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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】建築物の基礎構造およびその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/00 20060101AFI20230111BHJP
   E02D 27/01 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
E02D27/00 C
E02D27/01 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021207890
(22)【出願日】2021-12-22
(62)【分割の表示】P 2017238798の分割
【原出願日】2017-12-13
(65)【公開番号】P2022033211
(43)【公開日】2022-02-28
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡部 潤二
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-017490(JP,A)
【文献】実公昭59-035705(JP,Y2)
【文献】特開2006-132313(JP,A)
【文献】特開2001-303583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00-27/52
E04B 1/00- 1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製の基礎と、複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含み、前記コンクリート製の前記基礎の上に設けられる鋼製基礎と、を備え、
前記複数の外周鋼材は少なくとも1つの仕上鋼材を含み、
前記仕上鋼材は前記仕上鋼材の長手方向に直交する水平方向の端において前記仕上鋼材の上端と下端との間に広がる外面を含み、
前記外周基礎は前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように構成され、
前記外周基礎の前記外周に位置する前記外面には、前記外面に接合されるワイヤーメッシュと、前記ワイヤーメッシュに絡む内層と、前記内層に設けられる外層と、が設けられ、
前記内層は、前記コンクリート製の前記基礎の外面と前記外周基礎の前記外面との間の段差が小さくなるように設けられ、
前記外層は、前記内層と前記コンクリート製の前記基礎とにわたるように設けられる、
建築物の基礎構造。
【請求項2】
前記仕上鋼材は溝形鋼であり、
前記外面は前記溝形鋼のウェブ面である
請求項1に記載の建築物の基礎構造。
【請求項3】
前記複数の外周鋼材は全て前記仕上鋼材である
請求項1または2に記載の建築物の基礎構造。
【請求項4】
前記鋼製基礎は前記外周基礎内に配置される少なくとも1つの区画鋼材をさらに備え、
前記外周鋼材および前記区画鋼材は形鋼であり、
前記区画鋼材の形鋼の種類は前記外周鋼材の形鋼の種類と異なる
請求項1~3のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造。
【請求項5】
前記区画鋼材はH形鋼である
請求項4に記載の建築物の基礎構造。
【請求項6】
前記外周鋼材はアンカーボルトを収容する収容構造を備える
請求項1~5のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造。
【請求項7】
前記鋼製基礎に取り付けられるアンカーボルトと、
グランドレベルに対する前記鋼製基礎の高さを調節できるように前記アンカーボルトに取り付けられるアジャスト部品をさらに備える
請求項1~6のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造。
【請求項8】
前記アジャスト部品を構成する材料は合成樹脂またはコンクリートである
請求項7に記載の建築物の基礎構造。
【請求項9】
複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含む鋼製基礎をアンカーボルトを介して補助層に配置する配置工程と、
前記補助層と前記鋼製基礎との間に前記鋼製基礎を支持するコンクリート製の基礎を形成する形成工程と、前記鋼製基礎に仕上層を形成する仕上工程と、を含む建築物の基礎構造の施工方法であって、
前記配置工程では、長手方向に直交する水平方向の端において上端と下端との間に広がる外面を含む仕上鋼材を少なくとも1つ用い、前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように前記鋼製基礎を組み、
前記仕上工程では、前記外周基礎の前記外周に位置する前記外面にワイヤーメッシュを接合し、前記ワイヤーメッシュに絡むように内層を形成し、硬化した前記内層と前記コンクリート製の前記基礎の外面とを覆うように外層を形成し、
前記仕上工程では、前記コンクリート製の前記基礎の前記外面と前記外周基礎の前記外面との間の段差が小さくなるように前記内層を形成する、
建築物の基礎構造の施工方法。
【請求項10】
前記配置工程と前記形成工程との間に実施される工程であり、前記アンカーボルトに取り付けられたアジャスト部品を回転させることによりグランドレベルに対する前記鋼製基礎の高さを調節する調節工程をさらに含む
請求項9に記載の建築物の基礎構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の基礎構造およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軽量化等のために鋼製基礎をコンクリート製の基礎上に配置する建築物の基礎構造が知られている。例えば、特許文献1に記載の建築物の基礎構造では、地盤に設けられる平板状基礎部分(6)上にH形鋼(7)を配置し、アンカーボルト(8)によりH形鋼(7)を平板状基礎部分(6)に結合している。H形鋼(7)の一方のフランジと他方のフランジとの間に形成される一方の開口は鋼製基礎の外側に開口する。平板状基礎部分(6)に設置されたH形鋼(7)には、この開口を閉じる目隠し用パネル(12)が取り付けられる。さらに、この目隠し用パネル(12)の表面には、基礎構造の意匠性を高めるための仕上層(124)が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-303583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建築物の工期短縮のために基礎構造の施工に要する時間を短縮できることが好ましい。例えば、特許文献1の基礎構造によれば、目隠し用パネル(12)をH形鋼(7)に取り付ける作業に手間がかかるため、施工時間の短縮という点において改善の余地があると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含む鋼製基礎を備え、前記複数の外周鋼材は少なくとも1つの仕上鋼材を含み、前記仕上鋼材は前記仕上鋼材の長手方向に直交する水平方向の端において前記仕上鋼材の上端と下端との間に広がる外面を含み、前記外周基礎は前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように構成され、前記外周基礎の前記外周に位置する前記外面には、前記外面に接合されるワイヤーメッシュと、前記ワイヤーメッシュに絡む内層と、前記内層に設けられる外層と、が設けられる。
【0006】
(1A)参考の建築物の基礎構造は複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含む鋼製基礎を備え、前記複数の外周鋼材は少なくとも1つの仕上鋼材を含み、前記仕上鋼材は前記仕上鋼材の長手方向に直交する水平方向の端において前記仕上鋼材の上端と下端との間に広がる外面を含み、前記外周基礎は前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように構成される。
上記基礎構造によれば、鋼製基礎の少なくとも一部に仕上層を形成する必要がある場合、仕上層の形成が予定される箇所に仕上鋼材の外面が位置するように鋼製基礎の外周基礎を組むことができる。外面が外周基礎の外周に位置するため、従来の基礎構造とは異なり、鋼材の凹部を埋めるためのパネルを仕上鋼材に取り付けることなく外面に仕上層を形成できる。このため、基礎構造の施工時間を短縮できる。
【0007】
(2)好ましい例では(1)に記載の建築物の基礎構造において、前記仕上鋼材は溝形鋼であり、前記外面は前記溝形鋼のウェブ面である。
既存の溝形鋼が仕上鋼材として利用されるため、鋼製基礎の生産性が向上する。
【0008】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載の建築物の基礎構造において、前記複数の外周鋼材は全て前記仕上鋼材である。
このため、基礎構造の施工時間を一層短縮できる。
【0009】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造において、前記鋼製基礎は前記外周基礎内に配置される少なくとも1つの区画鋼材をさらに備え、前記外周鋼材および前記区画鋼材は形鋼であり、前記区画鋼材の形鋼の種類は前記外周鋼材の形鋼の種類と異なる。
このため、建築物の構造に適した間仕切り基礎を構成できる。
【0010】
(5)好ましい例では(4)に記載の建築物の基礎構造において、前記区画鋼材はH形鋼である。
このため、鋼製基礎の断面効率が高くなる。
【0011】
(6)好ましい例では(1)~(5)のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造において、前記外周鋼材はアンカーボルトを収容する収容構造を備える。
基礎構造が形成される場合、複数の外周鋼材を含めて鋼製基礎の製造に必要な鋼材が地盤に形成された掘削溝の周囲に搬送される。上記基礎構造では、この場合にアンカーボルトを外周鋼材の収容構造に収容した状態で外周基礎を搬送できる。このため、外周鋼材およびアンカーボルトを効率的に搬送できる。
【0012】
(7)好ましい例では(1)~(6)のいずれか一項に記載の建築物の基礎構造において、前記鋼製基礎に取り付けられるアンカーボルトと、グランドレベルに対する前記鋼製基礎の高さを調節できるように前記アンカーボルトに取り付けられるアジャスト部品をさらに備える。
このため、グランドレベルに対する鋼製基礎の高さを容易に調節できる。
【0013】
(8)好ましい例では(7)に記載の建築物の基礎構造において、前記アジャスト部品を構成する材料は合成樹脂またはコンクリートである。
アジャスト部品が錆びないため、鋼製基礎を支持するために鋼製基礎の下方に形成されるコンクリート製の基礎の耐久性が高められる。
【0014】
(9)本発明に関する建築物の基礎構造の施工方法は、複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含む鋼製基礎をアンカーボルトを介して補助層に配置する配置工程と、前記補助層と前記鋼製基礎との間に前記鋼製基礎を支持するコンクリート製の基礎を形成する形成工程と、前記鋼製基礎に仕上層を形成する仕上工程と、を含む建築物の基礎構造の施工方法であって、前記配置工程では、長手方向に直交する水平方向の端において上端と下端との間に広がる外面を含む仕上鋼材を少なくとも1つ用い、前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように前記鋼製基礎を組み、前記仕上工程では、前記外周基礎の前記外周に位置する前記外面にワイヤーメッシュを接合し、前記ワイヤーメッシュに絡むように内層を形成し、硬化した前記内層と前記コンクリート製の前記基礎の外面とを覆うように外層を形成する。
【0015】
(9A)参考の建築物の基礎構造の施工方法は複数の外周鋼材により構成される外周基礎を含む鋼製基礎をアンカーボルトを介して補助層に配置する配置工程と、前記補助層と前記鋼製基礎との間に前記鋼製基礎を支持するコンクリート製の基礎を形成する形成工程とを含む建築物の基礎構造の施工方法であって、前記配置工程では、長手方向に直交する水平方向の端において上端と下端との間に広がる外面を含む仕上鋼材を少なくとも1つ用い、前記外面が前記外周基礎の外周に位置するように前記鋼製基礎を組む。
上記施工方法によれば、上記(1A)の基礎構造により得られる効果と同様の効果が得られる。
【0016】
(10)好ましい例では(9)に記載の建築物の基礎構造の施工方法において、前記配置工程と前記形成工程との間に実施される工程であり、前記アンカーボルトに取り付けられたアジャスト部品を回転させることによりグランドレベルに対する前記鋼製基礎の高さを調節する調節工程をさらに含む。
上記施工方法によれば、上記(7)の基礎構造により得られる効果と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に関する建築物の基礎構造およびその施工方法によれば、基礎構造の施工時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の建築物の基礎構造の断面図。
図2】基礎構造の平面図。
図3】鋼製基礎の第1連結部の斜視図。
図4】鋼製基礎の第2連結部の斜視図。
図5】鋼製基礎の第3連結部の斜視図。
図6】鋼製基礎の第4連結部の斜視図。
図7】アンカーセットの正面図。
図8】アンカーセットの収容状態を示す正面図。
図9】アンカーセットの突出状態を示す正面図。
図10】基礎構造の施工方法の第1工程および第2工程に関する図。
図11】基礎構造の施工方法の第5工程に関する図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
図1を参照して、建築物本体100が設置された基礎構造10について説明する。基礎構造10および建築物本体100は建築物200を構成する。基礎構造10はグランドレベルGLを鉛直方向に跨ぐように地盤Gに設置される。地盤補強が必要な場合には杭11が地盤Gに打設される。杭11の一例は鋼管である。
【0020】
建築物本体100の一例は個別住宅または集合住宅である。建築物本体100は躯体110および外壁120を備える。基礎構造10を構成する主な要素はコンクリート製基礎20、鋼製基礎30、および、複数のアンカーセット70である。コンクリート製基礎20と鋼製基礎30とは複数のアンカーセット70により結合される。躯体110はボルト130により鋼製基礎30に結合される。外壁120は躯体110を覆う。
【0021】
コンクリート製基礎20は補助層12上に形成される。コンクリート製基礎20の上部21は地上に位置する。補助層12はコンクリート製基礎20の製造を補助するために必要に応じて形成される。補助層12の構造の一例は捨てコンクリート層だけにより構成される単層構造、ならびに、捨てコンクリート層および砕石層により構成される2層構造である。杭11は補助層12を介してコンクリート製基礎20を支持する。鋼製基礎30はコンクリート製基礎20の上部21に設置される。建築物本体100は鋼製基礎30上に設置される。コンクリート製基礎20および捨てコンクリート層を構成する材料は強アルカリ性のコンクリートである。
【0022】
鋼製基礎30の外周には、仕上層80が形成される。仕上層80は建築物本体100の外壁120とともに建築物本体100の外観を構成する。仕上層80を構成する材料は任意に選択できる。その一例はモルタルである。図1に示される例では、仕上層80は内層81および外層82により構成される。内層81は鋼製基礎30に接合されたワイヤーメッシュ90を覆うように鋼製基礎30の下地面30Cに形成される。外層82はコンクリート製基礎20の上部21の外面21A、および、内層81を覆うように形成される。
【0023】
図2に示されるように、鋼製基礎30は複数の鋼材40、50により構成される。鋼製基礎30は外周基礎30Aおよび間仕切り基礎30Bに区分される。外周基礎30Aは鋼製基礎30の外郭を構成する。間仕切り基礎30Bは外周基礎30Aの内側の空間を区画する。複数の鋼材40、50には複数の外周鋼材40および複数の区画鋼材50が含まれる。複数の外周鋼材40は外周基礎30Aを構成する。複数の区画鋼材50は間仕切り基礎30Bを構成する。外周基礎30Aの形状および間仕切り基礎30Bの設置箇所は建築物本体100の構造に応じて決められる。
【0024】
個々の外周鋼材40および区画鋼材50は複数のアンカーセット70によりコンクリート製基礎20と結合される。一例では、複数のアンカーセット70が外周鋼材40および区画鋼材50の長手方向に沿う列を形成するように一定の間隔を空けて設置される。図2に示される例では、個々の外周鋼材40および区画鋼材50に設けられるアンカーセット70の列は2列である。
【0025】
好ましい例では、複数の外周鋼材40には、少なくとも1つの仕上鋼材40Aが含まれる。仕上鋼材40Aとは、仕上層80の下地となるパネルを外周鋼材40に取り付けなくても仕上層80を形成できる構造を備える鋼材である。仕上鋼材40Aは下地面30Cを含む(図1参照)。下地面30Cは仕上鋼材40Aの長手方向に直交する水平方向の端において仕上鋼材40Aの上端と下端との間に広がる。仕上鋼材40Aの種類の一例は溝形鋼および角柱鋼管である。溝形鋼は、通常の溝形鋼、軽量溝形鋼、および、リップ溝形鋼に分類される。
【0026】
図2に示される例では、複数の外周鋼材40は全て仕上鋼材40Aである。仕上鋼材40Aの種類は軽量溝形鋼である。複数の外周鋼材40に仕上鋼材40A以外の鋼材が含まれる場合、その鋼材の種類は任意に選択できる。仕上鋼材40A以外の鋼材の一例はH形鋼およびI形鋼である。
【0027】
図1に示されるように、仕上鋼材40Aである軽量溝形鋼は第1フランジ41、第2フランジ42、および、ウェブ43により構成される。仕上鋼材40Aには、第1フランジ41の内面41A、第2フランジ42の内面42A、および、ウェブ43のウェブ面の一方である内面43Aに囲まれた凹部44が形成される。第1フランジ41の外面41Bはコンクリート製基礎20の上部21に設置される。第2フランジ42の外面42Bは建築物本体100を支持する。ウェブ43のウェブ面の他方である外面43Bは外周基礎30Aの外周に位置する。ウェブ43の外面43Bは下地面30Cである。ウェブ43の外面43Bは仕上鋼材40Aの幅方向の端において仕上鋼材40Aの上端を規定する第1フランジ41の外面41Bと仕上鋼材40Aの下端を規定する第2フランジ42の外面42Bとの間に広がる。
【0028】
区画鋼材50の種類は任意に選択できる。区画鋼材50の種類の一例はH形鋼、溝形鋼、I形鋼、および、角柱鋼管である。一例では、区画鋼材50の種類は外周鋼材40の種類と異なる。図2に示される例では、全ての区画鋼材50の種類はH形鋼である。図1に示されるように、区画鋼材50であるH形鋼は第1フランジ51、第2フランジ52、および、ウェブ53により構成される。区画鋼材50には、第1フランジ51の内面51A、第2フランジ52の内面52A、および、ウェブ53のウェブ面53Aに囲まれた凹部54が形成される。第1フランジ51の外面51Bはコンクリート製基礎20の上部21に設置される。第2フランジ52の外面52Bは建築物本体100を支持する。
【0029】
図2に示されるように、鋼製基礎30には第1連結部31、第2連結部32、第3連結部33、および、第4連結部34が形成される。第1連結部31は長手方向に並べられた2本の外周鋼材40が互いに結合された部分である。第2連結部32は外周基礎30Aの角を形成するように配置された2本の外周鋼材40が互いに結合された部分である。第3連結部33は直交するように配置された外周鋼材40と区画鋼材50とが互いに結合された部分である。第4連結部34は長手方向に並べられた外周鋼材40と区画鋼材50とが互いに結合された部分である。外周鋼材40および区画鋼材50における各連結部31~34を構成する部分には、鋼材同士を互いに連結するための連結プレート60(図3図6参照)が接合される。接合手段の一例は溶接である。
【0030】
図3は第1連結部31を構成する2つの外周鋼材40の長手方向の端部を示す。外周鋼材40の長手方向の端部には、連結プレート60の一例である第1プレート61が接合される。第1プレート61は外周鋼材40の長手方向に開口する凹部44の開口部を閉じるように外周鋼材40に接合される。具体的には、第1プレート61の内面61Aは第1フランジ41の端面、第2フランジ42の端面、および、ウェブ43の端面に接合される。第1プレート61には、第1プレート61の内面61Aおよび外面61Bに開口する複数の孔61Cが形成される。
【0031】
第1連結部31では、一方の外周鋼材40の第1プレート61の外面61Bと他方の外周鋼材40の第1プレート61の外面61Bとが突き合わせられる。各第1プレート61の孔61Cのそれぞれに挿入されるボルト66にナット67が結合される。結合されたボルト66およびナット67により2つの外周鋼材40が連結される。ボルト66およびナット67は外周鋼材40の凹部44に配置される。このため、仕上層80の形成を含む各種の作業がボルト66およびナット67により阻害されない。
【0032】
図4は第2連結部32を構成する2つの外周鋼材40の長手方向の端部を示す。一方の外周鋼材40の長手方向の端部には、第1連結部31を構成する外周鋼材40と同様に第1プレート61が接合される。他方の外周鋼材40の長手方向の端部にも第1プレート61が接合される。ただし、この第1プレート61には孔61Cは形成されない。他方の外周鋼材40の長手方向の端部には、さらに連結プレート60の一例である第2プレート62が接合される。
【0033】
第2プレート62は外周鋼材40の短手方向に開口する凹部44の開口部を閉じるように外周鋼材40に接合される。具体的には、第2プレート62の内面62Aは第1フランジ41の内面41Aの端、第2フランジ42の内面42Aの端、および、第1プレート61の内面61Aの端のそれぞれに接合される。第2プレート62には、第2プレート62の内面62Aおよび外面62Bに開口する複数の孔62Cが形成される。
【0034】
第2連結部32では、一方の外周鋼材40の第1プレート61の外面61Bと他方の外周鋼材40の第2プレート62の外面62Bとが突き合わせられる。各プレート61、62の孔61C、62Cのそれぞれに挿入されるボルト66にナット67が結合される。結合されたボルト66およびナット67により2つの外周鋼材40が連結される。ボルト66およびナット67は外周鋼材40の凹部44に配置される。
【0035】
図5は第3連結部33を構成する外周鋼材40の中間部および区画鋼材50の長手方向の端部を示す。外周鋼材40の中間部には連結プレート60の一例である第3プレート63が接合される。第3プレート63は外周鋼材40の凹部44を長手方向に区画するように外周鋼材40に接合される。具体的には、第3プレート63の底面が第1フランジ41の内面41Aに接合され、第3プレート63の天面が第2フランジ42の内面42Aに接合され、第3プレート63の一方の側面がウェブ43の内面43Aに接合される。第3プレート63には、第3プレート63の第1主面63Aおよび第2主面63Bに開口する複数の孔63Cが形成される。
【0036】
区画鋼材50の長手方向の端部には連結プレート60の一例である第4プレート64が接合される。第4プレート64は区画鋼材50の長手方向の端面から突き出るように区画鋼材50に接合される。具体的には、第4プレート64の第1主面64Aがウェブ53のウェブ面53Aに接合される。第4プレート64には、第4プレート64の第1主面64Aおよび第2主面64Bに開口する複数の孔64Cが形成される。
【0037】
第3連結部33では、外周鋼材40の第3プレート63の第1主面63Aと区画鋼材50の第4プレート64の第1主面64Aとが突き合わせられる。各プレート63、64の孔63C、64Cのそれぞれに挿入されるボルト66にナット67が結合される。結合されたボルト66およびナット67により外周鋼材40と区画鋼材50とが連結される。ボルト66およびナット67は外周鋼材40の凹部44に配置される。
【0038】
図6は第4連結部34を構成する外周鋼材40および区画鋼材50の長手方向の端部を示す。外周鋼材40の長手方向の端部には、第1連結部31を構成する外周鋼材40と同様に第1プレート61が接合される。区画鋼材50の長手方向の端部には、連結プレート60の一例である第5プレート65が接合される。第5プレート65は区画鋼材50の長手方向に開口する各凹部54の開口部を閉じるように区画鋼材50に接合される。具体的には、第5プレート65の内面65Aは第1フランジ51の端面、第2フランジ52の端面、および、ウェブ53の端面に接合される。第5プレート65には、第5プレート65の内面65Aおよび外面65Bに開口する複数の孔65Cが形成される。
【0039】
第4連結部34では、外周鋼材40の第1プレート61の外面61Bと区画鋼材50の第5プレート65の外面65Bとが突き合わせられる。各プレート61、65の孔61C、65Cのそれぞれに挿入されるボルト66にナット67が結合される。結合されたボルト66およびナット67により外周鋼材40と区画鋼材50とが連結される。ボルト66およびナット67はそれぞれ外周鋼材40の凹部44または区画鋼材50の凹部54に配置される。
【0040】
図7を参照して、アンカーセット70の具体的な構成について説明する。アンカーセット70を構成する要素はアンカーボルト71、複数のナット72、定着板73、および、アジャスト部品74である。アンカーボルト71は鋼製基礎30とコンクリート製基礎20とを結合する。アンカーボルト71は外周鋼材40の第1フランジ41に形成された孔(図示略)に挿入される。コンクリート製基礎20が形成された状態では、コンクリート製基礎20内にアンカーボルト71が埋め込まれる。
【0041】
アンカーボルト71は第1フランジ41を基準に第1部分71Aおよび第2部分71Bに区分される。第1部分71Aはアンカーボルト71の第1端部71Cを含み、第1フランジ41の内面41Aから凹部44側に突出する。第2部分71Bはアンカーボルト71の第2端部71Dを含み、第1フランジ41の外面41Bからコンクリート製基礎20側に突出する。第2部分71Bの長さは第1部分71Aの長さよりも長い。定着板73はコンクリート製基礎20とアンカーボルト71との接合強度を高める。定着板73は第2部分71Bにおける第2端部71Dに近い部分に取り付けられる。なお、区画鋼材50とアンカーセット70との関係は上記と同様である。
【0042】
複数のナット72は第1ナット72A、第2ナット72B、第3ナット72C、および、第4ナット72Dを含む。第1ナット72Aおよび第2ナット72Bは第1フランジ41を挟むようにアンカーボルト71に結合される。具体的には、第1ナット72Aはアンカーボルト71の第1部分71Aに結合される。第1ナット72Aは第1フランジ41の内面41Aに接触する。第2ナット72Bはアンカーボルト71の第2部分71Bに結合される。第2ナット72Bは第1フランジ41の外面41Bに接触する。
【0043】
第3ナット72Cおよび第4ナット72Dは定着板73を挟むようにアンカーボルト71に結合される。具体的には、第3ナット72Cはアンカーボルト71の第2部分71Bのうちの定着板73に対する第1端部71C側に結合される。第3ナット72Cは定着板73の一方の主面に接触する。第4ナット72Dはアンカーボルト71の第2部分71Bのうちの定着板73に対する第2端部71D側に結合される。第4ナット72Dは定着板73の他方の主面に接触する。
【0044】
アジャスト部品74はグランドレベルGLに対する鋼製基礎30の高さを調節する。一例では、アジャスト部品74はアンカーボルト71に結合されるナットである。アジャスト部品74を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、アジャスト部品74は耐腐食性が高い材料により構成される。その一例は合成樹脂またはコンクリートである。アジャスト部品74がコンクリート製基礎20に覆われた状態において、補助層12とコンクリート製基礎20との間に水分が侵入した場合、その水分がアジャスト部品74に付着するおそれがある。アジャスト部品74は高い耐腐食性を有するため、水分が付着した場合でも腐食しにくい。このため、コンクリート製基礎20の中性化の進行が抑えられ、コンクリート製基礎20の寿命が伸びる。
【0045】
アジャスト部品74はアンカーボルト71の第2端部71Dに結合される。アジャスト部品74の形状はおおよそ円錐台である。アジャスト部品74の天面74Dおよび底面74Eは平面である。底面74Eの面積は天面74Dの面積よりも広い。天面74Dは鉛直方向において第4ナット72Dと対向する。底面74Eは補助層12に設置される。アジャスト部品74の中心部には、アジャスト部品74の高さ方向に沿う孔74Aが形成される。孔74Aを形成する内周面74Bには、アンカーボルト71と結合する雌ねじ74Cが形成される。
【0046】
図11は鋼製基礎30がアンカーセット70を介して補助層12に設置され、かつ、コンクリート製基礎20が形成されていない仮設置状態を示す。仮設置状態では、鋼製基礎30を支持できるようにアンカーセット70の大半が各鋼材40、50の下方に配置された突出状態が形成される。突出状態におけるアンカーセット70と各鋼材40、50との関係は図7に示される関係と実質的に同じである。
【0047】
仮設置状態では、アジャスト部品74をアンカーボルト71に対して回転させることができる。アジャスト部品74がアンカーボルト71に対して回転することにより、回転の方向に応じてアンカーボルト71が鉛直方向の上方または下方に移動する。個々の鋼材40、50に結合された複数のアンカーボルト71が鉛直方向に移動することにともない各鋼材40、50も鉛直方向に移動する。このため、アンカーボルト71に対するアジャスト部品74の回転量に応じてグランドレベルGLに対する鋼製基礎30の高さを調節できる。鋼製基礎30の高さの調整範囲における最も低い位置まで鋼製基礎30が下げられた状態(以下「下限状態」)では、第4ナット72Dがアジャスト部品74の天面74Dと接触し、アンカーボルト71の下方への移動が規制される。
【0048】
孔74Aの深さはアンカーボルト71のうちの第4ナット72Dから突出した第2部分71Bの長さよりも深い。好ましい例では、孔74Aの深さは鋼製基礎30の下限状態においてアンカーボルト71の第2端部71Dと補助層12との間に空間75が形成されるように決められる。このため、鋼製基礎30の高さの調節にともないアンカーボルト71の第2端部71Dが補助層12に接触することが回避される。
【0049】
アジャスト部品74の高さLAは任意に選択できる。一例では、アンカーボルト71およびコンクリート製基礎20の接合強度と、アンカーボルト71のかぶり厚との関係に基づいて高さLAが決められる。高さLAはアジャスト部品74の天面74Dと底面74Eとの距離である。高さLAの最大値の一例は100mmである。高さLAが100mm以下の場合、コンクリート製基礎20とアンカーボルト71との接合強度が高くなる。高さLAの最小値の一例は40mmおよび60mmである。高さLAが40mm以上の場合、アンカーボルト71のかぶり厚を大きく確保できる。高さLAが60mm以上の場合、アンカーボルト71のかぶり厚を一層大きく確保できる。高さLAが取り得る範囲の一例は40mm~100mm、60mm~100mmである。
【0050】
図8に示されるように、外周鋼材40はアンカーセット70を収容する収容構造46をさらに備える。区画鋼材50も同様の収容構造を備える。ここでは、外周鋼材40を例に収容構造46の詳細について例示する。収容構造46は凹部44、第1フランジ41の孔41C、および、第2フランジ42の孔42Cにより構成される。孔41Cは第1フランジ41の内面41Aおよび外面41Bのそれぞれに開口する。孔42Cは第2フランジ42の内面42Aおよび外面42Bのそれぞれに開口する。各孔41C、42Cは同軸上に形成される。凹部44の全体にアンカーボルト71が跨るようにアンカーボルト71が各孔41C、42Cに挿入されることにより、アンカーボルト71が収容構造46に収容される。以下では、この状態を「収容状態」と称する。なお、建築物本体100の躯体110と鋼製基礎30とを結合するボルト130は第2フランジ42の孔42Cに挿入される(図1参照)。
【0051】
収容状態では、外周鋼材40およびアンカーセット70は次のような関係を有する。アンカーボルト71の第1端部71Cを含む一部は第2フランジ42の外面42Bから突出する。第2フランジ42を挟むように第1ナット72Aおよび第2ナット72Bがアンカーボルト71に結合される。アンカーボルト71の第2端部71Dを含む一部は第1フランジ41の外面41Bから突出する。この部分に第3ナット72C、第4ナット72D、定着板73、および、アジャスト部品74が結合される。第3ナット72Cは第1フランジ41の外面41Bに接触する。各ナット72A~72Cにより外周鋼材40に対するアンカーボルト71の移動が規制される。
【0052】
アンカーセット70が補助層12に設置される場合、図9に示されるように、収容構造46に収容されているアンカーボルト71が凹部44から引き出された突出状態が形成される。突出状態における各鋼材40、50とアンカーセット70との関係は図7に示される関係と同様である。図8の収容状態において凹部44の外部に位置するアンカーボルト71の長さは、図9の突出状態において凹部44の外部に位置するアンカーボルト71の長さよりも短い。このため、収容状態で外周鋼材40が搬送される場合、アンカーセット70が結合された外周鋼材40の嵩が低くなり、搬送に関する作業性が向上する。なお、アンカーセット70の収容状態および搬送に関連する上述の事項は区画鋼材50にも共通する。
【0053】
図8図11を参照して基礎構造10の施工方法の一例について説明する。基礎構造10の施工方法は第1工程~第9工程を含む。第4工程は配置工程の一例である。第5工程は調節工程の一例である。第8工程は形成工程の一例である。
【0054】
図10に示されるように、第1工程では、地盤Gに掘削溝GAが形成される。次に、掘削溝GAの底GBに複数の杭11が打設される。第2工程では、掘削溝GAの底GBに補助層12として捨てコンクリート層が形成される。第3工程では、複数の外周鋼材40および複数の区画鋼材50が掘削溝GAの周囲に搬入される。搬入される各外周鋼材40および各区画鋼材50には、図8に示される収容状態が形成されるようにアンカーセット70が外周鋼材40および区画鋼材50に結合される。各鋼材40、50とアンカーセット70とが併せて搬送されるため、資材の搬送に関する効率が向上する。また、収容状態ではアンカーボルト71の大部分が外周鋼材40の凹部44または区画鋼材50の凹部54に収容されるため、アンカーセット70を含めた各鋼材40、50の嵩が低くなり、資材の搬送に関する作業性が向上する。
【0055】
第4工程では、各鋼材40、50がアンカーセット70を介して補助層12上に設置される。この設置は具体的には次のように実施される。最初に、運搬機械により各鋼材40、50が補助層12の上方に配置される。各鋼材40、50がアンカーセット70に支持される仮設置状態が形成されるまで各鋼材40、50は運搬機械により支持される。次に、第1ナット72Aがアンカーボルト71から取り外される。次に、アンカーボルト71の第1端部71Cが凹部44、54内において第2フランジ42、52の内面42A、52Aから離れるようにアンカーボルト71が凹部44、54から引き出される。次に、第2ナット72Bがアンカーボルト71から取り外される。次に、アンカーボルト71の全部が凹部44、54から引き出される。次に、アンカーボルト71に第2ナット72Bが結合される。次に、第1フランジ41、51の内面41A、51Aからアンカーボルト71の第1端部71Cまでの距離が予め規定された所定距離となるようにアンカーボルト71の第1端部71Cを含む一部が凹部44、54に配置される。次に、第1ナット72Aがアンカーボルト71に結合される。ここまでの作業により図9に示される突出状態が形成される。次に、アジャスト部品74が補助層12に載せられる。
【0056】
第5工程では、グランドレベルGLに対する鋼製基礎30の高さが調節される。この調節は具体的に次のように実施される。最初に、グランドレベルGLに対する各鋼材40、50の基準部位の高さ(以下「基礎高さ」)が測定される。基準部位は任意に決められる。一例では、基準部位は各鋼材40、50の第2フランジ42、52の外面42B、52Bである。次に、測定された基礎高さが基準範囲に含まれない鋼材40、50について、基礎高さが基準範囲に含まれるようにアジャスト部品74が回される。アジャスト部品74による鋼材40、50の基礎高さの調節は個々の鋼材40、50毎に実施される。全ての鋼材40、50の基礎高さが基準範囲に含まれるまで基礎高さの調節が実施される。
【0057】
第6工程では、各鋼材40、50がボルト66およびナット67を用いて連結される。長手方向に並ぶ外周鋼材40同士(図3参照)が連結されることにより第1連結部31が形成される。角を形成するように配置される外周鋼材40同士(図4参照)が連結されることにより第2連結部32が形成される。直交するように配置される外周鋼材40および区画鋼材50同士(図5参照)が連結されることにより第3連結部33が形成される。長手方向に並ぶ外周鋼材40および区画鋼材50同士(図6参照)が連結されることにより第4連結部34が形成される。
【0058】
第7工程では、コンクリート製基礎20を形成するための型枠(図示略)が掘削溝GA内に設置される。第8工程では、型枠にコンクリートが流し込まれる。コンクリートが硬化することにより型枠の形状に応じたコンクリート製基礎20が形成される。第9工程では、鋼製基礎30に仕上層80(図1参照)が形成される。この形成は具体的には次のように実施される。最初に、外周鋼材40である仕上鋼材40Aの下地面30Cにワイヤーメッシュ90が接合される。次に、ワイヤーメッシュ90と絡むように下地面30Cに仕上層80の内層81が形成される。次に、硬化した内層81上に外層82が形成される。外層82が硬化することにより仕上層80が完成する。
【0059】
基礎構造10の作用および効果について説明する。基礎構造10によれば、鋼製基礎30の少なくとも一部に仕上層80を形成する必要がある場合、仕上層80の形成が予定される箇所に仕上鋼材40Aの下地面30Cが位置するように鋼製基礎30の外周基礎30Aを組むことができる。下地面30Cが外周基礎30Aの外周に位置するため、従来の基礎構造とは異なり、鋼材の凹部を埋めるためのパネルを仕上鋼材40Aに取り付けることなく仕上層80を形成できる。このため、基礎構造10の施工時間を短縮できる。
【0060】
なお、上記実施形態は本発明に関する建築物の基礎構造およびその施工方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する建築物の基礎構造およびその施工方法は上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。
【符号の説明】
【0061】
10 :基礎構造
12 :補助層
20 :コンクリート製基礎
30 :鋼製基礎
30A:外周基礎
40 :外周鋼材
40A:仕上鋼材
43B:外面(ウェブ面)
46 :収容構造
50 :区画鋼材
71 :アンカーボルト
74 :アジャスト部品
80 :仕上層
GL :グランドレベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11