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7207629Rafキナーゼおよび/またはRafキナーゼの二量体阻害剤としての縮合三環式ウレア系化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】Rafキナーゼおよび/またはRafキナーゼの二量体阻害剤としての縮合三環式ウレア系化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20230111BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20230111BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20230111BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230111BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230111BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/5365 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20230111BHJP
   A61K 31/52 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
C07D471/04 111
C07D471/04 118N
C07D487/04 144
C07D405/12
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/02
A61K31/4375
A61K31/496
A61K31/506
A61K31/5365
A61K31/443
A61K31/52
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021085486
(22)【出願日】2021-05-20
(62)【分割の表示】P 2020088185の分割
【原出願日】2014-06-27
(65)【公開番号】P2021120411
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2013/078338
(32)【優先日】2013-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514164650
【氏名又は名称】ベイジーン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】シュウ チャンユー
(72)【発明者】
【氏名】チャン クオリャン
【審査官】柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523269(JP,A)
【文献】特開2018-184438(JP,A)
【文献】特開2020-143120(JP,A)
【文献】特表2004-529112(JP,A)
【文献】特表2009-519908(JP,A)
【文献】特表2011-518819(JP,A)
【文献】国際公開第2007/136572(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/00-471/22
C07D 487/00-487/22
C07D 405/00-405/14
A61P 43/00
A61P 35/00-35/04
A61K 31/00-31/80
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物10をHN-Rと反応することを含む、式(I)の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法。
【化1】
〔式中、QはCおよびNから選択され;
、R、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR、-OR、-COR、-CO、-CONR、-C(=NR)NR、-NRCOR、-NRCONR、-NRCO、-SO、-NRSONR、-NRSOおよび-NRSOアリールから選択され、そのうち前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびヘテロシクリルは独立に少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、Rは存在せず;
なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよいフェニルであり
、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され;または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、-NR’SOR’’および-NR’SOアリールから選択され,そのうち前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルはそれぞれ独立に1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選択される置換基で置換されていてもよく,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され,または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;前記ヘテロシクリル環はハロゲンおよびアルキルで置換されていてもよく,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されていても良い(ただし、ここでシクロアルキルとは、飽和環式炭化水素基を意味する。)。〕
【請求項2】
およびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン及びアルキル、-NRおよび-CONRから選択され、前記アルキルは少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、そのうちRおよびRはそれぞれ水素またはアルキルから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
は-NRまたは-CONRであり、Rは水素であり、そのうちRおよびRはそれぞれ水素またはアルキルから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
およびRはそれらが結合している環と一緒に、ナフチリジニル,ピリドオキサジニル,ピリドピリミジニル及びプリニルから選択される縮合環を形成し、前記縮合環はオキソで置換されてもよいことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
およびRはそれらが結合している環と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、
【化2】
で示され、そのうちRおよびRは式(I)に定義される通りであり、且つXは-O-、-NR’および-CR’R’’から選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルまたはアルキルから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
およびRはそれらが結合している環と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、前記環は
【化3】
で示されるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
はフェニであり、つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rはハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロから選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環から選択される環を形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
上記化合物は、式(III)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製造方法。
【化4】
〔式中、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲンおよびアルキルから選択され、それぞれ少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、
なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよいフェニルであり
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、-NR’SOR’’および-NR’SOアリールから選択され,そのうち前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルはそれぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選ばれる置換基で置換されても良く,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)がそれらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し,前記ヘテロシクリル環はハロゲンおよびアルキルで置換されても良く,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されてもよい(ただし、ここでシクロアルキルとは、飽和環式炭化水素基を意味する。)。〕
【請求項9】
はフェニルであり、1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、前記Rはハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロから選択され、そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリルから選択される環を形成する、請求項に記載の製造方法。
【請求項10】
上記化合物は、下記式のいずれかの化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製造方法。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は縮合三環式ウレア系化合物について開示し、少なくとも1つの上記縮合三環式ウレア系化合物を含む薬学組成物、その製造方法、および治療におけるその使用を開示する。本明細書において開示する三環式ウレア系化合物は、Rafキナーゼおよび/またはRafキナーゼ二量体の阻害に用いられ、且つそれが介在する疾患の治療に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
細胞の生存、成長、増殖および腫瘍形成において積極的作用があるのは、Raf/MEK/ERK経路である(Zebischら.,Curr Med Chem.14(5): 601-623,2007;Roberts and Der,Oncogene 26(22): 3291-3310,2007;Montagut and Settleman,Cancer Lett.283(2):125-134,2009)。Raf/MEK/ERKシグナル伝達経路の刺激は、リガンドが膜結合型受容体チロシンキナーゼに結合した後に起こりうる。GTP結合型RASが活性化され得た後、続いてRafファミリ-タンパク質(A-Raf、B-Raf、および以前はC-Rafとして公知のRaf1)の活性化を促進し得る(Wellbrock etら.,Nat.Rev.Mol.Cell Biol.5:875-885,2004)。Raf/MEK/ERKシグナル経路における様々なRAS GTPア-ゼおよびB-Rafキナーゼの突然変異は、MAPK経路を構成性に活性化し、細胞分裂および生存を高めることになると報告されている(Bos,Cancer Res.49:4682-4689,1989;Hoshinoら,Oncogene.18(3):813-822,1999)。例えば、B-Raf突然変異は、報告によれば、ヒト黒色腫および甲状腺がんの大多数で見られる(Daviesら,Nature417:949-954,2002)(Cohenら,J.Nat.Cancer Inst.95(8):625-627,2003;Kimuraら,Cancer Res.63(7):1454-1457,2003;Pollock and Meltzer,Cancer Cell2:5-7,2002)。加えて、それより少ないが、それでもなおかなりの頻度のB-Raf突然変異が、バレット腺がん(Garnettら,Cancer Cell6:313-319,2004;Sommererら,Oncogene 23(2):554-558,2004)、乳がん(Daviesら,Nature417:949-954,2002)、子宮頸がん(Moreno-Buenoら,Clin.Cancer Res.12(12):365-3866,2006)、胆管がん(Tannapfelら,Gut.52(5):706-712,2003)、神経膠芽腫(Knobbeら,Acta Neuropathol.(Berl.).108(6):467-470,2004)、結腸直腸がん(Yuenら,Cancer Res.62(22):6451-6455,2002;Daviesら,Nature417:949-954,2002)、胃がん(Leeら,Oncogene22(44):6942-6945)、肺がん(Broseら,Cancer Res.62(23):6997-7000,2002)、卵巣がん(Russell and McCluggage,J.Pathol.203(2):617-619,2004;Daviesら,Nature417:949-954,2002)、膵臓がん(Ishimuraら,Cancer Lett.199(2):169-173,2003)、前立腺がん(Choら,Int.J.Cancer.119(8):1858-1862,2006)、および血液のがん(Garnett and Marais,Cancer Cell6:313-319,2004)で報告されている。これらの報告は、B-Rafがヒトのがんにおいて最も高頻度で変異する遺伝子の1つであることを示唆している。B-Rafキナーゼは、前臨床でのターゲットバリデーション、疫学およびドラッガビリティーに基づく抗がん療法の優れた標的であり得る。最近、B-Raf阻害剤ベムラフェニブ(Vemurafenib)およびダブラフェニブ(Dabrafenib)の認可は、B-Raf阻害剤のB-Raf突然変異による黒色腫の治療における効果を証明している。
【0003】
Raf/MEK/ERK経路を活性化させるB-raf突然変異のほか、RAS GTP酵素の突然変異またはRaf/MEK/ERKシグナル伝達の上流成長因子の受容体の変異はさらにがんの該経路の持続的な活性化をもたらす。約30%のヒト腫瘍は三種類のRas遺伝子のうちの一つの突然変異を含む(Downward,Nat Rev Cancer.2003 Jan;3(1):11-22);K-Ras、N-RasおよびH-RasはRas-GRPレベルの向上およびこれによる下流シグナル伝達経路の構成活性化と関連する。K-rasまたはN-rasの突然変異はすい臓がんの59%,結腸直腸がんの39%,胆管がんの30%,非小細胞肺がんの17%,卵巣がんの15%,子宮内膜がんの15%および血液のがんの23%を占める(Sanger Institut,Cosmic Database Janurary 2013,cancer.sanger.ac.uk)。初代B-RAF阻害剤例えばベムラフェニブおよびダブラフェニブはB-RAF V600E黒色腫の治療において驚くような成功が得られ、しかし活性化されたRAS突然変異を有する腫瘍に対しては無効で且つ一定の状況下においては逆に腫瘍の成長を促進することまである(Niaultら,J Cell Biol.2009 Nov 2;187(3):335-42)。臨床前データが示すように、これはRAF阻害剤が以下の方式のMAPKシグナル伝達の異常な向上によってもたらされる可能性がある。活性化されたRASの突然変異の前後文において(RAF阻害剤は二量体中の一つのRAFプロトマ-に結合してもう一つのプロトマ-をトランス活性化させる),B-RAF/C-RAFヘテロ二量体を誘導する(Hatzivassiliouら,Nature.2010 Mar 18;464(7287):431-5;Poulikakosら,Nature.2010 Mar 18;464(7287):427-30; Heidornら,Cell.2010 Jan 22;140(2):209-21)。さらには強化された二量体化傾向を有するB-RAF V600Eスプライシング変異体(p61)の発現はRAF阻害剤に対する抵抗に有益である(Poulikakosら,Nature.2011 Nov 23;480(7377):387-90)。さらにはC-RAF/B-RAF二量体は対応する単量体またはホモ二量体より優れたMEKキナーゼであることが報告されている(Rushworthら,Mol Cell Biol. 2006 Mar; 26(6): 2262-72)。これらの現象は、RAF二量体が疾患関連において重要な作用を発揮していることを示している。よって、RAF二量体の活性を抑制することはV600E突然変異のみならず且つ原がんRAS突然変異および成長因子の受容体の変異によって誘発される異常RAFシグナルも阻害する新規の独立した方法である。
【0004】
前記のように、構造化二量体p61の存在はベムラフェニブに対する抵抗に有利で且つ該スプライシング変異体は9位に獲得性ベムラフェニブ耐性を有する黒色腫の6名の患者から同定されたものである(Poulikakosら,Nature.2011 Nov 23;480(7377):387-90)。p61発現細胞におけるベムラフェニブの無効及び野生型B-RAF細胞におけるベムラフェニブによるMAPK経路の異常な活性化は、二量体RAFを誘導できるいかなる細胞も初代B-RAF阻害剤に対する抵抗を誘導できることを示唆している。実際に、これは多くの異なるメカニズムによって報告され、前記メカニズムは受容体のチロシンキナーゼの向上及び余分の遺伝的突然変異例えば伴うB-RAFおよびN-RASの突然変異によって獲得できる(Nazarianら,Nature.2010 Dec 16;468(7326):973-7; Tapら,Neoplasia 2010 Aug;12(8):637-49)。よって、RAF二量体阻害剤は初代B-RAF阻害剤例えばベムラフェニブおよびダブラフェニブに抵抗する腫瘍の治療に用いることができる。
【0005】
化合物のRAF二量体に対する阻害効果を評価するため、重要なのはまずRAFタンパク質の二量体形成を誘導することである。p61 B-RAFスプライシング変異体の発現は構造性p61ホモ型二量体を形成する能力によりMARK経路の活性化を促進する(Poulikakosら,Nature.2011 Nov 23;480(7377):387-90),よって安定的にp61を発現するA375(A375-p61)はさらにERKリン酸化のIC50を測定することにより化合物のRAF二量体に対する効果を評価する。A375-p61細胞のp61に対する依存性により、細胞増殖の半数最大効果濃度(EC50)の測定もこの目的ためのものである。最後に、突然変異したRasがRAF二量体を誘導することが報告されている(Luoら,Nature.1996 Sep 12;383(6596):181-5;Weber等,Cancer Res.2001 May 1;61(9):3595-8;Garnettら,Mol Cell.2005 Dec 22;20(6):963-9)。化合物のRAS突然変異細胞例えばCalu-6におけるERKリン酸化を阻害する能力は化合物のRAF二量体活性を阻害する能力のもう一つの経路と成り得る。
【0006】
Rafキナーゼの阻害剤の、腫瘍細胞増殖の妨害における使用について議論され、さらには、がん、例えば、黒色腫、大腸結腸がんを含む結腸直腸がん、組織球性リンパ腫、肺腺がん、小細胞肺がん、膵臓がんおよび乳がんの処置において(Crump,Current Pharmaceutical Design 8:2243-2248,2002;Sebastienら,Current Pharmaceutical Design 8:2249-2253,2002)、並びに/または心停止後の脳虚血、卒中および多発梗塞性認知症を含む、虚血事象から生じる神経変性に関連する障害の処置もしくは予防における使用について議論されてきた。さらに、Rafキナーゼの阻害剤は、頭部損傷、手術および/または出産中に起こるものなどの脳虚血事象の後における(York et al.,Mol.and Cell.Biol.20(21):8069-8083,2000;Chin et al.,Neurochem.90:595-608,2004)、ならびに多発性嚢胞腎(Nagao et al.,Kidney Int.63(2):427-437,2003)における使用についても議論されてきた。
【0007】
加えて、特定の過剰増殖性障害は、Rafキナーゼ機能の過剰な活性化、例えば、タンパク質の突然変異または過剰発現によって特徴付けてもよい。したがって、Rafキナーゼの阻害剤は、がんなどの過剰増殖性障害の処置において有用でありうる。
【0008】
B-Rafキナーゼの小分子阻害剤が抗がん療法のために開発中である。Nexavar(登録商標)(ソラフェニブトシラ-ト)はB-Rafキナーゼの阻害を含む多標的キナーゼ阻害剤であり、進行性腎細胞がんおよび切除不能の肝細胞がんを有する患者の処置のために承認されている。最近はベムラフェニブ(Vemurafenib)およびダブラフェニブ(Dabrafenib)がB-Raf V600突然変異を有する転移性黒色腫の治療に用いることが認可された。他のRaf阻害剤、例えば、SB-590885、RAF-265およびXL-281も開示されているか、または臨床試験に入っている。
【0009】
他のB-Raf阻害剤も公知である。例えば、米国特許出願公開第2006/0189627号、米国特許出願公開第2006/0281751号、米国特許出願公開第2007/0049603号、国際公開公報第2007/002325号、国際公開公報第2007/002433号、国際公開公報第03/068773号、国際公開公報第2007/013896号、国際公開公報第2011/097526号、国際公開公報第2011/117382号及び国際公開公報第2012/118492号を参照されたい。
【0010】
特定の窒素含有ヘテロアリール置換アリール二環式化合物がRaf阻害剤として特定されている。例えば、国際公開公報第2007/067444号および米国特許出願公開第2010/0197924号を参照されたい。
【0011】
さらに特定のRafキナーゼ阻害剤も特定されている。例えば、国際公開公報第2005/062795号、国際公開公報第2008/079906号、国際公開公報第2008/079909号、国際公開公報第2006/066913号、国際公開公報第2008/028617号および国際公開公報第2009/012283号、国際公開公報第2010/064722号及び国際公開公報第2010/090288号を参照されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は細胞中においてRAF二量体の活性を抑制する方法、及び細胞中においてRafキナーゼ(野生型B-RAFおよびV600E B-RAF突然変異体びRaf二量体を含む)の活性を抑制する化合物に対する評価について開示した。
【0013】
本出願は式(I)の化合物から選択される少なくとも1つの化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩を提供する。
式中、
QはCおよびNから選択され;
、R、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR、-OR、-COR、-CO、-CONR、-C(=NR)NR、-NRCOR、-NRCONR、-NRCO、-SO、-NRSONR、-NRSOおよび-NRSOアリールから選択され、そのうち前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびヘテロシクリルは独立に少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、Rは存在せず;
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール環から選択され;それぞれ少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、
、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され;または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、NR’SOR’’およびNR’SOアリールから選択され,そのうち前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルはそれぞれ独立に1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選択される置換基で置換されていてもよく,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され,または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)はそれらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;前記ヘテロシクリル環はハロゲンおよびアルキルで置換されていてもよく,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されていてもよい。
【0014】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物とを含む薬学的組成物も提供する。
【0015】
本出願はさらにRafキナーゼの阻害に反応性のがんを処置する方法であって、そのようながんの処置を必要としている対象に、がんを処置するのに有効な量の、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を投与する段階を含む方法も提供する。
【0016】
本出願はさらにRafキナーゼを阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物から選択される少なくとも1つの化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩の使用も提供する。
【0017】
本出願はさらにRafキナーゼ二量体を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
【0018】
本出願はさらにRafキナーゼ及び/またはRafキナーゼ二量体を阻害するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
【0019】
本出願はさらに初代B-RAF阻害剤に抵抗する腫瘍を処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
【0020】
本出願はさらにがんを処置するための医薬の製造における、本明細書に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の使用も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において用いられる以下の単語、語句および記号は一般に、それらが用いられる文脈がそうではないと示す範囲を除き、以下に示す意味を有することが意図される。以下の略語および用語は終始示した意味を有する。
【0022】
本明細書における「アルキル」なる用語は、1から12個の、さらには1から10個の、よりさらには1から6個などの、1から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝飽和炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、1-プロピルまたはn-プロピル(「n-Pr」)、2-プロピルまたはイソプロピル(「i-Pr」)、1-ブチルまたはn-ブチル(「n-Bu」)、2-メチル-1-プロピルまたはイソブチル(「i-Bu」)、1-メチルプロピルまたはs-ブチル(「s-Bu」)、および1,1-ジメチルエチルまたはt-ブチル(「t-Bu」)から選択されうる。アルキル基の他の例は、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)および3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH基から選択されうる。
【0023】
本明細書における「アルケニル」なる用語は、少なくとも1つのC=C二重結合および2から6個などの、2から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルケニル基の例は、エテニルまたはビニル(-CH=CH)、プロパ-1-エニル(-CH=CHCH)、プロパ-2-エニル(-CHCH=CH)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエン、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-3-エニル、ヘキサ-4-エニル、およびヘキサ-1,3-ジエニル基から選択されうる。
【0024】
本明細書における「アルキニル」なる用語は、少なくとも1つのC≡C三重結合および2から6個などの、2から18個の炭素原子を含む、直鎖および分枝炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。アルキニル基の例には、エチニル(-C≡CH)、1-プロピニル(-C≡CCH)、2-プロピニル(プロパルギル、-CHC≡CH)、1-ブチニル、2-ブチニル、および3-ブチニル基が含まれる。
【0025】
本明細書における「シクロアルキル」なる用語は、単環式および多環式(例えば、二環式および三環式)基を含む、飽和および部分不飽和環式炭化水素基から選択される炭化水素基を意味する。例えば、シクロアルキル基は、3から8個などの、さらには3から6個、3から5個、または3から4個などの3から12個の炭素原子を含みうる。さらには、例えば、シクロアルキル基は、3から8個、3から6個などの3から12個の炭素原子を含む、単環式基から選択されうる。単環式シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、およびシクロドデシル基が含まれる。二環式シクロアルキル基の例には、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環式環として、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ、およびビシクロ[3.2.2]ノナンから選択される架橋二環式環として配置された、7から12個の環原子を有するものが含まれる。二環式シクロアルキルのその他の実例は、[5,5]および[6,6]環系から選択される二環式として配置するもので、例えば
及び
であり、そのうち波線は結合点を示している。環は飽和であってもよく、または少なくとも1つの二重結合を有していてもよいが(すなわち、部分不飽和)、完全に共役ではなく、かつ芳香族はではなく、芳香族は本明細書において定義される。
【0026】
本明細書における「アリール」なる用語は、下記から選択される基を意味する:
5および6員の芳香族炭素環、例えば、フェニル;
二環式の環系で、例えば7-12員の二環式の環系で、そのうち少なくとも一つの環は炭素環及び芳香族環であり、例えばナフタレン、インダン及び1,2,3,4-テトラヒドロキノリンから選択され、及び
三環式の環系で、例えば10-15員の三環式の環系で、そのうち少なくとも一つの環が炭素環及び芳香族環、例えばフルオレンである。
【0027】
例えば、上記アリール基は、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含んでいてもよい5から7員の複素環またはシクロアルキルに縮合した5および6員の芳香族炭素環から選択され、ただし、芳香族炭素環が複素環と縮合している場合、結合点は芳香族炭素環にあり、芳香族炭素環がシクロアルキル基と縮合している場合、結合点は芳香族炭素環またはシクロアルキル基にありうる。置換ベンゼン誘導体から形成され、環原子に自由原子価を有する二価の基は、置換フェニレン基と呼ばれる。自由原子価を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することにより、名前が「-イル」で終わる一価の多環式炭化水素基から誘導される二価の基は、対応する一価の基の名前に「-イデン」を加えて呼ばれ、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと呼ばれる。しかし、アリールは、以下に別に定義されるヘテロアリールを包含することはなく、またはいかなる様式でも重複することはない。したがって、1つまたは複数の芳香族炭素環が芳香族複素環と縮合している場合、生じる環系は、本明細書において定義されるように、ヘテロアリールであって、アリールではない。
【0028】
本明細書における「ハロゲン」または「ハロ」なる用語は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0029】
本明細書における「ヘテロアリール」なる用語は、下記から選択される基を意味する:
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、5から7員の芳香族単環式環;
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個、または、他の態様において、1もしくは2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、8から12員の二環式環であって、少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ芳香環に少なくとも1つのヘテロ原子が存在する環;および
N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子、例えば、1から4個、または、いくつかの態様において、1から3個、または、他の態様において、1もしくは2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、11から14員の三環式環であって、少なくとも1つの環は芳香族であり、かつ芳香環に少なくとも1つのヘテロ原子が存在する環。
【0030】
例えば、ヘテロアリール基には、5から7員のシクロアルキル環に縮合した5から7員の芳香族複素環が含まれる。環の1つだけが少なくとも1つのヘテロ原子を含む、そのような縮合二環式ヘテロアリール環系について、結合点は芳香族複素環またはシクロアルキル環にあってもよい。
【0031】
ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。いくつかの態様において、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は2以下である。いくつかの態様において、ヘテロアリール基におけるSおよびO原子の総数は1以下である。
【0032】
ヘテロアリール基の例には、(優先順位1に割り当てられた連結位置から番号付けた)ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジル、または4-ピリジルなど)、シンノリニル、ピラジニル、2,4-ピリミジニル、3,5-ピリミジニル、2,4-イミダゾリル、イミダゾピリジニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、チエニル、トリアジニル、ベンゾチエニル、フリル、ベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、フタラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、トリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピラゾリル、ピロロピリジニル(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルなど)、ピラゾロピリジニル(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イルなど)、ベンゾキサゾリル(ベンゾ[d]オキサゾール-6-イルなど)、プテリジニル、プリニル、1-オキサ-2,3-ジアゾリル、1-オキサ-2,4-ジアゾリル、1-オキサ-2,5-ジアゾリル、1-オキサ-3,4-ジアゾリル、1-チア-2,3-ジアゾリル、1-チア-2,4-ジアゾリル、1-チア-2,5-ジアゾリル、1-チア-3,4-ジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、フロピリジニル、ベンゾチアゾリル(ベンゾ[d]チアゾール-6-イルなど)、インダゾリル(1H-インダゾール-5-イルなど)および5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0033】
本明細書における「複素環式」または「複素環」または「ヘテロシクリル」なる用語は、酸素、硫黄、および窒素から選択される、1~4個のヘテロ原子などの、さらには1~3個などの、またはさらには1もしくは2個のヘテロ原子などの、少なくとも1つのヘテロ原子に加えて、少なくとも1つの炭素原子を含む、4から12員の単環式、二環式および三環式、飽和および部分不飽和環から選択される環を意味する。本明細書における「複素環」は、5、6、および/または7員のシクロアルキル、芳香族炭素環または芳香族複素環と縮合した、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5から7員の複素環であって、ただし、複素環が芳香族炭素環または芳香族複素環と縮合している場合、結合点は複素環にあり、複素環がシクロアルキルと縮合している場合、結合点はシクロアルキルまたは複素環にありうる環も意味する。本明細書における「複素環」は、N、O、およびSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む脂肪族スピロ環であって、ただし、結合点が複素環にある環も意味する。環は飽和であってもよく、または少なくとも1つの二重結合を有していてもよい(すなわち、部分不飽和)。複素環はオキソで置換されていてもよい。結合点は複素環中の炭素またはヘテロ原子であってもよい。複素環は、本明細書において定義されるヘテロアリールではない。
【0034】
複素環の例には、(優先順位1に割り当てられた連結位置から番号付けた)1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、2,4-イミダゾリジニル、2,3-ピラゾリジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、2,5-ピペラジニル、ピラニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、1,4-オキサチアニル、1,4-ジオキセパニル、1,4-オキサチエパニル、1,4-オキサアゼパニル、1,4-ジチエパニル、1,4-チアゼパニルおよび1,4-ジアゼパン1,4-ジチアニル、1,4-アザチアニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、ピリミジノニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。置換複素環には、ピペリジニルN-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-1-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-1-チオモルホリニルなどの、1つまたは複数のオキソ部分で置換された環系も含まれる。
【0035】
本明細書における「縮合環」なる用語は、2つの環が2つの環原子および1つの結合だけを共有している、多環式環系、例えば、二環式または三環式環系を意味する。縮合環の例は、前述の[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環式環として配置された、7から12個の環原子を有するものなどの縮合二環式シクロアルキル環;前述の7から12員の二環式アリール環系などの縮合二環式アリール環、前述の10から15員の三環式アリール環系などの縮合三環式アリール環;前述の8から12員の二環式ヘテロアリール環などの縮合二環式ヘテロアリール環、前述の11から14員の三環式ヘテロアリール環などの縮合三環式ヘテロアリール環;ならびに前述の縮合二環式または三環式ヘテロシクリル環を含みうる。
【0036】
本明細書に記載の化合物は不斉中心を含んでいてもよく、したがって鏡像異性体として存在してもよい。本明細書に記載の化合物が2つ以上の不斉中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在してもよい。鏡像異性体およびジアステレオマーはより広いクラスの立体異性体に入る。実質的に純粋な分割された鏡像異性体、そのラセミ混合物、ならびにジアステレオマーの混合物などの、すべての可能な立体異性体は、含まれることが意図される。本明細書において開示する化合物のすべての立体異性体および/またはその薬学的に許容される塩は、含まれることが意図される。特に記載がないかぎり、1つの異性体への言及は任意の可能な異性体に適用される。異性体組成が明記されていない場合はいつも、すべての可能な異性体が含まれる。
【0037】
本明細書において用いられる「実質的に純粋な」なる用語は、目的の立体異性体が、30重量%以下などの、さらには25重量%以下などの、さらには20重量%以下などの、35重量%以下の任意の他の立体異性体を含むことを意味する。いくつかの態様において、「実質的に純粋な」なる用語は、目的の立体異性体が、10重量%以下、例えば、1重量%以下などの5重量%以下の任意の他の立体異性体を含むことを意味する。
【0038】
本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合を含む場合、特に記載がないかぎり、そのような二重結合はEおよびZ両方の幾何異性体を含むことになる。
【0039】
本明細書に記載の化合物のいくつかは、互変異性体と呼ばれる、水素結合点が異なる状態で存在してもよい。例えば、カルボニル-CHC(O)-基(ケト型)を含む化合物は互変異性を起こしてヒドロキシル-CH=C(OH)-基(エノール型)を生成しうる。ケト型およびエノール型の両方は、個別にならびにその混合物が、該当する場合には含まれることが意図される。
【0040】
反応生成物を互いに、および/または出発原料から分離することは有利でありうる。各段階または一連の段階の所望の生成物を、当技術分野において一般的な技術により、所望の程度の均質性まで分離および/または精製(以下分離)する。典型的にはそのような分離は多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィを含む。クロマトグラフィは、例えば:逆相および順相;サイズ排除;イオン交換;高圧、中圧および低圧液体クロマトグラフィ法および機器;小規模分析;疑似移動床(「SMB」)および調製用薄層または厚層クロマトグラフィ、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィの技術を含む任意の数の方法を含みうる。当業者であれば、所望の分離を最も達成しそうな技術を適用するであろう。
【0041】
ジアステレオマー混合物を、それらの物理化学的な差に基づき、クロマトグラフィおよび/または分別結晶などの当業者には周知の方法によって、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、鏡像異性体混合物を適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物などのキラル補助剤)との反応によりジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換(例えば、加水分解)することによって分離することができる。鏡像異性体は、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0042】
単一の立体異性体、例えば、実質的に純粋な鏡像異性体を、光学活性分割剤を用いてジアステレオマーを生成するなどの方法を用いての、ラセミ混合物の分割によって得てもよい(Eliel,E. and Wilen,S. Stereochemistry of Organic Compounds. New York: John Wiley & Sons,Inc.,1994;Lochmuller,C. H.,et al. Chromatographic resolution of enantiomers: Selective review. J. Chromatogr.,113(3)(1975): pp. 283-302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物を、下記を含む任意の適切な方法によって分離および単離することができる:(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマーの塩の生成および分別結晶または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬とのジアステレオマー化合物の生成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)実質的に純粋または濃縮された立体異性体のキラル条件下での直接分離。Wainer,Irving W.,Ed. Drug Stereochemistry: Analytical Methods and Pharmacology.New York: Marcel Dekker,Inc.,1993を参照されたい。
【0043】
「薬学的に許容される塩」には、例えば、塩酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、および硝酸塩から選択される、無機酸との塩;ならびに、例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩などのアルカン酸塩、およびnが0から4から選択されるHOOC-(CH-COOHとの塩から選択される、有機酸との塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。同様に、薬学的に許容されるカチオンの例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、およびアンモニウムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0044】
加えて、本明細書において開示する化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は酸性塩の溶液を塩基性化することにより得ることができる。反対に、生成物が遊離塩基である場合、薬学的に許容される付加塩などの付加塩は、塩基性化合物から酸付加塩を調製するための通常の手順に従い、遊離塩基を適切な有機溶媒に溶解し、溶液を酸で処理することによって生成してもよい。当業者であれば、非毒性の薬学的に許容される付加塩を調製するために、過度の実験を行うことなく用いうる様々な合成法を理解するであろう。
【0045】
本明細書において定義される「その薬学的に許容される塩」は、式I、IIおよび/またはIIIの少なくとも1つの化合物の塩、ならびに鏡像異性体の塩、および/またはジアステレオマーの塩などの、式I、IIおよび/またはIIIの少なくとも1つの化合物の立体異性体の塩を含む。
【0046】
「処置すること」(treating)、「処置する」(treat)、または「処置」(treatment)あるいは「軽減」とは、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/もしくはその少なくとも1つの立体異性体、ならびに/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩を、例えば、がんを有する、それを必要としていると認められる対象に投与することを意味する。
【0047】
「有効量」なる用語は、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/もしくはその少なくとも1つの立体異性体、ならびに/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩の、対象の疾患または障害を前述の定義のとおり「処置する」ために有効な量を意味する。
【0048】
本明細書において開示する「少なくとも1つの置換基」なる用語は、例えば、原子価の許容の限り、1つから3つなどの、さらには1つまたは2つなどの、1つから4つの置換基を含む。例えば、本明細書において開示する「少なくとも1つの置換基R」は、本明細書に記載のRのリストから選択される、1つから3つなどの、さらには1つまたは2つの、1つから4つの置換基を含む。
【0049】
式(I)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物であり、
式中、
QはCおよびNから選択され;
、R、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR、-OR、-COR、-CO、-CONR、-C(=NR)NR、-NRCOR、-NRCONR、-NRCO、-SO、-NRSONR、-NRSOおよび-NRSOアリールから選択され、そのうち前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびヘテロシクリルは独立に少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し;ただし、QがNである場合、Rは存在せず;
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール環から選択され;それぞれ少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、
、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され;または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)は、それらが結合している原子と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、NR’SOR’’および-NR’SOアリールから選択され,そのうち前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルはそれぞれ独立に1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選択される置換基で置換されていてもよく,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され,または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し;前記ヘテロシクリル環はハロゲンおよびアルキルで置換されていてもよく,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されていてもよい。
【0050】
一部の式(I)の実施形態において、QはCである。
【0051】
一部の式(I)の実施形態において、QはNであり且つRが存在しない。
【0052】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲンおよびアルキルから選択され、前記アルキルは、少なくとも1つの置換基Rで置換されていても良く、例えば未置換のアルキルまたはハロアルキルである。
【0053】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRがそれぞれ水素である。
【0054】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン及びアルキル、-NRおよび-CONRから選択され、前記アルキルは少なくとも1つの置換基R(例えば未置換のアルキルまたはハロアルキル)で置換されてもよく、そのうちRおよびRはそれぞれ水素またはアルキルから選択される。
【0055】
一部の式(I)の実施形態において、Rはハロゲン及びアルキル、-NRおよび-CONRから選択され、前記アルキルは少なくとも1つの置換基R(例えば未置換のアルキルまたはハロアルキル)で置換されていてもよく、且つRは水素であり、そのうちRおよびRはそれぞれ水素またはアルキルから選択される。
【0056】
一部の式(I)の実施形態において、Rは-NR及び-CONRから選択され且つRは水素であり、そのうちRおよびRはそれぞれ水素またはアルキルから選択される。
【0057】
一部の式(I)の実施形態において、Rおよびはそれらが結合している環と一緒に、少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよいヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、例えばナフチリジニル(例えばジヒドロナフチリジニル、または例えばジヒドナフチリジン-4-イル),ピリドオキサジニル(例えばピリドオキサジニル、または例えばジヒドロ-lH-ピリド[2,3-d][l,3]オキサジン-5-イル),ピリドピリミジニル(例えばピリド[2,3-d]ピリミジニル,または例えばl,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)及びプリニル(例えば9H-プリニル-6-イル)であり、前記置換基Rは例えばオキソである。
【0058】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRはそれらが結合している環と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、
で示され、そのうちR、RおよびRは式(I)に定義される通りであり、且つXは-O-、-NR’ -および-CR’R’’から選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルまたはアルキルから選択される。
【0059】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRはそれらが結合している環と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されていてもよく、
で示され、そのうちRおよびRは式(I)に定義される通りであり、且つXは-O-、-NR’-および-CR’R’’から選択され、そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルまたはアルキルから選択される。
【0060】
一部の式(I)の実施形態において、RおよびRはそれらが結合している環と一緒に、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、
で示されるものである。
【0061】
一部の式(I)の実施形態において、Rはアルキルであり、少なくとも一つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0062】
一部の式(I)の実施形態において、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、へキシル、オクチル、ノニルまたはデシルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0063】
一部の式(I)の実施形態において、Rはアリールであり、少なくとも1つの式(I)に定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つの式(I)に定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0064】
一部の式(I)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義されるRで置換されてもよい。
【0065】
一部の式(I)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロであり、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリルから選択される環を形成する。
【0066】
一部の式(I)の実施形態において、Rはヘテロアリールであり、少なくとも一つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば一つまたは二つまたは三つの式(I)に定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0067】
一部の式(I)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0068】
一部の式(I)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0069】
一部の式(I)の実施形態において、Rはヘテロシクリルであり,少なくとも1つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0070】
一部の式(I)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0071】
一部の式(I)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選ばれ、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0072】
一部の式(I)の実施形態において、Rはシクロアルキルであり,少なくとも1つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい,例えば1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0073】
一部の式(I)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,1つまたは2つまたは3つの式(I)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0074】
一部の式(I)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,前記単環シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルから選択され;前記二環シクロアルキルは[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環として配置されたものから選択され(例えば
及び
)、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されても良く、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0075】
一部の式(I)の実施形態において、上記化合物は以下のいずれかの立体配置を呈する。
【0076】
一部の式(I)の実施形態において、式(I)の化合物は式(II)に示される化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩である:
式中、QはCおよびNから選択され;
およびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR、-OR、-COR、-CO、-CONR、-C(=NR)NR、-NRCOR、-NRCONR、-NRCO、-SO、-NRSONR、-NRSOおよび-NRSOアリールから選択され,前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびヘテロシクリルは独立に少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、または(RおよびR)はそれらが結合している環と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し、前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよい、ただし、QがNである場合、Rは存在せず、
Xは-O-、-NR’-およびCR’R’’から選択され,そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルまたはアルキルから選択され;
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され,少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよい;
、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され;または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)はそれらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し,前記環は少なくとも1つ置換基Rで置換されてもよい、
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、NR’SOR’’および-NR’SOアリールから選択され,前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは独立に1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選択される置換基で置換されてもよく,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され,または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)はそれらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し,前記ヘテロシクリルシクロはハロゲンおよびアルキルで置換されてもよく,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されてもよい。
【0077】
一部の式(II)の実施形態において、QはCである。
【0078】
一部の式(II)の実施形態において、QはNであり且つRが存在しない。
【0079】
一部の式(II)の実施形態において、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲンおよびアルキルから選択され、前記アルキルは、少なくとも1つの置換基Rで置換されていても良く、前記置換基Rは例えば未置換のアルキルまたはハロアルキルである。
【0080】
一部の式(II)の実施形態において、RおよびRがそれぞれ水素である。
【0081】
一部の式(II)の実施形態において、Xは-O-である。
【0082】
一部の式(II)の実施形態において、XはCR’R’’であり,そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルまたはアルキルから選択される。
【0083】
一部の式(II)の実施形態において、Xは-NR’-であり、そのうちR’はH、ハロアルキルまたはアルキルから選択される。
【0084】
一部の式(II)の実施形態において、Rはアルキルであり,少なくとも1つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば、1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0085】
一部の式(II)の実施形態において、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、へキシル、オクチル、ノニルまたはデシルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0086】
一部の式(II)の実施形態において、Rはアリールであり、少なくとも1つの式(II)に定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つの式(II)に定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0087】
一部の式(II)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義されるRで置換されてもよい。
【0088】
一部の式(II)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロから選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0089】
一部の式(II)の実施形態において、Rはヘテロアリールであり、少なくとも一つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えばそれぞれ1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義されるRで置換されてもよい。
【0090】
一部の式(II)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0091】
一部の式(II)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0092】
一部の式(II)の実施形態において、Rはヘテロシクリルであり,少なくとも1つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0093】
一部の式(II)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0094】
一部の式(II)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選ばれ、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0095】
一部の式(II)の実施形態において、Rはシクロアルキルであり,少なくとも1つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい,例えば1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0096】
一部の式(II)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0097】
一部の式(II)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,前記単環シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルから選択され;前記二環シクロアルキルは[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環として配置されたものから選択され(例えば
及び
)、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されても良く、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0098】
一部の式(II)の実施形態において、上記化合物は以下のいずれかの立体配置を呈する。
【0099】
一部の式(II)の実施形態において、式(I)の化合物は式(III)に示され、及びその立体異性体、およびその薬学的に許容される塩であり、
式中、
およびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキニル、-CN、-NR、-OR、-COR、-CO、-CONR、-C(=NR)NR、-NRCOR、-NRCONR、-NRCO、-SO、-NRSONR、-NRSOおよび-NRSOアリールから選択され,前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびヘテロシクリルは独立に少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、または(RおよびR)はそれらが結合している環と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される縮合環を形成し,前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよい、ただし、QがNである場合、Rは存在せず、
はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール環から選択され,それぞれ少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、
、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され;または(RおよびR)および/もしくは(RおよびR)はそれらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し,前記環は少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよい;
はハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキニル、オキソ、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’、-COR’、-COR’、-CONR’R’’、-C(=NR’)NR’’R’’’、ニトロ、-NR’COR’’、-NR’CONR’R’’、-NR’COR’’、-SOR’、-SOアリール、-NR’SONR’’R’’’、NR’SOR’’および-NR’SOアリールから選択され,そのうち前記シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルはそれぞれ1つ、2つまたは3つのハロゲン、アルキルおよびハロアルキルから選ばれる置換基で置換されても良く,そのうちR’、R’’およびR’’’は独立にH、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールであり,または(R’およびR’’)および/もしくは(R’’およびR’’’)はそれらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルおよびヘテロアリール環から選択される環を形成し,前記ヘテロシクリル環はハロゲンおよびアルキルで置換されても良く,前記ヘテロアリール環はハロゲンおよびアルキルで置換されてもよい。
【0100】
一部の式(III)の実施形態において、RおよびRは同じでも、もしくは異なっていてもよく、それぞれ水素、ハロゲン及びアルキルから選択され、前記アルキルは少なくとも1つの置換基Rで置換されてもよく、Rは例えば置換されていないアルキルまたはハロアルキルから選択される。
【0101】
一部の式(III)の実施形態において、RおよびRがそれぞれ水素である。
【0102】
一部の式(III)の実施形態において、Rはアルキルであり,少なくとも1つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば、1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0103】
一部の式(III)の実施形態において、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、へキシル、オクチル、ノニルまたはデシルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つのハロゲンで置換されてもよい。
【0104】
一部の式(III)の実施形態において、Rはアリールであり、少なくとも1つの式(III)に定義される置換基Rで置換されてもよく、例えば1つまたは2つまたは3つの式(III)に定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0105】
一部の式(III)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義されるRで置換されてもよい。
【0106】
一部の式(III)の実施形態において、Rはフェニルまたはナフチルまたはインダニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロから選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環を形成する。
【0107】
一部の式(III)の実施形態において、Rはフェニル、1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’及びニトロから選択され、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され、または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環から選択される環を形成する。
【0108】
一部の式(III)の実施形態において、Rはヘテロアリールであり、少なくとも一つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えばそれぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義されるRで置換されてもよい。
【0109】
一部の式(III)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義される置換基Rで置換されていてもよい。
【0110】
一部の式(III)の実施形態において、Rはピリジニルまたはピリミジニルであり、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されていてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環から選択される環を形成する。
【0111】
一部の式(III)の実施形態において、Rはヘテロアリールであり、少なくとも一つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよく、例えばそれぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義されるRで置換されてもよい。
【0112】
一部の式(III)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0113】
一部の式(III)の実施形態において、Rはテトラヒドロピラニルまたはピペリジニルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されてもよく、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選ばれ、R’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’) はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環から選択される環を形成する。
【0114】
一部の式(III)の実施形態において、Rはシクロアルキルであり,少なくとも1つの式(II)で定義される置換基Rで置換されてもよい,例えば1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0115】
一部の式(III)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,それぞれ1つまたは2つまたは3つの式(III)で定義される置換基Rで置換されてもよい。
【0116】
一部の式(III)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルまたは二環シクロアルキルであり,前記単環シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルから選択され;前記二環シクロアルキルは[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]および[6,6]環系から選択される二環として配置されたものから選択され(例えば
及び
)、それぞれ1つまたは2つまたは3つの置換基Rで置換されても良く、Rは:ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、-アルキル-NR’R’’、-CN、-OR’、-NR’R’’およびニトロから選択され,そのうちR’およびR’’は独立にH、ハロアルキルおよびアルキルから選択され,または(R’およびR’’)はそれらが結合している窒素原子と一緒に、ハロゲンおよびアルキルで置換されてもよいヘテロシクリル環から選択される環を形成する。
【0117】
一部の式(III)の実施形態において、Rは単環シクロアルキルであり,シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルから選択される。
【0118】
本出願はさらに少なくとも一つの下記化合物、その立体異性体、及びその薬学的に許容される塩から選択される化合物を提供する:









【0119】
本明細書において開示する化合物、および/またはその薬学的に許容される塩は、本明細書における開示とあわせれば、市販の出発原料から合成することができる。以下のスキ-ムは、本明細書において開示する化合物のいくつかの調製法を例示する。
【0120】
スキ-ムI
【0121】
このスキ-ムにおいて、市販の4-メトキシフェノール1と2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタンを反応させ、式2を得て、それから酸性条件下において閉環して5-メトキシベンゾフラン3を形成する。それからメチル基を除去してさらにヒドロキシル保護基(メチル、エチル、イソプロピル、ベンジル、p-メトキシベンジル、トリチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、アセチル、ベンゾア-ト、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ-イソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリルまたはtert-ブチルジフェニルシリルなど、さらには臭化ベンジルからのベンジル、およびTBSClからのtert-ブチルジフェニルシリルなど)で式4のヒドロキシ基を保護して、式5の保護されたヒドロキシベンゾフランを得る。式5の化合物はジアゾ酢酸アルキル(例えばジアゾ酢酸エチル)とRhまたはCu触媒存在下で反応して、式6のシクロプロパン誘導体を提供する。式6のキラル誘導体を、Cu(OOCCFおよびキラルアミノアルコールから系内(in situ)で形成されるキラル触媒、または市販のキラルRh触媒を用いて得てもよい。式6の化合物を前述のとおりに脱保護して、フェノール誘導体を提供する(例えば、TBS保護基をHCl/EtOHで処理することにより除去してもよい)。式7は簡単な再結晶によって得ることができる。得られた式7のフェノール誘導体はハロヘテロアリール誘導体(例えばフルオロ置換されたヘテロアリール誘導体など)と反応して、式8の化合物を提供し、これを続いて水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて式9の遊離酸に加水分解する。式9の化合物とDPPA(ジフェニルホスホリルアジド)とを反応させて式10を得て、アニリン存在下において再配置することで式Iの化合物を得る。
【0122】
本出願は過度増殖性疾患例えばガンを予防または治療する方法を提供し、必要としている対象、例えば哺乳動物または人類に対して薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。
【0123】
本出願はさらにRafキナーゼおよび/もしくはRafキナーゼ二量体を抑制することで過度増殖性疾患例えばがんを予防または治療する方法を提供し、必要としている対象、例えば哺乳動物または人類に対して薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。
【0124】
本発明はさらにがんを予防または治療する方法を提供し、必要としている対象、例えば哺乳動物または人類に対して薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。前記がんは黒色腫および甲状腺がん(melanomas and thyroid cancer)、Barret腺がん(Barret’s adenocarcinoma)、乳がん(breast cancer)、子宮頸がん(cervical cancer)、結腸直腸がん(colorectal cancer)、胃がん(gastric cancer)、肺がん(lung cancer)、卵巣がん(ovarian cancer)、すい臓がん(pancreatic cancer)、前立腺がん(prostate cancer)、血液のがん(hematologic cancer)、胆管がん(cancer of Billary Tract)、非小細胞肺がん(Non-samll -cell-lung cancer)、子宮内膜がん(endometrium cancer)、血液がん(blood cancer)、大腸結腸がん(large intestinal colon carcinoma)、組織球性リンパ腫(histiocytic lymphoma)及び肺腺がん(lung adenocarcinoma)を含むが、これらに限定されない。
【0125】
本出願はさらに虚血事象から生じる神経変性に関連する疾患を予防または治療する方法を開示し、必要としている対象、例えば哺乳動物または人類に対して薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。前記虚血事象は、心停止後の脳虚血、卒中および多発梗塞性認知症を含む。
【0126】
本出願はさらに脳虚血事象後及び多発性嚢胞腎に関連する疾患を予防または治療する方法を提供し、必要としている対象、例えば哺乳動物または人類に対して薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。前記脳虚血事象は頭部損傷、手術および/または出産中に起こるものなどの脳虚血事象である。
【0127】
本出願はさらに薬物組成物を提供し、本出願が開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物及び薬学担体、賦形剤または佐剤を含む。
【0128】
本出願はさらにRafキナーゼの阻害に反応性のがんを処置する方法を提供し、必要としている哺乳動物またはヒトなどの対象に、薬学上有効量の本出願で開示した式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体及びその薬用塩から選択された少なくとも一つの化合物を投与することを含む。
【0129】
式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、処置のために単独でまたは少なくとも1つの他の治療剤との組み合わせで用いてもよい。いくつかの態様において、式(I)、式(II)または式(III)化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、少なくとも1つの追加の治療剤との組み合わせで用いることもできる。少なくとも1つの追加の治療剤は、例えば、抗過剰増殖剤、抗がん剤、および化学療法剤から選択することができる。本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩は、少なくとも1つの他の治療剤と共に、単一の剤形中で、または別々の剤形として投与してもよい。別々の剤形として投与する場合、少なくとも1つの他の治療剤は、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩の投与の前、同時、または後に投与してもよい。「化学療法剤」は、作用機作に関係なく、がんの処置において有用な化学化合物である。化学療法剤には、「標的療法」および通常の化学療法において用いられる化合物が含まれる。適切な化学療法剤は、例えば、下記から選択することができる:アポト-シスを誘導する剤;ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム);ポリペプチド(例えば、酵素);薬物;生物学的模倣物;アルカロイド;アルキル化剤;抗腫瘍抗生物質;代謝拮抗剤;ホルモン;白金化合物;抗がん薬、毒素、および/または放射性核種とコンジュゲートしたモノクローナル抗体;生物学的応答調節物質(例えば、IFN-aなどのインターフェロンおよびIL-2などのインターロイキン);養子免疫療法剤;造血成長因子;腫瘍細胞分化を誘導する剤(例えば、全トランス型レチノイン酸);遺伝子療法試薬;アンチセンス療法試薬およびヌクレオチド;腫瘍ワクチン;ならびに血管新生阻害剤である。
【0130】
化学療法剤の例には、エルロチニブ(Erlotinib)(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.);フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca);スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer);レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis);メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis);PTK787/ZK 222584(Novartis);オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi);5-FU(5-フルオロウラシル);ロイコボリン;ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth);ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline);ロナファルニブ(SCH 66336);ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer);イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、Pfizer)およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca);AG1478、AG1571(SU 5271、Sugen);トラメチニブ(Trametinib)(GSK1120212);セルメチニブ(Selumetinib)(AZD6244);ビニメチニブ(MEK162);Pimasertib;チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド(cyclosphosphamide)などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホナート;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレド-パ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロメラミンなどのエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine);アセトゲニン(ブラタシンおよびブラタシノンなど);カンプトテシン(合成類縁体トポテカンなど);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065およびそのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類縁体;クリプトフィシン(クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8など);ドラスタチン;デュオカルマイシンならびにKW-2189およびCB1-TM1などのその合成類縁体;エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロマファジン(chlomaphazine)、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタ-ドなどのナイトロジェンマスタ-ド;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムヌスチン(ranimnustine)などのニトロス尿素(nitrosurea);エンジイン抗生物質(例えば、カリケアミシンガンマ1IおよびカリケアミシンオメガI1などのカリケアミシン(Angew Chem. Intl. Ed. Engl.(1994) 33:183-186)などの抗生物質;ジネミシンAなどのジネミシン;クロドロナートなどのビスホスホナート;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノードキソルビシン、シアノモルホリノードキソルビシン、2-ピロリノードキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサ-トおよび5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサ-トなどの葉酸類縁体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類縁体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジンなどのピリミジン類縁体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサ-ト(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;メイタンシンおよびアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモ-ル(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(T-2毒素、ベラクリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジンなど);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(登録商標)(Cremophorを含まない)、パクリタキセルのアルブミン改変ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Ill.)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドキセタキセル(doxetaxel);Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France);クロランブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサ-ト;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類縁体;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキセ-ト;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロナート;CPT-11;トポイソメラ-ゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;および上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体が含まれる。
【0131】
「化学療法剤」は、例えば、下記からも選択することができる:(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するようにはたらく抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミファイン(toremifine))を含む、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素であるアロマターゼを阻害する、アロマタ-ゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロ-ル)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタニ-(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca);(iii)抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類縁体);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤、例えばMEK1/2阻害剤、例えばトラメチニブ(trametinib)、セルメチニブ(selumetinib)、ピマセチブ(pimasertib)及びGDC-0973である;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-アルファ、RalfおよびH-Ras;(vii)リボザイム、例えば、VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤;(viii)ワクチン、例えば、遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標);PROLEUKIN(登録商標)rIL-2;トポイソメラ-ゼ1阻害剤、例えば、LURTOTECAN(登録商標);ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)抗血管新生剤、例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);および(x)上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体。
【0132】
「化学療法剤」は、例えば、治療用抗体、例えば、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬物複合体、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)からも選択することができる。
【0133】
化学療法剤としてのポテンシャルを有し且つ式(I)、式(II)または(III)、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物と併用するヒト化モノクローナル抗体は、例えば、下記から選択してもよい:アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴ-ル、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ(motovizumab)、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌバビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、ペルツズマブ、パキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリビズマブ(reslivizumab)、レスリズマブ、レシ-ビズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ(rovelizumab)、ルプリズマブ(ruplizumab)、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ(tadocizumab)、タリズマブ、テフィバズマブ(tefibazumab)、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ(tucotuzumab)セルモロイキン、ツクシツズマブ(tucusituzumab)、ウマビズマブ(umavizumab)、ウルトキサズマブ、ビジリズマブ、ニボルマブ(nivolumab)及びpembroluzimab。
【0134】
式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む組成物も本明細書において提供する。
【0135】
式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を含む組成物は、経口、局所、直腸、非経口、吸入噴霧、または埋め込みレザバーなどの、様々な公知の様式で投与することができるが、任意の所与の症例において最も適した経路は、特定の宿主、ならびに活性成分を投与している対象となる状態の性質および重症度に依存することになる。本明細書において用いられる「非経口」なる用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。本明細書において開示する組成物は、単位剤形で都合よく提示し、当技術分野において周知の任意の方法によって調製してもよい。
【0136】
式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、カプセル剤、錠剤、トローチ、糖衣丸、顆粒剤および散剤などの固体剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤、および懸濁剤などの液体剤形で経口投与することができる。本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、分散剤、懸濁剤または液剤などの滅菌液体剤形で非経口投与することもできる。局所投与用の軟膏、クリーム、滴剤、経皮パッチもしくは散剤として、眼への投与用の眼用液剤もしくは懸濁剤製剤、すなわち点眼剤として、吸入もしくは鼻内投与用のエアロゾル噴霧剤もしくは粉末組成物として、または直腸もしくは膣投与用のクリーム、軟膏、噴霧剤もしくは坐剤として、本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を投与するために他の剤形も用いることができる。
【0137】
本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩ならびに乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含むゼラチンカプセル剤も用いることができる。同様の希釈剤を用いて圧縮錠剤を作製することもできる。錠剤およびカプセル剤はいずれも、ある期間にわたって薬剤の持続的放出を提供するための徐放性製品として製造することができる。圧縮錠剤は、任意の不快な味をマスクし、錠剤を環境から保護するために、糖コーティングもしくはフィルムコーティングすることができ、または胃腸管における選択的崩壊のために、腸溶コーティングすることもできる。
【0138】
経口投与用の液体剤形は、患者の受容を高めるために、着色剤および着香剤から選択される少なくとも1つの作用物質をさらに含むことができる。
【0139】
一般に、水、適切な油、生理食塩水、水性デキストロース(グルコース)、および関連する糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、非経口液剤に適した担体の例でありうる。非経口投与用の液剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物の水溶性塩、少なくとも1つの適切な安定化剤、および必要があれば、少なくとも1つの緩衝化物質を含んでいてもよい。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、単独または組み合わせのいずれかで、適切な安定化剤の例でありうる。クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムも、適切な安定化剤の例として用いうる。加えて、非経口液剤は、例えば、塩化ベンザルコニウム、メチルおよびプロピルパラベン、ならびにクロロブタノールから選択される少なくとも1つの保存剤をさらに含みうる。
【0140】
薬学的に許容される担体は、例えば、組成物の活性成分と適合性であり(かつ、いくつかの態様において、活性成分を安定化することができ)、治療する対象に対して有害でない担体から選択される。例えば、シクロデキストリン(これは本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/または少なくとも1つの薬学的に許容される塩と共に、特定の、より可溶性の複合体を形成しうる)などの可溶化剤を、活性成分の送達のための薬学的賦形剤として用いることができる。他の担体の例には、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C Yellow # 10などの色素が含まれる。適切な薬学的に許容される担体は、当技術分野において標準的な参照テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolに記載されている。
【0141】
本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、がんの処置における有効性について、インビボアッセイによりさらに試験することができる。例えば、本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの薬学的に許容される塩を、がんを有する動物(例えば、マウスモデル)に投与し、その治療的有効性を評価することができる。そのような試験の1つまたは複数において陽性結果が得られれば、科学的知識の宝庫を増大させるのに十分で、したがって試験した化合物および/または塩の実用性を示すのに十分である。結果に基づき、ヒトなどの動物に対する適切な用量範囲および投与経路も決定することができる。
【0142】
吸入による投与のために、本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、エアロゾル噴霧剤の形態で圧縮パックまたはネブライザ-から都合よく送達してもよい。本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、製剤化されていてもよい散剤として送達してもよく、粉末組成物を吹送粉末吸入装置を利用して吸入してもよい。吸入のための1つの例示的送達系は、定量吸入(MDI)エアロゾルでありえ、これは本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の、例えば、フッ化炭化水素および炭化水素から選択される少なくとも1つの適切な噴射剤中の懸濁液または溶液として製剤化してもよい。
【0143】
眼への投与のために、眼用製剤は、本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を眼表面と十分な期間接触させ続けて、化合物を眼の角膜および内部領域に浸透させるように、適切な眼用媒体中の適切な重量パーセンテージの本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の溶液または懸濁液を用いて製剤化してもよい。
【0144】
本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の投与のために有用な薬学的剤形には、ゼラチン硬および軟カプセル剤、錠剤、非経口注射剤、ならびに経口懸濁剤が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0145】
投与する用量は、受容者の年齢、健康および体重、疾患の程度、併用処置があればその種類、処置の頻度、ならびに所望の効果の性質などの因子に依存することになる。一般に、活性成分の1日用量は、例えば、1日に0.1から2000ミリグラムまで変動しうる。例えば、所望の結果を得るために1日に10~500ミリグラムを1回または複数回が有効でありうる。
【0146】
いくつかの態様において、標準の2部分からなるゼラチン硬カプセルにそれぞれ、例えば、粉末の本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物100ミリグラム、乳糖150ミリグラム、セルロース50ミリグラム、ならびにステアリン酸マグネシウム6ミリグラムを充填することにより、多数の単位カプセル剤を調製することができる。
【0147】
いくつかの態様において、式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の、ダイズ油、綿実油またはオリ-ブ油などの可消化油の混合物を調製し、容積式ポンプによってゼラチン中に注入して、活性成分100ミリグラムを含むゼラチン軟カプセル剤を形成することができる。カプセル剤を洗浄して乾燥する。
【0148】
いくつかの態様において、用量単位が、例えば、式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物100ミリグラム、コロイド状二酸化ケイ素0.2ミリグラム、ステアリン酸マグネシウム5ミリグラム、微結晶セルロース275ミリグラム、デンプン11ミリグラムおよび乳糖98.8ミリグラムを含むように、通常の手順によって、多数の錠剤を調製することができる。嗜好性を高める、または吸収を遅らせるために、適切なコーティングを適用してもよい。
【0149】
いくつかの態様において、注射による投与に適した非経口組成物は、10体積%プロピレングリコール中1.5重量%の本明細書において開示する少なくとも1つの化合物および/またはその少なくとも1つの鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは薬学的に許容される塩を撹拌することにより調製することができる。溶液を注射用水で望まれる量にして、滅菌する。
【0150】
いくつかの態様において、経口投与用に水性懸濁剤を調製することができる。例えば、式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物の微粒子100ミリグラム、カルボキシメチルセルロースナトリウム100ミリグラム、安息香酸ナトリウム5ミリグラム、ソルビトール溶液U.S.P. 1.0グラム、ならびにバニリン0.025ミリリットルを含む水性懸濁剤各5ミリリットルを用いることができる。
【0151】
式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物を、少なくとも1つの他の治療剤と段階的に、または共に投与する場合、同じ剤形を一般に用いることができる。薬物を物理的組み合わせで投与する場合、剤形および投与経路は組み合わせた薬物の適合性に応じて選択すべきである。したがって、「同時投与」(coadministration)なる用語は、少なくとも2つの剤の同時もしくは逐次投与、または少なくとも2つの活性成分の固定用量の組み合わせとしての投与を含むと理解される。
【0152】
本明細書において開示する式(I)、式(II)または(III)の化合物、その立体異性体、およびその薬学的に許容される塩から選択される少なくとも1つの化合物は、唯一の活性成分として、または、例えば、患者のがんを処置するのに有用であることが公知の他の活性成分から選択される少なくとも1つの第二の活性成分との組み合わせで投与することができる。
【0153】
以下の実施例は、純粋に例示的であることが意図され、いかなる様式でも限定的であると考えられるべきではない。用いる数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するよう努力してきたが、幾分の実験誤差および偏りが含まれるであろう。特に記載がないかぎり、温度は摂氏度である。試薬はSigma-Aldrich、Alfa Aesar、またはTCIなどの商業的供給業者から購入し、特に記載がないかぎり、それ以上精製せずに用いた。
【0154】
特に記載がないかぎり、以下に示す反応は窒素もしくはアルゴンの陽圧下で、または無水溶媒中、乾燥チューブを用いて実施し;反応フラスコには基質および試薬をシリンジから導入するためのゴム栓を取り付け;ガラス器具は乾燥器で乾燥および/または熱乾燥した。
【0155】
特に記載がないかぎり、カラムクロマトグラフィー精製は、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造者:Dyax Corporation)もしくはシリカSepPakカ-トリッジ(Waters)で行うか、またはTeledyne Isco Combiflash精製システムであらかじめ充填されたシリカゲルカ-トリッジを用いて行った。
【0156】
H NMRスペクトルはVarian機器を用いて400MHzで操作して記録した。H-NMRスペクトルは溶媒としてCDCl、CDCl、CDOD、DO、d-DMSO、d-アセトンまたは(CDCOおよび参照標準としてテトラメチルシラン(0.00ppm)または残留溶媒(CDCl:7.25ppm;CDOD:3.31ppm;DO:4.79ppm;d-DMSO:2.50ppm;d6-アセトン:2.05;(CDCO:2.05)を用いて得た。ピ-ク多重度を報告する場合、以下の略語を用いる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、qn(五重線)、sx(六重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数を示す場合、ヘルツ(Hz)で報告する。試薬以外のすべての化合物名はChemDrawバ-ジョン12.0で作成した。
以下の実施例において、以下の略語を用いる。
AcOH 酢酸
Aq 水溶液
食塩水 塩化ナトリウム飽和水溶液
Bn ベンジル
BnBr 臭化ベンジル
CHCl ジクロロメタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
Dppf 1,1’’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIEAまたはDIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Et2Oまたはエーテル ジエチルエーテル
g グラム
hまたはhr 時間
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HCl 塩酸
HPLC 高性能液体クロマトグラフィ
IPA 2-プロパノール
i-PrOH イソプロピルアルコール
mg ミリグラム
mL ミリリットル
Mmol ミリモル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Min 分
msまたはMS マススペクトル
NaSO 硫酸ナトリウム
PE 石油エーテル
PPA ポリリン酸
Rt 保持時間
Rtまたはrt 室温
TBAF フッ化テトラ-ブチルアンモニウム
TBSCl 塩化tert-ブチルジメチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィ
μL マイクロリットル
【実施例
【0157】
実施例1:化合物1.1~1.87の合成
化合物1.1:1-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア
【0158】
ステップA:1-(2,2-ジエトキシエトキシ)-4-メトキシベンゼン
室温下において4-メトキシフェノール(500g,4mol)のDMSO(500mL)中における攪拌された溶液中にKOH(400g,7.1mol,1.78当量)を添加する。20 min攪拌した後,得られた混合物を120℃になるまで昇温する。該温度下において2時間以内に2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(850g,4.3mol)を添加してさらに2時間攪拌する。混合物を水(1000mL)及びPE(1000mL)で処理し,セライトパッドでろ過する。液相に対してPE(500mL×2)を用いて抽出する。混合された有機物をNaOH水溶液(2N,300mL×2)、食塩水(500mL×3)で洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥及び減圧濃縮し,標記の化合物を得る(850g,88%),それは明るい黄色の油状物であり、直接以下のステップに用いられる。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ6.98-6.78(m,4H),4.76(t,J =5.2Hz,1H),3.88(d,J= 5.2Hz,2H),3.71-3.68(m,3H),3.69-3.61(m,2H),3.60-3.50(m,2H),1.17-1.10(m,6H)ppm。
【0159】
ステップB:5-メトキシベンゾフラン
ステップAの生成物(420g,1.87mmol)とAmberlyst15(42g)のトルエン(2L)中における混合物を6時間還流しながら攪拌すると共に,共沸により反応中で生成されるEtOH(溶媒が1.5Lより多いように維持する)を除去する。得られた反応混合物をろ過してさらに過量のトルエンで樹脂を洗浄する。混合されたとろ液を乾燥するまで減圧濃縮する。粗生成物を100℃下において実験室で用いるオイルポンプを用いて減圧蒸留して(105g,74℃画分)を得る。固体を希釈してさらにNaOH(3M,200mL×2)、食塩水(500mL×3)で洗浄し,さらに無水硫酸ナトリウムで乾燥してさらに減圧濃縮し,標記の化合物を得る(85g,33%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.59(d,J=2.0Hz,1H),7.39(d,J=9.0Hz,1H),7.05(d,J=2.4Hz,1H),6.90(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),6.73-6.68(m,1H),3.84(s,3H)ppm。
【0160】
ステップC:ベンゾフラン-5-オ-ル
-20℃でN下においてステップBの生成物(50g,0.34mol)のCHCl(1200mL)における溶液中にBBr(32.5mL,0.34mol)を滴下する。滴下した後に,混合物20℃に加熱してさらに2時間攪拌する。反応混合物を0℃に冷却してさらに15minをかけて-20℃においてカニュ-レを用いて注意深くNH/MeOH溶液(3mol/L,500mL)中に添加する。混合物を濃縮してさらに残留物中にEA(500mL)を添加する。固体をシリカパッドでろ過してさらにろ液を減圧濃縮し,粗生成物を得る(粗生成物,48g),それは油状物であり,直接次のステップに供される。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.14(s,1H),7.86(d,J=2.0Hz,1H),7.36(d,J=8.8Hz,1H),6.94(d,J=2.4Hz,1H),6.79(dd,J= 2.0,0.9Hz,1H),6.74(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)ppm。MS:M/e135(M+1)
【0161】
ステップD:(ベンゾフラン-5-イルオキシ)トリメチルシラン
0℃においてステップCの生成物(350g,2.6mol)およびEtN(400g,3.9mol)のDCM(2000mL)中における攪拌された溶液中にTMSCl(290g,2.6mol)のDCM(300mL)における溶液を添加する。混合物を環境温度下において3時間攪拌する。大量の白色固体が析出されさらにシリカパッドでそれをろ過してさらにPEでろ過ケ-キを洗浄する。混合されたろ液を混合してさらに得られた油状物を高温真空下で蒸留して生成物を得る(290g,収率:2ステップで62%)、それは無色油状物である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.69(d,J=2.0Hz,1H),7.21(d,J=8.8Hz,1H),6.84(d,J=2.5Hz,1H),6.61(d,J=2.0Hz,1H),6.56(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),0.00(s,9H)ppm。
【0162】
ステップE:エチル 5-((トリメチルシリル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)(トルエンとの2:1錯体,600mg,0.5%)および(S,S)-2,2’-イソプロピリデン-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)(760mg,1%)をジクロロメタン(10mL)中において環境温度下でN雰囲気中において1時間攪拌する。ステップDの生成物(47.2g,0.23mol)を加え,それから注射用ポンプを使用して12時間かけてゆっくりエチルジアゾエタノエイト(78g,0.69mol)のDCM(400mL)における溶液を添加する。EDTAジナトリウム溶液(0.05mol/L,100mL×2)を反応混合物中に添加してさらに室温下において1時間攪拌する。有機相を濃縮して残留物を減圧蒸留する(実験室用のオイルポンプで)。125~140℃下において標記の化合物の画分を収集する(43.5g,65%,明るい黄色の油状物である)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ6.79(d,J=2.4Hz,1H),6.59(d,J=8.4Hz,1H),6.42(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),4.95(dd,J=5.4,1.0Hz,1H),3.08(dd,J=5.4,3.2Hz,1H),1.02(dd,J =3.1,1.2Hz,1H),0.00(s,9H)ppm。
【0163】
ステップF:エチル 5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
環境温度下においてステップEの生成物(35g,0.12mol)のMeOH(100mL)における溶液中にHCl/EtOH溶液(1M,0.1mL)を添加してさらに1時間攪拌する。混合物を濃縮して得られた油状物を100mLのPE/EA(3:1)で希釈してから再濃縮し,標記の化合物を得る(26.3g,収率:>99%,ee%:85%)、それは明るい黄色の固体である。H-NMR(600MHz,CDCl)δ7.01(s,1H),6.89(d,J=2.6Hz,1H),6.68(d,J=8.6Hz,1H),6.63(dd,J=8.6,2.6Hz,1H),5.02(dd,J=5.6,1.2Hz,1H),4.15(q,J=7.2Hz,2H),3.19(dd,J=5.4,3.0Hz,1H),1.26(dd,J=3.0,1.2Hz,1H),1.26-1.23(m,3H)ppm。
【0164】
ステップG:(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
ステップFの生成物フェノール(46.0g,純度:100%;ee:85.1%)のn-ヘキサン/酢酸エチル(12/1,全部で1400mL)における溶液を攪拌しながら還流する。すべての固体を溶解させ且つ均質の溶液を得た後、溶液を再還流して0.5h攪拌する。それから溶液を室温になるまで冷却し,2時間かけてフェノール化合物を針状形式の結晶で結晶化させる。混合物をろ過してから結晶を収集する(26.5g,ee:98.0%)。26gの98.0% ee化合物に対して第二回の再結晶を行う(n-ヘキサン/酢酸エチル 11/1,合計で1000mL),得られた18.3gの結晶(標記の化合物)をろ過して乾燥した後に99.9%eeを有する。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.06(s,1H),6.89(d,J=2.8Hz,1H),6.72(d,J=8.8Hz,1H),6.55(dd,J= 8.8,2.4Hz,1H),5.12(d,J=5.6Hz,1H),4.09(q,J=7.2Hz,2H),3.27(dd,J=5.6,2.8Hz,1H),1.25-1.15(m,4H)。MS:M/e221(M+1)
【0165】
ステップH:(1S,1aS,6bR)エチル-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
ステップGの生成物(66.3g,0.3mol)および5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(50g,0.3mol)のDMF(850mL)における混合物中にカリウム t-ブトキシド(35.4g,0.32mol)を添加してさらに混合物を120℃下において窒素中において2時間攪拌する。反応混合物を室温に冷却してからセライトパッドでろ過してさらにろ液から半分の溶媒を除去する。残留物を攪拌されている2Lの水中に添加する。固体が液体中から析出する。固体をろ過して、水で洗浄してから乾燥させる。灰色固体の標記の化合物を得る(108.2g,98%)それを直接次のステップに供される。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.43(s,1H),7.92(d,J=5.8Hz,1H),7.30(d,J=2.4Hz,1H),6.98(d,J=8.8Hz,1H),6.94(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.21(d,J=5.8Hz,1H),5.26(dd,J=5.4,1.0Hz,1H),4.08(q,J=7.0Hz,2H),3.34(dd,J=5.4,3.2Hz,1H),2.89(t,J=7.8Hz,2H),2.51(t,J=7.8Hz,2H),1.34(dd,J=3.2,1.0Hz,1H),1.18(t,J=7.0Hz,3H)ppm。MS:M/e367(M+1)
【0166】
ステップI:(1S,1aS,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
室温下において水酸化ナトリウム水溶液(450mL,2M,0.9mol)をステップHの生成物(216.4g,0.59mol)のエタノール(1L)における溶液中に攪拌しながら添加する。混合物を室温下で2時間攪拌してからさらに60℃下で2時間攪拌する。減圧にて溶媒を除去してから残留物を水(1.2L)中に溶解させる。溶液をHCl(1mol/L)中でpH=7に中和し,溶液中から白色固体を析出させる。ろ過して白色固体を収集してから乾燥させ,標記の化合物を得る(164g,82%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ12.59(s,1H),10.43(s,1H),7.92(d,J=5.8Hz,1H),7.29(d,J=2.4Hz,1H),6.97(d,J=8.8Hz,1H),6.93(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),6.21(d,J=5.8Hz,1H),5.21(dd,J=5.4,1.0Hz,1H),3.27-3.25(m,1H),2.89(t,J=7.8Hz,2H),2.51(d,J=8.8Hz,2H),1.19(dd,J=3.0,1.0Hz,1H)ppm。MS:M/e 339(M+1)
【0167】
ステップJ:(1S,1aS,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド(中間体I)
ステップIの生成物(6.0g,17.7mmol)のDMF(40mL)中における0℃溶液中に順にEtN(4.5g,45mmol)およびDPPA(5.9,21.5mmol)を添加する。得られた混合物を環境温度に加熱してから5時間攪拌する。150mL HOを添加してさらに混合物に対してEA(100mL×3)を用いて抽出する。混合された抽出物を食塩水(100mL×3)で洗浄し,NaSOで乾燥させ,約30mLのEAが残るまで真空濃縮する。150mLのPEを添加してさらに混合物を30分間攪拌する。白色固体をろ過してさらにPE/EA(5:1,100mL)を用いて洗浄し,高真空下で乾燥させ,標記の化合物を得る(6.17g,収率:95%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.80(s,1H),8.02(d,J=6.0Hz,1H),7.15(d,J=2.0Hz,1H),7.00-6.85(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),5.22(d,J=5.2Hz,1H),3.43(dd,J=5.2,2.8Hz,1H),3.07(t,J=7.6Hz,2H),2.71(t,J=7.6Hz,2H),1.36(d,J=2.0Hz,1H)。MS:M/e 364(M+1)
【0168】
ステップK:1-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア(化合物1.1)
ステップJの生成物(1g,2.75mmol)および3-(トリフルオロメチル)アニリン(500mg,3.11mmol)の15mL無水1,4-ジオキサン中における混合物を2時間加熱還流する。反応混合物を減圧濃縮してさらに得られた残留物をシリカクロマトグラフィ--で精製して粗化合物を得る。固体をヘキサン/EA(1:1,50mL)溶液中で析出させてさらにろ過し,標記の化合物を得る(1.00g,収率:73%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,CDOD)δ7.95(d,J=6.4Hz,1H),7.86(s,1H),7.52(d,J=9.0Hz,1H),7.42(t,J=8.0Hz,1H),7.28-7.21(m,2H),6.94-6.82(m,2H),6.40(d,J=6.4Hz,1H),4.90(d,J=6.0Hz,1H),3.09(t,J=7.6Hz,2H),2.96(dd,J=6.0,2.0Hz,1H),2.68(t,J=7.6Hz,2H),2.26(d,J=2.0Hz,1H)。MS:M/e 497(M+1)
【0169】
化合物1.1に対する前記操作に基づいて当業者が認識できる適切な条件下で化合物1.2~1.69を製造する。
【0170】
化合物1.2
H NMR(400MHz,CDOD)δ8.34(d,J=5.6Hz,1H),7.92(d,J=6.4Hz,1H),7.52(s,1H),7.19(d,J=2.4Hz,1H),7.14(d,J=4.4Hz,1H),6.89-6.80(m,2H),6.44(d,J=6.4Hz,1H),4.92(d,J=5.6Hz,1H),3.05(t,J=7.6Hz,2H),2.96(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.65(t,J=7.6Hz,2H),2.27(d,J=2.0Hz,1H)。MS:M/e 498(M+1)
【0171】
化合物1.3
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.55(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.24-7.14(m,3H),6.94-6.81(m,4H),6.55-6.35(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.89(d,J=5.6Hz,1H),4.14(s,2H),3.72(s,3H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.86(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.58-2.52(m,2H),2.18(s,1H)。MS:M/e 473(M+1)
【0172】
化合物1.4
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),7.96(d,J=6.4Hz,1H),7.89-7.84(m,2H),7.24-7.22(m,1H),7.15-7.12(m,1H),7.02(d,J=2.8Hz,1H),6.93-6.85(m,3H),6.25(d,J=6.4Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),3.73(s,3H),2.98-2.90(m,3H),2.56-2.50(m,2H),2.27-2.25(m,1H)。MS:M/e 493(M+1)
【0173】
化合物1.5
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),8.08-7.92(m,2H),7.87(d,J=2.8Hz,1H),7.49-7.45(m,1H),7.30(d,J=8.8Hz,1H),7.24-7.22(m,1H),6.94-6.91(m,2H),6.57(dd,J=8.8,3.2Hz,1H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.72(s,3H),3.00- 2.88(m,3H),2.63-2.50(m,2H),2.29-2.26(m,1H)。MS:M/e 493(M+1)
【0174】
化合物1.6
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.07-7.90(m,2H),7.81-7.77(m,1H),7.45-7.41(m,1H),7.26-7.17(m,2H),6.94-6.91(m,2H),6.79-6.74(m,1H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.83(s,3H),2.99-2.91(m,3H),2.57-2.52(m,2H),2.29-2.27(m,1H)。MS:M/e 493(M+1)
【0175】
化合物1.7
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.83(d,J=5.6Hz,1H),7.77(s,1H),7.24-7.21(m,2H),7.18-7.13(m,1H),7.00-6.98(m,1H),6.93-6.90(m,2H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),2.98-2.90(m,3H),2.56-2.51(m,2H),2.28-2.26(m,1H),2.18(s,3H)。MS:M/e 477(M+1)
【0176】
化合物1.8
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.43(d,J=2.4Hz,1H),8.20(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.54-7.50(m,1H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),7.26-7.23(m,1H),7.17(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),6.93-6.91(m,2H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),3.02-2.86(m,3H),2.58-2.52(m,2H),2.29-2.26(m,1H)。MS:M/e 543(M+1)
【0177】
化合物1.9
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.04-8.00(m,1H),7.97-7.84(m,2H),7.71-7.66(m,2H),7.46-7.42(m,1H),7.24-7.21(m,1H),6.93-6.91(m,2H),6.24(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.04-2.84(m,3H),2.59-2.51(m,2H),2.30-2.27(m,1H)。MS:M/e 531(M+1)
【0178】
化合物1.10
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),8.15-8.10(m,2H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.68(d,J=2.4Hz,1H),7.49-7.40(m,2H),7.25-7.22(m,1H),6.93-6.91(m,2H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.03-2.87(m,3H),2.58-2.52(m,2H),2.29-2.26(m,1H)。MS:M/e 543(M+1)
【0179】
化合物1.11
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),9.20(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.69(s,1H),7.60(d,J=11.4Hz,1H),7.23(s,1H),7.17(d,J=8.5Hz,1H),6.99-6.88(m,3H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),3.03-2.89(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.27(s,1H)ppm。MS:M/e 515(M+1)
【0180】
化合物1.12
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),8.65(s,1H),8.46-8.32(m,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.37-7.28(m,2H),7.24(s,1H),7.08(d,J=1.9Hz,1H),6.98-6.88(m,2H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),3.02-2.89(m,3H),2.55(d,J=7.6Hz,2H),2.28(s,1H)ppm。MS:M/e 515(M+1)
【0181】
化合物1.13
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),9.19(s,1H),8.53(t,J=2.0Hz,1H),7.97(d,J=5.6Hz,1H),7.78(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),7.71(d,J=9.6Hz,1H),7.52(t,J=8.4Hz,1H),7.24(d,J=1.6Hz,1H),6.97-6.86(m,3H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),2.99(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.29(s,1H)ppm。MS:M/e 474(M+1)
【0182】
化合物1.14
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.69(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.63(s,1H),7.38(d,J=8.4Hz,1H),7.30-7.18(m,2H),7.03(d,J=7.6Hz,1H),6.92(s,2H),6.70(s,1H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),4.13(s,1H),3.00-2.87(m,3H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),2.26(s,1H)ppm。MS:M/e 453(M+1)
【0183】
化合物1.15
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(s,1H),8.38(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.25-7.15(m,2H),6.92(s,2H),6.82(s,2H),6.51(s,1H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),3.70(s,3H),3.68(s,3H),3.00-2.88(m,3H),2.60-2.50(m,2H),2.24(s,1H)。MS:M/e 489(M+1)
【0184】
化合物1.16
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.56(s,1H),8.40(s,1H),7.97(d,J=5.6Hz,1H),7.32(s,1H),7.23(s,1H),7.14-7.02(m,2H),6.97-6.85(m,2H),6.55(s,1H),6.27(d,J=5.6Hz,1H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.90(m,3H),2.84-2.71(m,4H),2.60-2.51(m,2H),2.24(s,1H),2.06-1.89(m,2H)。MS:M/e 469(M+1)
【0185】
化合物1.17
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.53(s,1H),8.56(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.23(s,1H),6.96-6.87(m,2H),6.65(d,J=2.0Hz,2H),6.58(s,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),6.09(t,J=2.0Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),3.68(s,6H),3.01-2.88(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.24(s,1H)。
MS: M/e 489(M+1)
【0186】
化合物1.18
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.56(s,1H),8.46(s,1H),7.97(d,J=5.6Hz,1H),7.36-7.28(m,2H),7.27-7.20(m,3H),6.96-6.86(s,2H),6.56(s,1H),6.27(d,J=5.6Hz,1H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),2.98-2.90(m,3H),2.55(t,J=8.0Hz,2H),2.25(s,1H),1.24(s,9H)。MS:M/e 485(M+1)
【0187】
化合物1.19
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),7.95(d,J=6.0Hz,1H),7.88(s,1H),7.31(d,J=7.6Hz,1H),7.23-7.12(m,3H),6.95-6.87(m,2H),6.76(s,1H),6.24(d,J=6.0Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),2.97- 2.87(m,3H),2.58-2.52(m,2H),2.26(s,1H),2.21(s,3H)。MS:M/e 477(M+1)
【0188】
化合物1.20
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.54(s,1H),8.75(s,1H),8.39(t,J=8.4Hz,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.66(d,J=10.0Hz,1H),7.51(d,J=8.8Hz,1H),7.25(s,1H),7.16(s,1H),6.97-6.89(m,2H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),5.01(d,J=5.6Hz,1H),2.99(d,J=5.6Hz,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.29(s,1H)。MS:M/e 515(M+1)
【0189】
化合物1.21
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.34(s,1H),8.12-8.06(m,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.25-7.06(m,3H),6.99-6.91(m,4H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=6.0Hz,1H),2.99-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.2Hz,2H),2.28-2.25(m,1H)。MS:M/e 447(M+1)
【0190】
化合物1.22
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.81(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.48-7.43(m,1H),7.28-7.22(m,2H),7.10-7.06(m,1H),6.95-6.90(m,2H),6.76-6.69(m,2H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),2.97-2.90(m,3H),2.57-2.51 m,2H),2.27-2.24(m,1H)。MS:M/e 447(M+1)
【0191】
化合物1.23
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),9.01(s,1H),7.96(d,J =6.0Hz,1H),7.24-7.22(m,1H),7.18-7.14(m,2H),6.93-6.91(m,2H),6.86-6.82(m,1H),6.77-6.70(m,1H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J =6.0Hz,1H),2.98-2.90(m,3H),2.57-2.52(m,2H),2.27-2.24(m,1H)。MS:M/e 465(M+1)
【0192】
化合物1.24
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.50(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.31(dd,J=7.2,2.4Hz,1H),7.25-7.17(m,2H),6.99(t,J=9.2Hz,1H),6.91(d,J=2.0Hz,2H),6.60(s,1H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),2.98-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.8Hz,2H),2.24(s,1H),2.18(s,3H)ppm。MS:M/e 461(M+1)
【0193】
化合物1.25
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),9.10(s,1H),8.09(d,J=2.4Hz,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.63(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.57(d,J=8.8Hz,1H),7.23(d,J=2.0Hz,1H),6.94-6.85(m,3H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.02-2.88(m,3H),2.55(d,J=7.8Hz,2H),2.27(s,1H)ppm。MS:M/e 531(M+1)
【0194】
化合物1.26
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.88(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.34(d,J=8.4Hz,2H),7.23(s,1H),7.00-6.79(m,3H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),4.17(d,J=5.2Hz,2H),3.00-2.85(m,3H),2.71(s,3H),2.69(s,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.27(s,1H) ppm。MS:M/e 486(M+1)
【0195】
化合物1.27
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),8.12(d,J=2.4Hz,2H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.61-7.45(m,2H),7.25(s,1H),6.93(d,J=1.6Hz,2H),6.24(d,J=6.0Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),3.82(s,3H),2.98(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),2.93(t,J=8.0Hz,2H),2.53(t,J=8.0Hz,2H),2.28(s,1H) ppm。MS:M/e 527(M+1)
【0196】
化合物1.28
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),8.93(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.86(d,J=2.4Hz,1H),7.47(d,J=8.8Hz,1H),7.31(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.22(d,J=1.6Hz,1H),6.95-6.89(m,2H),6.83(s,1H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.89(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H)ppm。MS:M/e 497(M+1)
【0197】
化合物1.29
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),9.02(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.66-7.55(m,4H),7.23(d,J=1.6Hz,1H),6.95-6.89(m,2H),6.80(s,1H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.89(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.28(s,1H)ppm。MS:M/e 497(M+1)
【0198】
化合物1.30
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,2H),7.82(s,1H),7.67-7.55(m,2H),7.39(d,J=2.4Hz,1H),7.29-7.17(m,2H),6.97-6.88(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=6.0Hz,1H),3.00-2.89(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.29(s,1H)ppm。MS:M/e 497(M+1)
【0199】
化合物1.31
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(s,1H),8.84(s,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.90(d,J=1.6Hz,1H),7.51-7.45(m,1H),7.28(d,J=8.4Hz,1H),7.23(d,J=1.2Hz,1H),6.97-6.87(m,2H),6.73(d,J=2.0Hz,1H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),2.99-2.90(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.34(d,J=1.6Hz,3H),2.26(s,1H)ppm。MS:M/e 511(M+1)
【0200】
化合物1.32
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.97(s,1H),8.02-7.94(m,2H),7.67-7.57(m,1H),7.39(t,J=9.6Hz,1H),7.23(s,1H),6.92(s,2H),6.82(s,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.89(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H)ppm。MS:M/e 515(M+1)
【0201】
化合物1.33

H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.72(s,1H),8.58(d,J=5.6Hz,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.51-7.39(m,1H),7.35(s,1H),7.25(d,J=1.6Hz,1H),7.12(s,1H),6.97-6.89(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),5.01(d,J=5.6Hz,1H),3.04-2.89(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.27(s,1H)ppm。MS:M/e 515(M+1)
【0202】
化合物1.34
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.56(s,1H),8.70(s,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.81(d,J=2.4Hz,1H),7.55(dd,J=9.2,2.4Hz,1H),7.24(s,1H),7.17(d,J=9.2Hz,1H),6.92(s,2H),6.70(s,1H),6.28(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.82(s,3H),2.99-2.90(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H)。MS:M/e 515(M+1)
【0203】
化合物1.35
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.53(s,1H),8.32(s,1H),8.07-7.90(m,2H),7.33-7.16(m,2H),7.01(t,J=8.8Hz,1H),6.96-6.89(m,3H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),2.97-2.90(m,3H),2.55(t,J=8.0Hz,2H),2.26(s,1H) ppm。MS:M/e 465(M+1)
【0204】
化合物1.36
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),9.70(s,1H),8.73(s,1H),8.50(d,J=6.0Hz,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.89(s,1H),7.57(d,J=5.6Hz,1H),7.24(d,J=2.0Hz,1H),6.93(d,J=2.4Hz,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),5.05(d,J=5.6Hz,1H),3.04(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.32(s,1H) ppm。MS:M/e 431(M+1)
【0205】
化合物1.37
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(s,1H),9.47(s,1H),8.19(d,J=5.6Hz,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.93(s,1H),7.64(s,1H),7.25(s,1H),7.09(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),6.97-6.87(m,2H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),5.04(d,J=5.6Hz,1H),3.02(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.30(s,1H)。MS:M/e 464(M+1)
【0206】
化合物1.38
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),9.72(s,1H),8.58(s,1H),8.12-8.04(m,1H),7.98-7.93(m,2H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.24(s,1H),6.95-6.88(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),5.05(d,J=6.0Hz,1H),3.05-3.01(m,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.33(s,1H)ppm。MS:M/e 498(M+1)
【0207】
化合物1.39
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),9.34(s,1H),8.62(s,1H),8.44(d,J=6.0Hz,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.87(d,J=5.6Hz,1H),7.49(s,1H),7.25(s,1H),7.00-6.88(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),5.03(d,J=5.6Hz,1H),3.02(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.94(t,J=8.0Hz,2H),2.55(t,J=8.0Hz,2H),2.46(s,3H),2.32(s,1H)ppm。MS:M/e 444(M+1)
【0208】
化合物1.40
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),7.98(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.23-7.20(m,3H),6.94-6.91(m,3H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),2.95-2.90(m,3H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),2.25-2.24(m,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0209】
化合物1.41
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.59(s,1H),8.71(s,1H),7.98(d,J=6.0Hz,1H),7.47-7.37(m,2H),7.24(s,1H),7.11-7.02(m,2H),6.97-6.87(m,2H),6.70(s,1H),6.29(d,J=6.0Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),3.01-2.89(m,3H),2.56(t,J=7.6Hz,2H),2.25(s,1H)ppm。MS:M/e 447(M+1)
【0210】
化合物1.42
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),8.55(s,1H),7.97(s,1H),7.95-7.85(m,1H),7.24(s,1H),7.15-6.90(m,5H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),2.99- 2.90(m,3H),2.57-2.51(m,2H),2.28-2.25(m,1H)。MS:M/e 465(M+1)
【0211】
化合物1.43
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(s,1H),8.58(s,1H),8.05-7.93(m,2H),7.30-7.20(m,2H),7.09(d,J=1.6Hz,1H),6.93(s,2H),6.84-6.72(m,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.01-2.89(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.27(s,1H) ppm。MS:M/e 465(M+1)
【0212】
化合物1.44
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.53(s,1H),8.05(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.31-7.19(m,2H),7.14-7.07(m,2H),6.95-6.87(m,3H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H)ppm。MS:M/e 465(M+1)
【0213】
化合物1.45
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.81(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.67-7.60(m,1H),7.35-7.20(m,2H),7.11-7.06(m,1H),6.95-6.86(m,2H),6.75-6.71(s,1H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),2.97-2.90(m,3H),2.57-2.51(m,2H),2.26-2.24(m,1H)。MS:M/e 465(M+1)
【0214】
化合物1.46
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.53(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.85-7.75(m,1H),7.31-7.15(m,2H),7.00(d,J=2.0Hz,1H),6.96-6.86(m,2H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0215】
化合物1.47
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(s,1H),8.98(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.40-7.30(m,2H),7.23(s,1H),7.05-6.83(m,3H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.10-2.84(m,3H),2.54(t,J=7.2Hz,2H),2.25(s,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0216】
化合物1.48
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.28(s,1H),7.95(d,J=6.0Hz,1H),7.40-7.30(m,1H),7.21(s,1H),7.19-7.11(m,1H),6.99(s,1H),6.97-6.85(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.97(d,J=6.0Hz,1H),3.01-2.87(m,3H),2.55(t,J=8.0Hz,2H),2.27(s,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0217】
化合物1.49
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.55(s,1H),8.24-8.12(m,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.64-7.52(m,1H),7.23(s,1H),7.02(s,1H),6.98-6.86(m,2H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.02-2.86(m,3H),2.55(d,J=8.0Hz,2H),2.26(s,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0218】
化合物1.50
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.34(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.32-7.28(m,2H),7.23- 7.21(m,1H),6.93-6.90(m,2H),6.84-6.80(m,2H),6.51-6.48(m,1H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),3.67(s,3H),2.96-2.90(m,3H),2.62-2.51(m,2H),2.25-2.22(m,1H)。MS:M/e 459(M+1)
【0219】
化合物1.51
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.55(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.19(s,1H),6.95-6.84(m,2H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),6.15(s,1H),5.97(s,1H),4.87(d,J=5.6Hz,1H),3.96-3.76(m,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.82(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.19-2.12(m,1H),1.84-1.70(m,2H),1.66-1.54(m,2H),1.53-1.41(m,2H),1.37-1.22(m,2H) ppm。MS:M/e 421(M+1)
【0220】
化合物1.52
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),7.95(d,J=6.0Hz,1H),7.18(s,1H),6.97-6.82(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),6.15(s,1H),5.90(s,1H),4.86(d,J=5.6Hz,1H),3.68-3.47(m,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.82(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.17-2.11(m,1H),1.81-1.68(m,2H),1.60-1.43(m,6H),1.43-1.30(m,4H) ppm。MS:M/e 449(M+1)
【0221】
化合物1.53
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.81(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.91-7.78(m,1H),7.24(s,1H),7.12(s,1H),7.10-6.99(m,1H),6.98-6.87(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),5.00(d,J=6.0Hz,1H),3.02-2.87(m,3H),2.55(d,J=7.6Hz,2H),2.28-2.25(m,1H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0222】
化合物1.54
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.55(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.64-7.52(m,4H),7.20(s,1H),6.90(s,2H),6.84-6.72(m,1H),6.60(s,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.90(d,J=5.6Hz,1H),4.31(d,J=5.6Hz,2H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.88(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.21(s,1H)ppm。MS:M/e 511(M+1)
【0223】
化合物1.55
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.73-7.61(m,2H),7.53(d,J=7.6Hz,1H),7.45(t,J=7.6Hz,1H),7.20(s,1H),7.00-6.82(m,2H),6.73-6.58(m,2H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.92(d,J=5.6Hz,1H),4.42(d,J=5.6Hz,2H),3.00-2.82(m,3H),2.54(d,J=8.0Hz,2H),2.28-2.13(m,1H)ppm。MS:M/e 511(M+1)
【0224】
化合物1.56
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.44(s,1H),7.92(d,J=6.0Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,2H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.16(s,1H),6.90-6.82(m,2H),6.69(s,1H),6.52(s,1H),6.21(d,J=6.0Hz,1H),4.87(d,J=5.6Hz,1H),4.27(d,J=5.2Hz,2H),2.89(t,J=7.6Hz,2H),2.85(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.51(t,J=7.6Hz,2H),2.20-2.13(m,1H) ppm。MS:M/e 511(M+1)
【0225】
化合物1.57
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.45(s,1H),7.92(d,J=5.6Hz,1H),7.33-7.20(m,2H),7.18-7.05(m,3H),6.89-6.82(m,2H),6.54(s,1H),6.47(s,1H),6.21(d,J=5.6Hz,1H),4.86(d,J=5.6Hz,1H),4.23(d,J=5.2Hz,2H),2.89(t,J=7.6Hz,2H),2.83(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.51(t,J=7.6Hz,2H),2.18-2.13(m,1H) ppm。MS:M/e 461(M+1)
【0226】
化合物1.58
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.38-7.31(m,1H),7.20-7.18(m,1H),7.13-7.00(m,3H),6.90-6.88(m,2H),6.68-6.63(m,1H),6.54-6.50(m,1H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.90(d,J=5.6Hz,1H),4.23(d,J=5.6Hz,2H),3.95-2.85(m,3H),2.56-2.52(m,2H),2.21-2.19(m,1H)。MS:M/e 461(M+1)
【0227】
化合物1.59
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.32-7.26(m,2H),7.20-7.18(m,1H),7.16-7.09(m,2H),6.91-6.88(m,2H),6.64-6.56(m,1H),6.49-6.45(m,1H),6.26-6.22(m,1H),4.89(d,J=5.6Hz,1H),4.19(d,J=5.6Hz,2H),2.96-2.90(m,2H),2.88-2.85(m,1H),2.56-2.52(m,2H),2.20-2.17(m,1H)。MS:M/e 461(M+1)
【0228】
化合物1.60
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),8.92(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.67(s,1H),7.35(t,J=8.0Hz,1H),7.28-7.20(m,2H),6.95-6.85(m,3H),6.76(d,J=2.0Hz,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.01-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.27-2.25(m,1H) ppm。MS:M/e 513(M+1)
【0229】
化合物1.61
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.79(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.52(d,J=9.2Hz,2H),7.24-7.22(m,3H),7.00-6.83(m,2H),6.70(s,1H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.85(m,3H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),2.27-2.26(m,1H) ppm。MS:M/e 513(M+1)
【0230】
化合物1.62
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.26-8.19(m,2H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.37-7.21(m,4H),7.09-6.99(m,1H),6.97-6.89(m,2H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),3.02-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.30-2.25(m,1H)ppm。MS:M/e 513(M+1)
【0231】
化合物1.63
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),8.94(s,1H),7.93(d,J=5.6Hz,1H),7.45(d,J=8.0Hz,2H),7.29(d,J=8.0Hz,2H),7.19(s,1H),6.94(s,1H),6.92-6.81(m,2H),6.23(d,J=5.6Hz,1H),4.92(d,J=5.6Hz,1H),4.08(s,2H),3.65-2.85(m,11H),2.80(s,3H),2.51(t,J=7.6Hz,2H),2.26-2.19(m,1H) ppm。MS:M/e 541(M+1)
【0232】
化合物1.64
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.53(s,1H),9.29(s,1H),7.97(d,J=6.0Hz,1H),7.74-7.64(m,1H),7.64(t,J=8.8Hz,1H),7.28(d,J=8.8Hz,1H),7.24-7.21(m,1H),7.00-6.91(m,3H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),2.98(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.30-2.25(m,1H)ppm。MS:M/e 515(M+1)
【0233】
化合物1.65
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),9.36(s,1H),8.14(s,2H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.59(s,1H),7.25-7.23(m,1H),7.07(s,1H),7.01-6.85(m,2H),6.26(d,J=5.6Hz,1H),5.01(d,J=5.6Hz,1H),3.00(d,J=4.0Hz,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(d,J=7.6Hz,2H),2.28(s,1H)ppm。MS:M/e 565(M+1)
【0234】
化合物1.66
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(d,J=8.0Hz,1H),7.92(d,J=6.0Hz,1H),7.15(s,1H),6.86(s,2H),6.21(d,J=6.0Hz,1H),6.14(s,1H),5.83(s,1H),4.83(d,J=5.6Hz,1H),3.32(s,1H),2.90(t,J=7.6Hz,2H),2.79(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.52(t,J=7.6Hz,2H),2.11(s,1H),1.70-1.68(m,2H),1.61-1.58(m,2H),1.50-1.47(m,1H),1.25-1.76(m,2H),1.15-0.97(m,3H) ppm。MS:M/e 435(M+1)
【0235】
化合物1.67
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.54(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.19(s,1H),6.96-6.82(m,2H),6.26(d,J=6.0Hz,2H),6.04(s,1H),4.87(d,J=5.6Hz,1H),3.79(d,J=11.2Hz,2H),3.57(s,1H),3.38-3.27(m,2H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.84(dd,J=5.6,16.8Hz,1H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.24-2.11(m,1H),1.70(d,J=12.0Hz,2H),1.42-1.22(m,2H) ppm。MS:M/e 437(M+1)
【0236】
化合物1.68
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.44(s,1H),7.91(d,J=5.6Hz,1H),7.14(s,1H),7.00-6.72(m,2H),6.20(d,J=5.6Hz,2H),5.96(s,1H),4.83(d,J=5.2Hz,1H),3.42-3.33(m,1H),2.89(t,J=7.6Hz,2H),2.84-2.66(m,3H),2.51(t,J=7.6Hz,2H),2.22(s,3H),2.18-2.05(m,3H),1.81-1.62(m,2H),1.45-1.24(m,2H) ppm。MS:M/e 450(M+1)
【0237】
化合物1.69
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.52(d,J=19.2Hz,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.19(s,1H),6.96-6.81(m,2H),6.32-6.23(m,3H),4.89(d,J=5.6Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.85(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.45-2.36(m,1H),2.21-2.10(m,1H),0.62-0.50(m,2H),0.40-0.29(m,2H) ppm。MS:M/e 393(M+1)
【0238】
化合物1.70:1-(3-(2-アミノプロパン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
【0239】
ステップA:tert-ブチル(2-(3-(3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレイド)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-2-イル)カルバメ-ト
中間体I(アジド化合物)(50mg,0.14mmol)およびtert-ブチル(2-(3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)フェニル)プロパン-2-イル)カルバメ-ト(43.8mg,0.14mmol)の1,4-ジオキサン(1mL)における混合物を2時間攪拌還流する。反応混合物を減圧濃縮してさらに残留物を)分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(42.31mg,収率:46.2%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),8.96(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.81(br.s,1H),7.52(s,1H),7.36(br.s,1H),7.23(d,J=1.6Hz,1H),7.16(s,1H),6.97-6.88(m,2H),6.74(s,1H),6.26(d,J=6.0Hz,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),3.00-2.89(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.26(s,1H),1.48(s,6H),1.40-1.21(m,9H).ppm。MS:M/e 654(M+1)
【0240】
ステップB:1-(3-(2-アミノプロパン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア(化合物1.70)
室温中においてステップAの生成物(20mg,0.04mmol)をHCl/EA(6M,2mL)中に溶解させる。混合物を室温下において2時間攪拌する。減圧して溶媒を除去してさらに残留物を分取HPLC(prep-HPLC)により精製して標記の化合物を得る(17.01mg,収率:83.3%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),9.22(br.s,1H),8.48(s,3H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.89(s,1H),7.82(s,1H),7.46(s,1H),7.23(s,1H),7.04(br.s,1H),6.97-6.88(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),2.97(d,J=5.6Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.28(s,1H),1.62(s,6H)ppm。MS:M/e 554(M+1)
【0241】
化合物1.71: 1-((1R,1aR,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア
【0242】
ステップA:(1R,1aR,6bS)エチル-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
(1R,1aR,6bS)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(2.2g,0.01mol)(キラルSFC(カラム:Chiralpak AD-H)を用いて化合物1.1を合成するステップFから分離した生成物)、5-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-2(1H)-オン(1.67g,0.01mol)およびt-BuOK(1.45g,0.013mol)のDMF(10mL)における混合物を100℃下で5時間攪拌する。反応混合物を室温までに冷却してからセライトパッドでろ過する。濃縮液を元の体積の半分までに濃縮する。水(30mL)を滴下し,固体が溶媒中から析出する。固体をろ過してさらに乾燥させる。標記の化合物を得る(3.5g,crude)、それは黒色固体である。MS:M/e 367(M+1)
【0243】
ステップB:(1R,1aR,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
室温下において水酸化ナトリウム水溶液(10mL,2mol/L,20mmol)をステップA(2.8g,7.7mmol)の粗生成物のメタノール(20mL)における溶液中に攪拌しながら添加する。混合物を60℃で3時間攪拌する。減圧にて溶媒を除去してからさらに残留物を水(20mL)中に溶解させ,ジクロロメタン(2x20mL)で抽出する。水相を収集してからHCl(2mol/L)中でpHを約3にして,溶液中から白色固体が析出する。ろ過して白色固体を収集してから乾燥させ,標記の化合物を得る(2.1g,2ステップでの収率66%)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.60(brs1H),10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.33(d,J=2.4Hz,1H),7.02-6.95(m,2H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),5.27-5.23(m,1H),3.34-3.29(m,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.53(t,J=7.6Hz,2H),1.24-1.21(m,1H) ppm。MS:M/e 339(M+1)
【0244】
ステップC:(1R,1aR,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
ステップBの生成物(0.5g,1.48mmol)のDMF(1mL)における0℃の溶液中に順にEtN(0.3mL)およびDPPA(0.5g,1.82mmol)を添加する。得られた混合物を環境温度下に加熱してさらに5時間攪拌する。10mLのHOを添加してさらに混合物に対してEA(10mL×3)を用いて抽出する。混合された抽出物を食塩水(10mL×3)で洗浄して,NaSOで乾燥させ,約2mLのEAになるまで真空乾燥する。10mL PEを添加してさらに混合物を30分間攪拌する。白色固体をろ過してさらにPE/EA(5:1,100mL)で洗浄し,高真空下で乾燥させ、標記の化合物を得る(0.5g,収率:93.1%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.34(d,J=2.4Hz,1H),7.10-6.96(m,2H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),5.42(dd,J=5.2,0.8Hz,1H),3.56(dd,J=5.2,3.2Hz,1H),2.92(t,J=8.0Hz,2H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),1.51(dd,J=3.2,0.8Hz,1H)ppm。MS:M/e 364(M+1)
【0245】
ステップD:1-((1R,1aR,6bR)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア(化合物1.71)
ステップCの生成物(40mg,0.11mmol)および3-(トリフルオロメチル)アニリン(18.6mg,0.12mmol)のトルエン(1mL)における混合物を100℃下にて2時間攪拌する。反応混合物を減圧濃縮してさらに得られた残留物を分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(24.7mg,収率:45.2%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),8.97(s,1H),8.05-7.91(m,2H),7.60-7.41(m,2H),7.29-7.20(m,2H),6.99-6.87(m,2H),6.80(s,1H),6.26(s,1H),5.00(s,1H),3.02-2.88(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.27(s,1H)ppm。MS:M/e 497(M+1)
【0246】
化合物1.71に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物1.72を製造できる。
【0247】
化合物1.72
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),9.63(s,1H),8.47(d,J=5.2Hz,1H),8.03-7.92(m,2H),7.72(s,1H),7.31(d,J=6.0Hz,1H),7.25(d,J=1.6Hz,1H),6.98-6.88(m,2H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),5.05(d,J=6.0Hz,1H),3.06-3.00(m,1H),2.94(t,J=7.6Hz,2H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.30(s,1H).ppm。MS:M/e 498(M+1)
【0248】
化合物1.73:1-(4-((4-エチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
【0249】
ステップA:1-(ブロモメチル)-4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン
室温下において1-メチル-4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg,2.44mmol)および過酸化ベンゾイル(58mg,0.24mmol)のCCl(15mL)における溶液中にN-ブロモ琥珀酸イミド(434mg,2.44mmol)を添加する。溶液を80℃下で4時間攪拌する。TLC(PE/EA=5/1)は反応が完了したことを示している。得られた溶液を濃縮してさらに残留物に対してDCM(20mL×2)で抽出してさらに水(20mL)で洗浄する。混合された有機層をNaSOで乾燥且つ濃縮させ,粗生成物を得る(690mg,収率:99%)、それは黄色油状物であり,直接次のステップに供される。
【0250】
ステップB:1-エチル-4-(4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペラジン
ステップAの化合物(690mg,2.44mmol)のDCM(10mL)における溶液中に順に1-エチルピペラジン(279mg,2.44mmol)およびEtN(247mg,2.44mmol)を添加する。溶液を室温下において4時間攪拌する。TLC(PE/EA=5/1)は反応が完了したことを示す。得られた溶液を濃縮してさらに残留物(770mg,収率:99%)を直接次のステップに供する。MS:M/e 318(M+1)
【0251】
ステップC:4-((4-エチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)アニリン
ステップBの生成物(770mg,2.43mmol)のメタノール(10mL)における溶液中にPd/C(70mg)を添加する。溶液を室温下で水蒸気(4atm)中において2時間攪拌する。TLC(DCM/MeOH=20/1)は反応が完了したことを示す。得られた溶液をセライトパッドでろ過した後,ろ液を濃縮してからシリカゲルクロマトグラフィ-(シリカゲル重量:10g,溶出:DCM/MeOH = 20/1)で精製して、標記の化合物を得る(500mg,収率:71%)、それは黄色油状物である。MS:M/e 288(M+1)
【0252】
ステップD:1-(4-((4-エチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア(化合物1.73)
ステップCの生成物(49mg,0.17mmol)および中間体I(50mg,0.14mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)における混合物を100℃下でN下において2時間攪拌する(LCMSによってモニタリングする)。得られた溶液を減圧濃縮してさらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(20mg,23%),それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.44(s,1H),8.86(s,1H),7.92(d,J=5.6Hz,1H),7.90(d,J=1.6Hz,1H),7.59-7.44(m,2H),7.20(s,1H),6.97-6.82(m,2H),6.70(s,1H),6.21(d,J=5.6Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),3.47(s,2H),2.99-2.82(m,3H),2.54-2.48(m,4H),2.43-2.20(m,9H),0.94(t,J=7.2Hz,3H) ppm。MS:M/e 623(M+1)
【0253】
化合物1.73に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物1.74を製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.80(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.42(dd,J=12.8,1.6Hz,1H),7.27-7.14(m,2H),7.05(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),6.97-6.86(m,2H),6.71(s,1H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),3.42(s,2H),2.99-2.88(m,3H),2.56-2.50(m,4H),2.48-2.26(m,8H),2.27-2.21(m,1H),0.98(t,J=7.2Hz,3H) ppm。MS:M/e 573(M+1)
【0254】
化合物1.75:1-(2-メトキシピリジン-4-イル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
中間体I(アジド化合物)(50mg,0.14mmol)のトルエン(1mL)における混合物を30min加熱還流する。還流しながら攪拌されている混合物中に2-メトキシピリジン-4-アミン(17mg,0.14mmol)を添加する。反応混合物をさらに30min加熱還流する。混合物を減圧濃縮してさらに残留物を分取HPLC(prep-HPLC)により精製して標記の化合物を得る(25mg,収率:39.7%),それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.63(s,1H),10.14(s,1H),8.07(d,J=6.4Hz,1H),7.99(d,J=6.0Hz,1H),7.61(s,1H),7.38(s,1H),7.25(s,1H),7.14(d,J=6.0Hz,1H),6.98-6.90(m,2H),6.29(d,J=6.0Hz,1H),5.01(d,J=5.6Hz,1H),3.96(s,3H),3.01(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.95(t,J=7.6Hz,2H),2.56(t,J=7.6Hz,2H),2.31(s,1H)ppm。MS:M/e 460(M+1)
【0255】
化合物1.1に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物1.76~1.85を製造できる。
【0256】
化合物1.76
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.65-7.48(m,3H),7.20(s,1H),6.95-6.85(m,2H),6.70(m,1H),6.66(s,1H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),4.91(d,J=5.6Hz,1H),4.38(d,J=5.2Hz,2H),2.97-2.85(m,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.24-2.17(m,1H) ppm。MS:M/e 529(M+1)
【0257】
化合物1.77
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.51(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.20(s,1H),6.97-6.83(m,2H),6.23(d,J=5.6Hz,1H),6.08(s,1H),5.69(s,1H),4.84(d,J=5.6Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.80(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.14-2.08(m,1H),1.22(s,9H) ppm。MS:M/e 409(M+1)
【0258】
化合物1.78
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=6.0Hz,1H),7.18(s,1H),6.92-6.86(m,2H),6.27(s,1H),6.24(d,J=6.0Hz,1H),5.99(s,1H),4.87(d,J=6.0Hz,1H),3.02-2.88(m,4H),2.82(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.54(t,J=8.0Hz,2H),2.17-2.11(m,1H),1.41-1.31(m,2H),1.31-1.18(m,6H),0.86(t,J=7.2Hz,3H) ppm。MS:M/e 437(M+1)
【0259】
化合物1.79
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.47(s,1H),8.31(s,1H,HCOOH),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.25-7.20(m,1H),7.19(s,1H),7.17-7.10(m,2H),7.10-7.03(m,1H),6.93-6.85(m,2H),6.40(d,J=8.4Hz,1H),6.27-6.22(m,2H),4.91(d,J=5.6Hz,1H),4.83-4.73(m,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.88(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.80-2.62(m,2H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.26-2.19(m,1H),1.93-1.62(m,4H)ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0260】
化合物1.80
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),8.30(s,1H-HCOOH),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.30-7.21(m,1H),7.15(s,1H),7.13-7.09(m,2H),7.08-7.03(m,1H),6.94-6.85(m,2H),6.39(d,J=8.8Hz,1H),6.26(s,1H),6.40(d,J=5.6Hz,1H),4.92(d,J=5.6Hz,1H),4.83-4.72(m,1H),2.92(t,J=7.6Hz,2H),2.87(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.81-2.61(m,2H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.25-2.20(m,1H),1.92-1.61(m,4H) ppm。MS:M/e 483(M+1)
【0261】
化合物1.81
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.50(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.29-7.13(m,5H),6.97-6.84(m,2H),6.41(d,J=8.8Hz,1H),6.31(s,1H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),5.18-5.05(m,1H),4.92(d,J=5.6Hz,1H),2.97-2.83(m,4H),2.83-2.70(m,1H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.44-2.31(m,1H),2.26-2.19(m,1H),1.80-1.66(m,1H) ppm。MS:M/e 469(M+1)
【0262】
化合物1.82
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.23 -7.12(m,5H),6.94-6.86(m,2H),6.40(d,J=8.4Hz,1H),6.31(s,1H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),5.10(q,J=8.0Hz,1H),4.93(d,J=5.6Hz,1H),2.96-2.83(m,4H),2.82-2.71(m,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.44-2.31(m,1H),2.25-2.20(m,1H),1.79-1.64(m,1H) ppm。MS:M/e 469(M+1)
【0263】
化合物1.83
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.18(s,1H),6.95-6.84(m,2H),6.25-6.23(m,2H),5.97(t,J=6.0Hz,1H),4.87(d,J=5.6Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.87-2.77(m,3H),2.55(t,J=7.6Hz,2H),2.22-2.13(m,1H),0.82(s,9H) ppm。MS:M/e 423(M+1)
【0264】
化合物1.84
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.18(s,1H),6.94-6.84(m,2H),6.27(s,1H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),6.00(s,1H),4.86(d,J=5.6Hz,1H),3.03-2.88(m,4H),2.82(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.18-2.11(m,1H),1.41-1.31(m,2H),1.30-1.18(m,10H),0.85(t,J=6.8Hz,3H) ppm。MS:M/e 465(M+1)
【0265】
化合物1.85
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.48(s,1H),7.95(d,J=5.6Hz,1H),7.18(s,1H),6.94-6.84(m,2H),6.27(s,1H),6.24(d,J=5.6Hz,1H),6.00(s,1H),4.85(d,J=5.6Hz,1H),3.01-2.88(m,4H),2.82(d,J=5.6Hz,1H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.16-2.12(m,1H),1.41-1.31(m,2H),1.30-1.15(m,14H),0.85(t,J=6.4Hz,3H) ppm。MS:M/e 493(M+1)
【0266】
化合物1.86:1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
【0267】
ステップA:1-メチル-4-(4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン
1-フルオロ-4-ニトロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(500mg,2.39mmol)、1-メチルピペラジン(286mg,2.86mmol)およびCsCO(1.16g,3.58mmol)のDMF(10mL)における溶液を60℃で1時間攪拌する。得られた溶液を濃縮し,残留物を酢酸エチル(10mL)で希釈させ,溶液をろ過してCsCOを除去し、ろ液を濃縮して粗生成物の標記の化合物を得る(670mg,収率:97%)、それは黄色油状物で,直接次のステップに供される。
【0268】
ステップB:4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)アニリン
Pd/C(67mg)をステップAの生成物(670mg,2.32mmol)のMeOH(10mL)における溶液中に添加する。溶液を4atm H下にて室温下にて終夜攪拌する。得られた溶液をろ過して、ろ液を濃縮して標記の化合物の粗生成物を得る(600mg,収率:100%)、それは黄色固体で、直接次のステップに供される。MS:M/e 260(M+1)
【0269】
ステップC:1-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS) -5-((7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア(化合物1.86)
中間体I(60mg,0.16mmol)およびステップBの生成物(51mg,0.20mmol)のジオキサン(3mL)における混合物を100℃下にてN下にて2時間攪拌する。得られた溶液を濃縮してさらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(26mg,収率:30%),それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),9.67(s,1H-CFCOOH),9.03(s,1H),7.96(d,J=6.0Hz,1H),7.92(s,1H),7.62(d,J=10.8Hz,1H),7.47(d,J=8.8Hz,1H),7.23(s,1H),6.96-6.79(m,3H),6.25(d,J=6.0Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.49(d,J=11.6Hz,2H),3.17-2.98(m,6H),2.96(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.89(d,J=4.0Hz,3H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.30-2.23(m,1H) ppm。MS:M/e 595(M+1)
【0270】
化合物1.86に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物1.87を製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.49(s,1H),9.46(s,1H-CF3COOH),9.02(s,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),7.93(s,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),7.47(d,J=8.8Hz,1H),7.23(s,1H),6.98-6.81(m,3H),6.25(d,J=5.6Hz,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.56-3.55(m,2H),3.30-3.18(m,2H),3.13-2.99(m,6H),2.96(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.93(t,J=7.6Hz,2H),2.54(t,J=7.6Hz,2H),2.33-2.20(m,1H),1.24(t,J=7.2Hz,3H) ppm。MS:M/e 609(M+1)
【0271】
実施例2:化合物2.1-2.16の合成
化合物2.1:1-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-(ピリミジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
【0272】
ステップA:(1S,1aS,6bR)-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(化合物1.1を合成する際のステップGの生成物、4.4g,20mmol)のNaOH(2N,20mL)の溶液のTHF(40mL)中における混合物を60℃下で2時間攪拌する。減圧により溶媒を除去してさらに残留物を水中に溶解させる。HCl(2mol/L)で水相をpH=3-4に調整する。白色固体を収集してさらに乾燥させ,標記の化合物を得る(3.8g,99%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.51(s,1H),9.03(s,1H),6.88(d,J=2.4Hz,1H),6.71(d,J=8.8Hz,1H),6.54(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),5.07(dd,J=5.6,1.2Hz,1H),3.21(dd,J=5.6,3.2Hz,1H),1.06(dd,J=3.2,1.2Hz,1H)ppm。
【0273】
ステップB:(1S,1aS,6bR)-5-(ピリミジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
ステップAの生成物(576mg,3mmol)、4-クロロピリミジン塩酸塩(344mg,3mmol)および炭酸セシウム(2.9g,9mmol)のDMF(10mL)における混合物を100℃にて2時間攪拌する。混合物を減圧濃縮してさらに残留物とHO(20mL)を懸濁させる。HCl(2mol/L)で水相をpH約5-6に調整する。混合物をろ過してさらにろ液を凍結乾燥しさらにDCM:MeOH(5:1,100mL)で混合して懸濁させる。混合物をろ過し、ろ液を減圧濃縮してさらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(100mg,収率:12%)、それは黄色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.76(s,1H),8.66(d,J=6.0Hz,1H),7.38(d,J=2.4Hz,1H),7.11(dd,J=6.0,1.0Hz,1H),7.02-6.99(m,2H),5.25(dd,J=5.2,0.8Hz,1H),3.32(dd,J=5.2,3.2Hz,1H),1.22(dd,J=3.2,0.8Hz,1H)ppm。
【0274】
ステップC:1-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-(ピリミジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア(化合物2.1)
ステップBの生成物(50mg,0.19mmol)およびEtN(48mg,0.48mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)における溶液中にDPPA(63mg,0.23mmol)を添加する。反応混合物を室温下において2時間攪拌する。2,4-ジフルオロアニリン(25mg,0.19mmol)を添加してさらに得られた混合物を100℃下にて2時間攪拌する。混合物を減圧濃縮する。残留物をEA(40mL)で希釈して,食塩水(15mL)で洗浄してさらに無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。それから混合物をろ過してさらに減圧濃縮する。残留物を分取HPLC(prep-HPLC)により精製して、精製された標記の化合物を得る(30mg,40%)、それは黄色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.77(s,1H),8.66(d,J=6.0Hz,1H),8.33(s,1H),8.05-7.97(m,1H),7.33-7.20(m,2H),7.12-7.09(m,1H),7.04-6.90(m,4H),4.99(d,J=6.0Hz,1H),2.96(dd,J=6.0,1.6Hz,1H),2.27-2.25(m,1H)ppm。MS:M/e 397(M+1)
【0275】
化合物2.1に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物2.2を製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.83(s,1H),8.77(s,1H),8.66(d,J=6.0Hz,1H),7.68-7.60(m,1H),7.35-7.25(m,2H),7.15-7.06(m,2H),6.99-6.89(m,2H),6.77-6.73(m,1H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),2.95(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.28-2.23(m,1H)ppm。MS:M/e 397(M+1)
【0276】
化合物2.3:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-オキソ-2,4-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3] オキサジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4,5-トリフルオロフェニル)ウレア
【0277】
ステップA:tert-ブチル 4-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イルカルバメ-ト
0℃においてtert-ブチル(4-フルオロ-3-ホルミルピリジン-2-イル)カルバメ-ト(480mg,2mmol)のMeOH(3mL)中における溶液中にNaBH(76mg,2mmol)を添加する。反応混合物を0℃で30min攪拌する。反応混合物を飽和NHCl(1mL)および水(5mL)でクエンチングし、酢酸エチル(2×15mL)で抽出する。混合された有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過してから減圧濃縮し、標記の化合物を得る(460mg,95 %)、それは白色固体であり、直接次のステップに供される。H-NMR(600MHz,DMSO-d)δ9.20(s,1H),8.31-8.28(m,1H),7.11-7.09(m,1H),5.26(t,J=6.0Hz,1H),4.48(d,J=6.0Hz,2H),1.45(s,9H) ppm。MS:M/e 243(M+1)
【0278】
ステップB:tert-ブチル3-(ブロモメチル)-4-フルオロピリジン-2-イルカルバメート
CBr(531mg,1.6mmol)をステップAの生成物(242mg,1mmol)のTHF(3mL)における溶液中に添加する。それからトリフェニルホスフィンのTHFにおける溶液(1mL)を滴下してさらに混合物を室温下において3時間攪拌する。混合物をシリカゲルカラムにかける。(EtOAc:PE=1:3)で溶出させて標記の化合物を得る(160mg,52%),それは白色固体である。H-NMR(400MHz,CDCl)δ8.38-8.35(m,1H),7.09(s,1H),6.90-6.86(m,1H),4.61(s,2H),1.54(s,9H)ppm MS: M/e 305(M+1)
【0279】
ステップC:5-フルオロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-2(4H)-オン
ステップBの生成物(120mg,0.4mmol)のDMSO(1mL)中における溶液を60℃下でN下において4時間攪拌する。それから水(10mL)を添加してさらに酢酸エチル(3×15mL)で抽出する。混合された有機相を食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナトリウムで乾燥してさらに減圧濃縮する。残留物を分取TLC(EtOAc:PE=1:1)により精製して標記の化合物を得る(20mg,30%),それは固体である。H-NMR(600MHz,DMSO-d)δ10.95(s,1H),8.21-8.18(m,1H),6.97-6.94(m,1H),5.37(s,2H) ppm。MS:M/e 169(M+1)
【0280】
ステップD:(1S,1aS,6bR)-5-((2-オキソ-2,4-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
化合物2.1を合成する際のステップAの生成物(103mg,0.536mmol)、ステップCの生成物(90mg,0.536mmol)およびCsCO(528mg,1.61mmol)のDMF(3mL)における混合物を100℃にて2時間攪拌する。大部分のDMFを除去して残留物を得て、それに対してHO(10mL)で処理を行い、HCl水溶液(2.0 M)でpH=3~4に酸化して,EtOAc(30mLx4)で抽出する。混合された有機相を食塩水で洗浄して、NaSOで乾燥させ、濃縮してさらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製して、目標化合物を得る(30mg,16.5%)、それは白色固体である。MS:M/e 341(M+1)
【0281】
ステップE:(1S,1aS,6bR)-5-((2-オキソ-2,4-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
ステップDの生成物(30mg,0.088mmol)およびEtN(8.9mg,0.088mmol)をDMF(2mL)中に溶解させ、さらに室温下においてDPPA(24mg,0.088mmol)を添加する。添加した後に、反応混合物を室温下において4時間攪拌する。反応混合物をHO(20mL)で処理してからさらにEtOAc(15mLx3)で抽出する。混合された有機層を食塩水で洗浄して、さらにNaSOで乾燥且つ濃縮して、粗生成物を得て(100%)、直接次のステップに供される。MS:M/e 366(M+1)
【0282】
ステップF:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-オキソ-2,4-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4,5-トリフルオロフェニル)ウレア(化合物2.3)
ステップEの生成物(crude,0.088mmol)および2,4,5-トリフルオロアニリン(13mg,0.088mmol)のジオキサン(1mL)における混合物を80℃下で1時間攪拌させる。反応混合物を濃縮して残留物を得て、さらに分取HPLC(prep-HPLC)を用いて精製することで目標化合物を得る(12mg,28%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.73(s,1H),8.56(s,1H),8.15-8.12(m,1H),8.03(d,J=6.0Hz,1H),7.59-7.56(m,1H),7.28(d,J=1.2Hz,1H),7.04(d,J=0.8Hz,1H),6.95(s,2H),6.27(d,J=6.0Hz,1H),5.42(s,2H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),2.99-2.97(m,1H),2.25 -2.27(m,1H)ppm。MS:M/e 485(M+1)
【0283】
化合物2.4:1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
【0284】
ステップA:tert-ブチル(4-フルオロ-3-ホルミルピリジン-2-イル)カルバメ-ト
-78℃においてN下でtert-ブチル(4-フルオロピリジン-2-イル)カルバメ-ト(20.0g,94.24mmol)の200mLテトラヒドロフランにおける溶液中に98mLのn-ブチルリチウム(2.4M,235.60mmol)を添加する。混合物を-78℃で1時間攪拌する。それから-78℃下で0.5時間かけてDMF(13.7g,188.48mmol)を滴下する。混合物を-70℃下で1時間攪拌する(TLCによってモニタリングする)さらに-60℃下においてHOAc(25.44g,424.08mmol)を使用してクエンチングを行う。混合物溶液のpHを6以下に制御する。それから溶液を室温になるまで温め、水(200mL)で洗浄し、EtOAc(100mL×3)で抽出する。混合された有機相をNaSOで乾燥させ、濃縮してからシリカゲルクロマトグラフィ-(PE:EA=1:1で溶出させる)で精製して、標記の化合物を得る(3.2,収率:14%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,CDCl)δ10.54(s,1H),10.37(s,1H),8.62(dd,J=8.4,5.6Hz,1H),6.80(dd,J=10.0,5.6Hz,1H),1.55(s,9H)。
【0285】
ステップB:tert-ブチル(4-フルオロ-3-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)カルバメート
ステップAの生成物(2.67g,11.11mmol)および(4-メトキシフェニル)メタンアミン(1.83g,13.33mmol)の1,2-ジクロロエタン(30mL)中における溶液中に酢酸を添加する(666mg,11.11mmol)。溶液を室温下10min攪拌する。溶液中にNaBH(OAc)(11.77g,55.55mmol)を添加する。溶液を室温下で5時間攪拌する。TLC(PE/EA=1/1)は反応が完了したことを示す。得られた溶液をNaHCO水溶液でクエンチングし、EA(100mL×3)で抽出する。混合された有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮してからカラムクロマトグラフィ-(PE:EA = 1:1で溶出させる)で精製して、標記の化合物を得る(2g,収率:50%)、それは黄色油状物である。MS:M/e 362(M+1)
【0286】
ステップC:4-フルオロ-3-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)ピリジン-2-アミン
ステップBの生成物(2g,5.53mmol)のDCM(2mL)における溶液中TFA(5mL)を添加する。溶液を室温下で5時間攪拌する。TLC(DCM/MeOH=20/1)は反応が完了したことを示している。得られた溶液を減圧濃縮させ、残留物をNaHCO水溶液で中和させ、pH=7~8となるようにし、それからDCM(50mL×3)で抽出する。混合された有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮してからシリカゲルクロマトグラフィ-(シリカゲル重量:10g,DCM/MeOH=20:1で溶出させる)で精製し、標記の化合物を得る(900mg,収率=64%)、それは黄色油状物である。MS:M/e 262(M+1)
【0287】
ステップD:5-フルオロ-3-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン
ステップCの生成物(880mg,3.36mmol)、CDI(1.64g,10.10mmol)のCHCN(10mL)における混合物を50℃下においてN下で2時間攪拌する。TLC(PE/EA=1/1)は反応が完了したことを示している。得られた溶液をろ過し、固体を順に水(10mL)およびメタノール(10mL)で洗浄し、標記の化合物を得る(300mg,収率:31%)、それは白色固体である。MS:M/e 288(M+1)
【0288】
ステップE:5-フルオロ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2(1H)-オン
密封チューブ中でステップDの生成物(300mg,1.04mmol)をTFA(3mL)中に溶解する。溶液を85℃で終夜攪拌する。得られた溶液を冷却し、減圧濃縮することで残留物を得て(170mg,収率:98%)、それが直接次のステップに供される。MS:M/e 168(M+1)
【0289】
ステップF:(1S,1aS,6bR)エチル-5-((2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
ステップEの生成物(100mg,0.60mmol)、(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(化合物1.1を合成する際のステップGの生成物、131mg,0.60mmol)およびカリウム t-ブトキシド(71mg,0.63mmol)のDMF(2mL)中における混合物120℃下で2時間攪拌する(LC_MSでモニタリングする)。得られた溶液を減圧濃縮してから過量の溶媒を除去し、残留物を水(2mL)で洗浄し、黒色固体を形成し、ろ過により粗生成物を得て(120mg,収率:55%)、それが直接次のステップに供される。MS:M/e 368(M+1)
【0290】
ステップG:(1S,1aS,6bR)-5-((2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
ステップFの生成物(120mg,0.33mmol)をエタノール(3mL)中で希釈させ、NaOH(26mg,0.66mmol)のHO(2mL)中における溶液を滴下する。溶液を室温下で2時間反応させ、それからHCl(2mol/L)水溶液を添加してpH=5~6となるようにする。得られた溶液を濃縮してさらに残留物を水(5mL)で洗浄する。固体を形成し、ろ過して標記の化合物を得る(88mg,収率:79%)、それは黒色固体で、それが直接次のステップに供される。MS:M/e 340(M+1)
【0291】
ステップH:(1S,1aS,6bR)-5-((2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
ステップGの生成物(60mg,0.18mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)における0℃の溶液中に順にEtN(45mg,0.44mmol)およびDPPA(59mg,0.22mmol)を添加する。得られた混合物を環境温度下に温めてさらに5時間攪拌する。得られた溶液は直接次のステップに供される。
【0292】
ステップI:1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-5-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア(化合物2.4)
ステップHの生成物の1,4-ジオキサン(2mL)における溶液中に4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(35mg,0.2mmol)を添加する。溶液を100℃下でN下において2時間攪拌する(LC_MSでモニタリングする)。得られた溶液を減圧濃縮してさらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製して標記の化合物を得る(4.5mg,5%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.46(s,1H),9.03(s,1H),7.95(d,J=4.4Hz,1H),7.88(d,J=5.6Hz,1H),7.58(s,1H),7.35(t,J=10.0Hz,1H),7.21(s,1H),6.97(s,1H),6.93-6.82(m,3H),6.10(d,J=5.6Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),4.36(s,2H),2.93(d,J=5.6Hz,1H),2.27-2.17(m,1H)ppm。MS:M/e 516(M+1)
【0293】
化合物2.4に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下にて化合物2.5を製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.45(s,1H),8.52(s,1H),8.17-8.04(m,1H),7.87(d,J=6.0Hz,1H),7.55-7.51(m,1H),7.21(s,1H),6.99(d,J=8.4Hz,2H),6.89(d,J=1.6Hz,2H),6.10(d,J=6.0Hz,1H),4.95(d,J=5.6Hz,1H),4.36(s,2H),2.93(d,J=4.0Hz,1H),2.24-2.18(m,1H) ppm。MS:M/e 484(M+1)
【0294】
化合物2.6:N-メチル-4-(((1S,1aS,6bS)-1-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)ピコリンアミド
【0295】
ステップA:4-クロロピリジン-2-ギ酸メチル
45℃下において無水DMF(1mL)をゆっくり塩化チオニル(sulfurous dichloride)(30mL)中に滴下する。溶液を室温下10min攪拌し、それから30minかけてピリジン-2-カルボン酸(picolinic acid)(10g,81mmol)を添加する。得られた溶液を72℃下で16時間加熱して、黄色固体を生成する。混合物を室温に冷却し、トルエン(50mL)で希釈してさらに20mLになるまで濃縮する。トルエンを添加/濃縮する過程を2回繰り返す。得られた溶液および固体を氷浴中の20mLメタノール中に添加し、内部温度を55℃以下に低下させる。混合物を室温で45min攪拌し、5℃に冷却してから一滴ずつジエチルエーテル(20mL)で処理する。得られた固体をろ過し、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄してさらに35℃下で乾燥させ、白黄色固体を得る。固体を温水(50mL,45℃)中に溶解させ、さらに炭酸水素ナトリウム水溶液を添加してpHを8~9になるまで調整する。混合物を酢酸エチル(2x30mL)で抽出してさらに有機相を濃縮し、所望の化合物を得る(5.5g,収率:39.6%)、それは灰白色固体である。
【0296】
ステップB:4-クロロ-N-メチルピコリンアミド
5℃下においてステップAの生成物(5.5g,32.2mmol)のメタノール(60mL)における溶液中にメタンアミンのメタノール(2.2mL)における溶液を添加する。混合物を0~5℃下で2時間攪拌する。40~50℃で溶媒を蒸発させて標記の化合物を得る(6.2g,収率:90%)、それは黄色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.85(br,1H),8.63(d,J=5.2Hz,1H),8.05-8.02(m,1H),7.76(dd,J=5.2,2.0Hz,1H),2.85(d,J=4.8Hz,3H)。MS:M/e 171(M+1)
【0297】
ステップC:(1S,1aS,6bR)エチル-5-((2-(メチルカルバモイル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
ステップBの生成物(1.5g,8.82mmol)、中間体I(1.94g,8.82mmol)および炭酸セシウム(3.45g,10.6mmol)のDMF(20mL)中における混合物を110℃下で2時間攪拌する。水(20mL)を加えて反応をクエンチングし、それから酢酸エチル(2x20mL)で抽出する。混合した有機相を食塩水で洗浄し、無類硫酸ナトリウムで減圧濃縮する。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ-(シリカゲル重量:30g,溶出剤:EA/PE: 1/3)を通過させて精製し、標記の生成物を得る(1.4g,収率:44.9%)、それは黄色固体である。MS:M/e 355(M+1)
【0298】
ステップD:(1S,1aS,6bR)-5-((2-(メチルカルバモイル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ -1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
室温下においてステップCの生成物(1.4g,4.0mmol)のTHF/HO(8mL/2mL)中における攪拌された溶液中に水酸化ナトリウム水溶液を添加する(4mL,2mol/L)。混合物を60℃で2時間攪拌する。溶媒を濃縮してさらに残留物を20mLの水中に溶解させる。塩酸(2mol/L)を添加してpHが7になるように調整する。混合物を酢酸エチル(2x20mL)で抽出する。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させさらに減圧濃縮する。残留物(800mg,収率:61.5%)は黄色固体で、直接次のステップに供される。MS:M/e 327(M+1)
【0299】
ステップE:(1S,1aS,6bR)-5-((2-(メチルカルバモイル)ピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
0℃下でステップDの生成物(400mg,1.23mmol)のDMF(10mL)における溶液中に順にEtNおよびDPPAを添加する。得られた混合物を室温まで温めてさらに5時間攪拌する。水(20mL)を添加してさらに混合物を酢酸エチル(3x20mL)で抽出する。混合された抽出物を食塩水で洗浄して、さらに無水硫酸ナトトリウムで乾燥させさらに減圧濃縮する。黄色油状物の残留物が得られ(300mg,収率:69.8 %)、直接次のステップに供される。MS:M/e 352(M+1)
【0300】
ステップF:N-メチル-4-(((1S,1aS,6bS)-1-(3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-5-イル)オキシ)ピコリンアミド(化合物2.6)
ステップEの生成物(100mg,0.28mmol)および3-(トリフルオロメチル)アニリン(45.9mg,0.28mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)における混合物を2時間攪拌還流する。反応混合物を減圧濃縮してさらに残留物を分取HPLC(prep-HPLC)により精製して標記の化合物を得る(40.09mg,収率:29%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.97(s,1H),8.84-8.72(m,1H),8.50(d,J=5.6Hz,1H),7.99(s,1H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.46(t,J=8.0Hz,1H),7.38(d,J=2.4Hz,1H),7.31(s,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.12(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),7.02-6.94(m,2H),6.80(d,J=2.0Hz,1H),5.02(d,J=5.6Hz,1H),3.00(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.79(d,J=4.8Hz,3H),2.36-2.25(m,1H) ppm。MS:M/e 485(M+1)
【0301】
化合物2.6に対する前記の操作に基づいて当業者が認識できる適切な条件下で化合物2.7~2.8を製造できる。
化合物2.7
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.98(s,1H),8.82-8.74(m,1H),8.50(d,J=5.6Hz,1H),7.98(dd,J=6.4,2.4Hz,1H),7.69-7.59(m,1H),7.44-7.35(m,2H),7.31(s,1H),7.12(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),7.01-6.95(m,2H),6.84(s,1H),5.01(d,J=5.6Hz,1H),2.99(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.79(d,J=4.8Hz,3H),2.33-2.27(m,1H) ppm。MS:M/e 503(M+1)
【0302】
化合物2.8
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.84-8.70(m,1H),8.56(s,1H),8.50(d,J=5.6Hz,1H),8.24-8.07(m,1H),7.65-7.50(m,1H),7.37(d,J=2.4Hz,1H),7.31(s,1H),7.12(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),7.03(d,J=1.6Hz,1H),6.98(s,2H),5.02(d,J=5.6Hz,1H),2.99(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.79(d,J=4.8Hz,3H),2.33-2.26(m,1H) ppm。MS:M/e 471(M+1)
【0303】
化合物2.9:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4-ジフルオロフェニル)ウレア
【0304】
ステップA:(1S,1aS,6bR)エチル-5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(化合物1.1を合成する際のステップGの生成物、2.2g,10mmol)、4-ブロモピリジン塩酸塩(1.95g,10mmol)、炭酸セシウム(9.8g,30mmol)およびヨウ化銅(I)(触媒量)のDMF(30mL)における混合物を130℃下において8時間攪拌する。反応生成物をセライトパッドでろ過する。ろ液を濃縮させ、EA(400mL)で希釈し、食塩水(100mLx3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してさらに濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 2:3)で精製し、目標化合物を得て(0.41g,15%),それは油状物である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.47(s,2H),7.36(d,J=2.4Hz,1H),7.11-6.96(m,2H),6.89(br.s,2H),5.30(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),4.11(q,J=7.2,12Hz,2H),3.37(dd,J=5.2,3.2Hz,1H),1.39(dd,J=3.2,1.2Hz,1H),1.21(t,J=7.2Hz,3H).ppm。
【0305】
ステップB:(1S,1aS,6bR)-5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
ステップAの生成物(400mg,1.3mmol)のNaOH(2N,2mL,4mmol)およびTHF(8mL)中における混合物を60℃下で4時間攪拌する。THFを除去し、残留物をHO(10mL)で希釈させてさらに2N HClでpH=6になるまで調整する。固体を収集してさらに乾燥させ、生成物を得る(270mg,77%)、それは灰白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.65(br.s,1H),8.43(br.s,2H),7.36(d,J=2.0Hz,1H),7.11-6.95(m,2H),6.89(s,2H),5.24(d,J=5.2Hz,1H),3.32-3.30(m,1H),1.20-1.16(m,1H). ppm。
【0306】
ステップC:(1S,1aS,6bR)-5-(ピリジン-4-イルオキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
室温下においてステップBの生成物(270mg,1mmol)およびEtN(303mg,3mmol)のDMF(5mL)における溶液中にDPPA(330mg,1.2mmol)を添加する。反応混合物を室温下において2h攪拌する。得られた混合物をEA(150mL)で希釈して、食塩水(30mLx3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することで粗生成物(280mg,92%)を得て、それは茶色油状物であり、直接次のステップに供される。
【0307】
ステップD:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4-ジフルオロフェニル)ウレア(化合物2.9)
ステップCの生成物(90mg,0.25mmol)および4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(50mg,0.28mmol)のジオキサン(2mL)における混合物を100℃下で2h攪拌する。濃縮し、残留物を直接分取TLC(石油エーテル/EtOAc 1:3)で精製し、さらに分取HPLC(prep-HPLC)で精製し、標記の化合物を得る(10mg,12%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.03(s,1H),8.45-8.40(m,2H),7.98(dd,J=6.4,2.8Hz,1H),7.66-7.60(m,1H),7.39(t,J=10.0Hz,1H),7.27-7.25(m,1H),6.97-6.93(m,2H),6.90-6.85(m,3H),4.99(d,J=5.6Hz,1H),2.98(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.29-2.27(m,1H)。MS:M/e 446(M+1)
【0308】
化合物2.10乃至2.11については化合物2.9に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切な条件下で製造できる。
【0309】
化合物2.10
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.73-8.68(m,2H),8.60-8.55(m,1H),8.19-8.09(m,1H),7.64-7.55(m,1H),7.40-7.38(m,1H),7.36-7.30(m,2H),7.08-7.00(m,3H),5.05(d,J=5.6Hz,1H),3.01(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.31-2.90(m,1H)。MS:M/e 414(M+1)
【0310】
化合物2.11
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.32-9.25(m,1H),8.65-8.55(m,2H),8.01(s,1H),7.57-8.53 m,1H),7.46(t,J=8.0Hz,1H),7.36-7.34(m,1H),7.27-7.23(m,1H),7.20-7.09(m,3H),7.03-6.98(m,2H),5.02(d,J=5.6Hz,1H),2.99(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.31-2.28(m,1H)。MS:M/e 428(M+1)
【0311】
化合物2.12:1-((1S,1aS,6bS)-5-((9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア
【0312】
ステップA:6-クロロ-9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン
室温下において6-クロロ-9H-プリン(2g,13mmol)および炭酸カリウム(3.6g,26mmol)のDMF(30mL)における溶液中に(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(3.3g,19.5mmol)を添加する。混合物を室温下において終夜攪拌する。水(50mL)を添加して反応をクエンチングしてさらにEA(2x30mL)で抽出する。混合された有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させてさらに減圧濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(溶出剤:EA/PE:1/10)で精製して、標記の化合物を得る(2.1g,収率:65.6%)、それは無色液体である。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.81(s,1H),8.35(s,1H),5.73(s,2H),3.67(t,J=2.4Hz,2H),0.98(t,J=2.4Hz,2H),0.00(s,9H)ppm。MS:M/e 285(M+1)
【0313】
ステップB:(1S,1aS,6bR)エチル-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
ステップAの生成物(1.5g,8.3mmol)、(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(化合物1.1を合成する際のステップGの生成物,1.9g,8.6mmol)、Pd(dba)(700mg,0.76mmol)、X-Phos(500mg,1.05mmol)およびKCO(2.8g,20.3mmol)のトルエン(25mL)中における混合物をN下において2時間還流する。混合物中に50mLのEAを添加し、セライトパッドでろ過してからさらにろ液を減圧濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-により(溶出:PE/EA: 5/1 ~ 2/1)精製して、標記の生成物を得て(0.92g,24%)、それは茶色油状物である。MS:M/e 469(M+1)である。
【0314】
ステップC:(1S,1aS,6bR)-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
環境温度下においてステップBの生成物(800mg,1.71mmol)のTHF(15mL)における溶液中にNaOH水溶液(2M,5mL)を添加してさらに該温度下において16時間攪拌する。HCl(1M)を滴下してpHを3に調整する。EA(15mLx3)で生成物を抽出する。混合された抽出物を食塩水(20mLx2)で洗浄し、乾燥及び濃縮し、標記の生成物を得る(720mg,96%)、それは茶色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.59(s,1H),8.66(s,1H),8.49(s,1H),7.45(d,J=2.4Hz,1H),7.09(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.00(d,J=8.8Hz,1H),5.65(s,2H),5.26(dd,J=5.6,1.2Hz,1H),3.65-3.56(m,2H),3.36-3.30(m,1H),1.23(dd,J=3.2,1.2Hz,1H),0.90-0.82(m,2H),-0.07(s,9H)。MS:M/e 441(M+1)
【0315】
ステップD:(1S,1aS,6bR)-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
0℃においてステップCの生成物(1.0g,2.3mmol)およびEtN(586mg,5.8mmol)のDMF(10mL)における溶液中にDPPA(770mg,2.8mmol)を添加する。反応混合物を室温下において2時間攪拌する。得られた混合物をEA(200mL)で希釈してさらに食塩水(50mLx3)で洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させてさらに減圧濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(シリカゲル重量:10g,石油エーテル/EA: 3/2,500mL)で精製し、目標の生成物を得る(1.0g,93%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.63(s,1H),8.46(s,1H),7.43(d,J=2.4Hz,1H),7.15-7.08(m,1H),7.08-6.97(m,1H),5.62(s,2H),5.41(dd,J=5.2,0.8Hz,1H),3.62-3.49(m,3H),1.49(dd,J=3.2,0.8Hz,1H),0.86-0.80(m,2H),-0.11(s,9H)ppm。
【0316】
ステップE:1-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-((1S,1aS,6bS)-5-((9-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)ウレア
ステップDの生成物(230mg,0.5mmol)および4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)アニリン(107mg,0.6mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)における混合物を100℃で2時間攪拌する。混合物を減圧濃縮してさらに残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(シリカゲル重量5g,石油エーテル/EA: 1/2,500mL)で精製して、目標化合物を得る(200mg,65%)。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.94(s,1H),8.63(s,1H),8.47(s,1H),7.95(dd,J=6.6,2.6Hz,1H),7.64-7.56(m,1H),7.43-7.28(m,2H),7.01-6.97(m,1H),6.92-6.88(m,1H),6.79(d,J=2.0Hz,1H),5.62(s,2H),4.98(d,J=5.6Hz,1H),3.58(t,J=8.0Hz,2H),2.95(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.27-2.24(m,1H),0.84(t,J=8.4Hz,2H),-0.10(s,9H)ppm。
【0317】
ステップF:1-((1S,1aS,6bS)-5-((9H-プリン-6-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア(化合物2.12)
ステップBの生成物(50mg,0.08mmol)のHCl(g)/EtOH(5M,8mL)における溶液を室温下において4時間攪拌する。それから-20℃において混合物をNH(g)/MeOH(10.0 M,10mL)中に入れる。混合物を減圧濃縮してさらに残留物をDCM(30mL)で希釈する。有機相をHO(15mLx2)で洗浄する。水相を減圧濃縮してさらにDCM(30mL)を入れる。混合物をろ過してさらにろ液を濃縮する。分取HPLC(prep-HPLC)を用いて残留物を生成し、標記の化合物を得る(10mg,27%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.01-8.98(m,1H),8.52(s,1H),8.43(s,1H),7.99(dd,J=6.4,2.8Hz,1H),7.66-7.60(m,1H),7.42-7.34(m,2H),7.04-7.00(m,1H),6.95-6.91(m,1H),6.87-6.83(m,1H),5.00(d,J=5.6Hz,1H),2.98(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.30-2.28(m,1H)ppm。MS:M/e 487(M+1)
【0318】
化合物2.13は、化合物2.12に対する前記操作に基づいて、当業者が認識できる適切の条件下において製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.49(s,1H),8.40(s,1H),8.29(s,1H),8.03-7.93(m,1H),7.32(d,J=2.4Hz,1H),7.27-7.19(m,1H),7.02-6.87(m,4H),4.96(d,J=5.6Hz,1H),2.94(d,J=4.0Hz,1H),2.25(s,1H)。MS:M/e 437(M+1)
【0319】
化合物2.14:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ -1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4-ジフルオロフェニル)ウレア
【0320】
ステップA:(1S,1aS,6bR)エチル-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート
(1S,1aS,6bR)エチル-5-ヒドロキシ-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボキシレート(化合物1.1を合成する際のステップGの生成物,2.2g,10mmol)、tert-ブチル(4-フルオロピリジン-2-イル)カルバメ-ト(2.1g,10mmol)および炭酸セシウム(6.5g,20mmol)のDMF(50mL)における混合物を100℃下で2時間攪拌する。反応混合物をセライトパッドでろ過する。ろ液を減圧濃縮する。残留物をEA(300mL)で希釈して、食塩水(100mLx3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥してさらに減圧濃縮する。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ-(シリカ重量:20g,石油エーテル/EA:2/3,1500mL)で精製して、目標化合物を得る(1.0g,30%)、それは茶色油状物である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.83(d,J=6.0Hz,1H),7.37(d,J=2.4Hz,1H),7.08-6.96(m,2H),6.16(dd,J=6.0,2.4Hz,1H),5.95(s,2H),5.81(d,J=2.4Hz,1H),5.35(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),4.17(q,J=7.2Hz,2H),3.44(dd,J=5.2,3.2Hz,1H),1.39(dd,J=3.2,1.2Hz,1H),1.27(t,J=7.2Hz,3H)ppm。
【0321】
ステップB:(1S,1aS,6bR)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボン酸
ステップAの生成物(600mg,2mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(2mol/L,2mL,4mmol)およびTHF(8mL)における混合物を60℃下で2時間攪拌する。減圧して溶媒を除去し、残留物をHO(8mL)で希釈してさらにHCl(2mol/L)でpHを約6に調整する。固体を収集してさらに乾燥させ、標記の化合物を得る(500mg,収率:88%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.73(d,J=5.6Hz,1H),7.27(d,J=2.4Hz,1H),6.97-6.88(m,2H),6.09(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),5.90(s,2H),5.71(d,J=2.0Hz,1H),5.19(d,J=5.2Hz,1H),3.27(dd,J=5.2,2.8Hz,1H),1.15-1.13(m,1H)ppm。
【0322】
ステップC:(1S,1aS,6bR)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-カルボニルアジド
室温下においてステップBの生成物(100mg,0.35mmol)およびEtN(89mg,0.88mmol)のDMF(5mL)における溶液中にDPPA(116mg,0.42mmol)を添加する。反応混合物を室温下において2時間攪拌する。得られた混合物をEA(60mL)で希釈させさらに食塩水(20mLx3)で洗浄する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させてさらに減圧濃縮し、粗生成物を得る(100mg,93%)、それが直接次のステップに供される。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.95(s,1H),7.78(d,J=5.6Hz,1H),7.35-7.31(m,1H),7.06-7.03(m,1H),7.01-6.97(m,1H),6.14(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),6.03(s,2H),5.78(d,J=2.0Hz,1H),5.43(dd,J=5.2,1.2Hz,1H),3.58(dd,J=5.2,3.2Hz,1H),1.45(dd,J=3.2,1.2Hz,1H)ppm。
【0323】
ステップD:1-((1S,1aS,6bS)-5-((2-アミノピリジン-4-イル)オキシ)-1a,6b-ジヒドロ-1H-シクロプロパ[b]ベンゾフラン-1-イル)-3-(2,4-ジフルオロフェニル)ウレア(化合物2.14)
ステップCの生成物(50mg,0.16mmol)および2,4-ジフルオロアニリン(25mg,0.19mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)における混合物を100℃下で2時間攪拌する。混合物を減圧濃縮してさらに残留物を直接分取HPLC(prep-HPLC)で精製し、標記の化合物を得る(5mg,8%)、それは白色固体である。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.34(s,1H),8.04-7.96(m,1H),7.93(d,J=7.2Hz,1H),7.72(s,2H),7.35(s,1H),7.31-7.19(m,2H),7.05-6.95(m,4H),6.65(dd,J=7.2,2.4Hz,1H),6.04(d,J=2.4Hz,1H),5.04(d,J=5.6Hz,1H),3.00(dd,J=5.6,2.0Hz,1H),2.27-2.26(m,1H)ppm。
【0324】
化合物2.15は化合物2.14 に対する前記の操作に基づいて当業者の認識できる条件下で製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.59(s,1H),8.28-8.08(m,1H,HOOH),7.77(d,J=5.6Hz,1H),7.63-7.53(m,1H),7.20(d,J=2.0Hz,1H),7.08(s,1H),7.00-6.85(m,2H),6.11(dd,J=6.0,2.0Hz,1H),5.90(s,2H),5.77(d,J=2.0Hz,1H),4.97(d,J=5.6Hz,1H),2.97(d,J=4.0Hz,1H),2.24(s,1H)ppm。MS:M/e 429(M+1)
【0325】
化合物2.16は化合物2.6に対する前記の操作に基づいて当業者の認識できる条件下で製造できる。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.12(s,1H),8.82-8.74(m,1H),8.50(d,J=5.6Hz,1H),8.09(d,J=2.4Hz,1H),7.64(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.57(d,J=8.8Hz,1H),7.38(d,J=2.4Hz,1H),7.33-7.28(m,1H),7.12(dd,J=5.6,2.4Hz,1H),7.02-6.96(m,2H),6.90(d,J=2.4Hz,1H),5.02(d,J=5.6Hz,1H),3.00(dd,J=5.6,1.6Hz,1H),2.79(d,J=4.8Hz,3H),2.34-2.26(m,1H)ppm。MS:M/e 519(M+1)
【0326】
<Raf IC50アッセイプロトコル>
本明細書において開示する化合物の、B-Raf(V600E)(PV3849、Invitrogen)またはC-Raf(Y340D/Y341D)(PV3805、Invitrogen)に対する活性を、時間分解蛍光エネルギー転移アッセイで測定した。アッセイは、0.0625nM B-Rafまたは0.5nM C-Raf、25mM トリスpH7.4、10mM MgCl、0.5mM EGTA、0.5mM NaVO、5mMβ-グリセロリン酸、0.01%トリトンX-100、2.5mM DTT、0.1%BSA、0.1mM ATP、13.7nM GSTタグを有するMEK1(K97R突然変異を有する全長タンパク質、細菌発現系から精製した組換えタンパク質)および0~5μMの本明細書において開示する化合物(1%のDMSOの最終濃度)を含む反応混合物(10μL)中で実施した。酵素を化合物と共に室温で60分間インキュベートし、ATPおよびGST-MEK1の添加により反応を開始した。室温で60分間反応した後、メーカー(CisBio Bioassays)の説明にしたがって同量の停止/測定緩衝液を加えた。上記停止/測定緩衝液は緩衝液中にEu3+クリプタートがコンジュゲートしたウサギポリクローナル抗体抗ホスホMEK1/2(Ser217/221)及びd2がコンジュゲートした抗-GSTマウスモノクローナル抗体を含み、上記緩衝液は25mMトリスpH7.4、400mM KF、50mM EDTA、0.01%BSA、0.01%トリトンX-100を含有する。測定プレートを密封し、室温で2時間インキュベートし、次いでTR-FRETシグナルをPHERAstar FSプレート読み取り装置(BMG Labtech)で読み取った。TR-FRETシグナルは337nm波長励起下における665nm及び620nmの蛍光発光の比である)。MEK1のリン酸化により抗リン酸化MEK1/2抗体はGSK-MEK1タンパク質上に結合し、これにより蛍光ドナー(Eu3+クリプタ-ト)をGST抗体上のd2受容体に近づかせ、これによりドナー蛍光団(620nm)からアセプター蛍光団(665nm)への高度の蛍光共鳴エネルギー移動をもたらす。RAFキナーゼ活性に対する阻害は、TR-FRETシグナルの低下をもたらす。Graphpad Prismソフトウェアを用いて使用量-応答%阻害データを四パラメータロジックモデルにフィッティングさせることにより各化合物のIC50を算出する。
【0327】
<WT B-Raf IC50アッセイプロトコル>
時間分解蛍光エネルギー転移アッセイ(time-resolved fluorescence energy transfer assay)を用いて本出願が開示する化合物の野生型のB-Raf(PV3848,Invitrogen由来)に対する活性を測定する。前記アッセイは0.5nM B-Raf、25mM Tris pH7.4、10mg MgCl、0.5mM EGTA、0.5mM NaVO、5mM β-グリセロリン酸、0.01% Triton X-100、2.5mM DTT、0.1% BSA、2.9μmまたは2.5mM ATP、10nM GSTタグを有するMEK1(K97R突然変異を有する全長タンパク質、細菌発現系から精製される組み換えタンパク質)および0-10μMの本出願の開示中の化合物(1%のDMSOの最終濃度)を含む反応混合物(10 μL)中で行われる。酵素と化合物を室温下で120分間インキュベートし、ATPおよびGST-MEK1を添加して反応を開始させる。室温で60分間インキュベートした後、25mMトリスpH7.4、400mM KF、50mM EDTA、0.01%BSA、0.01%トリトンX-100、Eu3+クリプタ-トがコンジュゲートしたウサギポリクローナル抗体抗ホスホMEK1/2(Ser217/221)の1試験分およびd2がコンジュゲートしたマウスモノクローナル抗体抗グルタチオンS-トランスフェラーゼの1試験分を含む、同量の停止緩衝液を加えて、反応を停止した。プレートを密封し、室温下で1.5時間インキュベートし、次いでTR-FRETシグナルをBMG PHERAstar FS装置で読み取った。各化合物のIC50をGraphpad Prismソフトウェアでの非線形回帰により計算した。
【0328】
<P61-A375細胞における発現>
哺乳動物細胞中でp61を発現させるために、Genscriptを用いてp61をコードするcDNAを合成して(Poulikakosら,Nature.2011 Nov 23;480(7377):387-90)さらにpLVX-IRES-Puroベクタ-(Clontech)中にクローンする。前記cDNAはp61の修飾された形であり、そのうちflagエピトープをコードする配列はC末端に挿入され、これにより発現タンパク質はflagタグを有する形となる。A375細胞をFlag-p61を発現するプラスミドで安定的にトランスフェクトされ、さらに0.3ng/mLのピュロマイシン(Invitrogen)を含むDMEMで選択できる。96ウェルプレートにおける有限の希釈により細胞に対してクローンを行い、さらflagエピトープに対してモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロットアッセイ(western blot analysis)によりクローンをスクリーニングする。
【0329】
<ERKリン酸化阻害のIC50のアッセイプロトコル>
ERKリン酸化の阻害を知るために、A375、p61-A375、Calu-6およびHeLaを3×10個/ウェルに応じて96ウェルプレート中に接種してさらに16時間吸着される。それから成長培地を100μL無血清DMEMで置換し、それから細胞を本出願で開示した化合物の10ポイント(10-point)を用いて滴定処理を行う。化合物で1時間処理した後、それぞれのウェル中に50μLの溶解緩衝液(lysis buffer)(Cisbio)を添加してさらに室温下で振動しながら30分間インキュベートする。96ウェルプレートのそれぞれのウェルから得られる合計16μLの細胞溶解液を384ウェルの小体積プレート中に移す。それぞれのウェルから得られるライセ-トと2μL Eu3+-クリプテート(ドナー)で標記した抗ERK抗体(Cisbio)および2μL D2(アセプター)で標記した抗リン酸化ERK抗体(Cisbio)を室温下において2時間インキュベートする。ドナーとアセプターが十分に近づいている場合、ドナーの発する蛍光のアセプターに対する蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence resonance energy transfer)が誘発され、655nmの波長で蛍光を発することになる。BMGリーダーで蛍光値を測定する。
【0330】
Graphpad Prismソフトウェアを用いて使用量依存性データを四パラメータロジックモデルにフィッティングさせることによりERK阻害のIC50を算出する。
【0331】
<抗増殖活性のEC50アッセイプロトコル>
CellTiter-Glo発光細胞活力測定(Promega)を用いてA375およびp61-A375における化合物の成長抑制活性を測定する。2,000個の細胞を96ウェルプレートのそれぞれのウェル中に接種し、3日間の処理期間内において対数成長するよう保証する。細胞を16時間吸着させ、それから細胞をduplicate、10ポイント系の希釈(10-point dilution series)で処理を行う。本出願で開示された化合物に3日間接触させた後、それぞれのウェル中に存在する細胞培養媒介の体積と等しい体積のCellTiter-Glo試薬を添加する。混合物をオービタルシェーカー上で2分間混合して細胞を溶解させ、それから室温下で10分間インキュベートして発光シグナルを安定させ、発光シグナルはATPの定量に対応し、これにより代謝活性細胞の定量を行うことができる。Pherastar FSリーダー(BMG Labtech)を用いて発光シグナルを測定する。
【0332】
細胞活力のEC50数はソフトウェアを用いて計算され且つ3回分の独立した測定の平均値である。細胞成長のEC50値は、Graphpad Prismソフトウェアを用いて使用量依存性データを四パラメータロジックモデルにフィッティングさせることにより算出された平均値である。
【0333】
化合物1.1~1.87および2.1~2.16はB-Raf(wild type,V600E)/C-Rafを阻害し、そのうちIC50値の範囲は0.1nM~10μMである。
【0334】
化合物1.1~1.87および2.1~2.16はERKリン酸化、p61-A375、Calu-6およびHeLa細胞を阻害し、そのうちIC50値の範囲は0.1nM~10μMである。
【0335】
化合物1.1~1.87および2.1~2.16はA375およびp61-A375における細胞増殖を阻害し、そのうちEC50値の範囲は0.1nM~10μMである。
【0336】
(表1)
IC50およびEC50


【0337】
(表2)
IC50