEQ ID NO:84のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0105】
一実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、US8,907,065号およびWO2008/071447号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示されるPD-1に向けられるVHHの誘導体を含む。例示的な実施形態では、PD-1に対するVHHは、US8,907,065号のSEQ ID NO:347~351:US8,907,065号のSEQ ID NO:347(SEQ ID NO:85);US8,907,065号のSEQ ID NO:348(SEQ ID NO:86);US8,907,065号のSEQ ID NO:349(SEQ ID NO:87);US8,907,065号のSEQ ID NO:350(SEQ ID NO:88);US8,907,065号のSEQ ID NO:351(SEQ ID NO:89)を含む。
【0106】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2011/0271358号およびWO2010/036959号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-1抗体のいずれか一つの誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、US2011/0271358号のSEQ ID NO:25~29から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖の誘導体:US2011/0271358号のSEQ ID NO:25(SEQ ID NO:90);US2011/0271358号のSEQ ID NO:26(SEQ ID NO:91);US2011/0271358号のSEQ ID NO:27(SEQ ID NO:92);US2011/0271358号のSEQ ID NO:28(SEQ ID NO:93);US2011/0271358号のSEQ ID NO:29(SEQ ID NO:94);および/またはUS2011/0271358号のSEQ ID NO:30~33から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖の誘導体:US2011/0271358号のSEQ ID NO:30(SEQ ID NO:95);US2011/0271358号のSEQ ID NO:31(SEQ ID NO:96);US2011/0271358号のSEQ ID NO:32(SEQ ID NO:97);US2011/0271358号のSEQ ID NO:33(SEQ ID NO:98)を含む。
【0107】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、TSR-042(Tesaro, Inc.)、REGN2810(Regeneron Pharmaceuticals, Inc.)、PDR001(Novartis Pharmaceuticals)、およびBGB-A317(BeiGene Ltd.)から選択される、PD-1に向けられる1つ以上の抗体の誘導体、またはその抗体断片を含む。
【0108】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、PD-L1に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する1つ以上のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-L1ポリペプチドを選択的に結合する、1つ以上の抗体、抗体誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質を含む。様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、低親和性でPD-L1に結合する第1のターゲティング部分を含む。
【0109】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体MEDI4736(別名デュルバルマブ)の誘導体、またはその断片を含む。MEDI4736はPD-L1に対して選択的であり、PD-1およびCD80受容体へのPD-L1の結合をブロックする。本明細書で提供される方法において使用するためのMEDI4736およびその抗原結合断片は、重鎖および軽鎖または重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。MEDI4736の配列はWO/2016/06272号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのMEDI4736またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはSEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0110】
例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのMEDI4736またはその抗原結合性フラグメントは、WO/2016/06272号のSEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:101)および/またはWO/2016/06272号のSEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:102)を含む。
【0111】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(別名MPDL3280A、RG7446)の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのアテゾリズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含む重鎖;および/またはSEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0112】
一実施形態では、ターゲティング部分は、抗PD-L1抗体アベルマブ(別名MSB0010718C)の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのアベルマブまたはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含む重鎖および/またはSEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0113】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体BMS-936559(別名12A4、MDX-1105)の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するためのBMS-936559またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0114】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体3G10の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための、3G10またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0115】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体10A5の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための10A5またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0116】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体5F8の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための5F8またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0117】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体10H10の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための10H10またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0118】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体1B12の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1B12またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0119】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体7H1の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための7H1またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0120】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体11E6の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための11E6またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0121】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体12B7の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための12B7またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0122】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2013/0309250号およびWO2007/005874号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体13G4の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための13G4またはその抗原結合性フラグメントはSEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0123】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体1E12の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1E12またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0124】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体1F4の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための1F4またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:127のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0125】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2G11の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2G11またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:128のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:129のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0126】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体3B6の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための3B6またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:130のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:131のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0127】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2014/0044738号およびWO2012/145493号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体3D10の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための3D10またはその抗原結合性フラグメントは、SEQ ID NO:132のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/またはSEQ ID NO:133のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0128】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2011/0271358号およびWO2010/036959号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、US2011/0271358号のSEQ ID NO:34~38から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖:US2011/0271358号のSEQ ID NO:34(SEQ ID NO:134);US2011/0271358号のSEQ ID NO:35(SEQ ID NO:135);US2011/0271358号のSEQ ID NO:36(SEQ ID NO:136);US2011/0271358号のSEQ ID NO:37(SEQ ID NO:137);US2011/0271358号のSEQ ID NO:38(SEQ ID NO:138);および/またはUS2011/0271358号のSEQ ID NO:39~42から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖:US2011/0271358号のSEQ ID NO:39(SEQ ID NO:139);US2011/0271358号のSEQ ID NO:40(SEQ ID NO:140);US2011/0271358号のSEQ ID NO:41(SEQ ID NO:141);US2011/0271358号のSEQ ID NO:42(SEQ ID NO:142)を含む。
【0129】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.7A4の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.7A4またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:143)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:144)を含む。
【0130】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.9D10の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.9D10またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:145)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:146)を含む。
【0131】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.14H9の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.14H9またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:101)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:147)を含む。
【0132】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.20A8の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.20A8またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:148)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:149)を含む。
【0133】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体3.15G8の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための3.15G8またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:908)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:47のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:150)を含む。
【0134】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体3.18G1の誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための3.18G1またはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:151)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:57のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:152)を含む。
【0135】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.7A4OPTの誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.7A4OPTまたはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:153)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:154)を含む。
【0136】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2011/066389号、US8,779,108号、およびUS2014/0356353号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体2.14H9OPTの誘導体、またはその断片を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための2.14H9OPTまたはその抗原結合性フラグメントは、WO2011/066389号のSEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(SEQ ID NO:101)および/またはWO2011/066389号のSEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(SEQ ID NO:102)を含む。
【0137】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2016/061142号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、WO2016/061142号のSEQ ID NO:18、30、38、46、50、54、62、70、および78から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖の誘導体:WO2016/061142号のSEQ ID NO:18(SEQ ID NO:155);WO2016/061142号のSEQ ID NO:30(SEQ ID NO:156);WO2016/061142号のSEQ ID NO:38(SEQ ID NO:157);WO2016/061142号のSEQ ID NO:46(SEQ ID NO:158);WO2016/061142号のSEQ ID NO:50(SEQ ID NO:159);WO2016/061142号のSEQ ID NO:54(SEQ ID NO:160);WO2016/061142号のSEQ ID NO:62:(SEQ ID NO:161);WO2016/061142号のSEQ ID NO:70(SEQ ID NO:162);WO2016/061142号のSEQ ID NO:78(SEQ ID NO:163);および/またはWO2016/061142号のSEQ ID NO:22、26、34、42、58、66、74、82、および86から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖の誘導体:WO2016/061142号のSEQ ID NO:22(SEQ ID NO:164);WO2016/061142号のSEQ ID NO:26(SEQ ID NO:165);WO2016/061142号のSEQ ID NO:34(SEQ ID NO:166);WO2016/061142号のSEQ ID NO:42(SEQ ID NO:167);WO2016/061142号のSEQ ID NO:58(SEQ ID NO:168);WO2016/061142号のSEQ ID NO:66(SEQ ID NO:169);WO2016/061142号のSEQ ID NO:74(SEQ ID NO:170);WO2016/061142号のSEQ ID NO:82(SEQ ID NO:171);WO2016/061142号のSEQ ID NO:86(SEQ ID NO:172)を含む。
【0138】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2016/022630号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、WO2016/022630号のSEQ ID NO:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、および46から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖の誘導体:WO2016/022630号のSEQ ID NO:2(SEQ ID NO:173);WO2016/022630号のSEQ ID NO:6(SEQ ID NO:174);WO2016/022630号のSEQ ID NO:10(SEQ ID NO:175);WO2016/022630号のSEQ ID NO:14(SEQ ID NO:176);WO2016/022630号のSEQ ID NO:18(SEQ ID NO:177);WO2016/022630号のSEQ ID NO:22(SEQ ID NO:178);WO2016/022630号のSEQ ID NO:26(SEQ ID NO:179);WO2016/022630号のSEQ ID NO:30(SEQ ID NO:180);WO2016/022630号のSEQ ID NO:34(SEQ ID NO:181);WO2016/022630号のSEQ ID NO:38(SEQ ID NO:182);WO2016/022630号のSEQ ID NO:42(SEQ ID NO:183);WO2016/022630号のSEQ ID NO:46(SEQ ID NO:184);および/またはWO2016/022630号のSEQ ID NO:4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、および48から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖の誘導体:WO2016/022630号のSEQ ID NO:4(SEQ ID NO:185);WO2016/022630号のSEQ ID NO:8(SEQ ID NO:186);WO2016/022630号のSEQ ID NO:12(SEQ ID NO:187);WO2016/022630号のSEQ ID NO:16(SEQ ID NO:188);WO2016/022630号のSEQ ID NO:20(SEQ ID NO:189);WO2016/022630号のSEQ ID NO:24(SEQ ID NO:190);WO2016/022630号のSEQ ID NO:28(SEQ ID NO:191);WO2016/022630号のSEQ ID NO:32(SEQ ID NO:192);WO2016/022630号のSEQ ID NO:36(SEQ ID NO:193);WO2016/022630号のSEQ ID NO:40(SEQ ID NO:194);WO2016/022630号のSEQ ID NO:44(SEQ ID NO:195);WO2016/022630号のSEQ ID NO:48(SEQ ID NO:196)を含む。
【0139】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2015/112900号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、WO2015/112900号のSEQ ID NO:38、50、82、および86から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖の誘導体:WO2015/112900号のSEQ ID NO:38(SEQ ID NO:197);WO2015/112900号のSEQ ID NO:50(SEQ ID NO:198);WO2015/112900号のSEQ ID NO:82(SEQ ID NO:199);WO2015/112900号のSEQ ID NO:86(SEQ ID NO:200);および/またはWO2015/112900号のSEQ ID NO:42、46、54、58、62、66、70、74、および78から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖の誘導体:WO2015/112900号のSEQ ID NO:42(SEQ ID NO:201);WO2015/112900号のSEQ ID NO:46(SEQ ID NO:202);WO2015/112900号のSEQ ID NO:54(SEQ ID NO:203);WO2015/112900号のSEQ ID NO:58(SEQ ID NO:204);WO2015/112900号のSEQ ID NO:62(SEQ ID NO:205);WO2015/112900号のSEQ ID NO:66(SEQ ID NO:206);WO2015/112900号のSEQ ID NO:70(SEQ ID NO:207);WO2015/112900号のSEQ ID NO:74(SEQ ID NO:208);WO2015/112900号のSEQ ID NO:78(SEQ ID NO:209)を含む。
【0140】
一実施形態では、ターゲティング部分は、WO2010/077634号およびUS8,217,149号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、WO2010/077634号のSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含む重鎖領域の誘導体(SEQ ID NO:210)および/またはWO2010/077634号のSEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域の誘導体(SEQ ID NO:211)を含む。
【0141】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US20120039906号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示される、CNCM寄託番号、CNCMI-4122、CNCMI-4080およびCNCMI-4081下でアクセス可能なハイブリドーマから入手可能な抗PD-L1抗体のいずれか一つの誘導体を含む。
【0142】
一実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、US8,907,065号およびWO2008/071447号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示されるPD-L1に向けられるVHHの誘導体を含む。例示的な実施形態では、PD-L1に対するVHHは、US8,907,065号のSEQ ID NO:394~399を含む:US8,907,065号のSEQ ID NO:394(SEQ ID NO:212);US8,907,065号のSEQ ID NO:395(SEQ ID NO:213);US8,907,065号のSEQ ID NO:396(SEQ ID NO:214);US8,907,065号のSEQ ID NO:397(SEQ ID NO:215);US8,907,065号のSEQ ID NO:398(SEQ ID NO:216);US8,907,065号のSEQ ID NO:399(SEQ ID NO:217)。
【0143】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、PD-L2に向けられる1つ以上のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する1つ以上のターゲティング部分を有する。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PD-L2ポリペプチドを選択的に結合する、1つ以上の抗体、抗体誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質を含む。様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、低親和性でPD-L2に結合する第1のターゲティング部分を含む。
【0144】
一実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、US8,907,065号およびWO2008/071447号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される、PD-L2に向けられるVHHの誘導体を含む。例示的な実施形態では、PD-L2に対するVHHは、US8,907,065号のSEQ ID NO:449~455:US8,907,065号のSEQ ID NO:449(SEQ ID NO:218);US8,907,065号のSEQ ID NO:450(SEQ ID NO:219);US8,907,065号のSEQ ID NO:451(SEQ ID NO:220);US8,907,065号のSEQ ID NO:452(SEQ ID NO:221);US8,907,065号のSEQ ID NO:453(SEQ ID NO:222);US8,907,065号のSEQ ID NO:454(SEQ ID NO:223);US8,907,065号のSEQ ID NO:455(SEQ ID NO:224)を含む。
【0145】
一実施形態では、ターゲティング部分は、US2011/0271358号およびWO2010/036959号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で開示される、抗PD-L2抗体のいずれか一つの誘導体を含む。例示的な実施形態では、本明細書で提供される方法において使用するための抗体またはその抗原結合性フラグメントは、US2011/0271358号のSEQ ID NO:43~47から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖の誘導体:US2011/0271358号のSEQ ID NO:43(SEQ ID NO:225);US2011/0271358号のSEQ ID NO:44(SEQ ID NO:226);US2011/0271358号のSEQ ID NO:45(SEQ ID NO:227);US2011/0271358号のSEQ ID NO:46(SEQ ID NO:228);US2011/0271358号のSEQ ID NO:47(SEQ ID NO:229);および/またはUS2011/0271358号のSEQ ID NO:48~51から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖の誘導体:US2011/0271358号のSEQ ID NO:48(SEQ ID NO:230);US2011/0271358号のSEQ ID NO:49(SEQ ID NO:231);US2011/0271358号のSEQ ID NO:50(SEQ ID NO:232);US2011/0271358号のSEQ ID NO:51(SEQ ID NO:233)を含む。
【0146】
様々な実施形態では、発明のターゲティング部分は、PD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的にする配列を含んでよく、これは、本明細書で開示される配列のいずれかに少なくとも約60%、少なくとも約61%、少なくとも約62%、少なくとも約63%、少なくとも約64%、少なくとも約65%、少なくとも約66%、少なくとも約67%、少なくとも約68%、少なくとも約69%、少なくとも約70%、少なくとも約71%、少なくとも約72%、少なくとも約73%、少なくとも約74%、少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である(例えば、本明細書で開示される配列のいずれかと約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、約99%または約100%の配列同一性)。
【0147】
様々な実施形態では、発明のターゲティング部分は、本明細書で開示されるPD-1、PD-L1、および/またはPD-L2を標的にする、重鎖、軽鎖、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、相補性決定領域(CDR)、およびフレームワーク領域配列の任意の組み合わせを含み得る。
【0148】
PD-1、PD-L1および/またはPD-L2を選択的に結合するまたは標的にする、追加の抗体、抗体誘導体もしくはフォーマット、ペプチドもしくはポリペプチド、または融合タンパク質は、WO2011/066389号、US2008/0025980号、US2013/0034559号、US8,779,108号、US2014/0356353号、US8,609,089号、US2010/028330号、US2012/0114649号、WO2010/027827号、WO2011/066342号、US8,907,065号、WO2016/062722号、WO2009/101611号、WO2010/027827号、WO2011/066342号、WO2007/005874号、WO2001/014556号、US2011/0271358号、WO2010/036959号、WO2010/077634号、US8,217,149号、US2012/0039906号、WO2012/145493号、US2011/0318373号、米国特許第8,779,108号、US20140044738号、WO2009/089149号、WO2007/00587号、WO2016061142号、WO2016,02263号、WO2010/077634号、およびWO2015/112900号(その全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)において開示される。
【0149】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)T細胞上のチェックポイントマーカー、例えば、PD-1に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞、例えば、PD-L1またはPD-L2に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上のPD-1に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1に向けられる第2のターゲティング部分を有する。別の実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上のPD-1に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0150】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CD8へのターゲティングにより媒介される、T細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上のCD8に向けられるターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0151】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は(i)例えば、CD4へのターゲティングにより媒介されるT細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上のCD4に向けられるターゲティング部分および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0152】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CD3、CXCR3、CCR4、CCR9、CD70、CD103、または1つ以上の免疫チェックポイントマーカーへのターゲティングにより媒介される、T細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞上のCD3に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0153】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、PD-1へのターゲティングにより媒介される、T細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0154】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD38、CD39、CD40、CD70、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CD78、CD79a/b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85、CD86、CD89、CD98、CD126、CD127、CDw130、CD138、CDw150およびB細胞成熟抗原(BCMA)へのターゲティングにより媒介される、B細胞に向けられるターゲティング部分;および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0155】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CD19、CD20またはCD70へのターゲティングにより媒介される、B細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0156】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CD20へのターゲティングにより媒介される、B細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞上のCD20に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0157】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、2B4/SLAMF4、KIR2DS4、CD155/PVR、KIR3DL1、CD94、LMIR1/CD300A、CD69、LMIR2/CD300c、CRACC/SLAMF7、LMIR3/CD300LF、DNAM-1、LMIR5/CD300LB、Fc-εRII、LMIR6/CD300LE、Fc-γRI/CD64、MICA、Fc-γRIIB/CD32b、MICB、Fc-γRIIC/CD32c、MULT-1、Fc-γRIIA/CD32a、ネクチン-2/CD112、Fc-γRIII/CD16、NKG2A、FcRH1/IRTA5、NKG2C、FcRH2/IRTA4、NKG2D、FcRH4/IRTA1、NKp30、FcRH5/IRTA2、NKp44、Fc-受容体様3/CD16-2、NKp46/NCR1、NKp80/KLRF1、NTB-A/SLAMF6、Rae-1、Rae-1α、Rae-1β、Rae-1δ、H60、Rae-1ε、ILT2/CD85j、Rae-1γ、ILT3/CD85k、TREM-1、ILT4/CD85d、TREM-2、ILT5/CD85a、TREM-3、KIR/CD158、TREML1/TLT-1、KIR2DL1、ULBP-1、KIR2DL3、ULBP-2、KIR2DL4/CD158d、またはULBP-3へのターゲティングにより媒介される、NK細胞に向けられるターゲティング部分;および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0158】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、Kir1α、DNAM-1またはCD64へのターゲティングにより媒介される、NK細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0159】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、KIR1へのターゲティングにより媒介される、NK細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞上のKIR1に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0160】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、TIGITまたはKIR1へのターゲティングにより媒介される、NK細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞上のTIGITに向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0161】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CLEC-9A、XCR1、RANK、CD36/SRB3、LOX-1/SR-E1、CD68、MARCO、CD163、SR-A1/MSR、CD5L、SREC-1、CL-PI/COLEC12、SREC-II、LIMPIIISRB2、RP105、TLR4、TLR1、TLR5、TLR2、TLR6、TLR3、TLR9、4-IBBリガンド/TNFSF9、IL-12/IL-23p40、4-アミノ-1,8-ナフタルイミド、ILT2/CD85j、CCL21/6Ckine、ILT3/CD85k、8-oxo-dG、ILT4/CD85d、8D6A、ILT5/CD85a、A2B5、lutegrinα4/CD49d、Aag、インテグリンβ2/CD18、AMICA、ランゲリン、B7-2/CD86、ロイコトリエンB4RI、B7-H3、LMIR1/CD300A、BLAME/SLAMF8、LMIR2/CD300c、C1qR1/CD93、LMIR3/CD300LF、CCR6、LMIR5/CD300LBCCR7、LMIR6/CD300LE、CD40/TNFRSF5、MAG/シグレック-4-a、CD43、MCAM、CD45、MD-1、CD68、MD-2、CD83、MDL-1/CLEC5A、CD84/SLAMF5、MMR、CD97、NCAMLI、CD2F-10/SLAMF9、オステオアクチビンGPNMB、Chern23、PD-L2、CLEC-1、RP105、CLEC-2、シグレック-2/CD22、CRACC/SLAMF7、シグレック-3/CD33、DC-SIGN、シグレック-5、DC-SIGNR/CD299、シグレック-6、DCAR、シグレック-7、DCIR/CLEC4A、シグレック-9、DEC-205、シグレック-10、デクチン-1/CLEC7A、シグレック-F、デクチン-2/CLEC6A、SIGNR1/CD209、DEP-1/CD148、SIGNR4、DLEC、SLAM、EMMPRIN/CD147、TCCR/WSX-1、Fc-γR1/CD64、TLR3、Fc-γRIIB/CD32b、TREM-1、Fc-γRIIC/CD32c、TREM-2、Fc-γRIIA/CD32a、TREM-3、Fc-γRIII/CD16、TREML1/TLT-1、ICAM-2/CD102、またはバニロイドR1へのターゲティングにより媒介される、樹状細胞に向けられるターゲティング部分;および(ii)腫瘍細胞または免疫細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0162】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CLEC-9A、DC-SIGN、CD64、CLEC4A、またはDEC205へのターゲティングにより媒介される、樹状細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞上のCLEC9Aに向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0163】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、CLEC9Aへのターゲティングにより媒介される、樹状細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞上のCLEC9Aに向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0164】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、XCR1へのターゲティングにより媒介される、樹状細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞上のXCR1に向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0165】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、RANKへのターゲティングにより媒介される、樹状細胞に向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞上のRANKに向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0166】
非限定的例として、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、SIRP1a、B7-1/CD80、ILT4/CD85d、B7-H1、ILT5/CD85a、Conmmonβ鎖、インテグリンα4/CD49d、BLAME/SLAMF8、インテグリンαX/CD11c、CCL6/C10、インテグリンβ2/CD18、CD155/PVR、インテグリンβ3/CD61、CD31/PECAM-1、ラテキシン、CD36/SR-B3、ロイコトリエンB4R1、CD40/TNFRSF5、LIMPIIISR-B2、CD43、LMIR1/CD300A、CD45、LMIR2/CD300c、CD68、LMIR3/CD300LF、CD84/SLAMF5、LMIR5/CD300LB、CD97、LMIR6/CD300LE、CD163、LRP-1、CD2F-10/SLAMF9、MARCO、CRACC/SLAMF7、MD-1、ECF-L、MD-2、EMMPRIN/CD147、MGL2、エンドグリン/CD105、オステオアクチビン/GPNMB、Fc-γRI/CD64、オステオポンチン、Fc-γRIIB/CD32b、PD-L2、Fc-γRIIC/CD32c、シグレック-3/CD33、Fc-γRIIA/CD32a、SIGNR1/CD209、Fc-γRIII/CD16、SLAM、GM-CSFRα、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TLR3、IFN-γRI、TLR4、IFN-γR2、TREM-1、IL-1RII、TREM-2、ILT2/CD85j、TREM-3、ILT3/CD85k、TREML1/TLT-1、2B4/SLAMF4、IL-10Rα、ALCAM、IL-10Rβ、アミノペプチダーゼN/ANPEP、ILT2/CD85j、Common β鎖、ILT3/CD85k、C1qR1/CD93、ILT4/CD85d、CCR1、ILT5/CD85a、CCR2、CD206、インテグリンα4/CD49d、CCR5、インテグリンαM/CD11b、CCR8、インテグリンαX/CD11c、CD155/PVR、インテグリンβ2/CD18、CD14、インテグリンβ3/CD61、CD36/SR-B3、LAIR1、CD43、LAIR2、CD45、ロイコトリエンB4-R1、CD68、LIMPIIISR-B2、CD84/SLAMF5、LMIR1/CD300A、CD97、LMIR2/CD300c、CD163、LMIR3/CD300LF、凝固因子III/組織因子、LMIR5/CD300LB、CX3CR1、CX3CL1、LMIR6/CD300LE、CXCR4、LRP-1、CXCR6、M-CSFR、DEP-1/CD148、MD-1、DNAM-1、MD-2、EMMPRIN/CD147、MMR、エンドグリン/CD105、NCAM-L1、Fc-γRI/CD64、PSGL-1、Fc-γRIIIICD16、RP105、G-CSFR、L-セレクチン、GM-CSFRα、シグレック-3/CD33、HVEM/TNFRSF14、SLAM、ICAM-1/CD54、TCCR/WSX-1、ICAM-2/CD102、TREM-1、IL-6R、TREM-2、CXCR1/IL-8RA、TREM-3、またはTREML1/TLT-1へのターゲティングにより媒介される、単球/マクロファージに向けられるターゲティング部分;および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0167】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、B7-H1、CD31/PECAM-1、CD163、CCR2、またはマクロファージマンノース受容体CD206へのターゲティングにより媒介される、単球/マクロファージに向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0168】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)例えば、SIRP1aへのターゲティングにより媒介される、単球/マクロファージに向けられるターゲティング部分、および(ii)腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分を、本明細書で記載される改変された(例えば、変異体)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。一実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージ細胞上のSIRP1aに向けられるターゲティング部分、および腫瘍細胞上のPD-L1またはPD-L2に向けられる第2のターゲティング部分を有する。
【0169】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、チェックポイントマーカー、例えば、PD-1/PD-L1またはPD-L2、CD28/CD80またはCD86、CTLA4/CD80またはCD86、ICOS/ICOSLまたはB7RP1、BTLA/HVEM、KIR、LAG3、CD137/CD137L、OX40/OX40L、CD27、CD40L、TIM3/Gal9、およびA2aRの1つ以上に向けられる1つ以上のターゲティング部分を有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、同じまたは異なる免疫細胞に向けられる2つ以上のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、(i)T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはそれらのサブセットから選択される免疫細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および(ii)T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、NK細胞、またはそれらのサブセットから選択される同じか別の免疫細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を、本明細書で記載される改変(例えば、変異)シグナル伝達物質のいずれか(例えば、改変IFN-γ)と共に有する。
【0171】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および同じか別のT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質はT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびB細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびマクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、T細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびNK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。例えば、例示的な実施形態では、キメラタンパク質は、CD8に対するターゲティング部分およびClec9Aに対するターゲティング部分を含み得る。別の例示的な実施形態では、キメラタンパク質は、CD8に対するターゲティング部分およびCD3に対するターゲティング部分を含み得る。別の例示的な実施形態では、キメラタンパク質は、CD8に対するターゲティング部分およびPD-1に対するターゲティング部分を含み得る。
【0172】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および同じか別のB細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびマクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、B細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびNK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。
【0173】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および同じか別の樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびB細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびマクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、樹状細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびNK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。
【0174】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分、および同じか別のマクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびB細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージに対する1つ以上のターゲティング部分、および樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、マクロファージに対する1つ以上のターゲティング部分、およびNK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。
【0175】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、および同じか別のNK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびT細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分、およびB細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、およびマクロファージに向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、NK細胞に対する1つ以上のターゲティング部分、および樹状細胞に向けられる1つ以上のターゲティング部分を含む。
【0176】
1つの実施形態では、本キメラタンパク質は、腫瘍細胞に向けられるターゲティング部分、および同じかまたは異なる腫瘍細胞に向けられる第2のターゲティング部分を含む。そのような実施形態では、ターゲティング部分は本明細書で記載される腫瘍抗原のいずれかに結合し得る。
【0177】
様々な実施形態では、キメラコンストラクトは、WO2013/107791号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において記載されるように構築される。実施例材料&方法および実施例1を参照されたい。
【0178】
様々な実施形態では、キメラコンストラクトの機能キャラクタリゼーションは、WO2013/107791号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)の実施例2~10におけるように実施される。
【0179】
ターゲティング部分フォーマット
様々な実施形態では、本キメラタンパク質のターゲティング部分は、抗体またはその誘導体などの、特異的に結合できるタンパク質に基づく作用物質である。一実施形態では、ターゲティング部分は抗体を含む。様々な実施形態では、抗体は、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む全長多量体タンパク質である。各重鎖は1つの可変領域(例えば、V)および少なくとも3つの定常領域(例えば、CH、CHおよびCH)を含み、各軽鎖は1つの可変領域(V)および1つの定常領域(C)を含む。可変領域は抗体の特異性を決定する。各可変領域は、4つの比較的保存されるフレームワーク領域(FR)に隣接される相補性決定領域(CDR)としても知られる3つの超可変領域を含む。CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれる、3つのCDRは抗体結合特異性に寄与する。いくつかの実施形態では、抗体はキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。
【0180】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、抗体誘導体もしくはフォーマットを含む。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質のターゲティング部分は、米国特許第または特許公開第US7,417,130号、US2004/132094号、US5,831,012号、US2004/023334号、US7,250,297号、US6,818,418号、US2004/209243号、US7,838,629号、US7,186,524号、US6,004,746号、US5,475,096号、US2004/146938号、US2004/157209号、US6,994,982号、US6,794,144号、US2010/239633号、US7,803,907号、US2010/119446号、および/またはUS7,166,697号(その内容はこれにより、その全体が参照により組み込まれる)に記載される、シングルドメイン抗体、組換え重鎖のみ抗体(VHH)、単鎖抗体(scFv)、サメの重鎖のみ抗体(VNAR)、微小タンパク質(システインノットタンパク質、ノッチン)、DARPin;テトラネクチン;アフィボディ;トランスボディ;アンチカリン;アドネクチン;アフィリン;ミクロボディ;ペプチドアプタマー;アルテラーゼ;プラスチック抗体;フィロマー;ストラドボディ;マキシボディ;エヴィボディ;フィノマー、アルマジロリピートタンパク質、クニッツドメイン、アヴィマ、アトリマ、プロボディ、イムノボディ、トリオマブ、トロイボディ;ペプボディ;ワクチボディ、ユニボディ;アフィマー、デュオボディ、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、ペプチド模倣分子、または合成分子である。Storz MAbs. 2011 May-Jun; 3(3): 310-317もまた参照されたい。
【0181】
1つの実施形態では、ターゲティング部分は、例えば、らくだ、サメなどのVHH抗体を産生する生物由来のVHHなどの、シングルドメイン抗体、または設計VHHを含む。VHHは、天然重鎖抗体の特有の構造および機能特性を含む抗体由来治療タンパク質である。VHH技術は、軽鎖を欠くらくだ由来の完全機能抗体に基づく。これらの重鎖抗体は、単一の可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含む。VHHは、NANOBODYまたはNANOBODIESの商標で市販される。
【0182】
一実施形態では、ターゲティング部分は、VHHを含む。いくつかの実施形態では、VHHはヒト化VHHまたはラクダ化VHHである。
【0183】
いくつかの実施形態では、VHHは、完全ヒトVドメイン、例えばHUMABODY(Crescendo Biologics, Cambridge, UK)を含む。いくつかの実施形態では、完全ヒトVドメイン、例えばHUMABODYは一価、二価、または三価である。いくつかの実施形態では、完全ヒトVドメイン、例えばHUMABODYは、一特異性、二特異性、または三特異性などの一特異性または多特異性である。例示的な完全ヒトVドメイン、例えばHUMABODIESは、例えば、WO2016/113555号およびWO2016/113557号(その全開示内容は参照により組み込まれる)において記載される。
【0184】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質のターゲティング部分は、細胞受容体に対する天然リガンドなどの、細胞受容体に特異的に結合できるタンパク質に基づく作用物質である。様々な実施形態では、細胞受容体は1つ以上の免疫細胞上で見出され、それらは、T細胞、細胞傷害性Tリンパ球、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、抗腫瘍マクロファージ(例えば、M1マクロファージ)、B細胞、樹状細胞、またはそれらのサブセットを含むが、限定されない。いくつかの実施形態では、細胞受容体は、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、好塩基球、好中球、好酸球、またはそれらのサブセット上で見出される。
【0185】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ケモカインなどの天然リガンドである。本発明のキメラタンパク質に含まれ得る例示的なケモカインとしては、CCL1、CCL2、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CLL25、CCL26、CCL27、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、XCL1、XCL2、CX3CL1、HCC-4、およびLDGF-PBPが挙げられるが、それらに限定されない。例示的な実施形態では、ターゲティング部分は、樹状細胞受容体XCR1を認識し、かつこれに結合するケモカインであるXCL1であってよい。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL1であり、それは、CCR8を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL2であり、それは、CCR2またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL3であり、それは、CCR1、CCR5、またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL4であり、それは、CCR1またはCCR5またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL5であり、それは、CCR1またはCCR3またはCCR4またはCCR5を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL6であり、それは、CCR1を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL7であり、それは、CCR2またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL8であり、それは、CCR1またはCCR2またはCCR2BまたはCCR5またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL9であり、それは、CCR1を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL10であり、それは、CCR1を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL11であり、それは、CCR2またはCCR3またはCCR5またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL13であり、それは、CCR2またはCCR3またはCCR5またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL14であり、それは、CCR1またはCCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL15であり、それは、CCR1またはCCR3を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL16であり、それは、CCR1、CCR2、CCR5、またはCCR8を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL17であり、それは、CCR4を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL19であり、それは、CCR7を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL20であり、それは、CCR6を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL21であり、それは、CCR7を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL22であり、それは、CCR4を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL23であり、それは、CCR1を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL24であり、それは、CCR3を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL25であり、それは、CCR9を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL26であり、それは、CCR3を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL27であり、それは、CCR10を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCCL28であり、それは、CCR3またはCCR10を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL1であり、それは、CXCR1またはCXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL2であり、それは、CXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL3であり、それは、CXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL4であり、それは、CXCR3Bを認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL5であり、それは、CXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL6であり、それは、CXCR1またはCXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL8であり、それは、CXCR1またはCXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL9であり、それは、CXCR3を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL10であり、それは、CXCR3を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL11であり、それは、CXCR3またはCXCR7を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL12であり、それは、CXCR4またはCXCR7を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL13であり、それは、CXCR5を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCXCL16であり、それは、CXCR6を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はLDGF-PBPであり、それは、CXCR2を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はXCL2であり、それは、XCR1を認識し、これに結合するケモカインである。別の例示的な実施形態では、ターゲティング部分はCX3CL1であり、それは、CX3CR1を認識し、これに結合するケモカインである。
【0186】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、ターゲティング部分を様々な組み合わせで含む。例示的な実施形態では、本キメラタンパク質は2つのターゲティング部分を含んでよく、ここで、両方のターゲティング部分は抗体またはその誘導体である。別の例示的な実施形態では、本キメラタンパク質は、2つのターゲティング部分を含んでよく、ここで、両方のターゲティング部分は細胞受容体に対する天然リガンドである。さらなる例示的な実施形態では、本キメラタンパク質は、2つのターゲティング部分を含んでよく、ここで、ターゲティング部分の1つは抗体またはその誘導体であり、他のターゲティング部分は細胞受容体に対する天然リガンドである。
【0187】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)を機能的に調節する(非制限的に、部分的にまたは完全に中和する)、例えば、抗原が有する生物学的効果を実質的に阻害し、低減し、または中和する。例えば、様々な認識ドメインは、例えば、腫瘍を有する患者の、免疫系を能動的に抑制する、または抑制する能力を有する1つ以上の腫瘍抗原に向けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、免疫阻害シグナル、例えば、TIM-3、BTLA、PD-1、CTLA-4、B7-H4、GITR、ガレクチン-9、HVEM、PD-L1、PD-L2、B7-H3、CD244、CD160、TIGIT、SIRPα、ICOS、CD172a、およびTMIGD2の1つ以上を機能的に調節する(例えば、チェックポイント阻害剤)。例えば、いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、免疫阻害シグナルの伝達、非限定的例として、PD-L1またはPD-L2とのPD-1の結合および/またはAP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1つ以上とのCTLA-4の結合、を破壊する、ブロックする、低減する、および/または阻害するように操作される。
【0188】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは、関心のある標的(例えば、抗原、受容体)を結合するが機能的に調節せず、例えば、認識ドメインは、結合抗体であり、またはこれに類似する。例えば、様々な実施形態では、認識ドメインは、抗原または受容体を単に標的にするが、抗原または受容体が有する生物学的効果を実質的に阻害せず、低減せず、または機能的に調節しない。例えば、(例えば、例として、完全抗体と比べて)上記のより小さな抗体フォーマットのいくつかは、アクセスが困難なエピトープを標的にし、より大きな範囲の特異的結合位置を提供する能力を有する。様々な実施形態では、認識ドメインは、その生物活性に重要な抗原または受容体部位(例えば、抗原の活性部位)から物理的に分離されたエピトープを結合する。
【0189】
そのような非中和結合は、本発明の様々な実施形態において用途があり、本キメラタンパク質が、活性免疫細胞を必要部位にエフェクター抗原、例えば本明細書で記載されるもののいずれかを介して直接的にまたは間接的に動員するために使用される方法が挙げられる。例えば、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、腫瘍を低減または排除する方法において、CD8を介して細胞傷害性T細胞を腫瘍細胞に直接的にまたは間接的に動員するために使用され得る(例えば、キメラタンパク質は、抗CD8認識ドメインおよび腫瘍抗原に向けられる認識ドメインを含み得る)。そのような実施形態では、CD8発現細胞傷害性T細胞を直接的にまたは間接的に動員するがCD8活性を機能的に調節しないことが望ましい。それどころか、これらの実施形態では、CD8シグナル伝達は、腫瘍を低減するまたは排除する効果の重要な要素である。さらなる例として、腫瘍を低減するまたは排除する様々な方法において、本キメラタンパク質は、CLEC9Aを介して樹状細胞(DC)を直接的にまたは間接的に動員するために使用される(例えば、キメラタンパク質は、抗CLEC9A認識ドメインおよび腫瘍抗原に向けられる認識ドメインを含み得る)。そのような実施形態では、CLEC9A発現DCを直接的にまたは間接的に動員するがCLEC9A活性を機能的に調節しないことが望ましい。それどころか、これらの実施形態では、CLEC9Aシグナル伝達は腫瘍を低減するまたは排除する効果の重要な要素である。
【0190】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは、例えば、樹状細胞上の、XCR1に結合する。例えば、認識ドメインは、いくつかの実施形態では、XCL1の全てもしくは一部または非中和抗XCR1剤を含む。
【0191】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは免疫調節抗原(例えば、免疫刺激または免疫阻害)に結合する。様々な実施形態では、免疫調節抗原は、4-1BB、OX-40、HVEM、GITR、CD27、CD28、CD30、CD40、ICOSリガンド;OX-40リガンド、LIGHT(CD258)、GITRリガンド、CD70、B7-1、B7-2、CD30リガンド、CD40リガンド、ICOS、ICOSリガンド、CD137リガンドおよびTL1Aの1つ以上である。様々な実施形態では、そのような免疫刺激抗原は、腫瘍細胞上で発現される。様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは、そのような免疫刺激抗原を結合するが機能的に調節せず、そのため、それらの潜在的な腫瘍を低減するまたは排除する能力の低減または損失なしに、これらの抗原を発現する細胞の動員を可能にする。
【0192】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質の認識ドメインは、中和活性を有する2つの認識ドメインを含む、または非中和(例えば、結合)活性を有する2つの認識ドメインを含む、または中和活性を有する1つの認識ドメインおよび非中和(例えば、結合)活性を有する1つの認識ドメインを含むキメラタンパク質という状況下にあり得る。
【0193】
追加のシグナル伝達物質
1つの態様では、本発明は、本明細書で記載される改変IFN-γに加えて、1つ以上のシグナル伝達物質(例えば、免疫調節剤)を含むキメラタンパク質を提供する。例示的な実施形態では、キメラタンパク質は、本明細書で記載される改変IFN-γに加えて、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多いシグナル伝達物質を含み得る。様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、その受容体の1つ以上に対して低減された親和性および/または生物活性を有するように改変され、これは活性(受容体活性化作用または拮抗作用を含む)の減弱を可能にし、および/または非特異的シグナル伝達またはキメラタンパク質の望ましくない隔離を防ぐ。
【0194】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、その野生型形態で拮抗的であり、その拮抗活性を減弱させる1つ以上の突然変異を有する。様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1つ以上の突然変異のため拮抗的であり、例えば、作動性シグナル伝達物質は拮抗的シグナル伝達物質に変換され、そのような変換されたシグナル伝達物質はまた、任意で、その拮抗活性を減弱させる1つ以上の突然変異を有する(例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において記載される)。
【0195】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、サイトカイン、増殖因子、およびホルモンの改変バージョンから選択される。そのようなサイトカイン、増殖因子、およびホルモンの例示的な例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:リンホカイン、モノカイン、伝統的なポリペプチドホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH);肝臓増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子-αおよび腫瘍壊死因子-β;ミュラー管抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経増殖因子、例えばNGF-α;血小板-増殖因子;トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF-αおよびTGF-β;インスリン様増殖因子-Iおよび-II;骨誘導因子;インターフェロン、例えば、例として、インターフェロン-α、インターフェロン-βおよびインターフェロン-γ(およびI、II、およびIII型インターフェロン)、コロニー刺激因子(CSF)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF);および顆粒球-CSF(G-CSF);インターロイキン(IL)例として、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、およびIL-18など;腫瘍壊死因子、例として、TNF-αまたはTNF-βなど;および他のポリペプチド因子、例えば、LIFおよびkitリガンド(KL)を含む。本明細書では、サイトカイン、増殖因子、およびホルモンは、天然源から得られたタンパク質、または組換え細菌、真核生物または哺乳類細胞培養系から産生されたタンパク質および天然配列サイトカインの生物的に活性な等価物を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、限定はされないが、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF-αおよびTGF-β、上皮増殖因子(EGF)、インスリン様増殖因子、例えばインスリン様増殖因子-Iおよび-II、線維芽細胞増殖因子(FGF)、ヘレグリン、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)から選択される増殖因子の改変バージョンである。
【0197】
一実施形態では、増殖因子は、線維芽細胞増殖因子(FGF)の改変バージョンである。例示的なFGFとしては、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14、マウスFGF15、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、およびFGF23が挙げられるが、それらに限定されない。
【0198】
一実施形態では、増殖因子は、血管内皮増殖因子(VEGF)の改変バージョンである。例示的なVEGFとしては、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、およびPGFならびにそれらのアイソフォーム(VEGF-Aの様々なアイソフォーム、例えば、VEGF121、VEGF121b、VEGF145、VEGF165、VEGF165b、VEGF189、およびVEGF206を含む)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0199】
一実施形態では、増殖因子は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)の改変バージョンである。例示的なTGFとしては、TGF-αおよびTGF-βならびにそのサブタイプ(TGFβ1、TGFβ2、およびTGFβ3を含むTGF-βの様々なサブタイプを含む)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0200】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、限定はされないが、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ゴナドトロピン放出ホルモン、アンドロゲン、エストロゲン、甲状腺-刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、オキシトシン、サイロトロピン-放出ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、コルチコトロピン-放出ホルモン、ソマトスタチン、ドパミン、メラトニン、チロキシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド、アドレナリン、ノルアドレナリン、プロゲステロン、インスリン、グルカゴン、アミリン、カルシトリオール、カルシフェロール、心房性ナトリウム利尿ペプチド、ガストリン、セクレチン、コレシストキニン、ニューロペプチドY、グレリン、PYY3-36、インスリン様増殖因子(IGF)、レプチン、トロンボポエチン、エリスロポエチン(EPO)、およびアンジオテンシノーゲンから選択されるホルモンの改変バージョンである。
【0201】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、免疫調節剤、例えば、インターロイキン、インターフェロン、および腫瘍壊死因子の1つ以上である。
【0202】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、インターロイキンであり、例えばIL-1;IL-2;IL-3;IL-4;IL-5;IL-6;IL-7;IL-8;IL-9;IL-10;IL-11;IL-12;IL-13;IL-14;IL-15;IL-16;IL-17;IL-18;IL-19;IL-20;IL-21;IL-22;IL-23;IL-24;IL-25;IL-26;IL-27;IL-28;IL-29;IL-30;IL-31;IL-32;IL-33;IL-35;IL-36またはその断片、バリアント、類似体、もしくはファミリー-メンバーを含む。インターロイキンは、リンパ球、単球、およびマクロファージにより合成される多機能性サイトカインの群である。知られている機能としては、免疫細胞(例えば、ヘルパーT細胞、B細胞、好酸球、およびリンパ球)の増殖、好中球およびTリンパ球の走化性、および/またはインターフェロンの阻害を刺激することが挙げられる。インターロイキン活性は、当技術分野で知られているアッセイを使用して決定できる:Matthews et al., in Lymphokines and Interferens: A Practical Approach, Clemens et al., eds, IRL Press, Washington, D.C. 1987, pp. 221-225;およびOrencole & Dinarello (1989) Cytokine 1, 14-20。
【0203】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、I、II、およびIII型インターフェロンなどのインターフェロンの改変バージョンである。例示的なインターフェロンとしては、例えば、インターフェロン-α、インターフェロン-β、別のインターフェロン-γ、インターフェロンκ、インターフェロンε、インターフェロンτ、およびインターフェロンωが挙げられる。
【0204】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、腫瘍壊死因子(TNF)またはTNFファミリーにおけるタンパク質、例えば、限定はされないが、TNF-α、TNF-β、LT-β、CD40L、CD27L、CD30L、FASL、4-1BBL、OX40L、およびTRAIL、の改変バージョンである。
【0205】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1つ以上の突然変異を有するシグナル伝達物質の改変された(例えば、変異体)型である。様々な実施形態では、突然変異は、シグナル伝達物質の未改変のまたは未変異の、すなわち、野生型の形態と比べて(例えば、野生型形態対改変(例えば、変異)形態で同じシグナル伝達物質を比較して)、1つ以上の減弱された活性、例えば1つ以上の低減された結合親和性、低減された内在活性、および低減された特定の生理活性、を有する改変シグナル伝達物質を可能にする。いくつかの実施形態では、結合または親和性を減弱または低減させる突然変異は、結合または活性を実質的に低減または消失させる突然変異を含む。いくつかの実施形態では、結合または親和性を減弱または低減させる突然変異は、結合または活性を実質的に低減または消失させる突然変異とは異なる。その結果として、様々な実施形態では、突然変異は、未変異の、すなわち、野生型のシグナル伝達物質と比べて(例えば、野生型形態対改変(例えば、変異)形態で同じシグナル伝達物質を比較して)、より安全な、例えば、低減された全身毒性、低減された副作用、および低減されたオフターゲット効果を有するシグナル伝達物質を可能にする。
【0206】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、その受容体の1つ以上に対するその結合親和性または活性を低減させる、1つ以上の突然変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、シグナル伝達物質は、受容体に対する結合親和性または活性を実質的に低減または消失させる、1つ以上の突然変異を有するように改変される。いくつかの実施形態では、野生型シグナル伝達物質により提供される活性は、受容体での受容体活性化作用(例えば、治療部位での細胞効果の活性化)である。例えば、野生型シグナル伝達物質はその受容体を活性化できる。そのような実施形態では、突然変異は、受容体で低減または消失された活性化活性を有する改変シグナル伝達物質をもたらす。例えば、突然変異は、低減された活性化シグナルを標的細胞に送達する改変シグナル伝達物質をもたらし得、または活性化シグナルが消失され得る。いくつかの実施形態では、野生型シグナル伝達物質により提供される活性は、受容体での拮抗作用(例えば、治療部位での細胞効果のブロッキングまたは減衰)である。例えば、野生型シグナル伝達物質は、受容体をアンタゴナイズまたは阻害し得る。これらの実施形態では、突然変異は、受容体で低減または消失されたアンタゴナイズ活性を有する改変シグナル伝達物質をもたらす。例えば、突然変異は、低減された阻害シグナルを標的細胞に送達する改変シグナル伝達物質をもたらし得、または阻害シグナルが消失され得る。様々な実施形態では、シグナル伝達物質は、1つ以上の突然変異のため拮抗的であり、例えば、作動性シグナル伝達物質は拮抗的シグナル伝達物質に変換され(例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)に記載される)、そのように変換されたシグナル伝達物質はまた、任意で、その受容体の1つ以上に対するその結合親和性または活性を低減させる、またはその受容体の1つ以上に対する結合親和性または活性を実質的に低減または消失させる、1つ以上の突然変異を有する。
【0207】
いくつかの実施形態では、受容体で低減された親和性および/または生物活性は、ターゲティング部分の1つ以上の付着により回復可能である。他の実施形態では、受容体で低減された親和性および/または生物活性は、ターゲティング部分の1つ以上の活性により、実質的に回復可能でない。
【0208】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、標的細胞上で活性である。なぜならターゲティング部分(複数可)は、実質的な活性化に必要とされる損失した/不十分な結合(例えば、限定なしに、および/または結合活性)を補うからである。様々な実施形態では、改変シグナル伝達物質は、治療活性部位への途中で実質的に不活性であり、特異的に標的にされる細胞型上で実質的にその効果を有し、これは望まれない副作用を大きく低減する。
【0209】
いくつかの実施形態では、追加のシグナル伝達物質は、1つの受容体(すなわち、治療的受容体)に対する結合または親和性を減弱または低減させる1つ以上の突然変異、および第2の受容体での結合または活性を実質的に低減または消失させる1つ以上の突然変異を含み得る。そのような実施形態では、これらの突然変異は、同じかまたは異なる位置に存在し得る(すなわち、同じ突然変異または複数の突然変異)。いくつかの実施形態では、1つの受容体での結合および/または活性を低減させる突然変異(複数可)は、別の受容体で実質的に低減または消失させる突然変異(複数可)とは異なる。いくつかの実施形態では、1つの受容体での結合および/または活性を低減させる突然変異(複数可)は、別の受容体で実質的に低減または消失させる突然変異(複数可)と同じである。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、治療的受容体で結合および/または活性を減弱させそれによってより制御された、的確な治療効果(例えば、野生型シグナル伝達物質に比べ)を可能にする突然変異および別の受容体で結合および/または活性を実質的に低減または消失させそれによって副作用を低減させる(例えば、野生型シグナル伝達物質に比べ)突然変異の両方を有する、改変シグナル伝達物質を有する。
【0210】
いくつかの実施形態では、結合または活性の実質的な低減または消失は、ターゲティング部分により実質的に回復可能でない。いくつかの実施形態では、結合または活性の実質的な低減または消失は、ターゲティング部分により回復可能である。様々な実施形態では、第2の受容体で結合または活性を実質的に低減または消失させることはまた、他の受容体により媒介される有害効果を防止できる。その代わりに、または加えて、他の受容体での結合または活性を実質的に低減または消失させると、治療効果が改善される。なぜなら治療的キメラタンパク質の治療作用部位からの隔離が低減または排除されるからである。例えば、いくつかの実施形態では、これは、他の受容体での損失を補う本キメラタンパク質の高い用量の必要をなくす。用量を低減するそのような能力はさらに、副作用のより低い可能性を提供する。
【0211】
様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質が、その受容体の1つ以上に対し、低減された、実質的に低減された、または消失された親和性、例えば、結合(例えば、K)および/または活性化(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアゴニストである場合、例えば、Kおよび/またはEC50として測定可能)および/または阻害(例えば、改変シグナル伝達物質がその受容体のアンタゴニストである場合、例えば、Kおよび/またはIC50として測定可能)を有するようにする、1つ以上の突然変異を含む。様々な実施形態では、シグナル伝達物質の受容体での低減された親和性は、活性(受容体活性化作用または拮抗作用を含む)の減弱を可能にする。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、野生型シグナル伝達物質と比べて、受容体に対する約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約10%-20%、約20%-40%、約50%、約40%-60%、約60%-80%、約80%-100%の親和性を有する。いくつかの実施形態では、結合親和性は、野生型シグナル伝達物質と比べて、少なくとも約2倍低く、約3倍低く、約4倍低く、約5倍低く、約6倍低く、約7倍低く、約8倍低く、約9倍低く、少なくとも約10倍低く、少なくとも約15倍低く、少なくとも約20倍低く、少なくとも約25倍低く、少なくとも約30倍低く、少なくとも約35倍低く、少なくとも約40倍低く、少なくとも約45倍低く、少なくとも約50倍低く、少なくとも約100倍低く、少なくとも約150倍低く、または約10~50倍低く、約50~100倍低く、約100~150倍低く、約150~200倍低く、または200超倍低い。
【0212】
キメラタンパク質が1つの受容体での結合を低減させかつ第2の受容体での結合を実質的に低減または消失させる突然変異を有する実施形態では、1つの受容体に対する改変シグナル伝達物質の結合親和性の減弱または低減は、他の受容体に対する親和性の実質的な低減または消失よりも小さい。いくつかの実施形態では、1つの受容体に対する改変シグナル伝達物質の結合親和性の減弱または低減は、他の受容体に対する親和性の実質的な低減または消失よりも約1%、または約3%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%だけ小さい。様々な実施形態では、実質的な低減または消失は、減弱または低減よりも大きな結合親和性および/または生物活性の低減を指す。
【0213】
様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、例えば、野生型シグナル伝達物質と比べて、シグナル伝達物質の内在活性を約75%、または約70%、または約60%、または約50%、または約40%、または約30%、または約25%、または約20%、または約10%、または約5%、または約3%、または約1%に低減させる1つ以上の突然変異を含む。
【0214】
様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質が本明細書で記載されるサイトカイン、増殖因子、およびホルモンのいずれか一つの受容体に対して低減された親和性および/または生物活性を有するようにする、1つ以上の突然変異を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質がその(それらの)受容体(複数可)に対するターゲティング部分(複数可)の結合親和性よりも低い、その受容体に対する低減された親和性を有するようにする、1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態では、この結合親和性差は、同じ細胞上の、シグナル伝達物質/受容体とターゲティング部分/受容体の間である。いくつかの実施形態では、この結合親和性差は、シグナル伝達物質、例えば、変異シグナル伝達物質が局所的な、的確な効果を有し、かつ野生型シグナル伝達物質で観察される副作用の基礎にあるオフターゲット効果を最小に抑えることを可能にする。いくつかの実施形態では、この結合親和性は、少なくとも約2倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍低く、または少なくとも約25倍、または少なくとも約50倍低く、または少なくとも約100倍、または少なくとも約150倍である。
【0216】
受容体結合活性は、当技術分野で知られている方法を使用して測定され得る。例えば、親和性および/または結合活性は、結合データのスキャッチャードプロット分析およびコンピュータ-フィッティング(例えば、Scatchard, 1949)により、または、Brecht et al. (1993)(その全ての全内容がこれにより参照により組み込まれる)により記載される流れ条件下での反射干渉分光法により評価され得る。
【0217】
本明細書で記載される野生型シグナル伝達物質のアミノ酸配列は、当技術分野でよく知られている。したがって、様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、本明細書で記載されるシグナル伝達物質の公知の野生型アミノ酸配列と少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0218】
様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、本明細書で開示される配列のいずれかと少なくとも約60%、または少なくとも約61%、または少なくとも約62%、または少なくとも約63%、または少なくとも約64%、または少なくとも約65%、または少なくとも約66%、または少なくとも約67%、または少なくとも約68%、または少なくとも約69%、または少なくとも約70%、または少なくとも約71%、または少なくとも約72%、または少なくとも約73%、または少なくとも約74%、または少なくとも約75%、または少なくとも約76%、または少なくとも約77%、または少なくとも約78%、または少なくとも約79%、または少なくとも約80%、または少なくとも約81%、または少なくとも約82%、または少なくとも約83%、または少なくとも約84%、または少なくとも約85%、または少なくとも約86%、または少なくとも約87%、または少なくとも約88%、または少なくとも約89%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。
【0219】
様々な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、1つ以上のアミノ酸突然変異を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸突然変異は、置換、挿入、欠失、およびトランケーションから独立して選択され得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異はアミノ酸置換であり、本明細書で記載される保存的および/または非保存的置換を含み得る。
【0221】
本明細書では、追加の改変シグナル伝達物質は、1つ以上の受容体での親和性および/または活性に影響する突然変異を有する。様々な実施形態では、治療的受容体、例えば、これを通して所望の治療効果が媒介される(例えば、受容体活性化作用または拮抗作用)受容体での低減された親和性および/または活性が存在する。様々な実施形態では、改変シグナル伝達物質は、受容体、例えば、これを通して所望の治療効果が媒介されない(例えば、結合の混乱の結果として)受容体での親和性および/または活性を実質的に低減または消失させる突然変異を有する。任意の改変シグナル伝達物質、例えば、本明細書で記載されるサイトカイン、増殖因子、およびホルモンの1つの受容体は、当技術分野で知られている。
【0222】
受容体での低減された親和性および/または活性(例えば、作動性)を提供する例示的な突然変異は、WO2013/107791号(例えば、インターフェロンに関して)、WO2015/007542号(例えば、インターロイキンに関して)、およびWO2015/007903号(例えば、TNFに関して)(その各々の全内容はこれにより参照により組み込まれる)において見出される。治療的受容体で低減された親和性および/または活性(例えば、拮抗的)を提供する例示的な突然変異は、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において見出される。
【0223】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達物質がI型サイトカイン受容体、II型サイトカイン受容体、ケモカイン受容体、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーにおける受容体、TGF-β受容体、免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーにおける受容体、および/またはチロシンキナーゼスーパーファミリーにおける受容体に対して低減された親和性および/または活性を有するようにする、1つ以上の突然変異を含む。
【0224】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、I型サイトカイン受容体である。I型サイトカイン受容体は当技術分野で知られており、IL2(β-サブユニット)、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL9、IL11、IL12、GM-CSF、G-CSF、LIF、CNTFに対する受容体、および、また、トロンボポエチン(TPO)、プロラクチン、および成長ホルモンに対する受容体が挙げられるが、それらに限定されない。例示的なI型サイトカイン受容体としては、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、LIF受容体、CNTF受容体、TPO受容体、およびI型IL受容体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0225】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、II型サイトカイン受容体である。II型サイトカイン受容体は異種サブユニットからなる多量体受容体であり、主にインターフェロンに対する受容体である。受容体のこのファミリーとしては、インターフェロン-α、インターフェロン-βおよびインターフェロン-γ、IL10、IL22、ならびに組織因子に対する受容体が挙げられるが、それらに限定されない。例示的なII型サイトカイン受容体としては、IFN-α受容体(例えば、IFNAR1およびIFNAR2)、IFN-β受容体、IFN-γ受容体(例えば、IFNGR1およびIFNGR2)、およびII型IL受容体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0226】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、Gタンパク質共役受容体である。ケモカイン受容体は、7回膜貫通構造を有しシグナル伝達のためにG-タンパク質に結合されるGタンパク質共役受容体である。ケモカイン受容体としては、CCケモカイン受容体、CXCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、およびXCケモカイン受容体(XCR1)が挙げられるが、それらに限定されない。例示的なケモカイン受容体としては、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR3B、CXCR4、CXCR5、CSCR6、CXCR7、XCR1、およびCX3CR1が挙げられるが、それらに限定されない。
【0227】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、TNFRファミリーメンバーである。腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリーメンバーは、細長い分子を生成するCXXCXXCのコアモチーフを囲む3つのジスルフィド結合から形成されるシステインリッチドメイン(CRD)を共有する。例示的な腫瘍壊死因子受容体ファミリーメンバーは、下記を含む:CD120a(TNFRSF1A)、CD120b(TNFRSF1B)、リンホトキシンβ受容体(LTBR、TNFRSF3)、CD134(TNFRSF4)、CD40(CD40、TNFRSF5)、FAS(FAS、TNFRSF6)、TNFRSF6B(TNFRSF6B)、CD27(CD27、TNFRSF7)、CD30(TNFRSF8)、CD137(TNFRSF9)、TNFRSF10A(TNFRSF10A)、TNFRSF10B、(TNFRSF10B)、TNFRSF10C(TNFRSF10C)、TNFRSF10D(TNFRSF10D)、RANK(TNFRSF11A)、オステオプロテゲリン(TNFRSF11B)、TNFRSF12A(TNFRSF12A)、TNFRSF13B(TNFRSF13B)、TNFRSF13C(TNFRSF13C)、TNFRSF14(TNFRSF14)、神経増殖因子受容体(NGFR、TNFRSF16)、TNFRSF17(TNFRSF17)、TNFRSF18(TNFRSF18)、TNFRSF19(TNFRSF19)、TNFRSF21(TNFRSF21)、およびTNFRSF25(TNFRSF25)。
【0228】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、TGF-β受容体である。TGF-β受容体は、単回通過セリン/スレオニンキナーゼ受容体である。TGF-β受容体としては、TGFBR1、TGFBR2、およびTGFBR3が挙げられるが、それらに限定されない。
【0229】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、Igスーパーファミリー受容体である。免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーにおける受容体は、免疫グロブリンと構造相同性を共有する。Igスーパーファミリーにおける受容体としては、インターロイキン-1受容体、CSF-1R、PDGFR(例えば、PDGFRAおよびPDGFRB)、およびSCFRが挙げられるが、それらに限定されない。
【0230】
様々な実施形態では、追加のシグナル伝達物質に対する受容体は、チロシンキナーゼスーパーファミリー受容体である。チロシンキナーゼスーパーファミリーにおける受容体は当技術分野でよく知られている。約58の公知の受容体チロシンキナーゼ(RTK)が存在し、20のサブファミリーに分類される。チロシンキナーゼスーパーファミリーにおける受容体としては、FGF受容体およびそれらの様々なアイソフォーム、例えばFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、およびFGFR5が挙げられるが、それらに限定されない。
【0231】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、インターフェロンβである。そのような実施形態では、改変インターフェロンβ作用物質は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変インターフェロンβ作用物質は、IFN-α/β受容体(IFNAR)、すなわち、IFNAR1および/またはIFNAR2鎖に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0232】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、別のインターフェロンγである。そのような実施形態では、改変インターフェロンγ作用物質もまた、インターフェロン-γ受容体(IFNGR)、すなわち、インターフェロン-γ受容体1および/またはインターフェロン-γ受容体2サブユニットに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変インターフェロンγ作用物質は、インターフェロン-γ受容体、すなわち、インターフェロン-γ受容体1および/またはインターフェロン-γ受容体2サブユニットに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0233】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、血管内皮増殖因子(VEGF)である。VEGFは、生理的だけでなく病理学的な血管新生においても主要な役割を果たす強力な増殖因子であり、血管透過性を制御し、VEGF受容体を発現する細胞上で増殖因子として作用できる。追加の機能としては、とりわけ、マクロファージ系統における細胞移動および内皮細胞の刺激が挙げられる。増殖因子のVEGFファミリーのいくつかのメンバー、ならびに少なくとも3つの受容体(VEGFR-1、VEGFR-2、およびVEGFR-3)が存在する。VEGFファミリーのメンバーは、1を超えるVEGFR型を結合し活性化できる。例えば、VEGF-AはVEGFR-1および-2を結合し、一方、VEGF-CはVEGFR-2および-3を結合できる。VEGFR-1および-2活性化は血管新生を制御し、一方VEGFR-3活性化はリンパ脈管新生と関連する。主要血管新生促進シグナルは、VEGFR-2の活性化により生成される。VEGFR-1活性化は、おそらく血管新生における負の役割と関連することが報告されている。VEGFR-1シグナル伝達は、骨髄由来VEGFR-1陽性細胞(骨における転移前微小環境の形成に寄与)を介するインビボでの腫瘍の進行に重要であることもまた報告されている。VEGF-A指向/中和治療抗体に基づくいくつかの療法が、主として、血管新生に頼る様々なヒト腫瘍の治療において使用するために開発されている。しかし、これらは副作用がないわけではない。これらが一般的な、非細胞/組織特異的VEGF/VEGFR相互作用阻害剤として動作することを考えると、これは驚きではない。よって、VEGF(例えば、VEGF-A)/VEGFR-2阻害を特定の標的細胞(例えば、腫瘍脈管構造内皮細胞)に制限することは望ましいであろう。
【0234】
いくつかの実施形態では、VEGFは、VEGF-A、VEGF-B、VEFG-C、VEGF-D、またはVEGF-Eおよび、VEGF121、VEGF121b、VEGF145、VEGF165、VEGF165b、VEGF189、およびVEGF206などのVEGF-Aの様々なアイソフォームを含む、そのアイソフォームである。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-2(KDR/Flk-1)に対して低減された親和性および/または活性、および/またはVEGFR-1(Flt-1)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態は、例えば、創傷治癒法または虚血関連疾患の治療において用途を見出す(理論に縛られることは望まないが、内皮細胞機能および血管新生に対するVEGFR-2の効果により媒介される)。様々な実施形態では、VEGFR-1(Flt-1)への結合(これは癌および炎症促進活性に関連する)が回避される。様々な実施形態では、VEGFR-1(Flt-1)はデコイ受容体として作用し、そのため、この受容体での親和性および/または活性を実質的に低減または消失させ、治療薬の隔離を回避する。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-1(Flt-1)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性、および/またはVEGFR-2(KDR/Flk-1)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、VEGFはVEGF-CまたはVEGF-Dである。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-3に対して低減された親和性および/または活性を有する。あるいは、改変シグナル伝達物質は、VEGFR-3に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0235】
血管新生促進療法はまた、様々な疾患(例えば、虚血性心疾患、出血など)において重要であり、VEGFに基づく治療法を含む。VEGFR-2の活性化は血管新生促進性である(内皮細胞に作用)。VEFGR-1の活性化は炎症細胞(例えば、マクロファージを含む)の遊走の刺激を引き起こし、炎症関連血管過多透過性に至らしめ得る。VEFGR-1の活性化はまた、骨髄関連腫瘍微小環境形成を促進し得る。よって、VEGFR-2活性化に対し選択的なVEGFに基づく治療が、この場合望ましいであろう。加えて、例えば、内皮細胞への、細胞特異的ターゲティングが望ましいであろう。
【0236】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、VEGFR-2に対して低減された親和性および/または活性(例えば、拮抗的)を有し、および/または、VEGFR-1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。腫瘍内皮細胞マーカー(例えば、PSMAなど)に結合するターゲティング部分を介して腫瘍脈管構造内皮細胞へ標的化されると、そのようなコンストラクトは、そのようなマーカー-陽性細胞上で特異的にVEGFR-2活性化を阻害し、一方、途中で、および標的細胞上で(活性が消失された場合)はVEGFR-1を活性化せず、よって、例えば、炎症反応の誘導を排除する。これは、VEGF-A中和療法と比べて、多くの腫瘍型に対するより選択的で安全な抗血管新生療法を提供する。
【0237】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、VEGFR-2に対して低減された親和性および/または活性を有し(例えば、作動性)および/または、VEGFR-1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。血管内皮細胞へのターゲティングにより、そのようなコンストラクトは、いくつかの実施形態では、VEGFR-1に関連する炎症応答の誘導を引き起こさずに血管新生を促進する。よって、そのようなコンストラクトは、VEGFR-2ならびにVEGR-1の全身活性化により引き起こされる副作用のリスクが実質的に低減された、標的血管新生促進効果を有する。
【0238】
例示的な実施形態では、改変シグナル伝達物質は、VEGF165であり、これはSEQ ID NO:237のアミノ酸配列を有する。
【0239】
別の例示的な実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、VEGF165bであり、これはSEQ ID NO:288のアミノ酸配列を有する。
【0240】
これらの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸I83での突然変異(例えば、I83での置換変異、例えば、I83K、I83R、またはI83H)を有する。理論に縛られることは望まないが、そのような突然変異は、低減された受容体結合親和性をもたらし得ると考えられる。例えば、米国特許第9,078,860号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0241】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TNF-αである。TNFは、細胞増殖、分化、アポトーシス、腫瘍形成、ウイルス複製、自己免疫、免疫細胞機能および輸送、炎症、および敗血症性ショックの制御を含む、多くの多様な機能を有する多面的サイトカインである。それは標的細胞上の2つの別個の膜受容体:TNFR1(p55)およびTNFR2(p75)に結合する。TNFR1は非常に広い発現パターンを示し、一方、TNFR2はリンパ球、Treg、内皮細胞、特定のニューロン、ミクログリア、心筋細胞および間葉系幹細胞の特定の集団上で優先的に発現される。非常に異なった生物学的経路が受容体活性化に応答して活性化されるが、いくらかの重なりも存在する。原則として、理論に縛られることは望まないが、TNFR1シグナル伝達はアポトーシス(細胞死)の誘導と関連し、TNFR2シグナル伝達は細胞生存シグナルの活性化(例えば、NFkB経路の活性化)と関連する。TNFの投与は全身的に毒性であり、これは主にTNFR1の関与のためである。しかしながら、TNFR2の活性化もまた広範な活性と関連し、TNFR1でのように、TNFに基づく治療法の開発との関連で、TNFターゲティングおよび活性のコントロールが重要であることに注意すべきである。
【0242】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。TNFR1はほとんどの組織で発現され、細胞死シグナル伝達に関与するが、一方、対照的に、TNFR2は細胞生存シグナル伝達に関与する。したがって、癌を治療する方法を対象とする実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1に対して低減された親和性および/または活性、および/またはTNFR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。これらの実施形態では、キメラタンパク質は、アポトーシスが望まれる細胞、例えば、腫瘍細胞または腫瘍脈管構造内皮細胞に標的され得る。例えば、神経変性障害の治療のための神経発生において細胞生存を促進する方法を対象とする実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR2に対して低減された親和性および/または活性および/またはTNFR1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。別の言い方をすれば、本キメラタンパク質は、いくつかの実施形態では、死または生存シグナルのいずれかを優先させる改変TNF-α作用物質を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR1に対して低減された親和性および/または活性および/またはTNFR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する改変TNFを有する。そのようなキメラは、いくつかの実施形態では、野生型TNFおよび/またはTNFR1に対して低減された親和性および/または活性を引き起こす突然変異(複数可)のみを有するキメラと比べて、アポトーシスのより強力な誘導因子である。そのようなキメラは、いくつかの実施形態では、腫瘍細胞死または腫瘍脈管構造内皮細胞死の誘導において(例えば、癌の治療において)用途を見出す。また、いくつかの実施形態では、これらのキメラは、TNFR2を介するTreg細胞の活性化を回避または低減させ、例えば、インビボでのTNFR1媒介抗腫瘍活性をしたがってさらに支持する。
【0244】
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、TNFR2に対して低減された親和性および/または活性、および/またはTNFR1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する改変TNFを有する。そのようなキメラは、いくつかの実施形態では、限定はされないが、神経発生の刺激を含む、様々な疾患状況における特定の治療対象となり得る、いくつかの細胞型における細胞生存のより強力な活性化因子である。加えて、そのようなTNFR2に有利に働くキメラはまた、自己免疫疾患(例えば、クローン病、糖尿病、MS、大腸炎などおよび本明細書で記載される多くの他のもの)の治療において有用である。いくつかの実施形態では、キメラは、自己反応性T細胞に標的される。いくつかの実施形態では、キメラはTreg細胞活性化および細胞傷害性T細胞の間接的抑制を促進する。
【0245】
いくつかの実施形態では、キメラは、例えば、TNFR2の活性化および/またはTNFR1の回避(例えば、TNFR2に対して低減された親和性および/または活性、および/または、TNFR1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する改変TNF)により、自己反応性T細胞の死を引き起こす。理論に縛られることは望まないが、これらの自己反応性T細胞は、例えば、NFkB経路活性/シグナル伝達変更により変更されたそれらのアポトーシス/生存シグナルを有する。
【0246】
いくつかの実施形態では、TNFR2に基づくキメラは、様々な自己免疫疾患、心疾患、脱髄および神経変性障害、ならびに感染性疾患、などを含む疾患において、追加の治療応用を有する。
【0247】
一実施形態では、野生型TNF-αはSEQ ID NO:239のアミノ酸配列を有する。
【0248】
そのような実施形態では、改変TNF-α作用物質は、低減された受容体結合親和性を有する改変TNF-αを生成する1つ以上のアミノ酸位置29、31、32、84、85、86、87、88、89、145、146および147で突然変異を有する。例えば、米国特許第7,993,636号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0249】
いくつかの実施形態では、改変ヒトTNF-α部分は、例えば、WO/2015/007903号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において記載されるように、1つ以上のアミノ酸位置R32、N34、Q67、H73、L75、T77、S86、Y87、V91、I97、T105、P106、A109、P113、Y115、E127、N137、D143、およびA145で突然変異を有する(ヒトTNF配列、Genbank受入番号BAG70306、バージョンBAG70306.1GI:197692685に従う番号付け)。いくつかの実施形態では、改変ヒトTNF-α部分は、R32G、N34G、Q67G、H73G、L75G、L75A、L75S、T77A、S86G、Y87Q、Y87L、Y87A、Y87F、V91G、V91A、I97A、I97Q、I97S、T105G、P106G、A109Y、P113G、Y115G、Y115A、E127G、N137G、D143N、A145GおよびA145Tから選択される置換変異を有する。一実施形態では、ヒトTNF-α部分は、Y87Q、Y87L、Y87A、およびY87Fから選択される突然変異を有する。別の実施形態では、ヒトTNF-α部分は、I97A、I97Q、およびI97Sから選択される突然変異を有する。さらなる実施形態では、ヒトTNF-α部分は、Y115AおよびY115Gから選択される突然変異を有する。
【0250】
いくつかの実施形態では、改変TNF-α作用物質は、WO2008/124086号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で記載されるように、N39Y、S147Y、およびY87Hから選択される1つ以上の突然変異を有する。
【0251】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TNF-βである。TNF-βは、ホモ三量体またはLT-β(LT-α1β2)とのヘテロ三量体を形成できる。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TNFR1および/またはTNFR2および/またはヘルペスウイルス侵入メディエーター(HEVM)および/またはLT-βRに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0252】
一実施形態では、野生型TNF-βはSEQ ID NO:240のアミノ酸配列を有する。
【0253】
そのような実施形態では、改変TNF-β作用物質は、TNFR2に対する低減された受容体結合親和性および/または活性を有する改変TNF-βを生成する、位置106-113での1つ以上のアミノ酸で突然変異を含み得る。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸位置106-113で1つ以上の置換変異を有する。例示的な実施形態では、置換変異は、Q107E、Q107D、S106E、S106D、Q107R、Q107N、Q107E/S106E、Q107E/S106D、Q107D/S106E、およびQ107D/S106Dから選択される。別の実施形態では、改変シグナル伝達物質は、位置106-113での約1~約3のアミノ酸の挿入を有する。
【0254】
いくつかの実施形態では、追加の改変作用物質は、TNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)であり、WO2015/007903号(その全内容は参照により組み込まれる)で記載される単鎖三量体バージョンであり得る。
【0255】
いくつかの実施形態では、改変作用物質は、TNFR1で低減された親和性および/または活性、すなわち、拮抗活性(例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)を有するTNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)である。これらの実施形態では、改変作用物質は、また、任意で、TNFR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有するTNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)である。いくつかの実施形態では、改変作用物質は、TNFR2で低減された親和性および/または活性、すなわち、拮抗活性(例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)を有するTNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)である。これらの実施形態では、改変作用物質は、また、任意で、TNFR1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有するTNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)である。そのような実施形態のコンストラクトは、例えば、細胞特異的様式でTNF応答を減衰させる方法において用途を見出す。いくつかの実施形態では、拮抗的TNFファミリーメンバー(例えば、TNF-α、TNF-β)は、WO2015/007903号で記載される単鎖三量体バージョンである。
【0256】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TRAILである。いくつかの実施形態では、改変TRAIL作用物質は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変TRAIL作用物質は、DR4(TRAIL-RI)および/またはDR5(TRAIL-RII)および/またはDcR1および/またはDcR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0257】
一実施形態では、野生型TRAILはSEQ ID NO:241のアミノ酸配列を有する。
【0258】
そのような実施形態では、改変TRAIL作用物質は、アミノ酸位置T127-R132、E144-R149、E155-H161、Y189-Y209、T214-1220、K224-A226、W231、E236-L239、E249-K251、T261-H264およびH270-E271で突然変異を含み得る(ヒト配列、Genbank受入番号NP_003801、バージョン10NP_003801.1、GI:4507593に基づく番号付け;上記を参照のこと)。
【0259】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TGFαである。そのような実施形態では、改変TGFα作用物質は、上皮増殖因子受容体(EGFR)に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変TGFα作用物質は、上皮増殖因子受容体(EGFR)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0260】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、TGFβである。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は任意で、理論に縛られることは望まないが、TGF-β受容体に対するリガンドのリザーバとして機能し得る、TGFBR3に対して低減された、または実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、TGFβは、TGFBR2よりTGFBR1を、またはTGFBR1よりもTGFBR2を優先し得る。同様に、LAPは、理論に縛られることは望まないが、TGF-β受容体に対するリガンドのリザーバとして作用し得る。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2に対して低減された親和性および/または活性、および/または潜在関連ペプチド(LAP)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、そのようなキメラは、カムラチ・エンゲルマン病、または不適当なTGFβシグナル伝達と関連する他の疾患において用途を見出す。
【0261】
いくつかの実施形態では、追加の改変作用物質は、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3の1つ以上で、低減された親和性および/または活性、すなわち、拮抗活性(例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)を有する、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)である。これらの実施形態では、改変作用物質は、また、任意で、TGFBR1、TGFBR2、TGFBR3の1つ以上で実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)である。
【0262】
いくつかの実施形態では、追加の改変作用物質は、TGFBR1および/またはTGFBR2で、低減された親和性および/または活性、すなわち、拮抗活性(例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)を有する、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)である。これらの実施形態では、改変作用物質は、また、任意で、TGFBR3で実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する、TGFファミリーメンバー(例えば、TGFα、TGFβ)である。
【0263】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-1である。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-1αまたはIL-1βである。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-1R1および/またはIL-1RAcPに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-1R1および/またはIL-1RAcPに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-1R2に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-1R2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本改変IL-1作用物質は、IL-1R2での相互作用を回避し、そのため治療薬のためのデコイおよび/またはシンクとしてのその機能を実質的に低減する。
【0264】
一実施形態では、野生型IL-1βはSEQ ID NO:242のアミノ酸配列を有する。
【0265】
IL1は炎症性サイトカインであり、重要な免疫系制御因子である。これはCD4T細胞応答の強力な活性化因子であり、Th17細胞の割合ならびにIFN-γおよびIL-4産生細胞の拡大を増加させる。IL-1はまた、CD8T細胞の強力な制御因子であり、抗原特異的CD8T細胞の増殖、分化、末梢への遊走およびメモリーを増強する。IL-1受容体はIL-1R1およびIL-1R2を含む。IL-1R1への結合およびこれを介するシグナル伝達は、それによりIL-1がその生物学的(および病理学的)活性の多くを媒介するメカニズムを構築する。IL1-R2はデコイ受容体として機能でき、これによりIL-1R1を介する相互作用およびシグナル伝達についてのIL-1利用能を低減する。
【0266】
いくつかの実施形態では、改変IL-1は、IL-1R1に対して低減された親和性および/または活性(例えば、アゴニスト活性)を有する。いくつかの実施形態では、改変IL-1は、IL-1R2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態では、回復可能なIL-1/IL-1R1シグナル伝達、およびIL-R2での治療キメラの損失の防止が存在し、そのため必要とされるIL-1の用量が低減される(例えば、野生型またはIL-R1について減弱突然変異しか有さないキメラと比べて)。そのようなコンストラクトは、例えば、抗癌応答を開始させるために免疫系を刺激することを、例えば含む、癌を治療する方法において用途を見出す。
【0267】
いくつかの実施形態では、改変IL-1は、IL-1R1に対して低減された親和性および/または活性(例えば、拮抗活性、例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)を有する。いくつかの実施形態では、改変IL-1は、IL-1R2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態では、IL-1/IL-1R1シグナル伝達は回復可能ではなく、IL-R2での治療用キメラの損失が防止され、よって必要とされるIL-1の用量が低減される(例えば、野生型またはIL-R1に対して減弱突然変異のみを有するキメラと比べて)。そのようなコンストラクトは、例えば、免疫系を抑制することを含む、例えば、自己免疫疾患を治療する方法において用途を見出す。
【0268】
そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸52-54の欠失を有し、これはI型IL-1Rに対して低減された結合親和性および低減された生物活性を有する改変ヒトIL-1βを生成する。例えば、WO1994/000491号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。いくつかの実施形態では、改変ヒトIL-1βは、例えば、WO2015/007542号およびWO/2015/007536号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)に記載されるように、A117G/P118G、R120X、L122A、T125G/L126G、R127G、Q130X、Q131G、K132A、S137G/Q138Y、L145G、H146X、L145A/L147A、Q148X、Q148G/Q150G、Q150G/D151A、M152G、F162A、F162A/Q164E、F166A、Q164E/E167K、N169G/D170G、I172A、V174A、K208E、K209X、K209A/K210A、K219X、E221X、E221S/N224A、N224S/K225S、E244K、N245Q(ここで、Xはアミノ酸における任意の変更、例えば、非保存的変更とすることができる)から選択される1つ以上の置換変異を有し、これはIL-1Rへの低減された結合を示す(ヒトIL-1β配列、Genbank受入番号NP_000567、バージョンNP-000567.1、GI:10835145に基づく番号付け)。いくつかの実施形態では、改変ヒトIL-1βは、R120A、R120G、Q130A、Q130W、H146A、H146G、H146E、H146N、H146R、Q148E、Q148G、Q148L、K209A、K209D、K219S、K219Q、E221SおよびE221Kから選択される1つ以上の突然変異を有し得る。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異Q131GおよびQ148Gを含む。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異Q148GおよびK208Eを含む。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびQ131Gを含む。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびH146Gを含む。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異R120GおよびK208Eを含む。一実施形態では、改変ヒトIL-1βは、突然変異R120G、F162A、およびQ164Eを含む。
【0269】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-2である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-2Rαおよび/またはIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-2Rαに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態は、例えば改変IL-2がIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγで作動性である場合、癌の治療に適切であり得る。例えば、本コンストラクトは、IL2受容体βおよびγを有する、CD8T細胞(抗腫瘍効果を提供することができる)の減弱された活性化を優先し、IL2受容体α、β、およびγを有する、Treg(免疫抑制、腫瘍促進性効果を提供することができる)に不利に働き得る。さらに、いくつかの実施形態では、IL-2RαよりIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγの優先性は、肺浮腫などのIL-2副作用を回避する。またIL-2に基づくキメラは、例えば、改変IL-2がIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγで拮抗的である場合(例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)、自己免疫疾患の治療に有用である。例えば、本コンストラクトは、IL2受容体βおよびγを有するCD8T細胞の減弱された抑制を優先し(そのため、免疫反応を弱める)、IL2受容体α、β、およびγを有するTregに不利に働き得る。あるいは、いくつかの実施形態では、IL-2を有するキメラはTregの活性化、よって免疫抑制、およびCD8T細胞の冷遇の活性化に有利に働く。例えば、これらのコンストラクトは、疾患または免疫抑制から利益を得る疾患、例えば、自己免疫障害の治療において用途を見出す。
【0270】
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、CD8T細胞に向けられる、本明細書で記載されるターゲティング部分、ならびにIL-2Rβおよび/またはIL-2Rγに対して低減された親和性および/または活性および/またはIL-2Rαに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する改変IL-2作用物質を有する。いくつかの実施形態では、これらのコンストラクトは、標的CD8T細胞活性を提供し、Treg細胞に対して一般に不活性である(または実質的に低減された活性を有する)。いくつかの実施形態では、そのようなコンストラクトは、野生型IL-2と比べて増強された免疫刺激効果を有し(例えば、理論に縛られることは望まないが、Tregを刺激しないことによる)、一方、IL-2と関連する全身毒性を排除または低減する。
【0271】
一実施形態では、野生型IL-2はSEQ ID NO:243のアミノ酸配列を有する。
【0272】
そのような実施形態では、改変IL-2作用物質は、アミノ酸L72で1つ以上の突然変異(L72G、L72A、L72S、L72T、L72Q、L72E、L72N、L72D、L72R、orL72K)、F42(F42A、F42G、F42S、F42T、F42Q、F42E、F42N、F42D、F42R、またはF42K)およびY45(Y45A、Y45G、Y45S、Y45T、Y45Q、Y45E、Y45N、Y45D、Y45RまたはY45K)を有する。理論に縛られることは望まないが、これらの改変IL-2作用物質は、野生型IL-2と比べて、高親和性IL-2受容体に対して低減された親和性を有し、中間-親和性IL-2受容体に対する親和性を保存すると考えられる。例えば、US特許公開第2012/0244112号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0273】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-3である。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、共通のβ(β cまたはCD131)サブユニットと対形成される特有のα鎖を有するヘテロ二量体である、IL-3受容体に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、共通のβ(β cまたはCD131)サブユニットと対形成される特有のα鎖を有するヘテロ二量体である、IL-3受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0274】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-4である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、1型および/または2型IL-4受容体に対して低減された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、1型および/または2型IL-4受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。1型IL-4受容体は共通のγ鎖を有するIL-4Rαサブユニットから構成され、IL-4を特異的に結合する。2型IL-4受容体は、IL-13Rα1として知られる異なるサブユニットに結合されるIL-4Rαサブユニットを含む。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、2型IL-4受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0275】
一実施形態では、野生型IL-4はSEQ ID NO:244のアミノ酸配列を有する。
【0276】
そのような実施形態では、改変IL-4作用物質は、1つ以上の突然変異をアミノ酸R121(R121A、R121D、R121E、R121F、R121H、R121I、R121K、R121N、R121P、R121T、R121W)、E122(E122F)、Y124(Y124A、Y124Q、Y124R、Y124S、Y124T)およびS125(S125A)で有する。理論に縛られることは望まないが、これらの改変IL-4作用物質はI型受容体により媒介される活性を維持するが、他の受容体により媒介される生物活性を特異的に低減させると考えられる。例えば、米国特許第6,433,157号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0277】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-6である。IL-6は、リガンド結合IL-6R鎖(CD126)、およびシグナル伝達成分gp130を含む細胞-表面I型サイトカイン受容体複合体を介してシグナルを送る。IL-6はまた、IL-6Rの細胞外部分であるIL-6Rの可溶性形態(sIL-6R)に結合し得る。sIL-6R/IL-6複合体は神経突起伸長およびニューロンの生存に関与でき、よって、再ミエリン化を介する神経再生において重要であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-6R/gp130および/またはsIL-6Rに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-6R/gp130および/またはsIL-6Rに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0278】
一実施形態では、野生型IL-6はSEQ ID NO:245のアミノ酸配列を有する。
【0279】
そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、アミノ酸58、160、163、171または177で、1つ以上の突然変異を有する。理論に縛られることは望まないが、これらの改変IL-6作用物質は、IL-6Rαに対して低減された結合親和性、および低減された生物活性を示すと考えられる。例えば、WO97/10338号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0280】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-10である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-10受容体-1およびIL-10受容体-2に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-10受容体-1およびIL-10受容体-2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0281】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-11である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-11Rαおよび/またはIL-11Rβおよび/またはgp130に対して低減された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-11Rαおよび/またはIL-11Rβおよび/またはgp130に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0282】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-12である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-12Rβ1および/またはIL-12Rβ2に対して低減された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-12Rβ1および/またはIL-12Rβ2に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0283】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-13である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-4受容体(IL-4Rα)およびIL-13Rα1に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-4受容体(IL-4Rα)またはIL-13Rα1に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0284】
一実施形態では、野生型IL-13はSEQ ID NO:246のアミノ酸配列を有する。
【0285】
そのような実施形態では、改変IL-13作用物質は、アミノ酸13、16、17、66、69、99、102、104、105、106、107、108、109、112、113および114で1つ以上の突然変異を有する。理論に縛られることは望まないが、これらの改変IL-13作用物質は低減された生物活性を示すと考えられる。例えば、WO2002/018422号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0286】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-18である。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-18Rαおよび/またはIL-18Rβに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IL-18Rαおよび/またはIL-18Rβに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、シグナル伝達に必要とされるTIRドメインを欠くIL-18RαのアイソフォームであるIL-18RαII型に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0287】
一実施形態では、野生型IL-18はSEQ ID NO:247のアミノ酸配列を有する。
【0288】
そのような実施形態では、改変IL-18作用物質は、WO/2015/007542号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で記載されるように、Y37-K44、R49-Q54、D59-R63、E67-C74、R80、M87-A97、N127-K129、Q139-M149、K165-K171、R183およびQ190-N191から選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域において1つ以上の突然変異を含み得る(ヒトIL-18配列、Genbank受入番号AAV38697、バージョンAAV38697.1、GI:54696650に基づく番号付け)。
【0289】
一実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、IL-33である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ST-2受容体およびIL-1RAcPに対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ST-2受容体およびIL-1RAcPに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。
【0290】
一実施形態では、野生型IL-33はSEQ ID NO:248のアミノ酸配列を有する。
【0291】
そのような実施形態では、改変IL-33作用物質は、WO/2015/007542号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)で記載されるように、I113-Y122、S127-E139、E144-D157、Y163-M183、E200、Q215、L220-C227およびT260-E269から選択されるアミノ酸またはアミノ酸領域において1つ以上の突然変異を含み得る(ヒト配列、Genbank受入番号NP_254274、バージョンNP_254274.1、GI:15559209に基づく番号付け)。
【0292】
一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、上皮増殖因子(EGF)である。EGFは、強力な増殖因子のファミリーのメンバーである。メンバーとしては、EGF、HB-EGF、およびTGFα、アンフィレギュリン、ニューレグリン、エピレギュリン、ベータセルリンなどの他のものが挙げられる。EGFファミリー受容体としては、EGFR(ErbB1)、ErbB2、ErbB3およびErbB4が挙げられる。これらは、ホモ二量体および/またはヘテロ二量体受容体サブタイプとして機能し得る。異なるEGFファミリーメンバーは、様々な受容体サブタイプに対して異なる選択性を示す。例えば、EGFは、ErbB1/ErbB1、ErbB1/ErbB2、ErbB4/ErbB2およびいくつかの他のヘテロ二量体サブタイプと結合する。HB-EGFは同様のパターンを有するが、これはErbB4/4とも結合する。EGF(EGF様)増殖因子シグナル伝達の正または負の調節は、かなりの治療的関心である。例えば、EGFRシグナル伝達の阻害は、様々な癌の治療において興味深く、ここでEGFRシグナル伝達は、主な増殖促進シグナルを構成する。あるいは、EGFRシグナル伝達の刺激は、例えば、創傷治癒促進(急性および慢性)、口腔粘膜炎(限定はされないが、放射線療法を含む様々な癌療法の主副作用)において治療的関心である。
【0293】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、および/またはErbB4に対して低減された親和性および/または活性を有する。そのような実施形態は、例えば、創傷を治療する方法において用途を見出す。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、1つ以上のErbB1、ErbB2、ErbB3、およびErbB4に結合し、受容体の活性をアンタゴナイズする。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、および/またはErbB4に対して低減された親和性および/または活性を有し、これにより、受容体の活性は、減弱された様式でアンタゴナイズされる。そのような実施形態は、例えば、癌の治療において用途を見出す。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、ErbB1に対して低減された親和性および/または活性を有する。ErbB1は、キナーゼ阻害剤の治療標的であり-ほとんどが副作用を有し、なぜならそれらはあまり選択的ではないからである(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ブリガチニブおよびイコチニブ)。いくつかの実施形態では、減弱された拮抗的ErbB1シグナル伝達はより的確であり、EGFに対する受容体を標的にする他の作用物質より少ない副作用を有する。
【0294】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、ErbB1に対して低減された親和性および/または活性(例えば、拮抗的、例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)、および/またはErbB4またはそれが相互作用し得る他のサブタイプに対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。ターゲティング部分を介する特異的ターゲティングにより、ErbB1/ErbB1受容体活性化の細胞選択的抑制(拮抗作用、例えば、自然拮抗活性または1つ以上の突然変異の結果である拮抗活性、例えば、WO2015/007520号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい)が達成され-一方、阻害関連副作用と潜在的に関連する他の受容体サブタイプに結合しない。よって、体内の全ての細胞型においてEGFR活性を阻害するEGFRキナーゼ阻害剤と対照的に、そのようなコンストラクトは、細胞選択的な(例えば、受容体の増幅、過剰発現などによる、活性化されたEGFRシグナル伝達を有する腫瘍細胞)抗EGFR(ErbB1)薬物効果を、低減された副作用で提供するであろう。
【0295】
いくつかの実施形態では、追加の改変シグナル伝達物質は、ErbB4および/またはそれが相互作用し得る他のサブタイプに対して低減された親和性および/または活性(例えば、作動性)を有する。ターゲティング部分を介する特異的標的細胞へのターゲティングにより、ErbB1シグナル伝達の選択的活性化が達成される(例えば、上皮細胞)。そのようなコンストラクトは、いくつかの実施形態では、低減された副作用で、創傷の治療(創傷治癒促進)において、とりわけ、慢性病状の治療および治療薬の局所適用以外の適用(例えば、全身創傷治癒)のための用途を見出す。
【0296】
一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリンまたはインスリン類似体である。いくつかの実施形態では、改変インスリンまたはインスリン類似体は、インスリン受容体および/またはIGF1もしくはIGF2受容体に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変インスリンまたはインスリン類似体は、インスリン受容体および/またはIGF1もしくはIGF2受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。インスリン受容体での減弱された応答は、糖尿病、肥満、代謝障害などのコントロールを可能にし、一方、IGF1もしくはIGF2受容体からそらし癌促進効果を回避する。
【0297】
一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン様増殖因子-Iまたはインスリン様増殖因子-II(IGF-1またはIGF-2)である。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF-1である。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン受容体および/またはIGF1受容体に対して低減された親和性および/または活性を有する。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF1受容体に結合し、受容体の活性をアンタゴナイズできる。そのような実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF1受容体に対して低減された親和性および/または活性を有し、これにより、受容体の活性が減弱された様式でアンタゴナイズされる。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン受容体および/またはIGF1受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変シグナル伝達物質は、IGF2受容体に対して低減された親和性および/または活性を有し、これにより受容体の活性が減弱された様式でアンタゴナイズされる。一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、インスリン受容体に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有し、したがって、インスリンシグナル伝達を妨害しない。様々な実施形態では、これは癌治療に適用される。様々な実施形態では、本作用物質は、IRアイソフォームAが癌治療への耐性を引き起こすことを防止できる。
【0298】
一実施形態では、改変シグナル伝達物質は、EPOである。様々な実施形態では、改変EPO作用物質は、野生型EPOまたは本明細書で記載される他のEPOに基づく作用物質と比べて、EPO受容体(EPOR)受容体および/またはエフリン受容体(EphR)に対して低減された親和性および/または活性を有する。いくつかの実施形態では、改変EPO作用物質は、EPO受容体(EPOR)受容体および/またはEph受容体(EphR)に対して実質的に低減または消失された親和性および/または活性を有する。例示的なEPO受容体としては、EPORホモ二量体またはEPOR/CD131ヘテロ二量体が挙げられるが、それらに限定されない。EPO受容体として、β-common受容体(βcR)もまた含まれる。例示的なEph受容体としては、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHA9、EPHA10、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB5、およびEPHB6が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、EPOタンパク質が1つ以上の異なるEPO受容体またはEph受容体(例えば、非制限的にEPOR-EPHB4、EPOR-βcR-EPORを含む、ヘテロ二量体、ヘテロ三量体など)を含む受容体に対して低減された親和性を有するようにする1つ以上の突然変異を含む。EP特許公開第2492355号(その全内容はこれにより参照により組み込まれる)の受容体もまた提供され、非制限的にNEPORを含む。
【0299】
一実施形態では、ヒトEPOはSEQ ID NO:249のアミノ酸配列を有し、ここでシグナルペプチドは最初の27アミノ酸を含む。
【0300】
一実施形態では、ヒトEPOタンパク質は、SEQ ID NO:250の配列を有する166アミノ酸残基の糖タンパク質である、EPOの成熟型(シグナルペプチドは切断されている)である。
【0301】
ヒトEPOタンパク質の構造は、へリックスA、B、C、およびDを含む4ヘリックスバンドルを含むと予測される。様々な実施形態では、改変EPOタンパク質は、生理活性に重要であるEPOタンパク質の4つの領域、すなわち、アミノ酸残基10-20、44-51、96-108、および142-156に位置する1つ以上の突然変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、残基11-15、44-51、100-108、および147-151に位置する。これらの残基は、ヘリックスA(Val11、Arg14、およびTyr15)、ヘリックスC(Ser100、Arg103、Ser104、およびLeu108)、ヘリックスD(Asn147、Arg150、Gly151、およびLeu155)、およびA/B連結ループ(残基42-51)に局在する。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、アミノ酸41-52の間とアミノ酸147、150、151、および155の残基において突然変異を含む。理論に縛られることは望まないが、これらの残基の突然変異は、受容体結合およびインビトロ生物活性の両方に実質的な効果を有すると考えられる。いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、残基11、14、15、100、103、104、および108で突然変異を含む。理論に縛られることは望まないが、これらの残基の突然変異は、受容体結合活性に対し中程度の効果、およびインビトロ生物活性に対してずっと大きな効果を有すると考えられる。例示的な置換としては、Val11Ser、Arg14Ala、Arg14Gln、Tyr15Ile、Pro42Asn、Thr44Ile、Lys45Asp、Val46Ala、Tyr51Phe、Ser100Glu、Ser100Thr、Arg103Ala、Ser104Ile、Ser104Ala、Leu108Lys、Asn147Lys、Arg150Ala、Gly151Ala、およびLeu155Alaの1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない。
【0302】
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、生理活性に影響するが結合に影響しない突然変異、例えば、Eliot, et al. Mapping of the Active Site of Recombinant Human Erythropoietin January 15, 1997; Blood: 89 (2)(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において列挙されるものを含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、受容体接触に関与するEPOタンパク質の表面残基に関する1つ以上の突然変異を含む。理論に縛られることは望まないが、これらの表面残基の突然変異は、タンパク質フォールディングに影響する可能性は低く、よって、いくらかの生物活性を保持すると考えられる。変異され得る例示的な表面残基としては、残基147および150が挙げられるが、それらに限定されない。例示的な実施形態では、突然変異は、N147A、N147K、R150AおよびR150Eの1つ以上を含む置換である。
【0304】
いくつかの実施形態では、改変EPOタンパク質は、残基N59、E62、L67、およびL70での1つ以上の突然変異、ならびにジスルフィド結合形成に影響する1つ以上の突然変異を含む。理論に縛られることは望まないが、これらの突然変異はフォールディングに影響し、および/または埋没位置にあると予測され、よって生物活性に間接的に影響すると考えられる。
【0305】
一実施形態では、改変EPOタンパク質は、受容体結合を著しく低減させるK20E置換を含む。Elliott, et al., (1997) Blood, 89:493-502(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)を参照されたい。
【0306】
発明のキメラEPOタンパク質に組み込まれる追加のEPO突然変異は、例えば、Elliott, et al., (1997) Blood, 89:493-502(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)およびTaylor et al., (2010) PEDS, 23(4): 251-260(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において開示される。
【0307】
様々な実施形態では、シグナル伝達物質は、毒素または毒性酵素である。いくつかの実施形態では、毒素または毒性酵素は、植物および細菌に由来する。例示的な毒素または毒性酵素としては、ジフテリア毒素、シュードモナス毒素、炭疽毒素、リボソーム不活性化タンパク質(RIP)、例えばリシンおよびサポリン、モデクシン(modeccin)、アブリン、ゲロニン、およびヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質が挙げられるが、それらに限定されない。追加の毒素としては、Mathew et al., (2009) Cancer Sci 100(8): 1359-65(全開示内容はこれにより参照により組み込まれる)で開示されるものが挙げられる。そのような実施形態では、発明のキメラタンパク質は、細胞死を細胞型特異様式で誘導するために使用され得る。そのような実施形態では、毒素は、本明細書で他のシグナル伝達物質で記載されるように、減弱された効果のために毒素の親和性および/または活性を低減させるように改変され、例えば、変異され得る。
【0308】
リンカー
いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は任意で、1つ以上のリンカーを含む。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、ターゲティング部分およびシグナル伝達物質(例えば、改変IFN-γ)を連結するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、シグナル伝達物質(例えば、改変IFN-γ)内にリンカーを含む。
【0309】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるリンカーのいずれかに単一ヌクレオチド配列として連結される本キメラタンパク質をコードするベクターが提供され、そのようなキメラタンパク質を調製するために使用され得る。
【0310】
いくつかの実施形態では、リンカー長は、ターゲティング部分とシグナル伝達物質(例えば、改変IFN-γ)のそれらの受容体への効率的な結合を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、リンカー長は、同じ細胞上の受容体へのターゲティング部分の1つとシグナル伝達物質の効率的な結合を可能にする。
【0311】
いくつかの実施形態では、リンカー長は、同じ細胞上の受容体に対するターゲティング部分の1つとシグナル伝達物質の結合部位の間の最小距離に少なくとも等しい。いくつかの実施形態では、リンカー長は、同じ細胞上の受容体に対するターゲティング部分の1つとシグナル伝達物質の結合部位の間の最小距離の少なくとも2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または10倍、または20倍、または25倍、または50倍、または100倍、あるいはそれより大きい。
【0312】
本明細書では、リンカー長は、同じ細胞上の受容体へのターゲティング部分の1つとシグナル伝達物質の効率的な結合を可能にし、結合は順次的であり、例えば、ターゲティング部分/受容体結合がシグナル伝達物質/受容体結合に先行する。
【0313】
いくつかの実施形態では、単一キメラ中に2つのリンカーが存在し、各々がシグナル伝達物質をターゲティング部分に連結する。様々な実施形態では、リンカーは、疾患細胞およびエフェクター細胞を有する部位の形成を可能にする長さを有し、いずれかの細胞の調節を防止するであろう立体障害を有しない。
【0314】
発明は、様々なリンカー配列の使用を企図する。様々な実施形態では、リンカーは天然起源の多ドメインタンパク質に由来してよく、または、例えば、Chichili et al., (2013), Protein Sci. 22(2):153-167, Chen et al., (2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10):1357-1369(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において記載される経験的リンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカー設計データベースおよびコンピュータプログラム、例えばChen et al., (2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10):1357-1369およびCrasto et al., (2000), Protein Eng. 13(5):309-312(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)に記載されるものを用いて設計され得る。様々な実施形態では、リンカーは機能的であり得る。例えば、限定はされないが、リンカーは、本キメラタンパク質のフォールディングおよび/または安定性を改善する、発現を改善する、薬物動態を改善する、および/または生理活性を改善するように機能し得る。
【0315】
いくつかの実施形態では、リンカーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは約100アミノ酸長未満である。例えば、リンカーは約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2未満のアミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、リンカーは約100アミノ酸長を超える。例えば、リンカーは約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2を超えるアミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは柔軟である。別の実施形態では、リンカーは剛性である。
【0316】
2つ以上のターゲティング部分を有するキメラタンパク質を対象とするいくつかの実施形態では、リンカーは2つのターゲティング部分を互いに連結し、このリンカーは短い長さを有し、リンカーはターゲティング部分とシグナル伝達物質を連結し、このリンカーは2つのターゲティング部分を連結するリンカーよりも長い。例えば、2つのターゲティング部分を連結するリンカーと、ターゲティング部分とシグナル伝達物質を連結するリンカーの間のアミノ酸長の差は、約100、約95、約90、約85、約80、約75、約70、約65、約60、約55、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約12、約11、約10、約9、約8、約7、約6、約5、約4、約3、または約2個のアミノ酸であり得る。
【0317】
様々な実施形態では、リンカーは、グリシンおよびセリン残基から実質的に構成される(例えば、約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約97%のグリシンおよびセリン)。例えば、いくつかの実施形態では、リンカーは(Gly4Ser)nであり、ここでnは約1~約8、例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8である。一実施形態では、リンカー配列は、GGSGGSGGGGSGGGGS(SEQ ID NO:251)である。追加の例示的なリンカーとしては、配列LE、GGGGS(SEQ ID NO:252)、(GGGGS)n(n=1~4;SEQ ID NO:253)、GGGGGGGG(SEQ ID NO:254)、GGGGGG(SEQ ID NO:255)、(EAAAK)n(n=1~3;SEQ ID NO:256)、A(EAAAK)nA(n=2~5;;SEQ ID NO:257)、AEAAAKEAAAKA(SEQ ID NO:258)、A(EAAAK)ALEA(EAAAK)A(SEQ ID NO:259)、PAPAP(SEQ ID NO:260)、KESGSVSSEQLAQFRSLD(SEQ ID NO:261)、EGKSSGSGSESKST(SEQ ID NO:262)、GSAGSAAGSGEF(SEQ ID NO:263)、および(XP)nを有するリンカーが挙げられるが、それらに限定されず、Xは任意のアミノ酸、例えば、Ala、Lys、またはGluを指定する。様々な実施形態では、リンカーはGGSである。
【0318】
いくつかの実施形態では、リンカーは、GGGSE(SEQ ID NO:942)、GSESG(SEQ ID NO:943)、GSEGS(SEQ ID NO:944)、GEGGSGEGSSGEGSSSEGGGSEGGGSEGGGSEGGS(SEQ ID NO:945)、および4つのアミノ酸間隔毎にG、S、およびEがランダムに置かれるリンカーの1つ以上である。
【0319】
いくつかの実施形態では、リンカーは、抗体の(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含む、IgG、IgA、IgD、およびIgEの)ヒンジ領域である。様々な実施形態では、リンカーは、抗体の(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含む、IgG、IgA、IgD、およびIgEの)ヒンジ領域である。IgG、IgA、IgD、およびIgEクラス抗体において見出されるヒンジ領域は、可動性スペーサとして働き、Fab部分が空間を自由に動くのを可能にする。定常領域と対照的に、ヒンジドメインは構造的に多様であり、免疫グロブリンクラスおよびサブクラスの間で配列および長さの両方が変動する。例えば、ヒンジ領域の長さおよび可動性は、IgGサブクラスの間で変動する。IgG1のヒンジ領域はアミノ酸216-231を包含し、それは自由に可動であるので、Fabフラグメントはそれらの対称軸周りに回転でき、2つの重鎖間ジスルフィド架橋の第1を中心とする球内を動くことができる。IgG2は、IgG1より短いヒンジを有し、12アミノ酸残基および4つのジスルフィド架橋を有する。IgG2のヒンジ領域はグリシン残基を欠き、比較的短く、余分な重鎖間ジスルフィド架橋により安定化された剛性ポリ-プロリン二重らせんを含む。これらの特性は、IgG2分子の可動性を制限する。IgG3は、その特有の延長されたヒンジ領域(IgG1ヒンジの約4倍の長さ)により他のサブクラスとは異なり、62アミノ酸(21個のプロリンおよび11個のシステインを含む)を含み、不動ポリ-プロリン二重らせんを形成する。IgG3では、Fabフラグメントは、Fcフラグメントから比較的遠く離れており、分子により大きな可動性を与える。IgG3中の細長いヒンジはまた、他のサブクラスと比べて、そのより高い分子量の一因である。IgG4のヒンジ領域は、IgG1より短く、その可動性はIgG1とIgG2の間の中間である。ヒンジ領域の可動性は、報告によれば、IgG3>IgG1>IgG4>IgG2の順に減少する。
【0320】
結晶学的研究によれば、免疫グロブリンヒンジ領域は機能的に、3つの領域にさらに細分できる:上部ヒンジ領域、コア領域、および下部ヒンジ領域。Shin et al., 1992 Immunological Reviews 130:87を参照されたい。上部ヒンジ領域は、CH1のカルボキシル末端から、動きを制限するヒンジ中の第1の残基、一般に、2つの重鎖間で鎖間ジスルフィド結合を形成する第1のシステイン残基までのアミノ酸を含む。上部ヒンジ領域の長さは抗体のセグメント可動性と相関する。コアヒンジ領域は重鎖間ジスルフィド架橋を含み、下部ヒンジ領域はCH2ドメインのアミノ末端につながり、CH2中の残基を含む。同上。野生型ヒトIgG1のコアヒンジ領域は、配列Cys-Pro-Pro-Cysを含み、これは、ジスルフィド結合形成により二量体化されると、回転軸として作用すると考えられる環状オクタペプチドをもたらし、よって、可動性を与える。様々な実施形態では、本リンカーは、任意の抗体の(例えば、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4、ならびにIgA1およびIgA2)を含む、IgG、IgA、IgD、およびIgEの)上部ヒンジ領域、コア領域、および下部ヒンジ領域の1つ、または2つ、または3つを含む。ヒンジ領域はまた、1つ以上のグリコシル化部位を含んでもよく、それらは多くの構造的に別個の型の炭水化物付着部位を含む。例えば、IgA1はヒンジ領域の17アミノ酸のセグメント内に5つのグリコシル化部位を含み、分泌免疫グロブリンに対して有利な特性と考えられる、ヒンジ領域ポリペプチドの腸管プロテアーゼに対する抵抗性を与える。様々な実施形態では、本発明のリンカーは1つ以上のグリコシル化部位を含む。様々な実施形態では、リンカーはヒトIgG4抗体のヒンジ-CH2-CH3ドメインである。
【0321】
所望であれば、本キメラタンパク質は、C2およびC3ドメインの1つまたは両方、および任意でヒンジ領域を含む、抗体Fc領域に連結されてよい。例えば、Fc領域に単一ヌクレオチド配列として連結される本キメラタンパク質をコードするベクターを、そのようなポリペプチドを調製するために使用できる。
【0322】
いくつかの実施形態では、リンカーはPEGなどの合成リンカーである。
【0323】
様々な実施形態では、リンカーは機能的であってよい。例えば、限定はされないが、リンカーは、本キメラタンパク質のフォールディングおよび/または安定性を改善する、発現を改善する、薬物動態を改善する、および/または生理活性を改善するように機能し得る。別の例では、リンカーは、キメラタンパク質を特定の細胞型または位置に標的化するように機能し得る。
【0324】
様々な実施形態では、キメラタンパク質の各々は、別の作用物質とコンジュゲートおよび/または融合されて半減期を延長し、またはそうでなければ、薬力学的および薬物動態特性を改善し得る。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、PEG、XTEN(例えば、rPEGとして)、ポリシアル酸(POLYXEN)、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミンまたはHAS)、エラスチン様タンパク質(ELP)、PAS、HAP、GLK、CTP、トランスフェリン、などの1つ以上と融合またはコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、キメラタンパク質は、抗体またはFcフラグメントなどの抗体断片と融合またはコンジュゲートされ得る。例えば、キメラタンパク質は、ヒト免疫グロブリン(Ig)GのFcドメインのN末端またはC末端のいずれかに融合され得る。様々な実施形態では、個々のキメラタンパク質の各々は、BioDrugs(2015)29:215-239(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)に記載される作用物質の1つ以上に融合される。
【0325】
キメラタンパク質の生成
発明のキメラタンパク質を生成するための方法が本明細書で記載される。例えば、発明のキメラタンパク質をコードするDNA配列(例えば、改変シグナル伝達物質(例えば、改変IFN-β)およびターゲティング部分およびリンカーをコードするDNA配列)は当技術分野で知られている方法を使用して化学的に合成できる。合成DNA配列は、例えば、発現制御配列を含む他の適切なヌクレオチド配列にライゲートされて、所望のキメラタンパク質をコードする遺伝子発現コンストラクトを生成できる。したがって、様々な実施形態では、本発明は、発明のキメラタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸を提供する。
【0326】
発明のキメラタンパク質をコードする核酸は、発現ベクター中に組み込まれ(ライゲートされる)てよく、これはトランスフェクション、形質転換、または形質導入技術を介して宿主細胞に導入できる。例えば、発明のキメラタンパク質をコードする核酸は、レトロウイルス形質導入により宿主細胞に導入できる。例示的な宿主細胞は、大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎臓293(HEK293)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞がん細胞(例えば、HepG2)、および骨髄腫細胞である。形質転換された宿主細胞は、発明のキメラタンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞に発現させる条件下で増殖されてよい。したがって、様々な実施形態では、本発明は、発明のキメラタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターを提供する。様々な実施形態では、本発明はさらに、そのような発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
【0327】
特異的発現および精製条件は、採用される発現系によって変わるであろう。例えば、遺伝子が大腸菌で発現される場合、それは最初に、好適な細菌プロモーター、例えば、TrpまたはTac、および原核生物シグナル配列から下流に改変遺伝子を配置することにより、発現ベクター中にクローニングされる。別の例では、改変遺伝子が真核生物宿主細胞、例えば、CHO細胞で発現される場合、それは最初に、例えば、好適な真核生物プロモーター、分泌シグナル、エンハンサー、および様々なイントロンを含む発現ベクター中に挿入される。遺伝子コンストラクトは、トランスフェクション、形質転換、または形質導入技術を使用して、宿主細胞に導入できる。
【0328】
発明のキメラタンパク質は、キメラタンパク質をコードする発現ベクターでトランスフェクトさせた宿主細胞を、タンパク質の発現を可能にする条件下で増殖させることにより生成できる。発現後、タンパク質は、当技術分野でよく知られた技術、例えば、親和性タグ、例えばグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)およびヒスチジンタグを使用して、またはクロマトグラフィーにより、収集および精製できる。
【0329】
したがって、様々な実施形態では、本発明は本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を提供する。様々な実施形態では、本発明は本発明のキメラタンパク質をコードする核酸を含む宿主細胞を提供する。
【0330】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質はインビボで、例えば、患者において発現され得る。例えば、様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、本キメラをコードする核酸の形態で投与され得る。様々な実施形態では、核酸はDNAまたはRNAである。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、改変mRNA、すなわち1つ以上の修飾ヌクレオチドを含むmRNAによりコードされる。いくつかの実施形態では、改変mRNAは、米国特許第8,278,036号(その全内容はこれにより、参照により組み込まれる)において見出される改変の1つを含む。いくつかの実施形態では、改変mRNAは、m5C、m5U、m6A、s2U、Ψ、および2’-O-メチル-Uの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、本キメラタンパク質の1つ以上をコードする改変mRNAを投与することに関する。いくつかの実施形態では、本発明は、これを含む遺伝子治療ベクターに関する。いくつかの実施形態では、本発明は、これを含む遺伝子治療法に関する。様々な実施形態では、核酸は、腫瘍溶解性ウイルス、例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、麻疹、単純ヘルペス、ニューカッスル病ウイルスまたはワクチニアの形態である。
【0331】
薬学的に許容される塩および賦形剤
本明細書で記載されるキメラタンパク質は十分に塩基性の官能基(それは無機酸もしくは有機酸と反応できる)、またはカルボキシル基(それは無機塩基または有機塩基と反応できる)を有して、薬学的に許容される塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩は、当技術分野でよく知られる、薬学的に許容される酸から形成される。そのような塩としては、例えば、Journal of Pharmaceutical Science, 66, 2-19 (1977)およびThe Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection, and Use. P. H. Stahl and C. G. Wermuth (eds.), Verlag, Zurich (Switzerland) 2002(これにより、その全体が参照により組み込まれる)に列挙される薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0332】
薬学的に許容される塩としては、非限定的例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファスルホン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン-2-安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-1,4-ジカルボン酸塩、ヘキシン-1,4-ジカルボン酸塩、カプリン酸エステル、カプリル酸塩、桂皮酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩(teraphthalate)、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p-ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ナフタレン-1,5-スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、および酒石酸塩(tartarate)が挙げられる。
【0333】
「薬学的に許容される塩」という用語はまた、酸性官能基、例えばカルボン酸官能基、および塩基を有する本発明の組成物の塩を指す。好適な塩基としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、および有機アミン、例えば非置換またはヒドロキシ置換モノ、ジ、トリアルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N-メチル、N-エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ、ビス、またはトリス-(2-OH-低級アルキルアミン)、例えばモノ、ビス、またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、またはトリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシル-低級アルキル)-アミン、例えばN,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン;N-メチル-D-グルカミン;およびアミノ酸、例えばアルギニン、リジン、など。
【0334】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される組成物は、薬学的に許容される塩の形態である。
【0335】
医薬組成物および製剤
様々な実施形態では、本発明は、本明細書で記載されるキメラタンパク質および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。本明細書で記載される任意の医薬組成物は、薬学的に許容される担体またはビヒクルを含む組成物の成分として、被験体に投与できる。そのような組成物は任意で、適正な投与のための形態を提供するために、好適な量の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0336】
様々な実施形態では、医薬賦形剤は、水および油などの、液体であってよく、石油、動物、野菜、または合成起源のものを含み、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などである。医薬賦形剤は、例えば、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイダルシリカ、尿素などであってよい。加えて、助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤および着色剤が使用され得る。1つの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤は、被験体に投与される場合無菌である。水は、本明細書で記載される任意の作用物質が静脈内投与される場合に有用な賦形剤である。生理食塩水およびデキストロース水溶液およびグリセロール溶液もまた、特に注射用溶液のために、液体賦形剤として使用できる。好適な医薬賦形剤としてはまた、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。本明細書で記載される任意の作用物質は、所望であれば、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含んでよい。好適な医薬賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447-1676(Alfonso R. Gennaro eds., 第19版1995)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載される。
【0337】
本発明は、様々な製剤での記載される医薬組成物(および/または追加の治療薬)を含む。本明細書で記載される任意の発明の医薬組成物(および/または追加の治療薬)は、溶液、懸濁液、エマルジョン、滴剤、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル、液体を含むカプセル、ゼラチンカプセル、粉末、徐放製剤、坐薬、エマルジョン、エアロゾル、噴霧剤、懸濁液、凍結乾燥粉末、凍結懸濁液、乾燥粉末の形態、または使用に好適な任意の他の形態をとることができる。1つの実施形態では、組成物はカプセルの形態である。別の実施形態では、組成物は錠剤の形態である。さらに別の実施形態では、医薬組成物はソフトゲルカプセルの形態で製剤化される。さらなる実施形態では、医薬組成物は、ゼラチンカプセルの形態で製剤化される。さらに別の実施形態では、医薬組成物は液体として製剤化される。
【0338】
必要であれば、発明の医薬組成物(および/または追加の作用物質)はまた、可溶化剤を含んでよい。また、作用物質は当技術分野で知られる好適なビヒクルまたは送達装置を用いて送達されてよい。本明細書で概略が示される併用療法は、単一の送達ビヒクルまたは送達装置で共送達されてよい。
【0339】
本発明の発明の医薬組成物(および/または追加の作用物質)を含む製剤は便宜上、単位剤形で提示され得、薬学の分野でよく知られた方法のいずれかにより調製され得る。そのような方法は一般に、治療薬を、1つ以上の副材料成分を構成する担体と組み合わせる工程を含む。典型的には、製剤は、均一にかつ密接に治療薬を、液体担体、微細化固体担体、または両方と組み合わせ、その後、必要に応じて、生成物を所望の製剤の剤形に成形すること(例えば、湿式または乾式顆粒化、粉末ブレンド、など、続いて当技術分野で知られる従来の方法を使用する打錠)により調製される。
【0340】
様々な実施形態では、本明細書で記載される任意の医薬組成物(および/または追加の作用物質)は、ルーチン手順にしたがい、本明細書で記載される投与方法のために適合された組成物として製剤化される。
【0341】
投与経路としては、例えば下記が挙げられる:経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、舌下、鼻腔内、脳内、腟内、経皮、直腸内、吸入、または局所。投与は局所または全身であってよい。いくつかの実施形態では、投与は経口的に実施される。別の実施形態では、投与は非経口注射による。投与方法は施術者の裁量に委ねることができ、一部には、医学的状態の部位に依存する。大抵の場合、投与は、本明細書で記載される任意の作用物質の血流中への放出をもたらす。
【0342】
1つの実施形態では、本明細書で記載されるキメラタンパク質は、ルーチン手順にしたがい、経口投与のために適合された組成物として製剤化される。経口送達のための組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、顆粒、粉末、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシル剤の形態であってよい。経口投与される組成物は、薬学的に口当たりのよい調製物を提供するために、1つ以上の作用物質、例えば、甘味剤、例えば果糖、アスパルテームまたはサッカリン;香味剤、例えばペパーミント、ウィンターグリーン油、またはサクランボ;着色剤;および保存剤を含んでよい。その上、錠剤または丸薬形態では、組成物は胃腸管での崩壊および吸収を遅延させるためにコートされてよく、よって、長期間にわたって持続作用を提供する。浸透圧的に活性な駆動する本明細書で記載される任意のキメラタンパク質を取り囲む選択的透過性膜もまた、経口投与される組成物に好適である。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの流体は駆動化合物により吸収され、これは膨潤して、作用物質または作用物質組成物を開口部を通して移動させる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイクプロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルを提供できる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料も有用であり得る。経口組成物は、標準賦形剤、例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、および炭酸マグネシウムを含んでよい。1つの実施形態では、賦形剤は医薬品グレードである。懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、トラガントなど、およびそれらの混合物などの懸濁剤を含み得る。
【0343】
非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下および関節内注射および注入)に好適な剤形としては、例えば、溶液、懸濁液、分散物、エマルジョン、などが挙げられる。それらはまた、無菌固体組成物(例えば、凍結乾燥組成物)の形態で製造され得、それは使用直前に無菌注射用媒体中に溶解または懸濁され得る。それらは、例えば、当技術分野で知られている懸濁または分散剤を含み得る。非経口投与に好適な製剤成分としては、無菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えばEDTA;緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩;および張度の調整のための作用物質、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースが挙げられる。
【0344】
静脈内投与のために、好適な担体としては、生理食塩水、静菌水、クレモフォールELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。担体は、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、微生物に対抗して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレン(polyetheylene)グリコール)、およびそれらの好適な混合物を含む溶媒または分散媒であってよい。
【0345】
本明細書で提供される組成物は、単独で、または他の好適な成分と組み合わせて、吸入により投与されるエアロゾル製剤(すなわち、「噴霧される」)に製造できる。エアロゾル製剤は、加圧された許容される噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素、などの中に入れることができる。
【0346】
本明細書で記載される任意の発明の医薬組成物(および/または追加の作用物質)は、制御放出手段または徐放手段により、あるいは当業者によく知られている送達装置により投与できる。例としては、下に記載されるものが挙げられるが、それらに限定されない:米国特許第3,845,770号;3,916,899号;3,536,809号;3,598,123号;4,008,719号;5,674,533号;5,059,595号;5,591,767号;5,120,548号;5,073,543号;5,639,476号;5,354,556号;および5,733,556号(その各々がその全体として参照により本明細書に組み込まれる)。そのような剤形は、例えば、様々な割合での所望の放出プロファイルを提供するために、ヒドロプロピルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、他のポリママトリクス、ゲル、透過膜、浸透圧系、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはそれらの組み合わせを使用する、1つ以上の活性材料成分の制御された放出または徐放を提供するのに有用であり得る。本明細書で記載されるものを含む、当業者に知られている好適な制御放出製剤または徐放製剤は、本明細書で記載される作用物質の活性材料成分と共に使用するために容易に選択できる。本発明はこのように経口投与に好適な単一単位剤形、例えば、限定はされないが、制御された放出または徐放のために適合された錠剤、カプセル、ジェルキャップ、およびカプレットを提供する。
【0347】
活性材料成分の制御された放出または徐放は、様々な条件、例えば、限定はされないが、pHの変化、温度の変化、適切な波長の光による刺激、酵素の濃度または利用能、水の濃度または利用能、または他の生理的条件もしくは化合物、により刺激できる。
【0348】
別の実施形態では、制御放出系は治療される標的エリアに近接して配置でき、そのため、全身用量のほんの一部だけが必要とされる(例えば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release,上記, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照されたい)。Langer, 1990, Science 249:1527-1533によるレビューにおいて記載される他の制御放出系が使用され得る。
【0349】
医薬製剤は好ましくは無菌である。滅菌は、例えば、無菌濾過膜を通す濾過により達成できる。組成物が凍結乾燥される場合、フィルタ滅菌を実施し、その後、またはその前に、凍結乾燥および再構成を実施できる。
【0350】
投与および投与量
本発明による投与されるキメラタンパク質の実際の用量は、特定の剤形、および投与方法により変動するであろうことが認識されるであろう。キメラタンパク質の作用を改変できる多くの因子(例えば、体重、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄速度、被験体の状態、合剤、遺伝的素因および反応感度)は、当業者により考慮できる。投与は連続して、または最大許容用量内の1つ以上の別々の用量で実施できる。所定の組の病状のための最適投与速度は、当業者により、従来の投与量投与試験を用いて確認できる。
【0351】
いくつかの実施形態では、キメラタンパク質の好適な投与量は、約0.01mg/kg~約10g/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約1g/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約100mg/kg被験体体重、約0.01mg/kg~約10mg/kg被験体体重の範囲であり、例えば、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、1.9mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg体重、約100mg/kg体重、約1g/kg体重、約10g/kg体重であり、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0352】
個々の用量のキメラタンパク質は、例えば、約0.01mg~約100g、約0.01mg~約75g、約0.01mg~約50g、約0.01mg~約25g、約0.01mg~約10g、約0.01mg~約7.5g、約0.01mg~約5g、約0.01mg~約2.5g、約0.01mg~約1g、約0.01mg~約100mg、約0.1mg~約100mg、約0.1mg~約90mg、約0.1mg~約80mg、約0.1mg~約70mg、約0.1mg~約60mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約40mg活性材料成分、約0.1mg~約30mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約1mg/単位剤形、または約5mg~約80mg/単位剤形を含む単位剤形(例えば、錠剤またはカプセル)で投与できる。例えば、単位剤形は約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約200mg、約500mg、約1g、約2.5g、約5g、約10g、約25g、約50g、約75g、約100gであってよく、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0353】
1つの実施形態では、キメラタンパク質は、毎日約0.01mg~約100g、毎日約0.01mg~約75g、毎日約0.01mg~約50g、毎日約0.01mg~約25g、毎日約0.01mg~約10g、毎日約0.01mg~約7.5g、毎日約0.01mg~約5g、毎日約0.01mg~約2.5g、毎日約0.01mg~約1g、毎日約0.01mg~約100mg、毎日約0.1mg~約100mg、毎日約0.1mg~約95mg、毎日約0.1mg~約90mg、毎日約0.1mg~約85mg、毎日約0.1mg~約80mg、毎日約0.1mg~約75mg、毎日約0.1mg~約70mg、毎日約0.1mg~約65mg、毎日約0.1mg~約60mg、毎日約0.1mg~約55mg、毎日約0.1mg~約50mg、毎日約0.1mg~約45mg、毎日約0.1mg~約40mg、毎日約0.1mg~約35mg、毎日約0.1mg~約30mg、毎日約0.1mg~約25mg、毎日約0.1mg~約20mg、毎日約0.1mg~約15mg、毎日約0.1mg~約10mg、毎日約0.1mg~約5mg、毎日約0.1mg~約3mg、毎日約0.1mg~約1mg、または毎日約5mg~約80mgの量で投与される。様々な実施形態では、キメラタンパク質は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約200mg、約500mg、約1g、約2.5g、約5g、約7.5g、約10g、約25g、約50g、約75g、約100gの1日用量で投与され、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0354】
発明のある一定の実施形態にしたがい、キメラタンパク質を含む医薬組成物は、例えば、1日1回超(例えば、毎日約2回、約3回、約4回、約5回、約6回、約7回、約8回、約9回、または約10回)、約1日1回、約1日おき、約3日おき、約1週間に1回、約2週間に1回、約1ヶ月に1回、約2ヶ月に1回、約3ヶ月に1回、約6ヶ月に1回、または約1年に1回投与され得る。
【0355】
併用療法および追加の治療薬
様々な実施形態では、本発明の医薬組成物は、追加の治療薬(複数可)と併用して共投与される。共投与は同時または順次であってよい。
【0356】
1つの実施形態では、追加の治療薬および本発明のキメラタンパク質は、同時に被験体に投与される。「同時に」という用語は本明細書では、追加の治療薬とキメラタンパク質が約60分以下の、例えば約30分以下、約20分以下、約10分以下、約5分以下、または約1分以下の時間分離で投与されることを意味する。追加の治療薬およびキメラタンパク質の投与は、単一製剤(例えば、追加の治療薬およびキメラタンパク質を含む製剤)のまたは別々の製剤(例えば、追加の治療薬を含む第1の製剤およびキメラタンパク質を含む第2の製剤)の同時投与によってでよい。
【0357】
共投与は、それらの投与のタイミングが、追加の治療薬とキメラタンパク質の薬理学的活性が時間内で重なり、よって併用治療効果がもたらされるようである場合、治療薬が同時に投与されることを必要としない。例えば、追加の治療薬およびキメラタンパク質は順次投与できる。「順次」という用語は本明細書では、追加の治療薬およびキメラタンパク質が約60分超の時間分離で投与されることを意味する。例えば、追加の治療薬およびキメラタンパク質の順次投与の間の時間は、約60分超、約2時間超、約5時間超、約10時間超、約1日超、約2日超、約3日超、約1週超離して、約2週超離して、または約1ヶ月超離してであってよい。最適投与時間は、投与されている追加の治療薬およびキメラタンパク質の代謝の速度、排泄、および/または薬力学的活性に依存する。追加の治療薬またはキメラタンパク質細胞のどちらかが、最初に投与され得る。
【0358】
共投与はまた、治療薬が被験体に同じ投与経路により投与されることを必要としない。むしろ、各治療薬は、任意の適切な経路、例えば、非経口的にまたは非経口的でなく、投与できる。
【0359】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるキメラタンパク質は、別の治療薬と共投与されると相乗的に作用する。そのような実施形態では、キメラタンパク質および追加の治療薬は、作用物質が単独療法の状況で使用される場合に採用される用量よりも低い用量で投与され得る。
【0360】
いくつかの実施形態では、本発明は追加の治療薬としての化学療法薬に関する。例えば、限定はされないが、本キメラタンパク質および化学療法薬のそのような併用は、本明細書における他の場所で記載されるように、癌の治療において用途を見出す。化学療法薬の例としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:アルキル化剤、例えばチオテパおよびシトキサンシクロスフォスファミド(cyclosphosphamide);スルホン酸アルキル、例えばブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ;エチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine)、例えばアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンホスホラミド(triethiylenethiophosphoramide)およびトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine);アセトゲニン(例えば、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリースタチン(cally statin);CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビセレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(例えば、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;ナイトロジェンマスタード、例えばクロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア(nitrosurea)、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine);抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリチアマイシン、とりわけカリチアマイシンγIIおよびカリチアマイシンωII(例えば、Agnew, Chem. Intl. Ed. Engl., 33: 183-186 (1994)を参照されたい);ダイネマイシン、例えばダイネマイシンA;ビスホスホネート、例えばクロドロネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチンクロモフォアおよび関連色素タンパク質エンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アクチノマイシン、アウトラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシンドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗薬、例えばメトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン(denopterin)、メトトレキサート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキサート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎(anti-adrenal)、例えばミノグルテチミド(minoglutethimide)、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充薬、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミド(aldophosphamide)グリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシノイド、例えばマイタンシンおよびアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSKポリサッカライド複合体(JJHS Natural Products, Eugene, Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテシン(例えば、T-2毒素、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、タキソールパクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, N.J.)、アブラキサン、パクリタキセルのCremophorを含まない、アルブミン-操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, 111.)、およびタキソテールドキセタキセル(doxetaxel)(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロランブシル(chloranbucil);ジェムザールゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体、例えばシスプラチン、オキサリプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ナベルビン.ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(Camptosar、CPT-11)(イリノテカンの5-FUおよびロイコボリンとの治療レジメンを含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン、オキサリプラチン治療レジメン(FOLFOX)を含む;ラパチニブ(Tykerb);PKC-α、Raf、H-Ras、EGFRの阻害剤(例えば、エルロチニブ(タルセバ))および細胞増殖を低減させるVEGF-Aおよび、上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸または誘導体。加えて治療の方法は、放射線の使用をさらに含んでよい。加えて、治療の方法は、光線力学的治療の使用をさらに含んでよい。
【0361】
限定はされないが、感染性疾患適用を含むいくつかの実施形態では、本発明は追加の治療薬としての抗感染薬に関する。いくつかの実施形態では、抗感染薬は、抗ウイルス薬であり、下記が挙げられるが、それらに限定されない:アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アンプレナビル、アタザナビル、シドフォビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エトラビリン、ファムシクロビル、およびホスカルネット。いくつかの実施形態では、抗感染薬は抗菌薬であり、下記が挙げられるが、それらに限定されない:セファロスポリン抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、およびセフトビプロール);フルオロキノロン抗生物質(シプロ、レバキン、フロキシン、テキン、アベロックス、およびノルフロックス);テトラサイクリン抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、およびドキシサイクリン);ペニシリン抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、およびメチシリン);モノバクタム抗生物質(アズトレオナム);およびカルバペネム抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、およびメロペネム)。いくつかの実施形態では、抗感染薬としては、抗マラリア薬(例えば、クロロキン、キニーネ、メフロキン、プリマキン、ドキシサイクリン、アーテメータ/ルメファントリン、アトバコン/プログアニルおよびスルファドキシン/ピリメタミン)、メトロニダゾール、チニダゾール、イベルメクチン、パモ酸ピランテル、およびアルベンダゾールが挙げられる。
【0362】
限定はされないが、自己免疫適用を含むいくつかの実施形態では、追加の治療薬は、免疫抑制剤である。いくつかの実施形態では、免疫抑制剤は、抗炎症薬、例えばステロイド性抗炎症薬または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。ステロイド、特に副腎皮質ホルモン剤およびそれらの合成類似体は、当技術分野でよく知られている。本発明において有用なコルチコステロイドの例としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:ヒドロキシルトリアムシノロン、α-メチルデキサメタゾン、β-メチルベタメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロン(fluosinolone)アセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロン(fluradrenolone)アセトニド、メドリゾン、アムシナフェル(amcinafel)、アムシナフィド(amcinafide)、ベタメタゾンおよびそのエステルの平衡、クロロプレドニゾン、クロコルテロン(clocortelone)、クレスシノロン(clescinolone)、ジクロリゾン、ジフルプレドナート、フルクロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン(fluoromethalone)、フルペロロン、フルプレドニソロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン。本発明において使用され得る(NSAID)としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチルミド(salicylmide)、ベンジル-2,5-ジアセトキシ安息香酸、イブプロフェン、フリンダク(fulindac)、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナマート、フェニルブタゾン、およびインドメタシン。いくつかの実施形態では、免疫抑制剤は、細胞分裂阻害薬、例えばアルキル化剤、代謝拮抗薬(例えば、アザチオプリン、メトトレキサート)、細胞傷害性抗生物質、抗体(例えば、バシリキシマブ、ダクリズマブ、およびムロモナブ)、抗イムノフィリン(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス)、インターフェロン(inteferon)、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノール酸、および小生物学的製剤(例えば、フィンゴリモド、ミリオシン)であってよい。追加の抗炎症薬は、例えば、米国特許第4,537,776号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)において記載される。
【0363】
いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬として肥満を治療するために使用される様々な作用物質に関する。肥満を治療するために使用される例示的な作用物質としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:オルリスタット(例えば、ALL1、XENICAL)、ロラカセリン(loracaserin)(例えば、BELVIQ)、フェンテルミン-トピラマート(例えば、QSYMIA)、シブトラメ(sibutramme)(例えば、REDUCTILまたはMERJDIA)、リモナバント(ACOMPLLA)、エキセナチド(例えば、バイエッタ)、プラムリンチド(例えば、SYMLIN)フェンテルミン、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラズメ(phendimetrazme)、ブプロピオン、およびメトホルミン。食品中の特定の栄養分を吸収する身体能力を妨害する作用物質は追加の作用物質であり、例えば、オルリスタット(例えば、ALU、XENICAL)、グルコマンナン、およびグアーガムである。食欲を抑える作用物質もまた、追加の作用物質であり、例えば、カテコールアミンおよびそれらの誘導体(例えば、フェンテミン(phenteimine)および他のアンフェタミン系薬物)、様々な抗うつ薬および気分安定薬(例えば、ブプロピオンおよびトピラマート)、食欲低下薬(例えば、デキセドリン、ジゴキシン)である。身体の代謝を増加させる作用物質もまた、追加の作用物質である。
【0364】
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、下記の中から選択され得る:食欲抑制剤、神経伝達物質再取り込み阻害剤、ドパミン作動薬、セロトニン作動薬、GABA作動性シグナル伝達のモジュレーター、抗痙攣薬、抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、サブスタンスP(NK1)受容体アンタゴニスト、メラノコルチン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、脂肪吸収の阻害剤、エネルギー摂取または代謝の調節剤、カンナビノイド受容体モジュレーター、嗜癖を治療するための作用物質、メタボリックシンドロームを治療するための作用物質、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)モジュレーター;ジペプチジルペプチダーゼ(dipcptidyl peptidase4)(DPP-4)アンタゴニスト、心血管疾患を治療するための作用物質、上昇したトリグリセリドレベルを治療するための作用物質、低HDLを治療するための作用物質、高コレステロール血症を治療するための作用物質、および高血圧を治療するための作用物質。心血管疾患のためのいくつかの作用物質としては、スタチン(例えば、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン)およびω3作用物質(例えば、LOVAZA、EPANQVA、VASCEPA、エステル化ω3、一般に、魚油、オキアミ油、藻類油)が挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の作用物質は下記の中から選択され得る:アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、スルホニル尿素(suifonyl urea)、メグリチニド、チアゾリジンジオン、ビグアナイド、β遮断薬、XCE阻害剤、利尿薬、ナイトレート、カルシウムチャネル遮断薬、フェンレルミン(phenlermine)、シブトラミン、イオルカセリン(iorcaserin)、セチリスタット、リモナバント、タラナバント(taranabant)、トピラマート、ガバペンチン、バルプロ酸、ビガバトリン、ブプロピオン、チアガビン、セルトラリン、フルオキセチン、トラゾドン、ゾニサミド、メチルフェニデート、バレニクリン、ナルトレキソン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、ルクパギリニ.デ(rcpaglini.de)、ナテグリニド、グリメピリド、メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、およびシタグリプチン。
【0365】
いくつかの実施形態では、本発明は、糖尿病を治療するために追加の治療薬として使用される作用物質に関する。例示的な抗糖尿病薬としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:スルホニル尿素(例えば、DYMELOR(アセトヘキサミド)、DIABINESE(クロルプロパミド)、ORINASE(トルブタミド)、およびTOLINASE(トラザミド)、GLUCOTROL(グリピジド)、GLUCOTROLXL(持続放出)、DIABETA(グリブリド)、MICRONASE(グリブリド)、GLYNASE PRESTAB(グリブリド)、およびアマリール(グリメピリド));ビグアナイド(例えば、メトホルミン(GLUCOPHAGE、GLUCOPHAGEXR、RIOMET、FORTAMET、およびGLUMETZA));チアゾリジンジオン(例えば、ACTOS(ピオグリタゾン)およびAVANDIA(ロシグリタゾン);α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、PRECOSE(アカルボース)およびGLYSET(ミグリトール);メグリチニド(例えば、PRANDIN(レパグリニド)およびSTARLIX(ナテグリニド));ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)阻害剤(例えば、ジャヌビア(シタグリプチン)、NESINA(アログリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、およびトラゼンタ(リナグリプチン));ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤(例えば、INVOKANA(カナグリフロジン(canaglifozin)));および併用丸薬(例えば、グルコバンス、これはグリブリド(スルホニル尿素)とメトホルミンを組み合わせる、メタグリップ、これはグリピジド(スルホニル尿素)とメトホルミンを組み合わせる、およびアバンダメット、これはメトホルミンおよびロシグリタゾン(アバンディア)の両方を1つの丸薬中で使用する、KAZANO(アログリプチンおよびメトホルミン)、OSENI(アログリプチン+ピオグリタゾン)、メトホルミン経口、ACTOS経口、バイエッタ皮下、ジャヌビア経口、WELCHOL経口、JANUMET経口、グリピジド経口、グリメピリド経口、GLUCOPHAGE経口、ランタス皮下、グリブリド経口、オングリザ経口、アマリール経口、ランタス SOLOSTAR皮下、ビデュリオン皮下、レベミル FLEXPEN皮下、アクトプラスメット経口、GLUMETZA経口、トラゼンタ経口、ブロモクリプチン経口、KOMBIGLYZE XR経口、INVOKANA経口、PRANDIN経口、レベミル皮下、パーロデル経口、ピオグリタゾン経口、NOVOLOG皮下、NOVOLOG FLEXPEN皮下、ビクトーザ2-PAK皮下、ヒューマログ皮下、STARLIX経口、FORTAMET経口、グルコバンス経口、GLUCOPHAGE XR経口、NOVOLOG Mix70-30FLEXPEN皮下、グリブリド-メトホルミン経口、アカルボース経口、SYMLINPEN60皮下、GLUCOTROlXL経口、ノボリンR inj、GLUCOTROL経口、DUETACT経口、シタグリプチン経口、SYMLINPEN120皮下、ヒューマログ KWIKPEN皮下、JANUMET XR経口、グリピジド-メトホルミン経口、CYCLOSET経口、ヒューマログ MIX75-25皮下、ナテグリニド経口、ヒューマログ Mix75-25KWIKPEN皮下、ヒューマリン70/30皮下、PRECOSE経口、アピドラ皮下、ヒューマリン R inj、Jentadueto経口、ビクトーザ3-Pak皮下、ノボリン70/30皮下、ノボリンN皮下、インスリンデテミル皮下、グリブリド微粒子化経口、GLYNASE経口、ヒューマリン N皮下、インスリングラルギン皮下、RIOMET経口、ピオグリタゾン-メトホルミン経口、アピドラSOLOSTAR皮下、インスリンリスプロ皮下、GLYSET経口、ヒューマリン70/30Pen皮下、コレセベラム経口、シタグリプチン-メトホルミン経口、DIABETA経口、インスリンレギュラーヒトinj、ヒューマリンN Pen皮下、エキセナチド皮下、ヒューマログMix50-50KWIKPEN皮下、リラグルチド皮下、KAZANO経口、レパグリニド経口、クロルプロパミド経口、インスリンアスパルト皮下、NOVOLOG Mix70-30皮下、ヒューマログMix50-50皮下、サキサグリプチン経口、アクトプラスメットXR経口、ミグリトール経口、NPHインスリンヒトrecomb皮下、インスリンNPHおよびレギュラーヒト皮下、トラザミド経口、ミフェプリストン経口、インスリンアスパルトプロタム-インスリンアスパルト皮下、レパグリニド-メトホルミン経口、サキサグリプチン-メトホルミン経口、リナグリプチン-メトホルミン経口、NESINA経口、OSENI経口、トルブタミド経口、インスリンリスプロプロタミンおよびリスプロ皮下、プラムリンチド皮下、インスリングルリジン皮下、ピオグリタゾン-グリメピリド経口、PRANDIMET経口、NOVOLOG PenFill皮下、リナグリプチン経口、エキセナチドミクロスフェア皮下、KORLYM経口、アログリプチン経口、アログリプチン-ピオグリタゾン経口、アログリプチン-メトホルミン経口、カナグリフロジン経口、リスプロ(ヒューマログ);Aspart(NOVOLOG);Glulisine(アピドラ);レギュラー(ノボリンRまたはヒューマリンR);NPH(ノボリンNまたはヒューマリンN);グラルギン(ランタス);Detemir(レベミル);ヒューマリンまたはノボリン70/30;およびNOVOLOG Mix70/30ヒューマログMix75/25または50/50。
【0366】
いくつかの実施形態では、本発明は、追加の治療薬としてMSを治療するために使用される作用物質に関する。例示的なMS作用物質としては様々な疾患修飾治療が挙げられるが、それらに限定されない:
【表1】
【0367】
いくつかの実施形態では、本発明は、輸血との併用療法に関する。例えば、本組成物は輸血を補うことができる。いくつかの実施形態では、本発明は、鉄サプリメントとの併用療法に関する。
【0368】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のEPOに基づく作用物質を用いる併用療法に関する。例えば、本組成物は、他のEPOに基づく作用物質に対するアジュバントとして使用され得る。いくつかの実施形態では、本組成物は、他のEPOに基づく作用物質に対する維持療法として使用される。他のEPOに基づく作用物質としては下記が挙げられる:エポエチンアルファ、例えば、限定はされないが、DARBEPOETIN(ARANESP)、EPOCEPT(LUPINPHARMA)、NANOKINE(NANOGEN PHARMACEUTICAL)、EPOFIT(INTAS PHARMA)、EPOGEN(AMGEN)、EPOGIN、EPREX、(JANSSEN-CILAG)、BINOCRIT7(SANDOZ)、PROCRIT;エポエチンベータ、例えば、限定はされないが、NEORECORMON(HOFFMANN-LAROCHE)、RECORMON、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ(MIRCERA、ROCHE);エポエチンデルタ、例えば、限定はされないが、DYNEPO(赤血球生成刺激タンパク質、SHIRE PLC);エポエチンオメガ、例えば、限定はされないが、EPOMAX;エポエチンゼータ、例えば、限定はされないが、SILAPO(STADA)およびRETACRIT(HOSPIRA)および他のEPO、例えば、限定はされないが、EPOCEPT(LUPIN PHARMACEUTICALS)、EPOTRUST(PANACEABIOTECLTD)、ERYPROSAFE(BIOCONLTD.)、REPOITIN(SERUM INSTITUTE OF INDIA LIMITED)、VINTOR(EMCURE PHARMACEUTICALS)、EPOFIT(INTASPHARMA)、ERYKINE(INTASBIOPHARMACEUTICA)、WEPOX(WOCKHARDT BIOTECH)、ESPOGEN(LG LIFE SCIENCES)、RELIPOIETIN(RELIANCE LIFE SCIENCES)、SHANPOIETIN(SHANTHA BIOTECHNICS LTD)、ZYROP(CADILA HEALTHCARE LTD.)、EPIAO(RHUEPO)(SHENYANG SUNSHINE PHARMACEUTICAL CO.LTD)、CINNAPOIETIN(CINNAGEN)。
【0369】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の免疫調節剤、例えば、限定はされないが、免疫チェックポイントを調節する作用物質を用いる併用療法に関する。様々な実施形態では、免疫調節剤は、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1つ以上を標的にする。様々な実施形態では、免疫調節剤は、PD-1阻害剤である。様々な実施形態では、免疫調節剤は、PD-1、PD-L1、およびPD-L2の1つ以上に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、抗体、例えば、制限なしに、ニボルマブ、(ONO-4538/BMS-936558、MDX1106、OPDIVO、BRISTOL MYERS SQUIBB)、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA、MERCK)、ピディリズマブ(CT-011、CURE TECH)、MK-3475(MERCK)、BMS936559(BRISTOL MYERS SQUIBB)、MPDL328OA(ROCHE)である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤はCD137またはCD137Lの1つ以上を標的にする。様々な実施形態では、免疫調節剤はCD137またはCD137Lの1つ以上に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節剤は抗体であり、例えば、制限なしに、ウレルマブ(BMS-663513および抗4-1BB抗体としても知られている)である。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、固形腫瘍および/またはB細胞非ホジキンリンパ腫および/または頭頸部癌および/または多発性骨髄腫の治療のために、ウレルマブと(任意で、ニボルマブ、リリルマブ、およびウレルマブの1つ以上と)組み合わされる。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1つ以上を標的にする作用物質である。様々な実施形態では、免疫調節剤は、CTLA-4、AP2M1、CD80、CD86、SHP-2、およびPPP2R5Aの1つ以上に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、抗体であり、例えば、制限なしに、イピリムマブ(MDX-010、MDX-101、Yervoy、BMS)および/またはトレメリムマブ(Pfizer)である。いくつかの実施形態では、本キメラタンパク質は、メラノーマ、前立腺癌、および肺癌の1つ以上の治療のために、イピリムマブ(任意でバビツキシマブ)と組み合わされる。様々な実施形態では、免疫調節剤は、CD20を標的にする。様々な実施形態では、免疫調節剤は、CD20に特異的な抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、免疫調節剤は抗体であり、例えば、制限なしに、オファツムマブ(GENMAB)、オビヌツズマブ(ガザイバ)、AME-133v(APPLIED MOLECULAR EVOLUTION)、オクレリズマブ(GENENTECH)、TRU-015(TRUBION/EMERGENT)、ベルツズマブ(IMMU-106)である。
【0370】
いくつかの実施形態では、本発明は、WO2013/10779号、WO2015/007536号、WO2015/007520号、WO2015/007542号、およびWO2015/007903号(その全内容はこれにより、その全体が参照により組み込まれる)に記載される1つ以上のキメラ作用物質を用いる併用療法に関する。
【0371】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載されるキメラタンパク質は、改変される、すなわち、共有結合により組成物の活性が防止されないように組成物への任意の型の分子の共有結合による、誘導体を含む。例えば、制限はしないが、誘導体は、とりわけ、グリコシル化、脂質化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結、などにより修飾された組成物を含む。多くの化学修飾のいずれも、公知の技術、例えば、限定はされないが、特異的化学開裂、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成、などにより実施できる。
【0372】
さらに他の実施形態では、本明細書で記載されるキメラタンパク質は、細胞傷害性薬物をさらに含み、例示的な実施形態では、毒素、化学療法薬、放射性同位体、およびアポトーシスまたは細胞死を引き起こす作用物質を含む。そのような作用物質は、本明細書で記載される組成物にコンジュゲートされ得る。
【0373】
本明細書で記載されるキメラタンパク質はこのように、化学リンカーなどのエフェクター部分、例えば蛍光色素などの検出可能部分、酵素、基質、生物発光材料、放射性材料、および化学発光部分、または例えばストレプトアビジン、アビジン、ビオチン、細胞毒、細胞傷害性薬物、および放射性材料などの機能的部分を付加するように、翻訳後に修飾され得る。
【0374】
例示的な細胞傷害性薬物としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:メトトレキサート、アミノプテリン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン;アルキル化剤、例えばメクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロランブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、マイトマイシンC、ロムスチン(CCNU)、1-メチルニトロソウレア、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、メクロレタミン、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、cis-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチンおよびカルボプラチン(パラプラチン);アントラサイクリン、例えばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、デトルビシン、カルミノマイシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびビサントレンを含む;抗生物質、例えばダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ブレオマイシン、カリチアマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC);および有糸分裂阻害薬(antimytotic agent)例えばビンカアルカロイド、ビンクリスチンおよびビンブラスチン。他の細胞傷害性薬物としては、パクリタキセル(タキソール)、リシン、シュードモナス外毒素、ゲムシタビン、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、コルチコステロイド、ミトタン(mytotane)(O,P’-(DDD))、インターフェロン、およびこれらの細胞傷害性薬物の混合物が挙げられる。
【0375】
さらなる細胞傷害性薬物としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:化学療法薬、例えばカルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ゲムシタビン、カリチアマイシン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン、VEGFアンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、プラチン(platin)、タキソール、イリノテカン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン(gemcytabine)、ロイコボリン(leucovorine)、ステロイド、シクロホスファミド、メルファラン、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)、ムスチン、チロシンキナーゼ阻害剤、放射線療法、性ホルモン拮抗薬、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、PDGFアンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、IL-1アンタゴニスト、インターロイキン(例えば、IL-12またはIL-2)、IL-12Rアンタゴニスト、毒素コンジュゲートモノクローナル抗体、腫瘍抗原特異的モノクローナル抗体、アービタックス、アバスチン、ペルツズマブ、抗CD20抗体、リツキサン、オクレリズマブ、オファツムマブ、DXL625、ハーセプチン(登録商標)、またはそれらの任意の組み合わせ。植物および細菌由来の毒性酵素、例えばリシン、ジフテリア毒素およびシュードモナス毒素が治療薬(例えば、抗体)にコンジュゲートされ得、細胞型特異的死滅試薬を生成する(Youle, et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:5483 (1980); Gilliland, et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:4539 (1980); Krolick, et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 77:5419 (1980))。
【0376】
他の細胞傷害性薬物としては、Goldenbergにより米国特許第6,653,104号において記載される細胞傷害性リボヌクレアーゼが挙げられる。発明の実施形態はまた、放射性免疫複合体に関し、ここでαまたはβ粒子を放出する放射性核種は、複合体形成剤の使用ありまたはなしで、キメラタンパク質に安定に結合される。そのような放射性核種としては、β-エミッタ、例えばリン-32、スカンジウム-47、銅-67、ガリウム-67、イットリウム-88、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、サマリウム-153、ルテチウム-177、レニウム-186またはレニウム-188、およびα-エミッタ、例えばアスタチン-211、鉛-212、ビスマス-212、ビスマス-213またはアクチニウム-225が挙げられる。
【0377】
例示的な検出可能部分としてはさらに、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼおよびルシフェラーゼが挙げられるが、それらに限定されない。さらに例示的な蛍光材料としては、ローダミン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ウンベリフェロン、ジクロロトリアジニルアミン、フィコエリトリンおよびダンシルクロリドが挙げられるが、それらに限定されない。さらに例示的な化学発光部分としては、ルミノールが挙げられるが、それに限定されない。さらに例示的な生物発光材料としては、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられるが、それらに限定されない。さらに例示的な放射性材料としては、ヨウ素-125、炭素-14、硫黄-35、トリチウムおよびリン-32が挙げられるが、それらに限定されない。
【0378】
治療方法
本明細書で記載される方法および組成物は、様々な疾患および障害、例えば、限定はされないが癌、感染、免疫不全、貧血、自己免疫疾患、心血管疾患、創傷治癒、虚血関連疾患、神経変性疾患、代謝疾患および多くの他の疾患および障害の治療に適用される。
【0379】
さらに、本作用物質のいずれも、様々な疾患および障害、例えば、限定はされないが癌、感染、免疫不全、炎症疾患もしくは状態、および自己免疫疾患の治療、またはこれらを治療するための薬物製造において使用され得る。
【0380】
いくつかの実施形態では、本発明は、下記の、またはその1つ以上を有する患者の治療に関する:慢性肉芽腫性疾患、大理石骨病、特発性肺線維症、フリードライヒ運動失調症、アトピー性皮膚炎、シャーガス病、癌、心不全、自己免疫疾患、鎌状赤血球症、地中海貧血症、失血、輸血反応、糖尿病、ビタミンB12欠乏、膠原病性脈管疾患、シュワックマン症候群、血小板減少性紫斑病、セリアック病、内分泌欠乏状態、例えば甲状腺機能低下症またはアジソン病、自己免疫疾患、例えばクローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチもしくは若年性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎免疫不全、例えば好酸球性筋膜炎、低免疫グロブリン血症、または胸腺腫/胸腺がん、移植片対宿主病、前白血病、非造血系症候群(例えば、ダウン、デュボヴィッツ、ゼッケル)、フェルティ症候群、溶血性尿毒症症候群、骨髄異形成症候群、夜間発作性ヘモグロビン尿症、骨髄線維症、汎血球減少症、赤芽球癆、シェーンライン・ヘノッホ紫斑病、マラリア、タンパク質飢餓、月経過多、全身性硬化症、肝硬変、低代謝状態、およびうっ血性心不全。
【0381】
いくつかの実施形態では、本発明は、下記の、またはその1つ以上を有する患者の治療に関する:慢性肉芽腫性疾患、大理石骨病、特発性肺線維症、フリードライヒ運動失調症、アトピー性皮膚炎、シャーガス病、マイコバクテリア感染症、癌、強皮症、肝炎、C型肝炎、敗血症性ショック、および関節リウマチ。
【0382】
いくつかの実施形態では、本発明は、癌の、またはそれを有する患者の治療に関する。本明細書では、癌は、身体器官および系統の正常機能を妨害し得る細胞の任意のコントロール不良の増殖を指し、原発性および転移性腫瘍の両方を含む。原発腫瘍またはそれらの元の位置から移動し重要臓器に播種する癌は最終的には、冒された器官の機能的悪化により被験体の死をもたらし得る。転移は、原発腫瘍位置とは異なる、癌細胞の原発腫瘍から身体の他の部分への播種に起因する、癌細胞または癌細胞の群である。転移は最終的には、被験体の死をもたらす。例えば、癌は、良性および悪性癌、ポリープ、過形成、ならびに休眠腫瘍または微小転移を含み得る。
【0383】
治療され得る例示的な癌としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:癌腫、例えば、様々なサブタイプ、例えば、腺がん、基底細胞がん、扁平上皮がん、および移行上皮がんを含む)、肉腫(例えば、骨および軟部組織を含む)、白血病(例えば、急性骨髄性、急性リンパ芽球性、慢性骨髄、慢性リンパ球性、ヘアリー細胞を含む)、リンパ腫およびミエローマ(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、軽鎖、非分泌性、MGUS、および形質細胞腫を含む)、および中枢神経系癌(例えば、脳(例えば、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、および上衣腫)、髄膜腫、下垂体腺腫、および神経腫、および脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫および神経線維腫)。
【0384】
治療され得る例示的な癌としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:基底細胞がん、胆道癌;膀胱癌;骨癌;脳および中枢神経系癌;乳癌;腹膜癌;子宮頸癌;絨毛癌;結腸および直腸癌;結合組織癌;消化器系の癌;子宮内膜癌;食道癌;眼癌;頭頸部の癌;胃癌(胃腸癌を含む);神経膠芽腫;肝がん;肝細胞腫;上皮内新生物;腎臓癌または腎癌;喉頭癌;白血病;肝臓癌;肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺がん、および肺扁平上皮がん);メラノーマ;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔癌(口唇、舌、口、および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸癌;呼吸器系の癌;唾液腺がん;肉腫;皮膚癌;扁平細胞癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮または子宮内膜癌;泌尿器系の癌;外陰部癌;リンパ腫、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む;小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL;巨大腫瘤病変NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;およびワルデンストレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ性白血病(ALL);ヘアリー細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに他の癌腫および肉腫;および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症と関連する異常な血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍と関連するもの)、およびメグズ症候群。
【0385】
いくつかの実施形態では、本発明は、微生物感染および/または慢性感染の、またはこれを有する患者の治療に関する。例示的な感染としては、シャーガス病、HIV/AIDS、結核、骨髄炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタイン・バーウイルスまたはパルボウイルス、T細胞白血病ウイルス、細菌過剰症候群、真菌または寄生虫感染が挙げられるが、それらに限定されない。
【0386】
様々な実施形態では、本組成物は、1つ以上の炎症疾患または状態、例えば炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器疾患、アテローム性動脈硬化、再狭窄、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血症性ショック、関節リウマチ、炎症性腸疾患、炎症性骨盤疾患、疼痛、眼性炎症疾患、セリアック病、リー症候群、グリセロールキナーゼ欠乏、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性痙性失調症、喉頭炎症疾患;結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、珪肺症および他のじん肺症、を治療または防止するために使用される。
【0387】
様々な実施形態では、本組成物は、1つ以上の自己免疫疾患または状態、例えば多発性硬化症、真性糖尿病、ループス、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、強皮症(scleroderms)、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性てんかん、ラスムッセン脳炎、原発性胆汁性硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺炎、線維筋痛症、メニエール病(Menier’ssyndrome);移植拒絶反応(例えば、同種移植片拒絶の防止)悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、グレーブス病(Grave’s disease)、および他の自己免疫疾患、を治療または防止するために使用される。
【0388】
様々な実施形態では、本組成物は、心血管疾患、例えば心臓および脈管構造に影響を与える疾患または状態、を治療、コントロールまたは防止するために使用され、限定はされないが、冠動脈心疾患(CHD)、脳血管疾患(CVD)、大動脈狭窄、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、心筋梗塞(心臓発作)、脳血管疾患(脳卒中)、一過性脳虚血発作(TIA)、アンギナ(安定および不安定)、心房細動、不整脈、弁膜症(vavular disease)、および/またはうっ血性心不全を含む。
【0389】
様々な実施形態では、本組成物は、1つ以上の代謝関連障害を治療または防止するために使用される。様々な実施形態では、本発明は、1型および2型糖尿病を含む糖尿病および肥満と関連する糖尿病の治療、コントロールまたは防止に有用である。本発明の組成物および方法は、糖尿病関連障害の治療または防止に有用であり、限定はされないが、糖尿病性腎症、高血糖症、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高LDLレベル、アテローム性動脈硬化およびその続発症、血管再狭窄、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、他の炎症状態、膵炎、腹部肥満、神経変性疾患、網膜症、新生物状態、脂肪細胞腫瘍、脂肪細胞がん、例えば脂肪肉腫、前立腺癌および他の癌、例えば胃、乳、膀胱および結腸癌、血管新生、アルツハイマー病、乾癬、高血圧、メタボリックシンドローム(例えば、下記障害の3つ以上を有する者:腹部肥満、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール、高血圧、および高い空腹時血糖値)、卵巣アンドロゲン過剰症(多嚢胞性卵巣症候群)、およびインスリン抵抗性が1つの要素である他の障害、例えば睡眠時無呼吸が挙げられる。本発明の組成物および方法は、遺伝的または環境的を含む肥満、および肥満関連障害の治療、コントロール、または防止に有用である。本明細書における肥満関連障害は、肥満と関連し、これにより引き起こされ、またはこれに起因する。肥満関連障害の例としては、肥満、糖尿病、過食、気晴らし食い、および大食症、高血圧、上昇した血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜、乳、前立腺、腎臓および結腸癌、変形性関節症、閉塞型睡眠時無呼吸、胆石、心疾患、異常な心拍リズムおよび不整脈(arrythmia)、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群(Frohlich’s syndrome)、GH-欠乏被験体、正常変異低身長、ターナー症候群、および低減された代謝活性または総除脂肪体重のパーセンテージとしての安静時エネルギー消費の減少を示す他の病態、例えば、急性リンパ性白血病を有する子供が挙げられる。肥満関連障害のさらなる例は、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性的および生殖機能障害、例えば受精能障害、不妊症、男性における性腺機能低下症および女性における多毛症、母系肥満と関連する胎性欠陥、胃腸運動性障害、例えば肥満関連胃食道逆流、呼吸障害、例えば肥満-低換気症候群(ピックウィック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば、脈管構造の全身性炎症、動脈硬化症、高コレステロール血症、腰痛、胆嚢疾患、高尿酸血症、痛風、および腎臓癌、および麻酔リスクの増加である。本発明の組成物および方法はまた、アルツハイマー病を治療するのに有用である。
【0390】
様々な実施形態では、本組成物は、1つ以上の呼吸器疾患、例えば特発性肺線維症(IPF)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸妨害、呼吸促迫症候群、嚢胞性線維症、肺高血圧、肺血管収縮、肺気腫、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、レフレル症候群、グッドパスチャー症候群、胸膜炎、間質性肺炎、肺浮腫、肺線維症、サルコイドーシス、呼吸器多核体ウイルス感染と関連する合併症、および他の呼吸器疾患を治療または防止するために使用される。
【0391】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の神経変性疾患を治療または防止するために使用される。例示的な神経変性疾患としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:フリードライヒ運動失調症、多発性硬化症(限定はされないが、良性多発性硬化症;再発性-緩解多発性硬化症(RRMS);二次性進行型多発性硬化症(SPMS);進行性再発性多発性硬化症(PRMS);および一次性進行型多発性硬化症(PPMS)を含む)、アルツハイマー病(限定はされないが、早期発症型アルツハイマー病、遅発型アルツハイマー病、および家族性アルツハイマー病(FAD)を含む)、パーキンソン病およびパーキンソニズム(限定はされないが、特発性パーキンソン病、脳血管性パーキンソニズム、薬剤性パーキンソニズム、レビー小体型認知症、遺伝性パーキンソン病、若年性パーキンソン病を含む)、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS、限定はされないが、孤発性ALS、家族性ALS、西太平洋ALS、若年性ALS、ヒラマヤ病(Hiramaya Disease))。
【0392】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は、創傷、例えば、非治癒性創傷、潰瘍、熱傷、または凍傷、慢性または急性創傷、開放創または閉鎖創、内部または外部創傷(例示的な外部創傷は穿通創および非穿通創である)、の治療において用途を見出す。
【0393】
様々な実施形態では、本キメラタンパク質は虚血、非限定的例として、下記と関連する虚血の治療において用途を見出す:急性冠症候群、急性肺損傷(ALI)、急性心筋梗塞(AMI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、動脈閉塞症、動脈硬化症、関節軟骨欠損、無菌全身性炎症、アテローム動脈硬化性心血管疾患、自己免疫疾患、骨折、骨折、脳浮腫、脳低灌流、バージャー病、熱傷、癌、心血管疾患、軟骨損傷、脳梗塞、脳虚血、脳卒中、脳血管疾患、化学療法誘発性ニューロパチー、慢性感染、慢性腸間膜虚血、跛行、うっ血性心不全、結合組織損傷、挫傷、冠動脈疾患(CAD)、重症虚血肢(CLI)、クローン病、深部静脈血栓症、深創傷、遅延性潰瘍治癒、遅延性創傷-治癒、糖尿病(I型およびII型)、糖尿病性ニューロパチー、糖尿病誘発性虚血、播種性血管内凝固(DIC)、塞栓性脳虚血、凍傷、移植片対宿主病、遺伝性出血性末梢血管拡張虚血性血管疾患、過酸素症傷害、低酸素症、炎症、炎症性腸疾患、炎症疾患、損傷腱、間欠性跛行、腸管虚血、虚血、虚血性脳疾患、虚血性心疾患、虚血性末梢血管疾患、虚血性胎盤、虚血性腎疾患、虚血性血管疾患、虚血性-再灌流傷害、裂傷、左冠動脈主幹部病変、虚血肢、下肢虚血、心筋梗塞、心筋虚血、器官虚血、変形性関節症、骨粗鬆症、骨肉腫、パーキンソン病、末梢動脈疾患(PAD)、末梢動脈疾患、末梢性虚血、末梢性ニューロパチー、末梢血管疾患、前癌、肺浮腫、肺塞栓症、リモデリング障害、腎虚血、網膜虚血、網膜症、敗血症、皮膚潰瘍、固形臓器移植、脊髄損傷、脳卒中、肋軟骨下骨嚢胞、血栓症、血栓性脳虚血、組織虚血、一過性脳虚血発作(TIA)、外傷性脳損傷、潰瘍性大腸炎、腎臓の血管疾患、血管炎症状態、フォンヒッペル・リンダウ症候群、または組織もしくは器官に対する創傷。
【0394】
様々な実施形態では、本発明は、1つ以上の貧血の治療に関し、慢性腎臓疾患(例えば、透析から)および/または抗癌剤(例えば、化学療法および/またはHIV治療(例えば、ジドブジン(INN)またはアジドチミジン(AZT))、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍大腸炎)、炎症状態に関連する貧血(例えば、関節炎、ループス、IBD)、糖尿病に関連する貧血、統合失調症、脳マラリア、再生不良性貧血として、および癌の治療(例えば、化学療法および/または放射線)由来の脊髄形成異常症、および様々な骨髄異形成症候群疾患(例えば、鎌状赤血球貧血、ヘモグロビンSC症、ヘモグロビンC症、α-およびβ-サラセミア、早産後の新生児貧血、および同等の状態)に起因する貧血を含む。
【0395】
いくつかの実施形態では、本発明は、貧血の、すなわち、赤血球の数および/または赤血球中に見出されるヘモグロビンの量が正常未満である状態の、またはこれを有する患者の治療に関する。様々な実施形態では、貧血は急性または慢性であり得る。例えば、本貧血としては下記が挙げられるが、それらに限定されない:鉄欠乏貧血、腎性貧血、慢性疾患/炎症の貧血、悪性貧血、例えば大球性無酸貧血、若年性悪性貧血および先天性悪性貧血、癌関連貧血、抗癌関連貧血(例えば、化学療法関連貧血、放射線療法関連貧血)、赤芽球癆、過剰の芽細胞を有する不応性貧血、再生不良性貧血、X連鎖性鉄芽球性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、ESAの産生障害により引き起こされる貧血、脊髄形成異常症候群、低色素性貧血、小球性貧血、鉄芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、クーリー貧血、地中海貧血症、ダイアモンド・ブラックファン貧血、ファンコニ貧血および薬剤性免疫溶血性貧血。貧血は重篤な症状を引き起こす可能性があり、低酸素症、慢性疲労、集中力欠如、蒼白、低血圧、眩暈および心不全を含む。
【0396】
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性腎不全に起因する貧血の治療に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、透析、血液透析、腹膜透析、血液濾過、血液濾過透析、および腎臓移植を含む、1つ以上の腎代替療法の使用に起因する貧血の治療に関する。
【0397】
いくつかの実施形態では、本発明は、透析を受けていない、慢性腎臓疾患を有する患者における貧血の治療に関する。例えば、本発明は、ステージ1CKD、またはステージ2CKD、またはステージ3CKD、またはステージ4CKD、またはステージ5CKDの患者に関する。いくつかの実施形態では、本患者はステージ4CKDまたはステージ5CKDである。いくつかの実施形態では、本患者は腎臓移植を受けたことがある。いくつかの実施形態では、本発明は、急性腎障害(AKI)を有する患者における貧血の治療に関する。
【0398】
いくつかの実施形態では、貧血は化学療法により誘発される。例えば、化学療法は任意の骨髄抑制性化学療法であり得る。いくつかの実施形態では、化学療法は、レブリミド、タロミド(Thalomid)、デキサメタゾン、アドリアマイシンおよびドキシルの1つ以上である。いくつかの実施形態では、化学療法は、シスプラチン(例えば、PLATINOL)およびカルボプラチン(例えば、パラプラチン)を含む1つ以上の白金系薬物である。いくつかの実施形態では、化学療法は、本明細書で記載される化学療法薬のいずれか一つである。いくつかの実施形態では、化学療法は、Groopman et al. J Natl Cancer Inst (1999) 91 (19): 1616-1634(その内容はこれにより、その全体が参照により組み込まれる)に記載される任意の作用物質である。いくつかの実施形態では、本組成物および方法は、後期癌患者(例えば、ステージIV、またはステージIII、またはステージII癌)における化学療法関連貧血の治療において使用される。いくつかの実施形態では、本組成物および方法は、投与集中化学療法または他の積極的化学療法レジメンを受けている癌患者における化学療法関連貧血の治療において使用される。
【0399】
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の血液に基づく癌、例えば白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫を有する患者における貧血の治療に関する。そのような癌は骨髄を直接冒し得る。さらに、本発明は、骨または骨髄に広がった転移性癌に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、放射線療法を受けている患者における貧血の治療に関する。そのような放射線療法は骨髄を損傷する可能性があり、赤血球を生成するその能力を低下させる。さらなる実施形態では、本発明は、鉄、ビタミンB12、および葉酸の1つ以上の低減または欠乏を有する患者における貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、例えば、限定はされないが、外科手術後の、または内出血を引き起こしている腫瘍からの出血多量を有する患者における貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、慢性疾患の貧血を有する患者における貧血の治療に関する。
【0400】
いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、赤血球生成を刺激する。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、骨髄における関与する赤血球前駆細胞の分裂および分化を刺激する。
【0401】
本発明のある特定の実施形態は、癌患者において化学療法誘発性貧血を治療するのに特に有用である。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、癌患者の化学療法が終了した後のキメラタンパク質の連続投与を可能にする。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、非癌患者と比べて用量低減なしで、癌患者の治療を可能にする。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、化学療法を受けており治癒可能と考えられる癌患者の治療を可能にする。様々な実施形態では、癌患者は、血餅の病歴、最近の外科手術、長期間のベッド安静または活動制限、および化学療法薬による治療の1つ以上を有する。
【0402】
キット
発明はまた、本明細書で記載される任意の作用物質(例えば、様々な追加の治療薬ありまたはなしのキメラタンパク質)の投与のためのキットを提供する。キットは、本明細書で記載される発明の医薬組成物の少なくとも1つを含む、材料または構成要素の集合体である。よって、いくつかの実施形態では、キットは、本明細書で記載される医薬組成物の少なくとも1つを含む。
【0403】
キット中で構成される構成要素の正確な性質は、その意図された目的に依存する。1つの実施形態では、キットはヒト被験体を治療する目的で構成される。
【0404】
使用説明書がキットに含められ得る。使用説明書は典型的には、望ましい結果を達成するため、例えば癌を治療するためにキットの構成要素を使用する際に採用すべき技術を記載する具体的な言い回しを含む。任意で、キットはまた他の有用な構成要素、例えば、希釈剤、バッファー、薬学的に許容される担体、シリンジ、カテーテル、アプリケーター、ピペッティングまたは測定ツール、包帯材料または当業者により容易に認識される他の有用な道具を含む。
【0405】
キット中に集合させる材料および構成要素は、それらの操作性および有用性を保存する任意の好都合で好適な様式で保存され、施術者に提供され得る。例えば、構成要素は室温、冷蔵温度または凍結温度で提供できる。構成要素は典型的には、好適なパッケージング材料中に含められる。様々な実施形態では、パッケージング材料はよく知られた方法により構築されて、好ましくは、無菌の、汚染物質を含まない環境を提供する。パッケージング材料は外部ラベルを有してよく、これはキットおよび/またはその構成要素の内容および/または目的を示す。
【0406】
定義
本明細書では、「1つの(a、an)」または「その(the)」は1つ以上を意味し得る。
【0407】
特定的に述べられておらず、文脈から明らかでない限り、本明細書では、「または」という用語は「または」および「および」の両方を含み、包含すると理解される。
【0408】
さらに、「約」という用語は、言及される数値表示と関連して使用される場合、言及される数値表示+または-その言及される数値表示の最大で10%、例えば、明言される値の(+または-)10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%内を意味する。例えば、「約50」という言葉は、45~55の範囲に及ぶ。
【0409】
「有効量」は、医学的用途と関連して使用される場合、関心のある疾患の測定可能な治療、防止、または発病率の低減を提供するのに有効な量である。
【0410】
本明細書では、活性および/または効果の読み取りが、作用物質または刺激の存在下で、そのような調節なしと比べて、かなりの量、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはそれより多く、少なくとも約100%を含むそれ以下、低減された場合、なにかが「減少される」。当業者により理解されるように、いくつかの実施形態では、活性は減少され、いくつかの下流読み取りは減少するが、増加し得るものもある。
【0411】
反対に、活性および/または効果の読み取りが、作用物質または刺激の存在下で、そのような作用物質または刺激なしと比べて、かなりの量、例えば少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、またはそれより多く、少なくとも約100%を含むそれ以下またはそれより多く、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍増加される場合、活性は「増加される」。
【0412】
本明細書で言及されるように、全ての組成パーセンテージは、他に特に規定がなければ、総組成の重量による。本明細書では、「含む」という単語およびその変形は、非限定的であることが意図され、そのため、リスト中のアイテムの詳述は、この技術の組成物および方法において有用であり得る他の同様のアイテムを排除するものではない。同様に、「できる」および「し得る」という用語およびそれらの変形は、非限定的であることが意図され、そのため、一実施形態が、ある一定の要素または特徴を含んでよい、または含み得るという詳述は、それらの要素または特徴を含まない本技術の他の実施形態を排除しない。
【0413】
含んでいる、含有する、または有するなどの用語の同義語として、「含む」という制約のない用語が、発明を説明し、主張するために本明細書で使用されるが、本発明、またはその実施形態はその代わりに、「から構成される」または「から本質的に構成される」などの代替用語を使用して記載され得る。
【0414】
本明細書では、「好ましい」および「好ましくは」という単語は、ある特定の状況下で、ある一定の利点を提供する技術の実施形態を指す。しかしながら、他の実施形態もまた、同じまたは他の状況下で好ましい可能性がある。さらに、1つ以上の好ましい実施形態の詳述は、他の実施形態が有用でないことを暗示せず、他の実施形態を技術の範囲から排除することは意図されない。
【0415】
治療効果を達成するために必要とされる本明細書で記載される組成物の量は、特定の目的のための従来の手順に従い、経験的に決定され得る。一般に、治療薬を治療目的で投与するためには、治療薬は、薬理学的に有効な用量で与えられる。「薬理学的有効量」「薬理学的に有効な用量」「治療的有効量」または「有効量」は、特に障害または疾患を治療するための、所望の生理的効果を生成するのに十分な量、または所望の結果を達成できる量を示す。有効量は本明細書では、例えば、障害または疾患の症状の発症を遅延する、障害または疾患の症状の過程を変更する(例えば、疾患の症状の進行を減速させる)、障害または疾患の1つ以上の症状または徴候を低減または排除する、および障害または疾患の症状を逆転させるのに十分な量を含む。治療効果はまた、改善が実現するかどうかに関係なく、基礎疾患または障害の進行を停止または減速させることを含む。
【0416】
有効量、毒性、および治療効果は、例えば、LD50(集団の約50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の約50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における、標準製薬手順により決定できる。投与量は、採用される剤形および使用される投与経路によって変動し得る。毒性効果と治療効果の間の用量比は治療指数であり、比LD50/ED50として表すことができる。いくつかの実施形態では、大きな治療指数を示す組成物および方法が好ましい。治療的に有効な用量は最初に、例えば、細胞培養アッセイを含むインビトロアッセイから推定できる。また、用量は、細胞培養において、または適切な動物モデルにおいて決定されるIC50を含む循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて処方できる。血漿中の記載される組成物のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定できる。任意の特定の投与量の効果は好適なバイオアッセイによりモニタできる。投与量は医師により決定でき、必要に応じて、治療の観察される効果を適合させるように調整できる。
【0417】
ある特定の実施形態では、効果は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、または少なくとも約90%の定量化可能な変化をもたらすであろう。いくつかの実施形態では、効果は、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、または実に約90%またはそれ以上の定量化可能な変化をもたらすであろう。治療効果はまた、改善が実現するかどうかに関係なく、基礎疾患または障害の進行を停止または減速させることを含む。
【0418】
本明細書では、「治療方法」は、本明細書で記載される疾患または障害を治療するための組成物および/または本明細書で記載される疾患または障害を治療するための薬物の製造における使用および/または用途のための組成物の使用に、同じように適用可能である。この発明は、下記の非限定的な実施例によりさらに説明される。
【0419】
実施例
IFNγ受容体、例えば、IFNγ受容体1または2サブユニットとの相互作用の損失をもたらすことができ、ならびに、相互作用および受容体活性化がAcTakine(すなわち、シグナル伝達物質およびターゲティング作用物質のキメラ)効果を介して回復できる、ヒトインターフェロンγにおける可能性のある突然変異を、関連するインターフェロン受容体複合体のホモロジーモデリングおよび構造分析に基づいて選択した。
【0420】
実施例1:IFN-γ受容体1サブユニットとの相互作用のためのIFN-γ接触残基の同定
ヒトIFN-γとIFN-γ受容体1サブユニットの複合体の相同性モデルを構築した。
【0421】
IFN-γとIFN-γ受容体1サブユニットの間の接触残基のリストを調査する。この分析に基づき、これらの残基の側鎖を、立体障害を導入せずに接触を除去するように変異させた。
【0422】
実施例2:IFN-γ含有キメラタンパク質の構築およびキャラクタリゼーション
この実施例では、ヒトCD20を標的にする組換え重鎖のみ抗体(VHH)、可動性20Gly-Gly-Serリンカー、および改変ヒトIFNガンマ(hIFN-γ)を含むキメラタンパク質を構築し、キャラクタリゼーションした。
【0423】
hIFN-γのインターフェロンガンマ受容体1(IFNGR1)への結合に影響すると考えられるアミノ酸部位におけるhIFN-γの変異体を、野生型(本明細書ではP-552と、かつアミノ酸配列SEQ ID NO:947を有するものと呼ばれる)の標準の部位特異的突然変異誘発を用いて作製した。SEQ ID NO:947に関しては、点変異:V22A、A23G、A23G+D24G、D24G、H111A、H111D、I114A、Q115A、A118G、およびI114A+A118Gを含んだ。9つの変異体は本明細書では、それぞれ、P-667~P-676と呼ばれ;改変hIFN-γは、それぞれ、SEQ ID NO:953~SEQ ID NO:962のアミノ酸配列を有する)。また、hIFN-γの5つのC末端欠失を作製した:5アミノ酸欠失(Δc5)、7アミノ酸欠失(Δc7)、14アミノ酸欠失(Δc14)、15アミノ酸欠失(Δc15)、および16アミノ酸欠失(Δc16)。5つのC末端欠失は本明細書では、それぞれ、P-662~P-666と呼ばれ;改変hIFN-γは、それぞれ、SEQ ID NO:948~SEQ ID NO:952のアミノ酸配列を有する)。この実施例において使用される野生型hIFN-γおよび改変hIFN-γの各々は、hIFN-γのN末端シグナル配列を欠くことに注意されたい;SEQ ID NO:946をSEQ ID NO:947と比較する。例示的な改変hIFN-γが図1に示される。
【0424】
キメラタンパク質hCD20VHH-(GGS)20-野生型hIFN-γ-6xHisまたはキメラタンパク質hCD20VHH-(GGS)20-改変hIFN-γ-6xHisに対するコード配列を、哺乳類発現のためにpMTWベクターにクローニングした。得られたコンストラクトを、ポリエチレンイミンを使用してHek293T細胞中にトランスフェクトした。タンパク質を、Niセファロース(登録商標)エクセル(GE Healthcare)を使用して上清から精製し;イミダゾールを、PD10カラム(GE Healthcare)を使用して試料から除去した。
【0425】
各IFN-γ突然変異の効果を最初に、GAS-ルシフェラーゼレポーターアッセイにおいて試験し、それは細胞のIFNGR1がIFN-γにより結合されたことを報告した。pGAS-TA-ルシフェラーゼレポーターを使用して、野生型または改変hIFN-γを含むキメラタンパク質のSTAT1シグナル伝達を誘導する能力を、CD20陽性Hek293T細胞およびCD20陰性(mock)Hek293T細胞において比較した。ここで、リン酸カルシウムを使用して、細胞を、CD20発現プラスミドを用いて、または用いずに、GAS-ルシフェラーゼレポーターでトランスフェクトした。トランスフェクション2日後に、細胞を再懸濁し、野生型または変異IFN-γを含むキメラタンパク質の段階希釈(図2A図2Pに示される)で一晩、刺激した。ルシフェラーゼを、EnSight(商標)リーダー(Perkin Elmer)を用いて測定した。
【0426】
図2D図2Hおよび図2Pに示されるように、14アミノ酸欠失、15アミノ酸欠失、および16アミノ酸欠失バリアント(それぞれ、P-664、P-665、およびP-666)、V22A1点変異体(P-667)、A23G1点変異体(P-668)、2点変異体A23G-D24G(P-669)、D24G1点変異体(P-670)、および2点変異体I114A-A118G(P-676)は、モックトランスフェクトした細胞に対しCD20を発現する細胞において、増加したルシフェラーゼシグナルを有した。よって、CD20ターゲティング部分を含むこれらのキメラタンパク質は、それらの表面でCD20を発現する細胞中で特異的にシグナル伝達を活性化する。
【0427】
IFN-γ突然変異の効果をその後、STAT1リン酸化を検出する第2のアッセイにおいて試験し、それは細胞のIFNGR1がIFN-γにより結合されたことを示す。ここで、Hek293Tを、CD20-発現プラスミド(CD20陽性)または空ベクター(CD20陰性)でトランスフェクトした。トランスフェクション2日後に、細胞を、野生型または変異IFN-γを含むキメラタンパク質の段階希釈(図3A図3Hに示される)で37℃にて15分間刺激した。その後、細胞を固定し(10分、37℃、FixバッファーI;BD Biosciences)、透過処理し(30分、氷上、Perm IIIバッファーI;BD Biosciences)、洗浄し、それから、抗STAT1 pY701抗体(BD Biosciences)で染色した。データを、FACSCalibur(商標)(BD Biosciences)を用いて獲得し、FlowJo(登録商標)ソフトウェア(FlowJo, LLC)を用いて分析した。
【0428】
図3B図3Dおよび図3Fに示されるように、14アミノ酸欠失、15アミノ酸欠失、および16アミノ酸欠失バリアント(それぞれ、P-664、P-665、およびP-666)および2点変異体A23G-D24G(P-669)は、モックトランスフェクトした細胞(CD20陰性)に対しCD20陽性である細胞においてSTAT1リン酸化を誘導する。よって、これらの4つのキメラタンパク質は、それらの表面上でCD20を発現した細胞においてシグナル伝達を特異的に活性化する。
【0429】
反対に、A23G1点変異体(P-668;図3E)、D24G1点変異体(P-670;図3G)、および2点変異体I114A-A118G(P-676;図3H)は、CD20を発現する細胞およびモックトランスフェクトした細胞において、等しいSTAT1リン酸化を誘導した。よって、これらの他の3つのキメラタンパク質は、それらが第1のアッセイにおいてシグナル伝達を特異的に活性化したとしても、第2のアッセイにおいてシグナル伝達を非特異的に活性化する。
【0430】
2つの異なる実験アッセイを使用して、抗ヒトCD20VHHおよび3つのINF-γ欠失(Δc14、Δc15、およびΔc16)の1つまたは2点-変異体(A23G-D24G)を含むキメラタンパク質は、CD20発現細胞上のIFNGR1に特異的に結合し、活性化する。
【0431】
等価物
発明をその特定の実施形態と関連させて記載してきたが、さらなる改変が可能であり、本出願は、一般に、発明の原理に従い、発明が属する分野内での公知の実行または慣行の範囲内にあり、以上で明記され、添付の特許請求の範囲において従う必須の特徴に適用され得る本開示からのそのような逸脱を含む、発明の全ての変更、使用、適合を包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0432】
当業者であれば、単なるルーチン実験だけを用いて、特定的に本明細書で記載される特定の実施形態の多くの等価物を認識し、または確認できる。そのような等価物は、下記特許請求の範囲内に包含されることが意図される。
【0433】
参照による引用
本明細書で言及される全ての特許および刊行物はこれによりその全体が参照により組み込まれる。
【0434】
本明細書で記載される刊行物は本出願の出願日前のそれらの開示のためだけに提供される。本発明が、先行発明を理由に、そのような刊行物に先行しないということを容認すると解釈されるものは本明細書にはない。
【0435】
本明細書では、全ての表題は単なる組織化のためのものであり、本開示をいかなる意味でも制限することを意図しない。任意の個々のセクションの内容は、全てのセクションに同じように適用可能であり得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図2N
図2O
図2P
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
【配列表】
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