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特許7207787協働ロボットの一体化された関節の軸系構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】協働ロボットの一体化された関節の軸系構造
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/32 20060101AFI20230111BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F16H1/32 B
B25J17/00 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021538457
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2020097654
(87)【国際公開番号】W WO2021212648
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】521285920
【氏名又は名称】広州市精谷智能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】艾鷹
(72)【発明者】
【氏名】潘衛紅
(72)【発明者】
【氏名】閻素珍
(72)【発明者】
【氏名】董俊
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208557581(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/32
B25J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
協働ロボットの一体化された関節の軸系構造であって、入力長軸と、ハーモニックレデューサーと、モータ後端軸受部と、フレクスプライン端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングと、フレクスプライン端内輪プレスリングと、モータ後端外輪台及びモータ後端の角度エンコーダ取付台を有することと、
入力長軸の両端は、それぞれモータ後端とフレクスプライン端であり、ハーモニックレデューサーはフレクスプライン端に取り付けられることと、
モータ後端に、モータ後端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングと、モータ後端外輪台及びモータ後端の角度エンコーダ取付台が同軸上に配置され、モータ後端内輪プレスリングは、モータ後端軸受部の端面の外側に配置され、モータ後端外輪プレスリングは、モータ後端内輪プレスリングの外周に配置され、且つモータ後端軸受部の外周にしっかり押し付け、モータ後端外輪台は、モータ後端軸受部の外周にしっかり押し付け、モータ後端の角度エンコーダ取付台は、モータ後端外輪プレスリングの外端に配置されることを特徴とする協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項2】
前記ハーモニックレデューサーの片側に、ハーモニックレデューサー固定台が配置され、ハーモニックレデューサー固定台の一端は、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインの内腔に伸びて、且つフレクスプライン端軸受部とハーモニックレデューサーの間にしっかり押し付け、ハーモニックレデューサー固定台のもう一端は、モータ後端外輪台と固定するように連接されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項3】
前記入力長軸は中空軸であり、入力長軸の外壁は、直径が次第に変っていく複数の円柱構造を呈し、その中で、ハーモニックレデューサーと連接している入力長軸の外壁は、二級円柱構造を呈し、フレクスプライン端内輪プレスリング及びフレクスプライン端軸受部と連接している入力長軸の外壁は、三級円柱構造を呈し、モータ後端内輪プレスリング及びモータ後端軸受部と連接している入力長軸の外壁も、三級円柱構造を呈することを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項4】
前記モータ後端内輪プレスリング及びフレクスプライン端内輪プレスリングは、何れも環状円柱構造に設定されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項5】
前記モータ後端外輪プレスリングは、三級環状構造に設定され、入力長軸の中部に沿って、モータ後端へ向かい、三級環状構造は順次に、直径が次第に小さくなる外輪プレスリング第一級環状構造と、外輪プレスリング第二級環状構造と、外輪プレスリング第三級環状構造であり、外輪プレスリング第一級環状構造は、ネジ山又は留め具を介してモータ後端外輪台と連接され、外輪プレスリング第二級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径より大きく、外輪プレスリング第三級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径より小さく、且つモータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きく、外輪プレスリング第三級環状構造は、モータ後端内輪プレスリングと連接しているところに、シールリングが配置されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項6】
前記モータ後端外輪台は、二級環状構造に設定され、入力長軸の中心に沿って、外周へ向かい、二級環状構造は順次に、モータ後端外輪台第一級環状構造と、モータ後端外輪台第二級環状構造であり、モータ後端外輪台第一級環状構造の外周は、ネジ山又は留め具を介して、モータ後端外輪プレスリングと連接し、モータ後端外輪台第一級環状構造の内腔に、一つの環状段階が設けられており、環状段階の内径は、モータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きく、軸受外輪の外径より小さく、モータ後端外輪台第二級環状構造は、ハーモニックレデューサー固定台と連接されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項7】
前記ハーモニックレデューサー固定台がモータ後端に近い一端は、環状構造に設定されており、モータ後端外輪台と固定するように連接されることと、
ハーモニックレデューサー固定台がハーモニックレデューサーに近い一端は、二級環状構造に設定されており、入力長軸の中心に沿って、外周へ向かい、二級環状構造は順次に、固定台第一級環状構造と固定台第二級環状構造であり、固定台第一級環状構造は、フレクスプライン端軸受部とハーモニックレデューサーの間に嵌入され、固定台第二級環状構造は、ハーモニックレデューサーと固定するように連接されることを特徴とする請求項に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項8】
前記モータ後端軸受部とフレクスプライン端軸受部の構造は同じであり、それぞれ同軸上に配置された2つの軸受と2つのパッキンを有し、2つの軸受は、入力長軸に並列配置され、2つのパッキンはそれぞれ内パッキンと外パッキンであり、内パッキンは2つの軸受の内輪の間に配置され、外パッキンは2つの軸受の外輪の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【請求項9】
入力長軸の中心から外周へ向かい、前記ハーモニックレデューサーは、内側から外側へ順次に配置されたウェーブ・ジェネレータと、フレクスプラインと、サーキュラスプラインと、ケースを有し、ウェーブ・ジェネレータの内壁は、入力長軸と連接され、フレクスプラインは、ウェーブ・ジェネレータとサーキュラスプラインの間に配置され、ケースとハーモニックレデューサー固定台と固定するように連接されることを特徴とする請求項1に記載の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は協働ロボットの技術分野に関わり、特に高精度な位置フィードバックの実現に助力することができる協働ロボットの一体化された関節の軸系構造に関わる。
【背景技術】
【0002】
今は産業用ロボットはすでに人に代わって大量な繰返し作業や、重負荷作業をしている。ただし、そのデザインには、人と協働するための安全措置が備えていなく、人を傷つけた状況を防ぐために、作業中にそれを隔離しかできない。この近年来、人と安全で協働して、特定な作業を行うことができる協働ロボットがだんだん興ってきて、特に精密組立や、金型と製品検査、及び医療手術などのような精度制御に高く要求されている分野に広い応用の見通しがある。しかしながら、人と協働する際、高精度制御に関する要求は、従来の産業用ロボットに求められていたポイント・ツー・ポイント繰返し位置決め精度ではなく、作業空間の全範囲内で高精度を求めている。上記状況を踏まえて、協働ロボットを構成している各関節に高精度な位置フィードバック及び制御機能が備えているからこそ、較正された後、協働ロボットを作業空間の全範囲内で高精度制御の要求を達成させることができる。
【0003】
今主流の高精度制御協働ロボットの関節構造は、主にコントローラーと、ドライバと、ダイレクトドライブモータと、ブレーキと、ハーモニックレデューサーとが順次に直列接続された構造であり、またダイレクトドライブモータの後端及びハーモニックレデューサーの出力端に、角度エンコーダを取り付け、位置フィードバックと制御を行うものである。角度エンコーダは、主にその回転部を被測定軸に従って同軸回転させた後、その固定部に対する回転した角度位置を測定して決定する。ただし、協働ロボットの一体化された関節では、その角度測定原理及び取付空間の制限により、又コストコントロールを考えた上で、角度エンコーダはいつも直接に関節内の軸系構造の助けを借りて、角度測定を行っているため、角度エンコーダは、関節の軸系構造の半径誤差に非常に敏感である。角度エンコーダの回転部を関節の軸系構造に高ラジアル精度で取り付けた条件の下で、角度エンコーダの高精度な位置フィードバックを実現することが可能になり、特にハーモニックレデューサーの出力端と入力端の間に、高同軸度精度を保証しないといけない。これはダイレクトドライブモータの後端及びハーモニックレデューサーの出力端に取り付けられた角度エンコーダの回転部はそれぞれハーモニックレデューサーの入力端と出力端に従って同軸回転しているためであり、またこの2つの角度エンコーダの固定部は何れも一体化された関節の不動部に固定されているため、ハーモニックレデューサーの出力端と入力端の間の高同軸度精度は、協働ロボットの高精度な位置フィードバック及び制御を実現するための満たさないといけない前提条件である。
【0004】
しかしながら、主流の協働ロボットの一体化された関節構造では、ただハーモニックレデューサーの入力軸と、ダイレクトドライブモータ及びブレーキを順次に直列接続しただけで、ハーモニックレデューサーの入力端と、サーキュラスプラインの出力端の間に、両者の同軸度精度を保証できる相応な構造が欠け、内部のフレクスプラインのみに連接されるでは、剛性に欠ける。それも関節の軸系構造全体は剛性が足りないという問題を引き起こす。サーキュラスプラインの出力端は自重及び負荷の影響を受けて、軸系の軸心に垂直する変位が発生してしまう可能性があるため、ハーモニックレデューサーの出力端と入力端の間に、高同軸度精度を保証し難しい。また、ダイレクトドライブモータはしばらく作動したら発熱したため、いつも関節における直列構造が延長して、更に軸系の軸心に垂直する変位が発生し、高精度な位置情報フィードバックが入手しにくい。それと同時に、関節部品は温度が上がった後に延長したことにより、角度エンコーダの回転部及び固定部は相対的に移動してしまう可能性があり、更に角度エンコーダで得られた情報が変化して測定結果に影響を与える可能性がある。上記により、協働ロボットの一体化された関節の高精度制御の実現が困難になる。
【0005】
今は、高精度な位置フィードバックの実現に助力することができる協働ロボットの一体化された関節の軸系構造が必要になり、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端は、何れもこの軸系構造に依存して、負荷と長時間作動で発熱した状況下で、高同軸度精度が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、協働ロボットの一体化された関節の軸系構造を提供し、該構造により、高精度な位置フィードバックの実現に助力するとともに、異なる温度の作業環境に適応できるため、モータが発熱した状況下でも、ハーモニックレデューサーの入力端及びサーキュラスプラインの出力端の構造の安定性及び相互間の同軸度精度は、入力長軸の長さが変わったことに影響されないようにできる。
【0007】
以上の目的を実現するために、本発明の使用する技術的な解決方案は以下の通りである。協働ロボットの一体化された関節の軸系構造であって、それは入力長軸と、ハーモニックレデューサーと、モータ後端軸受部と、フレクスプライン端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングと、フレクスプライン端内輪プレスリングと、モータ後端外輪台及びモータ後端の角度エンコーダ取付台を有する。
【0008】
入力長軸の両端は、それぞれモータ後端とフレクスプライン端であり、ハーモニックレデューサーはフレクスプライン端に取り付けられる。
【0009】
モータ後端に、モータ後端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングと、モータ後端外輪台及びモータ後端の角度エンコーダ取付台が同軸上に配置され、モータ後端内輪プレスリングは、モータ後端軸受部の端面の外側に配置され、モータ後端外輪プレスリングは、モータ後端内輪プレスリングの外周に配置され、且つモータ後端軸受部の外周にしっかり押し付け、モータ後端外輪台は、モータ後端軸受部の外周にしっかり押し付け、モータ後端の角度エンコーダ取付台は、モータ後端外輪プレスリングの外端に配置される。
【0010】
フレクスプライン端に、フレクスプライン端軸受部と、フレクスプライン端内輪プレスリングと、ハーモニックレデューサーが同軸上に配置され、フレクスプライン端内輪プレスリングは、フレクスプライン端軸受部の端面の片側に配置され、ハーモニックレデューサーは、フレクスプライン端軸受部の外周及び端面のもう片側に配置される。
【0011】
さらに、前記ハーモニックレデューサーの片側に、ハーモニックレデューサー固定台が配置され、ハーモニックレデューサー固定台の一端は、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインの内腔に伸びて且つフレクスプライン端軸受部とハーモニックレデューサーの間にしっかり押し付け、ハーモニックレデューサー固定台のもう一端は、モータ後端外輪台と固定するように連接される。
【0012】
さらに、前記入力長軸は中空軸であり、入力長軸の外壁は、直径が次第に変っていく複数の円柱構造を呈し、その中で、ハーモニックレデューサーと連接している入力長軸の外壁は、二級円柱構造を呈し、フレクスプライン端内輪プレスリング及びフレクスプライン端軸受部と連接している入力長軸の外壁は、三級円柱構造を呈し、モータ後端内輪プレスリング及びモータ後端軸受部と連接している入力長軸の外壁も、三級円柱構造を呈する。
【0013】
上記構造の入力長軸を取り付ける際、具体的は、入力長軸の一端は、穴と軸を精密嵌合させ、高同軸度精度でハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ及びフレクスプラインを通り抜けた後、ハーモニックレデューサーの入力端を構成する。
【0014】
入力長軸がハーモニックレデューサーの入力端に近い一端に、一つの二級円柱構造(即ち上記「ハーモニックレデューサーと連接している入力長軸の外壁は、二級円柱構造を呈し」)を有し、該二級円柱構造から形成した入力軸のフレクスプライン取付段階は、ハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ及びフレクスプラインのアセンブリを取り付けるのに用いられる。入力長軸のもう一端がモータ後端に近いところと、中部がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータに近いところに、それぞれ一つの三級円柱構造を有し、それぞれモータ後端三級円柱構造とフレクスプライン端三級円柱構造であり、対応な軸受部(即ち上記「フレクスプライン端内輪プレスリング及びフレクスプライン端軸受部と連接している入力長軸の外壁は、三級円柱構造を呈し」と「モータ後端内輪プレスリング及びモータ後端軸受部と連接している入力長軸の外壁も、三級円柱構造を呈する」)を取り付けるのに用いられる。モータ後端三級円柱構造と、モータ後端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリング、モータ後端外輪台から高同軸度精度を備えるモータ後端軸受構造を形成し、且つモータ後端内輪プレスリングとモータ後端三級円柱構造は、ネジ山又は留め具を介して連接され、まずモータ後端内輪プレスリングをモータ後端軸受部の外側軸受の内輪とモータ後端軸受部の内側軸受の内輪にしっかり押し付けて固定させた後、ネジ山又は留め具を介して、モータ後端外輪プレスリングとモータ後端外輪台を連接し、モータ後端外輪プレスリングを、モータ後端軸受部の外側軸受の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受の外輪にしっかり押し付けさせる。又は、モータ後端外輪プレスリングとモータ後端外輪台をネジ山又は留め具を介して連接し、モータ後端外輪プレスリングを、まずモータ後端軸受部の外側軸受の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受の外輪にしっかり押し付けて固定させた後、ネジ山又は留め具を介して、モータ後端外輪プレスリングとモータ後端外輪台を連接し、モータ後端内輪プレスリングを、モータ後端軸受部の外側軸受の内輪とモータ後端軸受部の内側軸受の内輪にしっかり押し付けさせることで、軸受すきまを解消する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、入力長軸が各作業環境において温度変化が発生した場合(特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点に達した)、モータ後端の角度エンコーダの回転部が入力長軸に連接される際、角度エンコーダの全体構造の安定性は、軸の長さの変化に影響されないことを保証し、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。フレクスプライン端三級円柱構造と、入力軸のフレクスプライン端軸受部と、ハーモニックレデューサー固定台と、入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリングから高同軸度精度を備える入力軸のフレクスプライン端軸受構造を形成し、且つフレクスプライン端内輪プレスリングとフレクスプライン端三級円柱構造は、ネジ山又は留め具を介して連接され、フレクスプライン端内輪プレスリングを、フレクスプライン端軸受部の内側軸受の内輪及びフレクスプライン端軸受部の外側軸受の内輪に押し付けさせることで、軸受すきまを解消する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、フレクスプライン端軸受部の軸受外輪の両側とハーモニックレデューサー固定台の間に多くの隙間が残り、これで入力長軸が各種作業環境において温度変化が発生した場合(特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸が長くなった活点に達した)、入力長軸は半径方向の変形を生じずに、この端に軸方向に沿って温度の変化に従って長さが自由に変化することができる。この構造により、入力長軸が各種作業環境温度において、特にモータがしばらく作動した後、発熱した場合、入力長軸の長さが変化したことにより、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に連接された角度エンコーダに影響を与えず、角度エンコーダ全体の構造が安定していて、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。
【0015】
ハーモニックレデューサー固定台とモータ後端外輪台は、留め具を介して高同軸度精度で連接され、ハーモニックレデューサー固定台とハーモニックレデューサーのケースは、留め具を介して連接され、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端をハーモニックレデューサー固定台と高精度で同軸心に調整するようにし、これで取り付ける際、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインが無負荷状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じなくて済んで、且つハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端を、関節軸と同軸度精度の位置に調整できるようになる。また、このような二重軸受部を備える軸系構造により、一体化された関節の全体剛性を高めるとともに、各作業環境温度において、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端の構造が安定していることを確保しながら、両者の位置間の高同軸度精度が得られ、また構造自重及び負荷重量からの影響を、関節の軸系構造に均等に分散することができるため、自重及び負荷により、局部の変形を誘発して関節位置フィードバックと制御の精度に影響を与える状況を避ける。
【0016】
入力長軸は中空軸であり、中心穴は、協働ロボットが必要な空気管と、油管と、ケーブルと、光ファイバー等が通り抜けるのに用いられる。入力長軸がハーモニックレデューサーの入力端に近い一端に、二級円柱構造から形成した段階を有し、外側の第一級円柱構造は直径が比較的に小さく、ハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータの内穴直径よりやや小さくするように設定することで、穴と軸を精密嵌合させるようになる。入力長軸のもう一端がモータ後端に近いところ、及び中部がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータに近いところに、それぞれ一つの直径が次第に変わっていく三級円柱構造が配置され、この2つの三級円柱構造において、各級円柱構造の直径は何れもモータ後端の外側へ向かい次第に縮小していくことにより、入力長軸がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータに取り付けられてハーモニックレデューサーの入力端に形成した後、入力軸のフレクスプライン端軸受部と、ダイレクトドライブモータと、ブレーキ及びモータ後端軸受部等を次第に取り付けることができる。フレクスプライン端とモータ後端三級円柱構造の間に、ダイレクトドライブモータとブレーキを取り付けるための溝が設けられ、キー又はスプラインを介してダイレクトドライブモータとブレーキを取り付けることができる。溝の形は、ダイレクトドライブモータとブレーキの取り付け方法によって決まられる。ダイレクトドライブモータとフレクスプライン端軸受部の間に、シールリングが配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキの作動中に発生したほこりが入力軸のフレクスプライン端軸受部及びハーモニックレデューサーに入ってしまう状況を避け、フレクスプライン端軸受部とハーモニックレデューサーの作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。入力長軸のモータ後端三級円柱構造と、モータ後端軸受部と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングと、モータ後端外輪台からモータ後端における軸受すきまを解消するための構造に形成する。それと同時に、このような、すきまを取り去る形により形成された入力長軸は、各種作業環境において温度変化が発生した場合、このような形で軸受すきまを解消する場合、入力長軸が各作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点に達した際、モータ後端の角度エンコーダの回転部が入力長軸に連接される際、軸の長さの変化に影響されないことを保証し、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。その他、モータ後端外輪台と入力長軸のモータ後端三級円柱構造の間に、シールリングが配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキの作動中に発生したほこりがモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。
【0017】
モータ後端三級円柱構造の外側における第一級円柱構造は、取り付ける際、ネジ山又は留め具を介して、モータ後端内輪プレスリングと連接されることで、モータ後端内輪プレスリングはモータ後端軸受部の外側軸受の内輪に突き上げ、モータ後端三級円柱構造の第一級円柱構造の端面に、ねじ穴が配置されており、留め具を介してモータ後端における角度エンコーダの取付台と高同軸度精度で連接できるため、これで高精度なモータ位置フィードバック及びモータ回転角度の制御に前提条件を提供する。モータ後端三級円柱構造における第二級円柱構造の直径は、モータ後端軸受部の軸受内輪の内径よりやや小さくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。モータ後端三級円柱構造における第三級円柱構造の直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の内径よりやや小さく、且つモータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きくするように設定することで、取り付ける際、その側面がモータ軸受部の内側軸受の内輪に突き上げるようになる。
【0018】
フレクスプライン端三級円柱構造と、入力軸のフレクスプライン端軸受部と、ハーモニックレデューサー固定台と、入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリングから、高同軸度精度を備える入力軸のフレクスプライン端における軸受隙間を解消するための構造に形成する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、フレクスプライン端軸受部の軸受外輪の両側とハーモニックレデューサー固定台の間に多くの隙間が残り、これで入力長軸が各種作業環境において温度変化が発生した場合(特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸が長くなった活点に達した)、入力長軸は半径方向の変形を生じずに、この端に軸方向に沿って温度の変化に従って長さが自由に変化することができる。この構造により、入力長軸が各種作業環境温度において、特にモータがしばらく作動した後、発熱した場合、入力長軸の長さが変化したことにより、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に連接された角度エンコーダに影響を与えず、角度エンコーダ全体の構造が安定していて、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。
【0019】
入力軸のフレクスプライン端三級円柱構造の内側における第一級円柱構造は、取り付ける際、ネジ山又は留め具を介して、フレクスプライン端内輪プレスリングと連接されることで、入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリングはフレクスプライン端軸受部の内側軸受の内輪に突き上げるようになる。フレクスプライン端三級円柱構造における第二級円柱構造の直径は、フレクスプライン端軸受部の軸受内輪の内径よりやや小さくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。フレクスプライン端三級円柱構造における第三級円柱構造の直径は、フレクスプライン端軸受部の軸受外輪の内径よりやや小さく、且つフレクスプライン端軸受部の軸受内輪の外径より大きくするように設定することで、取り付ける際、その側面がフレクスプライン端軸受部の外側軸受の内輪に突き上げるようになる。
【0020】
さらに、前記モータ後端内輪プレスリング及びフレクスプライン端内輪プレスリングは、何れも環状円柱構造に設定される。モータ後端内輪プレスリングは、環状円柱構造に設定されて、取り付ける際、めねじ又は留め具を介して、モータ後端内輪プレスリングの端面に配置された皿穴を通り抜けて、モータ後端三級円柱構造と連接されることで、モータ後端内輪プレスリングはモータ後端軸受部の外側軸受の内輪に突き上げるようになる。入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリングも環状円柱構造に設定されて、取り付ける際、めねじ又は留め具を介して、フレクスプライン端内輪プレスリングの端面に配置された皿穴を通り抜けて、フレクスプライン端三級円柱構造と連接されることで、フレクスプライン端内輪プレスリングはフレクスプライン端軸受部の内側軸受の内輪に突き上げるようになる。
【0021】
さらに、前記モータ後端外輪プレスリングは、三級環状構造に設定され、入力長軸の中部に沿って、モータ後端へ向かい、三級環状構造は順次に、直径が次第に小さくなる外輪プレスリング第一級環状構造と、外輪プレスリング第二級環状構造と、外輪プレスリング第三級環状構造である。外輪プレスリング第一級環状構造は、ネジ山又は留め具を介してモータ後端外輪台と連接される。外輪プレスリング第二級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径より大きい。外輪プレスリング第三級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径より小さく、且つモータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きい。外輪プレスリング第三級環状構造は、モータ後端内輪プレスリングと連接しているところに、シールリングが配置される。該三級環状構造は、直径が一番大きい第一級環境構造の内側に配置されたねじ山又は留め具を介して、外輪プレスリングの第一級環状構造の端面に配置された皿穴を通り抜けて、モータ後端外輪台と連接する。第二級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径より大きい。第三級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の内径より小さく、且つ軸受内輪の外径より大きい。取り付ける際、第三級環状構造の側面がモータ後端軸受部の外側軸受の外輪に突き上げる。第三級環状構造がモータ後端内輪プレスリングに近い内円面の片側に、環状溝が一つ設定されてもよく又は設定されなくてもよい、取り付ける際、この環状溝にシールリングを取り付けることで、外の汚染物がモータ後端軸受構造に入って、軸受構造の作動の安定性や同軸度精度に影響を与える状況を防ぐ。
【0022】
さらに、前記モータ後端外輪台は、二級環状構造に設定され、入力長軸の中心に沿って外周へ向かい、二級環状構造は、順次にモータ後端外輪台第一級環状構造と、モータ後端外輪台第二級環状構造である。モータ後端外輪台第一級環状構造の内腔に、一つの環状段階が設けられており、環状段階の内径は、モータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きく、軸受外輪の外径より小さい。モータ後端外輪台第二級環状構造は、ハーモニックレデューサー固定台と連接される。該二級環状構造は、直径が比較的に小さい第一級環状構造の外側に配置されたネジ山又は留め具を介して、モータ後端外輪プレスリングと連接し、第一級環状構造の内穴直径は、モータ後端軸受部の軸受外輪の外径よりやや大きくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。第一級環状構造の内腔に、一つの小さい環状段階が設けられており、モータ後端外輪台の環状段階の内径は、モータ後端軸受部の軸受内輪の外径より大きく、軸受外輪の外径より小さい、取り付ける際、モータ後端外輪台の環状段階は、モータ後端軸受部の内側軸受の外輪に突き上げて、モータ後端外輪台の環状段階が入力軸のモータ後端三級円柱構造に向かっている内円面に、環状溝が一つ設定されてもよく又は設定されなくてもよい、取り付ける際、この環状溝にシールリングを取り付けることによって、入力軸のモータ後端三級円柱構造における第三級円柱構造とモータ後端外輪台の間を密封させるようになり、ダイレクトドライブモータとブレーキが作動中に発生したほこりが入力軸のモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。留め具を介して直径が比較的に大きい第二級環状構造の端面に配置された皿穴を通り抜けて、ハーモニックレデューサー固定台と高同軸度精度で連接し、第二級環状構造の内腔直径はダイレクトドライブモータと、ブレーキ及びハーモニックレデューサーの外径より大きく、第二級環状構造の側壁に、ダイレクトドライブモータとブレーキの差し込み口が配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキを駆動機に連接して制御を行うようになる。
【0023】
さらに、前記ハーモニックレデューサー固定台がモータ後端に近い一端は、環状構造に設定されており、モータ後端外輪台と固定するように連接される。該環状構造は、留め具を介して、モータ後端外輪台と高同軸度精度で連接することができる。環状構造の内腔直径はダイレクトドライブモータと、ブレーキの外径より大きい。環状構造の側壁に、ダイレクトドライブモータとブレーキの差し込み口が配置され、ダイレクトドライブモータとブレーキを駆動機に連接して制御を行うようになる。
【0024】
ハーモニックレデューサー固定台がハーモニックレデューサーに近い一端は、二級環状構造に設定されており、入力長軸の中心に沿って外周へ向かい、二級環状構造は、順次に固定台第一級環状構造と固定台第二級環状構造であり、固定台第一級環状構造は、フレクスプライン端軸受部とハーモニックレデューサーの間に嵌入され、固定台第二級環状構造は、ハーモニックレデューサーと固定するように連接される。該二級環状構造は、留め具を介して直径が比較的に大きい第二級環状構造の端面に配置された皿穴を通り抜けて、ハーモニックレデューサーのケースと高同軸度精度で連接されることで、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインが無負荷の状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じず、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端を、関節軸系と同軸度精度の位置に調整できるようになる。第一級環状構造は、サーキュラスプライン軸受部を取り付けるのに用いられ、第一級環状構造の外径は、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの内穴直径より小さくように設定することで、取り付ける際、サーキュラスプライン軸受部をハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの内腔に取り付けることが可能になり、スペースを有効活用して入力長軸の長さを縮小する。第一級環状構造の内腔直径は、サーキュラスプライン軸受部の軸受外輪の外径よりやや大きくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。第一級環状構造がサーキュラスプライン軸受部の内側軸受に近いところに、一つの環状段階が設定されている。環状段階の内側にシールリングを取り付けることによって、ダイレクトドライブモータとブレーキが作動中に発生したほこりが入力軸のモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動の安定性及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。
【0025】
さらに、前記モータ後端軸受部とフレクスプライン端軸受部の構造は同じであり、それぞれ同軸上に配置された2つの軸受と2つのパッキンを有し、2つの軸受は、入力長軸に並列配置され、2つのパッキンはそれぞれ内パッキンと外パッキンであり、内パッキンは2つの軸受の内輪の間に配置され、外パッキンは、2つの軸受の外輪の間に配置される。モータ後端軸受部とフレクスプライン端軸受部は、一対の同じ軸受及び二つの軸受の内輪と外輪にそれぞれ位置して且つ一定の高度差を有する内パッキンと外パッキンから構成されてもよく、又は一対の予め整備されて隙間が解消された軸受から構成されてもよい。一定の高度差を有する内パッキンと外パッキンを用いてモータ後端軸受部を取り付ける場合、モータ後端内輪プレスリングを介してまずモータ後端軸受部の外側軸受の内輪とモータ後端軸受部の内側軸受の内輪に押し付けて固定させた後、モータ後端外輪プレスリングを介してモータ後端軸受部の外側軸受の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受の外輪に押し付けて、モータ後端軸受部の外パッキンの厚さがモータ後端軸受部の内パッキンの厚さより大きいので、高度差により軸受すきまを解消する。又は、まずモータ後端内輪プレスリングを介して、モータ後端軸受部の外側軸受の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受の外輪に押し付けて固定させた後、モータ後端内輪プレスリングを介して、モータ後端軸受部の外側軸受の内輪とモータ後端軸受部の内側軸部の内輪に押し付けて、モータ後端軸受部の内パッキンの厚さがモータ後端軸受部の外パッキンの厚さより大きいので、高度差により軸受すきまを解消する。また、フレクスプライン端軸受部を取り付ける際、フレクスプライン端内輪プレスリングを介して、フレクスプライン端軸受部の内側軸受の内輪とフレクスプライン端軸受部の外側軸受の内輪に押し付けて、フレクスプライン端軸受部の外パッキンの厚さがフレクスプライン端軸受部の外パッキンの厚さより大きいので、高度差により軸受すきまを解消する。予め整備されて隙間が解消された軸受を使う場合、正常に取り付けるだけでよく、高度差は必要がない。
【0026】
さらに、入力長軸の中心から外周へ向かい、前記ハーモニックレデューサーは、内側から外側へ順次に配置されたウェーブ・ジェネレータと、フレクスプラインと、サーキュラスプラインと、ケースを有し、ウェーブ・ジェネレータの内壁は、入力長軸と連接され、フレクスプラインは、ウェーブ・ジェネレータとサーキュラスプラインの間に配置され、ケースとハーモニックレデューサー固定台と固定するように連接される。
【発明の効果】
【0027】
従来の技術と比べて、本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0028】
本発明の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造により、高精度な位置フィードバック及び制御の実現に助力することができるようになり、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端は、何れもこの軸系構造に依存して、負荷状況下で高同軸度精度が得られることによって、モータ後端に配置された角度エンコーダ及びハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に配置された角度エンコーダは、高精度な位置情報フィードバックが得られ、協働ロボットの一体化された関節は高精度な位置フィードバック及び制御を行うことが可能になる。それと同時に、異なる温度の作業環境に適応できるため、モータが暫く作動して発熱した状況下でも、ハーモニックレデューサーの入力端及びサーキュラスプラインの出力端の構造の安定性及び相互間の同軸度精度は、入力長軸の長さが変わったことに影響されないようにできる。
【0029】
また、本発明の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造では、中空に設定された入力長軸に、協働ロボットが必要な空気管と、油管と、ケーブルと、光ファイバー等は通り抜けやすい。入力長軸がモータ後端とフレクスプライン端に近いところに、それぞれ一つのモータ後端の外側へ向かって次第に小さくなる三級円柱構造が配置され、それぞれ、モータ後端軸受部と、モータ後端外輪台と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングから高同軸度精度を備えてモータ後端における軸受すきまを解消するための構造に形成し、また、フレクスプライン端軸受部と、ハーモニックレデューサー固定台と、フレクスプライン端内輪プレスリングから、高同軸度精度を備えて入力軸のフレクスプライン端における軸受隙間を解消するための構造に形成することで、高同軸度精度を備える関節の軸系構造を構築する。入力長軸とハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ及びフレクスプラインから形成したハーモニックレデューサーの入力端は、ハーモニックレデューサー固定台と同軸するように設定し、ハーモニックレデューサーのケースを通して、留め具によりハーモニックレデューサーをハーモニックレデューサー固定台に取り付ける際、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端をハーモニックレデューサー固定台と高同軸度精度の位置に調整するようにし、これで取り付ける際、フレクスプラインが無負荷状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じなくて済んで、また、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端の間に高精度で同軸するのを保証するとともに、一体化された関節の全体剛性を高める。負荷及び輸出端の自重からの影響を、均等に分散することができるため、負荷状態の下で、ハーモニックレデューサーの入力端と出力端の間にいつも高同軸度精度を維持させて、関節の高精度な位置フィードバック及び制御のために前提条件を提供する。また、フレクスプライン端軸受構造は、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインの内腔に取り付けられることにより、フレクスプラインの機能に影響しない前提において、入力長軸の長さを縮小でき、加工精度及びコストをコントロールしやすい。また、この軸系構造により、入力長軸が各作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点と活点に達した際、軸が長くなったことにより、入力長軸に連接されるモータ後端の角度エンコーダの回転部と固定部の相対位置関係や、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に連接される角度エンコーダの回転部と固定部の相対位置関係に影響せず、位置の測定結果に影響しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は協働ロボットの一体化された関節の軸系構造を示す図である。
図2図2は働ロボットの一体化された関節の軸系構造の軸方向断面図である。
図3図3はモータ後端軸受構造の部分拡大図である。
図4図4はハーモニックレデューサーとフレクスプライン端軸受構造の部分拡大図である。
図5図5はモータ後端軸受構造の外端面を示す図である。
図6図6は入力長軸とハーモニックレデューサーの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明をよりよく理解するために、これから図面と具体的な実施形態をもって、本発明について具体的に説明する。
【0032】
本実施形態の協働ロボットの一体化された関節の軸系構造は、図1-図5に示すように、該軸系構造は、主に入力長軸1と、モータ後端軸受部2と、モータ後端内輪プレスリング3と、モータ後端外輪プレスリング4と、モータ後端外輪台5と、ハーモニックレデューサー固定台6と、フレクスプライン端軸受部7と、フレクスプライン端内輪プレスリング8と、モータ後端の角度エンコーダ取付台9と、ハーモニックレデューサー10と、留め具11と、シールリング12から構成される。
【0033】
入力長軸1の一端は、軸と穴を精密嵌合させることにより、ハーモニックレデューサー10のウェーブ・ジェネレータ10-1及びフレクスプライン10-3を高精度で通り抜けたことによって、ハーモニックレデューサーの入力端を形成する。
【0034】
中空に設定された入力長軸1がハーモニックレデューサーの入力端に近い一端に、一つの二級円柱構造を有し、該二級円柱構造から形成した入力軸のフレクスプライン取付段階1-1は、ハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ10-1及びフレクスプライン10-3のアセンブリを取り付けるのに用いられる。入力長軸のもう一端がモータ後端に近いところと、中部がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータに近いところに、それぞれ一つの三級円柱構造(即ちモータ後端三級円柱構造1-2とフレクスプライン端三級円柱構造1-3)を有し、対応な軸受部を取り付けるのに用いられる。モータ後端三級円柱構造1-2と、モータ後端軸受部2と、モータ後端内輪プレスリング3と、モータ後端外輪プレスリング4、モータ後端外輪台5から高同軸度精度を備えるモータ後端軸受構造を形成する。また、ネジ山を介してモータ後端内輪プレスリング3とモータ後端三級円柱構造1-2を連接し、まずモータ後端内輪プレスリング3をモータ後端軸受部の外側軸受2-1の内輪とモータ後端軸受部の内側軸受2-2の内輪にしっかり押し付けて固定させた後、ネジ山を介して、モータ後端外輪プレスリング4とモータ後端外輪台5を連接し、モータ後端外輪プレスリング4を、モータ後端軸受部の外側軸受2-1の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受2-2の外輪にしっかり押し付けさせることで、軸受すきまを解消する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、入力長軸1が各作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点に達した際、モータ後端の角度エンコーダの回転部が入力長軸に連接される際、角度エンコーダの全体構造の安定性は、軸の長さの変化に影響されないことを保証し、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。
【0035】
フレクスプライン端三級円柱構造1-3と、フレクスプライン端軸受部7と、ハーモニックレデューサー固定台6と、入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリング8から高同軸度精度を備えるフレクスプライン端軸受構造を形成し、且つネジ山を介して、フレクスプライン端内輪プレスリング8とフレクスプライン端三級円柱構造1-3を連接し、フレクスプライン端内輪プレスリング8を、フレクスプライン端軸受部の内側軸受7-1の内輪及びフレクスプライン端軸受部の外側軸受7-2の内輪に押し付けさせることで、軸受すきまを解消する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、フレクスプライン端軸受部7の軸受外輪の両側とハーモニックレデューサー固定台6の間に多くの隙間が残り、これで入力長軸が各種作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸が長くなった活点に達した際、入力長軸1は半径方向の変形を生じずに、この端に軸方向に沿って温度の変化に従って長さが自由に変化することができる。この構造により、入力長軸1が各種作業環境温度において、特にモータがしばらく作動した後、発熱した場合、入力長軸の長さが変化したことにより、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプライン10-4の出力端に連接された角度エンコーダに影響を与えず、角度エンコーダ全体の構造が安定していて、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。
【0036】
ハーモニックレデューサー固定台6とモータ後端外輪台5は、留め具11を介して高同軸度精度で連接される。ハーモニックレデューサー固定台6とハーモニックレデューサーのケース10-2は、留め具11を介して連接され、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプライン10-4の出力端をハーモニックレデューサー固定台6と高精度で同軸心に調整するようにし、これで取り付ける際、ハーモニックレデューサーのフレクスプライン10-3が無負荷状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じなくて済んで、且つハーモニックレデューサーのサーキュラスプライン10-4の出力端を、関節軸と同軸度精度の位置に調整できるようになる。また、このような二重軸受部を備える軸系構造により、一体化された関節の全体剛性を高めるとともに、各作業環境温度において、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端の構造が安定していることを確保しながら、両者の位置間の高同軸度精度が得られ、また構造自重及び負荷重量からの影響を、関節の軸系構造に均等に分散することができるため、自重及び負荷により、局部の変形を誘発して関節位置フィードバックと制御の精度に影響を与える状況を避ける。
【0037】
入力長軸1は中空軸であり、その中心穴は、協働ロボットが必要な空気管と、油管と、ケーブルと、光ファイバー等が通り抜けるのに用いられる。入力長軸がハーモニックレデューサーの入力端に近い一端に、二級円柱構造から形成したフレクスプライン取付段階1-1を有し、外側の第一級円柱構造は直径が比較的に小さく、ハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ10-1の内穴直径よりやや小さくするように設定することで、穴と軸を精密嵌合させるようになる。入力長軸のもう一端がモータ後端に近いところ、及び中部がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータに近いところに、それぞれ一つの直径が次第に変わっていく三級円柱構造が配置され、この2つの三級円柱構造において、各級円柱構造の直径は何れもモータ後端の外側へ向かい次第に縮小していくことにより、入力長軸1がハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ10-1に取り付けられてハーモニックレデューサーの入力端に形成した後、入力軸のフレクスプライン端軸受部7と、ダイレクトドライブモータと、ブレーキ及びモータ後端軸受部2等を次第に取り付けることができる。フレクスプライン端三級円柱構造1-3とモータ後端三級円柱構造1-2の間に、ダイレクトドライブモータとブレーキを取り付けるための溝が設けられ、キー又はスプラインを介してダイレクトドライブモータとブレーキを取り付けることができる。溝の形は、ダイレクトドライブモータとブレーキの取り付け方法によって決まられる。ダイレクトドライブモータとフレクスプライン端軸受部の間に、シールリング12が配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキの作動中に発生したほこりが入力軸のフレクスプライン端軸受部7及びハーモニックレデューサー10に入ってしまう状況を避け、フレクスプライン端軸受部7とハーモニックレデューサー10の作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。入力長軸のモータ後端三級円柱構造1-2と、モータ後端軸受部2と、モータ後端内輪プレスリング3と、モータ後端外輪プレスリング4と、モータ後端外輪台5からモータ後端における軸受すきまを解消するための構造に形成する。それと同時に、このような、すきまを取り去る形により形成された入力長軸は、各種作業環境において温度変化が発生した場合、このような形で軸受すきまを解消する場合、入力長軸が各作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点に達した際、モータ後端の角度エンコーダの回転部が入力長軸1に連接される際、軸の長さの変化に影響されないことを保証し、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。その他、モータ後端外輪台5とモータ後端三級円柱構造1-2の間に、シールリング12が配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキの作動中に発生したほこりがモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。
【0038】
モータ後端三級円柱構造の外側における第一級円柱構造は、取り付ける際、ネジ山を介して、モータ後端内輪プレスリング3と連接されることで、モータ後端内輪プレスリング3はモータ後端軸受部の外側軸受2-1の内輪に突き上げるようになる。モータ後端三級円柱構造1-2の第一級円柱構造の端面に、ねじ穴が配置されており、留め具を介してモータ後端における角度エンコーダの取付台9と高同軸度精度で連接できるため、これで高精度なモータ位置フィードバック及びモータ回転角度の制御に前提条件を提供する。モータ後端三級円柱構造1-2における第二級円柱構造の直径は、モータ後端軸受部2の軸受内輪の内径よりやや小さくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。モータ後端三級円柱構造1-2における第三級円柱構造の直径は、モータ後端軸受部2の軸受外輪の内径よりやや小さく、且つモータ後端軸受部2の軸受内輪の外径より大きくするように設定することで、取り付ける際、その側面がモータ軸受部の内側軸受2-2の内輪に突き上げるようになる。
【0039】
フレクスプライン端三級円柱構造1-3と、フレクスプライン端軸受部7と、ハーモニックレデューサー固定台6と、フレクスプライン端内輪プレスリング8から、高同軸度精度を備える入力軸のフレクスプライン端における軸受隙間を解消するための構造に形成する。それと同時に、このような形で軸受すきまを解消する場合、フレクスプライン端軸受部7の軸受外輪の両側とハーモニックレデューサー固定台6の間に多くの隙間が残り、これで入力長軸が各種作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸が長くなった活点に達した際、入力長軸1は半径方向の変形を生じずに、この端に軸方向に沿って温度の変化に従って長さが自由に変化することができる。この構造により、入力長軸1が各種作業環境温度において、特にモータがしばらく作動した後、発熱した場合、入力長軸の長さが変化したことにより、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に連接された角度エンコーダに影響を与えず、角度エンコーダ全体の構造が安定していて、角度エンコーダの精度の低下を防ぐ。
【0040】
フレクスプライン端三級円柱構造1-3の内側における第一級円柱構造は、取り付ける際、ネジ山を介して、フレクスプライン端内輪プレスリング8と連接されることで、入力軸のフレクスプライン端内輪プレスリング8はフレクスプライン端軸受部の内側軸受7-1の内輪に突き上げるようになる。フレクスプライン端三級円柱構造1-3における第二級円柱構造の直径は、フレクスプライン端軸受部7の軸受内輪の内径よりやや小さくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。フレクスプライン端三級円柱構造1-3における第三級円柱構造の直径は、フレクスプライン端軸受部7の軸受外輪の内径よりやや小さく、且つフレクスプライン端軸受部7の軸受内輪の外径より大きくするように設定することで、取り付ける際、その側面がフレクスプライン端軸受部の外側軸受7-2の内輪に突き上げるようになる。
【0041】
モータ後端軸受部2とフレクスプライン端軸受部7は、一対の同じ軸受及び二つの軸受の内輪と外輪にそれぞれ位置して且つ一定の高度差を有する内パッキンと外パッキンから構成される。一定の高度差を有する内パッキンと外パッキンを用いてモータ後端軸受部2を取り付ける場合、モータ後端内輪プレスリング3を介してまずモータ後端軸受部の外側軸受2-1の内輪とモータ後端軸受部の内側軸受2-2の内輪に押し付けて固定させた後、モータ後端外輪プレスリングを介してモータ後端軸受部の外側軸受2-1の外輪とモータ後端軸受部の内側軸受2-2の外輪に押し付けて、モータ後端軸受部の外パッキン2-3の厚さがモータ後端軸受部の内パッキン2-4の厚さより大きいので、高度差により軸受すきまを解消する。また、フレクスプライン端軸受部7を取り付ける際、フレクスプライン端内輪プレスリング8を介して、フレクスプライン端軸受部の内側軸受7-1の内輪とフレクスプライン端軸受部の外側軸受7-2の内輪に押し付けて、フレクスプライン端軸受部の外パッキン7-3の厚さがフレクスプライン端軸受部の外パッキン7-4の厚さより大きいので、高度差により軸受すきまを解消する。
【0042】
モータ後端内輪プレスリング3は、環状円柱構造に設定される。取り付ける際、めねじを介して、モータ後端三級円柱構造1-2と連接されることで、モータ後端内輪プレスリング3はモータ後端軸受部の外側軸受2-1の内輪に突き上げるようになる。
【0043】
モータ後端外輪プレスリング4は、三級環状構造に設定され、直径が一番大きい第一級環境構造の内側に配置されたねじ山を介して、モータ後端外輪台5と連接する。第二級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部2の軸受外輪の外径より大きい。第三級環状構造の内腔直径は、モータ後端軸受部2の軸受外輪の内径より小さく、且つ軸受内輪の外径より大きい。取り付ける際、第三級環状構造の側面がモータ後端軸受部の外側軸受2-1の外輪に突き上げる。第三級環状構造がモータ後端内輪プレスリング3に近い内円面の片側に、環状溝が一つ設定されており、取り付ける際、この環状溝にシールリング12を取り付けることで、外の汚染物が軸受構造に入って、軸受構造の作動の安定性や同軸度精度に影響を与える状況を防ぐ。
【0044】
モータ後端外輪台5は、二級環状構造に設定され、直径が比較的に小さい第一級環状構造の外側に配置されたネジ山を介して、モータ後端外輪プレスリング4と連接する。第一級環状構造の内穴直径は、モータ後端軸受部2の軸受外輪の外径よりやや大きくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。第一級環状構造の内腔に、一つの小さい環状段階が設けられており、モータ後端外輪台の環状段階5-1の内径は、モータ後端軸受部2の軸受内輪の外径より大きく、軸受外輪の外径より小さい、取り付ける際、モータ後端外輪台の環状段階5-1は、モータ後端軸受部の内側軸受2-2の外輪に突き上げるようになる。モータ後端外輪台の環状段階5-1が入力軸のモータ後端三級円柱構造1-2に向かっている内円面に、環状溝が一つ設定されており、取り付ける際、この環状溝にシールリング12を取り付けることによって、入力軸のモータ後端三級円柱構造1-2における第三級円柱構造とモータ後端外輪台5の間を密封させるようになり、ダイレクトドライブモータとブレーキが作動中に発生したほこりが入力軸のモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。留め具を介して直径が比較的に大きい第二級環状構造の端面に配置された皿穴を通り抜けて、ハーモニックレデューサー固定台と高同軸度精度で連接する。第二級環状構造の内腔直径はダイレクトドライブモータと、ブレーキ及びハーモニックレデューサーの外径より大きい。第二級環状構造の側壁に、ダイレクトドライブモータとブレーキの差し込み口5-2(図5に示すように)が配置されることで、ダイレクトドライブモータとブレーキを駆動機に連接して制御を行うようになる。
【0045】
ハーモニックレデューサー固定台6がモータ後端に近い一端は、環状構造に設定されており、留め具11を介して、モータ後端外輪台5と高同軸度精度で連接することができる。環状構造の内腔直径はダイレクトドライブモータと、ブレーキの外径より大きい。環状構造の側壁に、ダイレクトドライブモータとブレーキの差し込み口6-1(図2に示すように)が配置され、ダイレクトドライブモータとブレーキを駆動機に連接して制御を行うようになる。
【0046】
ハーモニックレデューサー固定台6がハーモニックレデューサー10に近い一端は、二級環状構造に設定されており、留め具11を介して直径が比較的に大きい第二級環状構造の端面に配置された皿穴を通り抜けて、ハーモニックレデューサーのケース10-2と高同軸度精度で連接されることで、ハーモニックレデューサーのフレクスプライン10-3が無負荷の状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じず、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプライン10-4の出力端を、関節軸系と同軸度精度の位置に調整できるようになる。第一級環状構造は、サーキュラスプライン軸受部7を取り付けるのに用いられ、第一級環状構造の外径は、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプライン10-3の内穴直径より小さくように設定することで、取り付ける際、サーキュラスプライン軸受部をハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの内腔に取り付けることが可能になり、スペースを有効活用して入力長軸1の長さを縮小する。第一級環状構造の内腔直径は、サーキュラスプライン軸受部7の軸受外輪の外径よりやや大きくするように設定することで、軸と穴を精密嵌合させることができる。第一級環状構造がサーキュラスプライン軸受部の内側軸受7-1に近いところに、一つの環状段階が設定されている。環状段階の内側にシールリングを取り付けることによって、ダイレクトドライブモータとブレーキが作動中に発生したほこりが入力軸のモータ後端軸受部構造に入ってしまう状況を避け、モータ後端軸受部構造の作動の安定性及び同軸度精度に影響を与えないようにできる。
【0047】
フレクスプライン端内輪プレスリング8は環状円柱構造に設定されており、取り付ける際、めねじを介して、フレクスプライン端三級円柱構造1-3と連接されることで、フレクスプライン端内輪プレスリング8は、フレクスプライン端軸受部の外側軸受7-2の内輪に突き上げるようになる。
【0048】
本実施形態では、中空に設定された入力長軸に、協働ロボットが必要な空気管と、油管と、ケーブルと、光ファイバー等は通り抜けやすい。入力長軸がモータ後端とフレクスプライン端に近いところに、それぞれ一つのモータ後端の外側へ向かって次第に小さくなる三級円柱構造が配置され、それぞれ、モータ後端軸受部と、モータ後端外輪台と、モータ後端内輪プレスリングと、モータ後端外輪プレスリングから高同軸度精度を備えてモータ後端における軸受すきまを解消するための構造に形成し、また、フレクスプライン端軸受部と、ハーモニックレデューサー固定台と、フレクスプライン端内輪プレスリングから、高同軸度精度を備えて入力軸のフレクスプライン端における軸受隙間を解消するための構造に形成することで、高同軸度精度を備える関節の軸系構造を構築する。入力長軸とハーモニックレデューサーのウェーブ・ジェネレータ及びフレクスプラインから形成したハーモニックレデューサーの入力端は、ハーモニックレデューサー固定台と同軸するように設定し、ハーモニックレデューサーのケースを通して、留め具によりハーモニックレデューサーをハーモニックレデューサー固定台に取り付ける際、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端をハーモニックレデューサー固定台と高同軸度精度の位置に調整するようにし、これで取り付ける際、フレクスプラインが無負荷状態で、軸系の軸心に垂直する変形が生じなくて済んで、また、ハーモニックレデューサーの入力端とサーキュラスプラインの出力端の間に高精度で同軸するのを保証するとともに、一体化された関節の全体剛性を高める。負荷及び輸出端の自重からの影響を、均等に分散することができるため、負荷状態の下で、ハーモニックレデューサーの入力端と出力端の間にいつも高同軸度精度を維持させて、関節の高精度な位置フィードバック及び制御のために前提条件を提供する。また、フレクスプライン端軸受構造は、ハーモニックレデューサーのフレクスプラインの内腔に取り付けられることにより、フレクスプラインの機能に影響しない前提において、入力長軸の長さを縮小でき、加工精度及びコストをコントロールしやすい。また、この軸系構造により、入力長軸が各作業環境において温度変化が発生した場合、特にモータがしばらく作動した後、発熱して温度が上昇した場合、軸の長さの変化が死点と活点に達した際、軸が長くなったことにより、入力長軸に連接されるモータ後端の角度エンコーダの回転部と固定部の相対位置関係や、ハーモニックレデューサーのサーキュラスプラインの出力端に連接される角度エンコーダの回転部と固定部の相対位置関係に影響せず、位置の測定結果に影響しないようにできる。
【0049】
上記の実例の説明は本技術分野の当業者が本発明の技術理念及びその特徴に対する理解及び実施することに手伝うだけに用いられる。それによって、本発明の保護範囲を制限してはいけない。本発明の原理から逸脱しない前提において、実施した改善又は修正は、いずれも本発明の保護範囲とみなすべきである。
【符号の説明】
【0050】
1、入力長軸;1-1、フレクスプラインの取付段階;1-2、モータ後端三級円柱構造;1-3、フレクスプライン端三級円柱構造;2、モータ後端軸受部;2-1、モータ後端軸受部の外側軸受;2-2、モータ後端軸受部の内側軸受;2-3、モータ後端軸受部の外パッキン;2-4、モータ後端軸受部の内パッキン;3、モータ後端内輪プレスリング;4、モータ後端外輪プレスリング;5、モータ後端外輪台;5-1、モータ後端外輪台の環状段階;5-2、モータ後端外輪台の差し込み口;6、ハーモニックレデューサー固定台;6-1、ハーモニックレデューサー固定台の差し込み口;7、フレクスプライン端軸受部;7-1、フレクスプライン端軸受部の内側軸受;7-2、フレクスプライン端軸受部の外側軸受;7-3、フレクスプライン端軸受部の外パッキン;7-4、フレクスプライン端軸受部の内パッキン;8、フレクスプライン端内輪プレスリング;9、モータ後端の角度エンコーダ取付台;10、ハーモニックレデューサー;10-1、ウェーブ・ジェネレータ;10-2、ケース;10-3、フレクスプライン;10-4、サーキュラスプライン;11、留め具;12、シールリング
図1
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図3
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図5
図6