(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230111BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20230111BHJP
G08C 15/06 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
G08C15/00 E
G08C15/06 G
(21)【出願番号】P 2022036120
(22)【出願日】2022-03-09
【審査請求日】2022-03-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522017575
【氏名又は名称】株式会社Premo R&D
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】辻 秀典
(72)【発明者】
【氏名】宮本 淳太
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-213155(JP,A)
【文献】特開2021-057740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G08C 15/00
G08C 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、
コイルを有し、前記コイルに発生する電圧値又は電圧の振幅値を計測値として取得するセンシング部と、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶する条件記憶部と、
前記条件が充足されたか否かを判定する判定部と、
前記センシング部が取得した
前記計測値に基づいて前記環境値を計算する環境値計算部と、
前記条件が充足された場合に前記
コイルを介して前記情報処理装置の外部に前記環境値を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記
コイルを介して前記情報処理装置の外部から前記条件を受信して前記条件記憶部に設定する条件設定部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
前記環境値計算部は、前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、第1の期間に対応する第1の前記計測値と、前記第1の期間とは異なる長さの第2の期間に対応する第2の前記計測値とに基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部は、第1の周期で第1の前記計測値を計測するとともに、前記第1の周期よりも短い第2の周期で第2の前記計測値を計測し、
前記環境値計算部は、前記第1及び第2の計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
計算された前記環境値の履歴を記憶する環境値記憶部と、
外部からのリクエストを受信する受信部と、をさらに備え、
前記出力部は、前記リクエストに指定された期間に対応する前記環境値を前記環境値記憶部から読み出して出力すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、前記センシング部が取得した前記計測値と、前記環境値記憶部に記憶されている第1の前記環境値とに基づいて、第2の前記環境値を算出し、
前記出力部は、前記第2の環境値を出力すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
前記
コイルを介して前記情報処理装置の外部からのリクエストを受信する受信部と、をさらに備え、
前記環境値計算部は、前記リクエストに指定された期間に対応する前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、前記計測値記憶部から、前記期間の長さに応じて異なる周期で前記計測値を抽出し、抽出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記条件記憶部は、前記条件に対応付けて、計算対象となる前記計測値を特定する特定情報を記憶し、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
充足された前記条件に対応する前記特定情報により特定される前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算する環境値計算部と、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値に基づいて前記環境値を計算するためのロジックを記憶するロジック記憶部をさらに備え、
前記条件記憶部は、前記条件に対応付けて、計算対象となる前記計測値を特定する計算対象特定情報及び前記ロジックを特定するロジック特定情報を記憶し、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
充足された前記条件に対応する前記計算対象特定情報により特定される前記計測値を、
充足された前記条件に対応する前記ロジック特定情報により特定される前記ロジックに与えて、前記環境値を計算する環境値計算部と、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部を介して前記情報処理装置の外部から信号を受信する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
メモリを有するプロセッサと、
コイルを有し、前記コイルに発生する電圧値又は電圧の振幅値を計測値として取得するセンシング部とを備える情報処理装置が、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶するステップと、
前記条件が充足されたか否かを判定するステップと、
前記センシング部が取得した
前記計測値に基づいて前記環境値を計算するステップと、
前記条件が充足された場合に前記
コイルを介して前記情報処理装置の外部に前記環境値を出力するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
メモリを有するプロセッサと、
コイルを有し、前記コイルに発生する電圧値又は電圧の振幅値を計測値として取得するセンシング部とを備える情報処理装置に、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶するステップと、
前記条件が充足されたか否かを判定するステップと、
前記センシング部が取得した
前記計測値に基づいて前記環境値を計算するステップと、
前記条件が充足された場合に前記
コイルを介して前記情報処理装置の外部に前記環境値を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
センサノードからのデータをゲートウェイ装置で中継するシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムではセンサノードからのデータはゲートウェイに送信されてクラウドに蓄積されるため、常にクラウド側で監視し続ける必要がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、センサから必要な情報を必要なときに入手することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理装置であって、メモリを有するプロセッサと、センシング部と、前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶する条件記憶部と、前記条件が充足されたか否かを判定する判定部と、前記センシング部が取得した計測値に基づいて前記環境値を計算する環境値計算部と、前記条件が充足された場合に前記環境値を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、センサから必要な情報を必要なときに入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である情報処理装置1のハード構成例を示す。
【
図3】情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の情報処理装置1の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
情報処理装置であって、
メモリを有するプロセッサと、センシング部と、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶する条件記憶部と、
前記条件が充足されたか否かを判定する判定部と、
前記センシング部が取得した計測値に基づいて前記環境値を計算する環境値計算部と、
前記条件が充足された場合に前記環境値を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目2]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記条件を外部から受信して前記条件記憶部に設定する条件設定部をさらに備えること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目3]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
前記環境値計算部は、前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目4]
項目3に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、第1の期間に対応する第1の前記計測値と、前記第1の期間とは異なる長さの第2の期間に対応する第2の前記計測値とに基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目5]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部は、第1の周期で第1の前記計測値を計測するとともに、前記第1の周期よりも短い第2の周期で第2の前記計測値を計測し、
前記環境値計算部は、前記第1及び第2の計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目6]
項目1に記載の情報処理装置であって、
計算された前記環境値の履歴を記憶する環境値記憶部と、
外部からのリクエストを受信する受信部と、をさらに備え、
前記出力部は、前記リクエストに指定された期間に対応する前記環境値を前記環境値記憶部から読み出して出力すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目7]
項目6に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、前記センシング部が取得した前記計測値と、前記環境値記憶部に記憶されている第1の前記環境値とに基づいて、第2の前記環境値を算出し、
前記出力部は、前記第2の環境値を出力すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目8]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
外部からのリクエストを受信する受信部と、をさらに備え、
前記環境値計算部は、前記リクエストに指定された期間に対応する前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目9]
項目8に記載の情報処理装置であって、
前記環境値計算部は、前記計測値記憶部から、前記期間の長さに応じて異なる周期で前記計測値を抽出し、抽出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算すること、
を特徴とする情報処理装置。
[項目10]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記条件記憶部は、前記条件に対応付けて、計算対象となる前記計測値を特定する特定情報を記憶し、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
充足された前記条件に対応する前記特定情報により特定される前記計測値を前記計測値記憶部から読み出し、読み出した前記計測値に基づいて前記環境値を計算する環境値計算部と、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目11]
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記計測値に基づいて前記観測値を計算するためのロジックを記憶するロジック記憶部をさらに備え、
前記条件記憶部は、前記条件に対応付けて、計算対象となる前記計測値を特定する計算対象特定情報及び前記ロジックを特定するロジック特定情報を記憶し、
前記計測値の履歴を記憶する計測値記憶部と、
充足された前記条件に対応する前記計算対象特定情報により特定される前記計測値を、充足された前記条件に対応する前記ロジック特定情報により特定される前記ロジックに与えて、前記環境値を計算する環境値計算部と、
をさらに備えることを特徴とする情報処理装置。
[項目12]
項目1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記出力部は、前記センシング部を介して前記情報処理装置の外部に前記環境値を出力する、ことを特徴とする情報処理装置。
[項目13]
項目1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記センシング部を介して前記情報処理装置の外部から信号を受信する、ことを特徴とする情報処理装置。
[項目14]
情報処理装置が、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶するステップと、
前記条件が充足されたか否かを判定するステップと、
前記センシング部が取得した計測値に基づいて前記環境値を計算するステップと、
前記条件が充足された場合に前記環境値を出力するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目15]
情報処理装置に、
前記情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶するステップと、
前記条件が充足されたか否かを判定するステップと、
前記センシング部が取得した計測値に基づいて前記環境値を計算するステップと、
前記条件が充足された場合に前記環境値を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、情報処理装置1を含んで構成される。情報処理装置1は、外部装置3と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
情報処理装置1は、情報処理装置1の配置された環境の状況を表す値(以下、環境値という。)を取得するデバイスである。情報処理装置1は、計測対象4の内部に配置され、計測対象4の状態(例えば、温度、振動、圧力、電磁波、音量、湿度など)を計測することができる。計測対象4は、例えば、盛土やコンクリートなどであってもよいし、水や空気などであってもよい。情報処理装置1は、センサが計測した値(以下、計測値という。)をソフトウェアによるアルゴリズム(ロジック)により処理することで環境値を算出し、外部装置3からのリクエストに応じて環境値を出力することができる。
【0013】
外部装置3は、情報処理装置1から取得した環境値を利用するコンピュータである。いわゆるエンドユーザは、外部装置3が情報処理装置1から取得した環境値の分析等を行うことができる。
【0014】
<ハードウェア>
図2は、本発明の一実施形態である情報処理装置1のハード構成例を示す。情報処理装置1は、プロセッサ10とセンシング部30とを備え、プロセッサ10はメモリ20を備える。メモリ20の少なくとも一部には、不揮発性の記憶デバイスを含め、プロセッサ10により実行するプログラムを格納することができる。
【0015】
センシング部30は、情報処理装置1が配備された環境に応じた計測値を計測する。
【0016】
プロセッサ10は、センシング部30で計測した計測値を受信してメモリ20に記録し、測定値を計算ロジックに与えることで環境値を算出することができる。環境値とは、情報処理装置1が配備された環境の状態を示す値である。プロセッサ10は、算出した環境値をメモリ20に記録する。
【0017】
本実施形態では、センシング部の一例としてコイル30を適用した実施形態を説明するが、これに限られない。コイル30は、隣接して配置される他の情報処理装置のコイル30と誘導結合やその他の通信方式により信号を送受信することができる。本実施形態では情報処理装置をペアで用いる。2つの情報処理装置のコイル同士の相対距離や角度が変化することにより、誘導結合の結合強度が変化し、コイルに発生する電圧値又は電圧の振幅値が変化する。本実施形態では、プロセッサ10は、この電圧を計測値として環境値を算出することができる。メモリ20は、算出された環境値を一時的に記録することができる。
【0018】
通信部40は、外部の装置と通信を行うことができる。通信部40は、例えば、コイル30により実現することができる。センシング部30と通信部40とは同一のコイルを使用してそれぞれの機能を実現することができる。つまり、情報処理装置は、センシング部30を介して情報処理装置の外部に算出した環境値を出力することができ、また、センシング部30を介して情報処理装置の外部から後述するリクエスト情報を含む信号を受信することができる。
【0019】
プロセッサ10とセンシング部20(及び通信部40)とは、分離不能に、1基板上(1チップ上)に実装されうる。その場合の情報処理装置1の直径は、0.3mm程度とすることができる。
【0020】
本実施形態の情報処理装置1は、複数の環境値の種類のそれぞれについて計算ロジックを記憶しており、同じ計測値から複数種類の環境値を計算し得る。情報処理装置1は、指定された種類に対応する計算ロジックを用いることにより、同じセンサの計測値(コイル30が測定した電圧)に基づいて異なる種類の環境値を求めることができる。
【0021】
<ソフトウェア>
図3は、情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、計測値記憶部131と、環境値記憶部132と、ロジック記憶部133と、条件記憶部134と、受信部111と、判定部112と、環境値計算部113と、出力部114と、条件設定部115と、を備えることができる。
【0022】
計測値記憶部131は、計測値の履歴を記憶することができる。計測値記憶部131は、タイムスタンプを付帯させて計測値を記憶することができる。計測値は、センシング部20が出力した値とすることができる。
【0023】
環境値記憶部132は、計算された環境値の履歴を記憶することができる。環境値記憶部132は、タイムスタンプと環境値の種類とを付帯させて環境値を記憶することができる。なお、環境値記憶部132を省略し、常に計測値から環境値を計算するようにしてもよい。
【0024】
ロジック記憶部133は、計測値に基づいて観測値を計算するためのロジックを記憶することができる。ロジックは、例えば、プロセサ10が実行可能なプログラムとすることができる。
【0025】
条件記憶部134は、環境値を出力する条件を記憶することができる。条件は、例えば、外部からのリクエストが存在することとしてもよい。この場合、例えば外部装置3からのリクエストを受信したことを契機として、環境値を応答するようにすることができる。また、条件は、例えば、タイマーのタイムアウトなどのイベントの発生とすることもできる。この場合、定期的に環境値を出力することができる。また、条件は、計測値又は環境値に対する条件とすることができる。例えば、計測値又は環境値に対する閾値を条件として設定し、計測値又は環境値が閾値以上又は以下となった場合に環境値を出力するようにすることができる。
【0026】
条件記憶部134は、条件に対応付けて、計算対象となる計測値を特定する計測対象特定情報を記憶することができる。計測対象特定情報は、例えば、タイムスタンプの範囲とすることができる。また、タイムスタンプの範囲は例えば、現時点を基準とした相対的なものであってよい。また、計測対象特定情報には、最新の計測値と指定するようにしてもよい。
【0027】
また、計測対象特定情報は、環境値を特定する情報としてもよい。この場合にも、例えば、環境値のタイムスタンプとすることができる。タイムスタンプの範囲は例えば、現時点を基準とした相対的なものであってよい。また、計測対象特定情報には、最新の観測値と指定するようにしてもよい。
【0028】
条件記憶部134は、条件に対応付けて、計算対象となる計測値を特定する計算対象特定情報及びロジックを特定するロジック特定情報を記憶するようにしてもよい。ロジック特定情報は、例えば、環境値の種類とすることができる。また、ロジック記憶部133においてロジックを特定することができる情報であればよい。
【0029】
受信部111は、外部からのリクエストを受信することができる。例えば、受信部111は、外部装置3からリクエストを受信することができる。
【0030】
判定部112は、条件が充足されたか否かを判定する。判定部112は、例えば、何らかのイベントからの割込を受けて、条件記憶部134に記憶されている全ての条件について条件が満たされているか否かを検証するようにすることができる。イベントは、情報処理装置1内で捕捉可能なものであればよく、例えば、クロックであってもよいし、受信部111がリクエストを受信したことであってもよいし、センシング部20が計測値を計測したことであってもよい。
【0031】
環境値計算部113は、計測値に基づいて環境値を計算することができる。本実施形態では、環境値計算部113は、ロジック記憶部133に記憶されているロジックに計測値を与えることにより環境値を計算することができる。環境値計算部113は、複数のロジックがロジック記憶部133に登録されている場合には、複数のロジックを用いて複数種類の環境値を計算するようにすることができる。環境値計算部113は、判定部112により条件が充足されたと判定した場合に、環境値を計算することができる。
【0032】
また、環境値計算部113は、計測値記憶部131に記憶されている計測値を用いて環境値を計算することができる。なお、環境値計算部113にセンシング部20から取得した計測値を与えて環境値を計算させるようにしてもよい。
【0033】
環境値計算部113は、1つの計測値に基づいて環境値を計算するようにしてもよいし、複数の計測値(履歴)に基づいて環境値を計算するようにしてもよい。この場合に、1つの計測値は、センシング部20が取得した最新の計測値(瞬時値)であってもよいし、計測値記憶部131に記憶されている計測値の1つを読み出してもよい。
【0034】
また、環境値計算部113は、第1の期間に対応する第1の計測値と、第1の期間とは異なる長さの第2の期間に対応する第2の計測値とに基づいて環境値を計算するようにしてもよい。例えば、環境値計算部113は、1日分の計測値と、1週間分の計測値とに基づいて環境値を計算するロジックとすることができる。
【0035】
また、環境値計算部113は、外部から指定された計測値を用いて環境値を計算することができる。例えば、受信部111が受信したリクエストにタイムスタンプの期間が指定されているような場合には、リクエストに指定された期間に含まれるタイムスタンプに対応する計測値を計測値から読み出し、読み出した計測値に基づいて環境値を計算することができる。
【0036】
この場合に、環境値計算部113は、指定された期間に応じたサンプリング周期の計測値を用いて環境値を計算することができる。ここでセンシング部20が異なる周期で計測値を計測し、周期毎の計測値を計測値記憶部131に記録するようにしてもよいし、最も短いサンプリング周期で計測した計測値を計測値記憶部131に記録しておき、環境値計算部113が、指定された期間に応じた周期での計測値を計測値記憶部131から抽出するようにしてもよい。例えば、長期のトレンドを分析するようなロジックの場合には、長周期の(疎な)計測値を用いて環境値を計算することができ、短期の詳細な分析を行うロジックの場合には、短周期の(密な)計測値を用いて環境値を計算することができる。
【0037】
また、環境値計算部113は、充足された条件に対応する計算対象特定情報により特定される計測値を計測値記憶部131から読み出し、読み出した計測値に基づいて環境値を計算するようにしてもよい。
【0038】
また、環境値計算部113は、充足された条件に対応する計算対象特定情報により特定される計測値を、充足された条件に対応するロジック特定情報により特定されるロジックに与えて、環境値を計算するようにしてもよい。
【0039】
出力部114は、環境値を出力することができる。出力部114は、受信部111がリクエストを受信したことを契機として環境値を出力することができる。これにより必要なものを必要なときに出力することができる。
【0040】
また、出力部114は、条件が充足された場合に環境値を出力するようにしてもよい。これにより、条件が満たされたときに環境値を出力することができる。
【0041】
また、出力部114は、リクエストに指定された期間に対応する環境値を環境値記憶部から読み出して出力することができる。
【0042】
条件設定部115は、条件記憶部134の条件を設定する。条件設定部115は、外部装置3から条件を受信して、受信した条件を条件記憶部134に設定することができる。条件設定部115は、新規の条件を外部装置3から受信して、条件記憶部134に追加することもできるし、更新する条件を特定する情報と、条件とを受信して、特定した条件を更新するようにしてもよい。もちろん、条件設定部115は、計測対象特定情報及びロジック特定情報についても外部装置3から受信して条件記憶部134に条件とともに設定することができる。
【0043】
<動作>
図4は、本実施形態の情報処理装置1の動作を説明する図である。
【0044】
情報処理装置1は、センシング部30(コイル)による計測値を取得し(S401)、取得した計測値にロジックを適用して環境値を計算する(S402)。情報処理装置1は、外部装置3からのリクエストを受信した場合には(S403:YES)、条件が設定されていれば(S404:NO)、条件が充足されているときに(S405:YES)、環境値を出力することができる(S406)。
【0045】
以上のようにして、本実施形態の情報処理装置1によれば、外部からのリクエストに応じて環境値を出力することができるので、外部装置3にとっては、必要なものを必要なときに取得することができる。また、本実施形態の情報処理装置1によれば、条件を設定して条件が充足された場合に環境値を出力することができる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0047】
例えば、
図4ではリクエストを受信することを前提としたが、リクエストを受信しない場合でも、条件が充足された場合に、自動的に情報処理装置1から外部装置3に環境値を送信するようにすることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 情報処理装置
3 外部装置
4 計測対象
【要約】
【課題】センサから必要な情報を必要なときに入手することができるようにする。
【解決手段】情報処理装置であって、メモリを有するプロセッサと、センシング部と、情報処理装置が配置された環境に係る状態を示す環境値を出力する条件を記憶する条件記憶部と、条件が充足されたか否かを判定する判定部と、センシング部が取得した計測値に基づいて環境値を計算する環境値計算部と、条件が充足された場合に環境値を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1