(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】粒状混合酸化物材料および前記材料を基礎にした断熱組成物
(51)【国際特許分類】
C01B 33/12 20060101AFI20230106BHJP
C01B 33/18 20060101ALI20230106BHJP
F16L 59/02 20060101ALI20230106BHJP
【FI】
C01B33/12 A
C01B33/18 Z
F16L59/02
(21)【出願番号】P 2021502412
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2019068361
(87)【国際公開番号】W WO2020016050
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-01-25
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ ヌムリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン メアス
(72)【発明者】
【氏名】ベッティーナ ゲアハーツ-カルテ
(72)【発明者】
【氏名】ビェルン ラツァール
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ガイスラー
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106830878(CN,A)
【文献】特開2004-010423(JP,A)
【文献】国際公開第2016/079040(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00 - 33/193
F16L 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカおよ
び少なくとも1種の金属M
としてのAlの酸化物に基づく
熱分解法シリカ-アルミナ混合酸化物30~95質量%と、炭化ケイ素、二酸化ジルコニウム、イルメナイト、チタン酸鉄、ケイ酸ジルコニウム、マンガン酸化物、黒鉛、カーボンブラックおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のIR不透明化剤5~70質量%とを含み、前記混合酸化物中の金属Mの酸化物の含有量が0.1~10質量%である、疎水化粒状材料。
【請求項2】
前記粒状材料が、メタノール/水の混合物中で、10体積%~80体積%のメタノールによるメタノール濡れ性を有することを特徴とする、請求項
1記載の疎水化粒状材料。
【請求項3】
前記粒状材料が、10μmを上回る個数基準の中央値粒子径d
50を有することを特徴とする、請求項
1または2記載の疎水化粒状材料。
【請求項4】
前記粒状材料が、200μmより小さい粒子を実質的に含まないことを特徴とする、請求項1から
3までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料。
【請求項5】
前記疎水化粒状材料が、50~400m
2/gのBET表面積を有することを特徴とする、請求項1から
4までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料。
【請求項6】
前記粒状材料が、50~300g/Lのタップ密度を有することを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料。
【請求項7】
前記粒状材料が、0.3ミリモルOH/g以下のヒドロキシル基密度を有することを特徴とする、請求項1から
6までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料。
【請求項8】
請求項1から
7までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料の製造方法であって、以下の工程:
a)親水性シリカに基づく混合酸化物を少なくとも1種のIR不透明化剤と混合する工程;
b)工程a)で得られた混合物を緻密化して、親水性粒状材料を得る工程;
c)工程b)で製造された前記親水性粒状材料を200~1200℃の温度で熱処理する工程;
d)工程c)で熱処理された前記親水性粒状材料を疎水化剤で疎水化する工程
を含む、方法。
【請求項9】
請求項1から
7までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料の製造方法であって、以下の工程:
a)親水性シリカに基づく混合酸化物を少なくとも1種のIR不透明化剤と混合する工程;
b)工程a)で得られた混合物を緻密化して、親水性粒状材料を得る工程;
c)工程b)で製造された前記親水性粒状材料をアンモニアにより処理する工程;
d)工程c)でアンモニアにより処理された前記親水性粒状材料を疎水化剤で疎水化する工程
を含む、方法。
【請求項10】
請求項1から
7までのいずれか1項記載の疎水化粒状材料を含む、断熱組成物。
【請求項11】
(メタ)アクリレート、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アラビアゴム、カゼイン、植物油、ポリウレタン、シリコーン樹脂、シリコーンに基づく成分と他の有機成分とを含有するハイブリッド系、ワックス、セルロース接着剤およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機バインダーを含む、請求項
10記載の断熱組成物。
【請求項12】
カルシウム石灰、ドロマイト石灰、石膏、無水石膏、水硬性石灰、セメント、石積みセメントおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の無機バインダーを含む、請求項
10または
11記載の断熱組成物。
【請求項13】
断熱および/または防音のための、請求項1から
7までのいずれか1項記載の粒状材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカベースの混合酸化物に基づく疎水化粒状材料、その製造方法、およびかかる材料を含む断熱組成物に関する。
【0002】
住宅、産業プラント、パイプラインなどの効果的な断熱は、重要な経済的問題である。ポリウレタンフォームなどの有機物質に基づく断熱材料の大部分は可燃性であり、限られた温度でしか使用できない。これらの欠点は、これまであまり普及していなかった無機酸化物に基づく断熱材料、例えば高多孔性二酸化ケイ素には見られない。対照的に、このような材料を断熱に使用する場合、機械的特性、例えば粒子径および機械的安定性を最適化することは重要である。
【0003】
このようなシリカに基づく断熱材料は、通常、いわゆるエアロゲルに基づいており、また、沈殿シリカまたはヒュームドシリカにも基づいている。これらのタイプのシリカに関するより詳細な情報は、2008年4月15日にオンラインで公開されたウルマン産業化学事典、「シリカ」の章、DOI:10.1002/14356007.a23_583.pub3に見ることができる。
【0004】
国際公開第2011/083174号には、建物の表面に塗布されて断熱性コーティングを生成することができる石膏であって、水、鉱物および/または有機水硬性バインダー、および0.5~65質量%の少なくとも1種の疎水性シリカキセロゲルまたはエアロゲルの粉末または粒状材料を含む石膏が開示されている。
【0005】
国際公開第2014/090790号には、60~90体積%の疎水化粒状シリカエアロゲル、0.5~30体積%の純粋な鉱物バインダー、0.2~20体積%の開孔性の水不溶性添加剤、0~5体積%の強化繊維、および0~5体積%の加工添加剤を含む、断熱下塗りを製造するためのドライブレンドが開示されている。このようなドライブレンドを水と混合し、続いて硬化させることにより、断熱下塗りを製造することができる。
【0006】
シリカエアロゲルは、その特殊な合成法により、断熱への適用に好適な細孔構造を有しており、既存の断熱組成物にとって十分に確立された成分である。残念ながら、エアロゲルは、ヒュームドシリカなどの他のタイプのシリカと比較した場合、極めて高価であり、高温での断熱性が劣る。したがって、他のタイプのシリカに基づく代替的な断熱組成物を開発することが望ましいであろう。
【0007】
断熱組成物中のエアロゲル材料を、対応するヒュームドシリカ材料、例えば、国際公開第2006/097668号に開示されているもので単に置き換えるならば、得られる組成物の熱伝導率が高くなるであろう。このような組成物の断熱特性は、ヒュームドシリカの負荷を、一定レベルから開始して増加させることによってある程度まで改善することができるが、最終組成物の粘度が高すぎるため、それ以上のシリカを導入することはできない。
【0008】
国際公開第2006/097668号には、30~95質量%の微多孔性絶縁材料、例えば疎水性ヒュームド二酸化ケイ素、5~70質量%の赤外不透明化剤材料、0~50質量%の粒子状絶縁充填材、0~5質量%のバインダー材料、例えばポリビニルアルコールを含む粒状断熱材料であって、成分を混合し、その後、緻密化して0.25~2.5mmの大きさを有する粒状材料を得ることによって製造される、粒状断熱材料が開示されている。国際公開第2006/097668号に開示されている自由流動性の材料は、高温断熱用途の緩い充填物で使用するために設計されている。
【0009】
PCT/EP2018/051142には、疎水化二酸化ケイ素および機械的強度が改善されたIR不透明化剤を含む粒状材料が開示されている。かかる材料は、機械的萎縮が少なく、断熱配合物での使用に適している。かかる粒状材料の製造方法は、以下の工程:a)親水性二酸化ケイ素を少なくとも1種のIR不透明化剤と混合する工程;b)工程a)で得られた混合物を緻密化して、粒状材料を得る工程;c)工程b)で製造された粒状材料を200~1200℃の温度で熱処理する工程;d)工程c)で熱処理された粒状材料を疎水化剤で疎水化する工程を含む。かかる材料の代替的な製造方法では、工程c)において、工程b)で製造された粒状材料を、熱処理の代わりにアンモニアで処理している。
【0010】
PCT/EP2018/051142号に開示されたシリカに基づく粒状材料は、断熱配合物での使用に適用可能であるが、このような高負荷の材料を含む断熱組成物の粘度を改善することが依然として求められている。
【0011】
本発明の課題は、断熱組成物での使用により良く適用可能な断熱材料を提供することである。より具体的には、本発明によって解決されるべき技術的課題は、このシリカに基づく材料の負荷が比較的高く、かつ粘度が比較的低い断熱組成物であって、かかる組成物の貯蔵時に低い粘度が増加する、断熱組成物の製造に適したシリカに基づく断熱材料を提供することである。かかる断熱組成物は、一方では低い熱伝導率を提供し、他方では十分に混合可能であり、かつ断熱されるべき表面に十分に適用可能でなければならない。
【0012】
この課題は、30~95質量%のシリカに基づく混合酸化物ならびにAl、TiおよびFeから選択される少なくとも1種の金属Mの酸化物と、5~70質量%の炭化ケイ素、二酸化ジルコニウム、イルメナイト、チタン酸鉄、ケイ酸ジルコニウム、マンガン酸化物、黒鉛、カーボンブラックおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種のIR不透明化剤とを含み、混合酸化物中の金属Mの酸化物の含有量が0.1~10質量%である、疎水化粒状材料の提供によって解決された。
【0013】
従来技術を考慮すると、想定外であり、予期していなかったことであるが、かかる疎水化粒状材料は、PCT/EP2018/051142号に記載されているような純粋なシリカに基づく材料と比較した場合、調製されたばかりの断熱組成物の粘度および貯蔵時の粘度の大幅な改善をもたらすことがここで判明した。
【0014】
本発明の混合酸化物は、好ましくは熱分解法混合酸化物であり、すなわち、熱分解法により製造され、したがって熱分解法により製造された(ヒュームド)金属酸化物を含む。熱分解法(ヒュームド)金属酸化物は、火炎加水分解または火炎酸化によって製造される。これには、一般に酸水素炎で、加水分解性または酸化性の出発物質を酸化または加水分解することが含まれる。熱分解法に使用される出発物質には、有機物質および無機物質が含まれる。四塩化ケイ素のような金属ハロゲン化物が特に適している。このようにして得られた親水性の金属酸化物は、アモルファスである。ヒュームド金属酸化物は、概して凝集した形である。「凝集した」とは、最初に発生した時に形成されたいわゆる一次粒子が、反応の後半で互いにしっかりと結合して三次元ネットワークを形成することを意味すると理解される。一次粒子は、実質的に細孔がなく、その表面に遊離ヒドロキシル基を有する。
【0015】
熱分解法シリカ-アルミナ混合酸化物などの熱分解法混合酸化物は、様々な配合物に使用されることが知られている。したがって、米国特許出願公開第2003/0095905号明細書には、BET表面積が300m2/gを上回り、Al2O3の含有量が0.01~99.99質量%である熱分解法により製造された親水性のアルミニウム-ケイ素混合酸化物粉末が開示されている。この材料は、水性組成物中に十分に分散可能であることが分かり、コーティング、特にインクジェット材料のフィラーとしての使用が示唆されていた。
【0016】
米国特許第4286990号明細書には、BET表面積が50~200m2/gであり、0.5~20質量%のシリカを含み、残りは酸化アルミニウムである、熱分解法により製造された親水性のシリカ-アルミニウム混合酸化物が開示されている。この混合酸化物は、1325℃まで熱安定性があることが分かり、断熱組成物に使用することが提案されていた。特定の実施形態(実施例2)には、平均粒子径が7nmであり、アルミナ含有量が97.5質量%である微細な親水性粉末の製造が示されている。
【0017】
欧州特許出願公開第1016932号明細書には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理された、酸化アルミニウムの含有量が60~70質量%である、熱分解法により製造されたアルミニウム-ケイ素混合酸化物を含むトナー混合物が開示されている。
【0018】
揮発性金属化合物、例えば塩化物の形で少なくとも2種類の異なる金属源を同時にH2/O2火炎中で反応させることにより、熱分解法混合酸化物を製造することが知られている。このような酸化物の一例は、SiO2/Al2O3混合酸化物であり、Aerosil(登録商標)MOX 170の名称でEvonik社により製造されている。Aerosil(登録商標)MOX 170を製造する場合、SiCl4とAlCl3との混合物は、火炎中で直接加水分解される。対応するシラン類、例えばメチルトリクロロシラン、トリクロロシランなども、塩化物の代わりに、または塩化物に加えて原料として使用することができる。(独国特許出願公開第952891号明細書;独国特許出願公開第2533925号明細書;独国特許出願公開第2702896号明細書。これらの文献は、それぞれ参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれている。)
【0019】
このようにして調製された混合酸化物のすべての成分、例えば、先に述べた場合のシリカおよびアルミナは、複数の金属酸化物の機械的混合物、ドープされた金属酸化物などのような他の種類の材料とは対照的に、概して混合酸化物材料全体にわたって均質に分布している。後者の場合、例えば、複数の金属酸化物の混合物の場合、対応する純粋な酸化物の分離されたドメインが存在してもよく、このような混合物の局所的な特性を決定する。
【0020】
本発明の特に好ましい実施形態では、疎水化された粒状材料は、熱分解法シリカ-アルミナ混合酸化物(M=Al)である。
【0021】
本発明において、「粒状材料」、「造粒物」および「顆粒」という用語は、代替として使用され、粒子状で、容易に注入可能で、自由流動性の固体材料を意味すると理解される。
【0022】
粒状材料の個数基準の中央値粒子径(メジアン径)は、レーザー回折式粒子径解析により、ISO 13320:2009に従って決定することができる。測定により得られた粒子径分布は、すべての粒子の50%を超えない粒子径を反映する中央値d50を、個数基準の中央値粒子径として定義するために使用される。本発明の疎水化粒状材料は、10μmを上回るd50を有していてよく、好ましくは20~4000μm、より好ましくは50~3500μmである。
【0023】
本発明の疎水化粒状材料は、好ましくは、ISO 13322-2:2006に従って動的画像分析によって決定される、6000μm以下、好ましくは50~5000μm、より好ましくは200~4000μmのサイズの粒子のみを含む。いくつかの用途では、本発明の疎水化粒状材料が、200μmよりも小さい粒子を含まない場合、好ましいことがある。
【0024】
本発明による疎水化粒状材料は、20m2/gを上回る、好ましくは30~500m2/g、より好ましくは50~400m2/gのBET表面積を有していてよい。単にBET表面積とも呼ばれる比表面積は、DIN 9277:2014に従ってブルナウアー-エメット-テラー(Brunauer-Emmett-Teller)法に準拠した窒素吸着によって決定される。
【0025】
「疎水性」および「疎水化」という用語は、本発明の文脈において類似しており、水などの極性媒体に対して低い親和性を有する粒子に関するものである。対照的に、親水性粒子は、水などの極性媒体に対して高い親和性を有する。疎水性材料の疎水性は、通常、シリカ表面に適切な非極性基を適用することによって達成することができる。疎水化材料の疎水性の程度は、例えば、国際公開第2011/076518号、5~6頁に詳細に記載されているように、そのメタノール濡れ性を含むパラメータにより決定することができる。疎水性シリカに基づく材料は、純水中では水から完全に分離し、溶媒に濡れることなくその表面に浮遊する。対照的に、疎水性シリカは、純粋なメタノールでは、溶媒体積の全体にわたって分布しており、完全な濡れが生じる。メタノール濡れ性の測定では、シリカの濡れ性がまだ存在しない最大メタノール含有量が、メタノール/水の試験混合物で決定される。この「シリカの濡れ性がまだ存在しない」とは、試験される材料の100%が試験混合物に接触した後、試験混合物から分離されたままで、濡れていない形で残っていることを意味する。メタノール/水の混合物中のこのメタノール含有量(体積%)は、メタノール濡れ性と呼ばれる。このようなメタノール濡れ性のレベルが高いほど、試験される材料の疎水性が高いことになる。メタノール濡れ性が低くなるほど、材料の疎水性が低くなり、親水性が高くなる。
【0026】
本発明の疎水化粒状材料は、メタノール/水の混合物中で、5体積%を上回る、好ましくは10体積%~80体積%、より好ましくは15体積%~70体積%、特に好ましくは20体積%~65体積%、最も好ましくは25体積%~60体積%のメタノール含有量のメタノール濡れ性を有していてよい。
【0027】
本発明の疎水化粒状材料は、少なくとも1種のIR不透明化剤を含む。このようなIR不透明化剤は、断熱材料の赤外線透過率を低下させ、したがって放射による熱伝達を最小限に抑える。
【0028】
IR不透明化剤は、炭化ケイ素、二酸化ジルコニウム、イルメナイト、チタン酸鉄、ケイ酸ジルコニウム、酸化マンガン、黒鉛、カーボンブラックおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。不透明化剤の粒子径は、概して0.1~25μmである。
【0029】
粒状材料は、30質量%~95質量%、好ましくは40質量%~90質量%、より好ましくは50質量%~85質量%のシリカに基づく混合酸化物、および5質量%~50質量%、好ましくは10質量%~40質量%、より好ましくは15質量%~30質量%の不透明化剤を含有する。
【0030】
本発明の疎水化粒状材料の熱伝導率は、EN 12667:2001に従って保護されたホットプレート(GHP)および熱流量計機器を用いる方法によって測定され得る。本明細書での平均測定温度は、10℃であり、接触圧力は、250Paであり;測定は、標準圧力の空気雰囲気下で行われる。
【0031】
EN 12667:2001に従って、床の形で、10℃の平均測定温度、空気雰囲気下および標準圧力で250Paの接触圧力により測定された、本発明の疎水化粒状材料の熱伝導率は、好ましくは50mW/(m・K)未満、より好ましくは10~45mW/(m・K)、特に好ましくは12~40mW/(m・K)、最も好ましくは15~35mW/(m・K)である。
【0032】
本発明の疎水化粒状材料は、好ましくは、表面上のシラノールヒドロキシル基Si-OHなどの遊離ヒドロキシル基の含有量が比較的少ない。疎水化粒状材料は、好ましくは0.3ミリモルOH/g以下、より好ましくは0.2ミリモルOH/g未満、最も好ましくは0.1ミリモルOH/g未満のヒドロキシル基密度を有する。シリカまたはシリカを含む材料のヒドロキシル基密度は、J. MathiasおよびG. WannemacherによってJournal of Colloid and Interface Science 第125巻、61~68頁(1988年)に公開された方法により水素化リチウムアルミニウムとの反応によって決定することができる。使用される材料の対応するBET表面積を用いて、ヒドロキシル基密度(ミリモルOH/g)を、OH/nm2に変換することができる。本発明の組成物に使用される粒状材料は、好ましくは、1 OH/nm2以下、より好ましくは0.5 OH/nm2未満、より好ましくは0.3 OH/nm2未満、最も好ましくは0.1 OH/nm2未満ヒドロキシル基密度を有する。
【0033】
様々な粉状または粗粒の粒状材料のタップ密度は、DIN ISO 787-11:1995 “General methods of test for pigments and extenders -- Part 11: Determination of tamped volume and apparent density after tamping”に従って決定することができる。これには、撹拌およびタッピング後の床の見掛け密度の測定が含まれる。本発明の粒状材料は、最大450g/l、好ましくは50~300g/l、好ましくは100~280g/l、より好ましくは120~250g/lのタップ密度を有する。
【0034】
本発明の疎水化粒状材料は、比較的低いタップ密度と相まって特に高い安定性で注目に値する。したがって、この疎水化粒状材料を用いる場合、本発明の断熱組成物などの、このような造粒物を含む組成物の調製中の望ましくない材料の摩耗および破壊が除去または低減される場合が多い。
【0035】
本発明はさらに、本発明による疎水化粒状材料を製造するための方法(A)であって、以下の工程:
a)親水性シリカに基づく混合酸化物を少なくとも1種のIR不透明化剤と混合する工程;
b)工程a)で得られた混合物を緻密化して、親水性粒状材料を得る工程;
c)工程b)で製造された親水性粒状材料を200~1200℃の温度で熱処理する工程;
d)工程c)で熱処理された親水性粒状材料を疎水化剤で疎水化する工程
を含む、方法を提供する。
【0036】
本発明はまた、本発明による疎水化粒状材料を製造するためのさらなる方法(B)であって、以下の工程:
a)親水性シリカに基づく混合酸化物を少なくとも1種のIR不透明化剤と混合する工程;
b)工程a)で得られた混合物を緻密化して親水性粒状材料を得る工程;
c)工程b)で製造された親水性粒状材料をアンモニアにより処理する工程;
d)工程c)でアンモニアにより処理された親水性粒状材料を疎水化剤で疎水化する工程
を含む、方法を提供する。
【0037】
本発明による方法(A)および(B)の工程a)およびb)は、個別の別個の段階として、または代替的に1つの方法工程で組み合わせて実施することができる。
【0038】
親水性シリカに基づく混合酸化物と少なくとも1種のIR不透明化剤との混合は、方法(A)または方法(B)の工程a)に従って、当業者に知られているすべての適切な混合装置を用いて実施することができる。良好な均質化を可能にする任意のミキサーまたはミル、例えばブレードミキサー、流動床ミキサー、遠心ミキサーまたはエアスイープミキサーは、本発明による方法の工程a)を実施するのに適している。特に好適なミキサーは、例えばプラウバーミキサー、パンミルまたはボールミルなどの、混合される材料を追加的に圧縮することができるものである。
【0039】
粒状材料を得るための工程a)で得られた混合物の緻密化は、方法(A)または方法(B)の工程b)に従って、脱気または圧縮によって実施することができる。
【0040】
方法(A)の工程b)で製造された親水性粒状材料の熱処理は、200~1500℃、好ましくは400~1400℃、好ましくは500~1200℃、より好ましくは600~1100℃、最も好ましくは800~1100℃の温度で実施することができる。
【0041】
本発明による方法(B)の工程c)では、工程b)で製造された親水性粒状材料の処理は、アンモニアで、好ましくはガス状アンモニアで行われる。本発明による方法(B)の工程c)が実施される持続時間は、化学的組成、材料の粒子径および温度を含む要因に依存する。持続時間は、概して10分~100時間、好ましくは0.5~20時間である。本明細書での好ましい温度は、0~200℃の範囲、より好ましくは20~100℃の範囲である。
【0042】
本発明による方法(B)の工程c)におけるアンモニアによる処理のために、アンモニアは、処理されるべき親水性粒状材料とともに、その目的のために想定されたチャンバに導入することができる。チャンバは、本発明による方法において必要な圧力および温度を維持することができるという要件を満たす必要があるのみである。圧力差Δp=p2-p1(ここで、p1=ガス状アンモニアの導入前のチャンバ内の圧力、p2=ガス状アンモニアの導入が停止したチャンバ内の圧力)は、好ましくは20ミリバールを上回る、より好ましくは50ミリバール~5バール、特に好ましくは100ミリバール~500ミリバール、最も好ましくは200ミリバール~400ミリバールである。
【0043】
方法(B)の工程c)では、アンモニアに加えて、蒸気が、好ましくは50%~95%の相対蒸気圧で、事前に製造された粒状材料に添加されてもよい。
【0044】
方法(A)または(B)の工程d)で使用される疎水化剤は、好ましくはハロシラン、アルコキシシラン、シラザンおよびシロキサンからなる群から選択されるケイ素化合物を含んでいてよい。
【0045】
この種のケイ素化合物は、より好ましくは、少なくとも1つのアルキル基および200℃未満の沸点を有する液体化合物である。これは、好ましくは、CH3SiCl3、(CH3)2SiCl2、(CH3)3SiCl、C2H5SiCl3、(C2H5)2SiCl2、(C2H5)3SiCl、C3H8SiCl3、CH3Si(OCH3)3、(CH3)2Si(OCH3)2、(CH3)3SiOCH3、C2H5Si(OCH3)3、(C2H5)2Si(OCH3)2、(C2H5)3SiOCH3、C8H15Si(OC2H5)3、C8H15Si(OCH3)3、(H3C)3SiNHSi(CH3)3、(H3C)3SiOSi(CH3)3およびそれらの混合物からなる群から選択される。(H3C)3SiNHSi(CH3)3、(H3C)3SiOSi(CH3)3および(CH3)2SiCl2が特に有利である。
【0046】
本発明による方法(A)または(B)では、工程b)および/またはc)および/またはd)に続いて、特定の粒子径を有する1つ以上の画分のみが分離されてさらに使用されるように、異なるサイズの粒状材料の画分が互いに分離することができる。
【0047】
本発明の別の主題は、本発明の疎水化粒状材料を含む断熱組成物である。本発明による断熱組成物は、少なくとも1種のバインダーを含んでいてよく、これは、硬化した組成物の個々の部分を互いに接合し、場合により1種以上の充填剤および/または他の添加剤に接合し、したがって、硬化した組成物の機械的特性を改善することができる。このようなバインダーは、有機物質または無機物質を含有していてよい。バインダーは、任意に反応性有機物質を含有する。有機バインダーは、例えば、(メタ)アクリレート、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アラビアゴム、カゼイン、植物油、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ワックス、セルロース接着剤およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。このような反応性有機物質は、例えば、重合、架橋反応、または別の種類の化学反応によって使用される断熱組成物の硬化をもたらしうる。このような硬化は、例えば、熱により、またはUV放射または他の放射の作用下で行うことができる。単一(一)成分系(1-C)および多成分系、特に二成分系(2-C)のいずれもバインダーとして適用可能である。本発明において特に好ましいのは、(メタ)アクリレートに基づくシリコーンバインダー(好ましくは一成分系として)およびエポキシ樹脂(好ましくは二成分系として)である。
【0048】
(メタ)アクリレートやエポキシ樹脂のような、ほとんどの有機系バインダー材料には、特に熱的な制限があり、150℃を超える温度では使用できない。これに対して、シロキサンに基づく材料(シリコーン樹脂)は、概して耐熱性が高く、約600℃の温度まで熱劣化することなく適用することができる。このようなオルガノシロキサンバインダー(シリコーン樹脂)またはシリコーンに基づく成分と他の有機成分とを含有するハイブリッド系が、本発明の組成物での使用に特に好ましい。
【0049】
本発明の断熱組成物は、有機バインダーに加えて、またはその代替として、無機硬化性物質を含有していてよい。鉱物バインダーとも呼ばれるこのような無機バインダーは、添加剤物質を互いに接合するという有機バインダーと本質的に同じ役割を果たす。さらに、無機バインダーは、非水硬性バインダーと水硬性バインダーとに分けられる。非水硬性バインダーは、カルシウム石灰、ドロマイト石灰、石膏および無水石膏などの水溶性バインダーであり、空気中でのみ硬化する。水硬性バインダーは、空気中および水の存在下で硬化し、硬化後に水不溶性となるバインダーである。それらには、水硬性石灰、セメント、石積みセメントが含まれる。異なる無機バインダーの混合物もまた、本発明の断熱組成物に使用することができる。
【0050】
本発明の断熱組成物は、好ましくは、5~60質量%の本発明の疎水化粒状材料と、40~95質量%の無機バインダーおよび/または有機バインダーとを含有する。
【0051】
断熱組成物の硬化は、溶媒の少なくとも部分的な重合および/または気化によって達成することができる。使用される系に応じて、この工程は、好ましくは0~500℃、特に好ましくは5~400℃、非常に特に好ましくは10~300℃の温度で行うことができる。硬化は、空気の存在下で、または酸素を排除して、例えば、窒素または二酸化炭素の保護ガス雰囲気下で行うことができる。上記の工程は、標準圧力下または減圧下、例えば真空下で行うことができる。
【0052】
粒状材料およびバインダーとは別に、本発明による断熱組成物は、少なくとも1種の溶媒および/または充填剤および/または他の添加剤をさらに含有していてよい。
【0053】
本発明の組成物に使用される溶媒は、水、アルコール、脂肪族および芳香族炭化水素、エーテル、エステル、アルデヒド、ケトンおよびそれらの混合物からなる群から選択することができる。使用される溶媒は、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル、アセトンであってよい。特に好ましくは、断熱組成物に使用される溶媒は、300℃未満、特に好ましくは200℃未満の沸点を有する。このような比較的揮発性の溶媒は、本発明による断熱組成物の硬化中に容易に蒸発または気化させることができる。最も好ましくは、本発明の断熱性組成物は、単独の溶媒として水を含有する。
【0054】
本発明による疎水化粒状材料およびそれに基づく断熱組成物は、一般に、断熱および/または防音、特に、壁、屋根、家屋の防音および/または断熱、ならびに産業プラント、産業機器の部品、パイプラインなどの断熱に使用することができる。
【0055】
実施例
シリカ粒状材料Aの調製(比較例)
IR不透明化剤を含有する疎水化シリカ粒状材料の調製は、PCT/EP2018/051142号に従って実施された:
【0056】
混合
1000F炭化ケイ素(Carsimet)、製造業者:Keyvest、20質量%、およびAEROSIL(登録商標)200親水性シリカ(BET=200m2/g、製造業者:EVONIK Resource Efficiency GmbH)、80質量%を、Minox PSM 300 HN/1 MKプラウシェアミキサーを用いて混合した。
【0057】
緻密化
上記で製造されたAEROSIL(登録商標)200と炭化ケイ素との混合物を、Grenzebach緻密化ロール(Vacupress VP160/220)で緻密化した。得られた粒状材料のタップ密度を、接触圧力、ロール速度、および適用された減圧によって調整した。適用された真空は、絶対値で300ミリバール未満であった。ロール速度は、5rpmであり、圧力は、2000Nであった。
【0058】
焼結/硬化
その後の熱硬化を、Schroeder Industrieoefen GmbH社製のXR 310チャンバーキルンで行った。この目的のために、高さ5cmまでの床を備えた複数の層を、温度プログラムに付した。温度ランプは、950℃の目標温度まで300K/hであり;保持時間は、3時間であり;次に、試料を除去するまで(能動的冷却を行わずに)冷却した。
【0059】
疎水化
熱硬化した粒状材料の最終的な疎水化を、気相全体にわたって高温で行った。この目的のために、国際公開第2013/013714号の実施例1からのプロセスに従って、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を蒸発させ、これを減圧プロセスによって実施した。試験片をデシケーター内で100℃よりも高く加熱し、次いで排気した。その後、圧力が300ミリバールに上昇するまで、ガス状のHMDSをデシケーターに入れた。試料を空気でパージした後、これをデシケーターから取り出した。
【0060】
ふるい分け/分別
所望の画分を得るために、熱硬化した粒状材料を、まず、メッシュサイズ3150μmを有する揺動式ふるい分け機(製造業者:FREWITT)に供給し、粒子の上限を確立し、したがってこの上限よりも大きな粒子を除去した。これに続いて、粒子画分、例えば200μm~1190μmまたは1190μm~3150μmの所望の分別を行った。これを、Sweco社製、モデルLS18Sの振動ふるいを使用して行った。200~1190μmの粒状材料Aのふるい画分の平均粒子径は、d50=580μmであった。
【0061】
本発明によるシリカ-アルミナ粒状材料Bの調製
シリカ-アルミナ粒状材料Bを、シリカ粒状材料Aと同様に調製したが、原料のAEROSIL(登録商標)200をAEROSIL(登録商標)MOX 170(BET=170m2/gの約1質量%の酸化アルミニウムを含有する熱分解法シリカ-アルミナ混合酸化物、製造業者:EVONIK Resource Efficiency GmbH)に置き換え、焼結/硬化工程の焼結温度を850℃に下げたことが異なる。200~1190μmの粒状材料Bのふるい画分の平均粒子径は、d50=440μmであった。
【0062】
使用したバインダー
バインダーA:Acronal Eco 6270(製造業者:BASF);アクリル官能化バインダー系。バインダーB:Coatosil DRI(製造業者:Momentive);シロキサン官能化バインダー系。
【0063】
粘度測定
回転粘度計Brookfield DV2T Extraを使用して、配合物(バインダーと粒状材料との混合物)の動的粘度の測定を行った。スピンドルおよび回転速度を、マニュアルに示される粘度範囲に従って選択した。
【0064】
さまざまな貯蔵時間後に粒状材料を含む組成物の粘度を測定するための一般的な実験の説明
配合物の調製:
直径9.5cmの円筒形ガラス容器にバインダー(276g)を充填し、プロペラスターラーを用いて600rpmで撹拌した。撹拌したバインダーに粒状材料(24g、ふるい画分200~1190μm)を徐々に加え、均一な混合物が得られるまで、すなわち、すべての粒状材料がバインダーとともに混合物に組み込まれるまで撹拌を続けた。
【0065】
測定:
それらの調製直後にすべての試料の動粘度を測定した。不浸透性の蓋で試料を閉じ、さらにパラフィルムMホイルで密封した。このようにして閉じた試料を撹拌せずに2つの異なる温度(25℃および40℃)で貯蔵し、前述のように動的粘度の測定のために規定された貯蔵時間後に開き、さらに貯蔵するために再び閉じた。3週間、すべての試料を週に2回測定して、それらの増粘挙動を観察した。
【0066】
実施例
比較例1
一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーAを用いて粒状材料A(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0067】
実施例1
一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーAを用いて粒状材料B(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0068】
比較例2
一般的な実験の説明に従って40℃でバインダーAを用いて粒状材料A(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0069】
実施例2
一般的な実験の説明に従って40℃でバインダーAを用いて粒状材料B(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0070】
比較例3
一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーBを用いて粒状材料A(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0071】
実施例3
一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーBを用いて粒状材料B(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0072】
比較例4
一般的な実験の説明に従って40℃でバインダーBを用いて粒状材料A(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0073】
実施例4
一般的な実験の説明に従って40℃でバインダーBを用いて粒状材料B(ふるい画分200~1190μm)を試験した。
【0074】
比較例5
ナイフミルGRINDOMIX GM 300(Retsch)を用いて2000rpmで粒状材料A(ふるい画分200~1190μm)を1分間粉砕し、平均粒子径d50=208μmの微粉末を得た。この粉末を、一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーAを用いて試験した。
【0075】
実施例5
ナイフミルGRINDOMIX GM 300(Retsch)を用いて2000rpmで粒状材料B(ふるい画分200~1190μm)を1分間粉砕し、平均粒子径d50=158μmの微粉末を得た。この粉末を、一般的な実験の説明に従って25℃でバインダーAを用いて試験した。
【0076】
様々な貯蔵時間後の粘度測定の結果を第1表にまとめる。これらの結果は、本発明による混合酸化物に基づく粒状材料を含む組成物(実施例1~5)が、純粋なシリカに基づく類似の材料(比較例1~5)と比較した場合、有意に低い粘度をもたらすことを明確に示す。
【表1】