(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】単極電気外科用ブレードおよび電気外科用ブレードアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2019548577
(86)(22)【出願日】2018-03-06
(86)【国際出願番号】 US2018021035
(87)【国際公開番号】W WO2018165084
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508311248
【氏名又は名称】アイ.シー. メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コスメスク,イアン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-508899(JP,A)
【文献】特開2006-346417(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0317209(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0280798(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12 ― 18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄い導電性部材であって、前記薄い導電性部材の幅方向において前記薄い導電性部材の一方の端に配置された上部、前記幅方向において前記薄い導電性部材の他方の端に配置された下部、前記幅方向に垂直な厚さ方向において前記薄い導電性部材の両方の端に配置された対向する平坦側部であって、前記対向する平坦側部の両方を横断する開口を備える、対向する平坦側部、前記幅方向および前記厚さ方向に垂直な長さ方向において前記薄い導電性部材の一方の端に配置された先端の鋭利な切断端、および前記長さ方向において前記薄い導電性部材の他方の端に配置され
、対向するプロング部材を備える反対側の非切断端を有する、薄い導電性部材と、
前記薄い導電性部材の前記先端の切断端の少なくとも一部および前記反対側の非切断端の少なくとも一部が露出したままであるように前記薄い導電性部材と、前記薄い導電性部材の前記対向する平坦側部を横断する前記開口とを被覆する非導電性コーティングと
、
第1の端部および第2の端部を有する導電性シャフトであって、前記第1の端部が前記薄い導電性部材の前記反対側の非切断端の前記対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置されている導電性シャフトと
を備える、電気外科用ブレード。
【請求項2】
前記非導電性コーティングが、前記薄い導電性部材の前記上部および前記下部を、前記薄い導電性部材の前記上部および前記下部の少なくとも一部を依然として露出させたままにしながら被覆する、請求項1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項3】
前記非導電性コーティングが前記導電性シャフトの前記第1の端部を完全に被覆する、請求項
1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項4】
前記薄い導電性部材が
、ステンレス鋼、チタンまたはタングステンである硬質金属を含む、請求項1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項5】
前記導電性シャフトが
、ステンレス鋼、チタンまたはタングステンである硬質金属を含む、請求項
1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項6】
前記非導電性コーティングがセラミック材料を含む、請求項1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項7】
前記薄い導電性部材の中央幅が、前記薄い導電性部材の前記切断端の近傍に位置する前記薄い導電性部材の幅よりも小さい、請求項1に記載の電気外科用ブレード。
【請求項8】
請求項1に記載の電気外科用ブレードを備える電気外科用ブレードアセンブリであって、
前記電気外科用ブレードの前記上部に配置された中空筒形開口を有する非導電性管状部材と、
前記非導電性管状部材の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材と
をさらに備える、電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項9】
前記導電性中空筒状部材の端部から延びる導電性突出部をさらに備える、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項10】
前記薄い導電性部材の少なくとも一部が前記電気外科用ブレードの上部に露出し、前記非導電性管状部材内に含まれる、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項11】
前記電気外科用ブレードの前記上部に露出し、前記非導電性管状部材内に含まれる前記薄い導電性部材の前記一部から延びる、導電性突出部をさらに備える、請求項
10に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項12】
前記非導電性管状部材がセラミックを含む、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項13】
前記導電性中空筒状部材が
、ステンレス鋼、チタンまたはタングステンである硬質金属を含む、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項14】
前記電気外科用ブレードの前記非導電性コーティングがセラミックを含む、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項15】
前記電気外科用ブレードの前記薄い導電性部材が
、ステンレス鋼、チタンまたはタングステンである硬質金属を含む、請求項
8に記載の電気外科用ブレードアセンブリ。
【請求項16】
薄い導電性部材であって、前記薄い導電性部材の幅方向において前記薄い導電性部材の一方の端に配置された上部、前記幅方向において前記薄い導電性部材の他方の端に配置された下部、前記幅方向に垂直な厚さ方向において前記薄い導電性部材の両方の端に配置された対向する平坦側部であって、前記対向する平坦側部の両方を横断する開口を備える、対向する平坦側部、前記幅方向および前記厚さ方向に垂直な長さ方向において前記薄い導電性部材の一方の端に配置された先端の鋭利な切断端、および前記長さ方向において前記薄い導電性部材の他方の端に配置され、対向するプロング部材を備える反対側の非切断端を有する、薄い導電性部材と、
前記薄い導電性部材の前記先端の切断端の少なくとも一部および前記反対側の非切断端の少なくとも一部が露出したままであるように前記薄い導電性部材と、前記薄い導電性部材の前記対向する平坦側部を横断する前記開口とを被覆する非導電性コーティングと、
電気外科用ブレードの前記上部に配置された中空筒形開口を有する非導電性管状部材と、
前記非導電性管状部材の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材と
を備える、電気外科用ブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月6日出願の仮特許出願第62/467,558号、および2017年10月24日出願の仮特許出願第62/576,207号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は一般に、電気外科用ペンシル/ハンドピース用の単極電気外科用ブレードを対象とする。より詳細には、本発明は、先端の鋭利な切断端および反対側の非切断端を有する薄い導電性部材と、薄い導電性部材の先端の切断端の少なくとも一部および薄い導電性部材の反対側の非切断端の少なくとも一部が露出したままであることを除けば薄い導電性部材の大部分を被覆する非導電性コーティングとを含む、単極電気外科用ブレードに関する。薄い導電性部材の上部の少なくとも一部も露出し、非導電性コーティングによって被覆されないままでもよい。薄い導電性部材の非切断端は、先端の切断端とは反対側に位置する対向するプロング部材と、第1の端部および第2の端部を有する導電性シャフトであって、導電性シャフトの第1の端部が薄い導電性部材の対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置されている導電性シャフトとを備えてもよい。薄い導電性部材を被覆する非導電性コーティングは、導電性シャフトの少なくとも一部を被覆し、一方、薄い導電性部材のそれぞれの対向するプロング部材の対向する端部も被覆されてもよく、または露出したままでもよい。本発明の単極電気外科用ブレードは、RFエネルギを用いずにブレードの鋭利な導電性切断端で組織を切断すること、ブレードの鋭利な導電性切断端に低電力を供給することによって組織を凝固するおよび/または組織の切断を強化すること、ブレードの鋭利な導電性切断端に低電力を印加しながらブレードの鋭利な導電性切断端で組織を切断することによって組織を同時に切断および凝固することが可能である。
【0003】
本発明はまた、先に述べた単極電気外科用ブレードと、電気外科用ブレードの上部に配置された中空筒形開口を有する非導電性管状部材と、非導電性管状部材の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材であって、それを通して不活性ガスが供給できる導電性中空筒状部材とを含む、アルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリをも対象とする。導電性中空筒状部材は、非導電性管状部材内に収容された導電性中空筒状部材の端部から延びる導電性突出部を含んでもよい。導電性中空筒状部材を通して非導電性管状部材に供給されたアルゴンガスは、導電性中空筒状部材の導電性突出部によってイオン化され、方向付けられる。別の実施形態では、電気外科用ブレードの薄い導電性部材の一部が、電気外科用ブレードの上部に露出し、非導電性管状部材内に含まれてもよく、導電性突出部が、非導電性管状部材内に含まれる導電性部材の露出部分から延びてもよい。本発明の単極電気外科用ブレードアセンブリは、1)ブレードの鋭利な切断縁部のみを使用して組織を切断すること、2)アルゴンプラズマのみを用いて組織を凝固すること、3)切断するためにブレードの鋭利な切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズマアシスト切断を行うことによって、組織を同時に切断および凝固すること、ならびに4)低電力で組織を凝固するためにブレードの導電性切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズマアシスト凝固を行うことによって、組織を凝固することが可能である。
【背景技術】
【0004】
典型的な電気外科用ペンシルは、電気外科手術中に切断および凝固を行うためのアクティブ電極、ならびに患者の皮膚への取付けのための接着剤を通常含むリターン電極として機能する、電極ブレードを使用する。電気外科用ペンシルが作動されると、アクティブ電
極とリターン電極との間の距離がかなり大きい状態で、RFエネルギがアクティブ電極から患者の身体を通ってリターン電極に循環する。電気外科手術は、RF発生器、および電極を備えるハンドピースを使用して、機能、すなわち凝固か切断かに応じて様々な電圧で高周波交流無線周波(RF)電流の入力を与える。切断では、連続RF高電圧伝導から発生した熱が、組織細胞の小さい部分を気化および破裂させる蒸気ポケットを生成することができ、その結果、切開が行われる。発生した熱のために、組織への側方損傷が大きく、組織壊死の可能性が高い。凝固では、電圧は通常、切断モードよりも低く、より遅い加熱プロセスがより少ない熱をもたらす。その結果、蒸気ポケットは形成されず、したがって組織は大部分が無傷のままであるが、細胞および血管が接触点で破壊され封止される。
【0005】
外科医が現在利用可能な外科用器具および装置は、切断モードと凝固モードとを外科的処置中に切り替えることを必要とするので、外科医または使用者が、手術部位における切断および出血停止に用いられる最良の方法を、これらを別々に用いることができることに加えて、一緒に、または同時に利用することを可能とする外科用装置または器具が必要である。切断のための鋭利な縁部および凝固のためのRFを有する電気外科用ブレードが、この必要性を満たすことになる。本発明の単極電気外科用ブレードは、ステンレス鋼などの硬質の導電性材料製の鋭利な切断縁部を有し、これは、RFエネルギを用いることなく組織を正確に切断するのに使用することができる。しかし、RFエネルギも、凝固のために本発明の単極電気外科用ブレードと共に用いることができる。凝固のために低電圧を用いて本発明の単極電気外科用ブレードに電力を供給するとき、切断を行うためにより高い電圧を与える必要なく、単極電気外科用ブレードの鋭利な切断縁部を同時に切断に使用することができる。その上、切断と凝固の両方のために本発明の単極電気外科用ブレードを利用するのに用いられる低電力は、側方組織への損傷を実質的に軽減する。
【0006】
電気外科手術中にアルゴンビーム凝固器を用いることも一般的である。アルゴンビーム凝固(ABC)では、イオン化アルゴンガス(プラズマ)の有向ビームによって組織にプラズマが印加されて、均一で浅い凝固表面を生じ、それによって失血を止める。場合によっては、電気外科手術は切断のための最良の方法であることが多く、アルゴンビーム凝固は手術中の出血停止のための最良の方法であることが多い。外科医は、通常、手術中に起きていること、また手術部位における切断による組織の切開または止血など、手術の特定の時点で達成する必要があることに応じて、アルゴンビーム凝固モードと電気外科手術モードとを切り替える必要がある。
【0007】
外科医が現在利用可能な外科用器具および装置は、切断とアルゴンビーム凝固とを外科的処置中に切り替えることを必要とするので、外科医または使用者が、手術部位における切断および出血停止に用いられる最良の方法を、これらを別々に用いることができることに加えて、一緒に、または同時に利用することを可能とする外科用装置または器具が必要である。切断のための鋭利な縁部およびカプセル化のためのアルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードが、この必要性を満たすことになる。外科的処置および手術中に生じる状況に応じて、異なる方法が最も効果的であり得るので、使用者または外科医がいくつかの異なる別個のまたは組み合わされた組織切断および凝固方法の中から選択することを可能とする電気外科用装置も必要である。
【0008】
本発明の電気外科用ブレードアセンブリは、患者の組織に接触することなくアルゴンプラズマのみを用いて患者の組織を凝固すること(すなわち、非接触アルゴンビーム凝固)が可能である。本発明の電気外科用ブレードアセンブリはまた、RFエネルギを用いることなく、またアルゴンプラズマを用いることなく、ブレードの鋭利な導電性切断縁部のみを使用して患者の組織を切断することも可能である。本発明の電気外科用ブレードアセンブリはまた、ブレードの鋭利な導電性切断縁部にRFエネルギを供給することによっても、ブレードの鋭利な導電性切断縁部を使用する患者の組織の切断を強化することもできる
。その上、鋭利な導電性切断縁部およびアルゴンビーム機能を有する本発明の電気外科用ブレードアセンブリは、使用者または外科医が、アルゴンプラズマアシスト切断および凝固を行うことにより、切断モードと凝固モードとを切り替える必要なく切断および凝固を同時に行うことを可能とする。たとえば、ブレードの鋭利な導電性切断縁部が切断用のRFエネルギなしで使用できるとともに、それを通してアルゴンガスが導入される、非導電管内に収容された導電管が作動されて、組織のアルゴンプラズマ凝固用のイオン化アルゴンガスを与える。別の例では、ブレードの導電性切断縁部に低電力を印加して、組織を凝固または組織の切断を強化し得るとともに、それを通してアルゴンガスが導入される、非導電管内に収容された導電管が作動されて、組織のアルゴンプラズマ凝固用のイオン化アルゴンガスを与える。
【0009】
本発明の単極電気外科用ブレードと本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリの両方は、煙排出機能を有する電気外科用ハンドピース/ペンシルまたは煙排出機能を有しない電気外科用ハンドピース/ペンシルと共に使用することができる。本発明の単極電気外科用ブレードと本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリの両方は、外科医または使用者が異なる組織切断および凝固方法を別々にまたは同時に実施することを可能とすることによって、外科医または使用者が手術の効率と精度の両方を高めることを可能とする。モードまたは方法を切り替えることなく組織の切断および凝固を同時に行う場合、手術時間が短縮され、組織への側方損傷が軽減または排除される。加えて、煙排出と共に組織の切断と凝固の両方を同時に行うことは、煙および粒子を吸い込まないように外科医およびスタッフを守ることになる。それはまた、外科医または使用者が、手術部位がはっきりと見える前に手術部位において止血するために中断してモードを切り替える必要なく、処置中に手術部位をよりはっきりと見て精度を確保することも可能とすることになる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、煙排出がある電気外科用ハンドピース/ペンシルまたは煙排出がない電気外科用ハンドピース/ペンシル用の単極電気外科用ブレードであって、先端の切断端および反対側の非切断端を有する薄い導電性部材と、薄い導電性部材の先端の切断端の少なくとも一部および薄い導電性部材の反対側の非切断端の少なくとも一部が露出したままであるように薄い導電性部材を被覆する非導電性コーティングとを含む、単極電気外科用ブレードを対象とする。加えて、例示的な一実施形態では、薄い導電性部材の上部の少なくとも一部も露出し、非導電性コーティングによって被覆されないままでもよい。別の例示的な実施形態では、薄い導電性部材の非切断端は、先端の切断端とは反対側に位置する対向するプロング部材と、第1の端部および第2の端部を有する導電性シャフトであって、導電性シャフトの第1の端部が薄い導電性部材の対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置されており、薄い導電性部材を被覆する非導電性コーティングが導電性シャフトの少なくとも一部をも被覆する、導電性シャフトとを備えてもよい。薄い導電性部材のそれぞれの対向するプロング部材の対向する端部も非導電性コーティングによって被覆されてもよく、または露出したままでもよい。薄い導電性部材の中央幅はその切断端の幅よりも小さく、その対向するプロングのそれぞれの幅はその中央幅よりも小さい。
【0011】
非導電性コーティングは、たとえばセラミックなどの無機非金属固体材料を含んでもよい。薄い導電性部材および導電性シャフトは、たとえばステンレス鋼、チタン、およびタングステンなどの1つまたは複数の硬質の導電性材料を含んでもよい。
【0012】
電気外科用ブレードの先端の切断端は、90度よりも大きい角度を含め、電気外科用ブレードの下部に対して任意の数の角度を形成してもよい。薄い導電性部材は、単極電気外科用ブレードの組立てを容易にし、単極電気外科用ブレードの強度および機能を強化するために先端の切断端と反対側の非切断端との間に位置する、それを通る開口をさらに含ん
でもよい。開口は、非導電性コーティングによって完全に被覆されている。さらに、非導電性コーティングは薄い導電性部材の上部および下部の少なくとも一部を被覆してもよく、非導電性コーティングは導電性シャフトの第1の端部を完全に被覆してもよい。
【0013】
薄い導電性部材は任意の数の厚さを備えてもよく、例示的な一実施形態では、薄い導電性部材は厚さが0.2mm~0.8mmであってもよい。薄い導電性部材はまた、任意の数の幅および長さを備えてもよく、例示的な一実施形態では、薄い導電性部材は、幅測定を行う場所に応じて幅が2mm~6mm、長さが40mm~52mmであってもよい。さらに、非導電性コーティングによって被覆された薄い導電性部材を含む電気外科用ブレードの厚さは、任意の数の厚さを備えてもよく、例示的な一実施形態では、非導電性コーティングによって被覆された薄い導電性部材を含む電気外科用ブレードの厚さは、2mm~6mmであってもよい。これらの例示的な寸法は、本発明の電気外科用ブレードの構成および機能要素を考えれば効果的であり得るが、本発明の電気外科用ブレードはこれらの例示的な範囲外の寸法を有する要素を用いて極めて良好に機能し得るので、これらの寸法は例示的な寸法にすぎないことを当業者なら理解するであろう。したがって、これらの例示的な寸法は、本発明の範囲をいかなる形でも限定することを意図するものではない。
【0014】
本発明はまた、先に述べた単極電気外科用ブレードと、中空筒形開口および電気外科用ブレードの一部の上に配置することのできるスロットを有する非導電性管状部材と、非導電管状部材の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材であって、それを通して不活性ガスが供給できる導電性中空筒状部材とを含む、アルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリをも対象とする。導電性中空筒状部材は、非導電性管状部材内に収容された導電性中空筒状部材の端部から延びる導電性突出部を含んでもよい。導電性中空筒状部材を通して非導電性管状部材に供給されたアルゴンガスは、導電性中空筒状部材の導電性突出部によってイオン化され、方向付けられる。別の実施形態では、電気外科用ブレードの薄い導電性部材の一部が、電気外科用ブレードの上部に露出し、非導電性管状部材内に含まれてもよく、導電性突出部が、非導電性管状部材内に含まれる導電性部材の露出部分から延びてもよい。電気外科用ブレードの上部にある薄い導電性部材の露出部分は、非導電性管状部材内に収容された導電性中空筒状部材と接触し、導電性中空筒状部材はまた、導電性中空筒状部材を電気外科用ブレードの上部の上に位置決めするためのスロットを含んでもよい。単極電気外科用ブレードの非導電性コーティングのように、非導電性管状部材は、たとえばセラミックなどの無機非金属固体材料を含んでもよい。導電性中空筒状部材は、たとえばステンレス鋼、チタン、およびタングステンなどの硬質金属を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面と併せて本発明を以下に説明し、図面において同様の符号は同様の要素を示す。
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の単極電気外科用ブレードの薄い導電性部材の例示的な実施形態の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の単極電気外科用ブレードの例示的な実施形態の側面図であり、
図1に示す薄い導電性部材および導電性シャフトを含むブレードの内部構成要素を示しており、電気外科用ブレードの露出した鋭利な導電性切断端を斜めのハッシュマークで示すことによってそれをさらに識別する(図では非導電性コーティング40によって被覆されていない部分のみが斜めのハッシュマークで示してあっても、薄い導電性部材12および導電性シャフト30の全てが導電性であることに留意されたい)。
【
図3】
図3は、
図2に示す本発明の電気外科用ブレードの例示的な実施形態を示す外観側面図である。
【
図4】
図4は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレードの例示的な実施形態の上面図であり、導電性シャフトがなく、非導電性コーティング内に含まれる薄い導電性部材の一部が破線で示してある。
【
図5】
図5は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレードの例示的な実施形態の下面図であり、導電性シャフトがなく、非導電性コーティング内に含まれる薄い導電性部材の一部が破線で示してある。
【
図6】
図6は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレードの例示的な実施形態の端面図であり、導電性シャフトが斜めのハッシュマークで示してある。
【
図7】
図7は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態の内部構成要素を示す
側面透視図である。
【
図8】
図8は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリの別の例示的な実施形態の内部構成要素を示す
側面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の単極電気外科用ブレードおよびアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態は、外科医または使用者が異なる組織切断および凝固方法を別々にまたは同時に実施することを可能とすることによって、外科医または使用者が手術の効率と精度の両方を高めることを可能とする。モードまたは方法を切り替えることなく組織の切断および凝固を同時に行う場合、手術時間が短縮され、組織への側方損傷が軽減または排除される。本発明の単極電気外科用ブレードおよび単極電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態は、先端の切断端および反対側の非切断端を有する薄い導電性部材と、薄い導電性部材の先端の切断端の一部および薄い導電性部材の反対側の非切断端の一部が露出したままであるように薄い導電性部材を被覆する非導電性コーティングとを有する、電気外科用ブレードを含む。薄い導電性部材は、先端の切断端と反対側の非切断端との間に位置する、それを通る開口であって、非導電性コーティングによって完全に被覆された開口を含んでもよい。この構成は、電気外科用ブレードの組立てを容易にするとともに、ブレードの強度および機能を強化する。加えて、例示的な一実施形態では、薄い導電性部材の上部の少なくとも一部も露出し、非導電性コーティングによって被覆されないままでもよい。別の例示的な実施形態では、薄い導電性部材の非切断端は、先端の切断端とは反対側に位置する対向するプロング部材と、第1の端部および第2の端部を有する導電性シャフトであって、導電性シャフトの第1の端部が薄い導電性部材の対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置されており、薄い導電性部材を被覆する非導電性コーティングが導電性シャフトの少なくとも一部をも被覆する、導電性シャフトとを含んでもよい。
【0018】
アルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリは、上述の単極電気外科用ブレードと、中空筒形開口および電気外科用ブレードの一部の上に配置することのできるスロットを有する非導電性管状部材と、それを通して不活性ガスが供給できる、非導電管状部材の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材とを含む。本発明の電気外科用ブレードアセンブリは、1)ブレードの鋭利な切断縁部のみを使用して組織を切断すること、2)アルゴンプラズマのみを用いて組織を凝固すること、3)切断するためにブレードの鋭利な切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズマアシスト切断を行うことによって、組織を同時に切断および凝固すること、ならびに4)低電力で組織を凝固するためにブレードの導電性切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズマアシスト凝固を行うことによって、組織を凝固することが可能である。
【0019】
図に示す符号に関する要素/特徴の識別情報は以下のとおりである。
10 電気外科用ブレード
12 薄い導電性部材
13 対向する平坦側部
14 (薄い導電性部材の)上部
16 (薄い導電性部材の)下部
18 (薄い導電性部材の)先端の鋭利な切断端
19 (先端の鋭利な切断端からブレードの上部に沿って延びる、薄い導電性部材の)露出領域
20 (薄い導電性部材の)反対側の非切断端
22 (反対側の非切断端の)対向するプロング部材
24 (薄い導電性部材の)開口
30 導電性シャフト
32 (導電性シャフトの)第1の端部
34 (導電性シャフトの)第2の端部
40 非導電性コーティング
50 アルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリ
52 薄い導電性部材
54 (薄い導電性部材の)上部
56 (薄い導電性部材の)下部
58 (薄い導電性部材の)先端の切断端
70 導電性シャフト
72 (導電性シャフトの)第1の端部
74 (導電性シャフトの)第2の端部
80 非導電性コーティング
90 非導電性管状部材
92 (非導電性管状部材の)中空筒形開口
93 (非導電性管状部材の)スロット
94 導電性中空筒状部材
96 (導電性中空筒状部材の)導電性突出部
150 アルゴンビーム機能を有する電気外科用ブレードアセンブリ
152 薄い導電性部材
154 (薄い導電性部材の)上部
156 (薄い導電性部材の)下部
158 (薄い導電性部材の)先端の切断端
159 (先端の鋭利な切断端からブレードの上部に沿って延びる、薄い導電性部材の)露出領域
170 導電性シャフト
180 非導電性コーティング
190 非導電性管状部材
192 (非導電性管状部材の)中空筒形開口
193 (非導電性管状部材の)スロット
194 導電性中空筒状部材
195 (非導電性管状部材内に含まれる薄い導電性部材の上部から延びる)導電性突出部
【0020】
図1には、本発明の単極電気外科用ブレード10の薄い導電性部材12の例示的な実施形態の側面図が示してある。薄い導電性部材12は、対向する平坦側部13と、上部14と、下部16と、先端の鋭利な切断端18と、反対側の非切断端20とを有する。反対側の非切断端20は、2つの対向するプロング部材22を含んでもよい。薄い導電性部材12はまた、先端の鋭利な切断端18と反対側の非切断端20との間に位置する開口24をも含んでもよい。
【0021】
図2は、本発明の単極電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の側面図であり、
図1に示す薄い導電性部材12および導電性シャフト30を含むブレードの内部構成要素を示す。薄い導電性部材12に加えて、単極電気外科用ブレード10は、斜めのハッシュマークで示すように露出したままである先端
の鋭利な切断端18の一部を除いて薄い導電性部材12を被覆する非導電性コーティング40をさらに含む。したがって、薄い導電性部材12の上部14の少なくとも一部および薄い導電性部材12の下部16の一部は露出したままである。電気外科用ブレード10は、第1の端部32および第2の端部34を有する導電性シャフト30であって、第1の端部32が薄い導電性部材12の対向するプロング部材22の間にそれらと接触して配置されている導電性シャフト30をさらに含んでもよい。非導電性コーティング40によって被覆されていない部分のみが斜めのハッシュマークで示してあっても、
図2に示す薄い導電性部材12および導電性シャフト30の全て
が導電性であることに留意されたい。非導電性コーティング40は、薄い導電性部材12の開口24、および導電性シャフト30の第1の端部32を被覆する。薄い導電性部材12内の開口24は、電気外科用ブレード10の組立てを容易にするとともに、電気外科用ブレードの強度および機能を強化する。対向するプロング部材22の端部も非導電性コーティング40によって被覆されてもよく、またはそれらは露出したままでもよい。
【0022】
図3は、
図2に示す本発明の電気外科用ブレード10の例示的な実施形態を示す外観側面図である。
図3に見られるように、非導電性コーティング40は、先端
の鋭利な切断端18を除いて薄い導電性部材12のほとんど全てを被覆し、薄い導電性部材12の対向するプロング部材22の間にそれらと接触して配置された導電性シャフト30の第1の端部32をも被覆する。導電性シャフト30の第2の端部34は、本発明の電気外科用ブレード10を利用する電気外科用ペンシル(図示せず)内の電気的接続のために露出したままである。導電性シャフト30の第2の端部34の少なくとも一部が電気外科用ペンシル内の電気的接続のために露出したままである限り、薄い導電性部材12の対向するプロング部材22の端部を越えて延びる導電性シャフト30の一部も、非導電性コーティング40または絶縁材料で被覆されてもよい。加えて、薄い導電性部材12の対向するプロング部材22の端部は、
図6に示すように露出したままでもよく、または非導電性コーティング40で被覆されてもよい。
図6は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の端面図であり、導電性シャフト30が斜めのハッシュマークで示してある。
【0023】
図4は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の上面図であり、導電性シャフトがなく、非導電性コーティング内に含まれる薄い導電性部材の一部が破線で示してあり、
図5は、
図2~
図3に示す本発明の電気外科用ブレードの例示的な実施形態の下面図であり、導電性シャフトがなく、非導電性コーティング内に含まれる薄い導電性部材の一部が破線で示してある。
図4に見られるように、本発明の電気外科用ブレード10の例示的な一実施形態は、電気外科用ブレード10の上部に位置し、薄い導電性部材12の先端の鋭利な切断端18に露出した薄い導電性部材の一部から電気外科用ブレード10の上部に沿ってさらに延びる、薄い導電性部材12の露出領域19を含んでもよい。
【0024】
図7には、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリ50の例示的な実施形態の内部構成要素を示す
側面透視図が示してある。電気外科用ブレードアセンブリ50は、
図1~
図6を参照して先に述べた同じ電気外科用ブレード、すなわち、薄い導電性部材52と、斜めのハッシュマークで示すように露出したままである先端
の鋭利な切断端58の一部を除いて薄い導電性部材52を被覆する非導電性コーティング80とを有する、電気外科用ブレードを含む。したがって、薄い導電性部材52の上部54の少なくとも一部および薄い導電性部材52の下部56の一部は露出したままである。電気外科用ブレードは、
図2に示すように、薄い導電性部材52の対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置された第1の端部を有する、導電性シャフト70をさらに含んでもよい。非導電性コーティング80は、薄い導電性部材52の開口、および導電性シャフト70の第1の端部を被覆する。電気外科用ブレードアセンブリ50は、非導電性管状部材90であって、中空筒形開口92、および非導電性管状部材90を電気外科用ブレードの上部の上に位置決めするためのスロット93を有する、非導電性管状部材90と、非導電性管状部材90の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材94とをさらに含む。導電性中空筒状部材94は、非導電性管状部材90内に収容された導電性中空筒状部材94の端部から延びる導電性突出部96を含んでもよい。導電性中空筒状部材94を通して非導電性管状部材90に供給されたアルゴンガスは、導電性中空筒状部材94の導電性突出部96によってイオン化され、方向付けられる。本発明の電気外科用ブレードアセンブリ50のアクティブ導電性構成要素は、斜めのハッシュマークを有することで表
してある。
【0025】
図8は、本発明のアルゴンビーム機能を有する単極電気外科用ブレードアセンブリ150の別の例示的な実施形態の内部構成要素を示す
側面透視図である。
図7に示す電気外科用ブレードアセンブリ50のように、電気外科用ブレードアセンブリ150は、
図1~
図6を参照して先に述べた同じ電気外科用ブレード、すなわち、薄い導電性部材152と、斜めのハッシュマークで示すように露出したままである先端
の鋭利な切断端158の一部を除いて薄い導電性部材152を被覆する非導電性コーティング180とを有する、電気外科用ブレードを含む。したがって、薄い導電性部材152の上部154の少なくとも一部および薄い導電性部材152の下部156の一部は露出したままである。さらに、この例示的な実施形態に示すように、電気外科用ブレードの上部に位置し、薄い導電性部材152の先端の鋭利な切断端158に露出した薄い導電性部材の一部から電気外科用ブレードの上部に沿ってさらに延びる、薄い導電性部材152の露出領域159がある。電気外科用ブレードは、
図2に示すように、薄い導電性部材152の対向するプロング部材の間にそれらと接触して配置された第1の端部を有する、導電性シャフト170をさらに含んでもよい。非導電性コーティング180は、薄い導電性部材152の開口、および導電性シャフト170の第1の端部を被覆する。電気外科用ブレードアセンブリ150は、非導電性管状部材190であって、中空筒形開口192、および非導電性管状部材190を電気外科用ブレードの上部の上に位置決めするためのスロット193を有する、非導電性管状部材190と、非導電性管状部材190の少なくとも一部内に収容された導電性中空筒状部材194とをさらに含む。非導電性管状部材190内に含まれる、電気外科用ブレードの上部にある薄い導電性部材の露出領域159からは、導電性突出部195が延びてもよい。電気外科用ブレードの上部にある薄い導電性部材の露出領域159は、非導電性管状部材190内に収容された導電性中空筒状部材194と接触するか、またはそのごく近傍に位置し、導電性中空筒状部材194はまた、導電性中空筒状部材194を電気外科用ブレードの上部の上に位置決めするためのスロットを含んでもよい。導電性中空筒状部材194を通して非導電性管状部材190に供給されたアルゴンガスは、電気外科用ブレードの薄い導電性部材の露出領域159から延びる導電性突出部195によってイオン化され、方向付けられる。あるいは、導電性中空筒状部材
194は、
図7を参照して先に述べたもののように、イオン化ガスを方向付ける導電性突出部を含んでもよい。本発明の電気外科用ブレードアセンブリ150のアクティブ導電性構成要素は、斜めのハッシュマークを有することで表してある。
【0026】
本発明の単極電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態は、アルゴンプラズマ凝固およびアルゴンプラズマアシスト凝固を行うことができる。より具体的には、本発明の電気外科用ブレードアセンブリの例示的な実施形態は、1)ブレードの鋭利な切断縁部のみを使用して組織を切断すること、2)アルゴンプラズマのみを用いて組織を凝固すること、3)切断するためにブレードの鋭利な切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズ
マアシスト切断を行うことによって、組織を同時に切断および凝固すること、ならびに4)低電力で組織を凝固するためにブレードの導電性切断縁部と、アルゴンプラズマ凝固用のアルゴンガスを導入するために非導電管内に収容された導電管とを使用する、アルゴンプラズマアシスト凝固を行うことによって、組織を凝固することが可能である。
【0027】
本発明の電気外科用ブレードの非導電性コーティングは、たとえばセラミックなどの無機非金属固体材料を含んでもよい。本発明の電気外科用ブレードの薄い導電性部材および導電性シャフトは、たとえばステンレス鋼、チタン、およびタングステンなどの1つまたは複数の硬質の導電性材料を含んでもよい。電気外科用ブレードの非導電性コーティングのように、本発明の電気外科用ブレードアセンブリの非導電性管状部材は、たとえばセラミックなどの無機非金属固体材料を含んでもよい。電気外科用ブレードアセンブリの導電性中空筒状部材は、たとえばステンレス、チタン、およびタングステンなどの硬質金属を含んでもよい。
【0028】
本明細書における本発明の例示的な実施形態についての説明は、本発明の様々な例示的な実施形態を示す。これらの例示的な実施形態およびモードは、当業者が本発明を実施することを可能とするために十分詳細に説明されており、本発明の範囲、適用性、または構成をいかなる形でも限定することを意図するものではない。むしろ、以下の開示は、例示的な実施形態およびモードの実施と、当業者に知られているかまたは明らかな任意の同等のモードまたは実施形態の両方を教示することを意図するものである。さらに、含まれる全ての例は、例示的な実施形態およびモードの非限定的な例示であり、同様に、当業者に知られているかまたは明らかな任意の同等のモードまたは実施形態に役立つものである。
【0029】
具体的に記載されていないものに加えて、本発明の実施において用いられる構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成部品の他の組合せおよび/または修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、変更するか、そうでない場合には、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、または他の動作要件に特に適合させることができ、また本開示に包含されることを意図するものである。
【0030】
特に断りのない限り、明細書および特許請求の範囲における単語および語句が、一般に認められている一般的な意味、または当業者によって用いられる通常の慣習的な意味を与えられることを本出願人は意図している。これらの意味が異なる場合、明細書および特許請求の範囲における単語および語句は可能な限り広い一般的な意味を与えられるべきである。任意の他の特別な意味が任意の単語または語句について意図される場合、本明細書はその特別な意味を明確に記述および定義することにする。
【0031】
以下の特許請求の範囲は、単に例示的な特許請求の範囲として含まれ、本特許出願内に含まれる特許を受けることができる主題の範囲を定義または限定することを意図するものではない。