(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】充電回路、充電制御方法及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230106BHJP
【FI】
H02J7/00 B
(21)【出願番号】P 2021177400
(22)【出願日】2021-10-29
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】202110578704.7
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】梁 磊
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-146092(JP,A)
【文献】特開2010-98912(JP,A)
【文献】特開平6-253463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電回路であって、電池を充電するための少なくとも2つの充電チップを含み、前記少なくとも2つの充電チップは、いずれも独立充電動作モードに構成されており、
前記少なくとも2つの充電チップにおける各充電チップは、前記各充電チップが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うように、いずれも前記電池の電圧情報を収集するための第1の電圧サンプリング端子及び第2の電圧サンプリング端子を含み、ここで、前記第1の電圧サンプリング端子及び前記第2の電圧サンプリング端子のそれぞれは、前記電池の両極に接続される、
ことを特徴とする充電回路。
【請求項2】
前記各充電チップは、いずれも外部電源に接続される電圧入力線及び電池に接続される電圧出力線を含み、
前記各充電チップは、いずれも第1のスイッチトランジスタ及び少なくとも1つの充電回路を含み、各前記充電回路にいずれもコンデンサが設けられており、前記充電回路は、複数のスイッチトランジスタが順次直列接続されて形成されており、
各前記充電回路の第1の端子がいずれも前記第1のスイッチトランジスタの第1の端子に接続され、各前記充電回路の第2の端子がいずれも接地しており、前記電圧入力線が前記第1のスイッチトランジスタの第2の端子に接続され、前記電圧出力線が前記充電回路の任意の2つの前記スイッチトランジスタの間に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電回路。
【請求項3】
前記少なくとも1つの充電回路は、第1のコンデンサが設けられる第1の充電回路及び第2のコンデンサが設けられる第2の充電回路を含み、
前記第1の充電回路は、順次直列接続されている第2のスイッチトランジスタ、第3のスイッチトランジスタ、第4のスイッチトランジスタ及び第5のスイッチトランジスタを含み、前記第2の充電回路は、順次直列接続されている第6のスイッチトランジスタ、第7のスイッチトランジスタ、第8のスイッチトランジスタ及び第9のスイッチトランジスタを含み、
前記第1のコンデンサの第1の端子は、前記第2のスイッチトランジスタと前記第3のスイッチトランジスタとの間に接続され、前記第1のコンデンサの第2の端子は、前記第4のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタとの間に接続され、
前記第2のコンデンサの第1の端子は、前記第6のスイッチトランジスタと前記第7のスイッチトランジスタとの間に接続され、前記第2のコンデンサの第2の端子は、前記第8のスイッチトランジスタと前記第9のスイッチトランジスタとの間に接続され、
前記電圧出力線は、前記第3のスイッチトランジスタと前記第4のスイッチトランジスタとの間、及び前記第7のスイッチトランジスタと前記第8のスイッチトランジスタとの間に接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の充電回路。
【請求項4】
電子機器であって、電池及び前記電池を充電するための少なくとも2つの充電チップを含み、前記少なくとも2つの充電チップは、独立充電動作モードに構成されており、
前記少なくとも2つの充電チップにおける各充電チップは、前記各充電チップが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うように、いずれも前記電池の電圧情報を収集するための第1の電圧サンプリング端子及び第2の電圧サンプリング端子を含み、ここで、前記第1の電圧サンプリング端子及び前記第2の電圧サンプリング端子のそれぞれは、前記電池の両極に接続される、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
マザーボードをさらに含み、前記各充電チップは、いずれも前記マザーボードに設けられており、または、
少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、前記各充電チップは、前記少なくとも2つのマザーボードのうちの同一のマザーボードに設けられており、または、
少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、各前記マザーボードには、少なくとも1つの前記充電チップが設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記充電チップの数は2つであり、前記マザーボードの数は2つであり、前記充電チップのうちの1つが設けられる大型基板及び前記充電チップのうちのもう1つが設けられる小型基板を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
コントローラをさらに含み、前記電子機器は、少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、各前記マザーボードのそれぞれは、少なくとも1つの前記充電チップが設けられており、
前記コントローラは、前記少なくとも2つのマザーボードの温度をそれぞれ取得し、前記少なくとも2つのマザーボードの温度に基づいて、前記少なくとも2つのマザーボードに設けられる充電チップの動作又はオフを制御するように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
コントローラをさらに含み、前記電子機器は、マザーボードをさらに含み、前記少なくとも2つの充電チップのそれぞれは、前記マザーボードの異なる領域に設けられており、
前記コントローラは、前記マザーボードの異なる領域の温度をそれぞれ取得し、前記マザーボードの異なる領域の温度に基づいて、前記異なる領域に設けられる充電チップの動作又はオフを制御するように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項9】
コントローラをさらに含み、
前記コントローラは、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定するように構成され、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御する、
ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
充電制御方法であって、請求項4~9のいずれか一項に記載の電子機器に適用され、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定するステップと、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする充電制御方法。
【請求項11】
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御するステップは、具体的には、
前記電子機器の動作状態がブラックスクリーン状態である場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御するステップと、
前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値より小さい状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第2の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御するステップであって、前記第2の充電モードが前記第1の充電モードの最大充電電流より小さいステップと、
前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値以上である状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップをオフにし、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップ以外のその他の充電チップが動作するように制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器の技術分野に関し、特に、充電回路、充電制御方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの電子機器の充電パワーがますます大きくなるにつれて、一台の電子機器は、通常2つ又は複数の充電チップを並列接続して充電する方式でパワーを向上させて温度上昇を下げる。複数の充電チップのレイアウト及び接続方式は様々であり、これらの構成は、充電ポリシー及び効果に対する影響が非常に大きい。
【0003】
現在の2つ又は複数の充電チップを並列接続して充電する技術案は、いずれもマスタスレーブモードを採用し、2つ又は複数の充電チップのうちの1つだけがマスタチップとして指定され、その他のチップがスレーブチップとして指定され、マスタチップがスレーブチップに同期クロックシグナルを送信することにより、スレーブチップが動作するように駆動される。マスタスレーブモードでは、1つの充電チップを個別にオフにする必要がある場合、スレーブチップをオフにするしかない。そのため、充電ポリシーの調整がすべてのシナリオに適応できず、充電の最適化が実現できず、充電効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、従来技術における少なくとも一部の問題を解決するための充電回路、充電制御方法及び電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本開示によって採用された技術案は以下の通りである。
【0006】
第1の態様において、本開示の実施例は、電池を充電するための少なくとも2つの充電チップを含む充電回路を提供し、前記少なくとも2つの充電チップは、いずれも独立充電動作モードに構成されており、
前記少なくとも2つの充電チップにおける各充電チップは、前記各充電チップが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うように、いずれも前記電池の電圧情報を収集するための第1の電圧サンプリング端子及び第2の電圧サンプリング端子を含み、ここで、前記第1の電圧サンプリング端子及び前記第2の電圧サンプリング端子のそれぞれは、前記電池の両極に接続される。
【0007】
いくつかの可能な実施形態において、前記各充電チップは、いずれも外部電源に接続される電圧入力線及び電池に接続される電圧出力線を含み、
前記各充電チップは、いずれも第1のスイッチトランジスタ及び少なくとも1つの充電回路を含み、各前記充電回路にいずれもコンデンサが設けられており、前記充電回路は、複数のスイッチトランジスタが順次直列接続されて形成されており、
各前記充電回路の第1の端子がいずれも前記第1のスイッチトランジスタの第1の端子に接続され、各前記充電回路の第2の端子がいずれも接地しており、前記電圧入力線が前記第1のスイッチトランジスタの第2の端子に接続され、前記電圧出力線が前記充電回路の任意の2つの前記スイッチトランジスタの間に接続されている。
【0008】
いくつかの可能な実施形態において、前記少なくとも1つの充電回路は、第1のコンデンサが設けられる第1の充電回路及び第2のコンデンサが設けられる第2の充電回路を含み、
前記第1の充電回路は、順次直列接続されている第2のスイッチトランジスタ、第3のスイッチトランジスタ、第4のスイッチトランジスタ及び第5のスイッチトランジスタを含み、前記第2の充電回路は、順次直列接続されている第6のスイッチトランジスタ、第7のスイッチトランジスタ、第8のスイッチトランジスタ及び第9のスイッチトランジスタを含み、
前記第1のコンデンサの第1の端子は、前記第2のスイッチトランジスタと前記第3のスイッチトランジスタとの間に接続され、前記第1のコンデンサの第2の端子は、前記第4のスイッチトランジスタと前記第5のスイッチトランジスタとの間に接続され、
前記第2のコンデンサの第1の端子は、前記第6のスイッチトランジスタと前記第7のスイッチトランジスタとの間に接続され、前記第2のコンデンサの第2の端子は、前記第8のスイッチトランジスタと前記第9のスイッチトランジスタとの間に接続され、
前記電圧出力線は、前記第3のスイッチトランジスタと前記第4のスイッチトランジスタとの間、及び前記第7のスイッチトランジスタと前記第8のスイッチトランジスタとの間に接続されている。
【0009】
第2態様において、本開示の実施例は、電池及び前記電池を充電するための少なくとも2つの充電チップを含む電子機器を提供し、前記少なくとも2つの充電チップは、独立充電動作モードに構成されており、
前記少なくとも2つの充電チップにおける各充電チップは、前記各充電チップが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うように、いずれも前記電池の電圧情報を収集するための第1の電圧サンプリング端子及び第2の電圧サンプリング端子を含み、ここで、前記第1の電圧サンプリング端子及び前記第2の電圧サンプリング端子のそれぞれは、前記電池の両極に接続される。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、マザーボードをさらに含み、前記各充電チップは、いずれも前記マザーボードに設けられており、または、
少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、前記各充電チップは、前記少なくとも2つのマザーボードのうちの同一のマザーボードに設けられており、または、
少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、各前記マザーボードには、少なくとも1つの前記充電チップが設けられる。
【0011】
いくつかの可能な実施形態において、前記充電チップの数は2つであり、前記マザーボードの数は2つであり、前記充電チップのうちの1つが設けられる大型基板及び前記充電チップのうちのもう1つが設けられる小型基板を含む。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、コントローラをさらに含み、前記電子機器は、少なくとも2つのマザーボードをさらに含み、各前記マザーボードのそれぞれは、少なくとも1つの前記充電チップが設けられており、
前記コントローラは、前記少なくとも2つのマザーボードの温度をそれぞれ取得し、前記少なくとも2つのマザーボードの温度に基づいて、前記少なくとも2つのマザーボードに設けられる充電チップの動作又はオフを制御するように構成される。
【0013】
いくつかの可能な実施形態において、コントローラをさらに含み、前記電子機器は、マザーボードをさらに含み、前記少なくとも2つの充電チップのそれぞれは、前記マザーボードの異なる領域に設けられており、
前記コントローラは、前記マザーボードの異なる領域の温度をそれぞれ取得し、前記マザーボードの異なる領域の温度に基づいて、前記異なる領域に設けられる充電チップの動作又はオフを制御するように構成される。
【0014】
いくつかの可能な実施形態において、コントローラをさらに含み、
前記コントローラは、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定するように構成され、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御する。
【0015】
第3の態様において、本開示の実施例は、第2の態様の実施例に記載の電子機器に適用される充電制御方法を提供し、前記制御方法は、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定するステップと、
前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御するステップと、を含む。
【0016】
いくつかの可能な実施形態において、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御するステップは、具体的には、
前記電子機器の動作状態がブラックスクリーン状態である場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御するステップと、
前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値より小さい状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第2の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御するステップであって、前記第2の充電モードが前記第1の充電モードの最大充電電流より小さいステップと、
前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値以上である状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップをオフにし、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップ以外のその他の充電チップが動作するように制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本開示の実施例により提供される技術案は以下の有益な効果を含むことができる。
本開示の実施例の充電回路は、各充電チップが、いずれも独立充電動作モードに構成されており、第1の電圧サンプリング端子及び第2の電圧サンプリング端子を介して電池の電圧情報を独立して収集し、各充電チップのそれぞれが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うようにすることができ、互いに影響せず、異なるシナリオに応じてその中の任意の充電チップを柔軟にオフにし、より多くの充電シナリオに適応することができる。
【0018】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、本開示を制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本出願の例示的な実施例に示す充電回路の構成ブロック図である。
【
図2】本出願の例示的な実施例に示す電子機器の構成ブロック図である。
【
図3】本出願の例示的な実施例に示す電子機器の充電フローチャートである。
【
図4】本出願の例示的な実施例に示す別の電子機器の構成ブロック図である。
【
図5】本出願の例示的な実施例に示す充電制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に示す具体的な実施形態と併せて本開示を詳細に説明する。これらの実施形態は本開示を限定するものではなく、当業者がこれらの実施形態に基づいて行った構造、方法、又は機能上の変換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれる。
【0021】
本開示において用いられる用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図しない。本開示及び添付された特許請求の範囲において用いられる単数形式の「1つ」、「前記」及び「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、多数形式を含むことも意図している。本明細書において用いられる用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する列挙されたアイテムの任意又はすべての可能な組み合わせを意味し且つ含むことを理解されたい。
【0022】
以下、図面と併せて本開示の充電回路、充電制御方法及び電子機器を詳細に説明し、以下の実施例及び実施形態における特徴は、衝突しない限り、組み合わせることができる。
【0023】
図1を参照すると、本開示の実施例は、電子機器を充電するための少なくとも2つの充電チップ10を含む充電回路を提供し、充電チップ10をチャージポンプとして理解することができる。前記少なくとも2つの充電チップ10は、いずれも独立充電動作モードに構成されている。なお、本開示に記載の複数は、すべて2つ以上を意味する。いくつかの可能な実施形態において、前記充電チップ10の数は2つであり、図では、2つの充電チップ10を例とする。
【0024】
本開示における各充電チップ10に基づく充電回路は、各充電チップ10を独立充電動作モードに構成することができ、例えば、電源がオンになると、CPUが各充電チップ10を独立動作モードに構成することができ、そして当該各充電チップ10は、電圧情報をそれぞれ収集して独立充電動作を行うことができる。
【0025】
前記少なくとも2つの充電チップ10における各前記充電チップ10は、前記各充電チップ10が収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うように、いずれも前記電池20の電圧情報を収集するための第1の電圧サンプリング端子VBAT+及び第2のSンプリング端子VBAT-を含み、ここで、前記第1の電圧サンプリング端子VBAT+及び第2の電圧サンプリング端子VBAT-のそれぞれは、前記電池20の両極に接続される。
【0026】
本開示の実施例の充電回路は、各充電チップ10が独立充電動作モードに構成されており、第1の電圧サンプリング端子VBAT+及び第2の電圧サンプリング端子VBAT-を介して電池20の電圧情報を独立して収集し、各充電チップ10のそれぞれが収集された電圧情報に基づいて独立充電動作を行うようにすることができ、互いに影響せず、このように、異なるシナリオに応じて任意の1つの充電チップ10を柔軟にオフにし、より多くの充電シナリオに適応することができる。例えば、2つの充電チップを例として、電子機器の電源がオンになると、電子機器のCPUが2つの充電チップを独立動作モードに構成し、そして2つの充電チップは、電圧情報をそれぞれ収集して独立充電動作を行うことができ、互いに影響せず、マスタスレーブモードではなく、このような電子機器は、異なる動作モードや機器全体の発熱状況に応じて、その中の任意の充電チップを選択的にオフにすることができ、より多くの充電シナリオを満たすことができる。
【0027】
いくつかの可能な実施形態において、前記充電チップ10は、いずれも外部電源90に接続される電圧入力線VBUS及び電池20に接続される電圧出力線VOUTを含み、例えば、充電器を介して電圧入力線VBUSを外部電源90に接続することができる。前記各充電チップ10は、いずれも第1のスイッチトランジスタQ0及び少なくとも1つの充電回路を含み、各前記充電回路にいずれもコンデンサが設けられており、コンデンサは、充放電コンデンサであってもよい。各前記充電回路は、複数のスイッチトランジスタが順次直列接続されて形成されている。各前記充電回路の第1の端子がいずれも前記第1のスイッチトランジスタQ0の第1の端子(図では右端子)に接続され、各前記充電回路の第2の端子がいずれも接地している。前記電圧入力線VBUSが前記第1のスイッチトランジスタQ0の第2の端子(図では左端子)に接続されている。前記電圧出力線VOUTが任意の2つの前記スイッチトランジスタの間に接続されている。上記構成によって、外部電源が充電回路を介してコンデンサを充電することができ、コンデンサが満充電になったら、外部電源を接続することなく、コンデンサを介して電池2を充電し、予備電力として使用し、電子機器の待機時間を長くすることができる。
【0028】
図に示す例において、少なくとも1つの充電回路は、2つを例として、第1のコンデンサC2が設けられる第1の充電回路及び第2のコンデンサC4が設けられる第2の充電回路を含むことができ、前記第1の充電回路は、順次直列接続されている第2のスイッチトランジスタQ1、第3のスイッチトランジスタQ2、第4のスイッチトランジスタQ3及び第5のスイッチトランジスタQ4を含み、前記第2の充電回路は、順次直列接続されている第6のスイッチトランジスタQ5、第7のスイッチトランジスタQ6、第8のスイッチトランジスタQ7及び第9のスイッチトランジスタQ8を含む。
【0029】
前記第1のコンデンサC2の第1の端子(図では上端子)は、前記第2のスイッチトランジスタQ1と前記第3のスイッチトランジスタQ2との間に接続され、前記第1のコンデンサC2の第2の端子(図では下端子)は、前記第4のスイッチトランジスタQ3と前記第5のスイッチトランジスタQ4との間に接続されている。前記第2のコンデンサC4の第1の端子(図では上端子)は、前記第6のスイッチトランジスタQ5と前記第7のスイッチトランジスタQ6との間に接続され、前記第2のコンデンサC4の第2の端子(図では下端子)は、前記第8のスイッチトランジスタQ7と前記第9のスイッチトランジスタQ8との間に接続されている。前記電圧出力線VOUTは、前記第3のスイッチトランジスタQ2と前記第4のスイッチトランジスタQ3との間、及び前記第7のスイッチトランジスタQ6と前記第8のスイッチトランジスタQ7との間に接続されている。
【0030】
上記構成によって、外部電源は、第1の充電回路を介して第1のコンデンサC2を充電し、第2の充電回路を介して第2のコンデンサC4を充電することができ、第1のコンデンサC2及び第2のコンデンサC4が満充電になったら、外部電源を接続することなく、第1のコンデンサC2及び第2のコンデンサC4を介して電池20を充電し、予備電力として使用し、電子機器の待機時間を長くすることができる。
【0031】
図1を引き続き参照すると、本開示の実施例は、電子機器をさらに提供し、電子機器は、携帯電話、タブレットなどの携帯端末であってもよい。電子機器は、電池20及び充電回路を含むことができる。なお、上記実施例及び実施形態における充電回路に関する説明は、本実施例の電子機器にも適用する。前記電池20の正極は、前記充電回路の充電チップ10の電圧出力線VOUTに接続され、前記電池20の負極は接地している。
【0032】
上記構成によって、充電回路の各充電チップ10は、いずれも独立充電動作モードに構成されており、外部電源90及び電池20に独立して接続することができ、第1の電圧サンプリング端子VBAT+及び第2の電圧サンプリング端子VBAT-を介して電池20の電圧情報を独立して収集し、各充電チップ10のそれぞれが収集された電圧情報に基づいて独立して動作するようにすることができ、互いに影響せず、電子機器は、異なるシナリオに応じて任意の1つの充電チップ10を柔軟にオフにし、より多くの充電シナリオに適応することができる。例えば、2つの充電チップを例として、電子機器の電源がオンになると、電子機器のCPUが2つの充電チップを独立動作モードに構成し、そして2つの充電チップは、電圧情報をそれぞれ収集して独立充電動作を行うことができ、互いに影響せず、電子機器は、異なる動作モードや機器全体の発熱状況に応じて、その中の1つの充電チップを選択的にオフにすることができ、電池を充電することを確保した上で、電子機器の発熱量を下げ、より多くの充電シナリオに適応することができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、電子機器は、少なくとも1つのマザーボードをさらに含むことができ、1つのマザーボードのみを含む場合、前記各充電チップ10は、いずれも前記マザーボードに設けられる。
【0034】
少なくとも2つのマザーボードを含む場合、前記各充電チップ10は、前記少なくとも2つのマザーボードのうちの同一のマザーボードに設けることができる。2つのマザーボードを例として、大型基板及び小型基板を含み、前記各充電チップ10は、いずれも大型基板に設けることができる。2つの充電チップを同一のマザーボードに設けるという方式は、走行インピーダンスによって充電電流を制御することが比較的容易である。
【0035】
少なくとも2つのマザーボードを含む場合、各前記マザーボードのそれぞれには、少なくとも1つの前記充電チップ10が設けられる。2つのマザーボード及び2つの充電チップを例として、2つのマザーボードは、大型基板及び小型基板を含み、大型基板及び小型基板のそれぞれには、1つの充電チップが設けられる。このようなレイアウト方式は、熱源の分散が充電性能の向上を容易にし、走行インピーダンスに対して対応する設定をすることで、2つの充電チップの電流分配のバランスを実現する。
【0036】
各充電チップがいずれも独立して設定されているので、マザーボードの実際の数及びレイアウトに基づいて、各充電チップの位置を柔軟に設置することができる。各充電チップは、充電が必要であるか否かを判断するために、電池の電圧情報を独立して検出することができる。それほど大きな充電電流が必要ではない場合、任意の1つの充電チップをオフにするか、又はマザーボードの発熱状況に応じて、ホットスポット領域に位置する充電チップをオフにすることができる。これにより充電チップの位置を柔軟に配置することができ、マザーボードのレイアウトの多様性を柔軟に調整することもできる。
【0037】
図2を参照すると、いくつかの実施形態において、前記電池20は、電池保護ボード21及び前記電池保護ボード21に設けられるセル22を含み、前記電池保護ボード21には、前記電圧出力線VOUTに接続されている接続線が設けられる。充電チップ10の電圧出力線VOUTは、接続線を介して電池保護ボード21に接続することにより、セル22を充電する。
図2では、マザーボードの数は2つであり、大型基板及び小型基板を含む場合を例として、大型基板が電池の片側に位置し、小型基板が電池の他側に位置し、大型基板及び小型基板のそれぞれに1つの充電チップが設けられる場合、2つの充電チップ10のそれぞれが電池保護ボード21の上下両側に位置し、なお、本開示の充電チップ10がいずれも独立して設けられ、2つの充電チップ10の位置をマザーボードの位置に基づいて設けることができ、メインのレイアウト方式をより柔軟にすることができ、実際の必要に応じて設けることもでき、本開示はこれを限定しない。
【0038】
図3を参照すると、大型基板及び小型基板の両方にも1つの充電チップが設けられ、且つ電子機器が携帯電話であることを例として、大型基板及び小型基板の両方にも熱源があり、携帯電話の温度が高くなると、充電制御方式は電流降下をトリガする。例えば、大型基板の熱源がCPUであり、対応するシナリオが、例えばゲームを遊びながら充電することである場合、大型基板の温度が高くなり、大型基板が小型基板より熱く、この時に大型基板の充電チップをオフにし、小型基板の充電チップを動作させることにより、機器全体の熱バランスを取り、充電速度の最大化を実現するとともに、機器全体の発熱量を下げることができる。また、例えば、小型基板の熱源は通常、LCDの画面バックライト及び小型基板の位置にあるその他の発熱体であり、電子機器の画面が最大輝度である場合、小型基板の温度が高くなり、小型基板が大型基板より熱く、この時に小型基板の充電チップをオフにし、大型基板の充電チップを動作させることができる。
【0039】
図4を参照すると、いくつかの可能な実施形態において、電子機器は、前記複数の充電チップ10に接続されているコントローラ30を含むこともでき、前記コントローラは、前記充電チップ10の動作又はオフを制御するように構成される。コントローラ30は、マザーボードに設けてもよく、マザーボードの発熱状況又は電子機器の機器全体の発熱状況に応じて、どの位置の充電チップ10をオフにするかを判断することができる。選択可能に、コントローラ30は、電子機器のCPUであってもよい。コントローラ30は、各充電チップ10の第1のサンプリング端子VBAT+及び第2のサンプリング端子VBAT-に基づいて電池20の電圧情報を独立して収集し、複数の充電チップ10が電池を同時に充電するように制御するか、又は電池を充電するようにその中の一部の充電チップ10を制御すると判断することができる。
【0040】
いくつかの可能な実施形態において、電子機器が1つのマザーボードのみを含み、前記複数の充電チップ10が前記マザーボードの異なる領域に設けられる場合、前記コントローラは、前記マザーボードの異なる領域の温度をそれぞれ取得し、前記マザーボードの異なる領域の温度に基づいて、前記異なる領域に設けられる充電チップの動作又はオフを制御することに用いられ、すなわち、コントローラ30は、前記マザーボードの異なる領域の発熱状況に応じて、対応する領域に設けられる前記充電チップ10を選択的にオフにする。例えば、前記マザーボードに複数の検出抵抗が設けられ、前記複数の抵抗は、前記マザーボードの異なる領域に分布する。前記コントローラ30は、各抵抗の抵抗値に基づいて、前記マザーボードの異なる領域の発熱状況を判断することにより、対応する領域の充電チップ10のオンオフを制御する。
【0041】
いくつかの可能な実施形態において、電子機器が少なくとも2つのマザーボードを含み、各前記マザーボードのそれぞれに少なくとも1つの前記充電チップ10が設けられる場合、前記コントローラは、前記少なくとも2つのマザーボードの温度をそれぞれ取得し、前記少なくとも2つのマザーボードの温度に基づいて、前記少なくとも2つのマザーボードに設けられる充電チップの動作又はオフを制御することに用いられ、すなわち、前記コントローラ30は、各前記マザーボードの発熱状況に応じて、発熱量が大きなマザーボードに設けられる前記充電チップ10を選択的にオフにすることができる。例えば、ここで、各前記マザーボードには、検出抵抗が設けられ、前記コントローラ30は、前記検出抵抗の抵抗値に基づいて、各前記マザーボードの発熱状況を判断することにより、対応するマザーボード上の充電チップ10をオフにすることができる。
【0042】
例えば、大型基板及び小型基板に1つの充電チップが設けられ、且つ電子機器が携帯電話であることを例として、大型基板及び小型基板に熱源があり、携帯電話の温度が高くなると、充電方案は電流降下をトリガする。大型基板の熱源がCPUであり、対応するシナリオがゲームを遊びながら充電する場合、大型基板の温度が高くなり、大型基板が小型基板より熱く、この時にコントローラ30は、大型基板における検出抵抗の抵抗値の変化を検出し、大型基板の温度の上昇を判断することにより、大型基板の充電チップをオフにし、小型基板の充電チップが動作を継続するように制御し、これにより機器全体の熱バランスを取り、機器全体の発熱量を下げることができる。小型基板の熱源は、LCDの画面バックライト及び小型基板の位置にあるその他の発熱体であり、ユーザが画面を最大輝度にする場合、小型基板の温度が高くなり、小型基板が大型基板より熱く、この時にコントローラ30は、小型基板における検出抵抗の抵抗値の変化を検出し、小型基板の温度の上昇を判断することにより、小型基板の充電チップをオフにし、大型基板の充電チップが動作を継続するように制御し、機器全体の熱バランスを取り、機器全体の発熱量を下げることができる。
【0043】
別のいくつかの可能な実施例において、各マザーボードの温度及び予め設定された温度閾値に基づいて、各マザーボードに設けられる充電チップの動作又はオフを制御することもできる。
【0044】
いくつかの可能な実施形態において、電子機器は、複数の異なる動作状態を有することができ、電子機器における異なるアプリケーションの実行状態が異なっていてもよい。前記コントローラは、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定し、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御するように構成されてもよい。電子機器のマザーボードの発熱量は、動作状態又はアプリケーションの実行状態によって異なり、上記構成によって、発熱量が大きなマザーボードが設けられる充電チップをより正確にオフにし、異なるアプリケーションシナリオに適応して充電の温度を制御し、機器全体の発熱量を下げ、機器全体の熱バランスを取ることができる。
【0045】
電子機器が大型基板及び小型基板を含み、大型基板及び小型基板の両方にも1つの充電チップが設けられることを例として、異なるアプリケーションは、大型基板又は小型基板に対応し、コントローラは、異なるアプリケーションに関連付けられた大型基板又は小型基板に基づいて、大型基板又は小型基板上の充電チップのオフを制御することができる。
【0046】
例えば、大型基板にはCPUなどの発熱体が設けられるため、ユーザがゲームを遊びながら充電する時に、大型基板の温度が高くなり、大型基板が小型基板より熱く、コントローラが大型基板の温度が高くなることを検出し、大型基板の充電チップをオフにし、小型基板の充電チップを動作させるように制御することにより、機器全体の熱バランスを取り、機器全体の発熱量を下げることができる。小型基板にはLCDなどの発熱体が設けられるため、ユーザが画面を最大輝度にする場合、小型基板の温度が高くなり、小型基板が大型基板より熱く、コントローラが小型基板の温度が高くなることを検出し、小型基板の充電チップをオフにし、大型基板の充電チップを動作させるように制御することにより、機器全体の熱バランスを取り、機器全体の発熱量を下げることができる。
【0047】
ここで、充電チップの充電モードが1:1の充電モード及び2:1の充電モードを含むことができ、1:1の充電モードとは、例えば、外部電源から入力される電圧が4.5Vであり、充電チップを介して当該電圧値を4.5Vの出力に維持することである。2:1の充電モードとは、例えば、外部電源から入力される電圧が9Vであり、充電チップを介して当該電圧値を4.5Vの出力まで下げることである。2:1の充電モードは、大きい外部電源の電圧を受信する必要があるため、充電効率がより高いが、発熱量も相対的に大きい。
【0048】
例えば、充電電流が一定値より小さくなると、例えば、充電電流が6Aより小さくなると、システムがブラックスクリーンの充電状態にある場合、機器全体の発熱が小さく、大型基板の充電チップ及び小型基板の充電チップを同時に動作させて電池を充電することができ、2:1の充電モードを採用することもでき、充電効率が高い。2:1の充電モードでは一定の発熱があるが、システムがブラックスクリーンの充電状態にある場合、機器全体の発熱が少ないので、2:1の充電モードを採用するというのは、機器全体の熱量を大きく向上させることがない。
【0049】
システムがゲーム状態にあって画面の輝度がある既定値より小さい場合、画面がわずかに発熱するため、充電モードを1:1の充電モードに調整することができ、充電効率に少し影響を与えるが、1:1の充電モードの発熱量が小さく、依然として機器全体を小さい発熱状況に制御することができる。
【0050】
システムがゲーム状態にあり且つ画面の輝度がある既定値より大きい場合、電力消費量が大きいため、充電モードを2:1の充電モードに調整し、充電効率を向上させることができる。この状態で画面の発熱量が大きく、機器全体の発熱量を下げるために、小型基板に設けられる充電チップをオフにし、大型基板に設けられる充電チップのみを充電させることにより、機器全体の発熱量を下げることができる。
【0051】
図5を参照すると、本開示の実施例は、上記実施例及び実施形態に記載の電子機器に適用することができる充電制御方法を提供する。前記制御方法は、以下のステップを含む。
【0052】
ステップS01、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態を決定する。
【0053】
ステップS02、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御する。
【0054】
電子機器のマザーボードの発熱量は、異なる動作状態又はアプリケーションの実行状態によって異なり、上記制御方法によって、発熱が大きなマザーボードが設けられる充電チップを正確にオフにし、機器全体の発熱量を下げ、機器全体の熱バランスを取ることができる。
【0055】
いくつかの可能な実施例において、前記電子機器の動作状態及び/又は前記電子機器におけるアプリケーションの実行状態に基づいて、前記少なくとも2つの充電チップの充電モードを調整し、前記少なくとも2つの充電チップの動作又はオフをそれぞれ制御し、具体的には、以下のような状況を含むことができる。
【0056】
1)前記電子機器の動作状態がブラックスクリーンの状態である場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御する。
【0057】
ブラックスクリーンの充電状態では、機器全体の発熱が小さいため、すべての充電チップを動作させるように制御することができる。
【0058】
2)前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値より小さい状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第2の充電モードに調整し、前記少なくとも2つの充電チップを動作させるようにそれぞれ制御する。
【0059】
ここで、前記第2の充電モードが前記第1の充電モードの最大充電電流より小さく、すなわち、第2の充電モードを採用する発熱量が第1の充電モードの発熱量より小さい。例えば、第1の充電モードが2:1充電モードであり、第2の充電モードが1:1充電モードであり、システムが動作状態であり且つ画面の輝度がある既定値より小さい場合、画面がわずかに発熱するため、充電モードを第2の充電モードに調整することにより、発熱量を適切に下げ、機器全体の熱バランスを維持することができる。
【0060】
3)前記電子機器の動作状態が、画面の輝度が既定値以上である状態であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行状態にある場合、前記少なくとも2つの充電チップを第1の充電モードに調整し、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップをオフにし、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップ以外のその他の充電チップを動作させるように制御する。
【0061】
電子機器は、画面の輝度が既定値以上であり、且つ予め設定されたアプリケーションが実行中である場合の電力消費量が大きいため、充電モードを第1の充電モードに調整する。しかしながら、この状態での発熱量が大きいため、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップをオフにし、前記予め設定されたアプリケーションに関連付けられた充電チップ以外のその他の充電チップをそのまま動作させ、当該アプリケーションに関連付けられたマザーボードの発熱量を下げ、機器全体の発熱量を下げ、機器全体の熱バランスを取ることができる。
【0062】
当業者であれば、明細書を考慮して本明細書に開示された開示を実践した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得る。本開示は、本開示のいかなる変形、用途又は適応的な変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない当分野における周知技術又は慣用的な技術手段を含む。明細書及び実施例は、単なる例示的なものとして見なされ、本開示の真の範囲及び精神は、本開示の請求項によって示される。
【0063】
本開示は、以上に説明され、図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることを理解すべきである。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲のみによって限定される。