(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】焼結鉱の製造方法
(51)【国際特許分類】
C22B 1/16 20060101AFI20230110BHJP
C22B 1/20 20060101ALN20230110BHJP
【FI】
C22B1/16 K
C22B1/20 L
(21)【出願番号】P 2019079181
(22)【出願日】2019-04-18
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 謙一
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-185356(JP,A)
【文献】特開2004-204332(JP,A)
【文献】特開2016-125125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/16
C22B 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鉱石、石灰石、MgO含有副原料、炭材および返鉱を配合した焼結原料を造粒処理して下方吸引式焼結機のパレットに装入し、焼成する焼結鉱の製造方法において、
前記炭材の平均粒径(MS
C)は2.0mmを超え2.8mm以下であり、
前記石灰石の平均粒径(MS
L)と前記炭材の平均粒径(MS
C)の比率が、0.94≦MS
L/MS
C≦1.2であること
を特徴とする焼結鉱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本の高炉用原料は、主に焼結鉱である。焼結鉱は、主原料である鉄鉱石等の含鉄原料粉、副原料、炭材および返鉱が配合されて作られる。
【0003】
焼結鉱は、通常、次のように製造される。まず、主原料である鉄鉱石等の含鉄原料粉に対し、副原料、炭材および返鉱を所定の割合で混合し、さらに混合物に適当な水分を加えて造粒して配合原料(以下、焼結原料ともいう)とする。
【0004】
次に、この焼結原料を、下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機(以下、焼結機ともいう)に装入する。具体的には、焼結原料は、焼結機直上のホッパより原料切出装置により定量が切出され、装入シュートを介してパレット上に装入、載置されて原料充填層を形成する。形成された原料充填層中の上層(表層)の炭材に、点火炉によって点火する。そして、パレットを連続的に移動させながらパレットの下方から空気を吸引することにより酸素を供給し、原料充填層内の炭材の燃焼を上層から下層に向けて進行させる。炭材の燃焼熱により、原料充填層を上層側から下層側に順次焼結させる。得られた焼結部(シンターケーキ)は、所定の粒度に粉砕、篩分けにより整粒され、一定の粒径以上のものが高炉用原料である焼結鉱となる。なお、一定粒径未満のもの(通常は-5mm)は、返鉱として回収され、焼結原料の一部として再使用される。
【0005】
ここで、焼結原料は、装入シュートの傾斜面を介してパレット上に装入される。そのため、装入された焼結原料はパレット上に載置される際に斜面を形成し、この斜面において転動分級作用が起こる。この転動分級作用により、原料充填層の層厚(層高)方向に粒度偏析が起き、焼結原料は粒度が小さいものが原料充填層の上層側に、粒度が大きいものが原料充填層の下層側に装入されやすくなる。
【0006】
また、下方吸引式の焼結機による焼結過程においては、下方から空気を吸引するため、原料充填層の層厚方向により、原料が受ける熱量が異なる。上層側では、吸引される低温の空気により熱量が不足しがちであるのに対し、下層側では、上層側での燃焼の余熱により熱量過剰となる。
【0007】
このような層厚方向における焼結原料の粒度偏析および層厚方向における受ける熱量の違いによって、層厚方向に主原料である鉄鉱石の融液の量の偏りが生じ、層厚方向で焼成される焼結鉱の歩留や品質が異なってくる。その結果、全体としての歩留が低下してしまうことがあるが、それを防ぐために、焼結原料の層厚方向の分布や融点を左右する成分の濃度を制御する技術が開示されている。
【0008】
例えば、造粒前の焼結原料に含まれる炭材の粒径を調整したり(特許文献1)、コークスの粒度や石灰石の粒度を調整したり(特許文献2)して、焼結鉱を製造する技術が開示されている。
【0009】
特許文献1,2には、焼結原料に配合するコークスや石灰石の粒度分布を焼成前に調整することにより、ミクロ気孔生成増により高温還元・軟化溶融性状の優れた焼結鉱を製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開平07-3342号公報
【文献】特開平08-120350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の特許文献1および特許文献2に記載された技術では、炭材および石灰石の粒度をそれぞれ別個に調整することが示されている。しかしながら、炭材と石灰石という二つの原料を、適正な粒度の組み合わせに調整することにより、焼結鉱の歩留向上を可能とする焼結鉱の製造方法については、これまで提案されていなかった。
【0012】
本発明の目的は、配合原料を造粒処理して下方吸引式焼結機のパレットに装入し、焼成する焼結鉱の製造方法において、歩留の向上を可能とする焼結鉱の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
鉄鉱石、石灰石、MgO含有副原料、炭材および返鉱を配合した焼結原料を造粒処理して下方吸引式焼結機のパレットに装入し、焼成する焼結鉱の製造方法において、
前記炭材の平均粒径(MSC)は2.0mmを超え2.8mm以下であり、
前記石灰石の平均粒径(MSL)と前記炭材の平均粒径(MSC)の比率が、0.94≦MSL/MSC≦1.2であること
を特徴とする焼結鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、炭材と石灰石をこれらの粒径比率に基づいて調整することにより、両原料の粒度偏析を制御して歩留を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実験において使用した篩分け装置を模式的に示す図である。
【
図2】コークスの平均粒径(MS
C)と成品歩留との関係を示す図である。
【
図3】コークスの平均粒径(MS
C)と石灰石の平均粒径(MS
L)との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に課題を解決した経緯について詳細に説明する。
【0017】
焼結鉱は、主原料である鉄鉱石等の含鉄原料粉、副原料、炭材および返鉱が配合されて作られる。鉄鉱石は、焼結原料の約70質量%以上85質量%以下を占め、10mm以下の粒度範囲のものが使用されている。通常は5種類から10種類の鉄鉱石銘柄が混合され、その配合割合に応じて、鉄鉱石の平均粒径は1.3mm以上2.5mm以下の範囲とされている。副原料は、石灰石、生石灰などのCaO含有副原料、橄欖岩、ニッケルスラグなどのMgO含有副原料である。炭材は、通常使用されるコークスや無煙炭の他、石炭チャーなど、焼結の発熱源となる炭素成分(フリーカーボン)を主体とする材料である。
【0018】
焼結過程において、炭材は、原料充填層内の鉄鉱石の周囲に融液を生成させる熱源となる。石灰石は融液の原料であり、炭材の燃焼により溶融する。石灰石中のCaOが鉄鉱石中のFe2O3と反応して、カルシウムフェライト(CaO・Fe2O3)系融液を生成し、この融液により配合原料(焼結原料)の塊成化が進む。そのため、焼結原料の融液生成(焼結)反応において、石灰石および炭材は、融液の発生量、すなわち、焼成される焼結鉱の強度を左右し、歩留に直結する重要な要素となっている。
【0019】
石灰石は、その粒度が小さいと溶融しやすくなるが、小さすぎるとパレットに装入した際に原料充填層の通気抵抗が上がり、生産性を低下させてしまう。また、石灰石は、その粒度が大きく溶け残った場合には、融液の生成量が減少する。融液の生成量の不足により、シンターケーキ内に未焼結の部分が残り、結果として強度不足により歩留が低下する。ここで、上述した層厚方向における焼結原料の粒度偏析は、焼結原料である炭材や石灰石についても同様であり、粒度の粗いものが下層に、粒度の細かいものが上層に偏ることが知られている。
【0020】
本発明者は、上述のような炭材と石灰石の粒度偏析、すなわち、粒度によって層厚方向の賦存量がそれぞれ変化することに着目した。融液生成の熱源となるコークスと融液の原料となる石灰石とを、層厚方向において同様に偏析させることにより、石灰石の溶け残りを防止して焼結に必要な融液を発生させることができると考えた。つまり、炭材の粒度(平均粒径MSC)と石灰石の粒度(平均粒径MSL)との両方を粒径比率に基づいて調整することにより、融液を生成させる熱源であるフリーカーボンと、融液の原料となるCaOの両成分の層厚方向における偏析状態が同様になるように制御することができる。その結果として、層厚方向における融液の発生量を制御することができ、焼結鉱の歩留を向上させることが可能であると考えた。
【0021】
そこで、本発明者は、炭材の粒度と石灰石の粒度について、適正な粒径比率の範囲を調べた。具体的には、粒度の異なる炭材、粒度の異なる石灰石を複数用意し、これらをそれぞれ組み合わせて配合した焼結原料について焼結鍋試験を実施し、焼結工程の各歩留を調べた。その結果、従来の粒度(平均粒径1.5mm以上1.8mm以下)よりも粒度の大きい平均粒径が2.0mmを超え2.8mm以下の炭材を用いた場合でも、石灰石の粒度(以下、「石灰石の平均粒径」「MSL」ともいう)と炭材の粒度(以下、「炭材の平均粒径」または「MSC」ともいう)との比率とが、「0.94≦MSL/MSC≦1.2」となるように調整することにより、焼結鉱の歩留の向上効果が得られることを見出した。ここで、炭材の平均粒径が2.0mm以下であるとパレットの下層部の炭材量が少なくなり、下層部の熱量不足で歩留が低下し、2.8mmよりも大きいとパレットの下層部の炭材量が多くなりすぎ、パレットのグレート面の焼き付きが発生して安定した操業が困難となる可能性がある。また、「MSL/MSC」の値が0.94未満であると、石灰石の粒度が小さく原料粒子間の隙間を埋めてしまうため、融液の生成量が多すぎてしまい原料充填層の通気性が悪化して歩留が低下する。「MSL/MSC」の値が1.2よりも大きいと、石灰石の粒度が大きくなるため、石灰石の溶けにくくなり、融液の生成量が少なくなり未焼結部分が発生し歩留が低下する。本願は、かかる知見に基づいて発明されたものである。
【0022】
本発明では、発明者は、歩留の向上の指標として、炭材の平均粒径に対する石灰石の平均粒径の比(MSL/MSC)を採用している。粒度を表す代表指標は種々考えられるが、原料装入時の粒度偏析が支配する現象を扱う上では、特許文献1,2で採用されている粒度構成を用いる表現よりも、後述する平均粒径(MS)の方が適当な粒度指標であると考えたからである。ここで、それぞれの原料充填層における粒度偏析挙動は、主原料である鉄鉱石の粒度(以下、「鉄鉱石の平均粒径」または「MSo」ともいう)に対する粒度の違い、たとえば粒径比率であるMSL/MSo、MSC/MSoに支配されると考えるのが妥当である。従って、炭材と石灰石との相対的な偏析挙動は、詳しくは、(MSL/MSo)/(MSC/MSo)に支配されることになる。このとき、MSoは分母分子で相殺されるので、結局、本願で採用した指標:MSL/MSCとなる。すなわち、本発明における指標である炭材の平均粒径に対する石灰石の平均粒径の比(MSL/MSC)は、鉄鉱石の粒度に拠らない普遍性を有している。
【実施例】
【0023】
実施例として、石灰石の平均粒径(MSL)と炭材の平均粒径(MSC)との比率の好適な範囲を決定した根拠を示す。本実施例は、配合原料の装入状況を再現できる装入実験装置で配合原料充填層を形成し、形成した配合原料充填層を一般的な焼結実験装置(焼結鍋試験)で焼成することで、実際の焼結機を再現する手法を採用した。
【0024】
(原料の準備)
本発明者が行った試験の内容は以下のようである。
まず、本試験では、配合原料のうち、炭材としてコークスを、CaO含有副原料として石灰石を用いた。コークスおよび石灰石は、表1に示すように、粒度の異なるものを3種類ずつ用意した。
表1は、本試験に用いた石灰石およびコークスの粒度分布と平均粒径を示す。
【0025】
【0026】
表1に示すように、3種類の石灰石(細粒(L1)、中粒(L2)、粗粒(L3))の試料と、3種類のコークス(細粒(C1)、中粒(C2)、粗粒(C3))の試料を用意した。表1に、石灰石(L1、L2、L3)とコークス(C1、C2、C3)試料、それぞれを、篩目(目開き寸法)の異なる6種類の篩を使用して篩分けた際の粒度分布を示す。粒度区分の境界値となる粒径は、表1に示すように、0.25mm、0.5mm、1mm、3mm、5mm、7mmであり、これらの値は分級に使用した篩の篩目である。例えば、粒度区分「1mm-0.5mm」とは、0.5mmの篩目の篩で篩分けた際に篩上であり、1mmの篩目の篩で篩分けた際に篩下である。なお、0.25mm、0.5mm、1mmの篩については、JIS Z 8801で規定されているものを使用している。平均粒度(MS)は、粒度区分の中央値を、粒度区分毎の質量分率で加重して算出した平均値である。なお、算出の際には、粒度毎の比重差はないと仮定している。
【0027】
表1に示すように、石灰石の細粒(L1)、中粒(L2)、粗粒(L3)の試料の平均粒径(MS)は、それぞれ、1.61mm、2.08mm、2.41mmである。また、コークスの細粒(C1)、中粒(C2)、粗粒(C3)の試料の平均粒径(MS)は、それぞれ、1.63mm、2.01mm、2.55mmである。
【0028】
(原料の配合と造粒)
表2は、原料の構成を示す。コークスと橄欖岩については、上述の粒度の異なる3種類を組み合わせて配合した9種類の配合原料を用意して、それぞれについて試験を行った。なお、鉄鉱石は平均粒径が1.5mmのものを使用した。
【0029】
【0030】
表2に示すように、返鉱およびコークスを除いた原料を100質量%として、返鉱とコークスの配合割合を、それぞれ外数で、15.0質量%、3.6質量%とした。これらの配合原料を万能混練機で混合した後、直径1m径のドラム型造粒機を用いて水分7.5質量%を目標にして、所定時間(3分)造粒して、鍋焼成試験用の配合原料(焼結原料)を作製した。
【0031】
(造粒した焼結原料の分級)
パレットへの装入時に起こる配合原料充填層の層厚方向における粒度偏析を再現するために、スリットバー式配合原料篩分け装置(以下、篩分け装置ともいう)を使用して、造粒した焼結原料を分級した。
【0032】
図1は、本実験において使用した篩分け装置1を模式的に示す図である。
図1に示すように、この篩分け装置1は、焼結原料2を供給するための供給部3と、供給された焼結原料2を分級するためのスリット5とを備えている。スリット5の下方には、スリット5により分級された焼結原料2を回収する複数の回収ボックス7(本実施例では6個)が並んで配置される。スリット5は、供給部3から下方に傾斜して配置され、焼結原料の移動方向に対して直交して延出し、この移動方向に等間隔に配置されるスリットバー5aを有する。供給された焼結原料2は、
図1に示すように、スリットバー5a上を上流側(図の左上)から下流側(図の右下)に向かって移動する。この移動の間に、焼結原料2は粒度(粒径)の小さいものから、順次スリット5を抜けて回収ボックス7へと落下する。このように、焼結原料2は粒径に応じて回収ボックス7に分けられる。具体的には、スリット5の上流側の回収ボックス7には粒度の小さい細粒のものが、下流側の回収ボックス7には粒度の大きい粗粒のものが回収される。回収された回収ボックス7内の焼結原料を、粗粒側から順に後述する焼結鍋に装入して、実機焼結機の原料充填層と同様な粒度偏析、原料成分偏析を再現した(層厚435mm)。なお、スリット5の傾斜角度は事前検討の結果、連続的な偏析が得られた40°とした。
【0033】
(焼結鍋試験)
表3は、焼結鍋試験に用いた試験装置の仕様と試験条件を示す。焼結鍋試験により実機での原料充填層の焼成過程をシミュレートした。焼結原料の充填後の焼結層の表面に点火し、焼結鍋の下部に設置した風箱からブロワーで空気を吸引して、原料充填層を焼成した。
【0034】
【0035】
(焼結鉱の成品歩留の測定)
成品歩留は、以下のように測定した。焼成後のシンターケ-キを高さ方向(層厚方向)に3等分に分割し、試料(上層部、中層部、下層部)とした。各試料について、落錘試験(3kgの錘を2mの高さから4回繰り返し試料上に落下させた)後に目開き5mmの篩にかけ、篩に残った焼結鉱の粒子(+5mm粒子)の、シンターケ-キの総質量に対する質量%を、ここでの成品歩留(+5mm%)と定義した。
【0036】
(成品歩留の評価)
表4は、上述した9種類の焼結原料から焼成した焼結鉱の成品歩留試験の結果を示す。
実験1~3、実験4~6、実験7~9では、それぞれ、コークスの粒度が、細粒(C1)、中粒(C2)、粗粒(C3)の試料を使用している。また、実験1,4,7、実験2,5,8、実験3,6,9では、それぞれ、石灰石の粒度が、細粒(L1)、中粒(L2)、粗粒(L3)の試料を使用している。なお、石灰石の粒度が粗粒(L3)よりも少し粗く、コークスの粒度が粗粒(C3)のものよりもさらに粗粒(平均粒径3.0mm超え)のコークスを使用した実験も行い、実験10として表4に記載している。なお、この平均粒径は、上述と同様の粒度区分の中央値を質量分率で加重平均したものである。
【0037】
【0038】
表4においては、以下の要件1および要件2を満たすものを実施例とし、それ以外を比較例としている。また、表4の成品歩留は、上層部、中層部、下層部の各試料の歩留(+5mm%)を平均した値である。
要件1:炭材の平均粒径(MSC)が2.0mmを超え2.8mm以下
要件2:石灰石の平均粒径(MSL)が炭材の平均粒径(MSC)の0.94倍以上1.2倍以下
【0039】
図2は、コークスの平均粒径(MS
C)と成品歩留との関係を示す図である。
図2に示すように、コークスの平均粒径(MS
C)を、2.0mmを超え2.8mm以下として、コークスの平均粒径(MS
C)と石灰石の平均粒径(MS
L)との比率を調整することにより、成品歩留が70質量%以上の高歩留となることがわかった。特に、本発明の実施例である実験5、6,9においては、成品歩留が70質量%以上確保できることがわかった。また、平均粒径(MS
C)が2.8mmを超えたコークスを使用した実験10においては、下層部のグレート面に焼き付きが発生して、焼結鍋内の通気が低下して、歩留の低下が著しかった。
【0040】
図3は、コークスの平均粒径(MS
C)と石灰石の平均粒径(MS
L)との関係を示す図である。図の直線L1は傾きが1.2の直線を示し、直線L2は傾きが0.94の直線を示す。本発明の実施例である実験5、6,9は、直線L1と直線L2の間に位置する。成品の高歩留を確保するためには、コークスの平均粒径(MS
C)を2.0mm超え2.8mm以下として、コークスの平均粒径(MS
C)に対する石灰石の平均粒径(MS
L)の比を、0.94≦MS
L/MS
C≦1.2の範囲とする必要があることが確認された。
【符号の説明】
【0041】
1…スリットバー式配合原料篩分け装置(篩分け装置)、2…焼結原料、3…供給部、5…スリット、5a…スリットバー、7…回収ボックス