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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】オール
(51)【国際特許分類】
   B63H 16/04 20060101AFI20230110BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20230110BHJP
   F16D 1/02 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B63H16/04
F16B7/20 C
F16D1/02 100
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018021777
(22)【出願日】2018-02-09
(65)【公開番号】P2019137205
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】506086395
【氏名又は名称】桑野造船株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100166187
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】鶴渕 淳也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 知正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良太
(72)【発明者】
【氏名】小澤 哲史
(72)【発明者】
【氏名】戸井 武司
(72)【発明者】
【氏名】有光 哲彦
(72)【発明者】
【氏名】本木 耕平
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-011596(JP,U)
【文献】米国特許第06755706(US,B1)
【文献】特表2012-523334(JP,A)
【文献】特開2005-178646(JP,A)
【文献】実開昭60-034991(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0058448(US,A1)
【文献】実開平06-075995(JP,U)
【文献】実開昭61-066097(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 16/04
F16B 7/00-7/22
F16D 1/02
A63B 69/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オールシャフトと、
前記オールシャフトの長手方向の先端部に取り付けられるオールブレードと、
前記オールシャフトの長手方向の基端部に取り付けられるハンドルと、
を有し、
前記オールシャフトは、
特性が異なる複数の先端側シャフトを含む先端側シャフト群から選択され、長手方向の先端側に配置される先端側シャフトと、
特性が異なる複数の基端側シャフトを含む基端側シャフト群から選択され、長手方向の基端側に配置される基端側シャフトと、
前記先端側シャフトと前記基端側シャフトを接続する中間継手部材と、
を有し、
持ち運び時、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材は、分解され、
使用時、前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトは、前記中間継手部材で接続され
前記先端側シャフトと前記基端側シャフトと前記中間継手部材は、円筒部材であり、
前記中間継手部材の外周面に、前記先端側シャフトの基端側の内周面と前記基端側シャフトの先端側の内周面が位置しており、
前記中間継手部材の外周面において、前記先端側シャフトの基端側の端面と前記基端側シャフトの先端側の端面が対向し突き合わさり、
前記先端側シャフトと前記基端側シャフトの外周面に、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトの対向端面を覆うスリーブが取り付けられている、
ことを特徴とするオール。
【請求項2】
オールシャフトと、
前記オールシャフトの長手方向の先端部に取り付けられるオールブレードと、
前記オールシャフトの長手方向の基端部に取り付けられるハンドルと、
共締め固定部材と、
を有し、
前記オールシャフトは、
特性が異なる複数の先端側シャフトを含む先端側シャフト群から選択され、長手方向の先端側に配置される先端側シャフトと、
特性が異なる複数の基端側シャフトを含む基端側シャフト群から選択され、長手方向の基端側に配置される基端側シャフトと、
前記先端側シャフトと前記基端側シャフトを接続する中間継手部材と、
を有し、
持ち運び時、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材は、分解され、
使用時、前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトは、前記中間継手部材で接続され
前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材に、共締め固定孔が形成され、
前記共締め固定部材が前記共締め固定孔に挿入されることで、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材が共締め固定される、
ことを特徴とするオール。
【請求項3】
前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトの少なくとも一方は、FRP材料とゴム材料のハイブリッド材料からなる円筒部材である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オールに関する。
【背景技術】
【0002】
オールは、基本構成として、オールシャフトと、オールシャフトの長手方向の先端部に取り付けられるオールブレードと、オールシャフトの長手方向の基端部に取り付けられるハンドルとを有している。オールシャフトは、木製や金属製のほか、マトリックス樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを材料とするFRP製が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-178646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来のオールは、例えば、オールシャフト単体の全長が2.6m~3.8m程度と長尺であるため、持ち運びが不便であるという問題がある。さらに、好ましいオールの特性(例えば剛性)は、例えば、漕手の体格、癖、ポジション(バウ、ミドルクルー、ストローク等)によって微妙に異なり得るところ、特許文献1を含む従来のオールでは、このようなオールの特性を微調整することができないという問題がある。実際、ボート競技の現場では、オールは個人の所有物ではなくチームの所有物であり、チーム倉庫に保管された同一構成(同一特性)の複数のオールをチームメンバーで共有する(使い回す)のが一般的である。
【0005】
本発明は、以上の問題意識に基づいて完成されたものであり、持ち運びが容易であり、オールの特性の微調整が可能なオールを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、オールシャフトと、前記オールシャフトの長手方向の先端部に取り付けられるオールブレードと、前記オールシャフトの長手方向の基端部に取り付けられるハンドルと、を有し、前記オールシャフトは、特性が異なる複数の先端側シャフトを含む先端側シャフト群から選択され、長手方向の先端側に配置される先端側シャフトと、特性が異なる複数の基端側シャフトを含む基端側シャフト群から選択され、長手方向の基端側に配置される基端側シャフトと、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトを接続する中間継手部材と、を有し、持ち運び時、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材は、分解され、使用時、前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトは、前記中間継手部材で接続され、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトと前記中間継手部材は、円筒部材であり、前記中間継手部材の外周面に、前記先端側シャフトの基端側の内周面と前記基端側シャフトの先端側の内周面が位置しており、前記中間継手部材の外周面において、前記先端側シャフトの基端側の端面と前記基端側シャフトの先端側の端面が対向し突き合わさり、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトの外周面に、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトの対向端面を覆うスリーブが取り付けられている、ことを特徴とするオールである。
また、前記課題を解決するための手段として、本発明は、オールシャフトと、前記オールシャフトの長手方向の先端部に取り付けられるオールブレードと、前記オールシャフトの長手方向の基端部に取り付けられるハンドルと、共締め固定部材と、を有し、前記オールシャフトは、特性が異なる複数の先端側シャフトを含む先端側シャフト群から選択され、長手方向の先端側に配置される先端側シャフトと、特性が異なる複数の基端側シャフトを含む基端側シャフト群から選択され、長手方向の基端側に配置される基端側シャフトと、前記先端側シャフトと前記基端側シャフトを接続する中間継手部材と、を有し、持ち運び時、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材は、分解され、使用時、前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトは、前記中間継手部材で接続され、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材に、共締め固定孔が形成され、前記共締め固定部材が前記共締め固定孔に挿入されることで、前記先端側シャフト、前記基端側シャフト及び前記中間継手部材が共締め固定される、ことを特徴とするオールである。
【0007】
また、前記先端側シャフト及び前記基端側シャフトの少なくとも一方は、FRP材料とゴム材料のハイブリッド材料からなる円筒部材である、構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、持ち運びが容易であり、オールの特性の微調整が可能なオールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態によるオールを示す全体構成図である。
図2図1のII線で囲んだ部分の拡大断面図である。
図3】第2実施形態によるオールを示す図2に対応する拡大断面図である。
図4】第3実施形態によるオールを示す図1に対応する全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
≪第1実施形態≫
図1図2を参照して、第1実施形態によるオール1について詳細に説明する。オールには一人で左右に一本ずつ持つスカル用と一人で左右どちらか一本だけ持つスイープ用の2種類があるが、第1実施形態によるオール1はスカル用とスイープ用のいずれにも適用可能である(後述する第2実施形態~第3実施形態も同様である)。
【0016】
オール1は、長手方向に延びる長尺部材からなるオールシャフト10を有している。オールシャフト10(後述する先端側シャフト11)の長手方向の先端部には、水掻き部としてのオールブレード20が取り付けられている。オールシャフト10(後述する基端側シャフト12)の長手方向の基端部には、漕手が握るグリップ部としてのハンドル30が取り付けられている。オールシャフト10の長手方向の中間部(後述する先端側シャフト11と基端側シャフト12の接続部)の外周面には、ボートの回動支持部(図示略)に回動自在に支持されて漕艇時の回動支点となるスリーブ40が取り付けられている。漕手がハンドル30を握って、スリーブ40を回動支点としてオールシャフト10を回動させることにより、オールブレード20が水を掻いてボートが進退する。
【0017】
オールシャフト10は、長手方向の先端側に配置される先端側シャフト(分割シャフト)11と、長手方向の基端側に配置される基端側シャフト(分割シャフト)12と、長手方向の中間部において先端側シャフト11と基端側シャフト12を接続する中間継手部材(継手部材)13とを有している。
【0018】
先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13は、ともに、FRP材料からなる円筒部材である。先端側シャフト11は、長手方向に亘って略同径の円筒部材又は長手方向の先端側に向かって縮径するテーパ円筒部材からなる(内径が略同一で外径だけが縮径する)。基端側シャフト12は、長手方向に亘って略同径の円筒部材又は長手方向の基端側に向かって縮径するテーパ円筒部材からなる(テーパ円筒部材の場合は内径が略同一で外径だけが縮径する)。すなわち、先端側シャフト11と基端側シャフト12は、先端側シャフト11と基端側シャフト12がともに略同径の円筒部材、先端側シャフト11と基端側シャフト12がともにテーパ円筒部材、先端側シャフト11が略同径の円筒部材で基端側シャフト12がテーパ円筒部材、及び、先端側シャフト11がテーパ円筒部材で基端側シャフト12が略同径の円筒部材の4つの組み合わせが可能である。図1図2は、先端側シャフト11がテーパ円筒部材で基端側シャフト12が略同径の円筒部材である場合を描いている。この場合のほか、例えば、先端側シャフト11と基端側シャフト12をともにテーパ円筒部材とすることにより、先端側シャフト11と基端側シャフト12の接続部を最大径として当該接続部から離れるに連れて小径化するオールシャフト10を実現することができる。中間継手部材13は、長手方向に亘って略同径の円筒部材からなる。
【0019】
先端側シャフト11の最も基端側の径(内外径)は、基端側シャフト12の径(内外径)と略同一となるように設定されている。中間継手部材13の外径は、先端側シャフト11と基端側シャフト12の内径と略同一となるように設定されている。中間継手部材13の外周面には、先端側シャフト11の基端側の内周面と基端側シャフト12の先端側の内周面が位置しており、中間継手部材13の外周面において、先端側シャフト11の基端側の端面と基端側シャフト12の先端側の端面が対向して突き合わされている。先端側シャフト11と基端側シャフト12の端面を突き合わせることで、オールシャフト10の全長を高精度に調整することが可能になる。
【0020】
先端側シャフト11の基端側と基端側シャフト12の先端側の接続部(対向端面、突き合わせ端面を含む)は、中間継手部材13とスリーブ40により内外から覆われている。このため、二分割された先端側シャフト11と基端側シャフト12の最大径接続部の剛性を、従来の一体成形品としてのオールシャフトと同様の高いレベルで維持することが可能になる。
【0021】
先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13とスリーブ40の接続部は、例えば、次の構成のいずれか又はこれらの組み合わせにより実現されるが、これ以外にも種々の設計変更が可能である。
(1)先端側シャフト11及び基端側シャフト12の内周面と中間継手部材13の外周面を接着剤により接着し、先端側シャフト11及び基端側シャフト12の対向端面(突き合わせ端面)を接着剤により接着し、先端側シャフト11及び基端側シャフト12の外周面とスリーブ40の内周面を接着剤により接着する。
(2)先端側シャフト11及び基端側シャフト12の内周面に中間継手部材13の外周面を圧入し、先端側シャフト11及び基端側シャフト12の対向端面(突き合わせ端面)を接着剤により接着し、先端側シャフト11及び基端側シャフト12の外周面とスリーブ40の内周面を接着剤により接着する。
(3)先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13とスリーブ40に共締め固定孔を形成して、当該共締め固定孔に共締め固定部材を挿入して共締め固定する。
【0022】
例えば、上記(3)の共締め固定によれば、オール1の使用場所までは先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13とスリーブ40を分解してコンパクトに持ち運んで、上記使用場所においてオール1を組み立てることができる。また、オール1の使用後には、先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13とスリーブ40を分解してコンパクトに持ち帰ることができる。
【0023】
先端側シャフト11と基端側シャフト12は、異なる特性(例えば剛性)を有することができる。すなわち、先端側シャフト11は、特性(例えば剛性)が異なる複数の先端側シャフトを含む先端側シャフト群の中から選択することができ、基端側シャフト12は、特性(例えば剛性)が異なる複数の基端側シャフトを含む基端側シャフト群の中から選択することができる。先端側シャフト11と基端側シャフト12を選択する基準は、漕手のフィーリングに基づく主観的なものであってもよいし、各種のシミュレーションに基づく客観的なものであってもよい。
【0024】
先端側シャフト11と基端側シャフト12は、例えば、強化繊維(例えば炭素繊維)を熱硬化性樹脂シート中に含浸させた複数のプリプレグを円筒状に巻回して熱硬化させるシートワインディング法又はフィラメントワインディング法により製造することができる。この場合、複数のプリプレグをマンドレル(芯金)の表面に設計に合わせて何層も重ねて巻き、加熱成形後にマンドレルを外して成型する。この際、使用するプリプレグの種類(例えば0°プリプレグや90°プリグレグ等の強化繊維の引き揃え方向)、プリプレグの枚数、プリプレグの巻数(プライ数)を適宜変更することにより、先端側シャフト11と基端側シャフト12の特性(例えば剛性)を異ならせることができる。
【0025】
第1実施形態のオール1は、オールシャフト10を、先端側シャフト11及び基端側シャフト12並びにこれらを接続する中間継手部材13から構成している。従って、先端側シャフト11及び基端側シャフト12並びに中間継手部材13を分解して収納ケースに収納することにより、コンパクトで容易に持ち運ぶことが可能である。また、漕手の体格、癖、ポジション(バウ、ミドルクルー、ストローク等)に応じて、先端側シャフト11と基端側シャフト12の組み合わせのバリエーションを広げることにより、オール1の特性を微調整するとともに、製品の選択肢を広げることが可能である。
【0026】
≪第2実施形態≫
図3は、第2実施形態によるオール1を示す図2に対応する拡大断面図である。図3の第2実施形態では、基端側シャフト12をFRP材料とゴム材料のハイブリッド材料からなる円筒部材としている。すなわち、基端側シャフト12は、FRP材料からなる内側層12Aと、FRP材料からなる外側層12Bと、内側層12Aと外側層12Bの間に位置する制振ゴム層12Cとから構成されている。これにより、漕手の手に伝わる振動を緩和する振動緩和効果(振動減衰効果)が得られる。
【0027】
振動緩和効果(振動減衰効果)を一定程度まで実現するためには、先端側シャフト11だけをFRP材料とゴム材料のハイブリッド材料からなる円筒部材としてもよいし、先端側シャフト11と基端側シャフト12の双方をFRP材料とゴム材料のハイブリッド材料からなる円筒部材としてもよい。あるいは、上記に加えて/代えて、先端側シャフト11と基端側シャフト12と中間継手部材13とスリーブ40の接続部にゴム材料(制振材量)を含ませて振動緩和効果(振動減衰効果)を実現することも可能である。さらには、オールシャフト10(先端側シャフト11、基端側シャフト12)にダイナミックダンパ等の制振部材を内蔵することにより、振動緩和効果(振動減衰効果)を実現することも可能である。
【0028】
≪第3実施形態≫
上述した第1、第2実施形態では、オールシャフト10を先端側シャフト11と基端側シャフト12に二分割してこれらを中間継手部材13により接続した場合を例示して説明した。図4に示すように、第3実施形態では、オールシャフト10を長手方向の先端側から基端側に向かって順に位置する第1シャフト14と第2シャフト15と第3シャフト16に三分割し、第1シャフト14と第2シャフト15を第1中間継手部材(図示略)により接続し、第2シャフト15と第3シャフト16を第2中間継手部材(図示略)により接続している。第2シャフト15と第3シャフト16の接続部の外周面には、ボートの回動支持部(図示略)に回動自在に支持されて漕艇時の回動支点となるスリーブ41が取り付けられている。漕手がハンドル30を握って、スリーブ41を回動支点としてオールシャフト10を回動させることにより、オールブレード20が水を掻いてボートが進退する。なお、第1シャフト14と第2シャフト15の接続部の外周面に被覆部材(図示略)を設けて、この被覆部材と第1中間継手部材によって、第1シャフト14と第2シャフト15の接続部(対向端面、突き合わせ端面を含む)を内外から覆ってもよい。このように、オールシャフト10は、長手方向に分割された複数の分割シャフトと、該複数の分割シャフトを接続する少なくとも1つの継手部材を有していればよい(四分割以上であってもよい)。
【符号の説明】
【0029】
1 オール
10 オールシャフト
11 先端側シャフト(分割シャフト)
12 基端側シャフト(分割シャフト)
12A 内側層
12B 外側層
12C 制振ゴム層
13 中間継手部材(継手部材)
14 第1シャフト
15 第2シャフト
16 第3シャフト
20 オールブレード(水掻き部)
30 ハンドル(グリップ部)
40 スリーブ
41 スリーブ
図1
図2
図3
図4