(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】シミュレーションシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20230111BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20230111BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20230111BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/12
G06F30/20
(21)【出願番号】P 2018162571
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩田 翔士
(72)【発明者】
【氏名】平岡 千穂
(72)【発明者】
【氏名】南 裕介
(72)【発明者】
【氏名】三木 健史
(72)【発明者】
【氏名】川副 祐太
(72)【発明者】
【氏名】末澤 貴大
(72)【発明者】
【氏名】河上 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大和 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小川 正之
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-275895(JP,A)
【文献】特開2010-217350(JP,A)
【文献】特開2016-137117(JP,A)
【文献】特開2010-067025(JP,A)
【文献】特表2014-511537(JP,A)
【文献】特開2007-034415(JP,A)
【文献】特開2009-009330(JP,A)
【文献】特表2014-515961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
G06T 11/00 -11/80
G06T 19/00 -19/20
A63F 13/00 -13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物のシミュレーションシステムであって、
前記建築物に関連する複数の建築物要素の少なくとも一つに対応する識別情報が表示された複数のポータブルユニットと、
ユーザが複数の前記ポータブルユニットを配置できるように構成された配置部が設けられたテーブルと、
前記配置部に配置された前記ポータブルユニットの前記識別情報を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記識別情報に基づいて前記建築物要素に関する画像が被表示部に表示されるように表示装置を制御する制御部と、を備え、
複数の前記ポータブルユニットそれぞれは、前記建築物要素のモデル画像であって異なる複数種のモデル画像を表示するものであり、前記モデル画像が表示される複数の画像表示部と、複数の前記モデル画像それぞれに対応する前記識別情報を示す識別部とを有する、
シミュレーションシステム。
【請求項2】
前記制御部は
、前記建築物要素に関する画像として、建築物の画像、および、外構の画像の少なくとも一方が表示されるように前記表示装置を制御する
請求項1に記載のシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記制御部は前記建築物に関する
前記画像に加え、
前記建築物に付随する付加情報がさらに表示されるように前記表示装置を制御する
請求項1または2に記載のシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記画像が表示される
前記被表示部をさらに備える
請求項1~3のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記被表示部および前記配置部は前記テーブルに設けられる
請求項4に記載のシミュレーションシステム。
【請求項6】
前記ポータブルユニットは多面体であり、
前記画像表示部および前記識別部は前記多面体を構成する複数の面の互いに異なる面に設けられる
請求項1~5のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物に関するモデルのシミュレーションを実施できるシミュレーションシステムが知られている。その一例である特許文献1に記載の建物設計システム(1)では、表示装置(3)に表示される複数の建築物の構成要素のうち、入力装置(4)を用いてユーザが選択した建築物の構成要素同士を組み合わせた建築物のモデルを表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記建物設計システム(1)では、ユーザが入力装置(4)の操作に不慣れである場合、建築物のシミュレーション作業が煩雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するシミュレーションシステムは建築物のシミュレーションのために用意されたポータブルユニットを検出する検出部の検出結果を参照して建築物に関する画像が表示されるように表示装置を制御する制御部を備える。
上記シミュレーションシステムでは、検出部の検出結果に応じて建築物に関する画像が表示されるため、建築物のシミュレーションを容易に実施できる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記制御部は前記建築物の画像、および、外構の画像の少なくとも一方が表示されるように前記表示装置を制御する。
このため、多様なシミュレーションを実施できる。
【0007】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記制御部は前記建築物に関する画像に加え、建築物に付随する付加情報がさらに表示されるように前記表示装置を制御する。
このため、多様なシミュレーションを実施できる。
【0008】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記画像が表示される被表示部をさらに備える。
このため、利便性が高められる。
【0009】
(5)好ましい例では(1)~(4)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記ポータブルユニットを配置できるように構成される配置部をさらに備える。
このため、ポータブルユニットの位置が安定する。
【0010】
(6)好ましい例では(4)を引用する(5)に記載のシミュレーションシステムにおいて、テーブルをさらに備え、前記被表示部および前記配置部は前記テーブルに設けられる。
このため、シミュレーションシステムの構成を簡素化できる。
【0011】
(7)好ましい例では(1)~(6)のいずれか一項に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記ポータブルユニットをさらに備える。
このため、利便性が高められる。
【0012】
(8)好ましい例では(7)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記ポータブルユニットは建築物の構成要素に関する画像を表示する画像表示部を含む。
このため、建築物の構成要素を容易に把握できる。
【0013】
(9)好ましい例では(8)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記ポータブルユニットは前記画像に対応する識別情報を表示する識別部をさらに含む。
このため、画像を容易に識別できる。
【0014】
(10)好ましい例では(9)に記載のシミュレーションシステムにおいて、前記ポータブルユニットは多面体であり、前記画像表示部および前記識別部は前記多面体を構成する複数の面の互いに異なる面に設けられる。
このため、画像表示部と識別部とを容易に対応付けることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に関するシミュレーションシステムによれば、建築物のシミュレーションを容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態のシミュレーションシステムに関する図。
【
図3】
図1の第1種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図4】
図3とは別の第1種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図5】
図3および
図4とは別の第1種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図7】
図1の第2種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図8】
図7とは別の第2種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図9】
図7および
図8とは別の第2種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図10】
図7~
図9とは別の第2種ポータブルユニットに設けられる画像表示部および識別部に関する図。
【
図12】
図1のシミュレーションシステムのブロック図。
【
図13】配置部にポータブルユニットが配置されていないときの表示装置が被表示部に表示する建築物関連画像の斜視図。
【
図14】配置部の第1領域の奥側領域に第1種ポータブルユニットが配置されている状態の配置部の平面図。
【
図15】
図14の場合において表示装置が被表示部に表示する建築物関連画像の斜視図。
【
図16】配置部の第1領域の奥側領域に第1種ポータブルユニットが配置され、第1領域の手前側領域に第2種ポータブルユニットが配置され、第3領域の奥側領域に第1ポータブルユニットが配置されている状態の配置部の平面図。
【
図17】
図16の場合において表示装置が被表示部に表示する建築物関連画像の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態)
図1を参照してシミュレーションシステム1の一例について説明する。シミュレーションシステム1は建築物に関する画像(以下「建築物関連画像」という)を表示することによって建築物のシミュレーションを容易に実施できるように構成されるシステムである。建築物関連画像は建築物の画像、および、建築物に関連する要素に関する画像を含む。建築物は例えば、住居のインテリア、内装、外装、および、間取り、ならびに、ガレージのインテリア、内装、および、外装を含む。建築物の間取りは例えば、リビング、ダイニング、リビングダイニング、キッチン、寝室、応接室、書斎、玄関、ホール、廊下、階段室、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、物置、および、納戸の少なくとも1つの配置を含む。建築物に関連する要素は例えば、外構、ポーチ、および、車を含む。このため、多様なシミュレーションを実施できる。シミュレーションシステム1が設置される場所は任意に選択できる。第1例では、シミュレーションシステム1の構成要素の少なくとも一部は移動式展示場の屋内または屋外に設置される。第2例では、シミュレーションシステム1の構成要素の少なくとも一部は常設展示場の屋内または屋外に設置される。
【0018】
シミュレーションシステム1を構成する主な要素は複数のポータブルユニット10、テーブル60、カメラ80、端末装置90(
図12参照)、および、表示装置100である。複数のポータブルユニット10は建築物のシミュレーションのために用意される。ポータブルユニット10の形態は任意に選択できる。第1例では、ポータブルユニット10は多面体である。より好ましい例では、
図1等に示されるように、ポータブルユニット10は六面体である。第2例では、ポータブルユニット10は小型パネルである。ポータブルユニット10を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、ポータブルユニット10はユーザが容易に操作できるように軽量な材料によって構成される。その一例は、木、スチレンボード、紙、および、合成樹脂である。
【0019】
複数のポータブルユニット10は第1種ポータブルユニット20および第2種ポータブルユニット30に分類される。第1種ポータブルユニット20は主に住居およびガレージのシミュレーションのために用いられる。第1種ポータブルユニット20の数は1または複数である。一例では、第1種ポータブルユニット20の数は3である。以下では、3つの第1種ポータブルユニット20を区別するために、3つの第1種ポータブルユニット20をそれぞれ、第1種ポータブルユニット20A、第1種ポータブルユニット20B、および、第1種ポータブルユニット20Cと称することがある。
【0020】
第2種ポータブルユニット30は主に外構およびポーチのシミュレーションのために用いられる。第2種ポータブルユニット30の数は1または複数である。一例では、第2種ポータブルユニット30の数は4である。以下では、4つの第2種ポータブルユニット30を区別するために、4つの第2種ポータブルユニット30をそれぞれ、第2種ポータブルユニット30A、第2種ポータブルユニット30B、第2種ポータブルユニット30C、および、第4種ポータブルユニット30Dと称することがある。
【0021】
複数のポータブルユニット10はそれぞれ、画像表示部40および識別部50を備える。なお、
図1、
図2、および、
図6では、図面簡略化のため、画像表示部40および識別部50の一部または全部の表示を省略している。画像表示部40および識別部50は多面体を構成する複数の面の互いに異なる面に設けられる。このため、画像表示部40と識別部50とを容易に対応付けることができる。画像表示部40は建築物の構成要素に関する画像(以下「モデル画像」という)を表示する。建築物の構成要素は建築物関連画像のモデルである。識別部50はモデル画像に対応する識別情報を表示する。識別部50の形態は任意に選択できる。一例では、識別部50は一次元コードまたは二次元コードである。
【0022】
図2に示されるように、第1種ポータブルユニット20は例えば直方体である。第1種ポータブルユニット20に設けられる画像表示部40は第1画像表示部41、第2画像表示部42、および、第3画像表示部43を含む。第1画像表示部41は第1種ポータブルユニット20の第1面21に設けられる。第2画像表示部42は第1種ポータブルユニット20の第2面22に設けられる。第3画像表示部43は第1種ポータブルユニット20の第3面23に設けられる。
【0023】
第1種ポータブルユニット20に設けられる識別部50は第1識別部51、第2識別部52、および、第3識別部53を含む。第1識別部51は第1画像表示部41が表示するモデル画像に対応する識別情報を表示する。第1識別部51は第1種ポータブルユニット20の第4面24に設けられる。第4面24は第1面21と反対側に設けられる面である。
【0024】
第2識別部52は第2画像表示部42が表示するモデル画像に対応する識別情報を表示する。第2識別部52は第1種ポータブルユニット20の第5面25に設けられる。第5面25は第2面22と反対側に設けられる面である。
【0025】
第3識別部53は第3画像表示部43が表示するモデル画像に対応する識別情報を表示する。第3識別部53は第1種ポータブルユニット20の第6面26に設けられる。第6面26は第3面23と反対側に設けられる面である。
【0026】
図3は第1種ポータブルユニット20Aに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第1種ポータブルユニット20Aに設けられる画像表示部40はガレージに関する画像モデルを表示する。第1種ポータブルユニット20Aの第1画像表示部41はフラット屋根の2階建てのガレージを表示する。第1種ポータブルユニット20Aの第2画像表示部42は片流れ屋根の2階建てのガレージを表示する。第1種ポータブルユニット20Aの第3画像表示部43は切妻屋根の2階建てのガレージを表示する。
【0027】
図4は第1種ポータブルユニット20Bに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第1種ポータブルユニット20Bに設けられる画像表示部40は住居に関する画像モデルを表示する。第1種ポータブルユニット20Bの第1画像表示部41はフラット屋根の2階建ての住居を表示する。第1種ポータブルユニット20Bの第2画像表示部42は片流れ屋根の2階建ての住居を表示する。第1種ポータブルユニット20Bの第3画像表示部43は切妻屋根の2階建ての住居を表示する。
【0028】
図5は第1種ポータブルユニット20Cに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第1種ポータブルユニット20Cに設けられる画像表示部40は住居の増築に関する画像モデルを表示する。第1種ポータブルユニット20Cの第1画像表示部41はフラット屋根の2階建ての住居の増築モデルを表示する。第1種ポータブルユニット20Cの第2画像表示部42は片流れ屋根の2階建ての住居の増築モデルを表示する。第1種ポータブルユニット20Cの第3画像表示部43は切妻屋根の2階建ての住居の増築モデルを表示する。
【0029】
図6に示されるように、第2種ポータブルユニット30は例えば直方体である。第2種ポータブルユニット30の長辺30Xの長さは第1種ポータブルユニット20の長辺20X(
図2参照)の長さと実質的に等しい。第2種ポータブルユニット30の高さ30Yは第1種ポータブルユニット20の高さ20Y(
図2参照)よりも低い。第2種ポータブルユニット30に設けられる画像表示部40は第1画像表示部41および第2画像表示部42を含む。第1画像表示部41は第2種ポータブルユニット30の第1面31に設けられる。第2画像表示部42は第2種ポータブルユニット30の第2面32に設けられる。
【0030】
第2種ポータブルユニット30に設けられる識別部50は第1識別部51および第2識別部52を含む。第1識別部51は第1画像表示部41が表示するモデル画像に対応する識別情報を表示する。第1識別部51は第2種ポータブルユニット30の第3面33に設けられる。第3面33は第1面31と反対側に設けられる面である。
【0031】
第2識別部52は第2画像表示部42が表示するモデル画像に対応する識別情報を表示する。第2識別部52は第2種ポータブルユニット30の第4面34に設けられる。第4面34は第2面32と反対側に設けられる面である。
【0032】
図7は第2種ポータブルユニット30Aに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第2種ポータブルユニット30Aに設けられる画像表示部40は外構に関する画像モデルを表示する。第2種ポータブルユニット30Aの第1画像表示部41はフ芝生を表示する。第2種ポータブルユニット30Aの第2画像表示部42は庭園を表示する。
【0033】
図8は第2種ポータブルユニット30Bに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第2種ポータブルユニット30Bに設けられる画像表示部40は外構に関する画像モデルを表示する。第2種ポータブルユニット30Bの第1画像表示部41は敷石を表示する。第2種ポータブルユニット30Aの第2画像表示部42はレイズドベッドを表示する。
【0034】
図9は第2種ポータブルユニット30Cに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第2種ポータブルユニット30Cに設けられる画像表示部40は外構に関する画像モデルを表示する。第2種ポータブルユニット30Cの第1画像表示部41はデッキポーチを表示する。第2種ポータブルユニット30Cの第2画像表示部42は屋根付きポーチを表示する。
【0035】
図10は第2種ポータブルユニット30Dに設けられる画像表示部40および識別部50の一例である。第2種ポータブルユニット30Dに設けられる画像表示部40は外構に関する画像モデルを表示する。第2種ポータブルユニット30Cの第1画像表示部41は温室ポーチを表示する。第2種ポータブルユニット30Cの第2画像表示部42はパーゴラを表示する。
【0036】
図1に示されるテーブル60は被表示部61および配置部62を備える。被表示部61はテーブル60の表面60Aのうちの表示装置100によって建築物関連画像が表示される部分である。被表示部61のうちの建築物関連画像が表示される領域61Xは第1領域61A、第2領域61B、第3領域61C、第4領域61D、第5領域61E、および、第6領域61Fに区分される。なお、
図1等では、領域61Xを二点鎖線で示している。
【0037】
配置部62は複数のポータブルユニット10を配置できるように構成される。このため、ポータブルユニット10の位置が安定する。配置部62の構成は任意に選択できる。
図11に示される例では、配置部62はテーブル60に設けられる凹部63、凹部63の底に設けられる透明板64、および、凹部63を区画する仕切板65を含む。
【0038】
透明板64の一例はガラス板およびアクリル板である。凹部63に設けられる仕切板65の数は1または複数である。一例では、凹部63に設けられる仕切板65の数は2枚である。凹部63は2枚の仕切板65によって、第1領域71、第2領域72、および、第3領域73に区画される。
【0039】
各領域71、72、73はそれぞれ1つの第1種ポータブルユニット20、および、1つの第2種ポータブルユニット30を配置することができる大きさを有する。各領域71、72、73はさらに、テーブル60の一方の縁60Xに近い手前側領域71A、72A、72A、および、テーブル60の一方の縁60Xから遠い奥側領域71B、72B、72Bにそれぞれ区分される。各領域71、72、73にポータブルユニット10が配置されることによって、配置されたポータブルユニット10の画像表示部40が表示しているモデル画像に対応する建築物関連画像が被表示部61の領域61X(
図1参照)に表示される。
【0040】
第1領域71の手前側領域71Aにポータブルユニット10が配置された場合、第1領域61A(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。第1領域71の奥側領域71Bにポータブルユニット10が配置された場合、第2領域61B(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。第2領域72の手前側領域72Aにポータブルユニット10が配置された場合、第3領域61C(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。第2領域72の奥側領域72Bにポータブルユニット10が配置された場合、第4領域61D(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。第3領域73の手前側領域73Aにポータブルユニット10が配置された場合、第5領域61E(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。第3領域73の奥側領域73Bにポータブルユニット10が配置された場合、第6領域61F(
図1参照)に建築物関連画像が表示される。
【0041】
カメラ80は領域71、72、73の全体を撮影できるように、透明板64と対向する位置に設けられる。カメラ80は領域71、72、73を底から撮影した静止画または動画(以下「配置部情報」という)を端末装置90(
図12参照)に送信できるように、端末装置90と接続される。カメラ80と端末装置90との通信の形態は無線通信または有線通信である。
【0042】
図12に示される端末装置90の一例はパーソナルコンピュータ、サーバ、または、スマートデバイスである。スマートデバイスの一例はタブレットおよびスマートフォンである。端末装置90がサーバである場合、端末装置90は展示場の屋内または屋外に設置される。
図12に示される例では、端末装置90はパーソナルコンピュータである。端末装置90は記憶装置91およびプロセッサ92を備える。記憶装置91は例えばハードディスク等の補助記憶装置である。記憶装置91には、被表示部61(
図1参照)に建築物関連画像を表示するための1または複数のアプリケーションソフトウェア(以下「画像表示ソフト」)が記憶されている。
【0043】
プロセッサ92は記憶装置91と通信できるように記憶装置91と接続されている。プロセッサ92が記憶装置91に記憶されている画像表示ソフトを実行することによって、プロセッサ92の1または複数の機能ブロックが構築される。1または複数の機能ブロックには、検出部PA、算出部PB、および、制御部PCが含まれる。プロセッサ92による画像表示ソフトの実行により得られた情報は記憶装置91に記憶される。
【0044】
検出部PAはカメラ80から送信される配置部情報に基づいて、配置部62に配置されているポータブルユニット10の識別部50と、領域61Xのうちの識別部50が存在する領域を検出する。算出部PBは検出部PAの検出結果を参照して、建築物に付随する付加情報を算出する。このため、多様なシミュレーションを実施できる。付加情報はモデル金額情報およびモデル環境負荷情報を含む。モデル金額情報は例えば、被表示部61(
図1参照)に表示されている建築物関連画像に対応する建築物を実際に施工する場合に要する金額である。モデル環境負荷情報は例えば、被表示部61に表示されている建築物関連画像に対応する建築物の温室効果ガスの排出量である。制御部PCは検出部PAの検出結果を参照して、被表示部61に建築物関連画像が表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは算出部PBの算出結果を参照して、被表示部61にモデル金額情報およびモデル環境負荷情報が表示されるように表示装置100を制御する。
【0045】
表示装置100は建築物関連画像を被表示部61の領域61Xに投影することによって建築物関連画像を領域61Xに表示する。表示装置100は例えばプロジェクタである。表示装置100は検出部PAの検出結果に基づく建築物関連画像を被表示部61に投影できる位置に設置される。表示装置100の数は1または複数である。配置部62にポータブルユニット10が配置されていない場合、換言すれば、領域61Xに識別部50が存在しない場合、表示装置100は
図13に示されるように、被表示部61に敷地110、第1情報表示部120、および、第2情報表示部130を表示する。第1情報表示部120はモデル金額情報を表示する部分である。第2情報表示部130はモデル環境負荷情報を表示する部分である。被表示部61に敷地110のみが表示される場合、第1情報表示部120および第2情報表示部130には、例えば、敷地110に関する情報、および、敷地110の周辺に関する情報が表示される。
【0046】
図14~
図17を参照して、シミュレーションシステム1の使用方法の一例について説明する。
図14に示されるように、例えば、第1領域71の奥側領域71Bに第2画像表示部42が上面となるように第1種ポータブルユニット20Bが配置される。この場合、検出部PAはカメラ80から送信される配置部情報に基づいて、奥側領域71Bに第2識別部52が存在していることを検出する。算出部PBは検出部PAの検出結果を参照して、片流れ屋根の2階建ての住居に関するモデル金額情報およびモデル環境負荷情報を算出する。制御部PCは
図15に示されるように、第2領域61Bに片流れ屋根の2階建ての住居の建築物関連画像が表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは片流れ屋根の2階建ての住居に関するモデル金額情報が第1情報表示部120に表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは片流れ屋根の2階建ての住居に関するモデル環境負荷情報が第2情報表示部130に表示されるように表示装置100を制御する。
【0047】
図16に示されるように、
図14に示される状態から、例えば、第1領域71の手前側領域71Aに第2画像表示部42が上面となるように第2種ポータブルユニット30Dがさらに配置され、第3領域73の奥側領域73Bに第1画像表示部41が上面となるように第1種ポータブルユニット20Aがさらに配置される。この場合、検出部PAはカメラ80から送信される配置部情報に基づいて、手前側領域71Aに第2識別部52が存在していることを検出し、奥側領域73Bに第1識別部51が存在していることを検出する。算出部PBは検出部PAの検出結果を参照して、片流れ屋根の2階建ての住居、パーゴラ、および、フラット屋根の2階建ての住居に関するモデル金額情報の合計金額を算出する。算出部PBは検出部PAの検出結果を参照して、片流れ屋根の2階建ての住居、パーゴラ、および、フラット屋根の2階建ての住居に関するモデル環境負荷情報の合計値を算出する。
【0048】
制御部PCは
図17に示されるように、第1領域61Aにパーゴラの建築物関連画像が表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは第6領域61Fにフラット屋根の2階建ての住居の建築物関連画像が表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは片流れ屋根の2階建ての住居、パーゴラ、および、フラット屋根の2階建ての住居に関するモデル金額情報の合計金額が第1情報表示部120に表示されるように表示装置100を制御する。制御部PCは片流れ屋根の2階建ての住居、パーゴラ、および、フラット屋根の2階建ての住居に関するモデル環境負荷情報の合計値が第2情報表示部130に表示されるように表示装置100を制御する。
【0049】
シミュレーションシステム1の作用および効果について説明する。
ポータブルユニット10を検出する検出部PAの検出結果に応じて建築物関連画像が表示されるため、建築物のシミュレーションを容易に実施できる。
【0050】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関するシミュレーションシステムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するシミュレーションシステムは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0051】
・表示装置100の構成は任意に変更できる。変形例のシミュレーションシステム1の表示装置100は建築物関連画像を表示する被表示部61としてのディスプレイを含む。この変形例の場合、表示装置100のディスプレイは例えば、テーブル60上に設置される。
【0052】
・表示装置100が建築物関連画像を投影する場所は任意に選択できる。変形例のシミュレーションシステム1の表示装置100は被表示部61としての壁に建築物関連画像を投影することによって壁に建築物関連画像を表示する。
【0053】
・算出部PBが算出する付加情報の内容は任意に変更できる。変形例のシミュレーションシステム1の算出部PBはモデル金額情報およびモデル環境負荷情報に代えて、または、加えて、日照シミュレーションに関する情報、通風シミュレーションに関する情報、および、法規チェックに関する情報の少なくとも1つを算出する。
【0054】
・制御部PCによる建築物関連画像の表示方法は任意に変更できる。変形例のシミュレーションシステム1の制御部PCはポータブルユニット10が配置される領域に応じてモデル画像に対応する建築物関連画像を変形する。変形例のシミュレーションシステム1の制御部PCは手前側領域71A、72A、73Aに2階建てのガレージ、住居、および、住居の増築モデルに関する画像モデルを表示する画像表示部40が上面となるようにポータブルユニット10が配置された場合、対応する領域61Xに表示する建築物関連画像を平屋のガレージ、住居、および、住居の増築モデルに変更する。この変形例の制御部PCは例えば、手前側領域71Aに第2画像表示部42が上面となるように第1種ポータブルユニット20Bが配置された場合、第1領域61Aに片流れ屋根の平屋の住居の建築物関連画像が表示されるように表示装置100を制御する。
【符号の説明】
【0055】
1 :シミュレーションシステム
10 :ポータブルユニット
40 :画像表示部
50 :識別部
60 :テーブル
61 :被表示部
62 :配置部
100:表示装置
PA :検出部
PC :制御部