(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-05
(45)【発行日】2023-01-16
(54)【発明の名称】無線LANにおけるレーダー検出
(51)【国際特許分類】
G01S 7/292 20060101AFI20230106BHJP
G01S 7/36 20060101ALI20230106BHJP
H04B 17/309 20150101ALI20230106BHJP
H04B 17/382 20150101ALI20230106BHJP
【FI】
G01S7/292 200
G01S7/36
H04B17/309
H04B17/382
(21)【出願番号】P 2022516156
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 US2020048112
(87)【国際公開番号】W WO2021050280
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-04-08
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Cypress Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】チーニン チェン
(72)【発明者】
【氏名】チュンイェン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン トン クオ
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-102165(JP,A)
【文献】特開2007-049694(JP,A)
【文献】特開2007-274659(JP,A)
【文献】特開2008-005115(JP,A)
【文献】特開2008-281517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0095160(US,A1)
【文献】米国特許第05291199(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/64
13/00 - 17/95
G01R 29/00 - 29/26
H01J 1/00 - 1/20
4/00 - 13/22
99/00
H04B 1/60
1/69 - 1/719
3/46 - 3/493
7/24 - 7/26
17/00 - 17/40
H04L 5/00 - 5/12
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスによって動的周波数選択(DFS)を実行する方法であって、前記方法は、
前記WLANデバイスにより、DFSチャネル上で信号パルスのバーストを受信するステップであって、受信された前記信号パルスのバーストが不均一なパルス幅(PW)および不均一なパルス繰り返し間隔(PRI)を有するステップと、
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップと、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップであって、受信された信号パルスのうちの少なくとも1つの信号パルスの不均一なPWを延長することにより、再構成信号パルスのバーストを生成するステップと、
前記再構成信号パルスのバーストに基づいてレーダー信号を検出するステップと、
を含
み、
前記較正済みPRI値は、
レーダーによって送信された前記レーダー信号の推定PRI(PRI_ref)と、
前記レーダーによって送信された前記レーダー信号の単一の信号パルスから分割された複数の部分信号パルス間の推定遅延(PW_delta)と、
を含む、
方法。
【請求項2】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が閾値以下であるか否かを判定するステップと、
前記時間差分が前記閾値以下であると判定されたことに応答して、前記PW_deltaが前記時間差分であると推定するステップと、
前記時間差分が前記閾値よりも大きいと判定されたことに応答して、前記PRI_refが前記時間差分であると推定するステップと、
を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が、トレランス以内で前記PRI_refと前記PW_deltaとの和に等しいか否かを判定するステップと、
前記連続して受信された2つの信号パルスのうちの後続パルスよりもPW_deltaだけ前に新しいパルスを付加するステップと、
前記新しいパルスを前記後続パルスと結合して、前記PW_deltaと前記後続パルスのPWとの和に等しいPWを有する結合パルスとするステップと、
を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップは、
受信された前記信号パルスのバーストから特定の数の信号パルスのスライディングウィンドウを選択するステップであって、前記スライディングウィンドウ内の連続する信号パルスの各ペアは、少なくとも閾値遅延によって分離されているステップと、
前記スライディングウィンドウ内の連続する信号パルスのペアが、受信された前記信号パルスのバースト内の2つの部分信号パルスからそれぞれ選択されていることを判定するステップであって、前記2つの部分信号パルスのペアは、レーダーによって送信された前記レーダー信号の連続する信号パルスから分割されているステップと、
を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップは、
前記PW_deltaを、前記2つの部分信号パルスのいずれかのペア内の2つの部分信号パルス間の時間差分であると推定するステップと、
前記PRI_refを、前記2つの部分信号パルスのペアにわたる2つの部分信号パルス間の時間差分であると推定するステップと、
をさらに含む、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップは、
前記スライディングウィンドウから選択された3つの連続する信号パルスのうちの複数の信号パルス間の時間遅延が前記PW_deltaおよび前記PRI_refを満たすことを検証するステップをさらに含む、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスによって動的周波数選択(DFS)を実行する方法であって、前記方法は、
前記WLANデバイスにより、DFSチャネル上で信号パルスのバーストを受信するステップであって、受信された前記信号パルスのバーストが不均一なパルス幅(PW)および不均一なパルス繰り返し間隔(PRI)を有するステップと、
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップと、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップであって、受信された信号パルスのうちの少なくとも1つの信号パルスの不均一なPWを延長することにより、再構成信号パルスのバーストを生成するステップと、
前記再構成信号パルスのバーストに基づいてレーダー信号を検出するステップと、
を含み、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が閾値以下であるか否かを判定するステップと、
前記時間差分が前記閾値以下であると判定されたことに応答して、前記連続して受信された2つの信号パルスを前記再構成信号パルスの単一のパルスに結合するステップと、
を含む、
方法。
【請求項8】
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップは、
前記較正済みPRI値に基づいて前記バースト内の受信された信号パルスの全てを補正するステップであって、前記再構成信号パルスのバーストを生成するステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項9】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスであって、前記WLANデバイスは、
動的周波数選択(DFS)チャネル上で前記WLANデバイスを動作させるように構成されたWLANインタフェースと、
処理デバイスと
を備え、前記処理デバイスは、
前記DFSチャネル上で信号パルスのバーストを受信するステップであって、受信された前記信号パルスのバーストが不均一なパルス幅(PW)および不均一なパルス繰り返し間隔(PRI)を有するステップと、
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップと、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップであって、受信された信号パルスのうちの少なくとも1つの信号パルスの不均一なPWを延長することにより、再構成信号パルスのバーストを生成するステップと、
前記再構成信号パルスのバーストに基づいてレーダー信号を検出するステップと、
を行うように構成されて
おり、
前記較正済みPRI値は、
レーダーによって送信された前記レーダー信号の推定PRI(PRI_ref)と、
前記レーダーによって送信された前記レーダー信号の単一の信号パルスから分割された複数の部分信号パルス間の推定遅延(PW_delta)と、
を含む、
WLANデバイス。
【請求項10】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するように構成された前記処理デバイスは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が閾値以下であるか否かを判定するステップと、
前記時間差分が前記閾値以下であると判定されたことに応答して、前記PW_deltaが前記時間差分であると推定するステップと、
前記時間差分が前記閾値よりも大きいと判定されたことに応答して、前記PRI_refが前記時間差分であると推定するステップと、
を行うように構成された処理デバイスを含む、
請求項9記載のWLANデバイス。
【請求項11】
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するように構成された前記処理デバイスは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が、トレランス以内で前記PRI_refと前記PW_deltaとの和に等しいか否かを判定するステップと、
前記連続して受信された2つの信号パルスのうちの後続パルスよりもPW_deltaだけ前に新しいパルスを付加するステップと、
前記新しいパルスを前記後続パルスと結合して、前記PW_deltaと前記後続パルスのPWとの和に等しいPWを有する結合パルスとするステップと、
を行うように構成された処理デバイスを含む、
請求項9記載のWLANデバイス。
【請求項12】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するように構成された前記処理デバイスは、
受信された前記信号パルスのバーストから特定の数の信号パルスのスライディングウィンドウを選択するステップであって、前記スライディングウィンドウ内の連続する信号パルスの各ペアが少なくとも閾値遅延によって分離されているステップと、
前記スライディングウィンドウ内の連続する信号パルスのペアが、受信された前記信号パルスのバースト内の2つの部分信号パルスからそれぞれ選択されることを判定するステップであって、前記2つの部分信号パルスのペアは、レーダーによって送信された前記レーダー信号の連続する信号パルスから分割されているステップと、
を行うように構成された処理デバイスを含む、
請求項9記載のWLANデバイス。
【請求項13】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するように構成された前記処理デバイスは、
前記PW_deltaを、前記2つの部分信号パルスのいずれかのペア内の2つの部分信号パルス間の時間差分であると推定するステップと、
前記PRI_refを、前記2つの部分信号パルスのペアにわたる2つの部分信号パルス間の時間差分であると推定するステップと、
を行うようにさらに構成された処理デバイスを含む、
請求項12記載のWLANデバイス。
【請求項14】
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するように構成された前記処理デバイスは、
前記スライディングウィンドウから選択された3つの連続する信号パルスのうちの複数の信号パルス間の時間遅延が前記PW_deltaおよび前記PRI_refを満たすことを検証するようにさらに構成された処理デバイスを含む、
請求項13記載のWLANデバイス。
【請求項15】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスであって、前記WLANデバイスは、
動的周波数選択(DFS)チャネル上で前記WLANデバイスを動作させるように構成されたWLANインタフェースと、
処理デバイスと
を備え、前記処理デバイスは、
前記DFSチャネル上で信号パルスのバーストを受信するステップであって、受信された前記信号パルスのバーストが不均一なパルス幅(PW)および不均一なパルス繰り返し間隔(PRI)を有するステップと、
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップと、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップであって、受信された信号パルスのうちの少なくとも1つの信号パルスの不均一なPWを延長することにより、再構成信号パルスのバーストを生成するステップと、
前記再構成信号パルスのバーストに基づいてレーダー信号を検出するステップと、
を行うように構成されており、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するように構成された前記処理デバイスは、
連続して受信された2つの信号パルス間の時間差分が閾値以下であるか否かを判定するステップと、
前記時間差分が前記閾値以下であると判定されたことに応答して、前記連続して受信された2つの信号パルスを前記再構成信号パルスの単一のパルスに結合するステップと、
を行うように構成された処理デバイスを含む、
WLANデバイス。
【請求項16】
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するように構成された前記処理デバイスは、
前記較正済みPRI値に基づいて前記バースト内の受信された信号パルスの全てを補正して、前記再構成信号パルスのバーストを生成するように構成された処理デバイスを含む、
請求項9記載のWLANデバイス。
【請求項17】
通信デバイスであって、前記通信デバイスは、
1つ以上のアンテナと、
前記1つ以上のアンテナに接続された処理デバイスと、
を備え、前記処理デバイスは、
動的周波数選択(DFS)チャネル上で信号パルスのバーストを受信するステップであって、受信された前記信号パルスのバーストが不均一なパルス幅(PW)および不均一なパルス繰り返し間隔(PRI)を有するステップと、
受信された前記信号パルスのバーストを処理して較正済みPRI値を生成するステップと、
前記較正済みPRI値に基づいて受信された前記信号パルスのバーストを補正するステップであって、受信された信号パルスのうちの少なくとも1つの信号パルスの不均一なPWを延長することにより、再構成信号パルスのバーストを生成するステップと、
前記再構成信号パルスのバーストに基づいてレーダー信号を検出するステップと、
を行うように構成されて
おり、
前記較正済みPRI値は、
レーダーによって送信された前記レーダー信号の推定PRI(PRI_ref)と、
前記レーダーによって送信された前記レーダー信号の単一の信号パルスから分割された複数の部分信号パルス間の推定遅延(PW_delta)と、
を含む、
通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月9日に出願された米国非仮出願第16/896876号の国際出願であり、2019年9月12日に出願された米国仮出願第62/899481号および2019年10月30日に出願された米国仮出願第62/927760号の利益を主張し、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、概して、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)システムに関し、より詳細には、WLAN動的周波数選択(DFS)チャネルにおいて動作するデバイスの共存するレーダー信号の検出を改善するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
IEEE802.11規格に準拠したWLANシステムは、2.4GHz、5GHz、またはより高い周波数帯域で動作することができる。5GHz帯域におけるチャネルは、その使用可能な用途に基づいて、屋内チャネルまたは屋外チャネルとして分類される。5GHz帯域のWLANの屋外チャネルは、車載ネットワークならびに他の自動車との情報交換、自動運転およびその他のアプリケーションを支援するためのシステムインフラストラクチャからの情報の受信のために、自動車における利用が拡大している。いくつかの国では、WLANの屋外5GHzチャネルの全てではなくとも、その一部が、レーダー、例えば、気象レーダー、軍事レーダー、および民間レーダーでも使用されている。WLANおよびレーダー動作が共存するこれらの5GHzチャネルは、動的周波数選択(DFS)チャネルと称される。レーダーは、DFSチャネルの使用においてWLANデバイスよりも優先されるため、WLANデバイスは、共有動作周波数上のレーダー信号の存在を識別し、それ自体または他のデバイスをレーダーの動作周波数から遠ざけるように誘導する必要がある。
【0004】
WLANデバイスによるレーダーへの干渉を最小限に抑えるため、多くの法域における規制当局は、DFSチャネル上でレーダー信号を検出するWLANデバイスの能力に対して厳しい要件を課している。例えば、米国のFCC、欧州のETSI、および日本国の総務省は、WLANデバイスがこれらの法域内で動作することを許可する前に、かつWLANデバイスがすでにDFSチャネル上で動作している間にも、WLANデバイスが種々の信号条件下で指定されたレーダータイプの信号を識別することができることを要求している。レーダー信号は、均一なパルスのバーストで送信されており、これは、各パルスの持続時間に対するパルス幅(PW)と、連続するパルス間の期間に対するパルス繰り返し間隔(PRI)とによって特徴付けられる。WLANデバイスは、レーダー検出モジュールによって検出された均一なPWおよびPRIを有する連続パルスの数が指定された閾値を超えるか否かを判定することによって、レーダー検出を宣言することができる。
【0005】
複雑さ、チップサイズ、電力消費およびコストを低減するために、WLANトランシーバのWLANモジュールおよびレーダー検出モジュールは、無線周波数(RF)モジュールおよびDCノッチフィルタなどの受信機(Rx)ブロックを共有することができる。帯域端における共有Rx低電力フィルタ(LPF)、中心周波数におけるDCノッチフィルタ、およびスパーノッチフィルタなどの他のフィルタリング効果により、受信されたレーダー信号のPWが複数の小さなパルスに分割される場合がある。DFSチャネルのチャネル効果も同様に、受信されたレーダー信号に障害をもたらす場合がある。これらの複数の小さなパルスは、検出されたレーダー信号のPWおよびPRIを短縮する場合もある。レーダー検出モジュールは、検出されたレーダーパルスの短縮されたPWおよびPRIを、特定のレーダーの認識されたPWおよびPRIと照合できない場合があり、これにより、信号をレーダー信号として認識することに失敗する場合もある。
【0006】
チャネル効果およびフィルタリング効果を補償するために、レーダー検出モジュールで実行されるソフトウェアは、分割されたレーダーパルスを結合して元のPWを再構成しようと試みうる。例えば、より小さなパルスが特定の範囲内にあり、かつ連続するパルス間の間隔が閾値未満である場合、パルスは、同じパルスの一部とみなされうる。しかしながら、チャネル効果およびフィルタリング効果は、PWおよびPRIの変化に加えて、レーダーパルスの受信電力の変動を引き起こす。パルスは、種々の電力レベルの複数のパルスに分割される場合がある。あるシナリオでは、パルスは、低い電力レベルの第1の部分パルスと、これに続くより大きい電力レベルの第2の部分パルスとにフィルタリングされる場合がある。第2の部分パルスのより大きい電力レベルのみが検出閾値を超える場合、パルスは、元のパルスよりも狭いPWとして、かつ元のパルスの開始から時間的にシフトされたものとして検出されうる。近接した間隔で検出されたレーダーパルスを結合して元のパルスを再構成しようとするソフトウェアは、元のパルスの遅延した狭い単一パルスで動作する場合には効果がない。この場合、検出されたレーダー信号のPWおよびPRIは、送信されたレーダー信号のPWおよびPRIと異なってしまいかねず、レーダー検出の確率の低下、レーダー動作への干渉の増大、WLANデバイスの性能の劣化、またはWLANデバイスの動作に対する規制認可の拒否につながる可能性がある。
【0007】
ここで説明する実施形態およびその利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。これらの図面は、記載する実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって説明された実施形態に対して行われうる形態および詳細におけるいかなる変更も制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、レーダーと共有されるWLAN動的周波数選択(DFS)チャネルにおいて動作する自動車用に装備される例示的な屋外無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アーキテクチャを示す図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、パルスの受信電力レベルおよびパルス幅の変動を示す、レーダーパルスに対するチャネル効果およびフィルタリング効果を示す図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、パルスの受信電力レベルおよびパルス幅の変動を示す、レーダーパルスに対するチャネル効果およびフィルタリング効果を示す図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、予想されるPRIおよび元のパルスの部分パルス間の時間遅延の較正結果に基づいて、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたレーダーパルスのPWおよびPRIを補正するための例示的な技術を示す図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、予想されるPRIおよび元のパルスの部分パルス間の時間遅延の較正結果に基づいて、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたレーダーパルスのPWおよびPRIを補正するための例示的な技術を示す図である。
【
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、予想されるPRIおよび元のパルスの部分パルス間の時間遅延の較正結果に基づいて、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたレーダーパルスのPWおよびPRIを補正するための例示的な技術を示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、WLANデバイスがPRIと元のレーダーパルスの部分パルス間の遅延とを較正し、較正結果を用いて、障害レーダーパルスのPRIおよびPWを補正するための第1の方法のフロー図を示す図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5C】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5D】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5E】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5F】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5G】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5H】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5I】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5J】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5K】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5L】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5M】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5N】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5O】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5P】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5Q】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5R】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5S】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5T】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5U】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5V】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5W】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5X】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5Y】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示す図である。
【
図5Z】本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正した後の結果を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、WLANデバイスが障害レーダーパルスのPRIおよび部分パルス間の遅延を較正し、較正結果を用いて、障害レーダーパルスのPRIおよびPWを補正するための第2の方法のフロー図を示す図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、障害レーダーパルスの較正済みPRIおよび部分パルス間の較正済み遅延を検証するために第2の方法のパルス間隔較正段階によって使用される3つの連続する障害レーダーパルスの位置の可能な順列を示す図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階の一部として、5パルスの5長スライディングウィンドウ上の障害レーダーパルスの較正済みPRIおよび部分パルス間の較正済み遅延を検証する方法のフロー図を示す図である。
【
図9A】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9D】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9E】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9F】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9G】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9H】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9I】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9J】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9K】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9L】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9M】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9N】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9O】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9P】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9Q】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9R】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9S】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9T】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9U】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9V】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9W】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9X】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9Y】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図9Z】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス間隔較正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、較正済みPRIおよび障害レーダーパルスの部分パルス間の較正済み遅延を得るための一連の操作の結果を示す図である。
【
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10C】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10D】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10E】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10F】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10G】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10H】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10I】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10J】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10K】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10L】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10M】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10N】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10O】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10P】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10Q】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10R】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10S】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10T】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10U】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10V】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10W】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10X】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10Y】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図10Z】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第1の一連の操作の結果を示す図である。
【
図11A】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第2の一連の操作の結果を示す図である。
【
図11B】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第2の一連の操作の結果を示す図である。
【
図11C】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第2の一連の操作の結果を示す図である。
【
図11D】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正するための第2の一連の操作の結果を示す図である。
【
図11E】本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正した後の結果を示す図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、レーダーと共有されるWLAN DFSチャネルにおいて動作するように装備され、レーダー信号を検出するように構成されたWLANデバイスのブロック図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、レーダーと共有されるWLAN DFSチャネルにおいて動作するように装備され、レーダー信号を検出するように構成されたハードウェアおよびソフトウェアドライバを示すWLAN DFSデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
主題の技術の種々の態様および変形の例を本明細書に記載し、また添付の図面に示す。以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものではなく、むしろ当業者による本発明の作製および使用を可能にすることを意図するものである。
【0010】
レーダーは、周期的パルスのバーストを送信しており、この周期的パルスのバーストは、均一なパルス幅(PW)と、レーダータイプに特有のパルス間の期間に対するパルス繰り返し間隔(PRI)と、によって特徴付けられる。WLANデバイスによって受信されたレーダーパルスは、チャネル効果およびフィルタリング効果、元のレーダー送信のPWの短縮およびPRIの変化に起因して、複数のより小さなパルスまたは部分パルスに分割されうる。本技術の一態様では、5GHz帯域のDFSチャネル上で動作するWLANデバイスは、障害が生じた受信パルスを処理することによって、PRIならびに部分パルス間の遅延を推定または較正する。較正済みPRIは、送信パルスのPRIを近似することができる。部分パルス間の較正済み遅延は、元々同じ送信パルスに属する2つの部分パルス間の間隔を推定する。較正済みPRIと部分パルス間の較正済み遅延とを使用して、WLANデバイスは、障害パルスが元のパルスの遅延パルスおよび部分パルスである場合でも、受信された障害パルスから元のパルスを再構成することができる。WLANデバイスは、較正結果を用いて、障害パルスの短縮されたPWおよび変動するPRIを補正し、部分パルスを比較的均一なPRIを有する完全PWに復元することができる。パルス較正操作およびパルス補正操作は、WLANデバイスがレーダー信号を正しく検出する確率を増大させる。WLANデバイスは、DFSチャネルまたは非DFSチャネルでありうる別のサポートWLANチャネルへの迅速かつ確実な切り替えを行って、レーダー信号を搬送しているDFSチャネルから外れるように制御し、これにより、レーダー信号上の干渉を低減し、WLANデバイスの性能を改善することができる。
【0011】
一実施形態では、パルス較正フェーズ中に、WLANデバイスは、2つの連続する受信パルス間の遅延と閾値とを比較することができる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。2つの連続するパルス間の遅延が閾値以下である場合、WLANは、PW_deltaとも称される部分パルス間の遅延を、遅延であると推定することができる。2つの連続するパルス間の遅延が閾値よりも大きい場合、WLANは、PRI_refとも称されるレーダーパルスのPRIを、遅延であると推定することができる。WLANは、PRI_refおよびPW_deltaの連続的な推定値がトレランス以内に収束するとき、較正を完了することができる。
【0012】
一実施形態では、パルス補正フェーズ中に、WLANデバイスは、現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延を、PRI_refとPW_deltaとの和と比較することができる。2つの連続するパルス間の遅延がトレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しい場合、WLANデバイスは、現在のパルスよりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定することができる。現在のパルスは、欠落パルスの位置からPW_deltaだけ遅延した部分パルスであると仮定される。WLANデバイスは、現在のパルスよりPW_deltaだけ前にパルスを付加することができ、付加されたパルスを現在のパルスと結合して、PW_deltaと現在のパルスのPWとの和であるPWを有するパルスを再構成することができる。
【0013】
PRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを用いて障害パルスを補正して元のパルスを再構成する方法の一実施形態では、較正操作および補正操作は、記憶されたレーダーパルスをシングルパスで処理することができる。WLANデバイスは、PRI_refおよびPW_deltaの較正が完了するまで、記憶されたレーダーパルスを処理することができる。較正操作が完了すると、WLANデバイスは、後続する記憶されたレーダーパルスを補正して、元のパルスを再構成することができる。したがって、WLANデバイスは、較正操作のために使用される記憶されたレーダーパルスに続く記憶されたレーダーパルスのサブセットのみを補正する。
【0014】
別の実施形態では、本方法は、記憶されたレーダーパルスを処理して、記憶されたレーダーパルスの2回のパスのうちの第1のパスにおいてPRI_refおよびPW_deltaを較正することができる。第1のパスのパルス較正段階中に、WLANデバイスは、少なくとも閾値によって各々分離されたパルスの連続ペアのスライディングウィンドウを生成することができる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。一実施形態において、スライディングウィンドウは、5パルスの5長スライディングウィンドウでありうる。WLANデバイスは、5長スライディングウィンドウを探索することができ、5長スライディングウィンドウには、少なくとも閾値によって分離された2つの連続パルスが含まれ、2つの連続パルスの各々が、2つの部分パルスに分割されている。WLANデバイスは、PRI_refを、2つの連続するパルス間の遅延であると推定または較正することができ、PW_deltaを、2つのパルスのうちの1つから分割された2つの部分パルス間の遅延であると推定または較正することができる。WLANデバイスは、5長スライディングウィンドウ内のパルスを使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証することができる。例えば、WLANデバイスは、5長スライディングウィンドウの3つの連続するパルスが、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaとトレランス以内で一致する遅延によって分離されているか否かを判定することができる。5長スライディングウィンドウは、3つの連続パルスの3つの異なる組み合わせを含む。較正は、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して、3つの連続するパルスの3つの組み合わせ全てが検証に成功したときに完了する。
【0015】
本方法は、記憶されたレーダーパルスを通る第2のパスにおいて、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して、記憶されたレーダーパルスを補正することができる。第2のパスのパルス補正段階中に、WLANデバイスは、現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延を閾値と比較することができる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。2つの連続するパルス間の遅延が閾値以下である場合、2つの連続するパルスは、送信パルスから分割された2つの部分パルスとして仮定されうる。WLANデバイスは、2つの連続するパルスを結合し、現在のパルスのPWと遅延との和であるPWを用いて、送信パルスを再構成することができる。
【0016】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、自動車用に装備される例示的な屋外WLANアーキテクチャを示している。WLANデバイスは、自動車101および103内に装備され、IEEE802.11規格を使用して通信することができる。WLANデバイスは、自動車101および103がアクセスポイント(AP)105の範囲内に来るとき、道路によって装備されたAP105と関連付けるように構成されたユーザステーション(STA)でありうる。自動車101および103中のWLANデバイスならびにAP105は、基本サービスセット(BSS)を形成しうる。AP105に関連付けられると、WLANデバイスは、道路状況、交通状況、環境および他のインフラストラクチャ情報などの情報をAP105から受信して、道路をナビゲートする際に自動車101および103を支援することができる。あるシナリオでは、自動車101および103は、AP105を介してデータトラフィックをルーティングすることなく、WLANデバイスを使用したピアツーピア通信において、速度、進行方向などの車両情報を交換することができる。自動車101または103は、互いから、かつ/またはAP105から受信された情報を使用して、自動運転を促進することができる。別のシナリオでは、自動車101は、自動車101内の車載WLANクライアント(例えば、乗客が携行するWLAN機能を有するモバイルフォン、または乗客座席の車載エンタテインメントコンソール)が接続しうるSoftAPまたはピアツーピアグループオーナー(P2P GO)をホストすることができ、これを介してインフォテインメントコンテンツを交換することができる。
【0017】
WLANシステムは、レーダーシステムと共有される1つ以上の5GHz WLAN DFSチャネル上で動作しうる。自動車101または103中のAP105またはWLANデバイスは、動作チャネル中のレーダー信号の存在を検出するように構成されたWLAN DFSマスタデバイスであってよく、レーダー干渉が検出された場合、自身およびレーダー検出機能を有しない接続スレーブデバイスを動作チャネルから離れるように誘導することができる。WLAN DFSマスタデバイスは、WLAN DFSマスタデバイスがチャネルにおいて動作を開始しうる前に、DFSチャネルがレーダー干渉から解放されていることを保証するために、最小期間の間、レーダースキャンまたはDFSチャネル利用可能性検査(DFS-CAC)スキャンを実行するように規則によって要求される場合がある。DFS-CACがクリアされた後の動作中、WLAN DFSマスタデバイスは、インサービスモニタリング(ISM)を用いて動作チャネル中の任意のレーダー信号を常時監視することをさらに要求される場合もある。レーダー信号がDFSチャネルにおけるCACまたはISM中の任意の時点で検出された場合、WLAN DFSマスタデバイスおよび接続スレーブデバイスは、異なるチャネルに迅速に移動することが予想される。
【0018】
本明細書で説明される例、実装形態、および実施形態は、主にWLANの文脈で説明される。一実施形態では、WLANシステムは、IEEE802.11規格の種々のバージョンを使用するWLANネットワークでありうる。ただし、他のWLANシステムが企図されてもよい。
【0019】
図2A~
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、パルスの受信電力レベルおよびパルス幅の変動を示す、レーダーパルスに対するチャネル効果およびフィルタリング効果を示している。
図2Aにおいて、送信パルスがWLANデバイスで受信されると、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して、送信パルスが電力レベルの高い先行部分パルスと電力レベルの低い後続部分パルスとに分割される。先行部分パルスの高い電力レベルは検出閾値を超えており、その結果、先行部分パルスがタイムスタンプT0で検出される。対照的に、後続部分パルスの低い電力レベルは検出閾値を超えず、後続部分パルスは検出されない。その結果、送信パルスの予想検出時刻で開始するが、送信パルスよりも狭いPWを有する受信パルスが得られる。
【0020】
図2Bでは、
図2Aとは反対のシナリオが観測されている。送信パルスがWLANデバイスで受信されると、送信パルスが電力レベルの低い先行部分パルスと電力レベル高い後続部分パルスとに分割される。後続部分パルスの高い電力レベルは、先行部分パルスの低い電力レベルとは対照的に、検出閾値を超える。その結果、送信パルスの予想検出時間から遅延するが、やはり送信パルスよりも狭いPWを有する受信パルスが得られる。検出されたレーダーパルスのPWおよびPRIは、送信パルスのPWおよびPRIとは異なる可能性があり、検出されたパルスが補正されない場合、レーダー検出の確率の低下につながる。
【0021】
図3A~
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、予想されるPRIおよび元のパルスの部分パルス間の時間遅延の較正結果に基づいて、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたレーダーパルスのPWおよびPRIを補正するための例示的な技術を示している。較正済みPRIは、元のレーダーパルスの推定PRIを表すことができ、PRI_refと称される。元のパルスの部分パルス間の較正済み遅延は、
図2A~2Bに示される部分パルスなどの元の完全パルスの2つの部分パルスの開始時間における推定遅延を表すことができ、PW_deltaと称される。受信した障害レーダーパルスからPRI_refおよびPW_deltaを較正する方法について説明する。
【0022】
図3Aにおいて、第1の完全パルスは、パルスインデックス(i-1)で指定されている。パルス[i-1]の完全PWはPW[i-1]として指定されており、パルス[i-1]の開始タイムスタンプはT0[i-1]として指定されている。第2の部分パルスはパルスインデックスiで指定されている。パルス[i]の部分PWはPW[i]として指定され、パルス[i]の開始タイムスタンプはT0[i]として指定されている。パルス[i]は、T0[i-1]からPRI_refの期間で受信されたはずの第2の完全パルスの遅延した部分パルスでありうる。パルス[i]は、欠落した第2の完全パルスの開始タイムスタンプからPW_deltaだけ遅延しうる。パルス[i]の例が
図2Bに示されている。欠落した第2の完全パルスを検出する技術は、パルス[i]の開始タイムスタンプとパルス[i-1]の開始タイムスタンプとの間のPRI[i-1]として指定される遅延が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しいか否かを判定することである。この条件が真である場合、本技術により、パルス[i]の完全パルスがT0[i]よりPW_deltaだけ前に開始して受信されたはずであると仮定することができる。
【0023】
図3Bは、パルス[i]の欠落した完全パルスが、(T0[i]-PW_delta)で開始しうること、またはT0[i-1]からおよそPRI_ref後に開始しうることを示している。本技術により、(T0[i]-PW_delta)で開始する欠落した第2の完全パルスの先行部分パルスを付加することができる。付加された先行部分パルスおよびパルス[i]は、第2の完全パルスの2つの部分パルスとみなされる。
【0024】
図3Cは、本技術が、付加された先行部分パルスと検出された後続部分パルス[i]とを結合して、第2の完全パルスを再構成しうることを示している。再構成された第2の完全パルスのPWは、PW_deltaとPW[i]との和でありうる。再構成された第2の完全パルスの開始タイムスタンプは、PRI_refとT0[i-1]との和でありうる。再構成された第2の完全パルスは、検出された部分パルス[i]を、パルス[i-1]とパルス[i]との間の予想されるPRIを有するその完全PWに復元しており、これにより、レーダー検出モジュールがレーダー信号を識別することを可能にする。
【0025】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、WLANデバイスがPRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正結果を用いて、障害レーダーパルスのPRIおよびPWを補正するための第1の方法400のフロー図を示している。方法400は、処理ロジックによって実行することができ、処理ロジックは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、プロセッサ、処理デバイス、中央処理装置(CPU)、マルチコアプロセッサ、システムオンチップ(SoC)など)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で動作/実行する命令)、ファームウェア(例えば、マイクロコード)、またはこれらの組み合わせを含みうる。いくつかの実施形態では、方法400は、WLAN DFSマスタデバイスまたはWLANデバイスに含まれる処理デバイスによって実行されうる。
【0026】
方法400は、シングルパスを使用して記憶されたレーダーパルスを処理することによって、パルス較正操作およびパルス補正操作を実行する。方法400は、PRI_refおよびPW_deltaの較正が完了するまで、記憶されたレーダーパルスを処理することができる。パルス較正操作が完了すると、方法400は、後続する記憶されたレーダーパルスを補正して、元のパルスを再構成することができる。したがって、方法400は、較正操作のために使用される記憶されたレーダーパルスに続く記憶されたレーダーパルスのサブセットのみを補正する。
【0027】
操作401において、本方法は、検出されたパルスのタイムスタンプT0およびパルス幅PWを収集する。パルスのタイムスタンプT0は、受信パルスの電力が最初に検出閾値を超えた場合のWLANデバイスの内部クロックの状態でありうる。パルスのPWは、タイムスタンプT0と、パルスの受信電力が検出閾値を下回ったときのタイムスタンプと、の差でありうる。一実施形態では、WLANデバイスによって検出されたパルスのT0およびPWは、FIFOに書き込まれうる。ソフトウェアまたはファームウェアは、FIFOを読み出してパルスのT0およびPWを取得し、パルスのPRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正結果を用いてパルスのPRIおよびPWを補正することができる。
【0028】
操作403において、本方法は、現在のパルスのT0と直前のパルスのT0との差を閾値と比較しうる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延が閾値以下である場合、2つの連続するパルスは、完全送信パルスの2つの部分パルスとして仮定されうる。本方法は、2つの連続するパルスを結合して、現在のパルスのPWと現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延との和であるPWを有する送信パルスを再構成することができる。本方法は、PW_deltaを現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延であると推定することができる。
【0029】
操作407において、現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延が閾値より大きい場合、2つの連続するパルスはPRIによって分離されている可能性が高い。本方法は、PRI_refを現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延であると推定することができる。
【0030】
操作409において、本方法は、現在のパルスと直前のパルスとの間のPRI(PRI1と指定される)が、現在のパルスに対する2つの直前のパルスの間で計算された先行PRI(PRI0と指定される)と一致するか否かを判定する。一実施形態では、PRI1およびPRI0が非ゼロであり、PRI1とPRI0との差がトレランス以内である場合、推定PRI_refは収束したとみなされる。
【0031】
操作411において、推定PRI_refが収束し、推定PW_deltaが0でない場合、本方法は、PRI_refおよびPW_deltaの較正が完了したことを宣言する。操作403、407、409、および411は、本方法のPRI較正フェーズの操作として分類される。推定PRI_refが収束していない場合、または推定PW_deltaが0である場合、本方法は、FIFOから次のパルスのT0およびPWを読み出すことができ、PRI_refの収束および非0のPW_deltaが達成されるまで、次のパルスを新しい現在のパルスとして使用してPRI較正フェーズを繰り返すことができる。PRI較正フェーズの完了後、本方法は、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して後続する障害パルスを補正し、元のパルスを再構成することができる。したがって、本方法は、PRI較正フェーズに使用された障害パルスに続く障害パルスのサブセットのみを補正することができる。
【0032】
操作412において、本操作は、現在のパルスのT0と直前のパルスのT0との差を閾値と比較しうる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延が閾値以下である場合、2つの連続するパルスは、完全送信パルスの2つの部分パルスとして仮定されうる。本方法は、2つの連続するパルスを結合して、現在のパルスのPWと現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延との和であるPWを有する送信パルスを再構成することができる。
【0033】
操作413において、本方法は、現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延を、PRI_refとPW_deltaとの和と比較することができる。この操作は、上述したように
図3Aに示されている。一実施形態では、操作413は、現在のパルスのT0と直前のパルスのT0との差を、PRI_refとPW_deltaとの和と比較することができる。
【0034】
現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延がトレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しい場合、本方法は、現在のパルスよりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定することができる。現在のパルスは、欠落パルスの位置からPW_deltaだけ遅延した部分パルスであると仮定される。操作415において、本操作は、現在のパルスのT0よりPW_deltaだけ前にパルスを付加することができ、付加されたパルスを現在のパルスと結合して、PW_deltaと現在のパルスのPWとの和であるPWを有するパルスを再構成することができる。付加されたパルスおよび現在のパルスは、結合パルスの2つの部分パルスとみなされる。操作415は、上述したように
図3Bおよび
図3Cに示されている。
【0035】
操作413の比較が満たされない場合、または現在のパルスのT0よりPW_deltaだけ前に付加されたパルスが、操作415において説明されるように現在のパルスと結合されてパルスを再構成する場合、操作417において、本方法は、FIFOからの付加的な障害パルスが処理されるべきか否かを検査することができる。
【0036】
処理すべき付加的な障害パルスがある場合、本方法は、FIFOからの全ての障害パルスが処理されるまで、操作413および415を繰り返すことができる。操作412、413および415は、本方法のPRI/PW補正フェーズの操作として分類される。
【0037】
操作419において、PRI/PW補正フェーズの後、本方法は、再構成されたパルスを使用してレーダータイプの識別を実行することができる。一実施形態では、操作419は、再構成されたパルスのPRIおよびPWが指定されたレーダータイプと一致するか否かを判定することができる。操作419はまた、均一なPRIおよびPWを伴う連続パルスの数が閾値を超えるか否かを判定することができる。これらの条件が満たされた場合、指定されたレーダータイプの検出が宣言される。満たされない場合、指定されたレーダータイプの検出は失敗し、操作419は、全てのレーダータイプがテストされるまで、付加的なレーダータイプとの一致を探すことができる。
【0038】
図5A~
図5Yは、本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法400を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する場合の一連の操作の結果を示し、
図5Zは、本開示のいくつかの実施形態による、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第1の方法400を適用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正した後の結果を示している。
【0039】
操作5Aは、FIFOから15本のパルス列のT0およびPWを読み出す。パルスは1から15までインデックス付けされ、パルスのT0およびPWはT0[1:15]およびPW[1:15]とラベル付けされる。操作5Aは、
図4の方法400の操作401によって実行されうる。
【0040】
操作5Bは、T0[2]とT0[1]との間の遅延(差分)が閾値よりも大きいことを判定する。次いで、操作5Bは、PRI_refが差分であると推定する。操作5Bは、方法400の操作407によって実行されうる。
【0041】
操作5Cは、T0[2]とT0[1]との間の現在のPRIであるPRI1を差分に設定する。PRI_refもPRI1に等しい。
【0042】
操作5Dは、次のパルスであるパルス[3]についてのT0[3]をFIFOから読み出し、T0[3]とT0[2]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。次いで、操作5Dは、PRI_refをこの最新の差分へと更新する。操作5Dは、方法400の操作407によって実行されうる。
【0043】
操作5Eは、PRI1をT0[3]とT0[2]との間の差分へと更新し、PRI0を操作5Bで計算されたT0[2]とT0[1]との間の差分に設定する。
【0044】
操作5Fは、次のパルスであるパルス[4]についてのT0[4]およびPW[4]をFIFOから読み出し、T0[4]とT0[3]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作5Fは、パルス[4]とパルス[3]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[4])に設定し、PW_deltaをT0[4]とT0[3]との間の差分であると推定する。操作5Fは、方法400の操作403によって実行されうる。
【0045】
操作5Gは、パルスのインデックス付けを更新し、再インデックス付け後の次のパルスであるパルス[4]についてのT0[4]をFIFOから読み出し、PRI1をT0[4]とT0[3]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[3]とT0[2]との間の差分へと更新する。
【0046】
操作5Hは、次のパルスであるパルス[5]についてのT0[5]をFIFOから読み出し、T0[5]とT0[4]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。次いで、操作5Hは、PRI_refをこの最新の差分へと更新する。
【0047】
操作5Iは、PRI1をT0[5]とT0[4]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[4]とT0[3]との間の差分へと更新する。
【0048】
操作5Jは、次のパルスであるパルス[6]についてのT0[6]およびPW[6]をFIFOから読み出し、T0[6]とT0[5]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作5Jは、パルス[6]とパルス[5]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[6])に設定し、PW_deltaをT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新する。
【0049】
操作5Kは、パルスのインデックス付けを更新し、再インデックス付け後の次のパルスであるパルス[6]についてのT0[6]をFIFOから読み出し、PRI1をT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[5]とT0[4]との間の差分へと更新する。
【0050】
操作5Lは、次のパルスであるパルス[7]についてのT0[7]をFIFOから読み出し、T0[7]とT0[6]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。次いで、操作5Lは、PRI_refをこの最新の差分へと更新する。
【0051】
操作5Mは、PRI1をT0[7]とT0[6]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新する。
【0052】
操作5Nは、次のパルスであるパルス[8]についてのT0[8]およびPW[8]をFIFOから読み出し、T0[8]とT0[7]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作5Nは、パルス[8]とパルス[7]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[8])に設定し、PW_deltaをT0[8]とT0[7]との間の差分へと更新する。
【0053】
操作5Oは、パルスのインデックス付けを更新し、再インデックス付け後の次のパルスであるパルス[8]についてのT0[8]をFIFOから読み出し、PRI1をT0[8]とT0[7]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[7]とT0[6]との間の差分へと更新する。
【0054】
操作5Pは、次のパルスであるパルス[9]についてのT0[9]およびPW[9]をFIFOから読み出し、T0[9]とT0[8]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作5Pは、パルス[9]とパルス[8]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[9])に設定し、PW_deltaをT0[9]とT0[8]との間の差分へと更新する。
【0055】
操作5Qは、パルスのインデックス付けを更新し、再インデックス付け後の次のパルスであるパルス[9]についてのT0[9]をFIFOから読み出し、PRI1をT0[9]とT0[8]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[8]とT0[7]との間の差分へと更新する。
【0056】
操作5Rは、PRI1とPRI0との差がトレランス以内であるので、PRI_refが収束したと判定する。操作5Rは、PRI_refおよびPW_deltaの較正を完了し、PRI_refをPRI1に更新する。PW_deltaは、操作5Pで計算された値のままである。操作5Rは、方法400の操作409および411によって実行されうる。
【0057】
操作5Sは、パルス較正フェーズの完了時のPRI_refおよびPW_deltaの状態を示している。
【0058】
操作5Tは、パルス補正パルスを開始する。操作5Tは、次のパルスであるパルス[10]についてのT0[10]およびPW[10]をFIFOから読み出し、T0[10]とT0[9]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作5Tは、パルス[10]とパルス[9]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[10])に設定する。操作5Tは、方法400の操作412によって実行されうる。
【0059】
操作5Uは、パルスのインデックス付けを更新する。
【0060】
操作5Vは、再インデックス付け後に、次のパルスであるパルス[10]についてのT0[11]およびPW[11]をFIFOから読み出す。操作5Vは、T0[10]とT0[9]との間の差分が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しいことを判定する。操作5Vは、T0[10]よりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定する。操作5Vは、(T0[10]-PW_delta)において新しいパルスを付加する。操作5Vは、方法400の操作413および415によって実行されうる。
【0061】
操作5Wは、付加されたパルスとパルス[10]とを結合して、(PW[10]+PW_delta)であるPWを有する結合パルスを生成する。操作5Vは、方法400の操作415によって実行されうる。
【0062】
操作5Xは、均一なPWおよびPRIを有する送信機からの元のレーダーパルスを示している。
【0063】
操作5Yは、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたWLANデバイスにおける受信パルスを示している。障害パルスは、パルスが分割され、短縮されたPWおよび変動するPRIを示す。
【0064】
操作5Zは、方法400を適用して障害パルスのPRIおよびPWを補正した後の再構成されたパルスを示している。較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用したパルス補正は、パルス[9]から開始して実行される。再構成されたパルスは、比較的均一なPWおよびPRIを示している。
【0065】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、WLANデバイスが障害レーダーパルスのPRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正結果を用いて、障害レーダーパルスのPRIおよびPWを補正するための第2の方法600のフロー図を示している。方法600は、処理ロジックによって実行することができ、処理ロジックは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、プロセッサ、処理デバイス、中央処理装置(CPU)、マルチコアプロセッサ、システムオンチップ(SoC)など)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で動作/実行する命令)、ファームウェア(例えば、マイクロコード)、またはこれらの組み合わせを含みうる。いくつかの実施形態では、方法600は、WLAN DFSマスタデバイスまたはWLANデバイスに含まれる処理デバイスによって実行されうる。
【0066】
方法600は、2つのパスを使用して記憶されたレーダーパルスを処理することによって、パルス較正操作およびパルス補正操作を実行する。第1のパスでは、方法600は、記憶されたレーダーパルスを処理して、PRI_refおよびPW_deltaを較正することができる。パルス較正が完了すると、方法600は、第2のパスを使用して記憶されたレーダーパルスを再び処理して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して記憶されたレーダーパルスを補正する。したがって、方法600は、方法400とは異なり、記憶された全てのレーダーパルスを補正する。
【0067】
操作601において、本方法は、検出されたパルスのタイムスタンプT0およびパルス幅PWを収集する。パルスのタイムスタンプT0は、受信パルスの電力が最初に検出閾値を超えた場合のWLANデバイスの内部クロックの状態でありうる。パルスのPWは、タイムスタンプT0と、パルスの受信電力が検出閾値を下回ったときのタイムスタンプと、の差でありうる。一実施形態では、WLANによって検出されたパルスのT0およびPWは、FIFOに書き込まれうる。ソフトウェアまたはファームウェアは、FIFOを読み出してパルスのT0およびPWを取得し、パルスのPRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正結果を用いてパルスのPRIおよびPWを補正することができる。
【0068】
操作603において、本方法は、各々が少なくとも閾値によって分離されるパルスの連続ペアのスライディングウィンドウについてパルスを探索することができる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。一実施形態では、スライディングウィンドウは、4つの連続するパルスのペアを含む5パルスの5長スライディングウィンドウであってよく、パルスのペアは、各々が閾値よりも大きい値によって分離されている。より一般的には、スライディングウィンドウは、(N-1)個の連続するパルスのペアを含むN個のパルスのN長スライドウィンドウであってよく、パルスのペアは、各々が閾値よりも大きい値によって分離されている。N個のパルスのうちの1つ以上は、複数の部分パルスに分割されうる。部分パルスを含むN長スライディングウィンドウ内のパルスの総数は、Nより大きくてもよい。
【0069】
操作605において、本方法は、N長スライディングウィンドウの4つの連続するパルス間のT0の差分を計算する。4つの連続するパルスは、部分パルスを含みうる。2つの連続するパルスが部分パルスである場合、部分パルスは同じ元のパルスの一部であるため、2つの連続する部分パルス間の差分は閾値未満でありうる。一実施形態では、4つの連続するパルスがパルス[4:1]とインデックス付けされる場合、パルス[4]とパルス[3]との間の差分はPRI[2]と指定することができ、パルス[3]とパルス[2]との間の差分はPRI[1]と指定することができ、パルス[2]とパルス[1]との間の差分はPRI[0]と指定することができる。
【0070】
操作607において、本方法は、N長スライディングウィンドウの4つの連続するパルスが、4つの部分パルスに分割された2つの連続する完全パルスの障害パルスであるか否かを判定する。一実施形態では、本方法は、0<PRI0≦閾値、PRI1>閾値、0<PRI2≦閾値、かつ|PRI2-PRI0|≦トレランスであるか否かを判定する。条件が満たされる場合、N長スライディングウィンドウは、4つの部分パルスに分割された2つの連続する完全パルスを含むと判定される。次いで、N長スライディングウィンドウを選択して、パルス較正を行い、PRI_refおよびPW_deltaのパルス較正を検証する。そうでなく、条件が満たされない場合、本方法は、操作603および605に戻り、条件を満たす別のN長スライディングウィンドウについてパルスを探索する。
【0071】
操作609において、本方法は、N長スライディングウィンドウの4つの部分パルスに分割された2つの連続する完全パルスを使用して、PRI_refおよびPW_deltaをパルス較正することができる。一実施形態では、操作609は、PRI1に対してPRI_refを推定または較正することができ、PRI2に対してPW_deltaを推定または較正することができる。操作609は、N長スライディングウィンドウ内のパルスを使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証することができる。5長スライディングウィンドウの一実施形態では、操作609は、5長スライディングウィンドウの3つの連続するパルスが、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaとトレランス以内で一致する遅延によって分離されているか否かを判定することができる。5長スライディングウィンドウは、3つの連続パルスの3つの異なる組み合わせを含む。較正は、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して、3つの連続するパルスの3つの組み合わせ全てが検証に成功したときに完了する。
【0072】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証するために方法600のパルス較正操作609によって使用される3つの連続する障害レーダーパルスの位置の可能な順列を示している。図示のように、3つの連続パルスのT0の8つの順列が存在する。3つの連続するパルスのT0が8つの順列のいずれかと一致する場合、検証は成功とみなされ、3つの連続するパルスのT0が8つの順列のいずれかと一致しない場合、検証は失敗とみなされる。
【0073】
3つの連続するパルスが左から右へ[0:2]とインデックス付けされ、PRIAがT0[1]とT0[0]との間の差分であり、PRIBがT0[2]とT0[1]との間の差分であり、X=PRI_ref、Y=PW_deltaであると仮定する。パルス[2:0]の8つの順列から、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証するための次の8つの条件、すなわち
【数1】
が生じる。
【0074】
5長スライディングウィンドウは、3つの連続パルスの3つの異なる組み合わせを含む。較正は、3つの連続パルスの3つの異なる組み合わせを使用する3つの検証ランの全てが成功したときに成功と宣言される。
【0075】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、方法600のパルス検証操作609の一部として、5パルスの5長スライディングウィンドウ上の障害レーダーパルスの較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証する方法800のフロー図を示している。
【0076】
操作801は、
図6の方法600の操作607と同じであり、簡潔さのために繰り返さない。
【0077】
操作805において、本操作は、操作607と同様に、PRI_refをPRI1に設定し、PW_deltaをPRI2に設定する。
【0078】
操作807において、本方法は、5パルスが5長スライディングウィンドウに記録されたか否かを判定する。5パルスが5長スライディングウィンドウに記録された場合、本方法は、5長スライディングウィンドウの3つの連続するパルスの3つの異なる組み合わせを使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証する。記録されない場合、本方法は、操作803において、PRI_refおよびPW_deltaを較正するために、別の5長スライディングウィンドウを探索する。操作803は、
図6の方法6の操作603および605と同様であってもよく、簡潔さのために繰り返さない。
【0079】
操作809において、本方法は、5長スライディングウィンドウの1回目の3つの連続するパルスを使用したPRI_refおよびPW_deltaの検証が成功したか否かを判定する。
【0080】
操作811において、本方法は、5長スライディングウィンドウの2回目の3つの連続するパルスを使用したPRI_refおよびPW_deltaの検証が成功したか否かを判定する。
【0081】
操作813において、本方法は、5長スライディングウィンドウの3回目の3つの連続するパルスを使用したPRI_refおよびPW_deltaの検証が成功したか否かを判定する。
【0082】
操作815において、5長スライディングウィンドウの3つの連続するパルスの3つの異なる組み合わせを使用する3つの検証ランの全てが成功した場合、PRI_refおよびPW_deltaの較正および検証が成功したと宣言される。そうではなく、少なくとも1つの検証ランが失敗した場合、本方法は、操作803において、PRI_refおよびPW_deltaを較正するために、別の5長スライディングウィンドウを探索する。
【0083】
図6に戻ると、本方法は、PRI_refおよびPW_deltaの較正を完了する。操作603、605、607、609、および611は、本方法のPRI較正フェーズの操作として分類される。PRI較正フェーズの完了後、本方法は、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して、第2のパスにおいて障害パルスを補正し、元のパルスを再構成することができる。
【0084】
操作613において、本操作は、現在のパルスのT0と直前のパルスのT0との差を閾値と比較しうる。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延が閾値以下である場合、2つの連続するパルスは、完全送信パルスの2つの部分パルスとして仮定されうる。本方法は、2つの連続するパルスを結合して、現在のパルスのPWと現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延との和であるPWを有する送信パルスを再構成することができる。
【0085】
操作615において、本方法は、現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延を、PRI_refとPW_deltaとの和と比較することができる。この操作は、
図4の方法400の操作413と同様である。一実施形態では、操作615は、現在のパルスのT0と直前のパルスのT0との差を、PRI_refとPW_deltaとの和と比較することができる。
【0086】
現在のパルスと直前のパルスとの間の遅延が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しい場合、本方法は、現在のパルスよりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定することができる。現在のパルスは、欠落パルスの位置からPW_deltaだけ遅延した部分パルスであると仮定される。操作617において、本操作は、現在のパルスのT0よりPW_deltaだけ前にパルスを付加することができ、付加されたパルスを現在のパルスと結合して、PW_deltaと現在のパルスのPWとの和であるPWを有するパルスを再構成することができる。付加されたパルスおよび現在のパルスは、結合パルスの2つの部分パルスとみなされる。操作617は、
図4の方法400の操作415と同様である。
【0087】
操作615の比較が満たされない場合、または現在のパルスのT0よりPW_deltaだけ前に付加されたパルスが、操作617において説明されるように現在のパルスと結合されてパルスを再構成する場合、操作619において、本方法は、FIFOからの付加的な障害パルスが処理されるべきか否かを検査することができる。
【0088】
補正されるべき付加的な障害パルスがある場合、本方法は、FIFOからの全ての障害パルスが補正されるまで、操作613、615、および617を繰り返すことができる。操作613、615および617は、本方法のPRI/PW補正フェーズの操作として分類される。
【0089】
操作621において、PRI/PW補正フェーズの後、本方法は、再構成されたパルスを使用してレーダータイプの識別を実行することができる。操作621は、
図4の方法400の操作419と同様であり、簡潔さのために繰り返さない。
【0090】
図9A~
図9Zは、本開示のいくつかの実施形態による、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを得るために、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに第2の方法600のパルス間隔較正段階を適用する場合の一連の操作の結果を示している。
【0091】
操作9Aは、FIFOから15本のパルス列のT0およびPWを読み出す。パルスは1から15までインデックス付けされ、パルスのT0およびPWはT0[1:15]およびPW[1:15]とラベル付けされる。操作9Aは、
図6の方法600の操作601によって実行されうる。
【0092】
操作9Bは、T0[2]とT0[1]との間の遅延(差分)が閾値より大きいことを判定する。次いで、操作9Bは、5長スライディングウィンドウにパルス[1]を記録する。操作9Bは、方法600の操作603によって実行されうる。
【0093】
操作9Cは、T0[2]とT0[1]との間のPRIであるPRI2を差分に設定し、パルス[2]を5長スライディングウィンドウに記録する。操作9Cは、方法600の操作603によって実行されうる。
【0094】
操作9Dは、次のパルスであるパルス[3]についてのT0[3]をFIFOから読み出し、T0[3]とT0[2]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0095】
操作9Eは、PRI2をT0[3]とT0[2]との間の差分へと更新し、PRI1を操作9Bで計算されたT0[2]とT0[1]との間の差分に設定する。当該操作は、5長スライディングウィンドウにパルス[3]を記録する。
【0096】
操作9Fは、次のパルスであるパルス[4]についてのT0[4]をFIFOから読み出し、T0[4]とT0[3]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、本操作は、5長スライディングウィンドウにパルス[4]を記録しないことによってパルス[4]をスキップする。
【0097】
操作9Gは、PRI2をT0[4]とT0[3]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[3]とT0[2]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[2]とT0[1]との間の差分に設定する。
【0098】
操作9Hは、次のパルスであるパルス[5]についてのT0[5]をFIFOから読み出し、T0[5]とT0[3]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0099】
操作9Iは、5長スライディングウィンドウにパルス[5]を記録する。操作9Iは、PRI2をT0[5]とT0[3]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[4]とT0[3]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[3]とT0[2]との間の差分へと更新する。
【0100】
操作9Jは、次のパルスであるパルス[6]についてのT0[6]をFIFOから読み出し、T0[6]とT0[5]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0101】
操作9Kは、5長スライディングウィンドウにパルス[6]を記録する。操作9Kは、PRI2をT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[5]とT0[3]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[4]とT0[3]との間の差分へと更新する。
【0102】
操作9Lは、次のパルスであるパルス[7]についてのT0[7]をFIFOから読み出し、T0[7]とT0[6]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作9Lは、5長スライディングウィンドウにパルス[4]を記録しないことによってパルス[7]をスキップする。
【0103】
操作9Mは、PRI2をT0[7]とT0[6]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[5]とT0[3]との間の差分へと更新する。
【0104】
操作9Nは、次のパルスであるパルス[8]についてのT0[8]をFIFOから読み出し、T0[8]とT0[6]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0105】
操作9Oは、5長スライディングウィンドウにパルス[8]を記録する。操作9Oは、PRI2をT0[8]とT0[6]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[7]とT0[6]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[6]とT0[5]との間の差分へと更新する。
【0106】
操作9Pは、次のパルスであるパルス[9]についてのT0[9]をFIFOから読み出し、T0[9]とT0[8]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0107】
操作9Qは、5長スライディングウィンドウにパルス[9]を記録する。操作9Qは、PRI2をT0[9]とT0[8]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[8]とT0[6]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[7]とT0[6]との間の差分へと更新する。
【0108】
操作9Rは、次のパルスであるパルス[10]についてのT0[10]をFIFOから読み出し、T0[10]とT0[9]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次に、操作9Rは、5長スライディングウィンドウにパルス[10]を記録しないことによってパルス[10]をスキップする。
【0109】
操作9Sは、PRI2をT0[10]とT0[9]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[9]とT0[8]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[8]とT0[6]との間の差分へと更新する。
【0110】
操作9Tは、次のパルスであるパルス[11]についてのT0[11]をFIFOから読み出し、T0[11]とT0[9]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0111】
操作9Uは、5長スライディングウィンドウにパルス[11]を記録する。操作9Uは、PRI2をT0[11]とT0[9]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[10]とT0[9]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[9]とT0[8]との間の差分へと更新する。
【0112】
操作9Vは、次のパルスであるパルス[12]についてのT0[12]をFIFOから読み出し、T0[12]とT0[11]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作9Vは、5長スライディングウィンドウにパルス[12]を記録しないことによってパルス[12]をスキップする。
【0113】
操作9Wは、PRI2をT0[12]とT0[11]との間の差分へと更新し、PRI1をT0[11]とT0[9]との間の差分へと更新し、PRI0をT0[10]とT0[9]との間の差分へと更新する。操作9Wは、0<PRI0≦閾値、PRI1>閾値、0<PRI2≦閾値、かつ|PRI2-PRI0|≦トレランスであるか否かを判定する。一実施形態では、閾値は、所定の閾値でありうる。次いで、5長スライディングウィンドウは、4つの部分パルスに分割された2つの連続する完全パルスを含むと判定される。次いで、5長スライディングウィンドウを選択して、パルス較正を行い、PRI_refおよびPW_deltaのパルス較正を検証する。操作9Wは、方法600の操作605および607によって実行されうる。
【0114】
操作9Xは、PRI1に対してPRI_refを推定または較正し、PRI2に対してPW_deltaを推定または較正する。操作9Xは、パルス[5]、パルス[6]、パルス[8]、パルス[9]、およびパルス[11]を含む5長スライディングウィンドウのパルス[5]、パルス[6]、およびパルス[8]を使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証する。
【0115】
操作9Yは、5長スライディングウィンドウのパルス[6]、パルス[8]、およびパルス[9]を使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証する。
【0116】
操作9Zは、5長スライディングウィンドウのパルス[8]、パルス[9]、およびパルス[11]を使用して、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを検証する。操作9X、9Y、および9Zが成功した場合、PRI_refおよびPW_deltaの較正および検証は成功したと宣言される。パルス間隔較正段階が完了し、方法600は、PRI/PW補正段階に進み、較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して障害パルスを補正する。操作9X、9Y、および9Zは、方法600の操作609および611によって、または
図8の方法800によって実行されうる。
【0117】
図10A~
図10Zは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法600のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用する場合の第1の一連の操作の結果を示している。一連の操作は、方法600のパルス間隔較正段階からの較正済みのPRI_refおよびPW_deltaを使用して、障害パルスのPRIおよびPWを補正する。
【0118】
操作10Aは、記憶されたパルスを通る第2のパスにおいて、FIFOから15パルスのT0およびPWを読み出す。パルスは1から15までインデックス付けされ、パルスのT0およびPWはT0[1:15]およびPW[1:15]とラベル付けされる。操作10Aは、T0[2]とT0[1]との間の遅延(差分)が閾値より大きいことを判定する。
【0119】
操作10Bは、次のパルスであるパルス[3]についてのT0[3]をFIFOから読み出し、T0[3]とT0[2]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0120】
操作10Cは、次のパルスであるパルス[4]についてのT0[4]をFIFOから読み出し、T0[4]とT0[3]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作10Cは、パルス[4]とパルス[3]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[4])に設定する。操作10Cは、
図6の方法600の操作613によって実行されうる。
【0121】
操作10Dは、パルスを結合した後にパルスのインデックス付けを更新する。
【0122】
操作10Eは、パルスの更新されたインデックスを示している。
【0123】
操作10Fは、再インデックス付け後に、次のパルスであるパルス[4]についてのT0[4]およびPW[4]をFIFOから読み出す。操作10Fは、T0[4]とT0[3]との間の差分が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しいことを判定する。操作10Fは、T0[4]よりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定する。操作10Fは、(T0[4]-PW_delta)において新しいパルスを付加する。操作10Fは、
図6の方法600の操作615および617によって実行されうる。
【0124】
操作10Gは、付加されたパルスとパルス[4]とを結合して、(PW[4]+PW_delta)であるPWを有する結合パルスを生成する。次いで、操作10Gは、結合パルスとパルス[3]との間のPRIを、(T0[4]-PW_delta)とT0[3]との間の差分として再計算する。操作10Gは、
図6の方法600の操作617によって実行されうる。
【0125】
操作10Hは、結合パルスとパルス[3]との間の再計算されたPRIと、結合パルスのPWと、を示している。
【0126】
操作10Iは、次のパルスであるパルス[5]についてのT0[5]をFIFOから読み出し、T0[5]とT0[4]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0127】
操作10Jは、次のパルスであるパルス[6]についてのT0[6]およびPW[6]をFIFOから読み出し、T0[6]とT0[5]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作10Jは、パルス[6]とパルス[5]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[6])に設定する。
【0128】
操作10Kは、パルスを結合した後にパルスのインデックス付けを更新する。
【0129】
操作10Lは、パルスの更新されたインデックスを示している。
【0130】
操作10Mは、再インデックス付け後に、次のパルスであるパルス[6]についてのT0[6]およびPW[6]をFIFOから読み出す。操作10Mは、T0[6]とT0[5]との間の差分が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しいことを判定する。操作10Mは、T0[6]よりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定する。操作10Mは、(T0[6]-PW_delta)において新しいパルスを付加する。
【0131】
操作10Nは、付加されたパルスとパルス[6]とを結合して、(PW[6]+PW_delta)であるPWを有する結合パルスを生成する。次いで、操作10Nは、結合パルスとパルス[5]との間のPRIを、(T0[6]-PW_delta)とT0[5]との間の差分として再計算する。
【0132】
操作10Oは、結合パルスとパルス[5]との間の再計算されたPRIと、結合パルスのPWと、を示している。
【0133】
操作10Pは、次のパルスであるパルス[7]についてのT0[7]をFIFOから読み出し、T0[7]とT0[6]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0134】
操作10Qは、次のパルスであるパルス[8]についてのT0[8]およびPW[8]をFIFOから読み出し、T0[8]とT0[7]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作10Qは、パルス[8]とパルス[7]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[8])に設定する。
【0135】
操作10Rは、パルスを結合した後にパルスのインデックス付けを更新する。
【0136】
操作10Sは、パルスの更新されたインデックスを示している。操作10Sは、再インデックス付けの後に、次のパルスであるパルス[8]についてのT0[8]をFIFOから読み出し、T0[8]とT0[7]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0137】
操作10Tは、パルス[9]についてのT0[9]およびPW[9]をFIFOから読み出し、T0[9]とT0[8]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作10Tは、パルス[9]とパルス[8]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[9])に設定する。
【0138】
操作10Uは、パルスを結合した後にパルスのインデックス付けを更新する。
【0139】
操作10Vは、パルスの更新されたインデックスを示している。操作10Vは、再インデックス付けの後に、次のパルスであるパルス[9]についてのT0[9]をFIFOから読み出し、T0[9]とT0[8]との間の差分が閾値よりも大きいことを判定する。
【0140】
操作10Wは、パルス[10]についてのT0[10]およびPW[10]をFIFOから読み出し、T0[10]とT0[9]との間の差分が閾値未満であることを判定する。次いで、操作10Wは、パルス[10]とパルス[9]とを結合し、結合パルスのPWを(差分+PW[10])に設定する。
【0141】
操作10Xは、パルスを結合した後にパルスのインデックス付けを更新する。
【0142】
操作10Yは、パルスの更新されたインデックスを示している。
【0143】
操作10Zは、再インデックス付け後に、次のパルスであるパルス[10]についてのT0[10]およびPW[10]をFIFOから読み出す。操作10Zは、T0[10]とT0[9]との間の差分が、トレランス以内でPRI_refとPW_deltaとの和に等しいことを判定する。操作10Zは、T0[10]よりPW_deltaだけ前に、検出されたはずの欠落パルスが存在すると仮定する。操作10Zは、(T0[6]-PW_delta)において新しいパルスを付加する。
【0144】
図11A~
図11Dは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法600のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用する場合の第2の一連の操作の結果を示し、
図11Eは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の方法600のパルス結合およびPRI/PW補正段階を、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じた受信レーダーパルスのバーストに適用した後の結果を示している。
図11A~
図11Eは、
図10A~
図10Zの一連の操作に続く一連の操作を示している。
【0145】
操作11Aは、付加されたパルスとパルス[10]とを結合して、(PW[10]+PW_delta)であるPWを有する結合パルスを生成する。次いで、操作11Aは、結合パルスとパルス[9]との間のPRIを、(T0[10]-PW_delta)とT0[9]との間の差分として再計算する。
【0146】
操作11Bは、結合パルスとパルス[9]との間の再計算されたPRIと、結合パルスのPWと、を示している。
【0147】
操作11Cは、均一なPWおよびPRIを有する送信機からの元のレーダーパルスを示している。
【0148】
操作11Dは、チャネル効果およびフィルタリング効果に起因して障害が生じたWLANデバイスにおける受信パルスを示している。障害パルスは、パルスが分割され、短縮されたPWおよび変動するPRIを示す。
【0149】
操作11Eは、方法600を適用して障害パルスのPRIおよびPWを補正した後の再構成されたパルスを示している。再構成されたパルスは、比較的均一なPWおよびPRIを示している。
【0150】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、レーダー信号を検出するように構成された自動車内に装備されたWLAN DFSデバイス1201のブロック図である。WLAN DFSデバイス1201は、車両101,103上のAP105またはWLANデバイスであってよく、方法400、600、および800の操作を実施することができる。
【0151】
WLAN DFSデバイス1201は、WLAN DFSマスタデバイスまたはスレーブデバイスでありうる。WLAN DFSデバイス1201は、GPSサブシステム1203、マップサービス1205、WLANサブシステム1207、システムクロック1209、ワイドエリアネットワーク(WAN)接続サブシステム1211、ローカルストレージサブシステム1213、およびレーダー信号検出アプリケーション1215を含みうる。
【0152】
GPSサブシステム1203は、WLAN DFSデバイス1201のGPS座標を提供するように構成することができる。GPS座標を使用して、WLAN DFSマスタデバイスのための検出されたレーダー信号にジオタグを付すことができる。マップサービス1205は、GPSサブシステム1203によって提供されるGPS座標を移動経路にマッピングするように構成されていてよく、車両のためのナビゲーションサービスを提供することができる。
【0153】
WLANサブシステム1207は、WLAN動作のために選択されたチャネルを使用するように構成することができる。例えば、WLANサブシステム1207は、WLANチャネルを介して他のWLAN DFSデバイスまたはAPを用いて、データパケット、制御フレームなどを送信または受信するように構成されていてよい。システムクロック1209は、WLAN DFSマスタデバイスによって検出されたレーダー信号をタイムスタンプするために使用されるシステム時間を追跡するように構成することができる。一実施形態では、GPSサブシステム1203は、システム時間を提供するように構成されうる。
【0154】
WAN接続サブシステム1211は、WLAN DFSマスタデバイスによって、検出されたレーダー信号のDFSチャネル、記録されたGPS座標、およびレーダー信号が検出された記録された時間を含む検出されたレーダー信号に関する情報を協調ネットワークサーバにアップロードするように構成することができる。WAN接続サブシステム1211はまた、WLAN DFSデバイス1201の現在のGPS座標を送信し、協調ネットワークサーバから現在のGPS座標の近くのレーダー干渉に関する情報を受信するように、WLAN DFSマスタデバイスとスレーブデバイスの両方によって構成することができる。
【0155】
ローカルストレージサブシステム1213は、ジオタグが付されたタイムスタンプ付きレーダー干渉信号のローカルデータベースを記憶するように構成することができる。
【0156】
レーダー信号検出アプリケーション1215は、プロセッサ上で実行されて
図4、
図6、および
図8の方法400、600、および800における操作のうちの1つ以上を実行し、WLAN DFSデバイス1201がチャネル効果およびフィルタリング効果に起因する障害レーダーパルスのPRI_refおよびPW_deltaを較正し、較正結果を用いて障害レーダーパルスのPRIおよびPWを補正することができる。
【0157】
一実施形態では、WLAN DFSデバイス1201は、メモリおよび処理デバイスを含みうる。メモリは、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他のタイプのメモリであってよく、これは、レーダー信号検出アプリケーション1215またはローカルストレージサブシステム1213を記憶するように構成することができる。処理デバイスは、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスによって提供することができる。例示的な例では、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサもしくは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサを含みうる。処理デバイスはまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ以上の専用処理デバイスを含んでもよい。処理デバイスは、本明細書で説明する動作およびステップを実行するために、本開示の1つ以上の態様に従って、本明細書で説明する動作を実行するように構成することができる。
【0158】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、DFSチャネル上でレーダー信号を受信するように構成された自動車内に装備されたWLAN DFSデバイス1311のブロック図である。WLAN DFSデバイス1311は、車両101,103上のAP105またはWLANデバイスであってよく、方法400、600、および800の操作を実施することができる。
【0159】
WLAN DFSデバイス1311は、1つ以上のアンテナ1321と、WLANハードウェア1313と、WLANドライバ1315と、を含みうる。WLANドライバ1315は、WLAN Tx/Rxコントローラ1317と、WLAN DFSロジック1319と、レーダー信号検出ロジック1321と、を含みうる。WLANハードウェア1313は、アンテナ1321を通して動作チャネル上でWLANパケットを送信または受信するように構成されうる。また、アンテナ1321を使用して、DFSチャネル上でレーダー信号を受信することができる。一実施形態では、WLANハードウェア1313は、
図2A~
図2Bのように、受信信号の電力レベルが検出閾値を超えるか否かを判定するように構成することができる。
【0160】
WLAN Tx/Rxコントローラ1317は、受信されたWLANパケットを復調および復号化し、送信のためにWLANパケットを符号化および変調するように構成することができる。レーダー信号検出ロジック1321およびWLAN DFSロジック1319は、DFSチャネル上でレーダー信号を検出するように構成することができる。一実施形態では、WLAN DFSロジック1319は、ドライバを実装してハードウェアに記憶された信号を読み出し、信号を処理して本明細書で開示されるPRI較正およびPRI/PW補正を実行し、信号波形を再構成することができる。一実施形態において、レーダー信号検出ロジック1321は、再構成された波形を処理して、受信信号がレーダー信号であるか否かを判定することができる。
【0161】
現在の動作チャネルが近くのレーダーによって使用されている場合、WLAN DFSロジック1319は、WLAN動作のために新しいチャネルに切り替えるように構成することができる。
【0162】
一実施形態では、WLAN DFSデバイス1311は、メモリおよび処理デバイスを含みうる。メモリは、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、または他のタイプのメモリであってよく、これは、WLANドライバ1315の機能を実行するためのコードを記憶するように構成することができる。処理デバイスは、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの1つ以上の汎用処理デバイスによって提供することができる。例示的な例では、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサもしくは命令セットの組み合わせを実装するプロセッサを含んでもよい。処理デバイスはまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つ以上の専用処理デバイスを含んでもよい。処理デバイスは、本明細書で説明する動作およびステップを実行するために、本開示の1つ以上の態様に従って、本明細書で説明する動作を実行するように構成することができる。
【0163】
別段明記しない限り、「受信する」、「生成する」、「検証する」、「実行する」、「補正する」、「識別する」などの用語は、コンピューティングデバイスのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピューティングデバイスのメモリもしくはレジスタまたは他のかかる情報記憶デバイス、送信デバイスもしくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作および変換するコンピューティングデバイスによって実行または実装されるアクションおよびプロセスを指す。
【0164】
本明細書で説明する例はまた、本明細書で説明する動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要とされる目的のために特別に構築されていてよく、またはコンピューティングデバイスに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピューティングデバイスを含んでいてよい。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータ可読非一時的記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0165】
特定の実施形態は、機械可読媒体上に記憶された命令を含みうるコンピュータプログラム製品として実装されうる。これらの命令は、説明された動作を実行するように汎用または専用プロセッサをプログラムするために使用されうる。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって可読形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)で情報を記憶または送信するための任意の機構を含む。機械可読媒体は、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスケット)、光学記憶媒体(例えば、CD-ROM)、光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブルメモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、または電子命令を記憶するために好適な別のタイプの媒体を含んでもよいが、これらに限定されない。機械可読媒体は、非一時的機械可読媒体と称されうる。
【0166】
本明細書で説明される方法および例示的な例は、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に本質的には関連しない。種々の汎用システムが本明細書に記載される教示に従って使用可能であり、または必要とされる方法ステップを実行するために、より特殊化された装置を構築することが好適であることが判明している。これらの種々のシステムに必要とされる構造は、上記の説明に記載されているとおりである。
【0167】
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。本開示を特定の例示的な例を参照して説明したが、本開示は説明された例に限定されないことが認識されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、以下の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0168】
本明細書で使用される場合、単数形“a”、“an”および“the”は、文脈上明らかに異なることが示されない限り、複数形を同様に含むことが意図される。用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用される場合、論じられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。また、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、異なる要素を区別するためのラベルとして意味され、必ずしもこれらの数字表示に従った順序的な意味を有するとは限らない。したがって、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。
【0169】
いくつかの代替実装形態では、記載された機能/操作が、図に記載された順序とは異なる順序で行われうることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つの図は、関与する機能/操作に応じて、実際には実質的に同時に実行されてよく、または時には逆の順序で実行されてもよい。
【0170】
方法の動作を特定の順序で説明したが、他の動作が説明された動作の間に実行されてよく、説明された動作がわずかに異なる時間において生じるように調整されてよく、または説明された操作が処理に関連付けられた種々の間隔で処理の操作の発生を可能にするシステムに分散されていてもよいことを理解されたい。
【0171】
種々のユニット、回路、または他の構成要素は、1つ以上のタスクを実行するように「構成された(configured to)」または「構成可能な(configurable to)」ものとして説明または特許請求されうる。かかる文脈では、「構成された」または「構成可能な」という語句は、ユニット/回路/構成要素が、動作中に1つ以上のタスクを実行する構造(例えば、回路)を含むことを示すことによって構造を示唆するために使用される。したがって、ユニット/回路/構成要素は、指定されたユニット/回路/構成要素が現在動作していない(例えば、オンでない)場合であっても、タスクを実行するように構成されているか、またはタスクを実行するように構成可能であると言うことができる。「構成された」または「構成可能な」という文言とともに使用されるユニット/回路/構成要素は、ハードウェア、例えば、回路、動作を実装するために実行可能なプログラム命令を記憶するメモリなどを含む。ユニット/回路/構成要素が1つ以上のタスクを実行するように「構成された」、または1つ以上のタスクを実行するように「構成可能な」という記載は、そのユニット/回路/構成要素について米国特許法112条第6項を発動しないことが明示的に意図されている。加えて、「構成された」または「構成可能な」には、ソフトウェアおよび/またはファームウェア(例えば、FPGAまたはソフトウェアを実行する汎用プロセッサ)によって操作されて、対象のタスク(複数可)を実行することが可能な方法で動作する、一般的構造(例えば、一般的回路)を含めることができる。「構成された」はまた、1つ以上のタスクを実装または実施するように適合されるデバイス(例えば、集積回路)を製造するように、製造プロセス(例えば、半導体製造施設)を適合させることを含んでもよい。「構成可能な」とは、開示された機能(複数可)を実行するように構成される能力をプログラムされていないデバイスに与えるプログラムされた媒体を伴わない限り、ブランク媒体、プログラムされていないプロセッサもしくはプログラムされていない汎用コンピュータ、またはプログラムされていないプログラマブルロジックデバイス、プログラマブルゲートアレイ、もしくは他のプログラムされていないデバイスに適用されないことを明示的に意図している。
【0172】
上述の記載は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、上記の例示的な議論は、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。上記の教示に鑑みて、多くの修正および変形が可能である。実施形態は、実施形態の原理およびその実際の応用を最もよく説明するために選択および説明され、これによって、他の当業者が企図される特定の使用に適しうるように実施形態および種々の修正を最もよく利用することを可能にする。したがって、本実施形態は、例示的であって限定的ではないとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内で修正されうる。