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特許7205034磁気共鳴イメージで正中矢状平面を決定するための方法、イメージ処理デバイス及び格納媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージで正中矢状平面を決定するための方法、イメージ処理デバイス及び格納媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A61B5/055 380
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022094414
(22)【出願日】2022-06-10
(62)【分割の表示】P 2020195773の分割
【原出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022111357
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】62/940,576
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】サリバン ケネス マーク
(72)【発明者】
【氏名】チョ ジェドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ジェン シン
(72)【発明者】
【氏名】カン ジンマン
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3298968(EP,A1)
【文献】国際公開第2019/141748(WO,A1)
【文献】特開2012-139260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージから正中矢状平面(MSP)を決定するための、コンピュータによって行われる方法であって、
前記複数のMRイメージを受信する段階と、
前記複数のMRイメージを3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換する段階と、
AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて、前記3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化を行う段階と、
前記3Dマスクイメージ内で、前記AC領域の質量中心に対応するAC地点を前記AC領域としてラベリングし、前記PC領域の質量中心に対応するPC地点を前記PC領域としてラベリングする段階と、
前記ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいてセグメント化された前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成する段階と、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいて前記MSPを決定する段階と、を含み、
前記MSPは、
前記AC地点を示す第1座標と、
前記PC地点を示す第2座標と、
前記第1座標及び前記第2座標と異なる第3座標と、
により定義される、方法。
【請求項2】
前記セマンティックセグメント化を行う段階は、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの複数のピクセルを予め決定された範囲内の強度値に正規化する段階と、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの中の中心関心領域から前記複数のピクセルのセットを抽出する段階と、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために前記事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて正規化されて抽出された前記3D体積イメージのAC領域、PC領域、及び第3脳室領域をセグメント化する段階と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MSPを決定する段階は、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格に基づいて前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割する候補平面を決定する段階と、
前記候補平面を前記MSPとして指定する段階と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MSPを示す情報を出力する段階と、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを出力する段階と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記MSPを示す情報は、前記MSPを定義する1セットの座標または方程式である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MSPを決定する段階は、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて候補平面によって前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを第1部分及び第2部分に分割する段階と、
前記候補平面が前記第1部分内の形状及びボクセル数及び前記第2部分の形状及びボクセル数に基づいて前記3D体積測定イメージを対称的に分割するかを決定する段階と、
前記候補平面が前記3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定した時、前記候補平面を前記MSPとして指定する段階と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記候補平面は、前記AC領域及び前記PC領域を連結するラインを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記MSPを決定する段階は、
複数の候補平面のうちの一つが前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されるまで前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて前記複数の候補平面によって前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを順次分割する段階と、
前記複数の候補平面のうちの一つを前記MSPとして指定する段階と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを順次分割する段階は、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格に対して角度増分で前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを順次回転させて並進させる段階と、
前記3D体積測定イメージのそれぞれの回転及び並進位置で、前記複数の候補平面のうちの一つによって前記3D体積測定イメージを分割する段階と、
前記複数の候補平面のうちの一つが前記3D体積測定イメージを対称的に分割するかを決定する段階と、
前記複数の候補平面のうちの一つが前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定した時、前記候補平面を前記MSPとして指定する段階と、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージから正中矢状平面(MSP)を決定するためのイメージ処理デバイスであって、
プロセッサを含み、前記プロセッサは、
前記複数のMRイメージを受信し、
前記複数のMRイメージを3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換し、
AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて前記3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化を行い、
前記3Dマスクイメージ内で、前記AC領域の質量中心に対応するAC地点を前記AC領域としてラベリングし、前記PC領域の質量中心に対応するPC地点を前記PC領域としてラベリングし、
前記ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいてセグメント化された前記第3脳室領域の3Dブロブを作成し、
前記第3脳室領域の3Dブロブに基づいて前記MSPを決定するように
構成され、前記MSPは、
前記AC地点を示す第1座標と、
前記PC地点を示す第2座標と、
前記第1座標及び前記第2座標と異なる第3座標と、
により定義される、イメージ処理デバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの複数のピクセルを予め決定された範囲内の強度値に正規化し、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの中の関心領域から前記複数のピクセルのセットを抽出し、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために前記事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて正規化されて抽出された前記3D体積イメージのAC領域、PC領域、及び第3脳室領域をセグメント化するように構成される、請求項10に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記第3脳室領域の3Dブロブの骨格に基づいて前記第3脳室領域の3Dブロブを対称的に分割する候補平面を決定し、
前記候補平面を前記MSPとして指定することによって前記MSPを決定するように構成される、請求項10に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記MSPを示す情報を出力し、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを出力するように更に構成される、請求項10に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項14】
前記MSPを示す情報は、前記MSPを定義する1セットの座標または方程式である、請求項13に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記第3脳室領域の3Dブロブの骨格から始めて候補平面によって前記第3脳室領域の3Dブロブを第1部分及び第2部分に分割し、
前記候補平面が前記第1部分内の形状及びボクセル数及び前記第2部分の形状及びボクセル数に基づいて前記3Dブロブを対称的に分割するかを決定し、
前記候補平面が前記3Dブロブを対称的に分割すると決定した時、前記候補平面を前記MSPとして指定することによって前記MSPを決定するように構成される、請求項10に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項16】
前記候補平面は、前記AC領域及び前記PC領域を連結するラインを含む、請求項15に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサは、
複数の候補平面のうちの一つが前記第3脳室領域の3Dブロブを対称的に分割すると決定されるまで前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて前記複数の候補平面によって前記第3脳室領域の3Dブロブを順次分割し、
前記複数の候補平面のうちの一つを前記MSPとして指定することによって前記MSPを決定するように構成される、請求項10に記載のイメージ処理デバイス。
【請求項18】
脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージから正中矢状平面(MSP)を決定するための命令語を含む非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、前記命令語はプロセッサが動作を行うようにし、前記動作は、
前記複数のMRイメージを受信する動作と、
前記複数のMRイメージを3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換する動作と、
AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて前記3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化を行う動作と、
前記3Dマスクイメージ内で、前記AC領域の質量中心に対応するAC地点を前記AC領域としてラベリングし、前記PC領域の質量中心に対応するPC地点を前記PC領域としてラベリングする動作と、
前記ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいてセグメント化された前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成する動作と、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいて前記MSPを決定する動作と、を含み、
前記MSPは、
前記AC地点を示す第1座標と、
前記PC地点を示す第2座標と、
前記第1座標及び前記第2座標と異なる第3座標とにより定義される、非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項19】
前記セマンティックセグメント化を行う動作は、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの複数のピクセルを予め決定された範囲内の強度値に正規化する動作と、
前記3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの中の中心関心領域から前記複数のピクセルのセットを抽出する動作と、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために前記事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて正規化されて抽出された前記3D体積イメージのAC領域、PC領域、及び第3脳室領域をセグメント化する動作と、を含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項20】
前記MSPを決定する動作は、
前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格に基づいて前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割する候補平面を決定する動作と、
前記候補平面を前記MSPとして指定する動作と、を含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項21】
前記MSPを示す情報を出力する動作と、
前記AC領域、前記PC領域、及び前記第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを出力する動作と、を更に含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項22】
前記MSPを示す情報は、前記MSPを定義する1セットの座標または方程式である、請求項21に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項23】
前記MSPを決定する動作は、
複数の候補平面のうちの一つが前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されるまで前記第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて前記複数の候補平面によって前記第3脳室領域の3D体積測定イメージを順次分割する動作と、
前記複数の候補平面のうちの一つを前記MSPとして指定する動作と、を含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に磁気共鳴イメージングに関するものであり、より具体的には脳の磁気共鳴イメージで正中矢状平面を決定することに関するものである。
【0002】
本開示は、韓国産業技術振興院(KIAT)の「WC300プロジェクト技術開発支援」事業の一環として行った研究から導き出されたものである。
[課題固有番号:S2482672、研究課題名:整合精度1mm以下の手術用ナビゲーション融合頭頸部手術ロボットシステムの開発]
【背景技術】
【0003】
脳は人体で最も複雑な器官であるとみなされる。そのように、患者の脳の内部の部分への接近を必要とする手術が必要になる時、医者たちは典型的に頭皮上に正確な配置を計画し、脳内に外科器具を挿入する手術の前に経路計画を行う。例えば、パーキンソン病を治療する脳深部刺激手術の場合に、電極のような外科器具は手術中に電気インパルスを脳内のターゲット面積に印加するために患者の脳内に挿入され得る。
【0004】
経路計画の間に、患者の脳の磁気共鳴(magnetic resonance)(MR)イメージは医者たちのために脳内の前交連(anterior commissure)(AC)及び後交連(posterior commissure)(PC)を選択するための手段とともにコンピュータディスプレイ上に提示され得る。AC及びPCは、脳の2つの半球を連結する神経組織の束である。そのように、AC及びPCは、脳内に外科器具を挿入するために脳内のターゲット面積を正確に識別し、位置、角度、深さなどを決定する時に医者たちを補助するように、たびたび脳イメージングでの解剖学的ランドマークまたは参照フレームとして用いられる。
【0005】
従来の方法において、医者は脳のMRイメージを検討し、脳の中心平面を手動で決定してイメージを推定された平面に整列することができる。そのような中心平面は、さらに、中間ライン(midline)(ML)平面、中間平面、または、正中矢状平面(mid-sagittal plane)(MSP)と称され、手術手続に関する経路計画中にランドマークとして用いられる。しかし、MSPを手動で決定することは時間消耗的であり、それによって経路計画プロセスを延長させ得る。その上、手動で決定されたMSPは、実質的に医者によって異なることがあり、十分に正確でないこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、AC領域、PC領域、及び第3脳室領域の3Dマスクイメージに基づいて正中矢状平面を体積測定式で決定するための方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一様態によれば、脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージから正中矢状平面(MSP)を体積測定式で決定するための、コンピュータによって行われる方法が開示される。このような方法で、複数のMRイメージが受信され、3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換される。3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化は、AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて行われる。ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいて、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージが作成される。MSPは第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいて決定される。
【0008】
本開示の他の様態によれば、脳の複数のMRイメージからMSPを体積測定式で決定するためのイメージ処理デバイスが開示される。イメージ処理デバイスは、プロセッサを含み、プロセッサは複数のMRイメージを受信し;複数のMRイメージを3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換し;AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化を行い;ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいてセグメント化された第3脳室領域の3Dブロブを作成し;第3脳室領域の3Dブロブに基づいてMSPを決定するように構成される。
【0009】
本開示の更に他の様態によれば、脳の複数のMRイメージからMSPを体積測定式で決定するための命令語を含む非一時的コンピュータ読み取り可能な格納媒体が開示される。命令語はプロセッサが動作を行うようにし、動作は脳の複数のMRイメージを受信する動作;複数のMRイメージを3D座標空間に定義される3D体積イメージに変換する動作;AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて3D体積イメージ内の前交連(AC)領域、後交連(PC)領域、及び第3脳室領域のセマンティックセグメント化を行う動作;ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいてセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成する動作;及び第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいてMSPを決定する動作を含む。
【0010】
一実施例において、3D体積イメージのセマンティックセグメント化は3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの複数のピクセルを予め決定された範囲内の強度値に正規化し;3D体積イメージの複数のスライスそれぞれの中の中心関心領域から複数のピクセルのセットを抽出し;AC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させるために事前に訓練されたセグメント化モデルに基づいて正規化されて抽出された3D体積イメージのAC領域、PC領域、及び第3脳室領域をセグメント化し;3DマスクイメージでAC領域及びPC領域それぞれに対する質量中心を決定し;AC領域の質量中心に対応するAC地点をAC領域としてラベリングし、PC領域の質量中心に対応するPC地点を3Dマスクイメージ内のPC領域としてラベリングすることによって行われ得る。
【0011】
一実施例において、MSPを決定することは、第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格に基づいて第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割する候補平面を決定すること、及び、候補平面をMSPとして指定することを含み得る。
【0012】
一実施例において、MSPを示す情報及びAC領域、PC領域、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージが出力され得る。
【0013】
一実施例において、MSPを示す情報は、MSPを定義する1セットの座標または方程式であり得る。
【0014】
一実施例において、MSPを定義するセットの座標は、AC領域を示す第1座標、PC領域を示す第2座標、及び第1及び第2座標とともにMSPを定義する地点を示す第3座標を含み得る。
【0015】
一実施例において、AC領域を示す第1座標はAC領域の質量中心に対応し得、PC領域を示す第2座標はPC領域の質量中心に対応し得る。
【0016】
一実施例において、MSPを決定することは、第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて候補平面によって第3脳室領域の3D体積測定イメージを第1部分及び第2部分に分割すること;候補平面が第1部分内の形状及びボクセル数及び第2部分の形状及びボクセル数に基づいて3D体積測定イメージを対称的に分割するかを決定すること;及び候補平面が3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定する時、候補平面をMSPとして指定することを含み得る。
【0017】
一実施例において、候補平面はAC領域及びPC領域を連結するラインに割り当てられ得る。
【0018】
一実施例において、MSPを決定することは、複数の候補平面のうちの一つが第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されるまで第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて複数の候補平面によって第3脳室の3D体積測定イメージを順次分割すること及び複数の候補平面のうちの一つをMSPとして指定することを含み得る。
【発明の効果】
【0019】
本開示は、AC領域、PC領域、及び第3脳室領域の3Dマスクイメージに基づいて正中矢状平面を体積測定式で決定するための方法及び装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施例による脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージから正中矢状平面を体積測定式で決定するように構成されるイメージ処理デバイスのブロック図を例示する。
図2】本開示の一実施例による複数のMRイメージを3D体積イメージに変換するように構成されるイメージリーダーのブロック図を示す。
図3】本開示の一実施例による脳の3D体積イメージにおいてAC、PC、及び第3脳室領域をセグメント化するように構成されるセマンティックセグメント化ユニットのブロック図を例示する。
図4a】本開示の一実施例によるセマンティックセグメント化ユニットで処理され得る3D体積イメージの例示的スライスを例示する。
図4b】本開示の一実施例によるセマンティックセグメント化ユニットで処理され得る3D体積イメージの例示的スライスを例示する。
図4c】本開示の一実施例によるセマンティックセグメント化ユニットで処理され得る3D体積イメージの例示的スライスを例示する。
図5】本開示の一実施例による脳の複数のMRイメージからAC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させ、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいて正中矢状平面を体積測定式で決定するための方法のフローチャートを示す。
図6】本開示の一実施例によるAC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させ、MSPを体積測定式で決定するためのセマンティックセグメント化ユニットによって行われる方法のフローチャートを示す。
図7】本開示の一実施例によるラベリングされた3Dマスクから正中矢状平面を決定するように構成されるMSP検出ユニットのブロック図を示す。
図8a】ラベリングされた3Dマスクイメージに基づいて第3脳室領域の3D体積測定イメージを示す。
図8b】本開示の一実施例による第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格の一例を例示する。
図8c】本開示の一実施例による3D体積イメージのスライス及びその中に示した骨格を例示する。
図8d】本開示の一実施例によるMSP推定ユニットによって決定されるような例示的なMSP及び3D体積イメージの例示的スライスを示す。
図9a】2つの部分に分割される3D体積測定イメージの例示的な3Dイメージを示す。
図9b】2つの部分に分割される3D体積測定イメージの例示的な3Dイメージを示す。
図9c】2つの部分に分割される3D体積測定イメージの例示的な3Dイメージを示す。
図10】本開示の一実施例による第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割する正中矢状平面を決定するためのMSP検出ユニットによって行われる方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
明細書に含まれており、これの一部を構成する添付図面は、本開示の実施例を例示する。
【0022】
ここで多様な実施例が参照され、その例は添付の図面に例示される。以下の詳細な説明で、多数の特定の詳細は本開示の徹底した理解を提供するために提示される。しかし、本開示がこのような特定の詳細なしに実施され得る点は、本技術分野の通常の技術者に明確であるはずである。他の事例で、広く公知となった方法、手続、システム、及び構成要素は、多様な実施例の様態が不要に曖昧にならないように詳細には説明されていない。
【0023】
本願に用いられる全ての技術的または科学的用語は、特に指定されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解される意味を有する。本願に用いられる用語は、本開示のさらに明確な例示のみのために選択され、本開示により請求項の範囲を制限するように意図されていない。
【0024】
単数の表現は、特に言及されない限り、複数の意味を含み得、同一のものは請求項に明示された単数の表現に適用される。
【0025】
本願に用いられているように、「ユニット」という用語は、ソフトウェア構成要素またはハードウェア構成要素、例えば、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(field-programmable gate array)(FPGA)及び特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)を意味する。しかし、「ユニット」はソフトウェア及びハードウェアに制限されず、それはアドレス可能格納媒体であるように構成され得たり、1つ以上のプロセッサ上に実行するように構成され得る。例えば、「ユニット」は、構成要素、例えば、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、及び作業構成要素だけでなく、プロセッサ、機能、属性、手続、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバー、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、及び変数を含み得る。構成要素及び「ユニット」で提供される機能は、更に小さい数の構成要素及び「ユニット」で組み合わせられたり、付加構成要素及び「ユニット」に追加で細分され得る。
【0026】
本願に用いられている「に基づいて」という用語は、関連する表現を含む句または文章に説明される決定、判断アクションまたは動作に影響を及ぼす1つ以上の因子を説明するのに用いられ、このような表現は決定、判断アクションまたは動作に影響を及ぼす付加因子を排除しない。
【0027】
本願に用いられているように、「領域」という用語は、1つ以上の地点、ピクセル、または、ボクセルを意味し、その意味の中で一つ以上の連続または隣接の地点、ピクセル、または、ボクセルに対応する空間、面積、または、体積を含み得る。名詞形態である「ラベル」という用語は、オブジェクト、構造、特徴などを示す注釈、単語、名前、マーカー、指定、カラー、境界、形状、タグなどを指し、動詞形態である「ラベリング」という用語は、ラベルでオブジェクト、構造、特徴などをマーキング、注釈、添付、または表示するアクトを指す。
【0028】
本願に図示された通り、図面でイメージまたはスクリーンショットの一部は、例示及び説明の容易性のための視覚的特性を改善するために、スケール、明るさ、対比などで修正されることがあり、従って、本来のイメージに全面的に対応しないことがある。
【0029】
以下、本開示の実施例は添付の図面を参照して説明される。添付の図面において、類似または関連の構成要素は、類似の参照番号によって表示される。実施例の以下の説明において、同一または関連の構成要素の繰り返された説明は省略される。しかし、構成要素の説明が省略されても、そのような構成要素は一実施例から排除されるようには意図されない。
【0030】
図1は、本開示の一実施例による脳の複数の磁気共鳴(MR)イメージ132から正中矢状平面(MSP)を体積測定式で決定するように構成されるイメージ処理デバイス100のブロック図を例示する。本願に用いられているように、「正中矢状平面」または「MSP」という用語は、また、脳内の構造または特徴に関するランドマークまたは参照平面の役割をすることができる中間ライン(ML)平面または中間平面と称されることがある。イメージ処理デバイス100は、プロセッサ110、インターフェース120、及び格納ユニット130を含む。格納ユニット130は、脳の複数のMRイメージ132(例えば、トモグラフィー)及び事前に訓練されたセグメント化モデル134を格納することができる。一実施例において、MRイメージ132は外部医学映像情報システム(picture archiving and communications system)(PACS)からインターフェース120を経由してサーバー140を通じて受信され、処理のために格納ユニット130に格納されたり、プロセッサ110に直接提供されることができる。MRイメージ132は、例えば、DICOMイメージフォーマットで受信されて格納されることができる。
【0031】
事前に訓練されたセグメント化モデル134は、AC、PC、及び第3脳室でラベリングされる参照MR脳イメージで事前に訓練された1つ以上のセグメント化モデルを含み得、従って、MRイメージでAC、PC、及び第3脳室領域を検出するために最適化され得る。一実施例において、事前に訓練されたセグメント化モデルは、任意の適切な2Dまたは3D畳み込みニューラルネットワークを実現することができ、1つ以上のセットのMR脳イメージで訓練されることができるので、ニューラルネットワークのモデルパラメータは、AC、PC、及び第3脳室領域を検出するように構成される。
【0032】
インターフェース120は、ネットワークまたは任意の他のコンピューティングデバイス、アプリケーション、または、プログラムを通じてサーバー140にインターフェースを提供できる任意の適切なインターフェースであってもよく、ソフトウェア(S/W)インターフェース、ハードウェア(H/W)インターフェース、または、その組合わせを含んでもよい。例えば、インターフェース120は、イメージ処理デバイス100のためのソフトウェアインターフェースを提供するように構成されるアプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface)(API)または動的リンクライブラリー(dynamic-link library)(DLL)として具現され得る。
【0033】
例示された実施例において、イメージ処理デバイス100はネットワークを介してサーバー140に連結され、サーバー140からの要請をインターフェース120を介して受信することができる。サーバー140からの要請は、指定された患者の脳に関するMRイメージデータに対する要請を含み得る。これに応えて、イメージ処理デバイス100は、MRイメージに対するAC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージを発生させ、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成することによってMSPを体積測定式で決定することができる。
【0034】
プロセッサ110は、イメージリーダー150、セマンティックセグメント化ユニット160、MSP検出ユニット170、及び出力ユニット180を含む。プロセッサ110は、上記説明の通りインターフェース120及び格納ユニット130と通信するために結合され得る。初期に、イメージリーダー150はサーバー140からインターフェース120を介してMRイメージデータに対する要請を受信し、格納ユニット130からのMRイメージ132にアクセスすることができる。イメージリーダー150は、DICOMイメージフォーマットで本来のMRイメージであることもあるMRイメージ132を体積測定処理に適切なフォーマットにフォッマッティングすることができる。例えば、イメージリーダー150は、適切なマッピング及び/又は変換方法を用い、二重線形及び/又は三線形の補間を行うことによって3D座標空間(例えば、x、y、及びz軸に定義される3Dデカルト座標システム)でMRイメージ132を3D体積イメージに変換することができる。
【0035】
イメージリーダー150は、体積測定処理のために3D体積イメージをセマンティックセグメント化ユニット160に提供する。プロセッサ110内のセマンティックセグメント化ユニット160は、格納ユニット130からアクセスされる事前に訓練されたセグメント化モデル134に基づいて3D体積イメージ内のAC、PC、第3脳室領域を検出及びラベリングし、AC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させるように構成される。その次に、セマンティックセグメント化ユニット160は、サーバー140に応答を発生させるために3Dマスクイメージ136をMSP検出ユニット170及びイメージ出力ユニット180に提供することができる。
【0036】
受信された3Dマスクイメージ136に基づいて、MSP検出ユニット170はセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージ(例えば、3Dブロブ)を作成する。その次に、一実施例によれば、MSP検出ユニット170は、候補平面のうちの1つが3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されるまで、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格(例えば、主軸平面)に対応する候補平面から始めて2つの部分でセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージを分割(例えば、切断、パーティション、または、二等分)するために1つ以上の候補平面を繰り返し且つ順次適用する。それぞれの候補平面に対して、MSP検出ユニット170は、候補平面が第3脳室領域の体積測定イメージを2つの対称の部分に対称的に分割するかを決定することができる。候補平面が体積測定イメージを対称的に分割すると決定した時、MSP検出ユニット170は候補平面をMSPとして指定し、MSP(即ち、MSP情報138)を示す平面情報を出力ユニット180に提供することができる。一実施例において、出力ユニット180は、MSP情報138及び3Dマスクイメージ136を含むサーバー140からの要請に対する応答を発生させ、応答をインターフェース120を介して送信することができる。付加的に、出力ユニット180はMSP情報138及び3Dマスクイメージ136を格納ユニット130に格納することができる。
【0037】
図2は、本開示の一実施例による複数のMRイメージ132を受信し、3D体積イメージ200を出力するように構成されるイメージリーダー150のブロック図を示す。MRイメージ132はトモグラフィーイメージであってもよい。一実施例において、複数のMRイメージ132はT1強調されたイメージであってもよいが、また、T2強調されたイメージであってもよい。
【0038】
サーバー140からMRイメージデータに対する要請を受信した時、イメージリーダー150は格納ユニット130からのMRイメージ132にアクセスし、例えば、DICOMフォーマットであることもあるMRイメージ132をイメージ処理デバイス100に用いられる3D座標システム(例えば、タライラク座標システム、世界座標システム、MNI座標システムなど)内の3D体積イメージ200に変換することによってMRイメージ132を体積測定処理に適切なフォーマットにフォッマッティングすることができる。このようなプロセスにおいて、本来のMRイメージ132はスタッキングされることができ、補間(例えば、二重線形または三線形の補間)は3D体積イメージ200を発生させるために行われることができ、このイメージは格納ユニット130に格納されることができる。その次に、イメージリーダー150は3D体積イメージ200をセマンティックセグメント化ユニット160に提供する。
【0039】
一実施例において、イメージリーダー150はMRイメージ132を3D座標空間内のx及びy座標平面にマッピングし、MRイメージ132を直交z-軸方向にスタッキングすることによって3D体積イメージ200を作成することができる。3D体積イメージ200内のギャップを満たすために、補間は3D体積イメージ200のピクセルまたはボクセル(例えば、強度及び位置)を発生させるためにスタッキングされたMRイメージ132のピクセル(例えば、強度及び位置)を用いて行われることができる。このような方式で、本来のMRイメージ132の3D体積イメージ200は3D座標空間で作成されることができる。
【0040】
図3は、本開示の一実施例による3D体積イメージ200でAC、PC、及び第3脳室領域をセグメント化するように構成されるセマンティックセグメント化ユニット160のブロック図を例示する。セマンティックセグメント化ユニット160は、前処理ユニット310、パッチングユニット320、ランドマークセグメント化ユニット330、及び後処理ユニット340を含む。一部の実施例において、前処理ユニット310及び/又はパッチングユニット320は任意的なユニットであり、セマンティックセグメント化ユニット160で省略され得る。
【0041】
前処理ユニット310は、3D体積イメージ200のディスプレイ特性を向上させるように構成され得る。例えば、本来のMRイメージ132のピクセルは、一般に、比較的狭い強度値(例えば、70~80の範囲内)を有するので、MRイメージ132から発生する3D体積イメージ200は暗く見えることがある。イメージ特性を向上させるために、前処理ユニット310は3D体積内のピクセルの強度値を予め決定された範囲のグレースケールまたはカラー強度値(例えば、255の値)に正規化することによって3D体積イメージ200を向上させることができる。一実施例において、3D体積イメージ内のスライスそれぞれは、3D体積イメージ200内のスライスのイメージ特性が、例えば、明るさ、対比などの点で向上するように正規化され得る。
【0042】
その上、パッチングユニット320は、正規化された3D体積イメージ200を受信し、パッチング動作を行うことができる。このようなプロセスにおいて、セマンティックセグメント化を行うのに必要な3D体積イメージ200のスライスそれぞれの中の中心関心領域(region-of-interest)(ROI)からのピクセルは後続のセグメント化処理のために3D体積イメージ200を形成するように抽出され得る。中心ROIの大きさまたはその中のピクセル数は、事前に訓練されたセグメント化モデル134のニューラルネットワーク内に適合できる体積のパーセンテージに基づいて決定され得る。一実施例において、抽出されるデータサンプル(即ち、ピクセルまたはボクセル)のパーセンテージは、ニューラルネットワークの負荷容量の2~98%であってもよい。本来の3D体積イメージ200からの中心ROIの抽出されたピクセルのみを用いることは、3D体積の大きさを減少させ、従って、処理負荷及び速度を改善する。
【0043】
一実施例において、抽出された3D体積イメージ200は、また、複数の出力イメージタイプのうちの一つを出力するようにフィルタリングされることができる。例えば、複数の出力処理スキーム、例えば、自動調整モード(例えば、イメージを所望の範囲に調整する)、スライスヒストグラム均等化モード、3Dヒストグラム均等化モード、及びスライス適応ヒストグラム均等化モードが提供され得る。4つのモードのいずれか1つまたはその組合わせは、イメージの視覚的特性を改善するために選択され、3D体積イメージ200に適用され得る。
【0044】
ランドマークセグメント化ユニット330は、パッチングユニット320から3D体積イメージ200(例えば、3D体積イメージ200の抽出されたROI体積イメージ)を受信し、AC、PC、及び第3脳室領域を検出し、セグメント化して3Dマスクイメージ136を発生させるように構成される。このようなプロセスにおいて、ランドマークセグメント化ユニット330は、事前に訓練されたセグメント化モデル134を用いることによって、AC、PC、及び第3脳室領域を検出してセグメント化する。例えば、U-Net、MNETなどのようなニューラルネットワークは、事前に訓練されたセグメント化モデル134を発生させるために用いられ、このモデルはAC、PC、及び第3脳室領域を検出してセグメント化するために用いられる。ランドマークセグメント化ユニット330がAC、PC、及び第3脳室領域のセグメント化を同時に行うものとして説明されるが、AC及びPC領域のセグメント化は第3脳室領域のセグメント化と別に行われ得る。例えば、ランドマークセグメント化ユニット330は、まずAC及びPC領域をセグメント化し、その次に第3脳室領域をセグメント化することができる。
【0045】
一実施例において、ランドマークセグメント化ユニット330は、AC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させるために3D体積イメージ200の1つ以上のスライスにセマンティックセグメント化を順次または同時に行うように事前に訓練されたセグメント化モデル134を用いることができる。例えば、3D体積イメージ200の3D座標空間内のピクセルは、3Dマスクイメージ136を発生させるために、AC領域(例えば、赤色カラーまたは「1」)、PC領域(例えば、緑色カラーまたは「2」)、及び第3脳室領域(例えば、青色カラーまたは「3」)に対応を表示したり、いかなる対応(例えば、本来のピクセル値または「0」)も表示しないラベルでラベリングされることができる。
【0046】
後処理ユニット340は、ランドマークセグメント化ユニット330から3Dマスクイメージ136を受信し、検出されたAC及びPC領域それぞれの質量中心を決定することができる。このようなプロセスにおいて、セグメント化されたAC領域に対する質量中心及びPC領域に対する質量中心は、3Dマスクイメージ136から決定され得る。AC及びPC領域それぞれを多数の地点またはピクセルで構成される面積としてラベリングする代わりに、後処理ユニット340はAC及びPCとしてAC及びPC領域のそれぞれに対する質量中心に対応する単一の地点(例えば、ピクセルまたはボクセル)を指定し、ラベリングすることができる。第3脳室領域の場合に、質量中心は第3脳室全体のセグメント化された領域が3Dマスクイメージに残っていられるように決定される必要はない。その上、後処理ユニット340は、ラベリングされた3Dマスクイメージ136を本来の3D座標空間に再び変換することができる。
【0047】
図4a~図4cは、本開示の一実施例によるセマンティックセグメント化ユニット160で処理され得る3D体積イメージ200の例示的スライス410、420及び430を例示する。図4aは、本開示の一実施例による前処理ユニット310により前処理された3D体積イメージ200の例示的スライス410を示す。図示されているように、スライス410は3D体積イメージ200の軸方向の平面からのスライスであることもあり、スライス410のイメージは明るさ、対比などのようなイメージ特性を向上させるために正規化された。説明を容易にするために、長方形状の点線によって表示されるROI412はスライス410に示され、パッチングユニット320によって抽出され得るスライス410内の領域を表示する。図4bは、パッチングユニット320によってスライス410内のROI412から抽出された例示的スライス420を示す。
【0048】
図4cは、本開示の一実施例によるスライス410のROI412からランドマークセグメント化ユニット330によって発生する3D体積イメージの3Dマスクイメージ136の例示的スライス430を例示する。図示されているように、AC領域432、PC領域434、及び第3脳室領域436は3Dマスクイメージ136のスライス430でセグメント化される。一実施例において、領域432、434及び436はそれぞれ、異なる表示器またはカラー、例えば、赤色、緑色、及び青色でラベリングされ得る。代案として、または付加的に、領域432、434及び436は領域を互いに識別または区別するための任意の適切なラベル、または表示器でラベリングされ得る。3D体積イメージ200のセマンティックセグメント化ユニット160が一例としてスライス410、420及び430をもって例示されるが、3D体積イメージ200の任意の平面配向に沿った任意の適切な数のスライスが3Dマスクイメージ136を発生させるために処理され得るという点が理解されるべきである。
【0049】
図5は、本開示の一実施例による複数のMRイメージ132からAC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させ、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいてMSPを体積測定式で決定するための、プロセッサ110によって行われる方法のフローチャートを示す。このような方法において、本来のMRイメージである複数のMRイメージ132は510で受信され、520で3D座標空間内の3D体積イメージ200に変換されることができる。このようなプロセスにおいて、MRイメージ132は3D座標空間にマッピングされることができ、補間は3D体積イメージ200を発生させるために行われることができる。
【0050】
530において、プロセッサ110は正規化及びパッチングを含む3D体積イメージ200に前処理を行うことができる。例えば、3D体積イメージ200内のボクセルの強度値は、予め決定された範囲内の値(例えば、255の値)に正規化されることができる。その上、パッチング動作は3D体積の大きさを減少させるために3D体積イメージ200のスライスそれぞれからの中心関心領域(ROI)で1セットのピクセルを抽出するように行われることができる。
【0051】
その次に、540において、プロセッサ110は事前に訓練されたセグメント化モデル134に基づいて3D体積イメージ200内のAC、PC、及び第3脳室領域を検出してラベリングし、それによって領域でラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させるためにセマンティックセグメント化を行う。一実施例において、AC地点及びPC地点は、それぞれその質量中心に基づいて3Dマスクイメージ136でラベリングされるAC領域及びPC領域に対して決定され得る。3Dマスクイメージ136に基づいて、プロセッサ110は550でセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成する。セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージを作成した後に、プロセッサ110は560でセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいてMSPを決定する。一実施例において、第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割する平面はMSPとして指定される。その次に、570において、3Dマスクイメージ136及びMSPを示すMSP情報138はサーバー140に送信されるために出力され得る。
【0052】
図6は、本開示の一実施例によるAC、PC、及び第3脳室領域でラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させるための、セマンティックセグメント化ユニット160によって行われる方法のフローチャートを示す。このような方法で、610において、3D座標空間に定義され、複数の2Dスライスを含む、3D体積イメージ200を受信した時、セマンティックセグメント化ユニット160は620でスライスそれぞれの中のピクセルを予め決定されたピクセル解像度及び強度範囲に正規化し、整列のために座標軸の方向を調整することができる。
【0053】
630において、3Dピクセルは、処理速度を容易にし、処理負荷を減少させるために3D体積イメージ200のピクセル粒度を減少させるようにスライスそれぞれの中の中心関心領域からサンプリングまたは抽出され得る。一実施例において、中心関心領域はAC領域、PC領域、及び第3脳室領域を含み得る。
【0054】
640において、セマンティックセグメント化ユニット160は、事前に訓練されたセグメント化モデル134に基づいて抽出された3D体積イメージ200内のAC、PC、及び第3脳室領域を検出してセグメント化し、AC、PC、及び第3脳室領域を表示するためにラベリングされる3Dマスクイメージ136を発生させることができる。その次に、650において、セマンティックセグメント化ユニット160は、AC領域及びPC領域それぞれの質量中心を決定し、それぞれの質量中心に対応するAC地点及びPC地点として3Dマスクイメージ内のAC及びPC領域をそれぞれラベリングすることができる。その次に、AC地点、PC地点、及び第3脳室領域でラベリングされるラベリングされた3Dマスクイメージ136は、660で本来の3D座標空間に再び変換され、MSP検出ユニット170に提供され得る。
【0055】
図7は、本開示の一実施例による3Dマスクイメージ136からMSPを決定するように構成されるMSP検出ユニット170のブロック図を示す。MSP検出ユニット170は、3Dブロブ作成ユニット710、MSP推定ユニット720、及びMSP出力ユニット730を含む。3Dブロブ作成ユニット710は、ラベリングされたAC、PC、及び第3脳室領域を含むラベリングされた3Dマスクイメージ136を受信し、セグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージ(例えば、3Dブロブ)を作成するように構成される。
【0056】
その次に、作成された3D体積測定イメージはMSP推定ユニット720に提供され、このユニットは第3脳室領域の3D体積測定イメージに基づいてMSPを決定する。このようなプロセスにおいて、MSP推定ユニット720は3D体積測定イメージの骨格に基づいて3D体積測定イメージをMSPとして対称的に分割する候補平面を決定する。骨格は、内側平面であることもあり、第3脳室領域の3D体積測定イメージの主軸平面を示すこともある。候補平面は、AC領域及びPC領域を連結するラインに割り当てられるか、ラインを含み得る。一実施例において、MSP推定ユニット720は、候補平面のうちの1つが3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されるまで、第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始めて複数の候補平面によって3D体積測定イメージを順次分割することができる。その次に、3D体積測定イメージを対称的に分割するために決定される候補平面はMSPとして指定される。
【0057】
他の実施例において、第3脳室領域の3D体積測定イメージは、第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格に対して角度増分で順次回転して並進されることができる。3D体積イメージのそれぞれの回転及び並進位置で、3D体積測定イメージは候補平面によって分割され得る。候補平面は、3D体積測定イメージを2つの対称の部分に対称的に分割すると決定されれば、候補平面はMSPとして指定される。その次に、MSP出力ユニット730は、MSPの方程式またはMSPを定義する1セットの座標のようなMSPを示すMSP情報を出力することができる。
【0058】
図8aは、複数のスライス(例えば、スライス430等)を含むラベリングされた3Dマスクイメージ136に基づいて3Dブロブ作成ユニット710によって発生し得る3D体積測定イメージ800(例えば、3Dブロブ)を示す。3D体積測定イメージ800は、第3脳室領域830、AC領域810、及びPC領域820を含む。AC領域810及びPC領域820はそれぞれ、MSPを決定するための参照ラインを定義する2つの地点であってもよい。AC領域810、PC領域820、及び第3脳室領域830は、また、それぞれ表示器またはカラー、例えば、赤色、緑色、及び青色でラベリングされ得る。
【0059】
一部の実施例において、3D体積測定イメージ800の第3脳室領域830は、骨格としてモデリングまたは表現され得る。図8bは、本開示の一実施例による骨格840の一例を例示する。説明の利便性のために、3D体積測定イメージ800の第3脳室領域830は2Dピクセル化されたイメージとして示され、MSP推定ユニット720は第3脳室領域830に対する骨格840を発生させ得る。例えば、MSP推定ユニット720は、3D体積測定イメージ800で第3脳室領域830の主軸平面を決定し、主軸平面に対応する1セットのピクセルを識別することができる。その次に、セットの識別されたピクセルは、骨格840を定義するために選択され得る。
【0060】
説明の容易性のために、図8cは、一実施例による骨格840の例示的イメージを含む3D体積イメージ200のスライス850を示す。第3脳室領域830の骨格840から始め、MSP推定ユニット720は3D体積測定イメージを回転させて並進させることによって1つ以上の候補平面によって第3脳室領域830の3D体積測定イメージを順次分割することができる。候補平面のうちの1つが第3脳室領域830の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定される時、MSP推定ユニット720は候補平面をMSPとして決定し、MSPの平面方程式を出力することができる。図8dは、本開示の一実施例によるMSP推定ユニット720によって決定され得るMSP860を含む3D体積イメージ200のスライス850を示す。
【0061】
図9a~図9cはそれぞれ、2つの部分に分割される3D体積測定イメージ800の第3脳室領域830の例示的3Dイメージ910、920及び930を示す。図9aは、本開示の一実施例による第3脳室領域830が2つの部分910A及び910Bに分割される3Dイメージ910を例示する。この場合に、MSP推定ユニット720は、骨格840と一致する候補平面912によって第3脳室領域830を初期に分割し、2つの部分910A及び910Bが候補平面912に対して対称ではないと決定することができる。その次に、MSP推定ユニット720は、第3脳室領域830を回転させて並進させることによって他の候補平面を選択することができる。
【0062】
図9bは、本開示の一実施例による第3脳室領域830が候補平面922によって2つの部分920A及び920Bに分割される3Dイメージ920を示す。この場合に、MSP推定ユニット720は、また、2つの部分920A及び920Bが候補平面922に対して対称ではないと決定することができる。
【0063】
図9cは、本開示の一実施例による第3脳室領域830が候補平面932によって2つの部分930A及び930Bに分割される3Dイメージ930を示す。この場合に、MSP推定ユニット720は、2つの部分930A及び930Bが候補平面932に対して対称であると決定し、候補平面932をMSPとして指定することができる。
【0064】
一実施例において、MSP推定ユニット720は、第3脳室領域830の2つの分割された部分(例えば、2つの部分910A及び910B、920A及び920B、または、930A及び930B)が1つの部分の形状及びボクセル数を他の部分の形状及びボクセル数と比較することで対称であるかを決定することができる。例えば、図9aの部分910A及び910Bは、その形状及びボクセル数において互いに類似せず、従って、候補平面912に対して対称ではないと決定される。追加の例として、図9bの部分920A及び920Bは、ボクセル数において類似し得るが、形状において類似せず、従って、候補平面922に対して対称ではないと決定される。一方、図9cの部分930A及び930Bは、その形状及びボクセル数において実質的に類似し得、従って、候補平面932に対して対称であると決定され得る。対称は第3脳室領域830の2つの分割された部分の形状及びボクセル数に基づいて決定されるが、それはまた、2つの部分のボクセル数を考慮することなく、形状に基づいて決定され得る。本願に用いられているように、「実質的に類似の」は、しきい値または予め決定された類似程度内にあることを意味する。従って、その中の2つの形状またはボクセル数は、その中の2つの形状またはボクセル数がしきい値または予め決定された類似程度内にある時に実質的に類似すると決定され得る。その上、図9a~図9cに示されているように、候補平面912、922及び932は説明の容易性のために例示され、それぞれ、3Dイメージ910、920及び930に含まれるか、含まれないことがある。
【0065】
図10は、本開示の一実施例による第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割するMSPを決定するためのMSP検出ユニット170によって行われる方法のフローチャートを示す。初期に、3Dブロブ作成ユニット710は、1010でAC、PC、及び第3脳室領域を表示するためにラベリングされる3Dマスクイメージ136を受信する。一実施例において、3Dマスクイメージ136は、AC地点、PC地点、及び第3脳室領域を表示するためにラベリングされ得る。その次に、3Dブロブ作成ユニット710は、1020において3Dマスクイメージ136に基づいてセグメント化された第3脳室領域の3D体積測定イメージ(即ち、3Dブロブ)を作成し、3D体積測定イメージをMSP推定ユニット720に提供する。
【0066】
第3脳室領域の3D体積測定イメージを受信すると、MSP推定ユニット720は第3脳室領域の3D体積測定イメージの骨格から始め、1030において候補平面によって3D体積測定イメージを2つの部分に分割する。例えば、図9aを参照して、MSP推定ユニット720は、骨格840に対応する候補平面912によって第3脳室領域830の3D体積測定イメージを2つの部分910A及び910Bに初期に分割することができる。その次に、1040において、候補平面912が第3脳室領域830の3D体積測定イメージを2つの同一の部分に対称的に分割するかが決定される。一実施例において、候補平面は2つの部分が候補平面に対してその形状及びボクセル数において実質的に類似する時、第3脳室領域830の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定され得る。図9aの3D体積測定イメージ800の例において、MSP推定ユニットは2つの部分910A及び910Bが形状及びボクセル数において類似しないと決定する。
【0067】
MSP推定ユニット720は、候補平面が第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割しないと決定すれば、他の平面は1050において新たな候補平面として選択され得、第3脳室領域の3D体積測定イメージは1030において新たな候補平面によって分割され得る。一実施例において、新たな候補平面は骨格840に対して角度増分でAC及びPC(AC-PCライン)を連結するラインを中心に第3脳室領域830の3D体積測定イメージを回転させることで選択され得る。候補平面が骨格840から始めて選択されるので、第3脳室830の3D体積測定イメージを対称的に分割する候補平面を決定するために必要な反復または角度増分の数はランダム候補平面から始める場合に比べて減少する。
【0068】
図9aの例を参照して、MSP推定ユニット720は、1050において第3脳室領域830の3D体積測定イメージを回転させて並進させることによって、図9bに示された候補平面922を新たな候補平面として選択するものとして進めることができる。図9bの3D体積測定イメージ920において、MSP推定ユニット720は、形状が類似しないので、2つの部分920A及び920Bが候補平面922に対して対称ではないと決定する。従って、MSP推定ユニット720は、1050において、図9cの第3脳室領域830の3D体積測定イメージを回転させて並進させることによって、候補平面932を選択するものとして進めることができる。
【0069】
一方、候補平面が1040において第3脳室領域の3D体積測定イメージを対称的に分割すると決定されれば、MSP推定ユニット720は1060において候補平面をMSPとして指定することができる。図9cの例において、MSP推定ユニット720は、1030で候補平面932に基づいて第3脳室領域830の3D体積測定イメージを2つの部分930A及び930Bに分割し、その次に、1040で2つの部分930A及び930Bが候補平面932に対して対称であると決定する。従って、候補平面932は1060でMSPとして指定される。
【0070】
その次に、MSP出力ユニット730は、1070でMSPを示すMSP情報を出力することができる。一実施例において、MSPを示す平面情報は、MSPを定義する1セットの座標または方程式であってもよく、この座標はAC領域を示す第1座標、PC領域を示す第2座標、及び第1及び第2座標とともにMSPを定義する地点を示す第3座標を含み得る。
【0071】
一実施例において、MSPはセグメント化された3D体積測定イメージ(例えば、3Dブロブ)から軸方向及び冠状面の間でそれぞれの交差ラインに対して決定され得る。例えば、MSP検出ユニット170は、RANSACのようなモデルフィッティングツールを用いてすべての正中矢状地点に最上で適するようになる第3脳室領域の3D体積測定イメージの主軸平面のような骨格から始めて平面を推定することができる。その次に、モデルフィッティングツールから獲得されるインライア地点を用いれば、MSP検出ユニット170は最終平面を推定し、最終平面をMSPとして指定するために特異値分解(singular value decomposition)(SVD)方法を用いることができる。
【0072】
上述の方法は、特定の実施例について説明したが、このような方法は、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体上にコンピュータ読み取り可能なコードとして具現され得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られ得る任意の種類のデータ格納デバイスを含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納デバイスなどを含む。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータ読み取り可能なコードが分散した方式で格納され、実行され得るようにネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散することができる。その上、上述の実施例を実現するための関数プログラム、コード及びコードセグメントは、本開示が属する技術分野でプログラマーによって容易に推論されることができる。
【0073】
特定の実施例を説明したが、このような実施例は例として提示されただけで、開示の範囲を制限するように意図されない。実際に、本願に説明される実施例は、様々な他の形態で具体化され得る。さらに、本願に説明される実施例の形態の多様な省略、置換及び変更は、開示の思想から逸脱することなくなされる。添付の請求項及びその均等物は、開示の範囲及び思想内にあるように、そのような形態または修正をカバーするように意図される。
【0074】
本出願は、2019年11月26日に出願された米国臨時特許出願第62/940,576号に基づいて優先権の優遇を主張し、その内容全体は本願に参照として含まれる。
【符号の説明】
【0075】
100 イメージ処理デバイス
110 プロセッサ

図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図9c
図10