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特許7206451対象物選別システム、対象物選別プログラム、情報処理装置、対象物選別方法及び選別装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】対象物選別システム、対象物選別プログラム、情報処理装置、対象物選別方法及び選別装置
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20230111BHJP
   B07C 5/34 20060101ALI20230111BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230111BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20230111BHJP
【FI】
G06N20/00 130
B07C5/34
G06T7/00 350B
G06V10/70
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020042803
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144473
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
(73)【特許権者】
【識別番号】599088748
【氏名又は名称】株式会社あいづダストセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】陳 文西
(72)【発明者】
【氏名】新城 惇也
(72)【発明者】
【氏名】一重 卓男
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】特表平6-511185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0050922(US,A1)
【文献】国際公開第2019/209428(WO,A1)
【文献】米国特許第5299693(US,A)
【文献】特開昭63-315180(JP,A)
【文献】特開平8-90381(JP,A)
【文献】特開平5-277447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00-99/00
B07C 1/00-99/00
G06T 7/00
G06V 10/00-10/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置によって搬送される対象物を種類ごとに選別する対象物選別システムであって、
前記対象物を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類を判定する情報処理装置と、
前記情報処理装置による判定結果に従って、前記特定の画像データに含まれる対象物の種類を選別する選別装置と、を有し、
前記情報処理装置は、
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記特定の画像データに含まれる対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を前記判定結果として特定し、
前記判定結果に含まれる確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記選別装置は、前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記選別装置は、1以上の選別アームを有し、
前記1以上の選別アームのそれぞれは、前記搬送装置の搬送経路上に配置され、かつ、各基端部に設けられた軸部が前記搬送経路上において軸支され、
前記1以上の選別アームのそれぞれは、前記軸部を中心に先端部を回動させることにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を前記先端部に接触させて、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に案内する、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記1以上の選別アームは、前記搬送装置の搬送方向の上流側から下流側に向けて間隔をあけて配置される複数段の選別アーム群を構成する、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項4】
請求項2において、
前記選別装置は、前記搬送装置によって搬送される対象物の前記搬送経路の幅方向における位置が前記搬送経路の幅方向における前記選別アームの回動範囲内になるように、前記搬送装置によって搬送される対象物を案内する案内壁を有する、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項5】
請求項2において、
前記搬送経路は、少なくとも一部が環状経路であり、
前記選別装置は、前記搬送経路における所定位置上を搬送された回数が所定回数を超えた対象物を検知した場合、検知した前記対象物を前記1以上の領域以外の領域に移動させる、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項6】
請求項1において、
前記選別装置は、1以上の圧縮空気発生器を有し、
前記1以上の圧縮空気発生器のそれぞれは、前記搬送装置の搬送経路上に配置され、
前記1以上の圧縮空気発生器のそれぞれは、前記搬送装置によって搬送される対象物に対して圧縮空気を送出することにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に案内する、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項7】
請求項1において、
前記情報処理装置は、前記学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することにより、前記学習モデルを生成する、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項8】
請求項1において、
前記搬送装置は、
前記搬送装置の搬送経路上における対象物の密度の平均値が第1閾値よりも大きい場合、前記搬送装置における搬送速度を低下させ、
前記密度の平均値が第2閾値よりも小さい場合、前記搬送速度を上昇させる、
ことを特徴とする対象物選別システム。
【請求項9】
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、
特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる選別装置に対して、特定した前記対象物の種類と前記最大確率とを送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物選別プログラム。
【請求項10】
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定する判定部と、
前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる選別装置に対して、特定した前記対象物の種類と前記最大確率とを送信する送信部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、
特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる選別装置に対して、特定した前記対象物の種類と前記最大確率とを送信する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする対象物選別方法。
【請求項12】
搬送装置によって搬送される対象物を種類ごとに選別する対象物選別方法であって、
撮像装置が、前記対象物を撮像し、
情報処理装置が、前記撮像装置が撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類を判定し、
選別装置が、前記情報処理装置による判定結果に従って、前記特定の画像データに含まれる対象物の種類を選別し、
前記情報処理装置は、
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記特定の画像データに含まれる対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を前記判定結果として特定し、
前記判定結果に含まれる確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記選別装置は、前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる、
ことを特徴とする対象物選別方法。
【請求項13】
搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、
前記搬送経路上に配置され、各基端部に設けられた軸部が前記搬送経路上において軸支され、かつ、前記軸部を中心に先端部を回動させることにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を前記先端部に接触させて、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記搬送装置によって搬送される対象物の複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物に対応する領域として情報処理装置によって判定された領域に案内する1以上の選別アームと、
前記搬送装置によって搬送される対象物の前記搬送経路の幅方向における位置が前記搬送経路の幅方向における前記選別アームの回動範囲内になるように、前記搬送装置によって搬送される対象物を案内する案内壁と、を有し、
前記情報処理装置は、
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記搬送装置によって搬送される対象物を撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が前記複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、
特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、特定した前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記1以上の選択アームのそれぞれは、前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に案内する、
ことを特徴とする選別装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記1以上の選別アームは、前記搬送装置の搬送方向の上流側から下流側に向けて間隔をあけて配置される複数段の選別アーム群を構成する、
ことを特徴とする選別装置。
【請求項15】
請求項13において、
前記搬送経路は、少なくとも一部が環状経路である、
ことを特徴とする選別装置。
【請求項16】
搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、
前記搬送経路上に配置され、前記搬送装置によって搬送される対象物に対して圧縮空気を送出することにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記搬送装置によって搬送される対象物の複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物に対応する領域として情報処理装置によって判定された領域に案内する1以上の圧縮空気発生器と、を有し、
前記情報処理装置は、
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記搬送装置によって搬送される対象物を撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が前記複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、
特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、特定した前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記1以上の圧縮空気発生器のそれぞれは、前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に案内する、
ことを特徴とする選別装置。
【請求項17】
搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、
前記搬送経路上に配置され、軸部が前記搬送経路上において軸支され、前記軸部を中心として回転可能に径方向外側に延びる1以上の仕切壁を有し、前記1以上の仕切壁のそれぞれが周方向に隣接する他の仕切壁との間において径方向外側の端部が開口した1以上の領域を形成する選別器と、を有し、
前記選別器は、前記1以上の仕切壁を回転させることにより、前記搬送装置によって搬送される対象物の複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する前記1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物に対応する領域として情報処理装置によって判定された領域を、前記搬送装置の搬送方向の上流側に対向させ、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記情報処理装置によって判定された領域に案内し、
前記情報処理装置は、
学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記搬送装置によって搬送される対象物を撮像した特定の画像データに含まれる対象物の種類が前記複数の種類候補のそれぞれである確率を特定し、
特定した前記確率のうちの最大確率を特定し、かつ、特定した前記最大確率に対応する種類候補を前記特定の画像データに含まれる対象物の種類として特定し、
前記選別器は、前記特定の画像データに含まれる対象物を、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に案内する、
ことを特徴とする選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物選別システム、対象物選別プログラム、情報処理装置、対象物選別方法及び選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理工場等において行われる廃棄物の選別では、初めに、廃棄物の重量、磁性、体積、形状、光特性、硬度及び浮力等の違いに応じた各種の物理原理及び化学原理に従った選別処理が行われ、その後、人手に依存した更なる選別が行われる。この場合、作業者は、例えば、ベルトコンベア(以下、搬送装置とも呼ぶ)の傍に立ち、ベルトコンベアによって搬送されてくる廃棄物を目視によって確認し、各廃棄物の種類ごとの選別を手作業によって行う(特許文献1乃至8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平5-005632号公報
【文献】実開平5-080571号公報
【文献】特開平6-106091号公報
【文献】特開平7-256231号公報
【文献】特開平9-262556号公報
【文献】特開2000-005626号公報
【文献】特開2008-068197号公報
【文献】特開2011-050959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような廃棄物処理場等では、廃棄物の選別作業が行われる際の労働環境等によって、必要な数の作業者を確保することができない場合がある。そのため、廃棄物処理場等では、例えば、廃棄物の選別作業の稼働率を高めることができず、十分な量の廃棄物の選別を行うことができない場合がある。また、廃棄物の選別精度は、操作者の熟練度と判断力に依存する。そのため、上記のような廃棄物処理場等では、安定な選別精度を確保できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、廃棄物の選別作業の選別精度及び稼働率を高めることを可能とする対象物選別システム、対象物選別プログラム、情報処理装置、対象物選別方法及び選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、搬送装置によって搬送される対象物を種類ごとに選別する対象物選別システムであって、前記対象物を撮像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定する情報処理装置と、前記情報処理装置による判定結果に従って、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を選別する選別装置と、を有し、前記情報処理装置は、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定を行う、ことを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記選別装置が、前記撮像装置が撮像した対象物を、対象物の種類のそれぞれに対応する1以上の領域のうち、前記情報処理装置が判定した種類に対応する領域に移動させる、ことを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記選別装置が、1以上の選別アームを有し、前記1以上の選別アームのそれぞれが、前記搬送装置の搬送経路上に配置され、かつ、各基端部に設けられた軸部が前記搬送経路上において軸支され、前記1以上の選別アームのそれぞれが、前記軸部を中心に先端部を回動させることにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を前記先端部に接触させて、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が判定した種類に対応する領域に案内する、ことを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記1以上の選別アームが、前記搬送装置の搬送方向の上流側から下流側に向けて間隔をあけて配置される複数段の選別アーム群を構成する、ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記選別装置が、前記搬送装置によって搬送される対象物の前記搬送経路の幅方向における位置が前記搬送経路の幅方向における前記選別アームの回動範囲内になるように、前記搬送装置によって搬送される対象物を案内する案内壁を有する、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記情報処理装置が、前記学習モデルを用いることによって、前記撮像装置が撮像した対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を算出し、算出した前記確率のうちの最大確率に対応する種類候補を、前記撮像装置が撮像した対象物の種類として特定する、ことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記搬送経路が、少なくとも一部が環状経路であり、前記選別装置が、前記搬送経路における所定位置上を搬送された回数が所定回数を超えた対象物を検知した場合、検知した前記対象物を前記1以上の領域以外の領域に移動させる、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記選別装置が、1以上の圧縮空気発生器を有し、前記1以上の圧縮空気発生器のそれぞれが、前記搬送装置の搬送経路上に配置され、前記1以上の圧縮空気発生器のそれぞれが、前記搬送装置によって搬送される対象物に対して圧縮空気を送出することにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記1以上の領域のうち、前記情報処理装置が判定した種類に対応する領域に案内する、ことを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記判定結果が、前記撮像装置が撮像した対象物の種類が複数の種類候補のそれぞれである確率を含み、前記情報処理装置が、前記学習モデルを用いることによって、前記判定結果に含まれる確率のうちの最大確率を特定し、かつ、前記最大確率に対応する種類候補を前記撮像装置が撮像した対象物の種類として特定し、前記選別装置が、前記撮像装置が撮像した対象物を、前記複数の種類候補のうちのいずれかと確率についての複数の範囲のうちのいずれかとの組み合わせにそれぞれ対応する1以上の領域のうち、前記情報処理装置が特定した前記対象物の種類と前記最大確率との組み合わせに対応する領域に移動させる、ことを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記情報処理装置が、前記学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することにより、前記学習モデルを生成する、ことを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別システムは、一つの態様では、前記搬送装置が、前記搬送装置の搬送経路上における対象物の密度の平均値が第1閾値よりも大きい場合、前記搬送装置における搬送速度を低下させ、前記密度の平均値が第2閾値よりも小さい場合、前記搬送速度を上昇させる、ことを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別プログラムは、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定し、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を選別する選別装置に対して、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定結果を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するための本発明における情報処理装置は、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定する判定部と、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を選別する選別装置に対して、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定結果を送信する送信部と、を有する、ことを特徴とする。
【0019】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別方法は、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを含む学習データを学習することによって生成した学習モデルを用いることにより、撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定し、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を選別する選別装置に対して、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定結果を送信する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明における対象物選別方法は、搬送装置によって搬送される対象物を種類ごとに選別する対象物選別方法であって、撮像装置が、前記対象物を撮像し、情報処理装置が、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定し、選別装置が、前記情報処理装置による判定結果に従って、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を選別し、前記情報処理装置は、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定を行う、ことを特徴とする。
【0021】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、前記搬送経路上に配置され、各基端部に設けられた軸部が前記搬送経路上において軸支され、かつ、前記軸部を中心に先端部を回動させることにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を前記先端部に接触させて、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類のそれぞれに対応する1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類に対応する領域に案内する1以上の選別アームと、前記搬送装置によって搬送される対象物の前記搬送経路の幅方向における位置が前記搬送経路の幅方向における前記選別アームの回動範囲内になるように、前記搬送装置によって搬送される対象物を案内する案内壁と、を有する、ことを特徴とする。
【0022】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、一つの態様では、前記1以上の選別アームが、前記搬送装置の搬送方向の上流側から下流側に向けて間隔をあけて配置される複数段の選別アーム群を構成する、ことを特徴とする。
【0023】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、一つの態様では、前記1以上の選択アームのそれぞれが、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類のそれぞれに対応する1以上の領域のうち、撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類を判定する情報処理装置によって判定された種類に対応する領域に案内し、前記情報処理装置が、学習用の対象物を含む画像データと前記学習用の対象物の種類とを対応付けて学習した学習モデルを用いることによって、前記撮像装置が撮像した画像データに含まれる対象物の種類の判定を行う、ことを特徴とする。
【0024】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、一つの態様では、前記搬送経路が、少なくとも一部が環状経路である、ことを特徴とする。
【0025】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、前記搬送経路上に配置され、前記搬送装置によって搬送される対象物に対して圧縮空気を送出することにより、前記搬送装置によって搬送される対象物を、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類のそれぞれに対応する1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類に対応する領域に案内する1以上の圧縮空気発生器と、を有する、ことを特徴とする。
【0026】
また、上記目的を達成するための本発明における選別装置は、搬送経路上において対象物を搬送する搬送装置と、前記搬送経路上に配置され、軸部が前記搬送経路上において軸支され、前記軸部を中心として回転可能に径方向外側に延びる1以上の仕切壁を有し、前記1以上の仕切壁のそれぞれが周方向に隣接する他の仕切壁との間において径方向外側の端部が開口した1以上の領域を形成する選別器を有し、前記選別器が、前記1以上の仕切壁を回転させることにより、前記1以上の領域のうち、前記搬送装置によって搬送される対象物の種類のそれぞれに対応する領域を、前記搬送装置の搬送方向の上流側に対向させ、前記搬送装置によって搬送される対象物を前記搬送装置によって搬送される対象物の種類に対応する領域に案内する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明における対象物選別システム、対象物選別プログラム、情報処理装置、対象物選別方法及び選別装置によれば、廃棄物の選別作業の選別精度及び稼働率を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、対象物選別システム10の構成を説明する図である。
図2図2は、選別装置2の構成を説明する図である。
図3図3は、選別装置2の他の構成を説明する図である。
図4図4は、情報処理装置1の構成を説明する図である。
図5図5は、情報処理装置1が実行する選別処理の概略について説明する図である。
図6図6は、情報処理装置1が実行する選別処理の詳細について説明する図である。
図7図7は、情報処理装置1が実行する選別処理の詳細について説明する図である。
図8図8は、情報処理装置1が実行する選別処理の詳細について説明する図である。
図9図9は、環状経路を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
図10図10は、選別盤41を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
図11図11は、選別盤41を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
図12図12は、選別盤41を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
図13図13は、圧縮空気発生器25を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
図14図14は、圧縮空気発生器25を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0030】
[対象物選別システムの構成]
図1は、対象物選別システム10の構成を説明する図である。図1に示す対象物選別システム10は、情報処理装置1と、選別装置2と、操作端末5とを有する。
【0031】
情報処理装置1は、コンピュータ装置であって、例えば、汎用的なPC(Personal Computer)である。そして、情報処理装置1は、例えば、廃棄物の種類を判定する学習モデルを用いることによって、選別装置2に含まれるベルトコンベア上を搬送される廃棄物の種類を判定する。なお、情報処理装置1は、据置型、ノードブック型及びタブレット型等の形態を問わない。
【0032】
選別装置2は、作業者OPによる操作端末5を介した操作の内容に従って、ベルトコンベア上において搬送される廃棄物を種類ごとに選別する。また、選別装置2は、情報処理装置1による判定結果に基づいて、ベルトコンベア上において搬送される廃棄物を種類ごとに選別する。
【0033】
[選別装置の構成(1)]
次に、選別装置2の構成について説明を行う。図2は、選別装置2の構成を説明する図である。
【0034】
図2に示す選別装置2は、ベルトコンベア21を有する。また、図2に示す選別装置2は、整列機構22a及び22bを有する。また、図2に示す選別装置2は、選別アーム23aを有する。さらに、図2に示す選別装置2の近傍には、ベルトコンベア21上の撮像を行うカメラ24a、24c及び24eが配置されている。
【0035】
ベルトコンベア21は、各廃棄物OBを搬送方向(図2における矢印方向)に向けて搬送する。以下、ベルトコンベア21上において2種類の廃棄物OB(廃棄物OB1及びOB3)が搬送されるものとして説明を行う。
【0036】
整列機構22a及び22bは、搬送方向の上流側(図2における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを、ベルトコンベア21の幅方向において整列機構22aと22bとに挟まれた領域に案内する。
【0037】
選別アーム23aは、作業者OPによる操作端末5を介した操作の内容や情報処理装置1による廃棄物OBの種類についての判定結果に基づいて、搬送方向の上流側(図2における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。具体的に、選別アーム23aは、基端部(図2における左側の端部)に設けられた軸部23a1がベルトコンベア21上において軸支されており、軸部23a1を中心として先端部(図2における右側の端部)を回動させることによって、ベルトコンベア21上の各廃棄物OBを先端部に接触させて各廃棄物OBの種類に対応する領域に案内する。
【0038】
なお、選別アーム23aは、例えば、ベルトコンベア21の上方(ベルトコンベア21の搬送面に対する垂直方向)に設けられた支持機構(図示しない)において軸部23a1が軸支されることによって、ベルトコンベア21と直接接触しないように配置されるものであってよい。
【0039】
さらに具体的に、図2に示す選別アーム23aは、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1である場合、廃棄物OB1に対応する領域(図2における選別アーム23aの上側の領域)に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3である場合、廃棄物OB3に対応する領域(図2における選別アーム23aの下側の領域)に廃棄物OBを移動させる。
【0040】
図2に示す選別アーム23aは、ベルトコンベア21の幅方向における整列機構22aと整列機構22bとの中央付近に位置している。すなわち、図2に示す例において、ベルトコンベア21の幅方向における選別アーム23aの位置は、整列機構22a及び22bによって各廃棄物OBが案内される範囲に含まれている。これにより、選別アーム23aは、各廃棄物OBについて2種類の選別を行うことが可能になる。
【0041】
なお、整列機構22a及び整列機構22bは、各廃棄物OBの案内を行うことにより、各廃棄物OBの間隔を空けることが可能になる。これにより、選別アーム23aは、各廃棄物OBの選別を精度良く行うことが可能になる。
【0042】
その後、廃棄物OB1及びOB3のそれぞれは、ストックヤードSY1及びSY3(以下、これらを総称してストックヤードSYとも呼ぶ)のそれぞれに収容される。
【0043】
さらに、図2に示す例において、カメラ24aは、整列機構22a、22b及び選別アーム23aの近傍の撮影を行う。また、カメラ24c及び24eのそれぞれは、ストックヤードSY1及びSY3のそれぞれに対応する領域の撮影を行う。
【0044】
なお、カメラ24a、24c及び24eのそれぞれは、例えば、可視光カメラや赤外線カメラであってよい、また、カメラ24a、24c及び24eのそれぞれは、例えば、ベルトコンベア21上における廃棄物OBの位置を認識するための超音波を発生する超音波発生器(図示しない)と共に用いられるものであってもよい。
【0045】
また、図2に示す例では、ベルトコンベア21上において整列機構22a及び22bが設けられている場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、例えば、ベルトコンベア21上において整列機構22a及び22bのうちの一方のみが設けられるものであってもよい。
【0046】
また、図2に示す例では、整列機構22a及び22の搬送方向における位置が一致するように設けられている場合(整列機構22a及び22bが選別装置2の幅方向に対して並列になるように設けられている場合)について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、整列機構22a及び22の搬送方向における位置が異なるものであってもよい。
【0047】
また、整列機構22a及び22bの搬送方向に対する角度は、例えば、モータ(図示しない)によって変更可能なものであってもよい。
【0048】
[選別装置の構成(2)]
次に、選別装置2の他の構成について説明を行う。図3は、選別装置2の他の構成を説明する図である。
【0049】
図3に示す選別装置2は、ベルトコンベア21を有する。また、図3に示す選別装置2は、整列機構22a、22b、22c、22d、22e及び22f(以下、これらを総称して整列機構22または案内壁22とも呼ぶ)を有する。また、図3に示す選別装置2は、選別アーム23a、23b及び23c(以下、これらを総称して選別アーム23とも呼ぶ)を有する。さらに、図3に示す選別装置2の近傍には、ベルトコンベア21上の撮像を行うカメラ24a、24b、24c、24d、24e及び24f(以下、これらを総称してカメラ24とも呼ぶ)が配置されている。すなわち、図3に示す選別装置2は、選別アーム23aからなる1段目の選別アーム群と、選別アーム23b及び23cからなる2段目の選別アーム群とを含む構成を有している。
【0050】
ベルトコンベア21は、各廃棄物OBを搬送方向(図3における矢印方向)に向けて搬送する。以下、ベルトコンベア21上において4種類の廃棄物OB(廃棄物OB1、OB2、OB3及びOB4)が搬送されるものとして説明を行う。
【0051】
整列機構22a及び22bは、搬送方向の上流側(図3における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを、ベルトコンベア21の幅方向において整列機構22aと22bとに挟まれた領域に案内する。
【0052】
選別アーム23aは、作業者OPによる操作端末5を介した操作の内容や情報処理装置1による廃棄物OBの種類についての判定結果に基づいて、搬送方向の上流側(図3における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。具体的に、選別アーム23aは、基端部(図3における左側の端部)に設けられた軸部23a1がベルトコンベア21上において軸支されており、軸部23a1を中心として先端部(図3における右側の端部)を回動させることによって、ベルトコンベア21上の各廃棄物OBを先端部に接触させて各廃棄物OBの種類に対応する領域に案内する。
【0053】
なお、選別アーム23aは、例えば、ベルトコンベア21の上方(ベルトコンベア21の搬送面に対する垂直方向)に設けられた支持機構(図示しない)において軸部23a1が軸支されることによって、ベルトコンベア21と直接接触しないように配置されるものであってよい。
【0054】
さらに具体的に、図3に示す選別アーム23aは、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1またはOB2である場合、廃棄物OB1及びOB2に対応する領域(図3における選別アーム23aの上側の領域)に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3またはOB4である場合、廃棄物OB3及びOB4に対応する領域(図3における選別アーム23aの下側の領域)に廃棄物OBを移動させる。
【0055】
図3に示す選別アーム23aは、ベルトコンベア21の幅方向における整列機構22aと整列機構22bとの中央付近に位置している。すなわち、図3に示す例において、ベルトコンベア21の幅方向における選別アーム23aの位置は、整列機構22a及び22bによって各廃棄物OBが案内される範囲に含まれている。これにより、選別アーム23aは、各廃棄物OBについて2種類の選別を行うことが可能になる。
【0056】
整列機構22c及び22dは、搬送方向の上流側から搬送された廃棄物OBのそれぞれ(選別アーム23aによって選別された廃棄物OBのそれぞれ)を、ベルトコンベア21の幅方向において整列機構22cと22dとに挟まれた領域に案内する。
【0057】
選別アーム23bは、選別アーム23aと同様に、搬送方向の上流側から搬送された廃棄物OBのそれぞれを2種類に選別する。具体的に、図3に示す選別アーム23bは、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1である場合、廃棄物OB1に対応する領域(図3における選別アーム23bの上側の領域)に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB2である場合、廃棄物OB2に対応する領域(図3における選別アーム23bの下側の領域)に廃棄物OBを移動させる。
【0058】
図3に示す選別アーム23bは、ベルトコンベア21の幅方向における整列機構22cと整列機構22dとの中央付近に位置している。すなわち、図3に示す例において、ベルトコンベア21の幅方向における選別アーム23bの位置は、整列機構22c及び22dによって各廃棄物OBが案内される範囲に含まれている。これにより、選別アーム23bは、上流側から搬送された各廃棄物OBについてさらに2種類の選別を行うことが可能になる。
【0059】
整列機構22e及び22fは、搬送方向の上流側から搬送された廃棄物OBのそれぞれ(選別アーム23aによって選別された廃棄物OBのそれぞれ)を、ベルトコンベア21の幅方向における整列機構22eと22fとに挟まれた領域に案内する。
【0060】
選別アーム23cは、選別アーム23aと同様に、搬送方向の上流側から搬送された廃棄物OBのそれぞれを2種類に選別する。具体的に、図3に示す選別アーム23cは、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3である場合、廃棄物OB3に対応する領域(図3における選別アーム23cの上側の領域)に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB4である場合、廃棄物OB4に対応する領域(図3における選別アーム23cの下側の領域)に廃棄物OBを移動させる。
【0061】
図3に示す選別アーム23cは、ベルトコンベア21の幅方向における整列機構22eと整列機構22fとの中央付近に位置している。すなわち、図3に示す例において、ベルトコンベア21の幅方向における選別アーム23cの位置は、整列機構22e及び22fによって各廃棄物OBが案内される範囲に含まれている。これにより、選別アーム23cは、上流側から搬送された各廃棄物OBについてさらに2種類の選別を行うことが可能になる。
【0062】
その後、廃棄物OB1、OB2、OB3及びOB4のそれぞれは、ストックヤードSY1、SY2、SY3及びSY4(以下、これらを総称してストックヤードSYとも呼ぶ)のそれぞれに収容される。
【0063】
さらに、図3に示す例において、カメラ24aは、整列機構22a、22b及び選別アーム23aの近傍の撮影を行い、カメラ24bは、整列機構22c、22d及び選別アーム23bの近傍と、整列機構22d、22e及び選別アーム23cの近傍との撮影を行う。また、カメラ24c、24d、24e及び24fのそれぞれは、ストックヤードSY1、SY2、SY3及びSY4のそれぞれに対応する領域の撮影を行う。
【0064】
なお、選別装置2は、選別アーム23bによって案内された廃棄物OB2がストックヤードSY3に収容されないように、かつ、選別アーム23cによって案内された廃棄物OB3がストックヤードSY2に収容されないように、ベルトコンベア21の幅方向における選別アーム23b及び選別アーム23cの中央位置において遮蔽壁(図示しない)を有するものであってもよい。
【0065】
また、図3に示す例では、選別装置2に3つの選別アーム23(すなわち、2段の選別アーム群)が含まれる場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、選別装置2は、例えば、3つ以上の選別アーム23(すなわち、3段以上の選別アーム群)を含み、4種類以上の廃棄物OBの選別を行うものであってもよい。
【0066】
また、図3に示す例では、搬送方向の上流側から2番目に近い選別アーム群に含まれる選別アーム23(選別アーム23b及び23c)の数が、搬送方向の上流側に最も近い選別アーム群(搬送方向の上流側に隣接する選別アーム群)に含まれる選別アーム23(選別アーム23a)の数の倍である場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、複数段の選別アーム群のそれぞれは、1つ以上の選別アームを有するものであればよい。
【0067】
また、図3に示す例では、選別アーム23が廃棄物OBを種類毎に選別する場合について説明を行ったが、選別アーム23の少なくとも一部は、例えば、廃棄物OBが可燃物であるか否かに従った選別や廃棄物OBの大きさ等に従った選別を行うものであってもよい。これにより、選別装置2は、廃棄物OBの大きさや性質等が大きく異なる多くの種類の廃棄物OBの選別を行う必要がある場合であっても、各廃棄物OBの種類毎の選別を精度良く行うことが可能になる。
【0068】
[情報処理装置の構成]
次に、情報処理装置1の構成(ハードウエア構成)について説明を行う。図4は、情報処理装置1の構成を説明する図である。
【0069】
情報処理装置1は、汎用的なコンピュータ装置のハードウエア構成を有し、例えば、図4に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、ネットワークインタフェース103と、記憶媒体104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0070】
記憶媒体104は、例えば、廃棄物OBを種類ごとに選別する処理(以下、選別処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム(図示しない)を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。また、記憶媒体104は、例えば、選別処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶領域110を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0071】
CPU101は、記憶媒体104(記憶領域110)からメモリ102にロードされたプログラムを実行して選別処理を行う。
【0072】
また、ネットワークインタフェース103は、例えば、選別装置2と通信を行うことによって、ネットワークを介した選別装置2の遠隔操作を可能とする。
【0073】
[選別処理の概略]
次に、情報処理装置1が実行する選別処理の概略について説明を行う。図5は、情報処理装置1が実行する選別処理の概略について説明する図である。
【0074】
初めに、情報処理装置1の学習モデル生成部12は、情報処理装置1の学習データ生成部11によって生成された学習データを学習することによって学習モデルを生成する。具体的に、学習モデル生成部12は、例えば、学習用の廃棄物OBを含む画像データと、学習用の廃棄物OBの種類とを含む学習データを学習することにより、学習モデルの生成を行う。すなわち、学習モデル生成部12は、例えば、作業者OPが操作端末5を介して行った廃棄物OBの選別の結果に基づいて生成された学習データを学習することにより、学習モデルの生成を行う。なお、例えば、カメラ24が赤外線カメラである場合、学習データ生成部11は、赤外線カメラが学習用の廃棄物OBについて取得した赤外線データを学習データとして生成するものであってよい。
【0075】
そして、情報処理装置1の種類判定部13は、選別装置2のベルトコンベア21上を搬送される廃棄物OB(以下、新たな廃棄物OBとも呼ぶ)の画像データを取得した場合、取得した画像データを学習モデルに入力することによって、新たな廃棄物OBの種類についての判定結果を取得する。
【0076】
その後、情報処理装置1の選別アーム制御部14は、種類判定部13が取得した判定結果に従って選別アーム23を動作させる。具体的に、選別アーム制御部14は、例えば、判定結果の内容に対応する操作を選別アーム23が行うように、選別アーム23を制御する制御装置(図示しない)に指示を行う。
【0077】
また、情報処理装置1の搬送制御部15は、ベルトコンベア21上における廃棄物OBの密度に応じて、ベルトコンベア21の搬送速度を制御する。
【0078】
すなわち、本実施の形態における対象物選別システム10は、廃棄物OBの画像データと廃棄物の種類とを学習した学習モデルを用いることで、ベルトコンベア21上を搬送される廃棄物OBの選別を自動的に行う。
【0079】
これにより、対象物選別システム10は、廃棄物OBの選別を効率的に行うことが可能になり、廃棄物OBの選別に要する作業者の数を抑えることが可能になる。
【0080】
[選別処理の詳細]
次に、情報処理装置1が実行する選別処理の詳細について説明を行う。図6から図8は、情報処理装置1が実行する選別処理の詳細について説明する図である。
【0081】
[学習処理]
初めに、選別処理のうち、学習モデルの生成を行う際の処理(以下、学習処理とも呼ぶ)について説明を行う。
【0082】
学習データ生成部11は、図6に示すように、例えば、ベルトコンベア21上における各ストックヤードSYに対応する各領域を撮影した動画データに含まれる画像データを取得する(S11)。
【0083】
具体的に、作業者OPは、図2に示すように、例えば、操作端末5を介して各選別アーム23を操作することによって、ベルトコンベア21上を搬送される各廃棄物OBの選別を行い、廃棄物OB1、OB2、OB3及びOB4をストックヤードSY1、SY2、SY3及びSY4のそれぞれに収容する。そして、カメラ24c、24d、24e及び24fのそれぞれは、例えば、作業者OPによる選別作業が行われている間、ストックヤードSY1、ストックヤードSY2、ストックヤードSY3及びストックヤードSY4のそれぞれに対応する領域についての撮影を行う。
【0084】
そのため、学習データ生成部11は、例えば、各カメラ24による各ストックヤードSYに対応する領域の撮影に並行して、各カメラ24によって撮影された各領域についての動画データに含まれる画像データを取得する。
【0085】
そして、学習データ生成部11は、ベルトコンベア21上における各ストックヤードSYに対応する領域ごとに、S11の処理で取得した画像データに含まれる廃棄物OBと、各ストックヤードSYに対応する領域に収容されている廃棄物OBの種類とを含む学習データを生成する(S12)。
【0086】
具体的に、学習データ生成部11は、例えば、ストックヤードSY1に収容された廃棄物OBごとに、各廃棄物OBを含む画像データと各廃棄物OBの種類が廃棄物OB1であることを示す情報(ラベル)とを含む学習データを生成する。また、学習データ生成部11は、ストックヤードSY2、SY3及びSY4のそれぞれに収容された各廃棄物OBについても同様に学習データを生成する。
【0087】
これにより、学習データ生成部11は、作業者OPの操作によって廃棄物OBの選別が行われる期間に応じた数の学習データを自動的に生成することが可能になる。
【0088】
なお、カメラ24は、複数種類のカメラ(可視光カメラ以外の赤外線カメラ等を含む)を用いることによって、同一廃棄物OBについての画像データを複数方向から撮影するものであってもよい。そして、学習データ生成部11は、この場合、同一廃棄物OBについての学習データを複数生成するものであってもよい。
【0089】
これにより、学習データ生成部11は、廃棄物OBの種類についての判定精度がより高い学習モデルを生成することが可能になる。
【0090】
その後、学習モデル生成部12は、S12の処理で生成した学習データを学習することによって学習モデルを生成する(S13)。
【0091】
なお、学習データ生成部11は、新たな学習データの生成を随時行うものであってよい。そして、学習モデル生成部12は、新たな学習データを用いることによって、S13の処理で生成した学習モデルの更新を随時行うものであってもよい。
【0092】
[選別処理のメイン処理]
次に、選別処理のメイン処理について説明を行う。
【0093】
種類判定部13は、図7に示すように、選別アーム23の近傍を撮影した動画データに含まれる画像データを取得する(S21)。
【0094】
具体的に、種類判定部13は、例えば、図2で説明したカメラ24aによって撮影された選別アーム23aの近傍の動画データ(選別アーム23aによってこれから選別が行われる廃棄物OBを撮影した動画データ)に含まれる画像データを取得する。また、種類判定部13は、例えば、図2で説明したカメラ24bによって撮影された選別アーム23b及び23cの近傍の動画データ(選別アーム23bまたは23cによってこれから選別が行われる廃棄物OBを撮影した動画データ)に含まれる画像データを取得する。
【0095】
そして、種類判定部13は、S13の処理で生成した学習モデルに対して、S21の処理で取得した画像データを入力することによって、S21で取得した画像データに含まれる対象物の種類についての判定結果を取得する(S22)。
【0096】
具体的に、種類判定部13は、例えば、カメラ24aによって撮影された選別アーム23aの近傍の動画データに含まれる画像データを入力することによって、選別アーム23aの近傍を搬送されている廃棄物OB(選別アーム23aがこれから選別を行う廃棄物OB)の種類についての判定結果を取得する。また、種類判定部13は、例えば、カメラ24bによって撮影された選別アーム23b及び23cの近傍の動画データに含まれる画像データを入力することによって、選別アーム23bまたは23cの近傍を搬送されている廃棄物OB(選別アーム23bまたは23cがこれから選別を行う廃棄物OB)の種類についての判定結果を取得する。
【0097】
その後、選別アーム制御部14は、S22の処理で取得した判定結果に従って、選別アーム23を動作させる(S23)。
【0098】
具体的に、例えば、図2で説明した例において、選別アーム23aの近傍を搬送されている廃棄物OBの種類が廃棄物OB1であると判定された場合、選別アーム制御部14は、選別アーム23aの先端部を左側(図2における上方向)に回動させるように制御装置に対して指示を行う。一方、例えば、選別アーム23aの近傍を搬送されている廃棄物OBの種類が廃棄物OB4であると判定された場合、選別アーム制御部14は、選別アーム23aの先端部を右側(図2における下方向)に回動させるように制御装置に対して指示を行う。
【0099】
同様に、例えば、選別アーム23bの近傍を搬送されている廃棄物OBの種類が廃棄物OB1であると判定された場合、選別アーム制御部14は、選別アーム23bの先端部が左側(図2における上方向)に回動するように制御装置に指示を行う。一方、例えば、選別アーム23bの近傍を搬送されている廃棄物OBの種類が廃棄物OB2であると判定された場合、選別アーム制御部14は、選別アーム23bの先端部が右側(図2における下方向)に回動するように制御装置に指示を行う。
【0100】
これにより、情報処理装置1は、学習モデルを用いることで、ベルトコンベア21上において搬送される廃棄物OBを種類ごとに選別することが可能になる。
【0101】
なお、図2に示す例において、整列機構22a及び22bは、例えば、開閉可能なドア部(図示しない)をそれぞれ有するものであってよい。具体的に、整列機構22aは、例えば、ベルトコンベア21の幅方向における位置が選別アーム23bと同じであるドア部(以下、第1ドア部とも呼ぶ)を有するものであってよい。また、整列機構22bは、例えば、ベルトコンベア21の幅方向における位置が選別アーム23cと同じであるドア部(以下、第2ドア部とも呼ぶ)を有するものであってよい。
【0102】
そして、情報処理装置1は、例えば、カメラ24aよりも上流側に配置されたカメラ(図示しない)によって撮影された整列機構22a及び22bの近傍の廃棄物OBについての種類の判定結果に基づき、種類が廃棄物OB1または廃棄物OB2であると判定された廃棄物OBが第1ドア部を通過するように必要なタイミングにおいて第1ドア部を開扉させ、種類が廃棄物OB3または廃棄物OB4であると判定された廃棄物OBが第2ドア部を通過するように必要なタイミングにおいて第2ドア部を開扉させるものであってよい。
【0103】
これにより、情報処理装置1は、例えば、選別装置2における各廃棄物OBの選別精度をより向上させることが可能になる。
【0104】
[搬送制御処理]
次に、選別処理のうち、ベルトコンベア21の搬送速度を制御する処理(以下、搬送制御処理とも呼ぶ)について説明を行う。
【0105】
搬送制御部15は、図8に示すように、選別アーム23の近傍を撮影した動画データに含まれる画像データを取得する(S31)。
【0106】
具体的に、搬送制御部15は、例えば、図3で説明したカメラ24a及びカメラ24bによって撮影された選別アーム23aの近傍の動画データに含まれる所定タイミングの画像データを取得する。
【0107】
そして、搬送制御部15は、例えば、S31の処理で取得した画像データにおける廃棄物OBの密度を算出する(S32)。さらに、搬送制御部15は、S32の処理で算出した一定時間内(例えば、10秒間)の密度の平均値を算出する(S33)。
【0108】
続いて、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値と上限閾値(以下、第1閾値とも呼ぶ)とを比較する。また、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値と下限閾値(以下、第2閾値とも呼ぶ)とを比較する(S34)。
【0109】
具体的に、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値が第1閾値よりも大きいか否かを判定する。また、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値が第2閾値よりも小さいか否かを判定する。
【0110】
その後、搬送制御部15は、S34の処理での比較結果に基づいて、ベルトコンベア21上における廃棄物OBの搬送速度を制御する。
【0111】
具体的に、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値が第1閾値よりも大きいと判定した場合、ベルトコンベア21における廃棄物OBの搬送速度を低速にする。すなわち、搬送制御部15は、この場合、学習モデルを用いることによって種類の判定を行う必要がある廃棄物OBの量が多いと判定し、ベルトコンベア21における廃棄物OBの搬送速度を低速にする。
【0112】
これにより、搬送制御部15は、例えば、種類の判定を行う必要がある廃棄物OBの量が多い場合であっても、各廃棄物OBの種類の判定をそれぞれ行うことが可能になる。
【0113】
また、搬送制御部15は、S33の処理で算出した平均値が第2閾値よりも小さいと判定した場合、ベルトコンベア21における廃棄物OBの搬送速度を高速にする。すなわち、搬送制御部15は、この場合、学習モデルを用いることによって種類の判定を行う必要がある廃棄物OBの量が少ないと判定し、ベルトコンベア21における廃棄物OBの搬送速度を高速にする。
【0114】
これにより、搬送制御部15は、例えば、種類の判定を行う必要がある廃棄物OBの量が少ない場合、各廃棄物OBの種類の判定に要する時間を短縮させることが可能になる。
【0115】
[環状経路を用いた場合の構成の具体例]
次に、環状経路を用いた場合の構成の具体例について説明を行う。図9は、環状経路を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
【0116】
図9に示す選別装置2は、環状経路を2か所において含むベルトコンベア31を有する。また、図9に示す選別装置2は、整列機構32a、32b、32c、32d、32e及び32f(以下、これらを総称して整列機構32とも呼ぶ)を有する。また、図9に示す選別装置2は、選別アーム33a、33b及び33c(以下、これらを総称して選別アーム33とも呼ぶ)を有する。なお、図9に示す例では、ベルトコンベア31上を撮像するカメラについての記載を省略している。
【0117】
ベルトコンベア31は、各廃棄物OBを搬送方向(図9における矢印方向)に向けて搬送する。
【0118】
選別アーム33aは、搬送方向の上流側(図9における上側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。具体的に、図9に示す選別アーム33aは、ベルトコンベア31上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1またはOB2である場合、廃棄物OB1及びOB2に対応する領域(図9における選別アーム33aの左側の領域)に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3またはOB4である場合、廃棄物OB3及びOB4に対応する領域(図9における選別アーム33aの右側の領域)に廃棄物OBを移動させる。
【0119】
また、選別アーム33bは、搬送方向の上流側(図9における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。具体的に、図9に示す選別アーム33bは、ベルトコンベア31上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1である場合、廃棄物OB1に対応するストックヤードSY11に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB2である場合、廃棄物OB2に対応するストックヤードSY12に廃棄物OBを移動させる。
【0120】
なお、ベルトコンベア31上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1及びOB2のいずれかでない場合、選別アーム33bは、廃棄物OBをストックヤードSY11またはSY12に移動させることなく引き続きベルトコンベア31上を搬送させる。
【0121】
すなわち、選別装置2では、例えば、情報処理装置1における廃棄物OBの選別精度によって、廃棄物OB3またはOB4が選別アーム33bの近傍に搬送される可能性がある。また、選別装置2では、例えば、廃棄物OBに含まれることが想定されていない廃棄物OB5が選別アーム33bの近傍に搬送される可能性がある。
【0122】
そのため、選別装置2は、例えば、情報処理装置1が廃棄物OB1及びOB2のいずれかであると判定できなかった廃棄物OBについては、ストックヤードSY11及びSY12のいずれかに移動させることなく、ベルトコンベア31上において引き続き搬送させる。
【0123】
これにより、選別装置2は、情報処理装置1が廃棄物OB1及びOB2のいずれかであると判定できなかった廃棄物OBの種類について、再度判定を行わせることが可能になる。そのため、対象物選別システム10は、ベルトコンベア31上を搬送される廃棄物OBの種類についての判定精度を高めることが可能になる。
【0124】
さらに、選別アーム33cは、搬送方向の上流側(図9における左側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。具体的に、図9に示す選別アーム33cは、ベルトコンベア31上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3である場合、廃棄物OB3に対応するストックヤードSY13に廃棄物OBを移動させ、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB4である場合、廃棄物OB2に対応するストックヤードSY14に廃棄物OBを移動させる。
【0125】
そして、選別アーム33cは、ベルトコンベア31上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3及びOB4のいずれかでない場合、廃棄物OBをストックヤードSY13及びSY14のいずれかに移動させることなく引き続きベルトコンベア31上を搬送させる。
【0126】
なお、情報処理装置1は、例えば、ベルトコンベア31上の同一の位置において所定回数以上搬送されている廃棄物OBの検知を行うものであってよい。具体的に、情報処理装置1は、例えば、各カメラが撮像したベルトコンベア31上の動画データを解析することによって、同一の場所において所定回数以上搬送されている廃棄物OBの検知を行うものであってよい。そして、同一の場所において所定回数以上搬送されている廃棄物OBが検知された場合、選別装置2は、例えば、図示しない所定の選別アーム(選別アーム33a、33b及び33c以外の選別アーム)を動作させることによって、検知された廃棄物OBを図示しない所定の領域(ストックヤードSY11、SY12、SY13及びSY14のそれぞれに対応する領域以外の領域)に移動させるものであってよい。
【0127】
これにより、選別装置2は、例えば、ストックヤードSY11、SY12、SY13及びSY14のいずれにも収容されない廃棄物OB(廃棄物OB5等)がベルトコンベア31上において搬送され続けることを防止することが可能になる。
【0128】
[選別盤を用いた場合の構成の具体例]
次に、選別盤41(以下、選別機構41または選別器41とも呼ぶ)を用いた場合の構成の具体例について説明を行う。図10から図12は、選別盤41を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。以下、図2及び図3で説明した選別装置2と異なる構成についてのみ説明を行う。
【0129】
図10に示す選別装置2は、廃棄物OBを収容可能な複数の領域を含む選別機構41を有する。選別機構41は、ベルトコンベア21の搬送面に対して垂直な軸部(図示しない)を中心として回転可能に径方向外側に延びる仕切壁42、43、44、45、46、47、48及び49を備える。仕切壁42、43、44、45、46、47、48及び49のそれぞれは、例えば、選別機構41を等分割するように配置されており、かつ、周方向に隣接する他の仕切壁との間において径方向外側の端部が開口したストックヤードSY21、SY22、SY23、SY24、SY25、SY26、SY27及びSY28をそれぞれ形成する。
【0130】
図10に示す例において、ストックヤードSY21は、例えば、種類が廃棄物OB3である確率が最も高く、かつ、その確率が第1確率(例えば、90(%))以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY22は、例えば、種類が廃棄物OB3である確率が最も高く、かつ、その確率が第2確率(例えば、70(%))以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY23は、例えば、種類が廃棄物OB3である確率が最も高く、かつ、その確率が第3確率(例えば、50(%))以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY24は、例えば、種類が廃棄物OB3である確率が最も高く、かつ、その確率が第3確率未満である廃棄物OBが収容される領域である。
【0131】
また、ストックヤードSY25は、例えば、種類が廃棄物OB1である確率が最も高く、かつ、その確率が第1確率以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY26は、例えば、種類が廃棄物OB1である確率が最も高く、かつ、その確率が第2確率以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY27は、例えば、種類が廃棄物OB1である確率が最も高く、かつ、その確率が第3確率以上である廃棄物OBが収容される領域であり、ストックヤードSY28は、例えば、種類が廃棄物OB1である確率が最も高く、かつ、その確率が第3確率未満である廃棄物OBが収容される領域である。
【0132】
具体的に、例えば、選別機構41の近傍の廃棄物OBの種類の判別結果が、廃棄物OBの種類が廃棄物OB3である確率が最も高く、その確率が90(%)以上であることを示している場合、情報処理装置1は、廃棄物OBがストックヤードSY21に収容されるように選別機構41を回転される旨の指示を制御装置に行う。すなわち、情報処理装置1は、この場合、図11に示すように、ストックヤードSY21が搬送方向の上流側に対向するように選別機構41を回転させる。
【0133】
これにより、選別装置2は、例えば、図12に示すように、選別機構41の近傍の廃棄物OB(ストックヤードSY21に対応すると判定された廃棄物OB)をストックヤードSY21に収容させることが可能になる。そのため、選別装置2は、例えば、選別機構41の近傍の廃棄物OBを種類ごとであって判定精度ごとに選別することが可能になる。従って、作業者OPは、例えば、異なる領域に収容された廃棄物OBごとに、異なる後続処理を行うことが可能になる。
【0134】
なお、ストックヤードSY21、SY22、SY23、SY24、SY25、SY26、SY27及びSY28は、例えば、異なる種類の廃棄物OB(8種類の廃棄物OB)をそれぞれ収容するものであってもよい。
【0135】
また、選別機構41は、例えば、8つ以外の枚数の仕切壁を有することによって、8つ以外の数の領域を形成するものであってもよい。
【0136】
[圧縮空気発生器を用いた場合の構成の具体例]
次に、圧縮空気発生器25を用いた場合の構成の具体例について説明を行う。図13及び14は、圧縮空気発生器25を用いた場合の構成の具体例について説明する図である。
【0137】
図13に示す選別装置2は、図2等で説明した選別アーム23に代えて、圧縮空気発生器25a及び25b(以下、これらを総称して圧縮空気発生器25とも呼ぶ)を有する。
【0138】
圧縮空気発生器25aは、作業者OPによる操作端末5を介した操作の内容や情報処理装置1による廃棄物OBの種類についての判定結果に基づいて、搬送方向の上流側(図13における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。
【0139】
具体的に、圧縮空気発生器25aは、図13に示すように、例えば、廃棄物OBの搬送経路上の領域(図13におけるベルトコンベア21の上側の領域)に配置されている。そして、圧縮空気発生器25aは、選別アーム23を用いた場合と同様に、ベルトコンベア21上を搬送される廃棄物OBに対して圧縮空気を送出することによって、各廃棄物OBを各廃棄物OBの種類に対応する領域に案内する。
【0140】
さらに具体的に、圧縮空気発生器25aは、図14に示すように、例えば、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB3である場合、その廃棄物OB(図14に示す例では廃棄物OB3a)を廃棄物OB3に対応する領域(図13におけるベルトコンベア21の下側の領域)に移動させる。
【0141】
また、圧縮空気発生器25bは、作業者OPによる操作端末5を介した操作の内容や情報処理装置1による廃棄物OBの種類についての判定結果に基づいて、搬送方向の上流側(図13における右側)から搬送された廃棄物OBのそれぞれを種類ごとに選別する。
【0142】
具体的に、圧縮空気発生器25bは、図13に示すように、例えば、廃棄物OBの搬送経路上の領域(図13におけるベルトコンベア21の下側の領域)に配置されている。そして、圧縮空気発生器25bは、選別アーム23を用いた場合と同様に、ベルトコンベア21上を搬送される廃棄物OBに対して圧縮空気を送出することによって、各廃棄物OBを各廃棄物OBの種類に対応する領域に案内する。
【0143】
さらに具体的に、圧縮空気発生器25bは、ベルトコンベア21上を搬送されている廃棄物OBが廃棄物OB1である場合、その廃棄物OBを廃棄物OB1に対応する領域(図13におけるベルトコンベア21の上側の領域)に移動させる。
【0144】
なお、図13及び図14に示す例では、圧縮空気発生器25a及び25bが、図2等で説明した選別アーム23に代えて設けられている場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、圧縮空気発生器25a及び25bは、図2等で説明した選別アーム23とともに設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0145】
1:情報処理装置
2:選別装置
5:操作端末
11:学習データ生成部
12:学習モデル生成部
13:種類判定部
14:選別アーム制御部
15:搬送制御部
21:ベルトコンベア
22:整列機構
23:選別アーム
24:カメラ
101:CPU
102:メモリ
103:ネットワークインタフェース
104:記憶媒体
105:バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14