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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】印刷システム用の無端可撓性ベルト
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41J2/01 305
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020520542
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 IB2018058009
(87)【国際公開番号】W WO2019077489
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】62/574,275
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514210005
【氏名又は名称】ランダ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チェチク,ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】リヴァデル,ショーハム
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514606(JP,A)
【文献】特表2015-516315(JP,A)
【文献】特開2000-094660(JP,A)
【文献】特開2000-337464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0207306(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写部から印刷基板上へのインク画像の転写のために画像形成ステーションから押圧ステーションへ前記インク画像を搬送するために印刷システムにおいて用いるための前記中間転写部材であって、
長手方向軸を有する細長ベルトで形成された、均一なベルト幅を有する無端可撓性ベルトと、
前記長手方向軸に沿って前記ベルトの側縁部に取り付けられた第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップであって、各々が、前記ベルトの前記側縁部に対し遠位である外向き側端部に側部構造を含む、前記第1および第2の細長ストリップと
を備え、
使用中、前記ベルトは、前記側部構造を受容するように構成されたガイドチャネルを備えるガイドシステムによって、少なくとも前記画像形成ステーションを通るようにガイドされるように構成され、
前記第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ストリップ幅を有し、前記長手方向軸に沿って伸長し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、前記長手方向軸に沿って伸長し、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを有し、前記第1の長手方向部分は、前記ベルトの前記側縁部に取り付けられ、前記第2の長手方向部分は、前記第1の長手方向部分と前記側部構造との間に伸長し、
前記第2の弾性は前記第1の弾性よりも大きい、中間転写部材
【請求項2】
前記側部構造は、前記ベルトが前記長手方向軸に対し垂直な幅手方向における緊張状態に置かれ、前記ガイドチャネルによって画定された連続経路を辿ることを強いられるように、前記ガイドチャネルと係合するように構成される、請求項1に記載の中間転写部材
【請求項3】
前記第2の長手方向部分は、前記長手方向軸に対し垂直な幅手方向において弾性である、請求項1または2に記載の中間転写部材
【請求項4】
前記第1の長手方向部分は非弾性であり、前記第2の長手方向部分は弾性である、請求項1~3のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項5】
前記第1の細長ストリップのみが前記第1の長手方向部分および前記第2の長手方向部分を含み、前記第2の細長ストリップは、非弾性である、請求項1~4のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項6】
前記第1の細長ストリップおよび前記第2の細長ストリップの各々は、前記第1の長手方向部分および前記第2の長手方向部分を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項7】
前記第1の細長ストリップの前記第2の長手方向部分の弾性は、前記側部構造がそれぞれのガイドチャネルを通ってガイドされる時、前記ベルトの緊張を維持するために十分である、請求項1~6のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項8】
前記第2部分幅と前記第1部分幅との比は、1:1~1:15の範囲内である、請求項1~7のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項9】
前記ストリップ幅は、20mm~40mmの範囲内である、請求項1~8のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項10】
前記第1の弾性は、10.0N/mm以である、請求項1~9のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項11】
前記第1の弾性は、最大5%の伸である、請求項1~10のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項12】
前記第2の弾性は、0.1~10.0N/mの範囲内である、請求項1~11のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項13】
前記第2の弾性は、5%以上の伸である、請求項1~12のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項14】
前記第2の弾性と前記第1の弾性とのばね定数測定値の比は、22mmの試料幅および10mmの試料長さを有する試料においてN/mm単位で測定した場合、1:4以である、請求項1~13のいずれか1項に記載の中間転写部材
【請求項15】
請求項1に記載の中間転写部材を形成する方法であって、
前記ルトを取得することと、
前記第1および第2の長手方向部分を含む前記第1の細長ストリップを取得することと、
前記第2の細長ストリップを取得することと、
前記ルトの前記側縁部に前記第1および第2の細長ストリップを取り付けることと
を備える方法。
【請求項16】
可撓性ベルトを形成する方法であって、
a.印刷システムにおける中間転写部材としての使用に適した、第1および第2の側縁部を有する、均一なベルト幅および長手方向軸を有する細長可撓性ベルトを取得することと、
b.ストリップ幅を有する第1の細長ストリップであって、
第1の側端部において前記第1の細長ストリップに沿って伸長する、前記長手方向軸に沿って伸長し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、
前記第1の細長ストリップの第2の側端部における側部構造と、
前記第1の長手方向部分と前記側部構造との間に長手方向に伸長する、前記長手方向軸に沿って伸長し、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを含み、
前記第2の弾性は前記第1の弾性よりも大きい、
第1の細長ストリップを取得することと、
c.第1および第2の側端部を有し、前記第2の側端部に側部構造を含む、第2の細長ストリップを取得することと、
d.前記第1および第2の細長ストリップの前記第2の側端部を前記細長可撓性ベルトの前記第1および第2の側縁部に取り付けることと
を備える方法。
【請求項17】
a.(i)長手方向軸を有する細長ベルトで形成された、均一なベルト幅を有する無端可撓性ベルトと、
(ii)各々が、前記長手方向軸に沿って前記ベルトの側縁部に取り付けられた、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップであって、各々が、前記ベルトの前記側縁部に対し遠位である外向き側端部に側部構造を含む前記第1の細長ストリップおよび前記第2の細長ストリップと
を含み、
前記第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ストリップ幅を有し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを含み、前記第1の長手方向部分は、前記ベルトの前記側縁部に取り付けられ、前記第2の長手方向部分は、前記第1の長手方向部分と前記側部構造との間に伸長し、
前記第2の弾性は前記第1の弾性よりも大きい、中間転写部と、
b.前記中間転写部材の外側表面にインク画像を形成するためにインクの液滴が塗布される画像形成ステーションと、
c.前記中間転写部材から印刷基板上への前記インク画像の転写のための押圧ステーションと、
d.前記側部構造を受容するように構成されたガイドチャネルを備え、前記画像形成ステーションを少なくとも通って伸長し、使用中、前記画像形成ステーションに沿って前記中間転写部材をガイドするように構成されたガイドシステムと
を備える印刷システム。
【請求項18】
前記第2の長手方向部分は、前記長手方向軸に対し垂直な幅手方向において弾性である、請求項17に記載の印刷システム。
【請求項19】
前記第1の長手方向部分は非弾性であり、前記第2の長手方向部分は弾性である、請求項17または18に記載の印刷システム。
【請求項20】
前記第1の細長ストリップのみが前記第1の長手方向部分および前記第2の長手方向部分を含み、前記第2の細長ストリップは非弾性である、請求項17~19のいずれか1項に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、印刷システム用の無端可撓性ベルトに関し、より具体的には、印刷中のベルトの正確なアライメントおよびレジストレーションを確実にする側部構造を含む無端可撓性ベルトに関する。本発明の無端ベルトは、インクが基板に直接付着するのではなく、中間転写部材へのインク液滴(たとえばインク吐出液滴)によって所望の画像が形成される印刷システムにおける中間転写部材(ITM)としての特定用途を見出すものであり、中間転写部材は、基板に画像が押圧される押圧ステーションへ画像を搬送する役割を果たす。
【0002】
印刷システムにおけるITMとして用いるための可撓性ベルトは、出願人の特許US9,290,016号、US9,643,403号、およびUS9,517,618号において開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施形態は、使用中、たとえばローラの上をベルトがガイドされる印刷システムにおける、中間転写部材としての使用に適した連続可撓性ベルトの構造および設置に関する。
【0004】
本発明の実施形態によると、中間転写部材(ITM)から印刷基板上へのインク画像の転写のために画像形成ステーションから押圧ステーションへインク画像を搬送するために印刷システムにおいて用いるためのITMが提供され、ITMは、
長手方向軸を有する細長ベルトで形成された、均一なベルト幅を有する無端可撓性ベルトと、
長手方向軸に沿ってベルトの側縁部に取り付けられた第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップであって、各々が、ベルトの側縁部に対し遠位である外向き側端部に側部構造を含む、第1および第2の細長ストリップと
を備え、
使用中、ベルトは、側部構造を受容するように構成されたガイドチャネルを備えるガイドシステムによって、少なくとも画像形成ステーションを通るようにガイドされるように構成され、
第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ストリップ幅を有し、長手方向軸に沿って伸長し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、長手方向軸に沿って伸長し、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを有し、第1部分は、ベルトの側縁部に取り付けられ、第2部分は、第1部分と側部構造との間に伸長し、
第2の弾性は第1の弾性よりも大きい。
【0005】
いくつかの実施形態において、側部構造は、ベルトが長手方向軸に対し垂直な幅手方向における緊張状態に置かれ、ガイドチャネルによって画定された連続経路を辿ることを強いられるように、ガイドチャネルと係合するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態において、第2部分は、長手方向軸に対し垂直な幅手方向において弾性である。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1部分幅は、ストリップ幅の30%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅とストリップ幅との比は、1:1.1~1:3の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅は、15mm~30mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅は、15mm~20mmの範囲内である。
【0008】
いくつかの実施形態において、第2部分幅は、ストリップ幅の10%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅とストリップ幅との比は、1:1.1~1:10の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅は、2mm~15mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅は、3mm~7mmの範囲内である。
【0009】
いくつかの実施形態において、第2部分幅と第1部分幅との比は、1:1~1:15の範囲内である。
【0010】
いくつかの実施形態において、ストリップ幅とベルト幅との比は、1:25~1:47の範囲内である。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1部分幅とベルト幅との比は、1:33.3~1:93.3の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅とベルト幅との比は、1:66.6~1:700の範囲内である。
【0012】
いくつかの実施形態において、ストリップ幅は、20mm~40mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、ベルト幅は、1000mm~1400mmの範囲内である。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1部分のばね定数、または第1の弾性は、10mmの長さおよび弾性方向における22mmの幅を有する試料において測定した場合、10.0N/mm以上、20.0N/mm以上、30.0N/mm以上、40.0N/mm以上、50.0N/mm以上、75.0N/mm以上、100.0N/mm以上、125.0N/mm以上、150.0N/mm以上、175.0N/mm以上、または200.0N/mm以上である。いくつかの実施形態において、第1の弾性は、最大5%の伸度、最大4%の伸度、最大3%の伸度、最大2%の伸度、最大1%の伸度、最大0.5%の伸度、最大0.2%の伸度、または最大0.1%の伸度である。
【0014】
いくつかの実施形態において、第2部分のばね定数、または第2の弾性は、10mmの長さおよび弾性方向における22mmの幅を有する試料において測定した場合、0.1~10.0N/mm、0.1~8.0N/mm、0.1~5.0N/mm、1.0~5.0N/mm、2.0~5.0N/mm、または3.0~5.0N/mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2の弾性は、5%以上の伸度、8%以上の伸度、10%以上の伸度、20%以上の伸度、30%以上の伸度、40%以上の伸度、または50%以上の伸度である。
【0015】
いくつかの実施形態において、第2の弾性と第1の弾性とのばね定数測定値の比は、22mmの試料幅および10mmの試料長さを有する試料においてN/mm単位で測定した場合、1:4以上、1:6以上、1:10以上、1:12以上、1:20以上、1:30以上、1:40以上、1:50以上、1:60以上、1:70以上、1:80以上、1:90以上、または1:100以上である。いくつかの実施形態において、ばね定数比は、1:6~1:25の範囲内である。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分は非弾性であり、第2の長手方向部分は弾性である。いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分はやや弾性であり、第2の長手方向部分はより弾性である。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップのみが第1の非弾性部分および第2の弾性部分を含み、第2の細長ストリップは、非弾性である。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップのみが第1の非弾性部分および第2の弾性部分を含み、第2の細長ストリップは、弾性である。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップの各々は、第1部分および第2部分を含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップの第2部分の弾性は、側部構造がそれぞれのガイドチャネルを通ってガイドされる時、ベルトの緊張を維持するために十分である。
【0021】
いくつかの実施形態において、側部構造は、第1および第2の細長ストリップの外向き側端部の各々に配置された、長手方向に間隔を有する構造を含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ジップファスナの半分を含み、長手方向に間隔を有する構造は、ジップファスナの半分の歯を含む。いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップは、単一ジップファスナの2つの相補的部分を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、側部構造は、第1および第2の細長ストリップの外向き側端部の各々に配置された連続可撓性ビーズを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つとベルトとの間に不具合が生じる時、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つに印加される最大負荷は、50.0N/mm以上である。
【0024】
いくつかの実施形態において、ベルトは、支持層および剥離層を備え、支持層は、ベルトの少なくとも長手方向において繊維強化された織物で作られ、織物は、アラミド、カーボン、セラミック、およびガラス繊維を備えるグループから選択された高性能繊維である。いくつかの実施形態において、剥離層は、疎水性外側表面を有する。いくつかの実施形態において、ベルトは更に、圧縮性層を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、無端可撓性ベルトは、平坦な細長ストリップで形成され、その両端は、連続ループを形成するためにシームにおいて互いに固定されるように構成される。いくつかの実施形態において、ベルトは、印刷システムのセンサによって検出可能な1または複数のマーキングを含む。
【0026】
本発明の実施形態によると、可撓性ベルトを形成する方法が提供され、この方法は、
a.印刷システムにおけるITMとしての使用に適した、第1および第2の側縁部を有する、均一なベルト幅および長手方向軸を有する細長可撓性ベルトを取得することと、
b.ストリップ幅を有する第1の細長ストリップであって、
第1の側端部において第1の細長ストリップに沿って伸長する、長手方向軸に沿って伸長し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、
第1の細長ストリップの第2の側端部における側部構造と、
第1部分と側部構造との間に長手方向に伸長する、長手方向軸に沿って伸長し、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを含み、
第2の弾性は第1の弾性よりも大きい、
第1の細長ストリップを取得することと、
c.第1および第2の側端部を有し、第2の側端部に側部構造を含む、第2の細長ストリップを取得することと
を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、方法は更に、第1および第2の細長ストリップの第2の側端部を可撓性ベルトの第1および第2の側縁部に取り付けることを含む。
【0028】
本発明の実施形態によると、
a.(i)長手方向軸を有する細長ベルトで形成された、均一なベルト幅を有する無端可撓性ベルトと、
(ii)各々が、長手方向軸に沿ってベルトの側縁部に取り付けられた、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップであって、各々が、ベルトの側縁部に対し遠位である外向き側端部に側部構造を含む第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップと
を含み、
第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ストリップ幅を有し、第1部分幅および第1の弾性を有する第1の長手方向部分と、第2部分幅および第2の弾性を有する第2の長手方向部分とを含み、第1部分は、ベルトの側縁部に取り付けられ、第2部分は、第1部分と側部構造との間に伸長し、
第2の弾性は第1の弾性よりも大きい、中間転写部材(ITM)と、
b.ITMの外側表面にインク画像を形成するためにインクの液滴が塗布される画像形成ステーションと、
c.ITMから印刷基板上へのインク画像の転写のための押圧ステーションと、
d.側部構造を受容するように構成されたガイドチャネルを含み、画像形成ステーションを少なくとも通って伸長し、使用中、画像形成ステーションに沿ってITMをガイドするように構成されたガイドシステムと
を含む印刷システムが提供される。
【0029】
いくつかの実施形態において、ガイドシステムは更に、押圧ステーションを通るようにITMをガイドするように構成される。いくつかの実施形態において、ガイドチャネルは更に、転がり軸受を含み、ITMの側部構造は、転がり軸受によってガイドチャネル内に保持される。
【0030】
いくつかの実施形態において、側部構造とガイドチャネルとの間の係合は、ベルトがガイドチャネルによって画定された連続経路を辿ることを強いられるように、ベルトを、長手方向軸に対し垂直な幅手方向における緊張状態に置く。
【0031】
いくつかの実施形態において、第2部分は、長手方向軸に対し垂直な幅手方向において弾性である。
【0032】
いくつかの実施形態において、第1部分幅は、ストリップ幅の30%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅とストリップ幅との比は、1:1.1~1:3の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅は、15mm~30mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅は、15mm~20mmの範囲内である。
【0033】
いくつかの実施形態において、第2部分幅は、ストリップ幅の10%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅とストリップ幅との比は、1:1.1~1:10の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅は、2mm~15mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅は、3mm~7mmの範囲内である。
【0034】
いくつかの実施形態において、第2部分幅と第1部分幅との比は、1:1~1:15の範囲内である。
【0035】
いくつかの実施形態において、ストリップ幅とベルト幅との比は、1:25~1:47の範囲内である。
【0036】
いくつかの実施形態において、第1部分幅とベルト幅との比は、1:33.3~1:93.3の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅とベルト幅との比は、1:66.6~1:700の範囲内である。
【0037】
いくつかの実施形態において、ストリップ幅は、20mm~40mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、ベルト幅は、1000mm~1400mmの範囲内である。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1部分のばね定数、または第1の弾性は、10mmの長さおよび弾性方向における22mmの幅を有する試料において測定した場合、10.0N/mm以上、20.0N/mm以上、30.0N/mm以上、40.0N/mm以上、50.0N/mm以上、75.0N/mm以上、100.0N/mm以上、125.0N/mm以上、150.0N/mm以上、175.0N/mm以上、または200.0N/mm以上である。いくつかの実施形態において、第1の弾性は、最大5%の伸度、最大4%の伸度、最大3%の伸度、最大2%の伸度、最大1%の伸度、最大0.5%の伸度、最大0.2%の伸度、または最大0.1%の伸度である。
【0039】
いくつかの実施形態において、第2部分のばね定数、または第2の弾性は、10mmの長さおよび弾性方向における22mmの幅を有する試料において測定した場合、0.1~10.0N/mm、0.1~8.0N/mm、0.1~5.0N/mm、1.0~5.0N/mm、2.0~5.0N/mm、または3.0~5.0N/mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2の弾性は、5%以上の伸度、8%以上の伸度、10%以上の伸度、20%以上の伸度、30%以上の伸度、40%以上の伸度、または50%以上の伸度である。
【0040】
いくつかの実施形態において、第2の弾性と第1の弾性とのばね定数測定値の比は、22mmの試料幅および10mmの試料長さを有する試料においてN/mm単位で測定した場合、1:4以上、1:6以上、1:10以上、1:12以上、1:20以上、1:30以上、1:40以上、1:50以上、1:60以上、1:70以上、1:80以上、1:90以上、または1:100以上である。いくつかの実施形態において、ばね定数比は、1:6~1:25の範囲内である。
【0041】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分は非弾性であり、第2の長手方向部分は弾性である。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップのみが第1の非弾性部分および第2の弾性部分を含み、第2の細長ストリップは、非弾性である。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップのみが第1の非弾性部分および第2の弾性部分を含み、第2の細長ストリップは、弾性である。
【0044】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップの各々は、第1部分および第2部分を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップの第2部分の弾性は、側部構造がガイドチャネルを通ってガイドされる時、ベルトの緊張を維持するために十分である。
【0046】
いくつかの実施形態において、側部構造は、第1および第2の細長ストリップの外向き側端部の各々に配置された、長手方向に間隔を有する構造を含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つは、ジップファスナの半分を含み、長手方向に間隔を有する構造は、ジップファスナの半分の歯を含む。いくつかの実施形態において、第1の細長ストリップおよび第2の細長ストリップは、単一ジップファスナの2つの相補的部分を含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、側部構造は、第1および第2の細長ストリップの外向き側端部の各々に配置された連続可撓性ビーズを含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つとベルトとの間に不具合が生じる時、第1および第2の細長ストリップの少なくとも1つに印加される最大負荷は、50.0N/mm以上である。
【0049】
いくつかの実施形態において、ベルトは、支持層および剥離層を含み、支持層は、ベルトの少なくとも長手方向において繊維強化された織物で作られ、織物は、アラミド、カーボン、セラミック、およびガラス繊維を備えるグループから選択された高性能繊維である。
【0050】
いくつかの実施形態において、剥離層は、疎水性外側表面を有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、ベルトは更に、圧縮性層を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、無端可撓性ベルトは、平坦な細長ストリップで形成され、その両端は、連続ループを形成するためにシームにおいて互いに固定されるように構成される。
【0053】
いくつかの実施形態において、ベルトは、印刷システムのセンサによって検出可能な1または複数のマーキングを含む。
【0054】
本発明の実施形態によると、
第1の側端部において第1の細長ストリップに沿って伸長する第1の非弾性部分と、
第1の細長ストリップの第2の側端部における側部構造と、
第1の非弾性部分と側部構造との間に伸長する第2の弾性部分と
を含む細長ストリップが提供される。
【0055】
本発明の実施形態によると、本明細書で説明される細長ストリップを形成する方法が提供され、この方法は、
細長可撓性ストリップを製織することと、
第1の非弾性部分を形成するために、シリコンおよび液状ゴムの少なくとも1つで細長可撓性ストリップの第1部分を含浸することと、
第1部分に対し遠位である細長可撓性ストリップの側縁部に側部構造を形成することにより、細長ストリップを形成することと
を含む。
【0056】
本発明の実施形態によると、本明細書で説明される細長ストリップを形成する方法が提供され、この方法は、
細長可撓性ストリップを製織することと、
第1の非弾性部分を形成するために、細長可撓性ストリップの第1部分に硬いフィルムを積層することと、
第1部分に対し遠位である細長可撓性ストリップの側縁部に側部構造を形成することにより、細長ストリップを形成することと
を含む。
【0057】
本発明の実施形態によると、本明細書で説明される細長ストリップを形成する方法が提供され、この方法は、
細長可撓性ストリップを製織することであって、製織の縦糸は非弾性糸を含み、製織の横糸は、非弾性コーティングで塗装された第1部分を有する弾性糸を含み、横糸の第1部分で製織された領域が、細長ストリップの第1の非弾性部分であることと、
細長ストリップを加熱定着することと、
第1部分に対し遠位である細長可撓性ストリップの側縁部に側部構造を形成することにより、細長ストリップを形成することと
を含む。
【0058】
本発明は、以下、添付図面を参照して例として更に説明され、図に示される構成要素および特徴の寸法は、便宜上および提示の明確性のために選択され、必ずしも一定比率で拡大縮小されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明の印刷システムの一例の図式表現である。
図2A】本明細書における教示の実施形態に係る、図1のシステムにおける使用に適したITMの一部の3つの実施形態の概略平面図である。
図2B】本明細書における教示の実施形態に係る、図1のシステムにおける使用に適したITMの一部の3つの実施形態の概略平面図である。
図2C】本明細書における教示の実施形態に係る、図1のシステムにおける使用に適したITMの一部の3つの実施形態の概略平面図である。
図3図2A図2CのITMの各々の一部を形成する細長ストリップの一部の平面図であり、細長ストリップは、ITMをガイドするための側部構造を含み、本明細書における教示の実施形態に係る第1および第2の長手方向部分を含む。
図4図3に示す側部構造が受容される、ITMのためのガイドチャネルの断面図である。
図5A】それぞれ、製造時、およびたとえば図2Aのベルト102などの可撓性ベルトへの取付け時における、たとえば図2Aの第1および第2の細長ストリップ106および108のようなITMの両辺に関する対応する細長ストリップの概略図である。
図5B】それぞれ、製造時、およびたとえば図2Aのベルト102などの可撓性ベルトへの取付け時における、たとえば図2Aの第1および第2の細長ストリップ106および108のようなITMの両辺に関する対応する細長ストリップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明は、いくつかの実施形態において、間接印刷システムとの使用に適したITMとして用いられる無端ベルトを形成し得る無端可撓性ベルトに関する。
【0061】
本発明は、いくつかの実施形態において、無端可撓性ベルトに連結可能な、またはその一部を形成する細長ストリップに関し、ストリップは、その細長側端部に沿って、印刷システムにおいて無端可撓性ベルトをガイドするために用いられ得る側部構造を含むとともに、無端可撓性ベルトに連結されたストリップの部分が、無端可撓性ベルトに対し遠位であり側部構造に連結されたストリップの部分よりも弾性が小さいように、各々が異なる弾性を有する2つの長手方向部分を含む。本発明は、いくつかの実施形態において、可撓性ベルトおよび本発明の細長ストリップからITMを形成する方法に関する。
【0062】
本発明は、印刷システムを通して無端細長ベルトをガイドする従来技術の方法を用いる場合に生じる問題を解決することが意図される。
【0063】
いくつかの既存の印刷システムにおいて、側部構造を有する弾性細長ストリップは、可撓性ベルトの側縁部の各々に取り付けられ、側部構造は、印刷システムのガイドトラックを通るようにガイドされ、それによってITMが形成される。しかし、たとえばガイドトラック間の距離の変化によって、弾性ストリップに力が加わると、弾性ストリップ全体が延伸し、弾性ストリップが可撓性ベルトに直接連結されていることにより、可撓性ベルトの引張または撓曲も生じる。また、弾性ストリップに加わる力は、可撓性ベルトに連結された部分においても弾性ストリップの引張または延伸をもたらし、その結果、可撓性ベルトと弾性ストリップとの間の連結の不具合が生じ得る。
【0064】
本発明は、側部構造を含む細長ストリップに2つの長手方向部分を作ることによって、既存のベルトの欠点を解決するものである。これらの部分のうち、弾性の小さい、場合によっては非弾性である部分は、可撓性ベルトに取り付けられ、弾性の高い他方の部分は、側部構造に隣接する。その結果、より弾性の高い部分の伸度は、可撓性ベルトに及ぼす影響が少なく、またいくつかの実施形態においては、可撓性ベルトから完全に切り離され、全く影響を及ぼさないことにより、以下でより詳しく説明するように、可撓性ベルトの撓曲の低減、および可撓性ベルトと細長ストリップとの間の連結の不具合の低減をもたらす。
【0065】
本明細書における教示の原理、使用、および実装は、以下の説明および添付図面を参照してより適切に理解され得る。本明細書に提示される説明および図面を閲読すると、当業者は、不当な努力または実験を伴わずに本発明を実装することができる。図面において、全体を通して同様の参照番号が同様の部分を指す。
【0066】
少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、理解すべき点として、本発明は必ずしも、その応用において、本明細書に記載される構成要素および/または方法の構造および配置の詳細に限定されるわけではない。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行されることが可能である。本明細書で用いられる表現および用語は、説明を目的としたものであり、限定的なものとみなされてはならない。
【0067】
本発明の追加の目的、特徴、および利点は、以下に続く詳細な説明において記載され、この説明から、当業者にはある程度、容易に明らかとなり、あるいは、記載された説明および特許請求の範囲ならびに添付図面において説明されるように本発明を実施することによって認識される。本発明の実施形態の様々な特徴および部分的組み合わせは、他の特徴および部分的組み合わせを参照することなく利用され得る。
【0068】
理解すべき点として、上述した概要、および材料、方法、および例を含む以下の詳細な説明の両方は、単に本発明の典型例であり、特許請求の範囲に記載されるような本発明の性質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することが意図され、必ずしも限定的であることも意図されない。
【0069】
当該技術において既知であるように、材料の弾性は、ばね定数kとして近似され得る。材料の線形弾性範囲において、kは、材料を引き伸ばすために要する力Fと、そのような力の結果である伸長距離Xとの関係性を設定する、弾性体のファクタ特性である。これは、F=k×Xとして数学的に表すことができ、力Fは、一般にニュートン(Nまたはkg・m/s2)単位で、距離Xは、メートル(m)単位で表され、ばね定数kは、1メートル当たりのニュートン(N/m)単位で表される。いくつかの材料は、たとえば長期の耐張によって剛性を損ない得るので、ばね定数は、温度の関数として、また時間の関数として変化し得る。ただし、特定の負荷より上では、材料は、その挙動が線形弾性範囲内ではなくなる程度まで変形し得る。
【0070】
本明細書および特許請求の範囲の文脈において、「非弾性」という用語は、最大5%の伸度、最大4%の伸度、最大3%の伸度、または最大2%の伸度の弾性を有する材料、あるいは、弾性伸長方向における22mmの幅および10mmの長さを有する試料において測定した場合、20.0N/mm以上、50.0N/mm以上、60.0N/mm以上、80.0N/mm以上、100.0N/mm以上、125.0N/mm以上、150.0N/mm以上、175.0N/mm以上、または200.0N/mm以上のばね定数を有する材料を指す。
【0071】
本明細書および特許請求の範囲の文脈において、「弾性」という用語は、5%以上の伸度、8%以上の伸度、10%以上の伸度、20%以上の伸度、30%以上の伸度、40%以上の伸度、または50%以上の伸度を有する材料、あるいは、弾性伸長方向における22mmの幅および10mmの長さを有する試料において測定した場合、最大10.0N/mm、最大8.0N/mm、最大5.0N/mm、最大3.0N/mm、最大1.0N/mm、最大0.8N/mm、最大0.5N/mm、最大0.2N/mm、または最大0.1N/mmのばね定数を有する材料を指す。
【0072】
本明細書および特許請求の範囲の文脈において、「X%の伸度」という用語は、材料の弾性域内の引張によって生じる材料の伸長のパーセンテージを指す。
【0073】
ここで、本発明の印刷システムの概略図である図1が参照される。図1の印刷システム800は、画像形成ステーション812、乾燥ステーション814、および押圧ステーション816を通って循環する無端ベルト810で形成されたITMを備える。
【0074】
画像形成ステーション812において、インクジェット技術を用いる1または複数の印字ヘッドを組み込む4つの個別の印字バー822が、ベルト810の表面に異なる色の水性インク液滴を付着させる。例示された実施形態は、各々が一般的な異なる4色(すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、および黒色(K))の1つを付着させることができる4つの印字バーを有するが、画像形成ステーションは、異なる数の印字バーを有することができ、印字バーは、異なる濃淡の同じ色(たとえば、黒色を含む様々な濃淡のグレー)を付着させることができ、あるいは、2つ以上の印字バーが同じ色(たとえば黒色)を付着させることができる。画像形成ステーション内の各印字バー822に続き、押圧ステーションにおいて基板上に運ばれた時に基板に粘着する能力を有する粘着膜を残すようにインク液滴を少なくとも部分的に乾かすために、ベルト810の表面に高温ガス(通常は空気)を吹き出すために中間乾燥システム824が設けられる。
【0075】
押圧ステーション816において、ベルト810は、圧縮性ブランケット819を担持する押圧シリンダ820および圧力シリンダ818の間を通過する。基盤のシート826は、供給スタック828から適切な搬送機構(図1には不図示)によって担持され、押圧シリンダ820と圧力シリンダ818との間のロール間隙を通過する。ロール間隙内で、インク画像を担持するベルト810の表面は、圧力シリンダ818上のブランケット819によって基板826にしっかりと押し付けられ、それによってインク画像が基板に押圧され、ベルトの表面から綺麗に分離する。基板はその後、出力スタック830へ搬送される。
【0076】
ベルト810は一般に多数の層を含み、その1つは、たとえば参照によってその全体が本願に組み込まれるWO2013/132418号において説明されるような疎水性剥離層である。
【0077】
以下で図2A図4に関して更に詳しく説明するように、ベルト810の側縁部には、ベルトを幅手方向の寸法において緊張状態に維持するために、それぞれのガイドチャネルに受容される側部構造が設けられる。以下で詳しく説明するように、構造110は、ベルトの側縁部に縫い付けられ、または他の方法で固定されたジップファスナの半分の歯であってよく、あるいは、ベルト810を上回る厚さの連続可撓性ビーズが各辺に沿って設けられ得る。
【0078】
ベルト810をガイドチャネル内に取り付けるために用いられる方法は、US9,290,016号、US9,643,403号、およびUS9,517,618号において詳しく説明される。
【0079】
参照によってその全体が本願に組み込まれるUS9,290,016号、US9,643,403号、およびUS9,517,618号において説明されるように、あらゆる澱みまたは振動は様々な色のインク液滴のレジストレーションに影響を及ぼすので、画像形成ステーション812を通してベルト810を一定の速度で動かすことが重要である。ベルトの滑らかなガイドを支援するために、静止ガイド板の上でベルトを摺動させるのではなく、各印字バー822に隣接したローラ832上をベルトに通過させることにより、摩擦が軽減される。システムの他のガイドローラは、ベルトが印刷サイクルに沿って所望の向きに維持されることを確実にする。
【0080】
ベルト810は、シームレスである、すなわちその長さに沿ってどこにも継目を有さないことが可能である。ただし、上で言及した特許文献において説明されるように、ベルトは、たとえばジップファスナによって、または場合によってはフックのストリップおよびループテープによって、または場合によっては側縁部を結合することによって、または場合によってはテープ(ストリップの両側縁に重なる連結ストリップを有する、たとえばカプトン(登録商標)テープ、RTV液状接着剤またはPTFE熱可塑性接着剤)を用いて両端部が互いに固定された、最初は平坦なストリップとして形成され得る。
【0081】
ここで、本明細書における教示の実施形態に係るITMの一部の3つの実施形態の概略平面図である図2A図2B図2Cが参照される。
【0082】
図2A~2Cに示すように、たとえば図1の印刷システム800などの印刷システムにおける使用に適したITM100は、均一なベルト幅を有し、長手方向軸104を有する細長ベルトで形成された、無端可撓性ベルト102を含む。
【0083】
第1の細長ストリップ106および第2の細長ストリップ108は、無端可撓性ベルト102の側縁部に取り付けられ、長手方向軸104に沿って配置され、各々が、ベルト102の遠位側に、ストリップの外向き側端部に配置された側部構造110を含む。
【0084】
本発明によると、第1の細長ストリップ106および第2の細長ストリップ108の少なくとも1つは、図3に示すような、長手方向軸に沿って伸長し、第1の弾性を有する第1の長手方向部分130と、長手方向軸に沿って伸長し、第1の弾性よりも大きい第2の弾性を有する第2の長手方向部分140とを含むストリップ120である。
【0085】
図2A~2Cに示すように、第1の長手方向部分130は、ベルト102の1または両方の側縁部に取り付けられ、第2の長手方向部分140は、第1の長手方向部分130と側部構造110との間に伸長する。
【0086】
いくつかの実施形態において、第2の長手方向部分140は、長手方向軸104に対し垂直である幅手方向において弾性である。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分130の第1の弾性を表すばね定数は、長さ10mmおよび弾性方向における幅22mmを有する試料において測定した場合、10.0N/mm以上、20.0N/mm以上、30.0N/mm以上、40.0N/mm以上、50.0N/mm以上、75.0N/mm以上、100.0N/mm以上、125.0N/mm以上、150.0N/mm以上、175.0N/mm以上、200.0N/mm以上である。いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分130の第1の弾性を表すばね定数は、長さ10mmおよび弾性方向における幅22mmを有する試料において測定した場合、30.0~80.0N/mmの範囲内である。
【0088】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分130の第1の弾性は、最大5%の伸度、最大4%の伸度、最大3%の伸度、最大2%の伸度、最大1%の伸度、最大0.5%の伸度、最大0.2%の伸度、または最大0.1%の伸度である。
【0089】
いくつかの実施形態において、第2の長手方向部分140の第2の弾性を表すばね定数は、長さ10mmおよび弾性方向における幅22mmを有する試料において測定した場合、0.1~10.0N/mmの範囲内、0.1~8.0N/mmの範囲内、0.1~5.0N/mmの範囲内、1.0~5.0N/mmの範囲内、2.0~5.0N/mmの範囲内、または3.0~5.0N/mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2の長手方向部分140の第2の弾性は、5%以上の伸度、8%以上の伸度、10%以上の伸度、20%以上の伸度、30%以上の伸度、40%以上の伸度、または50%以上の伸度である。
【0090】
いくつかの実施形態において、第2の部分140の第2の弾性と第1の部分130の第1の弾性とのばね定数測定値の比は、幅22mmを有する試料および長さ10mmを有する試料においてN/mm単位で測定した場合、1:4以上、1:6以上、1:10以上、1:12以上、1:20以上、1:30以上、1:40以上、1:50以上、1:60以上、1;70以上、1:80以上、1:90以上、または1:100以上である。いくつかの実施形態において、ばね定数比は、1:6~1:25の範囲内である。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1の長手方向部分130は非弾性であり、第2の長手方向部分140は弾性である。
【0092】
図3に示すように、第1の長手方向部分は、文字Aで示された第1部分幅を有し、第2の長手方向部分は、文字Bで示された第2部分幅を有し、ストリップは、文字Sで示されたストリップ幅を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、第1部分幅Aは、ストリップ幅Sの30%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅Aとストリップ幅Sとの比は、1:1.1~1:3の範囲内である。
【0094】
いくつかの実施形態において、第2部分幅Bは、ストリップ幅Sの10%~90%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅Bとストリップ幅Sとの比は、1:1.1~1:10の範囲内である。
【0095】
いくつかの実施形態において、第1部分幅Aは、15mm~30mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅Aは、15mm~20mmの範囲内である。
【0096】
いくつかの実施形態において、第2部分幅Bは、2mm~30mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅Bは、3mm~7mmの範囲内である。
【0097】
いくつかの実施形態において、第2部分幅Bと第1部分幅Aとの比は、1:1~1:15の範囲内である。
【0098】
図2Cに示すように、ベルト102は、文字Wで示されたベルト幅を有する。いくつかの実施形態において、ストリップ幅Sとベルト幅Wとの比は、1:25~1:47の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1部分幅Aとベルト幅Wとの比は、1:33.3~1:93.3の範囲内である。いくつかの実施形態において、第2部分幅Bとベルト幅Wとの比は、1:66.6~1:700の範囲内である。
【0099】
いくつかの実施形態において、ストリップ幅Sは、20mm~40mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、ストリップ幅Sは、25mm~32mmの範囲内である。いくつかの実施形態において、ベルト幅Wは、1000mm~1400mmの範囲内である。
【0100】
いくつかの実施形態において、たとえば図2Aに示すように、第1の細長ストリップ106は弾性ストリップであり、第2の細長ストリップ108は、図3に示すようなストリップ120である。
【0101】
いくつかの実施形態において、たとえば図2Bに示すように、第1の細長ストリップ106は非弾性ストリップであり、第2の細長ストリップ108は、図3に示すようなストリップ120である。
【0102】
いくつかの実施形態において、たとえば図2Cに示すように、第1の細長ストリップ106および第2の細長ストリップ108の両方が、図3に示すような細長ストリップ120である。
【0103】
図2A図2B、および図2CのITMは、細長可撓性ベルト102および細長ストリップ106および108を取得し、細長ストリップをベルト102の両側縁部に連結することによって形成される。連結は、縫い付け、接着、締め付け、積層などを含む任意の適当な連結手段によるものであってよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、側部構造110は、たとえば図3に示すようなジップファスナの半分の歯のように、長手方向に間隔を有する構造または突起であってよい。
【0105】
あるいは、側部構造110は、第1および第2の細長ストリップ106および108の外向き側端部の各々に配置された連続可撓性ビーズであってよい。
【0106】
細長ストリップ106および108は、細長ストリップ106および108とベルトとの連結部に実質的に弾性がないように、ベルト102に固定される。たとえばストリップ106および108は、ブランケットの縁部に縫い付けられ、または他の方法で直接取り付けられてよく、あるいは、実質的に非弾性の結合部材が、ベルト102の辺にストリップを結合するために用いられ得る。これにより、ブランケットの横方向位置が画像形成ステーションの一部に対して変動しないことが確実になり、細長ストリップ106および/または細長ストリップ108の弾性第2部分(複数も可)140を引き伸ばすことによって、ITMの幅における任意の必要な変更が得られる。
【0107】
第2部分140の弾性は、側部構造110がそれぞれのガイドチャネル400(図4)を通ってガイドされた時のベルトの緊張を維持するために十分である。第2部分140の弾性は、そこに取り付けられた側部構造110の、ベルト102の概念上の中央線からの距離を変動させ、ベルトが画像形成ステーションに対して動く時にベルトが横方向の緊張状態に維持されることを可能にする。ベルトを横方向の緊張状態に維持することにより、中間転写媒体の表面にうねりが生じる危険性が最小限にされ、画像形成ステーションによって中間転写媒体の表面に画像が正確に形成されることが可能である。
【0108】
ベルト102に連結されたストリップの一部である、細長ストリップ120の第1部分130の低減された弾性は、側部構造110とベルト102との間に分離をもたらす。よって、側部構造110に力が加わると、これらの力は、細長ストリップの弾性第2部分140によって吸収され、弾性の小さい、または好適には非弾性の第1部分130によって減衰されることにより、この力は、ベルト102またはベルト102とストリップ120との連結にほとんどまたは全く影響を及ぼさない。よって、たとえば、側部構造をガイドするトラック間の距離における変化を受け入れるための第2部分140の横方向の延伸は、そのような横方向の延伸が第1部分130で止まり、ベルト102へ伝搬しないため、ベルト102におけるあらゆる長手方向の撓曲(たとえば隆起または皺)または長手方向軸104のずれをもたらすことがない。
【0109】
対照的に、従来技術において、側部構造を有する完全に弾性のストリップが用いられる場合、ストリップへの力の印加は、ベルトに加わる力の一部に起因するベルトの動きももたらし得る。よって、本発明のストリップ120は、幅手方向におけるベルトの動きを低減し、ベルトの縁部に生じる撓曲および/またはうねりを低減し、ベルトの安定性を向上させることにより、印刷のレジストレーションを向上させる。
【0110】
また、以下で例2に示すように、細長ストリップ120とベルト102との連結に不具合が生じる時の最大負荷は、完全に弾性のストリップとベルト102との連結の不具合をもたらし得る最大負荷よりも著しく大きい。理論に縛られることを望まず、本発明者は、完全に弾性のストリップを用いる場合、ストリップの弾性により、ストリップを引き伸ばすために加えられた力の一部が、ストリップとベルトとを連結するシームまたはファスナにも加わることを確信し、したがって、低弾性または非弾性部分130がベルト102に連結され、弾性部分がベルトに直接連結されないことにより、弾性部分140に加わる力が非弾性部分130を延伸するように印加され、その結果、ストリップ120をベルト102から引き離さないという事実を確信する。
【0111】
いくつかの実施形態において、ストリップ120とベルト102との間に不具合が生じる時にベルト102に連結されたストリップ120に加わる最大負荷は、50N/mm以上である。
【0112】
いくつかの実施形態において、ストリップ120の、具体的にはその第2の弾性部分140のばね定数は、緊張状態において、また印刷システムにおいて通常の印刷条件下で用いられ加熱される時、変動しない。
【0113】
ここで、図3に示す側部構造110が受容される、ITM100(または図1のベルト810)に関するガイドチャネルの断面図である図4が参照される。図示するように、ITM100のベルト102に連結されたストリップ106および/または108に配置された側部構造110は、幅手寸法におけるベルトの緊張を維持するために、それぞれのガイドチャネル400内に受容される。ガイドチャネル400は、その内部に構造110を保持するための転がり軸受要素402を含んでよい。
【0114】
一般に、ベルトを印刷システムのガイドチャネル内に載置すると、ストリップ106および108における側部構造110は、ベルトの概念上の中央線から実質的に等距離にある。ただし、場合によっては、またはガイドチャネルの一部においては、ベルトの一方の辺における側部構造110が、ベルトの他方の辺における構造110よりもベルトの事実上の中央線から遠くなるように、弾性部分140は、ベルトの一方の辺において他方の辺よりも大きく延伸され得る。
【0115】
側部構造110は、ベルト810または102の両側縁部において同じである必要はない。それらは、参照によってその内容が本願に組み込まれるWO2013/136220号において説明されるように、形状、間隔、組成、および物理特性において異なってよい。
【0116】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、製造時、およびたとえば図2Aのベルト102などの可撓性ベルトへの取付け時における、たとえば図2Aの第1および第2の細長ストリップ106および108のような、ITMの両辺の対応する細長ストリップの概略図である。
【0117】
図5Aに示すように、2つの対応する細長ストリップ106および108は、任意の標準的なジップファスナのように互いに取付け可能な単一のジップファスナの2つの部分として製造される。よって、製造中、細長ストリップ106の側部構造110aは、細長ストリップ108の側部構造110b間の間隙に対応するように位置決めされ、逆もしかりである。具体的には、細長ストリップの製造中、ストリップ106の第1の側部構造110a(1)は、ストリップ108の第1の側部構造110b(1)の上に配置され、側部構造110b(1)は、ストリップ106の第2の側部構造110a(2)の上に配置され、その下に、ストリップ108の第2の側部構造110b(2)が配置される。2つの対応する細長ストリップ106および108のそのような製造は、細長ストリップの弾性部分が製造中に引き伸ばされないことを確実にするので、側部構造が定位置にされた時点で、ストリップの弾性部分の撓曲、湾曲、またはうねりが防がれる。また、ストリップのそのような製造は、側部構造の数およびストリップに沿ったそれらの分布が、ベルトの両辺において同一であることを確実にする。
【0118】
図5Bに戻ると、細長ストリップ106および108が可撓性ベルト102に取り付けられると、細長ストリップ106の側部構造110aおよび細長ストリップ108の側部構造110bは、第1の側部構造110a(1)が第1の側部構造110b(1)と同じ高さにあり、第2の側部構造110a(2)が第2の側部構造110b(2)と同じ高さにあり、以下同様であるように、互いに位置合わせされる。
【0119】
ここで、上記説明とともに本発明を非限定的な形式で例示する以下の例が参照される。
例1
ばね定数測定値の分析
【0120】
図3に示すような、第1の弾性を有する第1部分、第2の弾性を有する第2部分、および側部構造を含む、本発明に係るストリップが作成された。ストリップは、28.5±1mmのストリップ幅S、18.5±1mmの第1の長手方向部分幅A、および10mmの第2の長手方向部分幅Bを有した。
【0121】
ストリップの長手方向において幅22mmを有する試料がストリップから採取され、ストリップの全幅Wであった。
【0122】
試料は、TG34グリップを第1のグリップとして用い、本明細書で上述したような印刷システムから得られたガイドチャネルの一部を第2のグリップとして用い、1kNのロードセルを用いて、米国ペンシルバニア州バーウィンのAmetek社によって市販されているLloyd LS5材料試験装置内に載置された。TG34グリップは、側部構造から10mmの距離に試料の第2の細長部分を保持し、ガイドチャネルグリップは、試料の歯または側部構造を保持した。
【0123】
試験装置は、0.1Nの予圧および10mm/minの予圧応力で動かされ、伸長繰返し試験のみに設定された。試験中の伸長率は10mm/minに設定され、試験は、試料の伸長および解放の10サイクル間、繰り返された。
【0124】
試料のばね定数は、3.0±0.5N/mmと測定された。試験中、試料は、最大で3mmの伸び、または30%の伸度を有した。
例2
不具合の比較分析
【0125】
例1において上述したような第1の細長ストリップ(#1)、および3.0±0.5N/mmの均一なばね定数を有する第2の完全弾性細長ストリップ(#2)、およびストリップ#1に関する側部構造が取得された。ストリップの各々は、米国ミシガン州ミッドランドのDow Corning社によって市販されているRTV734流動性シーラントによって、参照によってその全体が本願に組み込まれるPCT出願PCT/IB2017/053167号において説明されるような細長可撓性ベルトに接着された。
【0126】
ベルトおよびストリップの各々から試料が採取され、各試料は、ベルトの長手方向軸に沿った22mmの長さ、および200mmの幅を有した。
【0127】
各試料は、シャンティロングリップを第1のグリップとして用い、本明細書で上述したような印刷システムから得られたガイドチャネルの一部を第2のグリップとして用い、1kNのロードセルを用いて、米国ペンシルバニア州バーウィンのAmetek社によって市販されているLloyd LS5材料試験装置内に載置された。シャンティロングリップが試料のベルトを保持し、ガイドチャネルが試料の歯または側部構造を保持した。試料は、ベルトとストリップとの間に接着不良が生じるまで、またはストリップの布地が破れるまで、室温で引っ張られた。
【0128】
表1は、不具合が生じた時に用いられた負荷(N/mm単位)および不具合の種類をまとめたものである。

【表1】
【0129】
接着不良は、側部構造を含むストリップがベルトから外れる時に生じる。
【0130】
表1に示すように、本明細書で説明された本発明のストリップを細長ストリップとして含む試料#1は、従来技術において説明されるような弾性細長ストリップを含む試料#2よりも著しく大きい負荷に耐えることができた。
【0131】
上記説明は、本発明の理解を可能にすることのみを目的として単純化され提供される。適切な印刷システムのために、インクの物理特性および化学特性、ベルトの剥離表面の化学組成および可能な処理、および印刷システムの様々なステーションの制御は全て重要であるが、本文脈において詳しく考慮される必要はない。
【0132】
理解されるように、本発明は、ITMの新規の機械構造を提供するが、ITMの化学特性または任意の印刷プロセス関連特徴に影響を及ぼさないので、本明細書で説明されるようなITMは、適当なガイドシステムとともに、ITMを利用する任意の間接印刷システムを形成するために用いられ得る。
【0133】
本出願人による上記で言及された全ての出願の内容は、参照によって、本明細書に完全に記載されたものとして組み込まれる。
【0134】
本発明は、例として提供され、本発明の範囲を限定することは意図されていない、本発明の実施形態の詳細な説明を用いて説明された。説明された実施形態は、様々な特徴を備え、それら全てが本発明の全ての実施形態において必要とされるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、いくつかの特徴のみ、または特徴の可能な組み合わせを用いる。説明された本発明の実施形態の変形例および説明された実施形態に記載された特徴の様々な組み合わせを備える本発明の実施形態は、本発明が関与する当業者に想起されるものである。
【0135】
本開示の説明および特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、および「有する」という動詞の各々およびその同根語は、その動詞の目的語または複数の目的語が必ずしも、動詞の主語または複数の主語の部材、部品、要素、またはパーツの全一覧ではないことを示すために用いられる。本明細書で用いられる場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が特に明示しない限り、複数形への言及を含む。たとえば、「構造」または「少なくとも1つの構造」という用語は、複数の構造を含んでよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B