(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】ブラケットの取付構造
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20230110BHJP
H05K 7/12 20060101ALI20230110BHJP
H02G 3/08 20060101ALN20230110BHJP
【FI】
B60R16/02 610J
H05K7/12 N
H02G3/08
(21)【出願番号】P 2019005107
(22)【出願日】2019-01-16
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健太
(72)【発明者】
【氏名】塩屋 健也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】中井 貴之
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-069257(JP,U)
【文献】特開2017-031988(JP,A)
【文献】特開2014-240235(JP,A)
【文献】特開2002-262433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
H05K 7/12
H02G 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載部品をボデーに取り付けるために用いられるブラケットの取付構造であって、
前記ブラケットは、板材により形成されるブラケット本体部と、前記ブラケット本体部に連続するとともに前記ボデーに取り付けられるブラケット取付部と、を有し、
前記ブラケット取付部は、前記ブラケット本体部の長手方向の一端部に連続し、かつ第1屈曲部を介して前記ブラケット本体部の長手方向とは異なる方向に延びており、
前記ボデーは、前記ブラケット取付部が取り付けられる被取付部を有し、
前記ブラケットは、少なくとも
前記ブラケット本体部から立設される一対のフランジを有し、
前記一対のフランジの一部分は、前記ブラケット本体部と前記ブラケット取付部との両方に跨るようにそれぞれ延びるとともに重力方向両側にそれぞれ位置するように前記ボデーに対して配置され、
前記ボデーは、前記ボデーにおける前記被取付部を挟んだ重力方向両側の部位に、前記一対のフランジの一部分それぞれが当接する一対の当接面を有して
おり、
前記ブラケットは、前記ブラケット取付部から突出する挿入部を有し、
前記ボデーは、前記挿入部が挿入される被挿入部を有し、
前記挿入部における前記被挿入部に対する挿入が行われることにより、前記一対のフランジの一部分が前記一対の当接面に対して前記重力方向でそれぞれ対向配置されることを特徴とするブラケットの取付構造。
【請求項2】
前記挿入部は、前記ブラケット取付部における前記ブラケット本体部とは反対側の端部から突出していることを特徴とする請求項
1に記載のブラケットの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載部品をボデーに取り付けるために用いられるブラケットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、自動車の車載部品を、ブラケット(筐体保持部材)を用いて自動車のボデーに取り付ける構造が開示されている。ブラケットは、例えば、金属材料から形成された板材のプレス成形品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなブラケットの取付構造においては、例えば、ボデーに引っ掛けられる引掛部をブラケットに設け、ブラケットをボデーに対して取り付ける際に、引掛部をボデーに対して引っ掛けることにより、ブラケットをボデーに対して仮保持させることが考えられる。これによれば、ブラケットにおけるボデーに対する取り付け作業性が向上する。
【0005】
しかしながら、ブラケットがボデーに対して仮保持されている際のブラケットにおけるボデーに対する姿勢によっては、ブラケットが引掛部を回動中心としてボデーに対して回動してしまう場合がある。そこで、ブラケットがボデーに対して仮保持されている際に、ブラケットが引掛部を回動中心としてボデーに対して回動してしまうことを抑えるために、ブラケットに回り止め部を設けることが考えられる。しかし、このように、ブラケットをボデーに対して仮保持させるための引掛部と、ブラケットが引掛部を回動中心としてボデーに対して回動してしまうことを抑えるための回り止め部とをブラケットに別々に設けると、ブラケットの構成が複雑化する。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ブラケットの構成を簡素化することができるブラケットの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するブラケットの取付構造は、車載部品をボデーに取り付けるために用いられるブラケットの取付構造であって、前記ブラケットは、板材により形成されるブラケット本体部と、前記ブラケット本体部に連続するとともに前記ボデーに取り付けられるブラケット取付部と、を有し、前記ボデーは、前記ブラケット取付部が取り付けられる被取付部を有し、前記ブラケットは、少なくともブラケット本体部から立設される一対のフランジを有し、前記一対のフランジの一部分は、前記ブラケット本体部と前記ブラケット取付部との両方に跨るようにそれぞれ延びるとともに重力方向両側にそれぞれ位置するように前記ボデーに対して配置され、前記ボデーは、前記ボデーにおける前記被取付部を挟んだ重力方向両側の部位に、前記一対のフランジの一部分それぞれが当接する一対の当接面を有している。
【0008】
これによれば、ブラケットをボデーに対して取り付ける際に、ブラケットが、例えば、ブラケット取付部を回動中心としてボデーに対して回動しようとしても、一対のフランジの一部分が、ボデーの一対の当接面にそれぞれ当接する。これにより、ブラケットが、ブラケット取付部を回動中心としてボデーに対して回動してしまうことが抑制された状態でボデーに対して仮保持される。一対のフランジは、ブラケットの強度を確保するために必要な構成である。そして、一対のフランジの一部分を、ブラケット本体部とブラケット取付部との両方に跨るようにそれぞれ延ばすとともに重力方向両側にそれぞれ位置するようにボデーに対して配置するだけで、ブラケットをボデーに対して仮保持させ、且つブラケットがボデーに対して回動してしまうことを抑えることができる。したがって、ブラケットをボデーに対して仮保持させる部分と、ブラケットがボデーに対して回動してしまうことを抑える部分とを、ブラケットに別々に設ける必要が無く、ブラケットの構成を簡素化することができる。
【0009】
上記ブラケットの取付構造において、前記ブラケットは、前記ブラケット取付部から突出する挿入部を有し、前記ボデーは、前記挿入部が挿入される被挿入部を有し、前記挿入部における前記被挿入部に対する挿入が行われることにより、前記一対のフランジの一部分が前記一対の当接面に対して前記重力方向でそれぞれ対向配置されるとよい。
【0010】
これによれば、挿入部を被挿入部に挿入することにより、一対のフランジの一部分がボデーの一対の当接面に対して重力方向でそれぞれ対向配置される。したがって、例えば、ブラケットにおけるボデーに対する取付作業が暗い場所で行われる場合であっても、挿入部が被挿入部に挿入され始めたことを作業者が感覚的に把握することによって、ブラケットがボデーに対する取付位置に配置されたことを把握することができる。そして、挿入部における被挿入部への挿入をさらに行うことにより、一対のフランジの一部分が、ボデーの一対の当接面に対して重力方向でそれぞれ対向配置される。したがって、ブラケットにおけるボデーに対する取り付け作業性を向上させることができる。
【0011】
上記ブラケットの取付構造において、前記挿入部は、前記ブラケット取付部における前記ブラケット本体部とは反対側の端部から突出しているとよい。
これによれば、挿入部を被挿入部に挿入し易くなるため、ブラケットにおけるボデーに対する取り付け作業性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ブラケットの構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態におけるブラケットの取付構造を示す平面図。
【
図4】ブラケット取付部が被取付部に取り付けられている状態を示す断面図。
【
図5】挿入部が被挿入部に挿入されている状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ブラケットの取付構造を具体化した一実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。
図1に示すように、ブラケット10は、車載部品であるECU11を車両のボデー12に取り付けるために用いられている。ブラケット10は、ボルト13を介してボデー12に取り付けられている。
【0015】
図2及び
図3に示すように、ブラケット10は、金属材料から形成されている。ブラケット10は、例えば、鉄製の板材である。ブラケット10は、細長薄板材により形成されるブラケット本体部21と、ブラケット本体部21の長手方向の一端部に連続する薄板材のブラケット取付部22と、ブラケット本体部21の長手方向の他端部に連続する薄板材の部品取付部23と、を有している。ブラケット本体部21の短手方向は、ブラケット10の幅方向である。
【0016】
ブラケット取付部22は、ブラケット本体部21の長手方向に対して直交する方向に延びている。部品取付部23は、ブラケット本体部21の長手方向に対して直交する方向に延びている。部品取付部23におけるブラケット本体部21に対して延びる向きは、ブラケット取付部22におけるブラケット本体部21に対して延びる向きとは反対向きである。
【0017】
ブラケット本体部21、ブラケット取付部22、及び部品取付部23は、プレス成形された一枚の板材を折り曲げることによりそれぞれ形成されている。したがって、ブラケット10は、ブラケット本体部21の長手方向の一端部とブラケット取付部22とを接続する第1屈曲部24と、ブラケット本体部21の長手方向の他端部と部品取付部23とを接続する第2屈曲部25と、を有している。第1屈曲部24及び第2屈曲部25の幅は、ブラケット本体部21の幅と同じである。ブラケット取付部22は、第1屈曲部24におけるブラケット本体部21とは反対側の端部に連続するとともに、部品取付部23は、第2屈曲部25におけるブラケット本体部21とは反対側の端部に連続している。ブラケット取付部22は、第1屈曲部24を介してブラケット本体部21の長手方向の一端部に連続している。部品取付部23は、第2屈曲部25を介してブラケット本体部21の長手方向の他端部に連続している。
【0018】
部品取付部23の幅は、第2屈曲部25の幅よりも小さい。部品取付部23は、部品取付用孔23aを有している。部品取付用孔23aは、部品取付部23における第2屈曲部25とは反対側に位置する部位に対して、部品取付部23の厚み方向に貫通する円孔状である。部品取付用孔23aは、部品取付部23の幅方向の中央部に位置している。そして、ECU11に設けられる図示しない突起が部品取付用孔23aに圧入されることにより、部品取付部23にECU11が取り付けられている。
【0019】
ブラケット取付部22は、第1屈曲部24におけるブラケット本体部21とは反対側の端部に連続する延設部22aと、延設部22aにおける第1屈曲部24とは反対側の端縁221aから膨出する膨出部22bと、を有している。延設部22aの幅は、ブラケット本体部21の幅と同じである。
【0020】
ブラケット取付部22は、ボルト挿通孔22hを有している。ボルト挿通孔22hは、延設部22aにおける第1屈曲部24とは反対側に位置する部位に対して、延設部22aの厚み方向に貫通する円孔状である。よって、ボルト挿通孔22hは、延設部22aにおける膨出部22b寄りに位置している。ボルト挿通孔22hは、延設部22aの幅方向の中央部に位置している。
【0021】
膨出部22bの外面221bは、延設部22aの端縁221aに連続するとともに、ボルト挿通孔22hの周囲でボルト挿通孔22hの内周面に沿って延びる湾曲面である。膨出部22bは、ブラケット取付部22におけるブラケット本体部21とは反対側の端部である。
【0022】
ブラケット10は、ブラケット取付部22から突出する挿入部26を有している。挿入部26は、膨出部22bにおける延設部22aの端縁221aから最も離れた部位から突出する細長板状である。したがって、挿入部26は、ブラケット取付部22におけるブラケット本体部21とは反対側の端部から突出している。挿入部26における膨出部22bからの突出方向は、延設部22aにおけるブラケット本体部21に対する延設方向と一致している。挿入部26の長手方向は、挿入部26における膨出部22bからの突出方向に一致している。挿入部26は、延設部22aにおけるブラケット本体部21に対する延設方向でボルト挿通孔22hと重なる位置に配置されている。
【0023】
ブラケット10は、ブラケット10の幅方向に位置する両側縁から立設される一対のフランジ31を有している。一対のフランジ31は、第2屈曲部25、ブラケット本体部21、第1屈曲部24、及び延設部22aに連続して延びている。具体的には、一対のフランジ31の一部分は、第2屈曲部25の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されている。また、一対のフランジ31の一部分は、ブラケット本体部21の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されている。さらに、一対のフランジ31の一部分は、第1屈曲部24の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されている。また、一対のフランジ31の一部分は、延設部22aの幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されている。したがって、一対のフランジ31は、少なくともブラケット本体部21の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されている。そして、一対のフランジ31の一部分は、ブラケット本体部21の両側縁からブラケット取付部22の延設部22aの両側縁までそれぞれ延びている。したがって、一対のフランジ31の一部分は、ブラケット本体部21の両側縁とブラケット取付部22の延設部22aの両側縁との両方に跨るようにそれぞれ延びている。
【0024】
図4に示すように、ボデー12は、ブラケット取付部22が取り付けられる被取付部14を有している。したがって、ブラケット取付部22は、ボデー12に取り付けられる。被取付部14は、重力方向に延び、且つ水平方向に延びる平坦面である。また、ボデー12は、被取付部14における重力方向上側の端縁に連続するとともに水平方向に延びる上面15aと、被取付部14における重力方向下側の端縁に連続するとともに水平方向に延びる下面15bと、を有している。上面15a及び下面15bは、ボデー12における被取付部14を挟んだ重力方向両側の部位である。
【0025】
被取付部14には、収容凹部14aが形成されている。収容凹部14a内には、ナット16が埋設されている。そして、ブラケット取付部22は、ボルト挿通孔22hを通過したボルト13がナット16にねじ込まれることにより、被取付部14に取り付けられている。
【0026】
一対のフランジ31の内面31a同士の間の長さL1は、被取付部14の重力方向の長さL2よりも長い。そして、ブラケット取付部22が被取付部14に取り付けられた状態において、一対のフランジ31の一方における延設部22aの側縁から立設された部分の内面は、ボデー12の上面15aに対して重力方向上側に位置する。また、ブラケット取付部22が被取付部14に取り付けられた状態において、一対のフランジ31の他方における延設部22aの側縁から立設された部分の内面は、ボデー12の下面15bに対して重力方向下側に位置する。したがって、一対のフランジ31の一部分は、重力方向両側にそれぞれ位置するようにボデー12に対して配置されている。
【0027】
ブラケット取付部22が被取付部14に取り付けられた状態において、一対のフランジ31の一方における延設部22aの側縁から立設された部分の内面は、ボデー12の上面15aに当接可能になっている。また、ブラケット取付部22が被取付部14に取り付けられた状態において、一対のフランジ31の他方における延設部22aの側縁から立設された部分の内面は、ボデー12の下面15bに当接可能になっている。したがって、一対のフランジ31における延設部22aの幅方向に位置する両側縁から立設された部分は、ボデー12における被取付部14を挟んだ重力方向両側の部位にそれぞれ当接可能な一対のフランジ当接部32になっている。よって、ボデー12は、一対のフランジ31の一部分それぞれが当接する一対の当接面である上面15a及び下面15bを有している。
【0028】
図5に示すように、ボデー12は、挿入部26が挿入される被挿入部27を有している。被挿入部27は、ボデー12に形成されるとともに水平方向に延びる細長四角孔状の貫通孔である。そして、挿入部26における被挿入部27に対する挿入が行われることにより、一対のフランジ当接部32が、ボデー12の上面15a及び下面15bそれぞれに対して重力方向で対向配置される。
【0029】
次に、本実施形態の作用について説明する。
上記構成のブラケット10の取付構造では、ECU11が部品取付部23に対して予め取り付けられた状態のブラケット10をボデー12に対して取り付ける際に、まず、挿入部26を被挿入部27に挿入する。この挿入部26における被挿入部27への挿入が行われることに伴って、一対のフランジ当接部32が、ボデー12における被取付部14を挟んだ重力方向両側の部位である上面15a及び下面15bに対して重力方向でそれぞれ対向配置される。
【0030】
このとき、ブラケット10が、例えば、
図4に示すように、ブラケット取付部22の収容凹部14aの軸心C1を回動中心としてボデー12に対して回動しようとしても、一対のフランジ当接部32が、ボデー12における被取付部14を挟んだ重力方向両側の部位である上面15a及び下面15bにそれぞれ当接する。これにより、ブラケット10が、ブラケット取付部22の収容凹部14aの軸心C1を回動中心としてボデー12に対して回動してしまうことが抑制された状態でボデー12に対して仮保持される。そして、ボルト挿通孔22hを通過したボルト13がナット16にねじ込まれることで、ブラケット取付部22が被取付部14に取り付けられる。これによって、ブラケット10がボデー12に対して取り付けられる。
【0031】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)一対のフランジ31の一部分は、ブラケット本体部21の両側縁とブラケット取付部22の延設部22aの両側縁との両方に跨るようにそれぞれ延びるとともに重力方向両側にそれぞれ位置するようにボデー12に対して配置されている。ボデー12は、一対のフランジ31の一部分それぞれが当接する一対の当接面である上面15a及び下面15bを有している。一対のフランジ31は、ブラケット10の強度を確保するために必要な構成である。そして、一対のフランジ31の一部分を、ブラケット本体部21の両側縁とブラケット取付部22の両側縁との両方に跨るようにそれぞれ延ばすとともに重力方向両側にそれぞれ位置するようにボデー12に対して配置するだけで、ブラケット10をボデー12に対して仮保持させ、且つブラケット10がボデー12に対して回動してしまうことを抑えることができる。したがって、ブラケット10をボデー12に対して仮保持させる部分と、ブラケット10がボデー12に対して回動してしまうことを抑える部分とを、ブラケット10に別々に設ける必要が無く、ブラケット10の構成を簡素化することができる。
【0032】
(2)挿入部26を被挿入部27に挿入することにより、一対のフランジ31の一部分が、ボデー12の上面15a及び下面15bに対して重力方向でそれぞれ対向配置される。したがって、例えば、ブラケット10におけるボデー12に対する取付作業が暗い場所で行われる場合であっても、挿入部26が被挿入部27に挿入され始めたことを作業者が感覚的に把握することによって、ブラケット10がボデー12に対する取付位置に配置されたことを把握することができる。そして、挿入部26における被挿入部27への挿入をさらに行うことにより、一対のフランジ31の一部分が、ボデー12の上面15a及び下面15bに対して重力方向でそれぞれ対向配置される。したがって、ブラケット10におけるボデー12に対する取り付け作業性を向上させることができる。
【0033】
(3)挿入部26は、ブラケット取付部22におけるブラケット本体部21とは反対側の端部から突出している。これによれば、挿入部26を被挿入部27に挿入し易くなるため、ブラケット10におけるボデー12に対する取り付け作業性をさらに向上させることができる。
【0034】
(4)ブラケット10をボデー12に対して仮保持させる部分と、ブラケット10がボデー12に対して回動してしまうことを抑える部分とを、ブラケット10に別々に設ける必要が無いため、ブラケット10をボデー12に対して取り付けた後に不要となるブラケット10の部分を極力無くすことができ、ブラケット10の質量を抑えることができる。
【0035】
(5)一対のフランジ31の一部分を、ブラケット本体部21の両側縁とブラケット取付部22の両側縁との両方に跨るようにそれぞれ延ばしたため、ブラケット10の強度を向上させることができる。
【0036】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0037】
○ 実施形態において、一対のフランジ31の一部分が、例えば、第2屈曲部25の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されていなくてもよい。また、一対のフランジ31の一部分が、例えば、ブラケット本体部21の幅方向に位置する両側縁における第2屈曲部25側の部位から立設されていなくてもよい。
【0038】
○ 実施形態において、一対のフランジ31が、ブラケット本体部21の幅方向に位置する両側縁からそれぞれ立設されていなくてもよく、例えば、ブラケット本体部21の両側縁よりも幅方向内側に位置する部分からそれぞれ立設されていてもよい。要は、一対のフランジ31は、少なくともブラケット本体部21からそれぞれ立設されていればよい。そして、一対のフランジ31の一部分がブラケット本体部21とブラケット取付部22との両方に跨るようにそれぞれ延びていればよい。
【0039】
○ 実施形態において、挿入部26が、ブラケット取付部22におけるブラケット本体部21とは反対側の端部から突出していなくてもよく、挿入部26におけるブラケット取付部22からの突出位置は特に限定されるものではない。
【0040】
○ 実施形態において、被挿入部27は、ボデー12に形成される貫通孔でなくてもよく、例えば、ボデー12に形成される凹部であってもよい。要は、ボデー12に、挿入部26が挿入される被挿入部として、孔や凹み、切欠などが形成されていればよい。
【0041】
○ 実施形態において、挿入部26は、細長板状でなくてもよく、例えば、円柱状であってもよい。要は、挿入部26の形状は、ボデー12に形成される被挿入部27に対して挿入可能であれば、特に限定されるものではない。
【0042】
○ 実施形態において、ブラケット10は、ブラケット取付部22から突出する挿入部26を有していない構成であってもよい。この場合、ボデー12は、被挿入部27を有していなくてよい。
【0043】
○ 実施形態において、ブラケット10は、延設部22aの幅が、ブラケット本体部21の幅よりも小さい構成であってもよいし、延設部22aの幅が、ブラケット本体部21の幅よりも大きい構成であってもよい。
【0044】
○ 実施形態において、ブラケット取付部22は、膨出部22bを有していない構成であってもよい。この場合、例えば、延設部22aにおける第1屈曲部24とは反対側の端縁221aから挿入部26が突出していてもよい。
【0045】
○ 実施形態において、ブラケット10は、部品取付部23を有していない構成であってもよい。そして、ブラケット10は、例えば、ブラケット本体部21に対してECU11が取り付けられる構成であってもよい。
【0046】
○ 実施形態において、ブラケット10の材質は、特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、車載部品は、ECUに限らず、車両に搭載される部品であれば、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
10…ブラケット、11…車載部品であるECU、12…ボデー、14…被取付部、15a…当接面である上面、15b…当接面である下面、21…ブラケット本体部、22…ブラケット取付部、26…挿入部、27…被挿入部、31…フランジ。