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▶ リテルフューズ、インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】集積ヒューズモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/20 20060101AFI20230111BHJP
   H01H 85/147 20060101ALI20230111BHJP
   H01H 85/165 20060101ALI20230111BHJP
   H01M 50/572 20210101ALI20230111BHJP
【FI】
H01H85/20 D
H01H85/147
H01H85/165
H01M50/572
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020512885
(86)(22)【出願日】2018-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018052370
(87)【国際公開番号】W WO2019060805
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】62/561,848
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベック、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】サドリナ、アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ウレア、ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】ボールド、ギャリー
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526768(JP,A)
【文献】特開平06-176681(JP,A)
【文献】特開2013-020965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
H01H 69/02
H01H 85/00 - 87/00
H01M 50/50 - 50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁材料で形成された取り付けブロックと、
ヒューズプレートであって、
前記取り付けブロックの底面上に配置された可溶体と、
前記可溶体に電気的に接続され、前記取り付けブロックの後面及び頂面に沿って延在するヒューズ端子と、
前記可溶体に電気的に接続され、前記取り付けブロックの前面から延在する入力端子と、を含むヒューズプレートと、
電気部品への接続を容易にするために、前記取り付けブロックの頂面から前記ヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポストと、を備える、ヒューズモジュール。
【請求項2】
前記入力端子が、貫通形成された取り付け開口部を有する、請求項1に記載のヒューズモジュール。
【請求項3】
前記可溶体及び前記入力端子が平行である、請求項1または2に記載のヒューズモジュール。
【請求項4】
前記ヒューズ端子及び前記入力端子が平行である、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項5】
前記ヒューズ端子及び前記入力端子が同一平面上にある、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項6】
前記可溶体の上に配置され、前記取り付けブロックに締結されたカバーを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項7】
前記ヒューズプレートの部分及び前記取り付けブロックを封入する電気絶縁保護層を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項8】
前記入力端子が電池クランプと一体である、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項9】
前記ヒューズプレートの一部が前記取り付けブロック内に埋め込まれている、請求項1~8のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項10】
前記入力端子から延在する導電性のバス延長部を更に備え、前記バス延長部が、前記取り付けブロック内の凹部内に据え付けられたヒューズに接続するように適合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項11】
電気絶縁材料で形成された取り付けブロックであって、前記取り付けブロックは、互いに嵌合し、内部に形成された内部チャネルを有する第1の部分と、第2の部分とを含む、取り付けブロックと、
前記取り付けブロック内に部分的に配設され、前記第1の部分及び前記第2の部分の前記内部チャネルを通って延在するヒューズプレートであって、前記ヒューズプレートが、
前記取り付けブロックの底面に隣接して配置され、かつ前記取り付けブロックの底面に平行に配向された、可溶体と、
前記可溶体に電気的に接続され、前記取り付けブロックの後面及び頂面に隣接し、かつ平行に延在するヒューズ端子と、
前記可溶体に電気的に接続され、前記取り付けブロックの前面から延在する入力端子と、を含むヒューズプレートと、
電気部品への接続を容易にするために、前記ヒューズ端子を通じて延在する導電性の端子ポストと、を備える、ヒューズモジュール。
【請求項12】
前記入力端子が、貫通形成された取り付け開口部を有する、請求項11に記載のヒューズモジュール。
【請求項13】
前記可溶体及び前記入力端子が平行である、請求項11または12に記載のヒューズモジュール。
【請求項14】
前記ヒューズ端子及び前記入力端子が平行である、請求項11~13のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項15】
前記ヒューズ端子及び前記入力端子が同一平面上にある、請求項11~14のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項16】
前記可溶体が、前記取り付けブロックの前記第1の部分及び前記第2の部分によって画定される空洞内に配置され、前記空洞は、空気ポケットを画定し、前記取り付けブロックの前記第1の部分及び前記第2の部分の前記内部チャネルの隣接部分よりも大きい、請求項11~15のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項17】
前記ヒューズ端子の頂面が露出している、請求項11~16のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項18】
前記取り付けブロックの前記第1の部分及び前記第2の部分が、超音波溶接、スナップ嵌め、熱かしめ、及び接着剤のうちの少なくとも1つによって互いに締結される、請求項11~17のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項19】
前記ヒューズプレートの一部が前記取り付けブロック内に埋め込まれている、請求項11~18のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【請求項20】
前記端子ポスト及び前記入力端子が垂直である、請求項11~19のいずれか一項に記載のヒューズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月22日に出願された米国特許仮出願第62/561,848号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、回路保護デバイスの分野に関し、より具体的には、自動車電池用途の集積ヒューズモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
グローバルな自動車市場では、自動車エンジン区画内に配置され、自動車電池端子に接続された、いわゆる「プレヒューズボックス」を実装する傾向がある。自動車におけるプレヒューズボックスの主な目的は、事故の場合に発生し得る高電流伝導性ワイヤにおける短絡から生じ得る電気的損傷を防止することである。
【0004】
既存のプレヒューズボックスは、典型的には非常に大きく、それらの間に電気的接続を提供する可撓性の導電リードを有する自動車電池に隣接して取り付けられる。この構成は、空間が既に非常に限定されている自動車エンジン区画内の大きな空間を占める。
【0005】
これら及び他の考慮事項に関して、本発明の改善は有用であり得る。
【発明の概要】
【0006】
本「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」において以下に更に記載される概念のうちの一部を簡略化された形態で紹介するために提供される。本「発明の概要」は、特許請求される主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として意図されるものではない。
【0007】
本開示の例示的な実施形態によるヒューズモジュールは、電気絶縁材料で形成された取り付けブロックと、取り付けブロックの底面上に配置された可溶体を含むヒューズプレートと、可溶体に電気的に接続され、取り付けブロックの後面及び頂面に沿って延在する入力端子と、可溶体に電気的に接続され、取り付けブロックの前面から延在するヒューズ端子と、を含んでもよく、ヒューズモジュールは、電気部品への接続を容易にするために、取り付けブロックの頂面からヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポストを更に含む。
【0008】
本開示の別の例示的な実施形態によるヒューズモジュールは、電気絶縁材料で形成された取り付けブロックであって、互いに嵌合し、内部に形成された内部チャネルを有する第1及び第2の部分を含む、取り付けブロックと、取り付けブロック内に部分的に配設され、第1及び第2の部分の内部チャネルを通って延在するヒューズプレートであって、取り付けブロックの底面に隣接して配設され、平行に配向された可溶体を含む、ヒューズプレートと、可溶体に電気的に接続され、取り付けブロックの後面及び頂面に隣接して平行に延在する入力端子と、可溶体に電気的に接続され、取り付けブロックの前面から延在するヒューズ端子と、を含んでもよく、ヒューズモジュールは、電気部品への接続を容易にするために、ヒューズ端子を通って延在する導電性端子ポストを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的実施形態による、ヒューズモジュールを示す正面斜視図である。
【0010】
図2a図1に示すヒューズモジュールの取り付けブロック及び端子ポストを示す斜視図である。
【0011】
図2b図1に示すヒューズモジュールの端子ポストを示す詳細斜視図である。
【0012】
図3図1に示すヒューズモジュールのヒューズプレートを示す斜視図である。
【0013】
図4a図1に示すヒューズモジュール10の組み立て中に、図3に示されるヒューズプレートを屈曲するか又は折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
図4b図1に示すヒューズモジュール10の組み立て中に、図3に示されるヒューズプレートを屈曲するか又は折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
図4c図1に示すヒューズモジュール10の組み立て中に、図3に示されるヒューズプレートを屈曲するか又は折り畳むことができる方法を示す一連の斜視図である。
【0014】
図5】保護層を含む図1に示すヒューズモジュールを示す斜視図である。
【0015】
図6】自動車電池に搭載された図1に示すヒューズモジュールを示す斜視図である。
【0016】
図7a】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
図7b】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
図7c】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【0017】
図8a】本開示による、ヒューズモジュールの更なる実施形態を示す斜視図である。
図8b】本開示による、ヒューズモジュールの更なる実施形態を示す斜視図である。
【0018】
図9a】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
図9b】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
図9c】本開示による、ヒューズモジュールの別の実施形態を示す一連の斜視図である。
【0019】
図10a】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
図10b】本開示によるヒューズモジュールの別の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示による集積ヒューズモジュールは、ここで、ヒューズモジュールの好ましい実施形態が提示される添付図面を参照して、より完全に説明する。しかしながら、ヒューズモジュールは、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解されるであろう。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、当業者にヒューズモジュールの特定の例示的態様を伝達するように提供される。
【0021】
図1を参照すると、本開示の例示的な非限定的な実施形態による、集積ヒューズモジュール10(以下、「ヒューズモジュール10」)を示す斜視図が示されている。以下により詳細に記載されるように、ヒューズモジュール10は、自動車電池の正端子、又は電力分配に使用されるバスバーに直接結合されてもよく、それらの間に延在する可撓性の電気導体を有さず、電池又は他の電力源によって電力供給される1つ以上の電気負荷のための過電流保護を提供することができる。有利には、ヒューズモジュール10は、ヒューズモジュール10が現在市場で入手可能なプレヒューズボックスに対して、コンパクトで省スペースなフォームファクタで実装されることを可能にする集積実装構造体を含む。
【0022】
便宜上及び明確さのために、「正面」、「後方」、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」、「垂直」、及び「水平」などの用語は、ヒューズモジュール10の様々な構成要素の、図1に示すようなヒューズモジュール10の形状及び向きに対する、それぞれの相対的配置及び向きを説明するために、本明細書で使用することができる。当該用語は、具体的に言及された単語、その派生語、及び同様の意味の単語を含む。
【0023】
ヒューズモジュール10は、概して、取り付けブロック12、端子ポスト14、ヒューズプレート16、及びカバー18を含み得る。図2aを参照すると、取り付けブロック12及び端子ポスト14を示す斜視図が、明確にするために、ヒューズプレート16及びカバー18を省略して示されている。取り付けブロック12は、電気絶縁材料(例えば、プラスチック、ポリマー、セラミックなど)で形成された直方体であってもよく、一般に、頂面20、後面21、底面22、及び前面23を含んでもよい。底部表面22は、以下に更に記載されるように、その中に形成されたトラフ29(図4bを参照)を有してもよい。端子ポスト14は、取り付けブロック12の頂面20から垂直に延在してもよく、その下端から半径方向に延在する取り付けフランジ28を有するねじ付きシャフト27を含んでもよい。取り付けフランジ28は、頂面20の空洞30内に配置されてもよい。取り付けフランジ28の頂部は、露出されてもよく、取り付けブロック12の頂面20と実質的に同一平面上にあるか、又は僅かに上方に配置されてもよい。一実施例では、取り付けブロック12は、取り付けフランジ28上にオーバーモールドされてもよい。取り付けフランジ28は、取り付けブロック12内に埋め込まれ得る歯車の歯と同様に、放射状突出部31(図2bを参照)を含んでもよく、したがって、取り付けフランジ28が空洞30から引き抜かれ、空洞30内で回転することを防止することができる。
【0024】
図3を参照すると、分離状態かつ組み立てられていない状態のヒューズプレート16を示す斜視図が示されている。ヒューズプレート16は、単一の導電材料片から形成されてもよく(例えば、単一の銅シートから打ち抜かれた)、可溶体36によって入力端子34に接続されたヒューズ端子32を含み得る。ヒューズ端子32及び入力端子34は、貫通形成されたそれぞれの取り付け開口部40、42を含み得る。非限定的かつ例示的な実施形態では、ヒューズプレート16は、例えば0.8~2.0ミリメートルの範囲の厚さを有する銅シートで形成されてもよく、可溶体36は80アンペアの定格を有してもよい。ヒューズプレート16はこの点に関して限定されず、ヒューズプレート16は、様々な他の導電材料で形成されてもよく、かつ/又は異なる厚さで形成されて、可溶体36内の異なる電流定格を達成することができることが理解されるであろう。
【0025】
ヒューズモジュール10の組み立て中、ヒューズプレート16は、ヒューズプレート16が取り付けブロック12の周囲に取り付けブロック12の表面と共形の関係で巻かれ得るように、屈曲されるか又は折り畳まれてもよい。例えば、図4a~図4cを参照すると、ヒューズモジュール10の組み立て中に、ヒューズプレート16が取り付けブロック12の周囲で屈曲され得るか又は折り畳まれ得る1つの方法を示す一連の図が提示される。具体的には、図4aに示す第1の組み立て工程では、ヒューズ端子32は、端子ポスト14が取り付け開口部40を通って延在した状態で取り付けブロック12の頂面20上に配置されてもよく、ヒューズ端子32は、取り付けブロック12の後面21に平行であり、かつ後面21から離間された第1の折り目L1の周りで90度屈曲されるか又は折り畳まれて、可溶体36を後面21と平行にすることができる。
【0026】
図4bに示される第2の組み立て工程では、ヒューズ端子32は、第1の折り目L1(図4aを参照)と平行であり、頂面20の後縁部に隣接する第2の折り目L2の周りで90度屈曲されるか又は折り畳まれて、したがって、ヒューズ端子32の一部を後面21と平坦に当接させて配置し、底面22内のトラフ29の真下に、可溶体36を配置してもよい。
【0027】
図4cに示される第3の組み立て工程では、入力端子34は、第1及び第2の折り目L1、L2と平行であり、取り付けブロック12の前面23と取り付け開口部42との中間にある第3の折り目L3の周りで90度屈曲されるか又は折り畳まれてもよい。したがって、可溶体36に近接する入力端子34の一部は、前面23と平行な関係で配置されてもよい。図4cにも示される第4の組み立て工程では、入力端子34は、第1、第2、及び第3の折り目L1~L3と平行であり、第3の折り目L3と取り付け開口部42との中間にある第4の折り目L4の周りで90度屈曲されるか、又は折り畳まれてもよい。したがって、可溶体36の遠位の入力端子34の一部分は、取り付けブロック12の頂面20と平行かつ実質的に同一平面上の関係に配置されてもよく、取り付けブロック12の前面23から離れて延在してもよい。
【0028】
再び図1を参照すると、取り付けブロック12を形成するものと同様の電気絶縁材料で形成され得るヒューズモジュール10のカバー18は、取り付けブロック12の底面22に締結されてもよく、可溶体36及びトラフ29を覆い、封入することができる(図4b参照)。カバー18は、超音波溶接、熱かしめ、エポキシ、スナップ嵌めロックなどが挙げられるがこれらに限定されない様々な締結手段のいずれかによって、取り付けブロック12に締結されてもよい。したがって、可溶体36は、トラフ29(図4b参照)及びカバー18によって画定される空洞(例えば、及び空隙)内に配置されてもよく、カバー18は、周囲粒子から可溶体36を保護するとともに、過電流状態の間に発生し得るアーク放電を可溶体36内に抑制する。
【0029】
図5を参照すると、取り付けブロック12、カバー18、及びヒューズプレート16の特定の部分は、電気絶縁保護層49でオーバーモールドされてもよい。保護層49は、例えば、電気絶縁エポキシで形成されてもよく、ヒューズモジュール10を衝撃損傷、周囲粒子、水分などから保護することができる。オーバーモールドプロセスの間、カバー18は、保護層49の流動性又は半流動性材料が、可溶体36が配置される空隙に入るのを防止することができ、それによって、可溶体36を取り囲む空隙を維持することができる。
【0030】
図6を参照すると、自動車電池51上に取り付けられたヒューズモジュール10を示す斜視図が示されている。自動車電池51の正端子52は、入力端子34の取り付け開口部42を通って延在してもよく、ヒューズモジュール10の大部分は、自動車電池51の側部から吊るされてもよい。ナット又は他の締結具(図示せず)は、正端子52上に締め付けられてもよく、入力端子34を正端子52と電気的に連通して固定することができる。端子ポスト14は、端子ポスト14のねじ付きシャフト27上に締められ得るナット(図示せず)と電気的に連通してヒューズ端子32に対して固定され得る導体(図示せず)のリング端子を受容してもよい。したがって、自動車の電気システム又は部品は、ヒューズ端子32、可溶体36、及び入力端子34を介して、自動車電池51の正端子52に電気的に結合されてもよく、可溶体36は、自動車電池51とそのような電気システム又は部品との間に過電流保護を提供する。端子ポスト14はねじ付きボルトに類似して示されているが、そのような描写は単なる例として提供されること、及びヒューズ端子32と電気コネクタ/導体との間の電気的接続の確立が保護されるべき電気システム又は部品から延在する(例えば、リング端子を介して)かかる電気コネクタ/導体と接続するために同様に適合され得る、様々な他の種類の締結具又は構造によって、端子ポスト14が代替的に具現化されてもよいことを理解されたい。
【0031】
当業者であれば、本開示のヒューズモジュール10は、現在市販されているプレヒューズボックスに対して多くの利点を提供することが理解されよう。例えば、ヒューズモジュール10全体は、それらの間に延在する任意の可撓性導体なしに、それに近接して、自動車電池の正端子に直接取り付けることができる。これは、従来のプレヒューズボックスに対して、著しい空間及び材料の節約を提供する。
【0032】
図7a~図7cを参照すると、本開示の別の例示的実施形態によるヒューズモジュール100が示されている。ヒューズモジュール100は、上述のヒューズモジュール10と実質的に同様であってもよく、取り付けブロック112、端子ポスト114、ヒューズプレート116、及びカバー118を含み得る。しかしながら、ヒューズモジュール10におけるように、ヒューズプレート116が取り付けブロック112の周囲に巻かれるか、又は折り畳まれる代わりに、取り付けブロック112は、ヒューズプレート116の部分が取り付けブロック112内に埋め込まれるように、(例えば、インサート成形を介して)、予め折り畳まれたヒューズプレート116上に成形されてもよい。ヒューズプレート116のヒューズ端子132、入力端子134、及び可溶体136は、上記のヒューズプレート16のヒューズ端子32、入力端子34、及び可溶体36と実質的に同様であってもよく、露出されたままであってもよい。カバー118は、周囲粒子から可溶体136 を保護するとともに、過電流状態の間に発生し得るアーク放電を可溶体136内に抑制するために、ヒューズモジュール10に関して上述したのと同様に、取り付けブロック112に締結されてもよい。
【0033】
図8a及び図8bを参照すると、本開示の追加の例示的実施形態によるヒューズモジュール200、300が示されている。ヒューズモジュール200、300は、上述したヒューズモジュール10及び100と実質的に同様であってもよく、それぞれの取り付けブロック212、312、端子ポスト214、314、ヒューズプレート216、316、及びカバー218、318を含み得る。加えて、ヒューズモジュール200、300は、ヒューズプレート216、316のそれぞれの入力端子234、334から延在し得る、それぞれの一体型電池クランプ255、355を含み得る。図8aに示される実施形態では、電池クランプ255は、入力端子234の連続的な延長部であってもよい(すなわち、ヒューズプレート216と同じ導電材料片から形成されてもよい)。図8bに示される実施形態では、電池クランプ355は、ヒューズプレート316とは別個に形成されてもよいが、トキシング(toxing)、溶接、はんだ付けなどを介して入力端子334に接続されてもよい。
【0034】
図9a~図9cを参照すると、本開示の別の例示的実施形態によるヒューズモジュール400が示されている。ヒューズモジュール400は、上述のヒューズモジュール100と実質的に同様であってもよいが、複数の端子ポスト414a、414bと、単一の取り付けブロック412内に埋め込まれた複数のそれぞれのヒューズプレート416a、416bとを含んでもよく、取り付けブロック412は、端子ポスト414a、414b及びヒューズプレート416a、416b上に(例えば、インサート成形を介して)成形することができる。ヒューズモジュール400は、2つの端子ポスト414a、414b及び2つのそれぞれのヒューズプレート416a、416bを有するものとして示されているが、ヒューズモジュール400は、本開示から逸脱することなく、3つ以上の端子ポスト及びそれぞれのヒューズプレートを含み得ることが企図される。
【0035】
ヒューズモジュール400は、図9cに分離して示されるヒューズプレート416a、416bのうちの1つ以上の入力端子434a、434bが、トキシング、溶接、はんだ付けなどを介して、そこに結合されるバス延長部484を含み得る点で、上記のヒューズモジュール100とは更に異なる。バス延長部484は、導電性材料(例えば、銅)で形成されてもよく、低中定格電流(例えば、5~60アンペア)を有するヒューズのヒューズモジュール400への接続を容易にするように成形及び配置されてもよい。例えば、バス延長部484は、取り付けブロック412に形成された凹部490内に据え付けることができ、取り付けブロック412(図9b参照)の底部の開口部494を通って延在する電気導体(図示せず)に接続され得る、ブレードヒューズ487(図9a参照)の脚部を受容するための二股コネクタ485を画定し得る。様々な実施形態では、バス延長部484は、入力端子434bの一体的な連続的な延長部であってもよい(すなわち、ヒューズプレート416bの一部として形成される)。様々な実施形態では、バス延長部484は、ヒューズの雌端子に接続するための雄端子(図9cに示す雌端子の代わりに)を画定し得る。
【0036】
図10a及び図10bを参照すると、本開示の別の例示的実施形態による、ヒューズモジュール500が示されている。ヒューズモジュール500は、上述のヒューズモジュール10と実質的に同様であってもよく、同様に、取り付けブロック512、端子ポスト514、及びヒューズプレート516を同様に含むことができる。しかしながら、ヒューズモジュール10におけるように、ヒューズプレート116が取り付けブロック512の周りに巻かれるか、又は折り畳まれる代わりに、ヒューズプレート116は、図10bに示される形状に予め折り畳まれてもよく、端子ポスト514は、ヒューズ端子532内の取り付け開口部540を通して挿入されてもよい。取り付けブロック512は、ヒューズプレート116の部分を内部に収容するために互いに結合され得る、別個の第1及び第2の取り付けブロック部分512a、512bを含み得る。特に、射出成形又は同様のプロセスを使用して形成され得る第1及び第2の取付けブロック部分512a、512bは、内部に形成され、図10aに示すように、ヒューズ端子532の頂面及び端子ポスト514のねじ付きシャフト527を露出させたまま、入力端子534を取り付けブロック512の外側に延在させながら、ヒューズプレート116及び端子ポスト514の部分を収容するように構成(すなわち、サイズ決め及び成形)され得る凹部又はチャネル517a、517bを含み得る。様々な実施形態において、第1及び第2の取り付けブロック部分512a、512bは、可溶体536を収容する空洞519を画定してもよく、空洞519は、可溶体536を取り囲む空気ポケットを提供するためのチャネル517a、517bの隣接部分よりも大きい。第1及び第2の取り付けブロック部分512a、512bは、超音波溶接、スナップ嵌め、熱かしめ、接着剤などを介して互いに連結されてもよい。本開示は、この点に関して限定されない。
【0037】
本明細書で使用するとき、単数形に列挙され、単語「a」又は「an」で進められた要素又は工程は、そのような除外が明示的に記載されていない限り、複数の要素又は工程を除外しないものとして理解されるべきである。更に、本開示の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0038】
本開示は、特定の実施形態を参照するが、添付の「特許請求の範囲」に定義されるように、本開示の範囲(sphere and scope)から逸脱することなく、説明される実施形態に対する多数の修正、改変、及び変更が可能である。したがって、本開示は、記載される実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物の言語によって定義される全範囲を有することが意図される。
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図10a
図10b