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▶ オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-10
(45)【発行日】2023-01-18
(54)【発明の名称】航空輸送体の撮像及び照準システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20230111BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20230111BHJP
   F41G 3/00 20060101ALI20230111BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230111BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20230111BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20230111BHJP
【FI】
B64C39/02
B64D47/08
F41G3/00
G03B15/00
G03B35/08
G03B37/00 C
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018153262
(22)【出願日】2018-08-16
(65)【公開番号】P2019070510
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/550,331
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/027,683
(32)【優先日】2018-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500461860
【氏名又は名称】オーロラ フライト サイエンシズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ, ジェウ
(72)【発明者】
【氏名】パデュアーノ, ジェームズ ディー.
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0144756(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094251(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0067734(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105759834(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0198747(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64D 47/08
F41G 3/00
G03B 15/00
G03B 35/08
G03B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送体に取り付けられ且つ物体を撮像及び追跡する追跡システムであって、
プロセッサ(308、402a、802)に動作可能に接続された構造化された光源(304)、
前記プロセッサ(308、402a、802)に動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)(224c)であって、前記輸送体の位置を表す位置データを生成するように構成された、IMU(224c)、
前記光源から前記物体に向けて光を誘導する鏡(306)、並びに
800Hzより大きいリフレッシュ速度で画像を捕捉するように構成された第1のカメラ及び第2のカメラを有する立体視システムであって、前記プロセッサ(308、402a、802)に動作可能に接続され、前記位置データに応じて前記物体の三次元位置を決定するように構成された、立体視システム
を備える、追跡システム。
【請求項2】
前記鏡(306)が、前記鏡(306)の位置に応じて前記光源から前記物体に向けて前記光を誘導するように構成されており、前記プロセッサ(308、402a、802)が、前記鏡(306)の位置を調整するように構成されている、請求項1に記載の追跡システム。
【請求項3】
前記構造化された光源(304)が、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である、請求項1又は2に記載の追跡システム。
【請求項4】
前記構造化された光源(304)が、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である、請求項1から3のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項5】
前記立体視システムが、帯域通過フィルタを含む、請求項4に記載の追跡システム。
【請求項6】
前記鏡(306)が、電気機械システム(MEMS)鏡(306)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項7】
前記第1のカメラが第1の視野(FOV)を提供し、前記第2のカメラが第2のFOVを提供する、請求項1から6のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項8】
前記プロセッサ(308、402a、802)が、少なくとも部分的に前記IMU(224c)からの前記位置データに基づいて、前記鏡(306)、前記第1のカメラ、及び前記第2のカメラの各々の位置を制御するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の追跡システム。
【請求項9】
輸送体に取り付けられたセンサペイロードを使用して物体を撮像及び追跡する方法であって、
プロセッサ(308、402a、802)に動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)(224c)によって、前記輸送体の位置を反映した位置データを生成するステップ、
前記プロセッサ(308、402a、802)に動作可能に接続された構造化された光源(304)によって、光を生成するステップ、
(306)の位置に応じて、前記鏡(306)を介して前記構造化された光源(304)から前記物体に向けて前記光を誘導するステップであって、前記プロセッサ(308、402a、802)が前記鏡(306)の位置を調整するように構成されている、前記光を誘導するステップ、並びに
前記プロセッサ(308、402a、802)に接続された立体視システムによって、前記位置データに応じて前記物体の三次元位置を決定するステップであって、前記立体視システムが、800Hzより大きいリフレッシュ速度で画像を捕捉するように構成された第1のカメラ及び第2のカメラを備える、前記物体の三次元位置を決定するステップ
を含む、方法。
【請求項10】
前記構造化された光源(304)が、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記構造化された光源(304)が、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記鏡(306)が、電気機械システム(MEMS)鏡(306)である、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のカメラが第1の視野(FOV)を提供し、前記第2のカメラが第2のFOVを提供し、前記光が、前記第1のFOVと前記第2のFOVの各々の少なくとも一部分に重なる領域を照らす、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のFOVの少なくとも一部分が、前記第2のFOVの一部分と重なる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサ(308、402a、802)が、少なくとも部分的に前記IMU(224c)からの前記位置データに基づいて、前記鏡(306)、前記第1のカメラ、及び前記第2のカメラの各々の位置を制御するように構成されている、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月25日に出願された「Aerial Vehicle Imaging and Targeting System」と題された米国仮特許出願第62 / 550,331号の35 USC§119(e)に基づく利益を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の主題は、航空機、航空システム、及び航空システムと共に使用される仮想現実システムに関する。
【背景技術】
【0003】
既存の航空防衛システムは、即席の武器及び/又は監視システムを運搬するために使用され得る、購入可能な無人航空輸送体(UAV)などの、侵略的低価格UAVに対する防衛のために適切ではない。例えば、ロケット、ミサイル発射装置、及び迫撃砲に対する従来の防衛システムは、通常、対航空機用ミサイル又は銃(例えば、ファランクス(Phalanx)至近距離武器システム、CWIS)を含む。しかし、そのようなシステムは、しばしば、航空脅威によってもたらされる潜在的な危害と比較して桁違いに高価であり実際的ではない。他の防衛システムの解決策は、管で発射する小さい無人航空システム(UAS)を使用する。しかし、これらの管で発射するシステムは、とりわけ、発射体が管の内側にフィットすることを必要とするために、より遅く且つ/又はより操作しにくい。すなわち、サイズ決定の要件が、設計の犠牲(例えば、特定の操縦翼面の除去)をもたらす。
【0004】
理解され得るように、非対称攻撃を軽減するために、航空防衛システムは、所与の標的航空機又は物体(例えば、侵入的攻撃輸送体)の費用に匹敵する防衛的輸送体/航空機を採用すべきである。航空防衛システムは、多数の標的航空機に対して防衛を行うように更に構成されるべきである一方で、十分に速く操作しやすい防衛的航空機を使用して、標的航空機を途中で迎撃し且つ/又はさもなければ標的航空機の機能を無効にする。標的航空機を追跡するために、既存の対航空機システムは、ジンバル及び/又はタレットに取り付けられたセンサを使用する。これらの対航空機システムは、少し離れているところにある標的航空機に対しては適切であるが、それらは、近接した(すなわち、すぐ近くの)素早く動く物体/航空機に対しては適切ではない。したがって、航空防衛システムは、飛行中の近接した標的航空機を追跡し、撮像し、照準を合わせる、撮像システム及び方法を採用すべきである。
【0005】
航空防衛システム及びその防衛的航空機の遠隔制御、モニタリング、及び/又はテストを提供するために、航空防衛システムは、航空シミュレーション環境を生成するための仮想現実システムを更に採用し得る。航空シミュレーション環境を通じて、とりわけ、実験的飛行時間数を低減させること、飛行輸送体の事故に関連する技術的リスクを低減させること、並びに全ての潜在的なシナリオに対するアルゴリズムのロバスト性の種々の結果及び飛行ベースの検証の可能性をモデル化するためにシミュレーションを使用することを可能にすることによってテスト及び評価結果の適時性及び徹底性を改良することによって、低減された費用で改良された自律性が開発され評価され得る。
【0006】
以上のことに照らして、改良された対航空機システムが必要である。多数の侵略的輸送体に対抗して防御するように構成された対航空機システムも必要である。更に、例えば、現実世界の入力とシミュレートされた入力の両方を使用して、航空シミュレーション環境を生成する、仮想現実システム又は拡張現実システムが必要である。
【発明の概要】
【0007】
航空機、航空システム、及び航空システムと共に使用される仮想現実システムが、本明細書で開示される。
【0008】
第1の態様によれば、輸送体に取り付けられ且つ物体を撮像及び追跡する追跡システムは、プロセッサに動作可能に接続された構造化された光源、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)であって、輸送体の位置を表す位置データを生成するように構成された、IMU、光源から物体に向けて光を誘導する鏡、並びに第1のカメラ及び第2のカメラを有する立体視システムであって、プロセッサに動作可能に接続され、位置データに応じて物体の三次元位置を決定するように構成された、立体視システムを備える。
【0009】
特定の態様では、鏡が、鏡の位置に応じて光源から物体に向けて光を誘導するように構成されており、プロセッサが、鏡の位置を調整するように構成されている。
【0010】
特定の態様では、構造化された光源が、LED又はレーザー光源である。
【0011】
特定の態様では、構造化された光源が、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0012】
特定の態様では、立体視システムが、450nmの帯域通過フィルタを含む。
【0013】
特定の態様では、構造化された光源が、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0014】
特定の態様では、立体視システムが、帯域通過フィルタを含む。
【0015】
特定の態様では、鏡が、電気機械システム(MEMS)鏡である。
【0016】
特定の態様では、第1のカメラが第1の視野(FOV)を提供し、第2のカメラが第2のFOVを提供する。
【0017】
特定の態様では、構造化された光源が、第1のFOVと第2のFOVの各々の少なくとも一部分に重なる光を生成するように構成されている。
【0018】
特定の態様では、第1のFOVの少なくとも一部分が、第2のFOVの一部分と重なる。
【0019】
特定の態様では、立体視システムが、ユニバーサルシリアルバス(USB)を介して、プロセッサと動作可能に接続されている。
【0020】
特定の態様では、プロセッサが、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡、第1のカメラ、及び第2のカメラの各々の位置を制御するように構成されている。
【0021】
特定の態様では、輸送体が、動いている航空機及び物体である。
【0022】
第2の態様によれば、輸送体に取り付けられたセンサペイロードを使用して物体を撮像及び追跡する方法は、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)によって、輸送体の位置を反映した位置データを生成するステップ、プロセッサに動作可能に接続された構造化された光源によって光を生成するステップ、鏡であって、プロセッサが鏡の位置を調整するように構成された、鏡の位置に応じて鏡を介して構造化された光源から物体に向けて光を誘導するステップ、並びにプロセッサに接続された立体視システムであって、第1のカメラ及び第2のカメラを備えた、立体視システムによって、位置データに応じて物体の三次元位置を決定するステップを含む。
【0023】
特定の態様では、構造化された光源が、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0024】
特定の態様では、構造化された光源が、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0025】
特定の態様では、鏡が、電気機械システム(MEMS)鏡である。
【0026】
特定の態様では、第1のカメラが第1の視野(FOV)を提供し、第2のカメラが第2のFOVを提供し、光が、第1のFOVと第2のFOVの各々の少なくとも一部分に重なる領域を照らす。
【0027】
特定の態様では、第1のFOVの少なくとも一部分が、第2のFOVの一部分と重なる。
【0028】
特定の態様では、プロセッサが、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡、第1のカメラ、及び第2のカメラの各々の位置を制御するように構成されている。
【0029】
第3の態様によれば、動いている物体を撮像及び追跡する航空機が、機体、機体に取り付けられ且つプロセッサに動作可能に接続された構造化された光源、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)であって、航空機の位置を表す位置データを生成するように構成された、IMU、鏡の位置に応じて光源から光を誘導する鏡であって、プロセッサが鏡の位置を調整するように構成された、鏡、並びに第1のカメラ及び第2のカメラを有する立体視システムであって、機体に取り付けられ且つプロセッサに動作可能に接続され、航空機に対して動いている物体の三次元位置を決定するように構成された、立体視システムを備える。
【0030】
特定の態様では、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡が、光源から動いている物体に向けて光を誘導するように構成されている。
【0031】
特定の態様では、プロセッサが、航空機に装備された音響センサからの入力に基づいて、鏡の位置を制御するように構成されている。
【0032】
特定の態様では、構造化された光源が、LED又はレーザー光源である。
【0033】
特定の態様では、構造化された光源が、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0034】
特定の態様では、立体視システムが、450nmの帯域通過フィルタを含む。
【0035】
特定の態様では、構造化された光源が、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源である。
【0036】
特定の態様では、立体視システムが、青い帯域通過フィルタを含む。
【0037】
特定の態様では、鏡が、電気機械システム(MEMS)鏡である。
【0038】
特定の態様では、プロセッサが、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡の位置、第1のカメラ、及び第2のカメラの各々を制御するように構成されている。
【0039】
本発明の一実施形態は、輸送体に取り付けられ且つ物体を撮像及び追跡する追跡システムは、プロセッサに動作可能に接続された構造化された光源、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)であって、輸送体の位置を表す位置データを生成するように構成された、IMU、光源から物体に向けて光を誘導する鏡、並びに第1のカメラ及び第2のカメラを有する立体視システムであって、プロセッサに動作可能に接続され、位置データに応じて物体の三次元位置を決定するように構成された、立体視システムを含む。鏡は、鏡の位置に応じて光源から物体に向けて光を誘導するように構成され、プロセッサは、鏡の位置を調整するように構成され得る。これは、操作性を高めることとなる。構造化された光源は、450~495nmの光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源であり得る。構造化された光源は、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源であり得る。立体視システムは、帯域通過フィルタを含む。各特性は、特定の状態において性能を高めることができる。鏡は、電気機械システム(MEMS)鏡であり得る。第1のカメラは第1の視野(FOV)を提供し、第2のカメラは第2のFOVを提供し得る。これは、デバイスのユーザフレンドリーな性質を高める。構造化された光源は、第1のFOVと第2のFOVの各々の少なくとも一部分に重なる光を生成するように構成され得る。プロセッサは、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡、第1のカメラ、及び第2のカメラの各々の位置を制御するように構成され得る。輸送体は、動いている航空機及び物体であり得る。
【0040】
本発明の別の一実施形態は、輸送体に取り付けられたセンサペイロードを使用して物体を撮像及び追跡する方法を含み、該方法は、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)によって、輸送体の位置を反映した位置データを生成するステップ、プロセッサに動作可能に接続された構造化された光源によって光を生成するステップ、鏡であって、プロセッサが鏡の位置を調整するように構成された、鏡の位置に応じて鏡を介して構造化された光源から物体に向けて光を誘導するステップ、並びにプロセッサに接続された立体視システムであって、第1のカメラ及び第2のカメラを備えた、立体視システムによって、位置データに応じて物体の三次元位置を決定するステップを含む。構造化された光源は、450~495nmの波長の光スペクトルを有する光を生成するように構成された、レーザー光源であり得る。構造化された光源は、青い光スペクトルの波長を有する光を生成するように構成された、レーザー光源であり得る。鏡は、電気機械システム(MEMS)鏡であり得る。第1のカメラは第1の視野(FOV)を提供し、第2のカメラは第2のFOVを提供し、光が、第1のFOVと第2のFOVの各々の少なくとも一部分に重なる領域を照らし得る。第1のFOVの少なくとも一部分は、第2のFOVの一部分と重なり得る。プロセッサは、少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡、第1のカメラ、及び第2のカメラの各々の位置を制御するように構成され得る。
【0041】
本発明の別の一実施形態は、動いている物体を撮像及び追跡する航空機を含み、該航空機が、機体、機体に取り付けられ且つプロセッサに動作可能に接続された構造化された光源、プロセッサに動作可能に接続された慣性測定ユニット(IMU)であって、航空機の位置を表す位置データを生成するように構成された、IMU、鏡の位置に応じて光源から光を誘導する鏡であって、プロセッサが鏡の位置を調整するように構成された、鏡、並びに第1のカメラ及び第2のカメラを有する立体視システムであって、機体に取り付けられ且つプロセッサに動作可能に接続され、航空機に対して動いている物体の三次元位置を決定するように構成された、立体視システムを備える。少なくとも部分的にIMUからの位置データに基づいて、鏡は、光源から動いている物体に向けて光を誘導するように構成され得る。プロセッサは、航空機に装備された音響センサからの入力に基づいて、鏡の位置を制御するように構成され得る。
【0042】
本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法の上述の或いは他の目的、特徴、及び利点は、それらの特定の実施形態の以下の説明から明らかとなる。その際に、添付の図面が示され、類似の番号が類似の構造物を指す。図面は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、その代わりに、本明細書で説明されるデバイス、システム、及び方法の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】例示的な航空防衛システムを示す。
図2a】例示的な多回転翼垂直離着陸(VTOL)防衛的UAVを示す。
図2b】例示的な多回転翼垂直離着陸(VTOL)防衛的UAVを示す。
図2c】例示的な多回転翼垂直離着陸(VTOL)防衛的UAVを示す。
図2d】防衛的UAVのための例示的な航空機制御システムのブロック図を示す。
図2e】例示的な係留された多回転翼VTOL防衛的UAV配置を示す。
図2f】例示的な係留された多回転翼VTOL防衛的UAV配置を示す。
図2g】例示的な係留された多回転翼VTOL防衛的UAV配置を示す。
図3a】例示的なカメラベースのシーカーシステムを示す。
図3b】例示的なカメラベースのシーカーシステムを示す。
図4】例示的な地上保管システムを示す。
図5a】例示的な宙吊りの保管システムを示す。
図5b】例示的な宙吊りの保管システムを示す。
図5c】例示的な宙吊りの保管システムを示す。
図6a】様々な例示的ディスプレイスクリーンを有する例示的なHMIデバイスを示す。
図6b】様々な例示的ディスプレイスクリーンを有する例示的なHMIデバイスを示す。
図6c】様々な例示的ディスプレイスクリーンを有する例示的なHMIデバイスを示す。
図6d】様々な例示的ディスプレイスクリーンを有する例示的なHMIデバイスを示す。
図7a】UAV登録中の防衛的UAVとC-RAM C2 システムとの間の例示的なメッセージ交換シーケンスを示す。
図7b】UAV登録中の防衛的UAVとC-RAM C2 システムとの間の例示的なメッセージ交換シーケンスを示す。
図8】例示的な仮想現実シミュレーションシステムを示す。
図9a】防衛的UAVのセンサペイロードによって捕捉された例示的な現実世界空間を示す。
図9b】仮想現実の任意の障害物に重ね合わされた図9aの例示的な現実世界空間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の好適な実施形態が、添付の図面を参照しながら以下で説明されることとなる。図面における構成要素は必ずしも正確な縮尺で描かれておらず、むしろ、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。例えば、要素のサイズは、説明の明快さ及び利便性のために強調され得る。更に、可能な場合には、一実施形態の同じ又は類似の部品に言及するのに、図面全体を通して同じ参照番号を使用する。以下の説明では、よく知られている機能又は構造は詳細に説明されない。何故ならば、それらは、本発明を不必要な詳細において曖昧にし得るからである。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0045】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中の他のところで示されない限り、範囲内に入る任意の及び全ての値を個別に参照することを制限するものではなく、そのような範囲内の各個別の値は、本明細書で個別に挙げられているように本明細書の中に組み込まれる。「約」、「近似的に」などの用語は、数値に付随しているときに、意図された目的のために満足に動作すると当業者によって認められた偏差を示すものと解釈されるべきである。値及び/又は数値の範囲は、例示的なものとしてのみ本明細書で提供され、説明される実施形態の範囲の限定を構成しない。本明細書で提供される任意の実施例又は例示的な言語(「例えば」、「などの」など)の使用は、単に優れて実施形態を示すことを意図するのみであり、実施形態の範囲を限定するものではない。明細書中の如何なる言葉も、実施形態の実施に必須である請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0046】
以下の説明では、「第1の」、「第2の」、「上」、「底」、「側」、「前」、「後」などの用語が、利便性のための用語であり、限定的な用語として解釈されるべきでない。本明細書で提供される様々なデータ値(例えば、ボルト、秒など)は、1以上の他の所定のデータ値によって代替され、したがって、限定的なものではなくむしろ例示的なものとして見られるべきである。本開示に対して、以下の用語と定義が適用される。
【0047】
「航空輸送体」及び「航空機」という用語は、非限定的に、固定翼航空機、無人航空輸送体(UAV)、可変翼航空機、及び垂直離着陸(VTOL)航空機を含む、飛行することができる機械を指す。
【0048】
「及び/又は」という用語は、「及び/又は」によって接合されるリスト内の項目の任意の1以上を意味する。一実施例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x)、(y)、(x、y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x及び/又はy」は、「xとyのうちの一方又は両方」を意味する。別の一実施例として、「x、y、及び/又はz」は、7つの要素の組{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えると、「x、y、及び/又はy」は、「x、y、及びzのうちの1以上」を意味する。
【0049】
「回路」及び「電気回路」という用語は、物理的電子部品(すなわち、ハードウェア)、並びに、ハードウェアを構成し、ハードウェアによって実行され、且つ/又はさもなければハードウェアに関連し得る、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)を指す。本明細書で使用される際に、例えば、特定のプロセッサ及びメモリは、コードの1以上のラインの第1の組を実行するときに第1の「回路」を備え、コードの1以上のラインの第2の組を実行するときに第2の「回路」を備え得る。本明細書で使用される際に、(例えば、ユーザが構成可能な設定、工場での調整などによって)機能の実行が不可能であるか又は可能でないか否かに関わりなく、回路が機能を実行するために必要なハードウェア及び(もし必要ならば)コードを備えるときはいつでも、回路は、機能を実行するために「動作可能」である。
【0050】
本明細書で使用される際に、「通信する」及び「通信している」という用語は、ソースから目的地へデータを送信する又はさもなければ搬送すること、並びに目的地に搬送されるべきデータを、通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、デバイス、ワイヤー、ケーブル、ファイバー、回路、及び/又はリンクに送達することを指す。本明細書で使用される際に、「通信(communication)」という用語は、そのように伝達されるか又は配信されるデータを意味する。本明細書で使用される際に、「通信(communications)」という用語は、通信媒体、システム、チャネル、ネットワーク、デバイス、ワイヤー、ケーブル、ファイバー、回路、及び/又はリンクのうちの1以上を含む。
【0051】
本明細書で使用される際に、「に接続される」及び「と接続される」という用語は、各々、2以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、及び/又は手段の間の関係性を意味する。その関係性は、(i)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかに関わらず、接続、(ii)直接的にか又は1以上の他のデバイス、装置、ファイル、回路、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段を介してかにかかわらず、通信関係、並びに/又は(iii)任意の1以上のデバイス、装置、ファイル、要素、機能、動作、プロセス、プログラム、媒体、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、又は手段の動作が、全体的に又は部分的に、それらのうちの任意の他の1以上の動作に応じる、機能的な関係のうちの任意の1以上を構成する。
【0052】
本明細書で使用される際に「データ」という用語は、恒久的であるか又は一時的であるかに関わらず、視覚的、聴覚的、音響的、電気的、磁気的、電磁的、又はさもなければ明示されたかに関わらず、しるし、信号、マーク、シンボル、ドメイン、シンボルセット、表現、及び情報を表す任意の他の物理的形態(複数可)を意味する。
「データ」という用語は、異なる物理的形態(複数可)を採る対応する情報の任意の及び全ての表現を包含する、1つの物理的形態を採る所定の情報を表すために使用され得る。
【0053】
本明細書で使用される際に「データベース」という用語は、データ又はデータの組織化された本体が表現されるやり方に関わりなく、関連するデータの組織化された本体を意味する。例えば、関連するデータの組織化された本体は、表、マップ、グリッド、パケット、データグラム、フレーム、ファイル、Eメール、メッセージ、文書、レポート、リスト、又は任意の他の形態のうちの1以上の形態を採り得る。
【0054】
「例示的な」という用語は、「実施例、事例、又は例示として働く」ことを意味する。本明細書で説明される実施形態は、限定的ではなく、むしろ例示的のみである。説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好適であり又は有利であると解釈されないことが、理解されるべきである。更に、「本発明の実施形態」、「実施形態」、又は「発明」という用語は、本発明の全ての実施形態が、説明された特徴、利点、又は動作のモードを含むことを必要としない。
【0055】
「メモリデバイス」という用語は、プロセッサによって使用されるために情報を記憶するコンピュータハードウェア又は回路を意味する。メモリデバイスは、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CDROM)、電気光学メモリ、磁気光学メモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、コンピュータ可読媒体などの、任意の適切な種類のコンピュータメモリ又は任意の他の種類の電子記憶媒体であり得る。
【0056】
本明細書で使用される際に、「ネットワーク」という用語は、インターネットを含む全ての種類のネットワークと相互間ネットワークの両方を含み、任意の特定のネットワーク又は相互間ネットワークに限定されない。
【0057】
「プロセッサ」という用語は、ハードウェアに実装されていてもソフトウェアに明白に具現化されていても又はそれらの両方でも、それがプログラム可能であってもそうではなくても、プロセッサデバイス、装置、プログラム、回路、構成要素、システム、及びサブシステムを意味する。「プロセッサ」という用語は、1以上のコンピュータデバイス、配線回路、信号修正デバイス及びシステム、システムを制御するためのデバイス及び機械、中央処理装置、プログラマブルデバイス及びシステム、フィールドプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、チップ上のシステム、離散した要素及び/又は回路を備えたシステム、状態機械、仮想機械、データプロセッサ、処理設備、並びにそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。例えば、プロセッサは、任意の種類の汎用マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、デジタル信号処理(DSP)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。プロセッサは、メモリデバイスに接続され又はメモリデバイスと統合され得る。
【0058】
標的航空機などの標的物体を途中で迎撃するための航空システムが、本明細書で開示される。一態様では、航空システムが、標的航空機に攻撃するための1以上の改良された民生品(COTS)航空機(例えば、UAV)を採用し得る。例えば、COTS UAVは、改良された通信及びセンサペイロード並びに/又は1以上の標的中立化デバイスの設置を通じて、防衛的航空機(例えば、迎撃航空機)へと変形され得る。
【0059】
本開示の航空防衛システムの目的は、多数の防衛的航空機を有する積み込み型の保管及び発射システムを通じて、防衛的航空機と標的航空機の費用を一致させるよう近づけることである。開示されるように、航空防衛システムの保管及び発射ユニットは、例えば、戦闘前哨(COP)、遠隔主要操作基地(MOB)、及び/又は前方操作基地(FOB)へ配備され(又はそれらから展開され)るのに十分軽量であり単純であり得る。低費用アプローチは、従来から危険過ぎると考えられてきたが、本開示の航空防衛システムのモジュール式インフラ(例えば、飛行制御、ホーミングシステム、操縦及びホーミングのためのアルゴリズム及びハードウェア、追跡システムとの通信、ヒューマンマシンインターフェースデバイスなど)は、携帯性及び更新性を許容し、それによって、構成要素の更新及び交換を可能にする一方で、より高い能力の輸送体及び飛行ハードウェアとの将来の使用を可能にする。更に、本開示の航空防衛システムは、プラットフォームにとらわれなくてもよい。したがって、脅威がより高速且つより操作性が高ければ、防衛的UAVは、それに対応して更新され得る一方で、そのインフラは、時代遅れになることはないだろう。例えば、防衛的航空機の操縦及びホーミングための追跡システム、アルゴリズム、ハードウェア、並びに(1以上の)ヒューマンマシンインターフェースなどの、様々な防衛システムが再使用され得る。本開示の主題が概して航空防衛に関して説明される一方で、本開示の主題は、事実上あらゆるCOTS航空機(例えば、ドローン)が既存の国防システムと通信することを可能にするために、それらの航空機と共に使用される。それは、この特定のミッションのためであるか又は(例えば、USAIDによる地域の三次元(3D)マッピング、津波の後の救援団などを通じた)任意の他のミッションのためであるかに関わらずである。
【0060】
特定の態様では、本開示の航空防衛システムが、仮想現実ハードウェアインループセンサシミュレーションを実行するためのシステム及び方法を組み込み得る。テスト及び評価のための様々な技術は、ドローン防衛に限定される必要はないが、むしろ多数の異なるシステムと共に採用され得る。例えば、航空システムは、仮想(又は拡張)現実、実際の防衛的UAVを使用したナビゲーション及び制御アルゴリズムのインフライトテストを容易にする。説明されることとなるように、仮想現実システムは、例えば、現実世界の入力と(例えば、仮想/拡張現実シミュレーションシステムからの)シミュレートされた入力との両方を使用して、航空シミュレーション環境を生成し得る。すなわち、物理的な防衛的UAVは、現実世界の環境内で操縦され得る(例えば、飛行し得る)が、仮想世界からシミュレートされたセンサフィードバック入力を受信する。仮想世界は、内部に具現化されたソフトウェアを有する非一過性のメモリデバイスに動作可能に接続された1以上の遠隔に配置された高性能グラフィックスプロセッサによって生成され得る。動作では、航空シミュレーション環境が、仮想又は拡張現実ソフトウェア及びハードウェアを使用してリアルタイムの性能を提供し得る。それらのソフトウェアおよびハードウェアは、実際の測定された防衛的航空機の位置と緊密に結合され得る。実際の位置は、搭載型全地球測位システム(GPS)及び/又は慣性航法システム(INS)を使用してリアルタイムで又はほぼリアルタイムで決定され得る。特定の態様では、リアルタイムの動的干渉測位(RTK)GPSが、種々の動作状態の下で防衛的航空機をテストするために使用され得る。
【0061】
本開示の航空防衛システムは、先行の解決法に対する幾つかの利点を提供する。例えば、費用が懸念される場合に、この航空防衛システムの利点はその低費用である。その低費用は、とりわけ、COTS航空機の基本的な構造を通じて実現され得る。更に、ほとんどの高価な構成要素(例えば、標的システム、無線機、熱/バッテリ整備ハードウェア及びソフトウェア)は、防衛的航空機毎に繰り返される必要はなく、むしろ、それらは、航空防衛システム毎にのみ繰り返される必要があるので、航空防衛システムをより効果的且つ安価にスケールアップする能力が実現され得る。特定の態様では、航空防衛システムが、多くの同じ位置に配置された又は積み重ねられた構成要素に対して拡大縮小可能であり且つ従順な携帯型の保管システムの設計も採用し得る。VTOL防衛的航空機が使用される場合には、他の解決策と比較して展開が極端に低費用である。他の解決策は、しばしば、航空機(例えば、管で発射する航空機)を飛行速度まで加速するために、強力なデバイスを必要とする。例えば、COTS VTOLの競走用ドローンを基本的な輸送体として使用することは、現在の管で発射する解決策よりも効果的である。搭載型カメラベースの照準システム及び搭載型標的中立化デバイスの使用は、かなり高価な解決策と類似した精度を実現する低費用システムを可能にする。更に、能動的な(例えば、レーダー、リーダー(LiDAR))及び受動的な(例えば、赤外線、音響など)センサの両方を含む、COTSセンサの他の組み合わせは、輸送体を標的の近傍へ誘導する地上ベースのシステムを超える精度の改良に対処するために、センサを配置するというコンセプトを更に実現し得る。
【0062】
図1は、日中と夜間の両方の防衛活動能力を提供し得る、例示的な航空防衛システム100を示している。航空防衛システム100は、脅威能力が増加する(例えば、より高い速度、加速、及び高度)際により能力が高い輸送体へ遷移することの短期的な実現とその能力の両方を有する航空機防衛への、低費用COTSベース小型無人航空システム(SUAS)のアプローチを可能にする。航空防衛システム100の主要な構成要素は、概して、3つのサブシステムに分割され得る。すなわち、(1)飛行制御、ホーミング、及び通信を提供するための搭載型のモジュール式迎撃ドローンアビオニクスセット(MIDAS)、(2)オペレータの相互作用を提供するためのヒューマンマシンインターフェース(HMI)デバイス114、並びに(3)地上又は海洋ベースの機体、打破、及び発射の構成要素である。様々なサブシステムが、各々、以下でより詳細に説明される。航空防衛システム100の機体、打破、及び発射の構成要素は、既存の軍事防衛システムとの即座の統合を可能にする、カウンターロケット、ミサイル発射装置、及び迫撃砲(C-RAM)コマンド及び制御(C2)システム110を含み又はそれらと両立し得る。C-RAM C2 システム110は、空中にある迫りくるミサイル発射装置、ロケット、及び迫撃砲が、それらの地上の標的を打つ前に、それらを検出し早く警告を提供するためのセンサスイート(sensor suite)を提供する。示されているように、航空防衛システム100は、概して、1以上の防衛的UAV102(例えば、VTOL UAV又は別の1つの航空機)、HMIデバイス114、並びに機体、打破、及び発射の構成要素を備える。その構成要素は、概して、1以上の航空機(例えば、UAV)保管システム106、及びC-RAM C2 システム110と通信する地上ベースの航空機(例えば、UAV)コントローラ108を含む。示されているように、機体、打破、及び発射の構成要素は、携帯可能なプラットフォーム(例えば、車輪が付けられたベース)に取り付けられ得るか又は静止していてもよい。
【0063】
航空防衛システム100は、C-RAM C2 システム110(又は別の1つの照準システム)と通信する高レベルのシステムとして集合的に動作する一連の機能を実行し得る。すなわち、C-RAM C2 システム110からのコマンドは、1以上の無線機を介した入力として機体、打破、及び発射の構成要素に統合され得る。少なくとも部分的にこれらのコマンドに基づいて、プロトコルに従って、C-RAM C2 システム110からの信号(例えば、C2信号)に応答して、準備し、武器を備え、(脅威が検出されたときに)(例えば、UAV保管システム106から)防衛的UAV102を発射することができる。特定の態様では、軽量なカウンター迫撃砲レーダー(LCMR)(例えば、AN/TPQ-49又は50)が使用されて、C-RAM C2 システム110の代わりに脅威追跡を提供し得る。コマンドと制御は、地上のオペレータからも入って来るだろう。この場合、オペレータは、標的の見通し線観察、手で握ることができる照準デバイス、又は標的の位置、機首方位、及び速度を評価するための他の手段に基づいて、照準情報を提供する。これらの場合の各々では、C-RAM C2又は他のシステム110と航空防衛システム100との間の通信は、軍事帯域無線機セット(例えば、R05010-レーダーデータトランスファーシステムAN/TSCと類似する、Rajant無線機)を使用して実行され得る。代替的に、オペレータは、標的輸送体を検出し位置特定するために、他の搭載型システムにとって必要な範囲内に手動で輸送体を飛ばし得る。
【0064】
航空防衛システム100の様々な構成要素は、各々、効果的な低費用の解決策を保証するために、統合された様式で協働する特有の能力を提供する。UAV保管システム106内に収容され得る防衛的UAVは、UAVコントローラ108を通じて維持され更新され得る。航空機の管理と通信を容易にするUAVコントローラ108は、電力接続(例えば、ケーブル、接触、無線機、チャージなど)及び有線/無線データリンクを通じて、防衛的UAV102に接続され得る。UAVコントローラ108は、UAV保管システム106から分離され又は統合され得る。各防衛的UAV102は、直接的にか又は中間/リレーデバイス(例えば、UAVコントローラ108及び/又はHMIデバイス114)を通じてかの何れかで、標的システム(例えば、C-RAM C2 システム110)と通信する搭載型のシステム及び無線機を含み得る。例えば、UAVコントローラ108及び/又はHMIデバイス114は、受信及び中継の機能を提供するように働き得る。特定の態様では、HMIデバイス114が、標準的なタブレット又は携帯電話を介して、1以上のソフトウェア構成要素(例えば、アプリケーション)を提供し得る。標準的なタブレット又は携帯電話は、単純な初期化及び武装化コマンドを提供し、防衛的UAV102とUAVコントローラ108の両方からステータス情報及び警告を受信する。HMIデバイス114は、防衛的UAV102を標的に向けて飛行させるための直接的な制御機構としても働き得る。
【0065】
所望なときに、防衛的UAV102は、地上装備(例えば、UAV保管システム106/UAVコントローラ108)と通信するための低費用の無線機、標的航空機104に照準を合わせるための低費用のカメラなどの、低費用の搭載型COTSの構成要素を使用し得る。実際、無線機は、UAVコントローラ108と通信可能に接続され得る。UAVコントローラ108は、規制される防衛的UAV102の各々の、温度、バッテリ充電、バッテリ温度、及び全体の健全性を維持する。一方で、UAVコントローラ108は、(例えば、より高価な無線機を介して)照準システムからコマンド及び制御信号を、航空防衛システム100内の全ての防衛的UAV102へ中継し、それによって、航空防衛システム100全体の費用を最小に維持しながら、多数の輸送機の照準を可能にする。UAV保管システム106は、システムの発射部分と地上部分との間の管理可能でポジティブな相互接続を提供し、全ての構成要素を保護し統合し、トラブルがなく信頼できる発射を提供する。HMIデバイス114は、機能に対する接続性を提供し、設定、長期間の健全性モニタリング、及び発射後の決定(この最後のものは任意選択的である)を容易にする。低費用の構成要素及びアプローチが好適であるが、より高度な品質又は軍事特有の構成要素が必要とされ又は所望である場合には、それらは必ずしも必要ではない。
【0066】
防衛的UAV102
航空防衛システム100は、低費用のモジュール式アビオニクスセット又はキットを、様々なCOTS UAVに適合させて、それらを防衛的UAVに変形することを可能にする。モジュール式の迎撃ドローンのアビオニクスセット(MIDAS)が使用されて、事実上あらゆるCOTS UAVを防衛的UAV102に変形することができる。COTS UAVを防衛的UAV102に変形するために必要とされる修正の費用を低減させることは、高フレーム速度のカメラ(及び関連する埋め込まれたソフトウェア)の使用、及び既存の照準システムと通信するように設計されたより中央集中式でより高価なシステムと通信する非常に低費用の無線機の使用を通じて実現され得る。例えば、航空防衛システム100は、2以上の防衛的UAV102を採用し得る。それらの各々は、改良された飛行制御則、特別な照準カメラ、標的中立化デバイス、及び低遅延(low-latency)の無線機を用いて修正される。防衛的なUAV102は、GPS及び慣性構成要素に対する更新も含み得る。
【0067】
理解され得るように、一人称視点(FPV)のUAVは、非常に小さく、低費用で、操作性が高い。したがって、搭載型のMIDASシステムの重量は、軽量(例えば、100g未満)であって、FPVレーサー及び他の小さいUAVとの互換性を可能にする。例えば、FPV UAVは、10,000フィート/分の上昇速度、120キロノットまでの速度上昇、及び4より大きい推力/重量比(4g操縦)を実現するように装備され得る。これらのUAVがとりわけカメラベースの照準システムを含むように修正することによって、且つ、それらの飛行制御システム/ソフトウェアを更新することによって、UAVは、典型的な市販のドローンの非常に短い距離(0.5m未満)の範囲内に影響を与えるか又は入るかの何れかの能力を有する防衛的UAV102に変形され得る。
【0068】
動作では、防衛的UAV102が、(例えば、直接的にか又はUAVコントローラ108若しくはHMIデバイス114を介してかの何れかで)C-RAM C2 システム110からコマンドを受信し、複数の誘導技術のうちの1つを介して、検出された脅威(例えば、標的航空機104)に向かって操縦し、その脅威と交戦し得る。例示的な誘導技術は、高い閉鎖速度(closure rate)で迅速な応答の第1パスを提供する高速応答衝突モード、及び、武器が標的航空機104へ向けられ機銃掃射パスを実行するためのより長い時間を提供する、空中戦に類似した、トレーリング(チェイス)モードを含む。本明細書で使用される際に、機銃掃射という用語は、移動するベース(例えば、航空機)から、直接的な打撃が保証されるように標的の相対的な動きを考慮して(例えば、標的を「先導して」)、標的に向けて武器の単一の又は多数のラウンドの何れかを発射することを指す。特定の態様では、防衛的UAV102が、例えば、遠隔のコントローラ232を使用して、パイロットが手を放しそれを引き受ける能力を組み込み得る。防衛的UAV102は、準備完了状態のUAV保管システム106内に保管され、(例えば、C-RAM C2 システム110によって)合図されたときに、迎撃操縦を実行して、標的の近傍範囲内に入り得る。
【0069】
航空防衛システム100と共に使用されるのに適切な航空機は、図2aから図2cで示されている多回転翼防衛的UAV102を含む。示されているように、防衛的UAV102は、概して、機体202(例えば、胴体又は他の構造体)、各角部から且つ/又は機体202から径方向に延在する複数のローターブーム204(例えば、長手方向のブーム)、着陸装置210、及び複数のプロパルサー208を備える。着陸装置210のポスト及び複数のローターブーム204は、単一のユニットとして、又は互いに連結された分離した構成要素として製造され得る。図面全体を通して多回転翼防衛的VTOL UAVが示されているが、本開示の教示は、とりわけ、固定翼、回転翼、多回転翼などを含む、他の航空機にも同様に適用され得る。
【0070】
複数のローターブーム204の遠位端が、機体202から実質的に径方向へ延在するように、機体202は、複数のローターブーム204の各々の近位端に連結され得る。機体202及び複数のローターブーム204は、単一のユニットとして、又は互いに連結される分離した構成要素として製造され得る。複数のローターブーム204の各々の遠位端は、プロパルサー208に連結され、プロパルサー208の各々は、プロペラ208bに連結され且つプロペラ208bを駆動/回転させるように構成されたリフトモータ208aとして示されている。前記複数のプロパルサー208の各々は、ローターブーム204の遠位端に配置され、(機体202に対して)推力を下向きに向けるように方向付けられている。リフトモータ208aは、電子速度コントローラ(ESC)206を介して制御される電気モータであり得る。その目的のために、ESC206は、例えば、リフトモータ208aに隣接し且つローターブーム204の遠位端に統合された(又はさもなければ連結された)ものとしても提供され得る。防衛的UAV102は、4つのプロパルサー208を有するもの(すなわち、4つの回転翼の航空機)として示されているが、当業者は、更なる又はより少ないプロパルサー208が採用されて、例えば、推力要件に応じて所望の機能を実現し得ることを理解するだろう。
【0071】
図2dは、防衛的UAV102のための例示的な航空機制御システムのブロック図を示している。航空機制御システムは、防衛的UAV102の様々な航空機の構成要素及び機能を制御するように構成されている。示されているように、防衛的UAV102は、少なくとも1つのメモリデバイス218、飛行コントローラ220、航空機無線トランシーバー222(例えば、所望の場合には、低費用の無線機)、ナビゲーションシステム224、及び、所望の場合には、標的中立化デバイス234(例えば、展開可能な網112、発射デバイス230など)と通信可能に接続された、1以上の航空機プロセッサ216を含む。航空機プロセッサ216は、メモリデバイス218(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリなど)に記憶された指示命令(例えば、ソフトウェア)及び1以上のデータベースに少なくとも部分的に基づいて、1以上の動作を実行し得る。
【0072】
航空機無線トランシーバー222は、防衛的UAV102とHMIデバイス114との間でデータを通信するためのアンテナ212、別の1つの遠隔デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、及びラップトップコンピュータなどの、携帯型の電子デバイス)、並びに/又は他のコントローラ(例えば、基地局)と接続され得る。例えば、防衛的UAV102は、直接的に又は(例えば、ネットワーク228を介して又は中間中継デバイスを使用して)間接的に、遠隔デバイス(例えば、UAV保管システム106、UAVコントローラ108、C-RAM C2 システム110、HMIデバイス114など)と、データ(処理されたデータ、処理されていないデータなど)を通信し得る。(1以上の)遠隔デバイスは、防衛的UAV102と、センサペイロード226を含むその(1以上の)ペイロードのモニタリング及び/又は制御を容易にし得る。航空機の無線トランシーバー222は、ブルートゥース(例えば、2.4から2.485GHzまでの工業、科学、及び医療(ISM)帯域の短波長超高周波数(UHF)電波)、近距離無線通信(NFC)、Wi-Fi(例えば、米国電気電子学会(IEEE)802.11標準)などの、1以上の無線標準を使用して通信し得る。特定の態様では、無線トランシーバー222が、手で握る遠隔コントローラ232と無線で通信し得る。例えば、防衛的UAV102が、オペレータの見える範囲内にある場合、そのオペレータは、遠隔コントローラ232を介して、手動制御(又は自動操縦を無効にすること)をとることを望むかもしれない。
【0073】
航空機プロセッサ216は、航空機の無線トランシーバー222を介して、オペレータ、自動操縦、ナビゲーションシステム224、又は他の高レベルのシステムからのコマンドに応答して、様々なアクチュエータ(例えば、標的中立化デバイス234を作動/展開/始動/後退させるもの、及び任意の飛行表面の動きを制御するもの)、並びに/又は(例えば、ESC206を介した)リフトモータ208aの動作を制御するように、飛行コントローラ220と動作可能に接続され得る。特定の態様では、航空機プロセッサ216及び飛行コントローラ220が、単一の構成要素又は回路の中へ統合され得る。動作では、飛行コントローラ220が、防衛的UAV102のロール、ピッチ、ヨーを制御するESC206を介して、飛行の様々な段階(例えば、離陸、巡航、着陸)の間に、各ローターブーム204上のリフトモータ208aの各々からの推力を、動的に(すなわち、リアルタイムで又はほぼリアルタイムで)且つ独立して調整し得る。具体的には、ESC206を介して電源(例えば、バッテリパック又はバッテリバンク)から各電気モータに供給される電力を調整することによって、リフトモータ208aが制御され得る。
【0074】
ナビゲーション
航空機プロセッサ216は、ナビゲーションシステム224と動作可能に接続され得る。ナビゲーションシステム224は、航空機の位置データ(例えば、その座標、軌跡、姿勢、機首方位など)を提供する、INS224b及び/又は慣性測定ユニット(IMU)224cと通信可能に接続されている、GPS224aを含み得る。航空機は、1以上のジャイロ及び加速度計を含むことができるGPS224aは、INSの解決策を再設定するために使用され得るか又はカルマンフィルタなどの数学アルゴリズムの使用によってINSの解決策とブレンドされ得る、絶対的なドリフトフリー(drift-free)の位置値を与える。システムをテストするために、又は追跡されているデバイスが協働する場合には、RTK衛星ナビゲーションが、信号の情報コンテンツよりもむしろ信号の搬送波のフェーズの測定値を使用して、衛星ベースの測位システム(例えば、GPS/IMU)から導かれた位置データの正確さを高めるために使用される。それは、キャリアフェーズエンハンスメントとしても知られている。RTKは、通常、リアルタイムの補正を提供し、それによって、cmレベルの精度をもたらすために、単一の観測基準点(reference station)又は補間された仮想基準点(virtual station)を拠り所にする。例えば、防衛的UAV102は、センチメートル(cm)レベルの精度を有する絶対位置を提供するためのRTK GPSデバイスが装備されたCOTS UAVであってもよい。標的と防衛的UAV102の両方に取り付けられたRTK GPSモジュールを利用することによって、交戦中に両方の輸送体の位置についての情報が集められ得る。同じRTK GPSアプローチが、目標輸送体(objective vehicle)に対しても使用される。そして、同じ種類の結果が利用可能となる。しかし、更に、衝突コースアプローチ中の並びにトレーリングモード及び/又はチェイスモード中の標的に対して維持され得る輸送体に関する指向精度を決定するために、MIDASカメラシーカーデータを使用することができるだろう。
【0075】
センサペイロード
データを収集し且つ/又は領域をモニタするために、防衛的UAV102は、更に、センサペイロード226が装備され得る。例えば、センサペイロード226は、1以上のカメラ226a(例えば、リーダー(LiDAR)デバイスを含む、画像及び/又は動画を記録又は捕捉するための光学機器)、音響デバイス226b(例えば、マイクロフォン、反響定位センサなど)、光源226c(例えば、レーザーなどの構造化された光源、及びSLM(空間光モジュレータ)又はDMD(デジタルマイクロ鏡デバイス))、並びにセンサデータ(例えば、写真、動画、音響、センサ測定値、レーダー測定値、及びx線測定値など)を提供するための他のセンサ226dを備える。それらのセンサデータは、ナビゲーション、並びに所望の場合には、諜報、監視、及び偵察(ISR)機能を促進するために使用され得る。
【0076】
センサペイロード226は、センサペイロード226と航空機プロセッサ216との間のセンサデータの通信を促進するために、航空機プロセッサ216と動作可能に接続されている。センサペイロード226は、例えば、下方の且つ/又は地上の物体をモニタするために、センサペイロード226がより容易に下方へ方向付けられることを可能にするように、ジンバルシステムを介して機体202(又はローターブーム204などの別の1つの構造的構成要素)の下側表面と回転可能且つ旋回可能に連結され得る。データは、防衛的UAV102から航空機の無線トランシーバー222を介してネットワーク228越しに遠隔コントローラ232(例えば、HMIデバイス114)へ動的又は周期的に通信され得るか、又は後のアクセス若しくは処理のためにメモリデバイス218に記憶され得る。
【0077】
センサデータは、防衛的UAV102をナビゲートするために使用され得る。例えば、センサペイロード226は、以下で説明されるカメラベースのシーカーシステムのための必須のハードウェア(例えば、カメラ226a、光源226cなど)を提供し得る。航空システムは、撮像及び照準のために航空機を追跡する改良されたシステム及び方法から利益を享受する。例えば、カメラベースのシーカーシステムを通じて、防衛的航空機は、高リフレッシュ速度のカメラ、(例えば、リフレクタ/鏡を使用して)視野(FOV)を走査するための光源304の操作、及び低費用軽量システムで深さを推定する立体視を使用し得る。IMU224c、マイクロ電気機械システム(MEMS)鏡306、及び速いカメラを使用して、不安定なプラットフォーム上の極端に速い物体追跡が実現され得る。カメラベースのシーカーシステムは、標的航空機104のターミナル撮像を実行するために使用され得る。トランジスタ‐トランジスタ論理(TTL)水平同期及び慣性測定ユニット(IMU)フィードバックも使用され得る。防衛的航空機の誘導は、低費用無線機を経由するアップリンクされたコマンド、視覚ベースの誘導を使用するターミナル誘導、並びに全体的な防衛的UAV102の管理及び通信の組み込みテスト(BIT)などを使用して実現され得る。
【0078】
カメラベースのシーカーシステムは、双眼鏡のペアを構成するカメラの視野内のどこであっても、防衛的UAV102を照らすために走査する操作可能な構造化された光源304(例えば、光源226c)を使用して、標的航空機104を走査することができる。走査鏡を通じて、非常に高い強度の光(例えば、レーザー)が、標的航空機104に向けられ得る。それによって、標的航空機104を非常に高い帯域幅(例えば、約4~21kHz)でロックオンし追跡する。鏡角度情報は、標的に対する方位角及び仰角を提供し、それらは、防衛的UAV102のターミナル誘導のために使用され得る。一組のカメラ(例えば、双眼鏡カメラ)は、深さが推定されて、事実上ターミナル誘導における混乱と支援を除去することができる。450~495nm(例えば、450nm‐青)のレーザー光源304及びカメラの帯域通過フィルタ(例えば、450~495nm/青帯域通過フィルタ)が使用されて、日中及び夜間の動作の両方に対して性能を最大化し得る。言い換えると、フィルタの波長は、好適には、光源の波長と一致する。全体のシステムの費用を低く軽減するために、視覚ベースのホーミングシステムが、ターミナルエンゲージメント(最終的には20~50m)のために採用され得る。立体視システムが、ユニバーサルシリアルバス(USB)を介して、プロセッサと動作可能に接続され得る。例えば、USB3.0マシン視覚カメラは、設計者がフレーム速度に対して解像度をトレードオフすることを可能にする。例えば、FLIR/Point Grey 5MP カメラは、73fpsで2448×2048画素の解像度を実現し、199fpsで800×600画素の解像度を実現することができる。代替的に、Ximeaは、1000fpsで640×400画素又は210fpsで1280×1024画素の何れかを有するUSB3.0カメラを生産している。カメラは、NVidia Tegra TK1と組み合され得る。NVidia Tegra TK1は、画像処理及びホーミングが、汎用グラフィックス処理ユニット(GPU)に埋め込まれることを可能にする。照準がカメラを使用して説明されているが、他の照準方法が、より高い精度及び/又はより低い費用を提供し得る。例えば、他の照準方法は、レーダー又はソナーを利用し得る。本明細書で説明される照準は、解像度及び/又は範囲(例えば、音響、赤外線、小型レーダー、リーダー、又はレーザー測距システム)におけるトレードオフを伴って、低費用のレーダー又はソナーを使用して実現され得る。
【0079】
図3a及び図3bを参照すると、カメラベースのシーカーシステムは、特定の領域内へ移動するように光源304を操作するMEMS鏡306と、特定の領域を3D空間で捕捉する撮像器と、を有する高周波数撮像システムを利用し得る。例えば、MEMS鏡306は、MEMSによって制御される走査する二軸(例えば、チップチルト)の極めて小さい鏡を使用して、光線操縦(又は2D光学式走査)を容易にし得る。この場合、それらの状態は、鏡アレイの周りの2つの電極の間に電圧を印加することによって制御される。図3aは、単一のカメラ302及び光源304を有するカメラベースのシーカーシステム300aを示している。一方で、図3bは、2つのカメラ302(立体視)及び光源304を有するカメラベースのシーカーシステム300bを示している。3D位置は、単一のカメラ及びMEMS鏡を使用しても決定され得るが、標的が2つのカメラとMEMS鏡との三重の交差領域内にあるときに、精度は改良される。光源304は、概して、レーザーとして説明されることとなるが、1以上の発光ダイオード(LED)などの他の光源も考慮されている。
【0080】
カメラベースのシーカーシステムは、概して、1以上のカメラ302、光源304、MEMS鏡306、IMU224c、及びプロセッサ308(例えば、航空機プロセッサ216又は専用プロセッサ)を含む。MEMS鏡306は、鏡の位置に応じて、光源304からの光の出力の角度を制御する。IMU224cは、プロセッサ308と組み合されて、MEMS鏡306と2つのカメラ302の関心領域との両方を制御する。例えば、プロセッサ308は、光源304からの光の出力の角度を調整するために、MEMS鏡306の鏡の位置(例えば、1以上の軸に沿ったその角度)を調整するように構成され得る。カメラベースのシーカーシステムの代替的な使用は、標的航空機を走査することを超えて、例えば、地上の人間又は自動車を走査及び追跡することまで広がる。
【0081】
カメラ302は、画像を捕捉するために使用される。カメラのリフレッシュ速度は、800Hzよりも大きくなり得る。それは、シーカーとしてのカウンターUASの用途のためのより大きな能力を可能にすることとなる。立体視カメラシステムは、標的の3D相対位置を精度よく決定する。したがって、2以上のカメラ302は、標的の3D位置を精度よく検出するための立体視設定を生成するために使用される。図3bで示されているように、光源304と2つのカメラ302との間に重なりが存在する。これは、空間内の標的の3D位置の立体視又は多視点計算を可能にする。
【0082】
IMU224cは、撮像システムを用いて、輸送体の運動状態を捕捉するために使用され得る。IMU224cは、防衛的UAV102の正しい位置のフィードバックを提供する。IMU224cの情報を組み込むことによって、照明及び撮像は、高リフレッシュ速度で更新されて、標的航空機104が、所与の時間において防衛的UAVに対して及びカメラのFOVの中でどこにいることとなるかを予測する。防衛的UAV102は、常に動いているので、IMU224cは、ある期間において正確な防衛的UAV102の正しい位置と高度のフィードバックを提供する。これが使用されて、(MEMS鏡306によって)光源304のビームを動かし、2つのカメラ302内の適正な関心領域を捕捉し得る。より小さい光線を操作することは、日中/夜間の動作中に所望のリフレッシュ速度(すなわち、800Hzよりも大きい)を実現するために使用され得る。そして、高周波数のMEMS鏡306は、光源304からの光線を操作するために使用され得る。特定の態様では、MEMS鏡が、標的を焼き尽くすことによって標的を中立化させるために、極端に短いパルスレーザーと共に使用され得る。照明は標的物体に局所化される。その標的物体は、カメラ302のFOVの範囲内にあるはずであり、この照明は、MEMS鏡306によって操作される。更に、光源304は、バックグラウンド除去を実行することによって、撮像器上の捕捉された光子の信号ノイズ比を最大化するために操作される。例えば、光源304は、プロセッサ308を介してカメラに水平同期されたTTLを用いて変調され得る。これは、カメラ302が、照明がある状態の画像と同様に照明がない状態の画像を捕捉することを可能にする。互いから2つの画像を差し引きすることによって、バックグラウンドを除去し、変化している物体を検出することができる。従来、高忠実度画像を得るために照明を操作することは上手くいかなかったが、IMU224cを組み込むことによって、バックグラウンドを除去して高信号ノイズ比を実現し得る。強力な光レーザーが光源304として使用される場合に、光源304(すなわち、強力なレーザー)は、標的航空機104を無効にするためにも使用され得る。
【0083】
標的中立化デバイス
標的航空機104を無効にする可能性を高めるために、防衛的UAV102は、展開可能な網112、発射デバイス230(例えば、銃、発射機など)、ストリーマ、ハイパワーレーザー、指向性エネルギー兵器(DEW)などの、標的航空機104を打撃するための標的中立化デバイスが装備され得る。例えば、防衛的UAV102の前面面積を増加させるための展開可能な網112は、標的航空機104との接触に際して、85%~95%の中立化成功率をもたらし得る。
【0084】
図2aを参照すると、発射デバイス230は、(例えば、防衛的UAV102の飛行線と同じように発射体を発射するように)機体202に取り付けられ且つ前方に方向付けられていてもよい。図2b及び図2cを参照すると、展開可能な網112は、防衛的UAV102の下側に連結された一組の支柱214を介して、防衛的UAV102に更に連結され得る。例えば、支柱214は、各々が(示されているように)ローターブーム204の遠位端又は機体202の下側に連結されるように、間隔を空けられ得る。示されているように、展開可能な網112は、概して、堅いネットフレーム112bによって支持された網112aを備える。展開可能な網112は、標的航空機104を捕獲するために、防衛的UAV102の前方端に連結され、逆角度(reverse angle)において方向付けられ得る。
【0085】
特定の態様では、多数の防衛的UAVが、互いに協働して、検出された脅威と交戦し得る。例えば、図2eから図2fを参照すると、展開可能な網112は、標的によって生成されたモーメントが、防衛的UAV102の操作性に打ち勝たないように、多数の航空機に係留され得る。同様に、網の引張は、捕獲の瞬間に(互いから反対向きへ飛行する)防衛的UAVによって制御され得る。具体的には、図2eは、テザーワイヤー120を介して互いに係留された一組のUAV102を示しており、一方、図2fは、テザーワイヤー120を介して一方の防衛的UAV102に連結され、第1のワイヤー118と第2のワイヤー116を介して他方の防衛的UAV102に連結された、展開可能な網112を示している。網とUAVとの間の連結部分において、衝撃吸収デバイスが配置されてもよい。例えば、バネ及び/又は一連のプーリーが使用され得る。網は、シュリンクラップのように作用し得る。ポケットが網によって生成され、網が引っ張られるとその入り口が狭くなる(例えば、引きひも)。
【0086】
次に、図2eを参照すると、航空防衛システム100は、展開可能な網112などの標的中立化デバイスを用いて、標的航空機104を捕獲するために、多数の防衛的UAV102を利用し得る。1つより多い防衛的UAVを利用することによって、航空防衛システム100は、捕獲のポイントにおいて相対的により強いモーメントを生成し且つ/又は防衛的UAV102よりも相対的に重い重量を有する、標的航空機を捕獲することができる。
【0087】
ある実施形態では、展開可能な網112が、後ろから標的航空機104をスクープ/捕獲するために、防衛的UAV102の後方端に連結され、前向き角度において方向付けられ得る。この捕獲戦略は、捕獲のポイントにおける抵抗力を最小化し、動きの方向を標的航空機104と整列させるように合わせることから利益を得る。
【0088】
ある実施形態では、図2eから図2gで示されているように、多数の防衛的UAV102が、協働して、標的航空機104を捕獲し得る。そのようにして、揚力又は推力などのより多くの空力学的な力が、多数の防衛的UAV102によって生成され得る。組織的な捕獲方法は、とりわけ、標的航空機104を捕獲するときのアプローチ角における更なる柔軟性を可能にする。例えば、多数の防衛的UAV102は、標的航空機104に向けた正面(head-on)角度においてアプローチし得る一方で、捕獲において生成された空力学的な力によって増加したモーメントを取り扱う。
【0089】
多数の防衛的なUAVは、テザーワイヤー120によって係留され得る。(第1の防衛的UAVとも称される)多数の防衛的UAV102のうちの1つから、一旦、展開可能な網112が標的航空機104に向けて展開されると、展開可能な網は、多数の防衛的UAV102の各々によって運ばれ得る。展開可能な網112は、第1のワイヤー118及び第2のワイヤー116によって、第1の防衛的UAVに連結され得る。第1の防衛的UAVは、展開可能な網112の展開前の期間に、展開可能な網を運搬し得る。展開可能な網112が標的航空機104に向けて配置されると、テザーワイヤー120が、展開可能な網112へと延伸し得る。図2fは、展開可能な網112が標的航空機104に向けて配置された後の多数の防衛的UAVを表している。第2のワイヤー116は、最小の引張が第2のワイヤー116によって維持されるように、一旦、展開可能な網112が配置されると、引き延ばされ得る。ある実施形態では、第2のワイヤー116が、第2のワイヤー116に沿って最小の引張が課されるように、展開可能な網112に摺動可能に取り付けられ得る。(これ以後、第2の防衛的UAVとも称される)係留された防衛的UAVは、テザーワイヤー120を介して展開可能な網112に取り付けられ得る。展開可能な網112は、それぞれ、第1のワイヤー118とテザーワイヤー120を介して、第1の防衛的UAV102と第2の防衛的UAV102によって集合的に運搬され得る。
【0090】
第1の防衛的UAVと第2の防衛的UAVは、標的航空機104が(これ以後、ペイロード122とも称される)展開可能な網112によって捕獲されると、円を描くようにぶらぶら動いてもよい。多数のUAVが円パターンでぶらぶら動くと、結果としての遠心力が、第1のワイヤー118とテザーワイヤー120に沿った引張を部分的に軽減し得る。更に、そのような円パターンは、ペイロード122に対して揚力を生成する助けとなる。標的航空機104の動きの方向は、第1の防衛的UAVの搭載型センサペイロードによって検出され得る。
【0091】
多数の防衛的UAVの場合には、防衛的UAVのうちの1つが、主要なUAVであり得る。主要なUAVは、標的航空機104を検出及び追跡するためのセンサパッケージが装備され得る(したがって、主要なUAVが重くなり得るし、推力が損なわれ得る)が、他の追従するUAV(すなわち、第2の防衛的UAVなどのトレーリング/追従する航空機)は、主要なUAVからの所定の距離を維持するために1以上の距離センサが装備され得る。しかし、追従するUAV は、より少ない重量のセンサペイロードを運搬し得るので、より速く且つより高い推力を生成し得る。それによって、主要なUAVの主たる目的は、標的を検出することであり、一方、展開可能な網112の運搬は、追従するUAVによって実現される。更に、編隊(すなわち、主要な及びトレーリング/追従するUAV )は、所定の編隊でぶらぶら動き得る。また、所定のぶらぶらするパターンにあってもよい。
【0092】
第1のワイヤー118及び/又はテザーワイヤー120は、電流を流し得る。実施例では、第2のワイヤー116及び/又はテザーワイヤー120が、標的航空機104を無効にするために電気ショックを生成し得る。防衛的UAV102は、導電性ワイヤー118 120及び導電性の展開可能な網112を介して標的航空機104に伝えられる電気ショックを生成し得る。ある実施形態では、展開可能な網112が、標的航空機104と接触するように設計されるように、最小のサイズであり得る(そのようにして、展開可能な網112は、フックなどの任意の種類のラッチングデバイスであり得る)。一旦、接触が行われると、無効にするための電気ショックが、標的航空機104に伝えられ得る。
【0093】
図2gを参照すると、標的航空機104を捕獲するために多数の防衛的UAV102が使用されるときに、防衛的UAVは、円状の飛行経路で飛行し得る。それは、ペイロード122に連結されている間のホバリング中に必要とされる円板荷重(disk loading)と力とを低減させる。例えば、第1の防衛的UAV102は、第1の方向において展開可能な網112を用いて標的航空機104を捕獲し得るが、一方で、第2の防衛的UAV102は、展開可能な網112に係留されており、第2の方向において物体に向けて飛行する。第1の方向と第2の方向は、互いから反対の向きであり得る。2つの飛行方向の間の角度は、90度未満であり得る。ペイロード122は、例えば、標的航空機104と展開可能な網112の組み合わせであり得る。
【0094】
展開可能な網112又はストリーマは、ミスディスタンス(miss distance)が小さいがさもなければ衝撃をもたらさないときに、入って来る標的航空機104を迎撃し機能を奪うために使用され得る。防衛的UAV102を用いて展開可能な網112を維持することは、網の位置の不確実性を低減させる。網は、網によって導入される抵抗及び誤差を低減させるために収容され得る。それによって、網は、標的に到達する前の約25メートル程度のところで展開され得る。したがって、網112aが、網112aによる抵抗及び望ましくな引っ掛かりの危険性を低減させるために収容されるときに、堅いネットフレーム112bが折り畳まれ、又はさもなければつぶされる。堅いネットフレーム112bは、例えば、第1及び第2の長手方向つぶれ/折り畳み直線支持体を採用し得る。それらの各々は、互いに対して実質的に平行であり、その近位端において支柱214に連結され得る。第1及び第2の長手方向つぶれ/折り畳み直線支持体の各々の遠位端は、固定されなくてもよい。代替的に、重量が懸念されない場合には、遠位端が、所定の距離を維持し且つ/又は遠位端において網をぴんと張った状態に維持するために、(第1及び第2の支持体と実質的に垂直になり得る)第3の直線支持体を介して、互いに対して連結され得る。標的航空機104に近い範囲内にあるときに、防衛的UAV102は、任意選択的に、展開可能な網112を展開して(ポップアウトして)、防衛的UAV102の前面面積を増加させ、それによって、標的航空機104への打撃の可能性を増加させ得る。展開可能な網112は、展開を次のパスへ遅らせるか又はミスの後に後退させるかの何れかによって、多数のパスを可能にする。展開可能な網112は、標的を捕獲し且つ巻き込むことによって誘導された負荷の下に、防衛的UAV102から「切り離される」ように設計されてもよい。この方法によって、UAV102は、交戦の後で保存され、再使用のためにその開始点まで戻ることができる。そこへ向けて防衛的UAV102がそれ自身を操縦するところの場所にバイアスをかけることによって、捕獲の分布の円状の可能性がある誤差(散乱)の同様の偏りがもたらされることとなる。そのようなバイアスは、「Rail Recovery System For Aircraft」という名称のGundlachらに共同所有されている米国特許第9,010,683号によって説明されるものなどの、打撃の可能性を増加させるために使用され得る。その文献は、ワイヤーを捕獲する文脈における標的確率(target probability)を説明している。
【0095】
UAV保管システム106
UAV保管システム106は、長期間の準備完了状態にある(充電されたバッテリ、定期的に実行される組み込みテスト、ロック状態に維持されているGPS、及び加熱/冷却など)防衛的UAV102を収容し、要素から防衛的UAV102を保護するために清潔で、乾燥した、管理された温度を提供し、オンデマンドでの防衛的UAV102の素早い展開を容易にする。低費用での容易な設置及び携帯性を可能にするために、航空防衛システム100の部分は、野外に設置することが容易で、C-RAM C2 システム110と通信することが可能で、常に準備ができていて、標的航空機104に照準を合わせるために十分な速度及び操作性を有する(例えば、2以上の、より好適には4以上の)複数の防衛的UAV102を含む、自給式保管及び発射システムとして構成され得る。
【0096】
UAV保管システム106は、以下の幾つかの目的のために働く。すなわち、(1)都合よく収容され、搬送され、維持されるパッケージにあり、多くの入って来る脅威に対抗して防衛することを可能にする。(2)(C-RAM C2 システム110などの)照準システム及び様々な防衛的UAV102と通信するための単一の無線機を収容することによって、防衛的UAV102の費用を低減させる(UAV保管システム106は、非常に低費用の無線機が装備された防衛的UAV102に、コマンド及び制御データを中継し得る)。(3)防衛的UAV102の充電状態を維持し、それらが比較的低温且つ乾燥状態にあることを維持しながら、必要とされるまで防衛的UAV102を要素から保護する。(4)防衛的UAV102の自動発射のための設備を提供する。
【0097】
UAV保管システム106は、概して、地上基地局コントローラ402、アンテナに接続された無線機404、及びUAV保管システム106の構成要素に電力供給し、防衛的UAV102を充電するための充電システム406を備える。地上基地局コントローラ402は、例えば、メモリデバイス402bに動作可能に接続されたプロセッサ402aを含み得る。充電システム406は、例えば、充電回路及び/又はライン電流(例えば、AC電流)に動作可能に接続された内部バッテリ(例えば、鉛酸、リチウムイオンなど)を含み得る。一実施例では、AC-DC変換器が使用されて、ACライン電流をDC充電電流に変換して、内部バッテリを充電し、接続されたときには、防衛的UAV102を充電し得る。別の一実施例では、ライン電流が利用可能でない場合に、DC-DC変換器が使用されて、防衛的UAV102を充電し得る。遠隔場所では又はライン電流が利用可能でない場合に、代替的に、例えば、太陽光パネル及び/又は風力タービンを含む電源が使用されて、内部バッテリ及び防衛的UAV102を充電し得る。例えば、1以上の太陽光パネル又はアレイが、UAV保管システム106の上端面上且つ/又はUAV保管システム106に隣接して設けられ得る。
【0098】
UAV保管システム106は、全体の防衛システムを低費用且つ効果的にする統合された特徴を含み得る。これらは、効果的な発射を可能にするシステムの設計と、防衛的UAV102の寿命を延ばすために各防衛的UAV102を保護しそれらの充電状態及び温度を維持するためのコンテナの使用と、開始、武装、アプリを通じたユーザとの通信、健全性保守及び組み込みテスト、並びにコマンド及び制御信号の低遅延通信及び中継、のためのソフトウェアとを含む。
【0099】
UAV保管システム106は、何れも携帯可能であり得る、地上保管システム106a又は宙吊りの保管システム106bとして設けられ得る。UAV保管システム106の構築及び統合の詳細は、収容される防衛的UAV102の数に従って変動する。地上保管システム106aは、多回転翼VTOL防衛的UAV102を伴って例示されているが、他の航空機の種類も考慮されている。例えば、VTOLではない固定翼航空機が採用された場合に、発射システムが、航空機を固定翼速度まで加速するために使用され得る。例示的な発射システムデバイスは、とりわけ、発射レール及び推進デバイスを含む。例えば、推進デバイスは、空気圧発射機などに連結されたバネ荷重式COタンクであり得る。
【0100】
地上保管システム106a
図4で示されているように、地上保管システム106aは、地上に位置付けられ、防衛的UAV102を発射することを可能にするための後退可能な上端部(又は作動される蓋)を有するように構成され得る。航空防衛システム100の構成要素は、(車輪を有する又は有さない)携帯可能な箱410内に収容され得る。携帯可能な箱410は、Pelican Products, Inc. から購入可能なPelican(米国登録商標)0550などのPelican(米国登録商標)であり得る。それは、47.57×24.07×17.68の内部寸法を有する。理解され得るように、携帯可能な箱は、防衛的UAV102の数に応じてスケールアップ又はダウンされ得る。
【0101】
宙吊りの保管システム106b
地上での設置が非現実的又は望ましくない場合は、図5aから図5cで示されているように、宙吊りの保管システム106bが採用され得る。宙吊りの保管システム106bの全体の構造は、支持ケーブル504によって連結された一連の積み重ねられたプラットフォーム502(例えば、示されているように、4つのプラットフォーム502a、502b、502c、502d)である。プラットフォーム502の組は、取り付けポイント506(例えば、旗ざお、建物の側部など)から吊るされ、プラットフォーム502自身の重量と、底のプラットフォーム502aと固定された表面516(例えば、地上の土台)との間に取り付けられた引張ライン508と、の組み合わせを使用して、プラットフォーム502間の分離を維持する。高いポイントから宙吊りの保管システム106bを吊るすことは、航空機飛行の観点から有益であり、壊される可能性を低減させもする。
【0102】
電力ケーブル510とデータケーブル512が、保管システムのプラットフォーム502に接続されて、防衛的UAV102が、発射する準備を完了し、地上基地局のコントローラ402と連絡をとることができる状態にあることを維持する。電力ケーブル510とデータケーブル512は、支持ケーブル504の周りに巻かれ、又は支持ケーブル504に統合されてもよい。図5cで示されているように、様々な電気部品(例えば、地上基地局のコントローラ402、無線機404、及び充電システム406)は、底のプラットフォーム502a内に位置付けられて、システムの引張を高め得る。一方、アンテナ408は、より高いポイント(例えば、最も高いプラットフォーム502d)に位置付けられ得る。防衛的UAV102及び/又はプラットフォーム502の重量に応じて、電力ケーブル510、データケーブル512、及び任意の他の導体(例えば、発射導体514)は、支持ケーブルとして働き、それによって、支持ケーブル504の必要性を除去し得る。
【0103】
宙吊りの保管システム106bの構造は、とりわけ、回路基板材(例えば、ロジャースRO4003C)、繊維ガラス、ビニール生地、鋼線、及び/又はナイロンコードから製造され得る。各プラットフォーム502は、防衛的UAV102の足との接触を通じて、電力ケーブル510を介して電力を分配し、データケーブル512を介してデータを分配する。データ及び/又は電力は、無線(例えば、電磁誘導充電、無線周波数など)によっても、防衛的UAV102に送達され得る。各プラットフォーム502は、雨、雪、及び/又はデブリを寄せ付けない一方で、空気が筐体の中を通って循環することを可能にするバッフル空気通路を含み得る。空気の循環は、受動的、能動的、又はリフトモータ208aを低電力で回転させて周期的に(例えば、定期的な間隔で)防衛的UAV102によって誘起されてもよい。それは、それらのモータの組み込みテストとしても働く。空気の循環は、防衛的UAV102が温度によって損なわれないことを保証するために重要である(例えば、低温による低減されたバッテリの容量、極端な熱による構成要素の破壊など)。プラットフォーム502は、冷たい温度に打ち勝つための統合された加熱要素も有し得る。1つの筐体内の空気の循環は、他の筐体とは独立しており、単一点障害を妨げる。筐体の独立性は、防衛的UAV102の一部が、他のものの準備に影響を与えることなしに、発射され得ることも保証する。筐体の側壁は、輸送体が展開することを可能にするために、ヒンジされ又はさもなければ折り畳んでいたものが開かれるようになっている(この抽象的な概念において、それらの側壁は生地として示されている)。
【0104】
輸送中に又は天候によって誘起される動きのために輸送体が動き回らないことを保証するために、且つ、電源及びデータ源との接触を信頼可能に維持するために、輸送体は、プラットフォーム502に確実に固定される。発射導体514を介して発射信号が送信されたときに、筐体の側壁518が開き(ドロップダウンし)、輸送体は、その確実な固定から解放される(輸送体解放信号キャリアは、発射導体514として示されている)。その後、輸送体は、飛び去る前に筐体を出るために初期操縦を実行する。この初期操縦は、好適な出口方向を生成するために、プラットフォーム502の意図的な傾きによって助けられ得る。
【0105】
UAVコントローラ108
図1では、UAVコントローラ108とUAV保管システム106が分離した構成要素として示されているが、図4及び図5cで示されているように、UAVコントローラ108は、UAV保管システム106内に常駐していても/UAV保管システム106と統合されていてもよいし、電力及びデータリンクを通じて防衛的UAV102と接続されていてもよい。上述したように、UAVコントローラ108は、概して、地上基地局コントローラ402、無線機404、及び防衛的UAV102を長期間維持するための充電システム406を備える。
【0106】
通信は、C-RAM C2 システム110と互換性がある無線機404、及び、防衛的UAV102に対する低費用のアップリンクを含む、単純な地上リピーターユニットを介して(例えば、UAVコントローラ108及び/又はUAV保管システム106を介して)実現され得る。理解され得るように、このアップリンクにおける待ち時間は、効果的な制御を提供するために最小化されるべきである。C-RAM C2 システム110が、GPSに対する参照なしに標的航空機104に向けて操縦することを可能にするために、十分正確な相対位置情報を提供する場合に、防衛的UAV102上の航空防衛システム100によって、データをC-RAM C2 システム110から使用可能なトラックへ変換するために、変換行列が使用され得る。通信における主要な障害は、Rajant ブレッドクラムなどの、無線機のサイズ、重量、及び費用(SWaP-C)、並びに安全性であり、C-RAM C2 システム110との統合のために永続システムMPU-4/5が必要とされ得るが、それらは重く、高価で、電力を大量消費する。したがって、C-RAM C2 システム110が可能な無線機を、航空防衛システム100の地上要素(例えば、UAVコントローラ108)の中へ統合することは、防衛的UAV102への暗号化されたアップリンクのための非常に低費用の無線機を介して好適であり得る。この受信及び拡散のアプローチは、C2の非常に低遅延な変換/転送を必要とするが、防衛的UAV102の費用を低減させることとなる。例示的な低費用の無線機は、例えば、TrellisWare Technologies及びSilvus Technologiesによるものを含む。管理及び通信の構成要素は、大幅に変動し、何れも最小化され得る。例えば、通信は、管理及び通信システムによって受信及び拡散される代わりに、直接的に迎撃機へ送信され/迎撃機から受信し得る。照準及び誘導の構成要素を含む、様々なソフトウェア構成要素も、全体の概念の範囲内に含まれ得る。
【0107】
HMIデバイス114
図6aから図6dは、様々な例示的ディスプレイスクリーンを有する例示的なHMIデバイス114を示す。HMIデバイス114は、システムのステータスを、開始し、武装し、更新するための、且つ、発射後のモニタリング及びステータスアラートのための、非搭載型のコンピュータベースのシステムを提供する。HMIデバイス114は、設定、モニタリング、及び発射後の制御を提供する。HMIデバイス114は、ソフトウェアアプリケーション(例えば、ATAK、 KILSWITCHなど)の中へ統合され得る。HMIデバイス114は、防衛的UAV102の効果的なコマンド及び制御を保証する一方で、状況把握及び制御機能を提供する。ソフトウェアアプリケーション内に提供された情報は、健全性、ステータス、及び潜在的なコマンド機能のみならず、現在の脅威と防衛的UAV102の位置を含み得る。インターフェースは、外部の照準、コマンド、及び制御システムとのリンクを確立し、外部の照準、コマンド、及び制御システムと共に動作可能になる、ブートアッププロセスを支援し得る。
【0108】
HMIデバイス114は、航空防衛システム100の効果的なコマンド及び制御を保証するために使用され得る。HMIデバイス114は、航空防衛システム100の全ての要素と通信して、状況把握及び制御機能を提供し得る。その目的のために、HMIデバイス114は、防衛的UAV102の健全性及びステータス、並びに防衛的UAV102のコマンド機能のみならず、現在の脅威と防衛的UAV102の位置の両方についての情報を受信し得る。HMIデバイス114は、防衛的UAV102の全体のバッテリの初期化及びモニタリングを可能にするために、地上保管システムの様々な要素とも通信し得る。該システムは、静的インターフェースC-RAM 通信ネットワーク(SI-CCN)及び暗号化CCN(E-CCN)とも統合され、C-RAM C2 システム110 C2 システムとのリンクを確立し、C-RAM C2 システム110 C2 システムと共に動作可能になる、ブートアッププロセスも支援しなければならない。航空防衛システム100は、単一のHMIデバイス114として示されているが、多数のHMIデバイス114が、(例えば、UAVコントローラ108を介して)航空防衛システム100と通信可能に接続され得る。例えば、1以上のオペレータは、防衛的UAV102のモニタと制御の両方を行う能力が提供され得るが、他のオペレータ(例えば、受信契約者)は、それらのHMIデバイス114を介した警告のみを受信し得る。HMIデバイス114は、防衛的UAV102の軌跡及び/又はパラメータのマップベースの表示も容易にし得る。HMIデバイス114は、オペレータが打撃/交戦を打ち切ることを可能にするための中止ボタンを備えていてもよい。打ち切りコマンドが航空防衛システム100によって受信されたならば、防衛的UAV102は、(C-RAM C2 システム110の能力に応じて)回収ルーチン、ぶらぶらルーチン、地上のぶらぶらルーチン、及び中止ルーチンを含む、複数の戦闘ルーチンのうちの1つを取ることができる。回収ルーチンでは、(1以上の)防衛的UAV102が、ベース(ホーム)か又は別の1つの指定された回収ポイントへ戻り得る。ぶらぶらルーチンでは、(1以上の)防衛的UAV102が、現在の標的との交戦を中断し、C-RAM C2 システム110からの次のコマンドまで待つことができる。地上のぶらぶらルーチンでは、(1以上の)防衛的UAV102が、指定された場所に着陸し、新しい標的を(観察し)待つことができる。中止ルーチンでは、(1以上の)防衛的UAV102が、シャットダウンし地上へ落下し得る。特定の態様では、HMI114が、タブレット又は携帯電話ベースのインターフェースを採用して、設定の複雑さを最小化し、システムを武装し、ユーザにステータスの情報を提供し、発射のイベントで、ユーザに如何にして迎撃が実行されることとなるかのオプションを提供する。HMIデバイス114は、様々なレベルの複雑さ及び機能を有し、又は完全に既定であり、照準システムがインターフェースとして単独で作用することを可能にし得る。HMIデバイス114が組み込まれるならば、それは、様々な形態のコンピュータ又は手で握るデバイスであり、様々なやり方で他の構成要素と通信し得る。
【0109】
図面を参照すると、HMIデバイス114は、ツールバーエリア618aと主要なディスプレイエリア618bを有するように示されている。HMIデバイス114は、オペレータと航空防衛システム100の構成要素との間の通信のチャネルとして働く。例えば、HMIデバイス114は、UAV保管システム106、UAVコントローラ108、及び/又は防衛的UAV102に命令し、それらからフィードバック又は指示命令を受信するように使用され得る。HMIデバイス114は、ディスプレイデバイス(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))を介して、UAV102及び/又は航空機の現在の状態(例えば、現在の設定)を表示することができる。HMIデバイス114のGUIディスプレイは、オペレータの眼鏡に関わらず視認できるように、互換性のあるナイトビジョンゴーグルでもあってもよい。ツールバーエリア618aは、主要なスクリーンのアイコン602を介して主要なスクリーン620に切り替え、動画アイコン604を介して動画供給スクリーン622に切り替え、マップアイコン606を介してマップスクリーンに切り替え、且つ/又は設定アイコン608を介して設定スクリーンに切り替えるために使用され得る。
【0110】
図6aで示されているように、主要なスクリーン620は、ユーザが設定ホームウィンドウ610を介してホームの場所(すなわち、ホームの座標)を設定することを可能にし得る。設定ホームウィンドウ610内では、オペレータが、現在のHMIの場所610b(例えば、GPS、通信塔を使用する三角測量技術、などに基づき得る、搭載型の追跡デバイスによって決定されたHMIの場所)として、又はナビゲーションシステム224からの信号に基づき得る、UAV610cの現在の場所として、マップ610aを介したホーム座標を設定し得る。主要なスクリーン620は、ユーザが設定観察ウィンドウ612を介して観察座標を設定することを可能にし得る。設定ホームウィンドウ610のように、設定観察ウィンドウ612内では、オペレータが、現在のHMIの場所612bとして、又は現在のUAV612cの場所として、マップ612aを介して観察座標を設定し得る。フライトゥーウィンドウ(fly to window)614を使用して、オペレータは、防衛的UAV102に、ホーム座標614a、観察座標614b、又は他の座標614cへ飛行する(すなわち、ナビゲートする)ように指示命令し得る。コマンドウィンドウ616は、発射616aし、着陸616bし、且つ/又は(標的航空機104を)打撃616cするために使用され得る。
【0111】
図6bで使用され得るように、動画供給スクリーン622は、ユーザにセンサペイロード226からUAVのFOVをリアルタイムで提供し得る。動画供給は、搭載型カメラ226aによって捕捉されたもの(例えば、VR/ARオーバーレイなしの実際の動画)、測定データが重ねられたもの、及び/又はVRシミュレーションシステム(例えば、VRシミュレーションシステム800)からの仮想現実(VR)オーバーレイを用いて拡張されたものでさえあり得る。動画供給は、ディスプレイヘッドセット(例えば、VRヘッドセット)及び/又はディスプレイスクリーン(例えば、LCDディスプレイ)などの、別のデバイスで後に読み出す且つ/又は復元するために記録され得る。図6cで示されているように、マップスクリーン624は、マップ上でホームの場所、UAVの場所、及び観察場所を表示し得る。場所の各々には、とりわけ座標を提供するコールアウトウィンドウが設けられ得る。UAVの場所は、燃料/バッテリ充電レベル、高度、速度、及び/又は機首方位などの、(1以上の)UAV102の動作パラメータを更に提供し得る。主要なスクリーン620のアイコンは、プルタブアイコン626を介して、様々なスクリーンからアクセスされ得る。例えば、図6dで示されているように、第1のディスプレイエリア618bは、主要なスクリーン620のアイコンと別の1つのスクリーン(例えば、マップスクリーン624)又はそれらの部分とを同時に表示し、それによって、オペレータが、例えば、マップ及び/又は動画をモニタリングしている間に、1以上のパラメータをチャージ/調整することを可能にする。
【0112】
標的中立化
標的中立化プロセスは、概して、3つのフェーズに分割され得る。すなわち、交戦前、交戦中、及び交戦後のフェーズである。照準は、幾つかのやり方で実行され得るが、1つの具体化は、視覚ベースの誘導システムを使用するターミナル誘導の前に、(輸送体に直接的にか又は迎撃機管理及び通信システムによって低費用の無線機のペアを通じて中継されるかの何れかで経路指定される)外部の照準システムからのアップリンクされたコマンドを使用して、標的に向けて予備的な誘導を行うことである。
【0113】
交戦前
航空防衛システム100の目的は、標的航空機104と交戦することである。すなわち、一旦、航空防衛システム100が、標的航空機104の捜索、航行位置決定、追跡、及び照準を実行したら、航空防衛システム100は、インターフェースの詳細を用いて、C-RAM C2 システム110などの一般的なデータフォーマットを使用して、外部システムから遠隔発射コマンド、ナビゲーション情報、追跡、及びメタデータを受信する。航空防衛システム100の前方砲座は、1以上のUAV保管システム106に通信可能に接続されたUAVコントローラ108を含む。1以上のUAV保管システム106の各々は、多数の防衛的UAV102を収容している。UAV保管システム106は、野営地などの関心領域を取り囲んだ高いポイントに位置付けられ得る。UAVコントローラ108と1以上のUAV保管システム106は、同じ場所に配置されるか又は遠隔に配置され、無線で又はケーブルを介して通信可能に接続され得る。
【0114】
一旦、アンテナ(例えば、無線アンテナ)が設定され且つ航空防衛システム100がパワーオンされると、航空防衛システム100は、通信リンクを確立し、該システムが、例えば、旅団(BDE)の戦術運営センター(TOC)のC-RAM C2 システム110と共に動作可能であることを確認する。航空防衛システム100の進捗及びステータスは、設定インターフェースディスプレイスクリーンを介してHMIデバイス114を介して、オペレータ(例えば、兵士)に表示され得る。HMIデバイス114を通じて、オペレータは、航空防衛システム100を武装し、打ち切り/退却ポイントを規定し得る。一旦、設定されると、HMIデバイス114は、設定スクリーンからステータス及び打ち切りインターフェーススクリーンへ移行し得る。他のオペレータ(例えば、兵士)は、それらのHMIデバイス114を介して既存の砲座に通信する(subscribe to)ことができる。
【0115】
交戦中
交戦中に、1以上の防衛的UAV102は、そのGPS位置をC-RAM C2 システム110に放送することができる。C-RAM C2 システム110は、それらの位置を使用して、どの(1以上の)防衛的UAV102を発射して、標的航空機104を迎撃するために誘導するかを選択する。防衛的UAV102は、標的航空機104を発見し、その軌跡を規定するために、外部のC-RAM C2 システム110に頼る。C-RAM C2 システム110は、様々なセンサから標的航空機104に関する情報を受信する。武装したシステムによって通信された情報に基づいて、C-RAM C2 システム110は、利用可能な防衛的UAV102を決定する。
【0116】
C-RAM C2 システム110の発射コマンドは、標的航空機104の飛行経路/軌跡を反映した軌跡データを含み得る。C-RAM C2 システム110は、その後、1以上の防衛的UAV102を発射して、標的航空機104への経路を更新するトラックを提供し得る。動作では、C-RAM C2 システム110が、防衛的UAV102を発射するだけでなく、標的航空機104に向けて迎撃誘導(すなわち、比例航法)を実行するために、遠隔位置(例えば、基地局)へ通信されるフォーマットで、十分な情報を提供もする。これは、(ミサイルに関して)加速コマンド、又は航空機(防衛的UAV102)と標的航空機104の相対位置の形態を採り得る。それらから、遠隔位置は、ナビゲーションコマンドを導き出し得る。
【0117】
防衛的UAV102は、迎撃ポイントを計算し、そのポイントに向けて飛行する。防衛的UAV102は、C-RAM C2 システムから標的航空機104の更新を受信し続ける一方で、戦闘中は、同様の迎撃ポイントを再計算し、それに従ってその飛行の軌跡を調整する。一旦、標的航空機104に十分近づくと、ドローンは、内部センサにより多くの負担を割り当て、標的航空機104を特定する。内部センサからの正確なデータを使用して、防衛的UAV102は、継続的に操縦して、標的航空機104へと飛行し、飛行能力を超えて標的航空機104に損傷を与え、ある場合には、自分自身に損傷を与える。標的航空機104が破壊されたならば、任意のバックアップフォロワーの防衛的UAV102が、ベースへ戻り得る。ベースでは、そのバッテリが交換されるか又は充電され得る。
【0118】
図7aは、UAV登録700a中の(1以上の)防衛的UAV102とC-RAM C2 システム110との間の例示的なメッセージ交換シーケンスを示している。ステップ702では、防衛的UAV102がパワーオンされる。防衛的UAV102は、遠隔制御及び/又は物理的スイッチを介してパワーオンされ得る。例えば、防衛的UAV102は、一旦、完全に充電されると、自動でパワーオンする。ステップ704では、防衛的UAV102が、その利用可能性及びその特有の識別(ID)を無線で放送(例えば、通知)する。無線の放送は、暗号化され、例えば、C-RAM C2 システム110又は航空防衛システム100の別の1つの構成要素によってのみ読み取りが可能であり得る
【0119】
ステップ706では、C-RAM C2 システム110が、直接的にか又はリレー(例えば、UAVコントローラ108)を使用して間接的に、防衛的UAV102との(同様に暗号化され得る)ハンドシェークプロトコルを行って、防衛的UAV102を認証する。C-RAM C2 システム110又はUAVコントローラ108が、防衛的UAV102を認証することができなければ、ステップ712において認証プロセスを出る前に、C-RAM C2 システム110又はUAVコントローラ108は、防衛的UAV102を脅威及び/又は警告としてHMIデバイス114を介してオペレータに注意を与える。防衛的UAV102が脅威であるとみなされるならば、C-RAM C2 システム110は、(例えば、図7bのプロトコルを使用して)認証されなかった防衛的UAV102を破壊するように、別の1つの防衛的UAV102に命令し得る。
【0120】
一旦、認証されると、防衛的UAV102は、ステップ708において、その様々なパラメータを報告し得る。例えば、例示的なパラメータは、その位置、ステータス、バッテリ状態/範囲などを含む。防衛的UAV102は、周期的にそのパラメータを報告し得る。例えば、防衛的UAV102は、設定された期間においてそのパラメータを規則的に放送し得る。それらのパラメータは、防衛的UAV102が未だ利用可能であることを確認するためのハートビートメッセージとして機能し得る。代替的に、防衛的UAV102は、イベントに応答してそのパラメータを放送し得る。例えば、パラメータのうちの1つが変動する(例えば、位置が変化する、バッテリが枯渇し始める、など)ならば、防衛的UAV102は、C-RAM C2 システム110に警告し得る。ステップ710では、C-RAM C2 システム110が、防衛的UAV102を、その現在のパラメータと共に、利用可能な防衛的UAV102のリストに加える。
【0121】
C-RAM C2 システム110からの軌跡の更新に基づいて、地上のUAVコントローラ108を介して、初期操縦が提供され得る。ホーミングを比較的単純にするのに十分なだけ範囲が狭ければ、搭載型のカメラベースのホーミングシステムを使用して、ターミナル誘導が自律的に実現され得る。標的中立化デバイス(例えば、展開可能な網、銃など)が、必要に応じて(例えば、航空機プロセッサ216を介して)装備され得る。一旦、防衛的UAV102が、標的航空機104の所定の距離(例えば、近似的に50メートル)内にあると、カメラベースのシーカーシステムが、標的航空機104を走査し得る。
【0122】
防衛的UAV102が標的航空機104とのミサイルのような衝突コース上にある状態で、即時の機銃掃射パスが実行され得る。相対的な航空機の速度及び出会い角に応じて、これは打撃に十分であり得る。打撃がもたらされなければ、又は標的を「ロック」オンし続けるには閉鎖率(closure rate)が高過ぎるとみなされるならば、防衛的UAV102は、標的航空機104によってパスされ、第2のパスのためにラインアップし得る。その第2のパスは、トレーリング位置の中へ入る防衛的UAV102のより優れた速度及び操作性を利用することとなり、標的航空機104の比較的低速のアプローチ及び機銃掃射を許容する。機銃掃射操縦(又は一連の操縦)を実行するときに、航空防衛システム100は、更なる機能を実行しなければならない。第1に、航空防衛システム100は、動いており潜在的に操縦されている標的航空機104のトレーリング位置の中へ入るために、「交戦のための追跡」誘導計算を実行しなければならない。第2に、機銃掃射のための標的航空機104に対する適切な位置を維持するアプローチを設定しなければならない。第3に、MIDASは、そこから発砲するところの安定したプラットフォームを設定するために、速度制御、飛行経路角度制御、及び重力と風に対する調整を含み得る、機銃掃射アプローチを設定しなければならない。次に、標的中立化デバイス(又は他の兵器)それ自身が、標的航空機104に向けて操縦されなければならない。機銃掃射中に、操縦デバイス(タレット、ジンバル、又は他の機構)が、兵器を向けることとなる。航空防衛システム100は、カメラベースのシーカーの入力に基づいて、操縦デバイスの余剰の自由度を操ることとなる。例えば、シーカーは、(「穿孔された」)胴体自体に取り付けられ、(標的に向けて重心を操縦するために)輸送体加速コマンドを提供することから、(機銃掃射を実行するために)兵器を向けるコマンドへ論理スイッチされ得る。更に、防衛的UAV102の飛行経路に対する標的の上下方向及び方位角方向におけるずれは、ピッチ又はヨーするように防衛的UAV102又はそのサブ構成要素に命令することによって受け入れられ得る。これらの自由度が存在するならば、経路に対するオーバーピッチ又は側方スリップ飛行がもたらされ得る。この事例では、ヨー姿勢/胴体ピッチに対する長手方向/横方向の加速、速度、及び飛行経路のコマンドは、輸送体をカメラの視野内に維持し且つ標的に兵器を向けるために、注意深く混合されなければならない。
【0123】
防衛的UAV102が近くのトレールにあり、標的航空機104が照明を当てられ、且つ、標的中立化デバイスがシーカーシステムを使用して適正に位置合わされている状態で、標的中立化デバイスは、例えば、航空機プロセッサ216によってトリガされ得る。「機銃掃射モード」において標的を探し追跡することを単に続けることによって、損傷評価が実行され得る。標的がもはや追跡できなくなる、すなわち、標的が追跡するには速過ぎる速度で下向きに加速(落下)している状態になるまで、全てのシステムが、それらの照準動作を継続し得る。
【0124】
図7bは、展開及び交戦700b中の(1以上の)防衛的UAV102とC-RAM C2 システム110との間の例示的なメッセージ交換シーケンスを示している。ステップ714では、C-RAM C2 システム110が、脅威(例えば、標的航空機104)を特定する。C-RAM C2 システム110は、その脅威の現在の位置及び軌跡を決定し得る。ステップ716では、C-RAM C2 システム110が、(1以上の防衛的UAV102の最後の既知の位置に基づいて)脅威の近傍にあるそれらの1以上の防衛的UAV102を特定する。例えば、C-RAM C2 システム110は、脅威の現在の位置の所定の距離内で又は脅威の軌跡に沿って展開するための2以上の防衛的UAV102を特定し得る。ステップ718では、C-RAM C2 システム110が、ステップ716で特定された1以上の防衛的UAV102に、発射コマンドメッセージを送る(例えば、送信する)。発射コマンドメッセージは、標的の位置及び軌跡を含む。ステップ720では、発射コマンドメッセージに応じて、1以上の防衛的UAV102が、認識(確認)メッセージで応答する。C-RAM C2 システム110は、1以上の防衛的UAV102に軌跡の更新を周期的に送信し得る。1以上の防衛的UAV102の各々は、確認及びその予測された迎撃ポイントで応答し得る。ステップ721では、防衛的UAV102が、外部誘導モードの下で標的航空機に向けて操縦するように構成され得る。
【0125】
ステップ722では、防衛的UAV102が、局所的誘導モード(すなわち、搭載型センサを使用する自己誘導)に切り替わる。例えば、防衛的UAV102は、標的が防衛的UAV102の搭載型センサペイロードの範囲内にあるときに、局所的誘導モードに切り替わってもよい。局所的誘導モードでは、ステップ724において、C-RAM C2 システム110を計算された迎撃ポイントで周期的に更新し得る(例えば、そのポイントが変化する際に、又は単に周期的な規則的間隔でそのポイントを供給する)。防衛的UAV102は、標的との交戦(例えば、標的の打撃)まで局所的誘導モードにあり続けてもよい。例えば、防衛的UAV102は、搭載型の発射体、網を使用して、又は単に標的航空機104に衝突することによって、標的航空機104を打撃することができる。防衛的UAV102が、交戦後で動作可能であり続けるならば、防衛的UAV102は、ステップ726において、その健全性ステータスをC-RAM C2 システム110に報告し得る。健全性ステータスは、バッテリレベル、その飛行構成要素のステータス(例えば、搭載型システムの動作ステータス)を含み得る。健全性ステータスに応じて、C-RAM C2 システム110、(例えば、HMIデバイス114を介して)UAVコントローラ108、又は別のシステムは、後の回収のために自律的に着陸するか、又は別の標的と交戦するように、防衛的UAV102に指示命令し得る。可能なときに、防衛的UAV102は、ステップ728において、ベースメッセージへの返答を報告し、ホームベース又は他の所定の場所へ自律的に戻ることを試み得る。
【0126】
交戦後
標的航空機104が生き残ったならば(例えば、ニアミス)、更なる防衛的UAV102が、それに続き、標的航空機104が中立化される可能性を高めることができる。特定の態様では、標的航空機104が、標的航空機104が中立化される可能性を高めるために、多数のパスを行い得る。防衛的UAV102が、交戦に成功した後で生き残ったならば、その防衛的UAV102は、あらかじめ規定された回収ポイントへ自律的に戻り得る。加速及びバッテリ放電のために、防衛的UAV102は、再使用の前に再充電を必要とし得る。
【0127】
仮想現実ハードウェアインループセンサシミュレーション
仮想現実(VR)又は拡張現実(AR)シミュレーションシステムは、高い忠実度と高い写実性を有する、ナビゲーション自律アルゴリズムが開発され得る航空シミュレーション環境と、より少ない実験飛行時間で群1から群5までのうちからのUASのシミュレートされた環境に飛行特性を結合するアビオニクスキットと、の両方を生成するために使用され得る。VR及びARシミュレーションシステムは、概して、航空防衛システム100及び防衛的UAV102に関するものとして説明されることとなるが、VRシミュレーションシステムは、(空中であれ、地上であれ、又は海上であれ)事実上あらゆる輸送体に適用され得る。例えば、この種類のシステムは、自動車又は船のために使用され得る。それらは、2Dに限定され得るが、一方、航空システムは、3Dの解決策を必要とし得る。光学的なシミュレーションに加えて、レーダー、リーダー、感熱、又は他の感知モダリティーを使用するシミュレーションが考慮されている。VR又はARシミュレーションシステムは、航空操縦又は航空アクロバットを実行するときにも非常に都合よく働き得る。航空操縦に対して、人工的制約(隠れた狭い通路など)をシミュレートする能力は、システムテストのロバスト性を有効にすることができる。航空アクロバットに対して、この精密な位置付け能力は、飛行動力学における非線形性のより優れたモデル化を可能にすることとなる。
【0128】
グラフィックスソフトウェアエンジン(例えば、Unity3D又はUnreal)を使用し、防衛的UAV102の動きに緊密に結合された、航空シミュレーション環境が使用され得る。例えば、VRシミュレーションシステムは、防衛的UAV102の測定された位置及び姿勢に基づいて、仮想環境内の防衛的UAV102上の(例えば、センサペイロード226を介した)光学カメラによって捕捉され得る、模倣されたカメラ画像を(リアルタイムで又はほぼリアルタイムで)表示するために使用され得る。例えば、画像がVRシステム内で完全にシミュレートされ得る一方で、シミュレートされた構造物/物体は、ARシステム内の実際の画像に重ねられ得る。
【0129】
模倣されたセンサ/カメラの画像からのフィードバックに対する防衛的UAV102の応答は、仮想環境内の飛行テストを構成するために使用され得る。例えば、ナビゲーションシステム224(例えば、RTK GPS/INS)は、防衛的UAV102の位置及び姿勢を捕捉するために使用される一方で、レーダー、長波長赤外線、ソナー、リーダーなどを組み込んだ現在の光学カメラを超えたセンサモダリティーを模倣する。そのようなVR及びARシステムは、実験的飛行時間数を低減させることによって削減された費用で実行される新規なナビゲーション自律アルゴリズムを開発するプロジェクトを可能にし、飛行輸送体の事故に関連する危険性を低減させ、全ての潜在的なシナリオに対してアルゴリズムのロバスト性のモンテカルロの飛行ベースの検証の使用を可能にすることによってテストの適時性及び徹底性並びに評価結果を改良し得る。
【0130】
VRシミュレーションシステムは、感知及び回避などの特徴をテストするアルゴリズムを含み得る。それは、輸送体と輸送体との衝突遭遇において有用であることを証明することとなる。グラフィックスエンジンとしてUnity3D又はUnrealを使用する航空シミュレーション環境は、PhysX SDKの使用を支援する。それは、衝突を検出し、レイキャスティング(ray-casting)を実行し、剛体動力学、流体、及び粒子を解くことによって相互動作のリアルタイム性能及びロバスト挙動を可能にする。それは、スマートフォンからCPU及びGPUまでの幅広い範囲のデバイス上で支援されるスケーリング可能な解決策である。飛行中の実際の防衛的UAV102の航空能力を、GPUが駆動する物理的エンジンによって有効にされる視覚化能力と緊密に結合することは、従来の懸案中のハードウェアインループ(HIL)シミュレーションの解決策よりも、より多くの機能及びより大きい忠実度を有するシミュレーションインフラを生成することによって、より大きな能力を可能にする。埋め込まれた解決策を、空中又は地上にある障害物を容易に再構成し調整する能力を有するシミュレートされた環境内の実際の輸送体に結び付けることによって、テストの質が現在の標準から一桁大だけ大きく改良されることになると我々は信じる。
【0131】
図8を参照すると、VRシミュレーションシステム800は、概して、局所的なRTK GPS 806、シミュレーションコンピュータ802、及び局所的無線トランシーバー804を備え得る。VRシミュレーションシステム800は、ネットワーク228(及び関連するハードウェア)を介して間接的に接続された防衛的UAV102と通信可能に直接的に接続され得る。メモリデバイス802bに動作可能に接続されたプロセッサ802aを含む、シミュレーションコンピュータ802が使用されて、仮想現実感知と自律アルゴリズム(例えば、以下で説明されるGPS拒否シナリオ(SENsinG)内でSUASをナビゲートするためのシミュレーション環境及びアビオニクスキット)の両方を提供し得る。シミュレーションコンピュータ802は、ディスプレイデバイス(例えば、仮想現実ヘッドセット808、コンピュータモニタ810など)及び/又はユーザインターフェース812(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーンオーバーレイなど)などの、1以上のユーザデバイスと動作可能に接続され得る。仮想現実感知及び自律アルゴリズムへのデータ入力の際に、シミュレーションコンピュータ802は、局所的無線トランシーバー804のアンテナを介して、防衛的UAV102のGPS224a、IMU224c、及び航空機プロセッサ216と通信し、又はさもなければ、それらからデータを受信し得る。
【0132】
防衛的UAV102上では、GPS224aが、防衛的UAV102の位置に関してセンチメートルレベルの精度を提供し得る一方で、IMU224cは、9-DOFの姿勢情報を提供する。航空機プロセッサ216は、GPS224a及びIMU224cからのデータを、航空機無線トランシーバー222を介した伝送のための高忠実度輸送体状態(姿勢及び位置)情報と結合する。例えば、航空機プロセッサ216は、高忠実度輸送体状態情報を提供するために、拡張カルマンフィルタ(EKF)を使用してGPSデータとIMUデータを結合し得る。動作では、RTK GPSが低周波数の情報を提供する一方で、IMUは、高周波数の情報を提供する。そして、EKFは、平滑化された位置及び姿勢の出力を提供する。これらの2つのものを結合することによって、ほとんどの計算は地上で行われ、それによって、航空輸送体が最小のペイロードを有することを可能にする。RTK GPS及びIMUを利用することによって、仮想現実HIL SIMは、大きな防衛的UAV102を用いて野外で実行され得る。これは、自律アルゴリズムを空虚な空間でテストすることを可能にするが、仮想現実空間内の都市をシミュレートすることを可能にする。例えば、多くのアルゴリズムが、防衛的UAV102を破壊することなしにテストされ得る。
【0133】
シミュレーションコンピュータ802は、仮想現実センサ入力を生成するために、防衛的UAV102の状態情報を使用する。これらの入力は、自律アルゴリズムをテストするために使用される。自律アルゴリズムは、無線機を通じて防衛的UAV102にフィードバックすることができ、防衛的UAV102を制御する。例えば、局所的無線トランシーバー804のアンテナを介して、トランシーバー222越しに地上のVRシミュレーションシステム800へ情報が供給される。VRシミュレーションシステム800を使用して、シミュレーションコンピュータ802は、仮想現実センサ情報を決定し、その後、これらの認知された入力(自律アルゴリズム)に基づいて動作を行うように、防衛的UAV102を制御する。例えば、複数の無線機は、空中にある防衛的UAV102と、RTK GPS基地局、無線機、及びシミュレーションコンピュータ802を有する地上制御局と、の間で通信する。
【0134】
VRシミュレーションシステム800は、測定された位置及び姿勢に基づいて、仮想環境内の輸送体上の光学カメラによって捕捉され得る画像を、(リアルタイムで)描画する。模倣されたカメラの画像からのフィードバックに対する防衛的UAV102の応答は、仮想環境内の飛行テストを構成する。このプログラムの下で、航空視覚化の能力は、防衛的UAV102の位置及び姿勢を捕捉するRTK GPS/INS、及び現在の光学カメラを超える模倣された感知モダリティーを用いて、防衛的UAV102が野外へ飛行することを可能にするために拡張され得る。
【0135】
VRシミュレーションシステム800は、多数の機体プラットフォームによって利用され得るモジュール式のアビオニクスキットによって支援され得る。例えば、VRシミュレーションシステム800は、開発キット(例えば、Jetson TX1又はTX2)及びセンサを採用し、飛行コントローラ(例えば、F4先進飛行コントローラ)又は他の埋め込まれたプロセッサを介して飛行制御と相互作用し、RTK GPS/INSは、ほとんどのUASプラットフォームをサービスし得る。一態様では、モジュール式のアビオニクスキットが、キャリア基板(Jetson TX1)、1以上のカメラ、RTK GPS/INS、及びIMUを含み、多くのナビゲーション自律能力を有効にし得る。RTK GPS/INSをモジュール式のアビオニクスキットに追加することは、野外での実験を可能にし、それによって、現実的な環境状態(風、突風、温度など)の下でのより大きな範囲にわたる試験を可能にする。モジュール式のアビオニクスキットは、事実上、(60g未満の)ナノドローン(例えば、Parrot Rolling Spider Drone)から大きなペイロードを運搬する航空機までの範囲にわたる航空機上で使用され得る。
【0136】
図9aを参照すると、防衛的UAV102は、(その位置及び姿勢によって6次元の自由度を有するように説明される)現実世界空間600a内で移動する際に、防衛的UAV102上のセンサによって感知された現実世界空間600aは、シミュレーションコンピュータ802によって修正/拡張される。そのようなシミュレートされた環境内で感知入力を生成することによって、シミュレートされた障害物902は、仮想現実ヘッドセット808、コンピュータモニタ810、又はHMIデバイス114を介して、図9bで示されているように、生成され且つ表示され/重ねられ得る。シミュレートされた障害物902は、人工物体(例えば、建物、輸送体、電線など)及び/又は天然物体(例えば、木、山、鳥など)などの、動く又は静止した物体を含み得る。シミュレートされた障害物902は、容易に再構成され得る。したがって、そのような調整可能なシミュレートされた障害物902は、エンジニアが、防衛的UAV102の損傷の危険性を最小にした状態で、任意の標的を用いた無数の飛行テストを実行することを可能にする。何故ならば、障害物及び潜在的な衝突は、実験的に生成されるよりもむしろシミュレートされるからである。
【0137】
上述の特許及び特許公開は、それらの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。本明細書で参照されることによって組み込まれた参考文献における用語の定義又は使用法が、本明細書で提供される用語の定義又は理解と一貫せず又は矛盾する場合には、本明細書で提供されるその用語の意味が優先され、参考文献におけるその用語の定義は、必ずしも適用されない。部品、特徴などの特定の配置を参照しながら、様々な実施形態が説明されてきたが、これらは、全ての可能な配置又は特徴を網羅することを意図するものではなく、実際、多くの他の実施形態、修正例、及び変形例が、当業者に究明可能であろう。したがって、主たる開示の教示は、特に上述されていなくとも実施可能であることが理解されるべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図8
図9a
図9b