(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】エンドシール装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20230110BHJP
B65B 51/14 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B65B51/10 101
B65B51/14
(21)【出願番号】P 2018178558
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小寺 達也
(72)【発明者】
【氏名】福本 雄策
(72)【発明者】
【氏名】星野 貴大
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-011909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10
B65B 51/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のフィルムの長手方向を搬送方向として搬送される前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第1シーラ及び第2シーラと、
前記第1シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対の第1板バネと、
前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記フィルムに関して前記対の第1板バネの反対側に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記対の第1板バネに対して接離する対の第2板バネと、
を備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づいて、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込むことに連動して、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネのうち一方又は両方が前記搬送方向に互いに離間し、
前記第1シーラ及び前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ配置され、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動する対のカムフォロワと、
前記第1シーラ及び前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラに対して相対的に前記搬送方向に接離可能に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動することによって前記カムフォロワに対して接離する対のカム部材と、
前記対のカム部材を互いに近づける方向に付勢する付勢部と、を備え、
前記第1板バネが前記第1シーラに対して相対的に前記搬送方向に前記対のカム部材と一緒に移動可能に設けられ、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記対のカム部材が前記対のカムフォロワによって前記付勢部の付勢力に抗して押されることによって、前記対の第1板バネが前記搬送方向に互いに離間する
エンドシール装置。
【請求項2】
アクチュエータを更に備え、
前記対のカム部材及び前記対の第1板バネが前記第1シーラに対して相対的に接離方向に移動可能に設けられ、
前記アクチュエータが前記対のカム部材及び前記対の第1板バネを接離方向に駆動する
請求項
1に記載のエンドシール装置。
【請求項3】
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記アクチュエータが前記対のカム部材を前記対のカムフォロワに近づけた状態に維持し、
前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込んだ後であって前記互いに離れる前に、前記アクチュエータが前記対のカム部材を前記対のカムフォロワから離間させる
請求項
2に記載のエンドシール装置。
【請求項4】
筒状のフィルムの長手方向を搬送方向として搬送される前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第1シーラ及び第2シーラと、
前記第1シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対の第1板バネと、
前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記フィルムに関して前記対の第1板バネの反対側に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記対の第1板バネに対して接離する対の第2板バネと、
を備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づいて、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込むことに連動して、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネのうち一方又は両方が前記搬送方向に互いに離間し、
前記第1シーラ及び前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ配置され、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対のカムフォロワと、
前記第1シーラ及び前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第2シーラに対して相対的に前記搬送方向に接離可能に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記カムフォロワに対して接離する対のカム部材と、
前記対のカム部材を互いに近づける方向に付勢する付勢部と、を備え、
前記第2板バネが前記第2シーラに対して相対的に前記搬送方向に前記対のカム部材と一緒に移動可能に設けられ、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記対のカム部材が前記対のカムフォロワによって前記付勢部の付勢力に抗して押されることによって、前記対の第2板バネが前記搬送方向に互いに離間する
エンドシール装置。
【請求項5】
アクチュエータを更に備え、
前記対のカム部材及び前記対の第2板バネが前記第2シーラに対して相対的に接離方向に移動可能に設けられ、
前記アクチュエータが前記対のカム部材及び前記対の第2板バネを接離方向に駆動する
請求項
4に記載のエンドシール装置。
【請求項6】
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記アクチュエータが前記対のカム部材を前記対のカムフォロワに近づけた状態に維持し、
前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込んだ後であって前記互いに離れる前に、前記アクチュエータが前記対のカム部材を前記対のカムフォロワから離間させる
請求項
5に記載のエンドシール装置。
【請求項7】
筒状のフィルムの長手方向を搬送方向として搬送される前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第1シーラ及び第2シーラと、
前記第1シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対の第1板バネと、
前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記フィルムに関して前記対の第1板バネの反対側に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記対の第1板バネに対して接離する対の第2板バネと、
を備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づいて、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込むことに連動して、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネのうち一方又は両方が前記搬送方向に互いに離間し、
前記対の第1板バネを互いに接離させる第1板バネ用駆動部を更に備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記第1板バネ用駆動部が前記対の第1板バネを相互に離間させ、
前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込んだ後、前記第1板バネ用駆動部が前記対の第1板バネを相互に近づける
エンドシール装置。
【請求項8】
筒状のフィルムの長手方向を搬送方向として搬送される前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第1シーラ及び第2シーラと、
前記第1シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対の第1板バネと、
前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記フィルムに関して前記対の第1板バネの反対側に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記対の第1板バネに対して接離する対の第2板バネと、
を備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づいて、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込むことに連動して、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネのうち一方又は両方が前記搬送方向に互いに離間し、
前記対の第2板バネを互いに接離させる第2板バネ用駆動部を更に備え、
前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づく際に、前記第2板バネ用駆動部が前記対の第2板バネを相互に離間させ、
前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込んだ後、前記第2板バネ用駆動部が前記対の第2板バネを相互に近づける
エンドシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される筒状のフィルムをシールするエンドシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロー包装装置は、帯状のフィルムを製袋器によって筒状に丸めることによってその筒状のフィルムによって被包装物を包み込んだ上で、製袋器の下流側で筒状のフィルムの重ね合わせ縦綴じ目をセンターシール装置によってシールし、センターシール装置の下流側においてフィルムのうち被包装物の間の横綴じ目をエンドシール装置によってシールする装置である。筒状のフィルムがエンドシール装置によってシールされる際には、そのフィルムが一対のシーラによって挟まれることによって潰れる。そのため、フィルムに皺が発生することがある。このような皺の発生を抑えるべく、例えば特許文献1,2に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭59-16806号公報
【文献】特許第4411024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1,2に開示された技術では、潰されるフィルムの皺を横方向に伸ばすことしかできず、フィルムの搬送方向に皺を伸ばすことができない。そのため、横綴じ目の見栄えが良くなかったり、横綴じ目に不良が生じたりする。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的はフィルムの横綴じ目に発生する皺をそのフィルムの搬送方向に伸ばすことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、エンドシール装置が、筒状のフィルムの長手方向を搬送方向として搬送される前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第1シーラ及び第2シーラと、前記第1シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第1シーラと一緒に運動する対の第1板バネと、前記第2シーラに関して前記搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられ、前記フィルムに関して前記対の第1板バネの反対側に設けられ、前記第1シーラと前記第2シーラの接離運動に連動して前記第2シーラと一緒に運動することによって前記対の第1板バネに対して接離する対の第2板バネと、を備え、前記第1シーラ及び前記対の第1板バネが前記第2シーラ及び前記対の第2板バネに近づいて、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネがそれらの間に前記フィルムを挟み込むことに連動して、前記対の第1板バネと前記対の第2板バネのうち一方又は両方が前記搬送方向に互いに離間する。
【0007】
以上によれば、第1シーラと第2シーラが互いに近づく場合に、対の第1板バネと対の第2板バネが互いに近づくので、フィルムは第1シーラ及び第2シーラの上流側及び下流側において第1板バネと第2板バネとの間に挟まれる。それに連動して、対の第1板バネ若しくは対の第2板バネ又はこれらの両方が搬送方向に互いに離間する。つまり、上流側の第1板バネ若しくは第2板バネ又はこれらの両方が第1シーラから上流側に離れ、下流側の第1板バネ若しくは第2板バネ又はこれらの両方が第2シーラから下流側に離れる。そのため、フィルムを搬送方向に伸ばすことができ、フィルムの皺の発生を防止できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィルムの横綴じ目を第1シーラ及び第2シーラによってシールする際に、フィルムを搬送方向に伸ばすことができ、フィルムの皺の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】エンドシール装置を後ろから見た図面である。
【
図3】エンドシール装置の第1シーラ及び第2シーラの軌道を右から見て示した図面である。
【
図4】エンドシール装置を後ろから見た図面である。
【
図8】エンドシール装置を後ろから見た図面である。
【
図10】エンドシール装置を後ろから見た図面である。
【
図11】エンドシール装置を右から見た図面である。
【
図12】変形例のエンドシール装置を右から見た図面である。
【
図13】変形例のエンドシール装置を右から見た図面である。
【
図14】変形例のエンドシール装置を右から見た図面である。
【
図15】変形例のエンドシール装置を右から見た図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
1. ピロー包装装置
図1は、ピロー包装装置1の概略側面図である。このピロー包装装置1は、横型ピロー包装装置であり、特に正ピロー包装装置である。
【0012】
このピロー包装装置1は、被包装物3をフィルム4により順次包装することによって、包装物2を順次作製する装置である。このピロー包装装置1では、被包装物3及び包装物2が後ろから前に向かって搬送される。そのため、搬送される被包装物3及び包装物2の流れの上流が後方であり、下流が前方である。
【0013】
ピロー包装装置1は、搬送台28、受け板(上板)68、フィルム供給機10、製袋器(フォーマ)18、被包装物供給機20、ベルトコンベヤ30、搬出ベルトコンベヤ35、センターシール装置60、エンドシール装置70、上側抑えベルト50、制御部40等を備える。
【0014】
搬送台28はその上面が水平に設けられている。搬送台28の前方には、受け板68が設けられている。受け板68は搬送台28の上面に高さが揃うように設けられている。搬送台28及び受け板68には、前後方向に延びるスリットが形成されている。搬送台28と受け板68との間には、製袋器18が設けられている。
【0015】
製袋器18の後方には、被包装物供給機20が設けられている。被包装物供給機20は、搬送台28上の被包装物3を所定間隔で製袋器18に供給する。被包装物供給機20は押送コンベヤであって、第1スプロケット21、第2スプロケット(図示略)、無端チェーン22、複数の押送部材23及びモータ24を備える。無端チェーン22が第1スプロケット21及び第2スプロケットに掛け渡され、押送部材23が無端チェーン22に所定間隔で取り付けられている。第1スプロケット21がモータ24によって回転駆動されると、無端チェーン22が走行する。無端チェーン22の走行によって、押送部材23が搬送台28のスリットを通って搬送台28の上へ突出した状態で第2スプロケットから第1スプロケット21に向かって移動する。そのため、搬送台28上の被包装物3はその後ろから押送部材23によって前へ押されて送られる。
【0016】
製袋器18の上方には、フィルム供給機10が設けられている。フィルム供給機10は、原反ロール11、フィードローラ12及びフィードモータ13等を備える。原反ロール11には帯状のフィルム4が巻回されている。原反ロール11は製袋器18の上方にセッティングされている。原反ロール11から繰り出されたフィルム4はフィードローラ12を経由して製袋器18に案内される。フィードモータ13がフィードローラ12を回転駆動すると、フィルム4が原反ロール11から引き出される。これにより、フィルム4が製袋器18に連続的に供給される。なお、原反ロール11がフィードモータ13によって駆動されることによって、原反ロール11からフィルム4が繰り出されるものとしてもよい。
【0017】
フィルム供給機10によって供給されるフィルム4が製袋器18を通過する際に、フィルム4の両側部5(以下、縦綴じ目5という。)が製袋器18によって下方に曲げられて、フィルム4が製袋器18によって筒状に丸められる。フィルム4が筒状に丸められることによって、製袋器18に供給された被包装物3がフィルム4に包み込まれる。縦綴じ目5は製袋器18によって重ね合わされて垂下するようにフィン状に形成され、受け板68のスリットを通って受け板68の下へ突出する。
【0018】
製袋器18よりも下流側では、筒状フィルム4の長手方向(軸方向)が前後方向となり、筒状フィルム4が前方に搬送される。また、製袋器18よりも下流側では、被包装物供給機20によって供給された複数の被包装物3が筒状フィルム4の内側において筒状フィルム4の長手方向に所定間隔を置いて配列されている。そして、これら被包装物3は、それらの配列を保った状態で、受け板68及び後述のベルトコンベヤ30上で筒状フィルム4に従動して下流側へ搬送される。
【0019】
製袋器18の前方且つ受け板68の下方には、センターシール装置60が設けられている。このセンターシール装置60は、受け板68のスリットから下に突き出た縦綴じ目5を左右両側から挟み込みながら加熱することによって縦綴じ目5をシールする。シールされた縦綴じ目5は、センターシール装置60から後述のベルトコンベヤ30の無端ベルト上に送られる際に筒状フィルム4の下面に接するように左又は右へ折り畳まれる。
【0020】
センターシール装置60の前方には、ベルトコンベヤ30が設けられている。ベルトコンベヤ30の前方には、搬出ベルトコンベヤ35が設けられている。ベルトコンベヤ30の無端ベルトの搬送面は、受け板68の前端から水平方向前方へ延在している。搬出ベルトコンベヤ35の無端ベルトの搬送面は、ベルトコンベヤ30の無端ベルトの搬送面の前端から前方へ離れているとともに、水平方向前方へ延在している。
【0021】
センターシール装置60によってシールされた筒状フィルム4及びその内側の被包装物3が受け板68からベルトコンベヤ30の無端ベルト上に送られる。そして、ベルトコンベヤ30上の筒状のフィルム4及びその内側の被包装物3がベルトコンベヤ30によって前方へ搬送される。
【0022】
ベルトコンベヤ30の上方には、ベルトコンベヤ30上の被包装物3を筒状フィルム4の外側から抑え付ける抑え付けベルト50が設けられている。抑え付けベルト50はベルトコンベヤ30と同速で走行する。
【0023】
ベルトコンベヤ30の前端まで搬送された筒状のフィルム4及び被包装物3はベルトコンベヤ30から搬出ベルトコンベヤ35に載せ換えられる。
【0024】
ベルトコンベヤ30と搬出ベルトコンベヤ35との間には、エンドシール装置70が設けられている。このエンドシール装置70は、筒状フィルム4を周期的にシールするとともに切断する。エンドシール装置70がフィルム4のシール及び切断をするタイミングは、被包装物3がエンドシール装置70を通過してから次の被包装物3がエンドシール装置70を通過するまでの間である。つまり、フィルム4のうち隣り合う被包装物3の間の部位がベルトコンベヤ30から搬出ベルトコンベヤ35に載せ替えられる際に、その部位がエンドシール装置70によりシールされるとともに切断される。これにより、包装物2が完成する。完成した包装物2は搬出ベルトコンベヤ35によって前へ搬送される。
【0025】
2. エンドシール装置
図2を参照して、エンドシール装置70について詳細に説明する。
図2は、エンドシール装置70を後ろから見た図面である。なお、
図2では、エンドシール装置70の構成要素を把握しやすくするために、後述の皺取り装置80の一部の図示を省略する。
【0026】
エンドシール装置70はボックスモーション式のシール装置である。エンドシール装置70は、第1シーラ(上部シーラ)71、第2シーラ(下部シーラ)72、上部可動基台73、下部可動基台74、駆動装置76、切断刃77、切断用アクチュエータ78を備える。
【0027】
駆動装置76は、ベルトコンベヤ30の前部及び搬出ベルトコンベヤ35の後部の左右両側に設けられている。上部可動基台73はベルトコンベヤ30の前端と搬出ベルトコンベヤ35の後端との間の領域の上方に配設されている。上部可動基台73の左右両側部は左右の駆動装置76に連結されている。第1シーラ71は上部可動基台73の下端に取り付けられている。下部可動基台74はベルトコンベヤ30の前端と搬出ベルトコンベヤ35の後端との間の領域の下方に配設されている。下部可動基台74の左右両側部は左右の駆動装置76に連結されている。第2シーラ72は下部可動基台74の上端に取り付けられている。
【0028】
駆動装置76は、モータと、モータの回転動力を上下往復運動と前後往復運動との組合せ運動に変換して、上部可動基台73及び下部可動基台74にその組み合わせ運動をさせる運動変換機構(例えば、カム機構)とを備える。駆動装置76は、
図3に示すような軌道に沿って上部可動基台73及び下部可動基台74を運動させる。ここで、
図3では、
図1と同様に横から見た場合に、上部可動基台73と一緒に運動する第1シーラ71の軌道αと、下部可動基台74と一緒に運動する第2シーラ72の軌道βを示す。
【0029】
まず、駆動装置76は、上部可動基台73を下降させ且つ下部可動基台74を上昇させた状態で、上部可動基台73と下部可動基台74を筒状フィルム4と同速で後ろから前に移動させる。この際、フィルム4が第1シーラ71と第2シーラ72の間に挟み込まれた状態でシーラ71,72が位置a1,b1から位置a2,b2に移動するため、横綴じ目がしっかり形成される。ここで、フィルム4のシールが熱圧着である場合、第1シーラ71及び第2シーラ72にヒータが設けられている場合、横綴じ目が熱圧着によりシールされ、第2シーラ72及び第1シーラ71にヒータが設けられていない場合、横綴じ目が接着剤によりシールされる。
【0030】
その後、駆動装置76は、上部可動基台73を上昇させるとともに、上部可動基台73の上昇運動に並行して下部可動基台74を下降させる。上部可動基台73の上昇中且つ下部可動基台74の下降中、駆動装置76が上部可動基台73と下部可動基台74を前移動から後ろ移動に切り替える。従って、第1シーラ71は位置a2から位置a3を経由して位置a4まで上昇し、それと並行して、第2シーラ72は位置b2から位置b3を経由して位置b4まで下降する。上部可動基台73の上昇タイミングと下部可動基台74の下降タイミングが同期することで、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに離間して、被包装物3が第1シーラ71と第2シーラ72の間を前へ通過する。
【0031】
その後、駆動装置76は、上部可動基台73を下降させるとともに、上部可動基台73の下降運動に並行して下部可動基台74を上昇させる。上部可動基台73の下降中且つ下部可動基台74の上昇中、駆動装置76が上部可動基台73と下部可動基台74を後ろ移動から前移動に切り替える。従って、第1シーラ71は位置a4から位置a5を経由して位置a1まで下降し、それと並行して、第2シーラ72は位置b4から位置b5を経由して位置b1まで上昇する。上部可動基台73の下降タイミングと下部可動基台74の上昇タイミングが同期することによって、第2シーラ72と第1シーラ71が互いに近接して、フィルム4が第2シーラ72と第1シーラ71の間に挟み込まれる。
【0032】
駆動装置76が上部可動基台73と下部可動基台74に以上のような運動を繰り返し行わせることによって、フィルム4が繰り返しシールされる。なお、ベルトコンベヤ30の前部及び搬出ベルトコンベヤ35の後部が昇降ガイドを介して下部可動基台74に連結されており、ベルトコンベヤ30の前部及び搬出ベルトコンベヤ35の後部は上部可動基台73及び下部可動基台74と一緒に前後往復運動する。
【0033】
切断刃77は上下動可能となって上部可動基台73及び第1シーラ71内に収容されている。この切断刃77はアクチュエータ78に連結されている。アクチュエータ78は上部可動基台73に上端に取り付けられている。アクチュエータ78及び駆動装置76が制御部40によって制御されることによって、アクチュエータ78の動作タイミングと駆動装置76の動作タイミングの同期が取られる。具体的には、シーラ71,72が位置a1,b1から位置a2,b2に移動する時に、つまりフィルム4が第1シーラ71と第2シーラ72の間に挟まれている時に、制御部40がアクチュエータ78を作動させる。そうすると、アクチュエータ78が切断刃77を下降させて、切断刃77が第1シーラ71の下面から下方へ突き出るので、フィルム4の横綴じ目が前後に切断される。フィルム4の横綴じ目の切断後、アクチュエータ78が切断刃77を上昇させると、切断刃77が上部可動基台73及び第2シーラ72内に収容される。なお、第2シーラ72の上面には凹所が形成されており、切断刃77は下降時にその凹所に挿入される。
【0034】
3. エンドシール装置の皺取り装置
エンドシール装置70は、フィルム4のシール箇所の皺を伸ばすべく、
図4及び
図5に示すような皺取り装置80を備える。ここで、
図4は、皺取り装置80が設けられたエンドシール装置70を後ろから見た図面である。
図5は、皺取り装置80が設けられたエンドシール装置70を右から見た図面である。
【0035】
皺取り装置80は、前後対の昇降ガイド81F,81R、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、カムフォロワ88F,88R、コイルスプリング(付勢部)89F,89R、可動ブロック90F,90R、第1板バネ91F,91R、固定ブラケット95F,95R、第2板バネ96F,96R及びブラケット880F,880Rを備える。また、皺取り装置80は昇降体92、アクチュエータ93及びブラケット94を備える。ここで、前後動ガイド84Rは左右で対となっている。前後動ガイド84R,前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R,カムフォロワ88F,88R、コイルスプリング89F,89R及びブラケット880F,880Rについても同様である。
【0036】
下部可動基台74の前後の面には、前の固定ブラケット95Fと後ろの固定ブラケット95Rがそれぞれ取り付けられている。後ろの固定ブラケット95Rの上端には、後ろの第2板バネ96Rが取り付けられ、第2板バネ96Rの上面が第2シーラ72の上面よりも下に位置している。前の固定ブラケット95Fの上端には、前の第2板バネ96Fが取り付けらており、第2板バネ96Fの上面が第2シーラ72の上面よりも下に位置している。第2板バネ96F,96Rが固定ブラケット95F,95Rによって下部可動基台74に取り付けられているため、第2板バネ96F,96Rがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示す軌道βに沿って第2シーラ72と一緒に運動する。
【0037】
第2板バネ96Rの上面と第2板バネ96Fの上面は、上下方向の位置が揃っている。これら第2板バネ96R,96Fの上面は上方に向けて凸に湾曲しているが、その曲率は小さい。
【0038】
上部可動基台73の後面には、2体の昇降ガイド81Rが取り付けられている。昇降ガイド81Rによって昇降シャフト82Rが上下動可能に支持されている。昇降シャフト82Rの下端には、左右方向に長尺な昇降ブロック83Rが取り付けられている。昇降ブロック83Rの左右の端部には、後ろの前後動ガイド84Rが取り付けられている。前後動ガイド84Rによって前後動シャフト85Rが前後動可能に支持されている。
【0039】
前後動シャフト85Rの前端部には、カム部材86Rが取り付けられている。カム部材86Rは前後動シャフト85Rによって上部可動基台73及び第1シーラ71に対して相対的に前後動可能に設けられているとともに、昇降ガイド81Rによって上部可動基台73及び第1シーラ71に対して相対的に上下動可能に設けられている。
【0040】
以上のようにカム部材86Rが前後動シャフト85R、前後動ガイド84R、昇降ブロック83R、昇降シャフト82R及び昇降ガイド81Rを介して上部可動基台73に取り付けられているため、カム部材86Rがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道αに沿って第1シーラ71と一緒に運動する。
【0041】
カム部材86Rの下方には、カムフォロワ88Rが配されている。このカムフォロワ88Rはブラケット880Rによって下部可動基台74に取り付けられている。従って、カムフォロワ88Rが下部可動基台74と一体となって駆動装置76によって駆動される。従って、カムフォロワ88Rがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道βに沿って第2シーラ72と一緒に運動する。よって、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに接離する動作に伴って、カム部材86Rとカムフォロワ88Rが互いに接離する。
【0042】
カム部材86Rと前後動ガイド84Rとの間には、前後動シャフト85Rに外装されたコイルスプリング89Rが設けられている。このコイルスプリング89Rは、前後動ガイド84Rから反力を取ってカム部材86Rを前へ付勢する。
このカム部材86Rの下面87Rが後ろに向けて下りに傾斜しており、その下面87Rがカム面87Rとなっている。このカム面87Rがカムフォロワ88Rに接触していると、カム部材86Rがコイルスプリング89Rの弾性力に抗してカムフォロワ88Rによって後ろに押されている。
【0043】
前後動シャフト85Rの後端部には、可動ブロック90Rが取り付けられている。可動ブロック90Rは、右側の前後動シャフト85Rの後端部と左側の前後動シャフト85Rの後端部との間に掛け渡すように設けられている。可動ブロック90Rの下面には、後ろの第1板バネ91Rが懸下するように取り付けられている。第1板バネ91Rの下面は水平に設けられているか、下方に向けて凸に湾曲している。第1板バネ91Rの下面が湾曲している場合には、その曲率は小さい。
【0044】
第1板バネ91Rは第2板バネ96Rの上に位置しており、搬送される筒状フィルム4が第1板バネ91Rと第2板バネ96Rとの間の領域を前に通過する。第1板バネ91Rと第2板バネ96Rは、第1シーラ71と第2シーラ72の接離動作に伴って、互いに接離する。第1板バネ91Rの前後長は第2板バネ96Rの前後長よりも短い。なお、第1板バネ91Rの前後長が第2板バネ96Rの前後長よりも長くてもよいし、等しくてもよい。板バネ91R,96Rの前後長が長くなるにつれて、皺の発生を抑制する効果が大きく、特にフィルム4の可撓性が高いほど板バネ91R,96Rの前後長が長いことが好ましい。
【0045】
上部可動基台73の前面には、2体の昇降ガイド81Fが取り付けられている。昇降ガイド81Fによって昇降シャフト82Fが上下動可能に支持されている。昇降シャフト82Fの下端には、左右方向に長尺な昇降ブロック83Fが取り付けられている。昇降ブロック83Fの左右の端部には、前の前後動ガイド84Fが取り付けられている。前後動ガイド84Fによって前後動シャフト85Fが前後動可能に支持されている。
【0046】
前後動シャフト85Fの後端部には、カム部材86Fが取り付けられている。カム部材86Fが前後動シャフト85Fによって上部可動基台73及び第1シーラ71に対して相対的に前後動可能に設けられているとともに、昇降ガイド81Fによって上部可動基台73及び第1シーラ71に対して相対的に上下動可能に設けられている。
【0047】
以上のようにカム部材86Fが前後動シャフト85F、前後動ガイド84F、昇降ブロック83F、昇降シャフト82F及び昇降ガイド81Fを介して上部可動基台73に取り付けられているため、カム部材86Fがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道αに沿って第1シーラ71と一緒に運動する。
【0048】
カム部材86Fの下方には、カムフォロワ88Fが配されている。カムフォロワ88Fがブラケット880Fによって下部可動基台74に取り付けられているため、カムフォロワ88Fが下部可動基台74と一体となって駆動装置76によって駆動される。従って、カムフォロワ88Fがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道βに沿って第2シーラ72と一緒に運動する。よって、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに接離するのに伴って、カム部材86Fとカムフォロワ88Fが互いに接離する。
【0049】
カム部材86Fと前後動ガイド84Fとの間には、前後動シャフト85Fに外装されたコイルスプリング89Fが設けられている。このコイルスプリング89Fは、前後動ガイド84Fから反力を取ってカム部材86Fを後ろへ付勢する。
このカム部材86Fの下面87Fが前に向けて下りに傾斜しており、その下面87Fがカム面87Fとなっている。このカム面87Fがカムフォロワ88Fに接触していると、カム部材86Fがコイルスプリング89Fの弾性力に抗してカムフォロワ88Fによって前に押されている。
【0050】
前後動シャフト85Fの前端部には、可動ブロック90Fが取り付けられている。可動ブロック90Fは、右側の前後動シャフト85Fの前端部と左側の前後動シャフト85Fの前端部との間に掛け渡すように設けられている。可動ブロック90Fの下面には、前の第1板バネ91Fが懸下するように取り付けられている。第1板バネ91Fの下面は水平に設けられているか、下方に向けて凸に湾曲している。第1板バネ91Fの下面が湾曲しているが、その曲率は小さい。
【0051】
上述の2本の昇降シャフト82R及び2本の昇降シャフト82Fの上端には、昇降体92が取り付けられている。昇降体92は、上部可動基台73の上方を前後に跨ぐように設けられている。この昇降体92はアクチュエータ93によって昇降される。アクチュエータ93はブラケット94によって上部可動基台73の上面から上に離れた状態で上部可動基台73に取り付けられている。アクチュエータ93は、プランジャを下方に進出させるとともに上方に後退させるエアシリンダ、油圧シリンダ或いはソレノイドであり、そのプランジャの下端が昇降体92に連結されている。
【0052】
アクチュエータ93及び駆動装置76が制御部40によって制御されることによって、アクチュエータ93の動作タイミングと駆動装置76の動作タイミングの同期が取られる。
【0053】
4. 皺取り装置の動作
図4及び
図5は、シーラ71,72が
図3に示す軌道α,β中の位置a5,b5を通過する時の状態を示す。
図4及び
図5に示すように、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに離れている際には、昇降体92、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、コイルスプリング89F,89R、可動ブロック90F,90R及び第1板バネ91F,91Rがアクチュエータ93によって下降された状態となっている。また、カム部材86Fのカム面87Fがカムフォロワ88Fから上に離れており、これにより前後動シャフト85F、可動ブロック90F及び第1板バネ91Fがコイルスプリング89Fによって後ろに押された状態となっている。また、カム部材86Rのカム面87Rがカムフォロワ88Rから上に離れており、これにより前後動シャフト85R、可動ブロック90R及び第1板バネ91Rがコイルスプリング89Rによって前に押された状態となっている。以上の状態では、前の第1板バネ91Fが第1シーラ71の前面に当接し、後ろの第1板バネ91Rが第1シーラ71の後面に当接している。また、第1板バネ91F,91Rの下面が第1シーラ71の下面よりも下に位置しているとともに、第2板バネ96F,96Rから上に離れている。
【0054】
上述のように、駆動装置76が第1シーラ71を位置a4から位置a1に下降させるとともに、それに同期して第2シーラ72を位置b4から位置b1に上昇させる。それに伴い、
図6に示すように、第1板バネ91Fと第2板バネ96Fが互いに近づいて、シーラ71,72の前側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Fと第2板バネ96Rによって潰される。同様に、シーラ71,72の後ろ側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Rと第2板バネ96Rによって潰される。なお、第1板バネ91F,91Rが筒状のフィルム4に接触する直前に、駆動装置76が第1シーラ71及び第2シーラ72を後ろ移動から前移動に切り替えている。
【0055】
第1シーラ71の下降中且つ第2シーラ72の上昇中、
図7に示すようにカム部材86Fのカム面87Fがカムフォロワ88Fに当接する。そうすると、カム部材86Fがカムフォロワ88Fによって前へ押されて、カム部材86F、前後動シャフト85F及び第1板バネ91Fが前へ移動する。同様に、カム部材86Rがカムフォロワ88Rによって後ろに押されることによって、カム部材86R、前後動シャフト85R及び第1板バネ91Fが後ろに移動する。従って、後ろの第1板バネ91Rと前の第1板バネ91Fが互いに前後方向に離間する上、第1板バネ91Rが第1シーラ71から後ろに離れ、第1板バネ91Fが第1シーラ71から前に離れる。これにより、筒状のフィルム4が第1板バネ91F,91R及び第2板バネ96F,96Rによって潰される際に、そのフィルム4が第1板バネ91F及び第1板バネ91Rによって前後に広げられる。そのため、筒状フィルム4を前後に伸ばすことができる。
【0056】
その後、
図8及び
図9に示すように、第1シーラ71が可動範囲の最下点(つまり、位置a1)に至ると同時に、第2シーラ72が可動範囲の最上点(つまり、位置b1)に至ることによって、フィルム4が第1シーラ71と第2シーラ72との間に挟み込まれてシールされる。それと同時に又はその直前に、フィルム4が第1板バネ91F,91Rと第2板バネ96F,96Rとの間に挟み込まれる。なお、
図8及び
図9は、シーラ71,72が
図3に示す軌道α,β中の位置a1,b1から位置a2,b2に移動する時の状態を示す。
【0057】
ここで、上述のように第2板バネ96F,96Rの上面が上方に向けて凸に湾曲し、第1板バネ91F、91Rの下面が下方に向けて凸に湾曲している。そして、第1シーラ71が可動範囲の最下点(つまり、位置a1)に至る直前に、筒状のフィルム4が第1板バネ91F,91R及び第2板バネ96F,96Rによって中央から左右両側に押し広げられながら、第1板バネ91F,91Rと第2板バネ96F,96Rの間に挟み込まれる。そのため、筒状フィルム4を左右に伸ばすことができる。なお、筒状のフィルム4が中央から左右に押し広げられる挙動については、実開昭59-16806号のマイクロフィルムに詳細に説明されている。
【0058】
その後、上述のように、切断刃77によって横綴じ目が切断される。その後、駆動装置76が第1シーラ71と第2シーラ72を上下に離間させる前に、つまりシーラ71,72が位置a2,b2に至る前に、
図10及び
図11に示すように、アクチュエータ93が昇降体92、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、コイルスプリング89F,89R、可動ブロック90F,90R及び第1板バネ91F,91Rを上昇させる。そのため、カム部材86Fのカム面87Fがカムフォロワ88Fに当接した状態でカム部材86Fがコイルスプリング89Fによって後ろに移動した後、カム部材86Fがカムフォロワ88Fから上に離れる。同様に、カム部材86Rのカム面87Rがカムフォロワ88Rに当接した状態でカム部材86Rがコイルスプリング89Rによって前に移動した後、カム部材86Rがカムフォロワ88Rから上に離れる。
【0059】
その後、駆動装置76が第1シーラ71を上昇させるとともに第2シーラ72を下降させるため、第1シーラ71及び第2シーラ72がフィルム4の横綴じ目から離れる。ここで、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに離れ始めた直後に、駆動装置76が第1シーラ71及び第2シーラ72を前移動から後ろ移動に切り替える。そうすると、第1板バネ91Rがフィルム4及び被包装物3に対して相対的に後ろに移動するが、第1板バネ91Rが既にアクチュエータ93によって上昇されているため、第1板バネ91Rが上流の被包装物3に当たらない。
【0060】
その後、第1シーラ71が可動範囲の最上点(つまり、位置a4)に至る直前に、アクチュエータ93が昇降体92、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、コイルスプリング89F,89R、可動ブロック90F,90R及び第1板バネ91F,91Rを下降させる。カム部材86F,86Rが下降したものとしても、シーラ71,72が互いに上下に離れているため、カム部材86F,87Rがカムフォロワ88F,88Rから上に離間している。その後、第1シーラ71が可動範囲の最上点(つまり、位置a4)に至るとともに、第2シーラ72が可動範囲の最下点(つまり、位置b4)に至る。
【0061】
以後、エンドシール装置70及びその皺取り装置80は上述のような一連の動作を繰り返し行う。
【0062】
5. 有利な効果
(1) 上述したように、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに近づいている最中、第1シーラ71の上流側では、第1板バネ91Rと第2板バネ96Rが筒状のフィルム4を潰しながら、第1板バネ91Rがシーラ71,72に対して相対的に上流側に移動する。第1シーラ71の下流側では、第1板バネ91Fと第2板バネ96Fが筒状のフィルム4を潰しながら、第1板バネ91Fがシーラ71,72に対して相対的に下流側に移動する。そうすると、フィルム4が第1シーラ71と第2シーラ72によって潰される際に発生するフィルム4が搬送方向に伸ばされる。
【0063】
(2) 第2板バネ96F,96Rの上面が上方に向けて凸に湾曲し、第1板バネ91F、91Rの下面が下方に向けて凸に湾曲しているため、第1シーラ71が可動範囲の最下点(つまり、位置a1)に至る直前に、筒状のフィルム4が第1板バネ91F,91R及び第2板バネ96F,96Rによって中央から左右両側に押し広げられる。そのため、フィルム4が第1シーラ71と第2シーラ72によって潰される際に発生するフィルム4が左右方向に伸ばされる。
【0064】
(3) 第1シーラ71と第2シーラ72が互いに離間する前に、アクチュエータ93が第1板バネ91F,91Rを上昇させる。それゆえ、駆動装置76の動力によって第1板バネ91Rがフィルム4及び被包装物3に対して相対的に後ろに移動する際、第1板バネ91Rが上流の被包装物3に干渉しない。
【0065】
6. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明した。上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
【0066】
(1) 上記実施形態では、駆動装置76が第1シーラ71及び第2シーラ72を周期的な接離運動をさせるのに連動して、アクチュエータ93が昇降体92、昇降ブロック83F,83R、カム部材86F,86R及び第1板バネ91F,91R等を昇降させる。それに対して、アクチュエータ93が作動せずに、昇降体92、昇降ブロック83F,83R、カム部材86F,86R及び第1板バネ91F,91R等が下降した状態に維持されてもよい。この場合、駆動装置76が第1シーラ71と第2シーラ72を相互に離間させている最中に、カム部材86Rのカム面87Rがカムフォロワ88Rに当接した状態でカム部材86Rがコイルスプリング89Rによって前に移動した後、カム部材86Rとカムフォロワ88Rが互いに離れる。なお、上記実施形態の場合と同様に、第1シーラ71と第2シーラ72が互いに近づいている最中に、カム部材86Fのカム面87Fがカムフォロワ88Fに当接する。
【0067】
(2) 上記実施形態では、昇降ガイド81F,81Rによって昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、コイルスプリング89F,89R、可動ブロック90F,90R及び第1板バネ91F,91Rが上部可動基台73に対して相対的に昇降可能に設けられていた。それに対して、昇降シャフト82F,82Rがブラケット等によって上部可動基台73に取り付けられ、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、前後動ガイド84F,84R、前後動シャフト85F,85R、カム部材86F,86R、コイルスプリング89F,89R、可動ブロック90F,90R及び第1板バネ91F,91Rが上部可動基台73に対して相対的に昇降不能であってもよい。
【0068】
(3) 上記実施形態のエンドシール装置70及び皺取り装置80では、カム部材86F,86Rがカムフォロワ88F,88Rの上に配置されている。それに対して、
図12及び
図13に示すエンドシール装置170及び皺取り装置180のように、カム部材186F,186Rがカムフォロワ188F,188Rの下に配置されていてもよい。以下、エンドシール装置170及び皺取り装置180について詳細に説明する。
【0069】
このエンドシール装置170及び皺取り装置180においても、駆動装置76が第1シーラ71及び上部可動基台73を軌道αに沿って運動させるとともに、第2シーラ72及び下部可動基台74を軌道βに沿って運動させる。これにより、シーラ71,72が接離する。カムフォロワ188F,188Rがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道αに沿って第1シーラ71と一緒に運動する。また、カム部材186F,186Rがシーラ71,72の接離運動に連動して、
図3に示すような軌道βに沿って第2シーラ72と一緒に運動する。これによりカムフォロワ188F,188Rとカム部材186F,186Rが互いに接離する。なお、
図12は、シーラ71,72が位置a5,b5を通過する時の状態を示し、
図13は、シーラ71,72が位置a1,a2を通過する時の状態を示す。
【0070】
下の第2板バネ96Fが第2シーラ72に対して相対的に前後方向にカム部材186Fと一緒に移動可能に設けられ、下の第2板バネ96Rが第2シーラ72に対して相対的に前後方向にカム部材186Rと一緒に移動可能に設けられている。更に、上の第1板バネ91F,91R及びカムフォロワ188F,188Rは第1シーラ71に対して相対的に前後方向に移動不能である。
【0071】
下部可動基台74の前面と後面には、昇降ガイド181F,181Rが取り付けられている。昇降ガイド181F,181Rによって昇降シャフト182F,182Rが上下動可能に支持されている。昇降シャフト182F,182Rの上端には、昇降ブロック183F,183Rが取り付けられている。昇降ブロック183F,183Rには、前後動ガイド184F,184Rが取り付けられている。前後動ガイド184F,184Rによって前後動シャフト185F,185Rが前後動可能に支持されている。前後動シャフト185F,185Rには、カム部材186F,186Rが取り付けられている。カム部材186F,186Rと前後動ガイド184F,184Rとの間には、前後動シャフト185F,185Rに外装されたコイルスプリング189F,189Rが設けられている。前のコイルスプリング189Fは前後動ガイド184Fから反力を取ってカム部材186Fを後ろへ付勢し、後ろのコイルスプリング189Rは前後動ガイド184Rから反力を取ってカム部材186Rを前へ付勢する。前のカム部材186Fの上面187Fが前に向けて上りに傾斜しており、その上面187Fがカム面187Fとなっている。後ろのカム部材186Rの上面187Rが後ろ向けて上りに傾斜しており、その上面187Rがカム面187Rとなっている。前後動シャフト185F,185Rには、可動ブロック190F,190Rが取り付けられている。可動ブロック190F,190Rの上面には、第2板バネ96F,96Rが取り付けられている。
【0072】
カム部材186F.186Rの上方には、カムフォロワ188F,188Rが配されている。カムフォロワ188F,188Rはブラケット1880F,1880Rによって上部可動基台73に取り付けられている。
【0073】
下の第2板バネ96F,96Rの上方には、上の第1板バネ91F,91Rが配されている。第1板バネ91F,91Rは固定ブラケット195F,195Rによって上部可動基台73の前後に取り付けられている。
【0074】
昇降シャフト182F,182Rの下端には、昇降体192が取り付けられている。この昇降体192はアクチュエータ193によって昇降される。アクチュエータ193はブラケット194によって下部可動基台74の下面から下に離れた状態で下部可動基台74に取り付けられている。アクチュエータ193はエアシリンダ、油圧シリンダ或いはソレノイドであり、そのプランジャの上端が昇降体192に連結されている。アクチュエータ193の動作タイミングは、上記実施形態のアクチュエータ93の動作タイミングと同じである。アクチュエータ193及び駆動装置76が制御部40によって制御されることによって、アクチュエータ193の動作タイミングと駆動装置76の動作タイミングの同期が取られる。
【0075】
以上のようなエンドシール装置170及び皺取り装置180の動作について説明する。駆動装置76がシーラ71,72を位置a4,b4から位置a1,b1に移動させて、シーラ71,72を相互に近づける。それに伴い、シーラ71,72の前側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Fと第2板バネ96Rによって潰され、シーラ71,72の後ろ側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Rと第2板バネ96Rによって潰される。第1シーラ71と第2シーラ72が互いに近づいている最中に、カム部材186Fがコイルスプリング189Fの弾性力に抗してカムフォロワ188Fによって前へ押されるとともに、カム部材186Rがコイルスプリング189Rの弾性力に抗してカムフォロワ188Rによって後ろ押される。従って、後ろの第2板バネ92Rと前の第2板バネ92Fが互いに前後方向に離間する。これにより、筒状のフィルム4が第2板バネ92F及び第2板バネ92Rによって前後に広げられる。そのため、筒状フィルム4を前後に伸ばすことができる。
【0076】
その後、シーラ71,72が位置a2,b2に至る前に、アクチュエータ193が昇降体192、昇降シャフト182F,182R、昇降ブロック183F,183R、カム部材186F,186R及び第2板バネ92F,92R等を下降させる。そのため、カム部材186F,186Rがコイルスプリング189F,189Rによって移動した後、カム部材186F,186Rがカムフォロワ188F,188Rから下に離れる。その後、シーラ71,72が位置a4,b4に至る直前に、昇降体192、昇降シャフト182F,182R、昇降ブロック183F,183R、カム部材186F,186R及び第2板バネ92F,92R等を上昇させるが、カム部材186F,187Rがカムフォロワ188F,188Rに当たらない。
以後、エンドシール装置170及びその皺取り装置180は上述のような一連の動作を繰り返し行う。
【0077】
(4) 上記実施形態のようにカム部材86F,86R、カムフォロワ88F,88R及びコイルスプリング89F,89Rによって第1板バネ91F,91Rが前後方向に互いに接離することと、上記(3)の変形例のようにカム部材186F,186R、カムフォロワ188F,188R及びコイルスプリング189F,189Rによって第2板バネ92F,92Rが前後方向に互いに接離することを組み合わせて適用してもよい。このような組合せによって、前の第1板バネ91Fと第2板バネ92Fが一緒に前後方向に移動し、後ろの第1板バネ91Rと第2板バネ92Rが一緒に前後方向に移動する。
【0078】
(5) 上記実施形態及び上記(4)の変形例では、駆動装置76の動力を利用して、第1板バネ91F,91Rを前後に離間させる。また、上記(3)及び(4)の変形例では、駆動装置76の動力を利用して、第2板バネ92F,92Rを前後に離間させる。それに対して、
図14及び
図15に示すエンドシール装置270及び皺取り装置280のように、駆動装置76とは別の駆動部285F,285Rの動力を利用して、第1板バネ91F,91Rを前後に接離させ、駆動部286R,286Rの動力を利用して、第2板バネ92F,92Rを前後に接離させてもよい。以下、エンドシール装置270及び皺取り装置280について詳細に説明する。
【0079】
このエンドシール装置270及び皺取り装置280においても、駆動装置76が第1シーラ71及び上部可動基台73を軌道αに沿って運動させるとともに、第2シーラ72及び下部可動基台74を軌道βに沿って運動させる。これにより、シーラ71,72が接離する。なお、
図14は、シーラ71,72が位置a5,b5を通過する時の状態を示し、
図15は、シーラ71,72が位置a1,a2を通過する時の状態を示す。
【0080】
また、このエンドシール装置270及び皺取り装置280においても、昇降ガイド81F,81R、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R、昇降体92、アクチュエータ93及びブラケット94が上記実施形態のエンドシール装置70及び皺取り装置80の場合と同様に設けられている。
【0081】
前の昇降ブロック83Fには駆動部285Fが取り付けられ、後ろの昇降ブロック83Rには駆動部286Rが取り付けられている。駆動部285F,285Rはエアシリンダ、油圧シリンダ或いはソレノイドである。駆動部285Fのプランジャに可動ブロック90Fが取り付けられ、駆動部285Rのプランジャに可動ブロック90Rが取り付けられている。可動ブロック90Fの下面に第1板バネ91Fが取り付けられ、可動ブロック90Rの下面に第1板バネ91Rが取り付けられている。駆動部285F,285Rが同時にプランジャを進出させることによって、第1板バネ91F,91Rが互いに離間する。駆動部285F,285Rが同時にプランジャを後退させることによって、第1板バネ91F,91Rが互いに近づく。従って、第1板バネ91F,91Rを互いに接離させる第1板バネ用駆動部は駆動部285F,285Rから構成されている。
【0082】
下部可動基台74の前後の面には、前の駆動部286Fと後ろの駆動部286Rがそれぞれ取り付けられている。駆動部286F,286Rはエアシリンダ、油圧シリンダ或いはソレノイドである。駆動部286Fのプランジャに前の可動ブロック287Fが取り付けられ、駆動部286Rのプランジャに後ろの可動ブロック287Rが取り付けられている。前の可動ブロック297Fの上端には、前の第2板バネ96Fが取り付けられ、後ろの可動ブロック297Rの上端には、後ろの第2板バネ96Rが取り付けられている。駆動部286F,286Rが同時にプランジャを進出させることによって、第2板バネ92F,92Rが互いに離間する。駆動部286F,286Rが同時にプランジャを後退させることによって、第2板バネ92F,92Rが互いに近づく。従って、第2板バネ92F,92Rを互いに接離させる第2板バネ用駆動部は駆動部286F,286Rから構成されている。
【0083】
駆動部285F,285R,286F,286R及び駆動装置76が制御部40によって制御されることによって、駆動部285F,285R,286F,286Rの動作タイミングと駆動装置76の動作タイミングの同期が取られる。
【0084】
以上のようなエンドシール装置270及び皺取り装置280の動作について説明する。駆動装置76がシーラ71,72を位置a4,b4から位置a1,b1に移動させて、シーラ71,72を相互に近づける。それに伴い、シーラ71,72の前側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Fと第2板バネ96Rによって潰され、シーラ71,72の後ろ側において筒状のフィルム4が第1板バネ91Rと第2板バネ96Rによって潰される。第1シーラ71と第2シーラ72が互いに近づいている最中に、駆動部285F,285Rが作動する。従って、後ろの第1板バネ91Rと前の第1板バネ91Fが互いに離間する。駆動部286F,286Rも作動し、後ろの第2板バネ92Rと前の第2板バネ92Fが互いに離間する。これにより、筒状のフィルム4が第2板バネ92F及び第2板バネ92Rによって前後に広げられる。そのため、筒状フィルム4を前後に伸ばすことができる。
【0085】
その後、シーラ71,72が位置a2,b2に至る前に、アクチュエータ193が昇降体92、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R及び第1板バネ91F,91R等を上昇させる。その後、駆動部285F,285F,286R,286Rが作動する。従って、後ろの第1板バネ91Rと前の第1板バネ91Fが互いに近づくとともに、後ろの第2板バネ92Rと前の第2板バネ92Fが互いに近づく。その後、シーラ71,72が位置a4,b4に至る直前に、昇降体92、昇降シャフト82F,82R、昇降ブロック83F,83R及び第1板バネ91F,91R等を上昇させる。
以後、エンドシール装置270及びその皺取り装置280は上述のような一連の動作を繰り返し行う。
【0086】
なお、駆動部286F,286Rが作動しないことによって、第1板バネ91Fと第1板バネ91Rが前後方向に接離しなくてもよい。或いは、駆動部285F,285Rが作動しないことによって、第2板バネ92Fと第2板バネ92Rが前後方向に接離しなくてもよい。
【0087】
(6) 上記実施形態では、このピロー包装装置1が横型ピロー包装装置、特に正ピロー包装装置であり、エンドシール装置70及び皺取り装置80を正ピロー包装装置1に適用する。それに対して、エンドシール装置70及び皺取り装置80を逆ピロー包装装置又は縦型ピロー包装装置に適用してもよい。ここで、一般的に、ピロー包装装置は横型ピロー包装装置と縦型ピロー包装装置に分類され、横型ピロー包装装置は正ピロー包装装置と逆ピロー包装装置に分類される。
【0088】
逆ピロー包装装置とは、製袋器の下から帯状のフィルムを製袋器にフィルム供給機で供給し、フィルムの両側部(縦綴じ目)を製袋器によって上方に曲げるようにしてフィルムを筒状に丸めることによってその筒状のフィルムで被包装物を包み、製袋器から前へ搬送される筒状のフィルムの縦綴じ目をセンターシール装置によってシールし、センターシール装置の前方に設けられたエンドシール装置70によって筒状のフィルムをシールするものである。
【0089】
縦ピロー包装装置とは、製袋器の横から帯状のフィルムを製袋器にフィルム供給機で供給し、フィルムの搬送方向を製袋器によって上方又は下方に変換しつつ、フィルムの両側部(縦綴じ目)を製袋器によって横に曲げるようにしてフィルムを筒状に丸めることによってその筒状のフィルムで被包装物を包み、製袋器から上方又は下方へ搬送される筒状のフィルムの縦綴じ目をセンターシール装置によってシールし、センターシール装置の下流に設けられたエンドシール装置70によって筒状のフィルムをシールするものである。
【符号の説明】
【0090】
70…エンドシール装置
71…第1シーラ
72…第2シーラ
86F,86R…カム部材
88F,88R…カムフォロワ(対のカムフォロワ)
89F,89R…コイルスプリング(付勢部)
91F,91R…第1板バネ(対の第1板バネ)
93…アクチュエータ
96F,96R…第2板バネ(対の第2板バネ)
186F,186R…カム部材
188F,188R…カムフォロワ(対のカムフォロワ)
189F,189R…コイルスプリング(付勢部)
193…アクチュエータ
285F,285R…駆動部(第1板バネ用駆動部)
286F,286R…駆動部(第2板バネ用駆動部)