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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】自律移動ロボットのナビゲーション
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230110BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G05D1/02 S
【請求項の数】 38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019160308
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2020038665
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】16/120,993
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313013863
【氏名又は名称】アイロボット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】アルテム・グリチェンコ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・シェンバー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・アール・サルヴァティ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ジェイ・ドリッチ
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・コーデル
(72)【発明者】
【氏名】タドヴァナ・エス・カナカパッリ
(72)【発明者】
【氏名】ザシャリアス・プサラキス
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-46246(JP,A)
【文献】特表2017-503267(JP,A)
【文献】特開2016-201096(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0249661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律掃除ロボットであって、
前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する、前方部分であって、前記前方平面が、前記第1の側方平面および前記第2の側方平面に対して垂直である、前方部分と
床表面上に前記自律掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと
前記自律掃除ロボットの中心の前方に、かつ前記第1の側方表面と前記第2の側方表面との間の前記自律掃除ロボットの前記前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口であって、前記床表面から前記自律掃除ロボットの中へ塵屑を収集するように構成された、掃除吸込み口と
作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラであって、前記動作が、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が第1の障害表面をき、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、前方駆動方向において前記第1の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が第2の障害表面をき、且つ前記第2の障害表面に隣接するように前記自律掃除ロボットを転向させることであって、前記第2の障害表面が、前記第1の障害表面に隣接し、かつ前記第1の障害表面に対して角度をなす、転向させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接する状態で、後方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接する状態で、前記前方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
を含む、コントローラと
を備える、自律掃除ロボット。
【請求項2】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記前記第2の障害表面に隣接するように前記自律掃除ロボットを転向させることが、前記駆動システムを動作させて、弓状部分を含む軌道に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項3】
前記自律掃除ロボットが、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に沿った位置に位置付けられた障害物追従センサをさらに備え、
記動作が、
前記障害物追従センサを使用して、前記障害物追従センサの前記位置が、前記第1の障害表面の前方であることを検出することをさらに含み、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接するように前記自律掃除ロボットを転向させることが、
前記障害物追従センサの前記位置が前記第1の障害表面の前方にあることを検出することに応答して、駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを転向させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項4】
前記障害物追従センサが、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に対して垂直な水平方向において信号を放出するように位置付けられている、請求項3に記載の自律掃除ロボット。
【請求項5】
前記障害物追従センサの前記位置が前記第1の障害表面の前方であることを検出することが、
前記障害物追従センサの前記位置が、少なくとも1センチメートル~15センチメートルの距離だけ前記第1の障害表面の前方であることを検出することを含む、請求項3に記載の自律掃除ロボット。
【請求項6】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接するように前記自律掃除ロボットを転向させることが、
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを転向させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項7】
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを転向させることが、
前記自律掃除ロボットと前記第2の障害表面との間の接触に応答して、前記自律掃除ロボットのバンプセンサを使用して、前記第2の障害表面を検出することを含む、請求項に記載の自律掃除ロボット。
【請求項8】
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを転向させることが、
前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面に隣接していることに応答して、前記自律掃除ロボットの障害物追従センサを使用して、前記第2の障害表面を検出することを含む、請求項6に記載の自律掃除ロボット。
【請求項9】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接するように前記自律掃除ロボットを転向させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記第1の障害表面と前記第2の障害表面との境界面の近接部から延在する前記床表面の部分を通過しない掃除経路に沿って、かつ前記第2の障害表面に沿って、前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項10】
前記床表面の前記部分の長さが、少なくとも1センチメートルである、請求項9に記載の自律掃除ロボット。
【請求項11】
前記駆動システムを動作させて、前記後方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記床表面の前記部分を通って、前記後方駆動方向において前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項に記載の自律掃除ロボット。
【請求項12】
前記駆動システムを動作させて、前記後方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記後方駆動方向において、ある距離だけ前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項13】
前記ある距離が、1センチメートル~60センチメートルである、請求項12に記載の自律掃除ロボット。
【請求項14】
前記自律掃除ロボットが、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に沿った位置に位置付けられた障害物追従センサをさらに備え、
記動作が、
前記障害物追従センサを使用して、前記障害物追従センサの前記位置が前記第2の障害表面の後方であることを検出することをさらに含み、
前記駆動システムを動作させて、前記前方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記障害物追従センサの前記位置が前記第2の障害表面の後方であることを検出することに応答して、前記駆動システムを動作させて、前記前方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項12に記載の自律掃除ロボット。
【請求項15】
前記駆動システムを動作させて、前記前方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第2の障害表面から離れるように転向させ、前記自律掃除ロボットが前記前方駆動方向において移動するにつれて、前記自律掃除ロボットの前記前方駆動方向が前記第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面から離れるように移動するように、前記前方駆動方向において前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項1に記載の自律掃除ロボット。
【請求項16】
前記自律掃除ロボットが、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に沿って位置付けられた障害物追従センサをさらに備え、
記動作が、前記障害物追従センサを使用して、前記第2の障害表面を検出することをさらに含み、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第2の障害表面から離れるように転向させ、前記自律掃除ロボットが前記前方駆動方向において移動するにつれて、前記自律掃除ロボットの前記前方駆動方向が前記第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面から離れるように移動するように、前記前方駆動方向において前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記前方駆動方向において前記自律掃除ロボットを移動させることを含む、請求項15に記載の自律掃除ロボット。
【請求項17】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第2の障害表面から離れるように転向させ、前記自律掃除ロボットが前記前方駆動方向において移動するにつれて、前記自律掃除ロボットの前記前方駆動方向が前記第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面から離れるように移動するように、前記前方駆動方向において前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記前方駆動方向において、ある距離だけ移動させることを含む、請求項15に記載の自律掃除ロボット。
【請求項18】
前記ある距離が、前記自律掃除ロボットの長さの50%~150%である、請求項17に記載の自律掃除ロボット。
【請求項19】
記動作が、
前記第2の障害表面を検出することに応答して、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第2の障害表面の方へ転向させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第2の障害表面に沿って移動させることと、
をさらに含む、請求項15に記載の自律掃除ロボット。
【請求項20】
前記掃除吸込み口に隣接して位置付けられた回転式掃除部材であって、前記自律掃除ロボットの前記前方部分にわたって水平に延在し、かつ前記掃除吸込み口の方に塵屑を移動させるように水平軸を中心に回転可能である、回転式掃除部材をさらに備える、請求項に記載の自律掃除ロボット。
【請求項21】
前記回転式掃除部材が、前記自律掃除ロボットの総幅の75%~95%にわたって延在する、請求項20に記載の自律掃除ロボット。
【請求項22】
自律掃除ロボットであって、
前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する、前方部分であって、前記前方平面が前記第1の側方平面および前記第2の側方平面に対して垂直である、前方部分と、
床表面上に前記自律掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと、
前記自律掃除ロボットの中心の前方に、かつ前記第1の側方表面と前記第2の側方表面との間の前記自律掃除ロボットの前記前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口であって、前記床表面から前記自律掃除ロボットの中へ塵屑を収集するように構成された、掃除吸込み口と、
動作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラであって、前記1つ以上の動作が、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が第1の障害表面を向き、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、前方駆動方向において前記第1の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットに、一連の動きを繰り替えし行わせることであって、前記一連の動きが、
前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第1の障害表面を向き、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、後方駆動方向において、前記第1の障害表面に沿ってある距離だけ移動すること、
次に、前記自律掃除ロボットが第2の障害表面と前記自律掃除ロボットの前方表面との間の接触を検出するまで、前記第1の障害表面から離れるように転向することであって、前記第2の障害表面が、前記第1の障害表面に隣接し、かつ前記第1の障害表面に対して角度をなす、転向すること、および
次に、前記第1の障害表面の方へ戻るように転向すること、
を含む、行わせることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第2の障害表面を向き、且つ前記第2の障害表面に隣接する状態で、前記前方駆動方向において前記第2の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
を含む、コントローラと、
を備える、自律掃除ロボット。
【請求項23】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が前記第1の障害表面を向き、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、前記前方駆動方向において前記第1の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることが、
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記前方駆動方向において移動させることを含む、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項24】
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記前方駆動方向において移動させることが、
前記第2の障害表面と前記自律掃除ロボットとの間の接触に応答して、前記自律掃除ロボットのバンプセンサを使用して、前記第2の障害表面を検出することを含む、請求項23に記載の自律掃除ロボット。
【請求項25】
前記動作が、
前記第2の障害表面を検出することに応答して、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの位置を少なくとも1~5秒間、維持することをさらに含む、請求項23に記載の自律掃除ロボット。
【請求項26】
前記自律掃除ロボットの前記前方表面に近接して、かつ前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に近接して位置付けられた側方ブラシをさらに備え、
前記第2の障害表面を検出することに応答して、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの位置を少なくとも1~5秒間、維持することが、
前記駆動システムを動作させて、前記側方ブラシの掃除領域内に、前記第1の障害表面と前記第2の障害表面との境界面に隣接する前記床表面の部分を維持することを含む、請求項25に記載の自律掃除ロボット。
【請求項27】
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記前方駆動方向において移動させることが、
前記第2の障害表面に向けて信号を放出することと、
カメラを使用して、前記信号の反射を検出することによって、前記第2の障害表面を検出することと、
を含む、請求項23に記載の自律掃除ロボット。
【請求項28】
前記ある距離が、2~15センチメートルである、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項29】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットに前記一連の動きを繰り返し行わせることが、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットに、前記一連の動きを少なくとも2~5回行わせることを含む、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項30】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットに前記一連の動きを繰り返し行わせることが、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記前方駆動方向と前記第1の障害表面とがある角度を形成するまで、前記自律掃除ロボットに前記一連の動きを行わせることを含む、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項31】
前記ある角度が、少なくとも30~60度である、請求項30に記載の自律掃除ロボット。
【請求項32】
前記自律掃除ロボットの前記前方表面に近接して、かつ前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面に近接して位置付けられた側方ブラシをさらに備え、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットに前記一連の動きを繰り返し行わせることが、
前記側方ブラシに、前記第1の障害表面と前記第2の障害表面との境界面の近接部から前記第2の障害表面に沿って延在する前記床表面の領域を進行させることを含む、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項33】
前記側方ブラシに前記床表面の前記領域を進行させることが、
前記自律掃除ロボットが前記第2の障害表面と前記自律掃除ロボットとの間の接触を検出するまで、前記自律掃除ロボットが前記第1の障害表面から離れるように転向するたびに、前記側方ブラシの掃除領域に、前記床表面の前記領域の異なる部分を進行させることを含む、請求項32に記載の自律掃除ロボット。
【請求項34】
前記自律掃除ロボットの前記一連の動きが、前記第1の障害表面の方へ戻るように転向した後、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面から離れるように転向させることをさらに含む、請求項22に記載の自律掃除ロボット。
【請求項35】
自律掃除ロボットであって、
前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する、前方部分であって、前記前方平面が前記第1の側方平面および前記第2の側方平面に対して垂直である、前方部分と、
床表面上に前記自律掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと、
前記自律掃除ロボットの中心の前方に、かつ前記第1の側方表面と前記第2の側方表面との間の前記自律掃除ロボットの前記前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口であって、前記床表面から前記自律掃除ロボットの中へ塵屑を収集するように構成された、掃除吸込み口と、
動作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラであって、前記動作が、
前記自律掃除ロボットが第2の障害表面と前記自律掃除ロボットとの間の接触を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が第1の障害表面を向き、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、前方駆動方向において前記第1の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることであって、前記第1の障害表面が、前記自律掃除ロボットの全幅の100%~150%以下の第3の障害表面からの距離に位置付けられている、移動させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを、後方駆動方向に沿って前記第2の障害表面から離れるように移動させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを、前記第1の障害表面の方へ転向させ、次に前記第1の障害表面から離れるように転向させることと、
次に、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットの前記第1の側方表面が第1の障害表面を向き、且つ前記第1の障害表面に隣接する状態で、後方駆動方向において前記第1の障害表面に沿って前記自律掃除ロボットを移動させることと、
を含む、コントローラと、
を備える、自律掃除ロボット。
【請求項36】
前記床表面の地図を生成するように構成されたセンサシステムをさらに備え、
前記動作が、前記地図に基づき、前記第1の障害表面と前記第3の障害表面との間の前記距離が、前記自律掃除ロボットの前記全幅の100%~150%であると判断することをさらに含み、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを、前記第1の障害表面の方へ転向させ、次に前記第1の障害表面から離れるように転向させることが、
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面の方へ転向させ、次に、前記距離が前記自律掃除ロボットの前記全幅の100%~150%であると判断することに応答して、前記第1の障害表面から離れるように転向させることを含む、請求項35に記載の自律掃除ロボット。
【請求項37】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面の方へ転向させ、次に前記第1の障害表面から離れるように転向させることが、
前記自律掃除ロボットのバンプセンサが前記自律掃除ロボットと前記第1の障害表面との間の接触を検出するまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面の方へ転向させることを含む、請求項35に記載の自律掃除ロボット。
【請求項38】
前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面の方へ転向させ、次に前記第1の障害表面から離れるように転向させることが、
前記自律掃除ロボットの前記バンプセンサが前記自律掃除ロボットと前記第1の障害表面との間の接触をそれ以上検出しなくなるまで、前記駆動システムを動作させて、前記自律掃除ロボットを前記第1の障害表面から離れるように転向させることを含む、請求項37に記載の自律掃除ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、自律移動ロボットのナビゲーションに関する。
【背景技術】
【0002】
自律移動ロボットは、床表面を進行して、掃除、吸引、および他の作業など、様々な作業を行うことができる。自律移動ロボットが床表面を進行するのにつれ、このロボットは、障害物に遭遇することがある。ロボットは、障害物に沿って移動するようにナビゲートされ得る。ロボットが掃除ロボットである場合、ロボットは、障害物に沿って移動する際、障害物に隣接する床表面の部分を掃除することができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示に記載の特徴の利点には、以下および本明細書の他の個所に記載のものが含まれ得るが、それらに限定されるわけではない。本明細書に記載のシステム、デバイス、方法、および他の特徴は、床表面を掃除するための自律掃除ロボットの能力を高めることができる。
【0004】
一部の実装形態において、本明細書に記載の自律掃除ロボットは、自律掃除ロボットが動作している環境内の障害物に隣接する床表面の部分の掃除を提供することができる例えば、自律掃除ロボットは、このロボットの掃除経路が障害表面に隣接する床表面の部分の実質的に全体に及ぶような様態で、床表面に沿ってナビゲートされ得る。ロボットは、障害表面間の角形状および他の境界面に隣接する床表面の部分に及ぶようにナビゲートされ得る。ロボットは、このように部屋の複雑な形状の周りをナビゲートされ、これらの複雑な形状に隣接する床表面の範囲を掃除することができる。
【0005】
一部の実装形態において、本明細書に記載の自律掃除ロボットは、隣接する障害物のために幅が狭い床表面の部分の掃除の向上をもたらすことができる。例えば、自律掃除ロボットは、幅の狭い、例えば、このロボットの全幅の100%~300%である幅を有する床表面の部分の中にナビゲートされ、その床表面の部分を掃除することができる。ロボットは、床表面のこの部分を掃除することができ、床表面のこの部分から幅が狭くない床表面の部分に戻るようにナビゲートされることが可能である。この点に関して、ロボットは、それらの範囲で立ち往生することなく、狭い廊下、隙間、または部屋の他の特徴を簡単に掃除することができる。
【0006】
一態様において、自律掃除ロボットは、前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する前方部分を含む。前方平面は、第1の側方平面および第2の側方平面に対して垂直である。ロボットは、床表面上にこの掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと、掃除ロボットの中心の前方に、かつ第1の側方表面と第2の側方表面との間の掃除ロボットの前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口と、を含む。掃除吸込み口は、床表面から掃除ロボットの中へ塵屑を収集するように構成されている。ロボットは、1つ以上の動作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラを含む。1つ以上の動作は、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第1の障害表面を向く状態で、前方駆動方向において第1の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、次に、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向くように、掃除ロボットを転向させることと、次に、駆動システムを動作させて、後方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、次に、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させること、を含む。
【0007】
実装形態は、以下および本明細書の他の個所に記載の例を含み得る。
【0008】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向くように、掃除ロボットを転向させることは、駆動システムを動作させて、弓状部分を含む軌道に沿って掃除ロボットを移動させることを含む。
【0009】
一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除ロボットの第1の側方表面に沿った位置に位置付けられた障害物追従センサをさらに含み、1つ以上の動作は、障害物追従センサを使用して、障害物追従センサの位置が第1の障害表面の前方であることを検出することをさらに含み、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向くように、掃除ロボットを転向させることは、駆動システムを動作させて、障害物追従センサの位置が第1の障害表面の前方であることを検出したことに応答して、掃除ロボットを転向させることを含む。一部の実装形態において、障害物追従センサは、掃除ロボットの第1の側方表面に対して垂直な水平方向において信号を放出するように位置付けられている。一部の実装形態において、障害物追従センサの位置が第1の障害表面の前方であることを検出することは、障害物追従センサの位置が、少なくとも1センチメートル~15センチメートルの距離だけ第1の障害表面の前方であることを検出することを含む。
【0010】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向くように、掃除ロボットを転向させることは、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを転向させることを含む。一部の実装形態において、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを転向させることは、掃除ロボットと第2の障害表面との間の接触に応答して、掃除ロボットのバンプセンサを使用して、第2の障害表面を検出することを含む。一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、掃除ロボットを転向させることは、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面に隣接していることに応答して、掃除ロボットの障害物追従センサを使用して、第2の障害表面を検出することを含む。
【0011】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向くように、掃除ロボットを転向させることは、駆動システムを動作させて、第1の障害表面と第2の障害表面との境界面の近接部から延在する床表面の部分を通過しない掃除経路に沿って、かつ第2の障害表面に沿って、掃除ロボットを移動させることを含む。一部の実装形態において、床表面の部分の長さは、少なくとも1センチメートルである。一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、後方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることは、駆動システムを動作させて、床表面のその部分を通って、後方駆動方向において掃除ロボットを移動させることを含む。
【0012】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、後方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることは、駆動システムを動作させて、後方駆動方向において、ある距離だけ掃除ロボットを移動させることを含む。一部の実装形態において、このある距離は、1センチメートル~60センチメートルである。一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除ロボットの第1の側方表面に沿った位置に位置付けられた障害物追従センサをさらに含み、1つ以上の動作は、障害物追従センサを使用して、障害物追従センサの位置が第2の障害表面の後方であることを検出することをさらに含み、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることは、障害物追従センサの位置が第2の障害表面の後方であることを検出したことに応答して、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることを含む。
【0013】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることは、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第2の障害表面から離れるように転向させ、掃除ロボットが前方駆動方向において移動するのにつれて、掃除ロボットの前方駆動方向が第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面から離れるように移動するように、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることを含む。一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除ロボットの第1の側方表面に沿って位置付けられた障害物追従センサをさらに含み、1つ以上の動作は、障害物追従センサを使用して、第2の障害表面を検出することをさらに含み、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第2の障害表面から離れるように転向させ、掃除ロボットが前方駆動方向において移動するのにつれて、掃除ロボットの前方駆動方向が第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面から離れるように移動するように、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることは、第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることを含む。一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第2の障害表面から離れるように転向させ、掃除ロボットが前方駆動方向において移動するのにつれて、掃除ロボットの前方駆動方向が第2の障害表面に対して角度をなすように、かつ掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面から離れるように移動するように、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることは、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを前方駆動方向において、ある距離だけ移動させることを含む。一部の実装形態において、このある距離は、掃除ロボットの長さの50%~150%である。一部の実装形態において、1つ以上の動作は、第2の障害表面を検出したことに応答して、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第2の障害表面の方へ転向させることと、次に、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第2の障害表面に沿って移動させることと、をさらに含む。
【0014】
一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除吸込み口に隣接して位置付けられた回転式掃除部材をさらに含み、回転式掃除部材は、掃除吸込み口の方に塵屑を移動させるように、掃除ロボットの前方部分にわたって水平に、かつ水平軸を中心に回転可能に延在する。一部の実装形態において、回転式掃除部材は、掃除ロボットの総幅の75%~95%にわたって延在する。
【0015】
別の態様において、自律掃除ロボットは、前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する前方部分を含む。前方平面は、第1の側方平面および第2の側方平面に対して垂直である。掃除ロボットは、床表面上に掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと、掃除ロボットの中心の前方に、かつ第1の側方表面と前記第2の側方表面との間の掃除ロボットの前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口と、を含む。掃除吸込み口は、床表面から掃除ロボットの中へ塵屑を収集するように構成されている。掃除ロボットは、1つ以上の動作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラを含む。1つ以上の動作は、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第1の障害表面を向く状態で、前方駆動方向において第1の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、次に、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに一連の動きを繰り返し行わせることと、次に、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第2の障害表面を向く状態で、前方駆動方向において第2の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、を含む。一連の動きは、後方駆動方向において第1の障害表面に沿ってある距離だけ移動することと、次に、掃除ロボットが第2の障害表面と掃除ロボットの前方表面との間の接触を検出するまで、第1の障害表面から離れるように転向することと、次に、第1の障害表面の方へ戻るように転向することと、を含む。第2の障害表面は、第1の障害表面に隣接し、かつ第1の障害表面に対して角度をなす。
【0016】
実装形態は、以下および本明細書の他の個所に記載の例を含み得る。
【0017】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの第1の側方表面が第1の障害表面を向く状態で、前方駆動方向において第1の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることは、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることを含む。一部の実装形態において、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることは、第2の障害表面と掃除ロボットとの間の接触に応答して、掃除ロボットのバンプセンサを使用して、第2の障害表面を検出することを含む。一部の実装形態において、1つ以上の動作は、第2の障害表面を検出することに応答して、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの位置を少なくとも1~5秒間、維持することをさらに含む。一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除ロボットの前方表面に近接して、かつ掃除ロボットの第1の側方表面に近接して位置付けられた側方ブラシをさらに含み、第2の障害表面を検出することに応答して、駆動システムを動作させて、掃除ロボットの位置を少なくとも1~5秒間、維持することは、駆動システムを動作させて、側方ブラシの掃除領域内に、第1の障害表面と第2の障害表面との境界面に隣接する床表面の部分を維持することを含む。一部の実装形態において、掃除ロボットが第2の障害表面を検出するまで、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において掃除ロボットを移動させることは、第2の障害表面に向けて信号を放出することと、カメラを使用して、信号の反射を検出することによって、第2の障害表面を検出することと、を含む。
【0018】
一部の実装形態において、ある距離は、2~15センチメートルである。
【0019】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに一連の動きを繰り返し行わせることは、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに、少なくとも2~5回、一連の動きを行わせることを含む。
【0020】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに一連の動きを繰り返し行わせることは、掃除ロボットの前方駆動方向と第1の障害表面とがある角度を形成するまで、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに一連の動きを行わせることを含む。
【0021】
一部の実装形態において、ある角度は、少なくとも30~60度である。
【0022】
一部の実装形態において、掃除ロボットは、掃除ロボットの前方表面に近接して、かつ掃除ロボットの第1の側方表面に近接して位置付けられた側方ブラシをさらに含み、駆動システムを動作させて、掃除ロボットに一連の動きを繰り返し行わせることは、側方ブラシに、第1の障害表面と第2の障害表面との境界面の近接部から第2の障害表面に沿って延在する床表面の領域を進行させることを含む。一部の実装形態において、側方ブラシに床表面の領域を進行させることは、掃除ロボットが第2の障害表面と掃除ロボットとの間の接触を検出するまで、掃除ロボットが第1の障害表面から離れるように転向するたびに、側方ブラシの掃除領域に、床表面のその領域の異なる部分を進行させることを含む。
【0023】
実施形態によっては、掃除ロボットの一連の動きは、第1の障害表面の方へ戻るように転向した後、第1の障害表面から離れるように掃除ロボットを転向させることをさらに含む。
【0024】
別の態様において、自律掃除ロボットは、前方平面に沿って延在する前方表面、第1の側方平面に沿って延在する第1の側方表面、および第2の側方平面に沿って延在する第2の側方表面を有する前方部分を含む。前方平面は、第1の側方平面および第2の側方平面に対して垂直である。掃除ロボットは、床表面上に掃除ロボットを支持するように構成された駆動システムと、掃除ロボットの中心の前方に、かつ第1の側方表面と第2の側方表面との間の掃除ロボットの前方部分に沿って位置付けられた掃除吸込み口と、を含む。掃除吸込み口は、床表面から掃除ロボットの中へ塵屑を収集すするように構成されている。掃除ロボットは、1つ以上の動作を行うための命令を実行するように構成されたコントローラを含む。1つ以上の動作は、掃除ロボットが第2の障害表面と掃除ロボットとの間の接触を検出するまで、駆動システムを動作させて、前方駆動方向において第1の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、次に、駆動システムを動作させて、第2の障害表面から離れるように後方駆動方向に沿って掃除ロボットを移動させることと、次に、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させ、次に第1の障害表面から離れるように転向させることと、次に、駆動システムを動作させて、後方駆動方向において第1の障害表面に沿って掃除ロボットを移動させることと、を含む。第1の障害表面は、掃除ロボットの全幅の100%~150%以下の第3の障害表面からの距離に位置付けられている。
【0025】
実施形態は、以下および本明細書の他の個所に記載の例を含み得る。
【0026】
実施形態によっては、掃除ロボットは、床表面の地図を生成するように構成されたセンサシステムをさらに含み、1つ以上の動作は、この地図に基づき、第1の障害表面と第3の障害表面との間の距離が、掃除ロボットの全幅の100%~150%であると判断することを含み、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させ、次に第1の障害表面から離れるように転向させることは、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させ、次に、その距離が掃除ロボットの全幅の100%~150%であると判断することに応答して、第1の障害表面から離れるように転向させることを含む。
【0027】
一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させ、次に第1の障害表面から離れるように転向させることは、掃除ロボットのバンプセンサが掃除ロボットと第1の障害表面との間の接触を検出するまで、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させることを含む。一部の実装形態において、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面の方へ転向させ、次に第1の障害表面から離れるように転向させることは、掃除ロボットのバンプセンサが掃除ロボットと第1の障害表面との間の接触をそれ以上検出しなくなるまで、駆動システムを動作させて、掃除ロボットを第1の障害表面から離れるように転向させることを含む。
【0028】
本明細書に記載の発明の対象の1つ以上の実装形態の詳細が、以下の添付図面および発明を実施するための形態に明示されている。他のあり得る特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】自律掃除ロボットが移動している環境の上面概略図である。
図2】床表面から塵屑を収集している自律掃除ロボットの側断面図である。
図3A】自律掃除ロボットの底面図である。
図3B】自律掃除ロボットの上面斜視図である。
図3C】自律掃除ロボットの上面概略図である。
図4】自律移動ロボットをナビゲートする際のプロセス例に対する流れ図である。
図5A図4のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図5B図4のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図5C図4のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図5D図4のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図5E図4のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図6】自律移動ロボットをナビゲートする際のプロセス例に対する流れ図である。
図7A図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図7B図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図7C図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図7D図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図7E図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図7F図6のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図8】自律移動ロボットをナビゲートする際のプロセス例に対する流れ図である。
図9A図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9B図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9C図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9D図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9E図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9F図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9G図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図9H図8のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図10】自律移動ロボットをナビゲートする際のプロセス例に対する流れ図である。
図11A図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図11B図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図11C図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図11D図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図11E図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図11F図10のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図12】自律移動ロボットをナビゲートする際のプロセス例に対する流れ図である。
図13A図12のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図13B図12のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
図13C図12のプロセス中の自律移動ロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
様々な図面における同じ参照番号および名称は、同じ要素を示す。
【0031】
図1を参照すると、自律移動ロボット100は、部屋20内の床表面10を自律的に動き回る。例えば、ロボット100は、掃除作業を行う自律移動床掃除ロボットであり、掃除作業では、ロボット100は、床表面10にわたって推進しながら、床表面10を掃除する。一部の実装形態において、掃除作業の間、図2を参照すると、ロボット100は、床表面10を進行する際、床表面10から塵屑を集める。
【0032】
戻って図1を参照すると、部屋20は、複数の障害表面30a~30jを含み、ロボット100は、これらの障害表面に沿ってナビゲートされ得る。障害物追従行動において、ロボット100は、障害表面に隣接する経路に沿ってナビゲートし、障害表面に隣接する床表面10の部分を掃除することができる。本明細書に記載されるように、ロボット100は、センサデータを収集して障害表面30a~30jを検出し、そのセンサデータを使用して床表面10を動き回りながら、障害表面30a~30jに沿った異なる一連の動きを行うことによって、障害表面30a~30jから形成された複雑な形状に隣接する床表面10の部分を掃除することができる。
【0033】
システム例
図3A図3Cは、ロボット100の例を描写する。図3Aを参照すると、ロボット100は、ロボットハウジング基盤108を含む。ハウジング基盤108は、ロボット100の構造上の周縁を画定することができる。いくつかの例では、ハウジング基盤108は、架台、カバー、底板、およびバンパの組立体を含む。ロボット100は、ロボット100が家の中で家具の下に収まることができるように、小型形状を有する家庭用ロボットである。例えば、床表面に対するロボット100の高さH1(図2に示す)は、例えば、13センチメートル以下である。ロボット100はまた、コンパクトである。ロボット100の全長L1(図2に示す)および全幅W1(図3Aに示す)は、それぞれ、30~60センチメートル、例えば、30~40センチメートル、40~50センチメートル、または50~60センチメートルである。全幅W1は、ロボット100のハウジング基盤108の幅に相当し得る。
【0034】
ロボット100は、1つ以上の駆動輪を含む駆動システム110を含む。駆動システム110は、電気回路網106の一部を形成する電動部分を含む1つ以上の電気モータをさらに含む。ハウジング基盤108は、少なくともコントローラ109を含む電気回路網106を、ロボット100内に支持する。
【0035】
駆動システム110は、床表面10にわたってロボット100を進ませるように動作可能である。ロボット100は、前方駆動方向Fまたは後方駆動方向Rにおいて進ませられ得る。ロボット100はまた、その場で転向するか、または前方駆動方向Fもしくは後方駆動方向Rにおいて移動しながら転向するように、進ませられ得る。図3Aに描写の例では、ロボット100は、ハウジング基盤108の底部分113を通って延在する駆動輪112を含む。駆動輪112は、床表面10に沿ってロボット100を移動させるように、モータ114によって回転させられる。ロボット100は、ハウジング基盤108の底部分113を通って延在する受動キャスタ輪115をさらに含む。受動キャスタ輪115は、給電されない。駆動輪112とキャスタ輪115とが一緒に働き合って、ハウジング基盤108を床表面10の上方に支持する。例えば、キャスタ輪115は、ハウジング基盤108の後方部分121に沿って配置され、駆動輪112は、キャスタ輪115の前方に配置されている。
【0036】
図3Aおよび図3Cを参照すると、ロボット100は、実質的に長方形である前方部分122と、実質的に半円形である後方部分121とを含む。前方部分122は、側方表面150、152、前方表面154、および角表面156、158を含む。前方部分122の角表面156、158は、側方表面150、152を前方表面154に接続する。後方部分121は、丸み表面160を含む。丸み表面160は、ロボット100のハウジング基盤108の周縁の半円形部分を画定する。ハウジング基盤108の周縁の半円形部分は、中心162を有する円の一部に相当する。中心162は、円の中心であることに加えて、ロボット100が適所に転向する際、ロボット100の回転の中心164に相当し得る。この点に関して、中心162は、ロボット100の駆動輪112間に位置付けられ得る。例えば、中心162を通って延在する垂直平面166は、駆動輪112の中心を通って延在し得る。中心162は、ロボット100の長手方向中心、ロボット100の幅方向中心、またはその両方に相当し得る。
【0037】
垂直平面166は、ロボット100の後方部分121をロボット100の前方部分122から分離し得る。前方部分122の側方表面150、152は、互いに平行である垂直平面168、170に沿って延在する。側方表面150、152および垂直平面168、170は、それぞれ、ロボット100の前方駆動方向F(図3Aに示す)と平行とすることができる。前方部分122の前方表面154は、垂直平面172に沿って延在する。垂直平面172は、平面168、170に対して垂直であり、垂直平面166に対して平行である。垂直平面172は、ロボット100の前方駆動方向Fに対して垂直とすることができる。垂直平面166、168、170、172は、このように、前方部分122の占有領域が位置付けられている長方形領域と接している。前方部分122の占有領域は、長方形領域の総面積の例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%に及び得る。一部の実装形態において、ロボット100の前方部分122の占有領域は、完全に、垂直平面166、168、170、172に接している長方形領域内に位置付けられ得る。例えば、前方部分122の占有領域は、垂直平面166、168、170、172を越えることはない。側方表面150、側方表面152、および前方表面154は、交わるが、垂直平面166、168、170、172を越えることはない。
【0038】
図2図3A、および図3Bに描写の例では、ロボット100は、床表面10を掃除するように動作可能な掃除組立体116(図3Aに示す)を含む自律移動床掃除ロボットである。例えば、ロボット100は、掃除組立体116が、床表面10から塵屑105(図2に示す)を吸い込むことによって、床表面10を掃除するように動作可能である真空掃除ロボットである。掃除組立体116は、掃除吸込み口117を含み、それを通して、塵屑がロボット100によって収集される。掃除吸込み口117は、ロボット100の中心、例えば、中心162または回転の中心164の前方に、かつ前方部分122の側方表面150と152との間のロボット100の前方部分122に沿って位置付けられている。
【0039】
掃除組立体116は、モータ120によって駆動される1つ以上の回転式部材、例えば回転式部材118を含む。回転式部材118は、ロボット100の前方部分122にわたって水平に延在する。回転式部材118は、ハウジング基盤108の前方部分122に沿って位置付けられ、例えばロボット100の全幅W1に相当する、ハウジング基盤108の前方部分122の幅の75%~96%に沿って延在する。また図2を参照すると、掃除吸込み口117は、回転式部材118間に位置付けられている。
【0040】
図2に示すように、回転式部材118は、互いに反対方向に回転するローラである。例えば、回転式部材118は、床表面10上の塵屑105を揺り動かし、その塵屑105を掃除吸込み口117の方へ、掃除吸込み口117の中へ、かつロボット100内の吸引通路145の中へ向けるように、平行水平軸146、148(図3Aに示す)を中心として回転可能とすることができる。戻って図3Aを参照すると、回転式部材118は、完全にロボット100の前方部分122内に位置付けられ得る。回転式部材118は、回転式部材118がハウジング基盤108に対して回転する際、床表面10上の塵屑105に接触して、その塵屑105を回転式部材118間の掃除吸込み口117に通して、ロボット100の内部に、例えば塵屑入れ124(図2に示す)の中に向ける弾性外郭を含む。回転式部材118は、床表面10上の塵屑105を揺り動かすために、床表面10にさらに接触する。
【0041】
ロボット100は、回転式部材118間の掃除吸込み口117を通り、塵屑入れ124の中に空気流を発生させるように動作可能な真空組立体119をさらに含む。真空組立体119は、羽根車と、羽根車を回転させて、空気流を発生させるためのモータとを含む。真空組立体119は、掃除組立体116と働き合って、塵屑105を床表面10から塵屑入れ124の中に引き込む。場合によっては、真空組立体119により発生した空気流が、床表面10上の塵屑105を上向きに回転式部材118間の隙間を通して、塵屑入れ124の中に引き込むための十分な力を生み出す。場合によっては、回転式部材118が、床表面10に接触して、床表面10上の塵屑105を揺り動かし、それにより、塵屑105が真空組立体119により発生した空気流によって、より簡単に吸い込まれることを可能にする。
【0042】
ロボット100は、非水平軸、例えば、床表面10と75度~90度の角度を形成する軸を中心に回転するブラシ126をさらに含む。非水平軸は、例えば、回転式部材118の長手方向軸と75度~90度の角度を形成する。ロボット100は、ブラシ126を回転させるようにブラシ126に動作可能に接続されたモータ128を含む。
【0043】
ブラシ126は、ロボット100の前後軸FAから横方向にずれた側方ブラシであり、そのためブラシ126は、ロボット100のハウジング基盤108の外周縁を越えて延在する。例えば、ブラシ126は、ロボット100の側方表面150、152のうちの1つを越えて延在し得、それにより、回転式部材118が通常達することのできない床表面10の部分、例えば、ロボット100の真下の床表面10の部分の外側の床表面10の部分上の塵屑を捕らえることができる。ブラシ126はまた、ロボット100の左右軸LAから前方にずれており、そのためブラシ126はまた、ハウジング基盤108の前方表面154を越えて延在する。図3Aに描写のように、ブラシ126は、ハウジング基盤108の側方表面150、角表面156、および前方表面154を越えて延在する。一部の実装形態において、ブラシ126が側方表面150を越えて延在する水平距離D1は、少なくとも、例えば、0.2センチメートル、例えば、少なくとも0.25セントメートル、少なくとも0.3センチメートル、少なくとも0.4センチメートル、少なくとも0.5センチメートル、少なくとも1センチメートル、またはそれよりも長い。ブラシ126は、その回転の間、床表面10に接触するように位置付けられ、それにより、ブラシ126は、床表面10上の塵屑105を簡単に捕らえることができる。
【0044】
ブラシ126は、ロボット100が移動する際、床表面10上の塵屑を掃除組立体116の掃除経路の中へ払い入れるような様態で、非水平軸を中心に回転可能である。例えば、ロボット100が前方駆動方向Fにおいて移動している例では、ブラシ126は、ブラシ126が接触する塵屑が、掃除組立体へ向かって、かつ掃除組立体116の前の床表面10の部分に向かって、前進駆動方向Fにおいて移動するように、時計回り方向(ロボット100の上方の視点から見た場合)において回転可能である。結果として、ロボット100が前方駆動方向Fにおいて移動する際、ロボット100の掃除吸込み口117は、ブラシ126によって掃かれた塵屑を収集することができる。ロボット100が後方駆動方向Rに移動している例では、ブラシ126は、ブラシ126が接触する塵屑が、掃除組立体116の背後の床表面10の部分に向かって後方駆動方向Rにおいて移動するように、反時計回り方向(ロボット100の上方の視点から見た場合)において回転可能である。結果として、ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動する際、ロボット100の掃除吸込み口117は、ブラシ126によって掃かれた塵屑を収集することができる。
【0045】
図3Cは、ロボット100用の掃除領域174および掃除領域176を示す。掃除領域174は、ロボット100の床表面10上のロボット100の下の領域に相当する。掃除領域174は、実質的に長方形であり得、回転式部材118のうちの1つまたは両方の幅に相当する幅を有する。掃除領域174内の塵屑は、ロボット100の回転式部材118によって、掃除吸込み口117の中へ掃き入れられ得る。
【0046】
掃除領域176は、ロボット100の床表面10上のロボット100の下の領域に相当する。掃除領域176は、環状とすることができる。掃除領域174の外周縁および内周縁は、円形とすることができる。ロボット100が前方駆動方向Fにおいて移動する際、掃除領域176内の塵屑は、掃除領域174から左右方向にずれた床表面10の部分から、掃除領域174の中またはその前方であり、したがって、ロボット100がロボット100の前方駆動方向Fにおいて移動する際、ロボット100の掃除経路内である、床表面10の部分まで、ブラシ126によって掃かれ得る。ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動する際、掃除領域176内の塵屑は、掃除領域174から横方向にずれた床表面10の部分から、掃除領域174の中または後方であり、したがって、ロボット100がロボット100の後方駆動方向Rにおいて移動する際、ロボット100の掃除経路内である、床表面10の部分まで、ブラシ126によって掃かれ得る。
【0047】
電気回路網106は、コントローラ109に加えて、メモリ記憶素子144と、1つ以上の電気センサを有するセンサシステムとを含む。コントローラ109は、本明細書に記載されるような1つ以上の動作を行うための命令を実行するように構成されている。メモリ記憶素子144は、コントローラ109によってアクセス可能であり、ハウジング基盤108内に配置されている。1つ以上の電気センサは、ロボット100の環境内の特徴を検出するように構成されている。例えば、図3Aを参照すると、センサシステムは、ハウジング基盤108の底部分113に沿って配置されたクリフセンサ134を含むクリフセンサ134のそれぞれは、床表面10など、光センサの下の物体の有無を検出することのできる光センサである。クリフセンサ134は、このように、クリフセンサ134が配置されているロボット100の部分の下の急傾斜および絶壁などの障害を検出し、それに従ってロボットの方向を変えることができる。
【0048】
図3Bを参照すると、センサシステムは、ロボット100の近くにある、床表面10に沿った物質を検出することができる1つ以上の近接センサを含む。例えば、センサシステムは、ハウジング基盤108の前方表面154に近接して配置された近接センサ136a、136b、136cを含み得る。近接センサ136a、136b、136cのそれぞれは、ハウジング基盤108の前方表面154から外へ向く光センサを含み、この光センサは、光センサの前の物体の有無を検出することができる。例えば、検出可能な物体には、ロボット100の環境内の家具、壁、人、および他の物体などが含まれる。
【0049】
センサシステムは、バンパ138を含むバンパシステムと、バンパ138と環境内の障害物との間の接触を検出する1つ以上のバンプセンサとを含む。バンパ138は、ハウジング基盤108の一部を形成する。例えば、バンパ138は、側方表面150、152、ならびに前方表面154を形成し得る。センサシステムは、例えば、バンプセンサ139a、139bを含み得る。バンプセンサ139a、139bは、ブレークビームセンサ、静電容量センサ、または、ロボット100、例えばバンパ138と環境内の物体との間の接触を検出することができる他のセンサを含み得る。一部の実装形態において、バンプセンサ139aは、ロボット100の前後軸FA(図3Aに示す)に沿ったバンパ138の動きを検出するのに使用され得、バンプセンサ139bは、ロボット100の左右軸LA(図3Aに示す)に沿ったバンパ138の動きを検出するのに使用され得る。近接センサ136a、136b、136cは、ロボット100が物体と接触する前にその物体を検出することができ、バンプセンサ139a、139bは、例えばロボット100が物体に接触することに応答して、バンパ138に接触するその物体を検出することができる。
【0050】
センサシステムは、1つ以上の障害物追従センサを含む。例えば、ロボット100は、側方表面150に沿った障害物追従センサ141を含み得る。障害物追従センサ141は、ハウジング基盤108の側方表面150から外へ向く光センサを含み、この光センサは、ハウジング基盤108の側方表面150に隣接する物体の有無を検出することができる。障害物追従センサ141は、ロボット100の前方駆動方向Fに対して垂直であり、かつロボット100の側方表面150に対して垂直である方向において水平に光ビームを放出することができる。例えば、検出可能な物体には、ロボット100の環境内の家具、壁、人、および他の物体などの障害物が含まれる。一部の実装形態において、センサシステムは、側方表面152に沿った障害物追従センサを含み得、障害物追従センサは、側方表面152に隣接する物体の有無を検出することができる。側方表面150に沿った障害物追従センサ141は、右障害物追従センサであり、側方表面152に沿った障害物追従センサは、左障害物追従センサである。障害物追従センサ14を含む1つ以上の障害物追従センサは、例えば本明細書に記載の近接センサと同様な、障害物検出センサとしても働くことができる。この点に関して、左障害物追従センサは、ある物体、例えばロボット100の左側の障害表面、とロボット100との間の距離を判断するのに使用され得、右障害物追従センサは、ある物体、例えばロボット100の右側の障害表面、とロボット100との間の距離を判断するのに使用され得る。
【0051】
一部の実装形態において、近接センサ136a、136b、136c、および障害物追従センサ141のうちの少なくともいくつかは、それぞれ、光エミッタおよび光検出装置を含む。光エミッタは、ロボット100から外へ、例えば水平方向において外へ光ビームを放出し、光検出装置は、ロボット100の近くの物体に反射する光ビームの反射を検出する。ロボット100は、例えばコントローラ109を使用して、光ビームの飛行時間を判断することができ、それにより、光検出装置と物体との間の距離、したがってロボット100と物体との距離を判断することができる。
【0052】
一部の実装形態において、近接センサ136aは、光検出装置180および複数の光エミッタ182、184を含む。光エミッタ182、184のうちの1つは、光ビームを外向きにかつ下向きに向けるように位置付けられ得、光エミッタ182、184のうちの他方は、光ビームを、外向きにかつ上向きに向けるように位置付けられ得る。光検出装置180は、光ビームの反射または光ビームからの散乱を検出することができる。一部の実装形態において、光検出装置180は、光信号を検知するための撮像センサ、カメラ、または他の何らかのタイプの検出デバイスである。一部の実装形態において、光ビームは、ロボット100の前方の平らな垂直面に沿った水平線を照明する。一部の実装形態において、光エミッタ182、184はそれぞれ、1つ以上の障害表面上に一次元ドット格子が現れるようなビームファンを障害表面に向かって外へ放出する。一次元ドット格子は、水平に延在する線上に位置付けられ得る。一部の実装形態において、このドット格子は、複数の障害表面、例えば互いに隣接する複数の障害表面にわたって延在し得る。光検出装置180は、光エミッタ182によって形成されたドット格子、および光エミッタ184によって形成されたドット格子を表す画像を取り込むことができる。画像内のドットのサイズに基づき、ロボット100は、光検出装置180に対する、例えばロボット100に対する、その上にドットが現れる物体の距離を判断することができる。ロボット100は、ドットのそれぞれに対してこの判断を行うことができ、このように、ロボット100が、ドットが現れる物体の形状を判断することを可能にする。さらに、ロボット100の前に複数の物体がある場合、ロボット100は、物体のそれぞれの形状を判断することができる。一部の実装形態において、物体は、ロボットの真正面の床表面10の部分から左右方向にずれている1つ以上の物体を含み得る。
【0053】
センサシステムは、ハウジング基盤108の上面部分142へ向けられる、画像取り込みデバイス140、例えばカメラをさらに含む。画像取り込みデバイス140は、ロボット100が床表面10を動き回る際、ロボット100の環境のデジタル像を生成する。画像取り込みデバイス140は、上向き方向において角度をなし、例えば、ロボット100がナビゲートする辺りの床表面10から30度~80度の角度をなす。カメラは、上向きに角度をなす場合、壁表面上の物体に相当する特徴が、位置の特定に使用され得るように、その環境の壁表面の画像を取り込むことができる。
【0054】
コントローラ109が、ロボット100に役目を行わせるとき、コントローラ109は、モータ114を動作させて、駆動輪112を駆動し、床表面10に沿ってロボット100を推進する。さらに、コントローラ119は、モータ120を動作させて、回転式部材118を回転させ、モータ128を動作させて、ブラシ126を回転させ、かつ真空組立体119のモータを動作させて、空気流を発生させる。ロボット100に様々なナビゲーション行動および掃除行動を行わせるために、コントローラ109は、ロボット100に、ロボット100の様々なモータを動作させることによって行わせるための、メモリ記憶素子144に格納されたソフトウェアを実行する。コントローラ109は、ロボット100の様々なモータを動作させて、ロボット100にこれらの行動を行わせる。
【0055】
センサシステムは、ロボット100が進む距離を追跡するためのセンサをさらに含み得る。例えば、センサシステムは、駆動輪112用のモータ114に関連したエンコーダを含み得、これらのエンコーダは、ロボット100が進んだ距離を追跡することができる。一部の実装形態において、センサシステムは、床表面に向かって下向きに向く光センサを含む。光センサは、光学式マウスセンサとすることができる。例えば、光センサは、光をロボット100の底表面を通して床表面10へ向けるように位置付けられ得る。光センサは、光の反射を検出することができ、ロボット100が床表面10に沿って進んだときの床特徴における変化に基づいて、ロボット100が進んだ距離を検出することができる。
【0056】
コントローラ109は、センサシステムのセンサによって収集されたデータを使用して、その役目の間のロボット100のナビゲーション行動を制御する。例えば、コントローラ109は、ロボット100の障害物検出センサ、例えば、クリフセンサ134、近接センサ136a、136b、136c、およびバンプセンサ139a、139bによって収集されたセンサデータを使用して、ロボット100がその役目の間、ロボット100の環境内の障害物を避けることを可能にする。
【0057】
同時の自己位置推定と環境地図作成(SLAM:Simultaneous Localization And Mapping)技法に、センサデータがコントローラ109によって使用され得、この技法では、コントローラ109は、センサデータによって表された環境の特徴を抽出し、環境の床表面10の地図を作図する。画像取り込みデバイス140によって収集されたセンサデータは、視覚ベースのSLAM(VSLAM:Vision-based SLAM)などの技法に使用され得、この技法では、コントローラ109は、環境内の物体に相当する視覚的特徴を抽出し、これらの視覚的特徴を使用して、地図を作図する。コントローラ109が、役目の間にロボット100を床表面10のあちこちに向ける際、コントローラ109は、SLAM技法を使用して、収集されたセンサデータに表された特徴を検出し、その特徴をそれまでに格納されている特徴と比較することによって、地図内のロボット100の位置を判断する。センサデータにから形成された地図は、環境内の進行可能スペースおよび進行不可スペースの位置を示すことができる。例えば、障害物の位置は、進行可能スペースとして地図上に示され、空き床スペースの位置は、進行不可スペースとして地図上に示される。
【0058】
センサのいずれかによって収集されたセンサデータは、メモリ記憶素子144に格納され得る。さらに、地図を形成する地図作成データを含む、SLAM技法用に生成された他のデータが、メモリ記憶素子144に格納され得る。役目の間に提示されるこれらのデータは、その役目の間に提示され、かつ別の役目の間に使用することのできる永続的なデータを含み得る。例えば、他の役目は、その役目の後に起こる後続の役目である。ロボット100にその行動を行わせるためのソフトウェアを格納するのに加えて、メモリ記憶素子144は、センサデータ、または、ある役目から別の役目へのコントローラ109によるアクセスの際にセンサデータの処理から生じたデータを格納する。例えば、地図は、ロボット100を床表面10のあちこちにある役目から別の役目へナビゲートするために、ロボット100のコントローラ109によって使用可能であり、かつ更新可能である、永続的な地図である。
【0059】
永続的な地図を含む永続的なデータは、ロボット100が床表面10を効果的に掃除することを可能にする。例えば、永続的な地図は、コントローラ109がロボット100を空き床スペースへ向けること、および進行不可スペースを避けることを可能にする。さらに、後続の役目に向けて、コントローラ109は、永続的な地図を使用して、環境を通るロボット100のナビゲーションの計画を立て、この役目の間にたどる経路を最適化することができる。
【0060】
プロセス例
ロボット100は、環境をあちこちナビゲートし、その環境内の床表面を進行するために特定のプロセスを行うことができる。図4図6図8、および図10は、これらのプロセスのうちのいくつかを示す流れ図である。これらのプロセスの動作は、ロボット100、コントローラ109、ロボット100の他のサブシステム、および/またはプロセッサ、ならびにロボット100から遠く離れたサーバによって行われ得る。例えば、ロボット100が床表面を動き回る動作を行うのに、コントローラ109は、ロボット100の駆動システム110を動作させることができる。コントローラ109は、センサシステムを動作させて、データ、例えばロボット100の環境内の物体を示すデータを収集することもできる。コントローラ109は、その上、ロボット100の他のサブシステムを動作させることができる。
【0061】
図4は、障害表面をたどるようにロボットをナビゲートする際のプロセス400を説明する流れ図を示す。図5A図5Eは、障害表面500をたどるためのプロセス400の動作を行うロボット100の図を示す。図4に示す例では、プロセス400は、動作402、404、406、408、410を含む。プロセス400の間、ロボット100は、障害物追従行動を行い、そこでは、ロボット100は、障害表面500に沿って進み、障害表面500に隣接する床表面10の部分を掃除する。
【0062】
図4および図5は、側方表面150が障害表面500に沿って進むことに関して描写されているが、他の実装形態では、側方表面152が障害表面500に沿って進むように、ロボット100が制御され得る。一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100の左側にブラシ126と同様なブラシを含む。このブラシは、前方表面154の前方に、かつ側方表面152の左方向に延在し得、それにより、ロボット100が側方表面152の左側の床表面の部分を掃除するのを可能にする。
【0063】
動作402において、床表面10(図5Aに示す)の地図が生成される。図5Aに示すように、動作402の間、ロボット100は、障害表面500から離れて位置付けられていてもよい。床表面10の地図は、ロボット100に対する障害表面500の位置および配向を示すことができる。例えばロボット100のセンサシステムから収集されたデータによって判断された、障害表面500の位置および配向に基づき、コントローラ109(図3Aに示す)は、ロボット100を障害表面500の方へナビゲートするための方向を選択することができる。コントローラ109は、次に、ロボット100の駆動システム110(図3Aに示す)を動作させて、ロボット100を前方駆動方向F(図3Aに示す)において障害表面500に向かって移動させることができる。
【0064】
動作404において、図5Bに示すように、障害表面500が検出される。例えば、ロボット100のセンサシステムは、障害表面500を検出することができる。一部の実装形態において、ロボット100が、バンプセンサ139a、139bのうちの1つ以上を使用して、障害表面500を検出する。バンプセンサ139a、139bは、ロボット100が障害表面500に接触することに応答して、起動され得、それにより、コントローラ109が障害表面500の存在を検出するのを可能にする。図5Bに示すように、ロボット100の前方部分122、例えば前方部分122の角表面156が障害表面500に接触する。
【0065】
一部の実装形態において、ロボット100が、近接センサ136a、136b、136cのうちの1つ以上を使用して、障害表面500を検出する。近接センサ136a、136b、136cは、障害表面500がロボット100に近づいたときに、近接センサ136a、136b、136cからの光放出の反射を検出することができる。コントローラ109は、近接センサ136a、136b、136cがこれらの反射を検出したことに応答して、障害表面500が近くにあると判断することができる。一部の実装形態において、コントローラ109は、障害表面500がロボット100から一定の距離内、例えば0.5センチメートル~5センチメートル内になったときのみ、障害表面500が近くにあると判断する。一部の実装形態において、障害表面500が近くにあると判断することに応答して、コントローラ109は、ロボット100の駆動システム110を動作させて、ロボット100が障害表面500に近づく際、ロボット100の速度を落とす。
【0066】
動作406において、図5Cに示すように、ロボット100の側方表面150が障害表面500と整合される。例えば、側方表面150は、障害表面500と実質的に平行になるように配向され得る。側方表面150と障害表面500との間の角度は、5度未満、例えば4度未満、3度未満、2度未満、1度未満、または0.5度未満とすることができる。
【0067】
動作406において、ロボット100の側方表面150を障害表面500と整合させることに加えて、コントローラ109は、側方表面150を障害表面500から一定の距離内に位置付けることができる。例えば、この一定の距離は、0.1センチメートル~1センチメートル未満、例えば、最大でも0.1センチメートル、最大でも0.2センチメートル、最大でも0.3センチメートル、最大でも0.4センチメートル、または最大でも0.5センチメートルとすることができる。一定の距離は、ブラシ126(図3Aに示す)が障害表面500に確実に接触することができるようにかなり小さくすることができる。例えば、一定の距離は、距離D1(図3Aに示す)未満とすることができる。ロボット100の側方表面150は、掃除領域176(図3Cに示す)が側方表面150と障害表面500との間の床表面10の部分に及ぶように、障害表面500の十分近くに位置付けられ得る。一部の実装形態において、ブラシ126(図3Aに示す)が障害表面500に接触する。これにより、ロボット100は、床表面10と障害表面500との境界面を掃除することができる。ロボット100の側方表面150を障害表面500と整合させるために、かつ側方表面150が障害表面500に十分近くなる一方で、側方表面150が障害表面500と整合させられるのを確実にするために、コントローラ109は、駆動システム110を動作させて、ロボット100を転向させ、ロボット100を障害表面500の方へ移動させることができる。
【0068】
動作408において、図5Dに示すように、側方表面150が障害表面500の方へ回転するように、ロボット100が転向させられる。ロボット100は、ロボット100が障害表面500に十分近いか否か、例えば、動作406に関して説明された一定の距離内にあるか否かを判断するのに、この様態で転向させられる。具体的には、転向する前に、また動作406に関して説明された様態でロボット100が障害表面500と整合される間に、側方表面150が障害表面500から一定の距離内にあるのを確実にするために、ロボット100が転向させられる。コントローラ109は、例えば、障害表面500に接触するためにロボット100が回転する量を測定することによって、ロボット100がこの一定の距離内にいるか否かを判断することができる。ロボット100が一定の距離内にいない場合、コントローラ109は、側方表面150を障害表面500と整合させるために、また側方表面150が障害表面500に十分近くなる一方で、側方表面150が障害表面500と整合させられるのを確実にするために、駆動システム110を動作させて、ロボット100を転向させ、ロボット100を障害表面500の方へ移動させることができる。
【0069】
一定の条件が満たされるまで、ロボット100は回転させられ得る。一部の実装形態において、この条件は、バンプセンサ139a、139bのうちの1つが起動されるとき、例えば、ロボット100が障害表面500に接触するときに当てはまる。代替的または追加的に、この条件は、モータ114のトルクが急上昇するときに当てはまる。条件が満たされることに応答して、障害物追従センサ141によって生成された信号の値が測定される。この値は、障害物追従センサ141と障害表面500との間の距離に反比例し得、側方表面150または角表面156が障害表面500に接触するときに最大になる。この動作において検出された最大値は、場合によっては、環境内の光条件および障害表面の特性(例えば、色、粗さ、材料の種類など)に応じて変動する値の信号を提示し得る障害物追従センサ141を較正するのに使用され得る。
【0070】
障害物追従センサ141が光センサを含むいくつかの実装形態では、この値は、障害物追従センサ141によって検出された光ビームの反射の強度に比例する。一部の実装形態において、ロボット100が動作408において転向し始める前に障害物追従センサ141によって発生した信号の値が、ロボット100が一定の距離内にいるか否かを判断するために、動作408の間に障害物追従センサ141によって発生した信号の最大値と比較され得る。
動作410において、図5Eに示すように、ロボット100は、障害物に沿って移動させられる。掃除領域174、176(図3Cに示す)は、障害表面500と床表面10との境界面からロボット100の側方表面152に向かって延在する掃除経路502に沿って進行する。結果として、ロボット100は、障害表面500に隣接する床表面10の部分を掃除することができる。ロボット100が前方駆動方向Fにおいて移動させられる際、コントローラ109は、障害物追従センサ141から受信された1つ以上の信号に基づき、駆動システム110を動作させて、ロボット100の配向を調整することができる。ロボット100が障害表面150に沿って移動する際、側方表面150が障害表面500と整合されるように、この配向が調整され得る。例えば、1つ以上の信号の1つ以上の値が、一定の範囲内に維持され得るように、配向が調整され得る。
【0071】
図6は、障害表面をたどるようにロボットをナビゲートする際のプロセス600を説明する流れ図を示す。図7A図7Fは、第1の障害表面700、および第1の障害表面700に対して角度をなす第2の障害表面702をたどるためのプロセス600の動作を行うロボット100の図を示す。第1の障害表面700と第2の障害表面702とは、隣り合う面とすることができる。第1の障害表面700と第2の障害表面702とは、非平行表面であり得、かつ外側角を形成し得る。図6に示す例では、プロセス600は、動作602、604、606、608、610、612、614、616を含む。プロセス600の間、ロボット100は、障害物追従行動を行い、そこでは、ロボット100は、第1の障害表面700および第2の障害表面702に沿って進んで、第1の障害表面700および第2の障害表面702に隣接する床表面10の部分を掃除する。図6および図7A図7Fは、側方表面152が第1の障害表面700および第2の障害表面702に沿って進むことに関して描写されているが、他の実装形態において、側方表面150が第1の障害表面700および第2の障害表面702に沿って進むように、ロボット100が制御され得る。
【0072】
動作602において、図7Aに示すように、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面700に沿って移動させられる。ロボット100は、動作410に関して説明されたのと同様の様態で制御され得る。具体的には、コントローラ109が、駆動システム110を動作させて、ロボット100の側方表面152が第1の障害表面700を向く状態で、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面700に沿ってロボット100を移動させることができる。
【0073】
動作604において、図7Bに示すように、(本明細書に記載されるようにロボット100の側方表面152に沿った)障害物追従センサの位置は、第1の障害表面700の前方に位置付けられている。コントローラ109は、障害物追従センサを使用して、障害物追従センサの位置が第1の障害表面700の前方に位置付けられていると判断することができる。例えば、障害物追従センサは、ロボット100の側方表面152に沿って位置し、側方表面152に対して垂直であり、かつ前方駆動方向Fに対して垂直である水平軸704に沿って位置する。水平軸704は、第1の障害表面700に対して、かつ第1の障害表面700と第2の障害表面702との境界面706に対して前方駆動方向Fにおいて位置付けられている。障害物追従センサは、その位置が第1の障害表面700の前方であることを検出することができる。例えば、障害物追従センサが光センサである場合、障害物追従センサによって提示された信号の値は、放出された光ビームが第1の障害表面700にそれ以上接触することができなくなることに応答して、小さくなり得る。結果として、障害物追従センサの位置が第1の障害表面700の前方であるとき、障害物追従センサによって放出された光ビームの反射は、障害物追従センサによって検出できない。
【0074】
一部の実装形態において、ロボット100は、障害物追従センサの位置が、前方駆動方向Fにおいて、第1の障害表面700を越えて少なくとも一定の距離になるまで、動作604において、第1の障害表面700の前方にナビゲートされ続ける。この点に関して、ロボット100は、少なくとも1~60センチメートル、例えば、少なくとも1センチメートル、少なくとも2センチメートル、少なくとも3センチメートル、少なくとも4センチメートル、少なくとも5センチメートル、少なくとも10センチメートル、少なくとも15センチメートル、少なくとも30センチメートル、少なくとも45センチメートル、または少なくとも60センチメートルの距離を移動するまで、前方駆動方向Fにおいて移動し続けることができる。一部の実装形態において、この距離は、ロボット100の長さL1の25%~200%に相当する。コントローラ109は、本明細書に記載されるようなセンサシステムを使用して、例えば、ロボット100のエンコーダを使用して、またはロボット100の光学式マウスセンサを使用して、進んだ距離を追跡することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100の回転の中心164(図3Cに示す)が第1の障害表面700の前方になるまで、動作604において、第1の障害表面700の前方にナビゲートされ続ける。例えば、この時点で、前方駆動方向F対して垂直であり、かつ回転の中心164を通る水平軸は、第2の障害表面702と整合され得るか、またはその前方であり得る。代替的または追加的に、この水平軸は、第1の障害表面700の前方であり得る。水平軸が第2の障害表面702と整合すると、ロボット100は、少なくとも1~60センチメートル、例えば、少なくとも1センチメートル、少なくとも2センチメートル、少なくとも3センチメートル、少なくとも4センチメートル、少なくとも5センチメートル、少なくとも10センチメートル、少なくとも15センチメートル、少なくとも30センチメートル、少なくとも45センチメートル、または少なくとも60センチメートルの距離まで、前方駆動方向Fにおいて移動し続けることができる。一部の実装形態において、この距離は、ロボット100の長さL1の25%~200%に相当する。
【0075】
動作606において、図7Cに示すように、ロボット100は、側方表面152が第2の障害表面702を向くように、転向させられる。障害物追従センサの位置が第1の障害表面700の前方であることに応答して、例えば、その位置が第1の障害表面700の前方であることを検出することに応答して、ロボット100は転向させられ得る例えば、障害物追従センサが、動作604に関して説明されたように、一定の距離だけ第1の障害表面700の前方であることに応答して、動作606が起動され得る。
【0076】
コントローラ109は、ロボット100を転向させ、ロボット100を前方駆動方向Fにおいて移動させて、ロボット100を第2の障害表面702へ向かう軌道708に沿って移動させることができる。図7Cに示すように、軌道708は、側方表面152を第2の障害表面702と整合するように、ロボット100が再配向されるのを可能にする弓状部分を含む。場合によっては、動作606の間、ロボット100は、側方表面152を第2の障害表面702と再と整合するように、動作606の少なくとも一部で、その場で転向させられる。一部の実装形態において、側方表面152を第2の障害表面702と整合させるのに、動作402、404、406、408、410と同様の動作が行われ得る。
【0077】
ロボット100が軌道708に沿って移動するとき、一部の実装形態において、ロボット100の掃除経路710は、床表面10の部分712を通らない。掃除経路710は、ロボット100が軌道708に沿って移動する際、掃除領域174、176(図3Cに示す)が進行する床表面10の部分に相当し得る。床表面10の部分712は、このように、ブラシ126または掃除組立体116によっては掃除されない。床表面10の部分712は、境界面706からまたは境界面706の近接部から、第1の障害表面700から離れて第2の障害表面702に沿って延在し得る。部分712は、実質的に三角形状とすることができる。第2の障害表面702に沿った部分712の長さは、少なくとも1~15センチメートル、例えば、5~10センチメートル、少なくとも1センチメートル、少なくとも3センチメートル、少なくとも5センチメートル、少なくとも8センチメートル、少なくとも10センチメートル、少なくとも13センチメートル、または少なくとも15センチメートルとすることができる。第2の障害表面702に沿った部分712の長さは、ロボット100の長さL1の5%~50%、例えば、ロボット100の長さL1の5%~25%、10%~30%、15%~35%、20%~40%、25%~45%、または30%~50%とすることができる。
【0078】
一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100の左側に、ブラシ126と同様のブラシを含む。部分712は、境界面706の近接部から延在し得るが、ブラシの及ぶ領域176が、第2の障害表面702に沿って位置付けられ、かつ境界面706に接触する床表面10の部分を進行することができるので、境界面706に接触する。
【0079】
動作608において、ロボット100は、第2の障害表面702を検出する前に、動作606において、ロボット100が少なくとも回転閾値量、転向したか否かを判断する。例えば、回転閾値量は、25~65度、例えば、25~55度、30~60度、35~65度、または約25、30、35、40、45、50、55、60、もしくは65度であり得る。ロボット100は、1つ以上の条件が満たされた時点で、第2の障害表面702を検出することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、第2の障害表面702に接触し、かつロボット100のバンプセンサ139a、139b(図3Bに示す)のうちの1つ以上を起動することによって、第2の障害表面702を検出する。一部の実装形態において、ロボット100は、障害物追従センサが第2の障害表面702を検出するように、第2の障害表面702が第2の障害表面702に十分近いことを検出する。一部の実装形態において、動作608において第2の障害表面702を検出するのに、バンプセンサおよび障害物追従センサの両方が起動される。
【0080】
第2の障害表面702を検出した時点で、ロボット100が回転閾値量までは転向しなかったと、ロボット100が判断した場合、障害物追従行動が開始される。具体的には、ロボット100は、動作402、404、406、408、410に関して説明されたのと同様の様態で、第2の障害表面702をたどるように移動させられる。
【0081】
ロボット100が動作606において回転閾値量までは転向しなかったと、ロボット100が判断した場合、動作612において、図7Dに示すように、ロボット100は、第2の障害表面702が検出されるまで転向させられる。前方部分122(図3Aに示す)が第2の障害表面702の方へ回転するように、ロボット100は、その回転の中心164(図3Cに示す)を中心として、その場で転向させられ得る。第2の障害表面702を検出する際、動作612は、動作404と同様であるとすることができる。ロボット100は、1つ以上の条件が満たされた時点で、第2の障害表面702を検出することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、第2の障害表面702に接触し、かつロボット100のバンプセンサ139a、139b(図3Bに示す)のうちの1つ以上を起動することによって、第2の障害表面702を検出する。一部の実装形態において、ロボット100は、障害物追従センサが第2の障害表面702を検出するように、第2の障害表面702が第2の障害表面702に十分近いことを検出する。一部の実装形態において、動作612において第2の障害表面702を検出するのに、バンプセンサおよび障害物追従センサの両方が起動される。
【0082】
一部の実装形態において、この動作の間に、障害物追従センサが較正され得る。障害物追従センサは、動作408に関して説明された様態で較正され得る。
【0083】
動作614において、図7Eに示すように、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて第2の障害表面702に沿って移動させられる。ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動させられる際、コントローラ109は、駆動システム110を動作させて、ロボット100の配向を調整することができる。動作410に関して説明されたのと同様のプロセスを通して、ロボット100が第2の障害表面702に沿って移動する際、側方表面152が第2の障害表面702と整合させられるように、配向が調整され得る。
【0084】
動作614において、コントローラ109は、駆動システム110を動作させて、ロボット100およびその掃除経路を、床表面10の部分712、例えば床表面の部分712の少なくとも一部を通るように移動させることができる。一部の実装形態において、ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動するときのロボット100の掃除経路は、第2の障害表面702に隣接する部分が掃除領域174によって進行されないことから、床表面10の部分712の一部にしか及ばない。一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100の左側に、ブラシ126と同様のブラシを含み、このブラシの掃除領域は、第2の障害表面702に隣接する床表面10の部分を進行する。
【0085】
一部の実装形態において、ロボット100は、障害物追従センサの位置が後方駆動方向Rにおいて第2の障害表面700を越える一定の距離まで、動作614において、第2の障害表面702の後方にナビゲートされ続ける。ロボット100は、動作604に関して説明されたのと同様の様態で、障害物追従センサの位置が第2の障害表面700を越えた、例えば第2の障害表面700の後方であると判断することができる。ロボット100は、少なくとも1~60センチメートル、例えば、少なくとも1センチメートル、少なくとも2センチメートル、少なくとも3センチメートル、少なくとも4センチメートル、少なくとも5センチメートル、少なくとも10センチメートル、少なくとも15センチメートル、少なくとも30センチメートル、少なくとも45センチメートル、または少なくとも60センチメートルの距離を移動するまで、後方駆動方向Rにおいて移動し続けることができる。一部の実装形態において、この距離は、ロボット100の長さL1の25%~200%に相当する。コントローラ109は、本明細書に記載されるようなセンサシステムを使用して、例えば、ロボット100のエンコーダを使用して、またはロボット100の光学式マウスセンサを使用して、進んだ距離を追跡することができる。
【0086】
動作616において、図7Fに示すように、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第2の障害表面702に沿って移動させられる。障害物追従センサの位置が、例えば一定の距離だけ、第2の障害表面700を越えるか、または第2の障害表面700の後方であるとロボットが判断することに応答して、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて移動させられ得る。
【0087】
一部の実装形態において、動作616において、駆動システム110がまた、動作616のある部分の間、ロボット100を第2の障害表面702から離れるように移動させるように、動作させられる。具体的には、ロボット100が、第2の障害表面702に対して角度をなす接近において、第2の障害表面702に向かってうまく移動するように制御される。例えば、ロボット100は、ロボット100の前方駆動方向Fが第2の障害表面702に対して角度をなすように、第2の障害表面702から離れるように転向させられ得る。この点に関して、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて移動する際、第2の障害表面702から離れるように移動する。例えば、ロボット100が前方駆動方向Fにおいて第2の障害表面702に沿って移動する際、ロボットの側方表面152が第2の障害表面702から離れるように移動する。第2の障害表面702に対して垂直な軸に沿った第2の障害表面702と側方表面152との間の距離は、ロボット100が前方駆動方向Fにおいて移動する際に広がり得る。前方駆動方向Fおよび第2の障害表面702は、例えば、1~10度、例えば、1~3度、2~4度、または5~10度で非平行かつ非ゼロの角度を形成し得る。一部の実装形態において、前方部分122(図3Aに示す)が第2の障害表面702から離れるように転向させられるように、ロボット100がその場で転向させられる。第2の障害表面702へのこの角度をなす接近は、ロボット100が、第1の障害表面700と第2の障害表面702との境界面706に接触する可能性を低くし得る。
【0088】
動作616において、ロボット100は、1つ以上の条件が満たされるまで、前方駆動方向Fにおいて移動させられ得る。一部の実装形態において、ロボット100は、第2の障害表面702が、例えばロボット100の左側の障害物追従センサによって、検出されるまで、前方駆動方向Fにおいて移動することができる。一部の実装形態において、ロボット100が、自分が一定の距離進んだと判断するまで、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて移動することができる。この一定の距離は、ロボット100の長さL1の例えば50%~150%、例えば、ロボット100の長さL1の50%~100%、75%~125%、100%もしくは150%、または約50%、75%、100%、125%、もしくは150%とすることができる。一部の実装形態において、ロボット100は、第2の障害表面702の最初の部分が検出されるか、またはロボット100が一定の距離を進むかが起こるまで、前方駆動方向において移動することができる。一部の実装形態において、ロボット100が動作616において前方駆動方向Fにおいて移動するのを止める前に、これらの条件の両方が起こる。
【0089】
1つ以上の条件が満たされた後、ロボット100は、プロセス400およびその動作402、404、406、408、410に対して説明されたのと同様の障害物追従行動を行う。ロボット100が動作616に関して説明された角度で第2の障害表面702に沿ってそれ以上進まないように、ロボット100は、第2の障害表面702と再と整合するように制御される。むしろ、前方駆動方向Fは、例えば、5度未満、例えば、4度未満、3度未満、2度未満、1度未満、または0.5度未満の角度を有し、第2の障害表面702と実質的に平行である。図7Fに示す例では、ロボット100は、側方表面152を第2の障害表面702に向けた状態で、第2の障害表面702に沿って移動する。
【0090】
図8は、障害表面をたどるようにロボットをナビゲートする際のプロセス800を説明する流れ図を示す。図9A図9Hは、第1の障害表面900、および第1の障害表面900に対して角度をなす第2の障害表面902をたどるためのプロセス800の動作を行うロボット100の図を示す。第1の障害表面900と第2の障害表面902とは、隣り合う面とすることができる。第1の障害表面900と第2の障害表面902とは、非平行表面であり得、内角を形成し得る。図8に示す例では、プロセス800は、動作802、804、806、808、810、812、814、816、818を含む。プロセス800の間、ロボット100は、障害物追従行動を行い、そこでは、ロボット100は、第1の障害表面900および第2の障害表面902に沿って進み、第1の障害表面900および第2の障害表面902に隣接する床表面10の部分を掃除する。図8および図9A図9Hは、側方表面150が第1の障害表面900および第2の障害表面902に沿って進むことに関して描写されているが、他の実装形態において、側方表面152が第1の障害表面900および第2の障害表面902に沿って進むように、ロボット100が制御され得る。
【0091】
動作802において、図9Aに示すように、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面900に沿って移動させられる。ロボット100は、動作602に関して説明されたのと同様の様態で制御され得る。具体的には、コントローラ109が、駆動システム110を動作させて、ロボット100の側方表面150が第1の障害表面900を向く状態で、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面900に沿ってロボット100を移動させることができる。
【0092】
ロボット100は、第2の障害表面902が検出されるまで、動作802の間、前方駆動方向Fにおいて移動させられる。動作804において、第2の障害表面902が検出される。図9Bに示すように、一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100のバンプセンサ139a、139b(図3Bに示す)のうちの1つ以上を使用して、かつ/またはロボット100の近接センサ136a、136b、136c(図3Bに示す)のうちの1つ以上を使用して、第2の障害表面902を検出することができる。例えば、バンプセンサ139a、139bは、ロボット100の前方表面154と第2の障害表面902との間の接触に応答して起動され得る。代替的または追加的に、ロボット100が第2の障害表面902に十分近くなることに応答して、近接センサ136a、136b、136cが起動され得る。一部の実装形態において、コントローラ109は、第2の障害表面902がロボット100から一定の距離内、例えば0.5センチメートル~5センチメートル内になったときのみ、第2の障害表面902が十分に近いと判断する。
【0093】
動作806において、ロボット100の位置が維持される。この位置は、その時点でロボット100が第2の障害表面902を検出する位置に相当し得る。この点に関して、ロボット100は、第2の障害表面902に近接するように、または第2の障害表面902に接触するように、例えば、前方表面154を第2の障害表面902と接触させるように位置付けられる。場合によっては、動作806の間、例えば約1~5ミリメートルだけ、バンパ138(図3Aに示す)が少量圧縮され得る。一部の実装形態において、ロボット100は、ロボット100の位置を維持するように前方駆動方向Fにおいて駆動される。
【0094】
第2の障害表面902に近接して、または第2の障害表面902に接触して位置付けられるのに加えて、ロボット100は、第1の障害表面900に近接するように、または、例えば側方表面150を第1の障害表面900と接触するように位置付けられる。コントローラ109は、駆動システム110を動作させて、ロボット100の位置を一定の時間量、維持することができる。この時間量は、少なくとも1~5秒、例えば、少なくとも1秒、少なくとも2秒、少なくとも3秒、少なくとも4秒、または少なくとも5秒とすることができる。ロボット100の位置を維持することによって、ブラシ126の掃除領域176が、第1の障害表面900と第2の障害表面902との境界面904に隣接する床表面10の部分を掃除することができる。表面のこの部分は、第1の障害表面900および第2の障害表面902の両方に沿って延在し得、床表面10の角部分に相当し得る。
【0095】
図8に示すように、動作812において判断されるように、ロボット100が閾値量まで転向するまで、動作808、810、812、814、816が繰り返し行われ得る。具体的には、動作808、810、814、816の間、ロボット100は、一連の動きを行う。動作808、810、814、816の間のロボット100のこの一連の動きは、ロボット100が第2の障害表面902に沿って掃除するのを可能にする。一部の実装形態において、動作808、810、812、814、816は、少なくとも2~5回、例えば、少なくとも2回、3回、4回、または5回繰り返し行われる。
【0096】
動作808において、図9Cに示すように、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて第1の障害表面900に沿って移動させられる。繰り返される一連の動きは、このように、この後方駆動方向における動きを含み得る。コントローラ109は、障害物追従センサ141(図3Bに示す)を使用することによって、ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動する際、側方表面150が第1の障害表面900と整合されていることを確実にすることができる。ロボット100の配向は、障害物追従センサ141を使用して、かつ動作410に関して説明されたのと同様のプロセスを使用して、調整され得る。図9Cに示す例では、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて一定の距離を移動させられる。この距離は、2~15センチメートル、例えば、2~6センチメートル、4~8センチメートル、6~10センチメートル、10~14センチメートル、または約5、7、9、11、もしくは13センチメートルとすることができる。一部の実装形態において、一定の距離は、ロボット100の長さL1の10%~50%である。
【0097】
図9Cに示すように、動作802、804、806、および808の間、ロボット100の掃除領域174、176は、第2の障害表面902に隣接する床表面10の部分906を進行しない。例えば、一部の実装形態において、ロボット100が掃除領域174とロボット100の前方表面154との間の領域173(図3Cに示す)を掃除することができる掃除用具を何も含まないことから、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面900に沿って移動して、ロボット100の掃除領域174、176に部分906を進行させることができない。
【0098】
動作810において、図9Dに示すように、ロボット100は、前方部分122(図3Aに示す)が第1の障害表面900から離れて第2の障害表面902の方へ回転させられるように、転向させられる。具体的には、ロボット100の角表面156が第2の障害表面902の方へ移動する。結果として、掃除領域176が第2の障害表面902の方へ移動させられ、場合によっては、第2の障害表面902に接触する。これにより、掃除領域176が未進行部分906の少なくとも一部を通って進行することが可能になる。
【0099】
一部の実装形態において、動作810において、ロボット100は、第2の障害表面902が検出されるまで、転向させられる。例えば、1つ以上の条件が満たされた時点で、ロボット100は、第2の障害表面902を検出することができる。一部の実装形態において、バンプセンサ139a、139b(図3Cに示す)のうちの1つ以上が起動される。例えば、ロボット100の前方部分122または角表面156が第2の障害表面902に接触するまで、ロボット100は、継続して転向させられ得る。一部の実装形態において、近接センサ136a、136b、136c(図3Aに示す)のうちの1つ以上が第2の障害表面902を検出する。図9Dに示す例では、近接センサ136aが、動作608または動作612に関して説明されたのと同様の様態で、第2の障害表面902を検出することができる。
【0100】
動作812において、ロボット100は、自分が回転閾値量まで転向したか否かを判断する。例えば、回転閾値は、前方駆動方向Fと第1の障害表面900との間の角度が少なくとも30~60度、例えば、少なくとも30度、少なくとも40度、少なくとも50度、または少なくとも60度であるときに相当し得る。ロボット100は、例えば、そのエンコーダ、光学式マウスセンサ、またはそのセンサシステムの他の部品を使用して、その回転角度を判断することができる。
【0101】
ロボット100が、動作812において、自分が回転閾値量までは転向していないと判断した場合、動作814において、図9Eに示すように、ロボット100は、前方部分122が第1の障害表面900の方へ回転させられるように、転向させられる。ロボット100が、例えば、本明細書に記載されるように、バンパ138(図3Bに示す)およびバンプセンサ139a、139bのうちの1つ以上を使用して、第1の障害表面900を検出するまで、ロボット100は、第1の障害表面900の方へ転向されられ得る。ロボット100は、ロボット100の角表面156と、第1の障害表面900を接触させることができる。
【0102】
動作816において、図9Fに示すように、ロボット100は、ロボット100の前方部分122が第1の障害表面900から離れるように回転させられるように、転向させられる。ロボット100は、ロボット100が動作814において第1の障害表面900の方へ転向させられた後に、転向させられ得る。動作816において、第1の障害表面900から離れるような前方部分122のこの回転は、第1の障害表面900からバンパ138を解放することができる。
【0103】
プロセス800は、次に、動作808に戻って続行し得、ロボット100は、動作808に関して説明されたように、後方駆動方向Rにおいて一定の距離だけ移動させられ得る。ロボット100は、次に、動作810において、前方部分122が第1の障害表面900から離れて第2の障害表面902の方へ回転させられるように、再び転向させられ得る。ロボット100が第2の障害表面902からさらに後ろに移動したことから、この回転は、図9Gに示すように、掃除領域176が、未進行部分906の異なる部分908を進行することを可能にする。この異なる部分908は、第2の障害表面902にさらに沿っていて、例えば、動作810のそれまでの繰り返しの間に進行した部分910よりも境界面904からさらに離れているとすることができる。動作808、810、814、816が繰り返される際、それぞれの連続した繰り返しの間、未進行部分906の異なる部分が、掃除領域176によって進行され得る。
【0104】
ロボット100が、動作812において、自分が回転閾値量まで転向したと判断するまで、動作808、810、814、816の繰り返しが起こる。ロボット100が、動作812において、自分が回転閾値量まで転向したと判断した場合、動作818において、図9Hに示すように、ロボット100は、第2の障害表面902に沿って移動させられる。ロボット100は、回転閾値量を超えて転向し続けることができ、次に、前方駆動方向Fにおいて移動させられ得る。具体的には、前方駆動方向Fが第2の障害表面902と整合され、側方表面150が第2の障害表面902を向くように、ロボット100が移動させられる。ロボット100は、掃除領域176に、動作808、810、814、816の繰り返しの間に進行されなかった未進行部分906のすべての部分を通って移動させる軌道に沿って移動することができる。この軌道は、掃除領域176に未進行部分906を通って掃かせる弓状軌道を含み得る。コントローラ109は、動作402、404、406、408、410に関して説明されたのと同様の様態で、動作818の間、ロボット100の動きを制御することができる。この点に関して、側方表面150が第2の障害表面902と整合された後、ロボット100は、第2の障害表面902に沿って移動し、かつ第2の障害表面902に沿った床表面10の部分を掃除するように、前方駆動方向Fにおいて移動させられ得る。
【0105】
図10は、障害表面をたどり、かつ通路1101(図11A図11Fに示す)を掃除するようにロボットをナビゲートする際のプロセス1000を説明する流れ図を示す。図11A図11Fは、第3の障害表面1104から一定の距離に位置付けられた第1の障害表面1100をたどるためのプロセス1000の動作を行うロボット100の図を示す。第1の障害表面1100と第3の障害表面1104との間の幅W2は、ロボット100の全幅W1の100%~200%、例えば、ロボット100の全幅W1の100%~150%、125%~175%、または150%~200%とすることができる。通路1101は、通路1101の部分を画定し、かつ互いに近い少なくとも2つの障害表面のために幅が狭い床表面10の部分に相当し得る。図11A図11Fに示す例では、第1の障害表面1100と第3の障害表面1104とは、平行とすることができ、したがって、ロボット100が沿って移動することのできる通路1101を少なくとも部分的に画定し得る。一部の実装形態において、第1の障害表面1100と第3の障害表面1104とは、互いに平行ではない。より正確に言えば、それらは、互いに対して角度をなし、ロボット100の全幅W1の100%~200%、例えば、ロボット100全幅W1の100%~150%、125%~175%、または150%~200%である幅を有する。
【0106】
第1の障害表面1100と第2の障害表面1102とは、隣り合う面とすることができる。第2の障害表面1102は、第1の障害表面1100および第3の障害表面1104の端に位置付けられ得る。第2の障害表面1102は、第1の障害表面1100および第3の障害表面1104に対して垂直とすることができる。この点に関して、第1の障害表面1100、第2の障害表面1102、および第3の障害表面1104は、そこを通ってロボット100が進行することができるが、例えば、通路1101の幅W2に対するロボット100のサイズにより、第1の障害表面1100および第2の障害表面1102に沿って、プロセス800に関して説明されたのと同様の内角進行プロセスを簡単には行うことができない、通路1101を形成する可能性がある。
【0107】
図10に示す例では、プロセス1000は、動作1002、1004、1006、1008、1010を含む。プロセス1000の間、ロボット100は、通路1101の少なくとも部分を掃除する。例えば、ロボット100は、障害物追従行動を行うことができ、そこでは、ロボット100は、第1の障害表面1100に沿って進み、第1の障害表面1100に隣接する床表面10の部分を掃除し、したがって通路1101の部分を掃除する。図10および図11A図11Fは、側方表面150が第1の障害表面1100に沿って進むことに関して描写されているが、他の実装形態において、側方表面152が第3の障害表面1104に沿って進むように、ロボット100が制御され得る。
【0108】
動作1002において、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面1100に沿って移動させられる。ロボット100は、動作1002に関して説明されたのと同様の様態で、制御され得る。具体的には、コントローラ109が、駆動システム110を動作させて、ロボット100の側方表面150が第1の障害表面1100を向く状態で、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面1100に沿ってロボット100を移動させることができる。
【0109】
ロボット100は、動作1002の間に、第2の障害表面1102が検出されるまで、前方駆動方向Fにおいて移動させられる。動作1004において、第2の障害表面1102が検出される。図11Bに示すように、ロボット100は、ロボット100のバンプセンサ139a、139b(図3Bに示す)のうちの1つ以上を使用して、かつ/またはロボット100の近接センサ136a、136b、136c(図3Bに示す)のうちの1つ以上を使用して、第2の障害表面1102を検出することができる。この検出は、動作804に関して説明されたのと同様の様態で、起こり得る。一部の実装形態において、ロボット100の位置が、動作806に関して説明されたのと同様の様態で、維持される。
【0110】
動作1002の間、動作1004の間、またはロボット100が通路に入る前に、コントローラ109は、第1の障害表面1100が通路の一部であるか否かを判断することができる。コントローラ109は、近接センサ136a、136b、136cのうちの1つ以上に基づき、掃除作業中にロボットが床表面10を進行する際、ロボット100によって生成された地図に基づき、または前述の組み合わせに基づき、この判断を行うことができる。例えば、近接センサ136aを使用して、コントローラ109は、例えば近接センサ136aを使用して第2の障害表面1102の幅を判断することによって、第1の障害表面1100と第3の障害表面1104との間の距離を判断することができる。地図、近接センサ136a、136b、136c、またはそれらの組み合わせを使用して、コントローラ109は、第1の障害表面1100と第3の障害表面1104との間の最大幅W2が、ロボット100の幅W1の100%~200%、例えば、ロボット100の全幅の100%~150%、125%~175%、または150%~200%であると判断することができる。コントローラ109がこのような判断を行った場合、コントローラ109は、プロセス800ではなくプロセス1000を開始することができる。
【0111】
ロボット100が第2の障害表面1102を検出した後、動作1006において、図11Cに示すように、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて第1の障害表面1100に沿って、かつ第2の障害表面1102から離れるように移動させられる。コントローラ109は、動作808に関して説明されたのと同様の様態で、ロボット100を後方駆動方向Rにおいて移動させることができる。図11Cに示す例では、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて一定の距離だけ移動させられる。この一定の距離は、1~15センチメートル、例えば、1~5センチメートル、3~7センチメートル、5~10センチメートル、または10~15センチメートルとすることができる。
【0112】
動作1008において、図11Dに示すように、ロボット100は、前方部分122(図3Aに示す)が第1の障害表面1100の方へ移動させられるように、転向させられる。ロボット100は、第1の障害表面1100が検出されるまで、その場で転向させられ得る。例えば、コントローラ109は、ロボット100と第1の障害表面1100との間の接触が存在すると判断することができる。この検出は、動作814に関して説明したのと同様の様態で行われ得る。具体的には、ロボット100の側方表面150が第1の障害表面1100に接触する際、バンプセンサ139a、139bのうちの1つ以上が起動され得る。動作1108は、ロボット100が第1の障害表面1100を通って進行することができないことを確認することができる。例えば、ロボット100が、第1の障害表面1100に接触した時点で回転し続けることができる実装形態では、コントローラ109は、第1の障害表面1100が進行可能であると判断することができ、それにより、第1の障害表面1100を越えて掃除するようにロボット100を移動させることができる。
【0113】
一部の実装形態において、この動作の間に、障害物追従センサが較正され得る。障害物追従センサは、動作612に関して説明された様態で、較正され得る。
【0114】
動作1010において、図11Eに示すように、ロボット1010は、ロボット100の前方部分122が第1の障害表面1100から離れるように移動させられるように、転向させられる。ロボット100は、側方表面150を第1の障害表面1100と再整合させるように十分な量を、転向させられ得る。一部の実装形態において、ロボット100が、ロボット100と第1の障害表面1100との間の接触をそれ以上検出しなくなるまで、ロボット100が転向させられる。例えば、ロボット100は、バンプセンサ139a、139bが解除されるまで、例えば、接触をそれ以上検出しなくなるまで、第1の障害表面1100から離れるように転向させられ得る。
【0115】
動作1012において、図11Fに示すように、ロボット100は、後方駆動方向Rにおいて第1の障害表面1100に沿って、移動させられる。ロボット100が後方駆動方向Rにおいて移動させられる際、コントローラ109は、駆動システム110を動作させて、ロボット100の配向を調整することができる。動作410に関して説明されたのと同様のプロセスを通して、ロボット100が第1の障害表面1100に沿って移動する際、側方表面150が第1の障害表面1100と整合されるように、この配向が調整され得る。
【0116】
図12は、障害表面をたどり、かつ通路1301(図13A図13Cに示す)を掃除するようにロボットをナビゲートする際の別のプロセス1200を説明する流れ図を示す。図13A図13Cは、第2の障害表面1302が第1の障害表面1300と第3の障害表面1304との間にある状態で、第3の障害表面1304から一定の距離に位置付けられた第1の障害表面1300をたどるためのプロセス1200の動作を行うロボット100の図を示す。第1、第2、および第3の障害表面1300、1302、および1304は、図11A図11Fに関して説明された第1、第2、および第3の障害表面1100、1102、および1104と同様の様態で配置され得る。第1、第2、および第3の障害表面、1300、1302、1304は、通路1301を少なくとも部分的に画定し得る。
【0117】
図12に示す例では、プロセス1200は、動作1202、1204、1206、1208、1210、1212、1214、1216、1218を含む。プロセス1200の間、ロボット100は、通路1301の一部分を掃除し、かつ障害物追従行動を行い、そこでは、ロボット100は、第1の障害表面1300に沿って進み、第1の障害表面1300に隣接する床表面10の部分を掃除する。図10および図11A図11Fは、側方表面150が第1の障害表面1300に沿って進むことに関して描写されているが、他の実装形態において、側方表面152が第3の障害表面1304に沿って進むように、ロボット100が制御され得る。
【0118】
動作1202において、図13Aに示すように、ロボット100は、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面1300に沿って、移動させられる。ロボット100は、動作1002に関して説明されたのと同様の様態で、制御され得る。具体的には、コントローラ109が、駆動システム110を動作させて、ロボット100の側方表面150が第1の障害表面1100を向く状態で、前方駆動方向Fにおいて第1の障害表面1100に沿って、ロボット100を移動させることができる。
【0119】
この前方駆動方向Fにおける動きの間、第1、第2、および/または第3の障害表面1300、1302、1304が検出され得る。例えば、ロボット100が通路1101を通って第2の障害表面1302に向かって移動する際、ロボット100の左右の障害物追従センサが、第1の障害表面1300および第3の障害表面1304を検出することができる。左右の障害物追従センサは、光センサとすることができ、ロボット100に対する第3の障害表面1304の近接、およびロボット100に対する第1の障害表面1300の近接を示す読み取り値を提示することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、動作1004に関して説明されたのと同様の様態で、第2の障害表面1302を検出する。さらに、ロボット100が通路1101を通って第2の障害表面1302に向かって移動する際、近接センサ136a、136b、136c(図3Bに示す)のうちの1つ以上を使用して、第1の障害表面1300、第2の障害表面1302、および第3の障害表面1304を検出することができる。例えば、近接センサ136aが光検出装置180および光エミッタ182、184を含む実装形態では、近接センサ136aは、第1の障害表面1300と光検出装置180との間の距離、第2の障害表面1302と光検出装置180との間の距離、および第3の障害表面1304と光検出装置180との間の距離を判断するのに、使用され得る。
【0120】
動作1204において、ロボット100は、自分が通路1301にいると判断する。例えば、ロボット100は、自分が、前方駆動方向Fにおいて第2の障害表面1302に向かって移動する際、その場で転向することができないと判断することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、第3の障害表面1304とロボット100の側方表面152との間の距離が、ロボット100が、第3の障害表面1304に接触することなく、一定の量、適所で転向することができないほどかなり狭いと判断し、コントローラ109は、ロボット100が通路内におり、そのため、内角障害物追従行動を行うことができない、例えば、プロセス800に関連した動作のうちの少なくともいくつかを行うことができないと判断することができる。一定の回転量とは、30~60度、例えば、30~45度、35度~50度、40~55度、または45~60度とすることができる。
【0121】
ロボット100は、左近接センサ、近接センサ136aの光検出装置180、またはそれらの組み合わせによって収集されたデータに基づき、第3の障害表面1304とロボット100の側方表面152との間の距離を判断することができる。一部の実装形態において、ロボット100は、自分が通路1301にいるか否かを、例えば一定の頻度で、周期的に判断する。一定の頻度とは、0.1Hz~60Hzとすることができ、コントローラ109は、ロボット100が通路1301にいると判断するために、ロボット100がその場で転向できないことを一定の回数、判断する。この一定の回数とは、ロボット100が、自分が通路1301内にいることを最初に検出したときから始まって取得される読み取り値の総数の割合、例えば、この期間中に行われた総判断回数の80%~100%とすることができる。
【0122】
ロボット100が、自分が通路内にいないと判断した場合、動作1206において、プロセス800の間のロボット100の行動と類似の内角障害物追従行動が開始され得る。ロボット100は、例えば、第2の障害表面1302に沿ってナビゲートされ得る。
【0123】
動作1204において、ロボット100が、自分が通路1301内にいると判断した場合、ロボット100は、図13Bに示すように、動作1208において、通路1301内を後方に移動させられる。ロボット100は、軌道1308に沿ってナビゲートされ得る。軌道1308の少なくとも部分1308aで、ロボット100は、動作1006、1008、1010に関して説明されたのと同様の様態で、第1の障害表面1300に沿ってナビゲートされ得、第1の障害表面1300を検出することができる。
【0124】
動作1210において、ロボット100は、通路1301の中央部分1307内にと整合され得る。例えば、動作1210が開始される前で、かつロボット100が軌道1308の部分1308aを通って第1の障害表面1300をたどった後、ロボット100は、通路1301の中央部分1307の方へ移動させられる。中央部分1307は、通路1301の幅W3の30%~70%、例えば、30%~40%、40%~50%、40%~60%、50%~60%、または60%~70%に沿って延在する通路1301の長手方向に延在する部分に相当し得る。中央部分1307は、通路1301の長手方向軸1310を中心とする。動作1210において、一部の実装形態において、ロボット100は、長手方向軸1310と整合される。
【0125】
ロボット100を中央部分1307または長手方向軸1310と整合させるために、コントローラ109は、左右の障害物追従センサ、近接センサ136a、またはそれらの組み合わせを使用することができる。一部の実装形態において、左右障害物追従センサによって提示された読み取り値と右障害物追従センサによって提示された読み取り値との差が、ロボット100が、第1の障害表面1300と第3の障害表面1304とから実質的に等距離であるような一定の範囲内に維持され得る。例えば、ロボット100の中心162(図3Cに示す)と第1の障害表面1300との間の距離は、通路1301の幅W3の45%~55%とすることができ、ロボット100の中心162と第3の障害表面1300との間の距離は、通路1301の幅W3の45%~55%とすることができる。
【0126】
一部の実装形態において、近接センサ136aの光検出装置180および光エミッタ182、184を使用して、コントローラ109は、光エミッタ182、184がドット格子を放出する第1、第2、および第3の障害表面1300、1302、および1304の部分の距離を判断する。ドット格子が限られた長さにわたって延在することから、コントローラ109は、第1の障害表面1300の検出された部分、例えば、ドットが現れる第1の障害表面1300の部分と、第3の障害表面1304の検出された部分、例えば、ドットが現れる第3の障害表面1304の部分との相対的な長さを判断することができる。ロボット100を通路1301の中央部分1307と整合させるために、第1の障害表面1300の検出された部分の長さが、第3の障害表面1304の検出された部分の長さに実質的に等しくなるように、例えば、第1の障害表面1300の検出された部分の長さが、第3の障害表面1304の検出された部分の長さの90%~110%であるように、ロボット100がナビゲートされ得る。
【0127】
一部の実装形態において、近接センサ136aの光検出装置180および光エミッタ182、184を使用して、コントローラ109は、第1の障害表面1300上に現れるドットの距離の勾配、および第3の障害表面1304上に現れるドットの距離の勾配を判断する。ロボット100を通路1301の中央部分1307と整合させるために、勾配が実質的に等しくなるように、例えば、一方の勾配が他方の勾配の90%~110%になるように、ロボット100がナビゲートされ得る。
【0128】
動作1212において、ロボット100は、軌道1308の部分1308bに沿って後方へ移動されられる。軌道1308の部分1308bは、ロボット100を第3の障害表面1304の方へ移動させ、次に第1の障害表面1300の方へ戻るように移動させる、または第1の障害表面1300の方へ移動させ、次に第3の障害表面1304の方へ戻るように移動させる1つ以上の弓状部分を含み得る。1つ以上の弓状部分は、ロボット100が後方に移動する際、ロボット100が第1の障害表面1300のみをたどる場合に比べて、ロボット100が通路1301の幅W3のより広い部分を掃除することを可能にすることができる。ロボット100が軌道1308の部分1308bの1つ以上の弓状部分に沿って移動する際、ロボット100は、通路1301の中央部分1307内に少なくとも部分的に維持され得る。例えば、ロボット100の中心162(図3Cに示す)と第1の障害表面1300との間の距離は、通路1301の幅W3の25%~75%とすることができ、ロボット100の中心162と第3の障害表面1300との間の距離は、通路1301の幅W3の25%~75%とすることができる。1つ以上の弓状部分が複数の弓状部分を含む場合、複数の部分のそれぞれに対する曲率半径は、互いに異なる可能性がある。
【0129】
動作1214において、ロボット100は、障害物追従センサからの読み取り値が、ロボット100がまだ通路1301の中央部分1307内にいることを示しているか否かを判断する。例えば、コントローラ109が、右障害物追従センサによって提示された読み取り値と左障害物追従センサによって提示された読み取り値との差を判断することができる。この差が一定の量よりも大きい場合、コントローラ109は、ロボット100が通路1301の中央部分1307の外側にいると判断することができる。一部の実装形態において、動作1214において、右障害物追従センサからの読み取り値が左障害物センサからの読み取り値の1~5倍以下、例えば、左障害物センサからの読み取り値の1倍、2倍、3倍、4倍、または5倍以下である、かつ左障害物追従センサからの読み取り値が右障害物センサからの読み取り値の3~5倍以下、例えば、右障害物センサからの読み取り値の1倍、2倍、3倍、4倍、または5倍以下である場合、読み取り値は、ロボット100が通路1301にいることを示す。動作1214において、ロボット100が、自分が通路1301の中央部分1307内にいないと判断した場合、ロボット100は、動作1208、1210、および/または1212の繰り返しを通して、後方に継続して移動させられる一方、その位置が中央部分1307と整合させられる。障害物追従センサからの読み取り値間の差が小さくされ得るように、ロボット100は、中央部分1307と整合するような様態で移動させられ得る。
【0130】
ロボット100が、自分が通路1301の中央部分1307内にいる、例えば、差が一定の量より小さいと判断した場合、次にロボット100は、動作1216において、障害物追従センサからの読み取り値が、ロボット100が通路1301の外側にいることを示しているか否かを判断する。例えば、動作1214において、読み取り値が両方とも極めて低いことから、例えば、ロボット100が図13Cに示すように通路1301を脱出したことから、読み取り値間の違いが閾値を超えていないと、コントローラ109が判断する可能性がある。結果として、読み取り値は、ロボット100がまだ通路1301の中央部分1307にいる可能性があることを示す。このような状況では、コントローラ109は、動作1216において、読み取り値がより低い閾値以下であると判断することによって、ロボット100が通路1301の外側にいると判断することができる。より低い閾値とは、例えば、障害物追従センサによって取得される読み取り値についての最大値の1%~25%とすることができる。ロボット100が通路1301内にいるとコントローラ109が判断した場合、ロボット100が通路1301からさらに外に移動することができるように、動作1212および1214が繰り返される。
【0131】
ロボット100が通路1301の外側にいるとコントローラ109が判断した場合、動作1218において、ロボット100は、第1の障害表面1300または第3の障害表面1304から離れるように転向させられる。ロボット100は、ロボット100がそれまでにそれに沿って進行していない障害表面の方向に転向させられ得る。例えば、ロボット100がそれまでに障害表面1312に沿って進行している場合、ロボット100は、障害表面1312から離れるように転向し、障害表面1314に沿って移動させられる。代替的に、ロボット100がそれまでに障害表面1314に沿って進行している場合、ロボット100は、障害表面1314から離れるように転向し、障害表面1314に沿って移動させられる。ロボット100は、動作808、810、812、814、816に関して説明されたのと同様の動作を行って、動作1218において、障害表面1312、1314に沿って移動して、それらに沿って掃除することができる。
【0132】
一部の実装形態において、第1の障害表面1300が第3の障害表面1304よりも長く、または第3の障害表面1304が第1の障害表面1300よりも長い。このような場合、ロボット100が、動作1212において、後方へ移動させられる際、ロボット100は、第1の障害表面1300と第3の障害表面1304との間の通路1301を脱出する可能性がある。このような状況では、右障害物追従センサと左障害物追従センサとの読み取り値間の差は、ロボット100が通路の中央部分1307と整合されていないことを示す可能性がある。コントローラ109が、それに従って、動作1208、1210、1212を繰り返し続け得る。一部の実装形態において、ロボット100がもはや通路1301内にない場合に、これらの動作を行うことを避けるために、コントローラ109は、障害物追従センサではなく近接センサ136aに基づいて、ロボット100が通路1301の外側にいると判断する。例えば、ロボット100は、近接センサ136aの光検出装置180から取り込まれた画像に基づき、第1および第3の障害表面、1300、1304のうちの1つが光検出装置180によってもはや検出可能ではないと判断することができる。コントローラ109が、それに従って、次に動作1218を行って、ロボット100を第1および第3の障害表面1300、1304のうちの1つから離れるように転向させることができる。
【0133】
追加の代替的な実装形態
代替的な実装形態を含むいくつかの実装形態が説明された。それでもなお、さらなる代替的な実装形態が可能であり、様々な修正が加えられる可能性があることが理解されるであろう。
【0134】
本明細書に記載のロボットは、1つ以上のコンピュータプログラム製品、例えば、1つ以上の非一時的機械可読媒体などの1つ以上の情報担体において有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラムを使用して、少なくとも部分的に制御され得、1つ以上のコンピュータプログラムは、1つ以上のデータ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、1台のコンピュータ、複数台のコンピュータ、および/またはプロブラマブルロジックコンポーネントによって実行されるか、またはそれらの動作を制御する。
【0135】
本明細書に記載のロボットおよび排出ステーションを制御することに関連した動作およびプロセスは、本明細書に記載の機能を果たすための1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって行われ得る。コンピュータプログラムは、コンパイル方式言語またはインタープリタ方式言語を含む、いずれのプログラミング言語形式においても書き込まれ得、スタンドアロンプログラムとして、またはコンピューティング環境における使用に好適なモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくは他のユニットとして、含むいずれの形式においても展開され得る。本明細書に記載のロボットおよび除去ステーションの全体または一部の制御は、特殊目的論理回路網、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を使用して実装され得る。
【0136】
本明細書に記載のコントローラ(例えば、コントローラ109)は、1つ以上のプロセッサを含み得る。コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサには、例として、汎用および特殊目的両方のマイクロプロセッサ、およびあらゆる種類のデジタルコンピュータのいずれか1つ以上のプロセッサが含まれる。通常、プロセッサは、読み取り専用記憶領域またはランダムアクセス記憶領域またはそれらの両方から、命令およびデータを受信することになる。コンピュータの要素には、命令を実行するための1つ以上のプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つ以上の記憶領域デバイスが含まれる。通常、コンピュータはまた、データを格納するためのマスPCBなどの1つ以上の機械可読記憶媒体、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、もしくは光ディスクを含むか、またはそれらからデータを受信するか、もしくはそれらにデータを転送するか、もしくはその両方を行うように動作可能に結合されることになる。コンピュータプログラム命令およびデータを具現化するのに好適な機械可読記憶媒体には、例として、半導体記憶領域デバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ記憶領域デバイスと、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMディスクおよびDVD-ROMディスクと、を含む、すべての形態の不揮発性記憶領域が含まれる。ロボット100のコントローラ109が、駆動システム110、およびロボット100の他のシステムを制御し、かつ本明細書に記載されるような他の動作を行うとして説明されているが、他の実装形態において、ロボット100の動作を制御するのに、リモートサーバ、または本明細書に記載の様々なコントローラの組み合わせが使用され得る。
【0137】
ロボット100は、単一側方ブラシ126を含むとして説明されているが、他の実装形態において、ロボット100は、側方表面150および側方表面152にそれぞれ近接するブラシを含み得る。ブラシは、角表面156、158をそれぞれ越えて延在し得る。ブラシ126は、回転可能であるとして説明されている。一部の実装形態において、ブラシ126は、静止ブラシである。
【0138】
ロボット100は、真空掃除ロボットであるとして説明されているが、一部の実装形態において、ロボット100は、モップ掛けロボットである。例えば、掃除組立体116は、掃除パッドの占有領域に相当する掃除領域を有する掃除パッドを含み得る。
【0139】
本明細書に記載の一部の実装形態において、側方表面150、152のうちの1つは、障害表面に近接するとして、または障害表面に沿って進むとして説明されている。他の実装形態において、側方表面150、152のうちのもう一方が、障害表面に近接するか、またはそれに沿って進み得る。
【0140】
一部の実装形態において、ロボット100は、本明細書に記載のものに加えて、追加の行動を行うように構成されている。例えば、ロボット100は、カバレッジ行動を行うことができ、そこでは、ロボット100は、部屋の内部40を進行する(図1に示す)。本明細書に記載の障害物追従プロセスは、ロボット100がカバレッジ行動を行った後に行われ得る。一部の実装形態において、ロボット100は、本明細書に記載のカバレッジ行動と障害物追従行動とを交互に行う。
【0141】
本明細書に記載の障害表面は、床表面10上の障害物または床表面10の上方の障害物、例えばぶら下がった障害物の一部とすることができる。障害表面は、壁面を含み得る。一部の実装形態において、本明細書に記載の複数の障害表面は、同じ障害物の一部、例えば、同じ連続壁の一部とすることができる。一部の実装形態において、本明細書に記載の複数の障害表面は、異なる障害表面の一部とすることができ、例えば、第1の障害表面は、第2の障害表面を形成する壁表面に寄り掛かった物体の一部とすることができる。
したがって、他の実装形態が、請求項の範囲内にある。
【符号の説明】
【0142】
10 床表面
14 障害物追従センサ
20 部屋
30 障害表面
40 内部
100 自律移動ロボット
105 塵屑
106 電気回路網
108 ロボットハウジング基盤
109 コントローラ
110 駆動システム
112 駆動輪
113 底部分
114 モータ
115 受動キャスタ輪
116 掃除組立体
117 口
118 回転式部材
119 真空組立体
120 モータ
121 後方部分
122 前方部分
126 単一側方ブラシ、ブラシ
128 モータ
134 クリフセンサ
136 近接センサ
138 バンパ
139 バンプセンサ
140 デバイス
141 障害物追従センサ
142 上面部分
144 メモリ記憶素子
145 吸引通路
146 平行水平軸
148 平行水平軸
150 障害表面、側方表面
152 側方表面
154 前方表面
156 角表面
158 角表面
160 表面
162 中心
164 中心
166 垂直平面
168 垂直平面
170 垂直平面
172 垂直平面
173 領域
174 掃除領域
176 掃除領域
180 光検出装置
182 光エミッタ
184 光エミッタ
400 プロセス
402 動作
404 動作
406 動作
408 動作
410 動作
500 障害表面
502 掃除経路
600 プロセス
602 動作
604 動作
606 動作
608 動作
610 動作
612 動作
614 動作
616 動作
700 第1の障害表面
702 第2の障害表面
704 水平軸
706 境界面
708 軌道
710 掃除経路
712 部分
800 プロセス
802 動作
804 動作
806 動作
808 動作
810 動作
812 動作
814 動作
816 動作
818 動作
900 第1の障害表面
902 第2の障害表面
904 境界面
906 部分
906 未進行部分
910 部分
1000 プロセス
1002 動作
1004 動作
1006 動作
1008 動作
1010 動作
1010 ロボット
1012 動作
1100 第1の障害表面
1101 通路
1102 第2の障害表面
1104 第3の障害表面
1108 動作
1200 プロセス
1202 動作
1204 動作
1206 動作
1208 動作
1210 動作
1212 動作
1214 動作
1216 動作
1218 動作
1300 第1の障害表面
1301 通路
1302 第2の障害表面
1304 第3の障害表面
1307 中央部分
1308 軌道
1310 長手方向軸
1312 障害表面
1314 障害表面
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13A
図13B
図13C