(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20230106BHJP
【FI】
G06Q30/08
(21)【出願番号】P 2021034181
(22)【出願日】2021-03-04
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】栗林 徳治
(72)【発明者】
【氏名】杉本 亨
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134770(JP,A)
【文献】特開2019-152917(JP,A)
【文献】特開2005-301495(JP,A)
【文献】特開2017-016224(JP,A)
【文献】国際公開第01/048671(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得する取得部と、
他のユーザによって設定された一以上の購入希望エントリーを記憶する記憶部を参照して、前記一以上の購入希望エントリーのうち、前記車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する
購入希望エントリーが存在するか否かを判定する判定部と、
前記購入希望エントリーが存在すると判定された場合に、前記買取査定依頼に関する情報と共に、前記購入希望エントリーに関する情報を買取業者の端末装置に通知する第1通知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記買取業者の端末装置が、前記他のユーザの端末装置に、前記車両の購入を提案することを許可する許可部を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記許可部は、前記買取業者の端末装置が、前記他のユーザの端末装置に、前記購入希望条件と少なくとも部分的に一致する前記車両情報に係る前記車両の購入を提案することを許可する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記許可部は、前記買取業者による前記車両の買取が成立した場合に、前記買取業者の端末装置が、前記他のユーザの端末装置に、前記車両の購入を提案することを許可する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
複数の前記買取業者の端末装置が、前記他のユーザの端末装置に、前記車両の購入を提案する場合、複数の前記買取業者の提案に含まれる所定条件に基づいて前記提案を並び替え、前記並び替えた提案を前記他のユーザの端末装置に提示する提示部を更に備える、
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記購入希望エントリーが存在すると判定された場合に、前記購入希望条件と一致する前記車両情報を含む前記買取査定依頼が存在するという事実を少なくとも含む情報を、前記他のユーザの端末装置に通知する第2通知部を更に備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記車両情報は、前記車両の車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、燃料、及び地域のうち少なくとも1つを含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記購入希望条件は、前記車両の買取希望額、車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、燃料、及び地域のうち少なくとも1つを含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
ユーザの端末装置から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得し、
他のユーザによって設定された一以上の購入希望エントリーを記憶する記憶部を参照して、前記一以上の購入希望エントリーのうち、前記車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する
購入希望エントリーが存在するか否かを判定し、
前記購入希望エントリーが存在すると判定された場合に、前記買取査定依頼に関する情報と共に前記購入希望エントリーに関する情報を買取業者の端末装置に通知する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの端末装置から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得させ、
他のユーザによって設定された一以上の購入希望エントリーを記憶する記憶部を参照して、前記一以上の購入希望エントリーのうち、前記車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する
購入希望エントリーが存在するか否かを判定させ、
前記購入希望エントリーが存在すると判定された場合に、前記買取査定依頼に関する情報と共に前記購入希望エントリーに関する情報を買取業者の端末装置に通知させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
個人間の自動車売買をサポートするための技術が知られている。例えば、特許文献1には、自動車の売却希望者に車両情報をWebサイトに登録させると共に、自動車の購入希望者に購入希望条件を当該Webサイトに入力させることによって、売却希望者と購入希望者とをマッチングする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術は、自動車の売却希望者が売却希望登録を行うと、査定事業者が当該自動車の査定を行うものである。しかしながら、従来の技術では、査定事業者、特に、買取業者は、買い取った自動車を確実に売却できるわけではないため、そのリスクヘッジのために、買取価格を過剰に低く設定したり、販売価格を過剰に高く設定する場合があった。また、購入希望者は、通常、買取業者が保有する中古自動車に関する情報のみを閲覧可能であるため、得られる情報に制約があり、中古自動車に関する最新情報を得られない場合があった。すなわち、自動車の売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者にとって利便性が十分ではない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、自動車の売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者にとっての利便性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である情報処理装置は、ユーザの端末装置から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得する取得部と、前記車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在するか否かを判定する判定部と、前記購入希望エントリーが存在すると判定された場合に、前記買取査定依頼に関する情報と共に、前記購入希望エントリーに関する情報を買取業者の端末装置に通知する第1通知部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、自動車の売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者にとっての利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理装置を利用したシステム1の全体構成の例を示すブロック図である。
【
図2】情報処理装置100が提供する画面IS1であって、第1端末装置10によって提出される買取査定依頼を入力するための画面IS1の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置100が提供する画面IS2であって、第2端末装置20によって登録される購入希望エントリーを入力するための画面IS2の一例を示す図である。
【
図4】記憶部170に格納される売却希望者テーブル172の例示的な構成を示す図である。
【
図5】記憶部170に格納される購入希望者テーブル174の例示的な構成を示す図である。
【
図6】第1通知部130によって第3端末装置50に提示される提示画面の一例を示す図である。
【
図7】提示部160によって第2端末装置20に通知される通知画面の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る情報処理装置100の第1通知部130によって第3端末装置50に通知される通知画面の一例を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムについて説明する。
【0010】
[システム構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置を利用したシステム1の全体構成の例を示すブロック図である。システム1は、例えば、第1端末装置10と、第2端末装置20と、第3端末装置50と、情報処理装置100と、を備える。第1端末装置10と、第2端末装置20と、第3端末装置50と、情報処理装置100とは、ネットワークNWを介して相互に通信する。ネットワークNWは、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、セルラー網などを含む。
【0011】
[端末装置]
第1端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの通信機能を有するコンピュータ装置である。第1端末装置10のユーザは、自動車を所有しており、第1端末装置10を用いて情報処理装置100が運営する、一括買取査定依頼サービスを提供している自動車情報サイトにアクセスする。自動車情報サイトにアクセスしたユーザは、車両情報を含む、当該自動車の買取査定依頼を提出する。本実施形態において、第1端末装置10は、Webブラウザを用いて自動車情報サイトにアクセスするものとするが、代替的に、第1端末装置10は、情報処理装置100によって提供された自動車情報サイトに類似する機能を実現するアプリケーションを用いてもよい。
【0012】
図2は、情報処理装置100が提供する画面IS1であって、第1端末装置10によって提出される買取査定依頼を入力するための画面IS1の一例を示す図である。画面IS1では、車両情報を入力するための入力フォームIF1や、入力した車両情報を確定し、買取査定依頼を情報処理装置100に送信するためのボタンEB1などが設けられる。
【0013】
図2に示す通り、情報処理装置100が受け付ける車両情報は、例えば、車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、燃料、及び写真を含む。車名は、査定を希望する自動車の名称を意味する。型式は、「30系」、「50系」などの、査定を希望する自動車の世代を意味する。車種は、「セダン」、「SUV」、「ワゴン」などの、査定を希望する自動車の種類を意味する。メーカーは、査定を希望する自動車を製造した製造業者を意味する。年式は、査定を希望する自動車が製造された年を意味する。走行距離は、査定を希望する自動車が現在までに走行した累計距離を意味する。燃料は、「ガソリン」、「ハイブリッド」、「電気自動車(EV)」などの、査定を希望する自動車の動力源を意味する。写真は、査定を希望する自動車の外観写真を意味し、第1端末装置10のユーザがアップロードボタンを押下することによって、自身が撮影した自動車の写真を自動車情報サイトにアップロードすることができる。第1端末装置10のユーザは、入力フォームIF1に車両情報を入力した後、確定ボタンEB1を押下することによって、当該車両情報を含む買取査定依頼を情報処理装置100に送信する。なお、
図2に図示はしていないが、車両情報は、さらに、査定後、売却が成立した場合に自動車の売却を希望する地域を含んでもよい。さらに、第1端末装置10のユーザは、入力フォームIF1の項目を全て入力せずともよく、入力フォームIF1の少なくとも一部の項目を入力すればよい。
【0014】
第2端末装置20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの、通信機能を有するコンピュータ装置である。第2端末装置20のユーザは、中古自動車の購入を検討しており、第2端末装置20を用いて情報処理装置100が運営する自動車情報サイトにアクセスして、購入希望条件を含む、中古自動車の購入希望エントリーを登録する。
【0015】
図3は、情報処理装置100が提供する画面IS2であって、第2端末装置20によって登録される購入希望エントリーを入力するための画面IS2の一例を示す図である。画面IS2では、購入希望条件を入力するための入力フォームIF2や、入力した購入希望条件を確定し、購入希望エントリーを情報処理装置100に登録するためのボタンEB2などが設けられる。
【0016】
図3に示す通り、情報処理装置100が受け付ける購入希望条件は、例えば、自動車の希望額、車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、及び燃料を含む。希望額は、第2端末装置20のユーザが中古自動車を購入するに当たって支払いを許容する最高金額を意味する。車名は、購入を希望する自動車の名称を意味する。型式は、購入を希望する自動車の世代を意味する。車種は、購入を希望する自動車の種類を意味する。メーカーは、購入を希望する自動車を製造した製造業者を意味する。年式は、購入を希望する自動車が製造された年を意味する。この場合、年式に関する条件は、入力された年のみを許容する条件であってもよいし、入力された年およびそれ以降の年を許容する条件であってもよい。走行距離は、購入を希望する自動車が現在までに走行した累計距離の上限許容値を意味する。燃料は、「ガソリン」、「ハイブリッド」、「電気自動車(EV)」などの、購入を希望する自動車の動力源を意味する。第2端末装置20のユーザは、入力フォームIF2に購入希望条件を入力した後、確定ボタンEB2を押下することによって、当該購入希望条件を含む購入希望エントリーを情報処理装置100に送信する。なお、
図3に図示はしていないが、購入希望条件は、さらに、第2端末装置20のユーザが中古自動車の購入を希望する地域を含んでもよい。さらに、第2端末装置20のユーザは、入力フォームIF2の項目を全て入力せずともよく、入力フォームIF2の少なくとも一部の項目を入力すればよい。
【0017】
第3端末装置50は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの、通信機能を有するコンピュータ装置である。第3端末装置50のユーザは、中古自動車の買取業者であり、第3端末装置50を用いて情報処理装置100が運営する自動車情報サイトにアクセスして、第1端末装置10から送信された買取査定依頼に基づいて、第1端末装置10のユーザの自動車の買取査定を行ったり、第2端末装置20から登録された購入希望エントリーに応じて、自身が保有する自動車や第1端末装置10のユーザから買い取った自動車の購入を第2端末装置20のユーザに提案したりする。
【0018】
[情報処理装置]
情報処理装置100は、第1端末装置10と、第2端末装置20と、第3端末装置50とに自動車情報サイトの機能を提供するサーバ装置である。情報処理装置100は、例えば、フロント処理部110と、判定部120と、第1通知部130と、第2通知部140と、許可部150と、提示部160と、記憶部170と、を備える。フロント処理部110と、判定部120と、第1通知部130と、第2通知部140と、許可部150と、提示部160とのそれぞれは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現される。
【0019】
フロント処理部110は、自動車情報サイトのフロントエンド機能に関わる様々な処理を実行する。例えば、フロント処理部110は、買取査定依頼を入力するための画面IS1を第1端末装置10に提供したり、購入希望エントリーを入力するための画面IS2を第2端末装置20に提供したりする。その後、フロント処理部110は、第1端末装置10から、売却希望者によって入力された車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得したり、第2端末装置20から、購入希望者によって入力された購入希望エントリーを取得したりする。フロント処理部110は、取得した買取査定依頼を判定部120に受け渡す。また、例えば、フロント処理部110は、買取業者の第3端末装置50が、第1端末装置10のユーザに査定結果を通知したり、第2端末装置20のユーザに自動車の購入を提案するためのコミュニケーション機能を提供する。フロント処理部110は、「取得部」の一例である。
【0020】
判定部120は、フロント処理部110から買取査定依頼を取得すると、当該買取査定依頼に関する情報を記憶部170の売却希望者テーブル172に格納するとともに、記憶部170の購入希望者テーブル174を参照して、当該買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在するか否かを判定する。
【0021】
図4は、記憶部170に格納される売却希望者テーブル172の例示的な構成を示す図である。
図4に示す通り、売却希望者テーブル172は、売却希望者IDに対して、車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、燃料などの情報が対応付けられたものである。これらの情報は、上記で説明した買取査定依頼に含まれる車両情報に指定された項目に基づくものであるため、詳細な説明を省略する。
【0022】
図5は、記憶部170に格納される購入希望者テーブル174の例示的な構成を示す図である。
図5に示す通り、購入希望者テーブル174は、購入希望者IDに対して、希望額、車名、型式、車種、メーカー、年式、走行距離、燃料などの情報が対応付けられたものである。これらの情報は、上記で説明した購入希望エントリーに含まれる購入希望条件に指定された項目に基づくものであるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
例えば、
図4及び
図5に示す通り、売却希望者テーブル172の売却希望者ID102に示される買取査定依頼がフロント処理部110から取得されたと仮定すると、判定部120は、購入希望者テーブル174を参照して、当該買取査定依頼の車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望エントリーが存在するか否かを判定する。
図4及び
図5の場合、売却希望者ID102のエントリは、購入希望者ID200のエントリと走行距離以外の条件で一致している。そのため、判定部120は、売却希望者ID102のエントリと売却希望者ID200のエントリとが部分的に一致していると判定する。また、さらに、売却希望者ID102のエントリは、購入希望者ID201のエントリと全ての条件で一致している。そのため、判定部120は、売却希望者ID102のエントリと購入希望者ID201のエントリとが完全に一致していると判定する。
【0024】
なお、本実施形態において、判定部120は、売却希望者テーブル172のエントリに指定された条件と、購入希望者テーブル174のエントリに指定された条件とが少なくとも1項目において一致する場合に、これらのエントリが部分的に一致していると判定している。しかし、本発明はこの構成に限定されず、任意の個数の条件項目が一致するか否かに基づいて、部分的に一致しているか否かを判定してもよい。
【0025】
第1通知部130は、判定部120によって、買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在すると判定された場合、当該買取査定依頼に関する情報と共に、当該購入希望エントリーに関する情報を第3端末装置50に通知する。このとき、第1通知部130は、条件が完全一致した買取査定依頼と購入希望エントリーについてのみ情報を通知してもよいし、条件が少なくとも部分的に一致した全ての買取査定依頼と購入希望エントリーについて情報を通知してもよい。
【0026】
図6は、第1通知部130によって第3端末装置50に通知される通知画面の一例を示す図である。
図6において、EMAは、売却希望者が入力した車両情報に条件が完全一致した購入希望エントリーを示す領域であり、PMAは、売却希望者が入力した車両情報に条件が部分的に一致した購入希望エントリーを示す領域であり、IBは、売却希望者が登録した車両情報の詳細を確認するためのボタンであり、NBは、売却希望者に査定結果を通知するためのボタンである。買取業者が、第3端末装置50上で確認ボタンIBを押下すると、売却希望者ID102のユーザが第1端末装置10上で入力した車両情報を確認することができる。また、買取業者が、第3端末装置50上で通知ボタンNBを押下すると、例えば、第3端末装置50上に搭載されたメールソフトが起動され、買取業者は、売却希望者ID102のユーザにメールを介して査定結果を通知することができる。このように、買取業者は、単一の買取希望者の情報だけではなく、条件が完全一致又は部分一致した複数の買取希望者の情報を閲覧することができるため、条件が一致した買取希望者の人数や一致度合いを考慮した上で、買取査定金額を決定することができる。提案ボタンPB1及びPB2(以下、「提案ボタンPB」と総称する場合がある)については、後述する。
【0027】
第2通知部140は、判定部120によって、買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する購入希望エントリーが存在すると判定された場合、そのような買取査定依頼が存在するという事実を少なくとも含む情報を、第2端末装置20に通知する。具体的には、例えば、第2通知部140は、「あなたの設定した購入希望条件に一致する買取査定依頼が提出されました!」などの情報を第2端末装置20に通知する。この構成により、第2端末装置20のユーザは、例えば、第2通知部140からの通知を全く受けない場合、自身が設定した購入希望条件が妥当ではないことを認識することができ、購入希望条件を見直すことができる。判定部120によって、買取査定依頼に含まれた車両情報と部分的に一致する購入希望条件を有する購入希望エントリーが存在すると判定された場合、第2通知部140は、一致していない条件の内容を第2通知部140に通知してもよい。このようにしても、第2端末装置20のユーザは自身が設定した購入希望条件を見直すことができる。
【0028】
許可部150は、第3端末装置50が第2端末装置20に自動車の購入を提案することを許可する。具体的には、許可部150は、買取業者が第3端末装置50上で、
図6の提案ボタンPBを押下すると、第3端末装置50に、車名や販売価格などの販売条件を入力させ、当該販売条件を含む提案を第3端末装置50から受信する。例えば、買取業者が第3端末装置50上で、提案ボタンPB1を押下した場合、買取業者は、購入希望者ID201のユーザが設定した購入希望条件を考慮して販売条件を入力し、当該販売条件を含む提案を許可部150に送信する。なお、
図6においては、許可部150が、第1通知部130からの通知に応じて、第3端末装置50に、購入希望者が登録した購入希望条件と少なくとも部分的に一致する車両情報に係る車両の購入を提案することを許可する例を示している。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、買取業者は、第1通知部130からの通知以前に、購入希望エントリーを登録した購入希望者に任意のタイミングで、任意の車両の購入に関する提案を行ってもよい。
【0029】
提示部160は、許可部150が第3端末装置50から提案を受信した場合、当該提案を第2端末装置20に提示する。提示部160は、特に、許可部150が複数の第3端末装置50から提案を受信した場合、すなわち、複数の買取業者が、購入希望者に車両の購入を提案する場合、当該複数の買取業者の提案に含まれる所定条件に基づいて、受信した提案を並び替え、並び替えた提案を第2端末装置20に提示する。
【0030】
図7は、提示部160によって第2端末装置20に提示される提示画面の一例を示す図である。
図7において、L1は複数の買取業者による提案を並び替えるための並び替え条件を指定するためのドロップダウンリストを示し、B1及びB2は、第2端末装置20のユーザに提案を行った複数の買取業者を示し、CB1及びCB2は、対応する買取業者に、例えば、メール形式で連絡を取るためのボタンを示す。
図7の場合、提示部160は、買取業者による提案を販売価格の低い順に並び替え、第2端末装置20に提示している。しかし、第2端末装置20のユーザは、ドロップダウンリストL1を用いて、例えば、年式、走行距離などの条件を指定し、提示部160は、当該条件にしたがって買取業者による提案を並び替え、第2端末装置20に提示する。
【0031】
次に、
図8を参照して、第1実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れについて説明する。
図8は、第1実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0032】
まず、情報処理装置100は、フロント処理部110を用いて、売却希望者の第1端末装置10から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得する(ステップS100)。次に、情報処理装置100は、判定部120を用いて、当該買取査定依頼に関する情報を記憶部170の売却希望者テーブル172に格納するとともに(ステップS101)、記憶部170の購入希望者テーブル174を参照して、当該買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在するか否かを判定する(ステップS102)。車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在しないと判定された場合には、情報処理装置100は、本フローチャートの処理を終了する。一方、車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在すると判定された場合には、情報処理装置100は、第1通知部130を用いて、買取査定依頼に関する情報と共に、当該購入希望エントリーに関する情報を第3端末装置50に通知する(ステップS103)。具体的には、第1通知部130は、
図6に示した通り、売却希望者が登録した車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する購入希望エントリーを第3端末装置50に通知する。次に、情報処理装置100は、許可部150を用いて、買取業者に、第3端末装置50を用いて、購入希望者に提案を行うことを許可し、当該買取業者によって入力された提案を受け付ける(ステップS104)。具体的には、許可部150は、前述した通り、第3端末装置50のユーザに車名や販売価格などの販売条件を入力させ、当該販売条件を含む提案を第3端末装置50から受信する。次に、情報処理装置100は、提示部160を用いて、許可部150が受信した提案を第2端末装置20に提示する(ステップS105)。具体的には、
図7に示した通り、提示部160は、複数の買取業者から受け付けた提案を、例えば、販売価格の低い順に並び替えて、並び替えた提案を第2端末装置20に提示する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
【0033】
以上の通り説明した第1実施形態によれば、買取業者は、買取査定依頼に含まれる車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する購入希望エントリーが存在することを事前に把握した上で、買取査定を行い、かつ購入希望者に自動車の購入提案を行うことができるため、リスクヘッジのために買取金額を過剰に低く設定したり、販売価格を過剰に高く設定する必要がない。さらに、購入希望者は、買取査定依頼が登録された段階で、買取業者による購入提案を受けることができるため、中古自動車に関する最新情報を得ることができる。すなわち、自動車の売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者にとっての利便性を高めることができる。
【0034】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置100について説明する。第1実施形態においては、買取業者は、購入希望者に自由に提案を行うことができる。しかしながら、複数の買取業者が自由に購入希望者に提案を行う場合、買取業者間の競争によって、売買の成立に問題が生じうる。例えば、
図6の場合、ある買取業者は売却希望者との成約を得るために115万円の査定結果を通知する一方、別の買取業者は購入希望者との成約を得るために110万円での購入を提案することがあり得る。その場合、購入希望者に110万円での購入を提案した買取業者は売却希望者から自動車を購入することができず、かつ購入希望者は、事前にオファーを受けた110万円よりも高い金額のオファー(すなわち、115万円よりも高い購入オファー)を受けることとなり、不快感を持ち得る。
【0035】
このような問題を回避するために、第2実施形態に係る情報処理装置100の許可部150は、売却希望者からの買取業者による自動車の買取が成立した場合に、当該買取業者の第3端末装置50が、購入希望者の第2端末装置20に、当該自動車の購入を提案することを許可する。
【0036】
図9は、第2実施形態に係る情報処理装置100の第1通知部130によって第3端末装置50に通知される通知画面の一例を示す図である。
図9は、
図6と同様、買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する購入希望エントリーの一覧を示している。しかし、
図6の画面とは異なり、
図9の画面では、購入希望者への提案ボタンPBに代えて、提案申請ボタンAB1及びAB2(以下、「提案申請ボタンAB」と総称する場合がある)が表示されている。
【0037】
図9の場面において、買取業者が第3端末装置50上で提案申請ボタンABを押下すると、許可部150は、第3端末装置50に、売却希望者ID102のユーザからの買取が成立したことを示す情報を要求する。具体的には、例えば、許可部150は、売却希望者ID102のユーザが自動車の売却に同意した旨を示すメールの添付を第3端末装置50に要求する。許可部150は、第3端末装置50から、売却希望者ID102のユーザからの買取が成立したことを示す情報(例えば、「売却に同意します」などの文言を含むメール)を受信すると、第3端末装置50のユーザに車名や販売価格などの販売条件を入力させ、当該販売条件を含む提案を第3端末装置50から受信する。次に、情報処理装置100は、提示部160を用いて、許可部150が受信した提案を第2端末装置20に提示する。このとき、許可部150が受信する提案は一つであるため、提示部160は複数の提案を並び替える必要はない。
【0038】
次に、
図10を参照して、第2実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れについて説明する。
図10は、第2実施形態に係る情報処理装置100によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、情報処理装置100は、フロント処理部110を用いて、売却希望者の第1端末装置10から、車両情報を含む車両の買取査定依頼を取得する(ステップS200)。次に、情報処理装置100は、判定部120を用いて、当該買取査定依頼に関する情報を記憶部170の売却希望者テーブル172に格納するとともに(ステップS201)、記憶部170の購入希望者テーブル174を参照して、当該買取査定依頼に含まれた車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在するか否かを判定する(ステップS202)。車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在しないと判定された場合には、情報処理装置100は、本フローチャートの処理を終了する。
【0040】
一方、車両情報と少なくとも部分的に一致する購入希望条件を有する、他のユーザによって設定された購入希望エントリーが存在すると判定された場合には、情報処理装置100は、第1通知部130を用いて、買取査定依頼に関する情報と共に、当該購入希望エントリーに関する情報を第3端末装置50に通知する(ステップS203)。次に、情報処理装置100は、許可部150を用いて、第3端末装置50から、売却希望者からの買取が成立したことを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS204)。売却希望者からの買取が成立したことを示す情報を受信しなかったと判定された場合には、情報処理装置100は、本フローチャートの処理を終了する。
【0041】
一方、売却希望者からの買取が成立したことを示す情報を受信したと判定された場合には、情報処理装置100は、許可部150を用いて、買取業者に、第3端末装置50を用いて、購入希望者に提案を行うことを許可し、当該買取業者によって入力された提案を受け付ける(ステップS205)。次に、情報処理装置100は、提示部160を用いて、許可部150が受信した提案を第2端末装置20に提示する(ステップS206)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
【0042】
以上の通り説明した第2実施形態によれば、売却希望者との売買を成立させた買取業者のみが購入希望者に提案を行うことができるため、売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者間の取引をより確実に成立させることができる。すなわち、自動車の売却希望者と、買取業者と、購入希望者の三者にとっての利便性を高めることができる。
【0043】
なお、上記の実施形態においては、自動車の売買を例に説明したが、本発明はこの構成に限定されず、二輪車など、一般的に中古市場が成立する物品一般に適用することができる。
【0044】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 第1端末装置
20 第2端末装置
50 第3端末装置
100 情報処理装置
110 フロント処理部
120 判定部
130 第1通知部
140 第2通知部
150 許可部
160 提示部
170 記憶部
172 売却希望者テーブル
174 購入希望者テーブル