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特許7206439穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-06
(45)【発行日】2023-01-17
(54)【発明の名称】穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/80 20160101AFI20230110BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20230110BHJP
   A23K 10/20 20160101ALI20230110BHJP
【FI】
A23K50/80
A23K10/30
A23K10/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022515590
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2020013111
(87)【国際公開番号】W WO2021066417
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0123185
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522090316
【氏名又は名称】ソン テウォン
【氏名又は名称原語表記】SONG, Tae Won
【住所又は居所原語表記】25, Eomgwang-ro 124beon-gil Busanjin-gu Busan 47390 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン テウォン
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特許第5864715(JP,B1)
【文献】特開2008-086274(JP,A)
【文献】特開2002-000051(JP,A)
【文献】登録実用新案第3014584(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 50/80
A23K 10/30
A23K 10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の面積と厚さを形成し、一面に接着材が塗布されて釣り針に貼り付けられ接着力を有し、穀物を含む混合加工された材料を成分とする、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法において、
天然材料であるパルプまたは韓紙30~50重量部、とうもろこし5~10重量部、じゃがいも5~10重量部、ゼラチン1~5重量部、可塑剤1~5重量部を含む第1の成分と、前記第1の成分に混合されるものであって、前記第1の成分の残部として混合される海洋生物を含む粉末エサ10~20重量部からなる第2の成分と、を備える材料準備段階と、
前記混合加工された材料を、80~100℃の温度で3~7分間蒸気で蒸して半製品に加工する加熱段階と、
ベース板に接着材を塗布し、前記半製品を、前記接着材が塗布されているベース板に、前記接着材と一体に貼り付けられるように所定の厚さで塗布し、前記接着材の接着力が前記ベース板から着脱自在に形成される塗布段階と、
透明ビニールの一面に液状の魚を誘引する誘引香を塗布し、前記ベース板に塗布された前記半製品の上面を、前記透明ビニールの液状の誘引香の塗布された面でコーティングするコーティング段階と、
前記コーティング段階後の前記ベース板に塗布された前記半製品を、金型によって多様なエサの形状成形する成形段階と、を含むことを特徴とする、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【請求項2】
前記金型は、
内部に多様な種類のエサの形状を具現できるように、複数個のモールドが具備されており、前記モールドは、多様な種類の前記エサの外形に対応するように、中心線を基準に左右対称構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【請求項3】
前記第1の成分は、
液状または粉末状のものが具備されることができ、練った後に所定の温度で蒸す過程を経ると、半透明の色または材料の成分配合の割合によって多様な色を保つことを特徴とする、請求項1に記載の穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【請求項4】
前記第2の成分は、
ミミズ、エビ、カニ、ウニ、ザリガニ、イカ、カタクチイワシ、魚粕、貝、サナギのうちの少なくとも一つ以上の材料を、熱風乾燥150~300℃の温度で1~3時間乾燥させた後、粉末に成形し、エサの固有の香りが維持されることを特徴とする、請求項1に記載の穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【請求項5】
前記混合加工された材料は、
水中にて所定時間後に完全に分解される生分解性材料を成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【請求項6】
前記半製品に、
黄土、土、葛粉、またはさつまいも粉末のうちの少なくとも一つ以上を混合し、所定の熱を加えて、前記接着式釣りエサが多様な色を呈するように具備されることを特徴とする、請求項1に記載の穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法に関し、より詳しくは、環境にやさしい食品素材である穀物、パルプ(紙の原料)及び海洋生物を活用して多様な種類と形態の接着式釣りエサをステッカーの形式で製造するにあたり、使い勝手がよく、種々の魚種によって多様な種類のエサを選択的に使用する穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エサは、釣りや筌などへ魚類を誘引して漁獲するための手段として用いられ、魚類を誘引して漁獲するために、エビ、カニ、貝、ミミズ、小魚などの生物性エサと人造エサ、穀物、生物、植物を配合した飼料用の練りエサなどの色々な種類のエサが使われる。
【0003】
また、近年は、釣りがレジャーブームに乗って絶えず増加しているが、従来、生エサや人造エサのほとんどは、使い捨てられて水と周辺の環境を汚染させ、時間が経つとくさい悪臭とイヤな臭いがして、ハエやその他の菌をうつす虫の生息地になってしまうことがある。特に、多くの人々が釣りやレジャー・水遊びに行く春夏と初秋にはよく腐るため臭気がひどい。また、多用されるミミズ、ゴカイ、エビ、ウニ、魚類などの生エサのような場合は、需要が多くて度が外れた濫獲により生態系が乱され、釣り針に刺しにくく、初心者や女性、子供に嫌悪感を感じさせる恐れがある。また、プラスチックや、PE、ビニール成分などは、水で分解されないので、捨てると環境汚染を引き起こす。
【0004】
このような生エサや人工エサは、価格も高く、しかも、生エサは使用後に保管しにくくて周辺に捨てられる場合が多く、費用負担と深刻な環境汚染によって釣りをするに際して良くない影響を与える可能性がある。
【0005】
かかる問題点を解決すべく、最近は、生エサの代わりに人工エサを用いた釣りが増えている。人工エサは、色と種類が多様であるため、捕獲しようとする魚種の好みに合わせて使用できるという長所があるが、値段が高いという短所がある。また、生エサは、魚の攻撃で損傷しやすく、釣り針に刺して遠く投げれば抜けやすく、水中の岩などの外部環境によって損傷しやすい。また、損傷したエサを入れ替えたり、多様な魚種の好みに合う人工エサを購入したりするのは、高コストによって経済的な負担をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、主材料において、生ごみである甲殻類、エビ、カニ、ウニの殻と、魚の頭と皮を活用することにより生ごみも減らすとともに、自然環境も保護するために、熱風乾燥して生物の皮を粉末に作って使用することにより、水に徐々に溶解する、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、前記生ごみを活用するために、天然材料である穀物、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、油粕、パルプなどを用いて粉末に製造し、生分解性材料である素材食品用味付剤を配合して水に徐々に溶解する、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法を提供することにある。
【0008】
これらの本発明の目的は、前述した目的に限定されなく、言及されない他の目的は、下記記載から本発明の技術分野における通常の知識を有する者なら明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、所定の面積と厚さを形成し、一面に接着材が塗布されて釣り針に貼り付けられるように接着力を有し、穀物を含む混合加工された材料を成分とする、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法において、天然材料であるパルプまたは韓紙30~50重量部、とうもろこし5~10重量部、じゃがいも5~10重量部、ゼラチン1~5重量部、可塑剤1~5重量部を含む第1の成分と、前記第1の成分に混合されるものであって、前記第1の成分の残部として混合される粉末エサ10~20重量部からなる第2の成分と、を備える材料準備段階と、前記混合加工された材料を、80~100℃の温度で3~7分間蒸気で蒸して半製品に加工する加熱段階と、前記半製品を、接着材が塗布されているベース板に、所定の厚さで塗布する塗布段階と、前記ベース板に塗布された前記半製品の上面に、透明ビニールでコーティングして前記半製品の保存力を増大させるコーティング段階と、塗布された前記半製品を金型によって多様なエサの形状に具現できるように成形する成形段階と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記金型は、内部に多様な種類のエサの形状を具現できるように、複数個のモールドが具備されており、前記モールドは、多様な種類の前記エサの外形に対応するように、中心線を基準に左右対称構造を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記第1の成分は、液状または粉末状のものが具備されることができ、練った後に所定の温度で蒸す過程を経ると、半透明の色または材料の成分配合の割合によって多様な色を保つことを特徴とする。
【0012】
また、前記第2の成分は、ミミズ、エビ、カニ、ウニ、ザリガニ、イカ、カタクチイワシ、魚粕、貝、サナギのうちの少なくとも一つ以上の材料を、熱風乾燥150~300℃の温度で1~3時間乾燥させた後、粉末に成形し、エサの固有の香りが維持されることを特徴とする。
【0013】
また、前記混合加工された材料は、水中にて所定時間後に完全に分解される生分解性材料を成分とすることを特徴とする。
【0014】
また、前記半製品に、黄土、土、葛粉、またはさつまいも粉末のうちの少なくとも一つ以上を混合し、所定の熱を加えて、前記接着式釣りエサが多様な色を呈するように具備されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、ステッカー型に設けられた接着式釣りエサが、釣り針に接着されてエサの結合及び入れ替えを容易に行うことができ、天然材料である穀物と粉末エサを用い、甲殻類の殻または捨てられる魚の皮や頭の部分を熱風乾燥させて粉末にして使用することができるので、捨てられる食べ物をリサイクルして材料として使用が可能であるという効果がある。
【0016】
また、本材料は、水中にて所定時間後に完全に分解される生分解性に優れる材料を成分として備えるので、環境にやさしい接着式釣りエサを提供するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の好ましい実施形態による穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法の全工程を示すフローチャートである。
図2】本発明の好ましい実施形態による穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法による配置断面図である。
図3】本発明の好ましい実施形態による金型と、その内部に具備される複数個のモールドの姿を示す図である。
図4】本発明の好ましい実施形態によるベース板に塗布されたそれぞれの接着式釣りエサの姿を示す図である。
図5】本発明の好ましい実施形態による釣り針に接着式釣りエサが接着される姿を示す変化図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述する実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現されることができる。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0019】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施のための具体的な内容を詳しく説明する。図中において、同一の構成要素には同じ符号を付してあり、「及び/または」は、言及された部材のそれぞれ及び一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0020】
たとえば、第1の、第2のなどが、多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されないのは勿論である。これらの用語は、ただ一つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いるものである。したがって、以下で言及される第1の構成要素は、本発明の技術的思想の範疇内で第2の構成要素であってもよいことは言うまでもない。
【0021】
本明細書で使われた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書において、単数形は文言で特に言及しない限り複数形をも含む。明細書で使われる「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素のほかに、一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0022】
別段の定義がなければ、本明細書で使われるすべての用語(技術及び科学用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に、共通に理解できる意味で使われることができる。また、一般に使用される辞典に定義されている用語は、明白に特別に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈しない。
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法の全工程を示すフローチャートであり、図2は、本発明の好ましい実施形態による穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法による配置断面図である。
【0024】
図1図2に示されているように、穀物及び海洋生物を利用した接着式釣りエサの製造方法1は、材料準備段階S210、加熱段階S220、塗布段階S230、コーティング段階S240、および成形段階S250の、5段階で構成される。
【0025】
まず、前記材料準備段階S210は、接着式釣りエサ120の材料になる原料を準備する段階であって、天然材料であるパルプまたは韓紙、穀物であるとうもろこし、じゃがいも、天然タンパク質であるコラーゲンをお湯で処理して得られる誘導タンパク質の一種であるゼラチンと、高温における成形加工を容易にする有機物質である可塑剤を含む第1の成分と、エビ、カニ、ウニ、ミミズ、魚粕、貝、サナギなどの粉末エサを残部として混合する第2の成分とで構成される。
【0026】
前記第2の成分は、原材料の十分な乾燥過程を経て細かい粉末の形態において前記第1の成分と混合され得るように具備されることが好ましい。
【0027】
前記第1の成分の配合の割合は、パルプまたは韓紙30~50重量部、とうもろこし5~10重量部、じゃがいも5~10重量部、ゼラチン1~5重量部、可塑剤1~5重量部を含み、前記第2の成分であるミミズまたはエビ、サナギ、稚魚、カニ、ウニなどの粉末エサを10~20重量部で混合して混合加工された材料を準備する。
【0028】
つまり、第2の成分は、前記第1の成分に混合されるものであって、前記第1の成分の残部として混合される粉末エサ10~20重量部からなり、前記第1の成分と前記第2の成分とが混合されて混合加工材料として具備されるものである。
【0029】
たとえば、前記第2の成分は、カニ、エビ、ウニなどの甲殻類、貝類などで構成されてもよく、食べてから生ごみとして捨てられる甲殻類の殻、魚の頭などを活用して熱風乾燥の過程を経た粉末材料で使われてもよいのは勿論である。
【0030】
一方、前記第1の成分は、魚類の飼料成分で具備されてもよいが、環境的に問題にならないように環境にやさしい材料で具備されることが好ましい。
【0031】
また、前記材料準備段階S210の後、前記混合加工材料は、5~15℃で4~6時間内外として熟成過程を経ることが好ましい。
【0032】
前記熟成過程を経た前記混合加工材料は、練りがさらに柔らかくなり、これは弾力を形成することで容易に割れたり壊れたりすることを最小化するためのものである。
【0033】
次に、熟成過程を経た前記混合加工材料は、80~100℃の温度で3~7分間蒸気で蒸して半製品に加工する加熱段階S220を経る。
【0034】
前記加熱段階S220の過程において、前記混合加工された材料は、ゼラチンと可塑剤の含有量によって、やや粘性のある前記半製品に加工される。
【0035】
たとえば、ゼラチンは、おおよそ90℃近くの温度を有する熱水に溶解させて1~5重量部の固形粉の溶液にした後、常温に放置するとゲル状に切り替わり、ゲルの強さは、皮から抽出されたゼラチンの方が、骨から抽出されたものよりも強く現われる。前記ゲル状のゼラチンは、温度を略60℃程度に昇温させると、さらに液状に切り替わり、ゲルの硬度及び弾性は、水、グリセリン、ジエチレングリコール、ソルビトル、フタル酸ジメチルなどの可塑剤を用いて調節が可能である。
【0036】
一方、前記第1の成分は、液状または粉末として具備されてもよく、前記第2の成分と練った後、所定の温度、好ましくは、80~100℃の蒸気で蒸す過程を経ると、半透明の色または材料の成分配合の割合によって多様な色及び香りを維持するようになる。
【0037】
これは、前記第1の成分のじゃがいも、さつまいも、とうもろこし粉末に含まれているでん粉が糊化されながら透明になる。
【0038】
つまり、糊化とは、でん粉に水を加えて加熱すれば膨潤し、粘度が増加して全体が半透明であるほぼ均一なコロイド物質になる現象をいい、じゃがいもやさつまいもの重量部によって半透明の程度が変わるようになる。
【0039】
たとえば、前記混合加工された材料は、蒸気で3~7分間加熱され、より好ましくは、5~6分間加熱して前記接着式釣りエサ120の材料である前記半製品に加工されてもよい。
【0040】
この時、形成される前記半製品に黄土、土、葛粉、またはさつまいも粉末の中で少なくとも一つ以上を混合して所定の熱を加えると、前記接着式釣りエサ120が多様な色を呈することができるように具備されることができる。
【0041】
例えば、半透明色の前記半製品に黄土を10重量部で投入して着色させると、ミミズエサの色を具現することができ、材質及び色を生エサと同様に具現することができるものである。
【0042】
この時、多様なエサの色を表現するために天然色素がさらに含まれてもよいことは言うまでもない。
【0043】
本発明では高温における成形加工を容易にする有機物質である可塑剤の量は、1~5重量部が好ましく、より好ましくは、3~5重量部で投入し、これを超える場合は、ゲルの強さが極めて弱くなるという問題があり、3重量部未満で使用する場合は、エサの弾性が悪くなって、生物類からなるエサと類似した弾性を持たせないという問題がある。
【0044】
なお、エビ、カニ、ウニ、ザリガニ、ミミズ、魚粕、貝、サナギのうちの少なくとも一つ以上の材料の粉末エサを残部として混合する第2の成分は、熱風乾燥150~300℃の温度で1~3時間乾燥過程を経て、エサの固有の香りが維持されるように具備されることができる。
【0045】
前記の過程は、水気を十分に取り除いて粉末の形態に作るための過程であり、乾燥過程で十分に乾燥した前記第2の成分は、エサの固有の香りを維持できるように具備されることが好ましい。
【0046】
たとえば、魚の好みに合わせて呈味性をさらに向上させるために、味付剤を添加してもよいのは勿論である。
【0047】
前記味付剤は、人工味付剤ではない天然材料を成分とする味付剤で具備され、海水または淡水における多様な魚種の好みに合わせて多様な種類で具備されることが好ましい。
【0048】
次に、前記加熱段階S220を経た前記半製品は、所定の大きさで設けられるベース板241の上部に所定の厚さで形成される塗布段階S230を経る。
【0049】
一方、前記ベース板241の上面には、接着材121が塗布されており、前記接着材121は、一面が前記ベース板241と接着され、他面は、前記半製品の一面と接触するように設けられる。
【0050】
この時、前記ベース板241と一面に接触する前記接着材121は、接着力を有し、前記接着材121と一体に貼り付けられた前記半製品は、接着力が前記ベース板241から着脱自在に形成されることが好ましい。
【0051】
たとえば、前記接着材121は、水によって接着力が消失しない物質で設けられ、海水や河川水で接着力が維持されることができる水性接着剤であることが好ましい。
【0052】
一方、前記ベース板241の材質は、前記接着材121によって接着される前記半製品を前記ベース板241から取り外しやすいように段ボールまたはボール紙である紙で設けられ、前記ベース板は、分解されやすいか、破損されない材質で設けられることが好ましい。
【0053】
また、前記ベース板241それ自体に前記第2の成分の香りが染みつくように前処理過程(図示せず)によって設けられることができ、前記ベース板241に魚を誘引する誘引香が付けられて多様な魚種の好みに合わせて多様な香りで具備されることもできる。
【0054】
例えば、前記ベース板241は、広い板紙の形態で具備されてもよく、釣り場での使用後に遺失しても自然分解できるようにエコマテリアルで具備されることが好ましい。
【0055】
また、前記ベース板241は、容易な保管及び使用のために、多段折り畳み式で設けられるか、ロ-ル式で巻取されて設けられてもよいのは勿論である。
【0056】
したがって、前記ベース板241の体積を減少させて、使用者のポケットに容易に保管が可能であり、かつ、ロ-ル式で巻き取られている前記ベース板241に貼り付けられた前記接着式釣りエサ120を使用するたびに、個別に分離可能に具備されることで、良い使い勝手を提供することができるという効果を有する。
【0057】
次に、前記半製品の保存力及び形状維持を増大させ得るように、半製品の上面に透明ビニール251でコーティングするコーティング段階S240を経ることになり、前記コーティング段階S240を経た前記半製品は、前記ベース板241の上部に多様な種類の生エサの形状に形成されるように成形段階S250を経る。
【0058】
一例として、前記コーティング段階S240に使われる前記透明ビニール251は、穀物や海藻類を用いた天然材料で具備されてもよく、前記半製品が長時間放置されて分解されるか、乾燥して割れることを防止し、長期間でも保管し易い材質で具備されることが好ましい。
【0059】
他の例としては、前記透明ビニール251は、液状の誘引香の塗布された韓紙やパルプ紙で設けられて、集魚力を高めることができるようにコーティングされてもよいのは勿論である。
【0060】
これにより、一度使って捨てられる生エサと異なり、長時間の保管にも材質及び成分の変化がなく、外形的にも最初の状態のまま維持できるように具備される。
【0061】
すなわち、前記透明ビニール251は、前記混合加工材料とは異なる成分の材料が使われることができ、例えば、エゴマ油を加工した天然コーティング剤である明油を用いてコーティングを行うことができるのは勿論である。
【0062】
また他の例としては、ひのきのエキスにアマドコロドを入れてコーティング剤を形成し、これを前記透明ビニール251として使用しても構わない。
【0063】
次に、塗布された前記半製品は、金型によって多様なエサの形状を成形する成形段階S250を経ることになる。
【0064】
前記成形段階S250は、多様な魚種を攻略するために多様な種類の前記接着式釣りエサ120の形状を製作する段階であって、前記金型231の内部は複数個のモールド232を具備している。
【0065】
例えば、前記モールド232による成形済みの前記接着式釣りエサ120は、中心線を基準に左右対称の構造を有することが好ましい。
【0066】
すなわち、前記ベース板241からステッカーの形式で分離された前記接着式釣りエサ120は、前記釣り針110と貼り付けられる過程で、内部の中央に前記釣り針110を位置させるとともに、接着性能を向上させるために、左右対称の模様を具現することで、実物と同じエサの形状で魚を誘引するようになる。
【0067】
例えば、前記金型231は、内部に陰刻が施されており、内部空間の高さは1mm内外で設けられていることが好ましい。
【0068】
言い替えれば、前記ベース板241の上部に前記半製品が1~2mm内外で塗布され、塗布された前記ベース板241の上部に前記金型231が位置し、前記モールド232の形状に対応するように前記半製品が前記接着式釣りエサ120の形状に成形されるものである。
【0069】
一方、それぞれの前記モールド232の下部外周面には切断刃(図示せず)がさらに具備されており、前記接着式釣りエサ120に前記透明ビニール251がコーティングされた後、前記接着式釣りエサ120の外周縁に沿って前記透明ビニール251を切断するように具備されることができる。
【0070】
すなわち、個別的に前記接着式釣りエサ120が前記ベース板241から分離可能に具備される。
【0071】
図3は、本発明の好ましい実施形態による金型と、その内部に具備される複数個のモールドの姿を示す図である。
【0072】
図3に示されているように、前記モールド232は、エビエサの形状に成形できるようにエビモールド232aで、ミミズエサの形状に成形されるミミズモールド232bで、イカ形状に成形されるイカモールド232cで設けられてもよく、幼虫状、稚魚状、カニ状などの多様なエサの形状に設けられてもよいのは勿論である。
【0073】
この時、それぞれの前記モールド232は、内部の中心線を基準に左右対称の構造を有するように形成されることが好ましい。
【0074】
図4は、本発明の好ましい実施形態によるベース板に塗布されたそれぞれの接着式釣りエサの姿を示す図であり、図5は、本発明の好ましい実施形態による釣り針に接着式釣りエサが接着される姿を示す変化図である。
【0075】
図4図5を参照すると、前記の製造方法1によって作製される前記接着式釣りエサ120は、図4のように、前記ベース板241の上部に、エビ、ミミズ、幼虫、とうもろこし、イカなど多様な種類と多様な色の前記接着式釣りエサ120が塗布される。
【0076】
例えば、前記ベース板241には前記接着式釣りエサ120として、エビのみが塗布されてもよく、これは個人の好みや対象魚種に応じて選択的に使用可能に多様な前記接着式釣りエサ120を塗布することができるように設けられることが好ましい。
【0077】
また他の例として、前記接着式釣りエサ120の中で、エビエサは、主成分がエビエサの粉末と胡麻粉、葛粉、米粉、パルプを原料とし、主な対象魚種は、くろだい、タナゴ、カワハギ、メジナなどを対象に攻略し得る。
【0078】
また、ミミズエサの主成分には、ミミズエサの粉末と、さつまいも粉、パルプ原料、とうもろこし、カニ殻粉末などを原料として作製され、主な対象魚種は、ヒラメ、メバル、クロソイ、ウナギ、メイタガレイ、キュウセンなどのエサとして使われることができる。
【0079】
このほかにも、イシダイ、コブダイ、キンチャクダイ、シマダイ、スズキなどの魚種を対象とする際には、ウニ粉末、カニ粉末、葛粉、とうもろこし粉末、パルプ原料、豆粉エサを原料として製作できるのは勿論である。
【0080】
一方、前記ベース板241は、生エサの長さまたは大きさに対応して等しい割合で複数個の前記接着式釣りエサ120が塗布できるように、所定の横、縦の寸法を有するサイズで設けられ、多様な種類の前記接着式釣りエサ120が実際の生エサの大きさまたは縮小された形態で塗布されることができるように設けられることが好ましい。
【0081】
また、前記接着式釣りエサ120の使用時、該接着式釣りエサ120は、前記ベース板241から個別的に分離が可能であり、中心線を基準に左右対称の形状を成すため、前記釣り針110を前記接着式釣りエサ120の内部に包み、前記接着式釣りエサ120の左右接着面が互いに貼り合わせられて接着力を一層強化させることができる。
【0082】
貼り付けられた前記接着式釣りエサ120は、所定以上の伸縮性及び弾性力のある材質で構成され、クッション感を提供することができ、伸縮性及び弾性力のある物質で形成された前記接着式釣りエサ120は、鳥類や魚類による外部衝撃を一部緩衝することができるから損傷を最小化することができる。
【0083】
さらに、折り畳み型及びロール型で前記ベース板241が設けられることができることによって、使用者が容易に保管し得るように具備されて、良い使い勝手を提供することができるという効果が得られる。
【0084】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や要旨を変更しない範囲内で他の具体的な形態で実施されることができるということを理解することができるだろう。したがって、以上述べた実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないことを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0085】
1 製造方法
10 釣糸
110 釣り針
120 接着式釣りエサ
121 接着材
231 金型
232 モールド
232a エビ状モールド
232b ミミズ状モールド
232c イカ状モールド
241 ベース板
251 透明ビニール
図1
図2
図3
図4
図5