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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】タイヤのマーキング装置
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/72 20060101AFI20230111BHJP
   B41K 1/52 20060101ALI20230111BHJP
   B41K 1/50 20060101ALI20230111BHJP
   B41K 1/40 20060101ALI20230111BHJP
   B41K 3/04 20060101ALI20230111BHJP
   G01M 1/26 20060101ALI20230111BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20230111BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
B29D30/72
B41K1/52 B
B41K1/50 J
B41K1/40
B41K3/04 Z
G01M1/26
G01M17/02
B60C19/00 K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019017940
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2020124836
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野坂 有
(72)【発明者】
【氏名】北田 武司
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-114938(JP,A)
【文献】特開昭48-011115(JP,A)
【文献】特開昭53-060002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D30/00-30/72
B41K1/00-9/00
G01M1/00-1/38
17/00-17/10
B60C1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを内蔵するスタンプ装置と、
前記スタンプ装置を移動させ、タイヤの表面に前記スタンプ装置を押圧する押圧機構とを備えており、
前記押圧機構は、前記スタンプ装置を着脱可能に保持するホルダー部材を備えタイヤのマーキング装置であって、
前記スタンプ装置が、前記ホルダー部材に保持される被保持部を備え、
前記ホルダー部材が、前記被保持部を挿入させる保持孔と、前記保持孔の内周面に対向する前記被保持部の外周面に圧接されるくさび部材と、を有している、
タイヤのマーキング装置。
【請求項2】
前記ホルダー部材が、前記スタンプ装置の保持と保持の解除とを操作するための操作レバーを有する、請求項1に記載のタイヤのマーキング装置。
【請求項3】
複数の前記スタンプ装置と、各スタンプ装置をそれぞれ移動させる複数の前記押圧機構とを備えている、請求項1又は2に記載のタイヤのマーキング装置。
【請求項4】
タイヤの表面に対する前記スタンプ装置の押圧箇所をタイヤの裏面側から支持する支持部材と、前記押圧箇所をタイヤの裏面側から支持する支持位置とタイヤの裏面側から退避する退避位置との間で前記支持部材を移動させる駆動機構とを備えている、請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤのマーキング装置。
【請求項5】
前記被保持部の外周面に、周方向に沿った凹溝が形成され、前記凹溝の内面に前記くさび部材が圧接される、請求項に記載のタイヤのマーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの製造工程においては、検査によって測定したタイヤの軽点やユニフォミティのピーク点をタイヤ上に示すため、サイドウォールの表面にマーキングが行われる。下記の特許文献1には、コンベアによって搬送されたタイヤに自動的にマーキングを行うマーキング装置が開示されている。
【0003】
特許文献1記載のマーキング装置は、エアシリンダによって昇降するマーキングヘッドを備えており、マーキングヘッドの下方にタイヤが搬送されると、エアシリンダによってマーキングヘッドを下降させてマーキングを行う。マーキングヘッドは、所定形状の印面を有するマーキングピンと、マーキングピンを加熱するヒータと、インクが塗布された熱転写テープとを備えている。そして、特許文献1のマーキング装置は、加熱されたマーキングピンの印面を、熱転写テープを介してサイドウォールに押し付けることによって熱転写テープに塗布されたインクでマーキングを行うように構成されている。
【0004】
特許文献1記載のマーキング装置は、熱転写テープを利用しているため、使用前の熱転写テープを巻き付けた送出リールや使用後の熱転写テープを巻き取る巻取リール等をマーキングヘッドに備える必要がある。そのため、マーキングヘッドの大型化は避けられない。
全体がコンパクトに構成されたマーキング装置として、特許文献2には、インクを内蔵したスタンプ装置が開示されている。このスタンプ装置は、印面を有する印体を支持している内筒体と、内筒体を摺動可能に収容する外筒体と、外筒体に着脱可能に取り付けられるインクカートリッジと、を備えている。特許文献2のスタンプ装置は、全体がコンパクトに構成されただけでなく、インクが消費されて無くなった場合にはインクカートリッジの交換によって容易にインクを補充することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-181079号公報
【文献】特開2018-16061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載されるようなスタンプ装置を、タイヤに自動的にマーキングするマーキング装置に組み込む場合、スタンプ装置の周囲には当該スタンプ装置を動作させるための部品が存在することになるため、スタンプ装置からインクカートリッジのみを容易に着脱できるとは限らない。
【0007】
そこで、本発明は、マーキング装置に組み込まれたスタンプ装置自体を着脱可能とし、取り外したスタンプ装置に対してインクの補充を行うことができるタイヤのマーキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係るタイヤのマーキング装置は、
インクを内蔵するスタンプ装置と、
前記スタンプ装置を移動させ、タイヤの表面に前記スタンプ装置を押圧する押圧機構とを備えており、
前記押圧機構は、前記スタンプ装置を着脱可能に保持するホルダー部材を備えている。
このような構成によって、押圧機構からスタンプ装置を取り外し、インクの補充を行うことができる。
【0009】
(2)好ましくは、前記ホルダー部材が、前記スタンプ装置の保持と保持の解除とを操作するための操作レバーを有する。
このような構成によって、操作レバーの操作により容易に押圧機構に対してスタンプ装置を着脱することができる。
【0010】
(3)好ましくは、前記スタンプ装置が、前記ホルダー部材に保持される被保持部を備え、
前記ホルダー部材が、前記被保持部を挿入させる保持孔と、前記保持孔の内周面に対向する前記被保持部の外周面に圧接されるくさび部材と、を有している。
このような構成によって、保持孔内に挿入された被保持部をくさび部材によって保持することができる。
【0011】
(4)好ましくは、マーキング装置が、複数の前記スタンプ装置と、各スタンプ装置をそれぞれ移動させる複数の前記押圧機構とを備えている。
このような構成によって、タイヤに対して複数種類のマーキングを行うことが可能となる。また、各スタンプ装置を個別に押圧機構から取り外してインクの補充を行うことができる。
【0012】
(5)好ましくは、マーキング装置が、タイヤの表面に対する前記スタンプ装置の押圧箇所をタイヤの裏面側から支持する支持部材と、前記押圧箇所をタイヤの裏面側から支持する支持位置とタイヤの裏面側から退避する退避位置との間で前記支持部材を移動させる駆動機構とを備えている。
このような構成によって、スタンプ装置をタイヤの表面に確実に押圧することができる。
【0013】
(6)前記被保持部の外周面に、周方向に沿った凹溝が形成され、前記凹溝の内面に前記くさび部材が圧接される。
このような構成によって、凹溝の内面に対するくさび部材の圧接を解除したとき、保持孔から被保持部が脱落してしまうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マーキング装置に組み込まれたスタンプ装置自体を着脱可能とし、マーキング装置から取り外したスタンプ装置に対してインクの補充を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係るマーキング装置を示す概略図である。
図2】スタンプ装置と押圧機構とを示す側面図である。
図3】スタンプ装置と押圧機構とを示す正面図である。
図4】スタンプ装置と押圧機構とを分解した状態を示す側面図である。
図5】ホルダー部材を示す正面図である。
図6図5のVI-VI矢視断面図である。
図7】マーキング装置の支持フレームを上昇させた状態を示す概略図である。
図8】本発明の第2の実施形態におけるホルダー部材の図2に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマーキング装置を示す概略図である。
タイヤの製造工程では、タイヤのアンバランス測定やユニフォミティ測定など、種々の検査が行われる。この検査の結果、タイヤの表面には、例えばタイヤの最も軽い位置や最も硬い位置に、それぞれ軽点マークやユニフォミティマークが施される。本実施形態のマーキング装置10は、自動的にこれらのマークを施す(マーキングする)ための装置である。
【0017】
マーキング装置10は、コンベア装置100によって所定のマーキング位置に搬送されたタイヤTに対して自動的にマーキングを行う。マーキング装置10は、スタンプ装置11と、押圧機構12と、支持装置13と、移動機構14と、を備えている。
【0018】
スタンプ装置11、押圧機構12、及び支持装置13は、支持フレーム15に支持されている。この支持フレーム15は、移動機構14によって上下に昇降する。移動機構14は、支持フレーム15を上下動自在に支持するとともに、ボールねじ機構、チェーン搬送機構、流体圧シリンダ等の公知の手段によって支持フレーム15を上下に昇降させる。
【0019】
図1は、マーキング装置10の支持フレーム15を下降させた状態を示し、図7は、同支持フレーム15を上昇させた状態を示している。コンベア装置100によって所定のマーキング位置にタイヤTが搬送されるまでは、支持フレーム15に支持されたスタンプ装置11、押圧機構12、及び支持装置13は、図7に示す上昇位置で待機している。
【0020】
図2は、スタンプ装置11と押圧機構12とを示す側面図、図3は、スタンプ装置11と押圧機構12とを示す正面図、図4は、スタンプ装置11と押圧機構12とを分解した状態を示す側面図である。
スタンプ装置11は、上部枠21と、下部枠22とを有している。
上部枠21には、インクを充填したインクカートリッジ23が内蔵される。このインクカートリッジ23は、上部枠21に対して着脱自在に設けられている。したがって、スタンプ装置11は、インクカートリッジ23の交換が可能であり、この交換によってインクの補充が可能である。上部枠21の上端には、押圧機構12に保持される被保持部24が設けられている。被保持部24は、上下方向の軸心を有する円柱形状に形成されている。ただし、被保持部24は、角柱形状に形成されていてもよい。
【0021】
下部枠22には、インクによってマークを転写する印面を備えた印体25が設けられている。下部枠22は、上部枠21に対して上下に摺動自在に設けられている。下部枠22は、上方へ摺動したときに印面を露出し、タイヤTに印面を押圧することができる。スタンプ装置11としては、例えば特許文献2に記載されたものを採用することができる。
【0022】
押圧機構12は、スタンプ装置11を上下に移動させる。押圧機構12は、スタンプ装置11を下方へ移動させたときにタイヤTのサイドウォールの表面に印面を押圧する。押圧機構12は、ホルダー部材31と、押圧駆動部32とを有している。
【0023】
図5は、ホルダー部材31を示す正面図である。図6は、図5のVI-VI矢視断面図である。ホルダー部材31は、スタンプ装置11を着脱可能に保持する。ホルダー部材31は、本体部34と、操作部材35と、くさび部材36とを有している。
【0024】
本体部34は、リング状に形成されている。本体部34の中心には、被保持部24を挿入させる保持孔37が形成されている。本体部34の一側部には、押圧駆動部32との連結に用いられる平坦な取付面38が形成されている。本体部34の他側部には、操作部材35及びくさび部材36が取り付けられる取付孔39が形成されている。
【0025】
取付孔39は、くさび部材36が収容される第1孔部39aと、操作部材35の一部が挿入される第2孔部39bと、第1孔部39aと第2孔部39bとの間に設けられ、第1孔部39a及び第2孔部39bよりも小径の中間孔部39cとを有している。第1孔部39aの中心C1と、第2孔部39b及び中間孔部39cの中心C2とは、偏心している。第1孔部39aは、本体部34の保持孔37の一部に連通している。
【0026】
操作部材35は、雄ネジ部35aと、雄ネジ部35aの一端に連結された操作レバー35bとを有している。雄ネジ部35aは、中間孔部39cを貫通して第1孔部39aに配置されている。操作レバー35bは、基部35b1とレバー部35b2とを有している。基部35b1は、第2孔部39bに配置され、レバー部35b2が第2孔部39bから突出し、雄ネジ部35aの軸心(中心C2)に対して交差する方向へ延びている。
【0027】
くさび部材36は、略円柱形状に形成されている。くさび部材36には、雄ネジ部35aに螺合する雌ねじ孔36aが形成されている。雌ねじ孔36aは、くさび部材36の中心(第1孔部39aの中心C1)と平行で、当該中心C1から偏心した位置に形成されている。くさび部材36の一側部には、くさび部材36の中心C1に対して傾斜するくさび面36bが形成されている。このくさび面36bは、保持孔37の一部に露出している。
【0028】
くさび部材36は、操作レバー35bを操作して雄ネジ部35aを回転させると、第1孔部39a内で摺動する。そして、くさび部材36が操作レバー35b側へ引き寄せられることで、くさび面36bが保持孔37内に張り出し、保持孔37に挿入された被保持部24の外周面に圧接する。これにより、保持孔37に挿入された被保持部24を保持することができる。逆に、くさび部材36が操作レバー35bとは反対側へ押し出されることで、くさび面36bが保持孔37から後退し、被保持部24の保持を解除することができる。
【0029】
図2図4に示すように、押圧駆動部32は、エアシリンダ等の流体圧シリンダ40を備えている。流体圧シリンダ40は、シリンダ本体40aとピストンロッド40bとを備えている。シリンダ本体40aは、支持フレーム15に固定されている。ピストンロッド40bは、シリンダ本体40aの下端部から突出し、シリンダ本体40aに対して上下方向に摺動する。ピストンロッド40bの下端には連結部材41を介してホルダー部材31が取り付けられている。具体的には、図3及び図5に示すように、ホルダー部材31の本体部34における取付面38に、固定ネジ42によって連結部材41が取り付けられている。
【0030】
図3に示すように、スタンプ装置11と押圧機構12とは、複数(図示例では2つ)並べて設けられている。複数のスタンプ装置11は、例えば軽点マークやユニフォミティマークのように異なる種類の印体25を有している。各スタンプ装置11は、各押圧機構12によって個別に上下に移動し、タイヤTの表面に印面を押圧することができる。なお、スタンプ装置11と押圧機構12とは、それぞれ1つ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
【0031】
図1に示すように、支持装置13は、スタンプ装置11の印面をタイヤTのサイドウォールの表面に押圧するとき、その押圧箇所をサイドウォールの裏面側(内面側)から支持する。支持装置13は、支持フレーム15に移動可能に支持された支持部材44と、この支持部材44を移動させる駆動機構45とを有している。
【0032】
支持部材44は、側面視で略C字形状に形成されている。支持部材44は、一端部が支持フレーム15に枢軸46を介して揺動自在に支持されている。支持部材44は、他端部に、サイドウォールの裏面に当接する支持面44aを有している。支持部材44の支持面44aでサイドウォールの裏面を支持することによって、スタンプ装置11の印面をタイヤTのサイドウォールの表面に押し付けたときに、サイドウォールが変形するのを防止することができる。
【0033】
駆動機構45は、エアシリンダ又は油圧シリンダ等の流体圧シリンダにより構成されている。流体圧シリンダ45は、一端が支持フレーム15から突出する支持アーム15aに回動自在に連結されている。流体圧シリンダ45の他端は、支持部材44に回動自在に連結されている。図1に実線で示すように、流体圧シリンダ45を伸長させると、支持部材44の支持面44aがサイドウォールの裏面に当接する。図1に2点鎖線で示すように、流体圧シリンダ45を収縮させると、支持部材44がタイヤTの内側から抜け出した状態となる。したがって、流体圧シリンダ45は、支持部材44の支持面44aがタイヤTを裏面側から支持する支持位置と、支持面44aがタイヤTの裏面側から退避する退避位置との間で支持部材44を移動させることができる。
【0034】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態におけるホルダー部材31の図2に相当する断面図である。
本実施形態では、スタンプ装置11の被保持部24の外周面に、周方向に沿って凹溝24aが形成されている。凹溝24aは、被保持部24の全周に形成されている。また、ホルダー部材31のくさび部材36は、凹溝24a内に配置され、凹溝24aの内面に接触している。
【0035】
本実施形態では、操作レバー35bの操作によりくさび部材36のくさび面36bを凹溝24aの内面に圧接することによって、被保持部24を保持することができる。また、操作レバー35bの操作により凹溝24aの内面に対するくさび面36bの圧接を解除しても、くさび部材36は凹溝24a内に配置されるので、被保持部24がくさび部材36に引っ掛かり、被保持部24が保持孔37から抜け落ちてしまうのを防止することができる。そして、操作レバー35bをさらに操作してくさび部材36を凹溝24aから完全に離脱させることによって、保持孔37から被保持部24を抜き取ることができる。なお、凹溝24aは、被保持部24の周方向の一部に形成されていてもよい。
【0036】
<実施形態の作用効果>
以上、説明した各実施形態は、次のような作用効果を奏する。
(1)上記各実施形態のマーキング装置10は、インクを内蔵するスタンプ装置11と、スタンプ装置11を移動させ、タイヤTの表面にスタンプ装置11を押圧する押圧機構12とを備えており、押圧機構12は、スタンプ装置11を着脱可能に保持するホルダー部材31を備えている。このため、スタンプ装置11を押圧機構12から取り外した状態でインクの補充を行うことができる。
【0037】
(2)ホルダー部材31は、スタンプ装置11の保持と保持の解除とを操作するための操作レバー35bを有している。そのため、操作レバー35bの操作により容易に押圧機構12に対してスタンプ装置11を着脱することができる。
【0038】
(3)スタンプ装置11は、ホルダー部材31に保持される被保持部24を備え、ホルダー部材31は、被保持部24を挿入させる保持孔37と、保持孔37の内周面に対向する被保持部24の外周面に圧接されるくさび部材36と、を有している。この構成により、保持孔37内に挿入された被保持部24をくさび部材36によって保持することができる。
【0039】
(4)上記実施形態のマーキング装置10は、複数(2つ)のスタンプ装置11と、各スタンプ装置11をそれぞれ移動させる複数の押圧機構12とを備えている。そのため、タイヤTに対して複数種類のマーキングを行うことが可能となる。各スタンプ装置11を個別に押圧機構12から取り外してインクの補充を行うことができる。
【0040】
(5)上記実施形態のマーキング装置10は、タイヤTの表面に対するスタンプ装置11の押圧箇所をタイヤTの裏面側から支持する支持部材44と、前記押圧箇所をタイヤTの裏面側から支持する支持位置とタイヤTの裏面側から退避する退避位置との間で支持部材44を移動させる駆動機構45とを備えている。そのため、スタンプ装置11をタイヤTの表面に確実に押圧することができる。
【0041】
(6)被保持部24の外周面には、周方向に沿った凹溝24aが形成され、凹溝24aの内面にくさび部材36が圧接される。そのため、凹溝24aの内面に対するくさび部材26の圧接を解除したとき、保持孔37から被保持部24が脱落してしまうのを防止することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
【符号の説明】
【0043】
10 :マーキング装置
11 :スタンプ装置
12 :押圧機構
24 :被保持部
24a :凹溝
26 :くさび部材
31 :ホルダー部材
35 :操作部材
35b :操作レバー
36 :くさび部材
37 :保持孔
44 :支持部材
45 :駆動機構
T :タイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8