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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】研磨バフ物品
(51)【国際特許分類】
   B24D 13/04 20060101AFI20230106BHJP
   B24D 3/28 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
B24D13/04
B24D3/28
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020536072
(86)(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 US2018067515
(87)【国際公開番号】W WO2019133617
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】62/612,133
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】507169495
【氏名又は名称】サン-ゴバン アブラジフ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジアンナ
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ、イン
(72)【発明者】
【氏名】シャペル、マイク ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シュ
(72)【発明者】
【氏名】タニケッラ、ブラフマーナンダム ブィ.
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519419(JP,A)
【文献】特表2014-508046(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0099871(US,A1)
【文献】米国特許第02767524(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 13/04
B24D 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定された研磨バフであって、
複数の固定された研磨布と、
中心ハブと、
を備え、
前記固定された研磨布は、前記ハブに取り付けられ、
各研磨布は、布に固定された研磨組成物を含み、
前記布は、織布、不織布、又はそれらの組合せを含み、
前記研磨組成物は、ポリマー性バインダ、及び前記ポリマー性バインダ中に分散した複数の研磨粒子を含み、
前記研磨組成物は、前記布の繊維内に配置され、
前記布が、少なくとも50マイクロメートル~2000マイクロメートル以下の厚さを有し、
前記研磨組成物の研磨コーティングが、少なくとも60マイクロメートル~300マイクロメートル以下のアドオン厚さを有し、
前記固定された研磨バフが1:0.2~1:0.8の範囲にわたる布厚さ対アドオン厚さの比を有する、固定された研磨バフ。
【請求項2】
前記不織布が、スパンボンド点接合布を含む、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項3】
前記ポリマー性バインダが、アクリル組成物、スチレンブタジエン組成物、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項4】
前記ポリマー性バインダが、少なくとも-30℃かつ5℃以下であるガラス転移温度(Tg)を有する、請求項3に記載の固定された研磨バフ。
【請求項5】
前記布が、少なくとも25~500g/m以下の布重量を有し、前記研磨組成物が、少なくとも75~500g/m以下のアドオン重量(add-on weight)を有する、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項6】
1:0.5~1:3の範囲にわたる布重量対アドオン重量の比を更に有する、請求項5に記載の固定された研磨バフ。
【請求項7】
1:0.3~1:0.6の範囲にわたる布厚さ対アドオン厚さの比を更に有する、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項8】
前記研磨組成物が、
前記研磨布の15重量%~90重量%を構成する、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項9】
前記布が、
前記研磨布の10重量%~85重量%を構成する、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項10】
前記研磨組成物が、前記布の第1の側面及び第2の側面上にさらに配置される、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項11】
前記研磨組成物が、
20重量%~90重量%の研磨砥粒と、
10重量%~80重量%の前記ポリマー性バインダと、
を含み、更に、
0.1重量%~10重量%のレオロジー改質剤と、
を含む、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項12】
前記研磨組成物が、前記布の繊維間の前記第1の側面から前記第2の側面に配置される、請求項10に記載の固定された研磨バフ。
【請求項13】
固定された研磨バフであって、
複数の布層と、
前記布層の各々の繊維に配置された研磨組成物と、
を含み、
前記研磨組成物は、前記布層の各々のうちに少なくとも部分的に配置され、
前記研磨組成物は、ポリマー性バインダ、及び前記ポリマー性バインダ中に分散した複数の研磨粒子を含み、
前記布層は、不織スパンボンド点接合布を備え、
前記ポリマー性バインダは、少なくとも-30℃かつ20℃以下であるガラス転移温度(Tg)を持つスチレンブタジエン組成物を含み、
前記布が、少なくとも50マイクロメートル~2000マイクロメートル以下の厚さを有し、
前記研磨組成物の研磨コーティングが、少なくとも60マイクロメートル~300マイクロメートル以下のアドオン厚さを有し、
前記固定された研磨バフが1:0.2~1:0.8の範囲にわたる布厚さ対アドオン厚さの比を有する、固定された研磨バフ。
【請求項14】
前記研磨粒子が、炭化ケイ素を含む、請求項1に記載の固定された研磨バフ。
【請求項15】
前記研磨組成物が、200g/m 以下のアドオン重量を有する、請求項14に記載の固定された研磨バフ。
【請求項16】
前記研磨粒子が、炭化ケイ素を含む、請求項13に記載の固定された研磨バフ。
【請求項17】
前記研磨組成物が、200g/m 以下のアドオン重量を有する、請求項16に記載の固定された研磨バフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、研磨バフ物品(「研磨バフ」)、及びそれを作製する方法に関する。研磨バフは、噴霧乾燥した研磨凝集体などの研磨粒子を含む研磨ポリマー性組成物が含浸された、布などの基材を含む。研磨バフは柔軟であり、複雑な形状を持つ被加工物に適合し、効果的に研磨し、艶出しし、バフ研磨することができる。
【背景技術】
【0002】
従来のバフ及びバフホイール(本明細書では、まとめて「バフ」と称する)は、とりわけ、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、木材、石、シリコン、光学材料で作られた部品を研磨するために使用される。バフ研磨とは、表面のより厳密な取り代処理の後に典型的に達成される、仕上げプロセスである。
【0003】
バフは、しばしば、「カット」バフ又は「カラー」バフのいずれかに分類される。「カット」バフはより積極的であり、典型的には、バフと被加工物との間の圧力が中圧~高圧のより粗いバフ研磨化合物で使用され、この被加工物は、バフの回転方向に対して前進する。この結果、被加工物上のスクラッチが改善され、均一でマットな仕上げが得られる。対照的に、「カラー」バフは、典型的には、バフと被加工物との間の圧力が中圧~低圧のより微細なバフ研磨化合物で使用され、この被加工物は、バフの回転方向に対して前進する。カラーバフを使用すると、被加工物の表面のスクラッチは更に改善され、反射率が高く鏡のような仕上がりになる。
【0004】
従来のバフは、典型的には、いかなる固定された研磨材料も含まない。その代わりに、研磨乳剤(abrasive emulsion)又は固体ワックス状研磨化合物をバフの作用表面に外部から塗布し、研磨作業中は周期的に再塗布する。従来のバフ研磨システムには、研磨化合物の輸送及び塗布システムを維持及び洗浄するための高いコストと、バフ研磨プロセス中の高材料浪費と、研磨化合物の廃棄に関連するコスト及び懸念とを含む、種々の欠点がある。
【0005】
そのため、より良い研磨加工性能、効率、及びより良い表面品質を提供することができるような、改良された研磨製品及び研磨方法が、引き続き要求されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
図1図1は、一実施形態に係る研磨バフの画像である。
図2図2は、一実施形態に係る研磨バフの製造方法のプロセスフローシートである。
図3A図3Aは、研磨バフの織布基材の表面上に配置された研磨組成物(ポリマー性バインダ組成物中の研磨砥粒)の画像であり、ここで、研磨砥粒は、一実施形態に係る織布基材の繊維の内部及び繊維間に浸透する。
図3B図3Bは、図3Aと同じ実施形態の断面画像であり、研磨組成物が織布基材の両面(すなわち、前面及び背面)に配置され、研磨砥粒が織布の繊維の内部及び繊維間に浸透していることを示している。
図4A図4Aは、一実施形態に係るコーティング前の不織布の図である。
図4B図4Bは、一実施形態に係るコーティング前の不織布の図である。
図5図5は、一実施形態に係る研磨組成物でディップコーティングされている、織布基材の図である。
図6図6は、研磨物品の研磨試験を行うために設定された、一実施形態に係る研磨バフを示す画像である。
図7A図7Aは、研磨バフの不織布基材の表面上に配置された研磨組成物(ポリマー性バインダ組成物中の研磨砥粒)の画像であり、ここで、研磨砥粒は、一実施形態に係る不織布基材の繊維の内部及び繊維間に浸透する。
図7B図7Bは、図7Aと同じ実施形態の断面画像であり、研磨組成物が不織布基材の両面に配置され、研磨砥粒が不織布の繊維の内部及び繊維間に浸透していることを示している。
図8A図8Aは、研磨バフの不織布基材の表面上に配置された研磨組成物(ポリマー性バインダ組成物中の研磨砥粒)の画像であり、ここで、研磨砥粒は、一実施形態に係る不織布基材の繊維の内部及び繊維間に浸透する。
図8B図8Bは、図8Aと同じ実施形態の断面画像であり、研磨組成物が不織布基材の両面に配置され、研磨砥粒が不織布の繊維の内部及び繊維間に浸透していることを示している。
図9図9は、被加工物上で10°角試験(10 Degree Angle testing)を実施するために設定された、試験の図である。
図10図10は、バイアスを有する布の実施形態を図示する。
【0007】
当業者は、図中の要素が単純化及び明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解している。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の説明は、本教示の具体的な実装及び実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲又は適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願で開示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0009】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、又はその任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、そのような方法、物品、又は装置に明示的に列挙されていないか又は固有ではない他の特徴を含み得る。更に、そうではないと明示的に述べられていない限り、「又は(or)」は、包含的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指さない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真(又は存在する)かつBは偽(又は存在しない)、Aは偽(又は存在しない)かつBは真(又は存在する)、及びAとBの両方が真(又は存在する)である。
【0010】
また、「1つ(a)」又は「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つ、少なくとも1つ、又は複数も含む単数形、又はその逆を含むように読む必要がある。例えば、本明細書で単一の物品が説明される場合、単一の物品の代わりに複数の物品が使用されることができる。同様に、本明細書で複数の物品が説明される場合、それら複数の物品に代えて単一の物品が使用され得る。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「凝集体(aggregate)」とは、圧力又は攪拌を受けることによって集合粒子をより小さな粒子へと分離又は分解することが比較的困難であるような様式で結合された、複数のより小さな粒子でできた粒子を指すために使用することができる。これは、本明細書で使用される用語「塊成物(agglomerate)」とは対照的であり、「塊成物」とは、塊成粒子を分離するか又は塊成粒子を分解してより小さな粒子に戻すことが比較的容易であるような様式で結合された、複数のより小さな粒子でできた粒子を指す。
【0012】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、及び例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書に記載されていない範囲で、特定の材料及び処理行為に関する多くの詳細は、従来のものであり、研磨技術分野内の教科書及び他のソースにおいてみることができる。
【0013】
図1は、複数の織布層(102)を備える研磨バフ物品(100)(「研磨バフ」)の一実施形態の画像を示す。研磨組成物は布層の各々に固定される。布層の各々は複数のヤーンを備え、研磨組成物は、少なくとも部分的にヤーン内及び/又はヤーン間に配置される。研磨組成物は、ポリマー性バインダ、及びポリマー性バインダ中に分散した複数の研磨粒子を含む。
【0014】
図2は、研磨バフを形成する方法300のプロセスフローシートを示す。ステップ202は、複数の研磨砥粒とポリマー性バインダとを一緒に混合して、前駆体組成物を形成することを含む。一実施形態では、研磨砥粒は、研磨凝集体を含むことができる。ステップ204は、織布に前駆体組成物を含浸させることを含む。一実施形態では、研磨砥粒は、織布の繊維内及び繊維間に浸透する。一実施形態では、前駆体組成物は、織布の両面(すなわち、前面及び背面)に配置することができる。ステップ206は、前駆体組成物を硬化させて、研磨織物を形成することを含む。ステップ208は、研磨織物を研磨バフへと成形することを含む。
【0015】
図3Aは、研磨バフの織布基材の表面の画像であり、ここで、研磨組成物(すなわち、ポリマー性バインダ組成物中に分散した研磨砥粒)は、一実施形態に係る織布基材の繊維の内部及び繊維間に研磨組成物(研磨砥粒を含む)が浸透するように、布上及び布内部に配置される。
【0016】
図3Bは、図3Aと同じ実施形態の断面画像であり、研磨組成物が織布基材の両面(すなわち、前面及び背面)に配置されていることを示している。研磨組成物(研磨砥粒を含む)は、織布の繊維内及び繊維間に浸透している。
【0017】
研磨布組成物
研磨バフの研磨布は、様々な量の研磨組成物を含むことができる。一実施形態では、研磨組成物の量は、研磨布の少なくとも30重量%、例えば研磨布の少なくとも35%重量%、少なくとも38重量%、少なくとも40重量%、少なくとも42重量%、又は少なくとも44重量%を含むことができる。別の実施形態では、研磨組成物は、研磨布の85重量%以下、例えば研磨布の80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、又は55重量%以下を含むことができる。研磨組成物の量は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、研磨組成物の量は、研磨布の少なくとも30重量%~85重量%以下、例えば研磨布の少なくとも35重量%~80重量%以下、例えば研磨布の少なくとも40重量%~75重量%以下、例えば研磨布の少なくとも40重量%~70重量%以下を含むことができる。
【0018】
研磨バフの研磨布は、様々な量の布を含むことができる。一実施形態では、布の量は、研磨布の少なくとも10重量%、例えば研磨布の少なくとも15%重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも35重量%を含むことができる。別の実施形態では、布は、研磨布の70重量%以下、例えば研磨布の65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、又は50重量%以下を含むことができる。布の量は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、布の量は、研磨布の少なくとも15重量%~70重量%以下、例えば研磨布の少なくとも20重量%~65重量%以下を含むことができる。
【0019】
アドオン重量(ADD-ON WEIGHT)
あるいは、研磨布を含む研磨組成物の量は、布に付加される研磨組成物の量又は「重量」(単位面積当たりの質量)として表すことができる(すなわち、アドオン重量)。一実施形態では、アドオン重量は、少なくとも10グラム/平方メートル(「GSM」)、例えば少なくとも25GSM、少なくとも50GSM、少なくとも75GSM、少なくとも100GSM、又は少なくとも150GSMを含むことができる。別の実施形態では、アドオン重量は、800GSM以下、例えば700GSM以下、600GSM以下、500GSM以下、400GSM以下、300GSM以下、275GSM以下、250GSM以下、225GSM以下、又は200GSM以下を含むことができる。アドオン重量は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、アドオン重量は、少なくとも50GSM~800GSM以下の重量、例えば少なくとも75GSM~500GSM以下の重量、少なくとも100GSM~300GSM以下の重量を含むことができる。
【0020】
布層
研磨バフは複数の布層を含むことができる。一実施形態では、布層の各々は、布層の各々に固定された研磨組成物を含むことができる。一実施形態では、布層は、織布、不織布、又はそれらの組合せを含むことができる。一実施形態では、研磨組成物は、布の第1の側面上に配置することができる。一実施形態では、研磨組成物は更に、布の第2の側面上に配置される。
【0021】
特定の実施形態では、布は織布を含む。一実施形態では、織布は、経糸及び緯糸のような複数のヤーンを備えることができる。一実施形態では、研磨組成物は、経糸と緯糸との間など、少なくとも部分的にヤーン内部又はヤーン間に配置することができる。一実施形態では、研磨組成物は、布の第1の側面から布の第2の側面までのヤーンの間で布全体へ更に配置することができる。
【0022】
別の実施形態では、布は不織布を含む。本明細書で使用される場合、用語「不織布又はウェブ」とは、個々の繊維又はスレッドの構造を有するが、編地のように識別可能な様式ではないウェブを意味する。不織布又はウェブは、例えば、メルトブローイング法、スパンボンド法、及びボンドカードウェブ(bonded carded web)法などの多くの手法で形成することができる。不織布の坪量は、通常、材料のオンス/平方ヤード(osy)、又はグラム/平方メートル(gsm)で表され、繊維直径は、通常、マイクロメートルで表される。(osyからgsmに変換するには、osyに33.91を掛けることに留意されたい)。一実施形態では、不織布は、スパンボンド繊維のスパンボンド布(「スパンレイ(spunlaid)」布としても知られる)を含むことができる。「スパンボンド繊維」とは、フィラメントとして溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形である紡糸口金のキャピラリから押し出しすることによって形成され、押し出されたフィラメントの直径がその後急速に減少するような、小径繊維を指す。スパンボンド繊維は、それらが収集面上に堆積される場合、一般に粘着性ではない。スパンボンド繊維は一般に連続している。
【0023】
一実施形態では、スパンボンド布は、メルトブローン繊維のメルトブローン布を含むことができる。「メルトブローン繊維」とは、溶融スレッド又はフィラメントとして溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な通常は円形であるダイキャピラリを通じて、溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細くしその直径を小さくする(マイクロファイバの直径となってもよい)ように収束する高速の通常は高温であるガス(例えば、空気)の流れへと押し出すことによって、形成された繊維を意味する。
【0024】
その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって運ばれ、収集面上に堆積して、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても又は不連続であってもよく、一般に平均直径が10マイクロメートル未満であり、収集面上に堆積されると一般に粘着性である、マイクロ繊維である。
【0025】
一実施形態では、スパンボンド布は、ウェブを一緒に保持するボンドを含む。一実施形態では、ボンドは、電熱ボンド(熱接合)、水流交絡ボンド、樹脂ボンド、又はそれらの組合せを含むことができる。熱接合は、平面接合、点接合(パターン接合としても知られる)、及びスルー・エア接合(through-air bonding)を含むことができる。平面接着は、平らなカレンダの形で熱及び均一な圧力をウェブ全体に加えることによって起こり、これによって、互いに接合された繊維の表面が滑らかになる。点接合(パターン接合としても知られる)は、加熱したロールへ、ロールに型押ししたパターンを適用する方法である。繊維はロールの特定のパターンポイントでのみ共に接合される。あるいは、点接合は超音波溶接によって行うこともできる。点接合は、S字形パターン、拡大ハンセン・ペニングス(Expanded Hansen-Penning、EHP)パターン、金網パターン、点非結合パターン(Point Unbonded Pattern、PUB)、又はそれらの組合せなど、様々な点接合パターンのいずれか又はそれらの組合せを含むことができる。スルー・エア接合は、加熱されたドラムを通してウェブを引き出して、ウェブに特定の圧力を加えることなく、布全体に結合を形成する。特定の実施形態では、布は、不織スパンボンド点接合布を含むことができる。
【0026】
一実施形態では、研磨組成物は、少なくとも部分的に、不織ウェブの繊維内部又は繊維間に配置することができる。一実施形態では、研磨組成物は、布の第1の側面から布の第2の側面までのウェブの繊維間で、不織布全体へ更に配置することができる。
【0027】
布層の数
研磨バフは、複数の布層(プライとも呼ばれる)を備えることができる。一実施形態では、布層の数は、少なくとも2層、例えば少なくとも4層、少なくとも6層、少なくとも8層、又は少なくとも10層であってもよい。別の実施形態では、層の数は、20層以下、例えば18層以下、16層以下、14層以下、又は12層以下であってもよい。布層の数は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、布層の数は、少なくとも2層~20層以下、例えば少なくとも4層~18層以下、少なくとも6層~16層以下、又は少なくとも8層~14層以下を含むことができる。
【0028】
織り
一実施形態では、布層は織物を含むことができる。一実施形態では、織物は、平織り、バスケット織り、畝織り、バランス平織り(balanced plain weave)、綾織り、繻子織り、又はそれらの組合せを含む、1つ又は複数の織りのパターンを含むことができる。
【0029】
スレッド数-経糸
織物のスレッド数は、経糸方向でも緯糸方向でも変化し得る。一実施形態では、織物は、経糸方向で少なくとも50スレッド/インチ、例えば少なくとも55スレッド/インチ、少なくとも60スレッド/インチ、少なくとも65スレッド/インチ、少なくとも70スレッド/インチ、少なくとも75スレッド/インチ、少なくとも80スレッド/インチ、少なくとも85スレッド/インチ、又は少なくとも90スレッド/インチを含むことができる。別の実施形態では、織物は、300スレッド/インチ以下、例えば280スレッド/インチ以下、260スレッド/インチ以下、240スレッド/インチ以下、220スレッド/インチ以下、又は200スレッド/インチ以下を含むことができる。1インチ当たりのスレッド数は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。具体的な実施形態では、1インチ当たりのスレッド量は、経糸方向で少なくとも50スレッド/インチ~300スレッド/インチ以下、例えば50スレッド/インチ~100スレッド/インチ以下、又は100スレッド/インチ~300スレッド/インチ以下を含むことができる。
【0030】
スレッド数-緯糸
織物のスレッド数は、緯糸方向でも経糸方向でも変化し得る。一実施形態では、織物は、緯糸方向で少なくとも50スレッド/インチ、例えば少なくとも55スレッド/インチ、少なくとも60スレッド/インチ、少なくとも65スレッド/インチ、少なくとも70スレッド/インチ、少なくとも75スレッド/インチ、少なくとも80スレッド/インチ、少なくとも85スレッド/インチ、又は少なくとも90スレッド/インチを含むことができる。別の実施形態では、織物は、300スレッド/インチ以下、例えば280スレッド/インチ以下、260スレッド/インチ以下、240スレッド/インチ以下、220スレッド/インチ以下、又は200スレッド/インチ以下を含むことができる。1インチ当たりのスレッド数は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。具体的な実施形態では、1インチ当たりのスレッド量は、緯糸方向で少なくとも50スレッド/インチ~300スレッド/インチ以下、例えば50スレッド/インチ~100スレッド/インチ以下、又は100スレッド/インチ~300スレッド/インチ以下を含むことができる。
【0031】
比-経糸:緯糸
織布層の経糸対緯糸の比は変化し得る。一実施形態では、織物は、1:6(例えば、スレッド数50/300)~6:1(例えば、スレッド数300/50)の範囲にわたる、例えば1:2~2:1、又は1:1.8~1:1の経糸対緯糸の比を含む。
【0032】
布重量
布(織物又は不織物のいずれか)の「重量」(面積当たりの質量)は変化し得る。一実施形態では、布重量は、少なくとも10グラム/平方メートル(「GSM」)(g/m)、例えば少なくとも25GSM、少なくとも50GSM、少なくとも75GSM、少なくとも100GSM、又は少なくとも150GSMを含むことができる。別の実施形態では、布重量は、800GSM以下、例えば700GSM以下、600GSM以下、500GSM以下、400GSM以下、300GSM以下、275GSM以下、250GSM以下、225GSM以下、又は200GSM以下を含むことができる。布重量は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、布重量は、少なくとも10GSM~800GSM以下の重量、例えば少なくとも25GSM~500GSM以下の重量、少なくとも50GSM~400GSM以下の重量、又は少なくとも100GSM~300GSM以下の重量を含むことができる。
【0033】
布重量対アドオン重量の比
布重量対研磨組成物アドオン重量(「アドオン重量」)の比は変化し得ると共に、固定された研磨バフの性能に有益に影響を及ぼし得る。一実施形態では、布重量対アドオン重量の比(布重量:アドオン重量)は、1:0.5~1:3の範囲、例えば1:0.6~1:2.75、又は1:0.7~1:2.5であり得る<u>。
【0034】
布のタイプ
布は、天然繊維、合成繊維、又はそれらの組合せを含むことができる。天然繊維は、1つ以上の天然繊維を含むことができる。一実施形態では、天然繊維は、セルロース、綿、亜麻、麻、ジュート、ラミー、サイザル麻、リネン、絹、又はそれらの組合せを含むことができる。別の実施形態では、天然繊維は綿を含むことができる。特定の実施形態では、天然繊維は本質的に綿からなることができる。合成繊維は、1つ以上の合成繊維を含むことができる。一実施形態では、合成繊維は、ポリマー、ガラス、金属、ゴム、炭素、又はそれらの組合せを含むことができる。別の実施形態では、合成繊維はポリマー繊維を含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー繊維は、ナイロン、アクリル、オレフィン、ポリエステル、レーヨン、モダール、ダイニーマ、又はそれらの組合せを含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー繊維はポリエステルを含む。特定の実施形態では、合成繊維は本質的にポリエステルからなることができる。別の実施形態では、ポリマー繊維はナイロンを含む。特定の実施形態では、合成繊維は本質的にナイロンからなることができる。
【0035】
布のバイアス
布は特定の織り目を有し得る。織テキスタイルでは、織り目とは、緯糸及び経糸の向きを表す。布目とは、経目、緯目、又はバイアス目であり得る。布はあらゆる方向に切ることができ、選択した織り目は布の吊り方及び伸縮性に影響する。一般的に、布片は、仕上げ片の主な縫い目が特定の織り目と揃えられた場合、その織り目に沿って切断されると言われる。布は、布の経糸及び緯糸が主要な縫い目線に対して45°である場合、バイアス目(又は、「バイアス」)を有する。一実施形態では、布はバイアスを含む。図10は、バイアスを有する布の実施形態を図示する。特定の実施形態では、固定された研磨バフの布は、経糸及び緯糸が被加工物上で45°の接触角になるようなバイアスであってもよい。一実施形態では、布は、経糸及び/又は緯糸線のほつれ及び摩耗を防止するためのバイアスを含む。
【0036】
布厚さ
布厚さは変化し得ると共に、固定された研磨バフの性能に有益に影響を及ぼし得る。一実施形態では、布厚さは、少なくとも50マイクロメートル、例えば少なくとも100マイクロメートル、少なくとも150マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも250マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも350マイクロメートル、又は少なくとも400マイクロメートルを含むことができる。別の実施形態では、布厚さは、2000マイクロメートル以下、例えば1800マイクロメートル以下、1600マイクロメートル以下、1500マイクロメートル以下、1300マイクロメートル以下、1250マイクロメートル以下、1100マイクロメートル以下、1000マイクロメートル以下、900マイクロメートル以下、800マイクロメートル以下、700マイクロメートル以下、600マイクロメートル以下、550マイクロメートル以下、又は500マイクロメートル以下を含むことができる。布厚さは、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、布厚さは、少なくとも50マイクロメートル~2000マイクロメートル以下、例えば少なくとも100マイクロメートル~1500マイクロメートル以下、少なくとも150マイクロメートル~750マイクロメートル以下、250マイクロメートル~650マイクロメートル以下、少なくとも350マイクロメートル~550マイクロメートル以下の厚さを含むことができる。
【0037】
研磨組成物(硬化組成物)
研磨バフは、布層の各々に固定された研磨組成物を含む。研磨組成物は、ポリマー性バインダ上又はポリマー性バインダ中に配置された、複数の研磨粒子(本明細書では研磨砥粒とも称される)を含むことができる。一実施形態では、研磨組成物は、レオロジー改質剤を更に含むことができる。
【0038】
研磨組成物を含む研磨粒子の量は変化し得る。一実施形態では、研磨組成物は、少なくとも20重量%の研磨粒子、例えば少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%の研磨粒子を含むことができる。別の実施形態では、研磨組成物は、90重量%以下の研磨粒子、例えば85重量%以下、80重量%以下、又は75重量%以下の研磨粒子を含むことができる。研磨粒子は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、研磨組成物中の研磨粒子の量は、少なくとも20重量%~90重量%以下、例えば少なくとも40重量%~85重量%以下、又は60重量%の研磨粒子~80重量%以下の研磨粒子を含むことができる。
【0039】
研磨組成物を含むポリマー性バインダの量は変化し得る。一実施形態では、研磨組成物は、少なくとも10重量%のポリマー性バインダ、例えば少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%のポリマー性バインダを含むことができる。別の実施形態では、研磨組成物は、80重量%以下のポリマー性バインダ、例えば75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、又は30重量%以下のポリマー性バインダを含むことができる。ポリマー性バインダは、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、研磨組成物中のポリマー性バインダの量は、少なくとも10重量%~80重量%以下、例えば少なくとも15重量%~70重量%以下、又は20重量%~60重量%以下のポリマー性バインダを含むことができる。
【0040】
研磨組成物を含むレオロジー改質剤(本明細書では、増粘剤とも呼ばれる)の量は変化し得る。一実施形態では、研磨組成物は、少なくとも0.3重量%のレオロジー改質剤、例えば少なくとも0.4重量%、少なくとも0.5重量%、又は少なくとも0.6重量%のレオロジー改質剤を含むことができる。別の実施形態では、研磨組成物は、10重量%以下のレオロジー改質剤、例えば8重量%以下、6重量%以下、4重量%以下、又は2重量%以下を含むことができる。レオロジー改質剤は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、研磨組成物中のレオロジー改質剤の量は、少なくとも0.3重量%~10重量%以下、例えば少なくとも0.4重量%~6重量%以下を含むことができる。
【0041】
研磨組成物厚さ(研磨コーティング厚さ)
研磨組成物の総厚さ(すなわち、研磨コーティング総厚さ)は変化し得ると共に、固定された研磨バフの性能に有益に影響を及ぼし得る。研磨布が片面のみにコーティングされている場合、研磨コーティング総厚さは、一面のコーティング厚さと等しくなることが理解されよう。同様に、研磨布が両面にコーティングされている場合、研磨コーティング総厚さは、両面のコーティング厚さの合計に等しい。一実施形態では、研磨コーティング総厚さは、少なくとも20マイクロメートル、例えば少なくとも40マイクロメートル、少なくとも60マイクロメートル、少なくとも80マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも120マイクロメートル、又は少なくとも140マイクロメートルを含むことができる。別の実施形態では、研磨コーティング厚さは、300マイクロメートル以下、例えば280マイクロメートル以下、260マイクロメートル以下、240マイクロメートル以下、220マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、180マイクロメートル以下、又は160マイクロメートル以下を含むことができる。研磨コーティング厚さは、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、研磨コーティング厚さは、少なくとも60マイクロメートル~300マイクロメートル以下、例えば少なくとも80マイクロメートル~260マイクロメートル以下、少なくとも100マイクロメートル~200マイクロメートル以下の厚さを含むことができる。
【0042】
研磨組成物厚さ対布厚さの比
布厚さ対研磨組成物アドオン厚さ(「アドオン厚さ」)の比は変化し得ると共に、固定された研磨バフの性能に有益に影響を及ぼし得る。一実施形態では、布厚さ対アドオン厚さの比(布厚さ:アドオン厚さ)は、1:0.1~1:0.9の範囲、例えば1:0.2~1:0.8、又は1:0.3~1:0.6であり得る。
【0043】
研磨粒子
研磨粒子として、アルミナ、炭化ケイ素、シリカ、セリアなどの本質的な単相無機材料、並びに立方晶系窒化ホウ素及びダイヤモンドなどのより硬質で高性能な超研磨粒子を挙げることができる。更に、研磨粒子は複合粒子状材料を含むことができる。そのような材料は、随意に高温処理(すなわち、焼成、焼結)をされて使用可能な焼成凝集体を形成することができる未焼成(「緑色」)凝集体を残し、揮発又は蒸発による液体担体の除去を含むスラリー処理経路を介して形成することができる、凝集体を含み得る。更に、研磨領域は、マクロ構造及び特定の三次元構造を含む加工研磨剤を含むことができる。特定の実施形態では、研磨粒子は、一次粒子、凝集体、又はそれらの組合せを含む。特定の実施形態では、研磨粒子が少なくとも部分的に研磨凝集体である場合、研磨凝集体は、研磨グリット粒子とナノ粒子バインダ(Nanozyte凝集体)との組成物から形成される、一般的に球状又は環状の形状を有する未焼成研磨凝集体を含んでもよい。特定の実施形態では、凝集体は中空であってもよく、内部空間を含んでもよい(Nanozyte凝集体)。
【0044】
一実施形態では、研磨粒子はポリマー性バインダとブレンドされて研磨スラリーを形成する。あるいは、研磨粒子は、ポリマー性バインダがバッキング上にコーティングされた後、ポリマー性バインダ上に塗布される。随意に、機能性粉体を研磨領域上に塗布して、研磨領域がパターニングツーリングに付着するのを防ぐことができる。あるいは、機能性粉末が存在しない研磨領域にパターンを形成することもできる。
【0045】
研磨粒子は、シリカ、アルミナ(融合又は焼結)、ジルコニア、ジルコニア/アルミナ酸化物、炭化ケイ素、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶系窒化ホウ素、窒化ケイ素、セリア、二酸化チタン、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、酸化スズ、炭化タングステン、炭化チタン、酸化鉄、クロミア、フリント、エメリー、及びトリポリを含む研磨粒子のいずれか1つ又はそれらの組合せから形成することができる。例えば、研磨粒子は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ガーネット、ダイヤモンド、共融合アルミナジルコニア、セリア、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、フリント、エメリー、窒化アルミナ、及びそれらのブレンドからなる群から選択することができる。特定の実施形態は、主に、α-アルミナからなる緻密な研磨粒子を使用することによって作製されている。
【0046】
研磨砥粒は特定の形状を有してもよい。このような形状の例としては、棒状、三角形、角錐、円錐、中実球、又は中空球などが挙げられる。あるいは、研磨砥粒をランダムに成形してもよい。
【0047】
特定の実施形態では、凝集体成分の研磨粒子の一部は、研磨粒子とポリマー性バインダとの間に配置されたポリマー性成分のコーティングを含んでもよい。特定の実施形態では、ポリマー成分は研磨粒子と直接接触していてもよい。
【0048】
粒径
一実施形態では、研磨粒子は、4000マイクロメートル以下の平均粒径、例えば2000マイクロメートル以下、例えば約1500マイクロメートル以下、約1000マイクロメートル以下、約750マイクロメートル以下、約500マイクロメートル以下、約250マイクロメートル以下、約100マイクロメートル以下、又は50マイクロメートル以下を有することができる。別の実施形態では、研磨粒径は、少なくとも0.1マイクロメートル、例えば少なくとも1マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも6マイクロメートル、少なくとも7マイクロメートル、少なくとも8マイクロメートル、少なくとも9マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、又は少なくとも25マイクロメートルであり得る。平均粒径は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、平均粒径は、少なくとも1マイクロメートル~2000マイクロメートル以下、例えば少なくとも5マイクロメートル~1000マイクロメートル以下、少なくとも5マイクロメートル~750マイクロメートル以下、少なくとも6マイクロメートル~500マイクロメートル以下、少なくとも7マイクロメートル~250マイクロメートル以下、又は少なくとも8マイクロメートル~100マイクロメートル以下を含むことができる。研磨粒子の粒径は、典型的には、研磨粒子の最長寸法であるように指定される。一般的に、粒径の範囲分布が存在する。場合によっては、粒径分布は厳密に制御されている。
【0049】
ポリマー性バインダ
ポリマー性バインダは、単一のポリマー、又はポリマーのブレンドから形成することができる。バインダ組成物は、エポキシ組成物、アクリル組成物、フェノール組成物、ポリウレタン組成物、ポリシロキサン組成物、アクリルラテックス組成物、熱硬化性ゴム組成物、熱硬化性エラストマー組成物、スチレンブタジエンゴム組成物、アクリロニトリル-ブタジエンゴム組成物、ポリブタジエン組成物、又はそれらの組合せから形成することができる。特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、自己架橋カルボキシル化スチレンブタジエン組成物を含むことができる。別の特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、カルボキシル化アクリル組成物を含むことができる。その上、バインダ組成物は、上記のような活性充填剤粒子、添加剤、又はそれらの組合せを含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、コーティングされた布が柔らかい「ドレープ」としても知られている「柔らかい」手を有するように、硬化後に柔軟であることがあるため、結果として、布は、感触が柔らかく、柔軟であり、かつ物体の周りに適合し、硬くない。
【0050】
ポリマー性バインダは一般にポリマーマトリクスを含み、これは、研磨粒子をバッキングに、又は適合するコーティングが存在する場合は適合コーティングに、結合する。典型的には、ポリマー性バインダは、硬化ポリマー性バインダから形成される。一実施形態では、ポリマー性バインダは、ポリマー成分及び分散相を含む。
【0051】
ポリマー性バインダは、ポリマーを調製するため、1つ以上の反応構成成分又はポリマー構成成分を含むことができる。ポリマー構成成分は、モノマー分子、ポリマー分子、又はそれらの組合せを含むことができる。ポリマー性バインダは、溶媒、可塑剤、連鎖移動剤、触媒、安定剤、分散剤、硬化剤、反応メディエータ、及び分散液の流動性に影響を及ぼす薬剤からなる群から選択される成分を更に含むことができる。
【0052】
ポリマー構成成分は熱可塑性物質又は熱硬化性物質を形成することができる。例として、ポリマー構成成分には、ポリウレタン、ポリウレア、重合エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、ポリシロキサン(シリコーン)、重合アルキド、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ポリブタジエン、又は一般に、熱硬化性ポリマーを製造するための反応性樹脂の形成のための、モノマー及び樹脂を挙げることができる。別の例として、アクリレート又はメタクリレートポリマー構成成分が挙げられる。前駆体ポリマー構成成分は、典型的には、硬化性有機材料である(すなわち、熱、若しくは電子ビーム、紫外線、可視光などの他のエネルギー源に暴露されたときに、又はポリマーを硬化若しくは重合させる化学触媒、水分、若しくは他の薬剤を添加したときに経時的に、重合又は架橋することができる高分子モノマー又は材料)。前駆体ポリマー構成成分の例として、アミノポリマー又はアミノプラストポリマー、例えばアルキル化尿素-ホルムアルデヒドポリマー、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、及びアルキル化ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒドポリマー;アクリレートポリマー及びメタクリレートポリマーを含むアクリレートポリマー、アルキルアクリレート、アクリレート化エポキシ、アクリレート化ウレタン、アクリレート化ポリエステル、アクリレート化ポリエーテル、ビニルエーテル、アクリレート化オイル、若しくはアクリレート化シリコーン;ウレタンアルキドポリマーなどのアルキドポリマー;ポリエステルポリマー;反応性ウレタンポリマー;レゾール及びノボラックポリマーなどのフェノール系ポリマー;フェノール系/ラテックスポリマー;ビスフェノールエポキシポリマーなどのエポキシポリマー;イソシアネート;イソシアヌレート;アルキルアルコキシシランポリマーを含むポリシロキサンポリマー;又は、反応性ビニルポリマーを形成するための反応性構成成分が挙げられる。ポリマー性バインダは、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの組合せを含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、硬化時に架橋し得る少なくとも2種類のポリマーのモノマーを含む。例えば、バインダ配合物は、硬化するとエポキシ/アクリルポリマーを形成するエポキシ成分及びアクリル構成成分を含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、ポリウレタン、フェノール、アクリルラテックス、又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
ポリマー性バインダは、有益な研磨特性に寄与し得る望ましいガラス転移温度(Tg)を含むことができる。一実施形態では、ポリマー性バインダは、60℃以下、50℃以下、40℃以下、30℃以下、20℃以下、10℃以下、0℃以下、又は-1℃以下のガラス転移温度(Tg)を含むことができる。別の実施形態では、ポリマー性バインダは、少なくとも-30℃、少なくとも-25℃、少なくとも-20℃、又は少なくとも-15℃のガラス転移温度(Tg)を含むことができる。ガラス転移温度(Tg)は、上述のあらゆる最小値又は最大値の範囲内であり得る。特定の実施形態では、ガラス転移温度(Tg)は、少なくとも-30℃~30℃以下、例えば少なくとも-20℃~20℃以下を含むことができる。特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、少なくとも-30℃~-10℃以下の範囲のガラス転移温度(Tg)、例えば-28℃~-10℃以下を含む。別の特定の実施形態では、ポリマー性バインダは、少なくとも-10℃~10℃以下の範囲のガラス転移温度(Tg)、例えば-5℃~5℃以下を含む。
【0054】
レオロジー改質剤
一実施形態では、研磨組成物は、レオロジー改質剤を含むことができる。レオロジー改質剤は、セルロース組成物、ヒュームドシリカ組成物、コロイダルシリカ組成物、ポリサッカライド組成物、又はそれらの組合せを含むことができる。特定の実施形態では、セルロース組成物はヒドロキシプロピルセルロース組成物を含むことができる。別の特定の実施形態では、コロイダルシリカ組成物は、層状含水ケイ酸マグネシウムである合成スメクタイト粘土のラポナイトといった、層状コロイダルシリカ組成物を含むことができる。別の特定の実施形態では、ポリサッカライド組成物は、キサンタンガム組成物などのガム組成物を含むことができる。
【0055】
実施形態一覧
実施形態1.固定された研磨バフであって、
複数の固定された研磨布と、
中心ハブと、
を備え、
前記固定された研磨布は、前記ハブに取り付けられ、
各研磨布は、布に固定された研磨組成物を含み、
前記布は、織布、不織布、又はそれらの組合せを含み、
前記研磨組成物は、ポリマー性バインダ、及び前記ポリマー性バインダ中に分散した複数の研磨粒子を含み、
前記研磨組成物は、前記布の繊維内に配置される、
固定された研磨バフ。
【0056】
実施形態2.前記不織布が、スパンボンド布を含む、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0057】
実施形態3.前記スパンボンド布が、点接合布を含む、実施形態2に記載の固定された研磨バフ。
【0058】
実施形態4.前記ポリマー性バインダが、アクリル組成物、スチレンブタジエン組成物、又はそれらの組合せを含む、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0059】
実施形態5.前記ポリマー性バインダが、少なくとも-30℃かつ5℃以下であるガラス転移温度(Tg)を有する、実施形態3に記載の固定された研磨バフ。
【0060】
実施形態6.前記布が、少なくとも25~500g/m2以下の布重量を有する、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0061】
実施形態7.前記研磨組成物が、少なくとも75~500g/m2以下のアドオン重量を有する、実施形態6に記載の固定された研磨バフ。
【0062】
実施形態8.1:0.5~1:3の範囲にわたる布重量対アドオン重量の比を更に有する、実施形態7に記載の固定された研磨バフ。
【0063】
実施形態9.前記布が、少なくとも50マイクロメートル~2000マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0064】
実施形態10.前記研磨組成物が、少なくとも60マイクロメートル~300マイクロメートル以下の厚さを有する、実施形態9に記載の固定された研磨バフ。
【0065】
実施形態11.1:0.2~1:0.8の範囲にわたる布厚さ対研磨組成物厚さの比を更に有する、実施形態10に記載の固定された研磨バフ。
【0066】
実施形態12.前記研磨組成物が、
前記研磨布の15重量%~90重量%を構成する、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0067】
実施形態13.前記布が、
前記研磨布の10重量%~85重量%を構成する、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0068】
実施形態14.前記布が、ナイロン、綿、又はそれらの組合せを含む、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0069】
実施形態15.前記研磨組成物が、前記布の第1の側面及び第2の側面上に配置される、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0070】
実施形態16.前記研磨組成物が、
20重量%~90重量%の研磨砥粒と、
10重量%~80重量%の前記ポリマー性バインダと、
を含む、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0071】
実施形態17.前記研磨組成物が、
0.1重量%~10重量%のレオロジー改質剤を更に含む、実施形態16に記載の固定された研磨バフ。
【0072】
実施形態18.前記レオロジー改質剤が、セルロース化合物、ヒュームドシリカ、コロイダル層状シリカ、又はそれらの組合せを含む、実施形態1に記載の固定された研磨バフ。
【0073】
実施形態19.前記研磨組成物が、前記布の繊維間の前記第1の側面から前記第2の側面に配置される、実施形態15に記載の固定された研磨バフ。
【0074】
実施形態20.固定された研磨バフであって、
複数の布層と、
前記布層の各々に固定された研磨組成物と、
を含み、
前記研磨組成物は、前記布層の各々のうちに少なくとも部分的に配置され、
前記研磨組成物は、ポリマー性バインダ、及び前記ポリマー性バインダ中に分散した複数の研磨粒子を含み、
前記布層は、不織スパンボンド点接合布を備え、
前記ポリマー性バインダは、前記ポリマー性バインダが、少なくとも-30℃かつ20℃以下であるガラス転移温度(Tg)を持つスチレンブタジエン組成物を含む、
固定された研磨バフ。
【実施例
【0075】
本開示の特性及び利点は、以下の非限定的な実施例において更に詳細に説明される。特に明記しない限り、温度は摂氏、圧力は周囲、及び濃度は重量パーセントで表される。
【0076】
構成成分一覧:
Hycar(登録商標)26796-アクリル系エマルジョン、Lubrizol Advanced Materials,Inc.製
Rovene(登録商標)5550-架橋カルボキシル化スチレンブタジエンエマルジョン、Mallard Creek Polymers製
Klucel(商標)-M-ヒドロキシプロピルセルロース増粘剤、Ashland製。
キサンタンガム-ポリサッカライド増粘剤、Cargill製。
Aerosil(登録商標)150 親水性ヒュームドシリカ、Evonik製。
トリトンX-100湿潤剤、Dow Chemical製。
Surfynol(登録商標)DF70消泡剤、Air Product製。
グレージュ布、バイアス綿、Garfield Buff Company(ニュージャージー州フェアフィールド)製。この布は、スレッド数86/80、布重量が12.3ポンド/rmである。
スパンボンドナイロン不織布、Cerex Advanced Fabrics製、タイプ30、3OSY、6.9ポンド/rm
スパンボンドナイロン不織布、Cerex Advanced Fabrics、タイプ70、4OSY、9.2ポンド/rm
炭化ケイ素、Fグレード:F320
【0077】
実施例1-研磨組成物の調製(試料S1~S2)
異なる種類及び量の研磨粒子及びポリマー性バインダを有する試料研磨組成物S1~S2を、表1に列挙した配合物を用いて調製した。成分を完全に混合し、得られた組成物を後の使用のために保存した。配合物は、「乾燥」重量(すなわち、硬化)基準で示される。
【0078】
【表1】
【0079】
実施例2-研磨布の調製(試料S3~S6)
試料研磨組成物S1~S2を用いて、種々の研磨布を調製した。研磨布S3~S6の構成を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表2に係るコーティングされていない「ブランク」な布を、ロールから巻き出し、浸漬タンクを用いて試料研磨組成物に浸漬した。図4A及び図4Bは、コーティング前の不織材料T30及びT70をそれぞれ示す。コーティングされていない86/60グレージュ布の一部を、対照(C1)として使用した。浸漬した布を計量ロールに通して、余分な液体を除去した。図5は、浸漬ステップの一実施形態を示す。含浸布をオーブンに通して、研磨組成物を硬化させた。硬化した研磨布を、更なる処理のために巻取りステーションに集めた。研磨試料布S3~S6を上述のように製造した。試料研磨布の一部を、布分析のため外形3インチの円(「ディスク」)に切断した。試験の結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
図7A及び図7Bは、研磨布試料S4の画像を示す。図8A及び図8Bは、研磨布試料S5の画像を示す。
【0084】
実施例3-研磨バフの調製(試料S3~S6)
バフホイールは、従来の方法に従って製造した(Garfield Buff Company、ニュージャージー州フェアフィールド)。試料研磨布を金属クリンチリングに押し込んで、中心(「アーバ」)孔を有する金属プレートを挿入した。バフホイールの仕様は次のとおりだった:プライ12、外形7.5インチ、内径3インチ、アーバホール7/8インチ。
【0085】
実施例4.バフの研磨試験
試料の固定された研磨バフS3~S6の研磨試験を、Heald Cinternal円筒研削盤で行った。本研究の目的は、従来の手動によるバーコンパウンドバフ研磨と比較した、自動化プロセスにおける固定された研磨バフの研磨及び摩耗挙動を調べることであった。図6は、試験の設定を示す。
【0086】
試験被加工物は真鍮製のドアノブであった。粗い被加工物の表面仕上げ微細化及び表面光沢改善を試験した。被加工物の初期表面は、初期表面粗さRaが40~45μインチになるように、研削ベルトで予め研削した。
【0087】
比較のため、現場のドアノブ1つを自動バフ研磨結果との比較用に使用した。次いで、比較部分を対照C1及びバーコンパウンドでバフ研磨した。被加工物の両面の表面仕上げ及び表面光沢を測定した。図9に示すように、研削痕から10°の角度でバフ研磨を行った。全ての試験パラメータを表4に示す。
【0088】
【表4】
【0089】
試料である本発明の固定された研磨バフを、従来のバフ研磨方法(すなわち、コーティングされていないバフでバフ研磨し、バフ研磨中に従来のバーコンパウンドをバフ表面に定期的に塗布する)に対して試験した。60秒のバフ研磨時間及び90秒のバフ研磨時間後の研磨性能結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
【0091】
実施例5-更なる研磨組成物の調製(試料S7~S9)
異なる種類及び量の研磨粒子、ポリマー性バインダ、及びレオロジー改質剤を有する試料研磨組成物S7~S9を、表6に列挙した配合物を用いて調製した。成分を完全に混合し、得られた組成物を後の使用のために保存した。配合物は、「乾燥」重量(すなわち、硬化)基準で示される。
【0092】
【表6】
【0093】
本明細書に記載された実施形態の明細書及び例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書及び例示は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、別個に又は任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。更に、範囲に記載されている値への言及は、言及された終了範囲の値を含む、その範囲内の全ての値を含む。本明細書を読んだ後であれば、他の多くの実施形態が当業者にとって明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、又は他の変更が行われ得るように、他の実施形態が使用され、本開示から導出され得る。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10