(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/569 20210101AFI20230110BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20230110BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20230110BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/298
H01M50/507
(21)【出願番号】P 2019125913
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 克司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 哲也
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/117419(WO,A1)
【文献】特開2017-098043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有する複数の蓄電素子が並べられた蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、
接続部材と、絶縁プロテクタと、電線と、
前記電線に接続される電線接続部を有する端子と、を備え、
前記接続部材は、前記電極端子に接続され、
前記絶縁プロテクタは、前記接続部材および前記電線を収容した状態で前記蓄電素子群に組み付けられるようになっており、
前記端子は、前記電線の端部に接続された状態で前記接続部材に接続可能とされており、
前記絶縁プロテクタは、端子保持部を有し、
前記端子保持部は、前記接続部材に接続される前の状態の前記端子を
前記電線接続部における前記電線の軸線方向に着脱可能に保持する接続モジュール。
【請求項2】
電極端子を有する複数の蓄電素子が並べられた蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、
接続部材と、絶縁プロテクタと、電線と、端子と、を備え、
前記接続部材は、前記電極端子に接続され、
前記絶縁プロテクタは、前記接続部材および前記電線を収容した状態で前記蓄電素子群に組み付けられるようになっており、
前記端子は、前記電線の端部に接続された状態で前記接続部材に接続可能とされており、
前記絶縁プロテクタは、端子保持部を有し、
前記端子保持部は、前記接続部材に接続される前の状態の前記端子を着脱可能に保持しており、
前記蓄電素子群は、前記電極端子が配置される電極配置面と、前記電極配置面と交差して配置される電池側壁とを有しており、
前記接続部材は、外部機器と接続される部材接続部を有し、
前記絶縁プロテクタは、前記電池側壁に沿って配置されると共に、前記部材接続部が配置されるバスバ設置壁を有しており、
前記端子保持部は、前記バスバ設置壁に一体に形成されており、
前記端子は、前記部材接続部に連なる端子接続部に接続され
る接続モジュール。
【請求項3】
前記端子は、前記接続部材と面接触するバスバ接続部を有しており、
前記端子保持部は、保持壁と、弾性抜け止め片とを有しており、
前記保持壁は、前記バスバ設置壁に突出して設けられており、
前記弾性抜け止め片は、弾性変位可能に前記バスバ設置壁に設けられており、
前記保持壁および前記弾性抜け止め片は、前記バスバ接続部の外側面に接触して前記端子を前記端子保持部に抜け止めする請求項2に記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記弾性抜け止め片は、前記バスバ設置壁との間にスリットが形成されることにより弾性変位可能となっており、
前記スリットは、前記バスバ接続部の板厚方向に屈曲している請求項3に記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記弾性抜け止め片は、前記端子に沿って屈曲している請求項3または請求項4に記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記端子は、前記電線に圧着される電線接続部を有しており、
前記電線接続部は、前記バスバ接続部よりも板厚方向に突出しており、
前記バスバ設置壁は、逃がし部を有しており、
前記逃がし部は、前記バスバ接続部が配置される位置を基準位置として前記電線接続部の前記バスバ接続部からの突出寸法よりも前記電線接続部とは反対側に向かってオフセットされている請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記端子保持部は、前記端子を覆う保護壁を有している請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複数の電池によって構成された電池集合体に取り付けられるバスバモジュールは、特開2018-41724号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。
バスバモジュールは、隣接する電池の電極に接続されるバスバと、バスバと共に電極に接続される端子とを備えている。端子は、電圧検知線によって電圧検知装置に接続されており、電圧検知装置によって各電池の電圧が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バスバモジュールを外部の機器に接続する際に、電圧検知線の端子をバスバに接続する場合、端子がバスバに接続されるまでは、電圧検知線の端子は電圧検知線の先端に取り付けられた状態で自由に動くことができる。このため、端子が他の部材などと干渉することが懸念される。
【0005】
本明細書では、端子が他の部材などと干渉することを防ぐ技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の接続モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子が並べられた蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、接続部材と、絶縁プロテクタと、電線と、端子と、を備え、前記接続部材は、前記電極端子に接続され、前記絶縁プロテクタは、前記接続部材および前記電線を収容した状態で前記蓄電素子群に組み付けられるようになっており、前記端子は、前記電線の端部に接続された状態で前記接続部材に接続可能とされており、前記絶縁プロテクタは、端子保持部を有し、前記端子保持部は、前記接続部材に接続される前の状態の前記端子を着脱可能に保持する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、端子が他の部材などと干渉することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、蓄電モジュールの上部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、蓄電モジュールの要部拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、蓄電モジュールの要部拡大平面図である。
【
図8】
図8は、上下反転させて電圧検知端子が保持部に保持された状態を示す断面図であって、
図7の断面に相当する断面図である。
【
図10】
図10は、端子接続部に電圧検知端子を組み付けた状態を示す要部拡大平面図である。
【
図11】
図11は、端子接続部に電圧検知端子が締結ボルトによって接続された状態を示す要部拡大平面図である。
【
図12】
図12は、電圧検知端子が前止まり部によって前止まりされた状態を示す要部拡大平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態2にかかる蓄電モジュールの要部拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、保持部を斜め後方から視た状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
【0010】
(1)電極端子を有する複数の蓄電素子が並べられた蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールであって、接続部材と、絶縁プロテクタと、電線と、端子と、を備え、前記接続部材は、前記電極端子に接続され、前記絶縁プロテクタは、前記接続部材および前記電線を収容した状態で前記蓄電素子群に組み付けられるようになっており、前記端子は、前記電線の端部に接続された状態で前記接続部材に接続可能とされており、前記絶縁プロテクタは、端子保持部を有し、前記端子保持部は、前記接続部材に接続される前の状態の前記端子を着脱可能に保持する。
保持部によって端子を接続部材に接続するまで保持できるから、端子が他の部材などと干渉することを防ぐことができる。
【0011】
(2)前記蓄電素子群は、前記電極端子が配置される電極配置面と、前記電極配置面と交差して配置される電池側壁とを有しており、前記接続部材は、外部機器と接続される部材接続部を有し、前記絶縁プロテクタは、前記電池側壁に沿って配置されると共に、前記部材接続部が配置されるバスバ設置壁を有しており、前記端子保持部は、前記バスバ設置壁に一体に形成されており、前記端子は、前記部材接続部に連なる端子接続部に接続される。
【0012】
端子接続部が部材接続部に連なっているから、外部機器を部材接続部に接続する際に合わせて端子接続部と端子とを接続できる。また、部材接続部に連なる端子接続部と端子保持部とがバスバ設置壁に配置されているから、例えば、端子接続部と端子保持部とが異なる壁部に設けられている場合に比べて、端子を端子接続部に容易に接続することができる。さらに、端子保持部がバスバ設置壁に一体に形成されているから、別部材の保持部をバスバ設置壁に取り付ける場合に比べて部品点数が増加することを抑制できる。
【0013】
(3)前記端子は、前記接続部材と面接触するバスバ接続部を有しており、前記端子保持部は、保持壁と、弾性抜け止め片とを有しており、前記保持壁は、前記バスバ設置壁に突出して設けられており、前記弾性抜け止め片は、弾性変位可能に前記バスバ設置壁に設けられており、前記保持壁および前記弾性抜け止め片は、前記バスバ接続部の外側面に接触して前記端子を前記端子保持部に抜け止めする。
【0014】
保持壁と弾性抜け止め片とが、バスバ接続部の外側面に接触して端子を端子保持部内に保持するから、バスバ接続部において接続部材に面接触する部分が、保持壁や弾性抜け止め片に接触して損傷することを防ぐことができる。また、端子保持部に端子が着脱される際に、弾性抜け止め片が弾性変位するから着脱作業性に優れる。
【0015】
(4)前記端子保持部は、前記端子を覆う保護壁を有している。
端子が保護壁によって覆われた状態で端子が端子保持部によって保持されるから、他の部材が端子に接触するなどして端子が損傷することを防ぐことができる。
【0016】
(5)前記弾性抜け止め片は、前記バスバ設置壁との間にスリットが形成されることにより弾性変位可能となっており、前記スリットは、前記バスバ接続部の板厚方向に屈曲している。
【0017】
バスバ設置壁と弾性抜け止め片との間にスリットを設けて弾性抜け止め片を弾性変位可能にする場合、端子を端子保持部に着脱する際に、バスバ接続部がスリット内に進入する、いわゆる端子の噛み込みが生じることが懸念される。
ところが、このような構成によると、スリットがバスバ接続部の板厚方向に屈曲しているから、バスバ接続部がスリット内に進入することを抑制できる。
【0018】
(6)前記弾性抜け止め片は、前記端子に沿って屈曲している。
端子を端子保持部に組み付ける際に、屈曲した弾性抜け止め片によって端子が誘導される。これにより、端子を端子保持部に組み付ける組付作業性を向上させることができる。
(7)前記端子は、前記電線に圧着される電線接続部を有しており、前記電線接続部は、前記バスバ接続部よりも板厚方向に突出しており、前記バスバ設置壁は、逃がし部を有しており、前記逃がし部は、前記バスバ接続部が配置される位置を基準位置として前記電線接続部の前記バスバ接続部からの突出寸法よりも前記電線接続部とは反対側に向かってオフセットされている。
電線接続部をバスバ設置壁側に突出させた状態で端子を端子保持部に装着する場合に、電線接続部が電線接続部とは反対側に向かってオフセットされた逃がし部内に収容される。これにより、端子と側壁とが干渉することを防ぐことができる。つまり、端子の表裏を意識せずに端子を保持部に装着することができるから、端子の装着作業性を向上させることができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の接続モジュールおよび蓄電モジュールの具体例を、以下の図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
<実施形態1>
本開示における実施形態1について
図1から
図12を参照して説明する。
本実施形態は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されて、車両を駆動するための動力源として使用される蓄電モジュール10を例示している。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上とし、矢線Yの示す方向を後とし、矢線Xの示す方向を右とする。また、複数の同一部材については一の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0021】
[蓄電モジュール10]
蓄電モジュール10は、
図1に示されるように、蓄電素子91を複数並べて構成される蓄電素子群90と、この蓄電素子群90の前部に取り付けられる接続モジュール20とを備えて構成されている。
【0022】
[蓄電素子群90]
蓄電素子群90は、
図1に示されるように、上下方向に並んだ複数の蓄電素子91と、上下方向に並んだ複数の蓄電素子91を収容するフレーム95とを備えている。
【0023】
それぞれの蓄電素子91は、例えば、二次電池である。それぞれの蓄電素子91の前面は、一対の電極端子93が配置された電極配置面92とされている。一対の電極端子93は、電極配置面92における左右方向の両端部寄りの位置にそれぞれ配置されている。一対の電極端子93のうちの一方は正極端子93Pとされ、他方は負極端子93Nとされている。上下方向に隣り合う2つの蓄電素子91は、
図1に示されるように、隣り合う電極端子93の極性が異なるように配置されてフレーム95内に収容されている。
【0024】
電極配置面92における一対の電極端子93の間には、接続モジュール20に設けられた図示しない係止部が嵌合する被係止部96が設けられている。係止部が被係止部96に嵌合し、係止部と被係止部96とが前後方向に係止することで、接続モジュール20が蓄電素子群90の前部に保持固定されるようになっている。
【0025】
フレーム95は、4つの電池側壁95Aが連なることにより正面視略矩形型に形成されている。フレーム95内に複数の蓄電素子91が収容されると、電池側壁95Aが各蓄電素子91の電極配置面92と直交するように交差して配置されるようになっている。本実施形態は、電池側壁95Aが各蓄電素子91の電極配置面92と直交しているが、電池側壁が電極配置面に対して斜めに配置されていてもよい。
【0026】
[接続モジュール20]
接続モジュール20は、
図1から
図3に示されるように、電極端子93に接続される複数のバスバ30と、バスバ30と図示しない外部部材に接続される一対の外部接続バスバ40と、複数のバスバ30と一対の外部接続バスバ40とを保持する絶縁プロテクタ50と、複数の電圧検知線(「電線」の一例)Wと、電圧検知端子(「端子」の一例)21と、を備えている。バスバ30と外部接続バスバ40とを合わせたものが「接続部材」に相当する。
【0027】
[バスバ30]
バスバ30は、
図2に示されるように、導電性を有する金属板材を加工することにより正面視矩形の平板状に形成されている。バスバ30は、上下に隣り合う電極端子93に跨がるように電極端子93の前面に配置されて溶接などによって電極端子93に電気的に接続されている。本実施形態では、上下に隣り合う蓄電素子91がバスバ30によって直列に接続されている。なお、同一極性の電極端子93が互いに隣り合うように蓄電素子91が配置されることにより、蓄電素子群90の一部の蓄電素子91が並列に接続されてもよい。
【0028】
また、バスバ30のうち蓄電素子群90における右側下端部と左側上端部とに配置されるバスバ30は、端部バスバ35とされている。端部バスバ35は、上下方向の長さ寸法が1つの電極端子93を覆うことが可能な大きさとされている。左側上端部に配置された端部バスバ35は、蓄電素子群90の左側上端部に配置された正極端子93Pに溶接などによって電気的に接続されている。右側下端部に配置された端部バスバ35は、蓄電素子群90の右側下端部に配置された負極端子93Nに溶接などによって電気的に接続されている。
【0029】
[外部接続バスバ40]
一対の外部接続バスバ40は、導電性を有する金属板材を加工して形成されている。
一対の外部接続バスバ40のうちの一方の外部接続バスバ40は、
図1から
図3に示されるように、前後方向に短尺な正極接続バスバ41とされている。
【0030】
正極接続バスバ41は、
図2に示されるように、蓄電素子群90の左側上端部に配置された端部バスバ35に接続されている。正極接続バスバ41は、左側上端部に配置された端部バスバ35から上方に向かって延びて形成されている。正極接続バスバ41は、後述する絶縁プロテクタ50のバスバ設置壁(上壁)52の上面に沿って配置される平面視矩形型の正極部材接続部42を有している。
【0031】
正極部材接続部42には、外部機器に設けられた図示しない機器側端子が載置されて接続される。
正極部材接続部42には、図示しない締結ボルトが挿通可能なボルト挿通孔43が上下方向に貫通して形成されている。正極部材接続部42の下方には、絶縁プロテクタ50に保持された図示しないナットが配置されている。ナットには、正極部材接続部42上に載置される機器側端子およびボルト挿通孔43に挿通された締結ボルトが締め込まれる。これにより、機器側端子と正極部材接続部42とが電気的に接続されるようになっている。
【0032】
負極接続バスバ45は、
図1から
図3に示されるように、蓄電素子群90の右側下端部に配置された端部バスバ35に接続されている。負極接続バスバ45は、右側下端部に配置された端部バスバ35からバスバ設置壁(上壁)まで延びて形成されている。負極接続バスバ45は、絶縁プロテクタ50のバスバ設置壁(上壁)52の上面に沿って配置される平面視矩形型の負極部材接続部(「部材接続部」の一例)46を有している。
負極部材接続部46は、外部機器に設けられた図示しない機器側端子が載置されて接続される。
【0033】
負極部材接続部46には、図示しない締結ボルトが挿通可能なボルト挿通孔47が上下方向に貫通して形成されている。負極部材接続部46の下方には、絶縁プロテクタ50に保持された図示しないナットが配置されている。ナットには、負極部材接続部46上に載置された機器側端子およびボルト挿通孔47に挿通された締結ボルトが締め込まれる。これにより、機器側端子と負極部材接続部46とが電気的に接続されるようになっている。
【0034】
負極部材接続部46は、
図3から
図6に示されるように、端子接続部の左側縁に連なる平面視矩形型の端子接続部48を有している。
端子接続部48は、
図11に示されるように、後述する電圧検知端子21が載置されて接続される。端子接続部48には、
図3から
図6に示されるように、締結ボルトBTが挿通可能なボルト挿通孔48Aが上下方向に貫通して形成されている。端子接続部48の下方には、絶縁プロテクタ50に保持された図示しないナットが配置されている。ナットには、端子接続部48上に載置された電圧検知端子21およびボルト挿通孔47に挿通された締結ボルトBTが締め込まれる。これにより、電圧検知端子21と端子接続部48とが電気的に接続されるようになっている。
【0035】
端子接続部48の前縁には、
図12に示されるように、電圧検知端子21を前止まりする前止まり部49が形成されている。
前止まり部49は、
図3から
図6に示されるように、ボルト挿通孔47の斜め前において上方に向かって延びた形態とされている。前止まり部49は、端子接続部48の前縁となる位置とボルト挿通孔47との間の位置に切り込みを形成し、端子接続部48を屈曲させて形成することによって上方に向かって延びた形態に形成される。
【0036】
前止まり部49は、ボルト挿通孔47に近い側の縁部がボルト挿通孔47に沿って傾斜している。つまり、端子接続部48の前縁とボルト挿通孔47との間にはボルト挿通孔47に沿った形態の切欠48Bが形成されており、電圧検知端子21を端子接続部48に接続した際に、電圧検知端子21と端子接続部48との接触面積が低下することを抑制できるようになっている。
【0037】
[電圧検知線W]
電圧検知線Wは、芯線が絶縁被覆によって覆われた被覆電線である。複数の電圧検知線Wは、
図2および
図11に示されるように、一端がバスバ30または外部接続バスバ40にそれぞれ接続され、他端が
図示しない電子制御ユニットに接続される。電圧検知線Wは、バスバ30または外部接続バスバ40を介してそれぞれの蓄電素子91および蓄電素子群90の電圧を電子制御ユニットに伝える。バスバ30に接続される電圧検知線Wは、電圧検知線Wの一端において露出した芯線がバスバ30に設けられた図示しない電線接続部に溶接などによって接続されている。外部接続バスバ40に接続される電圧検知線Wは、電圧検知線Wの一端に接続された電圧検知端子21を介して外部接続バスバ40に接続される。
【0038】
[電圧検知端子21]
電圧検知端子21は、導電性を有する金属板材を加工することによって形成されている。電圧検知端子21は、
図4から
図8に示されるように、丸みを帯びた平板状のバスバ接続部22と、電圧検知線Wに接続される電線接続部24と、を備える。
【0039】
バスバ接続部22は、負極接続バスバ45の端子接続部48に面接触して接続されるようになっている。バスバ接続部22は、締結ボルトBTが挿通される丸孔状の貫通孔23を有している。バスバ接続部22は、貫通孔23に挿通された締結ボルトBTが端子接続部48のボルト挿通孔47に挿通されてナットに締め込まれることにより端子接続部48に面接触して電気的に接続される。
【0040】
電線接続部24は、バスバ接続部22に比べて長細い形態とされている。したがって、電圧検知端子21は、バスバ接続部22が最も幅広に構成されている。
電線接続部24は、バスバ接続部22に連なる底板24Aと、底板24Aに連なる一対のバレル片24Bとを有している。
【0041】
電線接続部24は、電圧検知線Wの一端において露出した芯線を底板24A上に配置し、一対のバレル片24Bを圧着することによって、電圧検知線Wに電気的に接続されている。
したがって、電線接続部24は、電圧検知線Wに接続されると、バスバ接続部22よりも板厚方向の一方(
図4および
図7では上方)に突出する形態となっている。
【0042】
[絶縁プロテクタ50]
絶縁プロテクタ50は、
図1および
図2に示されるように、複数のバスバ30を保持する第1プロテクタ60と、一対の外部接続バスバ40を保持する第2プロテクタ70とを備えて構成されている。
【0043】
[第1プロテクタ60]
第1プロテクタ60は、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。第1プロテクタ60は、正面視矩形枠型のプロテクタ本体61を有している。プロテクタ本体61の内側には、プロテクタ本体61の左右方向中央部において上下方向に延びる配索路63と、配索路63から左右方向に延びる隔壁64とによって複数のバスバ保持部65が形成されている。
【0044】
複数のバスバ保持部65は、
図2に示されるように、左右方向に2つ、上下方向に3つの合計6つ並んで配置されている。左右方向に2つに分かれたバスバ保持部65は、配索路63を境に蓄電素子91の1つ分の大きさだけ上下にずれて配置されている。
したがって、隣り合う蓄電素子91の電極端子93同士がバスバ30によって接続されると、蓄電素子群90の蓄電素子91が直列に接続されるようになっている。
【0045】
上下方向に隣り合うバスバ保持部65の間に配置された隔壁64には、バスバ30に接続された電圧検知線Wを配索路63まで案内する支線路66が設けられている。支線路66に配置された電圧検知線Wは、配索路63に引き出された後、配索路63を通してプロテクタ本体61の上方から電子制御ユニットに向かって引き出されている。
【0046】
[第2プロテクタ70]
第2プロテクタ70は、合成樹脂製の絶縁部材からなり、第1プロテクタ60とは別体として形成されている。第2プロテクタ70は、
図2に示されるように、負極接続バスバ45の前端部と正極接続バスバ41とが組み付けられる第1バスバ保持部72と、第1バスバ保持部72の右側部から後方に向かって延びる負極接続バスバ45を保持する第2バスバ保持部74とを備えて構成されている。
【0047】
第1バスバ保持部72は、
図2に示されるように、左右方向に長い形態をなしている。第1バスバ保持部72の左右方向略中央部よりも左側には、図示しない固定手段によって正極接続バスバ41が下方から組み付けられて固定されている。
一方、第1バスバ保持部72の左右方向略中央部よりも右側には、負極接続バスバ45の前端部が一対の係止爪73によって固定されている。
【0048】
第1バスバ保持部72は、第1バスバ保持部72の左右方向の両端部が第1プロテクタ60の左右方向の両側部と上下方向に係止することにより第1プロテクタ60に固定されるようになっている。第1バスバ保持部72に組み付けられた正極接続バスバ41は、第1プロテクタ60と第2プロテクタ70とが固定されると、第1プロテクタ60の左側上端部に配置された端部バスバ35の前方に配置される。端部バスバ35の前方に配置された正極接続バスバ41は、溶接などによって端部バスバ35に電気的に接続されている。
【0049】
第2バスバ保持部74は、
図2に示されるように、第1バスバ保持部72の右側後端部から後方に向かって延びると共に、後端部が左右方向に延びた形態とされている。第2バスバ保持部74には、前後方向中央部に設けられた一対の係止片75によって負極接続バスバ45が固定されている。一方、第2バスバ保持部74は、後端部における左右方向両端部が、第1プロテクタ60の左右方向の両側部と上下方向に係止することにより、第1プロテクタ60に固定されている。
【0050】
第2バスバ保持部74に組み付けられた負極接続バスバ45の下端部は、第1プロテクタ60と第2プロテクタ70とが固定されると、第1プロテクタ60の右側下端部に配置された端部バスバ35の前方に配置される。端部バスバ35の前方に配置された負極接続バスバ45は、溶接などによって端部バスバ35に電気的に接続されている。
【0051】
また、第1プロテクタ60と第2プロテクタ70とが固定されると、
図1および
図3に示されるように、第1プロテクタ60の上壁と第2プロテクタ70の第1バスバ保持部72とによって絶縁プロテクタ50の上壁であるバスバ設置壁52が構成される。
つまり、絶縁プロテクタ50の上壁は、正極接続バスバ41の正極部材接続部42および負極接続バスバ45の負極部材接続部46が載置された状態で蓄電素子群90におけるフレーム95の上側の電池側壁95Aの上方に配置されるバスバ設置壁52とされている。
【0052】
バスバ設置壁52における左右方向中央部よりも右側は、負極接続バスバ45の負極部材接続部46および端子接続部48が配置される負極バスバ保持部53とされ、バスバ設置壁52における左右方向中央部よりも左側は、正極接続バスバ41の正極部材接続部42が配置される正極バスバ保持部54とされている。
【0053】
第1プロテクタ60によって構成されるバスバ設置壁52の左右方向中央部には、
図3から
図6に示されるように、正極部材接続部42、負極部材接続部46および端子接続部48よりも後方の位置における電圧検知端子21を保持する端子保持部80が形成されている。言い換えると、端子接続部48は、端子保持部80の右斜め前に配置されている。
【0054】
[端子保持部80]
端子保持部80は、
図4から
図6に示されるように、電圧検知端子21が左方から組み付けられるようになっており、電圧検知端子21のバスバ接続部22が左方から収容される端子収容部81と、端子収容部81の左方に設けられた弾性抜け止め片85とを備えている。
【0055】
[端子収容部81]
端子収容部81は、上下方向に低背な平面視矩形状に形成されている。端子収容部81の下面を構成するバスバ設置壁52は、
図7および
図8に示されるように、蓄電素子群90のフレーム95から離れるようにバスバ設置壁52の他の部分よりも僅かに上側にオフセットされた下保持壁52Aとされている。下保持壁52Aのオフセット量は、電圧検知端子21における電線接続部24の高さ寸法よりも大きく設定されている。したがって、端子収容部81の左側の領域は、
図8に示されるように、表裏反転させた電圧検知端子21を端子収容部81に収容する場合に、下方に突出した電線接続部24がバスバ設置壁52と干渉することを回避できるようになっている。
【0056】
つまり、端子収容部81の左側の領域は、端子保持部80の下保持壁52Aよりも下方にオフセットされており、表裏反転させた電圧検知端子21を端子収容部81に収容する場合に、下方に突出した電線接続部24とバスバ設置壁52との干渉を防ぐ逃がし部88とされている。
【0057】
端子収容部81は、下保持壁52Aと上下方向に対向する保護壁82と、保護壁82の前縁と下保持壁52Aとを繋ぐ前保持壁83と、保護壁82の右側端部と下保持壁52Aとを繋ぐ右保持壁84と、を有している。
【0058】
保護壁82は、電圧検知端子21におけるバスバ接続部22を上方から覆う大きさとされている。詳細には、保護壁82は、下方にバスバ接続部22が配置された際に、電線接続部24側の一部を除いたバスバ接続部22を上方から覆う大きさに形成されている。
【0059】
前保持壁83は、
図6に示されるように、端子収容部81の内側に向かって突出する断面三角形状に形成されている。
右保持壁84は、
図6に示されるように、保護壁82の右側後端部から右側縁部まで連なる形態とされている。
そして、端子収容部81は、右前端部が前方に向かって開口すると共に、左後端部が後方に向かって開口している。端子収容部81における右前端部の開口は、バスバ接続部22の外径よりも小さく開口している。
【0060】
[弾性抜け止め片85]
弾性抜け止め片85は、端子収容部81の左方におけるバスバ設置壁52に弾性変位可能に形成されている。弾性抜け止め片85は、
図9に示されるように、バスバ設置壁52との間にスリット86が形成されることによって端子収容部81の左方から端子収容部81の右保持壁84に向かって延びる片持ち状に形成されている。
【0061】
弾性抜け止め片85は、下保持壁52Aよりも下方にオフセットされたバスバ設置壁52から端子収容部81のやや左方であって下保持壁52Aと上下方向に重なる位置まで延びた形態とされている。
【0062】
弾性抜け止め片85の下端部は、
図7および
図8に示されるように、バスバ設置壁52に沿って形成されている。したがって、弾性抜け止め片85とバスバ設置壁52との間のスリット86は、バスバ設置壁52に沿うように左側端部と右側端部とが上下方向にずれるように屈曲している。スリット86の左側端部と右側端部との上下方向のずれ量は、スリット86の上下方向の隙間寸法と同じに設定されている。つまり、スリット86の左側端部における上側内面86Uと、スリット86の右側端部における下側内面86Dとは、ほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0063】
弾性抜け止め片85は、
図5および
図6に示されるように、電圧検知端子21に沿って配置される屈曲部87を有している。
屈曲部87は、弾性抜け止め片85の右側端部において後方に向かって屈曲している。屈曲部87は、バスバ接続部22が端子収容部81内に収容されると、電線接続部24とバスバ接続部22との境界部分に配置されるようになっている。
したがって、電圧検知端子21を端子保持部80に組み付ける際に、弾性抜け止め片85の屈曲部87によって電圧検知端子21が端子収容部81内へ誘導される。これにより、電圧検知端子21を端子保持部80に組み付ける組付作業性を向上させることができる。
【0064】
また、弾性抜け止め片85の屈曲部87における右側端部87Aと、前保持壁83と、右保持壁84とは、
図5および
図6に示されるように、バスバ接続部22を囲むように三角形の頂点の位置に配置されている。そして、弾性抜け止め片85と右保持壁84との間の距離、および、弾性抜け止め片85と前保持壁83との間の距離は、バスバ接続部22の外径寸法よりも小さくなっている。
【0065】
したがって、バスバ接続部22が端子収容部81内に収容された状態では、バスバ接続部22の外周面(外側面)22Aが、弾性抜け止め片85と、前保持壁83と、右保持壁84とに接触することで端子収容部81内に抜け止めされて保持されるようになっている。また、端子収容部81内にバスバ接続部22が保持されると、弾性抜け止め片85の屈曲部87が、電圧検知端子21においてバスバ接続部22と電線接続部24との境界部分に沿って配置され、弾性抜け止め片85の左側端部が電線接続部24に沿って配置されるようになっている。
【0066】
次に、蓄電モジュール10と外部機器とを接続する接続工程の一例について説明する。
蓄電モジュール10と外部機器とを接続する前の状態では、電圧検知端子21は、
図3から
図6に示されるように、端子保持部80に保持されている。言い換えると、端子保持部80は、外部接続バスバ40の端子接続部48に接続される前の状態の電圧検知端子21を着脱可能に保持している。
蓄電モジュール10と外部機器との接続工程では、端子保持部80の端子収容部81から電圧検知端子21が左方に向かって引き抜かれ、電圧検知端子21が端子保持部80から取り外される。
【0067】
ここで、電圧検知端子21が左方に向かって引っ張られると、バスバ接続部22の外周面が弾性抜け止め片85の屈曲部87を押圧する。すると、弾性抜け止め片85が後方に向かって弾性変位することにより、バスバ接続部22が端子収容部81から取り外される。つまり、弾性抜け止め片85が弾性変位するから端子収容部81からバスバ接続部22を容易に取り外すことができるようになっている。
【0068】
また、バスバ接続部22を端子収容部81から取り外す際に、バスバ接続部22が端子収容部81内においてバスバ設置壁52側に配置されていると、バスバ接続部22が弾性抜け止め片85の下方に設けられたスリット86内に進入してバスバ接続部22が抜け難くなってしまうことが懸念される。
【0069】
ところが、本実施形態によると、スリット86は、上下方向に屈曲しているから、スリット86内にバスバ接続部22が進入することを抑制することができる。
【0070】
次に、
図10に示されるように、端子保持部80から取り外された電圧検知端子21が端子保持部80の右斜め前に配置された端子接続部48上に載置され、電圧検知端子21の貫通孔23が端子接続部48のボルト挿通孔48Aに合わせられる。
ここで、電圧検知端子21の端子接続部48への組み付けでは、電圧検知端子21が左斜め後から右斜め前に向かって滑り込むように端子接続部48上に配置される場合がある。このような場合には、電圧検知端子21が滑って端子接続部48上から脱落してしまうことが懸念される。
【0071】
ところが、本実施形態によると、端子接続部の前縁には、前止まり部49が形成されているから、
図12に示されるように、電圧検知端子21が前止まり部49に接触することによって、電圧検知端子21が端子接続部48上から脱落することを防ぐことができる。
【0072】
次に、締結ボルトBTが貫通孔23およびボルト挿通孔48Aに挿通されてナットに締め込まれる。これにより、
図11に示されるように、電圧検知端子21のバスバ接続部22と端子接続部48とが面接触し、電圧検知端子21と端子接続部48とが電気的に接続される。つまり、
図11は、電圧検知端子21が端子保持部80から取り外されて端子接続部48に接続された状態を示している。
【0073】
電圧検知端子21が端子接続部48に接続されたところで、外部機器の負極側の機器側端子が負極部材接続部46上に配置され、締結ボルトBTによって機器側端子と負極部材接続部46とがボルト締結される。また、外部機器の正極側の機器側端子が正極部材接続部42上に配置され、締結ボルトBTによって機器側端子と正極部材接続部42とがボルト締結される。
【0074】
つまり、外部機器の機器側端子を負極部材接続部46に接続する際に合わせて端子接続部48と電圧検知端子21とを接続できるから、例えば、端子接続部と端子保持部とが異なる壁部にそれぞれ設けられている場合に比べて、電圧検知端子21を端子接続部48に容易に接続することができると共に、外部機器と蓄電モジュール10との接続作業性を向上させることができる。
【0075】
次に、本実施形態の接続モジュールの作用および効果について説明する。
例えば、蓄電素子群に取り付けられる接続モジュールにおいて、接続モジュールと外部機器とが接続される際に、電圧検知端子がバスバに接続される場合、接続モジュールが蓄電素子群に取り付けられるまでは、電圧検知端子が電圧検知線の先端に取り付けられた状態で自由に動くことができる。このため、電圧検知端子が他の部材などと干渉することが懸念される。
【0076】
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、本実施形態の構成を見出した。すなわち、本実施形態は、電極端子93を有する複数の蓄電素子91が並べられた蓄電素子群90に取り付けられる接続モジュール20であって、外部接続バスバ(接続部材)40と、絶縁プロテクタ50と、電圧検知線(電線)Wと、電圧検知端子(端子)21と、を備える。外部接続バスバ40は、電極端子93に接続され、絶縁プロテクタ50は、外部接続バスバ40および電圧検知線Wを収容した状態で蓄電素子群90に組み付けられるようになっている。電圧検知端子21は、電圧検知線Wの端部に接続された状態で外部接続バスバ40に接続可能とされており、絶縁プロテクタ50は、
図3から
図6に示されるように、端子保持部80を有し、端子保持部80は、外部接続バスバ40に接続される前の状態の電圧検知端子21を着脱可能に保持する。
【0077】
電圧検知端子21を負極接続バスバ45における端子接続部48に接続するまで端子保持部80によって保持できるから、電圧検知端子21が他の部材などと干渉することを防ぐことができる。
【0078】
蓄電素子群90は、電極端子93が配置される電極配置面92と、電極配置面92と直交するように交差して配置される電池側壁95Aとを有しており、バスバ30は、外部機器と接続される負極部材接続部(部材接続部)46を有し、絶縁プロテクタ50は、電池側壁95Aに沿って配置されると共に、負極部材接続部46が配置されるバスバ設置壁52を有しており、端子保持部80は、バスバ設置壁52に一体に形成されており、電圧検知端子21は、負極部材接続部46に連なる端子接続部48に接続される。
【0079】
端子接続部48が負極部材接続部46に連なっているから、外部機器を負極部材接続部46に接続する際に合わせて端子接続部48と電圧検知端子21とを接続できる。
また、負極部材接続部46に連なる端子接続部48と端子保持部80とがバスバ設置壁52に配置されているから、例えば、端子接続部と端子保持部とが異なる壁部にそれぞれ設けられている場合に比べて、電圧検知端子21を端子接続部48に容易に接続することができる。さらに、端子保持部80がバスバ設置壁52に一体に形成されているから、別部材の保持部をバスバ設置壁に取り付ける場合に比べて、接続モジュール20の部品点数が増加することを抑制できる。
【0080】
電圧検知端子21は、バスバ30と面接触するバスバ接続部22を有しており、端子保持部80は、前保持壁83および右保持壁84と、弾性抜け止め片85とを有しており、前保持壁83および右保持壁84は、バスバ設置壁52に突出して設けられており、弾性抜け止め片85は、弾性変位可能にバスバ設置壁52に設けられており、前保持壁83、右保持壁84および弾性抜け止め片85は、バスバ接続部22の外周面(外側面)に接触して電圧検知端子21を端子保持部80に抜け止めする。
【0081】
前保持壁83、右保持壁84および弾性抜け止め片85が、バスバ接続部22の外周面に接触して電圧検知端子21を端子保持部80内に保持するから、バスバ接続部22においてバスバ30に面接触する部分が、前保持壁83、右保持壁84および弾性抜け止め片85に接触して損傷することを防ぐことができる。また、端子保持部80に電圧検知端子21が着脱される際に、弾性抜け止め片85が弾性変位するから着脱作業性に優れる。
【0082】
端子保持部80は、電圧検知端子21を覆う保護壁82を有している。電圧検知端子21が保護壁82によって覆われた状態で端子保持部80によって保持されるから、他の部材が電圧検知端子21に接触するなどして電圧検知端子21が損傷することを防ぐことができる。
【0083】
弾性抜け止め片85は、バスバ設置壁52との間にスリット86が形成されることにより弾性変位可能となっており、スリット86は、バスバ接続部22の板厚方向に屈曲している。
【0084】
バスバ設置壁52と弾性抜け止め片85との間にスリット86を設けて弾性抜け止め片85を弾性変位可能にする場合、電圧検知端子21を端子保持部80に着脱する際に、バスバ接続部22がスリット86内に進入する、いわゆる電圧検知端子21の噛み込みが生じることが懸念される。ところが、本実施形態によると、スリット86がバスバ接続部22の板厚方向に屈曲しているから、バスバ接続部22がスリット86内に進入することを抑制できる。
また、弾性抜け止め片85は、電圧検知端子21に沿って屈曲しているから、電圧検知端子21を端子保持部80に組み付ける際に、屈曲した弾性抜け止め片85によって電圧検知端子21が誘導される。これにより、電圧検知端子21を端子保持部80に組み付ける組付作業性を向上させることができる。
【0085】
電圧検知端子21は、電圧検知線に圧着される電線接続部24を有しており、電線接続部24は、バスバ接続部22よりも板厚方向に突出しており、バスバ設置壁52は、逃がし部88を有しており、逃がし部88は、バスバ接続部22が配置される位置を基準位置として電線接続部24のバスバ接続部22からの突出寸法よりも下側(電線接続部とは反対側)に向かってオフセットされている。
【0086】
電線接続部24をバスバ設置壁52側に突出させた状態で電圧検知端子21を端子保持部80に装着する場合に、電線接続部24が下側にオフセットされた逃がし部88内に収容される。これにより、電圧検知端子21とバスバ設置壁52とが干渉することを防ぐことができる。つまり、電圧検知端子21の表裏を意識せずに電圧検知端子21を端子保持部80に装着できるから、電圧検知端子21の装着作業性を向上させることができる。
【0087】
<実施形態2>
次に、実施形態2について
図12から
図17を参照して説明する。
実施形態2の蓄電モジュール110は、実施形態1における接続モジュール20の端子保持部80の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0088】
実施形態2の接続モジュール120における端子保持部180は、
図13から
図15に示されるように、電圧検知端子21が後方から組み付けられるようになっている。
【0089】
[端子保持部180]
端子保持部180は、
図13から
図15に示されるように、左右方向に対向して配置された一対の弾性抜け止め片182と、一対の弾性抜け止め片182よりもやや前方に配置された前保持壁186と、保護壁187とを備えている。
【0090】
一対の弾性抜け止め片182は、
図17に示されるように、それぞれがバスバ設置壁52との間にスリット181が形成されることによって後方に向かって片持ち状に延びて形成されている。
各弾性抜け止め片182は、
図13から
図16に示されるように、バスバ設置壁52に連なる位置から後方に向かって直線状に延びる本体部183と、本体部183の後端部に設けられた係止部184とを有している。
【0091】
一対の弾性抜け止め片182における本体部183間の距離は、
図14および
図15に示されるように、バスバ接続部22の外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
一対の弾性抜け止め片182における係止部184は、本体部183よりも互いに近づいた配置とされている。これにより、2つの係止部184間の距離は、バスバ接続部22の外径寸法よりも小さく、かつ電線接続部24よりも大きくなっている。
【0092】
前保持壁186は、バスバ設置壁52から上方に向かって延びて形成されている。前保持壁186の左右方向中央部の位置には、前後方向に貫通する矩形孔186Aが形成されている。前保持壁186は、一対の弾性抜け止め片182の前方において一対の弾性抜け止め片182との距離が同じとなる位置に配置されている。つまり、端子保持部180において、一対の弾性抜け止め片182と前保持壁186とは、
図14および
図15に示されるように、三角形の頂点の位置に配置されている。
【0093】
一対の弾性抜け止め片182と、前保持壁186との間には、電圧検知端子21のバスバ接続部22が配置可能とされている。言い換えると、端子保持部180に電圧検知端子21が後方から組み付けられて、バスバ接続部22が一対の弾性抜け止め片182と前保持壁186との間に配置されると、バスバ接続部22が一対の弾性抜け止め片182と前保持壁186とによって三方から囲まれるようになっている。
【0094】
保護壁187は、
図13から
図17に示されるように、一対の弾性抜け止め片182の上縁に設けられた側保護壁188と、前保持壁186に設けられた前保護壁189とによって構成されている。
一対の弾性抜け止め片182における側保護壁188は、弾性抜け止め片182における本体部183の前後方向中央部から係止部184の後端部までの位置において互いに近づく方向に突出して形成されている。側保護壁188の弾性抜け止め片182からの突出寸法は、バスバ接続部22の外周面22Aと貫通孔23との間の径方向の寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
【0095】
前保護壁189は、前保持壁186から後方に向かって延びて形成されている。前保護壁189の前保持壁186からの突出寸法は、バスバ接続部22の外周面22Aと貫通孔23との間の径方向の寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。
【0096】
したがって、端子保持部180に電圧検知端子21が後方から組み付けられ、バスバ接続部22が一対の弾性抜け止め片182と前保持壁186との間に配置されると、前保護壁189と、2つの側保護壁188とがバスバ接続部22の一部を上方から覆うようになっている。
【0097】
つまり、端子保持部180は、バスバ接続部22の外周面が、一対の弾性抜け止め片182と前保持壁186とに接触すると共に、保護壁187がバスバ接続部22の上面に接触することにより、電圧検知端子21を抜け止めした状態に保持することができるようになっている。
【0098】
そして、電圧検知端子21を端子保持部180から取り外す際には、電圧検知端子21を後方に引っ張り、一対の弾性抜け止め片182の係止部184が互いに離れるようにして一対の弾性抜け止め片182が弾性変位することにより、電圧検知端子21が端子保持部180から取り外される。
【0099】
以上のように本実施形態においても、電圧検知端子21を端子接続部48に接続するまで端子保持部180によって保持できるから、電圧検知端子21が他の部材などと干渉することを防ぐことができる。
【0100】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、端子保持部80に対して電圧検知端子21が左方から組み付けられ、端子保持部180に対して電圧検知端子21が後方から組み付けられる構成とした。しかしながら、これに限らず、端子保持部に対して電圧検知端子が前方、右方、斜め前方、斜め後方などから組み付けられる構成にしてもよい。
【0101】
(2)上記実施形態では、端子保持部80における弾性抜け止め片85と右保持壁84と、前保持壁83とがバスバ接続部22の外周面と接触することにより電圧検知端子21を抜け止めし、端子保持部180における一対の弾性抜け止め片182と、前保持壁186とがバスバ接続部22の外周面と接触することにより電圧検知端子21を抜け止めする構成にした。しかしながら、これに限らず、端子保持部においてバスバ接続部を板厚方向に挟み込むようにして電圧検知端子を保持する構成にしてもよい。
【0102】
(3)上記実施形態では、端部バスバ35と外部接続バスバ40とが溶接によって接続される構成とした。しかしながら、これに限らず、端部バスバと外部接続バスバとが接続部材として単一のバスバによって構成されてもよい。
【0103】
(4)上記実施形態では、絶縁プロテクタ50が第1プロテクタ60と第2プロテクタ70とを組み付けて構成された。しかしながら、これに限らず、絶縁プロテクタは、単一の部材によって構成されてもよい。
(5)上記実施形態では、第1プロテクタ60によって構成されるバスバ設置壁52に端子保持部80が設けられた構成とした。しかしながら、これに限らず、第2プロテクタに端子保持部が設けられた構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
10: 蓄電モジュール
20: 接続モジュール
21: 電圧検知端子(「端子」)
22: バスバ接続部
22A: 外周面(外側面)
23: 貫通孔
24: 電線接続部
24A: 底板
24B: バレル片
30: バスバ
35: 端部バスバ
40: 外部接続バスバ(「接続部材」)
41: 正極接続バスバ
42: 正極部材接続部
43: ボルト挿通孔
45: 負極接続バスバ
46: 負極部材接続部(「部材接続部」)
47: ボルト挿通孔
48: 端子接続部
48A: ボルト挿通孔
48B: 切欠
49: 前止まり部
50: 絶縁プロテクタ
52: バスバ設置壁
52A: 下保持壁
53: 負極バスバ保持部
54: 正極バスバ保持部
60: 第1プロテクタ
61: プロテクタ本体
63: 配索路
64: 隔壁
65: バスバ保持部
66: 支線路
70: 第2プロテクタ
72: 第1バスバ保持部
73: 係止爪
74: 第2バスバ保持部
75: 係止片
80: 端子保持部
81: 端子収容部
82: 保護壁
83: 前保持壁
84: 右保持壁
85: 弾性抜け止め片
86: スリット
86D: 下側内面
86U: 上側内面
87: 屈曲部
87A: 右側端部
88: 逃がし部
90: 蓄電素子群
91: 蓄電素子
92: 電極配置面
93: 電極端子
93N: 負極端子
93P: 正極端子
95: フレーム
95A: 電池側壁
96: 被係止部
110: 蓄電モジュール
120: 接続モジュール
180: 端子保持部
181: スリット
182: 弾性抜け止め片
183: 本体部
184: 係止部
186: 前保持壁
186A: 矩形孔
187: 保護壁
188: 側保護壁
189: 前保護壁
BT: 締結ボルト
W: 電圧検知線(「電線」の一例)