(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020146259
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】兼子 潔人
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀城
(72)【発明者】
【氏名】島崎 徳人
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-123609(JP,A)
【文献】特開2003-190398(JP,A)
【文献】特開2009-078092(JP,A)
【文献】特開2016-137274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部材と、
透明の部材で板状に形成され、基端部を前記取付部材に取り付けられた透明部材と、
前記透明部材の前記基端部に対して光を発光する発光手段と、
を備え、
前記透明部材は、
第1面と、
前記透明部材の厚さ方向において前記第1面と反対側に配置された第2面と、
を有し、
前記第2面には、
前記基端部から前記透明部材を通過する光の経路上に傾斜面が形成され、
前記第1面は、
前記透明部材の厚さ方向において、前記傾斜面と対向する位置に配置され光を拡散する拡散部を有
し、
前記透明部材は、
傾斜した状態で前記取付部材に取り付けられ、
前記発光手段は、
前記透明部材の傾斜方向における一方側の端部から光を照射し、
前記第2面は、
前記透明部材の前記発光手段から光を照射される端部とは前記傾斜方向において反対側となる端部に前記傾斜面を有し、
前記透明部材及び前記傾斜面の傾斜角度は、
前記傾斜方向に沿って前記透明部材を通過する光が前記傾斜面で反射し、反射した反射方向に前記拡散部が配置されるように設定される、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盤面に配置した部材を発光させて演出を行なう遊技機がある(例えば、特許文献1など)。特許文献1の遊技機は、盤面の上部に装飾部材を有する。装飾部材は、光透過性を有する合成樹脂材料によって形成されており、LEDを内蔵している。遊技機は、遊技状態に応じてLEDから合成樹脂部材に光を照射して装飾部材を発光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-054899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1のように、発光手段から発光した光を用いて装飾部材等を発光させる遊技機では、演出等に合せて、装飾部材等の発光対象となる部材の特定部位を発光させたい場合がある。このため、発光対象の部材の特定部位を発光させる技術が望まれている。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するために創出されたものであって、発光手段から発光した光を用いて透明部材の特定部位を発光させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明の遊技機は、取付部材と、透明の部材で板状に形成され、基端部を前記取付部材に取り付けられた透明部材と、前記透明部材の前記基端部に対して光を発光する発光手段と、を備え、前記透明部材は、第1面と、前記透明部材の厚さ方向において前記第1面と反対側に配置された第2面と、を有し、前記第2面には、前記基端部から前記透明部材を通過する光の経路上に傾斜面が形成され、前記第1面は、前記透明部材の厚さ方向において、前記傾斜面と対向する位置に配置され光を拡散する拡散部を有し、前記透明部材は、傾斜した状態で前記取付部材に取り付けられ、前記発光手段は、前記透明部材の傾斜方向における一方側の端部から光を照射し、前記第2面は、前記透明部材の前記発光手段から光を照射される端部とは前記傾斜方向において反対側となる端部に前記傾斜面を有し、前記透明部材及び前記傾斜面の傾斜角度は、前記傾斜方向に沿って前記透明部材を通過する光が前記傾斜面で反射し、反射した反射方向に前記拡散部が配置されるように設定される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機では、発光手段は、取付部材に取り付けられた透明部材の基端部に対して光を発光する。透明部材には、光の経路上に傾斜面が形成されており、基端部で受光し透明部材内を通過した光を傾斜面で反射させる。透明部材の傾斜面と対向する位置には拡散部が設けられている。傾斜面で反射した光は、拡散部で拡散して外部へ照射される。これにより、透明部材の拡散部が設けられた特定部位を、傾斜面で反射させた光、即ち、基端部から伝達させた光によって強く発光させることができる。透明部材の特定部位を発光させた光を遊技者に認識させ易くでき、遊技機の趣向性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】パチンコ遊技機の断面を模式的に示す模式図である。
【
図3】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられた主制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すパチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板及び周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】演出表示装置、ユニット装置及び箱部材を前方から見た正面図である。
【
図7】上側ユニットを前方側の右下方から見た斜視図である。
【
図8】上側ユニットを後方側の右下方から見た側面図である。
【
図10】上側ユニットを上方から見た上面図であり、基板を取り外した状態を示す図である。
【
図11】上側ユニットの透明板を前方側の右下方から見た斜視図である。
【
図12】下側ユニットを上方から見た上面図である。
【
図14】上側ユニットを右側から見た側面図、及びその一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と正対して遊技を行う遊技状態の遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、遊技者に近づく方向を前方(手前側)とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。また、遊技状態の遊技者とは、例えば、パチンコ遊技機1の前に設置された椅子に座り、後述するハンドル4を右手で操作している遊技者の状態をいう。
【0010】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1は、パチンコ遊技機1の正面図である。
図2は、パチンコ遊技機1の断面を模式的に示している。
図1及び
図2に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前面枠16a、中枠16b、外枠16cによって構成される。前面枠16aは、外枠16cの一端(例えば、左端)に回動可能に軸支されており、中枠16b及び外枠16cに対して前方側に回動可能となっている。また、中枠16bは、前面枠16aと同様に、外枠16cの一端(例えば、左端)に回動可能に軸支されており、外枠16cに対して前方側に回動可能となっている。中枠16bの裏側には、後述する箱部材18が取り付けられている。
【0011】
前面枠16aは、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25と、演出レバー6と、スピーカ8,8と、演出ボタン9と、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bとを備えている。ハンドル4は、前面枠16aのうち右下に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0012】
打球供給皿(上皿ともいう)24は、前面枠16aのうち中央下側に設けられている。打球供給皿24は、発射装置90(
図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。打球供給皿24は、貸球払出装置80(
図3)及び賞球払出装置400(
図3)から払出された遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠16aのうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0013】
演出ボタン9は、例えば、プッシュオン式のボタンスイッチである。演出ボタン9は、打球供給皿24の上方を覆おうカバーに設けられている。演出ボタン9には、演出ボタンランプ9c(
図4)が内蔵されている。パチンコ遊技機1は、演出ボタン9に対する操作入力に応じた演出を行う。
【0014】
また、前面枠16aのうち余剰球受皿25の左方、つまり、前面枠16aのうち下側の左端寄りには、演出レバー6が設けられている。遊技者は、演出レバー6を握って操作することで、演出レバー6を回動させたり、前後に移動させたりできる。パチンコ遊技機1は、演出レバー6に対する操作入力に応じた演出を行う。また、前面枠16aのうち、左側には左サイドランプ23aが設けられており、右側には右サイドランプ23bが設けられている。また、スピーカ8は、前面枠16aのうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられている。これらの左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、スピーカ8は、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
【0015】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。遊技盤2は、例えば、中枠16bの前面部分に設けられ、つまり、遊技状態の遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。箱部材18は、中央部分を後方側に向けて膨出した箱形形状をなし、正面から見た場合に上下方向に長い長方形形状をなしている。箱部材18は、前後方向において所定の厚みを有しており、前面を開口させた有底の箱形形状をなしている。尚、箱部材18の周囲には、遊技球を貯留し、遊技によって所定の払出条件が成立するとその遊技球を払い出す球受け払出機構(図示略)が設けられている。演出表示装置7は、箱部材18の底部に配置されている。
【0016】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、第1大入賞装置30と、第2大入賞装置40と、ゲート12と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、一般入賞口13と、表示器類50と、誘導部材17とを備える。遊技盤2は、例えば、透明の樹脂等により形成されており、後面側に配置された演出表示装置7や後述するユニット装置15等を前面から視認可能となっている。尚、
図1は、図面が煩雑となるのを避けるため、透明の遊技盤2を白く塗りつぶして図示している。また、遊技盤2は、その一部又は全部が不透明の部材でも良い。
【0017】
遊技盤2の複数箇所には、盤ランプ2a(
図4)が設けられている。また、遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示略)が打ち込まれている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。また、遊技盤2は、前方から見た場合に、演出表示装置7を取り囲む形状をなしている。遊技盤2の中央には、演出表示装置7の前方の位置に合わせて形成された貫通孔2bが形成されている。演出表示装置7の画面は、この遊技盤2の貫通孔2bから前面へ露出している。演出表示装置7の周囲には、後述するユニット装置15が設けられている。遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、遊技者から見て演出表示装置7の画面の左方に位置する左遊技領域3aと、演出表示装置7の画面の右方に位置する右遊技領域3bとを有する。
【0018】
また、固定入賞装置10は、遊技盤2のうち下側の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。ゲート12は、右遊技領域3bに配置されており、右遊技領域3bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。普通可変入賞装置20は、右遊技領域3bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20の可動部材(図示略)は、例えば、前後方向へ変位可能に構成されており、普通可変入賞装置20の第2始動口(図示略)を開閉する。第1大入賞装置30は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の右方に配置されており、第2大入賞装置40は、第1大入賞装置30の上側に配置されている。第1大入賞装置30は、第1大入賞口を開閉する第1開閉部材(図示略)を備えており、第2大入賞装置40は、第2大入賞口を開閉する第2開閉部材(図示略)を備える。第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口に入賞した遊技球が通過可能な領域である特定領域(図示略)及び非特定領域(図示略)が形成されている。また、第2大入賞装置40の内部には、第2大入賞口に入賞した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材(図示略)と、この振分部材を駆動する振分部材ソレノイド42d(
図3)とが設けられている。
【0019】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって第1大入賞装置30の下方に設けられている。表示器類50は、第1特別図柄(第1特図ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器と、第2特別図柄(第2特図ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器とを備える。さらに、表示器類50は、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器と、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器と、普通図柄表示器の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器とを備える。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器及び第2特別図柄表示器に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0020】
本実施形態では、表示器類50の第1及び第2特別図柄表示器は、複数(例えば、8個)のLEDを点灯又は消灯させ特別図柄を表示する。また、普通図柄表示器は、複数(例えば、2個)のLEDを点灯又は消灯させ普通図柄を表示する。遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材が開閉し、第2始動口が開閉する。
【0021】
また、遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示する。第1特別図柄表示器は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第1大入賞装置30が作動して第1開閉部材が開閉し、第1大入賞口が開閉する。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器によって表示される。以下、第1特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0022】
また、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞すると大当たり判定が実行され、表示器類50の第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、第2大入賞装置40が作動して第2開閉部材が開閉し、第2大入賞口が開閉する。第2特別図柄表示器が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器によって表示される。以下、第2特別図柄表示器の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。また、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンドから最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。また、大当たり判定において大当たりと判定された場合は、大当たりの種類が抽選により決定される。大当たりの種類によって、開閉する大入賞口(第1大入賞口及び第2大入賞口の一方または両方)、大入賞口の開口期間、実行可能な最大ラウンド数などが異なる。
【0023】
パチンコ遊技機1には、大当たり判定において大当たりと判定される確率(以下、大当たり確率という)として、通常確率と、通常確率よりも高い高確率とが設定されている。以下、大当たり確率が通常確率に設定されている遊技状態を通常確率状態といい、大当たり確率が高確率に設定されている遊技状態を高確率状態という。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中に第2大入賞装置40の第2大入賞口に入賞した遊技球が、前述した特定領域を通過(V入賞)すると、大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行する。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆるV確機と呼ばれる機種である。
【0024】
一般入賞口13は、遊技盤2のうち固定入賞装置10の左方に配置されている。誘導部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。誘導部材17は、発射装置90(
図3)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像などの動画像及び静止画像を表示する。演出表示装置7は、演出画像として、演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。本実施形態では、演出図柄は、例えば、1~9の算用数字を表した図柄である。本実施形態では、演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄9Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄9Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄9Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
【0025】
本実施形態の各演出図柄の主な変動パターンは、例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。演出表示装置7は、例えば、液晶表示装置である。尚、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置などを用いることもできる。演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。
【0026】
以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄及び他の画像などから成る画像を変動演出パターンという。変動演出パターンは、特図の変動パターンの変動表示と同期して変動表示され、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。演出表示装置7には、第1演出保留表示領域51Bと、第2演出保留表示領域52Bとが設定されている。遊技者は、第1演出保留表示領域51Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第1特図保留数を知ることができるとともに、第2演出保留表示領域52Bに表示される演出保留画像を見ることにより、第2特図保留数を知ることができる。
【0027】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について
図3及び
図4を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図3)と、払出制御基板73(
図3)と、サブ制御基板100(
図4)と、画像制御基板300(
図4)とを備えている。これらの主制御基板60、サブ制御基板100等は、例えば、箱部材18の後面に基板カバー18aによって固定されている(
図2参照)。
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。CPU62は、入賞の検出、大当たり判定、各種乱数の更新などを実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラムの他に、大当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル、大当たり種別判定テーブルなどの各種のテーブルTA1が記憶されている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数など、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。
【0028】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリなどとして使用される。RAM64には、遊技球が第1始動口11(
図1)に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。表示器類50の第1特別図柄表示器が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数などはRAM64に記憶される。同様に、RAM64には、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。また、RAM64には、遊技球がゲート12(
図1)を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。表示器類50の普通図柄表示器が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数はRAM64に記憶される。
【0029】
また、入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板などとの間でデータの送信又は受信を行う。また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120(
図4)を初期化する。また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、第1大入賞口センサ32aと、第2大入賞口センサ42aと、特定領域センサ42bと、非特定領域センサ42cと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、第1大入賞口ソレノイド30aと、第2大入賞口ソレノイド40aと、振分部材ソレノイド42dとが電気的に接続されている。
【0030】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11(
図1)の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、普通可変入賞装置20の第2始動口の直下に設けられており、遊技球が第2始動口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12(
図1)のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ32aは、第1大入賞装置30の第1大入賞口の直下に設けられており、遊技球が第1大入賞口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ42aは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の直下に設けられており、遊技球が第2大入賞口に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。特定領域センサ42bは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の内部の特定領域内に設けられており、遊技球が特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。非特定領域センサ42cは、第2大入賞装置40の第2大入賞口の内部の非特定領域に設けられており、遊技球が非特定領域を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13(
図1)の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0031】
また、
図4に示すように、サブ制御基板100には、アウト口センサ19aが電気的に接続されている。アウト口センサ19aは、アウト口19(
図1)の直下に設けられており、遊技球がアウト口19に入球したことを示す信号をサブ制御基板100へ出力する。これにより、サブ制御基板100(演出制御用マイコン101)は、アウト口センサ19aから出力される信号に基づいて、アウト口19に入球して消費された遊技球の数を計測できる。
【0032】
図3に戻り、電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材を開閉駆動する。第1大入賞口ソレノイド30aは、第1大入賞装置30の第1開閉部材を開閉駆動する。第2大入賞口ソレノイド40aは、第2大入賞装置40の第2開閉部材を開閉駆動する。振分部材ソレノイド42dは、第2大入賞装置40の内部に設けられた振分部材を駆動する。
【0033】
また、主制御基板60には、払出制御基板73を介して貸球払出装置80と、カードユニット76と、賞球払出装置400とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込みなどを行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示略)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0034】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
【0035】
また、主制御基板60には、払出制御基板73、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93と、発射口センサ94を備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示略)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4a(
図1)の回転量に応じて、上記打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。発射口センサ94は、誘導部材17(
図1)に設けられている。発射口センサ94は、誘導部材17から遊技領域3へ遊技球が入球されたこと、即ち、発射装置90によって発射された遊技球が遊技領域3内に入ったことを示す信号を主制御基板60へ出力する。これにより、主制御基板60は、発射口センサ94から出力される信号に基づいて、発射装置90により発射され遊技領域3内で消費された遊技球の数を計測できる。
【0036】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。また、電源基板70は、サブ制御基板100に対して電力を供給する(
図3、
図4の「B」)。電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64やサブ制御基板100のRTC124などに対して情報の保持に必要な電力を供給する。バックアップ電源回路71としては、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0037】
また、主制御基板60は、サブ制御基板100(
図4)に対して各種コマンドを送信する(
図3、
図4の「A」)。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0038】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他に、変動演出パターン選択テーブルなどの各種のテーブルTA4が記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。
【0039】
RAM120は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンドなどを記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。また、RAM120は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンドなどを記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が普通可変入賞装置20の第2始動口に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板などとの間でデータの送信または受信を行う。
【0040】
図4に示すように、サブ制御基板100には、画像制御基板300が電気的に接続されている。画像制御基板300には、画像制御用CPU302と、VDP(Video Display Processor)301と、制御用ROM303と、制御用RAM304と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)305と、VRAM(Video Random Access Memory)306とが実装されている。画像制御用CPU302は、変動演出パターン、ボタン演出画像及び予告演出画像などの演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM303には、画像制御用CPU302が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM304は、画像制御用CPU302がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM305には、演出表示装置7が画像を表示するための画像データ(演出画像などの画像データ)が記憶されている。VDP301は、例えば、画像制御用CPU302によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM305から画像データを読み出し、その読出した画像データをVRAM306内の展開領域に展開する。そして、VDP301は、VRAM306内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM306内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP301は、VRAM306内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0041】
また、サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、盤ランプ2a、演出ボタンランプ9cが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。
【0042】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示略)と、音声データROM(図示略)と、音声合成回路(図示略)と、アンプ(図示略)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音などの音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読出し、その読出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0043】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ9aと、演出レバー検出スイッチ6j、操作ボタン検出スイッチ6kが電気的に接続されている。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押圧操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出レバー検出スイッチ6jは、演出レバー6が押込操作された、あるいは回動操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。操作ボタン検出スイッチ6kは、打球供給皿24に設けられた操作ボタン(図示略)を操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、サブ制御基板100には、演出レバー駆動モータ6dが電気的に接続されている。演出レバー駆動モータ6dは、演出レバー6を振動、回動、スライド移動等させる部材である。演出制御用マイコン101は、演出に合わせて演出レバー6を回動等させる。
【0044】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときにはその電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。尚、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。
【0045】
また、サブ制御基板100には、ユニット装置15が接続されている。演出制御用マイコン101は、後述するユニット装置15の第1及び第2発光手段191,192(
図13)の点灯状態(点灯の有無、光の明るさなど)を制御することで、ユニット装置15による演出態様を変更することができる。演出制御用マイコン101は、遊技状態(演出の内容)に応じてユニット装置15の点灯状態を変更する。例えば、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて第1及び第2発光手段191,192の点灯状態を決める点灯パターンデータを作成し、その点灯パターンデータに従って第1及び第2発光手段191,192の点灯制御を行う。
【0046】
[ユニット装置15の構成]
次に、ユニット装置15の構成について説明する。
図5に示すように、ユニット装置15は、箱形形状の箱部材18に収容されている。尚、
図5、及び後述する
図6、
図9は、透明の透明板147,148の奥側に配置された部材を透過的に図示している。ユニット装置15は、右側ユニット131、上側ユニット132、下側ユニット133、及び左側ユニット134の4つのユニットを備えている。以下の説明では、右側ユニット131、上側ユニット132、下側ユニット133、及び左側ユニット134のうち、少なくとも2つのユニットをまとめて説明する場合、単に「ユニット131~134」のようにユニットと総称して説明する。
【0047】
箱部材18は、有底の四角形の箱形形状をなし、前面側に四角形をなす開口18bを有し、その開口18bを構成する4辺のそれぞれに側壁18cを有する。4つのユニット131~134は、4つの側壁18cのそれぞれに、第1螺合部材137によって固定されている。
【0048】
図6は、上側ユニット132を下方から見た下面図である。
図7は、上側ユニット132を前方側の右下方から見た斜視図である。
図8は、上側ユニット132を後方側の右下方から見た斜視図である。
図6~
図8に示すように、上側ユニット132は、取付部材141と、複数の(本実施形態では4つの)透明板147とを備えている。取付部材141は、例えば、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されている。取付部材141は、側面部143と、底部145とを備えている。側面部143には、第1螺合部材137(
図5参照)を挿入される挿入部143aが複数(本実施形態では2つ)設けられている。側面部143は、複数の挿入部143aの各々に挿入された第1螺合部材137を箱部材18に螺合することで、箱部材18に対して固定される。
【0049】
側面部143は、例えば、前後方向の幅を略一定としながら左右方向に延設された略長方形の板状に形成されている。側面部143には、複数の透明板147が取り付けられている。また、底部145は、側面部143の後端面にネジ151(
図8参照)によって固定されている。底部145は、上下方向の幅を略一定としながら、左右方向に延設された略長方形の板状に形成されている。底部145の前面には、装飾部材153が取り付けられている。装飾部材153は、例えば、ハートの形状を立体的に形成され、ハートの部分を光が透過可能な透明の部材で形成されている。
【0050】
底部145は、左右方向における両端のそれぞれを、他のユニットと連結される。例えば、左右方向における底部145の両端部には、第2螺合部材155を挿入する挿入部145aが2個ずつ形成されている。第2螺合部材155は、例えば、ネジである。底部145の右側の挿入部145aに挿入された第2螺合部材155は、右側ユニット131の上側端部に螺合される。これにより、上側ユニット132は、右側ユニット131と連結され互いに固定される。また、底部145の左側の挿入部145aに挿入された第2螺合部材155は、左側ユニット134の上側端部に螺合される。これにより、上側ユニット132は、左側ユニット134と連結され互いに固定される。同様に、各ユニット131~134の各々は、上下方向、左右方向の端部を、他のユニットと第2螺合部材155によって連結されている。これにより、ユニット装置15は、演出表示装置7を囲むように、ユニット装置15の側壁18cに沿った枠状の部材を構成している。尚、各ユニット131~134を連結する部材は、ネジに限らず、ボルト、ナット等を用いても良い。
【0051】
上側ユニット132は、上面側に設けられた発光手段により、透明板147、装飾部材153を発光させる。また、
図5に示すように、下側ユニット133は、取付部材174(
図12参照)に取り付けられた複数の(本実施形態では、4つの)透明板148を備えている。透明板148は、例えば、透明のアクリル板で形成されている。尚、透明板148の材料は、アクリルに限らず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)でも良い。また、下側ユニット133は、上側ユニット132と同様に、下面側に設けられた発光手段により、透明板148を発光させる。上側ユニット132、下側ユニット133の詳細については、後述する。
【0052】
また、右側ユニット131は、装飾部材159と、複数の透明部材161とを備えている。各透明部材161は、例えば、透明のアクリル板であり、上下方向の間に装飾部材159を配置して、上側に2枚、下側に2枚設けられている。右側ユニット131は、後面側に設けられた基板(図示略)に実装されたLEDから複数の透明部材161のそれぞれに光を発光することで、各透明部材161を発光させる。装飾部材159には、例えば、爆弾を模擬した装飾が施されており、後述するように演出表示装置7の表示と連動することで爆弾を用いた演出を実行できる。
【0053】
また、左側ユニット134は、人型の装飾部材149を有している。装飾部材149は、例えば、人が立っている状態を立体的に表した部材である。装飾部材149は、例えば、左手を隠した状態となっている。パチンコ遊技機1は、例えば、装飾部材149の位置に合せて演出表示装置7に左手を写し出し、写し出した左手を動かすことで、あたかも装飾部材149の人が動いているように見せることができる。従って、パチンコ遊技機1は、ユニット装置15に設けられた装飾部材と連係した映像を演出表示装置7に写し出すことで、装飾部材を活かした演出を行うことができる。
【0054】
上記したように、ユニット装置15は、機能の異なる複数のユニット131~134を第2螺合部材155で互いに連結して構成されている。そして、各ユニット131~134は、第1螺合部材137によって箱部材18に着脱可能となっている。また、箱部材18には、演出表示装置7や各種の制御基板(サブ制御基板100など)が取り付け可能となっている(
図2参照)。このような構成では、箱部材18を共通の部材として、箱部材18に取り付けられる各ユニット131~134、演出表示装置7、サブ制御基板100等を交換することで、種類の異なる(別機種の)パチンコ遊技機1にも対応することができる。換言すれば、箱部材18に対して装着するユニット131~134を自由に組み合わせて、新しいパチンコ遊技機1を構成することができる。例えば、種類の異なるパチンコ遊技機1に必要な箱部材18を、同一の成形金型で製造できる。また、箱部材18を再利用することができ、パチンコ遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。
【0055】
次に、上側ユニット132、下側ユニット133の詳細な構成について説明する。尚、下側ユニット133の透明板148は、上側ユニット132の透明板147と同様の構成となっている。このため、以下の説明では、主に上側ユニット132について説明し、下側ユニット133の説明を適宜省略する。
【0056】
図9は、上側ユニット132を上方から見た上面図であり、上側ユニット132の裏側を示している。
図9に示すように、上側ユニット132の上面143bには、基板163が取り付けられている。基板163は、例えば、サブ制御基板100に電気的に接続されており、サブ制御基板100によって制御される。基板163の上方には、保護カバー165が取り付けられている。保護カバー165は、例えば、透明のアクリル板で形成され、ネジ167によって側面部143の上面143bに取り付けられている。
【0057】
図10は、上側ユニット132を上方から見た上面図であり、基板163及び保護カバー165を取り外した状態を示している。
図11は、透明板147の斜視図である。
図10及び
図11に示すように、複数の透明板147の各々は、上下方向において所定の幅193を有し、左右方向に延設された略長方形の板状に形成されている。複数の透明板147は、上下方向の幅193や、左右方向の端部に形成された切り欠き部分等の形状が異なるものの、概して同様の構造となっている。このため、以下の説明では、共通する構造について説明する場合は、透明板147と記載し、異なる構造について説明する場合は、前方側の透明板147等と称して説明する。
【0058】
各透明板147は、例えば、透明のアクリル板で形成されている。尚、透明板147の材料は、アクリルに限らず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)でも良い。透明板147は、幅方向における上側の基端部147aを、側面部143に取り付けられている。基端部147aには、上方側へ突出した複数の第1凸部147bが形成されている。複数の第1凸部147bは、透明板147の長手方向に沿って、所定の間隔ごとに形成されている。また、側面部143には、複数の第1凸部147bの位置に合せて、複数の挿入孔143cが形成されている。挿入孔143cは、側面部143を上下方向に貫通して形成され、第1凸部147bの形状に合わせた大きさで形成されている。1つの透明板147に対応する複数の挿入孔143cは、例えば、左右方向に沿って所定の間隔ごとに(第1凸部147bの間隔ごとに)形成されている。複数の透明板147は、第1凸部147bを挿入孔143cに挿入した状態で、側面部143に対して固定されている。
【0059】
左右方向(長手方向)における透明板147の両端には、第2凸部147cが形成されている。第2凸部147cは、幅方向(上下方向)における透明板147の基端部147a側に形成され、左右方向の外側へ突出して形成されている。
図7に示すように、左右方向における側面部143の両端には、透明板147を固定するためのカバー部材171がそれぞれ設けられている。一対のカバー部材171の各々には、各透明板147の第2凸部147cを挿入するための挿入部171aが形成されている。
【0060】
複数の透明板147の各々は、左右方向の両側に設けられた第2凸部147cを、一対のカバー部材171に挿入した状態で側面部143に取り付けられている。一対のカバー部材171は、側面部143の上面143b側から挿入された第3螺合部材173(
図10参照)を螺合されることで、側面部143に固定され、第2凸部147cの移動を規制する。複数の透明板147は、第1凸部147bを挿入孔143cに挿入した状態で、カバー部材171により左右方向の両端を側面部143に固定される。
【0061】
図12は、下側ユニット133を上方から見た上面図である。
図12に示すように、下側ユニット133は、上側ユニット132と同様に、側面部175及び底部177を有する取付部材174と、複数の(本実施形態では4個の)透明板148を備えている。複数の透明板148は、透明板147と同様に、基端部に設けられた第1凸部(図示略)を、側面部175の挿入孔(図示略)に挿入された状態で側面部175に取り付けられている。複数の透明板148は、左右方向の両側に設けられたカバー部材179に、第2凸部(図示略)を挿入し、カバー部材179によって側面部175に固定されている。
【0062】
また、上側ユニット132は、上面143b側に設けられた基板163に実装された発光手段から複数の透明板147のそれぞれに光を発光することで、各透明板147を発光させる。同様に、下側ユニット133は、下面側に設けられた基板(図示略)に実装された発光手段から複数の透明板148のそれぞれに光を発光することで、各透明板148を発光させる。
【0063】
図13は、基板163を下方から見た平面図である。
図13に示すように、基板163には、第1発光手段191と、第2発光手段192とが実装されている。第1及び第2発光手段191,192は、例えば、LEDである。尚、本願の発光手段は、LEDに限らず、ハロゲンランプ等の他の発光手段でも良い。
【0064】
第1発光手段191は、各透明板147の第1凸部147bの位置、即ち、各透明板147を挿入する挿入孔143cの位置に合せて配置されている。1つの透明板147に対応する複数の第1発光手段191は、例えば、左右方向に沿って配置されている。各第1発光手段191は、基板163を側面部143に取り付けた状態では、各第1凸部147bの上方に配置される。各第1発光手段191から発光された光は、各第1凸部147bに照射される。
【0065】
また、第2発光手段192は、上側ユニット132の装飾部材153(
図7参照)を発光させる発光手段である。
図10に示すように、側面部143には、挿入孔143cの下方に複数の貫通孔143dが形成されている。各貫通孔143dは、側面部143を上下方向に貫通し、平面視において略矩形状をなしている。各貫通孔143dは、装飾部材153の後方(裏側)に形成された空間に通じている。各第2発光手段192は、基板163を側面部143に取り付けた状態では、各貫通孔143dの穴の位置に配置される。各第2発光手段192から発光された光は、貫通孔143dを通じて、装飾部材153を発光させる。第2発光手段192は、装飾部材153の透明のハート部分等を発光させる。
【0066】
図14は、上側ユニット132を右側から見た側面図である。
図8及び
図14に示すように、複数の透明板147は、所定の角度、例えば、前側上方から後側下方へ向かって(演出表示装置7側へ)傾斜した状態で側面部143に固定されている。透明板147は、厚さ方向で対向する2つの面を有している。以下の説明では、厚さ方向で対向する2つの面のうち、前面を第1面147d、後面を第2面147eと称して説明する。
【0067】
複数の透明板147は、例えば、互いの第1及び第2面147d,147eを対向させ、互いに平行な状態で固定されている。換言すれば、複数の透明板147は、互いに同じ角度で傾いている。厚さ方向で隣り合う2つの透明板147の間には、所定の幅の隙間が形成されている。尚、複数の透明板147は、異なる角度で傾き、互いに平行でない構造でも良い。
【0068】
図7及び
図11に示すように、複数の透明板147は、幅方向における一端である基端部147aを側面部143に取り付けられ、他端である先端部147fを側面部143から下方へ突き出すようにして側面部143に固定されている。先端部147fには、透明板147の長手方向に沿った縁部147jが形成されている。
図11及び
図14に示すように、幅方向における基端部147aと先端部147fの縁部147jとの幅193は、最も前側の透明板147から最も後側の透明板147に向かって順番に、徐々に長くなっている。従って、厚さ方向で隣り合う2つの透明板147は、前側の透明板147に比べて後側の透明板147が、幅方向において先端部147f側へ突出している。
【0069】
第1面147dの先端部147fには、シボ部147gが設けられている。シボ部147gは、例えば、第1面147dの表面を、所謂シボ加工によりざらざらの状態に(梨地シボなど)に加工した面である。シボ部147gは、微細な凹凸を形成され、透明板147の内側を通過する光等を拡散する。シボ部147gは、本願の拡散部の一例である。尚、本願の拡散部は、シボ加工を施したシボ部147gに限らない。例えば、拡散部は、ざらざらのシボ加工が施されたシボテープを、透明板147の表面に貼り付けた構成でも良い。また、光を拡散させる拡散部を形成するための加工は、シボ加工に限らず、平面ローレットや綾目ローレットのような規則的な加工でも良く、不規則な凹凸を形成するショットブラスト加工などの他の粗面加工等でも良い。また、拡散部を形成するための加工は、形状の加工に限らず、光拡散剤などの拡散光効果を発揮させる顔料を塗布する加工でも良い。また、上記した加工方法を組み合わせても良い。
【0070】
また、第2面147eの先端部147fには、傾斜面147hが形成されている。傾斜面147hは、基端部147aから透明板147の内部を通過する光の経路上、即ち、光が進行する経路の進行方向の先に設けられている(
図14の拡大図参照)。傾斜面147hは、基端部147aから透明板147の内部を通過する光の一部又は全部を反射させる。傾斜面147hは、例えば、透明板147の先端部147fを切り欠いて形成されており、傾斜角を調整することで、反射率や反射方向を調整される。傾斜面147hは、例えば、透明板147の成形時に、先端部147fに成形される。尚、透明板147を一度成形した後に、先端部147fを切削等して傾斜面147hを形成しても良い。また、傾斜面147hに鏡面加工やメッキ加工などの反射率を向上させる加工を施しても良い。また、傾斜面147hは、例えば、基端部147aから受けた光を全反射する構成でも良く、一部のみを反射させ、残りの光を通過させる構成でも良い。
【0071】
図14の拡大図に示すように、透明板147の先端部147fは、傾斜面147hが形成されることで、基端部147aから先端である縁部147jに向かうに従って厚さ方向の幅が短くなっており、先細り形状をなしている。傾斜面147hは、透明板147の縁部147jから基端部147a側へ所定の角度で傾いて形成されている。
【0072】
図11に示すように、各透明板147の縁部147jは、左右方向に沿って形成されている。従って、透明板147は、左右方向を長手方向とし、その長手方向に沿って延設された板状をなし、長手方向に沿った縁部147jを先端部147fに有している。シボ部147gは、例えば、幅方向において一定の幅を有し、縁部147jに沿って形成されている。また、傾斜面147hは、シボ部147gと同様に、例えば、幅方向において一定の幅を有し、縁部147jに沿って形成されている。
【0073】
図14の拡大図に示すように、シボ部147gは、透明板147の幅方向において、透明板147の先端である縁部147jから基端部147a側へ基端位置147kまで形成されている。傾斜面147hは、縁部147jから所定の角度で傾斜する面として形成され、幅方向において基端位置147kよりも縁部147j側となる位置(
図14における基端位置147kより左側の位置)まで形成されている。換言すれば、シボ部147gは、縁部147jから、透明板147の厚さ方向において傾斜面147hと対向する位置よりも若干だけ基端部147a側となる基端位置147kまで形成されている。透明板147の基端部147aにより第1発光手段191から受光した光の一部は、透明板147内を通じて先端部148f側まで通過する。通過した光の一部又は全部は、先端部148fの傾斜面147hで第1面147d側へ反射させられる。反射した光は、シボ部147gで拡散等し、光拡散効果により透明板147の縁部147j(エッジ)を強調するように発光する。換言すれば、透明板147の傾斜角度、傾斜面147hの傾斜角度は、透明板147を通過する光が傾斜面147hで反射した反射方向にシボ部147gが配置されるように設定・調整されている(
図14の拡大図の矢印参照)。これにより、透明板147の特定部位(例えば、縁部147j)を強調して光らせることができる。シボ部147gは、例えば、シボ部147gに形成する凹凸の大きさ、シボの形状、シボのパターンのグラデーション等により光の拡散状態を様々に設定することが可能である。
【0074】
また、
図7及び
図11に示すように、複数の透明板147は、幅方向における幅193を、前側から後側に行くに従って、徐々に長くしている。このため、隣り合う2つの透明板147において、後側の透明板147は、前側の透明板147の縁部147jから下方へ突出しており、シボ部147gを前側の透明板147の下方に配置している。これにより、各透明板147のシボ部147gを、他の透明板147と重ならないようにして、発光したシボ部147gを遊技者に見せることができる。シボ部147gを発光させた光の演出を遊技者により確実に見せることができ、遊技の趣向性を向上させることができる。
【0075】
また、
図5及び
図12に示すように、下側ユニット133の複数の透明板148は、上側ユニット132の透明板147と同様に、シボ部148gと傾斜面(図示略)を有する。このため、透明板148は、光拡散効果によりシボ部148g(エッジ)を強調するように発光する。また、下側ユニット133は、幅方向における透明板148の幅を、前側から後側に行くに従って、徐々に長くしている。このため、隣り合う2つの透明板148において、後側の透明板148は、幅方向において前側の透明板148の上端(先端部148f)から上方へ突出しており、先端部148fに設けたシボ部148gを前側の透明板148の上方に配置している。これにより、複数の透明板148は、透明板147と同様に、シボ部148gを、他の透明板148と重ならないように配置し、発光したシボ部148gを遊技者に見せることができる。
【0076】
また、
図11に示すように、上側ユニット132の厚さ方向で隣り合う2つの透明板147は、後側の透明板147が、前側の透明板147の縁部147jから所定の突出量だけ、下方へ突出している。この突出量は、各透明板147で同一となっている。また、各透明板147のシボ部147gは、幅方向において所定の幅を有し、縁部147jに沿って形成されている。各透明板147のシボ部147gの幅は、互いに同一となっている。また、各透明板147の傾斜面147hの幅も、互いに同一となっている。これにより、複数の透明板147のシボ部147gを、等間隔で、同じ幅、同じ方向に沿って点灯させ、バランスの良い発光を行なうことができる。尚、各透明板147の突出量、シボ部147gの幅、傾斜面147hの幅は、互いに異なる大きさ・長さでも良い。
【0077】
また、本実施形態の上側ユニット132の透明板147と、下側ユニット133の透明板148とは、上下方向の間に演出表示装置7を挟んで、上下方向において反転した対象な構造となっている。詳述すると、複数の透明板147の左右方向における中心と、透明板148の左右方向における中心の位置とが、左右方向において略同一の位置となっている。また、複数の透明板147は、左右方向における基端部147aの長さが略同一となっている。また、複数の透明板148は、左右方向における基端部の長さが略同一となっている。そして、透明板147の基端部147aの長さは、透明板148の基端部の長さと略同一となっている。さらに、上記したように、複数の透明板147は、前側の透明板147から後側の透明板147へと徐々に幅193を長くしている。また、複数の透明板148も、前側から後側へと徐々に幅方向の幅を長くしている。これによれば、演出表示装置7を間に挟んで配置した複数の透明板147,148を対象に配置し、且つ透明板147,148の全体やシボ部147g,148gを光らせることで、より趣向性の高い演出を実行することができる。
【0078】
例えば、演出制御用マイコン101は、上側ユニット132の第1発光手段191と、下側ユニット133の発光手段(図示略)の点灯状態を制御することで、透明板147,148の点灯状態を変更する。演出制御用マイコン101は、例えば、左右方向に1列に並ぶ第1発光手段191を1組として(
図13参照)、前側の1列目から後側の最終列(4列目)に向かって順番に点灯させる。これにより、複数の透明板147は、前側から後側へ順番に、透明板147の全体やシボ部147gを点灯させる。さらに、演出制御用マイコン101は、複数の透明板148を、複数の透明板147と同様に点灯させる。これにより、複数の透明板147,148は、例えば、上下方向における外側のシボ部147g,148gから内側のシボ部147g,148gへと順番に点灯する。あたかも、シボ部147g,148gの光(ライン状の光)が演出表示装置7に近づくように点灯させることができる。演出制御用マイコン101は、逆の制御を行なえば、上下方向における内側のシボ部147g,148gから外側のシボ部147g,148gへと順番に点灯させることができる。あたかも、シボ部147g,148gの光が演出表示装置7から遠ざかるように点灯させることができる。尚、演出制御用マイコン101は、一度点灯させた透明板147,148の点灯を維持し順番に全ての透明板147,148を点灯させても良く、一度点灯させた透明板147,148を次の透明板147,148の点灯に合わせて消灯させ、1つ1つの透明板147,148を順番に点灯させても良い。
【0079】
(演出の一態様)
次に、ユニット装置15を用いた演出の一態様について説明する。
図15は、演出図柄の変動表示中における演出表示装置7の表示例を示している。
図15は、例えば、リーチ演出が実行される際の状態を示している。
【0080】
例えば、演出制御用マイコン101は、第1始動口11への遊技球の入賞に応じて左演出図柄9L、中演出図柄9C、右演出図柄9Rの変動を開始する。演出制御用マイコン101は、リーチ予告演出等を実行した後、左演出図柄9L及び右演出図柄9Rを同じ数字の図柄で確定表示して、リーチ状態とする。演出制御用マイコン101は、例えば、左演出図柄9Lと右演出図柄9Rとに「7」の演出図柄を停止させ、演出図柄がリーチ状態であること(リーチが確定したこと)を演出表示装置7に表示させる。また、演出制御用マイコン101は、例えば、演出図柄を演出表示装置7の隅に移動させ、リーチ演出を見え易い状態とする。
【0081】
そして、演出制御用マイコン101は、例えば、左側ユニット134の人の装飾部材149に合わせて左腕を模擬した模擬アイコン181を演出表示装置7に表示する。演出制御用マイコン101は、例えば、模擬アイコン181の左腕に、たいまつ等の火を付ける部材を持たせた画像を演出表示装置7に表示する。また、演出制御用マイコン101は、右側ユニット131の爆弾を模擬した装飾部材159から、爆弾の導火線を模擬した模擬アイコン183を演出表示装置7に表示する。
【0082】
演出制御用マイコン101は、例えば、模擬アイコン181を動かして模擬アイコン183の先端に火を付けさせ、模擬アイコン183の導火線が徐々に燃えて短くなるような画像を演出表示装置7に表示する。そして、演出制御用マイコン101は、模擬アイコン183が燃え尽きて、火が装飾部材159に到達したタイミングに合わせて、右側ユニット131の透明部材161や装飾部材159を点灯・点滅等させ、爆弾が爆発したような演出を実行する。
【0083】
演出制御用マイコン101は、例えば、上記した爆弾の演出に合わせて上側ユニット132及び下側ユニット133を点灯させる。演出制御用マイコン101は、例えば、模擬アイコン183の導火線が徐々に燃えて短くなり、火が装飾部材159に近づくに従って、前後方向における前側の透明板147,148から後側の透明板147,148に向かって順番に、点灯する透明板147,148を増やしていく。従って、本実施形態の演出制御用マイコン101は、演出表示装置7に表示した演出内容の進行に合わせて、複数の透明板147,148を順番に点灯させても良い。
【0084】
演出制御用マイコン101は、例えば、模擬アイコン183が燃え尽きて、火が装飾部材159に到達したタイミングに合わせて、「ドカーン」などの爆発したような効果音をスピーカ8から放音させつつ、右側ユニット131の透明部材161や装飾部材159を点滅等させる。演出制御用マイコン101は、透明部材161等の点滅等に合わせて、上側ユニット132の透明板147(シボ部147g)と下側ユニット133の透明板148(シボ部148g)の各々を点滅等させるように第1発光手段191を制御しても良い。また、この爆発演出に合わせて、演出制御用マイコン101は、上側ユニット132の第2発光手段192を制御し、装飾部材153を点滅等させても良い。演出制御用マイコン101は、例えば、大当たり判定が当たりの場合、上記した爆発演出を実行した後、中演出図柄9Cに「7」の演出図柄を停止させ、大当たりであることを報知した後、大当たり遊技を行う。また、演出制御用マイコン101は、大当たり判定がはずれの場合、爆発する演出を実行せずに、例えば、模擬アイコン183が燃え尽きて、火が装飾部材159に到達したタイミングで、「不発」などの文字を演出表示装置7に表示しても良い。これにより、模擬アイコン181,183を表示し、ユニット装置15を点滅等させることで、大当たりの確定を遊技者に期待させることができ、遊技の趣向性を向上できる。さらに、演出表示装置7の表示と、透明板147,148の点灯等を連動させることで、爆弾が爆発することの期待感(ドキドキ感)、即ち、遊技者にとって有利な遊技(大当たり遊技など)に対する期待感を高めさせることができる。
【0085】
上記したユニット装置15を用いた演出は、一例である。例えば、上側ユニット132の透明板147を前側から後側へ順番に1つずつ点灯させ、下側ユニット133の透明板148を後側から前側へ順番に1つずつ点灯させても良い。これにより、正面から見た場合に、互いに連動して上側のシボ部147g,148gから下側のシボ部147g,148gに向かって順番に点灯させることができる。また、例えば、上側ユニット132や下側ユニット133だけを用いた演出を実行しても良い。演出制御用マイコン101は、例えば、導火線の模擬アイコン183が短くなるに従って、透明板147のそれぞれを前側から後側へ順番に点灯させても良い。また、演出制御用マイコン101は、例えば、導火線の模擬アイコン183が燃え尽きた際に、右側ユニット131を点滅等させずに、ハズレとなったかのように思わせた後、透明板147,148や右側ユニット131を一気に点滅等させて、大当たりの確定を報知しても良い。また、演出制御用マイコン101は、複数透明板147,148の光の強弱を調整して、演出を実行しても良い。
【0086】
また、演出制御用マイコン101は、上記したユニット装置15を使用した演出を、演出図柄を確定させるタイミング以外で実行しても良い。例えば、演出制御用マイコン101は、ユニット装置15を使用した演出を、リーチ前の予告演出のタイミング、一度確定したはずれ図柄を再変動させるタイミング、リーチをより信頼度の高いリーチへ発展させるタイミング、大当たり遊技中に大当たりの種類(大当たり遊技が終了した後の遊技状態が高確率状態に移行するか否かなど)を報知するタイミングなどに実行しても良い。
【0087】
因みに、演出表示装置7は、表示手段の一例である。ユニット131~134は、ユニット部材の一例である。取付部材141は、第1取付部材の一例である。取付部材174は、第2取付部材の一例である。透明板147,148は、透明部材の一例である。シボ部147g,148gは、拡散部の一例である。第1発光手段191は、発光手段の一例である。演出制御用マイコン101は、制御手段の一例である。
【0088】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ遊技機1の上側ユニット132は、取付部材141と、透明の部材で板状に形成され、基端部147aを取付部材141に取り付けられた透明板147と、透明板147の基端部147aに対して光を発光する第1発光手段191と、を備えている。透明板147は、第1面147dと、厚さ方向において第1面147dと反対側に配置された第2面147eと、を有する。第2面147eには、基端部147aから透明板147を通過する光の経路上に傾斜面147hが形成されている(
図14の拡大図参照)。第1面147dは、厚さ方向において、傾斜面147hと対向する位置に配置され光を拡散するシボ部147gを有する。
【0089】
これによれば、傾斜面147hで反射した光は、シボ部147gで拡散等して外部へ照射される。透明板147のシボ部147gが設けられた特定部位を、傾斜面147hで反射させた光、即ち、基端部147aから伝達させた光によって強く発光させることができる。透明板147の特定部位を発光させた光を遊技者に認識させ易くでき、遊技機の趣向性を向上できる。
【0090】
(2)また、透明板147は、幅方向において所定の幅を有し、長手方向(例えば、左右方向)に沿って延設された板状をなし、幅方向の一方側(上方側)に基端部147aを有し、他方側(下方側)に長手方向に沿った縁部147jを有する。傾斜面147h及びシボ部147gは、縁部147jに沿って設けられている。
【0091】
これによれば、縁部147jに沿ったシボ部147gを、傾斜面147hで反射させた光により、ライン状に発光させることができる。換言すれば、透明板147の縁部147jが強調されるように、シボ部147gを他の部位に比べて強く発光させ、ライン状の光を遊技者に認識させ易くできる。
【0092】
(3)透明板147は、傾斜した状態で取付部材141の側面部143に取り付けられている。透明板147及び傾斜面147hの傾斜角度は、透明板147を通過する光が傾斜面147hで反射した反射方向にシボ部147gが配置されるように設定されている。
【0093】
これによれば、透明板147及び傾斜面147hの傾斜角度を調整することで、第1発光手段191から発光した光を、より確実にシボ部147gまで伝達させることができる。シボ部147gに光を集め、シボ部147gを強く光らせることができる。
【0094】
(4)また、シボ部147gは、透明板147の幅方向において、透明板147の縁部147jから基端部147a側へ基端位置147kまで形成されている(
図14)。傾斜面147hは、透明板147の縁部147jから所定の角度で傾斜する面として形成され、幅方向において基端位置147kよりも縁部147j側となる位置まで形成されている。
【0095】
これによれば、傾斜面147hで反射した光をシボ部147gでより多く(可能な限り漏らすことなく)受光することができ、シボ部147gから拡散等する光の量を増やすことができる。シボ部147gを、透明板147の他の部分に比べてより強く光らせることができる。
【0096】
(5)また、透明板147は、4個設けられている。4個の透明板147は、前後方向(第1方向の一例)に沿って並んで配置されている(
図14)。4個の透明板147は、前後方向の前端に配置された透明板147から後端に配置された透明板147に向かって順番に、基端部147aから先端部147f(縁部147j)までの幅193が長くなっている。そして、シボ部147gは、幅方向における透明板147の先端部147fに設けられている。
【0097】
これによれば、複数の透明板147の基端部147aを上下方向で同じ位置に配置した場合、より後方側の透明板147の先端部147fを、下方へ突き出すことができる。そして、突き出した先端部147fのシボ部147gを、他の透明板147と重なることなく発光させることができる。これにより、発光させたシボ部147gを、遊技者から認識させ易くでき、演出の効果を高めることができる。
【0098】
(6)また、演出制御用マイコン101は、上側ユニット132の第1発光手段191の点灯・点滅等を制御可能となっている。第1発光手段191は、複数の透明板147の各々に対応して複数設けられている(
図13)。演出制御用マイコン101は、遊技の演出に合わせて複数の第1発光手段191の点灯状態を制御し、前後方向における一端から他端に向かって(例えば、前側から後側に向かって)複数の透明板147を順番に発光させる。
【0099】
これにより、シボ部147gから発光させた光が、前後方向における一端から他端に向かって移動、近づく等の演出を行なうことができる。今までにない趣向性の高い演出を実行できる。
【0100】
(7)また、ユニット装置15は、上側ユニット132の取付部材141と、下側ユニット133の取付部材174とを有する。取付部材141,174の各々には、複数の透明板147,148が設けられている。取付部材141は、上下方向において、演出表示装置7を間に挟んで取付部材174とは反対側に配置されている。演出制御用マイコン101は、取付部材141に設けられた複数の透明板147、及び取付部材174に設けられた複数の透明板148について、前後方向における一端から他端に向かって順番に発光させる。
【0101】
これによれば、例えば、複数の透明板147,148の縁部147jに設けたシボ部147g,148gの光を、上下方向の両側から演出表示装置7へ近づくように発光させることができる。あるいは、例えば、複数の透明板147,148の縁部147jに設けたシボ部147g,148gの光を、演出表示装置7から上下方向の外側へ遠ざかるように発光させることができる。今までにない趣向性の高い演出を実行できる。
【0102】
(8)また、パチンコ遊技機1の箱部材18は、演出表示装置7が取り付けられ、開口18bを有する。箱部材18は、箱形形状をなし、中枠16bの後面側に取り付けられている。4つのユニット131~134は、演出表示装置7を囲むように、箱部材18の4辺の各々に着脱可能に設けられ、互いに連結されている。取付部材141,174、透明板147,148、及び第1発光手段191の組み合わせが、4つのユニット131~134のうち、2つのユニット(上側ユニット132、下側ユニット133)に設けられている。
【0103】
これによれば、複数のユニット131~134の種類を組み合わせることで、様々な種類の遊技機を構成することができる。また、箱部材18等を共通の部材として使用することができ、種類の異なるパチンコ遊技機1で同じ箱部材18を使用することができる。パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。
【0104】
〈他の実施形態〉
(1)上記実施形態において、透明板147は、取付部材141に対して所定の角度だけ傾いた状態で取付部材141に取り付けられていたが、取付部材141の側面部143に対して直交する方向に取り付けられる構成でも良い。
(2)また、上側ユニット132及び下側ユニット133は、透明板147,148を複数個備えたが、1個だけ備えても良い。また、上側ユニット132の透明板147と、下側ユニット133の透明板148とは、異なる個数・形状でも良い。
(3)透明板147を、上下方向において略一定の幅193を有し、左右方向に長い板状に形成したが、これに限らない。例えば、透明板147は、上下方向を長手方向とする板で、左右方向に重ならずに並んで配置される構成でも良い。
(4)また、本願の発光手段は、LEDに限らず、ハロゲンランプ等の他の発光する手段でも良い。
(5)また、本願の透明部材は、透明のアクリル板に限らず、有色(半透明など)の光透過性を有する板でも良い。
【0105】
(6)また、傾斜面147hの基端部147a側の端部は、透明板147の幅方向において、シボ部147gの基端位置147kよりも縁部147j側であった(
図14)。しかしながら、傾斜面147hの基端部147a側の端部は、基端位置147kと一致していても良く、基端位置147kよりも基端部147a側に位置しても良い。
(7)透明板147及び傾斜面147hの傾斜角度は、透明板147を通過する光が傾斜面147hで反射した反射方向にシボ部147gが配置されるように設定されていたが、これに限らない。例えば、透明板147の材料や屈折率を変更して、第1発光手段191から発光した光が、シボ部147gを通過するように調整しても良い。この場合、透明板147を、取付部材141に対して傾斜せずに、直交した状態で固定しても良い。
(8)シボ部147g及び傾斜面147hを、幅方向における先端部147fに設けたが、これに限らない。シボ部147g及び傾斜面147hを、幅方向における縁部147jと基端部147aの中間位置など、先端部147fとは異なる位置に設けても良い。この場合、傾斜面147hを、薄肉加工等により、透明板147の途中に形成しても良い。
(8)また、透明板147は、側面部143の挿入孔143cに挿入される第1凸部147bを備えなくとも良い。例えば、第1発光手段191は、挿入孔143cを通じて下方へ光を照射しても良い。そして、透明板147は、挿入孔143cから下方へ照射された光を、基端部147aで受光しても良い。
【0106】
(9)複数の透明板147を、前後方向において互いに重なる位置に配置したが、重ならないずれた位置に配置しても良い。
(10)表示手段は、液晶に限らず、有機EL等の他の表示手段でも良い。また、パチンコ遊技機1は、表示手段を備えなくとも良い。
(11)ユニット装置15は、4つのユニット131~134のうち、上側ユニット132だけを備える構成でも良い。また、4つのユニット131~134のうち、透明板147,148備えるユニットは、1つ又は3つ以上でも良い。また、上側ユニット132と下側ユニット133とは、同一構造でも良い。
【0107】
(12)本発明の遊技機は、所謂、V確機に限らない。例えば、本発明は、大当たり抽選のときに、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行することが約束された大当たり(いわゆる確変大当たり)であるか、あるいは、確変遊技状態に移行しない大当たり(いわゆる通常大当たり)であるかを抽選するパチンコ遊技機にも適用することができる。また、本発明は、ST(スペシャルタイム)の期間、高確率状態に制御される所謂「ST機」にも適用できる。
(13)本発明は、スロットマシン(パチスロ遊技機)などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 パチンコ遊技機(遊技機)、7 演出表示装置(表示手段)、16b 中枠、18 箱部材、18b 開口、101 演出制御用マイコン(制御手段)、131~134 ユニット(ユニット部材)、141 取付部材(第1取付部材)、147,148 透明板(透明部材)、147d 第1面、147e 第2面、147f,148g 先端部、147h 傾斜面、147g,148g シボ部(拡散部)、147j 縁部、147k 基端位置、174 取付部材(第2取付部材)、175 側面部(取付部材)、191 第1発光手段(発光手段)、193 幅。