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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】中空糸膜
(51)【国際特許分類】
   B01D 71/36 20060101AFI20230110BHJP
   B01D 69/08 20060101ALI20230110BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B01D71/36
B01D69/08
B01D39/16 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020548102
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(86)【国際出願番号】 JP2019031018
(87)【国際公開番号】W WO2020059344
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】P 2018175905
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大輝
【審査官】中村 泰三
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/16
B01D 69/00-02、08
B01D 71/30-36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、繊維状骨格を有する多孔質かつチューブ状の濾過層を備え、
上記濾過層の外周面の平均孔径が上記濾過層の内周面の平均孔径よりも小さく、
上記濾過層の外周面の平均孔径に対する上記濾過層の内周面の平均孔径の比が2.0以上5.0以下であり、
上記濾過層の外周面の単位面積あたりの平均空孔数に対する上記濾過層の内周面の単位面積あたりの平均空孔数の比が1.0以上3.0以下である中空糸膜。
【請求項2】
上記濾過層の外周面の平均孔径と上記濾過層の内周面の平均孔径との差が4μm以上15μm以下である請求項1に記載の中空糸膜。
【請求項3】
上記濾過層の内周面から上記濾過層の平均厚さの1/2までの深さ領域を第1領域とした場合、上記濾過層の内周面の平均孔径に対する第1領域の平均孔径の比が0.9以上1.1以下である請求項1又は請求項2に記載の中空糸膜。
【請求項4】
上記濾過層の外周面から10μmまでの深さ領域を第2領域とした場合、上記濾過層の外周面の平均孔径に対する第2領域の平均孔径の比が1.0以上2.5以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の中空糸膜。
【請求項5】
上記濾過層の内周面から上記濾過層の平均厚さの1/2までの深さ領域を第1領域、上記濾過層の外周面から10μmまでの深さ領域を第2領域、上記第1領域及び第2領域の間の領域を第3領域とした場合、上記第1領域及び第3領域の単位面積あたりの平均空孔数が上記第2領域の単位面積あたりの平均空孔数よりも大きく、かつ上記第3領域の単位面積あたりの平均空孔数に対する上記第1領域の単位面積あたりの平均空孔数の比が0.7以上1.3以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の中空糸膜。
【請求項6】
上記濾過層の単層体からなる請求項1から請求項のいずれか1項に記載の中空糸膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中空糸膜に関する。
本出願は、2018年9月20日出願の日本出願第2018-175905号に基づく優先権を主張し、上記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
汚水処理や医薬等の製造工程における固液分離用の中空糸膜が知られている。この中空糸膜としては、無機膜及び有機膜が挙げられる。有機膜は、無機膜に比べて透水性が高く、装置全体の製造コスト及びランニングコストを抑えやすい等の利点を有する。この有機膜としては、機械的強度、柔軟性、耐薬品性等に優れるポリテトラフルオロエチレンを主成分とするものが提案されている(特開2010-42329号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-42329号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、繊維状骨格を有する多孔質かつチューブ状の濾過層を備え、上記濾過層の外周面の平均孔径が上記濾過層の内周面の平均孔径よりも小さく、上記濾過層の外周面の平均孔径に対する上記濾過層の内周面の平均孔径の比が2.0以上5.0以下である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の一実施形態に係る中空糸膜を示す模式的斜視図である。
図2図1の中空糸膜のA-A線断面図である。
図3図1の中空糸膜の濾過層の外周面の模式的部分拡大図である。
図4図1の中空糸膜の濾過層の内周面の模式的部分拡大図である。
図5図1の中空糸膜の濾過層の厚さ方向の模式的拡大断面図である。
図6図1の中空糸膜の製造方法を示すフロー図である。
図7図6の中空糸膜の製造方法における押出体の形成装置を示す模式図である。
図8】No.1の中空糸膜の濾過層の外周面のSEM画像である。
図9】No.1の中空糸膜の濾過層の内周面のSEM画像である。
図10】No.1の中空糸膜の濾過層の厚さ方向断面のSEM画像である。このSEM画像において、上方が濾過層の外周面側であり、下方が濾過層の内周面側である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[本開示が解決しようとする課題]
上記公報に記載の中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする濾過層を備えている。この濾過層は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする多孔質シートをチューブ状の支持層の外周面に巻き付けて形成される。この濾過層は、外周面側の孔径と内周面側の孔径とが略等しい。そのため、この濾過層は、透水性を高めるべく孔径を大きくすると不純物が浸透しやすくなる。一方、この濾過層は、選択性(不純物の浸透を防止する性質)を高めるべく孔径を小さくすると透水性が低下する。
【0007】
このように、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする従来の中空糸膜では、透水性と選択性とはトレードオフの関係にある。
【0008】
本開示は、このような事情に基づいてなされたものであり、透水性及び選択性が共に優れる中空糸膜の提供を課題とする。
【0009】
[本開示の効果]
本開示の一態様に係る中空糸膜は、透水性及び選択性が共に優れる。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0011】
本開示の一態様に係る中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、繊維状骨格を有する多孔質かつチューブ状の濾過層を備え、上記濾過層の外周面の平均孔径が上記濾過層の内周面の平均孔径よりも小さく、上記濾過層の外周面の平均孔径に対する上記濾過層の内周面の平均孔径の比が2.0以上5.0以下である。
【0012】
当該中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする濾過層の外周面の平均孔径に対する内周面の平均孔径の比が上記範囲内であるので、上記濾過層の外周面によって不純物の浸透を十分に抑制しつつ、この外周面を透過した濾過水の流路を大きくし、濾過水を内周面の内側に排出する際の圧力損失を小さくすることができる。従って、当該中空糸膜は、透水性及び選択性が共に優れる。
【0013】
上記濾過層の外周面の平均孔径と上記濾過層の内周面の平均孔径との差としては4μm以上15μm以下が好ましい。このように、上記外周面の平均孔径と内周面の平均孔径との差が上記範囲内であることによって、透水性及び選択性を十分に高めることができる。
【0014】
上記濾過層の外周面の単位面積あたりの平均空孔数に対する上記濾過層の内周面の単位面積あたりの平均空孔数の比としては1.0以上3.0以下が好ましい。このように、上記外周面の単位面積あたりの平均空孔数に対する内周面の単位面積あたりの平均空孔数の比が上記範囲内であることによって、十分な透水性を維持しつつ選択性を高めることができる。
【0015】
上記濾過層の内周面から上記濾過層の平均厚さの1/2までの深さ領域を第1領域とした場合、上記濾過層の内周面の平均孔径に対する第1領域の平均孔径の比としては0.9以上1.1以下が好ましい。このように、上記内周面の平均孔径に対する第1領域の平均孔径の比が上記範囲内であることによって、この第1領域における圧力損失を十分に小さくすることができ、ひいては当該中空糸膜の透水性をより高めることができる。
【0016】
上記濾過層の外周面から10μmまでの深さ領域を第2領域とした場合、上記濾過層の外周面の平均孔径に対する第2領域の平均孔径の比としては1.0以上2.5以下が好ましい。このように、上記外周面の平均孔径に対する第2領域の平均孔径の比が上記範囲内であることによって、当該中空糸膜の選択性を高めつつ、上記外周面を透過した濾過水の流路を十分に大きくして透水性をさらに高めることができる。
【0017】
上記濾過層の内周面から上記濾過層の平均厚さの1/2までの深さ領域を第1領域、上記濾過層の外周面から10μmまでの深さ領域を第2領域、上記第1領域及び第2領域の間の領域を第3領域とした場合、上記第1領域及び第3領域の単位面積あたりの平均空孔数が上記第2領域の単位面積あたりの平均空孔数よりも大きいことが好ましく、かつ上記第3領域の単位面積あたりの平均空孔数に対する上記第1領域の単位面積あたりの平均空孔数の比としては0.7以上1.3以下が好ましい。これにより、上記外周面を透過した濾過水の流路を十分に確保して透水性をさらに高めることができる。
【0018】
当該中空糸膜は上記濾過層の単層体からなるとよい。このように、上記濾過層の単層体からなることによって、当該中空糸膜全体の厚さを小さくすることができ、透水性をより高めやすい。また、上記濾過層の単層体からなることによって、当該中空糸膜の製造効率を高めることができる。
【0019】
なお、本開示において、「主成分」とは、質量換算で最も含有割合の大きい成分をいい、例えば含有割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは95質量%以上の成分をいう。「孔径」とは、空孔の長手方向の直径をいう。また、「平均孔径」とは、任意に抽出した10個の空孔の孔径の平均値をいう。「単位面積あたりの平均空孔数」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した任意の5つの100μm×100μmの観察領域における空孔数の平均値をいう。「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値をいう。
【0020】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
【0021】
[第一実施形態]
<中空糸膜>
図1及び図2の中空糸膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主成分とし、繊維状骨格を有する多孔質かつチューブ状の濾過層1を備える。当該中空糸膜は、図3及び図4に示すように、濾過層1の外周面1aの平均孔径D1が濾過層1の内周面1bの平均孔径D2よりも小さい。当該中空糸膜は、外周面1aの平均孔径D1に対する内周面1bの平均孔径D2の比が2.0以上5.0以下である。
【0022】
当該中空糸膜は、濾過層1の外周面1a側に存在する被処理液から不純物の浸透を防止しつつ濾過水を内周面1bの内側に透過して濾過処理を行うものである。当該中空糸膜は、外周面1a側を高圧にして濾過水を内周面1bの内側に透過させる外圧式、及び内周面1b側の負圧により濾過水を内周面1bの内側に透過させる浸漬式(吸引式ともいう)の濾過装置に好適に用いられる。
【0023】
当該中空糸膜は、濾過層1がPTFEを主成分とするので、機械的強度、柔軟性、耐薬品性等に優れる。当該中空糸膜は、PTFEを主成分とする濾過層1の外周面1aの平均孔径D1に対する内周面1bの平均孔径D2の比が上記範囲内であるので、濾過層1の外周面1aによって不純物の浸透を十分に抑制しつつ、この外周面1aを透過した濾過水の流路を大きくし、濾過水を内周面1b側に排出する際の圧力損失を小さくすることができる。従って、当該中空糸膜は、透水性及び選択性が共に優れる。さらに、当該中空糸膜は、濾過層1の外周面1aの孔径が小さいことで、不純物が濾過層1の繊維状骨格内へ浸入することを防止できる。そのため、当該中空糸膜は、不純物の繊維状骨格内への滞留に起因する透水性の低下を防止しやすい。
【0024】
当該中空糸膜は、濾過層1の単層体からなる。つまり、濾過層1の外周面1aは当該中空糸膜の外周面を構成し、濾過層1の内周面1bは当該中空糸膜の内周面を構成している。当該中空糸膜は、濾過層1の単層体からなることによって、全体の厚さを小さくすることができ、透水性をより高めやすい。また、当該中空糸膜は、濾過層1の単層体からなることによって、製造効率を高めることができる。
【0025】
当該中空糸膜の平均厚さT(つまり、濾過層1の平均厚さ)の下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、当該中空糸膜の平均厚さTの上限としては、5.0mmが好ましく、3.0mmがより好ましい。上記平均厚さTが上記下限に満たないと、当該中空糸膜の機械的強度が不十分になるおそれがある。逆に、上記平均厚さTが上記上限を超えると、当該中空糸膜の透水性を十分に高め難くなるおそれがある。
【0026】
上述のように濾過層1は、繊維状骨格を有する。この繊維状骨格はノード11と称される粒子塊がフィブリル12と称される繊維状の部分で繋がれた3次元網状構造を有する。濾過層1は、フィブリル12間、又はノード11とフィブリル12との間の間隙が空孔13を形成する。濾過層1は、複数の空孔13が厚さ方向に連通している。これらの空孔13は、図3図5に示すように、3次元網目状に形成される。
【0027】
濾過層1は、PTFEを含む濾過層形成用組成物を押出成形して得られるチューブ体である。濾過層1は、押出後、軸方向(図1のX方向)に延伸して形成される。濾過層1は、押出後、延伸されることで機械的強度を高めることができる。濾過層1は、上記延伸によって複数のフィブリル12が軸方向に配向し、これらのフィブリル12間、及びノード11とフィブリル12との間に長手方向が軸方向に配向する複数の空孔13が形成される。当該中空糸膜は、複数の空孔13の長手方向が軸方向に配向するので、空孔13を透過した濾過水を圧力損失を小さくしつつ軸方向に送りやすい。軸方向における延伸率としては例えば50%以上700%以下とすることができる。また、濾過層1は、押出後、軸方向に加え、周方向に延伸して形成されてもよい。周方向における延伸率としては例えば5%以上100%以下とすることができる。濾過層1は、延伸温度、延伸率等の延伸条件を調節することで、空孔の大きさや形状を調節することができる。
【0028】
濾過層1に形成される複数の空孔13は、長手方向が軸方向に配向した細長状である。また、上述のように、濾過層1は、外周面1aの平均孔径D1が内周面1bの平均孔径D2よりも小さい。当該中空糸膜は、後述するように、濾過層形成用組成物をダイスから押し出す際に、ダイスの内周面によって、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物に意図的に摩擦を加えることで外周面1a側の平均孔径を小さくすることができる。詳しく説明すると、当該中空糸膜にあっては、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物への意図的な摩擦によってこの濾過層形成用組成物のフィブリル化が促進されると考えられる。これにより、フィブリル12の本数の増加に起因して濾過層1の外周面1a側において隣接するフィブリル12間の間隙、及びノード11とフィブリル12との間の間隙が小さくなり、外周面1aの平均孔径D1が内周面1bの平均孔径D2よりも小さくなると考えられる。
【0029】
濾過層1の外周面1aの平均孔径D1に対する内周面1bの平均孔径D2の比の下限としては、上述のように2.0であり、2.5が好ましく、3.0がより好ましい。一方、上記比の上限としては、上述のように5.0であり、4.5が好ましく、4.0がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、透水性及び選択性を共に高めることが困難になるおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過層1の形成が困難になるおそれや、内周面1bの平均孔径D2が大きくなり過ぎて、濾過層1の内周面1b側の強度が不十分になるおそれがある。
【0030】
濾過層1の外周面1aの平均孔径D1としては、当該中空糸膜の用途に応じて設定可能であるが、その下限としては、0.01μmが好ましい。一方、上記平均孔径D1の上限としては、10.0μmが好ましく、5.0μmがより好ましい。上記平均孔径D1が上記下限に満たないと、濾過層1の透水性を十分に高め難くなるおそれがある。逆に、上記平均孔径D1が上記上限を超えると、濾過層1の内周面1bの平均孔径D2が大きくなり過ぎて、濾過層1の内周面1b側の強度が不十分になるおそれがある。
【0031】
濾過層1の外周面1aの平均孔径D1と内周面1bの平均孔径D2との差の下限としては、4μmが好ましく、6μmがより好ましい。一方、上記差の上限としては、15μmが好ましく、10μmがより好ましい。上記差が上記下限に満たないと、透水性及び選択性を共に高めることが困難になるおそれがある。逆に、上記差が上記上限を超えると、濾過層1の形成が困難になるおそれや、内周面1bの平均孔径D2が大きくなり過ぎて、この内周面1b側の強度が不十分になるおそれがある。
【0032】
濾過層1の内周面1bの単位面積あたりの平均空孔数は外周面1aの単位面積あたりの平均空孔数よりも大きいことが好ましい。これにより、濾過層1の外周面1aを透過した濾過水の流路を確保して透水性を高めやすい。上述のように、当該中空糸膜は、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物を意図的に摩擦することで、この濾過層形成用組成物のフィブリル化を促進できると考えられる。また同時に、当該中空糸膜は、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物を意図的に摩擦することで、この外周面1a側において隣接するフィブリル同士を潰して一体化することができると考えられる。これにより、当該中空糸膜は、濾過層1の外周面1aの平均孔径D1を小さくしつつ、フィブリル化に起因する空孔数の増加を抑え、この外周面1aの空孔数を比較的少なくすることができる。
【0033】
濾過層1の外周面1aの単位面積あたりの平均空孔数に対する内周面1bの単位面積あたりの平均空孔数の比の下限としては、1.0が好ましく、1.2がより好ましい。一方、上記比の上限としては、3.0が好ましく、2.0がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過層1の外周面1aを透過した濾過水の流路を十分に確保できず、透水性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、外周面1aの空孔数が不十分となって透水性を十分に高め難くなるおそれや、内周面1bの空孔数が多くなり過ぎて内周面1b側の強度が不十分になるおそれがある。
【0034】
濾過層1の外周面1aの単位面積あたりの平均空孔数の下限としては、20個/2500μmが好ましく、30個/2500μmがより好ましい。一方、上記平均空孔数の上限としては、100個/2500μmが好ましく、70個/2500μmがより好ましい。上記平均空孔数が上記下限に満たないと、透水性を十分に高め難くなるおそれがある。逆に、上記平均空孔数が上記上限を超えると、濾過層形成用組成物の摩擦による孔径の制御が不十分となるおそれや、内周面1bの空孔数が多くなり過ぎて内周面1b側の強度が不十分になるおそれがある。
【0035】
図5を参照して、濾過層1の厚さ方向における孔径及び空孔数の変化について説明する。上述のように、濾過層1は、外周面1a側では、平均孔径が小さく、かつ空孔数が比較的少ない。これに対し、濾過層1の内周面1b側(例えば濾過層1の厚さ方向中間位置から内側領域)は、濾過層1の形成にあたって濾過層形成用組成物のフィブリル化が促進されないため、外周面1a側よりも平均孔径が大きい。また、濾過層1の内周面側を形成する濾過層形成用組成物は、濾過層1の形成にあたって意図的な摩擦を受けないため、摩擦に起因する空孔数の増減が殆どない。さらに、濾過層1の上述の外周面1a側及び内周面1b側に挟まれる領域では、外周面1a側における濾過層形成用組成物のフィブリル化の影響で内周面1b側よりも平均孔径が若干小さくなりやすい一方、隣接するフィブリル同士の潰れの影響は受け難く、空孔数の減少は抑えられる。
【0036】
以下、濾過層1の内周面1bから濾過層1の平均厚さTの1/2までの深さ領域を第1領域P、外周面1aから10μmまでの深さ領域を第2領域Q、第1領域P及び第2領域Qの間の領域を第3領域Rとし、濾過層1の内部の平均孔径及び空孔数について説明する。なお、第1領域P、第2領域Q及び第3領域Rの空孔は、いずれも濾過層1の軸方向に配向している。
【0037】
濾過層1の内周面1bの平均孔径D2と第1領域Pの平均孔径D3とは略等しい。濾過層1の内周面1bの平均孔径D2に対する第1領域Pの平均孔径D3の比の下限としては、0.9が好ましく、0.95がより好ましい。一方、上記比の上限としては、1.1が好ましく、1.05がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過層1の内部において濾過水の流路を十分に大きくできず、透水性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過水の透過方向に流路が過度に狭まることで圧力損失が大きくなるおそれがある。なお、第1領域P、並びに後述の第2領域Q及び第3領域Rの平均孔径は、濾過層1の厚さ方向の断面のSEM画像から任意に抽出した10個の空孔の孔径の平均値によって求めることができる。
【0038】
濾過層1の内周面1bの単位面積あたりの平均空孔数と第1領域Pの単位面積あたりの空孔数とは略等しい。内周面1bの単位面積あたりの平均空孔数に対する第1領域Pの単位面積あたりの平均空孔数の比の下限としては、0.9が好ましく、0.95がより好ましい。一方、上記比の上限としては、1.1が好ましく、1.05がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過層1の内部において濾過水の流路を十分に確保できず、透水性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過水の透過方向に流路が少なくなることで圧力損失が大きくなるおそれがある。なお、第1領域P、並びに後述の第2領域Q及び第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数は、SEMによって観察した濾過層1の厚さ方向の断面の任意の5つの100μm×100μmの観察領域における空孔数の平均値によって求めることができる。
【0039】
第2領域Qは、外周面1aを透過した濾過水の流路を確保する。濾過層1の外周面1aの平均孔径D1に対する第2領域Qの平均孔径D4の比の下限としては、1.0が好ましく、1.2がより好ましい。一方、上記比の上限としては、2.5が好ましく、2.0がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過水の透過方向に流路が狭まることで圧力損失が大きくなるおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、孔径の制御が困難になり、外周面1aに部分的に比較的大きい空孔が形成されるおそれがある。
【0040】
濾過層1の外周面1aの単位面積あたりの平均空孔数と第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数とは略等しい。外周面1aの単位面積あたりの平均空孔数に対する第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数の比の下限としては、0.9が好ましく、0.95がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過水の透過方向に流路が少なくなることで圧力損失が大きくなるおそれがある。一方、上記比の上限としては、特に限定されるものではないが、濾過層1の製造容易化の観点から、1.1が好ましく、1.05がより好ましい。
【0041】
第3領域Rの平均孔径D5は濾過層1の内周面1bの平均孔径D2よりも小さい。当該中空糸膜は、第3領域Rの平均孔径D5が内周面1bの平均孔径D2よりも小さいことで、第3領域Rから内周面1bにかけて濾過水の透過方向に流路を大きくすることができ、透水性を高めることができる。
【0042】
また、第3領域Rの平均孔径D5は濾過層1の外周面1aの平均孔径D1よりも大きいことが好ましい。濾過層1の外周面1aの平均孔径D1に対する第3領域Rの平均孔径D5の比の下限としては、1.5が好ましく、2.0がより好ましい。一方、上記比の上限としては、3.5が好ましく、3.0がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、外周面1aから第3領域Rにかけて濾過水の流路を十分に大きくできず圧力損失を十分に小さくすることができないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過層1の製造が容易でなくなるおそれがある。
【0043】
濾過層1は、外周面1a、第2領域Q、第3領域R及び第1領域Pの順に平均孔径が大きくなることが好ましい。これにより、外周面1aを透過した濾過水の流路を透過方向に大きくすることで透水性を高めることができる。
【0044】
第1領域Pの単位面積あたりの平均空孔数は第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数よりも大きい。また、第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数は第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数よりも大きい。当該中空糸膜は、第1領域P及び第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数が第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数よりも大きいことで、外周面1aを透過した濾過水の流路を十分に確保して透水性を高めることができる。
【0045】
第2領域Qの単位面積あたりの平均空孔数に対する第1領域P及び第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数の比の下限としては、1.2が好ましく、1.4がより好ましい。一方、上記比の上限としては、2.5が好ましく、2.0がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、透水性を十分に高めることができないおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過層1の製造が容易でなくなるおそれがある。
【0046】
第1領域Pの単位面積当たりの平均空孔数と第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数とは略等しい。第3領域Rの単位面積あたりの平均空孔数に対する第1領域Pの単位面積あたりの平均空孔数の比の下限としては、0.7が好ましく、0.8がより好ましい。一方、上記比の上限としては、1.3が好ましく、1.2がより好ましい。上記比が上記下限に満たないと、濾過水の透過方向に流路が少なくなることで圧力損失が大きくなるおそれがある。逆に、上記比が上記上限を超えると、濾過層1の内周面1b側の強度が不十分となるおそれや、濾過層1の製造が容易でなくなるおそれがある。
【0047】
濾過層1は、PTFEの他、本開示の所望の効果を害しない範囲で他のフッ素樹脂や添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、例えば着色のための顔料や、耐摩耗性改良、低温流れ防止、空孔生成容易化のための無機充填剤、金属粉、金属酸化物粉、金属硫化物粉等が挙げられる。
【0048】
<中空糸膜の製造方法>
次に、図6及び図7を参照して図1の中空糸膜の製造方法について説明する。当該中空糸膜の製造方法は、粉末状のPTFEを主成分とする濾過層形成用組成物をチューブ状に押出す工程と、上記押出す工程で押し出された押出体を軸方向に延伸する工程と、上記延伸する工程による延伸後の押出体を焼成する工程とを備える。当該中空糸膜の製造方法は、上記延伸する工程後の押出体の外周面の平均孔径がこの押出体の内周面の平均孔径よりも小さい。上記押出体の外周面の平均孔径に対する内周面の平均孔径の比は2.0以上5.0以下である。
【0049】
当該中空糸膜の製造方法は、透水性及び選択性が共に優れる図1の中空糸膜を容易に製造することができる。
【0050】
(押出す工程)
上記押出す工程では、粉末状のPTFEを主成分とする濾過層形成用組成物からなる円筒状圧縮成形体をチューブ状に押し出す。上記押出す工程は、PTFEの融点より低い温度で行われ、一般的には常温で行われる。上記濾過層形成用組成物としては、粉末状のPTFEに液体潤滑剤を配合したものを用いることができる。上記液体潤滑剤としては、従来からペースト押出法で用いられている各種潤滑剤を使用することができ、例えばナフサ、ホワイトオイル等の石油系溶剤、ウンデカン等の炭化水素油、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、シリコーンオイル、フルオロクロロカーボンオイル、これらの溶剤にポリイソブチレン、ポリイソプレンなどのポリマーを溶かした溶液、これらの2つ以上の混合物、表面活性剤を含む水又は水溶液などが挙げられる。上記液体潤滑剤としては、均一に混合することが容易となることから、単一成分のものを使用することが好ましい。
【0051】
上記押出す工程は、図7の押出成形機21を用いて行うことができる。押出成形機21は、円柱状の内部空間を有するシリンダー22と、シリンダー22の内部空間と連通する内部空間を有し、シリンダー22の押出し方向側の端面に連続して設けられるダイス23と、シリンダー22の内部空間に設けられるマンドレル24と、マンドレル24の押出し方向側の端面から突出し、シリンダー22及びダイス23の内部空間の中心軸上に配置されるコアピン25とを有する。ダイス23は、押出し方向側の端部にシリンダー22の内部空間と連通する開口23aを有する。開口23aの中心は、シリンダー22及びダイス23の内部空間の中心軸上に位置している。ダイス23の内周面には、シリンダー22の内周面から連続し、押出し方向側に向けて縮径する傾斜面23bが形成されている。
【0052】
上記押出す工程では、シリンダー22及びダイス23の中心軸に対する傾斜面23bの傾斜角α、及び傾斜面23bの傾斜方向長さLを調節することで、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物に対する摩擦を調節する。これにより、当該中空糸膜の製造方法は、濾過層1の外周面1aの平均孔径D1、単位面積あたりの平均空孔数等を上述の範囲に制御することができる。
【0053】
傾斜面23bの傾斜角αの下限としては、30°が好ましく、31°がより好ましい。上記傾斜角αが上記下限に満たないと、濾過層1の外周面1a側を形成する濾過層形成用組成物に対する摩擦が不十分となり、濾過層1の外周面1aの平均孔径D1を十分に小さくできないおそれがある。一方、上記傾斜角αの上限としては、外周面1aの所望する孔径に応じて設定可能であるが、90°が好ましく、60°がより好ましく、40°がさらに好ましい。
【0054】
傾斜面23bの傾斜方向長さLの下限としては、30mmが好ましく、35mmがより好ましい。一方、上記傾斜方向長さLの上限としては、50mmが好ましく、45mmがより好ましい。上記傾斜方向長さLが上記下限に満たないと、濾過層1の外周面側を形成する濾過層形成用組成物に対する摩擦が不十分となり、濾過層1の外周面1aの平均孔径D1を十分に小さくできないおそれがある。逆に、上記傾斜方向長さLが上記上限を超えると、濾過層1の外周面1aの平均孔径及び単位面積あたりの平均空孔数の制御が容易でなくなるおそれがある。
【0055】
(延伸する工程)
上記延伸する工程では、上記押出す工程で押し出されるチューブ状の押出体を加熱しつつ軸方向に延伸する。上記延伸する工程は、ダイス23から押し出される押出体を加熱しつつダイス23から押し出される速度より速い速度で巻き取ることで行うことができる。これにより、上記押出体中の上記液体潤滑剤を揮発させると共に、上記押出体を多孔質化することができる。
【0056】
上記延伸する工程における上記押出体の延伸率の下限としては、50%が好ましく、100%がより好ましい。一方、上記延伸率の上限としては、700%が好ましく、400%がより好ましい。上記延伸率が上記下限に満たないと、得られる濾過層1の外周面1aの平均孔径D1と内周面1bの平均孔径D2との差を十分に大きくすることができないおそれがある。逆に、上記延伸率が上記上限を超えると、上記押出体が断裂するおそれがある。
【0057】
(焼成する工程)
上記焼成する工程では、上記延伸する工程後の押出体を長さを保ちつつPTFEの融点以上に加熱して延伸状態で固定する。
【0058】
上記焼成する工程における加熱温度としては、例えば350℃以上550℃以下とすることができる。また、上記焼成する工程における加熱時間としては、例えば10秒以上20分以下とすることができる。
【0059】
当該中空糸膜の製造方法では、上記焼成する工程後の押出体が濾過層1を構成する。なお、当該中空糸膜の製造方法は、上記焼成する工程後の上記押出体を所望の寸法に裁断する工程をさらに備えていてもよい。
【0060】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0061】
例えば当該中空糸膜は、膜全体の透水性及び選択性を容易かつ確実に制御する観点等から濾過層の単層体からなることが好ましいが、濾過層以外の他の層を有していてもよい。
【0062】
当該中空糸膜は、上述の第1領域P~第3領域Rの平均孔径及び単位面積あたりの平均空孔数が、必ずしも第一実施形態の関係を満たすよう制御されていなくてもよい。
【実施例
【0063】
以下、実施例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0064】
[実施例]
[No.1]
PTFEファインパウダー(ダイキン工業社製の「F104」)を主成分とし、液体潤滑剤としてナフサを成分とする出光興産社製の「スーパーゾルFP-25」を含む円筒状圧縮成形体を、図7の押出成形機21を用いて以下の条件でチューブ状に押し出した(押出す工程)。
シリンダー径(内径):50mm
マンドレル径:24.6mm
ダイス径(開口径):2.4mm
コアピン径:1.5mm
リダクションレシオ(ダイスの開口におけるダイスの内周面とコアピンとの隙間の面積に対する円筒状圧縮成形体の断面積の比率):540
ラム速度:11mm/min
ダイスの傾斜面の傾斜角:32°
ダイスの傾斜面の傾斜方向長さ:34.8mm
【0065】
上記押出す工程で押し出されたチューブ状の押出体を加熱温度230℃、加熱時間1分、延伸率150%で軸方向に延伸し(延伸する工程)、延伸後の押出体を長さを保ちつつ加熱温度365℃、加熱時間6分で焼成し(焼成する工程)、平均厚さ0.3mmの濾過層の単層体からなるNo.1の中空糸膜を製造した。この中空糸膜の外周面のSEM画像を図8に、内周面のSEM画像を図9に、厚さ方向の断面のSEM画像を図10に示す。
【0066】
図8及び図9に示すように、この濾過層の外周面の平均孔径は内周面の平均孔径よりも小さい。この濾過層の外周面の平均孔径は3μm、内周面の平均孔径は10μmであり、外周面の平均孔径に対する内周面の平均孔径の比は3.3であった。また、この濾過層の外周面の単位面積あたりの平均空孔数は50個/2500μm、内周面の単位面積あたりの平均空孔数は70個/2500μmであった。
【0067】
また、この濾過層は、内周面から濾過層の平均厚さの1/2までの深さ領域を第1領域、外周面から10μmまでの深さ領域を第2領域、第1領域及び第2領域の間の領域を第3領域とした場合、第1領域の平均孔径は10μm、第2領域の平均孔径は5μm、第3領域の平均孔径は8μmであった。また、第1領域の単位面積あたりの平均空孔数は70個/2500μm、第2領域の単位面積あたりの平均空孔数は50個/2500μm、第3領域の単位面積あたりの平均空孔数は80個/2500μmであった。
【0068】
(IPAバブルポイント)
No.1の中空糸膜のIPAバブルポイントを、イソプロピルアルコールを用いASTM F316に基づき測定したところ、104kPaであった。
【0069】
(ガーレー秒)
No.1の中空糸膜のガーレー秒を、JIS-P8117:2009に準拠して、100cmの空気が1.22kPaの平均圧力差で6.45cmの積層体を通過する時間によって測定したところ、107秒であった。
上記測定結果から、No.1の中空糸膜は透水性及び選択性が共に優れることが判る。
【符号の説明】
【0070】
1 濾過層 1a 外周面 1b 内周面
11 ノード 12 フィブリル 13 空孔
21 押出成形機 22 シリンダー 23 ダイス
23a 開口 23b 傾斜面 24 マンドレル 25 コアピン
P 第1領域 Q 第2領域 R 第3領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10