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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】工具またはワークピースホルダ
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/34 20060101AFI20230110BHJP
   B23B 31/06 20060101ALI20230110BHJP
   B23Q 3/06 20060101ALI20230110BHJP
   B23B 31/107 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B23B29/34
B23B31/06
B23Q3/06 303E
B23B31/107 D
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021112480
(22)【出願日】2021-07-07
(65)【公開番号】P2022029424
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】10 2020 120 525.2
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507082873
【氏名又は名称】オット-ヤコブ シュパンテヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ グライフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ベクテラー
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド ロッシュ
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン ホーン
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-541072(JP,A)
【文献】米国特許第02684249(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102014102082(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 29/00 - 31/42
B23Q 3/06
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け入れ本体(2)と、前記受け入れ本体(2)の受け入れ開口部(4)に工具またはワークピースをクランプするためのクランプ装置(3)と、を備えた工具またはワークピースホルダ(1)であって、前記クランプ装置(3)が、前記受け入れ本体(2)の受け入れ手段(24)内で前記受け入れ開口部(4)の中心軸(23)に対して直角に移動することができ、前記工具またはワークピースを前記受け入れ開口部(4)に挿入するための円錐形の底部クランプ面(27)を有する第1のクランプ要素(20)と、作動要素(22)によって前記受け入れ開口部()の前記中心軸(23)に対して直角に前記第1のクランプ要素(20)に対して移動させることができる第2のクランプ要素(21)であって、前記工具またはワークピースを前記受け入れ開口部(4)に挿入するための円錐形の底部クランプ面(28)を有する第2のクランプ要素(21)と、を含む、工具またはワークピースホルダ(1)において、前記クランプ要素(20、21)が係合解除位置に移動されたときに、前記工具またはワークピースを前記受け入れ開口部(4)から排出するための排出機構(44、45)が前記第1のクランプ要素(20)に配置されており、
前記排出機構(44、45)は、前記第1のクランプ要素(20)の底部側に配置された排出要素(44)を有し、前記排出要素は円錐形の上部排出面(45)を有しており、
前記第1のクランプ要素(20)は平面視で円形の開口部(43)を有し、前記第1のクランプ要素(20)の前記円錐形の底部クランプ面(27)は、縦断面視で、前記開口部(43)の中心軸に対して前記開口部(43)の一方の側に配置され、前記排出要素(44)は、前記開口部(43)の中心軸に対して前記開口部(43)の反対側に配置されることを特徴とする、
工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項2】
前記排出要素(44)は、前記開口部(43)に対して内側に突出するリングセグメント形状の延長部として構成されることを特徴とする、
請求項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項3】
前記第1のクランプ要素(20)の前記円錐形の底部クランプ面(27)は、前記第1のクランプ要素(20)のリングセグメント形状のクランプ領域(25)の底部側に配置されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項4】
前記第1のクランプ要素(20)は、前記第2のクランプ要素(21)を受け入れるための凹部(38)を有することを特徴とする、
請求項1からのいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項5】
前記第2のクランプ要素(21)は、板状の上部(46)と、ブロック状の底部(47)と、からなることを特徴とする、
請求項1からのいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項6】
前記第2のクランプ要素(21)の前記円錐形の底部クランプ面(28)は、前記板状の上部(46)の一方の側のリングセグメント形状のクランプ領域(26)に配置されることを特徴とする、
請求項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項7】
前記板状の上部(46)の他方の側に、突起(42)を受け入れるための切り欠き(49)が前記第のクランプ要素(21)に配置されることを特徴とする、
請求項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項8】
前記第2のクランプ要素(21)は、前記受け入れ本体(2)上に固定的に配置された横部分(37)の内側接触面(51)に当接するための横方向停止面(50)を有することを特徴とする、
請求項1からのいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項9】
前記作動要素(22)は、第1の左ネジ(30)および第2の右ネジ(32)を有するクランプネジとして構成されることを特徴とする、
請求項1からのいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項10】
前記作動要素(22)用のネジ穴(40)が前記第1のクランプ要素(20)に設けられることを特徴とする、
請求項1からのいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項11】
前記作動要素(22)用のネジ穴(48)が前記第2のクランプ要素(21)に設けられることを特徴とする、
請求項10に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【請求項12】
前記2つのクランプ要素(20、21)は、クランプ部(10)のクランプピン(12)を両側から取り囲むように構成されることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載の工具またはワークピースホルダ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の工具またはワークピースホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、受け入れ本体と、受け入れ本体の受け入れ開口部に工具をクランプするためのクランプ装置と、を有する、工具タレットの形態の工具ホルダを開示している。クランプ装置は2つのクランプ要素を有し、2つのクランプ要素は、共通の作動要素によって受け入れ開口部の中心軸に直角に互いに対して移動させることができる。クランプ要素は、互いに対してだけでなく、受け入れ本体内でも移動させることができ、これにより、ホルダへの配置が不正確な場合や汚れがある場合でも、正確で且つ中心でのクランプが保証される。工具またはワークピースの望ましくない傾斜移動または傾斜を回避することができる。しかしながら、工具は、比較的高い力でタレット本体のほぼ円錐形の受け入れ開口部に挿入され、工具の取り外し中に問題を引き起こす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】DE102014102082A1
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、上述のタイプの工具またはワークピースホルダを利用可能にすることであり、これにより、工具またはワークピースを容易かつ簡単に取り外すことも可能になる。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する工具またはワークピースホルダによって達成される。本発明の適切な高度な改変および有利な実施形態は、従属請求項から得られる。
【0006】
本発明による工具またはワークピースホルダのクランプ装置は、受け入れ本体の受け入れ部内で受け入れ開口部の中心軸に対して直角に移動させることができる第1のクランプ要素と、作動要素によって受け入れ開口部の中心軸に対して直角に第1のクランプ要素に対して移動させることができ、かつ工具またはワークピースを受け入れ開口部に挿入するための円錐形のクランプ面を2つのクランプ要素上に有する第2のクランプ要素と、を含む。第1のクランプ要素には、クランプ要素が係合解除位置に移動されたときに、工具またはワークピースを受け入れ開口部から排出するための排出機構が配置されている。クランプ要素が係合解除位置に移動されると、受け入れ開口部内に配置された工具またはワークピースは、排出機構によって受け入れ開口部から排出されるので、工具またはワークピースの詰まりを防止し、工具またはワークピースをより容易に除去することを可能にする。
【0007】
特に有利な実施形態では、排出機構は、第1のクランプ要素の底部側に配置された、円錐形の上部排出面を有する排出要素を有することができる。第1のクランプ要素の円錐形の底部クランプ面は、第1のクランプ要素の開口部の一方の側に好都合に配置することができ、排出要素は、開口部の反対側(他方側)に配置することができる。第1のクランプ要素の円錐形の底部クランプ面は、好ましくは、第1のクランプ要素のリングセグメント形状のクランプ領域の底部側に配置される。
【0008】
第2の有利な実施形態では、第1のクランプ要素は、第2のクランプ要素を受け入れるための凹部を有する。第2のクランプ要素は、この凹部に移動可能に取り付けることができる。
【0009】
第2のクランプ要素は、板状の上部およびブロック状の底部からなることができる。第2のクランプ要素の円錐形の底部クランプ面は、板状の上部の一方の側のリングセグメント形状のクランプ領域に配置することができる。板状の上部の他方の側には、突起を受け入れるための切り欠きを第1のクランプ要素に設けることができる。
【0010】
第2のクランプ要素は、好都合なことに、受け入れ本体に固定的に配置された側部または受け入れ本体に対して固定的に配置された別の支持部の内側接触面に当接するための側方停止面を有する。
【0011】
特に有利な実施形態では、作動要素は、2つのクランプ要素の位置を変更することができるように、右ネジの形態の第1のネジおよび左ネジの形態の第2のネジを有するクランプネジとして構成することができる。したがって、作動要素を回転させることによって、2つのクランプ要素を互いに向かって、または互いに離れるように同時に移動させることができる。しかしながら、作動要素は、単一のネジを有するクランプネジであってもよい。その場合、クランプネジは、第1のクランプ要素の相補的なネジ穴にそのネジを介して回転可能に取り付けることができ、例えば、その端部の第2のクランプ要素に連動して係合するピンを介して、第2のクランプ要素に回転可能に軸方向に固定されて接続することができる。
【0012】
互いに対して移動されることができる2つのクランプ要素は、受け入れ本体内の所定の範囲内で移動することができ、これにより、2つのクランプ要素は、クランプ部分に対してそれら自体を自動的に位置合わせすることが可能になる。したがって、受け入れ本体とクランプ部との間に潜在的なオフセットがある場合でも、可能な限り最も正確なクランプ位置を確保することができる。さらに、クランプ部の望ましくない傾斜運動または傾斜を回避することができる。
【0013】
2つのクランプ要素は、好ましくは、クランプ部のクランプピンを両側から取り囲むように設計される。駆動工具に特に適した実施形態では、第1のクランプ要素は、全長の開口部を有することができる。その結果、例えば、底部側から駆動される工具をクランプすることができる。
【0014】
受け入れ本体の受け入れ開口部は、異なる工具、工具ホルダ、ワークピース、または対応するアダプタを受け入れるための普遍的な輪郭を有することができる。さらに、特定の内側輪郭を有する受け入れ部を、受け入れ本体の受け入れ開口部に挿入することもできる。したがって、工具またはワークピースホルダは、異なる要件に容易に適合させることができる。
【0015】
本発明のさらなる特有の特徴および利点は、図面を参照して以下の好ましい実際の例の説明から得られる。図面は以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】係合解除位置にある、受け入れ本体および受け入れ本体に配置されたクランプ装置を有する工具またはワークピースホルダの断面図である。
【0017】
図2】クランプ位置にある、受け入れ本体および受け入れ本体に配置されたクランプ装置を有する工具またはワークピースホルダの断面図である。
【0018】
図3図1および図2に示す工具またはワークピースホルダの板状の受け入れ部の上面図である。
【0019】
図4図1に示す工具またはワークピースホルダの第1のクランプ要素の平面図である。
【0020】
図5】第1のクランプ要素の断面図である。
【0021】
図6図1に示す工具またはワークピースホルダの第2のクランプ要素の底面図である。
【0022】
図7】第2のクランプ要素の断面図である。
【0023】
図8図1に示す工具またはワークピースホルダのネジ形状の作動要素である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および図2は、受け入れ本体2と、受け入れ本体2の受け入れ開口部4内の工具またはワークピースを係合解除位置およびクランプ位置に取り外し可能に保持するために受け入れ本体2内に配置されたクランプ装置3と、を有する工具またはワークピースホルダ1の断面図を示す。図示の実施形態では、受け入れ本体2の上面は、環状カラー5を介して受け入れ開口部4に係合する受け入れ部6であって、内側接触面8を有する内側輪郭7を有する板状の受け入れ部6を有し、内側輪郭は、例えば、図3に示すような内トロコイドの形態を有する。言うまでもなく、異なる内側輪郭を有する異なる受け入れ部を使用することもできる。偏心ネジの形態の調整ネジ9によって、環状カラー5によって受け入れ開口部5内に回転可能に配置された受け入れ部6は、受け入れ本体2に対して容易に回転され得る。これにより、受け入れ部6の角度位置を調整することができる。
【0025】
受け入れ部6を有する受け入れ本体2は、外側接触面11および底部クランプピン12を有する、二点鎖線で示されるクランプ部10を受け入れるように構成される。クランプピン12には、円錐形の上面13および円錐形の底面14が設けられている。例えば工具もしくはワークピースホルダとして、または工具もしくはワークピースの一体部分として構成されたクランプ部10を介して、工具またはワークピースを、クランプ装置3によって受け入れ本体2の正確な位置に固定することができる。図示の実施形態では、受け入れ本体2は、工具タレットの一部である。工具タレットは、例えば、円盤状の受け入れ本体2と、受け入れ本体の円周上に星形の構成で分布する複数の受け入れ開口部5とを有する星形タレットとすることができる。しかしながら、工具タレットは、タレット本体の面側に配置された受け入れ本体を有する円盤状タレットであってもよく、または異なる適切な構成を有することができる。受け入れ本体2はまた、ワークピースがクランプされるワークピーステーブルまたは別のカウンタトップであってもよい。
【0026】
受け入れ本体2の受け入れ開口部5は、クランプ部10の外側輪郭に一致する内側輪郭を有する。図示の実施形態では、受け入れ開口部5は多段であり、受け入れ部6の環状カラー5を受け入れるための拡張上部領域15と、クランプピン12を受け入れるためのテーパ17を有する底部領域16と、を含む。テーパ17の径方向内側端部には、クランプ部10を受け入れ本体5に挿入する際にクランプ部10に配置された環状減衰要素またはシール要素19に当接するための面取り部18が設けられている。
【0027】
クランプ装置3は、互いに対して移動することができ、共通の作動要素22によって受け入れ本体2の中心軸23に対して直角に反対方向に移動し、かつクランプピン12を両側から取り囲むように設計された2つのクランプ要素20および21からなる。図示の実施形態では、クランプ装置3は、受け入れ本体2の中心軸23に対して直角に受け入れ本体2のそれぞれの受け入れ手段24内で移動させることができる第1のスライダー型クランプ要素20と、第1のクランプ要素20に対して移動させることができる第2のスライダー型クランプ要素21とを含み、これらのクランプ要素は、ここでは左ネジおよび右ネジを有するクランプネジとして構成されている作動要素22を回転させることによって、互いに向かってまたは互いに離れるように移動させることができる。
【0028】
クランプネジとして構成された作動要素22を回転させることによって、クランプピン12の両側に配置された2つのクランプ要素20および21を、図1に示す係合解除位置から図2に示すクランプ位置に、中心軸23の方向に互いに向かって移動させることができ、クランプ要素20および21を互いに離れるように移動させることによって、このクランプ位置から係合解除位置に戻すことができる。2つのクランプ要素20および21は、互いに対向するリングセグメント形状のクランプ領域25および26を有し、このクランプ領域は、クランプピン12の円錐形の上面13に当接するための円錐形の底部クランプ面27および28を有する。
【0029】
図8に別個に示されている作動要素22は、円筒形のネジ頭29と、後シャフト部分31上の第1の左ネジ30と、後シャフト部分31よりも細い前シャフト部分33上の第2の右ネジ32とを有するクランプネジとして構成される。ネジ頭25には、図1に示される弾性リング35を受け入れるための環状溝34が配置されている。弾性リング35を介して、ネジ形状の作動要素22は、受け入れ本体2に強固に接続されるが、軸方向に移動可能に取り付けられている横部分37の孔36内に脱落しないように固定される。
【0030】
図4および図5が示すように、スライダー型の第1のクランプ要素20は、受け入れ本体2内の受け入れ開口部4の一方の側に配置されたリングセグメント形状のクランプ領域25を有する部分と、受け入れ本体2内の受け入れ開口部4の他方の側に配置された、第2のクランプ要素21を受け入れるための凹部38を有する部分とからなる。凹部38は、第1のクランプ要素20の一方の側のリングセグメント形状のクランプ領域25と、第1のクランプ要素20の他方の側のクロスバー39との間に配置される。クロスバー39には、ネジ形状の作動要素22の第2のネジ32に係合するネジ穴40が設けられている。上面において、第1のクランプ要素20は、クロスバー39上に突起42を有する下向きにオフセットされた上面41を有する。クランプ部10のクランプピン12を受け入れるために、平面視で円形である開口部43が第1のクランプ要素20に設けられている。図示の実施形態では、開口部43は全長開口部として構成されている。したがって、例えば、底部側から駆動される工具も同様にクランプすることができる。
【0031】
第1のクランプ要素20はまた、第1のクランプ要素20の底面に配置され、かつクランプピン12の円錐形の底面14に当接するための円錐形の上部排出面45を有する排出要素44を含む排出機構を含む。図示の実施形態では、排出要素44は、開口部43に対して内側に突出するリングセグメント形状の延長部として構成される。排出機構によって、クランプ要素20および21が係合解除位置に移動すると、受け入れ本体2の受け入れ開口部4からクランプ部10を排出することができ、それによってワークピースまたは工具の取り外しが容易になる。
【0032】
図6および図7に示す第2のクランプ要素21は、第1のクランプ要素20の凹部38内に移動可能に取り付けられている。図6の底面図に示す第2のクランプ要素21は、板状の上部46と、ブロック状の底部47と、を備える。板状の上部46は、上面38に載置されるようになっており、底部47は、第1のクランプ要素20の凹部39に係合するようになっている。作動要素22上の第1のネジを受け入れるために、底部47にネジ穴48が設けられている。円錐形の底部クランプ面28を有するリングセグメント形状のクランプ領域26は、板状の上部の一方の側に配置され、他方の側には、第1のクランプ要素20の突起42を受け入れるための切り欠き49が設けられている。切り欠き49の側面において、第2のクランプ要素は、その板状の上部46に、横部分37の内側接触面51に当接するための横方向停止面50を有し、横部分37は、受け入れ本体2に強固に配置され、図1に見ることができる。
【0033】
図1および図2から分かるように、2つのクランプ要素20および21は、クランプ部10のクランプピン12を両側から取り囲むように構成される。径方向に対向する2つのクランプ領域25および26は、リングセグメントとして構成される。これにより、良好なクランプおよび引き込み力が保証される。
【0034】
ここではクランプネジの形態で設計された作動要素22を回転させることによって、クランプ要素20および21を、図1に示す係合解除位置と図2に示すクランプ位置との間で移動させることができる。例えば、2の係合解除位置にある作動要素22が右に回転されると、2つのクランプ要素20および21は、ネジ形状の作動要素22によって互いに向かって移動され、クランプ部10のクランプピン12に対して引き寄せられる。これにより、クランプ部10は、受け入れ開口部4内に引き込まれる。2つのクランプ要素20がクランプ部10に対して中心に配置されていない場合でも、作動要素12が軸方向に移動する能力により、クランプ要素20および21がそれら自体を整列させることが可能になり、その結果、工具またはワークピースの望ましくない傾斜運動および傾斜を防止することができる。クランプ位置では、2つのクランプ要素20および21のための支持体が受け入れ本体2に設けられないので、傾斜モーメントの発生を回避することができる。
【0035】
対照的に、図2に示すクランプ位置において、ネジ形状の作動要素22が左に回転されると、2つのクランプ要素20および21は、第2のクランプ要素21の停止面50が、受け入れ本体2に対して静止している接触面51に当接するまで、互いに離れるように移動される。作動要素22を係合解除方向に回転させ続けることによって、第1のクランプ要素20の排出面45は、クランプ部10が受け入れ開口部4から排出されるように、クランプピン12の下で移動される。したがって、2つのクランプ要素20および21を移動させることによって、クランプ部10を受け入れ開口部4内に引き込むだけでなく、開口部から排出することも可能である。
【0036】
参照符号のリスト
1 工具またはワークピースホルダ
2 受け入れ本体
3 クランプ装置
4 受け入れ開口部
5 環状カラー
6 受け入れ部
7 内側輪郭
8 内側接触面
9 調整ネジ
10 クランプ部
11 外側接触面
12 クランプピン
13 円錐形の上面
14 円錐形の底面
15 上部領域
16 底部領域
17 テーパ
18 面取り部
19 減衰要素またはシール要素
20 第1のクランプ要素
21 第2のクランプ要素
22 作動要素
23 中心軸
24 受け入れ手段
25 クランプ領域
26 クランプ領域
27 クランプ面
28 クランプ面
29 ネジ頭
30 第1のネジ
31 後シャフト部分
32 第2のネジ
33 前シャフト部分
34 環状溝
35 リング
36 孔
37 横部分
38 凹部
39 クロスバー
40 ネジ穴
41 上面
42 突起
43 開口部
44 排出要素
45 排出面
46 上部
47 底部
48 ネジ穴
49 切欠き
50 停止面
51 接触面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8