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特許7206221改善された熱挙動を有する照明アセンブリ及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】改善された熱挙動を有する照明アセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/70 20150101AFI20230110BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230110BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230110BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20230110BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230110BHJP
【FI】
F21V29/70
F21V29/503
H01L33/62
H01L33/64
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019570363
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-20
(86)【国際出願番号】 EP2018065616
(87)【国際公開番号】W WO2018234113
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】17177158.7
(32)【優先日】2017-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】スッタッサール,エマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】コナイン,フランス,フベルト
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-098212(JP,A)
【文献】特表2015-529393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0043294(US,A1)
【文献】特開2017-004773(JP,A)
【文献】特開2007-280714(JP,A)
【文献】特開2013-228423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00-99/00
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
H01L 33/00
33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の電気コンタクトを有する少なくとも1つの点状光源と、
前記少なくとも1つの点状光源の前記第1の電気コンタクト及び前記第2の電気コンタクトを電源に電気的に接続するためのメタル領域を有するリードフレームであり、前記メタル領域は、前記メタル領域を介して前記少なくとも1つの点状光源から熱を拡散させる、リードフレームと、
少なくとも前記リードフレームの頂面上に配置されたプラスチック層と、
を有し、
前記プラスチック層は、前記メタル領域の上に配置された開口部を有し、
各開口部が、導電材料で充填されたビアであり、
前記少なくとも1つの点状光源は、前記リードフレームに面しない側の前記プラスチック層の第1の表面上に配置され、且つ、前記少なくとも1つの点状光源は、前記ビアによって前記リードフレームの前記メタル領域と電気的に接触しており、
前記プラスチック層の前記第1の表面上の追加コンポーネントを前記リードフレームから分離して電気的に接続することができるように、1つ以上の導電トレースが、前記リードフレームの前記メタル領域から電気的に絶縁されて、前記プラスチック層の前記第1の表面上に設けられている、
照明アセンブリ。
【請求項2】
点状光源が前記リードフレームの頂面上に直に接続される場合の熱拡散と比較して熱拡散を減少させないように、前記ビアの材料、形状及びサイズが適応されている、請求項1に記載の照明アセンブリ。
【請求項3】
前記プラスチック層は、絶縁層としてのプラスチック材料で前記リードフレームをオーバーモールドすることによって、前記リードフレームの頂面上に設けられている、請求項1又は2に記載の照明アセンブリ。
【請求項4】
前記プラスチック層の前記第1の表面上の前記導電トレースは、MID(成形相互接続デバイス)技術を用いることによって設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明アセンブリ。
【請求項5】
1つ以上の、請求項1に記載された照明アセンブリと、該1つ以上の照明アセンブリを駆動するように該照明アセンブリに接続された少なくとも1つのドライバと、を有する照明装置。
【請求項6】
明アセンブリを製造する方法であって、
なくとも1つの点状光源を電源に電気的に接続するためのメタル領域を有するリードフレームを用意し、前記メタル領域は、前記メタル領域を介して前記少なくとも1つの点状光源から熱を拡散させるものであり、
少なくとも前記リードフレームの頂面上にプラスチック層を配設し、当該配設することは、前記プラスチック層の第1の表面から前記リードフレームを電気的に絶縁するように行われ、前記第1の表面は、前記リードフレームに面しない側であり、
記プラスチック層に開口部を設け、各開口部が、導電材料で充填されたビアであり、
前記プラスチック層の前記第1の表面上に前記少なくとも1つの点状光源を配設し、且つ前記少なくとも1つの点状光源の第1及び第2の電気コンタクトを前記ビアによって前記リードフレームの前記メタル領域に電気的に接続し、
前記リードフレームに面しない側の前記プラスチック層の前記第1の表面上に導電トレースを設け、そして、
前記リードフレームの前記メタル領域から電気的に絶縁された前記プラスチック層の前記第1の表面上の前記導電トレースに、少なくとも1つの追加コンポーネントを接続する、
工程を有する方法。
【請求項7】
前記リードフレームの頂面上に前記プラスチック層を配設する工程は、前記プラスチック層としてのプラスチック材料で前記リードフレームをオーバーモールドすることによって行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチック層の前記第1の表面上に前記導電トレースを設ける工程は、
前記プラスチック層の前記第1の表面を導電層で覆い、
導電トレースが置かれないところで、前記導電層を部分的に除去する、
工程を有する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
存在している前記導電材料の頂面上に更なる導電材料を成長させて、より厚い導電トレースを形成する工程、を更に有する請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された熱挙動を有する照明アセンブリ、そのような照明アセンブリを有する照明装置、及びそのような照明アセンブリを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点状光源の例としての発光デバイス(LED)は、より低いエネルギー消費、より長い寿命、向上された物理的堅牢さ、より小さいサイズ、及びより速いスイッチングを含め、白熱光源に対する数多くの利点を有する。LEDは、航空照明、自動車、広告、一般照明、交通信号、カメラフラッシュ、ライト付き壁紙など、多様な用途に使用されている。例えばLEDを有する照明装置にもっと多くの機能を提供するために、同一のLEDパッケージ上に追加の電気コンポーネントが配置され、それら追加のコンポーネントを電源に接続するために別個の追加の導電トレースを必要とする。LEDパッケージを同じサイズに保つ場合、それらのトレースが貴重なメタル領域を占有することになり、そのメタル領域はもはや、LEDから熱を拡散させるために使用されることができない。LEDの熱マネジメントは、LEDから熱を拡散させるために、この利用可能なメタル領域に大きく頼っている。
【0003】
LEDと追加のコンポーネントとを有する照明アセンブリを取り扱うとき、いわゆる成形相互接続デバイス(molded interconnect device;MID)技術を用いて、追加のコンポーネント及びLEDを同一のリードフレーム上に別々に接続するための構造配線を有する基板を提供することができる。MID技術では、プラスチック基板が薄いメタル層でめっきされ、該メタル層が、導電トレースが所望されない箇所で基板から除去される。LEDを含む照明アセンブリの全てのコンポーネントとのコンタクトを取るために、残存した導電トレースが使用され得る。MIDで用意される基板の欠点は、使用されるプラスチックの非常に低い熱伝導率が、それを、高出力LEDには使い物にならないものにすることである。
【0004】
所望される小型の照明アセンブリが多数のコンポーネントを担持する場合、多層基板を用いて、より多くの機能的誘電体層を追加することで、非常に限られた体積内で導電トレースの複雑なルーティングを提供することがある。多層基板の深刻な欠点は、その劣悪な熱性能であり、これは、誘電体材料の追加の層ごとに更に悪化する。
【0005】
(1つ以上の)LEDからの低い又は中程度の熱拡散のみを提供する照明アセンブリは、低出力LEDの適用のみを可能にし、及び/又は使用されるLEDの寿命の短縮につながる。
【0006】
従って、高い放射照度のLEDを長い寿命で動作させることができるよう、使用されるLEDから熱を拡散させるための改善された熱マネジメントを有する照明アセンブリに対するニーズが存在する。さらに、その照明アセンブリを低い労力で製造できることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの目的は、改善された熱挙動を提供するとともに低い生産労力で製造されることも可能な点状光源用の照明アセンブリを提供することである。
【0008】
本発明は、独立請求項によって規定される。従属請求項は有利な実施形態を規定する。
【0009】
第1の態様によれば、照明アセンブリが提供される。照明アセンブリは、第1及び第2の電気コンタクトを有する少なくとも1つの点状光源と、前記少なくとも1つの点状光源の少なくとも第1の電気コンタクトを電源に電気的に接続するとともに当該メタル領域を介して前記少なくとも1つの点状光源から熱を拡散させるのに好適なメタル領域を有するリードフレームと、少なくともリードフレームの頂面上に配置された好適形状のプラスチック層とを有し、リードフレームに面しない側のプラスチック層の表面上に、1つ以上の導電トレースが、プラスチック層上の当該導電トレースをリードフレームのメタル領域から電気的に絶縁するように設けられることで、プラスチック層の頂面上の追加コンポーネントをリードフレームから分離して電気的に接続することができるように、又は、前記少なくとも1つの点状光源の第2の電気コンタクトを、電源に接続される当該導電トレースのうち1つと接続することができるようにされる。一実施形態において、プラスチック層は、リードフレームを囲むように構成され得る。
【0010】
用語“点状光源”は、小さい発光面積(又は体積)を持つ任意の光源を指す。このような点状光源は、例えば量子井戸又は量子ドットといった、LED又は半導体レーザとし得る。照明アセンブリは、例えばLEDアレイといった、点状光源のアレイを有していてもよい。点状光源のアレイは、複数の列及び複数の行をなす点状光源を有し得る。行及び/又は列の中に配置される点状光源の数は、照明アセンブリの具体的な用途に依存する。点状光源の裏面は、少なくとも第1の電気コンタクトを有する。一実施形態において、第2の電気コンタクトも、点状光源の裏面にも配置される。他の一実施形態において、第2の電気コンタクトは、裏面ではない点状光源の他の面に配置される。ここで、第2の電気コンタクトは、点状光源の前面(裏面の反対側)に配置されてもよい。少なくとも第1の電気コンタクトは、(例えば、直接的にリードフレーム上で、又はビア上で)リードフレームに接触させられるように適応され、裏面は、点状光源を電気接続するための別々のコンタクトパッドを提供する構造にされてもよい。LEDは、典型的に、小さくて(1mm未満)、例えばIR波長から可視波長及び紫外波長にわたって非常に高い輝度で利用可能な、ソリッドステート光源である。LEDは、より低いエネルギー消費、より長い寿命、向上された物理的堅牢性、より小さいサイズ、及びより速いスイッチングを含め、白熱光源に対する数多くの利点を有する。
【0011】
用語“リードフレーム”は、例えばチップパッケージといった基板の上又は内部に設けられて、それに接続された特定の接続コンポーネント(ここでは点状光源)から外部に信号を搬送するメタル構造(又はメタル領域)を指す。接続コンポーネントは、リードフレームに接着又ははんだ付けされ得る。メタル構造は、ここでは点状光源である接続コンポーネントと電源との間の導電路を構築するのに好適であるとともに、点状光源の温度を、望まれる閾値未満まで点状光源の寿命を短縮させることのない温度範囲内に維持するために、点状光源から環境へと熱を拡散させるのに好適である形状にされる。熱拡散を改善するために、メタル領域は好ましくは、熱を環境に伝達するための大きい表面を提供する大きい領域として整形される。熱拡散のために利用可能なメタル領域を最大化するために、好ましくは、点状光源を除くそれ以外のコンポーネントはリードフレームに接続されない。好適な材料は銅である。メタル領域のサイズ及び厚さは、コストと製品寸法との間のトレードオフである。
【0012】
追加の電気作動コンポーネントは、点状光源ではない任意の更なるコンポーネントを指す。追加コンポーネントは、NTC、TVS、抵抗器、IC、FETなどとし得る。これら追加コンポーネントに必要な電力は、リードフレームの一部ではなくて、その代わりに、リードフレームと導電トレース及び追加コンポーネントとの間に配置されたプラスチック層の頂面上に設けられた、別個の導電トレースを介して供給される。プラスチック層は、追加コンポーネントを接続する導電トレースと追加コンポーネントとをリードフレームから電気絶縁するのに好適な形状にされる。プラスチック層の材料は、少なくとも30μmの厚さを有した、エポキシ、PPA、LCP、PA、又は他の好適な非導電性材料とし得る。リードフレームに面しない側のプラスチック層の第1の表面上に設けられる導電トレースは、上記追加コンポーネントとドライバ又は電源のような外部コンポーネントとの間に十分な電気的接触を提供するのに好適な任意の材料とし得る。好ましくは、導電トレースは、例えば銅といった金属で作製される。
【0013】
本発明は、リードフレームが、点状光源に電力を供給するための導電路を主に含むので、点状光源からの熱拡散を向上させる。従って、他のトレースが貴重なメタル領域を占有することになって、そのメタル領域がもはや、例えばLEDである点状光源から熱を拡散させることに使用されることができない、ということが殆どない。この照明アセンブリの熱マネジメントは、リードフレームの利用可能なメタル領域のほぼ全てを、点状光源から熱を拡散させて熱を伝え去るために利用することができる。さらに、リードフレームが、多層基板の内部に配置されるのではなく、リードフレームと、プラスチック層と、該プラスチック層の頂面上に設けられた追加の導電トレースとのスタックの裏面に配置され、故に、多層基板の劣悪な熱性能を回避する。この目的に関して、点状光源の第2の電気コンタクトが、リードフレームに接続されるのか、それともプラスチック層の頂面上の導電トレースに接続されるのかは、何の影響もない。また、追加コンポーネントを供給する場合にプラスチック層の頂面上に設けられる導電トレースは、点状光源からの熱を拡散させる必要はない。何故なら、リードフレームが、この伝達を、リードフレームのメタル領域を介して十分に行うことができるからである。従って、例えばMID技術によって用意されるといった導電トレースの非常に乏しい熱伝導率の欠点が、点状光源の熱マネジメントを害することはない。
【0014】
従って、この照明アセンブリは、改善された熱挙動を提供するとともに、低い生産労力で製造されることができる。また、この改善された熱マネジメントは、高い放射照度の点状光源(例えば、高出力LED)を有するこのような照明アセンブリを長い寿命で動作させることを可能にする。
【0015】
照明アセンブリは、前記少なくとも1つの点状光源の少なくとも第1の電気コンタクトをリードフレームに接続することを可能にするために、プラスチック層が、前記少なくとも1つの点状光源が配置されることになる好適な位置に少なくとも1つの開口部を有するように構成され得る。開口部は、リードフレーム上に単純に点状光源を配置することで、少なくとも第1の電気コンタクトについてのリードフレームへの電気的接触を確立するための、リードフレームのメタル領域の一部へのアクセスを提供する。開口部は、容易に接触することを可能にする。
【0016】
照明アセンブリは、前記少なくとも1つの光源の第1及び/又は第2の電気コンタクトに接触する好適数のはんだパッドをリードフレームが有し、前記少なくとも1つの開口がはんだパッドの上に配置されるように構成され得る。はんだパッドは、はんだ付けプロセスを適用するのに十分な大きさのフリーアクセス可能なメタル領域である。
【0017】
照明アセンブリは、前記少なくとも1つの開口部が、導電材料で少なくとも部分的に充填されたビアであるように、そして、プラスチック層の頂面上に配置される前記少なくとも1つの点状光源の第1の電気コンタクトが該ビアによってリードフレームと電気的に接触するように構成され得る。また、凹部によって、点状光源を配置することをガイドすることができるとともに、例えばはんだ付けプロセスといったコンタクトプロセス中の点状光源の位置を安定させることができる。
【0018】
用語“ビア”は、電子回路内のレイヤ間の電気接続である縦方向の相互接続アクセスを指す。点状光源から遠ざかる方向への熱伝導率を低下させないために、ビアは、照明アセンブリの具体的な用途に応じた十分に大きい断面を備える。ビアの使用は、多少なりとも構造化されていないプラスチック層をリードフレームの頂面上に設けることを可能にし、それが、プラスチック層の製造プロセスをいっそう容易にする。
【0019】
照明アセンブリは、点状光源がリードフレームの頂面上に直に接続される場合の熱拡散と比較して熱拡散を減少させないように、ビアの材料、形状及びサイズが適応されるように構成され得る。ビア内の導電材料が、リードフレームに使用される導電材料と比較して高い熱伝導率を持ち、且つ/或いはビアの断面が、熱拡散を減少させない十分な大きさ(好適な形状及びサイズ)であるとし得る。
【0020】
照明アセンブリは、絶縁層としてのプラスチック材料でリードフレームをオーバーモールドすることによってプラスチック層がリードフレームの頂面上に設けられるように構成され得る。ここでは、プラスチック層は、後にリードフレームに取り付けられるプラスチック層を製造及び用意するための別個の製造工程を必要とせずに、リードフレーム上に直接的に設けられることができる。特に、オーバーモールドは、プラスチック層に正しい形状及びサイズを与えるための追加の後方支援及び製造工程を回避する。さらに、リードフレームとプラスチック層との間の確実な接続が確立される。
【0021】
照明アセンブリは、プラスチック層の第1の表面上の導電トレースがMID技術を用いることによって設けられるように構成され得る。MID技術は、プラスチック層の第1の表面を導電層で少なくとも部分的に覆うこと、及びしばしばそれに続いて、導電トレースが配置されないところで導電層を部分的に除去して、残存する導電トレースを提供するようにすることを有する。最終的に、導電トレースは、存在している導電材料の頂面上に更なる導電材料を成長させることによって厚化される。より厚い導電トレースは、より安定であるとともに、より良好な導電率を提供する。
【0022】
第2の態様によれば、照明装置が提供される。照明装置は、本発明に従った1つ以上の照明アセンブリと、該1つ以上の照明アセンブリを駆動するように該照明アセンブリに接続された少なくとも1つのドライバとを有する。ドライバは、照明アセンブリ、特に、点状光源及び追加コンポーネントを動作させるのに使用される。最終的に、点状光源から放射される光の光路内に更なる光学素子が配置される。用語“光学素子”は、その素子を通る光に作用する任意の素子を指す。光学素子は、所望なように光に作用して、当該光学素子を通る光ビームの部分を屈折、回折、反射又は遮断させるのに好適な形状にされた、少なくとも部分的に透明な塊(ボディ)である。光学素子としてのコリメータは、光ビームを特定の方向に狭めて、例えば、コリメータまで又はコリメータを有する光学素子まで焦点距離を有する焦点に光ビームを集光する。従って、この照明装置は、改善された熱挙動を有する1つ以上の照明アセンブリを有し、低い生産労力で製造されることができる。また、改善された熱マネジメントが、高い放射照度の点状光源(例えば、高出力LED)を有するこのような照明装置を長い寿命で動作させることを可能にする。
【0023】
第3の態様によれば、第1及び第2の電気コンタクトを有する本発明に従った少なくとも1つの点状光源を有する照明アセンブリを製造する方法が提供される。当該方法は、
前記少なくとも1つの点状光源を電源に電気的に接続するとともに当該メタル領域を介して前記少なくとも1つの点状光源から熱を拡散させるのに好適なメタル領域を有するリードフレームを用意する工程と、
リードフレームを当該プラスチック層の第1の表面から電気的に絶縁するように、少なくともリードフレームの頂面上に好適形状のプラスチック層を配設する工程と、
リードフレームに面しない側のプラスチック層の第1の表面上に導電トレースを設ける工程と、
前記少なくとも1つの点状光源の少なくとも第1の電気コンタクトをリードフレームに接続する工程と、
プラスチック層の第1の表面上の導電トレースに、リードフレームから分離して、少なくとも1つの追加コンポーネントを接続する、及び/又は前記少なくとも1つの点状光源の第2の電気コンタクトを、電源に接続される導電トレースのうち1つと接続する工程と、を有する。
【0024】
従って、この方法は、改善された熱挙動を有する照明アセンブリを提供するとともに、軽減された労力で照明アセンブリを製造するやり方を提供する。また、改善された熱マネジメントが、高い放射照度の点状光源(例えば、高出力LED)を有するこのような照明アセンブリを長い寿命で動作させることを可能にする。
【0025】
この方法は、少なくとも第1の電気コンタクトをリードフレームに接続するように前記少なくとも1つの点状光源が配置される好適な位置において、プラスチック層に少なくとも1つの開口部を設ける工程を更に有するように構成され得る。一例として、点状光源は、リードフレーム上にはんだ付けされ得る。
【0026】
この方法は、前記開口部が凹部又はビアとして設けられるように構成され得る。
【0027】
この方法は、リードフレームの頂面上にプラスチック層を配設する工程が、プラスチック層としてのプラスチック材料でリードフレームをオーバーモールドすることによって行われるように構成され得る。ここでは、プラスチック層は、後にリードフレームに取り付けられるプラスチック層を製造及び用意するための別個の製造工程を必要とせずに、リードフレーム上に直接的に設けられることができる。特に、オーバーモールドは、プラスチック層に正しい形状及びサイズを与えるための追加の後方支援及び製造工程を回避する。さらに、リードフレームとプラスチック層との間の確実な接続が確立される。
【0028】
この方法は、プラスチック層の第1の表面上に導電トレースを設ける工程が、
プラスチック層の第1の表面を導電層で覆う工程と、
導電トレースが置かれないところで、導電層を部分的に除去する工程と、
を有するように構成され得る。
【0029】
この方法は、存在している導電材料の頂面上に更なる導電材料を成長させて、より厚い導電トレースを形成する工程、を更に有するように構成され得る。従って、MID技術を適用して、追加コンポーネントに動作電力を供給するための構造化された導電トレースを設けることができる。
【0030】
理解されるべきことには、それぞれの独立請求項との従属請求項の如何なる組み合わせも本発明の一好適実施形態とすることができる。
【0031】
更なる有利な実施形態が以下に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のこれら及びその他の態様が、以下に記載される実施形態を参照して明らかになる。
【0033】
ここに、添付の図面を参照して、実施形態に基づいて、例として、本発明を説明する。図面は以下を示す。
図1】本発明に従った照明アセンブリの一実施形態の原理図を、(a)点状光源なしでの斜視上面図、(b)斜視背面図、及び(c)凹部内の点状光源及び追加コンポーネントを取り付けての上面図にて示している。
図2】点状光源がビアによってリードフレームに接続される、本発明に従った照明アセンブリの他の一実施形態を側面図にて示している。
図3】照明アセンブリとドライバとを有する本発明に従った照明装置の原理図を示している。
図4】プラスチック層の頂面上の導電トレースに第2の電気コンタクトが接続される、本発明に従った照明アセンブリの他の一実施形態の原理図を、(a)点状光源なしでの斜視上面図、(b)斜視背面図、及び(c)凹部内に点状光源を取り付けての上面図にて示している。
図5】本発明に従った照明アセンブリを製造する方法の一実施形態を示している。
【0034】
図面においては、全体を通して、似通った参照符号が同様のオブジェクトを表す。図中のオブジェクトは必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の様々な実施形態を図面により説明する。
【0036】
図1は、本発明に従った照明アセンブリの一実施形態の原理図を、(a)点状光源なしでの斜視上面図、(b)斜視背面図、及び(c)凹部内の点状光源及び追加コンポーネントを取り付けての上面図にて示している。照明アセンブリ1は、メタル領域31、32を有するリードフレーム3を有しており、メタル領域31、32は、点状光源2(図1(c)参照)を電源(ここでは図示せず)に接続するために点状光源2をリードフレームに電気接続するとともに、接続された点状光源2からメタル領域31を介して熱を拡散させるのに好適なものである(メタル領域31は、この目的のために、照明アセンブリ1の背面側で覆われていない(図1(b)参照))。リードフレーム(特に、リードフレームのメタル領域31)の熱拡散機能を阻害することなく1つ以上の追加の電気作動コンポーネント4を有するようにするために、リードフレーム3とそれら少なくとも1つの追加コンポーネント4との間に、リードフレーム3を追加コンポーネント4から電気絶縁するように、好適形状にされたプラスチック層5が配置される。ここで、プラスチック層5は、リードフレーム3の頂面上に、又はリードフレーム3を囲んで配置され得る。この分離は、点状光源2から熱を拡散させるために使用可能なリードフレーム3の領域を占有することなく、リードフレーム3に面しない側のプラスチック層5の第1の表面51上に設けられた導電トレース6を介して、追加コンポーネント4に電力を供給することを可能にする。プラスチック層5の反対側の表面52(下面52)が、リードフレーム3の第1の表面に面することができ、又はこの実施形態において、メタル領域31(図1(b)参照)の傍らで照明アセンブリ1の背面の一部であることができる。図1(a)及び(c)に示すように、プラスチック層5は、1つの開口部53を有しており、そこに点状光源2を配置することで、点状光源2をリードフレーム3に接続することができる。ここでは、点状光源2をリードフレームにはんだ付けするために、はんだパッド32としての好適なメタル領域が開口部53の領域内に延在している。この実施形態では、開口部53は凹部(リセス)53a(図1(a))として設けられており、凹部53aの内側に点状光源2が配置されている(図1(c))。一例として、プラスチック層5は、プラスチック層5として好適な電気絶縁性のプラスチック材料でリードフレーム3をオーバーモールドすることによって、リードフレーム3の頂面上に設けられる。プラスチック層5の第1の表面51上の導電トレース6は、MID技術を用いることによって設けられ得る。これら導電トレース6の材料は銅とし得る。
【0037】
図2は、点状光源2がビア53bによってリードフレーム3に接続される、本発明に従った照明アセンブリ1の他の一実施形態を側面図にて示している。ここでは、開口部53が、導電材料で少なくとも部分的に充填されたビア53bとして使用されており、点状光源2が、ビア53bによってリードフレーム3に電気的に接触して、プラスチック層5の頂面上に配置されている。ここでは、点状光源2がリードフレーム3の頂面上に直に接続する場合の熱拡散と比較して熱拡散を減少させないように、ビア53bの材料、形状及びサイズが適応される。ビア53bの導電材料は、図1(a)に示した各はんだパッド32の上の容積を完全に充たす。
【0038】
図3は、2つの照明アセンブリ1とドライバ7とを有する本発明に従った照明装置の原理図を示している。ドライバ7は、2つの照明アセンブリ1を駆動するように照明アセンブリ1に接続される。この接続は、各照明アセンブリ1のリードフレーム3とドライバ回路とに取り付けられるワイヤによって確立され得る。
【0039】
図4は、プラスチック層5の頂面上の導電トレース6に第2の電気コンタクト22が接続される、本発明に従った照明アセンブリ1の他の一実施形態の原理図を、(a)点状光源2なしでの斜視上面図、(b)斜視背面図、及び(c)凹部53a内に点状光源2を取り付けての上面図にて示している。図4(a)及び(b)については、図1(a)及び(b)の説明を参照する。図4(c)では、凹部53aを定める開口部53の中に2つの点状光源2が配置されている。ここでは、開口部53内の2つのはんだパッド32が各々1つの点状光源2を担持し、点状光源2の各々の第1の電気コンタクト21(ここでは図示せず)が、はんだ付けによってリードフレーム3のメタル領域(はんだパッド)に電気的に接続される。両方の点状光源2を動作させるために、点状光源2の各々の第2の電気コンタクト22が、ワイヤによって導電トレース6のうち1つに接続されて確立され、これら導電トレース6が各々、点状光源2の第1の電気コンタクト21(特には図示せず)にも接続される電源に接続される。
【0040】
図5は、第1及び第2の電気コンタクト21、22を有した少なくとも1つの点状光源2を有する本発明に従った照明アセンブリ1を製造する方法の一実施形態を示している。この方法は、少なくとも1つの点状光源2を電源に電気的に接続するとともに、メタル領域31を介して前記少なくとも1つの点状光源2から熱を拡散させるのに好適なメタル領域31を有するリードフレーム3を用意する工程110と、プラスチック層5の頂面上に配置される電気作動の追加コンポーネント4からリードフレーム3を電気的に絶縁するために、リードフレーム3の頂面上に好適形状のプラスチック層5を配設する工程120とを有し、前記少なくとも1つの点状光源2が配置されるところの好適な位置において、前記少なくとも1つの点状光源2をリードフレーム3に好ましくははんだ付けによって接続することを可能にするために、プラスチック層5に少なくとも1つの開口部53が設けられる(工程125)。これらの工程に続いて、リードフレーム3に面しない側のプラスチック層5の第1の表面51上に導電トレース6を設ける工程130と、前記少なくとも1つの点状光源2の少なくとも第1の電気コンタクト21をリードフレーム3に接続する工程140と、少なくとも1つの追加コンポーネント4を、リードフレーム3から分離して、プラスチック層5の第1の表面51上の導電トレース6に接続し且つ/或いは前記少なくとも1つの点状光源2の第2の電気コンタクト22を、電源に接続される導電トレース6のうち1つと接続する工程150とが行われる。開口部53は、凹部53a又はビア53bとして設けられ得る。リードフレーム3の頂面上にプラスチック層5を配設する工程120は、プラスチック層5としてのプラスチック材料でリードフレーム3をオーバーモールドすることによって行われ得る。プラスチック層5の第1の表面51上に導電トレース6を設ける工程130は、プラスチック層5の第1の表面51を導電層54で覆う工程132と、導電トレース6が置かれないところで導電層54を部分的に除去する工程134とを有するMID技術によって実行され得る。除去工程134は、先に設けられた導電層54の不所望部分のレーザアブレーションによって実行され得る。好ましくは、設ける工程130は更に、より厚い導電トレース6を形成するために、存在している導電層54の頂面上に更なる導電材料55を成長させる工程136を有する。この材料は、導電トレースとしての第1の薄い銅層のいわゆる無電解めっきによって成長されることができ、例えば、更なる成長のために同じプロセスを使用することができ、あるいは、更なる成長のために、より速いプロセスであるとともにより良好な表面領域を与えるものである電気めっきを使用することができる。
【0041】
図面及び以上の記載にて本発明を詳細に図示して説明してきたが、これらの図示及び説明は、限定的なものではなく、例示的あるいは典型的なものとみなされるべきである。
【0042】
本開示を読むことにより、その他の変更が当業者に明らかになる。それらの変更は、技術的に既知であり且つここで既に述べた特徴に代えて又は加えて使用され得るような、その他の特徴を含んでいてもよい。
【0043】
開示の実施形態への変形が、図面、本開示及び添付の請求項の検討から、当業者によって理解されて実現され得る。請求項において、用語“有する”はその他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は複数の要素又はステップを排除するものではない。特定の複数の手段が相互に異なる従属項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組合せが有利に使用され得ないということを指し示すものではない。
【0044】
請求項中の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものとして解されるべきでない。
【符号の説明】
【0045】
1 本発明に従った照明アセンブリ
2 点状光源、例えばLED
21 点状光源の第1の電気コンタクト
22 点状光源の第2の電気コンタクト
3 リードフレーム
31 リードフレームのメタル領域
32 はんだパッド
4 追加の電気作動コンポーネント
5 プラスチック層
51 プラスチック層の第1の表面
52 プラスチック層の下面(リードフレーム側に面する)
53 プラスチック層内の開口部
53a 凹部(リセス)としての開口部
53b ビアとしての開口部
54 プラスチック層の頂面上の導電層
55 導電材料54の頂面上に成長される更なる導電材料
6 導電トレース
7 ドライバ
10 本発明に従った照明装置
100 本発明に従った照明アセンブリを製造する方法
110 リードフレームを用意する
120 リードフレームの頂面上に好適形状のプラスチック層を設ける
125 プラスチック層に少なくとも1つの開口部を設ける
130 プラスチック層の第1の表面上に導電トレースを設ける
132 プラスチック層の第1の表面を導電層で覆う
134 導電トレースが置かれないところで導電層を部分的に除去する
136 存在している導電材料の頂面上に更なる導電材料を成長させる
140 上記少なくとも1つの点状光源をリードフレームに接続する
150 1つ以上の追加コンポーネントを導電トレースに接続し、且つ/或いは上記少なくとも1つの点状光源の第2の電気コンタクトを、電源に接続される導電トレースのうち1つに接続する
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図4(c)】
図5