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特許7205035改善された送信品質および受信品質を持つモバイル無線通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】改善された送信品質および受信品質を持つモバイル無線通信
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20230110BHJP
   H04W 8/18 20090101ALI20230110BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20230110BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W8/18
H04W88/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018566548
(86)(22)【出願日】2017-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017067599
(87)【国際公開番号】W WO2018011293
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-05-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】102016000072521
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109386
【氏名又は名称】インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーネルト、クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】ツァンダー、ラルフ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】リッペルト、ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】ペターセン、スウェン
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】石田 紀之
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-29990(JP,A)
【文献】特表2013-532428(JP,A)
【文献】特開2014-171048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル無線ネットワークにおける通信のためのモバイル無線デバイスであって、前記モバイル無線デバイスは、モバイル無線ネットワーク内で動作し、および、前記モバイル無線デバイスに割り当てられたモバイル無線信号により通信するように構成されており、前記モバイル無線デバイスは、前記モバイル無線信号の受信品質および/または送信品質を改善すべく、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータに依存するテスト結果に応じ、基地局と少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスとの間のモバイル無線信号を増幅するようにさらに構成されており、前記テスト結果は、前記モバイル無線デバイス、前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイス、前記基地局、および/またはモバイル無線プロバイダとの間の通信により導出され、
前記テスト結果は、前記基地局が送信したダウンリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが受信できないか否か、または前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが送信したアップリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し前記基地局が受信できないか否かの少なくとも1つと、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータとに依存し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記モバイル無線デバイスに割り当てられたサブスクライバ識別情報に直接提供された情報の項目を含む、モバイル無線デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのパラメータは、エネルギー供給情報の項目、アキュムレータの状況、および/またはアキュムレータの耐用年数を含む、請求項1に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つのパラメータは、クレジットポイントレベル、および/またはアカウントバランスを含む、請求項1に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのパラメータは、データ量、提供時間、および/または使用時間を含む、請求項1に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項5】
前記モバイル無線デバイスは、前記モバイル無線信号を転送するように構成されており、前記モバイル無線信号は、前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスに、および/または、WiFiシステムに割り当てられている、請求項1から4のいずれか一項に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項6】
前記モバイル無線デバイスは、モバイル無線信号の増幅の管理のためのアプリケーションが備えられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項7】
前記モバイル無線デバイスは、モバイル無線電話、ラップトップ、ノートパソコン、タブレットPC、スマートフォン、またはモバイル無線ネットワークで動作するためのサブスクライバ識別子が提供されているデバイスである、請求項1から6のいずれか一項に記載のモバイル無線デバイス。
【請求項8】
ダウンリンク信号を送信する手段と、
アップリンク信号を受信する手段と、
モバイル無線デバイスと基地局との間の通信により、前記基地局が送信したダウンリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが受信できないか否か、または前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが送信したアップリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し前記基地局が受信できないか否かの少なくとも1つと、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータとに依存するテスト結果の導出を可能にする手段と
を備え、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記モバイル無線デバイスに割り当てられたサブスクライバ識別情報に直接提供された情報の項目を含む、基地局。
【請求項9】
請求項8に記載の少なくとも1つの基地局で構成される送信機ネットワーク。
【請求項10】
モバイル無線デバイスによりモバイル無線信号を増幅するための方法であって、前記方法は、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータに依存するテスト結果に応じて、モバイル無線デバイスによモバイル無線信号増幅
前記モバイル無線信号は、基地局と少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスとの間のモバイル無線信号であり、前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスの前記モバイル無線信号の受信品質および/または送信品質を改善すべく、前記テスト結果が前記モバイル無線デバイス、前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイス、前記基地局および/またはモバイル無線プロバイダの間の通信により導出され
前記テスト結果は、前記基地局が送信したダウンリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが受信できないか否か、または前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが送信したアップリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し前記基地局が受信できないか否かの少なくとも1つと、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータとに依存し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記モバイル無線デバイスに割り当てられたサブスクライバ識別情報に直接提供された情報の項目を含む、方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのパラメータは、エネルギー供給情報の項目、アキュムレータの状況、および/またはアキュムレータの耐用年数を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのパラメータは、クレジットポイントレベル、および/またはアカウントバランスを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのパラメータは、データ量、提供時間、および/または使用時間を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータを請求項1から7のいずれか一項に記載のモバイル無線デバイスとして機能させるためのソフトウェアモジュール。
【請求項15】
コンピュータを請求項8に記載の基地局として機能させるためのソフトウェアモジュール。
【請求項16】
コンピュータに請求項10から13のいずれか一項に記載の方法を実行させるための、ソフトウェアモジュール。
【請求項17】
ダウンリンク信号を送信する手段と、
アップリンク信号を受信する手段と、
モバイル無線デバイスと基地局との間の通信により、前記基地局が送信したダウンリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが受信できないか否か、または前記少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスが送信したアップリンク信号を前記モバイル無線デバイスが受信し前記基地局が受信できないか否かの少なくとも1つと、前記モバイル無線デバイスに割り当てられた少なくとも1つのパラメータとに依存するテスト結果の導出を可能にする手段と
を備え、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記モバイル無線デバイスに割り当てられたサブスクライバ識別情報に直接提供された情報の項目を含む、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
導入にあたる説明
本発明は、送信品質および/または受信品質を改善するためのモバイル無線デバイス、基地局、送信機ネットワーク、方法、ソフトウェアモジュールおよびサーバに関する。
【0002】
モバイル無線通信においては、基地局とモバイル無線デバイスとの間で情報信号が交換されることが知られている。ここで、情報信号は電話呼び出し信号、データ信号、オーディオ信号、ビデオ信号、および/またはインターネットを介して伝播された信号である。本願においては、モバイル無線サブスクライバ間で交換される上記の情報信号の変形例およびその他の想起可能な信号も扱う。また、「サブスクライバ」という表現は、通信相手およびサーバまたは基地局等の技術的コンポーネントを意味するものとして理解されることを指摘する。この場合、情報信号はモバイル無線ネットワークにおける送信機、受信機、または基地局等のモバイル無線サブスクライバ間で、エアインタフェースを介して交換される。多くの場合、モバイル無線デバイスは、モバイル無線ネットワークにおける他のサブスクライバと情報信号を交換すべく、十分な送信品質および/または受信品質を有していないことも知られている。多くの場合において、不十分な送信品質および/または受信品質は、弱い送信信号および/または受信信号、信号干渉、並びに/または、情報信号のスクリーニングおよび/または好ましくない反射を生じさせる、転送間隔距離上における障害物によって招来されている。このようなスクリーニングまたは干渉は、例えば、建物の壁または窓によって生じ得る。
【0003】
送信品質および/または受信品質を改善すべく、先行技術でリピータと呼ばれるものが知られており、リピータは情報信号を受信し、増幅後にそれを再送信する。先行技術による従来の市販リピータを用いるには、前提として第一に、ネットワークタイプの互換性が保証される必要があるということが要求される。その結果、GSM(登録商標)、2G、3G、4G、5Gまたはそれ以降といったような任意の所望のネットワークタイプについて、すべてのリピータが使用できるわけではない。また、リピータは受信機ごとに、特別に予め構成される必要がある。また、リピータは予め定められた位置に永久的に搭載または設置され、その結果、リピータの機能は予め定義されたローカルエリアのみで適用可能となり、このエリアのみに制約される。当該リピータには電気的エネルギーが別個に供給される必要もあり、その結果、一方では空間的な充足に起因し、他方ではエネルギー供給の不存在に起因し、柔軟な配置および利用が不可能となっている。送信品質および/または受信品質の低下の有無に関しては常に予測できるわけではなく、その結果、これらは特定のエリアについては検出されないままであるか、あるいは一時的に生じるのみとなる点も特記すべきである。従って、従来の市販リピータは、このような場合には使用できない。また、リピータの使用は高コストにつながるので、従来の市販リピータの調達は経済的な見地からは不利な点を示す。従って、従来の市販リピータは、経済的および技術的な両方の見地から、多くの制約および不利な点につながる。
【0004】
本発明は、言及した不利な点を軽減する、または少なくとも当該状況を改善する目的に基づく。この目的は、添付の特許請求の範囲によって達成される。特許請求の範囲は、送信品質および/または受信品質を改善するためのモバイル無線デバイス、基地局、送信機ネットワーク、方法、ソフトウェアモジュールおよびサーバに関する。
【0005】
本発明の第1の態様によると、モバイル無線ネットワークにおける通信のためのモバイル無線デバイスが提案される。モバイル無線デバイスは、モバイル無線ネットワークで動作し、および、モバイル無線デバイスに割り当てられたモバイル無線信号により通信するように構成されている。モバイル無線デバイスは、モバイル無線信号の受信品質および/または送信品質を改善すべく、モバイル無線デバイスが、テスト結果に応じて、基地局と少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスとの間のモバイル無線信号を増幅するようにさらに構成されている、ことを特徴とする。以下に、上記に示したものの複数がより良く当てはまるように説明する。本発明による上記のモバイル無線デバイスは、バッテリおよび/またはアキュムレータおよび/またはモバイルの目的のために設けられた別の電気供給源を備えたモバイル通信デバイスであり、その結果、モバイル無線デバイスは、電気的エネルギーを供給されるために、ワイヤでバインドされる必要がなく、異なる位置において柔軟に動作してよい。また、モバイル無線デバイスは、サブスクライバ識別子を備えるように構成され、その結果、サブスクライバ識別子により、モバイル無線ネットワークにおいてモバイル無線デバイスの間違いのない識別子が得られてよい。このようなサブスクライバ識別子は、具体的には、SIM(Subscriber Identity Module)または電子識別子として提供される。「モバイル無線ネットワーク」という表現は、複数の異なるサブスクライバ間におけるモバイル通信のためのネットワークを意味するものとして理解されたい。本発明および具体的には本発明によるモバイル無線デバイスは、従来に言うようなモバイル無線ネットワークには限定されず、クロスモバイル無線ネットワーク形式でも本発明に係る解決手段を有効化させ得る。このことは、単一の特定のモバイル無線ネットワークにおいて、および/または、より広域なモバイル無線ネットワークにおいて、他のサブスクライバと通信し、増幅を達成し、従って受信品質および/または送信品質における改善を達成するようなモバイル無線デバイスが提供されることを意味する。モバイル無線信号の増幅は、テスト結果に応じて実行され、ここで、テスト結果は、複数のパラメータのテスト、および/または、手動入力の結果を表わし、テスト結果を用いて、当該パラメータは前もって判断済みであるか、または、増幅プロシージャに関する決定がなされる前の時点において判断される。テスト結果は、概して、増幅を開始または増幅を防止する役割を果たす。具体的には、テスト結果とは、予め定義されたパラメータおよび/または入力に対するリソースを作成する数学的計算、または比較演算の結果であり、テスト結果は、特定のパラメータを基に、および/または、手動入力を基に、増幅に関し単純なトリガをもたらす。以下、さらなるパラメータについて幾分詳しく説明する。これによって、テスト結果の異なる実施形態が明らかになる。テスト結果は必ずしも導き出されず、または、モバイル無線デバイスにおいて生じるが、テスト結果は、外部の刺激の結果であってよいことも念頭に置かれたい。従って、本発明によると、モバイル無線デバイスは、具体的には、増幅を実行するための信号または開始信号のみを含むことも規定される。
【0006】
本発明のさらなる態様によると、モバイル無線デバイスは、テスト結果がモバイル無線デバイス、少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイス、基地局および/またはモバイル無線プロバイダ間の通信から導き出される、ことを特徴とする。上記した通り、ここで意味することは、テスト結果の導出について、パラメータおよび/または手動入力が、異なるモバイル無線コンポーネントにより、それらの間で互いに交換されてよく、従って、当該モバイル無線コンポーネント間での通信が行われる。モバイル無線コンポーネントは、具体的には、モバイル無線デバイス、さらなるモバイル無線デバイス、基地局、またはモバイル無線プロバイダである。
【0007】
好ましくは、本発明によるモバイル無線デバイスは、テスト結果が少なくとも1つのパラメータに依存し、当該パラメータはモバイル無線デバイス、さらなるモバイル無線デバイス、基地局および/またはモバイル無線プロバイダに割り当てられる、ことを特徴とする。この場合、異なるタイプのパラメータが扱われ、当該パラメータは技術的な理由のために、モバイル無線ネットワークにおける1つの特定のコンポーネントのみに割り当てられ、具体的には、モバイル無線デバイス、さらなるモバイル無線デバイス、基地局、および/またはモバイル無線プロバイダのみに割り当てられる。この点において、モバイル無線デバイスに割り当てられたパラメータ、および、さらなるモバイル無線デバイスに割り当てられたパラメータは、具体的には、エネルギー供給情報の項目、アキュムレータの状況、アキュムレータの耐用年数、受信レベル、送信レベル、製造者情報の項目、オペレーティングシステム識別子、顧客仕様、モバイル無線プロバイダの識別子、クレジットポイントレベル、アカウントバランス、承認状況、データ量、提供時間、使用時間および/またはユーザ入力である。「エネルギー供給情報」という表現は、例えば、電源ソケット、アキュムレータパックを用いるか、一体型バッテリまたは一体型アキュムレータを用いるか、例えば、ポータブル太陽電池等のモバイル電気サポートを用いるかを問わず、モバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスが何らかの態様において、電気的エネルギーが供給されるべきであることを意味するものとして理解されたい。この場合、具体的には、本発明による増幅は、モバイル無線デバイスが十分な電気的エネルギーおよび/または電気的エネルギーへの好適なアクセスを有する場合に初期化されるため、増幅に用いられるべきモバイル無線デバイスにとって電気的エネルギーの利用可能性は重要である。結果的に、アキュムレータの状況およびアキュムレータの耐用年数という用語は、前述のデバイスにより良く当てはまる。故に、増幅のために受信レベルは重要であり、基地局であれ、あるいはさらなるモバイル無線デバイスであれ、モバイル無線デバイスはそれ自体が十分な受信品質を有する必要がある。製造者情報は、例えば、互換性をチェックするべく、および/または、特定の製造者のためにのみ本発明による解決手段を使用するべく用いられてよく、この場合、モバイル無線デバイスのオペレーティングシステムの識別情報(iOS、Android(登録商標)等)も用いられてよい。顧客仕様は、モバイル無線ネットワークにおける顧客若しくはサブスクライバの仕様、または、ネットワークオペレータ側の顧客に関する若しくはプロバイダの顧客に関する仕様を特徴付け、その結果、本発明による解決手段は、少なくとも1つの特定の顧客仕様が存在する状態で用いられる。モバイル無線プロバイダの識別子は、本発明による解決手段の利用または提供のためのパラメータとして使用されてもよく、その結果、より良い受信品質および/または送信品質が得られるべく、特定のサプライヤまたはプロバイダのみがこれらを使用し、および/または、特定のサプライヤまたはプロバイダの顧客グループに対し、これらを利用可能にする。クレジットポイントレベルまたはアカウントバランスは、概して、本発明による解決手段の提供を制限するポイントレベルであることを意味し、その結果、管理の問題として、クレジットポイントレベルまたはアカウントバランスを基に、どのくらいの頻度で、または、どのくらいの間、特定のモバイル無線サブスクライバは、さらなるモバイル無線デバイスのために本発明による解決手段を提供するか、および/または、さらなるモバイル無線デバイスを用いてよいかについて判断される。クレジットポイントレベルまたはアカウントバランスを基にした管理は、具体的には、仮想ポイントシステムを基に、または、金銭総額への変換により構成されてよい。同様に、本発明による解決手段の使用は、データ量(ダウンロードおよび/またはアップロード)に応じて制限されてよい。承認状況として、手動の調整設定を考慮してよく、これは、位置、日、時点、継続時間、時間窓等のカレンダーデータに関連してよい。使用時間としては、これまでに言及したものと同様に、特定の時間が提供されてよく、または除外されてよい。これまでに言及したデータは、また予め定められてもよく、その結果、当該調整設定に基づき、本発明による解決手段の後からの自動利用が、抑制または開始されてよい。これらはまた、システムまたはモバイル無線サブスクライバのユーザにとって事柄を容易化すべく、ユーザのカレンダー内の任意の所望のエントリにリンクされてもよい。エネルギー供給情報、アキュムレータの状況、アキュムレータの耐用年数、受信レベル、送信レベル、製造者情報の項目、オペレーティングシステム識別子、顧客仕様、モバイル無線プロバイダの識別子、クレジットポイントレベル、アカウントバランス、承認状況、データ量、提供時間、使用時間および/またはユーザ入力のパラメータは、管理の目的のために、特に、比較および本発明による解決手段の使用の開始または抑制のために、特にテスト結果の導出のために、個別にまたは任意の所望の組み合わせにおいて役割を果たす。
【0008】
さらに好ましくは、基地局およびモバイル無線プロバイダに割り当てられたパラメータは、モバイル無線プロバイダの識別子、受信レベル、送信レベル、リリース情報項目、製造者情報項目、オペレーティングシステム識別子、顧客仕様、クレジットポイントレベル、アカウントバランス、データ量、提供時間、契約仕様および/または使用時間である。この場合、導出するテスト結果の使用/格納は、それぞれのモバイル無線デバイス上で、または、基地局、プロバイダ/サプライヤ等の他のコンポーネント上でローカルに実施されてよいことを特記すべきである。
【0009】
さらに好ましくは、モバイル無線デバイスは、少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイス、第3のモバイル無線デバイスおよび/またはWiFiシステムに割り当てられたモバイル無線信号を転送するように構成されている。この場合、本発明によると、第3のモバイル無線デバイスが含まれることにより、複数のモバイル無線デバイスから成るチェーン構成が作成され、全く受信できない状態、または不十分な受信状態のモバイル無線デバイスと、十分な送信品質および/または受信品質を持つモバイル無線デバイスとの間のより大きな距離間隔がカバーされてよい、ことが規定される。WiFiシステムへの転送に係る第2の代替例は、既存のWiFiシステムを介して、より良い供給をもたらす役割を果たし、その結果、WiFiシステムにより、十分な送信品質および/または受信品質を持つモバイル無線デバイスにより、外部の基地局に対する通信が実施される場合、屋内配電または屋内供給が実現されるが、屋内領域への転送はWiFiシステムにより行われる。
【0010】
本発明によると、モバイル無線デバイスには、モバイル無線信号の増幅の管理のためのアプリケーションが備えられている、ことも規定される。これが意味することは、本発明は、ハードウェアレベルでの完全な実現、および、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントを用いた部分的な実現の両方を提案する。従って、モバイル無線デバイスには、本発明による解決手段の管理に用いられるアプリケーションとしてのソフトウェアコンポーネントが提供されている、ことが規定される。
【0011】
本発明によると、モバイル無線デバイスは、モバイル無線電話、ラップトップ、ノートパソコン、タブレットPC、スマートフォン、またはモバイル無線ネットワークにおいて動作するためのサブスクライバ識別子が提供されたデバイスである。従って、本発明によるデバイスは使用に至らされ、当該デバイスは、具体的には、モバイルセクタ内に存在するものとして、および、ポータブルであるとみなされ、その結果、特定のモバイル無線サブスクライバが送信および/または受信を得られない場合、または低い品質のみの場合、情報信号の自発的な増幅が行われる。この文脈においては、これまで未使用のままであった機能も使用され、位置および時間の両方に関し、当該機能は柔軟に利用可能にされてよい。
【0012】
本発明によると、また、本明細書に記載のような本発明によるモバイル無線デバイスと共に動作または協働するように構成された基地局も提案される。本発明による基地局は、モバイル無線デバイスへの必要なパラメータおよび/または特定の命令、並びに/または、モバイル無線デバイスからそれぞれのプロバイダへの必要なパラメータおよび/または信号を転送可能である。また、本発明によると、本明細書に記載されるような少なくとも1つの基地局で構成される送信機ネットワークが提案される。この結果、本発明による解決手段の適用範囲は、広がる。
【0013】
本発明に係るさらなる態様に関し、モバイル無線信号の増幅のための方法が提案され、当該方法は、テスト結果に応じて、モバイル無線デバイスによるモバイル無線信号の増幅が初期化され、この場合、少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスにおけるモバイル無線信号の受信品質および/または送信品質を改善すべく、モバイル無線信号は、基地局と、少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイスとの間のモバイル無線信号を含む、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によると、方法がさらに提案され、当該方法は、テスト結果がモバイル無線デバイス、少なくとも1つのさらなるモバイル無線デバイス、基地局および/またはモバイル無線プロバイダ間の通信から導き出される、ことを特徴とする。
【0015】
本発明によると、さらなる方法が提案され、当該方法は、テスト結果が、モバイル無線デバイス、さらなるモバイル無線デバイス、基地局および/またはモバイル無線プロバイダに割り当てられ少なくとも1つのパラメータに依存する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明によると、さらなる方法が提案され、当該方法は、モバイル無線デバイスに割り当てられたパラメータ、および、さらなるモバイル無線デバイスに割り当てられたパラメータは、エネルギー供給情報項目、アキュムレータの状況、アキュムレータの耐用年数、受信レベル、送信レベル、製造者情報の項目、オペレーティングシステム識別子、顧客仕様、モバイル無線プロバイダの識別子、クレジットポイントレベル、アカウントバランス、承認状況、データ量、提供時間、使用時間、および/またはユーザ入力のである、ことを特徴とする。
【0017】
本発明によると、さらなる方法が提案され、当該方法は、基地局およびモバイル無線プロバイダに割り当てられたパラメータは、モバイル無線プロバイダの識別子、受信レベル、送信レベル、情報の承認項目、情報の製造者項目、オペレーティングシステム識別子、顧客仕様、クレジットポイントレベル、アカウントバランス、データ量、提供時間、契約仕様、および/または使用時間である、ことを特徴とする。
【0018】
本発明によりさらに提案されるものは、本発明によるデバイスのうちの1つを実現するための、および/または、本発明による方法のうちの1つを実行するための、ソフトウェアモジュールまたはソフトウェアプロダクトである。ソフトウェアモジュールは、永久的および/または一時的にストレージ媒体上に格納されるように構成される。さらに好ましくは、ソフトウェアモジュールは、コンピュータユニットにより動作状態に置かれるように構成される。さらに好ましくは、ソフトウェアモジュールは、サーバ、基地局、プロバイダシステム(サーバ/ネットワーク)等において少なくとも部分的に有効化され得るように構成されており、他のモバイル無線サブスクライバに対し、開始結果を提供する。本発明によるソフトウェアモジュールは、コンピュータユニットと協働して、および、適切な媒体上の一時的または永久的なストレージの下でのみ用いられ得ることは明らかである。ソフトウェアモジュールまたはソフトウェアプロダクトは、ソースコード、ソースコードからの任意の所望の派生物の両方を意味するものとして理解されるべきであり、このようなものとしては、例えばソースコードの実行可能な変形例といったものが挙げられ、同義語として理解されるべきである。
【0019】
また、本発明により、本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実行するために、特に、本明細書に記載の基地局のうちのいずれかと協働するために構成されたサーバが提案される。
【0020】
さらに好ましくは、モバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスは、情報信号を受動的にのみ増幅するように構成されており、その結果、モバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスは、エアインタフェースから受信された情報信号を分析しない。従って、本発明によるモバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスは、情報信号を受信および増幅するように構成されている。さらに好ましくは、本発明による方法は、さらなる分析をすることなく、情報信号を受信および増幅するように、考案されている。
【0021】
この場合、好ましくは、情報信号のための特定の周波数範囲が調整され、および、設定されてよい。
【0022】
さらに好ましくは、モバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスおよび/または方法は、事前選択を実行すべく、情報信号の分析を実行するように考案されている。
【0023】
好ましくは、モバイル無線デバイスおよび/またはさらなるモバイル無線デバイスおよび/または方法は、少なくとも1つの特定のモバイル無線サブスクライバに割り当てられた情報信号を増幅するように規定されている。さらに好ましくは、アプリケーションプレーンで、それぞれのモバイル無線デバイス上の情報信号の増幅を管理または開始する本発明によるアプリケーションが用いられる。
【0024】
好ましくは、本発明により、エアインタフェースに存在する情報信号が受信および増幅されることが規定され、および、代替例として、特定のモバイル無線デバイスに対し宛てられた特定の情報信号を導き出すための追加のステップも規定され、および、これらは最初に導き出され且つ増幅される。
【0025】
言及した第1の変形例の増幅は、増幅する側のモバイル無線デバイスが、情報信号内のデータが、特定のモバイル無線デバイスに属するかについては検査しないので、一種の「ブラインド」増幅として指定されてよい。一方、第2の変形例は、増幅する側のモバイル無線デバイスが情報信号のデータを調べ、特定のモバイル無線デバイスへの少なくとも割り当てを判断し、その後、増幅プロシージャを実行するので、一種の特定増幅の変形例として指定されてよい。
【0026】
以下、本発明は、複数の図面を基に追加的に説明する。この文脈において、添付図面および添付図面に関する図の説明は、上記の説明に対する限定を表わしておらず、明確性を加えるものとして機能するのみであることに注意されたい。本発明の本質において、多くの想起可能な実施形態を導き出すことができるが、それらは、依然として特許請求の範囲に係る保護範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による一実施形態を実施した過程における簡素化および理想化された情報信号の空間的分配を示す。
図2】本発明により、ダウンリンク信号(DL)を増幅するブロック図を示す。
図3】本発明により、アップリンク信号(UL)を増幅するブロック図を示す。
図4】さらなる第3のモバイル無線デバイスが参加する、本発明によるさらなる実施形態を実施した過程における簡素化および理想化された情報信号の空間的分配を示す。
図5】パラメータの交換およびテスト結果の利用に対する異なる通信変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、基地局BSおよび建物Gを示し、ここでは、モバイル無線デバイスAおよびさらなるモバイル無線デバイスBが建物Gの内部に存在する。基地局BSは、さらなるモバイル無線デバイスBに対しダウンリンク信号DLを送信し、ここで当該ダウンリンク信号DLは、建物Gによるスクリーニングに起因し、さらなるモバイル無線デバイスBに到達しない、または、ひずみ信号としてのみ到達する。よりわかりやすく区別するために、ここで、ダウンリンク信号は破線矢印で示され、アップリンク信号は点線矢印で示される。しかしながら、モバイル無線デバイスAはそのより良い位置、すなわち建物Gの窓の箇所に起因して、エアインタフェースに存在する当該ダウンリンク信号DLを受信可能であり、および当該ダウンリンク信号DLを増幅可能であり、その結果、当該ダウンリンク信号DLはこの後、さらなるモバイル無線デバイスBによって受信され、ここでは、この受信されたダウンリンク信号はDLR(Rは受信されたを表わす)として示される。上記シナリオと同様に、さらなるモバイル無線デバイスBは、基地局BSに対しアップリンク信号UPを送信し、ここで、当該アップリンク信号ULは建物Gによるスクリーニングに起因し、基地局BSによって受信されず、すなわち、それはひずみ信号として到達する。しかしながら、モバイル無線デバイスAは、エアインタフェースに存在する当該アップリンク信号ULを受信および増幅可能であり、その結果、当該アップリンク信号ULはこの後、基地局BSによって受信され、ここでは、この受信されたアップリンク信号はULR(Rは受信されたを表わす)として示される。この場合において、図1中に示すものは、大幅に簡素化して示されたものであり、例えば、モバイル無線デバイスAからのすべての情報信号が示されているわけではない点に注意されたい。また、さらなるモバイル無線デバイスBからモバイル無線デバイスAへの情報信号ULは、BからAに具体的に送信された情報信号ではなく、電波においてAのために用いられてよいアップリンク信号ULである。しかしながら、Aに対する目的の送信が行われてよいことは除外されない。
【0029】
図2は、本発明による、ダウンリンク信号DLの増幅のための複数のステップから成るブロック図を示す。第1のステップ「BSはBに対しDLを送信する」において、基地局BSは、さらなるモバイル無線デバイスBに対し、ダウンリンク信号DLを送信する。第2のステップにおいて、BはBSからダウンリンク信号DLを受信できない、またはひずみ信号としてのみ到達すると明確に示されている。しかしながら、また図1に基づくように、モバイル無線デバイスAは、ダウンリンク信号DLを受信可能である。さらなるステップにおいて、テスト結果PEが導き出され、ここで、これは、モバイル無線デバイスAに関するテスト結果を含み、従ってPEAという略語である。結果的に、Aの増幅機能の可能性として、テスト結果PEAが、唯一決定的である。PEAが正の場合、「AがBのためにDLを増幅する」と示されるように、Aによる増幅が行われる。しかしながら、PEAが負であると判明すると、Aは非アクティブのままであり、増幅は行われない。増幅が正常に行われた後、Bはダウンリンク信号DLを受信できる。
【0030】
図3は、本発明による、アップリンク信号ULの増幅のための複数のステップから成るブロック図を示す。第1のステップ「BはBSに対しULを送信する」において、さらなるモバイル無線デバイスBは、基地局BSに対しアップリンク信号ULを送信する。しかしながら、BSはひずみ信号のみで、Bからアップリンク信号ULを受信できない。しかしながら、モバイル無線デバイスAは、アップリンク信号ULを受信する位置にある。さらなるステップにおいて、Aの増幅機能の可能性として決定的である、テスト結果PEAが導き出される。PEAの結果が正であれば、増幅が行われる。しかしながら、PEAが負であると判明すると、Aによる増幅は行われない。Aによって増幅が実行された後、BSはBから来るアップリンク信号ULを受信できる。
【0031】
図4は、基地局BSおよび建物Gを示し、ここでは、モバイル無線デバイスA、さらなるモバイル無線デバイスBおよび第3のモバイル無線デバイスCが建物Gの内部に存在する。基地局BSは、第3のモバイル無線デバイスCに対しダウンリンク信号DLを送信し、ここで当該ダウンリンク信号DLは、建物Gによるスクリーニングに起因し、第3のモバイル無線デバイスCに到達せず、すなわち、ひずみ信号となる。よりわかりやすく区別するために、ダウンリンク信号は破線矢印で示され、アップリンク信号は点線矢印で示される。しかしながら、モバイル無線デバイスAは、より良い位置、すなわち建物Gの窓の箇所に起因して、エアインタフェースに存在するダウンリンク信号DLを受信および増幅可能であり、その結果、当該ダウンリンク信号DLは、次にさらなるモバイル無線デバイスBから受信され、ここで、この事例においては、モバイル無線デバイスBは、モバイル無線デバイスAと第3のモバイル無線デバイスCとの間の中間局として機能し、その結果、2回転送または増幅されたダウンリンク信号DLは、最終的に第3のモバイル無線デバイスCによって受信され、DLR(Rは受信されたを表わす)として示される。これと同様に、第3のモバイル無線デバイスCは、基地局BSに対しアップリンク信号ULを送信し、ここで、当該アップリンク信号ULは建物Gによるスクリーニングに起因し、基地局BSによって受信されず、すなわち、それはひずみ信号として到達するのみである。しかしながら、モバイル無線デバイスBは、エアインタフェースに存在する当該アップリンク信号ULを受信および増幅する位置に存在し、その結果、アップリンク信号ULは、次にモバイル無線デバイスAによって受信されてよく、再びAによって増幅された後、基地局BSによって受信され、ここで、この受信されたアップリンク信号はULR(Rは受信されたを表わす)として示される。従って、ここでは、情報信号のチェーン化された増幅が行われており、当該情報信号が基地局BSと第3のモバイル無線デバイスCとの間で交換される。本発明によると、エアインタフェースに存在する情報信号を受信および増幅可能であるのみでなく、特定の情報信号を導き出すための追加のステップも実行可能であり、当該特定の情報信号は、特定のモバイル無線デバイスに対し宛てられたものであり、および、最初に導き出され且つ増幅される。言及した第1の変形例の増幅は、増幅する側のモバイル無線デバイスが、情報信号内のデータが、特定のモバイル無線デバイスに属するかについては検査しないので、一種の「ブラインド」増幅として説明されてよい。ここで、言及した第2の変形例は、増幅する側のモバイル無線デバイスが情報信号のデータを調べ、少なくとも1つが特定のモバイル無線デバイスに属することを検出および判断し、その後、増幅を実行するので、一種の特定増幅の変形例として指定されてよい。この場合において、図4中に示されたものも、非常に簡素化して示されたものであり、例えば、モバイル無線デバイスAおよびBからのすべての情報信号は示されているわけではないことを指摘しておく。また、第3のモバイル無線デバイスCによって、モバイル無線デバイスBを介してモバイル無線デバイスAに送信された情報信号ULは、CからBを介してAに具体的に送信された情報信号ではなく、電波中、Aに利用可能なアップリンク信号ULであり、その結果、ここでいう「ブラインド」増幅変形例が図4に示されている。もちろん、Aに対する、または、Bを介してのAに対する目的の送信が行われてよいことは除外されず、その結果、特定の増幅が有効化される。
【0032】
図5は、テスト結果を判断するための、または、テスト結果を導き出すためのパラメータの交換のための複数の例示的な変形例5.1から5.6を示す。5.1はテスト結果を判断するために、プロバイダおよびモバイル無線デバイスAを含む、第1の変形例を示す。この場合、モバイル無線デバイスAおよび/またはモバイル無線デバイスAに割り当てられたサブスクライバ識別情報(SIMカードおよび/または電子識別子としての)に、当該プロバイダによって、情報の項目が直接提供される。当該情報の項目は、モバイル無線デバイスAの動作を判断し、または、特定の条件によっては、これを定義若しくは内部にプログラムする。本発明によると、他のモバイル無線デバイスのための情報信号のアクティブな増幅が判断可能なだけでなく、他のモバイル無線デバイスにより増幅された情報信号の受動的な利用も判断可能であり、故にこれはなされた特定の判断によって、または、本明細書で言及するパラメータに応じて判断されてよい、ことも規定される。図5中の5.1に基づき、モバイル無線デバイスAの増幅動作に関し、直接的な判断が行われる。
【0033】
図5中の第2の変形例5.2は、プロバイダ、基地局、およびモバイル無線デバイスAを示す。矢印は、パラメータのフロー方向を示し、ここで、パラメータとは、上記の説明で言及した単独のまたは任意の所望の組み合わせにおけるパラメータであってよい。
【0034】
5.2によると、パラメータはこれらの3つのコンポーネント間で交換されてよく、ここで、当該交換はそれぞれの場合において、異なる時点において行われてよく、異なるテスト結果をもたらしてよい。その結果、常に、その時点に存在する状況に従い、増幅する、増幅しない、増幅を利用する、または増幅を利用しないことに関する決定がなされてよい。この場合において、テスト結果の判断は、プロバイダ、基地局、またはモバイル無線デバイスAのいずれかにおいてなされてよい。
【0035】
図5中、5.3は5.2と同一の構造と共に、追加のモバイル無線デバイスBを示す。矢印は、パラメータの交換の可能性を示し、それぞれの場合において、個々のコンポーネントは、テスト結果を導き出す場所を表わしてよく、その結果、テスト結果は、プロバイダにおいて、基地局において、モバイル無線デバイスAにおいて、またはモバイル無線デバイスBにおいて導き出されてよく、これはAおよび/またはBにおける情報信号の増幅をもたらす。図5の5.4には、AとBとの間でのパラメータの交換の可能性が示されている。5.5に示すものは、A、BまたはCにおけるパラメータの交換およびテスト結果を導き出すための対応パスを持つ、3つのモバイル無線デバイスA、BおよびCから成るチェーン構成である。5.6に示すものは、5.5と同一の構造と共に、モバイル無線デバイスAとモバイル無線デバイスCとの間でパラメータを交換するための追加のパスを持つものである。
図1
図2
図3
図4
図5