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特許7206244可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源
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  • 特許-可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/30 20060101AFI20230110BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20230110BHJP
   H01L 21/363 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
C23C14/30 A
C23C14/24 B
H01L21/363
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020197378
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2021143417
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030215
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520468520
【氏名又は名称】ティー オー エス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】T.O.S Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】(Naesammi-dong) 129-20, Gyeonggi-daero 632beon-gil, Osan-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ バムホ
(72)【発明者】
【氏名】イ スンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ヨングン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンシク
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-143694(JP,A)
【文献】特開2015-067847(JP,A)
【文献】特開2020-193368(JP,A)
【文献】特開昭59-070769(JP,A)
【文献】特開平09-143685(JP,A)
【文献】特開平02-097666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/30
C23C 14/24
H01L 21/363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームが直接走査される酸化亜鉛系金属酸化物半導体物質、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ジルコニウム(ZrO2)のいずれかの物質から構成される金属酸化物からなる蒸着物質を保管するるつぼと、
前記るつぼの外側部に備えられ、前記るつぼをN個の領域に区分し、前記各N個の領域別に備えられ、前記るつぼの外側部の上側に備えられて第1領域を加熱する第1加熱部と、前記るつぼの外側部の下側に備えられて第2領域を加熱する第2加熱部と、前記るつぼの下部面に備えられて第3領域を加熱する第3加熱部とを含むN個の加熱部と、
前記蒸着物質の高さ変化を測定するレベル感知センサ又はイメージを取得して前記蒸着物質の形状変化を検出するイメージ感知センサを含む、前記電子ビームの走査により前記金属酸化物からなる蒸着物質の形状が変化することを検出する検査部と、
前記電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差を小さくするために、前記るつぼの上側領域は下側領域より高い温度を維持し、前記各N個の領域別の温度差が設定された温度以下に維持されるようにして熱応力(thermal stress)が大きく発生しないようにすることにより、前記蒸着物質のクラック(crack)現象が発生しないように前記N個の加熱部を制御し、前記N個の加熱部において、前記第1加熱部をA℃に制御し、前記第2加熱部をB℃に制御し、前記第3加熱部をC℃に制御し、前記A℃、前記B℃及び前記C℃の差値は設定された温度以下であり、前記検査部により検出された前記蒸着物質の形状が前記第1加熱部の下側の位置に変わった場合、前記第1加熱部をオフにし、前記第2加熱部の温度をA℃に制御し、前記第3加熱部の温度をB℃に制御し、その後、前記検査部により検出された前記蒸着物質の形状が前記第2加熱部の下側の位置に変わった場合、前記第1加熱部をオフにし、前記第2加熱部をオフにし、前記第3加熱部の温度をA℃に制御して、前記金属酸化物からなる蒸着物質が変化形状により前記N個の領域別に温度が順次変わるように制御する制御部と、
前記るつぼの外側部を囲い、前記N個の加熱部及び前記制御部を内部に備えるポケットと、を含む、可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変温度調節装置を用いてクラック(crack)の発生を防止する金属-酸化物電子ビーム蒸発源に関する。
【背景技術】
【0002】
金属-酸化物半導体のうち最も広く研究されている物質はZnO及びZnO系化合物(AZO、IZO、IGZO、GZOなど)であって、既に既存のディスプレイパネルの透明電極及び画素駆動のための薄膜トランジスタのチャネル層、透明ディスプレイ、透明半導体素子、太陽電池などに使用されている。
【0003】
ZnO系の金属-酸化物半導体薄膜を形成する方法としては、既によく知られているように、熱又は電子ビームを金属酸化物ターゲットに集束させて蒸発させる蒸発(Evaporation)法、イオン化されたソースとの衝突を利用したスパッタ(sputter)法、注入されるガス間の化学反応を利用した化学気相蒸着法などが多く使用されている。
【0004】
前記方法のうち蒸発(Evaporation)法及びスパッタ(sputter)法は、固体形態の原材料物質に外部から熱又は運動エネルギーを加えて気体状態に相変異させた後、基板上に蒸着させる技術であり、これに対して、化学気相蒸着法は、液体状態の原材料を気体状態に相変異させるか、気体状態の原材料を基板上に蒸着する技術である。
【0005】
前記技術はそれぞれ装備特性に合う長所を有し、共通的にn型ZnO層を形成しており、n型ZnO金属-酸化物半導体薄膜の特性を向上させるために、In、Al、Gaなどの元素を同時に注入する方式などによりドナードーパント(donor dopant)を形成してn型半導体としての電気的特性を向上させる方法を採用している。
【0006】
ZnO薄膜を形成する方法のうち、生産にかかるコストを低減するために比較的簡単かつ低コストでZnO層を蒸着する方法としては蒸発法(Evaporation)があり、エネルギーとして熱を加える方法である熱蒸発法(Thermal evaporation)と電子ビームを利用する方法である電子ビーム蒸発法(Electron-beam evaporation)がある。
【0007】
特に、2つの技術のうち蒸着材料の使用効率、蒸着速度の調節などの側面から長所のある電子ビーム蒸発法が熱蒸着法に比べて多く使われており、このときに使用されるZnO原材料物質は粉末形態が主に使われている。ZnO粉末を蒸着原材料として使用する場合は、2インチ規模の小さい面積の基板又は小さい面積を有する複数枚の基板上にZnO薄膜を蒸着することには適合する。
【0008】
しかしながら、最近になって量産性を改善するために基板自体のサイズが4インチ及び6インチに増加し、一度に蒸着する基板の数も50枚以上に増加することにより、大面積基板にZnO粉末を蒸着原材料として使用して薄膜を形成するには適していない。
【0009】
薄膜蒸着工程の改善に必須である大面積基板における薄膜均一度などが素子作製に必要な水準に及ばないため、単位面積当たりに生産されるチップの個数が著しく減少するので、これを解決するためにはスパッタ技術において使用される蒸着原材料と類似した特性を有する粉末焼結法を利用して製作したターゲット形態のZnO原材料を使用することが好ましく、このようなターゲット形態の原材料を使用する場合、大面的基板における蒸着均一度の改善、原材料使用効率増加などの効果をもたらすことができる。
【0010】
しかしながら、粉末焼結された酸化物ターゲットを利用する場合、酸化物は熱伝導度が非常に低い物質であって、酸化物の低い熱伝導率により電子ビームが走査された領域と走査されていない領域との温度差による熱応力によるクラック(crack)が発生する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述の課題を解決するために案出されたものであり、電子ビームが走査された領域と走査されていない領域との温度差が大きく発生して熱応力(Thermal Stress)が金属酸化物からなる蒸着物質に加えられることによりクラック(crack)が発生することを防止できる可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した課題を解決するために案出された本発明の一実施例であって、可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源は、電子ビームが直接走査される金属酸化物からなる蒸着物質を保管するるつぼと、前記るつぼの外側部に備えられ、前記るつぼをN個の領域に区分し、前記各N個の領域別に備えられるN個の加熱部と、前記電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差を小さくするために、前記るつぼの上側領域は下側領域より高い温度を維持するように前記N個の加熱部を制御する制御部とを含む。
【0013】
N個の加熱部は、前記るつぼの外側部の上側に備えられて第1領域を加熱する第1加熱部と、前記るつぼの外側部の下側に備えられて第2領域を加熱する第2加熱部と、前記るつぼの下部面に備えられて第3領域を加熱する第3加熱部とを含む。
【0014】
制御部は、前記各N個の領域別の温度値が設定された温度以下となるように前記N個の加熱部を制御する。
【0015】
可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源は、電子ビームの走査により前記金属酸化物からなる蒸着物質の形状が変化することを検出する検査部をさらに含み、制御部は、前記金属酸化物からなる蒸着物質が変化する形状に応じて前記N個の領域別の温度が変わるように前記N個の加熱部を制御する。
【0016】
可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源は、前記るつぼの外側部を囲い、前記N個の加熱部及び前記制御部を内部に備えるポケットをさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
前述の構成を有する本発明の一実施例によれば、領域別に備えられた加熱部を用いて、電子ビームが走査された領域と走査されていない領域との温度差が設定された温度以下に維持されるようにして熱応力(thermal stress)が大きく発生しないようにすることにより、金属酸化物ターゲットのクラック(crack)現象が発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例である可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源を説明するための図の一例である。
図2】本発明の一実施例である可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源を説明するための図の他の一例である。
図3】電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差によりクラック(crack)が発生する現象を説明するための図の一例である。
図4】電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差によりクラック(crack)が発生する現象を説明するための図の他の一例である。
図5】本発明の一実施例による制御部が加熱部を制御する過程を説明するための図の一例である。
図6】本発明の一実施例による制御部が加熱部を制御する過程を説明するための図の他の一例である。
図7】本発明の一実施例による制御部が加熱部を制御する過程を説明するための図の更に他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参考してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものであると解釈されてはならない。本実施例は、当該発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。
【0020】
図1及び図2は、本発明の一実施例である可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源を説明するための図の例であり、図3及び図4は、電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差によりクラック(crack)が発生する現象を説明するための図の例である。
【0021】
図1及び図2を参照すると、可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源100は、るつぼ110、N個の加熱部120、121、122、…、ポケット130、制御部140及び検査部150を含む。
【0022】
るつぼ110は、電子ビームが直接走査される金属酸化物からなる蒸着物質(金属-酸化物ターゲット160)を内部に保管できる形態を有する。
【0023】
粉末焼結された金属-酸化物ターゲット160を用いる電子ビーム蒸発法の場合、円筒(disc)形状の金属-酸化物ターゲット160に電子ビームを走査して固体状態から液体状態を経ずに気体状態に相変異させる昇華法を適用し、そのとき、電子ビームが走査された金属-酸化物ターゲット領域の温度は1200~1500℃の間であってもよい。
【0024】
金属酸化物からなる蒸着物質(金属-酸化物ターゲット)160はZnO、AZO、IZO、IGZO、GZOなどの酸化亜鉛系金属酸化物半導体物質、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(TaOx)、酸化ジルコニウム(ZrO2)などの物質に使用可能である。
【0025】
N個の加熱部120、121、122は前記るつぼ110の外側部に備えられ、るつぼをN個の領域に区分し、各N個の領域別に備えられる。例えば,N個の加熱部120、121、122、…は,るつぼ110の外側部の上側に備えられて第1領域を加熱する第1加熱部120と,るつぼ110の外側部の下側に備えられて第2領域を加熱する第2加熱部121と、るつぼの下部面に備えられて第3領域を加熱する第3加熱部122とを含む。
【0026】
本実施例においては、3つの領域に区分し、3つの加熱部120、121、122を基準に説明するが、領域の個数及び加熱部の個数はこれに限定されずに様々に変更できる。
【0027】
加熱部120、121、122は、コイル、四角形、円形、六角形などが可能であり、好ましくは、蜂の巣状の六角形が最適であるが、金属-酸化物ターゲット物質の種類に応じて選択的な形状を有する。
【0028】
加熱部120、121、122の材質は300~1500℃の間の温度調節が可能なタングステン(W)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、クロム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、タンタリウム(Ta)、チタン(Ti)、シリコンカーバイド(SiC)、ステンレス合金系(SUS系)などが使用されてもよく、好ましくは、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタリウム(Ta)、シリコン(Ti)、シリコン-カーバイド(SiC)材質を使用してもよい。
【0029】
ポケット130は、るつぼ110の外側部を囲い、N個の加熱部120、121、122、…及び制御部140を内部に備える。
【0030】
図3及び図4を参照すると、金属酸化物からなる蒸着物質(金属-酸化物ターゲット)160に電子ビームが走査されると、例えば、上側領域200は1400℃で、中間領域210は900℃で、下側領域220は400℃になる。または、上側領域200中にも、電子ビームが直接に走査される領域と走査されていない領域との温度差が発生する場合がある。
【0031】
このように、電子ビームが直接的に走査される領域と走査されていない領域の温度差が大きくなると、熱応力(thermal stress)が大きく発生する。
【0032】
図4に例示するように、前記のように熱応力(thermal stress)が大きく発生すると、金属酸化物からなる蒸着物質(金属-酸化物ターゲット)160にクラックが発生する。
【0033】
制御部140は、るつぼ110の上側領域が下側領域より高い温度を維持するようにN個の加熱部120、121、122、…を制御する。制御部140は、るつぼ110の外側に取り付けられるか、ポケット130の内部に備えられるか、外部に別途に独立して備えられてもよい。
【0034】
例えば、制御部140は、各3つの領域別の温度差が設定された温度(300℃)以下になるように3つの加熱部120、121、122を制御する。例えば、制御部140は、3つの加熱部120、121、122の互いの温度差が300℃以下になるように制御する。
【0035】
このように、3つの領域別の温度差が300℃以下である場合は熱応力(thermal stress)が大きく発生せず、これにより、300℃以下の温度差を有するように制御部140が温度を調節することにより、金属酸化物ターゲット160のクラック(crack)現象が発生しないようにすることができる。
【0036】
検査部150は、電子ビームの走査により金属酸化物からなる蒸着物質160の形状が変化することを検出する。例えば、検査部150は、金属酸化物からなる蒸着物質160の高さ変化を測定できるレベル感知センサ(例えば、レーザーセンサなど)又はイメージを取得して形状変化を検査できるイメージ感知センサなどのように形状変化を検査できる様々な装置であり得る。
【0037】
制御部140は、金属酸化物からなる蒸着物質160が変化する形状によってN個の領域別に温度が変わるようにN個の加熱部を制御する。
【0038】
図5図6及び図7は、本発明の一実施例による制御部が加熱部を制御する過程を説明するための図の例である。
【0039】
制御部140は、検査部150により測定された金属酸化物からなる蒸着物質160が変化する形状に応じてN個の領域別に温度が変わるようにN個の加熱部を制御する。
【0040】
図1及び図5を参照すると、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の形状の変化がほとんどなく、電子ビームが走査された場合、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の温度が1600℃である場合を基準に説明すると、制御部140は第1加熱部120の温度を1200℃に、第2加熱部121の温度を900℃に、第3加熱部122の温度を600℃に制御することができる。本実施例では、領域別の温度差が400℃以下になるように制御する場合を基準に説明するが、領域別の温度差はこれに限定されず、様々な説明ができる。
【0041】
図1及び図6を参照すると、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の形状が第1加熱部120の下側に変わった場合、制御部140は第1加熱部120をオフにし、第2加熱部121の温度を1200℃に、第3加熱部122の温度を900℃に制御する。
【0042】
図1及び図7を参照すると、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の形状が第2加熱部121の下側に変わった場合、制御部140は第1加熱部120をオフにし、第2加熱部121をオフにし、第3加熱部122の温度を1200℃に制御する。
【0043】
このように、制御部140は、検査部150により測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の形状変化応じてN個の領域別に温度が変わるようにN個の加熱部を制御して、電子ビームが走査される領域と走査されていない領域の温度差を小さくすることにより、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160にクラック(crack)が発生することを防止できる。
【0044】
本実施例では、制御部140は、測定された金属酸化物からなる蒸着物質160の形状変化に応じて加熱部の温度を制御する一例を記載したこと過ぎず、制御部140は、様々な基準及び状況に応じて加熱部を制御することができる。
【0045】
前述の実施例は、様々な変形が可能であり、各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。また、本明細書で説明されている実施例は、その説明のためのものであり、その制限のためのものではないことに注意しなければならない。また、本発明の技術分野の通常の知識を有するものであれば、本発明の技術思想の範囲で様々な実施例が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0046】
100:可変温度調節装置を備えた金属-酸化物電子ビーム蒸発源
110:るつぼ
120、121、122:加熱部
130:ポケット
140:制御部
150:検査部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7