(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】電極シールアセンブリの為のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/40 20220101AFI20230111BHJP
B09B 101/50 20220101ALN20230111BHJP
【FI】
B09B3/40
B09B101:50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020200156
(22)【出願日】2020-12-02
(62)【分割の表示】P 2018530855の分割
【原出願日】2016-12-22
【審査請求日】2020-12-22
(32)【優先日】2015-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520054079
【氏名又は名称】ヴェオリア ニュークリア ソリューションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VEOLIA NUCLEAR SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【氏名又は名称】山田 行一
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, ブレット
(72)【発明者】
【氏名】シアラー, クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】フィヌケイン, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ウースリー, スティーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ディースランド, エリック
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-006674(JP,A)
【文献】特開2006-145543(JP,A)
【文献】特開平07-012996(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104941482(CN,A)
【文献】特表2014-527610(JP,A)
【文献】特開2011-103877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
C03B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂層および/または鋳造耐火物層の少なくとも1つを備えるガラス固化収容器と、
一つ又は複数の温度センサ、ビデオカメラ、および圧力センサを備える二つ又は複数のセンサ
であって、前記一つ又は複数の温度センサが、電極シールの周囲の温度をモニタするために使用される、二つ又は複数のセンサと、
前記二つ又は複数のセンサからのデータを融合して融合データを生じさせるように構成された制御システムであって、
前記融合データに基づいてプロセス調整を自動的に実行し、さらに/または、手動調整のために前記融合データを操作者に表示する、制御システムと、
を備える、ガラス固化プロセス感知および制御システム。
【請求項2】
接触センサ、非接触センサ、容量性センサ、誘導性センサ、撮像センサ、カメラ、熱撮像装置、温度計、圧力センサ、放射線検出器、LIDAR、マイクロフォンのうちの任意の一つ又は複数をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像センサは、3D撮像装置、2Dレンジセンサ、カメラ、熱撮像装置、放射線検出器のうちの一つ又は複数を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記一つ又は複数のカメラは、固定された又はパン-チルト-ズーム型式の一つである、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
接触センサ、非接触センサ、容量性センサ、誘導性センサ、撮像センサ、カメラ、熱撮像装置、温度計、圧力センサ、放射線検出器、LIDAR、マイクロフォンのうちの一つ又は複数からのデータは、リアルタイムで表示および/または記録される、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
一つ又は複数の温度センサが、充填高さをモニタするために収容器の高さの下方に徐々に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ガラス固化プロセスの均一性をモニタするために、一つ又は複数の温度センサがガラス固化収容器内の重要な場所にある、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【著作権通知】
【0001】
[0001]本書に含まれている資料は、著作権保護の対象になる資料である。著作権所有者は、特許文献又は特許開示内容の、誰かによるファクシミリ複製に異論を唱えないが、米国特許商標局の特許出願又は記録における著作権に対して全権利を保有する。以下の通知は、以下に説明され、本書に対する図面に示されたソフトウェア、スクリーンショット、データに適用し、全ての権利が保有される。
【0002】
【技術分野】
【0003】
[0002]この開示内容は、全体的に、高温ガラス固化収容器(hightemperaturevitrification containers)に対する電極シール及び電極シールアセンブリに関する。
【0004】
【背景】
【0005】
[0003]ガラス固化法は、処理されるべき廃材、ガラス固化チャンバ内の一つ又は複数の導電材料(例えば、ガラスフリット、グラファイトフレーク、シリカ、カレット)を含み得るスタータ経路の加熱を伴う。加熱は、スタータ経路の温度を、処理されるべき隣接した材料が溶け始める点まで高めるため、軸方向に挿入される電極を使用して、ガラス固化収容器に電流を供給することによってもたらされる。いったん加熱が始まると、材料の溶融が始まり、溶融材料自体が導電性にあり、電流伝導及び加熱を続けることができる。電力を電極に印加することによって、ガラス固化チャンバ内に含まれる材料が完全に溶けるまで続けることができる。電極は、通常、ガラス固化収容器内の溶融によって消費される。
【0006】
[0004]ガスは、電極および蓋の間のガラス固化収容器から漏れ、さらに/またはガラス固化収容器が負圧で動作される場合、冷たい空気が引き込まれる場合がある。ガラス固化収容器内部環境を維持することができないので、熱の損失、効率の低下、通気室内のガスの潜在的損失になる。電極の外部表面は、ガラス固化収容器内部の高温ガスと、電極の電流容量を減少させ得る電極の加熱とに起因する酸化を介して腐食に晒される場合がある。ガス漏れは、環境、作業者、機器に有害になり得るので、ガラス固化収容器からガス漏れを避けることが望ましい。
【0007】
[0005]ガラス固化収容器内の正圧および負圧の両方の条件下で、少なくとも一つの有効なシールにおいて、ガラス固化収容器内の雰囲気を維持することができ、電極の軸方向の移動を可能にし、ガスの放出を防止できる電極シールアセンブリが必要である。本書に開示された電極シールアセンブリの一部の実施形態において、シールは、ガラス固化収容器内の圧力より高い圧力勾配になるガス圧を使用して有効になる。
【0008】
[0006]詳細な明細書の複雑性、長さを減じるため、出願人は、以下の各段落において識別される以下の材料の全てを特に参照により本書に組み込む。組み込まれた材料は、必ずしも「従来技術」であるとは限らないが、出願人は、組み込まれた材料の後ろ楯をして誓う為に、その権利を特に保有する。
【0009】
[0007]2015年10月9日に出願された出願第62/239,660号の”AdvancedTritium System and Advanced Permeation System forSeparation of Tritium fromRadioactive Wastes and Reactor Water in Light WaterSystems”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0010】
[0008]2015年12月29日に出願された出願第62/272,604号の”GeoMeltElectrode Seal”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0011】
[0009]2016年2月1日に出願され、2015年2月1日の優先日を有する出願第15/012,101号の”Ion Specific Media Removal from Vessel for Vitrification”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0012】
[0010]2015年6月24日に出願され、2014年6月24日の優先日を有する出願第14/748,535号の”Mobile Processing System for Hazardous and RadioactiveIsotopeRemoval”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0013】
[0011]2014年6月2日に出願され、2013年5月31日の優先日を有する出願第14/294,033号の”Balanced Closed Loop Continuous Extraction Process forHydrogenIsotopes”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0014】
[0012]2001年3月25日に出願され、2001年9月25日の優先日を有する特許第7,211,038号の”Methods for Melting of Materials to be Treated”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0015】
[0013]2007年4月27日に出願され、2001年9月25日の優先日を有する特許第7,429,239号の”Methods for Melting of Materials to be Treated”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0016】
[0014]1996年6月24日に出願され、1996年6月24日の優先日を有する特許第5,678,237号の”In-Situ Vitrification of Waste Materials”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0017】
[0015]2000年5月4日に出願され、2000年5月4日の優先日を有する特許第6,283,908号の”Vitrification of Waste with Continuous Filling and SequentialMelting”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0018】
[0016]2002年4月25日に出願され、2001年5月7日の優先日を有する特許第6,558,308号の”AVS Melting Process”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0019】
[0017]2003年9月26日に出願され、2002年9月27日の優先日を有する特許第6,941,878号の”Advanced Vitrification System 2”は、その全体が参照のために本書に組み込まれる。
【0020】
[0018]出願人は、上記組み込まれる材料がCFR1.57による「非本質的」であると考えているが、これは、背景を表示し、技術水準を例示する為に参照されるからである。しかしながら、審査官が、上記組み込まれた材料がCFR1.57(c)(1)-(3)における「本質的な材料」を構成すると考える場合、出願人は、該当する規則によって認められるように参照によって組み込まれた本質的な材料を明示する為に明細書を補正する。
【0021】
[0019]以下、図面および詳細な説明において、本書で提示される態様および応用を説明する。特に明記されない限り、明細書および請求項における用語および語句は、該当する技術において通常の知識を有する者に、明白な、通常の、慣用的な意味が伝えられる。本発明者等は、必要に応じて、それら自身の辞書編集者であることを十分に認識している。本発明者等は、彼らが明らかに陳述し、「特別な」用語の定義を述べ、それが、どのように明白な通常の意味と異なるかを説明しない限り、明白な通常の慣用的な意味の用語を、本明細書及び特許請求の範囲で使用する為に、彼ら自身の辞書編集者として明らかに選択している。「特別な」定義を適用する意図の明確な陳述が無い限り、明細書及び特許請求の範囲の解釈に用語の単純かつ明白な通常の意味が適用されることが本発明者等の意図及び願望である。
【0022】
[0020]本発明者等は、英文法の通常規則も知っている。そのため、名詞、用語、句が何らかの方法で更に特徴付けられ、特定され、絞り込まれることが意図される場合、英文法の通常規則に従って、そのような名詞、用語、句は、明らかに追加の形容詞、説明的用語、他の修飾語句を含む。そのような形容詞、記述的用語、修飾語句の使用が無い場合、そのような名詞、用語、句は、それらの明白な通常の英語の意味を前述した当業者に伝えることが意図される。
【0023】
[0021]さらに、本発明者等は、35 U.S.C. 112, 6の特別規定の基準及び適用を十分に知っている。そのため、詳細な説明、図面の説明、特許請求の範囲における「機能」、「手段」、「ステップ」の使用が、本書に開示されたシステム、方法、プロセス、及び/又は装置を規定するため、35 U.S.C. § 112, 6を発動するように願望を示すことが意図されていない。対照的に、35 U.S.C. § 112, 6の規定が、実施形態を規定する為に発動することが求められる場合、特許請求の範囲は、具体的かつ明示的に正確なフレーズ「為の手段」、「為のステップ」を記述し、そのようなフレーズにおいて、その機能を支援して、任意の構造、材料、作用を記載することなく、「機能」という単語を記述する。(すなわち、「…の機能を実行する為の手段」と述べる。)そのため、たとえ特許請求の範囲が「…の機能を実行する為の手段」あるいは「…の機能を実行する為のステップ」と記載するときでも、特許請求の範囲が同様に、任意の構造、材料又はそれを支える作用、あるいは、記載された機能を実行することを記載する場合、本発明者等の明白な意図は、35 U.S.C. § 112, 6の規定を発動しないことにある。さらに、請求項に係る実施形態を規定する為に35 U.S.C. § 112, 6の規定が発動されるときでも、これらの実施形態は、好ましい実施形態に記載された特定の構造、材料、作用のみに限定されず、さらに、代替実施形態や形態で説明されたような請求項に係る機能を実行する全ての構造、材料、作用、現時点で周知または後に開発されるもの、請求項に係る機能を実行する為の均等な構造、材料、作用を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
[0022]以下の図面を組み合わせて考慮するとき、詳細な説明を参照することによって本書に開示されたシステム、方法、プロセス、及び/又は装置の、より完全な理解が得られる。図面において、同様の参照符合は、図の全体において、同様の要素、作用を指す。現時点で好ましい実施形態が、添付図面に示されている。
[0023]
【
図1】
図1は、典型的なガラス固化(vitrification)システムにおける一次的コンポーネントを示すブロック図である。[0024]
【
図3A】
図3Aは、電極シール実施形態の等角図である。[0026]
【
図4A】
図4Aは、シールアセンブリ実施形態の等角図である。[0029]
【
図4E】
図4Eは、
図4Aの電極シールアセンブリ実施形態のクランプシェル型シールハウジングの半割部の等角図である。[0033]
【
図4F】
図4Fは、
図4Aの電極シールアセンブリ実施形態の内部コンポーネントの詳細を示すシールアセンブリの横断面である。[0034]
【
図4G】
図4Gは、グラファイトロッド又はその電極シールを持たない
図4Aの電極シールアセンブリ実施形態の横断面である。[0035]
【
図5A】
図5Aは、電極シールアセンブリの実施形態の等角図である。[0036]
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの電極シールアセンブリの実施形態の分解された等角図を描く。[0037]
【
図5D】
図5Dは、
図5Aの電極シールアセンブリ実施形態のクランプシェル型シールハウジングの等角図を描く。[0039]
【
図6A】
図6Aは、電極シールアセンブリの実施形態の等角図である。[0041]
【
図7A】
図7Aは、電極シールアセンブリの実施形態の等角図である。[0043]
【
図7C】
図7Cは、
図7Aの電極シールアセンブリ実施形態の正面対向横断面である。[0045]
【
図8A】
図8Aは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態におけるガラス固化ゾーンの実施形態を描く。[0048]
【
図8B】
図8Bは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態におけるオフガス前処理ゾーンの実施形態を描く。[0049]
【
図8C】
図8Cは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態における冷却ゾーンの実施形態を描く。[0050]
【
図8D】
図8Dは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態におけるオフガス湿潤スクラブゾーンの実施形態を描く。[0051]
【
図8E】
図8Eは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態におけるオフガス最終調整ゾーンの実施形態を描く。[0052]
【
図8F】
図8Fは、
図1のガラス固化およびオフガス処理プロセス実施形態におけるオフガス排出ゾーンの実施形態を描く。[0053]図における要素および作用は、簡略化の為に示されるため、特定の工程または実施形態に従って必然的に描写されたものではない。
【0025】
【詳細な説明】
【0026】
[0054]以下の説明において、説明のため、多くの具体的な詳細、プロセスの所要時間、及び/又は特定の公式の数値は、例示的実施形態の様々な態様の詳細な理解を与える為に設定されている。しかしながら、当業者によって理解されることは、装置、システム、方法が、本書において、これらの具体的な詳細、プロセス所要時間、及び/又は特定の公式の数値を有することなく、実施されてもよいことである。理解されることは、他の実施形態が利用され、構造的および機能的な変更が、本書において、装置、システム、方法の範囲を逸脱することなく、行われてもよいことである。他の例において、例示的実施形態の不明瞭を避けるために、既知の構造および装置が示され、より一般的に検討される。多くの場合、動作の説明は、特に、動作がソフトウェアで実現されるべきであるとき、様々な形態を実現するのに十分である。留意すべき点は、開示された実施形態が適用可能な多くの異なる代替えの構成、装置、技術が存在することである。実施形態の全範囲は、後述される実施例に限定されるものではない。
【0027】
[0055]例示された実施形態の以下の実施例において、添付図面を参照するが、添付図面はその一部を形成し、そこに例示されるのは、本書で開示されるシステム、方法、プロセス、及び/又は装置が実施可能な様々な実施形態である。理解されるべきことは、他の実施形態が利用可能であること、構造的、機能的変更が、当該範囲を逸脱することなく行われてもよいことである。
【0028】
【プロセス概観】
【0029】
[0056]
図1は、ガラス固化プロセスの実施形態における異なる段階を描写し、これには、ガラス固化100(ゾーン1)、オフガス前処理120(ゾーン2)、冷却(必要なときのオプション)130(ゾーン3)、オフガス湿潤スクラブ140(ゾーン4)、オフガス最終小弟150(ゾーン5)、オフガス排出160(ゾーン6)が含まれる。他の実施形態は、異なるゾーンおよびプロセスを利用してもよい。ガラス固化は、高温に晒すことによって、有害廃物を破壊または固定化する為に使用され、汚染物質の排除またはガラス基質内部への伴出に結びつく。プロセスは、前処理要件を減少または排除し、廃物負荷許容量を増加させ、他の有害廃物処理および貯蔵方法と比較して、保守費を減少させる。一部の有害廃物処理および貯蔵方法は、単一の廃物型式または分類に適しているだけであるが、ガラス固化は、広範囲の有害材料に適用できる。ビトリファイドされたガラスは、高い廃物負荷許容量を有し、安定していると考えられる。
【0030】
[0057]一部の実施形態において、使用されるガラス固化プロセスは、コンテナ内ガラス固化(ICV:商標)である。コンテナ内ガラス固化(ICV:商標)処理は、慣例的なガラス固化法に類似している。異なる点は、全体のガラス固化プロセスおよびガラス固化プロセス生産物の後の貯蔵が同一コンテナ内で生じること、そのため、最終処理に必要な機器およびステップを減少できることである。ガラス固化プロセスに使用されるコンテナは、密封されたアーク炉、ジュール加熱された溶融装置、他の型式の密封された炉又は溶融装置でもよい。本書において、ガラス固化収容器が使用されるシステムをガラス固化格納システム(VCS)と呼ぶ。VCSは、ガラス固化収容器、少なくとも一つの電極、ガラス固化収容器の上部を密封する為の蓋を備える。蓋または通気室は、一つ又は複数の導出部(以下、「電極シールアセンブリ」という)を備え、これを介して、一つ又は複数の電極がガラス固化収容器の中に送られる。電極シールアセンブリは、一部の実施形態において、電極の為に熱的絶縁および電気的絶縁のうちの一つを設けてもよい。電極シールアセンブリは、一部の実施形態において、電極の為に、通気室(hood)周囲から圧力およびガス/空気の流れを隔離してもよい。電極シールアセンブリは、一部の実施形態において、異なる圧力条件下で、大気シールを与えてもよい。
【0031】
[0058]
図1の実施形態の説明を続けると、ガラス固化プロセスからのオフガスは、オフガス前処理プロセス120(ゾーン2)で前処理されてもよい。冷却プロセス130(ゾーン3)は、任意の工程であり、オフガスの温度を下げる必要がある場合に使用可能である。オフガスは、環境にとって有害と考えられる物質を含む場合がある。オフガス湿潤スクラブ140(ゾーン4)は、湿潤スクラバを利用して、オフガス、燃焼ガス、様々な汚染物質を含む他のガスを除染してもよい。オフガス湿潤スクラブプロセス140の後、オフガスは、周囲放出要件を満たすことを含む産出物要件に基づき、オフガス最終調整プロセス150(ゾーン5)における更なる調整に進めてもよい。これは、湿気除去、残留不純物又は粒子などの更なる処理を含んでもよい。いったん処理が完了すると、オフガスは、オフガス排出部160(ゾーン6)を経て放出可能になる。オフガスは、規制を満足するとき、周囲に放出されてもよく、当該プロセス又は別個のプロセスで廃熱として再使用、または、更なる処理の為に排出される。
【0032】
【技術】
【0033】
[0059]ガラス固化収容器-ガラス固化収容器は、電極が挿入され、ガラス固化が行われるコンテナを指す。一部の実施形態において、電極シールアセンブリは、ガラス固化収容器の蓋に結合され、電極の挿入を容易にする。
【0034】
[0060]電極-電極は、循環路の非金属部分と接触させる為に使用される電気導体を指す。電極は、内部の材料のガラス固化を容易にする為にガラス固化収容器内部にエネルギを伝える。電極の実施形態が
図2に描かれている。電極は、通常、電極シールアセンブリ設計の様々な実施形態に対する総称である。
【0035】
[0061]電極シールアセンブリ(シールアセンブリ又は導出部も指す)-電極シールアセンブリは、電極シールハウジング、密封リング、各実施形態を形成する他のファスナ及びガスケットを備える完全なアセンブリを指す。高温ガラス固化収容器の為の電極シールアセンブリは、ガスが処理収容器から逃げることを回避するという一次目的と、溶融環境に電極を挿入する為のガイドを与えるという二次目的とを有する。電極シールアセンブリの任意の実施形態を形成する一つ又は複数のコンポーネントは、電極の挿入を容易にし、削りくずが電極を切り落とす可能性を最小に抑える為に、一つ又は複数の面取りエッジを有してもよい。
【0036】
[0062]シールハウジング-シールハウジングという用語は、電極シールアセンブリの一つ又は複数の主な構造的コンポーネントを指す。シールハウジングは、密封リングを含み、電極および他の導体コンポーネントの間の絶縁として、ガラス固化収容器蓋に結合することに役立つ。
【0037】
[0063]グラファイトシール、密封リング、シールとしても呼ばれる電極シール-この用語は、個々の密封リングを指し、電極シールアセンブリの全体を指さない。密封リングの実施形態は、
図3Aから
図3Cに描かれている。描かれた密封リングは、描かれた電極シールアセンブリ実施形態の全体にわたって使用されるが、他の密封リング実施形態も利用可能である。一部の実施形態において、密封リングは、少なくとも95%の炭素含有量を含み得る。
【0038】
[0064]密封区間-密封区間は、一つ又は複数の密封リングがあるシールハウジング内部の分離領域を指す。各密封区間は、一つ又は複数の密封リングを備えてもよい。各密封ハウジングは、一つ又は複数の密封区間を備えてもよい。この開示内容では、密封区間実施形態の必要性を更に後述する。
【0039】
【電極およびシール】
【0040】
[0065]
図2は、電極250の実施形態を描く。電極250の長さは、直径より一般的に大きい。一部の実施形態において、電極250の一端部はテーパ251が付けられている。テーパ付け端部251は、電極シールアセンブリおよびガラス固化収容器への挿入中、電極250の整列を容易にする。一つ又は複数の電極250は、電極シールアセンブリの中に挿入され、溶融が深くなるにつれてガラス固化収容器に送られ、溶融領域の底部で又は底部近くで電極251の端部を維持してもよい。これは、電極250の一部分が、溶融プロセス初期に、ガラス固化収容器上方に伸びることを必要とする。
【0041】
[0066]長い電極250は、増加されたモーメントのアームのため壊れがちであるので、一部の実施形態において電極250は、ネジが切られ、短い区間が徐々に追加されることを可能にしてもよい。通常、小さい電極250は、雄型/雌型で、大きい電極250は雌型/雄型で、二重ネジ付き雄ニップルを用いて取り付けられてもよい。電極250において、雄型端部は、通常、完全にネジが形成されるが、雌型端部は、最小のシェル厚さまでネジが形成されるだけでもよい。小径の雄型/雌型電極250区分の接合部には、ネジによって作られる隙間がある。
【0042】
[0067]グラファイト電極は、それらの優れた電気的及び熱的伝導性、高温強度、低い熱膨張のため、概してアーク炉で使用される。グラファイトは、好ましい電極用材料であるが、消耗性電極材料および非消耗性電極材料の両方を含む他の材料が考慮される。グラファイト電極がガラス固化の為に概して使用されるが、問題になり得る幾つかの側面がある。グラファイト電極250の共通した問題は、削りくずが小さく、時々、ガラス固化チャンバ及び電極シールアセンブリの上部で電極250を切り落とすことである。これらの削りくずは、電気アーク電位を生じさせる場合があり、この開示内容では、実施形態の解決策を後述する。電極250は、伝導性、耐熱性、耐腐食性があってもよい。
【0043】
[0068]
図3A~
図3Cは、電極シール200(「シール」、「密封リング」または「グラファイトシール」ともいう。)の実施形態の異なる図を描く。これらの用語は、個々の密封リングを指し、全体の電極シールアセンブリを指さない。各電極シールアセンブリは、一つ又は複数の密封リングを備えてもよい。密封リングは、通常、電極シールアセンブリの様々な実施形態に対する総称である。一部の実施形態において、一つ又は複数の密封リング200は、グラファイトから作られてもよい。グラファイト密封リング200は、グラファイトが耐熱性、耐酸化性、耐摩耗性であり、摩擦係数が低いので好ましいが、他の材料が使用されてもよい。二つ以上の密封リング200を利用する実施形態において、各密封リング200は、異なる材料から作られてもよく、あるいは、同一材料から作られてもよい。
【0044】
[0069]一部の実施形態において、密封リング200は、熱及び圧力に晒されるとき、厚く、安定した不動態化酸化層を形成する材料で覆われてもよく、これが、劣化から密封リング200の表面を保護する。一部の実施形態において、密封リング200は、オーステナイトニッケルクロムベースの材料で覆われる。一部の実施形態において、一つ又は複数の密封リング200は、インコネルで覆われてもよい。一部の実施形態において、インコネルは、密封リング200の外周の周りを螺旋状に覆われる。インコネルは、高温における耐腐食性と剛性を高める。密封リング200は、一部の実施形態において、極端な熱及び圧力を含む極端な環境での取扱いに適する材料(例えば、グラファイト)から作られてもよい。2つ以上の密封リング200を利用する一部の実施形態において、一つ又は複数の密封リング200はインコネルで覆われてもよい。
【0045】
[0070]一部の実施形態において、ロッド区間に存在する前述した隙間は、電極上のシールを失うことなく、シールアセンブリを通過されてもよく、換言すれば、少なくとも一つの密封リング200または密封区間は、どの所定時間でも、電極の周りに完全係合される。
【0046】
たとえば、2つの密封区間がある場合、電極の隙間は、一方の密封区間を通過できるが、他方は完全係合されたままである。密封区間が多いほど、安全率は高くなる。
【0047】
[0071]同一の力が、より小さな内部表面208領域に加えられ、より高い圧力が補強された密封効果に結びつくことから、密封リング200は、一部の実施形態において、
図3Aに示されたような面取りされた内部エッジ201を備えて製造される。一部の実施形態において、密封リング200は、引き摺られた切断部、または分割部、端部であって、外部表面207上の誘発圧力の下で電極周りでそれらを縮小させ、締め付けることを可能にするものを有する。一つ又は複数の密封リング200は、面取りされた片側または両側の内部リングを有してもよく、ロッドのシールハウジングを下に通る動きを容易にし、切りくずが電極を切り落とす発生率を減少させる。一部の実施形態では、密封リング200の上部または底部エッジの内部表面だけが面取りされる。
【0048】
【電極シールアセンブリの実施形態】
【0049】
[0072]以下の章は、幾つかのシールアセンブリ実施形態を検討する。説明の順序は、優先順位を意味するものではない。明白なことは、各実施形態が他の実施形態から別個の全体として検討されるが、一つ又は複数の実施形態は、本書に明らかに開示されない他の実施形態を形成する為に組み合わされてもよいことである。
【0050】
[0073]一部の実施形態において、密封は、正のガス圧カーテンバリアおよび/または複数の機械的シールによって補強されてもよい。圧力シールを利用する一部の実施形態において、圧力シールを生じさせる為に使用される空気又は不活性ガスは、ビトリファイドされる材料および他のシステムの変数によって、加熱または冷却されるものでもよい。圧力シールを利用する一部の実施形態において、一つ又は複数のセンサ、レギュレータ、及び/又はバルブは、シールアセンブリ内の流れをモニタおよび制御する為に使用されてもよい。一部の実施形態において、シールを通り越して逃げるガスは、ガラス固化収容器にリサイクルするように吸い込まれてもよい。
【0051】
[0074]例示的実施形態において、密封システムは、2つ以上の電極とガラス固化収容器を備える。蓋は、ガラス固化収容器に取り付けられ、密封されたガラス固化収容器を形成する。2つ以上の電極は、蓋を介して、動作できるように位置し、ガラス固化収容器へと下に伸びる。この例示的実施形態において、2つ以上の電極シールアセンブリは、蓋に付けられる。2つ以上の電極シールアセンブリは、一部の実施形態において、2つ以上の電極の為に、熱的絶縁および電気的絶縁のうち少なくとも一つを設けてもよい。2つ以上の電極シールアセンブリは、ガラス固化システムに対して外部環境を、蓋の内側、又はオフガス通気室の状態から隔離し、同時に、電極の貫通、ガラス固化ゾーンへの移動、ガラス固化ゾーンからの移動を可能にする方法を与えてもよい。2つ以上の電極シールアセンブリは、各々がハウジングを備え、ここで、ハウジングは、2つの半割部と、ハウジング内に凹んだリング溝とを備える。分割部を備えた密封リングは、溝に配置されてもよく、この配置は、密封リングの外面がリング溝内に凹むことに結びつく。また、このシステムは、ガス通路を備え、これらのガス通路は、それらが2つ以上のリング溝に隣接するように、ハウジング内に鋳造または機械加工されてもよい。ガス通路は、リング溝の内面から、密封リングの外面に均等にガスを分配する。分配されたガスは、圧力変化を生じさせ、電極上を圧縮してシールを形成する密封リングを生じさせる。
【0052】
[0075]
図4A~
図4Gは、電極シールアセンブリ300の実施形態を描く。
【0053】
[0076]
図4Aは、電極シールアセンブリ300の実施形態の等角図を描く。電極シールアセンブリ300は、シールハウジング310、ハウジングガスケット350,2つの分割ガスケット355,一つ又は複数のホース取付部品325、320を備える(
図4B)。
図4A~
図4Gに描かれた実施形態のような一部の実施形態において、シールハウジング310は、「クラムシェル」設計における半割部へと分割される。一部の実施形態において、密封ハウジング310は、より多くの区間に分割される。一部の実施形態において、シールハウジング310の区間は同一である。シールハウジング310のクラムシェル設計は、簡単な保守および交換を可能にする。シールハウジング310の区間は、締結具を用いて締結されてもよい。分割ガスケット(図示せず)は、シールハウジング310の区間の各々の間に配置されてもよい。一部の実施形態において、分割ガスケットは、グラファイト、または他の熱的及び/又は電気的絶縁材料、あるいは、これらの組み合わせから作られてもよい。一部の実施形態において、分割ガスケットは、ロープシール材、耐熱性繊維、高熱(一部の実施形態にいて約500℃以上)に適し、漏れを防止する為にシールを与えることができる他の材料から構成されてもよい。一部の実施形態において、一つ又は複数のガスケットは、ステンレス鋼の中芯を備えたグラファイトから形成されてもよい。
【0054】
[0077]
図4Bは、電極シールアセンブリ300の上部を描く。描かれたボルト穴364は、ガラス固化収容器の上部に電極シールアセンブリ300を固定する為に使用されてもよい。描かれた実施形態において、4つのボルト穴364が存在するが、ボルト穴の数は、数例を挙げると、電極シールアセンブリ300の大きさ、締結具の型式及び大きさのような多くの要因によって変更可能である。ホース取付部品325、320は、空気または他の不活性ガスを使用して、シール周りの圧力を供給及び解放する為に使用されてもよい。
【0055】
[0078]
図4Cは、電極シールアセンブリ300の正面図を描く。描かれた実施形態において、電極シールアセンブリ300は、2つの同一シールハウジング310から構成される。2つのシールハウジング310は、実施形態間で変更可能な多くの締結具を用いて一緒に締結される。電極シールアセンブリ300は、フランジ362を備え、フランジ362は、ガラス固化収容器の上部に載せてある。フランジ362は、穴364(
図4D)を設け、この穴364を介して、電極シールアセンブリ300がガラス固化収容器に装着されてもよい。ハウジングガスケット350は、フランジ362およびガラス固化収容器の間に位置してもよい。シールハウジング310のフランジ362は、ガラス固化収容器の上蓋に締結される。一部の実施形態において、シールハウジング310は、セラミック、グラファイト、マコール(商標)、CS-85、他の熱的絶縁および/または電気的絶縁材料、あるいは、それらの組み合わせから構成されてもよい。他のシールハウジング材が使用されてもよい。ハウジングガスケット350は、一部の実施形態において、ステンレス鋼内芯を備えたグラファイトから構成されてもよい。
【0056】
[0079]
図4Dは、電極シールアセンブリ300の底面図を描く。描かれた実施形態において、ガス通路330は、電極シールアセンブリ300の基部を介してドリル加工される。描かれた実施形態は、18個の均等に分配された垂直ガス通路330を備えるが、他の量および構成も可能である。ガス通路330は、
図4Hおよび
図4Iに、より詳細に示され、記述されている。
【0057】
[0080]
図4Eは、シールハウジング310の一つの半割部の等角図を描く。シールハウジング310内側のリング溝375は、所定位置に密封リング200(
図4G、
図4H)を保持し固定するように設計されている。描かれた実施形態において、4つのリング溝375があるが、他の実施形態が、他の分量を備えてもよい。一部の実施形態において、一つ又は複数のリング溝375は、2つ以上の密封リング200を収容する大きさでもよい。一部の実施形態において、リング溝375は、圧力溝376を備え、この圧力溝376は、密封リング200(
図4F、
図4G)周りのガス流に圧力シールを生じさせることができる。
【0058】
[0081]描かれた実施形態300は、電極250周りの密封リング200を補強し、締め付ける為に高圧密封法(pressurization)を使用する。各密封リング200は、リング溝375内に装着され、それを所定位置で固定する。
図4F~
図4Gに描かれた実施形態のような一部の実施形態において、一つ又は複数のリング溝375は、更なる高圧密封法の溝376を備え、この溝376を介して、加圧された空気及び/又は不活性ガスが密封リング200に作用してもよい。高圧密封法は、シールハウジング310に空気及び/又は不活性ガスを投入することによって達成されてもよい。圧力は、ホース取付部品325を介してシールハウジング310に供給され、それは、シールハウジング区間310の各々のガス通路または空洞を密封リング200まで通過する。
【0059】
[0082]
図4A~
図4Gに描かれた一部の実施形態において、電極シールアセンブリ300内の空洞、又はガス通路、330は、機械加工または鋳造されたものであってもよい。ガス通路330は、リング溝375に隣接し、空気又は不活性ガスが均等にシールハウジング310および密封リング200の周囲に分配されることを可能にする。加圧された空気又は不活性ガスは、密封リング200の外部表面208(
図3A)を押圧し、それらを電極250の周りに圧縮する。
【0060】
[0083]
図4Gは、シールハウジング310の横断面図を描く。各リング溝375は、穴入口340を有し、この穴入口340を介して、加圧された空気及び/又は不活性ガスが密封リングに加えられてもよい。これらの穴入口340は、各密封リング200の外部表面に沿って、圧力が均等に分配されることを可能にする。電極シールアセンブリ300内の圧力を制御する能力は、正確な電極送り速度、より密着した密封リング200、高いシステム信頼性、上下に電極250を徐々に移動させる能力を可能にする。高い圧力は、密封リング200が、必要に応じて、所定位置に電極250を密着させてロックすることを可能にする。高圧密封法は、オフガスを減少させる。一部の実施形態において、空気圧の動作範囲は、5-10psiであるが、20-30psiまで上昇させてもよい。圧力変化は、結果として生じる圧縮圧力が、動作中のガラス固化用格納システム内の圧力を大きくなるように、より多くの空気又は不活性ガスの追加で維持されてもよい。
【0061】
【0062】
[0085]
図5Aは、電極シールアセンブリ400の等角図を描く。描かれた実施形態において、シールハウジング410は、クラムシェル設計において半分に分割される。一部の実施形態において、シールハウジング410は、3つ以上の部分を備えてもよい。描かれた実施形態において、シールハウジング410の2つの半割部は、穴405を介して、締結具を用いて一緒に締結される。シールハウジング410の2つの半片は、電極250の周囲および密封リング200(
図5B)をクランプする。
【0063】
[0086]
図5Bは、電極シールアセンブリ400の分解等角図を描く。描かれた実施形態は、2つの部分に分割されたハウジングシール410、4つの密封リング200,締結具(描写せず)を備える。電極シールアセンブリ400は、ガラス固化収容器の蓋の中に延び、密封リング200の間に長い距離を可能にするシールハウジング410の全長が、より長くなることを可能にする。シールハウジング410の長さの延長によって、電極250の、より広い表面積が密封され、電極250およびガラス固化収容器の間に更なる電気的絶縁を与える。さらに、密封リング200の間の、より長い距離は、電極250区分間の隙間(存在する場合)が密封リング200を通過することを可能にしつつ、常時、少なくとも一つの係合された密封リング200を維持する。一部の実施形態は、多少の密封リング200を使用してもよい。一部の実施形態において、一つ又は複数の密封リング200は同一でもよい。
【0064】
[0087]
図5Cは、電極シールアセンブリ400の横断面図を描く。描かれた電極シールアセンブリ400の実施形態は、電極250周りの密封リング200を補強および締め付ける為に高圧密封法を使用する。各密封リング200は、リング溝475(
図5D)に装着され、それを所定位置に固定する。一部の実施形態において、一つ又は複数のリング溝475(
図5D)は、一つ又は複数の密封リング200を収容する大きさでもよい。高圧密封法は、シールハウジング410に空気及び/又は不活性ガスを投入することによって達成されてもよい。圧力は、シールハウジング410にホース取付部品を介して供給され、各々のシールハウジング区間410の中のガス通路430または空洞を、密封リング200まで通り抜ける。電極シールアセンブリ400内の空洞、またはガス通路、430は、機械加工または鋳造されたものでもよい。垂直のガス通路430は、穴420(
図5D)を介してリング溝に接続され、空気又は不活性ガスがシールハウジング410および密封リング200の周囲に流れることを可能にする。加圧された空気又は不活性ガスは、それらを電極250の周囲にシールの外部表面を押圧し、それらを電極250の周りに圧縮する。
【0065】
[0088]
図5Dは、どのように空気圧がシールハウジング410内でリング溝475内の穴420を介して供給されるかを描く。各リング溝475は、穴440を有し、それらの穴を介して、加圧された空気又は不活性ガスは、電極シールアセンブリ400に入り、出ることができる。電極シールアセンブリ400内の圧力を制御する能力は、より正確な電極送り速度、より密着させた密封リング200、高いシステム信頼性を可能にする。必要に応じて、より高い圧力は、密封リング200が電極を所定位置に密着させてロックすることを可能にする。高圧密封法はオフガスを減少させる。空気圧力の為の動作範囲は、5-10psiであるが、20-30psiまで上昇させてもよい。結果として生じる圧縮圧力が、動作中、ガラス固化収容器内の圧力より大きくなるように、圧力変化は、追加の多くの空気又は不活性ガスで維持されてもよい。
【0066】
[0089]
図5Eは、電極シールアセンブリ400の底面図を描き、垂直ガス通路430を示す。描かれた実施形態には、22個の垂直ガス通路がある。他の実施形態は、異なる量の垂直ガス通路を備えてもよい。描かれた実施形態のような一部の実施形態において、垂直ガス通路430は均等に分布されている。
【0067】
[0090]
図6A及び
図6Bは、電極シールアセンブリ500の実施形態を描く。
【0068】
[0091]
図6Aは、上部シールハウジング520,電極カラー510,一つ又は複数の密封リング200を備える電極シールアセンブリ500を描く。電極カラー510は、電極250(
図6B)を覆って適合し、ガラス固化収容器の上部に一部が挿入される。電極カラー510は、フランジ511を備え、このフランジ511は、ガラス固化収容器の上部に載せてある。次に、グラファイト密封リング200が電極250を覆って適合し、電極カラー510の上部に載せてある。上部シールハウジング520は、その後、密封リング200を覆って適合し、電極シールアセンブリ500を完成する。電極シールアセンブリ500は、一緒に締結され、更に/又はガラス固化収容器の上部に締結されてもよい。
【0069】
[0092]
図6Bは、電極シールアセンブリ500の横断面図を描く。一つ又は複数の締結具用穴505は、電極カラー510に上部シールハウジング520を締結する為に使用されてもよく、ガラス固化収容器の上部に電極シールアセンブリ500を締結する為に使用されてもよい。描かれた実施形態は、4つの密封リング200を備える。描かれた実施形態のような一部の実施形態において、内部密封リング200は、平らなグラファイト密封リングでもよく、外部密封リング205は、インコネルが巻かれたグラファイト密封リング200でもよい。一部の実施形態において、インコネルは螺旋状に覆われる。この実施形態は、試験され、良好な真空が維持されることが確認された。
【0070】
[0093]
図7A~
図7Dは、電極シールアセンブリ600の実施形態を描く。
【0071】
[0094]
図7A~
図7Dを参照し、基礎から始めると、ハウジングシール650は、ガラス固化収容器蓋および電極シールアセンブリ600の底部の間に配置されてもよい。底部シールハウジング620は、フランジが付けられ、フランジは、ハウジングシール650の上部に載っており、底部シールハウジング620の残部は、ガラス固化収容器の上部に挿入される。ボルト用ハブ610は、一部の実施形態において、底部シールハウジング620の底部に、ボルト用ハブガスケット625を用いてこれらの間に接続され、電極シールアセンブリ600を一緒に締結されてもよい。第1密封リング200は、ボルト用ハブ610によって、底部シールハウジングの底部に対して所定位置に保持される。第2密封リング200は、底部シールハウジング620の上部にある溝に適合する。リング630は、第2密封リング200および第3密封リング200の間に適合する。上部シールハウジング605は、第2密封リングおよび第3密封リング200とリング630とを覆って適合する。
【0072】
[0095]一つ又は複数のハウジングガスケット655は、底部シールハウジング620の上部および上部シールハウジング605の間に配置されてもよい。描かれた実施形態は、3つのハウジングガスケットを備える。外部の2つのガスケット653は、グラファイトから作られてもよい。中央ハウジングガスケット655は、一部の実施形態において、グラファイトの層の間に挟まれたステンレス鋼のような金属から作られてもよい。ハウジングガスケット655の数および組成は、異なる実施形態で異なってもよい。第4密封リング200は、上部シールハウジング605の上部に適合し、ボルト用ハブ610によって所定位置に保持される。ボルト用ハブガスケット625は、ボルト用ハブ610および上部シールハウジング605の間に配置されてもよい。ボルトのような締結具は、一緒にコンポーネントを締結するように、電極シールアセンブリ600を通って延びてもよい。一部の実施形態において、一つ又は複数の上部シールハウジング605、底部シールハウジング620,ボルト用ハブ610、リング630は、セラミック材料又は他の材料から構成されてもよい。
【0073】
【処理および制御】
【0074】
【0075】
[0097]
図8Aは、ガラス固化システム(ゾーン1)の実施形態を描く。ガラス固化収容器は、一つ又は複数の層の絶縁材料を備えてもよい。描かれた実施形態は、鋳造耐火物および珪砂を備える。一部の実施形態においてガラスフォーマーを備えてもよいフリットは、一つ又は複数の圧力制御バルブを介して、ガラス固化収容器の上部に送られてもよい。描かれた実施形態において、2つの圧力制御バルブPCV-102,PCV-103は、溶融中に送る(FWM)エアロック制御部を有する。FWMエアロック制御部は、先に充填された材料の量がガラス固化プロセス中に減少するとき、追加の材料をガラス固化収容器に送ることを可能にする。エアロックは、プレナム領域にエアシールを設け、プレナム・エアが周囲に漏れる開放経路は存在しない。送り地点は、熱遮蔽および熱遮蔽レベル制御部に接続される。電極は、電極レベルレベル制御部及び電極シールアセンブリを介してガラス固化収容器に送られてもよい。
【0076】
[0098]描かれたプロセス実施形態は、電源変圧器(描かれた実施形態においてはスコットT電源変圧器)に入力される三相設備によって電力が供給される。電力変圧器は、最小オペレータインタフェースが、ガラス固化プロセス用加熱機構を始動させて提供するという目的を達成することを可能にしてもよい。電力変圧器からの出力は、ガラス固化収容器内のガラス固化ゾーンへの電力を徐々に高める為に、オペレータ入力プログラムによって最初は制御されてもよい。
【0077】
[0099]現在、ガラス固化プロセスは、手動で制御されている。手動入力がほとんど無い又は全く無い状態でプロセスを制御することができるため、プロセス効率を向上させ、必要な処理時間とヒューマンエラーの可能性を除去することができる。プログラムされた入力は、溶融プロセスを始動させる為に電力ランプアップを最初に制御するように利用されてもよい。ソフトウェアプログラムは、既存プロセス制御システムにリンクされ、所定のスケジュール(タイムライン)で、変圧器の電力出力を徐々に名目動作レベルまで増加させてもよい。その点を超えるシステムの連続動作は、その後、温度、圧力、映像(例えば、赤外線)からの入力および/または安全かつ効率良くプロセスを動作させる所望レベルまで電力入力を調整する他の感覚入力に基づく論理を使用してもよい。電力制御は、オフガス流、通気室真空、差圧、システムの全体にわたって他の変数を管理する他のシステム制御ロジックと並列に実行してもよい。当該制御システムは、表面化平面(商標)(インサイチュ・アプローチ)および収容器内ガラス固化、ICV(商標)、技術と他のガラス固化システム及び方法の両方に利用されてもよい。
【0078】
[0100]ゾーン1において、プレナム・スィープ・エアは、管路2を介して、圧力制御バルブPCV-101を介して、更にフィルタ(描かれた実施形態におけるHEPA)を介して導入される。プレナム・スィープ・エアは、オフガス通気室からガラス固化中に生成される水蒸気およびガスを除去し、それらを、処理済みオフガスを周囲に放出する前に処理するようにオフガス処理システムに迂回させる為に使用される。一部の実施形態において、除去された汚染物質は、処理され、別個に貯蔵されてもよい。
【0079】
[0101]
図8Bを参照すると、オフガスは、管路4を介してゾーン2に入る。それは、バランス・エアによって接合されてもよく、バランス・エアは、圧力制御バルブPCV-201を介して、更に、フィルタ(描かれた実施形態においてはHEPA)を介して導入される。(一部の実施形態ではバランス・エアと混合される)オフガスは、その後、少なくとも一つのフィルタを介して進んでもよい。一部の実施形態において、2つ以上のフィルタが並列である。並列フィルタを有する一部の実施形態において、流れは、一度に2以上のフィルタを通って移動する。並列フィルタを有する一部の実施形態において、流れは、一度に2以上のフィルタを通って移動するだけで、バルブによって制御される。
【0080】
[0102]描かれた実施形態において、流れは、バルブHV-201を通って移動し、焼結された金属フィルタ(SMF)に入り、バルブHV-202を介して出てもよい。あるいは、流れは、バルブHV-203を介してHEPAフィルタに向けられ、バルブHV-204を介して出てもよい。バルブHV-202および/またはバルブHV-204の一方から、流れはゾーン4に移動する。水(又は他の洗浄流体)のリンスは、SMFフィルタから取り込まれた汚染物質を周期的に洗浄処理する為にバルブHV-207を介して提供されてもよい。
【0081】
[0103]空気又は流体は、バルブHV-205を介してバックパルス・エア・リザーバに、バルブHV-206を介してSMFに導入されてもよい。バックパルス・エアは、SMFからバルブHV-208を介して、バックパルス・リサイクルに流出してもよい。バックパルス・エアは、SMFを洗浄する為に使用される。バックパルス・エアは、フィルタから微粒子を打ち落とす為にSMFの中に素早く後方に吹き込まれ、微粒子が収集されるフィルタ用ハウジングの底部に落とし、処理の為にガラス固化収容器に送り戻される。一部の実施形態において、フィルタ用ハウジングは、2つ以上のフィルタを備えてもよく、各フィルタは、単一の大きなバックパルスでオフガスシステムを加圧しないように、小さな個々のパルスで異なる時間にバックパルスされる。
【0082】
[0104]一部の実施形態は、ゾーン4(
図8D)内の水を冷却する為に、
図8Cに描かれた任意のゾーン3を含んでもよい。他の実施形態において、ゾーン3は、任意ではなく、要件である。グリコールは、循環路内を移動し、グリコール冷却器を介して第1熱交換器(HX-1)に、HX-1の底部からポンプを介して、第2熱交換器(HX-2)の基部に、そして、グリコール冷却器に戻る。水は、熱交換器HX-1およびHX-2の中を流れ、ゾーン4(
図8D)に戻る。
【0083】
[0105]描かれた実施形態において、オフガスは、ゾーン2からタンデム型ベンチュリスクラバに、ミスト除去器を介して、
図8Eに示されるようなゾーン5に移動する。他の実施形態は、ドライスクラバ、静電集じん機などを含む異なるスクラブシステムを利用してもよい。タンデム型ベンチュリスクラバは、スクラブ・タンクの付近にある。淡水は、バルブHV-410を介してスクラブ・タンクに送られてもよい。水は、スクラブ・タンクを出て、バルブHV-403を介してスクラブ・ポンプに行く。任意で、水は、バルブHV-412から排出されてもよい。スクラブ・ポンプは、バルブHV-404、HV-405を介して水を微粒子スクラブ・フィルタに注ぎ込んでもよい。あるいは、流れは、バルブHV-409を介して、微粒子スクラブ・フィルタを迂回してもよい。水は、バルブHV-406を介して微粒子スクラブ・フィルタから引かれてもよい。オフガスは、バルブHV-408を介して微粒子スクラブ・フィルタから排気されてもよい。バルブHV-407を介して微粒子スクラブ・フィルタを出る水は、バルブHV-401,HV-402を通ってタンデム型ベンチュリスクラバに移動する。一部の実施形態において、水は、バルブHV-411を通ってスクラブ・タンクに移動してもよい。一部の実施形態において、スクラブ・タンク内の水のpHは、ケミカル・ポンプを介して、バルブHV-413を介して化学物質(pH)バッファ用タンクから送られるpH調整用化学物質で調整される。
【0084】
[0106]ゾーン4(
図8D)からの、スクラブされてフィルタ処理されたオフガスは、ヒータを介して、一つ又は複数の直列フィルタを通って移動してもよい。描かれた実施形態において、加熱されたオフガスは、バルブHV-501を通って第1フィルタに、バルブHV-502,HV-504を通って、他のフィルタおよびバルブHV-505を介してゾーン6(
図8F)に移動する。あるいは、バルブHV-503及び/又はHV-506を介してオフガスを通過させることによって、一つ又は複数のフィルタが迂回されてもよい。一部の実施形態において、一つ又は複数のフィルタは並列にあってもよく、それらは、一次フィルタと組み合わされて使用されるが、一次フィルタの代替として使用されてもよい。
【0085】
[0107]ゾーン5からのオフガスは、バルブHV-601を通って、一次ブロワーを通って、スタック出口から排出される。あるいは、オフガスは、バルブHV-602の中を流れて二次ブロワーに、スタック出口を介して排出されるために、更にバルブHV-603の中を流れてもよい。
【0086】
【他のプロセス実施形態】
【0087】
[0108]HEPA,SMF,HEGAを含む様々なフィルタ型式が意図されているが、これらに限定されるものではない。様々なバルブ型式が意図されている。バルブは、描かれたプロセス図から、異なる流量および容積、他の設計考慮事項の為に変更可能である。チェックバルブのような追加のバルブは、流体が間違った方向に移動することを防止する為、当該システムの全体にわたって位置されてもよい。自動電動バルブ又は余剰バルブを含む他のバルブは、安全率を高めるために、当該プロセス内の様々な地点に含められてもよい。
【0088】
【センサ】
【0089】
[0109]一つ又は複数のセンサおよび計器は、当該プロセスの全体にわたってシステム特性をモニタ及び制御する為に使用されてもよい。
図8A-
図8Fの実施形態において、幾つかの計器及び/又はセンサが、各ゾーンに含められてもよい。他の実施形態は、多少のセンサ及び/又は計器を当該システムの全体にわたって他の位置に含めてもよい。センサ及び/又は計器の位置および型式は、他の設計考慮事項の中でも、プロセスの規模、オフガスの化学特性に依存する。センサの型式は、特に、接触センサ、非接触センサ、容量性センサ、誘導性センサ、3D撮像装置、カメラ、熱撮像装置、温度計、圧力センサ、放射線検出器、LIDAR、マイクロフォンのうちの一つ又は複数を備えてもよい。
【0090】
[0110]一部の実施形態は、一つ又は複数の撮像センサを含んでもよい。一つ又は複数の画像センサは、特に、一つ又は複数の3D撮像、2Dレンジセンサ、カメラ、熱撮像装置、放射線検出器を備えてもよい。一つ又は複数の撮像センサは、遠隔オペレータの能力を検査し、モニタする為に使用されてもよい。一つ又は複数の撮像センサからの信号は、リアルタイムで表示され、後に検討する為に記録され、さらに/または動作記録の為に記録される。一つ又は複数のカメラは、固定された又はパン-チルト-ズーム型式の一つでもよい。オペレータは、動作の為に所望のカメラビューを選び、管理し、同時に、左右の動き、上下の動き、ズーム(PTZ)、焦点、光のような関連した制御機能を備えたカメラを制御する。一部の実施形態において、適切な視覚的操作範囲は、カメラの量及び場所によって決定される十分なカメラカバレージを介したカメラシステムによって可能にされてもよい。
【0091】
[0111]一部の実施形態において、センサは、システムの全体にわたって材料特性を追跡する為だけに追加される。一部の実施形態において、センサデータは、システムの動作を制御する為に使用される。一部の実施形態は、センサフージョンアルゴリズムを利用し、一つ又は複数の異なる型式の一つ又は複数のセンサから読み出されたデータを分析してもよい。一部の実施形態において、センサデータは、自動的に分析され、人間のオペレータから僅かな入力または何も入力を必要としないプロセスの為に、制御システム内の変更を自動的にもたらす。一部の実施形態において、センサデータ及び分析は、人間オペレータが手動調整を実行する為に表示される。
【0092】
[0112]描かれた実施形態において、ゾーン1(
図8A)は、19個の計器を備える。描かれた実施形態において、15個の温度表示器は、ガラス固化収容器の温度をモニタする為に使用される。TI-101~TI-106は、ガラス固化収容器内の材呂うの増分深さをモニタし、TI-107は、北東(NE)の角の砂をモニタし、TI-109は、南西(SW)角の砂をモニタし、TI-110は、北西(NW)角の砂をモニタし、TI-111は、内部の砂をモニタし、TI-112は、中間の砂をモニタし、TI-113は、外部の砂をモニタし、TI-114は、外皮(outer skin)をモニタし、TI-115は、底皮(bottom skin)をモニタする。追加の温度表示器は、他の様々な場所で温度をモニタする為に使用されてもよい。描かれた実施形態において、更なる温度表示用送信器TI-116,TI-117,TI-118が使用され、電極シール、赤外線(IR)ビデオカメラ、ガラス固化収容器の上部の温度をモニタする。圧力表示用送信器は、ガラス固化収容器内部の圧力をモニタする為に使用されてもよい。
【0093】
[0113]描かれた実施形態において、ゾーン2(
図8B)は、5個の計器を備える。圧力差表示用送信器、PDIT-201は、SMF及び/又はHEPAフィルタの前後の圧力差を測定し、送信する為に使用される。流れ表示用送信器FIT-201および温度表示器TI-201は、バランス・エア入力をモニタする為に使用される。オフガスの温度は、フィルタの直前で、バランス・エアが追加された後に、温度表示器TI-202によってモニタされる。
【0094】
[0114]描かれた実施形態において、ゾーン4(
図8D)は、14個の計器を備える。フロー表示用送信器FIT-401および温度表示器TI-401は、ゾーン4に入るオフガスの特性をモニタする為に使用される。圧力差表示用送信器PDIT-401,PDIT-402は、それぞれ、タンデム型ベンチュリスクラバの直前および直後、更に、ミスト除去器の直前及び直後のオフガス差圧をモニタする為に使用される。圧力表示用送信器PIT-401,402は、第1タンデム型ベンチュリスクラバ及び第2タンデム型ベンチュリスクラバ直前の水の圧力をモニタする。温度表示器TI-402,レベル表示用送信器LIT-401、圧力表示用送信器PIT-403は、スクラブ・タンクをモニタする為に使用される。温度表示器TI-403、圧力表示用送信器PIT-404,流れ表示用送信器FIT-402は、スクラブ・ポンプの下流側の水をモニタする為に使用される。圧力差表示用送信器PDIT-403は、微粒子スクラブ・フィルタ前後の水の差圧をモニタする。分析器表示用送信器AIT-401は、スクラブ・タンク及びケミカル・ポンプにおける可変周波数駆動装置(VFD)に接続し、pHをモニタする為に使用され、スクラブ・タンクに苛性アルカリ加える為にポンプを給水する。
【0095】
[0115]描かれた実施形態において、ゾーン5(
図8E)は、5個の計器を備える。圧力差表示用送信器PDIT-501,PDIT-502は、第1フィルタ、第2フィルタの前後の差圧をモニタする為に使用される。温度表示器TI-501,TI-502,TI-503は、ヒータおよび第1フィルタの間に入るオフガスの温度、更に、フィルタ後のオフガスの温度をモニタする。
【0096】
[0116]描かれた実施形態において、ゾーン6(
図8F)は、4個の計器を備える。温度表示器TI-601,TI-602は、それぞれ、ゾーン6に入オフガスの温度、排出の温度をモニタする。圧力表示用送信器PIT-601は、ブロワーに入る前のオフガスの圧力をモニタする。流れ制御用送信器FCT-601は、可変周波数駆動装置を用いて一次ブロワーによって生成される流れをモニタし、制御する。FCT-601は、ゾーン1のオフガス通気室圧力表示用送信器PIT-101に接続される。通気室内の真空が低下するにつれて、ブロワーは、流れ及び真空を高める為に速度を上げる。
【0097】
[0117]便宜上、操作は、様々な相互接続された機能ブロックまたは別個のソフトウェハモジュールとして説明されている。これは必然的ではないが、これらの機能ブロック又はモジュールは、等価的に、不明瞭な境界を持つ単一の論理デバイス、プログラム、動作に集約される場合もあり得る。いずれにしても、機能ブロック又はソフトウェハモジュールまたは説明された特徴は、それら自体によって、あるいは、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかにおいて、他の動作との組み合わせにおいて、実行可能である。
【0098】
[0118]本書で、その好ましい実施形態において開示されたシステム、方法、プロセス、及び/又は装置の原理を説明し、例示してきたが、そのような原理から逸脱することなく、当該システム、方法、プロセス、及び/又は装置が配置及び詳細で変形が可能であることは明らかであろう。以下の請求項の精神及び範囲に該当する変形及び変更の全てに対して、請求項が作成されている。