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特許7206303可変ドメインVLおよびVHH誘導体に基づく高アフィニティおよび凝集耐性抗体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】可変ドメインVLおよびVHH誘導体に基づく高アフィニティおよび凝集耐性抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230110BHJP
   C07K 16/24 20060101ALI20230110BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230110BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230110BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230110BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230110BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230110BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230110BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230110BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230110BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230110BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/24 ZNA
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P19/00
A61P3/10
A61P17/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P15/00
A61P11/00
A61P37/00
A61P43/00 105
【請求項の数】 29
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021004803
(22)【出願日】2021-01-15
(62)【分割の表示】P 2016555526の分割
【原出願日】2015-03-23
(65)【公開番号】P2021072810
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】2014138740
(32)【優先日】2014-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】516261966
【氏名又は名称】ジョイント・ストック・カンパニー “バイオキャド”
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100107386
【弁理士】
【氏名又は名称】泉谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】ソロヴィエフ,ヴァレリイ・ウラディミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】エフドキモフ,スタニスラフ・ルドルフォヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ウリティン,アンドレイ・ボリソヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】チェルニイ,ユリア・セルゲエフナ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンチャロワ,オルガ・ウラジーミロヴナ
(72)【発明者】
【氏名】コルザヴィン,ドミトリ・ヴァレリーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】チェルノフスカヤ,タチアナ・ヴェニアミノフナ
(72)【発明者】
【氏名】ネマンキン,ティモフェイ・アレクサンドロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】イワノフ,ロマン・アレクセーヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】モロゾフ,ドミトリ・ヴァレンチノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】エキモワ,ヴィクトリア・ミハイロフナ
(72)【発明者】
【氏名】ソフロノワ,エカテリーナ・ウラジミロフナ
(72)【発明者】
【氏名】ウストイウゴフ,ヤコフ・ユレヴィッチ
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-504740(JP,A)
【文献】特表2014-516945(JP,A)
【文献】The Journal of Molecular Biology,2005年,Vol.350,p.112-125
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/09
C07K 16/24
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、ヒト化モノクローナルIgG抗体であって、
a)各々配列番号4:G-T-F-A-T-S-P-M-G、配列番号5:A-I-S-P-S-G-G-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-G及び配列番号6:С-А-V-R-R-R-F-D-G-T-S-Y-Y-T-G-D-Y-D-Sを含む、3つの超可変領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含むラクダ科(Camelidae family)重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体であって、以下の:
配列番号4の6位のアミノ酸が、N、K、R、E、W、M、Q、D、F、V、L若しくはAである;
配列番号4の7位のアミノ酸が、Sである;
配列番号4の8位のアミノ酸が、Iである;
配列番号4の9位のアミノ酸が、L、A、I、S、R、V、N、Q若しくはMである;
配列番号5の1位のアミノ酸が、G若しくはLである;
配列番号5の4位のアミノ酸が、Aである;
配列番号5の7位のアミノ酸が、S、R、P、D、I、T、E、K、A、L若しくはWである;
配列番号6の3位のアミノ酸が、K、S、A、T、D若しくはGである;
配列番号6の4位のアミノ酸が、Kである;
配列番号6の5位のアミノ酸が、G、Y、H、D、W若しくはKである;
配列番号6の6位のアミノ酸が、A、V、S、L、M若しくはHである;
配列番号6の8位のアミノ酸が、E、G、A、R、V、K若しくはQである;
配列番号6の9位のアミノ酸が、S若しくはNである;
配列番号6の10位のアミノ酸が、G、S、P、V、R、N若しくはKである;
配列番号6の11位のアミノ酸が、V、M、C、T、L、Y、A、H、G若しくはIである;
配列番号6の12位のアミノ酸が、W若しくはSである;
配列番号6の13位のアミノ酸が、R、V、L、A、W、K、G、Q若しくはIである;
配列番号6の14位のアミノ酸が、L、A若しくはSである;及び
配列番号6の15位のアミノ酸が、T、L、P、N、A、Q、F、I若しくはDからなる、
からなる群から選択される1つのアミノ酸置換をふくむ、前記誘導体;並びに、
b)配列番号8
【化1】
のアミノ酸配列を含む、ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V
を含む、前記抗体。
【請求項2】
以下のアイソタイプ:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のいずれか1つである、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
IgGの一部として非天然の修飾Fcを含む、請求項1記載の抗体。
【請求項4】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、
a)3つの超可変領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体であって:
G-T-F-A-T-S-P-M-G(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHCDR1

A-I-S-P-S-G-G-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-G(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHCDR2;
С-А-V-R-R-R-F-D-G-T-S-Y-Y-T-G-D-Y-D-S(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHCDR3
を含む、前記誘導体;並びに
b)配列番号8のアミノ酸配列を含む、ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V
を含む、前記抗体。
【請求項5】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、前記重鎖可変ドメインが、配列番号7に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、前記抗体。
【請求項6】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、前記重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体が、アミノ酸配列:
【化2】
を含む、前記抗体。
【請求項7】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含むVHH誘導体;及び
b)配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V
を含む、前記抗体。
【請求項8】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、重鎖及び軽鎖を含み、ここにおいて、前記重鎖は、配列番号9と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、そして、記軽鎖は、配列番号10と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、前記抗体。
【請求項9】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、請求項1記載の抗体であって、
a)以下のアミノ酸配列:
【化3】
を含む重鎖;および
b)以下のアミノ酸配列:
【化4】
を含むヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V
含む、前記抗体。
【請求項10】
10-10Mおよびそれ未満のKで特徴付けられる、ヒトIL-17Aに対する結合アフィニティを有する、請求項1記載の抗体。
【請求項11】
ヒトIL-17Aに対する動力学会合定数kon(1/Mc)が10 1/M秒未満でない、請求項1記載の抗体。
【請求項12】
ヒトIL-17Aに対する動力学解離定数dis(1/s)が10-5 1/秒より大きくない、請求項1記載の抗体。
【請求項13】
50%未満でなく、ヒトIL-17Aの活性を阻害する、請求項1記載の抗体。
【請求項14】
哺乳動物、酵母または細菌細胞によって産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項15】
天然Fcに比較して、Fc領域に1またはそれより多いさらなるアミノ酸置換を含む、請求項1記載の抗体であって、前記置換が、天然Fcを有する抗体に比較した際、抗体の物理化学的および薬物動態学的特性を改善し、そして抗体がIL-17Aに結合する能力の損失を生じない、前記抗体。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項記載の抗体の産生法であって、以下:部位特異的突然変異誘発、ディスプレイ法、遺伝子操作、当該技術分野に周知の生化学および高性能バイオテクノロジー法であって、ラクダ科抗体のVHHドメインの異なる位での部位特異的突然変異のための方法を含むことも可能な、前記方法より選択される相を伴う、前記方法。
【請求項17】
請求項1~15のいずれか1項記載の抗体をコードする、DNA構築物。
【請求項18】
請求項17記載の1つまたはいくつかのDNA構築物を含む、発現ベクター。
【請求項19】
請求項18記載の発現ベクターまたは請求項17記載のDNA構築物を含む、細胞株。
【請求項20】
請求項1~15のいずれか1項記載のヒト化モノクローナル抗体の産生法であって、請求項19記載の細胞株を、培地中で、前記抗体が得られるために十分な条件下でインキュベーションし、その後、得た抗体を単離し、そして精製することを伴う、前記方法。
【請求項21】
請求項18記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項22】
請求項1~15のいずれか1項記載の抗体の産生法であって、請求項21記載の宿主細胞を、培地中で、前記抗体が得られるために十分な条件下でインキュベーションし、その後、得た抗体を単離し、そして精製することを伴う、前記方法。
【請求項23】
請求項1~15のいずれか1項記載の抗体を、1またはいくつかの薬学的に適切な賦形剤、希釈剤またはキャリアーと組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項24】
TNF-α阻害剤より選択される活性薬学的成分をさらに含む、請求項23記載の薬学的組成物。
【請求項25】
IL-17Aが仲介する疾患または障害の療法において用いられるべき、請求項23記載の薬学的組成物。
【請求項26】
IL-17Aが仲介する疾患または障害が:関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、敗血症性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎(thyroadenitis)、喘息、アレルギー性障害、乾癬、皮膚炎、全身性硬化症、移植片対宿主病、移植片拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎関与を伴う顕微鏡的多発血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染、侵襲、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、多腺性自己免疫症候群I型およびII型、シュミット症候群、急性呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎関連関節症、腸疾患滑膜炎、クラミジア属(Chlamydia)、エルシニア属(Yersinia)およびサルモネラ属(Salmonella)関連関節症、脊椎関節症、アテローム疾患/冠動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、慢性活動性肝炎症、頭蓋巨大動脈炎、原発性硬化性肝炎、特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣不全、未成熟卵巣不全、肺線維症、特発性線維化性肺胞炎、炎症後間質性肺病変、間質性肺炎、間質性肺疾患に関連する結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する混合結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する全身性強皮症、間質性肺疾患に関連する関節リウマチ、肺疾患に関連する全身性エリテマトーデス、肺疾患に関連する皮膚筋炎/多発性筋炎(polymuositis)、肺疾患に関連するシェーグレン病、肺疾患に関連する強直性脊椎炎、びまん性肺血管炎、肺疾患に関連するヘモジデリン沈着症、薬剤誘導性間質性肺疾患、線維症、放射性誘導性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤を伴う肺疾患、感染後間質性肺病変、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝炎I型(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、自己免疫性肝炎II型(抗LKM抗体関連)、自己免疫性低血糖症、角質増殖症を伴うB型インスリン耐性、副甲状腺機能低下症、急性移植関連免疫疾患、慢性移植関連免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、I型乾癬、II型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、NOS腎疾患、糸球体腎炎、顕微鏡的腎多発血管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性NOS男性不妊、抗精子免疫、多発性硬化症(すべての型)、交感神経性眼炎、結合組織疾患続発性肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性強皮症、シェーグレン症候群、高安病/関節炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺障害、甲状腺機能亢進症、自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘導性肝損傷、胆汁鬱滞、特異体質肝疾患、薬剤誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌感染(GBS)、精神障害(抑鬱および統合失調症を含む)、Th1およびTh2仲介性疾患、急性および慢性疼痛(多様な型)、悪性腫瘍、例えば肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、無ベータ・リポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性感染および寄生、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房性異所性拍動(atrial ectopics)、AIDS認知症複合、アルコール誘導性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植片拒絶、アルファ-Iアンチトリプシン不全、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗CD3療法、抗リン脂質症候群、受容体に対する過敏性反応、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、冠動脈硬化症、動静脈瘻、運動失調、心房細動(一定または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植片拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心臓性不整脈、心筋気絶症候群、心臓腫瘍、心筋疾患、バイパスに対する炎症反応、軟骨移植片拒絶、脳皮質変性、小脳障害、無秩序または多源性心房頻拍、化学療法誘導性障害、慢性骨髄細胞白血病(CML)、慢性アルコール中毒、慢性炎症性疾患、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患、慢性サリチル酸中毒、直腸結腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺、心臓、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法誘導性障害、ボクサー脳症、脱ミエリン化疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的状態、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病関連アテローム性動脈硬化症血管疾患、びまん性レビー小体病、鬱血性拡張型心筋症、基底核疾患、中年ダウン症候群、CNSドーパミンブロッカーによって誘導される運動障害、薬剤感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌症、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、皮膚紅痛症、錐体外路および小脳症状、家族性血球貪食性リンパ組織球症、胎児胸腺移植片拒絶、フリートライヒ運動失調症、末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス・フレグモーネ、胃潰瘍、糸球体腎炎、任意の臓器または組織移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物による肉芽腫、毛様細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植片拒絶、ヘモクロマト-シス、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、索枝不整脈、HIV感染/HIVニューロパシー、ホジキン病、多動運動障害、過敏性反応、過敏性関連間質性肺炎、高血圧、運動不足による運動障害、視床下部-下垂体-副腎軸の検査、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体仲介性細胞傷害、無力症、幼児期筋萎縮症、大動脈炎症、インフルエンザウイルスA、電離放射線への曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再灌流誘導性障害、虚血性脳卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植片拒絶、レジオネラ症、リーシュマニア症、ハンセン病、皮膚脊髄損傷、脂肪性浮腫、肝移植片拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、多発性全身ミトコンドリア障害、混合結合組織疾患、モノクローナルガンマ症、多発性骨髄腫、多発性全身変性症(メンセル、デジェリン・トーマス、シャイ・ドレーガーおよびマシャド・ジョセフ)、重症筋無力症、細胞内マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血性疾患、鼻咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性障害、神経原性筋萎縮症I、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈分岐部閉塞、動脈閉塞性疾患、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植片拒絶、膵癌、傍腫瘍性疾患/腫瘍関連高カルシウム血症、副甲状腺移植片拒絶、骨盤炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム性動脈硬化(アテローム性動脈硬化)疾患、末梢血管性疾患、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、POEMS症候群(多発ニューロパシー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル形質細胞増殖障害および皮膚変化)、灌流後症候群、ポンプヘッド症候群、開心術後梗塞後症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的ナローQRS頻拍、腎血管高血圧、再灌流傷害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症疾患、老人性舞踏病、レビー小体認知症、血清陰性関節炎、ショック、鎌形細胞疾患、皮膚同種移植片拒絶、皮膚変化、小腸移植片拒絶、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌筋炎、小脳構造損傷、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管梅毒、全身性アナフィラキシー、包括的全身性炎症反応症候群、全身型若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓症、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、過敏性反応III型、過敏性反応IV型、不安定性狭心症、尿毒症、尿敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈性疾患、静脈性血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス(vital)脳炎/無菌性髄膜炎、ウイルス血球貪食性症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、任意の臓器または組織に関する異種移植片拒絶、急性冠動脈症候群、急性特発性多発神経炎、急性炎症性脱ミエリン化神経根ニューロパシー、急性虚血、成人型スティル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、冠動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に関連する自己免疫性障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性未成熟卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心臓血管疾患、破局性抗リン脂質症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床単離症候群(cis)、結膜炎、小児期精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板逸脱、薬剤誘導性免疫溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼球陥入(entophthalmia)、上強膜炎、多形性紅斑、重症多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE仲介性アレルギー、自己免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱ミエリン病、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、特発性肺線維症/通常型間質性肺炎、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病またはクスマウル・マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、大理石様皮膚、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン病、粘膜性類天疱瘡、多発性臓器不全、重症筋無力症、脊髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、ニューロパシー、非A、非B肝炎、視神経炎、骨溶解症、卵巣癌、少数関節JIA、末梢動脈閉塞性疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性特発性関節炎、多発性内分泌不全、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポストポンプ症候群、原発性パーキンソン症、前立腺および直腸癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症(hyperstosis)および骨炎)、強皮症(sclerodermia)、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨症(ischias)、続発性副腎不全、シリコン関連結合組織疾患、スネドン・ウィルキンソン病、強直性脊髄炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、
全身性炎症反応症候群、頭蓋動脈炎、トキソプラズマ属鼻炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群)、アレルギー反応I型、糖尿病II型、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性症、創傷治癒、およびエルシニア属またはサルモネラ属関連関節症より選択される、請求項25記載の薬学的組成物。
【請求項27】
請求項1~15のいずれか1項記載の抗体の、IL-17A仲介性疾患または障害の治療のための薬学的組成物の調製における使用。
【請求項28】
IL-17A仲介性疾患または障害が:関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、敗血症性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性障害、乾癬、皮膚炎、全身性硬化症、移植片対宿主病、移植片拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎関与を伴う顕微鏡的多発血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染、侵襲、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、多腺性自己免疫症候群I型およびII型、シュミット症候群、急性呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎関連関節症、腸疾患滑膜炎、クラミジア属、エルシニア属およびサルモネラ属関連関節症、脊椎関節症、アテローム疾患/冠動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、慢性活動性肝炎症、頭蓋巨大動脈炎、原発性硬化性肝炎、特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣不全、未成熟卵巣不全、肺線維症、特発性線維化性肺胞炎、炎症後間質性肺病変、間質性肺炎、間質性肺疾患に関連する結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する混合結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する全身性強皮症、間質性肺疾患に関連する関節リウマチ、肺疾患に関連する全身性エリテマトーデス、肺疾患に関連する皮膚筋炎/多発性筋炎、肺疾患に関連するシェーグレン病、肺疾患に関連する強直性脊椎炎、びまん性肺血管炎、肺疾患に関連するヘモジデリン沈着症、薬剤誘導性間質性肺疾患、線維症、放射性誘導性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤を伴う肺疾患、感染後間質性肺病変、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝炎I型(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、自己免疫性肝炎II型(抗LKM抗体関連)、自己免疫性低血糖症、角質増殖症を伴うB型インスリン耐性、副甲状腺機能低下症、急性移植関連免疫疾患、慢性移植関連免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、I型乾癬、II型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、NOS腎疾患、糸球体腎炎、顕微鏡的腎多発血管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性NOS男性不妊、抗精子免疫、多発性硬化症(すべての型)、交感神経性眼炎、結合組織疾患続発性肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性強皮症、シェーグレン症候群、高安病/関節炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺障害、甲状腺機能亢進症、自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘導性肝損傷、胆汁鬱滞、特異体質肝疾患、薬剤誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌感染(GBS)、精神障害(抑鬱および統合失調症を含む)、Th1およびTh2仲介性疾患、急性および慢性疼痛(多様な型)、悪性腫瘍、例えば肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、無ベータ・リポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性感染および寄生、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房性異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘導性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植片拒絶、アルファ-Iアンチトリプシン不全、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗CD3療法、抗リン脂質症候群、受容体に対する過敏性反応、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、冠動脈硬化症、動静脈瘻、運動失調、心房細動(一定または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植片拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心臓性不整脈、心筋気絶症候群、心臓腫瘍、心筋疾患、バイパスに対する炎症反応、軟骨移植片拒絶、脳皮質変性、小脳障害、無秩序または多源性心房頻拍、化学療法誘導性障害、慢性骨髄細胞白血病(CML)、慢性アルコール中毒、慢性炎症性疾患、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患、慢性サリチル酸中毒、直腸結腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺、心臓、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法誘導性障害、ボクサー脳症、脱ミエリン化疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的状態、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病関連アテローム性動脈硬化症血管疾患、びまん性レビー小体病、鬱血性拡張型心筋症、基底核疾患、中年ダウン症候群、CNSドーパミンブロッカーによって誘導される運動障害、薬剤感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌症、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、皮膚紅痛症、錐体外路および小脳症状、家族性血球貪食性リンパ組織球症、胎児胸腺移植片拒絶、フリートライヒ運動失調症、末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス・フレグモーネ、胃潰瘍、糸球体腎炎、任意の臓器または組織移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物による肉芽腫、毛様細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植片拒絶、ヘモクロマト-シス、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、索枝不整脈、HIV感染/HIVニューロパシー、ホジキン病、多動運動障害、過敏性反応、過敏性関連間質性肺炎、高血圧、運動不足による運動障害、視床下部-下垂体-副腎軸の検査、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体仲介性細胞傷害、無力症、幼児期筋萎縮症、大動脈炎症、インフルエンザウイルスA、電離放射線への曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再灌流誘導性障害、虚血性脳卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植片拒絶、レジオネラ症、リーシュマニア症、ハンセン病、皮膚脊髄損傷、脂肪性浮腫、肝移植片拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、多発性全身ミトコンドリア障害、混合結合組織疾患、モノクローナルガンマ症、多発性骨髄腫、多発性全身変性症(メンセル、デジェリン・トーマス、シャイ・ドレーガーおよびマシャド・ジョセフ)、重症筋無力症、細胞内マイコバクテリウム・アビウム、結核菌、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血性疾患、鼻咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性障害、神経原性筋萎縮症I、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈分岐部閉塞、動脈閉塞性疾患、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植片拒絶、膵癌、傍腫瘍性疾患/腫瘍関連高カルシウム血症、副甲状腺移植片拒絶、骨盤炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム性動脈硬化(アテローム性動脈硬化)疾患、末梢血管性疾患、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、POEMS症候群(多発ニューロパシー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル形質細胞増殖障害および皮膚変化)、灌流後症候群、ポンプヘッド症候群、開心術後梗塞後症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的ナローQRS頻拍、腎血管高血圧、再灌流傷害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症疾患、老人性舞踏病、レビー小体認知症、血清陰性関節炎、ショック、鎌形細胞疾患、皮膚同種移植片拒絶、皮膚変化、小腸移植片拒絶、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌筋炎、小脳構造損傷、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管梅毒、全身性アナフィラキシー、包括的全身性炎症反応症候群、全身型若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓症、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、過敏性反応III型、過敏性反応IV型、不安定性狭心症、尿毒症、尿敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈性疾患、静脈性血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス(vital)脳炎/無菌性髄膜炎、ウイルス血球貪食性症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、任意の臓器または組織に関する異種移植片拒絶、急性冠動脈症候群、急性特発性多発神経炎、急性炎症性脱ミエリン化神経根ニューロパシー、急性虚血、成人型スティル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、冠動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に関連する自己免疫性障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性未成熟卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心臓血管疾患、破局性抗リン脂質症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床単離症候群(cis)、結膜炎、小児期精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板逸脱、薬剤誘導性免疫溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼球陥入、上強膜炎、多形性紅斑、重症多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE仲介性アレルギー、自己免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱ミエリン病、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、特発性肺線維症/通常型間質性肺炎、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病またはクスマウル・マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、大理石様皮膚、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン病、粘膜性類天疱瘡、多発性臓器不全、重症筋無力症、脊髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、ニューロパシー、非A、非B肝炎、視神経炎、骨溶解症、卵巣癌、少数関節JIA、末梢動脈閉塞性疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性特発性関節炎、多発性内分泌不全、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポストポンプ症候群、原発性パーキンソン症、前立腺および直腸癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症および骨炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨症、続発性副腎不全、シリコン関連結合組織疾患、スネドン・ウィルキンソン病、強直性脊髄炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、頭蓋動脈炎、トキソプラズマ属鼻炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群)、アレルギー反応I型、糖尿病II型、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性症、創傷治癒、およびエルシニア属またはサルモネラ属関連関節症より選
択される、請求項27記載の使用。
【請求項29】
薬剤組成物がTNF-α阻害剤をさらに含む、請求項28記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
序論
免疫グロブリン(Ig)とも称される抗体は、可溶性血液または間質液糖タンパク質であり、脊椎動物亜門(Vertebrata)の体液性免疫において重要な役割を演じる。抗体は、多様な構造の外来性(foreign)生物学的および化学的物質(抗原)に反応して、B細胞によって産生される。特定の抗原に対して高い特異性および高いアフィニティがあり、そして限定されない抗原レパートリーに対して抗体を産生することが可能であるため、抗体およびその誘導体は、基礎および応用医学研究の両方において用いられる最も重要な試薬の1つである。
【0002】
古典的な抗体[1、2]は、巨大な多量体タンパク質(IgG ~150kDa)によって代表され、これは、2つの同一の重鎖H鎖(1つの可変VHドメイン、3つの定常ドメインCH1、CH2およびCH3、ならびにCH1およびCH2の間のヒンジドメイン)および2つの同一の軽鎖L鎖(可変ドメインVLおよび定常ドメインCLで構成される)を含む。4鎖分子は、鎖を連結する非共有および共有(ジスルフィド)結合を有する。パパイン・プロテアーゼを用いて、抗体分子を2つの断片:Fab(抗原結合断片)およびFc(結晶化可能断片)に分解することも可能である。したがって、分子の1つの領域(Fab)は抗原に関連する特異性を定義し、そして別の領域(Fc)は抗原排除をターゲティングするエフェクター機能を発揮する[3、4]。H鎖のCH1およびCH2ドメインは、ヒンジ領域によってスペースが空けられ、これはFab領域の可動性およびIgG分子と、細胞上に曝露されたIgエフェクター受容体の相互作用を保証する。CH2ドメインは、細胞活性化(ADCCおよびADCP)を仲介するFcγ受容体、ならびに補体系分子(CDC)と結合する領域を含有する。さらに、このドメインは、すべての免疫グロブリン・アイソタイプに関して、炭水化物の付着点である部位を含有する。CH3ドメインは、IgG二量体の安定性をかなり決定し、そして細胞表面上のFcRn受容体と相互作用して、抗体の薬物動態特性を確立するとともに、その代謝および体内での分布を確立する。重鎖可変ドメイン(VH)および軽鎖可変ドメイン(VL)の相補性決定領域(CDR)の組み合わせが抗原結合断片を形成し、一方、可変ドメインのフレームワーク領域および定常ドメインは、抗原認識に直接には関与しない。古典的抗体の最小限のFab誘導体は、一本鎖構築物であり、ここで重鎖および軽鎖の可変ドメインが、リンカー配列によって連結される(scFv)。
【0003】
ラクダ科(Camelidae)動物(ラクダ(camel)、ラマ(llama)、ビクーナ(vicuna))の血中に、単純化された構造の特異的非古典的抗体がかなりの量で見出されたことは、価値ある発見であった[5]。こうした抗体(重鎖抗体、HCAb)は、二量体性の単一の短縮重鎖(CH1ドメインを含まない)からなり、軽鎖をまったく含まない。HCAbの抗原結合断片は、1つの重鎖可変ドメイン(VHH)のみによって形成され、該ドメインはヒンジ領域を通じてFcドメインに連結される。かなりしばしば、VHHは単一ドメイン抗体、「ナノボディ」、「ミニ抗体」または「ナノ抗体」と呼ばれる。サイズが小さい(12~15kDa)ことに加えて、こうした単離単一ドメイン構造は、古典的IgG抗体に比較していくつかの利点、すなわち、凝集、化学的および熱的安定性を有するようであった。VHH抗体は、細菌および酵母細胞において、成功裡にクローニングされ、そして発現されることも可能である。前記の特性を有するため、これらの抗体は、Ablynx社によって療法に向けて開発され、そして実験および産業クロマトグラフィ(CaptureSelectアフィニティ製品)に向けて開発された。
【0004】
単一Ig重鎖の二量体を含む重鎖は、ラクダ科の多様な代表から得られる血清中の免疫グロブリンを電気泳動分析することによって、最初に発見された[5]。HCAbの相対分画は、ラマおよびビクーナの約15~25%(すべてのIgGのうち)からラクダの60~80%まで多様である[6]。
【0005】
非古典的HCAbは、少なくともラクダ科の場合、古典的抗体の遺伝子の比較的最近の進化から生じたと仮定される。2つの重鎖定常ドメインCH2およびCH3は、HCAbおよび古典的抗体の場合、非常に保存されている。HCAbには、古典的抗体の第一の定常ドメインCH1に対応するドメインはない。ヒトコブラクダ(dromedary)ゲノムは、約50のVHおよび40のVHH生成遺伝子のクラスターのあとに、Dセグメント、Jセグメントの複数の遺伝子、および定常領域(Cμ、Cγ、CεおよびCα)をコードする遺伝子を含有する。いくつかのCγ遺伝子が、HCAb(CH1ドメインの喪失を生じる突然変異)を形成するように働き、そして他のものが古典的抗体を形成するように働く(残ったCH1ドメインとともに)ことが明らかである。DおよびJセグメントの同じ遺伝子が、VH遺伝子の1つまたはVHH遺伝子の1つのいずれかにランダムに連結されることも可能である。これは、VHおよびVHH遺伝子が同じ遺伝子座に位置することを示す[7~10]。
【0006】
IgG3サブクラスのヒトVHドメインが、ラクダ科VHおよびVHHに高い相同性を有するように、非古典的抗体の可変ドメイン(VHH)および古典的抗体の可変ドメイン(VH)の構成は、非常に類似である。どちらの場合でも、Vドメインは3つの超可変相補性決定領域(CDR)を取り巻く4つの保存的フレームワーク領域FRを含む。さらに、どちらの場合でも、免疫グロブリンVドメインに典型的な3D構造は2つのβ層で形成され、このうち1つは4つのアミノ酸配列、そしてもう1つは5つのアミノ酸配列を含む[11、12]。この構造において、すべての3つのCDRは、Vドメインの片側にクラスターを形成し、ここで、これらは抗原認識に関与し、そしてβ構造を連結するループ中に位置する。しかし、単一ドメインVHHの機能に関連するいくつかの重要な特徴がある。したがって、VHHのCDR1およびCDR3は有意に拡大している。VHHの相補性決定領域は、しばしば、同時に2つの断片にシステイン残基を含有する(通常、CDR1およびCDR3において、より少なくは、CDR2およびCDR3において)。VHH結晶構造の研究によって、これらのシステイン残基はジスルフィド結合を形成し、そしてこれらの抗体のループ構造にさらなる安定性を提供することが示されてきている[12]。VHHを区別する、最も強いそして再現性がある特徴は、第二のフレームワーク領域における、疎水性アミノ酸残基の親水性残基による4つの置換によって代表される(Kabat番号付けにしたがって、Val37Phe、Gly44Glu、Leu45Arg、Trp47Gly[13])。VHドメインのこのフレームワーク領域は、非常に保存されており、疎水性アミノ酸残基が豊富で、そして軽鎖可変ドメインVLへの連結に必須である。VHHドメインは、この側面で非常に異なる:疎水性アミノ酸を親水性アミノ酸で置換すると、VHHおよびVLの会合は不可能になる。これらの置換はまた、組換えタンパク質として得た際のVHH(ナノ抗体)の高い可溶性も説明する[14]。
【0007】
HCAbおよび古典的抗体に関してありうるパラトープ(抗体の抗原結合部分)のレパートリーは、有意に異なりうるようである。これらの2つの抗体タイプは、同じ生物において同時に存在するため、これらは競合せず、互いに相補すると仮定されうる。例えば、両方の抗体タイプが、まさに同じ動物の免疫に際して、抗原物質の多様なエピトープに関して、平行して、排他的にまたは異なる比で存在可能であることが、繰り返し注目された。古典的2ドメイン抗体に比較して、単一ドメイン抗体に関しては、より低い多様性のパラトープしか可能でないと推測されるにもかかわらず、多くの刊行物は、かなり広範囲の抗原の大部分の多様なエピトープに対して、HCAbが得られうることを明らかに立証してきている[15]。これは、拡大されたCDR1およびCDR3領域のためであるようである。本発明者らはまた、免疫中の抗体のアフィニティ(affine)成熟中に集積するようである、驚くほど多数(古典的抗体のVドメインに比較して)のVHHの体細胞高頻度変異にも注目すべきである[16]。X線回折分析によって、VHHの抗原結合ループ領域が古典的Vドメインには一般的でない構造を形成可能であることが明らかになった[12、16]。古典的抗体のVHおよびVLドメインの場合、すべての6つのCDRは、抗原結合にほぼ同じくらい寄与する;一方、VHHの場合、パラトープの形成には、通常、CDR3が最も重要である。VHHのCDR3は、抗原構造内に進入する(deepen into)ことが可能であり、そして特に酵素の活性部位を検出することが可能である、異常に長いフィンガー構造を形成する(が、VHまたはVL中のCDR3は不可能である)ことが示されてきている[12]。VHHの抗原結合領域が小さいサイズであり、そしてこれが特異に出現するパラトープを形成可能であることは、古典的抗体ではアクセス不能であるエピトープを認識可能なHCAbがどのように得られうるかを説明する(例えば酵素を効率的に阻害する抗体の産生)[17]。
【0008】
古典的IgG抗体に比較したユニークな特異性のすべての高い潜在能力のため、単一ドメインVHHの療法的使用は、ときに、生物からの迅速な排除のために限定される。VHH構造の薬物動態特性を改善するように設計されたいくつかの解決策があり、これには、PEGとの化学的コンジュゲート化、およびクリアランス減少を仲介するポリペプチド(例えば、最長3週間の半減期を所持するHSAまたはFc融合タンパク質)への共有結合が含まれる[18、19、20]。組換え技術によってVHHに付着し、そしてヒト血中の前記構成要素(HSAおよびIgG)と高アフィニティ非共有相互作用が可能である小分子ペプチドが成功裡に用いられてきている[21]。しかし、これらのアプローチの技術的有効性および免疫原性は問題があるままであり、そして臨床的または初期研究段階のいずれかで、これらの使用の実現可能性が、現在、研究中である。
【0009】
さらに、医学的剤として抗体を使用する最大の限界は、その凝集および化学的安定性、アフィニティ、ならびに免疫原性によるものである。モノクローナル抗体の大部分は、ネズミのものに基づいて得られるため、ヒトにおけるこうした抗体の定期的な使用は、抗体療法に対する免疫反応(例えばアレルギー性反応)の発展を引き起こす。これらのタイプの免疫反応は、最終的に、少なくとも有効性の欠如を生じ、そして最悪の場合、潜在的にアナフィラキシー反応を引き起こしうる。他方、凝集または化学的に不安定な療法抗体は、長期間で、薬剤製品の療法特性を減少させ、そしてヒト患者への投与に際して免疫原性を増加させうる。
【0010】
前述にしたがって、改善された(以前知られる抗体に比較して)機能的および療法的特徴を持ち、特に、凝集、化学的および熱的安定性が増加し、そしてアフィニティが改善され、同時に産業スケールで容易に得られうる、VHHに基づく抗体を発展させることが重要である。
【背景技術】
【0011】
本発明の背景は、VHHドメインを含有する多様な抗体構築物に関する情報を提供する。
PCT/EP2008/066368公報は、Fc断片に連結された別個の可変ドメインを含む抗体を記載する。ナノボディを、IgE型抗体から得られるFcを含む可変ドメインとして使用可能である。前記ドメインおよびFc断片を、ヒンジドメイン中に位置するリンカーを通じて連結することも可能である。
【0012】
特許出願US 2009/0202979は、ヒト抗体の定常領域に直接連結された、完全VHH抗体またはその部分を含む抗体を開示した。
さらに、抗体の物理化学的および生物学的特性に影響を及ぼすアミノ酸置換が知られる。
【0013】
例えば、出願US 20110028348は、得られる抗体の親水性特性を改善するため、35、45、47、93~100および100aの位で、アミノ酸置換が導入された、重鎖可変ドメインを記載する。
【0014】
ここで、免疫原性を減少させ、そしてその凝集安定性を改善するため、単離VHHおよびVH単一ドメインの構造を最適化する方法が開発されてきている。
したがって、Vinckeら[22]は、特徴的なアミノ酸におけるGlu-49→GlyおよびArg-50→Leu置換が、より安定であるがより可溶性でない新規ドメインの獲得を生じることを見出してきている。フレームワーク領域FR-2における他の置換、Phe-42→ValおよびGly/Ala-52→Trpは、H3ループの再配向のため、抗原に対する抗体アフィニティに非常に重要であり、解離定数は6~10倍増加する(6.85・10-3 1/秒)。Phe-42→Val置換は、得られる抗体の安定性減少を引き起こした。VH配列中のGly-49およびLeu-50の置換は、ドメインのより低い安定性を生じる一方、VHHにおけるGlu-49およびArg-50のヒト化は、安定可変ドメインの獲得を可能にする。
【0015】
文献から、古典的VHHのコンホメーションのシェイディング効果を中和する短いHCDR3領域の存在下で、そしてVHに特徴的なTrp-47→Gly-47置換、ならびにTyr-37→Val-37、Glu-4→Gly-44およびArg-45→Leu-45の導入に際して、単離されたVHHドメインは、VJドメインに結合する能力を再生することが知られる[24]。
【0016】
古典的IgG構造の療法抗体の凝集安定性増加およびその免疫原性減少の間の関係は、多くの研究において立証され、そしてHermelingら、2004[25]による概説に要約された。にもかかわらず、VHHドメインを含むが、全長ヒトIgG内の軽鎖可変ドメインに連結されたことがわかった抗体はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】PCT/EP2008/066368
【文献】US 2009/0202979
【文献】US 20110028348
【非特許文献】
【0018】
【文献】Vincke C1, Loris R, Saerens D, Martinez-Rodriguez S, Muyldermans S, Conrath K. 2009 General strategy to humanize a camelid single-domain antibody and identification of a universal humanized nanobody scaffold. J Biol Chem. Jan 30; 284(5): 3273-84..
【文献】Conrath K, Vincke C, Stijlemans B, Schymkowitz J, Decanniere K, Wyns L, Muyldermans S, Loris R. Antigen binding and solubility effects upon the veneering of a camel VHH in framework-2 to mimic a VH. J Mol Biol. 2005 Jul 1; 350 (1): 112-25.
【文献】Hermeling S, Crommelin DJ, Schellekens H, Jiskoot W (2004) Structure-immunogenicity relationships of therapeutic proteins. Pharm Res 21:897-903
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、改善された安定性およびアフィニティ、優れた発現および低い免疫原性を有する抗体の新規形式の開発が必要である。
さらに、得るのが容易であり、改善された凝集安定性、増加したアフィニティおよび哺乳動物細胞培養中での高発現レベルを有する分子の開発に関して、以前記載されたアプローチはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
先の言及にしたがって、本発明は、天然のものに類似である(そしてしたがって低い免疫原性を有する)が、改善された凝集安定性、増加したアフィニティ、および療法モノクローナル抗体の構造を有する構築物の形成を生じる、全長ヒトIgGの軽鎖の可変ドメインに結合可能なVHH誘導体を含む抗体を記載する最初のものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】VHHに基づく凝集耐性抗体の発展および最適化に関するフローチャート。
図2-1】多様なアミノ酸置換を含むVHHIgG1を用いたSDS-PAGE。
図2-2】多様なアミノ酸置換を含むVHHIgG1を用いたSDS-PAGE。
図2-3】多様なアミノ酸置換を含むVHHIgG1を用いたSDS-PAGE。
図3】ラマ・コンビナトリアルFabライブラリー合成のフローチャート。
図4】ファージディスプレイFabライブラリーのクローニングのためのファージミド。
図5-1】図5A~C。IL-17Aとの結合に関するVHH Fabクローンの比較動力学的パラメータを試験するために得たセンソグラム。
【0022】
図5A。ヒトIL-17Aに対して特異的なFab内のラマ可変VHHドメインの配列。
図5B。ヒトIL-17Aに対して特異的な3VHHFab内のラマ軽鎖可変ドメインの配列。
【0023】
図5C。IL-17Aとの結合に関して、VHH Fabクローンの比較動力学パラメータを試験するために得たセンソグラム。
図5-2】図5A~C。IL-17Aとの結合に関するVHH Fabクローンの比較動力学的パラメータを試験するために得たセンソグラム。
【0024】
図5A。ヒトIL-17Aに対して特異的なFab内のラマ可変VHHドメインの配列。
図5B。ヒトIL-17Aに対して特異的な3VHHFab内のラマ軽鎖可変ドメインの配列。
【0025】
図5C。IL-17Aとの結合に関して、VHH Fabクローンの比較動力学パラメータを試験するために得たセンソグラム。
図6-1】図6A。3つの異なるVHH突然変異体に関するアミノ酸配列。
【0026】
図6B。3つのVHH突然変異体の凝集安定性。
図6C。3つのVHH突然変異体のアフィニティ。
図6-2】図6A。3つの異なるVHH突然変異体に関するアミノ酸配列。
【0027】
図6B。3つのVHH突然変異体の凝集安定性。
図6C。3つのVHH突然変異体のアフィニティ。
図6-3】図6A。3つの異なるVHH突然変異体に関するアミノ酸配列。
【0028】
図6B。3つのVHH突然変異体の凝集安定性。
図6C。3つのVHH突然変異体のアフィニティ。
図6-4】図6A。3つの異なるVHH突然変異体に関するアミノ酸配列。
【0029】
図6B。3つのVHH突然変異体の凝集安定性。
図6C。3つのVHH突然変異体のアフィニティ。
図6-5】図6A。3つの異なるVHH突然変異体に関するアミノ酸配列。
【0030】
図6B。3つのVHH突然変異体の凝集安定性。
図6C。3つのVHH突然変異体のアフィニティ。
図7】VHHIgG1VK4B11、mut1VHHIgG1およびmut4VHHIgG1アンタゴニストでIL-17Aを阻害することによる、IL-6産生抑制のための細胞試験。
図8-1】ヒト軽鎖を含むmut4VHHFabのキメラ変異体の単離。
図8-2】ヒト軽鎖を含むmut4VHHFabのキメラ変異体の単離。
図9】mut4 VHHIgG1VK3c8、mut4 VHHIgG1VK1A7およびmut4 VHHIgG1VK4E12アンタゴニストでIL-17Aを阻害することによる、IL-6産生抑制のための細胞試験。
図10-1】m4 VHHc8の44位および45位に突然変異を有する抗体を含む産物に関して行った、変性条件下でのタンパク質電気泳動。
図10-2】m4 VHHc8の44位および45位に突然変異を有する抗体を含む産物に関して行った、変性条件下でのタンパク質電気泳動。
図11】44位および45位でFR2中に突然変異を含むm4VHHc8でIL-17Aを阻害することによる、IL-6産生抑制に関する比較細胞試験。
図12】軽鎖および重鎖可変ドメインの相互作用を決定する、m4VHHc8のFR2中の44位および45位での異なる突然変異の安定性および機能特性を示す図。
図13-1】図13A。多様な起源のIL-17AとのBCD109相互作用の動力学的パラメータの決定(Octet RED 96装置を用いて試験を行った)。
【0031】
図13B。多様な起源のIL17AとのBCD109相互作用の動力学的パラメータに関して得た結果(Octet RED 96装置を用いて試験を行った)。
図13-2】図13A。多様な起源のIL-17AとのBCD109相互作用の動力学的パラメータの決定(Octet RED 96装置を用いて試験を行った)。
【0032】
図13B。多様な起源のIL17AとのBCD109相互作用の動力学的パラメータに関して得た結果(Octet RED 96装置を用いて試験を行った)。
図14】熱ストレス前および後のBCD109抗体で得たクロマトグラム。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義
「モノクローナル抗体」は、本明細書において、本出願に別に言及しない限り、ラマから得られる抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体または完全ヒト抗体に関する。例えば、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術あるいはこれらまたは先行技術から周知の他の技術の組み合わせを用いて、本発明記載のモノクローナル抗体を産生することも可能である。
【0034】
「モノクローナル抗体」は、その産生法自体よりも、例えば、任意の真核、原核またはファージクローンを含む単一コピーまたはクローンから得られる抗体を指す。「モノクローナル抗体」は、損なわれていない(intact)抗体(完全または全長Fc領域)、実質上損なわれていない抗体、抗原結合領域を含む抗体部分または断片、例えばラマ、あるいはキメラ、ヒト化またはヒト抗体由来のFab断片、Fab’断片またはF(ab’)2断片であってもよい。「Fab」断片は、可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメイン、ならびに可変重鎖ドメインおよび第一の定常重鎖ドメイン(CH1)を含む。「F(ab’)2」抗体断片は、大部分、C末端領域でヒンジシステイン残基によって共有結合される、Fab断片対を含有する。抗体断片間の他の化学結合もまた、最新技術から周知である。
【0035】
さらに、「モノクローナル抗体」は、本明細書において、リンカー配列を伴って、VHHおよびVLをコードするDNAを結合させることによって得られうる、一本鎖Fvであることも可能である。タンパク質は、ターゲット(例えばエピトープまたは抗原)に特異的であるかまたは好ましい結合の能力を維持する限り、用語「抗体」に含まれる。抗体は、グリコシル化されていてもまたはされていなくてもよく、そして本発明の枠内にある。
【0036】
用語「誘導体」または抗体「変異体」は、本明細書において、親抗体の配列における、1またはそれより多いアミノ酸残基の付加、欠失および/または置換によって、親配列と異なるアミノ酸配列の分子を指す。好ましい態様において、抗体は、親抗体のFRまたはCDR領域中に、少なくとも1つ(例えば、1~約10、好ましくは2、3、4、5、6、7または8)のアミノ酸置換を含有する。本出願は、変異体抗体の配列に関する同一性または相同性を、配列を整列させ、そして必要な場合、最大の割合の同一配列を達成するために、切断した後、親抗体中の残基に同一である、アミノ酸残基の割合と定義する。
【0037】
抗体誘導体(親のもの由来)は、親抗体が結合するのと同じ抗原、または好ましくはエピトープに結合する能力を維持するか、あるいは好ましくは親抗体のものを超える少なくとも1つの特性または生物学的活性を示す。例えば、抗体は、好ましくは、親抗体に比較して、より優れた凝集安定性、より強いアフィニティ、改善された薬物動態または抗原生物学的活性を阻害する増加した能力を有する。
【0038】
用語「VHH誘導体」は、本明細書において、そのアミノ酸配列が、親抗体の配列中の1またはそれより多いアミノ酸残基の置換によって、親VHH抗体の配列と異なる、VHH抗体の誘導体を指す。好ましい態様において、VHH抗体は、親抗体のFRまたはCDR領域において、少なくとも1つ(例えば、1~約10、好ましくは2、3、4、5、6、7または8)のアミノ酸置換を含有する。
【0039】
抗体誘導体は、親抗体が結合するのと同じ抗原、または好ましくは同じエピトープに結合する能力を維持するか、あるいは好ましくは、親抗体のものを超える少なくとも1つの特性または生物学的活性を示す。例えば、抗体は、好ましくは、親抗体に比較して、より優れた凝集安定性、より強いアフィニティ、改善された薬物動態または抗原生物学的活性を阻害する増加した能力を有する。
【0040】
「親VHH抗体」または「最初のVHH抗体」または「野生型VHH抗体」は、本明細書において、VHH変異体を産生するために用いたアミノ酸配列でコードされる、免疫または非免疫ラクダ科動物から単離されたVHH抗体を指す。親抗体は、ラクダ科から生じるフレームワーク配列(VHH可変ドメインに関して)を有してもよいが、好ましくは軽鎖可変ドメインのフレーム配列は、完全にまたは実質的にヒト起源のものである。
【0041】
「親」、「最初の」または「野生型」抗体は、本明細書において、変異体を産生するために用いた、アミノ酸配列でコードされる抗体を指す。親抗体は、ラクダ科から生じるフレームワーク配列(VHH可変ドメインに関して)を有してもよいが、好ましくは軽鎖可変ドメインのフレーム配列は、完全にまたは実質的にヒト起源のものである。
【0042】
本明細書において、用語「特異的に結合する」は、特異的結合プロセスに関与する1つのパーティが、特異的結合パートナー(単数または複数)以外の分子に有意に結合しない状況を指す。この用語はまた、例えば本発明記載の抗体の抗原結合部位が、いくつかの抗原によって所持される特定のエピトープに特異的である場合にも当てはまる;この場合、抗原結合部位を有する特異的抗体は、多様なエピトープ所持抗原と特異的に結合可能であろう。したがって、本発明記載のモノクローナル抗体は、ヒトIL-17(IL-17A)に特異的に結合する一方、ヒトIL-17B、IL-17C、IL-17DまたはIL-17Eには特異的に結合しない。さらに、本発明のモノクローナル抗体は、ヒトIL-17およびカニクイザル(cynomolgus monkey)由来のIL-17に特異的に結合するが、ラットIL-17またはネズミIL-17のいずれにも特異的に結合しない。
【0043】
本明細書において、用語「好ましく結合する」は、先行技術から知られる方法(例えば競合的ELISAまたはOctet装置を用いて得られるK測定)にしたがって測定した際、抗体が、任意の他の抗原に結合するよりも、少なくとも20%多く、好ましくは約50%、あるいは2倍、20倍、50倍または100倍多く、特異的抗原に結合する状況を指す。抗体は、好ましくは、抗原内の1つのエピトープに結合可能であるが、同じ抗原の別のエピトープに結合しない。したがって、本発明の抗体は、好ましくはヒトIL-17に結合するがウサギIL-17に結合しない。
【0044】
本明細書において、用語「エピトープ」は、抗体の1つまたはいくつかの抗原結合部位を通じて、抗体によって認識され、そして抗体に結合することが可能な分子部分を指す。エピトープは、しばしば、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的表面活性基を含み、そして特定の3D構造特性を有する。「阻害エピトープ」および/または「中和エピトープ」は、損なわれていない抗原分子の背景におけるように、そして前記エピトープに特異的な抗体に結合して、該分子または該分子を含有する生物の活性のin vivoまたはin vitro喪失または減少を引き起こす、エピトープを意味する。
【0045】
本明細書において、用語「エピトープ」はまた、動物において、好ましくは哺乳動物において、例えばマウスおよびヒトにおいて、抗原性および/または免疫原性活性を有する、ポリペプチド断片を指す。用語「抗原性エピトープ」は、本明細書において、抗体に特異的に結合可能であり、そして先行技術から周知の任意の技術によって(例えば標準的イムノアッセイによって)検出可能である、ポリペプチド断片である。抗原エピトープは、免疫原性である必要はないが、免疫原性を所持しうる。「免疫原性エピトープ」は、本明細書において、先行技術の任意の方法によって決定されるように、動物において抗体反応を誘発するポリペプチド断片と定義される。「非直鎖エピトープ」または「コンホメーションエピトープ」は、エピトープ特異的抗体と結合する、抗原タンパク質内の非隣接ポリペプチド(アミノ酸)を含有する。
【0046】
本発明記載の抗体を指して表現される「機能的活性」または「機能的特性」あるいは用語「生物学的活性」または「活性」は、本明細書において交換可能に用いられ、そして限定されるわけではないが:エピトープ/抗原アフィニティおよび特異性;in vivoまたはin vitroでIL-17を中和するかまたはIL-17に対するアンタゴニストである能力;IC50;抗体安定性ならびに抗体のin vivo免疫原性を含む。先行技術から同定された、他の生物学的特性または抗体特性には、例えば、交差反応性(すなわちターゲットペプチドの非ヒト相同体と、あるいは他のタンパク質またはターゲットとの反応)および哺乳動物細胞における高レベルのタンパク質発現を保持する能力が含まれる。先行技術において認識される方法を用いて、前述の特性または特徴を観察するか、測定するか、または評価することも可能であり、これには、限定されるわけではないが、ELISA、競合的ELISA、Octet分析、限定なしにin vitroまたはin vivoの中和アッセイ、受容体結合、サイトカインまたは増殖因子の産生および/または放出、シグナル伝達、ならびにヒト、霊長類または任意の他の供給源を含む多様な供給源から得られた組織切片の免疫組織化学的研究が含まれる。
【0047】
「モノクローナル抗体」集団は、本明細書において、均質なまたは本質的に均質な抗体集団を指す(すなわち、集団中の抗体の少なくとも96%、だがより好ましくは約97または98%以上、またはさらに好ましくは少なくとも99%が、ELISAにおいて、同じ抗原/エピトープに関して競合するであろうし、あるいはさらに好ましくは、抗体はそのアミノ酸配列に関して同一である)。
【0048】
天然全長抗体は、ジスルフィド結合を通じて連結される、4つのポリペプチド鎖(全長に関しては、約50~70kDaの2つの重鎖H鎖、および全長に関しては約25kDaの2つの軽鎖L鎖)を含む免疫グロブリン分子によって示される。各鎖のアミノ末端部分は、抗原結合に関与する約100~110またはそれより多いアミノ酸の可変ドメインを含む。各鎖のカルボキシル末端ドメインは、エフェクター機能に最も関与する定常領域を決定する。軽鎖は、カッパおよびラムダと分類され、そして特異的定常領域を有する。各軽鎖は、可変N末端軽鎖領域(以後、VLまたはVKと称される)および単一ドメインからなる定常軽鎖領域(CLまたはCK)を含むことで特徴付けられる。重鎖は、γ、δ、α、μおよびεと分類され、そして免疫グロブリンのクラス:それぞれIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを定義し;このうちいくつかはサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2にさらに分割可能である。各重鎖タイプは、特異的定常領域Fcによって特徴付けられる。各重鎖は、可変N末端領域(以後、VHと称する)および定常領域CHを含む。定常重鎖領域は、IgG、IgDおよびIgAに関して、3つのドメイン(CH1、CH2およびCH3)、そしてIgMおよびIgEに関して、4つのドメイン(CH1、CH2、CH3およびCH4)からなる。VH、VHHおよびVLはまた、より保存されたフレームワーク領域(FR)が散在する、いわゆる超可変領域(相補性決定領域、CDR)に分割可能である。各可変ドメインは、N末端からC末端に以下の順で配置されている3つのCDRおよびFRを含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4。
【0049】
本出願において、3つの重鎖CDRは、「HCDR1、HCDR2およびHCDR3」と称され、一方、3つの軽鎖CDRは、「LCDR1、LCDR2およびLCDR3」と称される。CDRは、抗原と特異的に相互作用するアミノ酸残基の大部分を含有する。CDR残基は、Kabat番号付けスキームにしたがって番号付けされ、そして位置づけられる。
【0050】
用語「抗原」は、抗体が反応性でありうる抗原ターゲットを指し;本明細書において、この技術分野において、専門家が使用するのと同じように用いられ、そして限定されるわけではないが、ポリペプチド、ペプチド、多糖、糖タンパク質、ポリヌクレオチド(例えばDNA)、または化学抗原、受容体またはインターロイキンを含む。インターロイキンには、多様な群のインターロイキンが含まれることも可能であり、例えばインターロイキン1(アルファおよびベータ)、インターロイキン2、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン6、インターロイキン7、インターロイキン8、インターロイキン9、インターロイキン10、インターロイキン11、インターロイキン17、インターロイキン18およびインターロイキン33が含まれる。
【0051】
用語「抗原」はまた、本発明の抗体を産生する目的で、動物(例えばラマ)の免疫のために用いられる物質を記載するよう用いられることも可能である。この背景において、「抗原」は、より広い意味を有することも可能であり、そして抗原の精製型、ならびに未精製であるか、または完全に単離されていない、または精製されていない抗原産物、例えば細胞、細胞溶解物、または上清、細胞分画、例えば細胞膜等を、タンパク質キャリアーとコンジュゲート化された添加ハプテンとともに、含むことも可能である。免疫に用いる抗原は、必ずしも本発明の抗体が最終的に結合可能である抗原ターゲットと構造的に同一の抗原を意味しない。通常、免疫に用いる抗原は、抗原ターゲットの小型化されたバージョンであり、例えば免疫原性エピトープを含む断片である。免疫に用いる抗原に関するさらなる詳細は、文献に記載され、そしてこの技術分野の専門家によく知られている可能性もある。
【0052】
各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体の抗原結合部位を形成する。したがって、損なわれていないIgG抗体は、2つの結合部位を有する。二重官能性または二重特異性抗体を除いて、2つの結合部位は同一である。本出願にしたがって、「抗原結合領域」または「抗原結合部位」、または「抗原結合ドメイン」は、交換可能であり、本明細書において、抗原と相互作用し、そして抗体に、抗原に対する特異性およびアフィニティを与えるアミノ酸残基を含む、抗体領域を指す。この抗体断片には、抗原結合残基の適切なコンホメーションを維持するために必要なフレームアミノ酸残基が含まれる。
【0053】
好ましくは、本発明の抗体のVHH抗原結合領域のCDRまたは全抗原結合領域は、完全にラクダ科から生じるか、または実質的にラクダ科起源のものであり、そして抗体の特定の特性(例えばK、KoffまたはIC50)を改善するために変更された、例えば多様なアミノ酸残基(例えば表6を参照されたい)で置換された特定のアミノ酸残基を含む。好ましくは、本発明にしたがった抗体フレームワーク領域は、ラクダ科起源またはヒト起源のもの、あるいは実質的にヒト起源のもの(少なくとも80、85、90、95、96、97、98または99%ヒト起源のもの)であり、そしてKabat番号付けにしたがう。
【0054】
「抗体断片」は、抗体断片または全長抗体の活性を有する抗体断片によって示されうる。前記抗体断片は、F(ab’)2、F(ab)2、Fab’、Fab FvおよびscFvによって示されうる。
【0055】
「インターロイキン17」はまた、「IL-17」または「IL-17A」とも称され、20~30kDホモ二量体糖タンパク質である。ヒトIL-17の遺伝子は、155アミノ酸からなり、そして19アミノ酸シグナル配列および136アミノ酸成熟セグメントを有するタンパク質をコードする。ヒトIL-17Aのアミノ酸配列は、ウサギ、マウスおよびラットのアミノ酸配列に、それぞれ、80%、63%および58%類似である。ヒトIL-17Aのアミノ酸配列は、カニクイザルIL-17Aに97%同一である。
【0056】
用語「抗体」は、本発明の抗IL-17モノクローナル抗体(以後、「本発明の抗体」と称される)に関して適用された際、本明細書において、モノクローナル抗体を意味する。
【0057】
本明細書において、用語「阻害する」または「中和する」は、本発明の抗体の活性に関して、限定されるわけではないが、生物学的活性(例えばIL-17の活性)または特性、疾患または状態を含む、例えば、阻害対象の発展または重症度を、有意にブロックするか、防止するか、制限するか、遅延させるか、停止するか、減少させるかまたは逆転させる能力を意味するものとする。本発明記載の抗体とIL-17の結合は、IL-17活性の、好ましくは、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、95%またはそれより高い阻害または中和を生じる。
【0058】
用語「分離」または「単離」は、核酸またはタンパク質産物(例えば抗体)に関して、
天然供給源において、通常は組み合わされている混入物質の少なくとも1つから同定され、そして分離されている核酸分子またはタンパク質分子を指す。好ましくは、「単離抗体」は、特定の抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含有しない抗体である(例えば、本発明の薬学的組成物は、IL-17Aに特異的に結合する単離抗体を含有し、そしてIL-17A以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含有しない)。
【0059】
用語「Kabat番号付けスキーム」または「Kabatにしたがった番号付け」は、本明細書において、抗体の重鎖および軽鎖の可変領域における他のアミノ酸残基よりもより可変性である(すなわち超可変性である)アミノ酸残基の番号付けのための系を指す(Kabatら Ann. NY Acad. Sci., 190:382-93(1971); Kabatら Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、米国保健社会福祉省、NIH刊行物、第91-3242(1991))。
【0060】
ポリヌクレオチドは、他のポリヌクレオチドに対する機能的連結を有する場合、「機能的に結合している」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、コード配列転写に影響を及ぼすならば、該コード配列に機能的に結合している。ポリペプチドは、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが機能的に結合している場合、好ましくは、同じオープンリーディングフレームに位置する場合、別のポリペプチドに「機能的に結合している」。
【0061】
用語「DNA構築物」は、本明細書において、本発明の抗体をコードするDNAまたはその断片を指す。一般的に、抗体(例えば、本発明の抗体)をコードするDNAまたはその断片は、オープンリーディングフレーム内で、さらなるポリペプチド(例えば別のサイトカインの受容体、例えばIL-2受容体のドメインまたは領域)をコードする少なくとも1つの他のDNA断片に、機能的に(機能可能であるように)結合しており、そして次いで、適切な発現ベクター内に挿入されている。通常、DNA構築物は、特定の抗体部位をコードするいくつかのDNA断片が、リーディングフレーム内で、機能的に関連して、全抗体またはその機能性断片のいずれかをコードする確実な構築物が得られるような方式で形成される。例えば、DNA構築物は、N末端からC末端に抗体をコードする。こうした抗体を発現させ、単離し、そしてその活性に関して評価することも可能である。
【0062】
用語「ベクター」は、合成で、そしてバイオテクノロジーを通じて得られ、そして特定のそして本分野に知られる配列機能要素のセットを含有する核酸を指す。特定のベクターは、導入された宿主細胞中で自立的に複製可能であり、一方、他のベクターは、宿主細胞ゲノム内に組み込まれ、そして宿主ゲノムと共に複製されることが可能である。さらに、いくつかのベクターは、機能的に結合した遺伝子の発現を仲介することも可能である。本出願において、こうしたベクターは、「組換え発現ベクター」(または「発現ベクター」)と称され;例示的なベクターは先行技術から周知である。
【0063】
本明細書において、用語「細胞」、「宿主細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」は、交換可能であり、そして本発明記載の任意の単離ポリヌクレオチドまたは本発明の抗体の配列を含有する任意の組換えベクター(単数または複数)のレシピエントである、個々の細胞または細胞培養物を指す。宿主細胞は、個々の宿主細胞から得られる世代を含む;世代は、天然、偶発的または意図される突然変異および/または変異のため、元来の宿主細胞に必ずしも完全に同一でなくてもよい(形態または全長DNA補体に関して)。宿主細胞には、組換えベクター、あるいは本発明記載のポリヌクレオチドを発現するモノクローナル抗体、またはその重鎖もしくは軽鎖で形質転換されるか、形質導入されるか、または感染した細胞が含まれる。本発明記載の組換えベクターを含有する(宿主染色体に取り込まれていてもまたはいなくてもいずれでも)宿主細胞はまた、「組換え宿主細胞」と呼ばれることも可能である。本発明で用いるべき好ましい宿主細胞は、CHO細胞(例えばATCC CRL-9096)、NS0細胞、SP2/0細胞、COS細胞(ATCC、例えばCRL-1650、CRL-1651)およびHeLa(ATCC CCL-2)である。本発明で用いるべきさらなる宿主細胞には、植物細胞、酵母細胞、他の哺乳動物細胞および原核細胞が含まれる。
【0064】
用語、抗体および抗原ターゲット(抗原)の間の「特異的結合」は、免疫学的特異性を指す。抗体は、他の抗原エピトープよりも強く抗原エピトープに結合する場合、抗原ターゲットに特異的に結合可能である。特異的結合は、類似の抗原エピトープを所持する他の抗原との交差反応性を排除しない。
【0065】
本発明の抗体のVLドメインは、VLラムダ型またはVLカッパ型のいずれであってもよい。用語「VLドメイン」は、1またはそれより多いアミノ酸置換、挿入または欠失を含有する、VLラムダおよびVLカッパ・アイソタイプの両方を含む。
【0066】
用語「薬学的組成物」は、本発明の抗体の療法的有効量に加えて、賦形剤(キャリアー、希釈剤、ビヒクル、溶媒および他の賦形剤)を含有する配合物および/または組成物を含む。
【0067】
用語「使用」または「治療」は、本発明の抗体または該抗体を含有する薬学的組成物を用いて、本発明の抗体が結合可能である受容体によって仲介される疾患または障害に関して、疾患を治療するか、その経過を軽減するか、寛解を促進するか、または再発率を減少させる能力を指す。
【0068】
発明の説明
本発明は、好ましくはIgG型の、ヒト化モノクローナル抗体であって、増加したアフィニティおよび改善された凝集安定性を有し、可変ドメインが、VHH誘導体と軽鎖可変ドメインVの組み合わせによって示される、前記抗体を提唱する。
【0069】
1つの態様において、本発明の抗体のVHH誘導体は、44X45X位でアミノ酸置換を含んでもよく、式中、X=G、A、V、S、T;X=A、V、T、H;またはその組み合わせである(44および45は、アミノ酸置換位を示す)。以後、アミノ酸置換位は、Kabat番号付けスキームを用いて示される(http://www.bioinf.org.uk/abs/)。
【0070】
別の態様は、ラクダ科であってもよい免疫動物から単離されたVHHを含む最初のIgG抗体に比較して、改善された凝集安定性のVHH誘導体を有する、本発明の抗体を伴う。
【0071】
本発明の別の態様は、ラクダ科の免疫動物から単離された抗体の重鎖可変ドメインであるVHH誘導体を含む抗体を伴う。本明細書において、VHH誘導体は、44および45位での以下の置換:
a)44X、式中、X2=G、A、V、S、T;
b)45X、式中、X3=A、V、T、H;
またはその組み合わせ
を除いて、任意の位で、ヒトに典型的なさらなるアミノ酸置換を有してもよい。
【0072】
別の態様は、ラクダ科の非免疫動物から単離された重鎖可変ドメインによって示されうるVHH誘導体を含む本発明の抗体を伴う。本明細書において、VHH誘導体は、44および45位での以下の置換:
a)44X、式中、X2=G、A、V、S、T;
b)45X、式中、X3=A、V、T、H;
またはその組み合わせ
を除いて、任意の位で、ヒトに典型的なさらなるアミノ酸置換を有してもよい。
【0073】
別の態様は、ヒト抗体誘導体である軽鎖可変ドメインVを含む、本発明の抗体を伴う。本発明のさらなる態様において、軽鎖可変ドメインVは、動物抗体のヒト化断片である。
【0074】
別の態様は、システイン-44(Kabat番号付けスキーム)を含有するVHH誘導体、およびシステイン-100(Kabat番号付けスキーム)を含有する軽鎖可変ドメインVを含む、本発明の抗体を伴う。
【0075】
本発明の別の態様は、以下のアイソタイプ:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のいずれかの抗体を伴う。
別の態様は、IgGの一部として非天然の修飾Fcを含む、本発明の抗体を伴う。
【0076】
別の態様は、10mg/mlを超える濃度で用い、そして4℃の温度で>6ヶ月保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性を有する、本発明の抗体を伴う。本発明のさらなる態様において、抗体は、10mg/mlを超える濃度で用い、そして37℃の温度で>2週間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性を有する。本発明の別のさらなる態様は、10mg/mlを超える濃度で用い、そして42℃の温度で>48時間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性を有する抗体を伴う。本発明の1つのさらにさらなる態様は、10mg/mlを超える濃度で用い、そして50℃の温度で>6時間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性を有する抗体を伴う。
【0077】
1つの態様は、解離定数K≦10-9Mを有する抗体を伴う。別の態様は、抗体-抗原相互作用会合定数kon(1/Ms)≧10 1/Msを有する、本発明の抗体を伴う。本発明の1つのさらなる態様は、抗原-抗体解離定数dis(1/s)≦10-4 1/sを有する抗体を伴う。
【0078】
さらに、本発明は、抗体断片を示唆する。この抗体断片は、抗体配列の一部である、軽鎖、重鎖、軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示されてもよく、これには生体分子特異的抗体変異体が含まれる。本発明の別の態様は、Fabの一部である軽鎖、重鎖、軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示される、抗体断片を伴う。本発明の抗体断片は、scFvの一部である軽鎖、重鎖、軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示されることも可能である。
【0079】
さらに、本発明は、本発明の抗体の産生法を示唆する。抗体産生の前記方法は、以下:部位特異的突然変異誘発、ディスプレイ法、遺伝子操作、当該技術分野に周知の生化学および高性能バイオテクノロジー法であって、ラクダ科抗体のVHHドメインの異なる位での部位特異的突然変異のための方法を含むことも可能な、前記方法より選択される相を伴うことも可能である。
【0080】
さらに、本発明は、請求する抗体またはその断片をコードするDNA構築物、ならびに本発明の1またはいくつかのDNA構築物を含む発現ベクターを提供する。
さらに、本発明は、前記発現ベクターまたはDNA構築物を含む細胞株を示唆する。
【0081】
さらに、本発明は、ヒト化モノクローナル抗体またはその断片の産生法であって、細胞株を、培地中で、前記抗体またはその断片が得られるために十分な条件下で培養し、その後、得た抗体またはその活性断片を単離し、そして精製することを伴う、前記方法を示唆する。
【0082】
さらに、本発明は、抗体またはその断片を、1またはいくつかの薬学的に適切な賦形剤、希釈剤またはキャリアーと組み合わせて含有する、薬学的組成物を示唆する。組成物を得るための技術の詳細は、特別なバイオテクノロジー指針、例えば[25]に記載される。
【0083】
本発明の別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する活性分子内の抗体またはその断片であって、前記抗体またはその断片が、3つの超可変領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含むラクダ科重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体を含み、ここで:
配列番号1のアミノ酸配列:G-T-F-A-T-Х32-Х33-Х34-Х35を含むHCDR1(番号付けはKabatインデックスにしたがう)、式中
Х32は、S、N、K、R、E、W、Q、D、A、VおよびFを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х33は、PおよびSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х34は、MおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х35は、G、N、S、A、L、I、R、VおよびQを含む群より選択されるアミノ酸である;
配列番号2のアミノ酸配列:Х50-I-X52-Х52a-S-G-Х55-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-Gを含むHCDR2、式中、
Х50は、A、GおよびLを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х52は、S、DおよびEを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х52aは、PおよびAを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х55は、G、S、T、L、R、D、E、K、AおよびWを含む群より選択されるアミノ酸である;
配列番号3のアミノ酸配列:С-А-X94-X95-X96-X97-F-X99-X100-X100a-X100b-X100c-X100d-X100e-X100f-D-Y-D-Sを含むHCDR3、ここで
X94は、K、S、T、V、DおよびGを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X95は、RおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X96は、G、R、Y、H、D、WおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X97は、R、A、V、S、LおよびHを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X99は、D、E、G、A、R、V、KおよびQを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100は、G、SおよびNを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100aは、G、T、P、V、R、NおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100bは、V、S、T、L、Y、A、H、GおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100cは、Y、WおよびSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100dは、R、V、L、Y、A、W、K、G、QおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100eは、T、L、AおよびSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100fは、T、L、G、P、N、A、Q、F、IおよびDを含む群より選択されるアミノ酸である;
b)ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、前記抗体または断片を伴う。
【0084】
別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして3つの超可変領域を含む重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体であって:
G-T-F-A-T-S-P-M-G(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHCDR1;
A-I-S-P-S-G-G-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-G(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHCDR2;
С-А-V-R-R-R-F-D-G-T-S-Y-Y-T-G-D-Y-D-S(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHCDR3
を含む、前記誘導体;
b)ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、抗体またはその断片を伴う。
【0085】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして配列番号7のアミノ酸配列を含む、重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体、および
ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、抗体を伴う。
【0086】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そしてVHH誘導体を含む抗体またはその断片であって、前記可変ドメインが配列番号7に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその断片を伴う。
【0087】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして配列番号7のアミノ酸配列を含む、VHH誘導体;および配列番号8のアミノ酸配列を含むヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)を含有する、抗体を伴う。
【0088】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そしてVHH誘導体およびヒト抗体の軽鎖可変領域(V)を含む、抗体またはその断片であって、前記可変ドメインが配列番号8に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体またはその断片を伴う。
【0089】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして配列番号9のアミノ酸配列をを含む、重鎖、および配列番号10の配列を含む、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン(V)を含有する、抗体を伴う。別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして重鎖および軽鎖を含有する抗体であって、前記鎖が、配列番号9および/または配列番号10に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体を伴う。
【0090】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する本発明の抗体であって、≦10-10MのKで特徴付けられる、ヒトIL-17Aに対する結合アフィニティを有する、前記抗体を伴う。別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体であって、ヒトIL-17Aに対する動力学会合定数kon(1/Ms)が少なくとも10 1/M秒である、前記抗体を伴う。別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体であって、ヒトIL-17Aに対する動力学解離定数dis(1/c)が10-5 1/秒より大きくない、前記抗体を伴う。別の態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして任意の比活性試験によって調べられる任意のパラメータに関して、50%未満でなく、ヒトIL-17Aの活性を阻害する、抗体を伴う。
【0091】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体であって、哺乳動物、酵母または細菌細胞によって産生される、前記抗体を伴う。
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして天然Fcに比較して、Fc領
域に1またはそれより多いさらなるアミノ酸置換を含有する、抗体であって、前記置換が、天然Fcを有する抗体に比較した際、抗体の物理化学的および薬物動態学的特性を改善し、そして抗体がIL-17Aに結合する能力の損失を生じない、前記抗体を伴う。
【0092】
代替態様は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体をコードする、DNA構築物を示唆する。さらに、本発明は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体をコードする1つまたはそれより多いDNA構築物を含む発現ベクターを示唆する。さらに、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体を得るためのベクターを含む宿主細胞が示唆された。
【0093】
さらに、本発明は、IL-17Aに特異的に結合する抗体の産生法であって、DNA構築物を含む宿主細胞を、培地中で、前記抗体またはその断片を得るために十分な条件下でインキュベーションし、そしてさらに前記抗体またはその活性断片を単離し、そして精製することによって特徴付けられる、前記方法を示唆する。
【0094】
さらに、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体、および1またはそれより多い薬学的に適切な賦形剤、希釈剤またはキャリアーを含む薬学的組成物が示唆された。前記組成物は、TNF-α阻害剤より選択されるさらなる活性薬学的成分を含むことも可能である。前記組成物は、IL-17Aが仲介する疾患または障害の治療において使用可能である。IL-17Aが仲介する疾患または障害は:関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、敗血症性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎(thyroadenitis)、喘息、アレルギー性障害、乾癬、皮膚炎、全身性硬化症、移植片対宿主病、移植片拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎関与を伴う顕微鏡的多発血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染、侵襲、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、多腺性自己免疫症候群I型およびII型、シュミット症候群、急性呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎関連関節症、腸疾患滑膜炎、クラミジア属(Chlamydia)、エルシニア属(Yersinia)およびサルモネラ属(Salmonella)関連関節症、脊椎関節症、アテローム疾患/冠動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、慢性活動性肝炎症、頭蓋巨大動脈炎、原発性硬化性肝炎、特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣不全、未成熟卵巣不全、肺線維症、特発性線維化性肺胞炎、炎症後間質性肺病変、間質性肺炎、間質性肺疾患に関連する結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する混合結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する全身性強皮症、間質性肺疾患に関連する関節リウマチ、肺疾患に関連する全身性エリテマトーデス、肺疾患に関連する皮膚筋炎/多発性筋炎(polymuositis)、肺疾患に関連するシェーグレン病、肺疾患に関連する強直性脊椎炎、びまん性肺血管炎、肺疾患に関連するヘモジデリン沈着症、薬剤誘導性間質性肺疾患、線維症、放射性誘導性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤を伴う肺疾患、感染後間質性肺病変、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝炎I型(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、自己免疫性肝炎II型(抗LKM抗体関連)、自己免疫性低血糖症、角質増殖症を伴うB型インスリン耐性、副甲状腺機能低下症、急性移植関連免疫疾患、慢性移植関連免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、I型乾癬、II型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、NOS腎疾患、糸球体腎炎、顕微鏡的腎多発血管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性NOS男性不妊、抗精子免疫、多発性硬化症(すべての型)、交感神経性眼炎、結合組織疾患続発性肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性強皮症、シェーグレン症候群、高安病/関節炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺障害、甲状腺機能亢進症、自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘導性肝損傷、胆汁鬱滞、特異体質肝疾患、薬剤誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌感染(GBS)、精神障害(抑鬱および統合失調症を含む)、Th1およびTh2仲介性疾患、急性および慢性疼痛(多様な型)、悪性腫瘍、例えば肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、無ベータ・リポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性感染および寄生、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房性異所性拍動(atrial ectopics)、AIDS認知症複合、アルコール誘導性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植片拒絶、アルファ-Iアンチトリプシン不全、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗CD3療法、抗リン脂質症候群、受容体に対する過敏性反応、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、冠動脈硬化症、動静脈瘻、運動失調、心房細動(一定または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植片拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心臓性不整脈、心筋気絶症候群、心臓腫瘍、心筋疾患、バイパスに対する炎症反応、軟骨移植片拒絶、脳皮質変性、小脳障害、無秩序または多源性心房頻拍、化学療法誘導性障害、慢性骨髄細胞白血病(CML)、慢性アルコール中毒、慢性炎症性疾患、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患、慢性サリチル酸中毒、直腸結腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺、心臓、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法誘導性障害、ボクサー脳症、脱ミエリン化疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的状態、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病関連アテローム性動脈硬化症血管疾患、びまん性レビー小体病、鬱血性拡張型心筋症、基底核疾患、中年ダウン症候群、CNSドーパミンブロッカーによって誘導される運動障害、薬剤感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌症、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、皮膚紅痛症、錐体外路および小脳症状、家族性血球貪食性リンパ組織球症、胎児胸腺移植片拒絶、フリートライヒ運動失調症、末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス・フレグモーネ、胃潰瘍、糸球体腎炎、任意の臓器または組織移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物による肉芽腫、毛様細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植片拒絶、ヘモクロマト-シス、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、索枝不整脈、HIV感染/HIVニューロパシー、ホジキン病、多動運動障害、過敏性反応、過敏性関連間質性肺炎、高血圧、運動不足による運動障害、視床下部-下垂体-副腎軸の検査、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体仲介性細胞傷害、無力症、幼児期筋萎縮症、大動脈炎症、インフルエンザウイルスA、電離放射線への曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再灌流誘導性障害、虚血性脳卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植片拒絶、レジオネラ症、リーシュマニア症、ハンセン病、皮膚脊髄損傷、脂肪性浮腫、肝移植片拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、多発性全身ミトコンドリア障害、混合結合組織疾患、モノクローナルガンマ症、多発性骨髄腫、多発性全身変性症(メンセル、デジェリン・トーマス、シャイ・ドレーガーおよびマシャド・ジョセフ)、重症筋無力症、細胞内マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血性疾患、
鼻咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性障害、神経原性筋萎縮症I、
好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈分岐部閉塞、動脈閉塞性疾患、OKT3(登録商標)治療、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植片拒絶、膵癌、傍腫瘍性疾患/腫瘍関連高カルシウム血症、副甲状腺移植片拒絶、骨盤炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム性動脈硬化(アテローム性動脈硬化)疾患、末梢血管性疾患、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、POEMS症候群(多発ニューロパシー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル形質細胞増殖障害および皮膚変化)、灌流後症候群、ポンプヘッド症候群、開心術後梗塞後症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的ナローQRS頻拍、腎血管高血圧、再灌流傷害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症疾患、老人性舞踏病、レビー小体認知症、血清陰性関節炎、ショック、鎌形細胞疾患、皮膚同種移植片拒絶、皮膚変化、小腸移植片拒絶、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌筋炎、小脳構造損傷、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管梅毒、全身性アナフィラキシー、包括的全身性炎症反応症候群、全身型若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓症、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、過敏性反応III型、過敏性反応IV型、不安定性狭心症、尿毒症、尿敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈性疾患、静脈性血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス(vital)脳炎/無菌性髄膜炎、ウイルス血球貪食性症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、任意の臓器または組織に関する異種移植片拒絶、急性冠動脈症候群、急性特発性多発神経炎、急性炎症性脱ミエリン化神経根ニューロパシー、急性虚血、成人型スティル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、冠動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に関連する自己免疫性障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性未成熟卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心臓血管疾患、破局性抗リン脂質症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床単離症候群(cis)、結膜炎、小児期精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板逸脱、薬剤誘導性免疫溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼球陥入(entophthalmia)、上強膜炎、多形性紅斑、重症多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE仲介性アレルギー、自己免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱ミエリン病、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、特発性肺線維症/通常型間質性肺炎、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病またはクスマウル・マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、大理石様皮膚、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン病、粘膜性類天疱瘡、多発性臓器不全、重症筋無力症、脊髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、ニューロパシー、非A、非B肝炎、視神経炎、骨溶解症、卵巣癌、少数関節JIA、末梢動脈閉塞性疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性特発性関節炎、多発性内分泌不全、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポストポンプ症候群、原発性パーキンソン症、前立腺および直腸癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症(hyperstosis)および骨炎)、強皮症(sclerodermia)、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨症(ischias)、続発性副腎不全、シリコン関連結合組織疾患、スネドン・ウィルキンソン病、強直性脊髄炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、頭蓋動脈炎、トキソプラズマ属鼻炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群)、アレルギー反応I型、糖尿病II型、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性症、創傷治癒、およびエルシニア属またはサルモネラ属関連関節症より選択される。
【0095】
ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体を含む薬学的組成物を、療法的有効量で投与して、IL-17A仲介性疾患または障害を治療することも可能である。
本発明は、ヒトIL-17Aに特異的に結合する抗体を用いて、IL-17A仲介性疾患または障害を治療する方法を示唆する。治療法は、TNF-α阻害剤のさらなる投与を伴うことも可能である。
【0096】
さらなる実施例は、本発明を立証するが、これらは本発明を実施例自体に限定することを意図しない。
本出願の説明には、すべての情報供給源に対する参照が含まれる。
本発明は、非限定的に以下の態様を含む。
[態様1]
可変ドメインが、VHH誘導体と軽鎖可変ドメインVの組み合わせによって示される、ヒト化モノクローナルIgG抗体。
[態様2]
ラクダ(Camelidae)科の免疫動物から単離される天然VHH抗体に比較して、VHH誘導体の増加した凝集安定性によって特徴付けられる、態様1記載の抗体。
[態様3]
HH誘導体が、44X45X位で以下のアミノ酸置換:
a)式中、44X2=G、A、V、S、T;
b)式中、45X3=A、V、T、H;
またはその組み合わせ
を含む、態様1記載の抗体。
[態様4]
ラクダ科の免疫動物から単離される天然VHH抗体に比較して、VHH誘導体の増加した凝集安定性によって特徴付けられる、態様3記載の抗体。
[態様5]
HH誘導体が、ラクダ科の免疫動物から単離された重鎖の可変ドメインによって示され、そしてヒトに典型的であり、そして44X45X位での以下の置換:
c)式中、44X2=G、A、V、S、T;
d)式中、45X3=A、V、T、H;
またはその組み合わせ
を除く、任意の位に位置する、さらなるアミノ酸置換を含む、態様1記載の抗体。
[態様6]
HH誘導体が、ラクダ科の非免疫動物から単離された重鎖の可変ドメインであり、そしてヒトに典型的であり、そして44X45X位での以下のアミノ酸置換:
e)式中、44X2=G、A、V、S、T;
f)式中、45X3=A、V、T、H;
またはその組み合わせ
を除く、任意の位に位置する、さらなるアミノ酸置換を含む、態様1記載の抗体。
[態様7]
軽鎖可変ドメインVがヒト抗体誘導体である、態様1記載の抗体。
[態様8]
軽鎖可変ドメインVが抗体、好ましくは哺乳類のヒト化断片である、態様1記載の抗体。
[態様9]
HH誘導体がシステイン-44(Kabat番号付けスキーム)を含有し、そして軽鎖可変ドメインVがシステイン-100(Kabat番号付けスキーム)を含有する、態様1記載の抗体。
[態様10]
以下のアイソタイプ:IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のいずれか1つである、態様1記載の抗体。
[態様11]
IgGの一部として非天然の修飾Fcを含む、態様10記載の抗体。
[態様12]
10mg/mlを超える濃度で用い、そして4℃の温度で>6ヶ月保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性によって特徴付けられる、態様1記載の抗体。
[態様13]
10mg/mlを超える濃度で用い、そして37℃の温度で>2週間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性によって特徴付けられる、態様1記載の抗体。
[態様14]
10mg/mlを超える濃度で用い、そして42℃の温度で>48時間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性によって特徴付けられる、態様1記載の抗体。
[態様15]
10mg/mlを超える濃度で用い、そして50℃の温度で>6時間保存した際、凝集物含量が溶液中の最初の含量の5%より多く増加しない凝集安定性によって特徴付けられる、態様1記載の抗体。
[態様16]
解離定数Kが10-9Mおよびそれ未満である、態様1記載の抗体。
[態様17]
抗体-抗原相互作用動力学会合定数Kon(1/Ms)が少なくとも10 1/M秒およびそれより大きい、態様1記載の抗体。
[態様18]
抗体-抗原相互作用動力学解離定数dis(1/c)が10-4 1/秒およびそれ未満である、態様1記載の抗体。
[態様19]
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、態様1~18記載の抗体であって、
a)3つの超可変領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含むラクダ科重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体であって:
配列番号1のアミノ酸配列:G-T-F-A-T-Х32-Х33-Х34-Х35を含むHCDR1、式中
Х32は、S、N、K、R、E、W、Q、D、A、VおよびFを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х33は、PまたはSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х34は、MおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х35は、G、N、S、A、L、I、R、VおよびQを含む群より選択されるアミノ酸である;
配列番号2のアミノ酸配列:Х50-I-X52-Х52a-S-G-Х55-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-Gを含むHCDR2、式中、
Х50は、A、GおよびLを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х52は、S、DおよびEを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х52aは、PおよびAを含む群より選択されるアミノ酸であり;
Х55は、G、S、T、L、R、D、E、K、AおよびWを含む群より選択されるアミノ酸である;
配列番号3のアミノ酸配列:С-А-X94-X95-X96-X97-F-X99-X100-X100a-X100b-X100c-X100d-X100e-X100f-D-Y-D-Sを含むHCDR3、ここで
X94は、K、S、T、V、DおよびGを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X95は、RおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X96は、G、R、Y、H、D、WおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X97は、R、A、V、S、LおよびHを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X99は、D、E、G、A、R、V、KおよびQを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100は、G、SおよびNを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100aは、G、T、P、V、R、NおよびKを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100bは、V、S、T、L、Y、A、H、GおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100cは、Y、WおよびSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100dは、R、V、L、Y、A、W、K、G、QおよびIを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100eは、T、L、AおよびSを含む群より選択されるアミノ酸であり;
X100fは、T、L、G、P、N、A、Q、F、IおよびDを含む群より選択されるアミノ酸である;
を含む、前記誘導体;
b)ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、前記抗体。
[態様20]
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、態様1~18記載の抗体であって、
a)3つの超可変領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3を含む重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体であって:
G-T-F-A-T-S-P-M-G(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHCDR1

A-I-S-P-S-G-G-D-R-I-Y-A-D-S-V-K-G(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHCDR2;
С-А-V-R-R-R-F-D-G-T-S-Y-Y-T-G-D-Y-D-S(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHCDR3
を含む、前記誘導体;
b)ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、前記抗体。
[態様21]
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、態様20記載の抗体であって、
a)アミノ酸配列
【化1】
を含む、重鎖可変ドメイン(VHH)の誘導体;
b)ヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V)またはヒト化抗体の軽鎖可変ドメイン
を含む、前記抗体。
[態様22]
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、態様21記載の抗体であって、VHH誘導体を含み、前記可変ドメインが配列番号7に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体。
[態様23]
ヒトIL-17Aに特異的に結合する、態様22記載の抗体であって、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含む、VHH誘導体;
b)
【化2】
のアミノ酸配列を含むヒト抗体の軽鎖可変ドメイン(V
を含む、前記抗体。
[態様24]
ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そしてヒト抗体の軽鎖可変領域(V)を含み、前記可変ドメインが配列番号8に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、態様23記載の抗体。
[態様25]
ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして:
a)以下のアミノ酸配列:
【化3】
を含む、重鎖
b)以下のアミノ酸配列:
【化4】
を含む、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン(V
を含む、態様1~18記載の抗体。
[態様26]
ヒトIL-17Aに特異的に結合し、そして重鎖および軽鎖を含有する態様25記載の抗体であって、前記鎖が、配列番号9および/または配列番号10に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、前記抗体。
[態様27]
10-10Mおよびそれ未満のKで特徴付けられる、ヒトIL-17Aに対する結合アフィニティを有する、態様19記載の抗体。
[態様28]
ヒトIL-17Aに対する動力学会合定数kon(1/Mc)が10 1/M秒未満でない、態様19記載の抗体。
[態様29]
ヒトIL-17Aに対する動力学解離定数dis(1/s)が10-5 1/秒より大きくない、態様19記載の抗体。
[態様30]
未満でなく、ヒトIL-17Aの活性を阻害する、態様19記載の抗体。
[態様31]
哺乳動物、酵母または細菌細胞によって産生される、態様19記載の抗体。
[態様32]
天然Fcに比較して、Fc領域に1またはそれより多いさらなるアミノ酸置換を含む、態様19記載の抗体であって、前記置換が、天然Fcを有する抗体に比較した際、抗体の物理化学的および薬物動態学的特性を改善し、そして抗体がIL-17Aに結合する能力の損失を生じない、前記抗体。
[態様33]
態様1~32記載の抗体の断片。
[態様34]
抗体配列の一部である軽鎖、重鎖、ならびに軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示され、生体分子特異的抗体変異体を含む、態様33記載の抗体断片。
[態様35]
Fabの一部である軽鎖、重鎖、ならびに軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示される、態様34記載の抗体断片。
[態様36]
scFvの一部である軽鎖、重鎖、ならびに軽鎖および/または重鎖の可変ドメインによって示される、態様34記載の抗体断片。
[態様37]
態様1~32のいずれか記載の抗体または態様33~36記載のその断片の産生法であって、以下:部位特異的突然変異誘発、ディスプレイ法、遺伝子操作、当該技術分野に周知の生化学および高性能バイオテクノロジー法であって、ラクダ科抗体のVHHドメインの異なる位での部位特異的突然変異のための方法を含むことも可能な、前記方法より選択される相を伴う、前記方法。
[態様38]
態様1~32のいずれか記載の抗体または態様33~36のいずれか記載の抗体断片をコードする、DNA構築物。
[態様39]
態様38記載の1つまたはいくつかのDNA構築物を含む、発現ベクター。
[態様40]
態様39記載の発現ベクターまたは態様38記載のDNA構築物を含む、細胞株。
[態様41]
態様1~32記載のヒト化モノクローナル抗体または態様33~36記載の抗体断片の産生法であって、態様40記載の細胞株を、培地中で、前記抗体またはその断片が得られるために十分な条件下でインキュベーションし、その後、得た抗体またはその活性断片を単離し、そして精製することを伴う、前記方法。
[態様42]
態様39記載のベクターを含む宿主細胞。
[態様43]
態様1~32のいずれか記載の抗体または態様33~36記載の抗体断片の産生法であって、態様42記載の細胞株を、培地中で、前記抗体またはその断片が得られるために十分な条件下でインキュベーションし、その後、得た抗体またはその活性断片を単離し、そして精製することを伴う、前記方法。
[態様44]
態様1~32のいずれか記載の抗体または態様33~36記載のその断片を、1またはいくつかの薬学的に適切な賦形剤、希釈剤またはキャリアーと組み合わせて含む、薬学的組成物。
[態様45]
TNF-α阻害剤より選択される活性薬学的成分をさらに含む、態様44記載の薬学的組成物。
[態様46]
IL-17Aが仲介する疾患または障害の療法において用いられるべき、態様44記載の薬学的組成物。
[態様47]
IL-17Aが仲介する疾患または障害が:関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、敗血症性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎(thyroadenitis)、喘息、アレルギー性障害、乾癬、皮膚炎、全身性硬化症、移植片対宿主病、移植片拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎関与を伴う顕微鏡的多発血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染、侵襲、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、多腺性自己免疫症候群I型およびII型、シュミット症候群、急性呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎関連関節症、腸疾患滑膜炎、クラミジア属(Chlamydia)、エルシニア属(Yersinia)およびサルモネラ属(Salmonella)関連関節症、脊椎関節症、アテローム疾患/冠動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、慢性活動性肝炎症、頭蓋巨大動脈炎、原発性硬化性肝炎、特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣不全、未成熟卵巣不全、肺線維症、特発性線維化性肺胞炎、炎症後間質性肺病変、間質性肺炎、間質性肺疾患に関連する結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する混合結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する全身性強皮症、間質性肺疾患に関連する関節リウマチ、肺疾患に関連する全身性エリテマトーデス、肺疾患に関連する皮膚筋炎/多発性筋炎(polymuositis)、肺疾患に関連するシェーグレン病、肺疾患に関連する強直性脊椎炎、びまん性肺血管炎、肺疾患に関連するヘモジデリン沈着症、薬剤誘導性間質性肺疾患、線維症、放射性誘導性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤を伴う肺疾患、感染後間質性肺病変、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝炎I型(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、自己免疫性肝炎II型(抗LKM抗体関連)、自己免疫性低血糖症、角質増殖症を伴うB型インスリン耐性、副甲状腺機能低下症、急性移植関連免疫疾患、慢性移植関連免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、I型乾癬、II型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、NOS腎疾患、糸球体腎炎、顕微鏡的腎多発血管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性NOS男性不妊、抗精子免疫、多発性硬化症(すべての型)、交感神経性眼炎、結合組織疾患続発性肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性強皮症、シェーグレン症候群、高安病/関節炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺障害、甲状腺機能亢進症、自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘導性肝損傷、胆汁鬱滞、特異体質肝疾患、薬剤誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌感染(GBS)、精神障害(抑鬱および統合失調症を含む)、Th1およびTh2仲介性疾患、急性および慢性疼痛(多様な型)、悪性腫瘍、例えば肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、無ベータ・リポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性感染および寄生、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房性異所性拍動(atrial ectopics)、AIDS認知症複合、アルコール誘導性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植片拒絶、アルファ-Iアンチトリプシン不全、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗CD3療法、抗リン脂質症候群、受容体に対する過敏性反応、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、冠動脈硬化症、動静脈瘻、運動失調、心房細動(一定または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植片拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心臓性不整脈、心筋気絶症候群、心臓腫瘍、心筋疾患、バイパスに対する炎症反応、軟骨移植片拒絶、脳皮質変性、小脳障害、無秩序または多源性心房頻拍、化学療法誘導性障害、慢性骨髄細胞白血病(CML)、慢性アルコール中毒、慢性炎症性疾患、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患、慢性サリチル酸中毒、直腸結腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺、心臓、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法誘導性障害、ボクサー脳症、脱ミエリン化疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的状態、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病関連アテローム性動脈硬化症血管疾患、びまん性レビー小体病、鬱血性拡張型心筋症、基底核疾患、中年ダウン症候群、CNSドーパミンブロッカーによって誘導される運動障害、薬剤感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌症、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、皮膚紅痛症、錐体外路および小脳症状、家族性血球貪食性リンパ組織球症、胎児胸腺移植片拒絶、フリートライヒ運動失調症、末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス・フレグモーネ、胃潰瘍、糸球体腎炎、任意の臓器または組織移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物による肉芽腫、毛様細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植片拒絶、ヘモクロマト-シス、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、索枝不整脈、HIV感染/HIVニューロパシー、ホジキン病、多動運動障害、過敏性反応、過敏性関連間質性肺炎、高血圧、運動不足による運動障害、視床下部-下垂体-副腎軸の検査、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体仲介性細胞傷害、無力症、幼児期筋萎縮症、大動脈炎症、インフルエンザウイルスA、電離放射線への曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再灌流誘導性障害、虚血性脳卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植片拒絶、レジオネラ症、リーシュマニア症、ハンセン病、皮膚脊髄損傷、脂肪性浮腫、肝移植片拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、多発性全身ミトコンドリア障害、混合結合組織疾患、モノクローナルガンマ症、多発性骨髄腫、多発性全身変性症(メンセル、デジェリン・トーマス、シャイ・ドレーガーおよびマシャド・ジョセフ)、重症筋無力症、細胞内マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血性疾患、鼻咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性障害、神経原性筋萎縮症I、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈分岐部閉塞、動脈閉塞性疾患、OKT3(登録商標)治療、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植片拒絶、膵癌、傍腫瘍性疾患/腫瘍関連高カルシウム血症、副甲状腺移植片拒絶、骨盤炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム性動脈硬化(アテローム性動脈硬化)疾患、末梢血管性疾患、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、POEMS症候群(多発ニューロパシー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル形質細胞増殖障害および皮膚変化)、灌流後症候群、ポンプヘッド症候群、開心術後梗塞後症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的ナローQRS頻拍、腎血管高血圧、再灌流傷害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症疾患、老人性舞踏病、レビー小体認知症、血清陰性関節炎、ショック、鎌形細胞疾患、皮膚同種移植片拒絶、皮膚変化、小腸移植片拒絶、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌筋炎、小脳構造損傷、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管梅毒、全身性アナフィラキシー、包括的全身性炎症反応症候群、全身型若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓症、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、過敏性反応III型、過敏性反応IV型、不安定性狭心症、尿毒症、尿敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈性疾患、静脈性血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス(vital)脳炎/無菌性髄膜炎、ウイルス血球貪食性症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、任意の臓器または組織に関する異種移植片拒絶、急性冠動脈症候群、急性特発性多発神経炎、急性炎症性脱ミエリン化神経根ニューロパシー、急性虚血、成人型スティル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、冠動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に関連する自己免疫性障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性未成熟卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心臓血管疾患、破局性抗リン脂質症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床単離症候群(cis)、結膜炎、小児期精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板逸脱、薬剤誘導性免疫溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼球陥入(entophthalmia)、上強膜炎、多形性紅斑、重症多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE仲介性アレルギー、自己免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱ミエリン病、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、特発性肺線維症/通常型間質性肺炎、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病またはクスマウル・マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、大理石様皮膚、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン病、粘膜性類天疱瘡、多発性臓器不全、重症筋無力症、脊髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、ニューロパシー、非A、非B肝炎、視神経炎、骨溶解症、卵巣癌、少数関節JIA、末梢動脈閉塞性疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性特発性関節炎、多発性内分泌不全、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポストポンプ症候群、原発性パーキンソン症、前立腺および直腸癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症(hyperstosis)および骨炎)、強皮症(sclerodermia)、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨症(ischias)、
続発性副腎不全、シリコン関連結合組織疾患、スネドン・ウィルキンソン病、強直性脊髄炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、頭蓋動脈炎、トキソプラズマ属鼻炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群)、アレルギー反応I型、糖尿病II型、蕁麻疹、通常型間質性肺炎、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性症、創傷治癒、およびエルシニア属またはサルモネラ属関連関節症より選択される、態様46記載の薬学的組成物。
[態様48]
IL-17A仲介性疾患または障害の治療のための方法であって、態様1~32記載の単離抗体または態様33~36記載のその断片の療法的有効量を、こうした治療を必要とする患者に投与することによって特徴付けられる、前記方法。
[態様49]
IL-17A仲介性疾患または障害が:関節リウマチ、変形性関節症、若年性慢性関節炎、敗血症性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性障害、乾癬、皮膚炎、全身性硬化症、移植片対宿主病、移植片拒絶、臓器移植に関連する急性または慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、グレーブス病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎関与を伴う顕微鏡的多発血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症ショック、毒性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染、侵襲、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、多腺性自己免疫症候群I型およびII型、シュミット症候群、急性呼吸促迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清陰性関節症、関節症、ライター症候群、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎関連関節症、腸疾患滑膜炎、クラミジア属、エルシニア属およびサルモネラ属関連関節症、脊椎関節症、アテローム疾患/冠動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、慢性活動性肝炎症、頭蓋巨大動脈炎、原発性硬化性肝炎、特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連疾患、B型肝炎、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣不全、未成熟卵巣不全、肺線維症、特発性線維化性肺胞炎、炎症後間質性肺病変、間質性肺炎、間質性肺疾患に関連する結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する混合結合組織疾患、間質性肺疾患に関連する全身性強皮症、間質性肺疾患に関連する関節リウマチ、肺疾患に関連する全身性エリテマトーデス、肺疾患に関連する皮膚筋炎/多発性筋炎、肺疾患に関連するシェーグレン病、肺疾患に関連する強直性脊椎炎、びまん性肺血管炎、肺疾患に関連するヘモジデリン沈着症、薬剤誘導性間質性肺疾患、線維症、放射性誘導性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤を伴う肺疾患、感染後間質性肺病変、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝炎I型(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、自己免疫性肝炎II型(抗LKM抗体関連)、自己免疫性低血糖症、角質増殖症を伴うB型インスリン耐性、副甲状腺機能低下症、急性移植関連免疫疾患、慢性移植関連免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、I型乾癬、II型乾癬、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、NOS腎疾患、糸球体腎炎、顕微鏡的腎多発血管炎、ライム病、円板状エリテマトーデス、特発性NOS男性不妊、抗精子免疫、多発性硬化症(すべての型)、交感神経性眼炎、結合組織疾患続発性肺高血圧、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性強皮症、シェーグレン症候群、高安病/関節炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺障害、甲状腺機能亢進症、自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑、急性肝疾患、慢性肝疾患、アルコール性肝硬変、アルコール誘導性肝損傷、胆汁鬱滞、特異体質肝疾患、薬剤誘導性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アレルギーおよび喘息、B群連鎖球菌感染(GBS)、精神障害(抑鬱および統合失調症を含む)、Th1およびTh2仲介性疾患、急性および慢性疼痛(多様な型)、悪性腫瘍、例えば肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、無ベータ・リポタンパク質血症、先端チアノーゼ、急性および慢性感染および寄生、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性または慢性細菌感染、急性膵炎、急性腎不全、腺癌、心房性異所性拍動、AIDS認知症複合、アルコール誘導性肝炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、同種移植片拒絶、アルファ-Iアンチトリプシン不全、筋萎縮性側索硬化症、貧血、狭心症、前角細胞変性、抗CD3療法、抗リン脂質症候群、受容体に対する過敏性反応、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、動脈性高血圧、冠動脈硬化症、動静脈瘻、運動失調、心房細動(一定または発作性)、心房粗動、房室ブロック、B細胞リンパ腫、骨移植片拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、脚ブロック、バーキットリンパ腫、火傷、心臓性不整脈、心筋気絶症候群、心臓腫瘍、心筋疾患、バイパスに対する炎症反応、軟骨移植片拒絶、脳皮質変性、小脳障害、無秩序または多源性心房頻拍、化学療法誘導性障害、慢性骨髄細胞白血病(CML)、慢性アルコール中毒、慢性炎症性疾患、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性閉塞性肺疾患、慢性サリチル酸中毒、直腸結腸癌、鬱血性心不全、結膜炎、接触性皮膚炎、肺、心臓、冠動脈疾患、クロイツフェルト・ヤコブ病、培養陰性敗血症、嚢胞性線維症、サイトカイン療法誘導性障害、ボクサー脳症、脱ミエリン化疾患、デング出血熱、皮膚炎、皮膚科学的状態、糖尿病、真性糖尿病、糖尿病関連アテローム性動脈硬化症血管疾患、びまん性レビー小体病、鬱血性拡張型心筋症、基底核疾患、中年ダウン症候群、CNSドーパミンブロッカーによって誘導される運動障害、薬剤感受性、湿疹、脳脊髄炎、心内膜炎、内分泌症、喉頭蓋炎、エプスタイン・バー・ウイルス感染、皮膚紅痛症、錐体外路および小脳症状、家族性血球貪食性リンパ組織球症、胎児胸腺移植片拒絶、フリートライヒ運動失調症、末梢動脈疾患、真菌性敗血症、ガス・フレグモーネ、胃潰瘍、糸球体腎炎、任意の臓器または組織移植片拒絶、グラム陰性敗血症、グラム陽性敗血症、細胞内生物による肉芽腫、毛様細胞白血病、ハラーホルデン・スパッツ病、橋本甲状腺炎、枯草熱、心臓移植片拒絶、ヘモクロマト-シス、血液透析、溶血性尿毒症症候群/血栓性血小板減少性紫斑病、出血、肝炎(A)、索枝不整脈、HIV感染/HIVニューロパシー、ホジキン病、多動運動障害、過敏性反応、過敏性関連間質性肺炎、高血圧、運動不足による運動障害、視床下部-下垂体-副腎軸の検査、特発性アジソン病、特発性肺線維症、抗体仲介性細胞傷害、無力症、幼児期筋萎縮症、大動脈炎症、インフルエンザウイルスA、電離放射線への曝露、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、虚血/再灌流誘導性障害、虚血性脳卒中、若年性関節リウマチ、若年性脊髄筋萎縮症、カポジ肉腫、腎移植片拒絶、レジオネラ症、リーシュマニア症、ハンセン病、皮膚脊髄損傷、脂肪性浮腫、肝移植片拒絶、リンパ浮腫、マラリア、悪性リンパ腫、悪性組織球増殖症、悪性黒色腫、髄膜炎、髄膜炎菌血症、代謝性/特発性疾患、偏頭痛、多発性全身ミトコンドリア障害、混合結合組織疾患、モノクローナルガンマ症、多発性骨髄腫、多発性全身変性症(メンセル、デジェリン・トーマス、シャイ・ドレーガーおよびマシャド・ジョセフ)、重症筋無力症、細胞内マイコバクテリウム・アビウム、結核菌、骨髄異形成症候群、心筋梗塞、心筋虚血性疾患、鼻咽頭癌、新生児慢性肺疾患、腎炎、ネフローゼ、神経変性障害、神経原性筋萎縮症I、好中球減少性発熱、非ホジキンリンパ腫、腹大動脈分岐部閉塞、動脈閉塞性疾患、OKT3(登録商標)治療、精巣炎/精巣上体炎、精巣炎/精管復元術、臓器肥大、骨粗鬆症、膵臓移植片拒絶、膵癌、傍腫瘍性疾患/腫瘍関連高カルシウム血症、副甲状腺移植片拒絶、骨盤炎症性疾患、通年性鼻炎、心膜疾患、末梢アテローム性動脈硬化(アテローム性動脈硬化)疾患、末梢血管性疾患、腹膜炎、悪性貧血、カリニ肺炎、POEMS症候群(多発ニューロパシー、臓器肥大、内分泌疾患、モノクローナル形質細胞増殖障害および皮膚変化)、灌流後症候群、ポンプヘッド症候群、開心術後梗塞後症候群、子癇前症、進行性核上性麻痺、原発性肺高血圧、放射療法、レイノー現象および疾患、レイノー病、レフサム病、規則的ナローQRS頻拍、腎血管高血圧、再灌流傷害、拘束型心筋症、肉腫、強皮症疾患、老人性舞踏病、レビー小体認知症、血清陰性関節炎、ショック、鎌形細胞疾患、皮膚同種移植片拒絶、皮膚変化、小腸移植片拒絶、固形腫瘍、特異的不整脈、脊髄性運動失調、脊髄小脳変性、連鎖球菌筋炎、小脳構造損傷、亜急性硬化性全脳炎、失神、心血管梅毒、全身性アナフィラキシー、包括的全身性炎症反応症候群、全身型若年性関節リウマチ、T細胞またはFAB ALL、毛細血管拡張症、閉塞性血栓症、血小板減少症、毒性、移植、外傷/出血、過敏性反応III型、過敏性反応IV型、不安定性狭心症、尿毒症、尿敗血症、蕁麻疹、心臓弁膜症、静脈瘤、血管炎、静脈性疾患、静脈性血栓症、心室細動、ウイルスおよび真菌感染、ウイルス(vital)脳炎/無菌性髄膜炎、ウイルス血球貪食性症候群、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウィルソン病、任意の臓器または組織に関する異種移植片拒絶、急性冠動脈症候群、急性特発性多発神経炎、急性炎症性脱ミエリン化神経根ニューロパシー、急性虚血、成人型スティル病、円形脱毛症、アナフィラキシー、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、冠動脈硬化症、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫性皮膚炎、連鎖球菌感染に関連する自己免疫性障害、自己免疫性腸疾患、自己免疫性難聴、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性未成熟卵巣不全、眼瞼炎、気管支拡張症、水疱性類天疱瘡、心臓血管疾患、破局性抗リン脂質症候群、セリアック病、頸椎症、慢性虚血、瘢痕性類天疱瘡、多発性硬化症のリスクを伴う臨床単離症候群(cis)、結膜炎、小児期精神障害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、涙嚢炎、皮膚筋炎、糖尿病網膜症、糖尿病、椎間板ヘルニア、椎間板逸脱、薬剤誘導性免疫溶血性貧血、心内膜炎、子宮内膜症、眼球陥入、上強膜炎、多形性紅斑、重症多形性紅斑、妊娠性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群(GBS)、枯草熱、ヒューズ症候群、特発性パーキンソン病、特発性間質性肺炎、IgE仲介性アレルギー、自己免疫性溶血性貧血、封入体筋炎、感染性眼炎症性疾患、炎症性脱ミエリン病、炎症性心疾患、炎症性腎疾患、特発性肺線維症/通常型間質性肺炎、虹彩炎、角膜炎、乾性角結膜炎、クスマウル病またはクスマウル・マイヤー病、ランドリー麻痺、ランゲルハンス細胞組織球症、大理石様皮膚、黄斑変性症、顕微鏡的多発血管炎、ベヒテレフ病、運動ニューロン病、粘膜性類天疱瘡、多発性臓器不全、重症筋無力症、脊髄異形成症候群、心筋炎、神経根障害、ニューロパシー、非A、非B肝炎、視神経炎、骨溶解症、卵巣癌、少数関節JIA、末梢動脈閉塞性疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患(PAD)、静脈炎、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマチ性多発筋痛症、白毛症、多関節型若年性特発性関節炎、多発性内分泌不全、多発性筋炎、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、ポストポンプ症候群、原発性パーキンソン症、前立腺および直腸癌および造血性悪性疾患(白血病およびリンパ腫)、前立腺炎、赤芽球癆、原発性副腎不全、再発性視神経脊髄炎、再狭窄、リウマチ性心疾患、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症および骨炎)、強皮症、続発性アミロイドーシス、ショック肺、強膜炎、坐骨症、続発性副腎不全、シリコン関連結合組織疾患、スネドン・ウィルキンソン病、強直性脊髄炎、スティーブンス・ジョンソン症候群、全身性炎症反応症候群、頭蓋動脈炎、トキソプラズマ属鼻炎、中毒性表皮壊死症、横断性脊髄炎、TRAPS(腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群)、アレルギー反応I型、糖尿病II型、
蕁麻疹、通常型間質性肺炎、血管炎、春季カタル、ウイルス性網膜炎、フォークト・小柳・原田症候群(VKH症候群)、滲出型黄斑変性症、創傷治癒、およびエルシニア属またはサルモネラ属関連関節症より選択される、態様48記載の治療法。
[態様50]
TNF-α阻害剤の投与をさらに含む、態様49記載の治療法。
【実施例
【0097】
実施例1
VHHに基づく抗体を得るためのフローチャート
図1は、VHHに基づく抗体を得て、そして最適化するためのフローチャートを示す。
【0098】
実施例2
懸濁哺乳動物細胞培養における、組換え抗原および抗体の産生
公表されるプロトコル[26;27]にしたがって、チャイニーズハムスター卵巣細胞から得られた樹立細胞株(CHO-K1)において、抗体および抗原を生成した。EBNA1タンパク質(エプスタイン・バー・ウイルス核抗原1)の遺伝子を恒常的に発現する細胞を用いた。Life Technologies社の血清不含培地を用いて、そして製造者の指針にしたがって、軌道振盪装置上のフラスコ中で、懸濁培養を行った。一過性発現のため、210/mlの濃度の細胞を、直鎖ポリエチレンイミン(PEI MAX、Polysciences)によってトランスフェクションした。DNA/PEI比は、1:3~1:10であった。トランスフェクション後、5~7日で、細胞培養を2000gで20分間遠心分離し、そして0.22μmフィルターを通じて濾過した。アフィニティ(affine)HPLCによって、培養液からターゲットタンパク質を単離した。
【0099】
Profinity IMAC Ni荷電樹脂(Bio-Rad)上、培養液から、C末端領域中の6つのHisアミノ酸を含有する組換えIL-17Aタンパク質を単離し、そして精製した。精製法の前に、NiClを1mMの濃度まで培養液に添加した。次いで、5mlのProfinity IMAC Ni荷電樹脂を培養液に添加し、そして振盪装置上、室温で1時間混合した。吸着物を5mlのThermo Scientificポリプロピレンカラムに移し、そして5カラム体積のPBSで洗浄して、非特異的結合構成要素を除去した。結合した抗原を0.3Mイミダゾール(pH 8)および150mM NaClで溶出した。次いで、Snake Skin透析チュービング技術によってPBS(pH 7.4)にタンパク質を透析し、濾過し(0.22μm)、試験管内に移し、そして-70℃で保存した。得たタンパク質の純度をSDS-PAGEによって評価した(図2)。
【0100】
試験および対照IgG1抗体を、IL-17A-Fcに関して前述する方法にしたがって、1ml Hi Trap rProteinA FFカラム(GE Healthcare)上で精製した。得たタンパク質の純度をSDS-PAGEによって評価した(図2)。
【0101】
実施例3
ヒトIL-17Aでのラマ免疫およびファージディスプレイ・ラマ抗体のFabライブラリーの生成
ラマ(Lama glama)を、等体積の完全(最初の注射)または不完全フロイントアジュバント(最初のもの以外のすべての注射)と混合した抗原材料を皮下投与することによって、連続5回免疫した。うち1つがヒトIL-17Aである組換えタンパク質の混合物(注射あたり各タンパク質0.2mg)(R&D Systemsのキット)を抗原として用いた。第二の注射(免疫段階)を、第一の注射の3週間後に行った;2週間間隔で、さらに3回の免疫を行った。血液試料(50ml)を、第三の注射から開始して、各注射後に収集した。
【0102】
抜き取った血液を、1mM EDTAを含有するPBSで2倍希釈した。次いで、35mlの希釈血液を15mlのHistopaque(登録商標)-1077培地(Sigma、1.077g/mlの密度)上に層にし、そして800gで20分間遠心分離した
。単核細胞(リンパ球および単球)を血漿/Histopaque培地中間相領域から選
択し、そして1mM EDTAを含有するPBSで洗浄した。
【0103】
プロトコル(QIAGEN)にしたがって、RNeasyミニキットを用いて、単核ラマ細胞から、総RNAを単離した。Nanovue(GE Healthcare)を用いて、RNA濃度アッセイを行った;1.5%アガロースゲル電気泳動によって、単離RNAの品質を試験した。
【0104】
MMuLV逆転写酵素およびランダム六量体プライマーを用いた推奨されるプロトコルにしたがって、MMLV RTキット(Evrogen)を用いて、逆転写反応を行った。
【0105】
2段階ポリメラーゼ連鎖反応において、マトリックスとして逆転写産物を用いて、制限部位が隣接した変異体ドメインの遺伝子を得た;オリゴヌクレオチドキットおよび[27;28;29]によるプロトコルを用いて、反応を行った。さらに、図3に示すような制限、連結および増幅の連続反応によって、軽鎖および重鎖の可変ドメインをコードする遺伝子を1つの断片に組み立てた。重鎖遺伝子を別個に、カッパおよびラムダ軽鎖遺伝子に付着させた。この場合、すべての反応において、マトリックス分子の概算されるカウントは、1011以上であった。得たDNA産物(VL-CK-VH)を、NheI/Eco91I制限酵素で処理し、そして元来のファージミドpH 5に連結した。ファージミド構造を図4に示す。プロトコル[30]にしたがって調製したSS320エレクトロコンピテント細胞に連結産物を形質転換した。構築されたカッパおよびラムダFabライブラリーのレパートリーは、それぞれ、5.110および3.710であった。先に記載される方法[31]にしたがって、未処理(naive)ファージディスプレイライブラリーの産物を調製した。
【0106】
実施例4
ファージディスプレイ抗体のFabライブラリーの選択
組換えヒトIL-17Aを用いて、ファージFabディスプレイライブラリーから、特異的抗IL-17AファージディスプレイFab抗体を選択した(R&D Systemsのキット);上述のように、一連の選択サイクルを行った[27;31;32]。パニング法による選択プロセスを実行するため、50mM炭酸緩衝液(pH9.5)中のヒトIL-17AをHighSorb試験管(Nunc)の表面上に4℃で一晩吸着させた。さらに、試験管をPBS(pH7.4)で洗浄し、そして次いで、PBS(pH7.4)-脱脂乳(0.5%重量/体積)を含有する溶液で1時間ブロッキングした。次いで、PBS(pH7.4)-脱脂乳(0.5%重量/体積)中の2~4mlのファージ溶液(mlあたり1012ファージ粒子)を、抗原を含む試験管に移し、そして攪拌しながら、系
を1時間インキュベーションした。PBS(pH7.4)-Tween20(0.1%体積/体積)の一連の洗浄周期で、未結合ファージを取り除いた。洗浄周期の数を最初のラウンドから第三のラウンドまで、それぞれ、20-30-40回に増加した。結合したままのファージ粒子を、攪拌しながら15分間、100mM Gly-HCl溶液(pH2.5)で溶出し、そして次いで、1M TRIS-HCl(pH7.6)で中和した。大腸菌(E. coli)TG1細菌を、得たファージに感染させ;さらに、ファージを単離し、そして次の周期で用いた。
【0107】
選択の第二および第三の周期の後、ポリクローナルファージ産物に関して行ったELISAは、有意な濃縮を示した。ヒトFabが濃縮されたプール・クローンを、mycタグおよびHis6タグを重鎖CH1遺伝子のC末端上に含む発現プラスミドLLに再クローニングした。
【0108】
実施例5
ヒトIL-17Aに特異的に結合するFabの分析
ELISAを用いて、ヒトIL-17Aと、研究するFab断片の結合を測定した。公表されるAIN457配列を持つFab(Novartis)を陽性対照として用いた。ELISAプレートウェル(Nunc ImmunoMaxisorp)を50μl(1xコーティング炭酸緩衝液中、0.5μg/ml)IL-17A-Fcでコーティングし、密封して、そして4℃で一晩インキュベーションした。高性能系、例えばGenetixQ-pix2xt(Molecular Devices)およびTecan Freedom EVO 200(Tecan)を用い、標準的ELISAプロトコルにしたがって、すべてのさらなる段階を行った。ブロッキング緩衝液BB(200μlのPBS中、0.5%脱脂乳)を添加することによって、非特異的結合をブロッキングした。プレートを、振盪装置上、室温で1時間インキュベーションした。PBS-Tweenで洗浄した後、各細胞を、等体積のBBと混合した、50μlの試験Fab含有細胞上清でコーティングした。プレートを、振盪装置上、室温で1時間インキュベーションした;さらに、各プレートウェルをPBS-Tween緩衝液で洗浄した。洗浄後、各ウェルを、PBS-Tween中の抗ヒトFab HRPコンジュゲート化二次抗体(Pierce-ThermoScientific)(1:5000)でコーティングした。プレートを回転振盪装置に移し(室温で50分)、そして次いで、上述のように、PBS-Tween緩衝液で5回洗浄した。飽和するまで(平均3~5分)、TMB(100μl/ウェル)を添加することによって、比色シグナルを得た;停止溶液(100μl/ウェル、10%硫酸)を添加することによって、さらなる発色をブロッキングした。適切なTecan-Sunriseプレート読み取り装置(Tecan)を用いて、450nmで吸光度を測定した。抗体結合は、産生されるシグナルに比例した。IL-17Aリガンドおよび受容体の間の相互作用をブロッキングする、アンタゴニスト性Fabを明らかにするため、色シグナルが5倍より高くベースラインシグナルを超えるクローンを、競合ELISAで試験した。
【0109】
実施例6
IL17AリガンドおよびIL17R受容体の相互作用をブロッキングする競合的ELISA
競合的ELISA技術を用いて、ヒトIL-17Aに対して特異的な、先に選択したFabのアンタゴニスト能を試験した。公表されたAIN457配列を有するFab(Novartis)を陽性アンタゴニスト対照として用いた。ELISAプレート(Nunc
Immuno Maxisorp)のウェルを、50μl/ウェルのIL-17RA-Fc受容体(R&D Systems;1xコーティング炭酸緩衝液中の1μg/ml溶液)で覆い、そして4℃で一晩インキュベーションした。高性能系、例えばGenetixQ-pix2xt(Molecular Devices)およびTecan Fre
edom EVO 200(Tecan)を用いた標準的ELISAプロトコルにしたがって、すべてのさらなる段階を行った。ブロッキング緩衝液BB(200μlのPBS中、0.5%脱脂乳)を添加することによって、非特異的結合をブロッキングした。プレートを、振盪装置上、室温で1時間インキュベーションした。
【0110】
平行して、50μlのIL-17A-His6-Flag(PBS-Tweenで希釈した1%ミルク中、0.4μg/ml)と、非結合性96ウェルプレート中の試験Fab含有細胞上清50μlを混合した。プレートを、振盪装置上、500rpmで、37℃で1時間インキュベーションした。
【0111】
IL-17RA-Fc受容体を含有するプレートをBB溶液で洗浄した後、ウェルあたり90μlの量で、FabおよびIL-17A-His6-Flagの反応混合物でプレートをコーティングした。振盪しながら、プレートを室温で45分間インキュベーションし、そして各ウェルをPBS-Tween緩衝液で5回洗浄した。さらに、1μg/mlの抗FLAGネズミM2抗体(Sigma)を50μl/ウェル、添加し、そしてプレートを室温で45分間インキュベーションした。インキュベーション後、各プレートウェルをPBS-Tweenで5回洗浄し、次いで、PBS-Tweenで1:5000希釈した50μl/ウェルの抗ネズミIgG HRPコンジュゲート化二次抗体(Pierce-ThermoScientific)でコーティングした。上に言及するように、プレートを回転振盪装置上、室温で45分間インキュベーションし、そしてPBS-Tweenで5回洗浄した。飽和するまで(平均3~5分)、TMB(100μl/ウェル)を添加することによって、比色シグナルを得た;停止溶液(100μl/ウェル、10%硫酸)を添加することによって、さらなる発色をブロッキングした。適切なTecan-Sunriseプレート読み取り装置(Tecan)を用いて、450nmで吸光度を測定した。抗体結合は、産生されるシグナルに比例した。
【0112】
対照Fab抗体AIN457のものと対応するレベルでブロッキングを示したクローンを陽性とマーキングし、そしてさらなる試験に用いた。陽性クローンの可変ドメインの遺伝子を、Applied Biosystems 3130遺伝子分析装置(Applied Biosystems)の標準プロトコルにしたがって配列決定に供した後、適切な分析を行った。3VHHFab可変ドメインを含むクローンを、さらなる研究のために選択した(図5B)。さらに、3VHHFabクローンは、多様な配列の23の軽鎖ドメインと組み合わせて提示されることが見出され、このうち3つを図5Bに示す。これは、相対的構造耐性を示し、そしてVHHドメインは、特に、軽鎖よりもIL-17A結合に寄与するという事実を示す。
【0113】
実施例7
抗IL-17A VHHFab候補の比較koff(kdiss)スクリーニング
Pall Forte Bio Octet Red 96系を用いて、抗IL-17A Fab候補に関する比較koffスクリーニングを行った。10mM PBS(pH7.2~7.4)、0.1%Tween-20および0.1%BSAを含む作業緩衝液中、抗FABCH1バイオセンサーを30分間再水和した。10x作業緩衝液を、1x最終濃度まで、大腸菌上清の試験試料に添加した。次いで、抗FABCH1バイオセンサーを、候補抗体のFab断片を含有する大腸菌上清内に染み込ませ、そして4℃で12時間インキュベーションした。Fab断片でコーティングしたセンサーを、作業緩衝液を含むウェルに移し、そしてベースラインを登録した(60秒)。次いで、センサーを、分析溶液(IL-17A、30μg/ml)を含むウェルに移し、抗原-抗体会合を達成した(300秒)。その後、さらに解離のため、作業緩衝液を含むウェルにセンサーを戻した。用いたセンサーを、各試験後、再生に供した:これらを3回再生緩衝液(Gly-HCl、pH1.7)に入れ、そして次いで、さらなる実験での使用に適用可能とした。1:1相
互作用モデルを含む標準法にしたがって、Octetデータ分析(バージョン7.0)を用いて、得た曲線を分析した。
【0114】
抗IL-17A Fab候補のkoffスクリーニングに関して得た結果を、図5Cおよび表1に示す。すべてのユニークなVHHFabとヒトIL-17Aの特異的および高アフィニティ結合が立証され、ここで3VHHFabは装置の検出限界を超えた非常に迅速なkonおよび非常に緩慢なkdis(1/c)を示した。
【0115】
表1. ヒトIL-17Aに対するVHHFabアフィニティ
【0116】
【表1】
【0117】
したがって、得た分析結果に基づいて、3VHHVK4B11候補をさらなる研究のために選択した。
実施例8
VHH可変ドメインのFR1およびFR2に突然変異を含むVHHIgG1抗体の生成
実施例3に記載するように、CHO-EBNA細胞におけるジョイント一過性発現のため、3VHHVK4B11候補の軽鎖および重鎖VHH鎖の可変ドメインの遺伝子を、pEE-HcиpEE-Lcプラスミドにクローニングした。さらに、プロトコル[Q5(登録商標)部位特異的突然変異誘発キット(NEB)]および[34]に記載される方法にしたがって、PfuUltraHSポリメラーゼ(Stratagene)を用いたオリゴヌクレオチド指示突然変異誘発によって、44位および45位(Kabat番号付けスキーム)での置換を導入した。プラスミドpEE-3VHHをマトリックスとして用いた。PCR産物を低融点アガロース上で分画し、そして適切なカラム上で精製した。連結後、DNAを大腸菌に形質転換した。正しい配列を持つ突然変異体クローンを選択する際、3VHH中に突然変異を持つプラスミドを、pEE-LcVK4B11と同時トランスフェクションした(図6Aおよび表2を参照されたい)。
【0118】
表2. 3VHHFabVK4B11突然変異体クローンの試料
【0119】
【表2】
【0120】
実施例9
VHH可変ドメインのFR1およびFR2において突然変異を含むVHHFab抗体の動力学パラメータの比較分析
Pall Forte Bio Octed Red 96系(実施例8を参照されたい)を用いた標準プロトコルにしたがって、抗IL-17A VHHFab候補に関する比較koffスクリーニングを行った。天然3VHHFabに比較した際、mut1、mut2およびmut4に関して、koffの有意な減少が見られ、そしてmut3に関しては、より有意でない減少が見られた(図6B)。
【0121】
実施例10
VHH可変ドメインのFR1およびFR2において突然変異を含む全長3VHHIgG1VK4B11抗体の熱凝集特性の比較分析
以下の方法を用いて、抗IL-17A VHHIgG1候補に関する凝集特性の比較分析を行った。PBS緩衝液中、VHHIgG1抗体(10mg/ml)の調製物を、50℃で6時間加熱した。熱ストレスによって誘導された凝集を、サイズ排除HPLCによって評価した。Tosoh TSK-Gel G3000SWXLカラム、7.8mmx30cm、カタログ番号08541と、Tosoh TSKgel Guard SWXLプレカラム、6.0mmx4.0cm、cm(7μm粒子、カタログ番号08543)を用いて、1100 HPLC系(Agilent)上で、試験を行った。0.5ml/分の流速で、50mMリン酸ナトリウム緩衝液および0.3M NaCl(pH7.0)を含有する可動相を用いた均一濃度溶出を行い、214nmおよび280nm波長で検出した。抗体試料をPBS(pH7.5)で、~1mg/mlの濃度まで希釈した。注射体積は10μlであった。ゲル濾過標準混合物(Bio-Rad、カタログ番号151-1901)を用いて、試験前にカラムを較正した。
【0122】
図6Cおよび要約表3に示すクロマトグラムは、熱ストレス下で、すべての突然変異体が多様な度合いに凝集し、ここで、天然変異体に関しては最低限の安定性が観察され、そして古典的VH構造に典型的なE44G+R45L置換を含むmut1に関しては最大安定性が明らかになった。
【0123】
さらに、アンフォールディングしたタンパク質の疎水性表面に結合する特異的色素SYPROOrangeの蛍光変化を測定して、タンパク質融点を決定する熱蛍光(Thermofluor)法(熱シフトアッセイとも称する)を用いて、得た調製物の熱安定性比較研究を行った[35]。StepOneリアルタイムPCR系(Applied Biosystems)装置および推奨されるプロトコルを用いて、突然変異体産物を研究した。研究結果を表3に示す。これらは、熱ストレス試験で得られる結果に相関し、この試
験は、野生型3VHHIgG1VK4B11に比較して、mut1およびmut4の安定性を確証する。
【0124】
表 突然変異体の熱安定性研究
【0125】
【表3】
【0126】
実施例11
IL-17AがIL-6産生を誘導する能力をブロッキングする抗IL-17A 3VHHIgG1VK4B11突然変異体の細胞試験
IL-17がヒトHT1080細胞(ATCC:CCL-121)によるIL-6の産生を誘導する能力を用いて、ヒト組換えIL-17Aに関する、VHHIgG1候補mut1およびmut4の中和活性を分析した。10%不活化胎児血清、ゲンタマイシンおよびグルタミンを添加したDMEM培地上で、細胞を増殖させた。510細胞/ウェルのアリコットを96ウェル培養プレート中に植え付けた。細胞を5時間接着させた。40ng/ml組換えIL-17および20ng/ml TNF-αの混合物を、VHHIgG1希釈物とともに37℃で1時間インキュベーションした。次いで、サイトカイン/抗体混合物を細胞に添加し、そして一晩放置した。HT1080細胞培養によるIL-6の産生は、添加したIL-17の量に比例した。DuoSet ELISA発展系ヒトIL6(RD System、カタログ番号DY206)を用いて、細胞上清試料中に放出されるIL-6の量を、ELISA技術によって評価した。VHHIgG1候補のアンタゴニスト特性の評価から得られる結果を、AIN457(Novartisによる抗IL-17A抗体)との比較で、図7に提示する。mut1のIC50値は、天然変異体に関するものよりほぼ30倍高く、一方、mut4変異体は、その阻害能をほぼ完全に維持した。mut4候補のIC50値は、30±10pMであった。本研究で得た結果、ならびに全体の物理化学的および生物学的特性に基づいて、前記候補をさらなる発展および最適化のために選択した。
【0127】
実施例12
ヒト軽鎖を含むmut4VHHFab抗体のエンジニアリング
適切なプロトコル(QIAGEN)にしたがって、RNeasyミニキットを用いて、55人のヒトドナーから収集したBリンパ球の総RNAを単離した。Nanovueキット(GE Healthcare)を用いてRNA濃度を測定し、そして単離RNAの品質を1.5%アガロースゲル電気泳動によって試験した。
【0128】
MMuLV逆転写酵素およびランダム六量体プライマーを用いた推奨されるプロトコル
にしたがって、MMLV RTキット(Evrogen)を用いて、逆転写反応を行った。
【0129】
2段階ポリメラーゼ連鎖反応において、マトリックスとして逆転写産物を用いて、制限部位が隣接した変異体ドメインの遺伝子を得た;オリゴヌクレオチドキットおよび[27]に記載されるプロトコルを用いて、反応を行った。上に特定するような、ファージミドpH5に基づいて、WO93/06213に記載される方法にしたがって、IL-17Aに対して特異的なキメラFabを生成した。図8に示すような制限、連結および増幅の連続反応によって、ヒト軽鎖の可変ドメインをコードする遺伝子、およびmut4VHHの可変ドメインをコードする遺伝子を1つの断片に組み立てた。この場合、すべての反応において、マトリックス分子の概算されるカウントは、1012以上であった。得たDNA産物(VL-CK-VH)を、NheI/Eco91I制限酵素で処理し、そして元来のファージミドpH 5に連結した。[30]に記載されるプロトコルにしたがって調製したSS320エレクトロコンピテント細胞に連結産物を形質転換した。混合カッパおよびラムダ・ヒト鎖に基づくキメラmut4 VHH Fabライブラリーのレパートリーは、2.810形質転換体であった。上に記載される方法[27]にしたがって、キメラファージディスプレイFabライブラリーを調製した。
【0130】
20μg/mlの溶解IL-17Aの存在下で、IL-17A結合ファージ抗体を37℃の温度で12時間、さらにインキュベーションすることを除いて、上記条件下(実施例5を参照されたい)で、ファージディスプレイキメラFabライブラリーの選択を行った。
【0131】
IL-17Aに対する第二周期の選択後、ライブラリーの有意な濃縮が観察された。濃縮されたキメラmut4 VHH Fabライブラリーの、得たプール・クローンを、標準プロトコル(実施例6を参照されたい)にしたがって、IL-17Aに関するスクリーニングに用いた。最終陽性クローンを配列決定に供した。図8Bは、高アフィニティmut4 VHHFab由来の、ヒト軽鎖可変ドメインの4つの配列VK1A7、VK3c18、VK3c118およびVK4clE12を示す。これらの配列は、最少数の体細胞突然変異を含む、異なるカッパ・ヒト生殖系列VK1、VK3およびVK4に属する。ヒト配列VK4clE12が、以前選択されたラマ軽鎖VK4B1に高い相同性を示すが、なお特徴的な差異を有することに注目すべきである。
【0132】
実施例13
多様な軽鎖変異体を含む全長mut4VHHIgG1抗体の熱凝集特性の比較分析
実施例3に記載するように、CHO-EBNA細胞におけるジョイント一過性発現のため、mut4 VHH候補の重鎖VHH鎖の可変ドメイン遺伝子を、pEE-Hcプラスミドにクローニングし、そしてヒト軽鎖VK1A7、VK3c18、VK3c118、VK3A4およびVK4E12の可変ドメイン遺伝子を、pEE-Lcプラスミドにクローニングした。さらに、実施例9に示すように、得た抗体を熱ストレスに曝露し、そして凝集プロファイルを調べた。得た結果を要約表に提示する(表4)。
【0133】
表4. mut4 VHHIgG1全長抗体の熱安定性
【0134】
【表4】
【0135】
さらに、実施例11に記載するものと同様の熱蛍光法を用いて、得た産物の比較熱安定性研究を行った。得たデータに基づくと、ヒト軽鎖を含む、選択したmut4VHH対は、VVK4B11ラマ軽鎖を含む天然変異体よりもより安定であった。したがって、比較研究において、最高の凝集安定性パラメータは、mut4VHHIgGG1VK1A7およびmut4VHHIgG1VK3c18の組み合わせに関して示された。
【0136】
実施例14
mut4 VHHIgG1VK3c8およびmut4 VHHIgG1VK1A7を用いて、IL-17AがIL-6産生を誘導する能力をブロッキングする細胞試験
IL-17がヒトHT1080細胞(ATCC:CCL-121)によるIL-6産生を誘導する能力を用いて、ヒト組換えIL-17に関するVHHIgG1候補mut4 VHHIgG1VK3c8およびmut4 VHHIgG1VK1A7の中和能を分析した(実施例12を参照されたい)。図9は、ブロッキング試験に関して得られる結果を示す。mut4 VHHIgG1VK1A7変異体(最大安定性によって特徴付けられる)は、IC50値の有意な低下を示す一方、mut4 VHHIgG1VK3c8変異体(中程度の安定性)はより安定なmut4 VHHIgG1VK1A7変異体に関して観察されるものを数倍超えた阻害を示している。
【0137】
実施例15
VHH可変ドメインのFR2中の44位および45位に多様な突然変異を含むmut4
VHHIgG1全長抗体のエンジニアリング、ならびにその凝集および機能特性の比較分析
凝集安定性のさらなる改善の目的のため、オリゴヌクレオチド指示突然変異誘発の方法を用いて、mut4 VHHIgG1VK3c8候補(以後、m4VHHc8と称する)に関して、VHHのFR2領域中の44位および45位に置換を導入した。研究には、44位に芳香族、脂肪族または陽性アミノ酸を含む変異体は含まれず、これはこれらが潜在的に免疫原性であり、そして構造的に禁じられているためである。実施例3に記載するように、突然変異体を一過性に発現させた(図8)。異なる突然変異体に関する産物の量は、1つの実験と別の実験では多様であるが、同じ実験内の収量は、すべての置換に関して匹敵するサイズのものであることに注目すべきである。得た突然変異体を熱ストレスに曝露した。表5は、異なる突然変異体に関して得た結果を立証する。より安定でない突然変異体は44G45Gおよび44G45Dであり、その安定性はm4VHHc8内の最初の44G45Rの組み合わせに関するものよりも低い。44G45N、44V45T、44D45T、44T45Tおよび44D45Vのような変異体は、その安定性を有意に留めた。すべての他の組み合わせは、m4VHHc8の増加した凝集安定性を生じる、付加された効果を立証し、そして最も安定なものは、45位で芳香族または脂肪族基を含む変異体であった。しかし、両方の位で、小分子親水性および疎水性アミノ酸を含む変異体、例えば44G45V、44G45T、44V45V、44A45V、44T45V、44A45Tおよび44S45Tもまた、有意な安定性を示した。
【0138】
表5. m4VHHc8のFR領域の44位および45位で置換を含む突然変異体の一過性発現および熱ストレス研究に関して得られた結果
【0139】
【表5】
【0140】
異なるバッチにおける誤差は最大5%である
**実験に応じて有意に異なる;同じバッチ内の産物に関しては、より正確な比較が提供される
***異なるバッチにおける誤差は最大50%である
実施例12に記載するような細胞試験における中和活性を評価するため、多様な突然変異体を用いて実験を行った(図11)。試験結果を表5に示す。VHH FR2の44位
および45位での小分子アミノ酸は、高いアンタゴニスト活性を示し、一方、45位に導入された巨大分子(脂肪族および芳香族)は、IC50の10倍の減少を生じた。図12は、重鎖および軽鎖の可変ドメインの相互作用を決定する、多様なアミノ酸置換を含む突然変異体に関する安定性および機能特性の図を示す。
【0141】
実施例16
抗IL17A 3VHHドメインのスキャニング突然変異誘発
Q5(登録商標)部位特異的突然変異誘発キット(NEB)を、プロトコルにしたがって用いて、NNKランダム化技術[26]によって、候補のCDRの個々の位に突然変異を挿入した。プラスミドpLL-Fabをマトリックスとして用いた。低融点アガロース上でPCR産物を分画し、そして適切なカラム上で精製した。連結後、DNAを大腸菌発現株BL21ゴールド(Stratagene)に形質転換した。次いで、得た個々のクローンを、上述のように、96ウェルプレート中のFab発現によって得た。上述の条件下で、そして高性能Genetix Q-pix2xtおよびTecan Freedom EVO200系を用いたELISAによって、突然変異体Fabアームを含有する上清を分析した。固定IL-17Aの濃度は0.2μg/mlであった。結合したFabアームを1:5000希釈のヤギ抗ヒトIgG(Fab’)2(HRP)コンジュゲート(Pierce)およびTMB+H2O2/H2SO4色素で染色した;450nm波長で吸収を測定した。
【0142】
スキャニング突然変異誘発によって得た結果を表6に示す。表は、CDR内置換を示し、これらは、野生型配列に比較した際、突然変異体Fab/ヒトIL-17A結合シグナルの≦30%減少に対応する。したがって、こうした個々の突然変異体またはその任意の組み合わせは、本発明の分野である。
【0143】
表6. スキャニング突然変異誘発
【0144】
【表6】
【0145】
したがって、アミノ酸置換に寛容性であるBCD109抗体CDRアミノ酸位に関して、スクリーニングを行った。アミノ酸置換の本パネルは、ヒトIL-17Aに対する抗体アフィニティを有意に変化させないことが立証された。前記置換パネルを用いて、候補の多様な特性を改善することも可能である。
【0146】
実施例17
BCD109候補のエンジニアリング、および多様な起源のIL-17Aに対するアフィニティの評価
抗体薬物動態学を改善する意図で、安定性またはIC50のいずれもを変化させない(データ未提供)ヒト化突然変異Q5VおよびR89VをVHHに、そしてCH2ドメインFcIgG1中に3つのさらなる突然変異232Y/234T/236Eを導入することによって、44G45T置換を含むm4VHHc8変異体(実施例16に記載)から、BCD109抗体を得た。抗体を一過性に発現させた。
【0147】
ヒト、サルおよびラットIL-17AへのBCD109結合のアフィニティを、OctetRed96系(ForteBio)上で調べた。製造者のマニュアルに記載される標準プロトコルにしたがって、アミン反応性第二世代センサー(AR2G)表面上に、BCD109を非特異的に固定した。30℃で、そして作業緩衝液として0.1%Tween-20および0.1%BSAを含むPBSを用いて、試験を行った。
【0148】
ヒト、サルおよびラットIL-17Aを2の増分で126nMの濃度から2nMの作業緩衝液で滴定した。
標準法にしたがって、そして1:1相互作用モデルを用いて、Octet Data分析ソフトウェア(バージョン7.0)結合曲線(参照シグナルを減じた後)を分析した。結果を図13Aに提示する。
【0149】
BCD109が、ピコモルアフィニティで、ヒトおよびサルIL-17Aに結合することがわかった(図13B)。さらに、候補はラットIL-17Aと相互作用しない(曲線を提示しない)。
【0150】
実施例18
熱ストレス下でのBCD109凝集安定性の決定
PBS中の10mg/mlのBCD109調製物を、実施例9に記載するプロトコルにしたがって、50℃の温度で6時間加熱した。
【0151】
図14に提示する結果は、熱ストレス下でBCD109抗体が安定なままであることを示す:凝集含量は5%未満であった。
実施例19
本発明の抗体を含む、薬学的組成物の獲得
50mg/mlの濃度のBCD109抗体を、注射のために適量の水に溶解し、そしてクエン酸を用いてpHを5.5にした。溶液を濾過し(濾過滅菌)、そしてアンプル内に密封した。
【0152】
得た産物は、6ヶ月間、沈降を伴わず安定であった。
あるいは、BCD109を、凍結保護剤としてマンニトールを含有する水に溶解し、濾過し(濾過滅菌)、そして次いで凍結乾燥に供した。得た粉末を無菌バイアルに分配した。バイアルにゴム栓をし、そしてアルミキャップで密封した。抗体産物を、注射用水で、凍結乾燥物から回復させることも可能である。
【0153】
参考文献
【0154】
【化1-1】
【0155】
【化1-2】
【0156】
【化1-3】
【0157】
【化1-4】
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図7
図8-1】
図8-2】
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12
図13-1】
図13-2】
図14
【配列表】
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