(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】準スパース光学照明
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/14 20060101AFI20230111BHJP
F21V 7/07 20060101ALI20230111BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20230111BHJP
F21V 14/04 20060101ALI20230111BHJP
F21V 7/04 20060101ALI20230111BHJP
B60Q 1/12 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B60Q1/14
F21V7/07 200
F21V7/00 590
F21V14/04
F21V7/04 500
B60Q1/12 100
(21)【出願番号】P 2021106247
(22)【出願日】2021-06-28
(62)【分割の表示】P 2019504800の分割
【原出願日】2017-07-26
【審査請求日】2021-07-13
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラント アール バクタ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/14
F21V 7/07
F21V 7/00
F21V 14/04
F21V 7/04
B60Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)であって、第1のセットのマイクロミラーと、第2のセットのマイクロミラーと、前記第1のセットのマイクロミラーと前記第2のセットのマイクロミラーとに結合されるDMD入力とを含む、前記DMDと、
第1の制御入力を含み、前記第1のセットのマイクロミラーに光学的に結合される第1の光源であって、
前記第1の制御入力における第1の制御信号に従って前記第1のセットのマイクロミラーを照らす第1の変調されたビームプロファイルを生成
し、
ソース変調する
、
ように構成される、前記第1の光源と、
前記第2のセットのマイクロミラーに光学的に結合される第2の光源であって、第2の制御入力を含み、前記第2の制御入力における第2の制御信号に従って前記第2のセットのマイクロミラーを照らす第2の変調されたビームプロファイルを生成するように構成される、前記第2の光源と、
ドライバ電子機器であって、車両の状態を示す車両信号を受信するように構成されるドライバ入力と、前記DMD入力、前記第1の制御入力又は前記第2の制御入力の少なくとも1つに結合されるドライバ出力と、前記車両信号に従って前記ドライバ出力に制御信号を生成するように構成されるコントローラとを含む、前記ドライバ電子機器と、
を含む、車両。
【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記第2の変調ビームプロファイルが前記第1のセットのマイクロミラーの少なくとも一部を更に照らす、車両。
【請求項3】
請求項1に記載の車両であって、
前記制御信号が、前記第1のセットのマイクロミラーの少なくとも幾つかに方向を変えるように指示する、車両。
【請求項4】
請求項1に記載の車両であって、
前記制御信号が、前記第1の光源に輝度を変化するように指示する、車両。
【請求項5】
請求項1に記載の車両であって、
前記第1のセットのマイクロミラーが、前記第1のセットのマイクロミラーのマイクロミラーを第1のセットの位置と第2のセットの位置との間で傾けることによってデューティサイクルするように更に構成される、車両。
【請求項6】
請求項1に記載の車両であって、
前記DMDに光学的に結合される投射レンズを更に含み、
前記第1のセットのマイクロミラーが、前記第1の変調されたビームプロファイルの少なくとも一部を第1の反射ビームとして前記投射レンズに反射するように構成され、前記第2のセットのマイクロミラーが、前記第2の変調されたビームプロファイルの少なくとも一部を第2の反射ビームとして前記投射レンズに反射するように構成され、
前記投射レンズが、前記第1の反射ビームと前記第2の反射ビームとに基づいてヘッドライト・ビームを生成するように構成される、車両。
【請求項7】
ヘッドランプ・アセンブリであって、
デジタル・ミラー・デバイス(DMD)であって、第1のセットのマイクロミラーと、第2のセットのマイクロミラーと、前記第1のセットのマイクロミラーと前記第2のセットのマイクロミラーとに結合されるDMD入力とを含む、前記DMDと、
前記第1のセットのマイクロミラーに光学的に結合される第1の光源であって、第1の制御入力を含み、前記第1の制御入力における第1の制御信号に従って前記第1のセットのマイクロミラーを照らす第1の変調されたビームプロファイルを生成するように構成される、前記第1の光源と、
前記第2のセットのマイクロミラーに光学的に結合される第2の光源であって、第2の制御入力を含み、前記第2の制御入力における第2の制御信号に従って前記第2のセットのマイクロミラーを照らす第2の変調されたビームプロファイルを生成するように構成される、前記第2の光源と、
前記第1の光源に光学的に結合される凸面レンズと、
前記凸面レンズと前記第1のセットのマイクロミラーとの間に光学的に結合される凹面鏡と、
を含む、ヘッドランプ・アセンブリ。
【請求項8】
請求項
7に記載のヘッドランプ・アセンブリであって、
前記第1の光源と前記DMDとの間に結合される訂正レンズを更に含む、ヘッドランプ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかのライティングシステムにおいて、投影のための光はランプ又はレーザからの光の放射によって提供される。放射光はしばしば、特定のエリアを照明するための投影のために反射及び集束される。放射光は、白色相関(白色)色温度を有し得、そのため、車両運転時の暗い道路の照明などの照明のために白色光が投影される。いくつかの車両はハンドルをヘッドライトアセンブリに機械的に結合し、そのため、投影された光は、車両が曲がる方向に従って、真正面(例えば、車両の前面に垂直)から左又は右のいずれかの向きに方向変換される。しかしながら、こうしたシステムは、しばしば煩雑であり、ヘッドライトアセンブリ全体を旋回させるために十分な面積を必要とする。また、操向可能な(steerable)ヘッドライトアセンブリの適切な動作のために、付加的な較正手順及び/又は動作パワーが必要となる可能性もある。
【発明の概要】
【0002】
説明する例において、DMDがマイクロミラーを含む。第1の光源が、DMDのマイクロミラーの第1のセットを照明する第1のビームプロファイルを生成する。第2の光源が、DMDのマイクロミラーの第2のセットを照明する第2のビームプロファイルを生成する。第1及び第2のビームプロファイルは、DMDの少なくともいくつかのマイクロミラー上で部分的に重なる。第1の光源は、感知される走行条件に応答してパワー及び明るさを調節するために、第2の光源とは独立してソース変調される。DMDのマイクロミラーは、感知された走行条件に応答して変調される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの正投影図である。
【0004】
【
図2A】準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの上面図である。
【0005】
【
図2B】準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。
【0006】
【
図3】準スパース照明を用いるソース変調ビームステアリングのためのDMD光学的にアクティブな表面の放射照度プロットを示すグラフのグループである。
【0007】
【
図4A】第1の投影開口の内側マージンの図である。
【0008】
【
図4B】第2の投影開口の内側マージンの図である。
【0009】
【0010】
【0011】
【
図5A】複数の光源から重なり合わないビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。
【0012】
【
図5B】複数の光源から部分的に重なるビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。
【0013】
【
図5C】複数の光源から完全に重なるビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。
【0014】
【
図6】同じ側の光源からの準スパース照明を用いるソース変調ビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。
【0015】
【
図7】DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、独立して配置及び配向された光源のための複数の集光レンズの図である。
【0016】
【
図8】DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、独立して配置及び配向された光源のための単一の集光レンズの図である。
【0017】
【
図9】DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、平面光源のための単一の集光レンズの図である。
【0018】
【
図10】直接及び間接光源からの準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。
【0019】
【
図11】ソース変調ビームステアリングのための車両システムのブロック図である。
【0020】
【
図12A】車両が直進走行しているときのビームステアリングの(車両から見た)図である。
【0021】
【
図12B】車両が緩やかに曲がるときのビームステアリングの(車両から見た)図である。
【0022】
【
図12C】車両がより鋭く曲がるときのビームステアリングの(車両から見た)図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本説明において、(a)「部分」という用語は、全体部分又は全体部分よりも少ない一部分を含み得、(b)「パッケージ」という用語は、外側環境からシールされた局所環境におけるダイ、ウェーハ、又は微小機械デバイスなどの、基板又はシールされた容器を含み得、(c)「スパース」という用語は、瞳の部分的に照明されるエリア(例えば、照射されるエリア)を含み得、(d)「光学要素」という用語は、レンズ、ミラー、又はその両方を含み得る。
【0024】
多くの照明システムにおいて、局所的に生成される光のビームがレンズを介して放物線状に反射及び集束され、そのため、特定のエリアが照明される。多くの車両において、ヘッドライトアセンブリが、ランプ、大規模放物面リフレクタ、及びレンズを含む。ヘッドライトアセンブリは、車両のハンドルの制御運動に応答して、(例えば、車両シャーシに対して)局所的に旋回される。例えば、機械的連携及び/又はヘッドライトアセンブリモータが、ハンドルの通常回転運動に応答してヘッドライトアセンブリを旋回させ得、そのため、光のビームは、車両のシャーシに対して固定位置及び向きで取り付けられるハイライトに比べて、より大きな自由度で方向付けられ得る。
【0025】
これに対して、例示の実施形態は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、及び、DMDを含むヘッドライトアセンブリの向きとは独立して光ビームを操向するための制御可能な光源を含む。例えば、光ビームは、車両のハンドルの回転度の指示に応答して操向され得る。独立して操向可能な個々のマイクロミラーは、ハンドルの回転に応答して動的に向けられ得る。更に、DMDを照明するための制御可能な光源の明るさ(例えば、輝度)は個々に制御(例えば、調節)され得、そのため、選択される方位角について光ビームの明るさを低減することにより、パワーが節約され得る。
【0026】
例示の実施形態において、個々に制御されるランプは、(例えば、準スパース照明における)DMDの光学的にアクティブな部分の部分的に重なる部分を選択的に照明するように配置される。準スパース照明において、DMDから反射される光によって照明されるシーンの部分は、(例えば、異なる光源からの光を集束させることによって)他の部分よりも選択的に明るく照明される。したがって、こういった部分的な重なりは、空間ドメイン及び角ドメインにおいて決定され得る。例えば、個々に制御される光源は、対応する光源に印加されるパワーを調整すること(例えば、オン、オフ、又はそれらの間の様々なレベル)によって独立して制御され得る。したがって、それぞれの光源を独立して制御することが、特定のDMDエリアへの(例えば、そうでなければ道路ではない表面エリアに投影されることになる)照明を低減することによってパワーを節約する(及び熱放散を低減する)ことができる。
【0027】
例示の実施形態において、マイクロミラーは、走行条件の一つ又は複数の指示に応答して光のビームを整形するために、ON又はOFFを迅速に切り替えることができる。例えば、こういった指示は、全地球測位システム(GPS)データ、及び車両内のセンサ(LiDAR、レーダ、カメラ、及び車両間安全システムなど)からの情報に基づいて、予測アルゴリズムによって個別に又は集合的に生成され得る。ヘッドライトビーム整形は、対向車が検出されたとき、路面に対してより高いピーク輝度を送達するためにヘッドライトビームを下方に操向すること、まだ走行していない道路のカーブに追従してより高いピーク輝度を送達するために予測される車両経路をマッピングすること、及び、対向車の運転者の目を「くらませる」可能性の高い照明パターンからヘッドライトビームをそらすことなどの適用例を含み得る。光源が相互に独立して変調されるビームステアリング(例えば、選択的な多軸ビームステアリングの場合)によって、パワーを節約し、その車両、対向車、歩行者、及び、他の生物又は物体の安全性を高めることが可能である。
【0028】
例示の実施形態において、一つ又は複数の個々に制御される光源は、DMDの選択部分を反射的に照明するための凹面ミラーに向かって投影するために発光するように配置される。例えば、一つ又は複数の個々に制御されるランプが、凹面ミラーの、異なるが重なる部分を照明し、そのため、DMDの異なる(が概して重なり合う)光学的にアクティブな部分が照明される。こうした配置によって、個々に制御されたランプをDMDのより近くに配置できるので、構成要素のコンパクトな配置が容易になる。ヘッドライトアセンブリのコスト、複雑さ、及びスペースの要件を削減するためにコンパクトな配置を用いることができる。
【0029】
図1は、準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの正投影図である。ヘッドライトアセンブリ100は、概して、ヘッドライトアセンブリケーシング110(レンズケーシング112を含む)、光源120、122、及び124、光源レンズ130、132、及び134、DMD140(パッケージ/基板142に取り付けられる)、凹面ミラー150、オプションの非対称開口160、並びに、軸190に関した投影のためのコリメートされた光を集束するために含める投影レンズ(170及び180)(例えば、
図1に示すように、中心に位置するか、或いは軸190の左又は右、及び/又は、上方又は下方にバイアスされる)を含む。
【0030】
光源120、122、及び124は、白熱電球、ハロゲン又はキセノンランプ、発光ダイオード(LED)アレイ、及び/又は(例えば、選択周波数の光を発するために蛍光面を励起させるための)レーザダイオードなど、相互に独立して制御可能なランプとし得る。光源120、122、及び124は、様々な発光部が個々に及び選択的に制御され得る、別々の基板又は同じ基板において形成され得る。光源120、122、及び124は、通常、同じ色(例えば、高速道路のヘッドライト適用例の場合は白色)であるが、いくつかの適用例が、変化する適用例における加法的(又は減法的)な色合成のために、相互に異なる色及び/又は色温度のランプを含み得る。3つの光源が記載されているが、様々な実施形態が、より精細に制御されるビームステアリングのためのより精細なソース変調を達成するために、100個もの又はそれ以上の、独立して制御される光源を含む。
【0031】
光源120、122、及び124は、光源レンズ130、132、及び134による方向集束のための光を生成するように配置される。光源レンズ130、132、及び134は、光源120、122、及び124のそれぞれ1つからの入射光を、(a)直接DMD140に向かって、又は(b)
図2A及び
図2Bに示されるように、凹面ミラー150を介してDMD140に向かって、方向付けされる概して平行な(例えばコリメートされた)光線に屈折させるための凹面を含む。
【0032】
凹面ミラー150は、通常、内向きに湾曲した(例えば、折り畳まれた)反射面を含む、複雑な幾何学形状(例えば、双円錐内面)であり、そのため、入射光は、DMD140の光学的にアクティブな表面上での収集のために収束光線に反射される。ミラーの形状は、光源120、122、及び124の各々からの光を集束させるように配置される。各光源は、マイクロミラーのそれぞれのセットに関連付けられる(例えば、照明するように配置される)。マイクロミラーのそれぞれのセットは部分的に重なっているため、それぞれのセットが、それぞれのセットのうちの別の1つといくつかのマイクロミラーを共有し得る。
【0033】
ミラーの形状及び光源120、122、及び124の配置は、DMD140の光学的にアクティブな表面全体を全般的に照明するように、又は、DMD140の光学的にアクティブな表面の特定の部分(例えば、中央から左部分又は中央から右部分)をより明るく照明するように配置される(例えば、
図3を参照)。DMD140の光学的にアクティブな表面部分の照明の相対的な度合は、光源120、122、及び124の各々によって生成される光の量(例えば、輝度)を個々に制御することによって制御され得る。選択される光源120、122、及び124からの光は、空間ドメイン及び角ドメインにおいて部分的に重なるビームプロファイルを生成するための照明光学系に光学的に結合される。部分的に重なるビームプロファイルにより、瞳がスパースに満たされ(例えば、スパースに照明され)、そのため、DMD140の光学的にアクティブな表面の選択部分から反射された光が、選択される(例えば、予測方位角によって選択される)方位角に基づいてシーンの一部を照明する。部分的に重なるビームプロファイルは、単一の光源によって生成される明るさよりも強い明るさも生成する。
【0034】
一実施形態において、DMD140は、ロー及びコラムに配される反射要素(例えば、マイクロミラー)の2次元アレイを含み、こうした反射要素の各々は、「ピクセル」(例えば、投影のための集束された光ビームの特定の部分を個々に制御するためのマイクロミラー)に関して照明を制御する。反射要素は、集束された光ビームが投影レンズ180の後(例えば、DMD側)面と遭遇する角度及びロケーションを選択的に制御する。
【0035】
DMD140の反射要素は、投影ビームを光学的に操向するためのプロセッサ(例えば、
図11を参照)に個々に応答している。投影ビームは、個々の光源120、122、及び124の明るさの度合を個々に制御することによっても操向され得る。したがって、投影ビームは、個々の光源120、122、及び124の明るさの度合を個々に制御すること、及び/又は、個々のマイクロミラーを(集合的又は個々に)制御することによって操向され得る。個々の光源120、122、及び124の明るさが調節(例えば、低減)されるとき、パワーは節約される。
【0036】
1軸マイクロミラーを含む実施形態において、各ピクセルが左右に操向され得、そのため、特定のマイクロミラーからのビームを、完全に投影光学系から離れるように向けることができる(例えば、投影レンズ180及びライトトラップ内へ、そのため、特定のマイクロミラーからのビームは投影されない)か、或いは、投影レンズ180上の選択ロケーションに向けることができる(例えば、そのため、特定のマイクロミラーからのビームが、左、中央、又は投影の軸190の左に投影され得る)。
【0037】
DMD140によって反射されたピクセル光線は、すべての投影された光の明るさ及びコントラスト比を制御するために、オプションの非対称開口160を介して内部に投影される。概して、開口が狭い場合、照明される対象のコントラスト比は増加し、全体の明るさは減少する。開口が広い場合、コントラスト比は減少し、全体の明るさは増加する(例えば、
図4を参照)。
【0038】
DMD140によって反射されたピクセル光線は投影され、コーンは、(例えば、いかなるレンズも再位置決め又は再配向せずに)投影の軸190に関して水平又は垂直に操向され得る。DMD140によって反射されるピクセル光線の投影は、走行条件、予測アルゴリズム、及び、(例えば、歩行者のマスキングのための)ミラーのDMD変調と連動する光源の相互に独立した変調の、様々な組み合わせに応答して、投影され得る。
【0039】
ヘッドライトアセンブリ100の例示の実施形態を、下記において、上面図セクション(
図2A)及び側面図セクション(
図2B)に関して説明する。
【0040】
図2Aは、準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの上面図である。ヘッドライトアセンブリ200は、ヘッドライトアセンブリ100などのヘッドライトアセンブリであり、概して、ヘッドライト光源120、122、及び124、光源レンズ130、132、及び134、(基板142に取り付けられる)DMD140、凹面ミラー150、オプションの非対称開口160、並びに、軸190に関した投影のためのコリメートされた光を集束するための投影レンズ170及び180(
図1に示すように、中心に位置するか、或いは軸190の左又は右、及び/又は、上方又は下方にバイアスされる)を含む。
【0041】
上記で説明したように、光源120、122、及び124は、互いに独立してソース変調されるランプである。光源120、122、及び124は、光源レンズ130、132、及び134によって、双円錐ミラー150を介してDMD140に向かって方向集束するための光を生成するように配置される。
図3に関して下記で説明するように、光源120、122、及び124は、(凹面ミラー150の動作に連動して)光を生成するように配置され、そのため、DMDは、それぞれの光源からの部分的に重なるビームパターンと共に、概して均一に照明される。
図2Aの例において、(断面において、投影レンズ180を出るように示される)投影される光ビームは投影の軸190を中心としているため、光源120、122、及び124を(互いに独立して)ソース変調することによる投影ビームの操向に対する寄与は、相対的に最小である。
【0042】
図2Bは、準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。ヘッドライトアセンブリ200は、ヘッドライトアセンブリ100などのヘッドライトアセンブリであり、概して、光源120、122、及び124、光源レンズ130、132、及び134、(基板142に取り付けられる)DMD140、凹面ミラー150、オプションの非対称開口160、軸190に関して投影のためにコリメートされた光を集束するための投影レンズ170及び180を含む。
【0043】
上記で説明したように、DMD140の各ピクセル光線は、左及び右又は上及び下に操向され得、そのため、特定のミラーからのビームを、完全に投影レンズ180から離れて、又は投影レンズ190上の選択されるロケーションに、向けることができる。例えば、「デジタル」DMDミラーは、2つの状態ON(+12度)及びOFF(-12度)のうちの1つであり得、したがって、ビームはDMDデバイスの向きに応じて左右軸又は上下軸に沿って操向され得る。
【0044】
図3は、準スパース照明を用いるソース変調ビームステアリングのためのDMD光学的アクティブ表面の放射照度プロットを示すグラフのグループである。例えば、DMD(DMD140など)の表面は、照明される表面310、320、及び330を含み、これらの表面は、これらの表面310、320、及び330を照明するためのそれぞれの光源(例えば、120、122、及び124)の寄与を示す。左、中央、及び右のグラフ300は、それぞれの光源によって寄与される放射照度の中心点(例えば、1次元中心点)を示すためのそれぞれの方位角を含む。
【0045】
一実施形態において、DMDは大規模DMDであり得、そのため、公道上で車両のヘッドライトが必要とする明るさなど、ターゲットアプリケーションに十分なエタンデュを提供するために複数の白色LEDが配置され得る。DMDは、2:1のアスペクト比を含み、このアスペクト比は、ヘッドライトビームとして投影するために許容し得る視野での高いピーク輝度を達成するために十分なエタンデュ(etendue)を提供するための、LEDの横並び配置を容易にする。
【0046】
一実施形態において、準スパース照明アーキテクチャが、DMDの中心近くに高いピーク輝度を生成するための個別に制御可能なLEDからの部分的に重なる光ビームの寄与を含む。準スパース照明ベースのビームステアリングは、個々のLEDへのそれぞれの入力電流を変化させることにより、各々部分的に重なるビームの寄与を変化させることによって達成され得る。したがって、多様な道路条件において走行しているときの平均電力消費量が20パーセント以上削減され得、ヘッドライトアセンブリにおける熱負荷が低減され得、LED寿命が増大され得(及び信頼性が向上され得)、及び、ビームの視野の縁部での黄変アーチファクトが低減され得る。
【0047】
準スパース照明ベースのビームステアリングは、個々のLEDへのそれぞれの入力電流を変化させることにより、左、中央、及び右の部分的に重なるビームの寄与を変化させることによって達成され得る。例えば、照明される表面310は、方位角312の下が中心となる照明されるスポットを含む。曲線314は、左から右へと延在する、照明された表面310の中心における水平線の照明の度合を示す。方位角312は、曲線314の下から中心点の左側へのエリアが曲線314の下から中心点の右側へのエリアに等しい、曲線314上の中心点に関連付けられる。
【0048】
照明された表面320は、方位角322の下が中心となる照明されるスポットを含む。曲線324は、左から右へと延在する、照明された表面320の中心における水平線の照明の度合を示す。方位角322は、曲線324の下から中心点の左側へのエリアが曲線324の下から中心点の右側へのエリアに等しい、曲線324上の中心点に関連付けられる。
【0049】
照明された表面320は、方位角322の下が中心となる照明されるスポットを含む。曲線324は、左から右へと延在する、照明された表面320の中心における水平線の照明の度合を示す。方位角322は、曲線324の下から中心点の左側へのエリアが曲線324の下から中心点の右側へのエリアに等しい、曲線324上の中心点に関連付けられる。
【0050】
照明された表面330は、方位角332の下が中心となる照明されるスポットを含む。曲線334は、左から右へと延在する、照明された表面330の中心における水平線の照明の度合を示す。方位角332は、曲線334の下から中心点の左側へのエリアが曲線334の下から中心点の右側へのエリアに等しい、曲線334上の中心点に関連付けられる。
【0051】
したがって、左、中央、及び右のLEDを活性化することで、DMDが均一に照明され、左及び中央のLEDを活性化することで、DMDの左及び中央の部分が照明され、中央及び右のLEDを活性化することで、DMDの中央及び右部分が照明される。投影ビームは、DMDの照明された部分に従って操向される。
【0052】
図4Aは、第1の投影開口の内側マージンの図である。投影開口400は、開口160と同様であり、概して円形であり、片側に沿って狭くなっている。例えば、開口形状は、円の2点を介して弦を描き、弦によって画定される弧(例えば、小さな方の弧)を内側に折り畳むことによって狭くし得る。開口が狭くなると、コントラスト比は増加し、全体的な明るさは減少する。開口400の非対称内側マージンは、投影軸に沿った集束光のコーン(又はピラミッド)の外側部分をマスクし、そのため、部分的にマスクされたビームによって照明されるオブジェクトのコントラストは増加する(例えば、これにより、運転者が、照明されたオブジェクトにより迅速に気付き、識別する可能性を増加させ得る)。
【0053】
図4Bは、第2の投影開口の内側マージンの図である。投影開口402は、開口160と同様であり、概して円形であり、対向する両側で狭くなっている。例えば、開口形状は、円の第1の側の2点を介して弦を描き、弦によって画定される弧(例えば、小さな方の弧)を内側に折り畳むことによって狭くし得る。更に、開口形状は、円の反対側の2点を介して弦を描き、弦によって画定される弧(例えば、小さな方の弧)を内側に折り畳むことによって狭くし得る。開口402の二重に非対称の内側マージンは、投影軸に沿った集束光のコーンの外側部分をマスクし、そのため、部分的にマスクされたビームによって照明されるオブジェクトのコントラストは(例えば、開口400のコントラスト比よりも多く)増加する。
【0054】
図4Cは、照明開口の内側マージンの図である。投影開口404は、光源(例えば、120、122、及び124)からの光をマスクするため、及び、DMDに当たる入射光の輪郭を整形するためのものである。したがって、投影開口404は、光源(例えば、120、122、及び124)とDMDとの間の光路における好都合なロケーションに配置される。
【0055】
例えば、開口404の形状(例えば、内側マージンの外形)は、3つの円のうちの2つの円が中央の円と重なる、3つの円の外側境界として画定され得る。一実施形態において、各円の中心は、開口404の内側マージンを形成する重なり合う円の中心と同一線上(例えば、直線内)にある。一実施形態において、投影開口404の内側マージンの形状を画定するために、開口404の内側マージンを画定するための円が、対応する光源円(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の円)の相対的な位置に従って画定される。
【0056】
開口404の非対称内側マージンは、集束光のコーンの外側部分をマスクする。DMD上に集束する光のコーンの外側部分をマスクすることで、投影ビームのコントラスト比が増加する。DMDを照明する光のマスクされたコーンの外形は、DMDの光学的にアクティブな表面のアスペクト比及び外形を近似する。
【0057】
図4Dは、照明及び/又は投影開口の図である。開口404は、照明開口として配されるとき、光源(例えば、120、122、及び124)とDMD140との間の光路における好都合なロケーションに配置され得る(例えば、開口406aは光源120をマスクするため、開口406bは光源122をマスクするため、及び、開口406cは光源124をマスクするためのものである)。開口404は、投影開口として配されるとき、DMDと投影レンズ170及び180との間の光路における好都合なロケーションに配置され得る。
【0058】
例えば、開口406の形状(例えば、内側マージンの外形)は、3つの重なり合わない楕円の外側境界として画定され得る。一実施形態において、各楕円の中心は、開口406の3つの楕円の各々の短軸と同一線上(例えば、直線内)にある。一実施形態において、開口404の内側マージンの形状を画定するために、開口406の内側マージンを画定するための円が、対応する光源楕円(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の楕円)の相対的な位置に従って画定される。
【0059】
開口406の非対称内側マージンは、集束光のコーンの一部をマスクする。DMD上に集束される光のコーンの一部をマスクすることで、投影ビームのコントラスト比が増加する。DMDを照明する光のマスクされたコーンの外形は、DMDの光学的にアクティブな表面のアスペクト比及び外形を近似する。
【0060】
図5Aは、複数の光源から重なり合わないビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。例えば、システム501は、中央の光源512からDMD540の光学的にアクティブな表面上の中心点まで延在する軸519に従って整合される、複数の光源511、512、及び513と、レンズ514、517、及び518と、DMD540とを含む。
【0061】
動作において、複数の光源511、512、及び513(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD540の光学的にアクティブな表面を照明するための光を生成するように配される。レンズ514、517、及び518は、軸519に沿って整合され、複数の光源511、512、及び513によって発せられる光をDMD540の光学的にアクティブな表面上で集束させるように配される。DMD540の光学的にアクティブな表面上の入射光は、均一又は不均一に分散され得る。DMD540が均一に分散する場合、異なる光源から発せられる光は、DMD540の光学的にアクティブな表面上で実質的に(例えば、数ピクセルより多く)重なり合わない。DMDが不均一に分散する場合、異なる光源からの光は部分的に重なり得る。したがって、システム501は、DMD540が不均一に照明されるとき、光源511又は光源513のいずれかをソース変調することによってビームステアリングされ得る。
【0062】
図5Bは、複数の光源から部分的に重なるビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。例えば、システム502は、中央の光源522からDMD540の光学的にアクティブな表面上の中心点へと延在する軸529に従って整合される、複数の光源521、522、及び523と、レンズ524、525、526、527、及び528と、DMD540とを含む。
【0063】
動作において、光源521、522、及び523(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD540の光学的にアクティブな表面を照明するための光を生成するように配される。レンズ524、525、及び526は、それぞれの光源521、522、及び523からの光をレンズ527上に集束させるように配される。レンズ527及び528は、軸529に沿って整合され、複数の光源521、522、及び523によって発せられる光をDMD540の光学的にアクティブな表面上で集束させるように配される。DMD540の光学的にアクティブな表面上の入射光は均一に分散されるが、異なる光源から発せられる光は、DMD540の光学的にアクティブな表面上で部分的に(例えば、数ピクセルより多く)重なる。システム501は、光源521又は光源523のいずれかをソース変調することによって、ソース変調ビームステアリングされ得る。
【0064】
図5Cは、複数の光源から完全に重なるビームを生成する、DMDを照明するためのシステムの図である。例えば、システム503は、中央の光源532からDMD540の光学的にアクティブな表面上の中心点まで延在する軸539に従って整合される、複数の光源531、532、及び533と、レンズ534、535、536、537、及び538と、DMD540とを含む。
【0065】
動作において、複数の光源531、532、及び533(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD540の光学的にアクティブな表面を照明するための光を生成するように配される。レンズ534、535、及び536は、それぞれ、光源531、532、及び533からの光をレンズ537上に集束させるように配される。レンズ537及び538は、軸539に沿って整合され、複数の光源531、532、及び533によって発せられる光を、DMD540の光学的にアクティブな表面上で集束させるように配される。DMD540の光学的にアクティブな表面上の入射光は均一に分散されるが、異なる光源から発せられる光は、DMD540の光学的にアクティブな表面上で完全に重なる。システム501は、光源531、532、及び533の任意の組み合わせをソース変調することによって、入射光を減光し得る。
【0066】
図6は、同じ側の光源からの準スパース照明を用いるソース変調ビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。ヘッドライトアセンブリ600は、概して、ヘッドライト光源620、622、及び624、光源レンズ630、632、及び634、(基板642に取り付けられる)DMD140、凹面ミラー650、オプションの非対称開口660、コリメートレンズ670、並びに、軸690に関した投影のためにコリメートされた光を集束するための投影レンズ680(
図1に示すように、中心に位置するか、或いは軸690の左又は右、及び/又は、上方又は下方にバイアスされる)を含む。
【0067】
上記で説明したように、光源620、622、及び624は、互いに独立してソース変調されるランプである。光源620、622、及び624は、光源レンズ630、632、及び634によって、凹面ミラー650(例えば、非対称F値を生成するための双円錐ミラー)を介してDMD140に向かって方向集束するための光を生成するように配置される。光源620、622、及び624は、(凹面ミラー650の動作に連動して)光を生成するように配置され、そのため、DMDは、それぞれの光源からの部分的に重なるビームパターンと共に、概して均一に照明される。
図6の例において、投影ビームは、光源620及び624を(互いに独立して)ソース変調することによって、及び、DMD640のマイクロミラーを用いる空間光変調によって操向され得る。(断面において、投影レンズ680を出るように示される)投影された光ビームは、投影の軸690の右側が中心となる。
【0068】
ヘッドライト光源620、622、及び624、光源レンズ630、632、及び634は、DMD640より下(例えば、下方)であり、凹面ミラー650と同じ側に配置され、凹面ミラーは、DMD640の光学的にアクティブな表面を照明する(例えば、直接照明する)ためにDVD640より上に配置される。
【0069】
図7は、DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、独立して配置及び配向される光源のための複数の集光レンズの図である。例えば、システム700が、中央の光源722から、集光レンズ732の中心を介して、DMD740の光学的にアクティブな表面上の中心点まで延在する軸792に従って整合される、複数の光源720、722、及び724と、集光レンズ730、732、及び734と、DMD740とを含む。光源720、722、及び724の各々は、横方向に(例えば、DMD740の面に対して平行に)シフトさせ、DMD740の方を向くように傾斜させ(例えば、ジンバルで支えられ)得る。したがって、光源720、722、及び724の各々は、各光源の投影の軸がDMDのマイクロミラーの方を向くように傾斜される。光源720、722、及び724は、(
図3に関して上記で説明したように)部分的に重なるビームを用いて、DMD740の光学表面をそれぞれ照明するように配置される。
【0070】
動作において、複数の光源720、722、及び724(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD740の光学的にアクティブな表面を照明するためソース変調光を生成するように配置される。集光レンズ730、732、及び734は、それぞれ、光源720、722、及び724からの光をDMD740の光学的にアクティブな表面上に集束させるように配置され、集光レンズ734及び732によって屈折される光のビームは、DMD740の光学的にアクティブな表面の左から中央の部分を照明するとき、部分的に重なり、集光レンズ732及び730によって屈折される光のビームは、DMD740の光学的にアクティブな表面の中央から右の部分を照明するとき、部分的に重なる。したがって、システム700は、(例えば、光源720又は724の)ソース変調、及び/又は、DMD740のマイクロミラーの制御に応答して、光学ビームを電子的に操向するように配される。
【0071】
図8は、DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、独立して配置及び配向される光源のための単一の集光レンズの図である。例えば、システム800が、中央の光源822から、集光レンズ830の中心を介して、DMD840の光学的にアクティブな表面上の中心点まで延在する軸892に従って整合される、複数の光源820、822、及び824と、集光レンズ830と、DMD840とを含む。光源820、822、及び824の各々は、各光源のための投影軸がDMD840の方を向くように、横方向に(例えば、DMD840の面に対して平行に)シフトされ、傾斜され(例えば、ジンバルで支えられ)得る。
【0072】
光源820、822、及び824は、それぞれ、集光レンズ830によってレンズされる(lensed)ように(
図3に関して上記で説明したような)部分的に重なるビームを用いて、DMD840の光学表面を照明するように配される。集光レンズ830は、DMD840の光学的にアクティブな表面上にビームを結合(例えば、集束)させるための、単一のビーム形成レンズである。集光レンズ830は、双円錐形又は放射対称性であり得る。
【0073】
動作において、複数の光源820、822、及び824(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD840の光学的にアクティブな表面を照明するためソース変調光を生成するように配される。集光レンズ830、832、及び834は、それぞれ、光源820、822、及び824からの光をDMD840の光学的にアクティブな表面上に集束させるように配され、光源824及び822によって発せられる光のビームは、DMD840の光学的にアクティブな表面の左から中央の部分を照明するとき、部分的に重なり、光源822及び820によって発せられる光のビームは、DMD840の光学的にアクティブな表面の中央から右の部分を照明するとき、部分的に重なる。したがって、システム800は、(例えば、光源820又は824の)ソース変調、及び/又は、DMD840のマイクロミラーを制御することに応答して、光学ビームを電子的に操向するように配される。
【0074】
図9は、DMDを照明するための部分的に重なるビーム生成のための、平面光源のための単一の集光レンズの図である。例えば、システム900が、中央の光源922から、集光レンズ930の中心を介して、DMD940の光学的にアクティブな表面上の中心点まで延在する軸992に従って整合される、複数の光源920、922、及び924と、集光レンズ930と、DMD940とを含む。
【0075】
光源920、922、及び924は、それぞれ、集光レンズ930によってレンズされるように、(
図3に関して上記で説明したような)部分的に重なるビームを用いて、DMD940の光学表面を照明するために、(例えば、DMD940の平面に対して平行な)平面に配置される。光源920、922、及び924の平面配置(例えば、同じ平面配置)は、よりシンプルな機械的レイアウト及び温度管理を達成する。集光レンズ930は、DMD940の光学的にアクティブな表面上にビームを結合させるための、単一のビーム形成レンズである。集光レンズ930は、双円錐形又は放射対称性であり得る。
【0076】
動作において、複数の光源920、922、及び924(それぞれ、右、中央、及び左)は、DMD940の光学的にアクティブな表面を照明するためソース変調光を生成するように配される。集光レンズ930、932、及び934は、それぞれ、光源920、922、及び924からの光をDMD940の光学的にアクティブな表面上に集束させるように配され、光源924及び922によって発せられる光のビームは、DMD940の光学的にアクティブな表面の左から中央の部分を照明するとき、部分的に重なり、光源922及び920によって発せられる光のビームは、DMD940の光学的にアクティブな表面の中央から右の部分を照明するとき、部分的に重なる。したがって、システム900は、(例えば、光源920又は924の)ソース変調、及び/又は、DMD940のマイクロミラーを制御することに応答して、光学ビームを電子的に操向するように配される。
【0077】
図10は、直接及び間接光源からの準スパース照明を用いるビームステアリングのためのヘッドライトアセンブリの側面図である。ヘッドライトアセンブリ1000が、概して、ヘッドライト光源1020、1022、及び1024と、光源レンズ1030、1032、及び1034と、DMD1040と、凹面ミラー1050と、軸1090に関した投影のためのコリメートされた光を集束するためのコリメート投影レンズ1070(例えば、中心に位置するか、或いは軸1090の左又は右、及び/又は、上方又は下方にバイアスされる)とを含む。
【0078】
上記で説明したように、光源1020、1022、及び1024は、互いに独立してソース変調されるランプである。光源1020及び1024は、凹面ミラー1050(例えば、非対称F値を生成するための双円錐ミラー)を介して間接的にDMD1040に向かう第1のDMD照明経路に沿って、光源レンズ1032及び1034によって、方向集束するための光を生成するように配される。光源1020は、直接DMD1040に向かう第2のDMD照明経路に沿って、光源レンズ1030によって方向集束するための光ビームを生成するように配される。光源1020、1022、及び1024は、DMDが、それぞれの光源からの部分的に重なるビームパターンを備えて概して均一に照明されるように、光ビームを生成するように配される。
【0079】
図10の例において、光源1020及び1024を(互いに独立して)ソース変調することによって、並びに、DMD1040のマイクロミラーを第1と第2のミラー位置の間で前後に周期的に(例えば、人の目が遷移に気付くことができるレートより高レートで)傾斜させることによって、DMD及び(任意選択で)光源をデューティサイクルさせることができる。例えば、第1の光源(例えば、1020)からの光は、DMDミラーが-12度傾斜(下方傾斜)されるとき、投影レンズ内へと操向され得、DMDミラーが+12度傾斜(上方傾斜)されるとき、投影レンズから離れて操向され得る。第2の光源の場合、光源1022及び/又は1024からの光は、DMDミラーが+12度傾斜(上方傾斜)されるとき、投影レンズ内へと操向され得、DMDミラーが-12度傾斜(下方傾斜)されるとき、投影レンズから離れて操向され得る。(断面において、コリメート投影レンズ1070を出るように示される)投影された光ビームは、投影の軸1090の右側が中心となる。また、光源及びDMDミラーの両方をデューティサイクルさせることで、光源及びDMDの両方の信頼性及び寿命が増大する。DMDミラー及び光源をデューティサイクルさせる頻度は、人の目の残像に基づいて、ちらつきを知覚しないように選択され得る。
【0080】
外側(左及び右)の光源1022及び1024は、(第1のDMD照明経路に沿って)DMD1040と間接的に面するように配置され、一方、中央の光源1020は、(第2のDMD照明経路に沿って)DMD1040と直接面するように配置される。こうした配置は、ビームステアリングのための対称性を維持し、より小さな光学エンジン高さ(例えば、ヘッドライトアセンブリ)を達成するのに役立つ。
【0081】
したがって、湾曲/平坦ミラー及び複数の光源がDMDの対向する端部に位置する照明アーキテクチャが記載される。例えば、ミラーがDMDの頂部に配置され、複数の光源が底部照明デバイスのためにDMDの底部に配置され得る。別の例において、例えば、ミラーがDMDの右(又は左)に配置され、複数の光源が側部照明デバイスのためにDMDの左(又は右)に配置され得る。
【0082】
図11は、ソース変調ビームステアリングのための車両システムのブロック図である。例えば、車両システム1100が、入力電子機器1110、システム電子機器1120、ドライバ電子機器1130、光学システム1140、及びビームステアリング車両1160を含む。入力電子機器1110は、ビームステアリング車両1160を運転しているときのセンサ支援の安全性増強に適したADAS(先進運転支援システム)を含み得る。ADASシステムは、周囲のオブジェクトの位置を電子的及び/又は光学的に感知するための様々なセンサ1114に結合される。様々なセンサ1114の例は、一つ又は複数のカメラ、一つ又は複数のレーダ又はLIDAR(光検出及びレンジング)、並びに、一つ又は複数の近接検出器を含む。様々なセンサ1114の出力を処理して、ビームステアリング車両1160の周囲環境の電子表現が生成される。例えば、カメラセンサ1114からのビデオ画像を処理して、歩行者の存在を特定し得る。
【0083】
システム電子機器1120は、ビームステアリング車両1160の周囲環境の電子表現の指示を受信するように結合される。システム電子機器1120は、ドライバ電子機器1130を制御するように配される。例えば、システム電子機器は、歩行者に関連付けられたピクセルをマッピングして、投影されるヘッドライトビームがその歩行者の周りのエリアを照明する(但し、歩行者自身は照明されず、そのため、照明が潜在的に目をくらませる影響から歩行者を守る)ことを保証することができる。
【0084】
ドライバ電子機器1130は、オペレータ制御(例えば、1162及び/又は1164)に応答して、又は、ビームステアリング車両1160の周囲環境の電子表現に応答して、システム構成要素に選択的にパワーを印加するための、パワー管理1132回路要素を含む。例えば、パワー管理1132回路要素は、ソース変調ビームステアリングのために照明源1142をソース変調するように配される。DMDインターフェース1136は、システム電子機器、並びにハンドル1162及び方向指示制御1164などのオペレータ制御に応答して、DMD1150のためのマイクロミラーの向きを決定する。DMDコントローラ1134は、パワー管理回路要素1132及びDMDインターフェース1136に応答して、DMD1150のマイクロミラーを選択的に活性化させる。例えば、DMDコントローラは、歩行者のマスキング及びビームステアリングなどの目的で、マイクロミラーを選択的に活性化させることができる。
【0085】
光学システム1140は、照明源1142(LED、レーザ、及び白熱灯など)を含む。照明源1142は、車両旋回コマンド(例えば、ハンドル1162のオペレータ制御及び/又は方向指示制御164の動作)に応答してソース変調ビームステアリングのためのパワー管理1132回路要素に応答する。例えば、パワー管理1132回路要素は、右旋回の間、左及び中央のLEDへの電流を低減する(例えば、左のLEDを完全にオフにし、中央のLEDを部分的にオフにし得る)。同様に、左旋回の間、システムは、右及び中央のLEDへの電流を低減する(例えば、右のLEDを完全にオフにし、中央のLEDを部分的にオフにし得る)。したがって、システムは、DMDミラーベース変調に加えて、光源を変調することによってビームステアリング(例えば、ビーム整形)を行う。多様な走行条件下で光源の変調からの電流を低減することで、ドライバ電子機器1130の電力消費量を低減する。
【0086】
(互いに独立してソース変調される)近接する光源からのビームの近接するペアの部分的な重なりは、複数の目的に従って用いられ得る。例えば、光源による平均電力消費量を減らすのを助けるために(例えば、道路条件の変化に応答して)、それらの異なる光源からのビームを部分的に重ねて、重なった領域及び光源減光において、より高いピークの明るさが提供される。また、空間光変調のためにDMDマイクロミラーを同時に傾斜させ、光源減光のためにそれらの光源のソース電流を変調することによって、適応道路照明を達成し得る。説明される適応道路照明には、車両の旋回方向に応答したビームプロファイルステアリング、車両速度に従った明るさの調節、(例えば、光学センサによる光学認識及び/又はヘッドライト検出に応答した)他の道路ユーザに対するグレア低減、他の道路ユーザとの(例えば、位置情報を伝達するための)通信、並びに、グレアを生じさせること
なくドライバに警告するための、歩行者、動物、及び道路標識のマスキング(例えば、光を減光すること)及びマーキング(例えば、ある程度の照明で提供すること)が含まれる。
【0087】
照明源1142は、DMD1150上で入射光を集束させるための照明光学系に結合される。(DMDミラーベースの変調及びソース変調入射光に対応する)DMDは、投影のために入射光を投影光学系1146内へと反射させる。光学システム1142(及びDMD1150)は、通常、ヘッドライトアセンブリ1166に含められ、ビームステアリング車両1160の右前隅が第1のヘッドライトアセンブリを有し、ビームステアリング車両1160の左前隅が第2のヘッドライトアセンブリを有する。投影されたヘッドライトビームは、下記で説明するようにビームステアリングされ得る。
【0088】
図12Aは、車両が直進走行しているときのビームステアリングの(車両から見た)図である。例えば、シナリオ1201は、車両の前面に対して直角の(及び、常に車両の正面前方を指す)車両1210の軸を示す。車両が正面前方へ進行(例えば、直進)しているとき、(ビームステアリング可能ビームの)ビーム方向は車両1210の軸に対して平行である。
【0089】
図12Bは、車両が緩やかに曲がるときのビームステアリングの(車両から見た)図である。例えば、シナリオ1202は、車の前面に対して直角な車両の軸1210を示す。車両が左に緩やかに旋回しているとき、(ビームステアリング可能ビームの)ビーム方向は、車両の軸1210の左へと操向される。車両が左に緩やかに曲がると、街頭上の歩行者1230がカメラセンサによって検出され、ビーム方向1220に沿って投影されるビームに対する歩行者1230の相対位置を決定するために画像が処理される。歩行者1230の相対位置がビームの経路内にある(さもなければ歩行者1230はビームによって照明されることになる)とき、歩行者1230の相対位置と交差するピクセル光線は(例えば、マスクされたピクセルに関連付けられたDMDマイクロミラーを制御することにより、照明を完全に又は部分的に低減することによって)マスクされる。
【0090】
図12Cは、車両がより鋭く曲がるときのビームステアリングの(車両から見た)図である。例えば、シナリオ1203は、車の前面に対して直角な車両の軸1210を示す。車両が左により鋭く旋回している(例えば、シナリオ1202における緩やかな旋回の旋回半径よりも小さい旋回半径を有する)とき、ビーム方向は、車両の軸1210の左へとより鋭く操向される。車両が左により鋭く曲がると、歩行者1230は、街頭上の照明から歩行者マスキング1240され、カメラセンサ及び画像処理によって検出される。
【0091】
少なくとも1つの例において、走行条件の指示に応答して任意選択で第1の光源を減光することが可能であり、そのため、パワーが節約され、投影ビームが、指示された走行条件に関連付けられる位置から離れて効果的に操向され得る。特許請求の範囲内で、説明した実施形態における改変が可能であり、また他の実施形態も可能である。