(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、ロボット、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230110BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230110BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20230110BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G06F3/01 510
B25J13/00 Z
A63H11/00 Z
G06F3/16 610
G06F3/16 690
G06F3/16 650
(21)【出願番号】P 2018210696
(22)【出願日】2018-11-08
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】大野 恭一
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-109991(JP,A)
【文献】特開2009-245071(JP,A)
【文献】特開2013-051688(JP,A)
【文献】特開2009-169513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0060599(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
B25J 13/00
A63H 11/00
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の対象のニックネームを生成する生成手段と、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段と、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択手段と、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別手段と、
前記選択手段によって選択されたニックネームを、前記状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は複数のニックネームを生成するとともに前記提示手段は生成された複数のニックネームを提示し、
前記選択手段は、前記複数のニックネームに対する前記所定の対象の反応として好感を示したか或いは嫌悪感を示したかを夫々評価することにより、前記複数のニックネームについて評価値を設定し、前記評価値が基準値以上であるニックネームを採用すべきニックネームとして選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記状況判別手段は、現在の状況をさらに判別し、
前記選択手段は、更に前記記憶手段に記憶されたニックネームのうち、前記判別された状況に応じた前記提示状況に対応するニックネームを選択する、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記選択手段によって選択されたニックネーム、及び、前記判別された提示状況を、当該情報処理装置以外の情報処理装置と共有する、
ことを特徴とする請求項
1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提示手段は、前記ニックネームを、前記所定の対象に音声を用いて提示する、
ことを特徴とする請求項1乃至
4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択手段は、前記所定の対象の表情及び前記所定の対象の言動の少なくとも一方に基づいて、提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価する、
ことを特徴とする請求項1乃至
5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記選択手段により選択されたニックネームを用いて、前記所定の対象との対話を行う対話手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至
6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至
7の何れか1項に記載の情報処理装置を備
える、
ことを特徴とするロボット。
【請求項9】
所定の対象のニックネームを生成する生成ステップと、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示ステップと、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択ステップと、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別ステップと、
前記選択ステップによって選択されたニックネームを、前記状況判別ステップにより判別された提示状況とともに記憶する記憶ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
所定の対象のニックネームを生成する生成手段、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択手段、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別手段、
前記選択手段によって選択されたニックネームを、前記状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する記憶手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ロボット、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ニックネームを自動生成する情報処理装置が特許文献1に開示されている。この従来の情報処理装置は、ユーザの通信相手の登録名に基づいて、当該通信相手の複数のニックネームを自動生成し、生成した複数のニックネームから、ユーザが通信相手との間で受信・送信したメールの内容などに基づいて選択した1つのニックネームを、通信相手のニックネームとして登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、引用文献1に開示された情報処理装置では、通信相手のニックネームを、通信相手がどのように感じているかを考慮せずに登録するにすぎない。このため、適切なニックネームを採用することができない虞がある。例えば音声対話可能なロボットがこの情報処理装置を備えた場合にも、同様の問題がある。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、適切なニックネームを採用することができる情報処理装置、ロボット、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置の一様態は、
所定の対象のニックネームを生成する生成手段と、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段と、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択手段と、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別手段と、
前記選択手段によって選択されたニックネームを、前記状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の目的を達成するため、本発明に係るロボットの一様態は、
前記情報処理装置を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の目的を達成するため、本発明に係る情報処理方法の一様態は、
所定の対象のニックネームを生成する生成ステップと、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示ステップと、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択ステップと、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別ステップと、
前記選択ステップによって選択されたニックネームを、前記状況判別ステップにより判別された提示状況とともに記憶する記憶ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の目的を達成するため、本発明に係るプログラムの一様態は、
コンピュータを、
所定の対象のニックネームを生成する生成手段、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を評価した結果に基づいて、前記ニックネームの採用又は不採用を選択する選択手段、
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別手段、
前記選択手段によって選択されたニックネームを、前記状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する記憶手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、適切なニックネームを採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係るロボットを示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るロボットの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る人物情報DBを示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るニックネーム選択処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態に係るニックネーム判定処理を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態に係るニックネーム選択処理を説明する図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係るニックネーム選択処理を説明する図である。
【
図8】本発明の変形例に係るロボットおよびクラウドサーバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態に係るロボットおよび情報処理装置を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
本実施の形態に係るロボット100は、
図1に示すように、人をデフォルメした形状を有し、頭部101と、胴体部102と、頭部101に配置されたマイク103と、撮像部104と、スピーカ105と、胴体部102の背中に設けられた操作部130と、を備え、胴体部102の内部には、制御部110と通信部120を有する。制御部110および通信部120は、情報処理装置として機能する。ロボット100は、所定の対象、例えばユーザに複数のニックネームをスピーカ105から提示し、ユーザが好感を示したニックネームを選択し、選択したニックネームで対話を実行する。なお、所定の対象には、ユーザに加え、ユーザの近親者や友人等が含まれてもよい。この例では、ロボット100の主たるユーザを主ユーザとし、主ユーザの近親者や友人等を副ユーザとして説明する。以下では、主ユーザおよび副ユーザをまとめてユーザとも称する。
【0014】
マイク103は、頭部101の右耳、左耳の位置に配置され、音声を収音する。右耳に配置されたマイク103は、右前方から発せられた音声を集音する。左耳に配置されたマイク103は、左前方から発せられた音声を集音する。マイク103は、収音した音声を制御部110に出力する。
【0015】
撮像部104は、頭部101の鼻の位置に設けられたカメラである。撮像部104は、ユーザを撮像し、撮像された画像を示すデータを制御部110に出力する。
【0016】
スピーカ105は、頭部101の口の位置に設けられ、制御部110の制御に基づいて、音声を発話する。
【0017】
制御部110は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)、記憶部117から構成される。記憶部117は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む。ROMは、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成され、制御部110が各種機能を実現するためのプログラムおよび人物情報DB(DataBase)117Dを記憶する。RAMは、揮発性メモリから構成され、制御部110が各種処理を行うためのプログラムを実行するための作業領域として用いられる。制御部110は、CPUが記憶部117に記憶されたプログラムを読み出してRAM上で実行することにより、生成部111と、提示部112と、反応判定部113と、採用部114、状況判別部115、対話部116として機能する。
【0018】
生成部111は、主ユーザおよび副ユーザの名前、主ユーザと副ユーザとの関係、主ユーザおよび副ユーザの性別、年齢等の属性に基づいて、主ユーザおよび副ユーザの複数のニックネームを生成し、生成したニックネームを人物情報DB117Dのニックネーム領域に記憶する。生成部111は、名前の一部に「チャン」、「クン」などの語尾を付加してニックネームを生成してもよく、主ユーザと副ユーザの関係にもとづいて、「お兄ちゃん」、「パパ」、「ママ」、等をニックネームとして生成してもよい。また、生成部111は、名前に対応するニックネームを記録したテーブルを参照してニックネームを生成してもよい。例えば、生成部111は、「鈴木太郎」君のニックネームを生成する場合、「タロウ」のような呼び捨て、「タロウさん」「タロウくん」「タロウちゃん」のように敬称を付ける、或いは名前の一部を使った「ターボウ」「タックン」などを生成する。
【0019】
提示部112は、生成部111により生成された複数のニックネームのうち何れかのニックネームをユーザにスピーカ105から音声を用いて提示する。
【0020】
反応判定部113は、ユーザの表情及びユーザの言動の少なくとも一方に基づいて、提示された複数のニックネームの各々に対するユーザの反応をそれぞれ判定する。詳細には、反応判定部113は、ユーザが提示されたニックネームに反応するタイミングで撮像部104により撮像されたユーザの顔画像を取得し、取得した顔画像を解析し、ユーザの口角が上がっているか否かにより判定する、または、ユーザが提示されたニックネームに反応するタイミングでマイク103により集音した音声を取得し、取得した音声を解析し、ユーザが発音した会話の語尾の音程が上がっているか否かにより判定する。反応判定部113は、口角が上がっているまたは語尾の音程が上がっている場合、ユーザが好感を示していると判定し、ニックネームに対するユーザの反応を表す評価値に、+1点を設定する。口角が下がっているまたは語尾の音程が下がっている場合、ユーザが嫌悪感を示していると判定し、上記の評価値に-1点を設定する。どちらでもない場合、ユーザが好感及び嫌悪感をいずれも示していないと判定し、評価値を0点に設定する。
【0021】
また、反応判定部113は、設定した評価値(判定結果)を、呼びかけたニックネームと、前記状況判別部115により後述するようにして判別された提示状況(ニックネームがユーザに提示されたときの状況)とに紐付けして、人物情報DB117Dに記憶する。反応判定部113が再度ニックネームに対するユーザの反応をそれぞれ判定した場合、反応判定部113は、ユーザが好感を示していると判定すると、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けされた評価値に1点加点し、ユーザが嫌悪感を示していると判定すると、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けされた評価値から1点減点し、どちらでもない場合、評価値をそのままにする。
【0022】
採用部114は、記憶手段に記憶されたニックネームのうち、状況判別部115により後述するようにして判別された現在の状況に応じた提示状況に対応するニックネームを、当該ニックネームに対応する反応判定部113による評価に基づいて採用する。具体的には、反応判定部113による評価値が基準値以上となったニックネームを採用する。
【0023】
状況判別部115は、ニックネームが提示されたときの提示状況および現在の状況を判別する。ここでは、提示状況および現在の状況は、ロボットの周囲に何れのユーザがいるかにより判別される。詳細には、状況判別部115は、人物情報BD117Dに登録されたユーザが1人でいる状況であるか、人物情報BD117Dに登録されたユーザが複数人いる状況であるか、人物情報BD117Dに登録されたユーザと人物情報DB117Dに登録されていない人がいる状況であるかなどを判別する。
【0024】
対話部116は、採用部114により採用されたニックネームを用いて、ユーザとの対話を行う。
【0025】
記憶部117に記憶された人物情報DB117Dは、
図3に示すように、ユーザの顔画像、ユーザの名前、主ユーザに対する副ユーザの関係、ユーザの性別、年齢、反応判定部113による評価値、及び当該評価値に対応するニックネームを、状況判別部115により判別された提示状況とともに記憶する。この例では、ユーザID(IDentification)1の情報が主ユーザの情報であり、ユーザID2~6の情報が副ユーザの情報である。
【0026】
図2に示す通信部120は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)などの端末装置から送信されたユーザの名前等を示すデータを受信する。通信部120は、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールから構成される。また、通信部120は、インターネットなどのネットワークにアクセスする。
【0027】
操作部130は、胴体部102の背中に設けられ、ロボット100を操作するためのものであり、電源ボタンを含む。
【0028】
次に、以上の構成を有するロボット100が実行するニックネーム選択処理について説明する。ニックネーム選択処理は、ユーザのニックネームを複数生成し、生成した複数のニックネームをスピーカ105からユーザに提示し、提示した複数のニックネームからユーザが好感を示したニックネームを選択する処理である。
【0029】
ユーザが操作部130を操作し電源をONにすると、ロボット100は電源をONにする指示に応答し、
図4に示すニックネーム選択処理を開始する。以下、ロボット100が実行するニックネーム選択処理を、フローチャートを用いて説明する。
【0030】
まず、生成部111は、人物情報DB117Dにユーザのデータが少なくとも1人分登録されているか否かを判定する(ステップS101)。登録されていないと判定すると(ステップS101;No)、端末装置から通信部120を介して、ユーザにより端末装置に入力された、登録するユーザの名前、主ユーザに対する副ユーザの関係、ユーザの性別、年齢を含む情報を受信する(ステップS102)。
【0031】
つぎに、生成部111は、撮像部104によりユーザの顔画像をユーザ毎に撮像する(ステップS103)。つぎに、ユーザの名前、主ユーザに対する副ユーザの関係、ユーザの性別および年齢を示すデータと、顔画像を示すデータを紐付けして人物情報DB117Dに記憶する(ステップS104)。つぎに、生成部111は、ユーザの名前、主ユーザと副ユーザとの関係、ユーザの性別、年齢に基づいて、ニックネームを生成する(ステップS105)。生成したニックネームは、人物情報DB117Dのニックネーム領域に記憶する。生成部111は、名前の一部に「チャン」、「クン」などの語尾を付加してニックネームを生成してもよく、主ユーザと副ユーザとの関係にもとづいて、「お兄ちゃん」、「パパ」、「ママ」等をニックネームとして生成してもよい。また、生成部111は、名前に対応するニックネームを記録したテーブルを参照してニックネームを生成してもよい。その後、ステップS101に戻る。
【0032】
上記ステップS105の実行後、人物情報DB117Dにユーザのデータが記録されていると判定すると(ステップS101;Yes)、状況判別部115は、撮像部104によりロボット100の周囲の画像を撮像する(ステップS106)。つぎに、状況判別部115は、撮像部104で撮像された画像を解析して、人がロボット100の近くにいるか否かを判定する(ステップS107)。詳細には、画像から顔を認識し、この顔の大きさが基準値以上である場合、人が近くにいると判定する。人が近くにいないと判定すると(ステップS107;No)、ステップS107を繰り返す。一方、人が近くにいると判定すると(ステップS107;Yes)、この人が人物情報DB117Dに記録されているか否かを判定する(ステップS108)。詳細には、撮像部104が撮像した顔画像と人物情報DB117Dに記録されているユーザの顔画像とを対比し、これらの顔画像の特徴量が基準値以上、互いに一致している場合、この人が人物情報DB117Dに記録されていると判定する。この人が人物情報DB117Dに記録されていないと判定されると(ステップS108;No)、対話部116は、スピーカ105から音声により、この人に挨拶をする(ステップS109)。なお、ステップS109では、一度挨拶をした人に対しては、2回目以降無視をする。
【0033】
一方、この人が人物情報DB117Dに記録されていると判定すると(ステップS108;Yes)、ニックネーム判定処理を実行する(ステップS110)。
図5に示すニックネーム判定処理では、状況判別部115は、現在の状況を判別する(ステップS201)。ここで、状況はロボット100の周囲に何れのユーザがいるかどうかである。詳細には、状況判別部115は、ロボット100の周囲に、人物情報BDに登録された一人のユーザがいる状況であるか、人物情報BD117Dに登録された複数のユーザがいる状況であるか、人物情報BD117Dに登録されたユーザと人物情報DB117Dに登録されていない人がいる状況であるかを判別する。
【0034】
状況判別部115は、人物情報DB117Dに現在の状況と同様の提示状況が含まれるか否かを判定する(ステップS202)。人物情報DB117Dに現在の状況と同様の提示状況が含まれていない場合(ステップS202;No)、提示部112は、生成部111により生成されたニックネームから選択したニックネームでユーザにスピーカ105から音声を用いて呼びかけ、対話を行う(ステップS203)。つぎに、反応判定部113は、ユーザの表情及びユーザの言動の少なくとも一方に基づいて、提示されたニックネームに対するユーザの反応を判定する(ステップS204)。前述したように、ユーザの口角が上がっているか否かにより判定する。また、ユーザが発音した会話の語尾の音程が上がっているか否かにより判定する。反応判定部113は、前述したように、評価値に、ユーザが好感を示していると判定した場合には+1点を設定し、ユーザが嫌悪感を示していると判定した場合には-1点を、好感及び嫌悪感のいずれも示していない場合には0点を、設定する。
【0035】
一方、人物情報DB117Dに現在の状況と同様の提示状況が含まれている場合(ステップS202;Yes)、現在の状況に応じた提示状況に対応するニックネーム(以下「状況対応ニックネーム」という)であって、その評価値が基準値以上のニックネームがあるか否かを判定する(ステップS205)。状況対応ニックネームであって、その評価値が基準値以上のニックネームがない場合(ステップS205;No)、ステップS203に進む。一方、状況対応ニックネームであって、その評価値が基準値以上のニックネームがある場合(ステップS205;Yes)、採用部114は、この評価値が基準値以上のニックネームを採用する(ステップS206)。つぎに、対話部116は、採用部114により採用されたニックネームを用いて、ユーザとの対話を行う(ステップS207)。反応判定部113は、前記ステップS204を実行し、ニックネームに対するユーザの反応を判定する。その後、ニックネーム判定処理を終了し、
図4のニックネーム選択処理に戻る。
【0036】
前記ステップS110に続くステップS111では、反応判定部113は、ニックネームに対するユーザの反応を最初に判定した場合、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けして、評価値を人物情報DB117Dに記憶する。反応判定部113は、ニックネームに対するユーザの反応を再度判定した場合、人物情報DB117Dに記憶された評価値を更新する。詳細には、反応判定部113は、ユーザが好感を示していると判定すると、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けされた評価値に1点加点し、ユーザが嫌悪感を示していると判定すると、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けされた評価値から1点減点し、どちらでもない場合、評価値をそのままにする。つぎに、対話部116は、終了指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS112)。終了指示を受け付けていないと判定すると(ステップS112;No)、ステップS106に戻り、ステップS106からステップS112を繰り返す。終了指示を受け付けたと判定すると(ステップS112;Yes)、ニックネーム選択処理を終了する。
【0037】
次に、本実施の形態に係るロボット100が実行するニックネーム選択処理を具体例に基づいて
図6~
図7を参照しながら説明する。なお、処理開始時において、人物情報DB117Dにユーザのデータは、記憶されていないものとする。
【0038】
ユーザが操作部130を操作し電源をONにすると、ロボット100は電源をONにする指示に応答しニックネーム選択処理を開始する。
【0039】
この時点では、人物情報DB117Dにユーザのデータが登録されていないので(ステップS101;No;
図4)、
図3に示す、登録するユーザの名前、主ユーザと副ユーザとの関係、ユーザの性別、年齢を含む情報を受信する(ステップS102;
図4)。
【0040】
つぎに、生成部111は、顔画像をユーザ毎に撮像し(ステップS103;
図4)、ユーザの名前等を示すデータと、ユーザの顔画像を示すデータと、を紐付けして人物情報DB117Dに記憶する(ステップS104;
図4)。つぎに、生成部111は、ユーザの名前、主ユーザと副ユーザとの関係、ユーザの性別、年齢に基づいて、ニックネームを生成する(ステップS105、
図4)。ここでは、生成部111は、「鈴木太郎」君のニックネームとして「ターボウ」「お兄ちゃん」「タックン」などを生成する。その後、ステップS101に戻る。
【0041】
この時点で、人物情報DB117Dには、ユーザのデータが少なくとも1人分記憶されているので(ステップS101;Yes;
図4)、状況判別部115は、撮像部104によりロボット100の周囲の画像を撮像する(ステップS106;
図4)。つぎに、状況判別部115は、撮像部104で撮像された画像を解析して、人が近くにいるか否かを判定する(ステップS107;
図4)。
図6に示すように、「鈴木太郎」である主ユーザU1がロボット100の近くにいると(ステップS107;Yes;
図4)、主ユーザU1が人物情報DB117Dに記録されているか否かを判定する(ステップS108;
図4)。
【0042】
主ユーザU1は、人物情報DB117Dに記録されているので(ステップS108;Yes;
図4)、ニックネーム判定処理を実行する(ステップS110;
図4)。状況判別部115は、現在の状況を判定する(ステップS201;
図5)。ここでは、状況判別部115は、人物情報DB117Dに登録された主ユーザU1が、1人でいる状況であると判別する。
【0043】
状況判別部115は、人物情報DB117Dに現在の状況と同様の提示状況が含まれるか否かを判定する(ステップS202;
図5)。人物情報DB117Dのニックネーム1に1人でいる状況が記憶されているので、(ステップS202;Yes;
図5)、現在の状況に応じた提示状況に対応するニックネームである状況対応ニックネームであって、その評価値が基準値以上のニックネームがあるか否かを判定する(ステップS205;
図5)。ここでは、基準値を5とする。状況対応ニックネームであって、その評価値が5であり基準値以上のニックネームがあるので(ステップS205;Yes;
図5)、採用部114は、この評価値が基準値以上のニックネーム「ターボウ」を採用する(ステップS206;
図5)。つぎに、対話部116は、採用部114により採用されたニックネーム「ターボウ」を用いて、対話を行う(ステップS207;
図5)。つぎに、反応判定部113は、ニックネームに対するユーザの反応を判定し、その判定結果を表す評価値を設定する(ステップS204;
図5)。
【0044】
つぎに、反応判定部113は、設定した評価値を、呼びかけたニックネームと提示状況とに紐付けして人物情報DB117Dに記憶された評価値を更新する(ステップS111;
図4)。主ユーザU1が好感を示していたとすると、評価値を加点し、それまでに設定されていた5点から6点に変更する。終了指示を受け付けていないと判定すると(ステップS112;No;
図4)、ステップS106に戻る。
【0045】
次に、
図7に示すように、妹の「鈴木花子」さんが主ユーザU1の近くにいる場合の動作例について説明する。ここでは、「鈴木花子」さんを副ユーザU2とする。
【0046】
この状況では、状況判別部115は、主ユーザU1がロボット100の近くにいると判定し(ステップS107;Yes;
図4)、主ユーザU1は、人物情報DB117Dに記録されているので(ステップS108;Yes;
図4)、ニックネーム判定処理を実行する(ステップS110;
図4)。状況判別部115は、現在の状況を判定する(ステップS201;
図5)。ここでは、状況判別部115は、人物情報BDに登録された主ユーザU1と副ユーザU2の2人でいる状況であると判別する。
【0047】
状況判別部115は、人物情報DB117Dに現在の状況と同様の提示状況が含まれるか否かを判定する(ステップS202;
図5)。人物情報DB117Dのニックネーム2に主ユーザU1と副ユーザU2の2人でいる提示状況が記憶されているので、(ステップS202;Yes;
図5)、状況対応ニックネームであって、その評価値が基準値以上のニックネームがあるか否かを判定する(ステップS205;
図5)。「お兄ちゃん」は、現在の状況で評価値が2であり評価値が基準値以上のニックネームがないので(ステップS205;No;
図5)、提示部112は、生成部111により生成された複数のニックネームから予め決められた順番により、またはランダムに選択したニックネームで主ユーザU1にスピーカ105から音声を用いて呼びかける(ステップS203;
図5)。ここでは、提示部112は、「お兄ちゃん」または他のニックネームを提示する。つぎに、反応判定部113は、提示されたニックネームに対するユーザの反応を判定し(ステップS204;
図5)、呼びかけたニックネームと提示状況に紐付けして、評価値を人物情報DB117Dに記憶する(ステップS111;
図4)。
【0048】
以上のように、本実施の形態のロボット100によれば、生成部111で生成されたニックネームをユーザに提示し、提示されたニックネームに対するユーザの反応を判定し、その判定結果に基づいて、採用部114がニックネームを採用する。これにより、ロボット100は、ユーザのニックネームに対する実際の反応に応じて、適切なニックネームを採用することができる。従って、ロボット100により考えられたニックネームで話しかけられたり、呼びかけられたりすることで、より親しみが生まれる。
【0049】
また、状況判別部115は、ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別し、人物情報DB117Dは、反応判定部113による判定結果、及び、当該判定結果に対応するニックネームを、状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する。これにより、ロボット100は、状況毎に異なるニックネームでユーザに呼びかけることができる。
【0050】
また、採用部114は、人物情報DB117Dに記憶されたニックネームのうち、状況判別部115により判別された現在の状況に応じた提示状況に対応するニックネームを、当該ニックネームに対応する判定結果に基づいて採用する。これにより、ロボット100は、状況に応じたニックネームでユーザに呼びかけることができる。
【0051】
また、提示部112は、生成部111により生成された複数のニックネームを、ニックネーム判定処理を繰り返し実行することによりユーザに提示し、反応判定部113は、提示された複数のニックネームの各々に対するユーザの反応をそれぞれ判定する。これにより、ユーザがより好むニックネームを選択することができる。
【0052】
また、提示部112は、ニックネームを、ユーザに音声を用いて提示する。これにより、ロボット100をより擬人化することができ、より親しみが生まれる。
【0053】
また、反応判定部113は、ユーザの表情及びユーザの言動の少なくとも一方に基づいて、提示されたニックネームに対するユーザの反応を判定する。これにより、ユーザがロボット100を操作しなくても、ロボット100は、ニックネームに対するユーザの反応を判定でき、ひいては、適切なニックネームを採用することができる。
【0054】
また、採用部114により採用されたニックネームを用いて、ユーザとの対話を行う対話部116を備える。これにより、ロボット100は、ニックネームを用いてユーザと対話でき、より親しみが生まれる。
【0055】
(変形例)
前述の実施の形態では、ロボット100が、単体で、提示したニックネームに対するユーザの反応を判定し、判定結果に基づいて、ニックネームを採用する例について説明した。
図8に示すように、ロボット100は、他のロボット200とクラウドサーバ300を介して人物情報DB300Dを共有してもよい。この例では、ロボット200は、ロボット100と同じ構成を有する。ロボット100とロボット200は、同じ家の別の部屋で用いられてもよく、別の家庭で用いられてもよい。ロボット100、200の通信部120は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールから構成され、インターネットなどのネットワークを介して、クラウドサーバ300にアクセスする。クラウドサーバ300は、人物情報DB300Dを記憶する。ロボット200の人物情報DB117Dが更新されると、ロボット200は、人物情報DB117Dのうち更新したデータをクラウドサーバ300に送信する。クラウドサーバ300は、更新したデータを受信すると、クラウドサーバ300に記憶した人物情報DB300Dを更新する。ロボット100がクラウドサーバ300にアクセスすると、クラウドサーバ300に記憶された人物情報DB300Dと、ロボット100に記憶された人物情報DB117Dとを比較し、異なるデータがあれば、異なるデータをダウンロードする。その後、ロボット100は、人物情報DB117Dを更新する。このようにすることで、ロボット100、200は、クラウドサーバ300を介して人物情報DB117Dを共有でき、より好ましいニックネームをもちいてユーザと対話できる。これにより、ロボット100、200により親しみが生じる。
【0056】
前述の実施の形態では、ロボット100、200が、ユーザのニックネームを生成する例について説明したが、ロボット100、200は、自装置のニックネームを生成してもよい。この場合、生成部111は、自装置のニックネーム(以下「ロボットニックネーム」という)を生成し、提示部112は、生成されたロボットニックネームをユーザに提示し、反応判定部113は、提示されたロボットニックネームに対するユーザの反応を判定し、採用部114は、反応判定部113による判定結果に基づいて、当該判定結果に対応するニックネームを採用する。生成部111は、自装置に名前が付与されている場合、この名前に基づいて、自装置のニックネームを生成する。採用されたロボットニックネームでロボット100、200が呼ばれたとき、ロボット100、200は、ユーザに反応する。また、ロボット100、200が、ロボットニックネームを用いてユーザと対話することで、ロボット100、200により親しみが生じる。
【0057】
前述の実施の形態では、生成部111が、名前の一部に「チャン」、「クン」などを付加するなどしてニックネームを生成する例について説明した。生成部111は、ニックネームを生成できればよく、他の方法で生成してもよい。例えば、生成部111は、インターネットなどのネットワークにアクセスし、名前に応じたニックネームを検索し、検索して得られた結果により、ニックネームを生成してもよい。
【0058】
前述の実施の形態では、提示部112が、ニックネームをユーザにスピーカ105から音声を用いて提示する例について説明した。提示部112は、ユーザにニックネームを提示できればよく、ディスプレイにニックネームを表示してもよい。
【0059】
前述の実施の形態では、反応判定部113が、ユーザの表情または言動に基づいて、ニックネームに対するユーザの反応を判定する例について説明した。反応判定部113は、ユーザの反応を判定することができればよく、ニックネームに好感を持てた、好感を持てなかった(嫌悪感を持った)等の情報を操作部から受け付け、受け付けた情報により判定してもよい。また、反応判定部113は、ユーザに取り付けられたウエアラブルデバイスにより心拍数や体温などの情報を取得し、心拍数や体温の変化に基づいて、ユーザの反応を判定してもよい。
【0060】
前述の実施の形態では、採用部114が、反応判定部113による評価値が基準値以上となったニックネームを採用する例について説明した。採用部114は、反応判定部113による判定結果に基づいてニックネームを採用すればよく、反応判定部113によりユーザが好感を示したと判定されたニックネームを採用してもよい。
【0061】
前述の実施の形態では、状況判別部115は、ロボット100の周囲に、一人のユーザがいる状況であるか、複数のユーザがいる状況であるか、を判別する例について説明した。状況判別部115は、状況を判別すればよく、時間帯(朝、昼または夜)により状況を判別してもよい。また、状況判別部115は、リビングルーム、寝室、またはベランダにいるかなどの場所により状況を判別してもよい。
【0062】
前述の実施の形態では、ロボット100、200が初期設定で人物情報DB117Dにユーザの名前等を記憶する例について説明した。ロボット100、200は、初期設定で人物情報DB117Dにユーザの名前等を記憶した後で、ユーザを追加して登録してもよい。この場合、追加してユーザの顔画像、名前等のデータが人物情報DB117Dに記憶されると、生成部111は、追加して登録したユーザのニックネームを生成する。
【0063】
前述の実施の形態では、所定の対象が人である例について説明した。所定の対象は、ロボット100、200と対話できるものであればよく、人であってもよく、犬や猫などの動物であってもよく、ロボット100、200以外の他のロボットであってもよい。
【0064】
前述の実施の形態では、ロボット100、200が、人を模した形状を有する例について説明したが、ロボット100、200の形状は、特に限定されず、例えば、犬又は猫を含む動物を模した形状を有してもよく、アニメーションのキャラクタや想像上の生き物を模した形状であってもよい。
【0065】
また、前述の実施の形態では、情報処理装置として機能する制御部110がロボットに用いられる例を説明したが、制御部110は、ロボットに用いられる場合に限定されず、タブレットPC、AI(Artificial Intelligence)スピーカ等の電子機器に用いられてもよい。例えば、制御部110がタブレットPCに用いられる場合、提示部112は、例えば、ユーザにニックネームをディスプレイに表示し、反応判定部113は、ニックネームに好感を持てた、好感を持てなかった(嫌悪感を持った)等の情報をタッチパネル等の操作部から受け付け、受け付けた情報によりユーザの反応を判定する。
【0066】
また、CPU、RAM、ROM等から構成される制御部110が実行する処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常の情報携帯端末(スマートフォン、タブレットPC)、パーソナルコンピュータなどを用いて実行可能である。たとえば、前述の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、このコンピュータプログラムを情報携帯端末などにインストールすることにより、前述の処理を実行する情報端末を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置にこのコンピュータプログラムを格納しておき、通常の情報処理端末などがダウンロード等することで情報処理装置を構成してもよい。
【0067】
また、制御部110の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムとの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0068】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にこのコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してこのコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【0069】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲とを逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、前述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0070】
(付記1)
所定の対象のニックネームを生成する生成手段と、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段と、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を判定する反応判定手段と、
前記反応判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果に対応するニックネームを採用する採用手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【0071】
(付記2)
前記ニックネームが提示されたときの状況である提示状況を判別する状況判別手段と、
前記反応判定手段による判定結果、及び、当該判定結果に対応するニックネームを、前記状況判別手段により判別された提示状況とともに記憶する記憶手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0072】
(付記3)
前記状況判別手段は、現在の状況をさらに判別し、
前記採用手段は、前記記憶手段に記憶されたニックネームのうち、前記判別された状況に応じた前記提示状況に対応するニックネームを、当該ニックネームに対応する前記判定結果に基づいて採用する、
ことを特徴とする付記2に記載の情報処理装置。
【0073】
(付記4)
前記記憶手段は、前記記憶した判定結果、当該判定結果に対応するニックネーム、及び、前記判別された提示状況を、当該情報処理装置以外の情報処理装置と共有する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の情報処理装置。
【0074】
(付記5)
前記生成手段は、前記ニックネームとして複数のニックネームを生成し、
前記提示手段は、生成された複数の前記ニックネームを前記所定の対象に提示し、
前記反応判定手段は、提示された複数の前記ニックネームの各々に対する前記所定の対象の反応をそれぞれ判定する、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0075】
(付記6)
前記提示手段は、前記ニックネームを、前記所定の対象に音声を用いて提示する、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0076】
(付記7)
前記反応判定手段は、前記所定の対象の表情及び前記所定の対象の言動の少なくとも一方に基づいて、提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を判定する、
ことを特徴とする付記1乃至6の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0077】
(付記8)
前記採用手段により採用されたニックネームを用いて、前記所定の対象との対話を行う対話手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1乃至7の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0078】
(付記9)
前記生成手段は、自装置のニックネームである自装置ニックネームを生成し、
前記提示手段は、生成された前記自装置ニックネームを前記所定の対象に提示し、
前記反応判定手段は、提示された前記自装置ニックネームに対する前記所定の対象の反応を判定し、
前記採用手段は、前記反応判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果に対応する自装置ニックネームを採用する、
ことを特徴とする付記1乃至8の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0079】
(付記10)
付記1乃至9の何れか1つに記載の情報処理装置を備える、
ことを特徴とするロボット。
【0080】
(付記11)
所定の対象のニックネームを生成する生成ステップと、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示ステップと、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を判定する反応判定ステップと、
前記反応判定ステップによる判定結果に基づいて、当該判定結果に対応するニックネームを採用する採用ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【0081】
(付記12)
コンピュータを、
所定の対象のニックネームを生成する生成手段、
生成された前記ニックネームを前記所定の対象に提示する提示手段、
提示された前記ニックネームに対する前記所定の対象の反応を判定する反応判定手段、
前記反応判定手段による判定結果に基づいて、当該判定結果に対応するニックネームを採用する採用手段、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0082】
100、200…ロボット、101…頭部、102…胴体部、103…マイク、104…撮像部、105…スピーカ、110…制御部、111…生成部、112…提示部、113…反応判定部、114…採用部、115…状況判別部、116…対話部、117…記憶部、117D、300D…人物情報DB、120…通信部、130…操作部、300…クラウドサーバ