(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】シェニールループパイルフロアマットの製造方法
(51)【国際特許分類】
D03D 27/18 20060101AFI20230111BHJP
D03D 27/00 20060101ALI20230111BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20230111BHJP
D06P 5/00 20060101ALI20230111BHJP
A47G 27/02 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
D03D27/18
D03D27/00 A
D03D1/00 Z
D06P5/00 A
A47G27/02 101A
A47G27/02 D
(21)【出願番号】P 2021113321
(22)【出願日】2021-07-08
【審査請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】202110681121.7
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520240258
【氏名又は名称】金華潔霊家居用品有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIN HUA JIELING HOUSEWARES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1858 Jingang Road, Jindong Economic Development Area, Jinhua, Zhejiang 321000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】柳 群豪
(72)【発明者】
【氏名】柳 翠▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】金 淑蘭
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104783632(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103835046(CN,A)
【文献】中国実用新案第204401288(CN,U)
【文献】特開2002-129443(JP,A)
【文献】特開2017-124166(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109355930(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G27/00-27/06
D03D1/00-27/18
D06P1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェニールループパイルフロアマットの製造方法であって、撚糸-糸巻き-糸染め-巻き直し-製織-検査-底部結合-裁断-縫製-包装-箱詰めという工程を含み、前記撚糸工程では、原料の単繊維繊度は0.8dtex~2.1dtexであり、前記糸染め後に同じ又は異なる色の糸を選んで前記巻き直し工程及び前記製織工程を行い、
前記糸染め工程は、中色染色工程及び濃色染色工程を含み、
前記中色染色工程は、常温で染料及び染料助剤を投入し、0.8℃/min~1.2℃/minの昇温速度で70℃~75℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で98℃~100℃まで昇温させ且つ25min~35min保温した後、温度を25℃~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す工程を含む、
ことを特徴とするシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【請求項2】
シェニールループパイルフロアマットの製造方法であって、撚糸-糸巻き-糸染め-巻き直し-製織-検査-底部結合-裁断-縫製-包装-箱詰めという工程を含み、前記撚糸工程では、原料の単繊維繊度は0.8dtex~2.1dtexであり、前記糸染め後に同じ又は異なる色の糸を選んで前記巻き直し工程及び前記製織工程を行い、
前記糸染め工程は、中色染色工程及び濃色染色工程を含み、
前記濃色染色工程は、40~50℃で染料及び染料助剤を投入し、1℃/min~2℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で105℃~108℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、0.4℃/min~0.6℃/minの昇温速度で113℃~115℃まで昇温させ且つ8min~12min保温し、1℃/min~1.2℃/minの昇温速度で130℃~135℃まで昇温させ且つ30min~60min保温した後、温度を80℃まで下げて、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を40~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す工程を含む、
ことを特徴とするシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【請求項3】
前記撚糸工程では、単繊維の直径は5mm~15mm、撚度は30回/10cm~60回/10cm、グラム重量は700mg/m~7000mg/mである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【請求項4】
前記製織工程におけるパラメータについて、針目ピッチは0.5cm~1.9cm、針密度は5針/10cm~20針/10cm、糸の高さの範囲は8mm~35mm、1平方メートルあたりの重さ(g)は500gsm~2500gsmである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【請求項5】
前記底部結合工程において、検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【請求項6】
前記工程は、
1)撚糸:シェニール撚糸機を用いてシェニール糸を作製し、規定された位置に芯糸及び鞘糸を乗せるステップと、
2)糸巻き:ステップ1)で得られた糸に対して糸巻きを行うステップと、
3)糸染め:ステップ2)で得られた糸に対して中淡色染色及び濃色染色を行うステップと、
4)巻き直し、製織:ステップ3)で得られた糸の巻き直しを行い、基布において製織を行うステップであって、製織時に、パターンは純色の直線、多色の直線、Z字状パターン又は波状パターンのうちの1つを含み、シェニールフロアマットの半製品を得るステップと、
5)検査、底部結合:ステップ4)で得られたシェニールフロアマットの半製品を検査した後に、底部結合工程に入り、シェニールフロアマットの半製品の裏面に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合するステップと、
6)裁断、縫製、包装及び箱詰めのステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紡織技術分野に属し、シェニールフロアマットの製造方法に関し、特に複数の色の糸を同じ基布に織り込み、パイルの密度がより高いシェニールループパイルフロアマットの製造方法及びシェニールループパイルフロアマットに関する。
【背景技術】
【0002】
シェニール糸の織物は新規な生地であり、シェニール布の成分はシェニール糸であり、ビスコースシェニール、アクリルシェニール、コットンシェニール、ポリエステルシェニールなどの種類がある。シェニール糸はパイル糸とも呼ばれ、新規かつ華やかな糸であり、二本のより線を芯糸とし、加撚によって綿と絹で織った生地を真ん中に挟んで織ったものである。一般に、ビスコース/アクリル、コットン/ポリエステル、ビスコース/コットン、アクリル/ポリエステル、ビスコース/ポリエステルなどのシェニール製品がある。シェニール装飾製品はソファーカバー、ベッドカバー、ベッドブランケット、デスクカーペット、カーペット、ウォールデコレーション、カーテンなどの室内装飾品として製造することができる。ホームテキスタイルに分厚い感覚を与え、高級かつ豪華で、肌触りが柔らかく、ブロード面が豊満で、ドレープ性に優れるなどの利点を有する。シェニール生地の密度が高いという特徴により、それは柔らかくて精緻であり、肌に優しくて快適であり、したがって、よく家庭用カーペットに使われている。
【0003】
シェニール糸の織物は装飾性が強く、ほとんどの場合は室内装飾に用いられ、例えばソファーカバー、ベッドカバー、ベッドブランケット、デスクカーペット、カーペット、フロアマット、ウォールデコレーション、カーテンなどの室内装飾品として製造される。一般的なシェニールフロアマットは国内外では非常に大きな市場がすでに形成されており、シェニール糸の形が様々で、種類が極めて多いため、豊かな視覚的効果を生み出したり、様々な設計要件に応じたりすることができ、特に装飾用織物分野での応用はここ数年でかなり人気を集めている。特殊な線形構造を有するシェニール糸に適切なパターンや模様設計を加え、暖かい感覚及びエレガントな気質を人々に感じさせる。
【0004】
しかしながら、現在市場に出回っているシェニールフロアマットは以下の欠点を有する。
1)先に織ってから染色するという工程を用いることにより、ほとんどの場合は色が単一で、パターンも単一である。
2)パイルの密度が高く、細かいゴミが落ちた時は、パイルの間に入り込みやすく、片付けが面倒である。
3)撚度が足りず、雑な輪が生じやすく、フロアマットとして使用される場合、使用者はうっかりして足の指が雑な輪に引っ掛かって転がる場合があり、一定の安全上のリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のシェニールフロアマットの色が単一で、パターンが単一で、パイルの密度が高く、撚度が足りず、雑な輪が生じやすいという欠点を解決するために、複数の色の糸を同じ基布に織り込み、パイルの密度がより高いシェニールループパイルフロアマットの製造方法及びシェニールループパイルフロアマットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を用いる。
【0007】
シェニールループパイルフロアマットの製造方法であって、撚糸-糸巻き-糸染め-巻き直し-製織-検査-底部結合-裁断-縫製-包装-箱詰めという工程を含み、前記撚糸工程では、原料の単繊維繊度は0.8dtex~2.1dtexであり、前記糸染め後に同じ又は異なる色の糸を選んで前記巻き直し工程及び前記製織工程を行う。
【0008】
本技術的解決手段では、公知のシェニールカーペット又はシェニールフロアマットは、まず、シェニール糸を基布に織り込み、製織完成後に染色して整理し、シェニール生機のパイルの高さを1~3.5cmまで短縮させて、着色された低くて太いシェニールカーペット生機を形成し、しかしこのプロセスで作製されたものは色が単一で、パターンも単一である。染色する時に、パイルには雑な輪が形成され、作製されたシェニールフロアマットのパイルの密度が高く、細かいゴミなどが落ちた時に、パイルの間に入り込みやすく、片付けに面倒をかける。
【0009】
本発明は先に染色してから織るというプロセスを用い、まず糸を染色し、その後は異なるパターンに応じて、異なる糸を選択して製織をし、複数の色の糸を同じ基布に織り込むのを実現する。撚糸時に、単繊維繊度が0.8dtex~2.1dtexである原料を選択し、製織完成後のシェニールフロアマットのパイルがより高く、細かいゴミが落ちた時に、パイルの間に入り込みにくく、片付けを容易にし、さらに、その後に引き続き染色する必要がないため、パイルには大きすぎる雑な輪/ループが生じることがなく、安全上のリスクを取り除く。
【0010】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記撚糸工程では、単繊維の直径は5mm~15mm、撚度は30回/10cm~60回/10cm、グラム重量は700mg/m~7000mg/mである。
【0011】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記製織工程のパラメータは以下のとおりである。針目ピッチは0.5cm~1.9cm、針密度は5針/10cm~20針/10cm、糸の高さの範囲は8mm~35mm、1平方メートルあたりの重さ(g)は500gsm~2500gsmである。
【0012】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記底部結合工程では、検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する。
【0013】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記糸染め工程には、中色染色工程及び濃色染色工程が含まれる。
【0014】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記中色染色工程は以下を含む。常温で染料及び染料助剤を投入し、0.8℃/min~1.2℃/minの昇温速度で70℃~75℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で98℃~100℃まで昇温させ且つ25min~35min保温した後、温度を25℃~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す。
【0015】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記濃色染色工程は以下を含む。40~50℃で染料及び染料助剤を投入し、1℃/min~2℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で105℃~108℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、0.4℃/min~0.6℃/minの昇温速度で113℃~115℃まで昇温させ且つ8min~12min保温し、1℃/min~1.2℃/minの昇温速度で130℃~135℃まで昇温させて30min~60min保温した後、温度を80℃まで下げ、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を40~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す。
【0016】
本発明の1つの好ましい解決手段として、前記工程は以下のステップを含む。
1)撚糸:シェニール撚糸機を用いてシェニール糸を作製し、規定された位置に芯糸及び鞘糸乗せる。
2)糸巻き:ステップ1)で得られた糸に対して糸巻きを行う。
3)糸染め:ステップ2)で得られた糸に対して中淡色染色及び濃色染色を行う。
4)巻き直し、製織:ステップ3)で得られた糸の巻き直しを行い、基布において製織を行う。製織時に、パターンは純色の直線、多色の直線、Z字状パターン又は波状パターンのうちの1つを含み、シェニールフロアマットの半製品を得る。
5)検査、底部結合:ステップ4)で得られたシェニールフロアマットの半製品を検査した後に、底部結合工程に入り、シェニールフロアマットの半製品の裏面に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する。
6)裁断、縫製、包装及び箱詰め。
【0017】
本発明はシェニールループパイルフロアマットをさらに提供し、上記製造方法を用いて作製されたシェニールループパイルフロアマットである。
【0018】
本発明の1つの好ましい解決手段として、基布及びシェニールパイルを備え、前記シェニールパイルは前記基布の片側に織り込まれ、前記基布の他側に滑り止め層又はスポンジ層及び滑り止め基材が設けられる。
【0019】
従来技術と比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
1)本発明は先に染色してから織るというプロセスにより、複数の色の糸を同一の基布に織り込むことを実現し、フロアマットの色彩を豊かにして、パターン変化可能にする。
2)本発明は撚糸時に0.8dtex~2.1dtexの糸を用い、弾力性がより高く、足で踏むとより快適に感じる。
3)本発明のシェニールフロアマットのパイルの密度がより高いため、細かいゴミが落ちた際に、パイルの間に入りにくく、片付けを容易にする。
4)本発明の先に染色してから織るというプロセスは、シェニールフロアマットのパイルには、足の指を通すほど大きな輪が形成されることはなく、安全上のリスクが取り除かれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は本発明の実施例と併せ、本発明の実施例に係る技術的解決手段を分かりやすく、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明に係る実施例をもとに、当業者が創造的な労力なしに得ることのできるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲内にある。
【0022】
本発明では、使用される染料、染料助剤及び柔軟剤はいずれも従来技術でよく使われているものとする。
【0023】
(実施例1)
本実施例はシェニールループパイルフロアマットの製造方法を提供して以下を含む。シェニール糸の作製工程:例としてシェニールマシンによって作製する:芯糸を装着→鞘糸を装着→パイルをヘッドに通す→スイベルを通過→切断片を装着→紡錘初成型→糸案内カム成型→称量検査パッキング。
【0024】
作製時に、8本の中の科学繊維を芯糸とし、300D/288Fの純ポリエステル交撚糸を鞘糸とするのを例として挙げると、撚糸機の切断距離を15mmに、撚度を32回/10cmに、同期ホイール比率を25:47に、スイベルヘッドを13内径に調整して、0.2番手のシェニール糸を得る。
【0025】
シェニールフロアマットの作製工程:例として、以上で作製されたシェニール糸を使用してシェニールフロアマットを作製する。
【0026】
このステップでは、従来技術のすべてを用い、糸をラックに乗せる前にまず染色し、異なる色の糸をラックに乗せる。染色工程は中色染色工程及び濃色染色工程を含む。
【0027】
中色染色工程は以下を含む。常温で染料及び染料助剤を投入し、1℃/minの昇温速度で70℃まで昇温させ且つ10min保温し、1.5℃/minの昇温速度で90℃まで昇温させ且つ10min保温し、1℃/minの昇温速度で98℃まで昇温させ且つ30min保温した後、温度を25℃まで下げ、柔軟剤を加えて、30min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で11min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0028】
濃色染色工程は以下を含む。40℃で染料及び染料助剤を投入し、2℃/minの昇温速度で95℃まで昇温させ且つ10min保温し、1℃/minの昇温速度で105℃まで昇温させ且つ10min保温し、0.5℃/minの昇温速度で115℃まで昇温させ且つ10min保温し、1℃/minの昇温速度で130℃まで昇温させ且つ30min保温した後、温度を80℃まで下げ、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を40℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で12min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0029】
21本のコーヒー色の糸、21本のキャメル色の糸、21本の白い糸を選択し、糸をラックに乗せ→糸を分離してダクトに入れ→糸ガイドプレートを通過→上糸ガイドホイールに通し→下糸ガイドホイールに通し→上、中、下糸ガイドプレートを通過→糸の分離順序に従って針の目に通し→基布を乗せ→プロセス要件に従ってグラム重量/パイルの高さ(針目ピッチ、針の高さ)を調整→機械を始動して製織→検査→底部結合(検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する)→裁断→縫製→包装→箱詰め。作製時にタフティング機の針目ピッチを1.9cmに、針の高さを20~22mmに、針幅を0.95~1cmに、針の速度を2~2.5m/minに、幅を100~120cmに調整して、パイルの高さが18mmで、グラム重量が1350gsmであるシェニールフロアマットを得る。
【0030】
(実施例2)
本実施例はシェニールループパイルフロアマットの製造方法を提供して以下を含む:シェニール糸の作製工程:例としてシェニールマシンによって作製する:芯糸を装着→鞘糸を装着→パイルをヘッドに通す→スイベルを通過→切断片を装着→紡錘初成型→糸案内カム成型→称量検査パッキング。
【0031】
作製時に、16番手の中の科学繊維を芯糸とし、150D/144Fの純ポリエステル交撚糸を鞘糸とするのを例として挙げると、撚糸機の切断距離を8mmに、撚度を36回/10cmに、同期ホイール比率を27:48に、スイベルヘッドを18内径に調整して、0.5番手のシェニール糸を得る。
【0032】
シェニールフロアマットの作製工程:例として、以上で作製されたシェニール糸を使用してシェニールフロアマットを作製する。
【0033】
このステップでは、従来技術のすべてを用い、糸をラックに乗せる前にまず染色し、異なる色の糸をラックに乗せる。染色工程は中色染色工程及び濃色染色工程を含む。
【0034】
中色染色工程は以下を含む。常温で染料及び染料助剤を投入し、0.8℃/minの昇温速度で75℃まで昇温させ且つ15min保温し、1.5℃/minの昇温速度で95℃まで昇温させ且つ15min保温し、1.5℃/minの昇温速度で100℃まで昇温させ且つ35min保温した後、温度を50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で13min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0035】
濃色染色工程は以下を含む。45℃で染料及び染料助剤を投入し、2℃/minの昇温速度で95℃まで昇温させ且つ15min保温し、1.5℃/minの昇温速度で108℃まで昇温させ且つ15min保温し、0.6℃/minの昇温速度で114℃まで昇温させ且つ8min保温し、1.2℃/minの昇温速度で135℃まで昇温させ且つ60min保温した後、温度を80℃まで下げ、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、35min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で15min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0036】
66本の白い糸、22本の赤い糸、22本の黄色い糸、22本の青い糸を選択し、糸をラックに乗せ→糸を分離してダクトに入れ→糸ガイドプレートを通過→上糸ガイドホイールに通し→下糸ガイドホイールに通し→上、中、下糸ガイドプレートを通過→糸の分離順序に従って針の目に通し→基布を乗せ→プロセス要件に従ってグラム重量/パイルの高さ(針目ピッチ、針の高さ)を調整→機械を始動して製織→検査→底部結合(検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する)→裁断→縫製→包装→箱詰め。作製時にタフティング機の針目ピッチを0.9cmに、針の高さを16~17mmに、針幅を0.95~1cmに、針の速度を2~2.5m/minに、幅を100~120cmに調整して、パイルの高さが15mm、グラム重量が1150gsmであるシェニールフロアマットを得る。
【0037】
(実施例3)
本実施例はシェニールループパイルフロアマットの製造方法を提供して以下を含む。シェニール糸の作製工程:例としてシェニールマシンによって作製する:芯糸を装着→鞘糸を装着→パイルをヘッドに通す→スイベルを通過→切断片を装着→紡錘初成型→糸案内カム成型→称量検査パッキング。
【0038】
作製時に、21番手の中の科学繊維を芯糸とし、150D/144Fの純ポリエステル交撚糸を鞘糸とするのを例として挙げると、撚糸機の切断距離を2.5mmに、撚度を45回/10cmに、同期ホイール比率を28:38に、スイベルヘッドを16内径に調整して、1.5番手のシェニール糸を得る。
【0039】
シェニールフロアマットの作製工程:例として、以上で作製されたシェニール糸を使用してシェニールフロアマットを作製する。
【0040】
このステップでは、すべては従来技術を用い、糸をラックに乗せる前にまず染色し、異なる色の糸をラックに乗せる。染色工程は中色染色工程及び濃色染色工程を含む。
【0041】
中色染色工程は以下を含む:常温で染料及び染料助剤を投入し、1.2℃/minの昇温速度で73℃まで昇温させ且つ12min保温し、1.2℃/minの昇温速度で93℃まで昇温させ且つ12min保温し、1.3℃/minの昇温速度で99℃まで昇温させ且つ35min保温し、温度を35℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で13min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0042】
濃色染色工程は以下を含む。40℃で染料及び染料助剤を投入し、2℃/minの昇温速度で93℃まで昇温させ且つ14min保温し、1.2℃/minの昇温速度で107℃まで昇温させ且つ12min保温し、0.4℃/minの昇温速度で114℃まで昇温させ且つ8min保温し、1.1℃/minの昇温速度で133℃まで昇温させ且つ48min保温した後、温度を80℃まで下げ、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を40℃まで下げ、柔軟剤を加えて、35min後に染色バットから水を出し、吊り上げて脱水機に入れて最大負荷で15min脱水し、乾燥は三段温度があり、第1箱は130℃、第2箱は115℃、第3箱は100℃である。
【0043】
120本のクリーム色の糸、40本のダークグレーの糸、40本のライトグレーの糸、40本のキャメル色の糸を選択し、糸をラックに乗せ→糸を分離してダクトに入れ→糸ガイドプレートを通過→上糸ガイドホイールに通し→下糸ガイドホイールに通し→上、中、下糸ガイドプレートを通過→糸の分離順序に従って針の目に通し→基布を乗せ→プロセス要件に従ってグラム重量/パイルの高さ(針目ピッチ、針の高さ)を調整→機械を始動して製織→検査→底部結合(検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する)→裁断→縫製→包装→箱詰め。作製時にタフティング機の針目ピッチを0.5cmに、針の高さを12mmに、針幅を0.5cmに、針の速度を1.2~1.8m/minに、幅を100~120cmに調整し、パイルの高さが8~10mmであり、グラム重量が600gsmであるシェニールフロアマットを得る。
【0044】
図1及び
図2を参照すると、シェニールフロアマットは、本発明の製造方法によって作製され、シェニールフロアマットは基布1を備え、基布1の片側にパイル2が製織され、パイルの高さは8~30mmであり、基布1の他側に滑り止め層3が結合される。
【0045】
本発明は先に染色してから織るというプロセスにより、複数の色の糸を同一の基布に織り込むことを実現し、フロアマットの色彩を豊かにして、パターン変化可能にする。撚糸時に0.8dtex~2.1dtexの糸を用い、弾力性がより高く、足で踏むとより快適に感じる。シェニールフロアマットのパイルの密度がより高いため、細かいゴミが落ちた際に、パイルの間に入りにくく、片付けを容易にする。本発明の先に染色してから織るというプロセスは、シェニールフロアマットのパイルには、足の指を通すほど大きな輪が形成されることはなく、安全上のリスクが取り除かれる。
【0046】
以上に記載されたのは本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明に対する如何なる形式的及び実施的な限定ではない。なお、当業者であれば、本発明の方法から逸脱しない限り、複数の改良と補充を行うことができ、これら改良及び補充も本発明の保護範囲として見なされるべきであることに留意されたい。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、以上開示された技術内容を用いて若干の変更、修正及び進化の同等変化を行うことができ、これらはいずれも本発明の等価の実施例である。同時に、本発明の実質的な技術に基づいて上記実施例に対して行った如何なる同等の変更、修正及び進化は、依然として本発明の技術的解決手段の範囲内にある。
【0047】
(付記)
(付記1)
シェニールループパイルフロアマットの製造方法であって、撚糸-糸巻き-糸染め-巻き直し-製織-検査-底部結合-裁断-縫製-包装-箱詰めという工程を含み、前記撚糸工程では、原料の単繊維繊度は0.8dtex~2.1dtexであり、前記糸染め後に同じ又は異なる色の糸を選んで前記巻き直し工程及び前記製織工程を行う、
ことを特徴とするシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0048】
(付記2)
前記撚糸工程では、単繊維の直径は5mm~15mm、撚度は30回/10cm~60回/10cm、グラム重量は700mg/m~7000mg/mである、
ことを特徴とする付記1に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0049】
(付記3)
前記製織工程におけるパラメータについて、針目ピッチは0.5cm~1.9cm、針密度は5針/10cm~20針/10cm、糸の高さの範囲は8mm~35mm、1平方メートルあたりの重さ(g)は500gsm~2500gsmである、
ことを特徴とする付記1に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0050】
(付記4)
前記底部結合工程において、検査して得られたフロアマットの半製品に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合する、
ことを特徴とする付記1に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0051】
(付記5)
前記糸染め工程は、中色染色工程及び濃色染色工程を含む、
ことを特徴とする付記1に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0052】
(付記6)
前記中色染色工程は、常温で染料及び染料助剤を投入し、0.8℃/min~1.2℃/minの昇温速度で70℃~75℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で98℃~100℃まで昇温させ且つ25min~35min保温した後、温度を25℃~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す工程を含む、
ことを特徴とする付記5に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0053】
(付記7)
前記濃色染色工程は、40~50℃で染料及び染料助剤を投入し、1℃/min~2℃/minの昇温速度で90℃~95℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、1℃/min~1.5℃/minの昇温速度で105℃~108℃まで昇温させ且つ10min~15min保温し、0.4℃/min~0.6℃/minの昇温速度で113℃~115℃まで昇温させ且つ8min~12min保温し、1℃/min~1.2℃/minの昇温速度で130℃~135℃まで昇温させ且つ30min~60min保温した後、温度を80℃まで下げて、色止めを行い、色止め完成後に引き続き温度を40~50℃まで下げ、柔軟剤を加えて、25min~35min後に染色バットから水を出す工程を含む、
ことを特徴とする付記5に記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0054】
(付記8)
前記工程は、
1)撚糸:シェニール撚糸機を用いてシェニール糸を作製し、規定された位置に芯糸及び鞘糸を乗せるステップと、
2)糸巻き:ステップ1)で得られた糸に対して糸巻きを行うステップと、
3)糸染め:ステップ2)で得られた糸に対して中淡色染色及び濃色染色を行うステップと、
4)巻き直し、製織:ステップ3)で得られた糸の巻き直しを行い、基布において製織を行うステップであって、製織時に、パターンは純色の直線、多色の直線、Z字状パターン又は波状パターンのうちの1つを含み、シェニールフロアマットの半製品を得るステップと、
5)検査、底部結合:ステップ4)で得られたシェニールフロアマットの半製品を検査した後に、底部結合工程に入り、シェニールフロアマットの半製品の裏面に滑り止めゴム又はスポンジと滑り止め基材との組み合わせを結合するステップと、
6)裁断、縫製、包装及び箱詰めのステップと、を含む、
ことを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載のシェニールループパイルフロアマットの製造方法。
【0055】
(付記9)
付記1~8のいずれか一つに記載の製造方法により製造されたシェニールループパイルフロアマットである、
ことを特徴とするシェニールループパイルフロアマット。
【0056】
(付記10)
基布及びシェニールパイルを備え、前記シェニールパイルは前記基布の片側に織り込まれ、前記基布の他側に滑り止め層又はスポンジ層及び滑り止め基材が設けられる、
ことを特徴とする付記9に記載のシェニールループパイルフロアマット。
【符号の説明】
【0057】
1 基布
2 パイル
3 滑り止め層