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  • 特許-基板搬送装置、現像装置および現像方法 図1
  • 特許-基板搬送装置、現像装置および現像方法 図2
  • 特許-基板搬送装置、現像装置および現像方法 図3
  • 特許-基板搬送装置、現像装置および現像方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】基板搬送装置、現像装置および現像方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20230106BHJP
   B65G 13/04 20060101ALI20230106BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20230106BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230106BHJP
   G03F 7/30 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
H01L21/30 569D
B65G13/04
H01L21/68 A
H01L21/304 643B
H01L21/304 643Z
G03F7/30 501
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021008431
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112587
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 知輝
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-167475(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0887580(KR,B1)
【文献】特開平9-63946(JP,A)
【文献】実開昭58-166646(JP,U)
【文献】特開平10-57862(JP,A)
【文献】実開平6-28858(JP,U)
【文献】特開2004-363200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/027、21/30、21/304、21/68
B65G 13/00-13/12、39/00-39/20
G03F 7/26-7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に現像液が盛られた基板を搬送する基板搬送装置であって、
前記基板を下方から支持しながら回転して前記基板を搬送する搬送ローラと、
前記搬送ローラにより搬送される前記基板の下方側で前記搬送ローラに非接触に配置され、搬送中の前記基板に盛られた前記現像液から発生して前記搬送ローラに付着する泡のうち前記搬送ローラの周面から盛り上がっている部位を除去する泡除去部材と、
を備えることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板搬送装置であって、
前記搬送ローラは、前記基板の搬送方向と直交する水平方向において前記基板の裏面全体と接触しながら回転する円筒状部材を有する基板搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板搬送装置であって、
前記搬送ローラが複数個、前記基板を搬送する方向に配列され、
前記搬送ローラ毎に、前記泡除去部材が設けられる基板搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板搬送装置であって、
前記泡除去部材を前記搬送ローラに対して近接または離間させることで、前記泡除去部材と前記搬送ローラとの隙間を調整する隙間調整機構を備える基板搬送装置。
【請求項5】
基板の表面に現像液を供給して前記基板の表面に盛る現像液ノズルと、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板搬送装置と、を備え、
前記基板搬送装置により前記基板を搬送する間に、前記基板の表面に現像処理を施すことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
表面に現像液が盛られた基板を搬送ローラで下方から支持しながら前記搬送ローラの回転により前記基板を水平姿勢で搬送する間に現像処理を施す工程と、
搬送中の前記基板に盛られた前記現像液から発生して前記搬送ローラに付着する泡のうち前記搬送ローラの周面から盛り上がっている部位を、前記搬送ローラにより搬送される前記基板の下方側に非接触で配置される泡除去部材により除去する工程と、
を備えることを特徴とする現像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面に現像液が盛られた基板を搬送ローラにより搬送する基板搬送技術、および上記搬送ローラにより基板を搬送する間に当該基板の表面に対して現像処理を施す現像技術に関するものである。なお、基板には、液晶表示装置や有機EL表示装置等のFPD用ガラス基板、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルター用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板、電子ペーパー用基板等の精密電子装置用基板、半導体パッケージ用基板(以下、単に「基板」と称する)などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
表面に現像液が盛られた基板を搬送ローラにより搬送している間に基板に対して現像処理を実行する現像装置は基板処理システムの一構成要素として当該システムに組み込まれることがある。例えば特許文献1では、現像装置が、洗浄装置、脱水ベーク装置、レジスト塗布装置、減圧乾燥装置、プリベーク装置、露光装置、およびポストベーク装置とともに、処理装置として基板処理システムに設けられている。また、基板処理システムは、これらの処理装置と、上記した装置群への基板の出入を行うインデクサー部と、を有している。
【0003】
インデクサー部には、複数の基板を収納するカセットが載置される。インデクサー部に配されるインデクサーロボットによりカセットから取り出された基板は、まず、洗浄装置において洗浄される。洗浄装置での処理を終えた基板は、脱水ベーク装置に搬送され、脱水ベーク処理が行われる。脱水ベーク処理が行われた基板は、次にレジスト塗布装置に搬送され、レジスト塗布処理が施される。レジスト塗布処理が施された基板は、次に減圧乾燥装置に搬送され、基板の表面に塗布されたレジスト液の溶媒を減圧により蒸発させて、基板を乾燥させる。減圧乾燥が施された基板は、次にプリベーク装置に搬送され、基板表面のレジスト成分を固化させるため加熱処理が施される。加熱処理が施された基板は、次に露光装置に搬送され、露光処理が施される。
【0004】
これらの処理を終えた基板は、現像装置に搬送され、現像処理が行われる。現像処理を終えた基板は、ポストベーク装置に運ばれ、加熱処理を施される。その後、該基板は、インデクサーロボットによってインデクサー部に載置される元のカセットに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-167475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の基板処理システムでは、現像装置からポストベーク装置に向かう搬送経路に沿って基板を搬送するために、複数の搬送ローラが用いられている。つまり、現像液が盛られた基板の表面を上方に向けた水平姿勢で基板が複数の搬送ローラにより下方から支持されつつ搬送される。近年、基板搬送中に、現像処理に伴いレジスト成分が溶けた現像液が泡立ち、その一部が搬送ローラに付着するという現象が確認されている。搬送ローラに付着した泡は、後で説明する図3の(a)欄に示すように搬送ローラの周面に盛り上がった状態で付着する。そして、搬送ローラの回転に伴って当該泡が盛り上がった状態のまま基板の搬送経路に移動してくる。そのため、搬送ローラ上の泡が基板の裏面のみならず表面にも付着する。その結果、現像処理が不均一なものとなり、現像品質の低下を招くという問題が発生することがあった。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板の表面に盛られた現像液による現像処理時に発生する泡が搬送ローラを介して基板の表面に付着するのを効果的に防止することができる基板搬送技術、および当該基板搬送技術を利用して高品質な現像処理を行うことができる現像技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様は、表面に現像液が盛られた基板を搬送する基板搬送装置であって、基板を下方から支持しながら回転して基板を搬送する搬送ローラと、搬送ローラにより搬送される基板の下方側で搬送ローラに非接触に配置され、搬送中の基板に盛られた現像液から発生して搬送ローラに付着する泡のうち搬送ローラの周面から盛り上がっている部位を除去する泡除去部材と、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の第2態様は、現像装置であって、基板の表面に現像液を供給して基板の表面に盛る現像液ノズルと、上記基板搬送装置と、を備え、基板搬送装置により基板を搬送する間に、基板の表面に現像処理を施すことを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の第3態様は、現像方法であって、表面に現像液が盛られた基板を搬送ローラで下方から支持しながら搬送ローラの回転により基板を水平姿勢で搬送する間に現像処理を施す工程と、搬送中の基板に盛られた現像液から発生して搬送ローラに付着する泡のうち搬送ローラの周面から盛り上がっている部位を、搬送ローラにより搬送される基板の下方側に非接触で配置される泡除去部材により除去する工程と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、表面に現像液を盛った状態で基板が搬送ローラにより搬送される間に、現像液から泡が発生して搬送ローラに付着することがある。この泡は搬送ローラに盛り上がった状態で付着しているが、当該泡のうち搬送ローラの周面から盛り上がっている部位が泡除去部材により除去される。その結果、搬送ローラに付着した泡が基板の表面に移行するのを効果的に防止することができる。しかも、上記泡除去部材は搬送ローラから非接触で配置されているため、泡除去部材により搬送ローラが傷つけられることなく、基板を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る基板搬送装置の第1実施形態を装備する現像装置の構成を示す図である。
図2図1に装備される基板搬送装置の概略構成を示す図である。
図3】基板搬送装置における泡の移動状況を模式的に示す図である。
図4】本発明に係る基板搬送装置の第2実施形態の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に係る基板搬送装置の第1実施形態を装備する現像装置の構成を示す図である。また、図2図1に装備される基板搬送装置の概略構成を示す図である。さらに、図3は、基板搬送装置における泡の移動状況を模式的に示す図である。現像装置1は、表面Wfに露光処理されたレジスト膜(図示省略)が形成された半導体ウエハなどの基板Wに現像液を供給して現像液を盛った後で、表面Wfを上方に向けた水平姿勢で基板Wを次の処理装置(ポストベーク装置)に搬送する装置である。この基板搬送中に現像液による現像処理が実行される。
【0014】
現像装置1は現像処理を行う処理室2を有している。処理室2は、内部に処理空間を有し、処理室2の上流側端部(図1の左端部)には、現像装置1の上流側に配置される露光装置により露光処理された基板Wを搬入するための搬入口(図示省略)が設けられている。また、処理室2の下流側端部(図1の右端部)には、現像処理が完了した基板Wを次のポストベーク装置に搬出するための搬出口が設けられている。また、処理室2の底面には、処理室内で使用された現像液を排出するための排出機構(図示省略)が設けられている。さらに、処理室2の底面の上方には、基板Wを搬送方向Xに沿って水平搬送する基板搬送装置3が設けられている。
【0015】
基板搬送装置3は、複数の搬送ローラ31と当該搬送ローラ31を回転駆動させる駆動部(図示省略)とを備えている。複数の搬送ローラ31は基板Wの搬送方向Xに沿って配列されており、処理室2内で基板Wを搬送方向Xの上流側(図1の左側)から下流側(図1の右側)に向けて搬送する。各搬送ローラ31は、ステンレス製のシャフト311に対してUPE(超高分子量ポリエチレン:Ultra High Molecular Weight Poly Ethylene)ローラ312を嵌め込んだものであり、搬送方向Xと直交する水平方向YにおいてUPEローラ312の外周面を基板Wの裏面Wb全体と接触させながら回転する円筒状部材に仕上げられている。これら複数の搬送ローラ31のうち次に説明する現像液ノズル4による現像液の供給位置P4よりも上流側に位置する搬送ローラ31は現像処理前の基板Wを供給位置P4に搬入する機能を有しており、これらを適宜「搬入ローラ31A」と称する。一方、供給位置P4よりも下流側に位置する搬送ローラ31は、基板Wの表面Wfに盛られた現像液によるレジスト膜の現像処理と並行して、基板Wをポストベーク装置に搬出する機能を有しており、これらを適宜「搬出ローラ31B」と称する。なお、本実施形態では、搬出ローラ31Bが本発明の「搬送ローラ」の一例に相当している。
【0016】
供給位置P4では、基板搬送装置3の上方に現像液ノズル4が配置されている。現像液ノズル4は、図1に示すように、処理室2の処理空間に設けられており、上記基板搬送装置3によって下流側に向けて搬送される基板Wの表面Wfに現像液を吐出する。現像液ノズル4は、搬送方向Xと直交する水平方向Y(図1の紙面に対して垂直な方向)に延びており、その下面(基板Wと対向する面)には、水平方向Yに細長く延びる細隙の吐出口41が形成されている。つまり、本実施形態では、現像液ノズル4として、スリットノズルが用いられている。この現像液ノズル4では、吐出口41の水平方向Yの寸法は、基板Wの水平方向Yの寸法(幅寸法)と略同じである。
【0017】
現像液ノズル4には、現像液供給部5が配管6により接続されている。現像液供給部5は、ポンプやタンク加圧などの圧送機構(図示省略)を有している。この圧送機構が作動することで、現像液Lが配管6を介して現像液ノズル4に圧送される。これにより、現像液ノズル4の吐出口41から現像液Lがカーテン状に吐出され、基板Wの表面に現像液Lが供給される。
【0018】
本実施形態では、基板Wの表面Wfと現像液ノズル4の吐出口41は所定の間隔を設けて配置されており、基板Wが吐出口41の直下を通過することによって、基板Wの上面全体が、表面張力を利用して現像液Lが盛られた状態(すなわち、現像液Lのパドルが形成された状態)となる。その後、搬出ローラ31Bによりポストベーク装置に搬出される間に基板Wの表面Wf、つまりレジスト膜に対して現像処理が施される。このような、現像液Lとして、本実施形態ではTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)と水とを主要成分とするものを用いている。もちろん、これ以外の現像液、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムと水とを主成分とするものなどを用いることができる。
【0019】
近年、レジスト膜および現像液の組み合わせによっては、現像処理中にレジストの溶けた現像液が泡立ち、ポストベーク装置に向けて基板Wを搬送している間に、泡の一部が搬出ローラ31Bに付着することがある。ここで、特許文献1に記載の装置と同様に、基板搬送装置3に特段の工夫を施していない場合、例えば図3の(a)欄に示すように搬出ローラ31Bを介して基板Wの表面Wfに付着することがある。すなわち、基板Wが搬送経路に沿って移動するが、基板Wが搬出ローラ31Bを通過する際に、泡7が搬出ローラ31Bに付着することがある。その付着した泡7は搬出ローラ31Bの周面上で盛り上がった状態となる(タイミングT1)。その状態のまま、搬出ローラ31Bが回転し、搬出ローラ31Bで下方から支持されている基板Wに移動してくると、泡7が基板Wの表面Wfに回り込んで付着する。この場合、泡7の付着後における現像処理の進行度合いが泡7の付着領域と非付着領域とで異なってしまう。その結果、基板Wの表面Wfにおいて現像処理が不均一となり、製品不良が発生する。
【0020】
そこで、本実施形態の基板搬送装置3では、搬出ローラ31B毎に、泡除去部材32と、隙間調整機構33とが設けられている。泡除去部材32は、断面が略L字形状を有するブレード部材で構成されており、搬出ローラ31Bにより搬送される基板Wの下方側で搬出ローラ31Bに非接触で近接配置されている。より詳しくは、泡除去部材32は、例えば幅が搬出ローラ31Bの水平方向Yの寸法(幅寸法)と略同じステンレス鋼板を折り曲げて形成したものであり、その一方の翼部位321が垂直上方に延設されている。しかも、図2に示すように、翼部位321の先端部が隙間CLだけ搬出ローラ31Bの周面からX方向に離れた状態で泡除去部材32はX方向にスライド自在に配置されている。この隙間CLを高精度に調整するために、泡除去部材32には隙間調整機構33が接続されている。本実施形態では、オペレータが隙間調整機構33を操作することで、搬出ローラ31Bの周面に対して泡除去部材32を近接または離間させる。こうして、隙間CLを所定値、例えば1~2mm程度に調整可能となっている。もちろん、隙間調整機構33にモータなどのアクチュエータを組み込み、基板処理システムや現像装置1などを制御する制御部(図示省略)からの指令に応じてアクチュエータを制御することで泡除去部材32をX方向に移動させることで、翼部位321の先端部を搬出ローラ31Bの周面と対向させながら上記隙間CLのサイズを自動調整するように構成してもよい。
【0021】
このように泡除去部材32が設けられたことで、次のような作用効果が得られる。従来装置と同様に、搬出ローラ31Bの周面に泡7が付着した直後において搬出ローラ31Bの周面で泡7は盛り上がった状態となる。しかしながら、搬出ローラ31Bの回転に伴って泡7は泡除去部材32の配設位置に移動し、その一部が泡除去部材32の翼部位321の先端部で切り取られる。つまり、図3の(b)欄に示すように、泡7のうち盛り上がっている部位71が翼部位321で掻き取られて搬出ローラ31Bの周面から除去される(タイミングT1)。除去された部位71は泡除去部材32の(+X)側の側面に沿って下方に排除される。一方、部位71を除く部位、つまり搬出ローラ31Bの周面と密接している部位72は搬出ローラ31Bに留まるものの、その量は少量である。したがって、その状態のまま、搬出ローラ31Bが回転し、搬出ローラ31Bで下方から支持されている基板Wに移行したとしても、泡7の部位72は基板Wの裏面Wbに付着するものの、泡7が基板Wの表面Wfに回り込むことはない。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、搬出ローラ31Bに付着する泡7のうち盛り上がっている部位71を泡除去部材32により除去するため、搬出ローラ31Bに付着した泡7が基板Wの表面Wfに移行するのを効果的に防止することができる。しかも、上記泡除去部材32は搬出ローラ31Bから非接触で配置されているため、泡除去部材32により搬出ローラ31Bが傷つけられることなく、基板Wを安定してポストベーク装置に向けて基板Wを搬送することができる。
【0023】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、断面形状が略L字形状のブレード部材を泡除去部材32として用いているが、ブレード部材の形状はこれに限定されるものではなく、単なる板形状のブレード部材を用いてもよい。
【0024】
また、ブレード部材の代わりに、図4に示すように、搬出ローラ31Bにより搬送される基板Wの下方側で搬出ローラ31Bに対して非接触で配置されるローラ322と、当該ローラ322に当接するブレード323と、ローラ322を回転駆動する駆動部(図示省略)で構成される泡除去部材32を用いてもよい。ローラ322は、搬出ローラ31Bの水平方向Yの寸法(幅寸法)と略同じ幅を有する円筒形状を有し、搬出ローラ31Bと対向しながら隙間CLだけ離間して配置されている。この泡除去部材32では、ローラ322が駆動部により回転され、泡7のうち盛り上がっている部位71(図3参照)の泡を搬出ローラ31Bからローラ322に移行させて除去する。なお、ローラ322に移行した泡7はブレード323により掻き取られ、ローラ322の周面からクリーニング除去される。
【0025】
また、上記実施形態では、シャフト311にUPEローラ312を嵌め込んだ搬送ローラ31により基板Wを搬送しているが、搬送ローラ31の構成はこれに限定されるものではなく、従来から多用されている搬送ローラ全般を用いることができる。また、その他の方式、例えば特許文献1に記載された装置で採用しているようにシャフトに複数のローラを取り付けた、いわゆるコロ搬送方式で表面に現像液が盛られた基板Wを搬送する基板搬送装置に対しても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明は、表面に現像液が盛られた基板を搬送ローラにより搬送する基板搬送技術全般、および当該搬送ローラにより基板を搬送する間に当該基板の表面に現像処理を施す現像技術全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1…現像装置
3…基板搬送装置
4…現像液ノズル
7…泡
31B…搬出ローラ(搬送ローラ)
32…泡除去部材
33…隙間調整機構
71…(盛り上がっている)部位
L…現像液
W…基板
Wf…(基板の)表面
X…搬送方向
Y…水平方向
図1
図2
図3
図4