(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】弾性付き吸水フロアマット
(51)【国際特許分類】
A47G 27/02 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
A47G27/02 102
(21)【出願番号】P 2021516940
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 CN2019095171
(87)【国際公開番号】W WO2021003656
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】521118857
【氏名又は名称】簡単緑能股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】高 振益
(72)【発明者】
【氏名】黄 淑真
(72)【発明者】
【氏名】周 雅娟
(72)【発明者】
【氏名】呉 玉娟
(72)【発明者】
【氏名】高 上傑
(72)【発明者】
【氏名】潘 育仁
(72)【発明者】
【氏名】高 雪芳
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3205539(JP,U)
【文献】中国実用新案第203531335(CN,U)
【文献】登録実用新案第3214308(JP,U)
【文献】特開2017-190565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 27/02
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室または住居の玄関に設置する弾性付き吸水フロアマットであって、
滑り止め効果を有している発泡材質で製造され、床に貼設するための滑り止め層と、
吸水効果を有している発泡材質で製造され、前記滑り止め層の上側に貼設される弾性層と、を備え、
前記弾性層の表面には、破壊孔があり且つ粗造である複数の破壊領域が設けられ
、
前記破壊領域は、物理的或いは/及び化学的に破壊され前記弾性層の内部の細孔と連通する表面領域であり、靴または足裏に付着した水分をこすり落とし、その水分を前記弾性層に染み込ませる構成であり、
各前記破壊領域は、前記弾性層の全体の表面積に占める割合が5%~100%であり、
前記弾性層の発泡材質或いは/及び滑り止め層の発泡材質には、5%~25%の吸水材料がさらに混合されている
ことを特徴とする弾性付き吸水フロアマット。
【請求項2】
前記滑り止め層と前記弾性層との間に、さらに中間層が貼設されており、前記中間層が布材質で構成されている
請求項1に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【請求項3】
前記吸水材料は、珪藻土、陶器用粘土、粘土、鉱物粉末或いは/及び綿、植物粉末或いは/及びシルト、スラグ、高吸水性樹脂、ナイロン、化学粉末である
請求項1に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【請求項4】
前記滑り止め層の発泡材質及び弾性層の発泡材質には、疎水性材料はさらに混合されている
請求項1に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【請求項5】
前記滑り止め層の疎水性材料の含量は、吸水材料の含量より多い
請求項4に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【請求項6】
前記弾性層の疎水性材料の含量は、吸水材料の含量より少ない
請求項4に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【請求項7】
前記滑り止め層の底側には、複数の凹凸部がさらに設けられている
請求項1または2に記載の弾性付き吸水フロアマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室または住居の玄関に設置する吸水フロアマットに関し、より詳しくは、弾性付き吸水フロアマットに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室を出る際に、足裏や靴底についた水分により室内の床を濡らさないようにするために、一般的には浴室または住居の玄関に足裏や靴底の水分を吸収するための吸水フロアマットは設置されている。
【0003】
以前、浴室に用いられる吸水フロアマットの多くは織布であり、主に毛細管現象を利用して吸水を行っていたが、滑り止め効果がないため、踏んだ際に転倒しやすくなってしまった。このような欠点を解決するため、織布にゴムを貼設した吸水フロアマットが研究開発され、上側にある織布を利用して吸水し、底側にあるゴム底層を利用して滑り止めを行い、最適な吸水及び滑り止め効果を兼ね備えていた。
【0004】
前述のゴム底層を有している吸水フロアマットの使用効果は、従来の織布のものよりも優れているが、一般的に吸水フロアマットを踏んでいる時間は通常長くないため、接触時間が短いと織布が毛細管現象を利用して足裏や靴底の水分を迅速に吸収できず、足裏や靴底に水分が残留し、室内に入ると床が濡れることがよくあった。
【0005】
また、最近、硬式珪藻土吸水フロアマットがよく見受けられるようになっており、主に石膏及び珪藻土の粉末混合水で製造され、その多孔質材料の特性を利用して水分を迅速に吸収することが可能となり、吸水速度は織布よりも速い。しかし、それは踏んだ際の触感が悪く、破裂しやすく、滑りやすい(滑り止めマットを組み合わせて使用する必要がある)等の問題があり、明らかに改善しなければならない点があった。
【発明の概要】
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、前述の欠点を解決するために、吸水速度が速いのみならず、踏んだ際の感触が柔軟であり、滑りにくく、実用的な価値がある弾性付き吸水フロアマットを提供する。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は浴室または住居の玄関に設置する弾性付き吸水フロアマットを提供する。弾性付き吸水フロアマットは、滑り止め効果を有している発泡材質で製造され、床に貼設するための滑り止め層と、吸水効果を有している発泡材質で製造され、前記滑り止め層の上側に貼設される弾性層と、を備え、前記弾性層の表面には、破壊孔があり且つ粗造である複数の破壊領域が設けられている。
【0008】
好ましくは、前記滑り止め層と前記弾性層との間に、さらに中間層が貼設されており、前記中間層が布材質で構成されている。
【0009】
好ましくは、各前記破壊領域には、物理的或いは/及び化学的な技術により弾性層の表面が破壊される。
【0010】
好ましくは、各前記破壊領域は、弾性層の全体の表面積に占める割合が5%~100%である。
【0011】
好ましくは、前記弾性層の発泡材質或いは/及び滑り止め層の発泡材質には、5%~25%の吸水材料はさらに混合されている。
【0012】
好ましくは、前記吸水材料は、珪藻土、陶器用粘土、粘土、鉱物粉末或いは/及び綿、植物粉末或いは/及びシルト、スラグ、高吸水性樹脂、ナイロン、化学粉末である。
【0013】
好ましくは、前記滑り止め層の発泡材質及び弾性層の発泡材質には、疎水性材料はさらに混合されている。
【0014】
好ましくは、前記滑り止め層の疎水性材料の含量は、吸水材料の含量より多い。
【0015】
好ましくは、前記弾性層の疎水性材料の含量は、吸水材料の含量より少ない。
【0016】
好ましくは、前記滑り止め層の底側には、複数の凹凸部がさらに設けられている。
【0017】
本発明に係る弾性付き吸水フロアマットは、従来のフロアマットと比較すると、吸水速度が速く、踏んだ際の感触が柔軟であり、滑らないという有益な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の好ましい実施形態に係る弾性付き吸水フロアマットを示す斜視図である。
【
図2】本発明の好ましい実施形態に係る弾性付き吸水フロアマットを示す側面図である。
【
図3】本発明の他の好ましい実施形態に係る弾性付き吸水フロアマットを示す斜視図である。
【
図4】本発明のさらなる好ましい実施形態に係る弾性付き吸水フロアマットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の複数の好ましい実施例を挙げ、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0020】
まず、
図1と
図2を示すように、本発明の好ましい実施例に係る浴室または住居の玄関に設置する弾性付き吸水フロアマット10は、滑り止め層12及び弾性層14を備える。
【0021】
前記滑り止め層12は、滑り止め効果を有している弾性付き発泡材質で製造された多孔質発泡体であり、例えば、天然ゴム(NR)、合成ゴム(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、或いはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の発泡材質である。本実施例において、前記滑り止め層12は内部には互いに連通している複数の細孔を有している天然ゴムとなっている。
【0022】
前記弾性層14は、吸水効果を有している天然ゴム(NR)、合成ゴム(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、或いはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の発泡材質で製造された多孔質発泡体である。本実施例において、前記弾性層14は合成ゴムとなっており、原料の発泡により生じる力及び発泡剤は化学反応が引き起こす際に生じるガス圧力を利用して接着剤を使用せずに前記合成ゴムを前記滑り止め層12の上側に貼設する。前記合成ゴムの厚さは前記滑り止め層12よりも薄く、その上側の表面には、破壊孔があり且つ粗造である複数の破壊領域22がさらに設けられる。破壊領域22は、物理的或いは/及び化学的な技術により前記弾性層14の上側の表面が破壊されることで形成されている。前記物理的な技術は、例えば、ブラッシング(ブラシ)、ポリッシング(サンドペーパー)、穿刺(針或いは利器)、レーザー照射、または湾曲(弾性層14の表面を破裂させる)等の技術である。前記化学的な技術は、例えば、薬剤、溶剤、或いは微生物による腐食等の技術である。前記物理的或いは/及び化学的な技術を用いて、前記弾性層14の平坦していた表面を破壊する手段により、前記弾性層14の内部の細孔を各破壊領域22と連通させるようにする。各前記破壊領域22は、散在する線状、点状、またはブロック状等の形状とすることができ、前記弾性層14の全体の表面積に占める割合が5%~100%である。割合が大きいほど前記弾性層14の上側と内部の細孔とが連通する部位が多いこととなる。
【0023】
これにより、本発明の前記弾性付き吸水フロアマット10は、多孔質発泡弾性体で構成されている滑り止め層12及び弾性層14により、入浴した者が浴室を出る際に、踏んだ感触が柔軟となり、且つ前記弾性層14の上側に設けられている粗造である複数の破壊領域22が靴または足裏に付着した水分をこすり落とすことができ、その水分を弾性層14に染み込ませ、前記弾性層14を利用して靴や足裏の水分を高速に吸収する。従って、地面に対する前記滑り止め層12の滑り止め効果により、前記弾性付き吸水フロアマット10が足に踏まれた際に地面に対して滑らなくなり、足をくじいたり、転倒したりすることを避けることが可能となる。
【0024】
ところで、従来の発泡材質で製造されている多孔質発泡マット体(例えば、ヨガマット)は、ある程度の吸水効果を有していることが知られているが、吸水速度は非常に遅い(1mlの水を吸収するのに約30秒かかり、多孔質発泡マット体の表面にインクでプリントされた文字やパターンがある場合、プリント部位では1mlの水を吸収する時間が倍になり、約60秒かかる)。これに対して、本発明の前記弾性付き吸水フロアマット10の吸水速度は非常に速く、実際の試験によれば、前記弾性層14の表面の破壊領域22に水が落ちると、1mlの水を吸収するのにわずか1~2秒しかかからなかった。すなわち、吸水速度は従来の多孔質発泡マット体の約15~30倍にもなる。よって、各前記破壊領域22が弾性層14の吸水効果を確実に高めることが可能となる。
【0025】
各前記破壊領域22が弾性層14の全体の表面積に占める割合が高くなるほど、靴または足で前記弾性付き吸水フロアマット10を踏んだ際に各前記破壊領域22に接触する可能性がより高くなり、靴や足裏の水が完全に高速吸収されることを確保できるようになる。当然ながら、各前記破壊領域22が弾性層14の全体の表面積に占める割合が低ければ、靴や足に踏まれやすくなるように前記弾性層14の上側の中間部位に散在してもよい、。
【0026】
次いで、前記弾性層14は、その表面で靴や足が滑ることを避けられ、且つ靴底側の水分を吸収した後、吸収できなかった残りの水分が下方に流れて行って、多孔質連続構造である前記滑り止め層12により吸収される。即ち、前記滑り止め層12は、滑り止めのみならず、前記弾性層14から流れてきた水分を吸収し、前記弾性付き吸水フロアマット10の吸水効果をさらに向上させるようになる。
【0027】
また、本発明の前記弾性付き吸水フロアマット10は、前記の各破壊領域22の構造以外に、吸水効果をさらに高めることは可能となる。具体的に、前記弾性層14の発泡材質中に5%~25%の吸水材料が添加される(割合が25%より超えると弾性層14の柔軟性に影響が及ぶ)。前記吸水材料は、従来の珪藻土、陶器用粘土、粘土、砂等の鉱物粉末、或いは/及び綿、寒天等の植物粉末、或いは/及びシルト、スラグ、高吸水性樹脂、ナイロン、ポリアクリル酸塩等の化学粉末である。当然ながら、前記滑り止め層12は適量の吸水材料を添加してもよい。
【0028】
これにより、実際の試験によると、前記弾性層14(表面には破壊領域22が設けられている)に添加される吸水材料の割合が5%の場合、前記弾性層14に吸水材料が未添加の場合と比較して吸水にかかる時間が約15%~20%短縮することができた(例えば、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに2秒かかる場合、前記弾性層14に5%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.3~0.4秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか1.6~1.7秒しかからない。当然ながら、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに1秒かかる場合、前記弾性層14に5%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.15~0.2秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか0.8~0.85秒しかからない)。
【0029】
弾性層14に添加される吸水材料の割合が10%である場合、前記弾性層14に吸水材料が未添加の場合と比較して吸水にかかる時間が約20%~25%短縮することができた(例えば、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに2秒かかる場合、前記弾性層14に10%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.4~0.5秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか1.5~1.6秒しかかからない。当然ながら、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに1秒かかる場合、前記弾性層14に10%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.2~0.25秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか0.75~0.8秒しかからない)。
【0030】
弾性層14に添加される吸水材料の割合が15%である場合、前記弾性層14に吸水材料が未添加の場合と比較して吸水にかかる時間が約25%~30%短縮することができた(例えば、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに2秒かかる場合、前記弾性層14に15%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.5~0.6秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか1.4~1.5秒しかからない。当然ながら、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに1秒かかる場合、前記弾性層14に15%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.25~0.3秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか0.7~0.75秒しかからない)。
【0031】
弾性層14に添加される吸水材料の割合が25%である場合、前記弾性層14に吸水材料が未添加の場合と比較して吸水にかかる時間が約35%~40%短縮することができた(例えば、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに2秒かかる場合、前記弾性層14に25%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.7~0.8秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか1.2~1.3秒しかかからない。当然ながら、前記弾性層14の表面の破壊領域22が1mlの水を吸収するのに1秒かかる場合、前記弾性層14に25%の吸水材料が添加された後には吸水にかかる時間が0.35~0.8秒短縮し、すなわち吸水にかかる時間がわずか0.6~0.65秒しかからない)。
【0032】
図3は、本発明の他の好ましい実施例に係る弾性付き吸水フロアマット30を示す。弾性付き吸水フロアマット30の構成は、前記の実施例に係る弾性付き吸水フロアマット10と大体同じであり、異なる箇所として、滑り止め層34と弾性層36との間に不織布またはサンドイッチメッシュ等の多孔質生地で構成されている中間層32がさらに貼設される点である。これにより、前記弾性層36が水分を吸収した後、残った水分は中間層32により吸収される。前記中間層32の立体的且つ緩い生地の構造により、吸収された水分を乾燥させるのを役に立っている。
【0033】
次いで、前記滑り止め層34は、吸水性または非吸水性の発泡材質である。吸水性の発泡材質の場合にニ、例えば、前述の天然ゴム(NR)、合成ゴム(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の発泡材質であり、前記中間層32が吸収した後の残りの水分が保存されると共に排水が行われる(水が滑り止め層34の底側に排出される)。非吸水性の発泡材質は、例えば、プラスチック等の発泡材質であり、水が滑り止め層34の底側に排出されるのを避けることができる。
【0034】
実際には、入浴した者が浴室を出る際に、靴底に付着している水分は多くなく、多くの場合に数mlの水量にすぎない。このため、本発明に係る前記弾性付き吸水フロアマットを踏む際に、水分の多くが前記弾性層(或いは弾性層及び中間層)に吸収されるため、前記滑り止め層までに流れる水量は多くなく、たとえ水が前記滑り止め層の底側に排出されても、前記滑り止め層の滑り止め効果には影響が及ばない。
【0035】
図4は、本発明のまた他の好ましい実施例に係る弾性付き吸水フロアマット40示す。弾性付き吸水フロアマット40の構成は、前記の実施例に係る弾性付き吸水フロアマット10と大体同じであり、異なる箇所として、滑り止め層42の底側に複数の凹凸部44がさらに設けられている点である。これにより、各前記凹凸部44が滑り止め層42の底側に複数の隙間を形成させ、空気が流通することが可能となり、前記弾性付き吸水フロアマット40の底側の乾燥効果を向上させるようになる。
【0036】
また、本発明の前記滑り止め層及び弾性層の発泡材質中には、疎水性材料がさらに混合されてもよい。疎水性材料は、例えば、ガラス微粒子或いは/及び金属微粒子等の非親水性の材質である。前記滑り止め層及び弾性層に疎水性材料が添加されている場合、水分を排斥する特性により、前記滑り止め層及び弾性層が水分を吸収した後に排出することを促進できる。前記弾性層は主に水分を吸収するため、その成分中に含まれる疎水性材料の含量は吸水材料の含量より低い。また、前記滑り止め層中に吸水材料が添加されている場合、疎水性材料の含量が吸水材料の含量より高い。当然ながら、前記滑り止め層中に吸水材料が添加されておらず、疎水性材料のみ添加されてもよい。
【0037】
上述のように、本発明に係る弾性付き吸水フロアマットは、前記滑り止め層及び弾性層の貼設構成となり、且つ前記弾性層の表面に複数の破壊領域がさらに設けられ、且つ前記弾性層に吸水材質または疎水材質がさらに添加されることが可能となることにより、吸水速度が速くなるのみならず、踏んだ際の感触が柔軟になり、滑らなくなる。これにより、近年散見される硬式珪藻土吸水フロアマットは破裂しやすく、滑りやすく、触感が悪い等の問題を解決し、また従来の織布フロアマットは吸水効果が低く、滑りやすいという欠点もさらに解決でき、実用的な価値があり、よって工業的な実用性も備えている。
【0038】
本発明は、上記のようにいくつの好ましい実施形態を開示しましたが、本発明を限定するためではない。本発明の精神や範囲を逸脱しない上で、僅かの変更及び飾りは許される。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により決められたものである。