(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】アスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布
(51)【国際特許分類】
E04D 5/02 20060101AFI20230111BHJP
D04H 3/004 20120101ALI20230111BHJP
D04H 3/04 20120101ALI20230111BHJP
D04H 3/16 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
E04D5/02 G
D04H3/004
D04H3/04
D04H3/16
E04D5/02 E
(21)【出願番号】P 2018205332
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩根 正好
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太郎
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-268159(JP,A)
【文献】特開平08-072184(JP,A)
【文献】特開2002-327361(JP,A)
【文献】特開2007-125734(JP,A)
【文献】特開2003-320616(JP,A)
【文献】特開平09-300521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 5/02
D04H 3/004
D04H 3/04
D04H 3/16
B32B 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二層の不織布の間に複数本のガラス繊維を前記不織布の縦方向に略平行に存在させた積層不織布に樹脂を含浸したガラス繊維補強積層不織布であって、厚みが0.4mm以上0.6mm以下であり、目付/厚みの値が0.25g/cm
3以上0.35g/cm
3以下であり、縦方向の熱時2%伸長時応力が80N/5cm以上であるアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
【請求項2】
目付が100g/m
2以上200g/m
2以下である請求項1に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
【請求項3】
不織布が長繊維不織布である請求項1または2に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
【請求項4】
長繊維不織布がポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布である請求項3に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト防水基布に用いられるガラス繊維補強積層不織布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アスファルト防水基布の施工は、新築用途の熱工法やトーチ工法から施工期間の短い改修工事用途の自着工法に主流が変化してきている。
アスファルト防水に使用される基布として、高強力、高弾性率および寸法安定性を得るために、二層の不織布の間にガラス繊維等を一方向に挟む、あるいはガラス繊維等からなるネットを挟んだ積層シートが検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、アスファルト加工時の収縮による加工性を改善することを課題としており、自着工法特有の要求特性であるアスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性については検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アスファルト加工後のアスファルト防水基布に柔軟性を与えることが可能であるアスファルト防水基布が得られるアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布を提供することを課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0006】
1.二層の不織布の間に複数本のガラス繊維を前記不織布の縦方向に略平行に存在させた積層不織布に樹脂を含浸したガラス繊維補強積層不織布であって、厚みが0.4mm以上0.6mm以下であり、目付/厚みの値が0.25g/cm3以上0.35g/cm3以下であり、縦方向の熱時2%伸長時応力が80N/5cm以上であるアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
2.目付が100g/m2以上200g/m2以下である上記1に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
3.不織布が長繊維不織布である上記1または2に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
4.長繊維不織布がポリエチレンテレフタレートスパンボンド不織布である上記3に記載のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布を用いたアスファルト防水基布は、アスファルト加工後のアスファルト防水基布が柔軟であるため、自着工法等に使用する際、基布が柔軟であるため施工性が極めて優れるという効果を持つアスファルト防水基布が得られるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者等は、アスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性を向上させるため鋭意検討した結果、同じ目付のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布であれば、その厚みを薄くすることにより、柔軟性が向上することを見出した。
【0009】
しかし、同じ目付でガラス繊維補強積層不織布の厚みを薄くするため、加熱圧着加工時に加熱温度を上げたり、加圧する圧力を上げたりして加工を実施した場合、加工時に積層不織布中のガラス繊維が加熱圧着加工により潰されてしまい破断してしまう問題があった。その結果、得られるガラス繊維補強積層不織布の強度が要求される品質に未達となってしまうおそれがあった。そこで、発明者らは施工性が良好となるガラス繊維補強積層不織布の厚みを検討すると共に、加熱圧着条件等の検討を実施し、ついに本発明に到達した。以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明のガラス繊維を挟む二層の不織布としては、長繊維不織布、短繊維不織布のいずれでもよいが、一般的に強力が高い長繊維不織布が好ましく、なかでもスパンボンド不織布が好ましい。不織布の素材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン系樹脂等があり限定されるものではないが、なかでも強度、耐熱性等の特性に優れるポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)を用いることがより好ましい。なお、10質量%以下であれば、PET以外のポリエステルがブレンドされた不織布を使用してもよい。PET不織布に使用するPET樹脂の固有粘度は、特に限定されないが、0.6以上が好ましい。
【0011】
本発明のガラス繊維を挟む二層の不織布を構成する繊維(単繊維)の繊度は、0.1dtex以上10dtex以下が好ましく、1dtex以上5dtex以下がより好ましい。繊度が0.1dtex未満では不織布の強力や引裂き強さが低下してアスファルト加工後の物性が低下する。また、繊度が10dtexを超えると繊維が太くなり不織布の厚み低下を阻害するため、アスファルト加工後のガラス繊維補強積層不織布の柔軟性が得られなくなる。
【0012】
本発明のガラス繊維を挟む二層の不織布の目付は、30g/m2以上100g/m2以下が好ましく、40g/m2以上80g/m2以下がより好ましい。目付が30g/m2未満ではガラス繊維補強積層不織布の必要とする強力や伸度が得られない。また、目付が100g/m2を越えると不織布の繊維量が多く、コストアップやアスファルト加工後のガラス繊維補強積層不織布の柔軟性に必要な厚みが得られない。
【0013】
本発明で使用するガラス繊維としてはマルチフィラメント、モノフィラメントのいずれでもよいが、マルチフィラメントが好ましい。ガラス繊維としては、公知のガラス繊維を使用することができる。また、ガラス繊維はアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布の強力が維持できる範囲で細いものが好ましく、ガラス繊維の繊度は、20tex以上50tex以下が好ましく、繊維径としては、0.7mm以下が好ましい。ガラス繊維の繊度が20tex未満になると繊維が細くなり必要な強力が得られない他、加熱圧着加工により破断して必要な初期応力が得られなくなる。繊度が50texを超えると繊維が太くなり過ぎて加熱圧着加工によるアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布の厚みが下がりにくく、ガラス繊維による凹凸が発生して品位が悪化する。
【0014】
本発明のガラス繊維は、不織布間の縦方向(製造時機械方向)に略平行に所定の間隔で挿入するのが好ましい。挿入ピッチは2~30mmが好ましく、2~10mmがより好ましく、3~6mmがさらに好ましい。挿入ピッチを大きくするとアスファルト含浸後に不織布の収縮により表面に凹凸が発生しやすくなる。挿入ピッチを小さくすると積層不織布の柔軟性が低下する。
【0015】
二層の不織布とガラス繊維を積層した積層不織布に含浸させる樹脂(バインダー樹脂)としては、尿素系、メラミン系とアクリル系、エポキシ系等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など公知のものを使用することができ、これらは適宜併用して使用される。上記樹脂の付着量を管理することで、積層不織布のアスファルト加工時の耐熱性を付与する。樹脂の付着量としては、積層不織布の10質量%以上40質量%以下が好ましく、20質量%以上30質量%以下がより好ましい。この範囲であれば、積層不織布のアスファルト加工時の耐熱性とアスファルト含浸性が両立できる。樹脂の付着量が10質量%未満では耐熱性が付与できず、アスファルト加工時の工程張力に耐え切れずに破断や巻き付きトラブルが発生しやすくなる。また、40質量%を超えるとアスファルトの含浸性が低下すると共にガラス繊維補強積層不織布の剛性が高くなりアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布の引裂き強さが低下しやすくなる。
【0016】
本発明のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布の製造方法の一例を以下に示す。
まず、公知の方法でPETスパンボンド不織布を製造する。続いて、二層のPETスパンボンド不織布の間に複数本のガラス繊維を前記不織布の縦方向に略平行に存在するよう挿入し、積層した後、ニードルパンチによって積層一体化し、積層不織布を得る。得られた積層不織布に加熱圧着処理を行った後、樹脂を含浸処理し、ガラス繊維補強積層不織布を製造する。
【0017】
前記加熱圧着処理の方法としては、エンボスロールとフラットカレンダーや、フラットカレンダーとフラットカレンダー間で加熱圧着する方法が挙げられる。加熱圧着処理の加熱温度は190℃以上220℃以下が好ましく、195℃以上210℃以下がより好ましい。加熱圧着処理の加圧線圧は200N/cm以上350N/cm以下が好ましく、225N/cm以上325N/cm以下がより好ましい。加熱圧着処理の加工速度は8m/分以上15m/分以下が好ましく、10m/分以上13m/分以下がより好ましい。
【0018】
加熱圧着処理の加熱温度が190℃未満では、ガラス繊維補強積層不織布の厚みを所望の厚みまで十分に下げることができない。また、加熱温度が220℃を超えるとガラス繊維補強積層不織布の収縮が大きくなる。
加熱圧着処理の加圧線圧が200N/cm未満ではガラス繊維補強積層不織布の厚みを所望の厚みまで十分に下げることができない。また、加圧線圧が350N/cmを越えるとガラス繊維が破断してガラス繊維補強積層不織布に必要な強力を得ることが困難になる。
加熱圧着処理の加工速度が8m/分未満では生産性が悪くなってしまう。また、加工速度が15m/分を超えると、ガラス繊維補強積層不織布の厚みを所望の厚みまで十分に下げるために加熱温度および加圧線圧を従来より上げた上記生産条件では、ガラス繊維が破断してガラス繊維補強積層不織布に必要な強力を得ることができなくなる。
【0019】
エンボスロールを使用する時のエンボスロールの圧着面積率としては8%以上15%以下が好ましく、10%以上13%以下がより好ましい。圧着面積率が8%未満であると圧着面積が減少し、ガラス繊維補強積層不織布の厚みを下げにくくなる。また、圧着面積率が15%を超えると圧着面積が多くなり、エンボス部分でガラス繊維が破断してガラス繊維補強積層不織布に必要な強力を得ることが困難になる。
【0020】
前記樹脂の含浸処理の方法としては、樹脂(エマルジョン)の入った容器中に積層不織布を浸す、いわゆるディッピング法によって樹脂を積層不織布に含浸させ適宜乾燥させることが好ましい。
得られた樹脂含浸不織布は、乾燥およびキュアリング工程を通過させて、樹脂による皮膜を張らせることが好ましい。ディッピングよって樹脂を不織布中に多量に含浸させることで、耐熱性に優れた樹脂含浸不織布であるガラス繊維補強積層不織布が得られる。
【0021】
本発明のガラス繊維補強積層不織布の目付は、100g/m2以上200g/m2以下が好ましく、120g/m2以上180g/m2以下がより好ましく、140g/m2以上170g/m2以下がさらに好ましい。目付が100g/m2未満の場合はアスファルト加工後のアスファルト防水基布に必要とされる横方向の引張強度が不足する場合がある。また、目付が200g/m2を超えると、アスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性が悪くなり、施工時の施工性が悪くなる。
【0022】
本発明のガラス繊維補強積層不織布の厚みは0.4mm以上0.6mm以下であり、0.42mm以上0.56mm以下が好ましく、0.45mm以上0.52mm以下がより好ましい。厚みが0.4mm未満の場合はアスファルト加工後のアスファルト防水基布に必要とされる横方向の引張強度が不足する場合がある。また、厚みが0.6mmを超えるとアスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性が悪くなり、施工時の施工性が悪くなる。
【0023】
本発明のガラス繊維補強積層不織布の目付/厚みの値は0.25g/cm3以上0.35g/cm3以下であり、0.27g/cm3以上0.33g/cm3以下が好ましく、0.28g/cm3以上0.31g/cm3以下がより好ましい。ガラス繊維補強積層不織布の厚みは、もちろんのことながら目付が低いものは厚みが小さくなる。本発明のガラス繊維補強積層不織布はアスファルト加工後のアスファルト防水基布に必要とされる横方向の引張強度が不足しない目付でありながら、厚みが小さいものであり、目付が小さいため厚みが小さくなるものが本発明のガラス繊維補強積層不織布に含まれないようにするため本規定を設けたものである。
【0024】
本発明のガラス繊維補強積層不織布は、アスファルト加工時の工程張力に耐えうるために、熱時2%伸長時応力が80N/5cm以上であり、90N/5cm以上であることが好ましく、100N/5cm以上であることがより好ましい。ガラス繊維補強積層不織布中のガラス繊維は熱時2%伸長時にその応力が最大となり、ガラス繊維のダメージを熱時2%伸長応力で管理できる。すなわち、ガラス繊維補強積層不織布の熱時2%伸長時応力が80N/5cm未満の場合、ガラス繊維補強積層不織布中のガラス繊維がダメージを受け、場合によっては破断していることを意味する。熱時2%伸長時応力の上限値は特に限定しないが、通常は200N/5cm以下である。
【0025】
本発明のガラス繊維補強積層不織布の樹脂付着量は10質量%異常30質量%以下であることが好ましく、15質量%以上25質量%以下が好ましい。樹脂付着量が10質量%未満であると耐熱性が悪くなる。また、樹脂付着量が30質量%を超えると、アスファルト加工後のアスファルト防水基布の柔軟性が悪くなり、施工時の施工性が悪くなる。
【実施例】
【0026】
以下実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0027】
<不織布の目付>
JIS L 1913(2010) 6.2記載の方法に準拠し、20cm×20cmのサイズで測定した(単位:g/m2)。
【0028】
<不織布の厚み>
JIS L 1913(2010) 6.1記載の方法に準拠し、10cm×230cmのサイズで卓上式測定器(測定子=φ14.3mm)、荷重0.49N/cm2でn=40にて測定した。得られた厚みの平均値を厚みとした(単位:mm)。
【0029】
<不織布の縦方向の熱時2%伸長時応力>
JIS L 1913(2010) 6.3.1に記載の手順に従い、定速伸長型引張試験機(オリエンテック製テンシロン)と同試験機の恒温槽を用いて160℃雰囲気下で不織布の製品巾から巾50mm長さ200mmの試料片20点を採取し、試料片短辺を、つかみ間隔100mmとなるようつかみ、引張り速度200mm/分で測定し得られた160℃ 熱時の2%伸張時応力の平均値を160℃ 熱時2%伸張時応力とした(単位:N/5cm)。
【0030】
<アスファルト加工後のガラス繊維補強積層不織布の柔軟性>
得られた不織布に改質アスファルト(SBS 12質量%、ストレートアスファルト180-200 63質量%、充填材 25質量%)を2000g/m2含浸させた後、その両面にさらに2000g/m2の前記改質アスファルト層を両面ができるだけ均等になるよう設ける(改質アスファルト量は4000g/m2)。改質アスファルトを付着させた試料は厚さが3.3.mmになるように調整し、試料となる改質アスファルトシートを作製する。
得られた測定用の改質アスファルトシートをJIS A 6013(2005) 7.12に記載の耐折り曲げ性に記載の手順に従い、無処理、加熱後共に巾50mm長さ100mmの試料片5点につき恒温槽及び、折り曲げ装置を用いて180°に折り曲げて外面の亀裂の有無について測定した。亀裂のなかったものを○、亀裂のあったものを×として評価した。
【0031】
<実施例1>
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、口径0.30mmの丸断面ノズルを使用し、紡糸温度285℃、単孔吐出量1.25g/分で溶融紡糸し、エジェクターで引き取りつつ開繊して、ネットコンベア上に繊維配列がランダムになるように速度調整して堆積させた。単糸繊度2.7dtexの長繊維からなる目付60g/m2のウェブを得た。次いで圧着面積率7%の角錐台形状の凸部が千鳥配列されたエンボスロールで、195℃、線圧25kN/mでエンボス加工を行い、熱圧着タイプのスパンボンドを得た。
上記で得られたスパンボンド不織布2枚の間に、ガラスフィラメント(日本電気硝子(株)製ガラスヤーンECG1501/01ZY-95(番手33.1tex、引張強さ0.39N/tex以上 単繊維直径9.2±1.0μm)を長手方向(縦方向)に挿入し、積層した後、ニードル密度50本/cm2、ニードル針深度12mm(ニードルはオルガン社製FPD220使用)にてニードルパンチによる交絡処理を行い、ガラス繊維積層不織布を得た。
上記で得られたガラス繊維積層不織布を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧284N/cm、加工速度10m/分で加熱圧着処理し、次いで尿素メラミン樹脂とアクリル系樹脂をディップ法により付着させた(付着量が固形分21%)。その後150℃で5分の乾燥後、180℃で5分の熱処理を行い、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0032】
<実施例2>
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のカレンダーロールとカレンダーロール間で線圧268N/cm、加工速度10m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0033】
<実施例3>
実施例1において、加熱圧着処理を210℃のエンボスロールとカレンダーロール間で線圧345N/cm、加工速度8m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
<比較例1>
実施例1において、ガラスフィラメントを挿入せずに積層不織布を作成した以外は実施例1と同様にして、樹脂含浸積層不織布を作成した。得られた樹脂含浸積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0034】
<比較例2>
実施例1において、加熱圧着処理を180℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧180N/cm、加工速度12m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0035】
<比較例3>
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧440N/cm、加工速度10m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0036】
<比較例4>
実施例1において、加熱圧着処理を195℃のエンボスロールとフラットカレンダー間で線圧340N/cm、加工速度8m/分に変更した以外は実施例1と同様にして、ガラス繊維補強積層不織布を作成した。得られたガラス繊維補強積層不織布の物性を表1にまとめた。
【0037】
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のアスファルト防水基布用ガラス繊維補強積層不織布を用いたアスファルト防水基布は、アスファルト加工後のアスファルト防水基布が柔軟であるため、自着工法等に使用する際、基布が柔軟であるため施工性が極めて優れるという効果を持つアスファルト防水基布が得られ産業界への寄与大である。