(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/24 20060101AFI20230111BHJP
E02F 3/43 20060101ALI20230111BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F3/43 M
E02F9/26 B
(21)【出願番号】P 2019064426
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 裕樹
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-159194(JP,A)
【文献】特開平05-017973(JP,A)
【文献】特開2017-172223(JP,A)
【文献】特開2018-115461(JP,A)
【文献】特開2016-176288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/24
E02F 3/43
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室を有する機械本体と、
前記機械本体に対して可動であるアタッチメントと、
前記アタッチメントの
周囲の障害物を検出する障害物検出部と、
判定領域を設定する判定領域設定部と、
前記判定領域設定部に設定された前記判定領域の範囲内に、前記障害物検出部に検出された前記障害物があるか否かを判定する判定部と、
前記判定領域の範囲内に前記障害物があると前記判定部が判定した場合に、前記アタッチメントを前記障害物に近づける作動を制限する指令、および、前記アタッチメントを前記障害物に近づける作動を警告する指令、の少なくともいずれかの指令を出力する指令出力部と、
を備え、
前記アタッチメントは、
前記機械本体に取り付けられたブームと、
前記ブームに回転可能に取り付けられたアームと、
を備え、
前記アタッチメントの腹面から背面に向かう向きを背面側としたとき、
前記障害物検出部は、前記アームよりも前記背面側かつ前記アームの外側の領域で前記障害物を検出するように、前記ブームの背面および前記機械本体の少なくともいずれかに取り付けられており、さらに、前記アタッチメントに対して前記運転室とは反対側における前記アタッチメントよりも横方向外側の領域で前記障害物を検出し、
前記判定領域設定部は、特定の面である特定境界面よりも一方向側の
一方向側領域と、前記特定境界面に対して前記一方向側領域とは反対側の他方向側領域と、を設定し、
前記判定領域設定部は、前記他方向側領域の少なくとも一部の領域を、前記判定領域から除外する、
作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械であって
、
前記アタッチメン
トの姿勢を検出する
アタッチメント姿勢検出部を備え、
前記判定領域設定部は、前記
アタッチメント姿勢検出部に検出された
前記アタッチメントの姿勢に応じて前記判定領域を変える、
作業機械。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の作業機械であって、
前記機械本
体の姿勢を検出する
機械本体姿勢検出部を備え、
前記判定領域設定部は、前記
機械本体姿勢検出部に検出された
前記機械本体の姿勢に応じて前記判定領域を変える、
作業機械。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記アタッチメントの種類を取得する種類取得部を備え、
前記判定領域設定部は、前記種類取得部に取得された前記アタッチメントの種類に応じて前記判定領域を変える、
作業機械。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記運転室は、前記運転室の前側部分に設けられるフロントウインドウを備え、
前記判定領域設定部は、前記運転室の内部の特定位置であるアイポイントと、前記フロントウインドウの上端部と、を通る平面よりも下側の領域の少なくとも一部を、前記判定領域から除外する、
作業機械。
【請求項6】
請求項
5に記載の作業機械であって、
前記アタッチメントは
、前記アームに取り付けられた先端アタッチメン
トを備え、
前記判定領域設定部は、前記先端アタッチメントが前記平面よりも上側にある場合、前記アームの腹面に平行な面よりも下側の領域の少なくとも一部を、前記判定領域から除外する、
作業機械。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記アタッチメントは、前記機械本体に対して横方向に回転可能である、
作業機械。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記アタッチメントは、前記機械本体に対して横方向に平行移動可能な部分を有する、
作業機械。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記機械本体は、前記運転室を移動可能に支持するフレームを備え、
前記判定領域設定部は、前記フレームに対する前記運転室の位置に応じて前記判定領域を変える、
作業機械。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の作業機械であって、
前記運転室に配置される判定領域操作部を備え、
前記判定領域設定部は、前記判定領域操作部の操作に応じて前記判定領域を変える、
作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメントを備える作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1などに、従来の作業機械が記載されている。同文献に記載の技術では、アタッチメントの上方の障害物が検出された場合に、警報が発せられ、動作が制限される(同文献の段落0010などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、同文献に記載の技術では、アタッチメントの上方でのみ障害物が検出される。そのため、アタッチメントの横に障害物があるときに、アタッチメントが横に移動すると、アタッチメントが障害物に接触するおそれがある。また、アタッチメントの周囲の障害物が検出された際に、常に、警報や動作制限がなされると、作業機械の作業性が悪化するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、アタッチメントが障害物に接触することを抑制しつつ、作業性を確保できる、作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
作業機械は、機械本体と、アタッチメントと、障害物検出部と、判定領域設定部と、判定部と、指令出力部と、を備える。前記機械本体は、運転室を有する。前記アタッチメントは、前記機械本体に対して可動である。前記障害物検出部は、前記アタッチメントの腹面から背面に向かう向きにおける前記アタッチメントよりも外側、および、前記アタッチメントに対して前記運転室とは反対側における前記アタッチメントよりも横方向外側の、それぞれの領域で障害物を検出する。前記判定領域設定部は、判定領域を設定する。前記判定部は、前記判定領域設定部に設定された前記判定領域の範囲内に、前記障害物検出部に検出された前記障害物があるか否かを判定する。前記指令出力部は、前記判定領域の範囲内に前記障害物があると前記判定部が判定した場合に、前記アタッチメントを前記障害物に近づける作動を制限する指令、および、前記アタッチメントを前記障害物に近づける作動を警告する指令、の少なくともいずれかの指令を出力する。前記判定領域設定部は、特定の面である特定境界面よりも一方向側の少なくとも一部の領域を、前記判定領域から除外する。
【発明の効果】
【0007】
上記構成により、アタッチメントが障害物に接触することを抑制しつつ、作業性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1に示す作業機械1を上から見た図である。
【
図3】
図1に示す作業機械1を前から見た図である。
【
図4】
図1に示す障害物検出部43が機械本体10に取り付けられた場合の
図1相当図である。
【
図5】
図1に示す障害物検出部43が機械本体10に取り付けられた場合の
図2相当図である。
【
図6】
図1に示す障害物検出部43が機械本体10に取り付けられた場合の
図3相当図である。
【
図8】
図1に示す作業機械1が地面に穴を掘っている状態を横から見た図である。
【
図9】
図8に示す作業機械1を上から見た図である。
【
図10】
図1に示すアーム23が抱えられた状態を横から見た図である。
【
図11】
図1に示す作業機械1が斜面に穴を掘っている状態を横から見た図である。
【
図12】第2実施形態の作業機械201を前から見た図である。
【
図13】第3実施形態の作業機械301を上から見た図である。
【
図14】第4実施形態の作業機械401を上から見た図である。
【
図15】第5実施形態の作業機械501を横から見た図である。
【
図16】第6実施形態の作業機械601を横から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1~
図11を参照して、第1実施形態の作業機械1について説明する。
【0010】
作業機械1は、
図1に示すように、作業を行う機械であり、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルでもよく、クレーンでもよい。作業機械1は、機械本体10と、アタッチメント20と、機械操作部31と、判定領域操作部33と、検出部40(
図7参照)と、コントローラ60(
図7参照)と、を備える。
【0011】
機械本体10は、作業機械1の本体部分である。機械本体10は、作業機械1を走行させる下部走行体11と、上部旋回体12と、を備える。
【0012】
上部旋回体12は、下部走行体11よりも上側Z1(方向の詳細は後述)に配置され、下部走行体11に旋回可能に搭載される。上部旋回体12は、運転室15を備える。
【0013】
(方向)
作業機械1に関する方向を、次のように定義する。機械本体10が水平面上に置かれたときに鉛直方向と一致する方向を、上下方向Z(上側Z1、下側Z2)とする。機械本体10に対するアタッチメント20の起伏の回転軸が延びる方向を、横方向Yとする。
図2に示すように、横方向Yにおいて、アタッチメント20の基端部(機械本体10に取り付けられる側の端部)に対する運転室15側を左側Ylとし、その逆側を右側Yrとする。なお、右側Yrと左側Ylとは互いに逆にしてもよい。
図1に示すように、上下方向Zおよび横方向Yのそれぞれに直交する方向を、前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、アタッチメント20の基端部と先端部とが同一水平面上に配置されたとき(アタッチメント20が水平配置されたとき)に、機械本体10に対してアタッチメント20が突出する側を前側X1とする。前後方向Xにおける前側X1の反対側を、後側X2とする。
【0014】
運転室15は、作業機械1の操作者が運転を行うための部分である。
図2に示すように、運転室15は、上部旋回体12の左側Yl部分かつ前側X1部分に配置される。運転室15は、
図2に示す例では、前側X1に向かって見たときの左部分に配置されるが、後側X2に向かって見たときの左部分に配置されてもよい。
図3に示すように、運転室15は、フロントウインドウ15aを備える。フロントウインドウ15aは、運転室15の前側X1の面に配置される窓である。フロントウインドウ15aの上側Z1端部は、運転室15の前側X1の面の上側Z1端部またはその近傍に配置される。
【0015】
アタッチメント20は、
図1に示すように、作業を行う装置である。アタッチメント20は、上部旋回体12に対して可動に、上部旋回体12取り付けられる。アタッチメント20は、例えば、ブーム21と、アーム23と、先端アタッチメント25と、を備える。
【0016】
ブーム21は、上部旋回体12に取り付けられ、上部旋回体12に対して起伏(上下方向Zに回転)可能である。ブーム21は、上部旋回体12に対して、少なくとも横方向Yに延びる回転軸を中心に回転可能である。ブーム21の少なくとも一部は、横方向Y以外の方向に延びる回転軸を中心に回転可能でもよい(
図13、
図14参照)。ブーム21は、背面21bと、側面21sと、腹面21vと、を備える。背面21bは、ブーム21の基端部(上部旋回体12に取り付けられる側の端部)と先端部とが同一水平面上に配置されたとき(ブーム21が水平配置されたとき)に、上側Z1を向く面である。側面21sは、横方向Y外側を向く面である。腹面21vは、ブーム21が水平配置されたときに下側Z2を向く面である。
【0017】
アーム23は、ブーム21に回転可能に取り付けられる。ブーム21に対するアーム23の回転軸の方向は、横方向Yである。アーム23は、ブーム21と同様に、背面23bと、側面23sと、腹面23vと、を備える。また、アーム23の長手方向に延びるアーム23の中心軸を、アーム中心軸23aとする。
【0018】
先端アタッチメント25は、アタッチメント20の先端部に配置される。先端アタッチメント25は、アーム23に回転可能に取り付けられる。先端アタッチメント25は、アーム23に対して、少なくとも横方向Yに延びる回転軸を中心に回転可能である。先端アタッチメント25は、アーム23に対して、横方向Y以外の方向に延びる回転軸を中心に回転可能でもよい(
図4、
図12参照)。先端アタッチメント25は、土砂などをすくうバケットでもよく、物を挟む装置(グラップルなど)でもよく、物を破砕する装置(ブレーカなど)でもよい。
【0019】
(アタッチメント20に関する方向)
アタッチメント20に関する方向を、次のように定義する。アタッチメント20(例えばブーム21)の背面21bと腹面21vとが対向する方向を、アタッチメント高さ方向Dとする。なお、ブーム21およびアーム23のそれぞれについて、アタッチメント高さ方向Dがある(
図8参照)。アタッチメント高さ方向Dにおいて、腹面21vから背面21bに向かう側(向き)を背面側Dbとし、その逆側を腹面側Dvとする。アタッチメント20が水平配置されたとき、アタッチメント高さ方向Dは、上下方向Zまたは略上下方向Zであり、背面側Dbは、上側Z1または略上側Z1であり、腹面側Dvは、下側Z2または略下側Z2である。
【0020】
機械操作部31は、操作者に操作され、作業機械1を操作するための部分である。機械操作部31は、例えばレバー(操作レバー)である。機械操作部31は、運転室15の内部に配置される。機械操作部31は、下部走行体11の走行操作、下部走行体11に対する上部旋回体12の旋回操作、およびアタッチメント20の操作を行うためのものである。機械操作部31は、上部旋回体12に対するブーム21の回転の操作、ブーム21に対するアーム23の回転の操作、および、アーム23に対する先端アタッチメント25の回転の操作を行うためのものである。
【0021】
判定領域操作部33は、操作者に操作され、判定領域B(後述)を操作する(変える)ための部分である。判定領域操作部33は、運転室15の内部に配置される。
【0022】
検出部40は、
図7に示すように、姿勢検出部41と、障害物検出部43と、機械操作検出部45と、判定領域操作検出部47と、を備える。なお、検出部40の構成要素については、主に
図7を参照して説明する(コントローラ60の構成要素についても同様)。
【0023】
姿勢検出部41は、
図1に示す作業機械1の姿勢を検出する。姿勢検出部41(
図7参照)は、機械本体10およびアタッチメント20の少なくともいずれかの姿勢を検出する。具体的には、姿勢検出部41は、上部旋回体12に対するブーム21の位置(例えば角度)、ブーム21に対するアーム23の位置、および、アーム23に対する先端アタッチメント25の位置を検出する。姿勢検出部41は、下部走行体11に対する上部旋回体12の旋回角度を検出する。姿勢検出部41は、下部走行体11の走行の状態を検出してもよい。姿勢検出部41は、例えば、角度センサでもよく、加速度センサでもよい。
【0024】
障害物検出部43は、アタッチメント20の周囲の障害物を検出する。障害物検出部43が障害物を検出可能な領域を検出可能領域Aとする。障害物検出部43は、アタッチメント20よりも背面側Dbの外側(アタッチメント20の腹面21vから背面21bに向かう向きにおけるアタッチメント20よりも外側)の背面側検出可能領域Abの障害物を検出する。
図2に示すように、障害物検出部43は、アタッチメント20よりも右側Yr(アタッチメント20に対して運転室15とは反対側における、アタッチメント20よりも横方向Y外側)の右側検出可能領域Arの障害物を検出する。障害物検出部43は、アタッチメント20よりも左側Yl(アタッチメント20に対する運転室15側における、アタッチメント20よりも横方向Y外側)の左側検出可能領域Alの障害物を検出してもよい。なお、背面側検出可能領域Ab(
図1参照)と右側検出可能領域Arとが重複する部分があってもよい。背面側検出可能領域Ab(
図1参照)と左側検出可能領域Alとが重複する部分があってもよい。
【0025】
この障害物検出部43は、物体までの距離を計測可能なセンサである。障害物検出部43は、例えば、超音波センサでもよく、光センサでもよい。障害物検出部43が光センサの場合、赤外線センサでもよく、レーザー光を用いたセンサでもよく、複眼カメラなどでもよい。障害物検出部43を構成するセンサの数は、複数でもよく、1でもよい。
【0026】
この障害物検出部43は、アタッチメント20および機械本体10の少なくともいずれかに取り付けられる。障害物検出部43は、ブーム21に取り付けられてもよい。
図2に示す例では、障害物検出部43は、ブーム21の背面21b、右側Yrの側面21s、および左側Ylの側面21sのそれぞれに取り付けられる。障害物検出部43は、アーム23に取り付けられてもよい。
図2に示す例では、障害物検出部43は、アーム23の背面23b、右側Yrの側面23s、および左側Ylの側面23sのそれぞれに取り付けられる。障害物検出部43は、先端アタッチメント25に取り付けられてもよい(図示なし)。障害物検出部43は、アタッチメント20に固定されてもよく、アタッチメント20に対して可動(例えば回転可能など)でもよい。
【0027】
この障害物検出部43は、
図4に示すように、上部旋回体12に取り付けられてもよい。
図5に示すように、障害物検出部43は、上部旋回体12のうちアタッチメント20よりも右側Yrの部分に取り付けられてもよく、上部旋回体12のうちアタッチメント20よりも左側Ylの部分(例えば運転室15など)に取り付けられてもよい。障害物検出部43は、上部旋回体12に固定されてもよく、上部旋回体12に対して可動(例えば回転可能など)でもよい。
【0028】
機械操作検出部45は、
図7に示す機械操作部31の操作を検出する。判定領域操作検出部47は、判定領域操作部33の操作を検出する。
【0029】
コントローラ60は、信号の入出力、演算(算出、判定など)、および情報の記憶などを行う。コントローラ60は、姿勢算出部61と、障害物位置算出部63と、種類取得部65と、判定領域設定部71と、判定部81と、指令出力部83と、を備える。
【0030】
姿勢算出部61は、
図1に示す作業機械1の各部の位置(座標)を、姿勢検出部41(
図7参照)に検出された作業機械1の姿勢に基づいて算出する。例えば、姿勢算出部61は、特定の基準位置に対する、下部走行体11、上部旋回体12、ブーム21、アーム23、および先端アタッチメント25の位置を算出する。
【0031】
障害物位置算出部63(
図7参照)は、障害物検出部43(
図7参照)の検出結果に基づいて、障害物の位置を算出する。障害物位置算出部63は、アタッチメント20に対する障害物の位置を算出する。例えば、障害物検出部43が上部旋回体12に取り付けられる場合(
図4参照)は、障害物位置算出部63は、次のように算出を行ってもよい。障害物位置算出部63は、障害物検出部43に検出された上部旋回体12に対する障害物の位置と、姿勢算出部61に算出された上部旋回体12に対するアタッチメント20の位置とに基づいて、アタッチメント20に対する障害物の位置を算出してもよい。
【0032】
種類取得部65(
図7参照)は、アタッチメント20の種類を取得する。種類取得部65は、先端アタッチメント25の種類(例えばバケット、グラップル、ブレーカなど)を取得する。種類取得部65は、ブーム21の種類(通常のブーム21、スイング可能(
図13参照)、オフセット可能(
図14参照)など)を取得してもよい。種類取得部65は、アタッチメント20の種類を識別するための信号に基づいてアタッチメント20の種類を取得してもよい。種類取得部65は、操作者などが入力した情報に基づいてアタッチメント20の種類を取得してもよい。
【0033】
判定領域設定部71(
図7参照)は、障害物の有無を判定する領域である判定領域Bを設定する。判定領域Bの詳細は後述する。
【0034】
判定部81(
図7参照)は、判定領域設定部71に設定された判定領域Bの範囲内に、障害物検出部43に検出された障害物があるか否かを判定する。判定部81は、障害物位置算出部63(
図7参照)に算出された障害物の位置が、判定領域Bの範囲内か否かを判定する。
【0035】
指令出力部83(
図7参照)は、判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合に、指令を出力する。指令出力部83は、判定領域Bの範囲内に障害物がないと判定部81が判定した場合は、指令を出力しない。指令出力部83が出力する指令は、下記の[例A1]および[例A2]の少なくともいずれかである。
【0036】
[例A1]指令出力部83(
図7参照)が出力する指令は、アタッチメント20を障害物に近づける作業機械1の作動を制限(作動制限)する指令である。この作動制限は、例えば、作動の停止でもよく、作動の減速でもよく、作動速度の上限値の制限でもよい。[例A2]指令出力部83が出力する指令は、アタッチメント20を障害物に近づける作動を警告する指令である。この警告は、例えば、光(表示など)、音、および振動の少なくともいずれかである。
【0037】
この指令出力部83は、アタッチメント20を障害物に近づける操作を機械操作検出部45(
図7参照)が検出した場合に指令を出力してもよい。指令出力部83は、アタッチメント20を障害物に近づける作動を姿勢検出部41(
図7参照)が検出した場合に、指令を出力してもよい。
【0038】
この指令出力部83(
図7参照)は、アタッチメント20を障害物から遠ざける作動に対しては、警告および作動制限しない。よって、警告や作動制限によって作業機械1の作業性が悪化することを抑制できる。指令出力部83の指令の種類(作動の減速、停止、警告など)は、何らかの条件に応じて、変えられてもよい。具体的には例えば、例えばアタッチメント20に障害物が近付くほど、警告や作動制限の度合いを増やしてもよい。
【0039】
(判定領域Bの詳細)
判定領域設定部71(
図7参照(以下の判定領域設定部71について同様))は、判定領域B(障害物の有無を判定する領域)を次のように設定する。判定領域設定部71は、操作者から障害物を視認しにくい領域を判定領域Bとすることが好ましい。判定領域設定部71は、操作者から障害物を視認しやすい領域を、判定領域Bの範囲外とする(判定領域Bから除外する)ことが好ましい。判定領域設定部71は、作業機械1の作業時にアタッチメント20の近傍に配置され得る、作業の対象物(例えば土など)が存在する領域を、判定領域Bから除外することが好ましい。
【0040】
判定領域設定部71は、検出可能領域Aの範囲内にアタッチメント20が存在する場合は、アタッチメント20が存在する領域を、判定領域Bから除外する。例えば、判定領域設定部71は、姿勢算出部61により算出されたアタッチメント20の位置(座標)を、判定領域Bから除外する。判定領域設定部71は、検出可能領域Aの範囲内に機械本体10が存在する場合は、機械本体10が存在する領域を、判定領域Bから除外する。
【0041】
判定領域設定部71による判定領域Bからの除外は、例えば次のように行われる(後述する判定領域Bの変更も同様)。判定領域設定部71は、演算により、判定領域Bから除外する領域(座標)を設定することで、判定領域Bからの除外を行ってもよい。判定領域設定部71は、検出可能領域Aを変えることで、判定領域Bからの除外を行ってもよい。この場合、例えば、判定領域設定部71は、障害物検出部43を構成するセンサの一部の機能を停止させて検出可能領域Aを変えてもよく、障害物検出部43を構成するセンサの取付角度などを変えて検出可能領域Aを変えてもよい。
【0042】
アタッチメント20よりも背面側Dbの判定領域Bを、背面側判定領域Bbとする。
図2に示すように、アタッチメント20よりも横方向Y外側の判定領域Bを、側面側判定領域Bsとする。アタッチメント20よりも右側Yrの側面側判定領域Bsを、右側判定領域Bsrとする。アタッチメント20よりも左側Ylの側面側判定領域Bsを、左側判定領域Bslとする。なお、左側判定領域Bslは、なくてもよい、すなわち、アタッチメント20よりも左側Ylに障害物があるか否かは、判定されなくてもよい。また、アタッチメント20よりも右側Yrかつ背面側Dbの判定領域Bは、右側判定領域Bsrとしてもよく、背面側判定領域Bbとしてもよい。また、アタッチメント20よりも左側Ylかつ背面側Dbの判定領域Bは、左側判定領域Bslとしてもよく、背面側判定領域Bbとしてもよい。
【0043】
以下では、判定領域設定部71による判定領域Bの設定(領域の決め方)の具体例について説明する。以下の判定領域Bの設定の例を、右側判定領域Bsrの設定としてもよく、左側判定領域Bslの設定としてもよく、背面側判定領域Bb(
図1参照)の設定としてもよい。側面側判定領域Bs(右側判定領域Bsrおよび左側判定領域Bslの少なくともいずれか)の設定と、背面側判定領域Bb(
図1参照)の設定とは、相違してもよい。右側判定領域Bsrの設定と左側判定領域Bslの設定とは、相違してもよい。
【0044】
[例B]判定領域設定部71は、
図1に示す特定境界面Cよりも一方向側の領域を、判定領域Bに設定する。判定領域設定部71は、特定境界面Cよりも、上記「一方向側」とは反対側の領域を、判定領域Bの範囲外とする(判定領域Bから除外する)。[例B1]判定領域設定部71は、特定境界面Cよりも上側Z1の領域を判定領域Bに設定し、特定境界面Cよりも下側Z2の領域を判定領域Bの範囲外としてもよい。[例B2]判定領域設定部71は、特定境界面Cよりも右側Yrの領域を判定領域Bに設定し、特定境界面Cよりも左側Ylの領域を判定領域Bの範囲外としてもよい。
【0045】
特定境界面Cは、平面でもよく、曲面でもよい。特定境界面Cが平面の場合、特定境界面Cは、水平面でもよく、水平面に対して傾いた平面でもよい。特定境界面Cは、上部旋回体12から前側X1に離れるほど上側Z1に配置されるように前後方向Xに対して傾斜してもよい。特定境界面Cは、上部旋回体12(またはアタッチメント20)から右側Yrまたは左側Ylに離れるほど、上側Z1または下側Z2に配置されるように、横方向Yに対して傾斜してもよい。特定境界面Cは、アタッチメント20よりも左側Ylおよび右側Yrのいずれか一方が高くなるように、横方向Yに対して傾いてもよい。特定境界面Cは、前後方向Xおよび横方向Yのそれぞれに対して傾斜してもよい。
【0046】
[例C]上部旋回体12に対する判定領域Bの位置(特定境界面Cの位置)は、一定でもよく(下記の[例D]参照)、可変でもよい(下記の[例E]参照)。
【0047】
(上部旋回体12の位置に基づく判定領域Bの設定の例)
[例D]判定領域設定部71は、上部旋回体12の位置に基づいて判定領域Bを設定してもよい。[例D1]判定領域設定部71は、上部旋回体12のうち運転室15以外の位置に基づいて判定領域Bを設定してもよい。[例D2]判定領域設定部71は、運転室15の位置に基づいて判定領域Bを設定してもよい。判定領域設定部71は、例えば、フロントウインドウ15aの位置に基づいて判定領域Bを設定してもよく、運転室15の内部の特定の位置(例えばアイポイントP)に基づいて判定領域Bを設定してもよい。
【0048】
[例D2a]
図1に示す平面C1よりも上側Z1の領域は、操作者から見えにくい(障害物を見落としやすい)領域である。平面C1よりも下側Z2の領域は、操作者から見えやすい領域である。そこで、判定領域設定部71は、平面C1に基づいて判定領域Bを設定してもよい。具体的には、判定領域設定部71は、平面C1よりも下側Z2の領域を、判定領域Bから除外する。平面C1は、特定境界面Cの一例である。判定領域設定部71は、平面C1よりも上側Z1の領域を、判定領域Bとする。平面C1は、アイポイントPと、運転室15のフロントウインドウ15aの上側Z1端部と、を通る平らな面である。アイポイントPは、運転室15の内部の特定位置であり、座席の位置から決まる位置である。アイポイントPは、JIS A 8318に規定される座席基準点の、660mm上側Z1、かつ、20mm前側X1の位置である。なお、この定義は、運転室15が、前後方向Xに対して傾斜していない状態のときのアイポイントPの定義である。また、平面C1は、横方向Yから見たときに直線状である。平面C1は、運転室15から前側X1に離れるほど上側Z1に配置されるように、前後方向Xに対して傾斜する。
【0049】
(可変の判定領域Bの設定の例)
[例E]判定領域設定部71は、作業機械1に関する状態に応じて判定領域Bを変えてもよい。判定領域設定部71は、操作者の操作に応じて判定領域Bを変えてもよく(下記[例F]参照)、アタッチメント20の状態(姿勢、種類など)に応じて判定領域Bを変えてもよい(下記[例G]、[例H]参照)。
【0050】
(判定領域操作部33の操作に応じた判定領域Bの設定の例)
[例F]判定領域設定部71は、
図8に示す判定領域操作部33の操作に応じて、判定領域Bを変えてもよい。判定領域設定部71は、判定領域操作部33の操作に応じて、特定境界面C2の位置(例えば高さ)を変えることで、判定領域Bを変えてもよい。この場合、操作者が判定領域操作部33を操作することで、操作者が任意に判定領域Bの位置を変えることができる。具体的には例えば、アタッチメント20が、穴や盛土の横で作業している際に、穴や盛土の側面が障害物と判定され、指令出力部83(
図7参照)が、警告や作動制限の指令を出力すると、作業機械1の作業性が悪化する場合がある。そこで、操作者は、穴や盛土の位置が判定領域Bから除外されるように、判定領域操作部33を操作する。具体的には例えば、操作者は、特定境界面C2の高さ位置を、穴や盛土よりも上側Z1の位置に設定する。すると、アタッチメント20が、穴や盛土の横に配置されても、警告や作動制限の指令が出力されず、作業機械1の作業性を向上させることができる。
【0051】
(アタッチメント20の種類に応じた判定領域Bの設定の例)
[例G]判定領域設定部71は、種類取得部65に取得されたアタッチメント20の種類に応じて判定領域Bを変えてもよい。具体的には例えば、判定領域設定部71は、アタッチメント20の種類ごとに、判定領域Bの設定を予め記憶する。そして、判定領域設定部71は、種類取得部65に取得された種類に応じて、記憶された判定領域Bの設定を読み込み、判定領域Bを変える。
【0052】
(作業機械1の姿勢に応じた判定領域Bの設定の例)
[例H]判定領域設定部71は、姿勢検出部41(
図7参照)に検出された作業機械1の姿勢に応じて判定領域Bを変えてもよい(下記[例I]、[例J]参照)。
【0053】
[例I]判定領域設定部71は、アタッチメント20が穴や盛土の横で作業を行っていると想定される姿勢(「第1姿勢」とする)であるか否かに応じて、判定領域Bを変えてもよい。[例I1a]判定領域設定部71は、所定時間内でのアタッチメント20の姿勢の変化の情報に基づいて、アタッチメント20が第1姿勢か否かを判定してもよい。[例I1b]判定領域設定部71は、所定高さよりも下側Z2に先端アタッチメント25が下げられた場合に、アタッチメント20が第1姿勢であると判定してもよい。上記「所定高さ」は、例えば判定領域操作部33などにより(操作者により任意に)設定されてもよい。「所定高さ」は、機械本体10に基づいて決められた一定の高さでもよく、例えば下部走行体11の位置に基づいて決められた一定の高さでもよく、例えば下部走行体11の底面の高さでもよい。
【0054】
[例I2]アタッチメント20が第1姿勢である場合、判定領域設定部71は、アタッチメント20の周囲の領域の少なくとも一部を判定領域Bから除外する。具体的には例えば、アタッチメント20が第1姿勢である場合、判定領域設定部71は、特定境界面C3よりも下側Z2の領域を、判定領域Bから除外する。[例I2a]特定境界面C3は、上記「所定高さ」に基づいて設定されてもよく、例えば上記「所定高さ」を通る水平面でもよい。[例I2b]特定境界面C3は、上記「所定高さ」とは別に(独立して)設定されてもよい。特定境界面C3は、判定領域操作部33の操作に応じて変えられてもよく、機械本体10に基づいて決められた一定の面でもよい。
【0055】
[例J]判定領域設定部71は、
図10に示すように、ブーム21が伏せられ、ブーム21とアーム23とが折り畳まれた姿勢(抱えられた姿勢)(「第2姿勢」とする)であるか否かに応じて、判定領域Bを変えてもよい。さらに詳しくは、アタッチメント20が第2姿勢のときには、アーム23よりも背面側Dbの領域、かつ、アーム23の近傍に、地面がある。アタッチメント20が第2姿勢の状態で、作業機械1が走行する場合がある。この場合に、アーム23よりも背面側Dbの地面が障害物と判定され、指令出力部83(
図7参照)が、警告や作動制限の指令を出力すると、作業機械1の作業性(走行性)が悪化する場合がある。そこで、判定領域設定部71は、アタッチメント20が第2姿勢か否かに応じて、判定領域Bを変えてもよい。[例J1]例えば、判定領域設定部71は、ブーム21に対してアーム23が所定角度以上折り曲げられ、かつ、上部旋回体12に対してブーム21が所定角度未満に伏せられた場合に、アタッチメント20が第2姿勢であると判定する。
【0056】
[例J2]アタッチメント20が第2姿勢である場合、判定領域設定部71は、例えば、アーム23よりも背面側Dbの領域の少なくとも一部を、判定領域Bから除外する。[例J2a]アタッチメント20が第2姿勢である場合、判定領域設定部71は、特定境界面C3よりも下側Z2の領域を、判定領域Bから除外してもよい。[例J2b]特定境界面C3は、機械本体10に基づいて決められた一定の面でもよく、下部走行体11に基づいて決められた一定の面でもよく、下部走行体11の底面からある高さだけ上側Z1の面でもよい。[例J2c]特定境界面C3は、例えばアタッチメント20の位置に基づいて設定されてもよく、例えばアーム23の位置(例えば背面23bの位置)に基づいて設定されてもよい。[例J2d]特定境界面C3は、判定領域操作部33の操作に応じて変えられてもよい。
【0057】
(判定領域Bの設定の組み合わせ)
[例K]上記の判定領域Bの設定の例は、様々に組み合わせ可能である。[例K1]判定領域設定部71は、上部旋回体12の位置に基づいて基準となる判定領域Bを設定し(上記[例D]参照)、さらに、この判定領域Bを、判定領域操作部33の操作に応じて変えてもよい(上記[例F]参照)。[例K2]判定領域設定部71は、アタッチメント20の姿勢や種類に応じて基準となる判定領域Bを設定し(上記[例E]参照)、さらに、この判定領域Bを、判定領域操作部33の操作に応じて変えてもよい(上記[例F]参照)。[例K3]判定領域設定部71は、上部旋回体12の位置に基づいて基準となる判定領域Bを設定し(上記[例D]参照)、さらに、この判定領域Bを、アタッチメント20の姿勢や種類に応じて変えてもよい(上記[例E]参照)。
【0058】
[例K4]上記の判定領域Bの設定の例が組み合わされる場合、ある設定(例えば[例D])において判定領域Bとなる領域が、他の設定(例えば[例E])において判定領域Bから除外する領域となる場合がある。この場合、判定領域設定部71は、どちらの設定を優先させるか(この例では[例D]と[例E]とのどちらを優先させるか)を様々に決め得る。
【0059】
[例K5]具体的には例えば、判定領域設定部71が、
図1に示すように、平面C1よりも上側Z1の領域を判定領域Bとする場合がある(上記[例D2a]参照)。一方、
図11に示すように、平面C1よりも上側Z1で作業が行われる場合がある。この場合に、作業の対象物(例えば斜面や解体対象物など)が障害物と判定され、指令出力部83(
図7参照)が警告や作動制限の指令を出力すると、作業機械1の作業性が悪化する場合がある。そこで、判定領域設定部71は、平面C1よりも上側Z1で作業が行われる場合は、平面C1よりも上側Z1の領域の少なくとも一部を、判定領域Bから除外してもよい。[例K5a]具体的には例えば、判定領域設定部71は、先端アタッチメント25が平面C1よりも上側Z1にある場合、アタッチメント20の姿勢に応じて判定領域Bを変える。さらに具体的には、判定領域設定部71は、先端アタッチメント25が平面C1よりも上側Z1にある場合、アーム23の腹面23vに平行な面(特定境界面C4)よりも下側Z2の領域を、判定領域Bから除外する。特定境界面C4は、アーム23の腹面23vを通る面でもよく、アーム23の腹面23vから所定距離離れた位置を通る面でもよい。
【0060】
(アタッチメント20の背面側Dbの障害物のみを検出する場合などとの比較)
図1に記載のアタッチメント20よりも背面側Dbでのみ、障害物の有無が判定される場合について検討する。この場合、作業機械1が、例えば高架下、軒下、看板の下などに配置されたときに、アタッチメント20よりも上側Z1の物とアタッチメント20との接触を抑制しうる。一方、例えば、上部旋回体12に対してアタッチメント20が前側X1や上側Z1に突出した状態で、上部旋回体12が旋回したり下部走行体11が走行したりすると、アタッチメント20よりも横方向Y外側の障害物にアタッチメント20が接触する場合がある。また、操作者は、上部旋回体12を旋回させる際には、上部旋回体12の後側X2部分の周辺を確認しながら操作することが多い。また、操作者は、作業機械1を走行させる際には、作業機械1の進行方向を確認しながら操作することが多い。そのため、上部旋回体12の旋回時や、作業機械1の走行時に、操作者は、アタッチメント20の周辺に対する注意がおろそかになる場合がある。特に、操作者から死角になりやすい、アタッチメント20よりも右側Yrの領域で、アタッチメント20が障害物に接触する場合がある。
【0061】
そこで、作業機械1は、
図2に示すアタッチメント20よりも右側Yrの右側判定領域Bsrにおいて、障害物の有無を判定する。そして、右側判定領域Bsrに障害物がある場合、アタッチメント20が障害物に接触する前に、指令出力部83(
図7参照)が警告や作動制限の指令を出力できる。よって、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制できる。
【0062】
(第1の発明の効果)
図1に示す作業機械1による効果は次の通りである。作業機械1は、機械本体10と、アタッチメント20と、障害物検出部43と、
図7に示す判定領域設定部71と、判定部81と、指令出力部83と、を備える。
図1に示すように、機械本体10は、運転室15を有する。アタッチメント20は、機械本体10に対して可動である。
【0063】
[構成1-1]障害物検出部43は、アタッチメント20の腹面21vから背面21bに向かう向き(背面側Db)におけるアタッチメント20よりも外側の領域で障害物を検出する。
図2に示すように、障害物検出部43は、アタッチメント20に対して運転室15とは反対側(右側Yr)におけるアタッチメント20よりも横方向Y外側の領域で障害物を検出する。判定領域設定部71(
図7参照)は、
図1に示す判定領域Bを設定する。判定部81は(
図7参照)、判定領域設定部71に設定された判定領域Bの範囲内に、障害物検出部43に検出された障害物があるか否かを判定する。
図7に示す指令出力部83は、判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81が判定した場合に、次の(指令a)および(指令b)の少なくともいずれかの指令を出力する。(指令a)アタッチメント20を障害物に近づける作動を制限する指令。(指令b)アタッチメント20を障害物に近づける作動を警告する指令。
【0064】
[構成1-2]判定領域設定部71は、特定の面である特定境界面Cよりも一方向側の少なくとも一部の領域を、判定領域Bから除外する。
【0065】
上記[構成1-1]では、アタッチメント20よりも背面側Dbおよび右側Yrの少なくともいずれかで、障害物検出部43が障害物を検出した場合、アタッチメント20を障害物に近づける作動の制限および警告の少なくともいずれかの指令が出力され得る。よって、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制できる。ここで、アタッチメント20よりも背面側Dbおよび右側Yrの少なくともいずれかに障害物が存在する場合に、常に、上記の指令が出力されると、作業機械1での作業性が悪化する場合がある。そこで、上記[構成1-2]では、判定領域設定部71(
図7参照)は、特定境界面Cよりも一方向側(例えば下側Z2)の領域の少なくとも一部の領域を、判定領域Bから除外する。よって、判定領域Bの範囲内に障害物がなければ、判定領域Bから除外された領域に障害物があっても、指令出力部83は、上記の指令を出力する必要がない。よって、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制しつつ、作業機械1の作業性を確保できる。
【0066】
(第2の発明の効果)
[構成2]作業機械1は、機械本体10およびアタッチメント20の少なくともいずれかの姿勢を検出する姿勢検出部41(
図7参照)を備える。判定領域設定部71は、姿勢検出部41に検出された姿勢に応じて判定領域Bを変える。
【0067】
作業機械1の姿勢によって、例えば操作者からの視認のしやすさや、操作者が注視する可能性の高い位置などが変わり、障害物の有無を判定する必要性が変わる場合がある。そこで、上記[構成2]では、作業機械1の姿勢に応じて判定領域Bが変えられる。よって、より確実に、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制しつつ、作業機械1の作業性を確保できる。
【0068】
(第3の発明の効果)
[構成3]作業機械1は、アタッチメント20の種類を取得する種類取得部65(
図7参照)を備える。判定領域設定部71は、種類取得部65に取得されたアタッチメント20の種類に応じて判定領域Bを変える。
【0069】
アタッチメント20の種類によって、例えば操作者からの視認のしやすさや、操作者が注視する可能性の高い位置などが変わり、障害物の有無を判定する必要性が変わる場合がある。そこで、上記[構成3]では、アタッチメント20の種類に応じて判定領域Bが変えられる。よって、より確実に、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制しつつ、作業機械1の作業性を確保できる。
【0070】
(第4の発明の効果)
[構成4]運転室15は、運転室15の前側X1部分に設けられるフロントウインドウ15aを備える(
図3参照)。判定領域設定部71は、平面C1よりも下側Z2の領域の少なくとも一部を、判定領域Bから除外する。平面C1は、運転室15の内部の特定位置であるアイポイントPと、フロントウインドウ15aの上側Z1端部と、を通る。
【0071】
平面C1よりも下側Z2の領域は、平面C1よりも上側Z1の領域に比べ、操作者から目視しやすく、障害物の有無を判定する必要性が低い。そこで、上記[構成4]では、平面C1よりも下側Z2の領域の少なくとも一部が、判定領域Bから除外される。よって、作業機械1の作業性をより確保できる。
【0072】
(第5の発明の効果)
図11に示すように、アタッチメント20は、機械本体10に取り付けられたブーム21と、ブーム21に回転可能に取り付けられたアーム23と、アーム23に取り付けられた先端アタッチメント25と、を備える。
【0073】
[構成5]判定領域設定部71は、先端アタッチメント25が平面C1よりも上側Z1にある場合、アーム23の腹面23vに平行な面(特定境界面C4)よりも下側Z2の領域の少なくとも一部を、判定領域Bから除外する。
【0074】
上記[構成4]を備え、上記[構成5]を備えない場合は、平面C1よりも上側Z1の領域は、判定領域Bになり得る。そのため、平面C1よりも上側Z1の領域で、先端アタッチメント25による作業が行われる場合、先端アタッチメント25の周囲の物体が障害物であると判定され、上記の指令が出力され得る。すると、作業機械1での作業性が悪化する場合がある。そこで、作業機械1は、上記[構成5]を備える。よって、アーム23の腹面23vに平行な面(特定境界面C4)よりも下側Z2の領域の少なくとも一部が、判定領域Bから除外される。よって、作業機械1の作業性をより確保できる。
【0075】
(第9の発明の効果)
[構成9]作業機械1は、運転室15に配置される判定領域操作部33を備える。判定領域設定部71は、判定領域操作部33の操作に応じて判定領域Bを変える。
【0076】
上記[構成9]により、作業機械1の操作者は、判定領域操作部33を操作することで、判定領域Bを変えることができる。よって、操作者の利便性を向上させることができる。例えば、操作者が、作業機械1による作業の内容および作業現場の状況に応じて適切な判定領域Bを設定した場合、より確実に、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制しつつ、作業機械1の作業性を確保できる。
【0077】
(第2実施形態)
図12などを参照して、第2実施形態の作業機械201について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第2実施形態の作業機械201のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付すなどして、説明を省略する。共通点の説明を省略する点については、後述する他の実施形態の説明も同様である。相違点は、アーム23に対する先端アタッチメント225の回転方向である。
【0078】
先端アタッチメント225は、
図1に示す先端アタッチメント25と同様に、横方向Yに延びる回転軸を中心にアーム23に対して回転可能である。さらに、
図12に示す先端アタッチメント225は、横方向Y以外の方向に延びる回転軸を中心にアーム23に対して回転可能である。具体的には、
図4に示すように、先端アタッチメント225は、アーム中心軸23a(
図4参照)と平行な回転軸を中心に回転可能でもよい。また、
図12に示すように、先端アタッチメント225は、アーム23に対して横方向Yに揺動可能(チルト可能)でもよい。さらに詳しくは、先端アタッチメント225は、アーム中心軸23a(
図4参照)が延びる方向および横方向Yのそれぞれに直交する方向に延びる回転軸を中心として、アーム23に対して回転可能でもよい。
【0079】
(作動)
第1実施形態の作業機械1(
図1参照)の作動に対する、本実施形態の作業機械201の作動の相違点は、次の通りである。姿勢検出部41(
図7参照)は、アーム23に対する先端アタッチメント225の回転(例えば角度)を検出する。姿勢算出部61(
図7参照)は、回転した先端アタッチメント225の位置(座標)を算出する。判定領域設定部71(
図7参照)は、回転した先端アタッチメント225の位置を、判定領域Bから除外する。判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合、指令出力部83(
図7参照)は、先端アタッチメント225が障害物に近づく向きに回転する作動に対して、警告や作動制限の指令を出力する。
【0080】
(第3実施形態)
図13などを参照して、第3実施形態の作業機械301について、第1実施形態との相違点を説明する。相違点は、上部旋回体12に対するアタッチメント20の回転方向であり、例えば上部旋回体12に対するブーム321の回転方向である。
【0081】
アタッチメント20の少なくとも一部は、機械本体10に対して、横方向Yに回転可能である。さらに詳しくは、ブーム321は、上部旋回体12に対して、横方向Yに回転可能(スイング可能)である。上部旋回体12に対するブーム321の回転軸の方向は、上下方向Zである(さらに詳しくは上下方向Zの成分を含む)。上部旋回体12に対するブーム321の横方向Yへの回転に伴って、アーム23および先端アタッチメント25は、上部旋回体12に対して横方向Yに回転する。
【0082】
(作動)
第1実施形態の作業機械1(
図1参照)の作動に対する、本実施形態の作業機械301の作動の相違点は、次の通りである。姿勢検出部41(
図7参照)は、上部旋回体12に対するブーム321のスイング(横方向Yの回転)を検出する。姿勢算出部61(
図7参照)は、スイングしたブーム321の位置(座標)を算出する。判定領域設定部71(
図7参照)は、スイングしたブーム321の位置を、判定領域Bから除外する。判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合、指令出力部83(
図7参照)は、ブーム321が障害物に近づく向きにスイングする作動に対して、警告や作動制限の指令を出力する。
【0083】
操作者は、上部旋回体12に対してブーム321をスイングさせる操作を行う際、先端アタッチメント25やアーム23の周辺に、接触する物(例えば作業者)がないかを目視で確認することが多い。一方、この際、ブーム321の周囲(特にブーム321よりも上側Z1および右側Yr)の注意がおろそかになる場合がある(後述するブーム421(
図14参照)をオフセットさせる場合も同様)。そこで、作業機械301では、指令出力部83(
図7参照)は、ブーム321が障害物に近づく向きにスイングする作動に対して、警告や作動制限の指令を出力できる。よって、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制できる。
【0084】
(第6の発明の効果)
[構成6]
図13に示すように、アタッチメント20は、機械本体10に対して横方向Yに回転可能である。
【0085】
上記[構成6]では、機械本体10に対してアタッチメント20が横方向Yに回転すると、アタッチメント20が障害物に近づく場合がある。この様な場合でも、上記[構成1-1]では、判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合、指令出力部83(
図7参照)は、アタッチメント20が障害物に近づく作動に対して、警告や作動制限の指令を出力する。よって、機械本体10に対して横方向Yに回転可能な部分をアタッチメント20が有する場合でも、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制できる。
【0086】
(第4実施形態)
図14を参照して、第4実施形態の作業機械401について、第1実施形態との相違点を説明する。相違点は、上部旋回体12に対するアタッチメント20の移動可能方向であり、例えば上部旋回体12に対するブーム421の移動可能方向である。
【0087】
アタッチメント20は、機械本体10に対して、横方向Yに平行移動可能な部分を有する。さらに詳しくは、ブーム421は、上部旋回体12に対して、横方向Yに平行移動可能(オフセット可能)な部分を有する。ブーム421は、例えば、第1ブーム421-1と、第2ブーム421-2と、第3ブーム421-3と、を備える。第1ブーム421-1は、上部旋回体12に起伏可能に取り付けられる。第2ブーム421-2は、第1ブーム421-1に横方向Yに回転可能に取り付けられる。第2ブーム421-2は、平行リンクである。第3ブーム421-3は、第2ブーム421-2に横方向Yに回転可能に取り付けられる。アーム23は、第3ブーム421-3に取り付けられる。第3ブーム421-3、アーム23、および先端アタッチメント25は、第1ブーム421-1および上部旋回体12に対して、横方向Yに平行移動可能である。
【0088】
(作動)
第1実施形態の作業機械1(
図1参照)の作動に対する、本実施形態の作業機械401の作動の相違点は、次の通りである。姿勢検出部41(
図7参照)は、上部旋回体12に対するブーム421の横方向Yへの平行移動(オフセット)を検出する。姿勢算出部61(
図7参照)は、オフセットしたブーム421の位置(座標)を算出する。判定領域設定部71(
図7参照)は、オフセットしたブーム421の位置を、判定領域Bから除外する。判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合、指令出力部83(
図7参照)は、ブーム421が障害物に近づく向きにオフセットする作動に対して、警告や作動制限の指令を出力する。
【0089】
(第7の発明の効果)
[構成7]アタッチメント20は、機械本体10に対して横方向Yに平行移動可能な部分を有する。
【0090】
上記[構成7]では、機械本体10に対してアタッチメント20の一部が横方向Yに平行移動すると、アタッチメント20の一部が障害物に近づく場合がある。この様な場合でも、上記[構成1-1]では、判定領域Bの範囲内に障害物があると判定部81(
図7参照)が判定した場合、指令出力部83(
図7参照)は、アタッチメント20が障害物に近づく作動に対して、警告や作動制限の指令を出力する。よって、機械本体10に対して横方向Yに平行移動可能な部分をアタッチメント20が有する場合でも、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制できる。
【0091】
(第5実施形態)
図15などを参照して、第5実施形態の作業機械501について、第1実施形態との相違点を説明する。相違点は、フレーム513に対して運転室515が移動可能である点である。
【0092】
機械本体10の(上部旋回体12の)フレーム513は、運転室515を移動可能に支持する。運転室515は、フレーム513に対して上下方向Zに移動可能なエレベータキャブである。運転室515とフレーム513とは、
図15に示す例ではリンク514で接続される。例えば、フレーム513に対してリンク514が回転すると、フレーム513に対して運転室515が上下方向Zに移動する。なお、リンク514が設けられず、運転室515がフレーム513に対して上下方向Zにスライド可能でもよい。
【0093】
図7に示すように、検出部40は、運転室姿勢検出部542を備える。運転室姿勢検出部542は、
図15に示す運転室515の姿勢を検出し、さらに詳しくは、フレーム513に対する運転室515の位置(例えば高さ)を検出する。
図7に示すように、コントローラ60は、運転室姿勢算出部562を備える。運転室姿勢算出部562は、運転室姿勢検出部542に検出された運転室515(
図15参照)の姿勢に基づいて、運転室515の位置(座標)を算出する。運転室姿勢算出部562は、運転室515に関する位置(例えばアイポイントPなど)を算出してもよい。
【0094】
(作動)
第1実施形態の作業機械1(
図1参照)の作動に対する、
図5に示す本実施形態の作業機械501の作動の相違点は、次の通りである。フレーム513に対する運転室515の位置が変わると、運転室515内の操作者から見える範囲が変わり、障害物の見えやすさが変わる。そこで、判定領域設定部71(
図7参照)は、運転室姿勢検出部542(
図7参照)に検出された、フレーム513に対する運転室515の位置に応じて、判定領域Bを変える。例えば、判定領域設定部71は、フレーム513に対して運転室515が高いほど、特定境界面Cを上側Z1の位置に設定してもよい。また、例えば、フレーム513に対する運転室515の位置が高くなると、アイポイントPが高くなり、平面C1が高くなる。そこで、判定領域設定部71は、フレーム513に対する運転室515の高さに応じて、平面C1の位置を変えてもよい。
【0095】
(第8の発明の効果)
[構成8]機械本体10は、運転室515を移動可能に支持するフレーム513を備える。判定領域設定部71(
図7参照)は、フレーム513に対する運転室515の位置に応じて判定領域Bを変える。
【0096】
上記[構成8]により、フレーム513に対する運転室515の位置に応じて適切な判定領域Bを設定した場合、より確実に、アタッチメント20が障害物に接触することを抑制しつつ、作業機械1の作業性を確保できる。
【0097】
(第6実施形態)
図16などを参照して、第6実施形態の作業機械601について、第5実施形態(
図15参照)との相違点を説明する。相違点は、フレーム513に対する運転室615の移動方向である。
【0098】
運転室615は、フレーム513に対して上下方向Zに回転可能なチルトキャブである。フレーム513に対する運転室615の回転軸が延びる方向は、横方向Yである。運転室姿勢検出部542(
図7参照)は、フレーム513に対する運転室615の角度を検出する。
【0099】
(作動)
第5実施形態の作業機械501(
図15参照)の作動に対する、本実施形態の作業機械601の作動の相違点は、次の通りである。判定領域設定部71(
図7参照)は、運転室姿勢検出部542(
図7参照)に検出されたフレーム513に対する運転室615の位置(具体的には角度)に応じて、判定領域Bを変える。具体的には例えば、判定領域設定部71は、運転室615が上側Z1を向くほど(運転室615の後側X2部分に対して前側X1部分が上側Z1に配置されるほど)、特定境界面Cを上側Z1の位置に設定してもよい。また、例えば、フレーム513に対して運転室615が上側Z1を向くほど、フロントウインドウ15aの上側Z1端部の位置が上側Z1になる結果、前後方向Xに対する平面C1の傾きが大きくなる。そこで、判定領域設定部71(
図7参照)は、フレーム513に対する運転室615の傾きが大きくなるほど、前後方向Xに対する平面C1の傾きを大きくする。
【0100】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、互いに異なる実施形態の構成要素どうしが組み合わされてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、201、301、401、501、601 作業機械
10 機械本体
15、515、615 運転室
20 アタッチメント
21、321、421 ブーム
23 アーム
25、225 先端アタッチメント
33 判定領域操作部
41 姿勢検出部(アタッチメント姿勢検出部、機械本体姿勢検出部)
43 障害物検出部
65 種類取得部
71 判定領域設定部
81 判定部
83 指令出力部
513 フレーム
B 判定領域
C、C2、C3、C4 特定境界面
C1 平面(特定境界面)
Db 背面側
Ab 背面側検出可能領域(アームよりも背面側かつアームの外側の領域)
Ar 右側検出可能領域(アタッチメントに対して運転室とは反対側におけるアタッチメントよりも横方向外側の領域)