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  • 特許-ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法 図1
  • 特許-ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01G 33/00 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
C01G33/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018219262
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2020083693
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000174541
【氏名又は名称】堺化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】浅間 亮太
(72)【発明者】
【氏名】水谷 英人
(72)【発明者】
【氏名】米田 稔
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-241658(JP,A)
【文献】特開2008-081378(JP,A)
【文献】特開2004-284889(JP,A)
【文献】Suksri, Chavalit et al. ,Key Engineering Materials,2016年,vol. 690,pp. 126-130,doi:10.4028/www.scientific.net/kem.690.126.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1);
MNbO (1)
(式中、Mはアルカリ金属元素を表す。)で表されるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法であって、
該製造方法は、ニオブ含有化合物と、アルカリ金属元素含有化合物と、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子と溶媒とを混合する工程(a)と、
該混合工程(a)で得られた混合液をソルボサーマル反応させる工程(b)とを含み、
該混合工程(a)における混合液中のアルカリ金属元素含有化合物の濃度が3~30mol/Lであり、該ソルボサーマル反応工程(b)における反応温度が130~300℃であることを特徴とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程(a)において、目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子の比表面積換算粒子径(DSSA)に対する、DSSA値の比が0.05~0.30となるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程(a)において、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子は、平均粒子径D 50 が0.015~0.15μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項4】
前記混合工程(a)におけるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子の添加量は、混合工程(a)で用いるニオブ含有化合物におけるニオブ原子100モル%に対して1~15モル%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項5】
前記混合工程(a)における混合液中のニオブ含有化合物由来のニオブ濃度は、0.4~2.0mol/Lであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項6】
前記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子のアルカリ金属元素は、カリウム及び/又はナトリウムであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項7】
前記式(1)におけるMは、ナトリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物は水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【請求項8】
前記式(1)におけるMは、カリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物は水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法に関する。より詳しくは、圧電セラミックス等の材料として好適に使用することができるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械的エネルギーと電気的エネルギーとを相互に変換することができる圧電セラミックスは、各種センサや超音波振動子といった従来の応用に加えて、最近では、例えば、パーソナルコンピュータの液晶バックライト用トランスやインクジェットプリンタ用ヘッド部品材料として使用されるなど、電子機器の小型化や高性能化に多大な貢献をしている。
【0003】
圧電セラミックスとしては現在、PZT系等の鉛系材料を原料としたものが主流であるが、鉛系材料は有害な酸化鉛を大量に含むことから、例えば廃棄の際における酸化鉛の流出による環境汚染が懸念されている。そこで、従来の鉛系材料に代替できる実用可能な無鉛圧電セラミック材料の開発が強く求められている。
【0004】
近年、比較的良好な圧電性を示す無鉛系セラミック材料として、ニオブ酸アルカリ系の圧電セラミックスが注目されている。
ニオブ酸アルカリ金属塩粒子を得る方法として、例えば固相法やソルボサーマル法(溶媒中で加熱処理を行う方法)が知られている。ソルボサーマル法に関して、特許文献1には、特定の構造で表されるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法であって、(a)ニオブ含有溶液と、0.1~30mol/Lの濃度を有するアルカリ溶液とを混合し、懸濁液を調製する工程と、(b)得られた懸濁液を80℃~150℃で12~48時間静置する工程と、(c)静置後の懸濁液を150℃~300℃で1~12時間ソルボサーマル反応させる工程と、(d)ソルボサーマル反応後の反応物からニオブ酸アルカリ金属塩粒子を回収する工程と、を含む、略直方体状ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法が開示されている。特許文献2には、ニオブ酸ナトリウム微粒子の製造方法であって,酸化ニオブと水酸化ナトリウム水溶液と別工程で製造したニオブ酸ナトリウムを含有する混合物を調製する工程と,該混合物に対して水熱処理を施す工程とを含むことを特徴とするニオブ酸ナトリウム微粒子の製造方法が開示されている。特許文献3には、水酸化アルカリ水溶液に斜方晶系の結晶構造を有する酸化物粉末と、界面活性剤とを添加して水熱合成を行い、種結晶を合成する工程と、当該種結晶と、水酸化アルカリ水溶液に前記種結晶と斜方晶系の結晶構造を有する酸化物粉末と、界面活性剤とを添加して再度の水熱合成を行う工程と、当該再度の水熱合成の反応後に得られる板状結晶を有機溶媒で洗浄する工程と、当該洗浄後の板状結晶の反応生成物を170℃以上700℃以下で焼成する工程と、を有することを特徴とする異方形状粉末の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-241658号公報
【文献】特開2013-224228号公報
【文献】特開2012-232862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、従来、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法として種々の方法が開発されているが、特許文献1、2の製造方法は、反応におけるニオブ濃度が低いため、バッチ当たり収量の点で充分ではなかった。また、特許文献3の製造方法は、粒子径が比較的大きい板状結晶を製造する方法であるが、圧電特性を向上させる観点から、圧電素子のドメインを微細化するために粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造することが求められている。従来の製造方法は、これらの要件を全て満たすものではなく、高いニオブ濃度で反応を行い、粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造することを可能とする製造方法を検討する余地があった。
【0007】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の方法よりも高いニオブ濃度で反応を行うことができ、尚且つ、粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造することができるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造する方法について種々検討したところ、ニオブ含有化合物と、特定の量のアルカリ金属元素含有化合物とニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子と溶媒とを混合する工程と、該混合工程で得られた混合液を特定の温度でソルボサーマル反応させる工程とを行うことにより、従来の方法よりも高いニオブ濃度で反応を行って、尚且つ、粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造できることを見出した。具体的には、本発明者らは、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の収量を向上させるために、特許文献1及び2に開示されている方法において、反応液中のニオブ濃度を上げることを考えた。しかしながら、単に反応液中のニオブ濃度を上げるのみではニオブ含有化合物が未反応のまま残り、収量を上げることはできなかった。上記検討を踏まえ更に検討を重ねた結果、本発明者らは、反応液中のアルカリ金属元素含有化合物の濃度を特定の範囲とすることにより、特許文献1及び2の方法よりも高いニオブ濃度で反応を行うことができることを見出した。また、ニオブ酸アルカリ金属塩の粒子径に関して、従来、ソルボサーマル反応温度を上げると、ニオブ酸アルカリ金属塩の粒子径が大きくなることが技術常識として考えられていたが、本発明者らは、130℃以上の比較的高い温度で粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造することができることを見出した。このような効果は、特許文献3や技術常識からは予測できない効果であるといえる。このようにして上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0009】
すなわち本発明は、下記式(1);
MNbO (1)
(式中、Mはアルカリ金属元素を表す。)で表されるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法であって、上記製造方法は、ニオブ含有化合物と、アルカリ金属元素含有化合物と、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子と溶媒とを混合する工程(a)と、上記混合工程(a)で得られた混合液をソルボサーマル反応させる工程(b)とを含み、上記混合工程(a)における混合液中のアルカリ金属元素含有化合物の濃度が3~30mol/Lであり、該ソルボサーマル反応工程(b)における反応温度が130~300℃であるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法である。
【0010】
上記混合工程(a)において、目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子の比表面積換算粒子径(DSSA)に対する、DSSA値の比が0.05~0.30となるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を用いることが好ましい。
【0011】
上記混合工程(a)におけるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子の添加量は、混合工程(a)で用いるニオブ含有化合物におけるニオブ原子100モル%に対して1~15モル%であることが好ましい。
【0012】
上記混合工程(a)における混合液中のニオブ含有化合物由来のニオブ濃度は、0.4~2.0mol/Lであることが好ましい。
【0013】
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子のアルカリ金属元素は、カリウム及び/又はナトリウムであることが好ましい。
【0014】
上記式(1)におけるMは、ナトリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物は水酸化ナトリウムであることが好ましい。
【0015】
上記式(1)におけるMは、カリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物は水酸化カリウムであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法は、上述の構成よりなり、従来の方法よりも高いニオブ濃度で反応を行うことができ、効率よく、粒子径が小さいニオブ酸アルカリ金属塩粒子を製造することができるため、圧電セラミックスの材料等に用いられるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1で得られたニオブ酸カリウム粒子(1)のXRD測定結果を示すチャートである。
図2】実施例1で得られたニオブ酸カリウム粒子(1)についてのSEM写真(倍率:5000倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
【0019】
<ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法>
1.工程(a)
本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法の工程(a)は、ニオブ含有化合物と、アルカリ金属元素含有化合物と、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子と溶媒とを混合する工程である。
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子は、後述するソルボサーマル反応工程(b)において、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の成長の核として機能するものである。工程(a)においてニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を混合することにより、微細なニオブ酸アルカリ金属塩粒子を得ることができる。
【0020】
本発明の製造方法は、混合工程(a)において、目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子の比表面積換算粒子径(DSSA)に対する、DSSA値の比が0.05~0.30となるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を用いることが好ましい。本発明者らは、原料である種粒子の粒子径と目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子の粒子径とが一定の比率となる関係性があることを見出した。このため、目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子のDSSAに対する比が特定の範囲である種粒子を用いることで所望の粒子径のニオブ酸アルカリ金属塩粒子を得ることができる。DSSA値の比としてより好ましくは0.10~0.27であり、更に好ましくは0.12~0.25である。
目的とするニオブ酸アルカリ金属塩粒子及び種粒子のDSSA値は、実施例に記載の方法により求めることができる。
【0021】
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子は、工程(b)においてニオブ酸アルカリ金属塩粒子の成長の核として機能する限り特に制限されないが、上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子は、比表面積換算粒子径(DSSA)が0.013~0.09μmであることが好ましい。これにより、得られるニオブ酸アルカリ金属塩粒子のDSSAをより好適な範囲とすることができ、より微細な粒子を得ることができる。種粒子のDSSAとしてより好ましくは0.014~0.08μmであり、更に好ましくは0.016~0.07μmである。種粒子の比表面積換算粒子径は、種粒子の比表面積と実施例に記載の換算式により算出することができる。
また、種粒子の平均粒子径D50は、0.015~0.15μmであることが好ましい。より好ましくは0.02~0.14μmであり、更に好ましくは0.03~0.12μmである。
種粒子の平均粒子径D50は、実施例に記載の粒度分布計により測定することができる。
【0022】
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子は、工程(b)においてニオブ酸アルカリ金属塩粒子の成長の核として機能する限り特に制限されないが、比表面積が15~100m/gであることが好ましい。これにより、得られるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の比表面積をより好適な範囲とすることができる。種粒子の比表面積としてより好ましくは17~90m/gであり、更に好ましくは20~80m/gである。
上記種粒子の比表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0023】
上記工程(a)におけるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子の添加量は、工程(b)において種粒子がニオブ酸アルカリ金属塩粒子の成長の核として機能する限り特に制限されないが、混合工程(a)で用いるニオブ含有化合物におけるニオブ原子100モル%に対して1~15モル%であることが好ましい。より好ましくは2~13モル%であり、更に好ましくは5~10モル%である。
【0024】
上記工程(a)におけるアルカリ金属元素含有化合物は、アルカリ金属元素を含むものであれば特に制限されないが、塩基性の化合物であることが好ましい。より好ましくはアルカリ金属元素の水酸化物である。
上記工程(a)における混合液中のアルカリ金属元素含有化合物の濃度は、3~30mol/Lである。アルカリ金属元素含有化合物の濃度を3mol/L以上とすることにより、混合液中のニオブ含有化合物の濃度を高めても、充分に反応させることができるため、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子を効率よく得ることができる。一方、アルカリ溶液の濃度が30mol/Lを超えると、通常アルカリ溶液は飽和濃度に達する。従ってアルカリ溶液の濃度の上限は、事実上はアルカリ飽和濃度であり、この上限はアルカリの性質に応じて変動しうる。上記アルカリ金属元素含有化合物濃度として好ましくは5~20mol/Lであり、より好ましくは6~14mol/Lである。
【0025】
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子及びアルカリ金属元素含有化合物並びに上記式(1)のMにおけるアルカリ金属元素として具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。アルカリ金属元素としてはこれらのうち1種を用いても2種以上を用いてもよい。アルカリ金属元素として好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムであり、より好ましくはナトリウム、カリウムである。
上記ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子のアルカリ金属元素が、カリウム及び/又はナトリウムである形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
上記アルカリ金属元素含有化合物が、水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムである形態もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
更に、上記式(1)におけるMが、ナトリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物が水酸化ナトリウムである形態や、式(1)におけるMが、カリウムであり、アルカリ金属元素含有化合物が水酸化カリウムである形態もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0026】
上記混合工程(a)における界面活性剤の使用量は、ニオブ含有化合物の使用量100質量%に対して0.1質量%未満であることが好ましい。これにより、得られるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の粒子径を好適な範囲とすることができ、略立方体状の粒子(異方性が少ない粒子)が得られやすくなる。より好ましくは0.05質量%未満であり、更に好ましくは0.01質量%未満であり、最も好ましくは0質量%である。
【0027】
上記混合工程(a)における混合液中のニオブ含有化合物由来のニオブ濃度は、0.4~2.0mol/Lであることが好ましい。これによりニオブ酸アルカリ金属塩粒子をより効率よく得ることができる。ニオブ濃度としてより好ましくは0.5~1.5mol/Lであり、更に好ましくは0.8~1.2mol/Lである。
【0028】
上記混合工程(a)における混合液中のニオブ含有化合物由来のニオブの量は、混合液中のアルカリ金属元素含有化合物由来のアルカリ金属元素100モル%に対して4~50モル%であることが好ましい。これによりニオブ酸アルカリ金属塩粒子をより効率よく得ることができる。より好ましくは5~20モル%であり、更に好ましくは6~15モル%である。
【0029】
上記ニオブ含有化合物は、ニオブ元素を含むものであれば特に制限されないが、好ましくは酸化ニオブ及びハロゲン化ニオブである。
ハロゲン化ニオブとしては、フッ化ニオブ、塩化ニオブ、臭化ニオブ、ヨウ化ニオブが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
ニオブ含有化合物としてより好ましくは酸化ニオブである。
【0030】
上記工程(a)において、ニオブ含有化合物と、アルカリ金属元素含有化合物と、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子と溶媒とを混合する方法は特に制限されず、これらを添加する順序や、上記成分を添加する際の形態も制限されない。ニオブ含有化合物、アルカリ金属元素含有化合物、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を固体の形態で混合してもよいが、これらを溶液又は懸濁液(スラリー)の形態で混合することが好ましい。これらの成分を溶液又は懸濁液をとする際の溶媒は、特に限定されないが、水;アルコール、ジオール、トリオール、アセトン等の親水性有機溶媒;水と親水性有機溶媒との混合溶媒等が挙げられる。これらのなかでも水が好ましい。
上記成分を溶液又は懸濁液の形態で混合する場合、アルカリ金属元素含有化合物の溶液に対して、ニオブ含有化合物の溶液又は懸濁液とニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子とを添加することが好ましい。
【0031】
上記工程(a)において混合する溶媒は、特に制限されず、上述の溶媒が挙げられる。好ましくは水である。
上記工程(a)において混合する溶媒の量は、特に制限されないが、混合液中のニオブ及びアルカリ金属元素含有化合物の濃度が上記好ましい範囲となるように溶媒の量を調整することが好ましい。上記工程(a)において溶媒を単独で添加してもよいが、ニオブ含有化合物、アルカリ金属元素含有化合物、ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子を溶液又は懸濁液として混合することにより、溶媒を添加することが好ましい。
【0032】
上記工程(a)において上記成分を混合する際の温度や圧力は特に限定されず、通常は常温(15℃~30℃)、常圧(約1気圧)の条件にて混合することができる。
【0033】
2.工程(b)
工程(b)は、混合工程(a)で得られた混合液をソルボサーマル反応させる工程(以下、ソルボサーマル反応工程ともいう)である。ソルボサーマル反応は、溶媒の存在下で加熱する反応であれば特に制限されない。上記溶媒として水を用いる場合、ソルボサーマル反応を水熱反応ともいう。
工程(b)における反応温度としては、130~300℃である。これにより、得られるニオブ酸アルカリ金属塩粒子の粒子径を好適な範囲とすることができる。反応温度が300℃を超えると粒子の成長が促進され、微粒子が得られない恐れがある。更に、反応温度を300℃以下とすることにより、製造コストを充分に抑制することができる。また、反応温度を130℃以上とすることにより、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の精製を充分に行うことができる。
反応温度としてより好ましくは130~250℃であり、更に好ましくは140~220℃である。
【0034】
工程(b)における反応系内の圧力は、特に制限されないが、0.10~10.0MPaであることが好ましい。より好ましくは0.2~5.0MPaであり、更に好ましくは0.3~4.0MPaである。
【0035】
工程(b)における反応時間は、特に制限されないが、1~12時間であることが好ましく、より好ましくは1~8時間であり、更に好ましくは2~5時間である。
【0036】
工程(b)のソルボサーマル反応に用いられる装置としては特に制限されないが、オートクレーブ等が挙げられる。
【0037】
3.工程(a)及び工程(b)以外のその他の工程
本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法は、上記工程(a)及び工程(b)以外のその他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、工程(b)で得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子を回収する工程(以下、回収工程ともいう)、回収したニオブ酸アルカリ金属塩粒子を洗浄する工程(以下、洗浄工程ともいう)、乾燥する工程(以下、乾燥工程ともいう)等が挙げられる。
【0038】
上記回収工程は、工程(b)で得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子を回収することができる限り特に制限されないが、ろ過や遠心分離により工程(b)で得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子を含む懸濁液からニオブ酸アルカリ金属塩粒子を回収することが好ましい。
【0039】
上記洗浄工程は、工程(b)で得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子を洗浄することができる限り特に制限されないが、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子を水等の溶媒に分散させた後、加圧ろ過や遠心沈降やデカンテーションにより分散液からニオブ酸アルカリ金属塩粒子を分離することにより行うことが好ましい。
洗浄工程を行う回数は特に制限されず、通常1~10回である。
【0040】
上記乾燥工程は、工程(b)で得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子から溶媒が蒸発し、乾燥することができる限り特に制限されないが、例えば、箱型乾燥機等を用いて乾燥することが好ましい。
乾燥温度は特に制限されず、50℃~150℃で行うことができる。
乾燥時間は特に制限されず、通常3~24時間であり、好ましくは5~15時間である。
【0041】
<ニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子の製造方法>
本発明の工程(a)において用いられるニオブ酸アルカリ金属塩の種粒子の製造方法は特に制限されないが、ニオブ含有化合物とアルカリ金属元素含有化合物と溶媒とを混合する工程と、該混合工程により得られた混合液をソルボサーマル反応させる工程と、ソルボサーマル反応工程後の混合液に含まれる粒子を粉砕する工程とを含むことが好ましい。
上記種粒子の製造方法における好ましい形態は、以下に記載する以外は上記ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法において述べたとおりである。
【0042】
上記混合工程における混合溶液中のアルカリ金属元素含有化合物の濃度は特に制限されないが、0.5~30mol/Lであることが好ましい。より好ましくは0.75~20mol/Lであり、更に好ましくは1~10mol/Lである。
上記混合液中のニオブ濃度は、0.1~2.0mol/Lであることが好ましい。より好ましくは0.15~1.5mol/Lであり、更に好ましくは0.2~1.2mol/Lである。
【0043】
上記混合工程において混合する溶媒は、特に制限されず、上述の溶媒が挙げられる。好ましくは水である。
上記混合工程において混合する溶媒の量は、特に制限されないが、混合液中のニオブ及びアルカリ金属元素含有化合物の濃度が好ましい範囲となるように溶媒の量を調整することが好ましい。
【0044】
上記ソルボサーマル反応工程における反応温度は、80~300℃であることが好ましい。
反応時間は1~48時間であることが好ましい。
また、ソルボサーマル反応工程は、反応温度を一定に1段階で行っても、反応温度を変化させて2段階以上で行ってもよいが、2段階で行うことが好ましい。
1段目の反応温度としては、80~140℃であることが好ましく、より好ましくは90~120℃である。1段目の反応時間は1~48時間であることが好ましく、より好ましくは15~30時間である。
2段目の反応温度としては、140~300℃であることが好ましく、より好ましくは180~220℃である。2段目の反応時間は1~12時間であることが好ましく、より好ましくは2~5時間である。
上記ソルボサーマル反応工程における反応系内の圧力、及び、ソルボサーマル反応に用いられる好ましい装置は、ニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法に述べたとおりである。
【0045】
上記粉砕工程は、ソルボサーマル反応工程後の混合液に含まれる粒子を粉砕することができる限り特に制限されないが、遊星ミル、ビーズミル、振動ミル、メディアレス粉砕機等を用いることができる。中でもビーズミルを用いる方法が好ましい。
ビーズミルに使用するビーズとしては、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、窒化珪素ビーズ等が挙げられる。好ましくはジルコニアビーズである。
ビーズミルを用いる場合、使用するビーズの大きさは、直径0.03~0.5mmのものを用いることが好ましい。
【0046】
<ニオブ酸アルカリ金属塩粒子>
本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法により得られる上記式(1)で表されるニオブ酸アルカリ金属塩粒子は、比表面積が1~30m2/gであることが好ましい。より好ましくは2~25m2/gであり、更に好ましくは3~20m2/gである。
上記ニオブ酸アルカリ金属塩粒子は、比表面積換算粒子径(DSSA)が0.04~1.3μmであることが好ましい。これにより、得られる圧電素子のドメインがより微細化するため、圧電特性がより向上することが期待できる。より好ましくは0.05~0.7μmであり、更に好ましくは0.06~0.5μmである。上記比表面積、比表面積換算粒子径は実施例に記載の方法により求めることができる。
【0047】
<圧電セラミックス材料>
本発明はまた、本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法により得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子を含む圧電セラミックス材料でもある。
圧電セラミックス材料の製造方法は特に限定されないが、通常はニオブ酸アルカリ金属塩粒子を乾燥させたものと、有機バインダー、分散剤、可塑剤、溶媒等の必要な添加物等を混練した組成物を、公知の成型方法により成型し、高温(1000℃程度)で焼結させることにより得ることができる。公知の成型方法としては、プレス成型や金型成型等が挙げられる。
また、圧電セラミックス材料から得られる成型体に電極を形成することにより、圧電ブザー、圧電振動子などの圧電素子を得ることができる。
本発明のニオブ酸アルカリ金属塩粒子の製造方法により微細なニオブ酸アルカリ金属塩粒子を得ることができるため、圧電セラミックス材料の薄膜化が容易となり、小型で薄層の圧電素子を得ることができる。
【実施例
【0048】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0049】
各種測定は以下のようにして行った。
<比表面積>
比表面積測定装置((株)マウンテック製、Macsorb HM-1220)にて、純窒素ガス気流下、230℃で30分間保持して脱気後、窒素30%ヘリウム70%の混合ガスを流通して、BET流動法(1点法)により測定した。
【0050】
<粒度分布>
粒度分布は、ヘキサメタリン酸ナトリウムを分散剤として使用し、レーザー回折・散乱式粒度分布計 ((株)堀場製作所製LA-950)により下記条件で測定した。
粒子屈折率:2.26
溶媒屈折率:1.333
【0051】
<X線回折パターン>
X線回折装置((株)リガク製、RINT TTRIII、線源CuKα、モノクロメータ使用、管電圧50kV、電流300mA、長尺スリットPSA200(全長200mm、設計開口角度0.057度))を用いて、下記条件で回折パターンを取得した。
測定方法:平行法(連続)
スキャンスピード:5度/分
サンプリング幅:0.04度
【0052】
<比表面積換算粒子径>
上述の方法により測定された比表面積から、次の換算式を用いて比表面積換算粒子径を算出した。
S=6/(ρ×d)
S=比表面積
ρ=試料粉体の密度
d=比表面積換算粒子径
ただし、ρ(試料粉体の密度)は、KNbO、NaNbOとも理論密度(4.6g/cm)とした。
【0053】
<SEM観察>
走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM-6510A)を用いて、加速電圧20kVでSEM観察を行った。
【0054】
<製造例1>
五酸化ニオブ(和光純薬工業(株)製、0.81Kg)、水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製、5.92Kg)を秤量した。容器に五酸化ニオブを添加し、イオン交換水5Lを投入し、30分間攪拌した。ついで、テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水15Lを投入し、その後、水酸化ナトリウムを投入した。ここに五酸化ニオブスラリーを添加し、総液量を25Lとし、混合液を得た(ニオブ濃度0.25M、水酸化ナトリウム濃度6.0M)。得られた混合液をオートクレーブを用いて100℃で24時間加熱し、更に200℃で3時間加熱した。得られた縣濁液から固体をろ過・水洗してニオブ酸ナトリウムスラリーを得た。
ニオブ酸ナトリウムスラリーの濃度を250g/Lに調整し、ウルトラアペックスミル(広島メタル&マシナリー製UAM-015)にて、直径0.3mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、スラリーの粒度分布の中央値が0.11μmとなるまで運転し、種粒子スラリー(1)を得た。
【0055】
<製造例2>
種粒子スラリー(1)と同様に原料の混合、加熱反応を行い、ニオブ酸ナトリウムスラリーを得た。
ニオブ酸ナトリウムスラリーの濃度を250g/Lに調整し、ウルトラアペックスミル(広島メタル&マシナリー製UAM-015)にて、直径0.05mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、スラリーの粒度分布の中央値が0.04μmとなるまで運転し、種粒子スラリー(2)を得た。
【0056】
<実施例1>
五酸化ニオブ(和光純薬工業(株)製、3.33Kg)、水酸化カリウム(純度85%、和光純薬工業(株)製、13.2Kg)、種粒子スラリー(1)(濃度174g/Kg、1.92Kg)を秤量した。
容器に五酸化ニオブを添加し、イオン交換水5Lを投入し、30分間攪拌した。ついで、テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水15Lを投入し、その後、水酸化カリウムを添加し、ここに五酸化ニオブスラリーと種粒子スラリー(1)を投入し、総液量を25Lとし、混合液を得た(ニオブ濃度1.0M、水酸化カリウム濃度8.0M)。得られた混合液をオートクレーブを用いて200℃で3時間加熱し、得られた縣濁液から固体をろ過・水洗後、乾燥してニオブ酸カリウム粒子(1)を得た。
【0057】
<実施例2>
五酸化ニオブ(和光純薬工業(株)製、3.33Kg)、水酸化カリウム(純度85%、和光純薬工業(株)製、19.8Kg)、種粒子スラリー(2)(濃度174g/Kg、1.92Kg)を秤量した。
容器に五酸化ニオブを添加し、イオン交換水5Lを投入し、30分間攪拌した。ついで、テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水15Lを投入し、その後、水酸化カリウムを添加し、ここに五酸化ニオブスラリーと種粒子スラリー(2)を投入し、総液量を25Lとし、混合液を得た(ニオブ濃度1.0M、水酸化カリウム濃度12.0M)。得られた混合液をオートクレーブを用いて150℃で3時間加熱し、得られた縣濁液から固体をろ過・水洗後、乾燥してニオブ酸カリウム粒子(2)を得た。
【0058】
<実施例3>
五酸化ニオブ(和光純薬工業(株)製、3.33Kg)、水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)製、8Kg)、種粒子スラリー(1)(濃度174g/Kg、1.92Kg)を秤量した。
容器に五酸化ニオブを添加し、イオン交換水5Lを投入し、30分間攪拌した。ついで、テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水15Lを投入し、その後、水酸化ナトリウムを添加し、ここに五酸化ニオブスラリーと種粒子スラリー(1)を投入し、総液量を25Lとし、混合液を得た(ニオブ濃度1.0M、水酸化ナトリウム濃度8.0M)。得られた混合液をオートクレーブにて、200℃で3時間加熱し、得られた縣濁液から固体をろ過・水洗後、乾燥してニオブ酸ナトリウム粒子(1)を得た。
【0059】
<比較例1>
五酸化ニオブ(和光純薬工業(株)製、0.81Kg)、水酸化カリウム(純度85%、和光純薬工業(株)製、13.18Kg)を秤量した。
容器に五酸化ニオブを添加し、イオン交換水5Lを投入し、30分間攪拌した。ついで、テフロン(登録商標)製容器にイオン交換水15Lを投入し、その後、水酸化カリウムを投入した。ここに五酸化ニオブスラリーを添加し、総液量を25Lとし、混合液を得た(ニオブ濃度0.25M、水酸化カリウム濃度8.0M)。得られた混合液をオートクレーブを用いて、100℃で24時間加熱し、更に200℃で3時間加熱した。得られた縣濁液から固体をろ過・水洗後、乾燥して比較ニオブ酸カリウム粒子(1)を得た。
【0060】
実施例1~3及び比較例1における製造条件、種粒子の物性及び得られたニオブ酸アルカリ金属塩粒子の物性の測定結果を表1に示した。実施例1で得られたニオブ酸カリウム粒子(1)についてのXRD測定結果及びSEM観察結果をそれぞれ図1、2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
実施例1、2、3に示すように、種粒子スラリーを添加することで、高いニオブ濃度でニオブ酸カリウム粒子、ニオブ酸ナトリウム粒子を合成することが出来た。更に、XRDパターンが単相であることから、未反応のニオブ含有化合物は検出されず、反応が充分に進行し、収量性に優れることもわかる。また、種粒子の比表面積換算粒子径DSSA及びその後の水熱反応における温度を変えることで、ニオブ酸カリウム粒子、ニオブ酸ナトリウム粒子の粒子径を制御することもできた。
比較例1に示すように、種粒子スラリーを使用しないで合成すると、比表面積換算径0.5μm以下の微粒子は得られなかった。また、比較例1において混合液中のニオブ濃度を実施例と同様に、1.0Mまで上げると、混合液中のニオブ含有化合物とアルカリ金属元素含有化合物とが不均一となるため、微粒子は得られなかった。
図1
図2