(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】量可変式ストランドコーティング装置および方法
(51)【国際特許分類】
B05C 5/00 20060101AFI20230106BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
(21)【出願番号】P 2020507547
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 US2018044916
(87)【国際公開番号】W WO2019032357
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-28
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】メル スティーブン レスリー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ウェイン ボルヤード,ジュニア
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-215580(JP,A)
【文献】特開2012-067405(JP,A)
【文献】米国特許第05857589(US,A)
【文献】国際公開第2016/171977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00-21/00
B05D1/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布ヘッドと、
前記塗布ヘッド内に延在する第1の流体流路と、
前記塗布ヘッド内に延在する第2の流体流路と、
前記塗布ヘッドに接続され前記第1の流体流路への流体を計量する第1のポンプと、
前記塗布ヘッドに接続され前記第2の流体流路への流体を計量する第2のポンプと、
前記第1のポンプに連通するとともに、前記第1の流体通路の流体の流れを制御するように開状態と閉状態との間で作動可能
な第1の弁モジュールと、
前記第2のポンプに連通するとともに、前記第2の流体通路の流体の流れを制御するように開状態と閉状態との間で作動可能な第2の弁モジュールと、
前記塗布ヘッドに接続されたノズルであって、該ノズルは、
前記流体を吐出する複数の吐出オリフィスを有し、該
複数の吐出オリフィ
スは、前記第1の流路および前記第2の流路の下流に配置されるノズルとを具備
し、
前記ノズルは、前記第1と第2の流体通路と、前記吐出オリフィスとの間に接続された内部導管を含み、該内部導管は、流体が前記複数の吐出オリフィスに流れるように分割する分割セクションを含んでいる流体塗布装置。
【請求項2】
前記
第1と第2の弁モジュールは、
前記第1の弁モジュールが開いており、かつ前記第2の弁モジュールが閉じており、前記流体の第1の量が前記ノズルによって受け取られて、前記
複数のオリフィスから吐出されるようになっている第1の動作状態と、
前記第1の弁モジュールが開いており、かつ前記第2の弁モジュールが開いており、前記流体の第2の量が前記ノズルによって受け取られて、前記
複数のオリフィスから吐出されるようになっている第2の動作状態とを提供するように動作可能である請求項
1に記載の流体塗布装置。
【請求項3】
前記第1の流体流路と第2の流体流路とが交差して第3の流体流路が形成され、該第3の流体流路が前記ノズルの入口に連通する請求項1に記載の流体塗布装置。
【請求項4】
前記第1の流体流路が前記ノズルの第1の入口に連通し、前記第2の流体流路が前記ノズルの第2の入口に連通
し、前記第1の入口および第2の入口が前記内部導管に連通している請求項1に記載の流体塗布装置。
【請求項5】
前記塗布ヘッドが
、前記複数のポンプと前記塗布ヘッドとの間にマニホールドを更に備え
、前記第1と第2の流体通路が該マニホールド貫通している請求項
1に記載の流体塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ストランドコーティングシステムは、1または複数の材料ストランド上にホットメルト接着剤を塗布するように構成される。このようなシステムは、おむつ等の使い捨て衛生製品の構築における使用に向けて、伸縮性の材料ストランドをホットメルト接着剤で被覆するためにしばしば使用される。被覆された弾性ストランドを、ホットメルト接着剤によって下にある基材に接着させて、例えば、使い捨て衛生製品の脚用エラスチック素材(elastics)、カフ用エラスチック素材、またはウェスト用エラスチック素材を形成することができる。
【0002】
ストランドコーティングシステムは、1または複数の伸縮性材料ストランド上にホットメルト接着剤を吐出するノズルを備える。ノズル組立体は、接着剤をストランド上に直接塗布する接触アプリケーター組立体としてもよいし、接着剤が空隙を越えてストランド上に吐出される非接触アプリケーター組立体としてもよい。ノズルは、オリフィスを有し、このオリフィスを通して、ホットメルト接着剤を吐出することができる。1つのストランドコーティングシステムにおいて、ノズルを通るホットメルト接着剤の流れは、材料ストランド上のホットメルト接着剤のコーティング重量を制御するように、計量することができる。
【0003】
いくつかの用途において、ホットメルト接着剤のコーティング重量を材料ストランドの長さに沿って変化させることが望ましい場合がある。このようなコーティング重量の変化は、複数の異なる方法で実現することができる。例えば、材料ストランドは、ノズルを複数回通過することができる。例えば、1回目のノズル通過によって、ストランド上にベースコーティングを提供することができ、2回目のまたは後続のノズル通過によって、ストランドに選択的に重量を追加するようにホットメルト接着剤の間欠塗布を行うことができる。然しながら、このようなプロセスは、時間がかかるとともに労働集約的である。
【0004】
材料ストランドに塗布されるホットメルト接着剤のコーティング重量を変化させる別のシステムは、材料ストランドの進行方向に沿って配置された、2つの離間したノズルの使用を含む。第1のノズルは、ストランドにホットメルト接着剤のベースコーティングを塗布することができ、第2のノズルは、ストランドに重量を追加するように制御することができる。然しながら、このようなシステムは、追加の機器(例えば、複数のノズル)を必要とし、これらの追加の機器が原因で、製造組立て時に大きな面積を占める可能性がある。
【0005】
材料ストランド上のホットメルト接着剤のコーティング重量を変化させるまた別のシステムが、アダムズ等(Adams et al.)の米国特許出願公開第2017/0128968号に記載されている。米国特許出願公開第2017/0128968号は、本願と一体をなすものとして引用する。非接触用途において、アダムズ等(Adams et al.)では、ホットメルト接着剤材料を伸縮性ストランドに塗布するのに、独立操作される2つの別個のノズルを使用する。例えば、一方のノズルは、複数の伸縮性ストランドにホットメルト接着剤の基層を塗布し、別個の第2のノズルは、ストランドにホットメルト接着剤の第2の層を塗布し、それによってストランドに選択的に重量を追加するように操作される。然しながら、上述したように、複数のノズルを使用することで、機器および関連コスト、保守、空間等が増大する。また、複数のストランドにホットメルト接着剤を塗布するのに単一のノズルおよび単一のオリフィスを使用することによって、オーバースプレー(吐出されたがストランド上に受け取られなかったホットメルト)が問題となる場合があり、オーバースプレーは、コーティングプロセスの非効率化および材料コストの増大につながり得る。
【0006】
接触用途において、アダムズ等(Adams et al.)は、伸縮性ストランドの長さに沿った方向に配置された複数の吐出オリフィスを有するノズルを提供している。各吐出オリフィスを通るホットメルト接着剤の流れを、オンまたはオフのいずれかとして制御して、伸縮性ストランド上に塗布されるホットメルト接着剤のコーティング重量を制御することができる。すなわち、ホットメルト接着剤のコーティング重量は、ホットメルト接着剤が異なる吐出オリフィスから吐出されるのを可能にするまたは阻止することによって制御することができる。然しながら、このようなノズルの製造にはかなりの機械加工が必要であり、そのような機械加工は、時間がかかるとともに高コストであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2017/0128968号
【文献】米国特許出願公開第2016/0303597号
【文献】米国特許第6,688,498号
【文献】米国特許第8,413,848号
【文献】米国特許出願公開第2015/0128856号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ストランドコーティングシステムにおいて、ノズルの単一のオリフィスから可変量の材料を吐出可能な流体塗布装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様によれば、流体塗布装置は、サービス塗布ヘッドと、塗布ヘッド内に延在する第1の流体流路と、塗布ヘッド内に延在する第2の流体流路と、塗布ヘッドに接続された複数の計量装置とを備える。複数の計量装置のうち第1の計量装置は、第1の流体流路への流体を計量するように構成され、複数の計量装置のうち第2の計量装置は、第2の流体流路への流体を計量するように構成される。流体塗布装置は、塗布ヘッドに接続された複数の弁モジュールであって、各弁モジュールは、流体の流れを制御するように開状態と閉状態との間で作動可能である、複数の弁モジュールと、塗布ヘッドに接続されたノズルであって、1または複数の吐出オリフィスを有する、ノズルとを更に備える。1または複数の吐出オリフィスのうちの少なくとも1つのオリフィスは、第1の流路および第2の流路の下流に配置され、第1の流体流路および第2の流体流路のそれぞれから材料を受け取るように構成される。
【0010】
別の態様によれば、流体塗布装置のノズルオリフィスから吐出される材料の量を変化させる方法は、第1の流体流路を介してノズルオリフィスへの材料の第1の量を計量することと、第2の流体流路を介してノズルオリフィスへの材料の第2の量を計量することと、第2の流体流路内の弁モジュールによって、ノズルオリフィスへの材料の第2の量の流れを制御することとを含む。材料の第2の量の流れを制御することは、弁モジュールを開いて、第2の材料をノズルオリフィスに供給することと、弁モジュールを閉じて、ノズルオリフィスへの第2の材料の流れを阻止することとを含む。
【0011】
本開示の他の目的、特徴、および利点は、添付図面と併せることで、以下の記載から明らかになる。図面において、同様の符号は、同様の部分、部材、構成要素、ステップ、およびプロセスを指す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本明細書に記載の1つの実施形態による流体塗布装置の斜視図である。
【
図2】本明細書に記載の別の実施形態による流体塗布装置の斜視図である。
【
図3】本明細書に記載の別の実施形態による他の流体塗布装置の斜視図である。
【
図4】本明細書に記載の1つの実施形態による流体流路を示す概略図である。
【
図5】本明細書に記載の別の実施形態による流体流路を示す概略図である。
【
図6】1つの実施形態による流体塗布装置におけるノズルオリフィスから吐出される材料の量を変化させる方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は様々な形態の実施形態が可能であるが、本開示は単なる例示であり、記載または図示した特定の実施形態に本開示を限定することを意図していないという理解の下に、本開示の1または複数の実施形態を図面し、また以下に説明する。
【0014】
図1は、本明細書に記載の1つの実施の形態による流体塗布装置10の斜視図である。
図2は、別の実施形態による流体塗布装置10の斜視図である。
図1、2を参照すると、流体塗布装置10は、概して、塗布ヘッド11と、複数の計量装置16と、1または複数の弁モジュール18と、ノズル20とを備える。塗布ヘッド11は、例えば、互いに固定されるサービスブロック12およびアダプター14を備えることができる。1つの例において、サービスブロック12とアダプターとは、当接関係にして互いに直接固定することができる。1つの実施形態において、ノズル20は、個々のストランド22上に材料を塗布するように構成された接触アプリケーターである。別の実施形態において、ノズル20は、非接触アプリケーターまたはスロットダイアプリケーターとすることができる。接触アプリケーターまたはノズルにおいて、材料は、ストランドまたは基材上に直接塗布される。すなわち、ストランドまたは基材は、材料が吐出される際、材料とまたは材料が吐出されるオリフィスと接触または近接する。非接触アプリケーターまたはノズルにおいて、材料は、空隙を越えてストランドまたは基材上に吐出される。塗布ヘッド11には、例えば、サービスブロック12およびアダプター14には、材料がサービスブロック12およびアダプター14を通ってノズル20まで流れることができるように、第1の流体流路24および第2の流体流路26(
図4、5を参照)が形成されている。
【0015】
1つの実施形態において、複数の計量装置16は、1または複数のポンプとすることができる。1つの実施形態において、ポンプは、歯車ポンプとすることができる。歯車ポンプは、共通のモーターによって駆動される歯車を備える複数の積層プレートの形態にして設けることができる。いくつかの実施形態において、歯車ポンプは、権利者が本願と共通し、マガフィー(McGuffey)の米国特許出願公開第2016/0303597号に図示および開示されているものとしてもよいし、いずれも権利者が本願と共通し、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす、マガフィー(McGuffey)に付与された米国特許第6,688,498号またはマガフィー(McGuffey)に付与された米国特許第8,413,848号に図示および開示されているものとしてもよい。米国特許出願公開第2016/0303597号、米国特許第6,688,498号および米国特許第8,413,848号は、本願と一体をなすものとして引用する。計量装置16は、塗布ヘッド11に、例えばサービスブロック12に、直接取り付けるまたは取外し可能に取り付けることができる。別の実施形態において、計量装置16は、塗布ヘッド11から遠隔に配置することができる。
【0016】
計量装置16は、供給源(図示せず)からホットメルト接着剤等の材料を受け取るように構成される。
図4、5を参照すると、1つの実施形態において、計量装置16は、第1の流体供給流路24への材料を計量するように構成された第1の計量装置116と、第2の流体供給流路26への材料を計量するように構成された第2の計量装置216とを含む。すなわち、第1の計量装置116は、材料の第1の分量または量を計量するように構成され、第2の計量装置216は、材料の第2の分量または量を計量するように構成される。1つの実施形態において、塗布ヘッド11は、計量装置16とサービスブロック12との間に配置されるマニホールド28を更に備えることができ、計量装置16は、マニホールド28に直接取外し可能に取り付けることができる。第1の流体流路24および第2の流体流路26は、マニホールド28を通って延在する。
【0017】
アダプター14は、ねじ付き締結具等のような既知の好適な締結具を用いてサービスブロック12に接続され、第1の流体流路24および第2の流体流路26から材料を受け取るように、サービスブロック12に連通する。
図4を参照すると、1つの実施形態において、第1の流体流路24および第2の流体流路26は、アダプター14を通ってそれぞれの第1の出口30および第2の出口32まで延在する。
【0018】
図5を参照すると、別の実施形態において、第1の流体流路24と第2の流体流路26とは、塗布ヘッド11において、例えばアダプター14またはサービスブロック12において、交わって第3の流体流路34を形成することができる。第3の流体流路34は、単一の材料出口36まで延在する。
【0019】
ノズル20は、塗布ヘッド11に、例えばアダプター14に、ねじ付き締結具等のような既知の好適な締結具を用いて固定される。ノズル20は、アダプター14に連通し、アダプター14から材料を受け取るように構成される。1つの実施形態において、ノズル20は、材料を吐出するように1または複数の吐出オリフィス38を有する。1つの実施形態において、ノズル20は、アダプター14のそれぞれ第1の出口30および第2の出口32から材料を受け取るように構成された第1の入口40および第2の入口42を有する。別の実施形態において、ノズル20は、アダプター14の第3の流体流路34に対応する単一の材料出口36から材料を受け取るように構成された単一の材料入口44を有する。1または複数の吐出オリフィス38は、第1の流体流路24および第2の流体流路26の下流に配置され、第1の流体流路24および第2の流体流路26の双方から材料を選択的に受け取って吐出するように構成される。
【0020】
図4に示すように、ノズル20は、第1の流体流路24と第2の流体流路26との間に相互接続される1または複数の内部導管46と、1または複数の吐出オリフィス38とを有する。1または複数の内部導管46は、第1の流体流路24および第2の流体流路26からノズル20内に受け取られた材料が合流して単一の流れになることができるように、交わることができる。1または複数の内部導管は、交点の下流の分割セクションも含むことができ、分割セクションにおいて、複数のオリフィス38からの吐出に向けて材料の流れを分割することができる。別の実施形態において、
図5に示すように、材料は、第3の流体流路34からノズル20内に受け取り、内部導管46によって複数の吐出オリフィス38間で分割することができる。
【0021】
1つの実施形態において、ノズル20は、ねじ付き締結具等の好適な締結具と一緒に固定される複数の積層プレートを含む積層プレートノズルとすることができる。このような積層ノズルプレートの例は、権利者が本願と共通するレスリー等(Lessley et al.)の米国特許出願公開第2015/0128856号に図示、記載されている。米国特許出願公開第2015/0128856号は、本願と一体をなすものとして引用する。1つの実施形態において、複数の吐出オリフィス38は、共通の線に沿って配置することができる。例えば、吐出オリフィス38は、積層プレートのうちの単一のプレート上に全て配置することができる。然しながら、本開示は、このような構成に限定されない。
【0022】
図1~
図5に示すように、1または複数の弁モジュール18は、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218を含むことができる。第1の弁モジュール118は、第1の流体流路24において開状態と閉状態との間で作動するように構成された第1の弁を含む。開状態において、材料の流れは、第1の流体流路24を通ることが可能であり、閉状態において、材料の流れは、制限または阻止される。同様に、第2の弁モジュール218は、第2の流体流路26において開状態と閉状態との間で作動するように構成された第2の弁を含む。開状態において、材料の流れは、第2の流体流路26を通ることが可能であり、閉状態において、材料の流れは、制限または阻止される。1または複数の弁モジュール18は、アダプター14またはサービスブロック12上に取り付けることができる。第1の弁および第2の弁は、ソレノイド弁とすることができるが、これに限定されない。
【0023】
図3を参照すると、1つの実施形態において、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218は、互いに対して平行でない角度において塗布ヘッド11上に取り付けることができる。このような構成において、塗布ヘッド、例えば、アダプター14は、弁モジュール118、218が取り付けられる傾斜面を有することができる。代替的には、弁モジュール118、218は、傾斜した取付け面を有することができる。弁モジュール118、218の対応する弁は、互いに交わる線に沿って突き出る。したがって、閉状態へと突き出る場合、弁モジュール118、128の弁は、互いに向かって動き、閉状態において、開状態におけるよりも互いに横方向に接近する。したがって、第1の流体流路24および第2の流体流路26は、互いにより接近させて配置することができる。第1の流体流路24と第2の流体流路26との間の距離がより短いので、より幅の小さいノズル20を用いてもよい。
【0024】
流体塗布装置は、弁モジュール118、218に作動的に接続されるコントローラー48を更に備えることができる。コントローラー48は、開状態と閉状態との間での弁の作動を制御するように構成される。例えば、コントローラー48は、弁を、所定の間隔でまたは作業員の入力に応じて作動させることができる。また、コントローラー48は、例えば、第1の計量装置116および第2の計量装置216を通る流量を制御するように、計量装置16に作動的に接続することができる。1つの実施形態において、コントローラー48は、計量装置16の駆動モーターの出力を制御するように、この駆動モーターに接続することができる。
【0025】
流体塗布装置は、限定されないが、ヒーター、フィルター、電力入力部、および、材料ストランドをノズル20に対して位置決めするストランド位置決め部材等の追加のコンポーネントを備えることができる。さらに、
図1~
図3に示すように、様々な数のストランド22をノズル20の傍に給送することができる。例えば、
図1に示すように、単一のストランド22がノズル20の傍に給送される。
図2では、3本のストランド22がノズル20の傍に給送され、
図3では、2本のストランド22がノズル20の傍に給送される。然しながら、本開示は、ストランド22のそのような数に限定されない。1つの実施形態において、各吐出オリフィス38は、それぞれのストランド22上に材料を吐出する。
【0026】
上記の実施形態において、第1の計量装置116は、第1の流体流路24への材料の第1の量を計量する。材料の第1の量は、その後、第3の流体流路34またはノズル20の内部導管46に流れ込む。流体の第1の量は、次に、吐出オリフィス38のうちの1つ以上に流れて吐出され、1または複数のそれぞれのストランド22に塗布される。第2の計量装置216は、第2の流体流路26への材料の第2の量を計量する。材料の第2の量は、その後、第3の流体流路34またはノズル20の内部導管46に流れ込む。流体の第2の量は、次に、吐出オリフィス38のうちの1つ以上に流れて吐出され、1または複数のそれぞれのストランド22に塗布される。したがって、材料の第1の量と材料の第2の量とは、同じ単数のオリフィス38または複数のオリフィス38から一緒に吐出される。材料の第2の量は、材料の第1の量と同じでも異なってもよい。
【0027】
材料の第1の量および第2の量の吐出は、弁モジュール18によって制御することができる。1つの実施形態において、弁モジュール18は、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218を含み、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218は、第1の流体流路24および第2の流体流路26それぞれに選択的に配置される。開状態において、弁モジュール118、218は、材料の第1の量および第2の量をそれぞれ通過させ、閉状態において、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218は、材料の第1の量および第2の量それぞれの流れを阻止する。
【0028】
使用時、ノズル20、特にノズル20のオリフィス38は、材料の第1の量を吐出して、1または複数のストランド22上に材料の第1のコーティング重量を塗布することができる。材料の第2の量を、材料の第1の量と一緒に同じオリフィス38から吐出して、1または複数のストランド22に材料の追加のまたは増加したコーティング重量を供給することができる。コントローラー48は、弁モジュール118、218の開閉を制御するように、弁モジュール118、218に作動的に接続することができる。したがって、ストランド22が流体塗布装置10のノズル20の傍に給送される際、ストランド上に塗布される材料のコーティング重量は、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218を制御することによって変化させることができる。
【0029】
流体塗布装置10は、第1の弁モジュール118および第2の弁モジュール218の状態に基づいて複数の異なる状態で動作可能である。第1の状態では、第1の弁モジュール118は開いており、第2の弁モジュール218は閉じている。したがって、材料の第1の量を、オリフィス(複数の場合もある)38から吐出して、ストランド(複数の場合もある)上に第1のコーティング重量を塗布することができる。第2の動作状態では、第1の弁モジュール118と第2の弁モジュール218とが開いている。したがって、材料の第1の量および第2の量が、オリフィス(複数の場合もある)から同時に吐出され、ストランド(複数の場合もある)上に第2のコーティング重量を塗布する。第3の動作状態では、第1の弁モジュール118と第2の弁モジュール218との双方が閉じており、したがって、材料がオリフィス(複数の場合もある)から吐出されない若しくは実質的に吐出されない、またはストランド(複数の場合もある)に塗布されない若しくは実質的に塗布されない。第4の状態では、第1の弁モジュール118は、閉じていることができ、第2の弁モジュール218は、開いていることができ、したがって、材料の第2の量のみが、オリフィス(複数の場合もある)から吐出されて、ストランド(複数の場合もある)上に第3のコーティング重量を塗布する。
図1~
図3を参照すると、ストランド22は、異なるコーティング重量を有する複数の長さを有することができる。例えば、第1のコーティング重量は、C1で示されており、第2のコーティング重量は、C2で示されており、被覆されていない部分は、C3で示されている。然しながら、本開示は、このようなコーティング重量またはパターンに限定されない。
【0030】
図6は、流体塗布装置のノズルオリフィスから吐出される材料の量を変化させる方法S300を示す図である。本明細書に記載の実施形態によれば、本方法は、S310において、第1の流体流路24への材料の第1の量を計量することと、S320において、第2の流体流路26への材料の第2の量を計量することと、S330において、第2の流体流路内の弁モジュール218によって、ノズルオリフィス38への材料の第2の量の流れを制御することとを含む。材料の第2の量の流れを制御することは、S332において、弁モジュール218を開いて、第2の材料をノズルオリフィスに供給することと、S334において、弁モジュール218を閉じて、ノズルオリフィス38への第2の材料の流れを阻止することとを含む。ノズルオリフィス38は、複数のノズルオリフィス38を含む。本方法は、別の弁モジュール118を開いてまたは閉じて、オリフィス38への材料の第1の量の流れを選択的に可能にするまたは阻止することにより、材料の第1の量の流れを制御することを更に含むことができる。
【0031】
本明細書で参照されている全ての特許は、本開示の文章内に明示されているか否かにかかわらず、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0032】
本開示において、数量を特定しないもの(the words "a" or "an")は、単数および複数の双方を含むものと解釈されるべきである。反対に、複数のものに対する言及は、適切な場合、単数を含むものとする。
【0033】
上述の記載から、本発明の新規の構想の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、多数の変更および変形を実施することができることが認識される。示されている特定の実施形態に対して一切の限定が意図されず、または暗示もされないことが理解される。本開示は、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲の範囲内にある全ての変更を包含するように意図される。
【符号の説明】
【0034】
10 流体塗布装置
11 塗布ヘッド
12 サービスブロック
14 アダプター
16 計量装置
18 弁モジュール
20 ノズル
22 ストランド
24 第1の流体供給流路
26 第2の流体供給流路
28 マニホールド
30 第1の出口
32 第2の出口
34 第3の流体流路
36 材料出口
38 吐出オリフィス
40 第1の入口
42 第2の入口
44 材料入口
46 内部導管
48 コントローラー
116 第1の計量装置
118 第1の弁モジュール
216 第2の計量装置
218 第2の弁モジュール
218 弁モジュール