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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】流量調整装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20230110BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
F16K27/00 B
F16K31/06 385A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019172395
(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公開番号】P2021050749
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】592056908
【氏名又は名称】浜名湖電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】河村 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】中神 有容
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-021078(JP,U)
【文献】特開2019-143531(JP,A)
【文献】特開2019-023442(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109340425(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(31,32)と、
前記ハウジングの内部に設けられて、第1内部通路(43a)を開閉可能な第1弁体(42a)を変位させる電磁力を発生する第1ソレノイド部(37)と、
前記ハウジングの内部に設けられて、第2内部通路(43b)を開閉可能な第2弁体(42b)を変位させる電磁力を発生する第2ソレノイド部(38)と、
車両側部材に対して取り付けるために、前記ハウジングに設けられた第1被取付部(34)と、
車両側部材に対して取り付けるために、前記第1被取付部に対向する前記ハウジングの側壁に設けられた第2被取付部(35)と、
車両側部材に対して取り付けるために、前記第1被取付部と前記第2被取付部とに隣り合う前記ハウジングの側壁に設けられた第3被取付部(36)と、
を備え、
前記第1ソレノイド部の中心軸(37ct)と前記第2ソレノイド部の中心軸(38ct)は、前記第1被取付部の中心(34ct)と前記第2被取付部の中心(35ct)と前記第3被取付部の中心(36ct)とを結んで描かれる仮想三角形の内側エリアに、または前記仮想三角形の辺に、重なる位置に配置されている流量調整装置。
【請求項2】
前記第1ソレノイド部の前記中心軸と前記第2ソレノイド部の前記中心軸は、前記仮想三角形の前記内側エリアに重なる位置に配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【請求項3】
前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部は、前記ハウジングの内部において、一方側に偏った位置に並んで配置されており、
前記第3被取付部は、前記一方側に位置する前記側壁に設けられている請求項1または請求項2に記載の流量調整装置。
【請求項4】
前記第1被取付部と前記第2被取付部の少なくとも一方は、前記ハウジングにおいて前記一方側に偏って配置されている請求項3に記載の流量調整装置。
【請求項5】
前記第1被取付部と前記第2被取付部は、前記ハウジングにおいて前記一方側に偏って配置されている請求項3に記載の流量調整装置。
【請求項6】
前記第1被取付部、前記第1ソレノイド部、前記第2ソレノイド部、および前記第2被取付部は、前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部とが並ぶ方向に重なるように配置されている請求項5に記載の流量調整装置。
【請求項7】
前記第1被取付部、前記第1ソレノイド部、前記第2ソレノイド部、および前記第2被取付部は、前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部とが並ぶ方向に重なるように配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【請求項8】
前記第1弁体と前記第2弁体は、一方が他方よりも開閉頻度が大きい弁体であり、
前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部のうち、前記一方の弁体を変位させる電磁力を発生するソレノイド部の中心軸は、前記仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【請求項9】
前記第1弁体と前記第2弁体は、一方が他方よりも開閉頻度が大きい弁体であり、
前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部のうち、前記一方の弁体を変位させる電磁力を発生するソレノイド部と、前記第1被取付部と、前記第2被取付部とは、重なるように並んで配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【請求項10】
前記第1内部通路は前記第2内部通路よりも流下する流体流量が大きい通路であり、
前記第1ソレノイド部の中心軸は、前記仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【請求項11】
前記第1内部通路は前記第2内部通路よりも流下する流体流量が大きい通路であり、
前記第1ソレノイド部と前記第1被取付部と前記第2被取付部とは、重なるように並んで配置されている請求項1に記載の流量調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、流量調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ、個別の内部通路を開閉する複数の電磁弁を内蔵した流量制御装置が記載されている。この流量制御装置は、車両に搭載するためのねじ止め用保持具であるブラケットを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5717876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の流量制御装置は、ブラケットによって車両にねじ止め固定されるものの、複数の電磁弁の動作に伴う振動に対する耐振動性の観点において、改良の余地がある。
【0005】
この明細書に開示する目的は、耐振動性能の改善が図れる流量調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
開示された流量調整装置の一つは、ハウジング(31,32)と、ハウジングの内部に設けられて、第1内部通路(43a)を開閉可能な第1弁体(42a)を変位させる電磁力を発生する第1ソレノイド部(37)と、ハウジングの内部に設けられて、第2内部通路(43b)を開閉可能な第2弁体(42b)を変位させる電磁力を発生する第2ソレノイド部(38)と、車両側部材に対して取り付けるために、ハウジングに設けられた第1被取付部(34)と、車両側部材に対して取り付けるために、第1被取付部に対向するハウジングの側壁に設けられた第2被取付部(35)と、車両側部材に対して取り付けるために、第1被取付部と第2被取付部とに隣り合うハウジングの側壁に設けられた第3被取付部(36)と、を備え、
第1ソレノイド部の中心軸(37ct)と第2ソレノイド部の中心軸(38ct)は、第1被取付部の中心(34ct)と第2被取付部の中心(35ct)と第3被取付部の中心(36ct)とを結んで描かれる仮想三角形の内側エリアに、または仮想三角形の辺に、重なる位置に配置されている。
【0008】
この流量調整装置によれば、2個のソレノイド部は、中心軸が3個の被取付部の中心を結んで描かれる仮想三角形の内側エリアに、または仮想三角形の辺に、重なる位置に配置されるように、設けられている。これにより、電磁弁の開閉動作に伴い発生するハウジング等の振動に対して、これを抑制できる部位で効果的な固定力を発揮する流量調整装置が得られる。したがって、流量調整装置は、耐振動性能の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の流量調整装置を備えた蒸発燃料処理装置の構成図である。
図2】第3被取付部を正面から視た流量調整装置の部分断面図である。
図3】流量調整装置の背面図である。
図4】第2被取付部を正面から視た流量調整装置の側面図である。
図5】第1被取付部を正面から視た流量調整装置の側面図である。
図6】流入側ハウジング側から視た流量調整装置の外観図である。
図7】流出側ハウジング側から視た流量調整装置の外観図である。
図8】2個の電磁弁、流入ポートおよび流出ポートの位置関係を示す概要図である。
図9】2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
図10】流量調整装置を車両側部材に固定した状態を示す図である。
図11】第2実施形態について2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
図12】第3実施形態について2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
図13】第4実施形態について2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
図14】第5実施形態について2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
図15】第6実施形態について2個の電磁弁と3個の被取付部の位置関係を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1図10を参照しながら説明する。流量調整装置は、車両に搭載される蒸発燃料パージシステムである蒸発燃料処理装置1に用いられる。パージバルブ3は、流量調整装置の一例である。蒸発燃料処理装置1は、図1に示すように、キャニスタ13に吸着した燃料中のHCガス等をエンジン2の吸気通路に供給する。これにより、燃料タンク10からの蒸発燃料が大気に放出されることを防止できる。蒸発燃料処理装置1は、内燃機関であるエンジン2の吸気通路を構成するエンジン2の吸気系と、蒸発燃料をエンジン2の吸気系に供給する蒸発燃料パージ系とを備える。
【0012】
エンジン2の吸気圧によって吸気通路に導入された蒸発燃料は、インジェクタ等からエンジン2に供給される燃焼用燃料と混合されて、エンジン2の燃焼室で燃焼される。エンジン2は少なくともキャニスタ13から脱離された蒸発燃料と燃焼用燃料とを混合して燃焼する。エンジン2の吸気系は、吸気通路を構成する吸気管21が吸気マニホールド20に接続されている。この吸気系は、さらに吸気管21の途中にスロットルバルブ25、エアフィルタ24等が設けられて構成されている。
【0013】
蒸発燃料パージ系において燃料タンク10とキャニスタ13は、ベーパ通路を構成する配管11によって接続されている。蒸発燃料パージ系においてキャニスタ13と吸気管21は、パージ通路を構成する配管14とパージバルブ3とを介して接続されている。また、パージ通路の途中には、パージポンプを設けるようにしてもよい。エアフィルタ24は、吸気管21の上流部に設けられ、吸気中の塵や埃等を捕捉する。スロットルバルブ25は、吸気マニホールド20の入口部の開度を調節して、吸気マニホールド20内に流入する吸気量を調節する吸気量調節弁である。吸気は、吸気通路を通過して吸気マニホールド20内に流入し、インジェクタ等から噴射される燃焼用燃料と所定の空燃比となるように混合されて燃焼室で燃焼される。
【0014】
燃料タンク10は、例えばガソリン等の燃料を貯留する容器である。燃料タンク10は、ベーパ通路を形成する配管11によってキャニスタ13の流入部に接続されている。キャニスタ13は、内部に活性炭等の吸着材が封入された容器である。キャニスタ13は、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を、ベーパ通路を介して取り入れて吸着材に一時的に吸着する。
【0015】
キャニスタ13には、バルブモジュール12が一体に設けられ、またはダクト部を介して設けられている。バルブモジュール12には、キャニスタクローズバルブと内部ポンプとを含んでいる。キャニスタクローズバルブは、外部の新鮮な空気を吸入するための吸入部を開閉する。内部ポンプは、大気に対してガスを放出したり、大気を吸入したりすることが可能なポンプである。キャニスタ13はキャニスタクローズバルブを備えることにより、キャニスタ13内に大気圧を作用させることができる。キャニスタ13は、吸入された新鮮な空気によって吸着材に吸着した蒸発燃料を容易に脱離可能、すなわちパージすることができる。
【0016】
パージバルブ3は、パージ通路の一部である内部通路を開閉する弁体を備えた流量調整装置である。流量調整装置は、複数の電磁弁を内部に有する。パージバルブ3は、キャニスタ13からの蒸発燃料をエンジン2へ供給することを許可および阻止できる。パージバルブ3の構成について説明する。パージバルブ3は、ハウジングの内部に設けられた複数の内部通路のそれぞれを開閉する電磁弁を有している。パージバルブ3は、1個の流入ポート31aと1個の流出ポート32aとを備える。流入ポート31aは、接続された配管14を介してキャニスタ13に連通している。流出ポート32aは、接続された配管を介して吸気管21に連通している。パージバルブ3の内部には、流入ポート31aよりも下流側で分岐する2個の内部通路が設けられている。この2個の内部通路は、さらに下流において流出ポート32aに集約されている。2個の内部通路のそれぞれは、電磁弁によって個別に開閉される構成である。
【0017】
車両の走行時に、制御装置によってパージバルブ3が開弁状態になると、ピストンの吸入作用によって発生する吸気マニホールド20内の負圧とキャニスタ13にかかる大気圧との差が生じる。この圧力差によって、キャニスタ13内に吸着された蒸気燃料は、パージ通路、パージバルブ3を流れ、吸気管21内を通じて吸気マニホールド20内に吸引される。
【0018】
吸気マニホールド20内に吸引された蒸発燃料は、インジェクタ等からエンジン2に供給される本来の燃焼用燃料と混合されて、エンジン2のシリンダ内で燃焼される。エンジン2のシリンダ内においては、燃焼用燃料と吸気との混合割合である空燃比が予め定めた所定の空燃比となるように制御される。制御装置は、パージバルブ3をデューティ通電制御することで、蒸発燃料をパージしても、所定の空燃比が維持されるように蒸発燃料のパージ量を調節する。
【0019】
図2図8に示すように、パージバルブ3は、複数の電磁弁の一例として、第1電磁弁37と第2電磁弁38とを内蔵する。第1電磁弁37と第2電磁弁38のそれぞれは、同様の構成部品によって構成されている。第1電磁弁37と第2電磁弁38のそれぞれは、ソレノイド部41と弁体42と筒状部331とを有する。第1電磁弁37は、第1弁体42aと、第1弁体42aを変位させる電磁力を発生する第1ソレノイド部とを備える。第1弁体42aは、一つの筒状部331内に連通する第1内部通路43aを開閉可能である。第2電磁弁38は、第2弁体42bと、第2弁体42bを変位させる電磁力を発生する第2ソレノイド部とを備える。第2弁体42bは、もう一つの筒状部331内に連通する第2内部通路43bを開閉可能である。筒状部331の端部には、弁体が閉状態で着座し開状態で離間する弁座332が設けられている。第1電磁弁37、第2電磁弁38は、例えば、電圧の非印加時に内部通路を閉じる閉状態であり電圧の印加時に内部通路を開く開状態に制御されるノーマルクローズ式の弁である。
【0020】
各電磁弁は、図2に示すように、弁体42、ソレノイド部41等を備えている。ソレノイド部41は、コイル部410、ボビン411、固定コア413、可動コア412、シャフト部材415、スプリング414等を含んでいる。ソレノイド部41は、樹脂材料により形成された被覆部によって覆われている。被覆部は、ハウジングと一体に形成されている。ソレノイド部41は、被覆部によって樹脂モールドされているともいえる。ソレノイド部41の中心軸は、電磁弁の中心軸でもある。ソレノイド部41はハウジングよりも比重が大きいため、外力に対してソレノイド部が振動しやすい。
【0021】
可動コア412は磁気を通す材質、例えば磁性材料で構成されている。筒状体である可動コア412は、開口端から内挿された状態のシャフト部材415およびスプリング414を取り囲んでいる。弁体42は、ゴム等の弾性変形可能な材質で形成されている。弁体42は、基部と弁部とで可動コア412の頭部を両側から挟むようにして可動コア412に装着されて可動コア412と一体になっている。
【0022】
固定コア413は、電磁力によってスプリング414の付勢力に抗して軸方向に移動する可動コア412を摺動可能に支持する。スプリング414は、固定コア413に固定されているシャフト部材415に軸方向の一端部が接触し可動コア412の頭部に軸方向の他端部が接触した状態で可動コア412の筒状部の内側に設けられている。したがって、スプリング414は、可動コア412を弁座332側へ移動させようとする付勢力を提供する。固定コア413は、シャフト部材415を固定するとともに、ボビン411に組み付けられている。固定コア413、シャフト部材415、可動コア412、弁体42は、軸心が同軸をなすように設置されている。シャフト部材415は、例えばナイロン、ガラス繊維を含有して強化されたナイロンによって形成されている。固定コア413、可動コア412は磁気を通す材質で構成されている。固定コア413は、例えば冷間圧造用炭素鋼線によって形成されている。各電磁弁は、コイル部410に通電されたときに発生する電磁力とスプリング414の付勢力とのバランスに応じて弁体42を駆動することによって、内部通路43を開閉する。
【0023】
ハウジングには、第1電磁弁37のソレノイド部41側からソレノイド部41の中心軸に対して直交する方向に延びるコネクタ31cが設けられている。ハウジングには、第2電磁弁38のソレノイド部41側からソレノイド部41の中心軸に対して直交する方向に延びるコネクタ31dが設けられている。各コネクタは、コイル部410に通電するためのターミナルを内蔵する。コネクタは、ハウジングの内部から底部を貫通して外部に突出するターミナルを支持する樹脂成形部である。ターミナルはコイル部410と電気的に接続されている通電用端子である。コネクタには、電源部や電流制御装置からの電力を供給するための電源側コネクタが接続される。コネクタと電源側コネクタとが接続されてターミナルが電流制御装置等に電気的に接続されると、パージバルブ3はコイル部410に通電する電流を制御できる。
【0024】
図2図8に示すように、パージバルブ3は、ハウジングとして、流入側ハウジング31と、流出側ハウジング32と、シートバルブ部材33とを備えている。流入側ハウジング31、流出側ハウジング32、シートバルブ部材33は、樹脂材料によって形成されている。流入側ハウジング31は、キャニスタ13からの蒸発燃料が流入する流入ポート31aと、流入ポート31aよりも下流に設けられた流入側チャンバ室31bとを備える。流入側ハウジング31には、溶着または接着によって流出側ハウジング32のフランジ部に結合されるフランジ部が設けられている。流入側ハウジング31と流出側ハウジング32は、シートバルブ部材33の外周縁を挟持した状態で両者のフランジ部同士が重ね合わされて一体に接合されている。流入側ハウジング31のフランジ部は、流入側ハウジング31の下流端部に位置する下流開口部の外周縁から放射状に突出する部分である。
【0025】
流入ポート31aは、内部に流体の流入通路を有する管状部であり、流入側ハウジング31の上流端部に位置する。流入ポート31aは、蒸発燃料処理装置1においてパージ通路を形成する配管14に接続されており、配管14を介してキャニスタ13に連通している。
【0026】
流入側チャンバ室31bは、上流端において流入側チャンバ室31bよりも通路横断面積が小さい流入ポート31a内の通路に連通する。流入側チャンバ室31bは、流入側チャンバ室31bよりも下流において、第1内部通路43aと第2内部通路43bとに連通している。流入ポート31a内の通路横断面積は、この通路の中心軸に対して直交する平面によって流入ポート31aを切断した場合の断面積である。流入側チャンバ室31bの通路横断面積は、流入側チャンバ室31bが形成する通路の中心軸に直交する平面によって流入側チャンバ室31bを切断した場合の断面積である。パージバルブ3内の通路は、流入ポート31a内の通路から流入側チャンバ室31bに進んだところで通路横断面積が急激に増加するようになっている。流入側チャンバ室31bは、パージバルブ3において発生する脈動を抑えるチャンバ容積を提供している。
【0027】
流入側ハウジング31は、第1側壁311と、第2側壁312と、第3側壁313と、第4側壁314とを備える。流入側ハウジング31は、下流開口部に対向してこれらの側壁を連結する連結壁部を備える。連結壁部は、第1電磁弁37および第2電磁弁38の軸方向端部と流入側チャンバ室31bとを覆う壁部である。流入ポート31aは、連結壁部よりも流出側ハウジング32寄りに位置している。流入ポート31aは、連結壁部よりも外側に突出しないで内側に位置している。流入ポート31aは、連結壁部、第3側壁313、および第4側壁314に沿うように延びている。流入ポート31aは、流入側ハウジング31のフランジ部からの高さ寸法が連結壁部よりも低くなるように、設けられている。
【0028】
第1側壁311と第2側壁312は対向している。第3側壁313と第4側壁314は対向している。第1側壁311は、第3側壁313と第4側壁314に隣接してこれらを連結している。第2側壁312は、第3側壁313と第4側壁314に隣接してこれらを連結している。コネクタ31cとコネクタ31dは、第3側壁313から外方に突出するように延びている。
【0029】
流入側ハウジング31は、第1電磁弁37、第2電磁弁38を収容している。図6に示すように、第1電磁弁37と第2電磁弁38は、流入側ハウジング31内において、第3側壁313寄りの一方側に並んで配置されている。第1電磁弁37と第2電磁弁38は、第3側壁313に沿うように並んでいる。第1電磁弁37は、第1側壁311と第3側壁313との両方に隣接するように配置されている。第2電磁弁38は、第2側壁312と第3側壁313との両方に隣接するように配置されている。流入ポート31aと流入側チャンバ室31bは、流入側ハウジング31内において、第1電磁弁37および第2電磁弁38とは反対側である他方側に配置されている。流入ポート31aと流入側チャンバ室31bは、第1電磁弁37と第2電磁弁38の並び方向に並ぶように配置されている。流入側チャンバ室31bは、第4側壁314と、第1電磁弁37および第2電磁弁38との間に形成されている。
【0030】
シートバルブ部材33は、2個の筒状部331を有している。2個の筒状部331のそれぞれは、板状部の両面から突出する形状である。筒状部331は、上流側または弁体側に突出する上流側突出部と、下流側または流出ポート32a側に突出する下流側突出部とを有している。板状部の外周縁は、流入側ハウジング31と流出側ハウジング32とで挟持される部分である。2個の筒状部331のうちの一つは、内部の第1内部通路43aと、先端に形成された第1弁体42aの弁座332とを有している。2個の筒状部331のうちのもう一つは、内部の第2内部通路43bと、先端に形成された第2弁体42bの弁座332とを有している。第1弁体42aの弁座332と第2弁体42bの弁座332は、流入側ハウジング31の内部に位置している。2個の筒状部331の下流端部は、流出側ハウジング32の内部に位置している。
【0031】
流出側ハウジング32は、2個の筒状部331においてシートバルブ部材33の板状部から突出している下流側突出部を囲んでいる。流出側ハウジング32は、吸気管21へ向けて蒸発燃料を流出する流出ポート32aと、流出ポート32aの上流側に設けられている流出側チャンバ室32bとを備える。流出側ハウジング32のフランジ部は、流出側ハウジング32の上流端部に位置する上流開口部の外周縁から放射状に突出する部分である。流出側チャンバ室32bは、下流端において流出側チャンバ室32bよりも通路横断面積が小さい流出ポート32a内の通路に連通する。流出側チャンバ室32bは、ハウジングの内部において、流出ポート32aと第1内部通路43aおよび第2内部通路43bとを連絡している。
【0032】
流出ポート32aは、内部に流体の流出通路を有する管状部であり、流出側ハウジング32の下流端部に位置する。流出ポート32aは、接続される配管を介して吸気管21内に連通している。流出ポート32aは、流出側ハウジング32を形成する最外壁部よりも、流入側ハウジング31寄りに位置していることが好ましい。流出ポート32aは、最外壁部よりも外側に突出しないで内側に位置している。流出ポート32aは、第1電磁弁37と第2電磁弁38の並び方向に並ぶように配置されている。流出ポート32aは、先端に向かって流入ポート31aと同じ方向に沿うように延びている。流出ポート32aは、流出側ハウジング32のフランジ部からの高さ寸法が流出側ハウジング32の最外壁部と同等または最外壁部よりも低くなるように、設けられている。
【0033】
図10に示すように、パージバルブ3は、複数の被取付部を介して、ボルト51など固定手段によって車両側部材5に固定されている。例えば、車両側部材5には、ボルト51に螺合する雌ねじ部が埋め込まれている。パージバルブ3は、流入側ハウジング31の第1側壁311から外方に突出する第1被取付部34を有している。第1被取付部34には、流入側ハウジング31と流出側ハウジング32を重ね合わせる結合方向に貫通する取付穴が設けられている。第1被取付部34の取付穴は、車両側部材5に結合されるボルト51などの固定手段を挿通するための貫通穴である。図9に示す第1被取付部の中心34ctは、第1被取付部34の取付穴の中心に相当する。第1被取付部34は、流入側ハウジング31において一方側に偏った位置に配置されている。第1被取付部34は、流入側ハウジング31において第1電磁弁37に対して並ぶように側方に配置されている。
【0034】
パージバルブ3は、流入側ハウジング31の第2側壁312から外方に突出する第2被取付部35を有している。第2被取付部35には、流入側ハウジング31と流出側ハウジング32を重ね合わせる結合方向に貫通する取付穴が設けられている。第2被取付部35の取付穴は、車両側部材5に結合されるボルト51などの固定手段を挿通するための貫通穴である。図9に示す第2被取付部の中心35ctは、第2被取付部35の取付穴の中心に相当する。第2被取付部35は、流入側ハウジング31において一方側に偏った位置に配置されている。第2被取付部35は、流入側ハウジング31において第2電磁弁38に対して並ぶように側方に配置されている。第1被取付部34、第1ソレノイド部、第2ソレノイド部、第2被取付部35は、第1ソレノイド部と第2ソレノイド部の並び方向に重なるように配置されている。
【0035】
パージバルブ3は、流入側ハウジング31の第3側壁313から外方に突出する第3被取付部36を有している。第3被取付部36は、流入側ハウジング31の一方側に位置し第1被取付部34と第2被取付部35とに隣り合う第3側壁313に設けられている。第3被取付部36には、流入側ハウジング31と流出側ハウジング32を重ね合わせる結合方向に貫通する取付穴が設けられている。第3被取付部36の取付穴は、車両側部材5に結合されるボルト51などの固定手段を挿通するための貫通穴である。図9に示す第3被取付部の中心36ctは、第3被取付部36の取付穴の中心に相当する。
【0036】
図9に示すように、第1被取付部の中心34ctと第2被取付部の中心35ctと第3被取付部の中心36ctとを結んで描かれる仮想三角形は、ハウジングの一方側に位置する。仮想三角形の内側エリアは、辺VL1、辺VL2および辺VL3の三辺によって囲まれる範囲である。第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中心軸37ctと中心軸38ctとの中点3cgが仮想三角形の内側エリアに位置するように、配置されている。第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中心軸37ctと中心軸38ctが仮想三角形の辺VL3に重なるように、配置されている。
【0037】
第2電磁弁38は、全開した第2内部通路43bを流れる流体流量が複数の電磁弁の中で最も少なくなるように構成されている。第1電磁弁37は、全開した第1内部通路43aを流れる流体流量が第2電磁弁38よりも多くなるように構成されている。パージバルブ3において、第1電磁弁37は大流量性能を提供する流量調整弁であり、第2電磁弁38は小流量性能を提供する流量調整弁である。
【0038】
第1内部通路43aは、流下可能な流体流量が第2内部通路43bよりも大きくなるように形成されている。この構成により、第1弁体42aの開閉動作に伴う振動が第2弁体42bの開閉動作に伴う振動よりも大きくなりうる。パージバルブ3は、この振動を抑制可能な構成として、第1ソレノイド部を間において第1被取付部34と第2被取付部35とが並ぶ構成を有している。
【0039】
例えば、エンジン2への供給流量が小流量要求である場合には、第1電磁弁37は閉弁状態であり、第2電磁弁38は制御装置によって通電制御されて開弁状態になる。小流量要求時には、制御装置は、1周期の時間に対する通電オン時間の比率、すなわちデューティ比を制御して第2電磁弁38のコイル部410に通電を行う。小流量要求時には、デューティ通電制御により、第2内部通路43bを流通する小流量の蒸発燃料が流出ポート32aから吸気管21内に供給されるようになる。
【0040】
小流量要求時から、多くの供給流量が要求される大流量要求時に移行すると、第2電磁弁38は常時開弁したまま、第1電磁弁37はデューティ通電制御されて開弁状態になる。大流量要求時には、全開状態の第2内部通路43bを流通する小流量に加えて、デューティ通電制御によって第1内部通路43aを流通する大流量の蒸発燃料が流出ポート32aから吸気管21内に供給される。小流量要求時では、大流量要求時に向けて第2弁体42bの開状態率が増加して供給流量が増加していくように制御する。大流量要求時では、第2弁体42bが常時開状態である場合の供給流量から、第1弁体42aの開状態率が増加して供給流量が増加していくように制御する。このような制御により、大流量要求時の流量増加率は、小流量要求時の流量増加率よりも大きくなる。パージバルブ3は、エンジン2への供給流量がゼロである状態から供給し始めるときには、小流量性能を提供する第2電磁弁38の方が先に開弁状態になるように制御される。
【0041】
また、第1電磁弁37と第2電磁弁38は、それぞれの常時開状態である内部通路を流れる流体流量が同等になるように構成してもよい。
【0042】
第1実施形態のパージバルブ3によって開示される流量調整装置がもたらす作用効果について説明する。流量調整装置は、ハウジングの内部に設けられた、第1ソレノイド部と第2ソレノイド部とを備える。第1ソレノイド部は、第1内部通路43aを開閉可能な第1弁体42aを変位させる電磁力を発生する。第2ソレノイド部は、第2内部通路43bを開閉可能な第2弁体42bを変位させる電磁力を発生する。流量調整装置は、車両側部材に対して取り付けるためにハウジングに設けられた、第1被取付部34と第2被取付部35と第3被取付部36とを備える。第2被取付部35は、第1被取付部34に対向するハウジングの側壁に設けられている。第3被取付部36は、第1被取付部34と第2被取付部35とに隣り合うハウジングの側壁に設けられている。第1ソレノイド部の中心軸37ctと第2ソレノイド部の中心軸38ctは、第1被取付部の中心34ctと第2被取付部の中心35ctと第3被取付部の中心36ctとを結んで描かれる仮想三角形の辺に重なる位置に配置されている。
【0043】
流量調整装置において2個の電磁弁は、流量調整のために開閉動作を繰り返す。流量調整装置のハウジング等は、繰り返しの開閉動作によって振動が発生する懸念がある。そこで流量調整装置によれば、2個のソレノイド部は、中心軸が3個の被取付部の中心を結んで描かれる仮想三角形の辺に重なる位置に配置されるように、設けられている。この構成によれば、ハウジング等の振動を抑制できる部位において効果的な固定力を提供できる。したがって、パージバルブ3は耐振動性能の改善を図ることができる。
【0044】
第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、ハウジングの内部において、一方側に偏った位置に並んで配置されている。第3被取付部36は、ハウジングにおいて一方側に位置する側壁に設けられている。この構成によれば、流量調整装置は、重量物であるソレノイド部が一方側に偏って配置されているため、重量バランスが一方側に偏っている。第3被取付部は他の2個の被取付部に隣り合う一方側の側壁に設けられているので、この流量調整装置は一方側に偏った位置で大きく発生する振動を効果的に抑制できる。
【0045】
さらに第1被取付部34と第2被取付部35の少なくとも一方は、ハウジングにおいて一方側に偏って配置されている。この構成によれば、第1被取付部34と第2被取付部35の少なくとも一方から得られる固定力により、一方側に偏った位置で大きく発生する振動を効果的に抑制できる。
【0046】
さらに第1被取付部34と第2被取付部35は、ハウジングにおいて一方側に偏って配置されている。この構成によれば、第1被取付部34と第2被取付部35の両方から得られる固定力により、一方側に偏った位置で大きく発生する振動を効果的に抑制できる。
【0047】
第3被取付部36はハウジングにおいて一方側に位置する側壁に設けられ、第1被取付部34と第2被取付部35はハウジングにおいて一方側に偏って配置されている。さらに第1被取付部34、第1ソレノイド部、第2ソレノイド部、および第2被取付部35は、2個のソレノイド部が並ぶ方向に重なるように配置されている。この構成によれば、第1被取付部34と第2被取付部35と第3被取付部36は、ハウジングの一方側において2個のソレノイド部を囲むように車両側部材に固定される。この流量調整装置によれば、ソレノイド部の動作によってハウジングの一方側において大きくなる振動を集中的かつ強力に抑制する防振性能を発揮できる。
【0048】
第1被取付部34と第1ソレノイド部と第2ソレノイド部と第2被取付部35は、第1ソレノイド部と第2ソレノイド部とが並ぶ方向に重なるように配置されている。この流量調整装置によれば、第1被取付部34と第2被取付部35は2個のソレノイド部を囲むように車両側部材に固定される。これにより、ソレノイド部の動作によってソレノイド部の周辺で発生する振動を集中的かつ強力に抑制する防振性能が得られる。
【0049】
第1実施形態の第1弁体と第2弁体は、一方が他方よりも開閉頻度が大きい弁体である。第1ソレノイド部と第2ソレノイド部のうち、一方の弁体を変位させる電磁力を発生するソレノイド部と第1被取付部34と第2被取付部35とは、重なるように並んで配置されている。これによれば、開閉頻度が大きい方の弁体を駆動するソレノイド部によってハウジングにおいて大きくなる振動を、集中的かつ強力に抑制する防振性能を発揮できる。
【0050】
2個のソレノイド部のうち、開閉頻度が大きい一方の弁体を変位させる電磁力を発生するソレノイド部の中心軸は、仮想三角形の辺に重なる位置に配置されている。これによれば、開閉頻度が大きい方の弁体を駆動するソレノイド部によって大きくなるハウジング等の振動を効果的に抑制できる。
【0051】
第1内部通路43aは第2内部通路43bよりも流下する流体流量が大きく、第1ソレノイド部と第1被取付部34と第2被取付部35は重なるように並んで配置されている。この構成によれば、流体流量が多く流れる弁体を開閉するソレノイド部によって、大きくなるハウジング等の振動を、集中的かつ強力に抑制する防振性能を発揮できる。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態について図11を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して、第1被取付部34および第2被取付部35に関する配置箇所が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0053】
図11に示すように、第2実施形態のパージバルブ103においては、仮想三角形がハウジングにおいて偏りなく全体にわたって位置している。パージバルブ103において第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中点3cgが仮想三角形の内側エリアに位置するように、配置されている。第1ソレノイド部は、中心軸37ctが仮想三角形の辺VL1に重なるように、配置されている。第2ソレノイド部は、中心軸38ctが仮想三角形の辺VL2に重なるように、配置されている。第1被取付部34、第2被取付部35は、流入側ハウジング31において他方側に偏った位置に配置されている。第1被取付部34、第2被取付部35は、流入側ハウジング31において流入側チャンバ室31bや流入ポート31aに対して並ぶようにこれらの側方に配置されている。
【0054】
(第3実施形態)
第3実施形態について図12を参照して説明する。第3実施形態のパージバルブ203は、第1実施形態に対して、第1ソレノイド部の中心軸37ctと第2ソレノイド部の中心軸38ctに関する配置箇所が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0055】
図12に示すように、第1ソレノイド部の中心軸37ctと第2ソレノイド部の中心軸38ctは、3個の被取付部の中心を結んで描かれる仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されている。第1被取付部34と第2被取付部35は、第1ソレノイド部の他方側端部と第2ソレノイド部の他方側端部との両方に重なるように、配置されている。
【0056】
第3実施形態の2個のソレノイド部は、中心軸が3個の被取付部の中心を結んで描かれる仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されるように、設けられている。この構成により、ハウジング等の振動を抑制できる部位において効果的な固定力を提供できる。したがって、パージバルブ203は耐振動性能の改善を図ることができる。
【0057】
第3実施形態の第1弁体と第2弁体は、一方が他方よりも開閉頻度が大きい弁体である。第1ソレノイド部と第2ソレノイド部のうち、一方の弁体を変位させる電磁力を発生するソレノイド部の中心軸は、仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されている。これによれば、開閉頻度が大きい方の弁体を駆動するソレノイド部によって発生するハウジング等の振動を抑制できる効果的な固定力を提供できる。
【0058】
第3実施形態によれば、第1内部通路43aは第2内部通路43bよりも流下する流体流量が大きい通路である。第1ソレノイド部の中心軸37ctは、仮想三角形の内側エリアに重なる位置に配置されている。これによれば、第1ソレノイド部は、流体流量の大きい通路を開閉する第1弁体42aを駆動する。パージバルブ203は、第1弁体42aの開閉動作によって発生するハウジング等の振動を抑制できる効果的な固定力を提供できる。
【0059】
(第4実施形態)
第4実施形態について図13を参照して説明する。第4実施形態のパージバルブ303は、第1実施形態に対して、第1被取付部34および第2被取付部35に関する配置箇所が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0060】
図13に示すように、第1被取付部34は、流入側ハウジング31において他方側に偏った位置に配置されている。第1被取付部34は、流入側ハウジング31において流入側チャンバ室31bや流入ポート31aに対して並ぶような位置に、配置されている。第2被取付部35は、第2ソレノイド部の他方側端部に重なるように、配置されている。第1被取付部34は、第2被取付部35よりも他方側に配置されている。パージバルブ303において第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中点3cgが仮想三角形の内側エリアに位置するように、配置されている。第1ソレノイド部の中心軸37ctは、仮想三角形の辺VL1に重なるように位置している。第2ソレノイド部は、中心軸38ctが仮想三角形の内側エリアに重なるように、配置されている。
【0061】
(第5実施形態)
第5実施形態について図14を参照して説明する。第5実施形態のパージバルブ403は、第1実施形態に対して、第1被取付部34および第2被取付部35に関する配置箇所が相違する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0062】
図14に示すように、第2被取付部35は、流入側ハウジング31において他方側に偏った位置に配置されている。第2被取付部35は、流入側ハウジング31において流入側チャンバ室31bや流入ポート31aに対して並ぶような位置に、配置されている。第1被取付部34は、第1ソレノイド部の他方側端部に重なるように、配置されている。第2被取付部35は、第1被取付部34よりも他方側に配置されている。パージバルブ403において第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中点3cgが仮想三角形の内側エリアに位置するように、配置されている。第2ソレノイド部の中心軸38ctは、仮想三角形の辺VL2に重なるように位置している。第1ソレノイド部は、中心軸37ctが仮想三角形の内側エリアに重なるように、配置されている。
【0063】
(第6実施形態)
第6実施形態について図15を参照して説明する。第6実施形態のパージバルブ503は、第1実施形態に対して、第1被取付部34、第2被取付部35および第3被取付部36に関する配置箇所が相違する。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
【0064】
図15に示すように、パージバルブ503は、流入側ハウジング31の第4側壁314から外方に突出する第3被取付部36を有している。第3被取付部36は、第1被取付部34および第2被取付部35に対して、流入側ハウジング31の他方側に偏った位置に配置されている。パージバルブ503において第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、中点3cgが仮想三角形の内側エリアに位置するように、配置されている。第1ソレノイド部の中心軸37ctと第2ソレノイド部の中心軸38ctは、仮想三角形の内側エリアに重なるように、配置されている。
【0065】
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0066】
明細書に開示の目的を達成可能な流量調整装置は、1個の流入ポートと1個の流出ポートとを備える形態に限定されない。目的を達成可能な流量調整装置は、流入ポートと流出ポートのそれぞれを、電磁弁の個数と同数備える構成でもよい。目的を達成可能な流量調整装置は、1個の流入ポートと電磁弁の個数と同数の流出ポートとを備える構成でもよい。目的を達成可能な流量調整装置は、電磁弁の個数と同数の流入ポートと1個の流出ポートとを備える構成でもよい。
【0067】
明細書に開示の目的を達成可能な流量調整装置は、第1被取付部34、第2被取付部35および第3被取付部36を少なくとも備える。流量調整装置は、目的を達成可能な、これら3個の被取付部に加えて付加的な被取付部を有する構成でもよい。
【符号の説明】
【0068】
31…流入側ハウジング(ハウジング)、 32…流出側ハウジング(ハウジング)
34…第1被取付部、 34ct…第1被取付部の中心
35…第2被取付部、 35ct…第2被取付部の中心
36…第3被取付部、 36ct…第3被取付部の中心
37…第1ソレノイド部(第1電磁弁)、 37ct…第1ソレノイド部の中心軸
38…第2ソレノイド部(第2電磁弁)、 38ct…第2ソレノイド部の中心軸
42a…第1弁体、 42b…第2弁体、 43a…第1内部通路
43b…第2内部通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15