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特許7206229待ち時間推定装置、待ち時間推定システム、待ち時間推定方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】待ち時間推定装置、待ち時間推定システム、待ち時間推定方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230110BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020022657
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021128536
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】神谷 尚保
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-025165(JP,A)
【文献】特開2011-203244(JP,A)
【文献】特開2012-098944(JP,A)
【文献】特開平11-175694(JP,A)
【文献】特開2010-176225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定部と、
前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を格納する行列人数格納部と、
前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する行列待ち時間格納部と、
を備える待ち時間推定装置。
【請求項2】
前記撮像画像に写っている飲食物が飲食前の飲食物であるか否かを判断する飲食物画像解析部をさらに備え、
前記待ち時間推定部は、飲食前の飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻を使用して前記待ち時間の推定を行う、
請求項1に記載の待ち時間推定装置。
【請求項3】
前記行列人数に対応する前記待ち時間を通知する待ち時間通知部をさらに備える、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項4】
前記待ち時間通知部は、過去の前記行列人数の蓄積データに基づいて未来の特定の時刻における前記行列人数を予測し、予測された前記行列人数に対応する前記待ち時間を通知する、
請求項3に記載の待ち時間推定装置。
【請求項5】
前記移動端末の位置を示す位置情報の履歴を格納する位置情報格納部と、
前記特定の飲食店の位置が示される地図情報を格納する地図情報格納部と、
前記位置情報の履歴と、前記地図情報で示される前記特定の飲食店の位置とに基づいて、前記移動端末が前記特定の飲食店に到着した前記到着時刻を推定する到着時刻推定部と、
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項6】
前記移動端末の位置を示す位置情報の履歴を格納する位置情報格納部をさらに備え、
前記行列人数格納部は、前記位置情報の履歴に基づいて前記特定の飲食店に滞在している移動端末を判断し、前記特定の飲食店に滞在していると判断された移動端末を対象にして前記位置情報の履歴が入店待ちの傾向を示す移動端末の数を計数し、この計数値を当該特定の飲食店に入店待ちの行列人数に推定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項7】
前記行列人数格納部は、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像に基づいて推定された前記行列人数を格納する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項8】
映像収集装置に格納される映像ファイルの撮像時刻及び撮像位置を示すメタ情報を、当該映像収集装置を識別する映像収集装置識別情報に関連付けて格納するメタ情報格納部と、
前記到着時刻と前記特定の飲食店の位置とに該当する前記メタ情報に基づいて、前記映像収集装置から映像ファイルを取得する映像取得部と、
前記映像収集装置から取得された映像から画像処理により人物画像を抽出し、抽出した人物画像から行列人数を推定する人物画像解析部と、
をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項9】
前記行列待ち時間格納部は、さらに、前記特定の飲食店に入店待ちの行列の進み具合いと前記待ち時間との対応関係を示す行列進み具合待ち時間情報を格納する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項10】
前記行列待ち時間格納部は、曜日と時間帯とのうち少なくとも一方の情報を含めて前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の待ち時間推定装置と、
各移動端末の位置及び当該位置での時刻を示す位置情報を前記待ち時間推定装置に提供する移動端末群と、
映像ファイルを前記待ち時間推定装置に提供する映像収集装置と、
特定の飲食店の待ち時間を前記待ち時間推定装置に問い合わせる待ち時間問合せ装置と、
を備える待ち時間推定システム。
【請求項12】
待ち時間推定装置が、移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定ステップと、
前記待ち時間推定装置が、前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を行列人数格納部に格納する行列人数格納ステップと、
前記待ち時間推定装置が、前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を行列待ち時間格納部に格納する行列待ち時間格納ステップと、
を含む待ち時間推定方法。
【請求項13】
コンピュータに、
移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定ステップと、
前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を行列人数格納部に格納する行列人数格納ステップと、
前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を行列待ち時間格納部に格納する行列待ち時間格納ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、待ち時間推定装置、待ち時間推定システム、待ち時間推定方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の待ち行列を検出したり、人の待ち行列における待ち時間を推定したりする技術として、例えば特許文献1,2が知られている。特許文献1に記載の従来技術では、人の待ち行列を撮像した画像から人物画像を抽出し、抽出された人物画像から人数を計測し、人物画像から特定の人物を抽出して追跡し、計測した人数と特定人物が一定距離移動する移動時間とから待ち時間を算出している。特許文献2に記載の従来技術では、車両に搭載する撮像部により取得した画像に複数の人物が含まれるかを検出し、その複数の人物の位置関係を解析することにより行列であるか否かを認識している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-175694号公報
【文献】特開2018-81052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術によれば、飲食店に入店待ちの人の待ち行列を検出したり、その待ち行列における入店までの待ち時間を推定したりすることはできる。しかしながら、飲食店に入店した利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定することまではできない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、利用客が飲食店に到着してから当該飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定部と、前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を格納する行列人数格納部と、前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する行列待ち時間格納部と、を備える待ち時間推定装置である。
(2)本発明の一態様は、前記撮像画像に写っている飲食物が飲食前の飲食物であるか否かを判断する飲食物画像解析部をさらに備え、前記待ち時間推定部は、飲食前の飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻を使用して前記待ち時間の推定を行う、上記(1)の待ち時間推定装置である。
(3)本発明の一態様は、前記行列人数に対応する前記待ち時間を通知する待ち時間通知部をさらに備える、上記(1)又は(2)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(4)本発明の一態様は、前記待ち時間通知部は、過去の前記行列人数の蓄積データに基づいて未来の特定の時刻における前記行列人数を予測し、予測された前記行列人数に対応する前記待ち時間を通知する、上記(3)の待ち時間推定装置である。
(5)本発明の一態様は、前記移動端末の位置を示す位置情報の履歴を格納する位置情報格納部と、前記特定の飲食店の位置が示される地図情報を格納する地図情報格納部と、前記位置情報の履歴と、前記地図情報で示される前記特定の飲食店の位置とに基づいて、前記移動端末が前記特定の飲食店に到着した前記到着時刻を推定する到着時刻推定部と、をさらに備える上記(1)から(4)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(6)本発明の一態様は、前記移動端末の位置を示す位置情報の履歴を格納する位置情報格納部をさらに備え、前記行列人数格納部は、前記位置情報の履歴に基づいて前記特定の飲食店に滞在している移動端末を判断し、前記特定の飲食店に滞在していると判断された移動端末を対象にして前記位置情報の履歴が入店待ちの傾向を示す移動端末の数を計数し、この計数値を当該特定の飲食店に入店待ちの行列人数に推定する、上記(1)から(4)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(7)本発明の一態様は、前記行列人数格納部は、車両に搭載された撮像装置で撮像された映像に基づいて推定された前記行列人数を格納する、上記(1)から(4)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(8)本発明の一態様は、映像収集装置に格納される映像ファイルの撮像時刻及び撮像位置を示すメタ情報を、当該映像収集装置を識別する映像収集装置識別情報に関連付けて格納するメタ情報格納部と、前記到着時刻と前記特定の飲食店の位置とに該当する前記メタ情報に基づいて、前記映像収集装置から映像ファイルを取得する映像取得部と、前記映像収集装置から取得された映像から画像処理により人物画像を抽出し、抽出した人物画像から行列人数を推定する人物画像解析部と、をさらに備える上記(1)から(4)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(9)本発明の一態様は、前記行列待ち時間格納部は、さらに、前記特定の飲食店に入店待ちの行列の進み具合いと前記待ち時間との対応関係を示す行列進み具合待ち時間情報を格納する、上記(1)から(8)のいずれかの待ち時間推定装置である。
(10)本発明の一態様は、前記行列待ち時間格納部は、曜日と時間帯とのうち少なくとも一方の情報を含めて前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する、上記(1)から(9)のいずれかの待ち時間推定装置である。
【0007】
(11)本発明の一態様は、上記のいずれかの待ち時間推定装置と、各移動端末の位置及び当該位置での時刻を示す位置情報を前記待ち時間推定装置に提供する移動端末群と、映像ファイルを前記待ち時間推定装置に提供する映像収集装置と、特定の飲食店の待ち時間を前記待ち時間推定装置に問い合わせる待ち時間問合せ装置と、を備える待ち時間推定システムである。
【0008】
(12)本発明の一態様は、待ち時間推定装置が、移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定ステップと、前記待ち時間推定装置が、前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を行列人数格納部に格納する行列人数格納ステップと、前記待ち時間推定装置が、前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を行列待ち時間格納部に格納する行列待ち時間格納ステップと、を含む待ち時間推定方法である。
【0009】
(13)本発明の一態様は、コンピュータに、移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、前記移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている前記撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が前記特定の飲食店に到着してから前記特定の飲食店で前記利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する待ち時間推定ステップと、前記特定の飲食店に入店待ちの行列人数であって前記到着時刻における前記行列人数を行列人数格納部に格納する行列人数格納ステップと、前記待ち時間と前記行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を行列待ち時間格納部に格納する行列待ち時間格納ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用客が飲食店に到着してから当該飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る待ち時間推定システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る行列待ち時間格納部に格納される行列待ち時間情報の構成例である。
図3】一実施形態に係る待ち時間推定方法の手順の例を示すフローチャートである。
図4】一実施形態に係る待ち時間推定方法の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、飲食物とは、飲み物のみであってもよく、食べ物のみであってもよく、又は飲み物と食べ物との両方であってもよい。また、飲食店とは、飲食物を店内で客に食べさせる店である。また、店内とは、屋内であってもよく、又は屋外であってもよい。
【0013】
図1は、一実施形態に係る待ち時間推定システムの構成例を示すブロック図である。図1に示される待ち時間推定システムは、移動端末群1と、映像収集装置2と、待ち時間推定装置3と、待ち時間問合せ装置4と、を備える。移動端末群1の各移動端末は、自己の位置及び当該位置での時刻を示す位置情報を待ち時間推定装置3に提供する。映像収集装置2は、映像ファイルを待ち時間推定装置3に提供する。
【0014】
待ち時間問合せ装置4は、通信ネットワークを介して、待ち時間推定装置3と通信を行う。待ち時間問合せ装置4は、特定の飲食店の待ち時間を待ち時間推定装置3に問い合わせる。待ち時間推定装置3は、待ち時間問合せ装置4からの問い合わせに応じて、特定の飲食店の待ち時間を待ち時間問合せ装置4に通知する。待ち時間推定装置3が待ち時間問合せ装置4に通知する特定の飲食店の待ち時間は、利用客が当該特定の飲食店に到着してから当該特定の飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間の推定値である。
【0015】
[移動端末群]
移動端末群1は、例えばスマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯通信端末装置から構成される。移動端末群1の各移動端末は、人11-1、11-2、・・・、11-nが持ち歩いたりする。移動端末群1の各移動端末は、無線通信ネットワークを介して、待ち時間推定装置3と通信を行う。移動端末群1の各移動端末は、位置センサ111と、撮像部112とを備える。
【0016】
位置センサ111は、例えばGPS(Global Positioning System)等の測位システムを利用して現在位置を示す位置情報を取得する。撮像部112は、静止画像や動画像を撮影する。撮像部112が撮像した撮像画像には、撮影時刻を示す撮影時刻情報が付加される。撮像部112は、例えばスマートフォンに具備されているデジタルカメラである。
【0017】
移動端末群1の各移動端末は、位置センサ111が取得した位置情報と、撮像部112が撮像した撮像画像とを待ち時間推定装置3へ送信する。
【0018】
[映像収集装置]
映像収集装置2は、撮像部201を備え、撮像部201が撮影した映像を収集する。映像収集装置2は、自動車等の車両や飛行体などの移動体に搭載される装置であってもよく、人が携帯する装置であってもよく、又は街中や路側帯等に設置された装置であってもよい。車両は、自動車であってもよく、又は、自転車であってもよい。映像収集装置2は、例えば、車両に搭載されるカーナビゲーション装置やドライブレコーダであってもよい。映像収集装置2は、例えば、車両に乗車する者が携帯するスマートフォンであってもよい。映像収集装置2は、例えば、人が装着するスマートグラスに搭載されてもよい。以下の説明では、映像収集装置2として、車両に搭載されるものを例に挙げるが、これに限定されない。映像収集装置2は飛行体に搭載され、上空から撮影した映像を収集してもよい。
【0019】
本実施形態に係る待ち時間推定システムは、複数の映像収集装置2を備えてもよい。それら複数の映像収集装置2はそれぞれ別個の車両に搭載されるものである。各映像収集装置2は、通信ネットワークを介して、待ち時間推定装置3と通信を行う。
【0020】
映像収集装置2は、撮像部201と、位置計測部202と、映像ファイル格納部203と、メタ情報格納部204と、メタ情報送信部205と、ファイル検索部206と、映像ファイル送信部207とを備える。
【0021】
撮像部201は、映像収集装置2が搭載される車両(自車両)の外部を撮像する。撮像部201は、映像収集装置2が搭載される車両(自車両)の外部を撮像するように、撮像方向が設定される。撮像方向は、自車両の進行方向、自車両の進行方向の逆方向、自車両の側方などである。例えば、撮像部201は、自車両の進行方向を撮像するものであってもよい。また、撮像部201は、同時に複数の撮像方向を撮像することができるものであってもよい。例えば、撮像部201は、自車両の進行方向及び進行方向の逆方向を同時に撮像するものであってもよい。
【0022】
撮像部201は、撮像した撮像データを一時的に撮像バッファに保持し、一定の周期または一定の保持容量になったタイミングで、撮像バッファに保持する撮像データをMPEG-4等の形式でファイル化する。撮像部201は、例えば、自動車に搭載されたドライブレコーダに備えられるものであって、撮像データは当該自動車の進行方向等の周囲の状況が撮像された撮像データである。
【0023】
位置計測部202は、撮像部201の撮像時の位置(撮像位置)を計測する。位置計測部202は、例えば、ドライブレコーダがGPS(Global Positioning System)受信機を備える場合、GPSにより測定された位置を撮像位置として取得する。
【0024】
映像ファイル格納部203は、撮像部201が撮像しファイル化した映像ファイルを格納する。映像ファイル格納部203には、映像ファイルの識別情報(映像ファイルID)と、当該映像ファイルとが関連付けて格納される。
【0025】
メタ情報格納部204は、撮像部201が撮像しファイル化した映像ファイルに対応するメタ情報を、当該映像ファイルの映像ファイルIDに関連付けて格納する。映像ファイルに対応するメタ情報は、当該映像ファイルについての撮像時刻と位置計測部202の計測結果の撮像位置とを含む情報である。
【0026】
メタ情報送信部205は、自己の映像収集装置2を識別する映像収集装置識別情報(映像収集装置ID)をメタ情報に付加した映像収集装置ID付きメタ情報を、待ち時間推定装置3へ送信する。映像収集装置ID付きメタ情報を待ち時間推定装置3へ送信するタイミングは、一定の周期であってもよく、又は、通信ネットワークに接続したタイミングであってもよい。メタ情報送信部205は、例えば、一定の周期でLTE(Long Term Evolution)通信により映像収集装置ID付きメタ情報を送信してもよいし、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信ネットワークに接続したタイミングで映像収集装置ID付きの複数のメタ情報を一括して送信してもよい。
【0027】
ファイル検索部206は、待ち時間推定装置3から受信した映像ファイル要求が示す撮像時刻及び撮像位置に該当するメタ情報を、メタ情報格納部204から検索する。ファイル検索部206は、当該検索の結果のメタ情報に関連付けられた映像ファイルIDを、映像ファイル送信部207へ通知する。
【0028】
映像ファイル送信部207は、ファイル検索部206から通知された映像ファイルIDに関連付けられた映像ファイルを映像ファイル格納部203から取得し、取得した映像ファイルを待ち時間推定装置3へ送信する。
【0029】
[待ち時間推定装置]
待ち時間推定装置3は、位置情報格納部301と、地図情報格納部302と、到着時刻推定部303と、写真情報格納部304と、飲食物画像解析部305と、待ち時間推定部306と、行列人数格納部307と、メタ情報受信部308と、メタ情報格納部309と、映像収集装置・ファイル特定部310と、映像取得部311と、人物画像解析部312と、行列待ち時間格納部313と、待ち時間通知部314と、を備える。
【0030】
待ち時間推定装置3の各機能は、待ち時間推定装置3が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、待ち時間推定装置3として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、待ち時間推定装置3は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、待ち時間推定装置3の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、待ち時間推定装置3として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0031】
位置情報格納部301は、移動端末群1の各移動端末の位置を示す位置情報の履歴を格納する。移動端末の位置情報の履歴は、当該移動端末が存在した位置と当該位置での時刻が時系列に沿って記録された情報である。位置情報格納部301は、例えば、移動端末がGPS(Global Positioning System)によって取得したGPS情報を、当該GPS情報の取得時刻に関連付けて格納する。GPS情報は、移動端末の位置を示す位置情報を含む情報である。
【0032】
地図情報格納部302は、飲食店の位置が示される地図情報を格納する。地図情報には、様々な飲食店の位置が示される。
【0033】
到着時刻推定部303は、位置情報格納部301に格納されている位置情報の履歴と、地図情報格納部302に格納されている地図情報で示される特定の飲食店の位置とに基づいて、移動端末が当該特定の飲食店に到着した到着時刻を推定する。この到着時刻の推定では、到着時刻推定部303は、到着時刻の推定対象の移動端末(以下、到着時刻推定対象端末と称する)の位置情報の履歴と特定の飲食店の位置とを比較し、特定の飲食店の位置に合致する到着時刻推定対象端末の位置情報の履歴に基づいて到着時刻推定対象端末の到着時刻を推定する。具体的には、到着時刻推定対象端末の位置情報の履歴において、特定の飲食店の位置に合致する時間的に連続する位置情報の履歴のうち最先の時刻を到着時刻推定対象端末の到着時刻に推定する。これは、特定の飲食店の位置に合致する時間的に連続する位置情報の履歴は、当該特定の飲食店に滞在している期間(入店待ち及び入店後を含む滞在期間)に相当するものであると考えられるからである。
【0034】
写真情報格納部304は、移動端末群1の各移動端末から受信した撮像画像を、送信元の移動端末毎に区別して格納する。各撮像画像には、撮影時刻を示す撮影時刻情報が付加されている。
【0035】
飲食物画像解析部305は、画像解析により、写真情報格納部304に格納されている撮像画像に飲食物が写っているか否かを判断する。さらに、飲食物画像解析部305は、撮像画像に写っている飲食物が飲食前の飲食物であるか否かを判断してもよい。撮像画像に写っている飲食物が飲食前の飲食物であるか否かを判断する一方法として、例えば、飲食物自体の量と、飲食物が収容されている容器の大きさとの割合を計測し、飲食物自体の量が所定の閾値以上の割合である場合に飲食前の飲食物であると判断し、そうではない場合に飲食前の飲食物ではない(既に飲食し始めた飲食物である)と判断する。
【0036】
飲食物画像解析部305は、飲食物が写っている撮像画像に付加されている撮影時刻情報を取得する。なお、飲食物画像解析部305は、飲食前の飲食物が写っている撮像画像に付加されている撮影時刻情報のみを取得してもよい。
【0037】
待ち時間推定部306は、移動端末が特定の飲食店に到着した到着時刻と、当該移動端末が撮像した撮像画像であって飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻とに基づいて、利用客が当該特定の飲食店に到着してから当該特定の飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する。この待ち時間の推定では、待ち時間の推定対象の移動端末(以下、待ち時間推定対象端末と称する)について、到着時刻推定部303が推定した到着時刻と、飲食物画像解析部305が取得した飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻情報であって到着時刻推定部303が推定した到着時刻よりも後の時刻の撮像時刻情報とが使用される。待ち時間推定部306は、待ち時間推定対象端末の到着時刻から飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻までの時間を、利用客が当該特定の飲食店に到着してから当該特定の飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間に推定する。
【0038】
なお、飲食物が写っている撮像画像が複数存在する場合には、最先の撮像時刻を使用することが好ましい。また、特定の飲食店に滞在している期間内の撮像時刻であるか否かを判断し、特定の飲食店に滞在している期間内であると判断された撮像時刻を使用することが好ましい。特定の飲食店に滞在している期間は、上述した特定の飲食店の位置に合致する時間的に連続する位置情報の履歴に基づいて判断してもよい。
【0039】
また、待ち時間の推定に使用される撮像時刻は、飲食前の飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻に限定することが好ましい。これは、既に飲食し始めた飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻が待ち時間の推定に使用された場合、当該推定結果の待ち時間には、利用客に飲食物が提供されてから飲食する行為の時間だけ余計な時間が含まれてしまうからである。
【0040】
行列人数格納部307は、特定の飲食店に入店待ちの行列人数を格納する。より具体的には、行列人数格納部307は、到着時刻推定部303が推定した移動端末の到着時刻における特定の飲食店に入店待ちの行列人数の推定結果を格納する。以下に行列人数の推定方法の例1,例2を説明する。
【0041】
(行列人数の推定方法の例1)
行列人数格納部307は、位置情報格納部301内の位置情報の履歴に基づいて特定の飲食店に滞在している移動端末を判断する。行列人数格納部307は、当該特定の飲食店に滞在していると判断された移動端末を対象にして位置情報の履歴が入店待ちの傾向を示す移動端末の数を計数し、この計数値を当該特定の飲食店に入店待ちの行列人数に推定する。入店待ちの傾向は、事前に準備される。例えば、実際に特定の飲食店の入店待ちの状態の移動端末の位置情報を事前に収集し、収集された移動端末の位置情報の履歴を解析して当該特定の飲食店の入店待ちの傾向を求める。
【0042】
(行列人数の推定方法の例2)
行列人数格納部307は、撮像装置で撮像された映像に基づいて推定された特定の飲食店に入店待ちの行列人数を格納する。撮像装置で撮像された映像は、例えば、車両に搭載されたドライブレコーダ等の撮像装置で撮像された映像である。本実施形態では、映像収集装置に格納される映像ファイルを利用する。以下、映像収集装置に格納される映像ファイルを利用して特定の飲食店に入店待ちの行列人数を推定する方法について説明する。
【0043】
メタ情報受信部308は、映像収集装置2から映像収集装置ID付きメタ情報を受信する。メタ情報格納部309は、メタ情報受信部308が映像収集装置2から受信した映像収集装置ID付きメタ情報を基に、当該メタ情報を当該映像収集装置IDに関連付けて格納する。メタ情報格納部309に格納されるメタ情報は、映像収集装置2が映像ファイル格納部203に格納する映像ファイルのメタ情報であって、映像ファイルについての撮像時刻及び撮像位置を示す情報を含む情報である。
【0044】
映像収集装置・ファイル特定部310は、到着時刻推定部303が推定した移動端末の到着時刻と特定の飲食店の位置とに該当するメタ情報格納部309内のメタ情報に基づいて、映像ファイル取得先の映像収集装置2及び取得対象映像ファイルを特定する。映像収集装置・ファイル特定部310は、特定した映像ファイル取得先の映像収集装置2及び取得対象映像ファイルを示す映像収集装置ID及びメタ情報をメタ情報格納部309から取得する。映像収集装置・ファイル特定部310は、当該映像収集装置IDと当該メタ情報が示す撮像時刻及び撮像位置とを映像取得部311へ通知する。
【0045】
映像取得部311は、映像収集装置・ファイル特定部310から通知された映像収集装置IDと撮像時刻及び撮像位置とに基づいて、当該映像収集装置IDの映像収集装置2に対して、当該撮像時刻及び撮像位置に該当する映像ファイルを要求(映像ファイル要求)する。映像取得部311は、当該映像ファイル要求の応答として、当該撮像時刻及び撮像位置に該当する映像ファイルを当該映像収集装置IDの映像収集装置2から受信する。
【0046】
人物画像解析部312は、映像取得部311が映像収集装置2から取得した映像ファイルの映像から画像処理により人物画像を抽出する。人物画像解析部312は、抽出した人物画像から、特定の飲食店に入店待ちの行列人数を推定する。行列人数格納部307は、人物画像解析部312が推定した行列人数を格納する。
【0047】
以上が行列人数の推定方法の例1,例2の説明である。なお、行列人数の推定方法の例1,例2を単独で用いてもよく、又は、両方の行列人数の推定結果を複合してもよい。
【0048】
行列待ち時間格納部313は、特定の飲食店について、待ち時間推定部306が推定した待ち時間と行列人数格納部307内の行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する。より具体的には、行列待ち時間格納部313は、特定の飲食店について、待ち時間推定部306が推定した待ち時間に対応する到着時刻における行列人数を行列人数格納部307から取得する。次いで、行列待ち時間格納部313は、到着時刻に対応する待ち時間と到着時刻における行列人数とに基づいて、到着時刻をキーにして待ち時間と行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納する。さらには、行列待ち時間格納部313は、曜日と時間帯とのうち少なくとも一方の情報を含めて待ち時間と行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を格納してもよい。
【0049】
図2は、本実施形態に係る行列待ち時間格納部に格納される行列待ち時間情報の構成例である。図2において、飲食物毎に、待ち時間と行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報が格納される。この行列待ち時間情報により、何人の行列であれば、どのくらいの待ち時間になりそうなのかが分かる。
【0050】
さらに、図2において、曜日及び時間帯の情報を含めて待ち時間と行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報が格納される。図2では、曜日として「平日」及び「土曜、日曜、祝日」が例示され、時間帯として「午前」、「昼食」、「午後」及び「夕食」が例示されている。図2に例示される行列待ち時間情報により、何曜日のどの時間帯において、何人の行列であれば、どのくらいの待ち時間になりそうなのかが分かる。これは、同じ行列人数でも、曜日や時間帯により店員数等の違いによって飲食物が利用客に提供されるまでの時間が異なる可能性があるので好ましい。
【0051】
なお、行列待ち時間格納部313は、さらに、特定の飲食店に入店待ちの行列の進み具合いと待ち時間との対応関係を示す行列進み具合待ち時間情報を格納してもよい。行列の進み具合の検出方法は、例えば、人物画像解析部312が特定の人物の一連の人物画像を抽出し、抽出された一連の人物画像において一定期間で何人分、行列の前方に移動したかを行列の進み具合として検出する。
【0052】
待ち時間通知部314は、特定の飲食店の行列人数に対応する待ち時間を通知する。待ち時間通知部314は、特定の飲食店について、行列待ち時間格納部313から行列人数に対応する待ち時間を取得する。例えば、待ち時間通知部314は、特定の飲食店について、行列人数格納部307から最新の行列人数を取得し、取得した行列人数に対応する待ち時間を行列待ち時間格納部313から取得する。
【0053】
例えば、待ち時間通知部314は、待ち時間問合せ装置4から特定の飲食店の待ち時間の問い合わせを受け付け、当該問い合わせで指定された行列人数に対応する待ち時間や、行列人数格納部307から取得された最新の行列人数に対応する待ち時間を行列待ち時間格納部313から取得する。例えば、特定の飲食店を利用予定の利用客が、当該特定の飲食店に入店待ちの行列人数を実際に確認し、確認した行列人数に対応する待ち時間を待ち時間問合せ装置4により待ち時間推定装置3へ問い合わせることが想定される。
【0054】
待ち時間の通知方法として、例えば、指定された行列人数に対応する待ち時間を曜日や時間帯別に通知してもよい。また、特定の曜日や時間帯における行列人数毎の待ち時間を通知してもよい。また、待ち時間の通知方法として、テキストで記述してもよく、又は、グラフで表示してもよい。例えば、指定された行列人数に対応する待ち時間を時間帯別にグラフで表示してもよい。
【0055】
また、待ち時間通知部314は、ウェブサイトにより、指定された飲食店の待ち時間を提示してもよい。例えば、待ち時間問合せ装置4からの問い合わせを受け付けて特定の飲食店の待ち時間を提示するウェブサイトを開設してもよい。
【0056】
なお、待ち時間通知部314は、特定の飲食店について、過去の行列人数の蓄積データに基づいて未来の特定の時刻(例えば曜日や時間帯)における行列人数を予測し、予測された行列人数に対応する待ち時間を通知してもよい。
【0057】
[待ち時間問合せ装置]
待ち時間問合せ装置4は、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の携帯通信端末装置であってもよく、又は、据置き型のパーソナルコンピュータであってもよい。待ち時間問合せ装置4は、待ち時間問合せ部401を備える。
【0058】
待ち時間問合せ部401は、問合せ対象の飲食店を特定する飲食店情報をユーザから受付け、受付けた飲食店情報を待ち時間推定装置3へ送信して待ち時間を問い合わせる。待ち時間問合せ部401は、待ち時間問合せ装置4から受信した待ち時間の問い合わせ結果をユーザに提示する。例えば、特定の飲食店について、最新の行列人数や待ち時間がユーザに提示される。なお、待ち時間の問い合わせ結果の提示方法は、画面表示であってもよく、又は、音声再生であってもよい。
【0059】
次に図3図4を参照して本実施形態に係る待ち時間推定方法を説明する。図3図4は、本実施形態に係る待ち時間推定方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0060】
[行列待ち時間格納段階]
図3を参照して行列待ち時間格納段階を説明する。
(ステップS1) 待ち時間推定装置3は、移動端末(以下、対象移動端末と称する)が特定の飲食店(以下、対象飲食店と称する)に到着した到着時刻を推定する。
【0061】
(ステップS2) 待ち時間推定装置3は、対象移動端末が撮像した撮像画像に対して飲食物画像解析処理を実行する。この飲食物画像解析処理の実行結果として、飲食物が写っている撮像画像の撮像時刻が取得される。
【0062】
(ステップS3) 待ち時間推定装置3は、ステップS1で推定された到着時刻と、ステップS2で取得された撮像時刻とに基づいて、利用客が対象飲食店に到着してから当該対象飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定する。
【0063】
(ステップS4) 待ち時間推定装置3は、ステップS1で推定された到着時刻における対象飲食店に入店待ちの行列人数を推定し、推定結果の行列人数を行列人数格納部307に格納する。
【0064】
(ステップS5) 待ち時間推定装置3は、ステップS3で推定された待ち時間とステップS4で推定された行列人数との対応関係を示す行列待ち時間情報を行列待ち時間格納部313に格納する。
【0065】
[待ち時間通知段階]
図4を参照して待ち時間通知段階を説明する。
(ステップS11) 待ち時間推定装置3は、待ち時間問合せ装置4から待ち時間の問い合わせを受け付ける。
【0066】
(ステップS12) 待ち時間推定装置3は、ステップS11で受け付けた待ち時間の問い合わせで指定された特定の飲食店(以下、指定飲食店と称する)について最新の行列人数を行列人数格納部307から取得する。
【0067】
(ステップS13) 待ち時間推定装置3は、ステップS12で取得した最新の行列人数に対応する指定飲食店の待ち時間を行列待ち時間格納部313から取得する。
【0068】
(ステップS14) 待ち時間推定装置3は、ステップS12で取得した最新の行列人数とステップS13で取得した指定飲食店の待ち時間とを待ち時間問合せ装置4に通知する。
【0069】
本実施形態によれば、利用客が飲食店に到着してから当該飲食店で当該利用客に飲食物が提供されるまでの待ち時間を推定することができる。これにより、利用客に対して、飲食店に入店するまでの待ち時間のみではなく、飲食店に入店してから飲食物が提供されるまでの待ち時間も含めたトータルな待ち時間を提示することができるという効果が得られる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0071】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0072】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…移動端末群、2…映像収集装置、3…待ち時間推定装置、4…待ち時間問合せ装置、301…位置情報格納部、302…地図情報格納部、303…到着時刻推定部、304…写真情報格納部、305…飲食物画像解析部、306…待ち時間推定部、307…行列人数格納部、308…メタ情報受信部、309…メタ情報格納部、310…映像収集装置・ファイル特定部、311…映像取得部、312…人物画像解析部、313…行列待ち時間格納部、314…待ち時間通知部
図1
図2
図3
図4